JP2016531152A - カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

カルボン酸成分とアルコール成分との反応によるカルボン酸エステルの製造方法であって、液体カルボン酸流を、エステル化条件下に維持される反応域の上部へ搬送する工程;アルコール蒸気流を、反応域の下部へ搬送する工程;カルボン酸流を前記アルコール流の向流に流して、生成物エステルを含む液体生成物流を形成する工程;反応域の頂部または頂部近傍から、未反応アルコール、水、およびエーテル副生成物を含む精製流を取り出す工程;精製流を精製域へ流し、前記流れを処理してその含水量を減少させ、反応域から除去された上部流の含水量よりも少ない含水量を有するエーテル含有流を形成する工程;および工程(e)からのエーテル含有流を、反応域へ再循環する工程を含む、方法。この方法のための装置も記載される。

Description

本発明は、カルボン酸エステルの製造方法に関する。代替の構成において、本発明は、カルボン酸エステルを製造するための装置に関する。より詳細には、本発明は、脂肪酸エステルを製造するための方法および装置に関する。より一層詳細には、本発明は、脂肪酸エチルエステルの製造に関する。
エステル化は、周知の平衡制約を受ける反応であり、一価、二価、もしくは多価カルボン酸、または適切な場合、酸無水物と、アルコールとの反応を伴う。アルコールは、一価、二価、または多価アルコールであり得る。
複数のエステル化トレイを有するカラム反応器内で、エステル化を実施するための方法が、その内容が参照により本明細書に援用される米国特許第5536856号に記載される。各エステル化トレイは、所定の液ホールドアップを有し、その上に個体エステル化触媒の充填を含有する。適切な触媒の例として、−SO3Hおよび/または−COOH基を含有する、イオン交換樹脂が挙げられる。脂肪酸混合物などのカルボン酸成分を含有する液相は、1つのエステル化トレイから次のトレイへ、上行するアルコール蒸気流に逆行してカラム反応器を流れ落ちる。アルコール蒸気は、好ましくはメタノールである。比較的乾燥したアルコール蒸気は、カラム反応器の底部に注入される。エステル化の水は、カラム反応器の頂部から蒸気流中へ除去され、エステル生成物は反応器の水だめから回収される。液体は、トレイを流れ落ちるにつれて徐々に乾燥剤アルコールと遭遇し、望ましい100%エステル形成へと向かってエステル化平衡がますます進む。
この方法は、とりわけメチルエステル類の形成に非常に効果的であるが、望みのエステルが、例えばエチルエステルである場合、この方法に必要な比較的乾燥したエタノールの調達において、経済的問題に直面する。これは、エタノールは水と共沸混合物を形成し、そこから分離することが困難であるためである。一般的に共沸エタノールは、約5重量%の水、および約95重量%のエタノールを含み、「含水」エタノールとして公知である。より詳細には、「含水」エタノールは、95.63wt%のエタノール、および4.37wt%の水であり得る。上述の方法に必要な乾燥エタノールを得る、適切な方法として、材料分離剤の添加、圧力スイング蒸留、および分子篩の使用が挙げられる。しかし、必要な乾燥エタノールを調達可能な方法は費用が掛かり、そのため、乾燥エタノールの使用は、エステル化反応の運転費用に影響を与える。
仮に含水共沸エタノールを前述の方法に使用すると、平衡制約のため、従来技術の構成で達成されるべき、脂肪酸から脂肪酸エチルエステルへの、完全、またはほぼ完全な変換を可能にするほど、エタノールは十分に乾燥していない。
脂肪酸エチルエステルは、性能、および物理的特性の観点から、現在市販されている、脂肪酸メチルエステルから形成されるバイオ燃料よりも、優れたバイオ燃料であることが示唆されており、脂肪酸エチルエステルの製造への関心が高まっている。そのため、脂肪酸エチルエステルの製造において、含水共沸エタノールを、効果的、および経済的に使用することを可能にする方法の提供が望ましい。アルコールの水からの分離は、他のアルコールにおいても問題となるため、所望の方法は、アルコールがエタノール以外である場合も利点を提供するであろう。
またエタノールは、適切な原料から発酵によって供給可能であるため、一般的に天然ガスや石炭ガス化燃料などの化石燃料から供給されるメタノールよりも、環境に優しい燃料の製造方法を提供する。
しかし、典型的なバイオディーゼルの仕様である酸価0.5を満たすためには、通常99.7から99.8%程度の、非常に高い脂肪酸の変換率が必要である。エステル化は平衡反応であるため、これを達成するのは非常に困難となる可能性がある。
有機酸エステルを製造するための1つの方法が、米国特許出願公開第2006/0014977号に記載される。この方法における反応は、単一カラム内の構造化充填物中で、酸触媒を用いる連続式向流反応蒸留によって行われる。一構成において、無水エタノール、またはエタノール/水混合物は、カラムの底部近傍に搬送され、水中の乳酸溶液はカラムの頂部近傍に搬送される。乳酸エチル生成物は、反応器の底部で除去される。一構成において、エタノール−水共沸混合物は、反応蒸留カラムに戻され再循環される。この方法は、含水エタノールの利用を可能にするように思われるが、バイオディーゼル製造に必要な変換率を有する生成物を製造しない。
含水アルコール蒸気流、とりわけ含水エタノールを使用し、カルボン酸をエステル化してエステルを製造する代替の方法が、その内容が参照により本明細書に援用される国際特許出願公開第2014/045034号に記載される。この方法は、液体カルボン酸流を、エステル化条件下に維持される第1の反応域の上部へ搬送する工程、約3から約8重量%の水を含む含水アルコール蒸気流を、第1の反応域の下部へ搬送する工程、カルボン酸流を含水アルコール流の向流に流して、生成物エステルおよび未反応カルボン酸を含む中間液体生成物流を形成する工程、中間液体生成物流を、エステル化条件下に維持される第2の反応域の上部へ流す工程、乾燥アルコール流を第2の反応域の下部へ搬送する工程、さらにカルボン酸が生成物エステルへと反応するよう、中間生成物を乾燥アルコール流の向流に流す工程、生成物エステル流を回収する工程、未反応アルコールおよび水を含む第1の流れを、第1の反応域から取り出す工程、前記流れを処理して含水量を減少させ、含水アルコール流を形成する工程、および前記流れを第1の反応域に搬送する工程、また任意で、未反応アルコールおよび水を含む第2の流れを第2の反応域から取り出す工程、および前記流れを第1の反応域に供給する工程を含む。
この方法は非常に効果的であり、従来技術の構成に対し著しい改善を提供するが、例えばジエチルエーテルなどのエーテル副生成物が生成する環境内で反応が行われる場合、カルボン酸の生成物エステルへの変換率は減少し得る。これは、生成するエーテル1モルにつき、水も1モル生成するためであり、この結果、エステル化の平衡位置が、より高いカルボン酸濃度へと後ろ向きにシフトする。
エタノール、またはより高級なアルコールをエステル化アルコールとして使用する場合、バブルポイント操作圧力を得るため、アルコールがメタノールである場合に必要とされるよりも高い、温度および液体濃度のアルコールが、エステル化カラムの基底部において必要である。これは、アルコール蒸気流が、反応ステージを通過してカラムを上行可能にするために必要である。操作圧力もまた、エステル化カラムの基底部において最大であると理解されるであろう。これらの、より高い温度および濃度は、結果としてより高度のジアルキルエーテル生成をもたらす。この問題は、反応器頂部に向かって見られる、より高い酸および水濃度よりも、カラムの基底部に向かって見られる、低酸、低水濃度で、エーテル生成が著しく高くなる傾向があるため、深刻化する。これは、エタノールが選択されるアルコールであり、ジエチルエステルが所望の生成物である場合にとりわけ留意される。
所望のジアルキルエステルが製造されても、エステル化による生成物流の質がバイオディーゼルの仕様要件を満たさない場合、さらなる処理が必要となるであろう。これは、一般的にポリッシング反応器内で行われる。エステル化カラム下流にポリッシング反応器が存在すると、当該方法の資本費用および運転費用が共に増大し、当該方法に必要なアルコールの総量が増加するため、不利である。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]米国特許第5536856号明細書
[特許文献2]米国特許出願公開第2006/0014977号公報
[特許文献3]国際特許出願公開第2014/045034号公報
従って、エーテル副生成物が生成する場合に、カルボン酸の、生成物エステルへの達成すべき高変換率を可能にする方法が求められる。当該方法は、とりわけ「含水」アルコールを使用する場合に求められる。驚くべきことに、ジアルキルエーテルのエステル化カラム基底部への再循環を導入することで、必要とされる、所望のエステルへの変換が達成可能であることが見出された。
従って、本発明によると、カルボン酸成分とアルコール成分との反応によるカルボン酸エステルの製造方法であって、
(a)液体カルボン酸流を、エステル化条件下に維持される反応域の上部へ搬送する工程;
(b)アルコール蒸気流を、反応域の下部へ搬送する工程;
(c)カルボン酸流をアルコール流の向流に流して、生成物エステルおよびエーテル副生成物を含む液体生成物流を形成する工程;
(d)反応域の頂部または頂部近傍から、未反応アルコール、水、およびエーテル副生成物を含む精製流を取り出す工程;
(e)精製流を精製域へ流し、前記流れを処理してその含水量を減少させ、反応域から除去された精製流の含水量よりも少ない含水量を有するエーテル含有流を形成する工程;および
(f)工程(e)からのエーテル含有流を、反応域へ再循環する工程
を含む方法が提供される。
含水量が減少したエーテル副生成物流を再循環することで、従来技術の方法が達成可能な変換率よりも高い、カルボン酸の、生成物エステルへの変換率が達成される。本発明の1つの利点は、例えばポリッシング反応器内での、生成物エステルの分離プロセスを必要とすることなく、エーテル副生成物の存在中で、カルボン酸の、生成物エステルへの所望の変換率が達成できることである。
何れの理論にも縛られることを望まないが、含水量が減少したエーテル流のエステル化域の下部への導入は、所望の反応に好ましい方法で、反応域基底部内の気液平衡動力学を変化させると考えられる。例えば、アルコールがエタノールである場合、ジエチルエーテル(NBP=34.6℃)は、エタノール(NBP=78.3℃)よりも著しく揮発性が高く、従来達成可能であったよりも著しく低い温度、およびアルコール濃度で、カラム基底部の運転を可能にする。これは次いで、下部トレイ上のジエチルエーテルの形成率を著しく減少させ、所望の変換が達成可能となる。
ジエチルエーテルは、エタノールおよび水よりも揮発性が高いため、ジエチルエーテルをそれらの成分から分離し、反応域へ再循環するための、含水量が減少したジエチルエーテル流を形成することは、エタノールを水から分離するよりもずっと容易である。同様の利点は高級アルコールで達成される。
再循環されるエーテルが、三相混合を容易にし、エステル化水の除去を促進する不活性物質であると見なすことができることは、さらなる利点である。再循環されるエーテルは反応の副生成物であるため、従来技術の体系で必要な、窒素などの外部不活性物質を添加する必要性を回避し得る。
ジエチルエーテルなどのジアルキルエーテルは、水、および当該ジアルキルエーテルが形成されるアルカノールよりも、より一層揮発性が高く、ジアルキルエーテルをそれらから分離することは比較的容易であると考えることができるが、約1.25重量%と比較的低濃度ではあっても、水と共沸混合物を形成する。これにより、より少ない含水量の分離は困難となる。しかし、驚くべきことに本発明の発明者らは、水は優先的にアルコールと結合するため、少量の乾燥補給アルコールの精製域への添加が、ジアルキルエーテルの含水量の減少を助け、含水量が減少したジアルキルエーテル流を形成することを見出した。従って、本発明の一構成によると、乾燥アルコールが精製域に添加される。
一構成において、カルボン酸の、生成物エステルへの変換率は、少なくとも約99.0%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、または少なくとも約99.8%である。その結果、生成物エステルは、0.5mgKOH/g以下の酸価を有し得、従って、バイオディーゼルの要件を満たし得る。
エステル化反応は、任意の適切な反応域内で行い得る。一構成において、反応域は単一反応器であり得る。一構成において、反応域は、複数のエステル化トレイを含むであろう。2つ、または3つのトレイで十分な場合もあるが、通常反応域は、少なくとも約5から約40個、またはそれ以上のエステル化トレイを反応域内に備える必要があるであろう。
通常各エステル化トレイは、各トレイ上の液体に約1分から最長約120分、好ましくは約5分から約60分の滞留時間を提供するよう設計される。
一構成において、反応域でのエステル化反応は、触媒の存在中で行われ得る。任意の適切な触媒が使用され得る。適切な触媒として、−SO3Hおよび/または−COON基を含有する酸性イオン交換樹脂が挙げられる。この種類のマクロレティキュラー樹脂が有用であり得る。適切な樹脂の例は、Amberlyst13、Amberlyst66、Dow C351、およびPurolite C150などの「Amberlyst」、「Dowex」、「Dow」、および「Purolite」の商標で販売されるものである。
触媒を反応域内で使用する場合、異なるトレイで異なる触媒を使用し得る。さらに、異なるトレイで異なる濃度の触媒を使用し得る。
存在する場合、各トレイ上の触媒の充填は、通常少なくとも0.2%w/vの樹脂濃度に相当する、そのトレイ上の触媒:液体比を提供するのに十分な、例えば乾燥樹脂として計算して約2%w/vから約20%w/v、好ましくは5%w/vから10%w/vの範囲の樹脂濃度である。関連する運転条件で選択される滞留時間内に、そのトレイ上で確立するべき平衡または平衡近傍状態を可能にするため、十分な触媒を使用する必要がある。しかし、各トレイ上で使用される触媒の量は、下方のトレイより入る蒸気の上昇で生じる攪拌により、そのトレイ上の液体中で懸濁液中の触媒の維持が難しくなるほど多くてはならない。典型的な樹脂触媒は、約2%v/vから約20%v/v、好ましくは5%v/vから10%v/vの範囲の樹脂濃度で使用され得る。
触媒の粒子径は、スクリーンまたは類似のデバイスによって、各トレイ上に触媒を保持することを容易にするほど十分に大きい必要がある。しかし、触媒の粒子径が大きいほど触媒を懸濁液中で維持することが難しくなり、1グラムあたりの幾何学的表面積が小さくなるため、大きすぎない触媒の粒子径を使用することが適当である。適切な触媒の粒子径は、約0.1mmから約5mmの範囲内である。
一構成において、触媒を含む任意の反応域の上方に処理層が位置し得、カルボン酸成分中に存在し得る、金属などの潜在的な樹脂毒を除去する。そのような毒は、天然の酸、または例えば食用油由来の酸を使用した場合に存在し得る。
生成物、溶媒、および/または試薬の反応域からの損失を防ぐため、1つまたは複数の洗浄トレイをエステル化トレイ上方に設け得る。
含水量が減少したエーテル流は、反応域内の、任意の適切な場所に再循環され得る。反応域が単一反応器である場合、含水量が減少したエーテル流は、一般的に反応域の下部に再循環されるであろう。
代替の一構成において、反応域は、それぞれ個別の上部および下部を有する、第1の反応域および第2の反応域に分割され得る。第1および第2の反応域は、異なる反応容器中に位置し得、または単一反応容器内の独立する区域であり得る。便宜上、第1および第2の反応域は、酸供給の流れの方向で順序付けられる。
反応域が第1および第2の反応域を含む場合、エーテル処理のために除去される精製流は第1の反応域の上部から取り出され得、また、反応域に再循環される含水量が減少したエーテル流は、第2の反応域の下部へ、および任意で第1の反応域の下部へ搬送され得る。
第1および第2の反応域が存在する場合、トレイの分割は、第1と第2の反応域の間で同一であっても異なっていてもよい。一構成において、第1の反応域は、第2の反応域よりも多くのトレイを有し得る。具体的には、第1の区域は約10個のトレイを有し得、第2の区域は約5個のトレイを有し得る。
第1および第2の反応域が存在する場合、好ましくは液体カルボン酸流状のカルボン酸成分は、第1の反応域の上部へ搬送され得る。アルコール成分との接触を最大にするため、液体カルボン酸流は、第1の反応域内の可能な限り高位に供給され得る。
含水アルコール蒸気流状であり得るアルコール成分は、第1の反応域の下部へ搬送され得る。カルボン酸成分は、第1の反応域中をアルコール成分に対向して流すことができ、好ましくは液相の、生成物エステルおよび未反応カルボン酸を含む中間生成物流を生成する。
この構成において、中間生成物流は第2の反応域の上部へ搬送され得る。中間生成物流は、第2の反応域へ搬送される前に冷却を必要とし得る。一般的に冷却の必要性は、適切な反応条件を維持しつつ、第2の反応域中のエーテル形成を最小化する要件によって決まるであろう。例えば流れは、約110℃から約200℃の温度から、約70℃から約130℃の温度に冷却され得る。補給アルコールは、好ましくは乾燥アルコール蒸気流状であり、第2の反応域、好ましくはその下部へ搬送され得る。さらにカルボン酸が生成物エステルへと反応するよう、中間生成物流を、第2の反応域中へアルコール成分に対向して流すことができる。生成物エステル流は、第2の反応域から回収され得る。
この構成において、エステル化の大部分は、一般的に第1の反応域内で行われるであろう。好ましくは、おおよそ90%から95%のカルボン酸の変換は第1の反応域内で行われ、残余は第2の反応域内で行われる。
任意で、第1および第2の反応域が存在する構成において、エーテル副生成物、未反応アルコール、および水を含む第2の流れは、第2の反応域から第1の反応域へ流れ得る。この場合、第2の流れが単純に上方へ流れて第1の反応域へ入るよう、第2の反応域が第1の反応域の直下に位置することは有利である。
第1および第2の反応域が存在する場合、第1の反応域内の反応は、独自の触媒の非存在下で行われ得る。すなわち、第1の反応域内の反応は自触媒反応であり得る。代替的に、第1の反応域の少なくとも一部には触媒が無くてよい。この第1の反応域内の触媒の無い領域は、一般的に反応域の頂部に向かって位置するであろう。
反応域にいずれの構成を用いても、未反応アルコール、エーテル副生成物、および水を含む精製流は、反応域から除去され、含水量が減少するよう処理される精製域へ流れる。一般的にこの流れ中のアルコールは、比較的多い含水量を有するであろう。反応域および精製域は、異なる容器中に位置し得、または単一容器内の独立する区域であり得る。
反応域が第1および第2の反応域を含む構成において、精製流は、第2の反応域の上部から除去され、精製域へ流れ得る。この構成において、第1の反応域は精製区域から再循環されるアルコールのみを受け得、第2の反応域からの蒸気は直接搬送されない。
未反応アルコールは、精製域内で処理され得る。精製域が、単独で、またはエーテルリファイナと組み合わせてアルコールリファイナを含む場合、アルコールはアルコールリファイナ内で処理され、含水量が減少し、第1の反応域の下部へ再循環され得る含水アルコール流が形成される。
精製域がアルコールリファイナを含む場合、エーテル副生成物は、アルコールリファイナ頂部に向かって位置するパスツリゼーション区域内で減らされた含水量を有し得る。一構成において、アルコールリファイナは蒸留カラムであろう。蒸留カラムは、任意の適切な条件で運転され得る。一構成において、蒸留カラムが有し得る圧力は、約0.1baraから約15baraである。一代替形態において、圧力は約1.0バールから約3.0バールである。カラムの温度は、約5℃から約200℃であり得る。一代替形態において、温度は約35℃から約120℃である。精製域のエーテルパスツリゼーション部内の圧力は、約0.1baraから約15baraであり得る。一構成において、圧力は約1.0baraから約1.6baraであり得る。この区域内のカラムの温度は、約35℃から約160℃であり得る。一構成において、温度は約45℃から約120℃であり得る。
他の構成において、エーテル精製カラムは、アルコール精製カラムから分離していてもよい。この構成において、アルコール、水、およびエーテルを含有するアルコール精製カラム頂部からの流れは、エーテル精製カラムへ流れる。エーテル精製カラムへ流れる流れの含水量よりも少ない含水量を有するエーテルは、エーテル精製カラムの頂部または頂部近傍から除去され、エステル化反応へ再循環される。
アルコールおよびエーテル精製カラムが分離していても、単一カラム内で統合されていても、乾燥エタノール補給物は、エーテル精製カラムの頂部または頂部近傍で供給され得、水からのエーテルの分離を補助する。
他の構成において、エーテル流からの水の除去を補助するため、精製域は、充填層と組み合わせてアルコールリファイナを含み得る。一構成において、充填層は、分子篩で充填され得る。この構成において、未反応アルコールおよび任意のエーテルは、アルコールリファイナ内で処理され得、含水量が減少し、含水アルコールを形成する。含水アルコールは次いで分子篩装置へ流れ、乾燥アルコールおよびエーテル流を形成する。この処理は、結果として得られる、含水量が減少したエーテル流が混合乾燥アルコール/エーテル流となるよう、エーテル副生成物処理と同時に起こり得る。乾燥アルコール/エーテル流は、第1および第2の反応域双方の下部へ、または反応域の下部へ搬送され得る。
一構成において、エーテルおよびアルコールが共に再循環される場合、含水アルコール補給物は、精製域からの含水エーテルおよびアルコール再循環と共に充填層へ供給され得、より少ない含水量を有する、混合したエーテルおよびアルコール流は反応域へ返送される。これは充填物が分子篩である場合、特に重要であり得る。
ジエチルエーテルなどのエーテルは、エタノールなどのアルコール、および水よりも揮発性が高いため、エーテルをそれらの成分から分離し、反応域へ再循環するための乾燥ジエチルエーテル流を形成することは比較的容易である。
反応域へ返送されるエーテルは、反応カラム頂部から除去される流れ中の、反応域から除去されたエーテルよりも低い含水量を有するであろう。一構成において、反応域へ返送されるエーテルは、約0.01重量%から約1重量%、好ましくは約0.01重量%から約0.2重量%の含水量を有し得る。
カルボン酸成分は、カルボン酸流として反応域へ供給され得る。好ましくは、カルボン酸成分は液相である。
本発明の方法は、モノエステルの製造を目的とし得る。モノエステル化反応の例として、アルコールおよび脂肪式モノカルボン酸からの、脂肪族モノカルボン酸アルキルエステルの製造が挙げられる。任意の適切なモノカルボン酸が使用され得るが、一構成において、モノカルボン酸は、約6から約26個の炭素原子を含有し得、さらにそれらの2つまたはそれ以上の混合物を含み得る。モノカルボン酸の例として、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オクタデセン酸、リノール酸、エイコサン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸、およびそれらの2つまたはそれ以上の混合物が挙げられる。
天然に存在する、ココナッツ油、菜種油、およびパーム油などの植物由来トリグリセリド、ならびにラード、獣脂、および魚油などの動物由来トリグリセリドの加水分解により、脂肪酸の混合物は商業的に製造される。必要に応じてそのような酸の混合物を蒸留して、選択温度よりも低い沸点を有する低沸点酸(例えばC8〜C10の酸)を除去することで、酸の「トップ(topped)」混合物を生成し、または第2の選択温度よりも高い沸点を有する高沸点酸(例えばC22+の酸)を除去することで、酸の「テール(tailed)」混合物を生成し、または低および高沸点酸の両方を除去することで、酸の「トップおよびテール(topped and tailed)」混合物を生成することができる。結果得られた混合物は、反応域へ供給されるカルボン酸成分であり得る。
脂肪酸混合物は、オレイン酸などのエチレン性不飽和酸を含有し得る。
一代替形態において、本発明の方法はジエステル化の実施に使用され得る。従って、方法は、C4〜C18、飽和および不飽和、脂肪族および脂環式ジカルボン酸のジアルキルエステルの製造に使用することができる。これらは、アルコールと、ジカルボン酸もしくはその無水物との、またはジカルボン酸およびその無水物の混合物との反応により製造することができる。シュウ酸ジアルキル、マレイン酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、フマル酸ジアルキル、グルタル酸ジアルキル、ピメリン酸ジアルキル、およびアゼライン酸ジアルキルが、本発明の方法によって製造され得るジカルボン酸エステルの例示である。適切なカルボン酸の他の例示は、テトラヒドロフタル酸である。これらのジカルボン酸のC1〜C10アルキルエステルがとりわけ興味深い。遊離ジカルボン酸、もしくはその無水物(そのようなものが存在する場合)、またはジカルボン酸および無水物の混合物のいずれをも、そのようなジアルキルエステルの製造のカルボン酸成分出発物質として使用することができる。
7〜C20芳香族モノカルボン酸、およびその混合物のアルキルエステルは、本発明の方法によって作ることができる。安息香酸および1−ナフトエ酸が、そのような酸の例示である。
8〜C20芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルもまた、本発明の方法によって、酸、それらの無水物、およびそれらの混合物から製造することができる。
本発明の方法によって、多価カルボン酸のポリアルキルエステルを製造することも可能である。適切な多価カルボン酸部分として、例えばクエン酸、およびピロメリト酸二無水物などが挙げられる。
本発明の方法によって、二価アルコールおよび多価アルコールのカルボン酸エステルを製造することができる。それらのエステルとして、エチレングリコールジホルマート、エチレングリコールジアセタート、プロピレングリコールジホルマート、プロピレングリコールジアセタート、グリセリルトリアセタート、ヘキソースアセタート類、ならびにソルビトール、マンニトールおよびキシリトールのアセタート、プロピオナート、およびn−ブチラートエステル類などが挙げられる。
反応域へ供給されるカルボン酸流は、カルボン酸の混合物を含む流れであり得ることが理解されるであろう。
アルコール成分は、アルコール流として反応域に供給され得る。アルコール成分は、反応域内の条件下で蒸気であることが好ましい。
適切なアルコールとして、炭素原子を1から10個有するものが挙げられる。しかし、一般的にジメチルエーテルの有する沸点は−24℃と低く、従って適度な圧力で濃縮することが難しく、チラーユニットが必要となる可能性があるため、アルコールがメタノールである場合、本発明の方法は概して経済的に有益でない。一構成において、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、およびペンタノールなど、アルコールは2から5個の炭素原子を有する。本発明で使用するアルコールとして、メタノールおよびエタノールが特に好ましい。一構成においてアルコールの混合物を用いてもよい。一構成における混合物は、メタノールおよびエタノールの混合物、またはメタノール、エタノール、およびプロパノールおよび/またはイソプロパノールの混合物であり得る。
アルコールは、含水アルコール流、または従来型の乾燥アルコールとして提供され得る。「含水」アルコールは、共沸混合物量以上の水を有するアルコールを意味し、「乾燥」アルコールは、共沸混合物よりも少ない含水量を有するアルコールを意味する。より具体的には、アルコールがエタノールである場合、含水アルコールは約4.4wt%以上の水を含み得、乾燥アルコールは約4.4重量%未満の水を含み得る。一般的にバイオディーゼルでの使用に適切な生成物を製造することが望まれる場合、乾燥アルコール流が用いられるであろう。
反応域内で要求される反応条件は、その反応に選択される、カルボン酸成分およびアルコール成分によって決まるであろう。第1および第2の反応域が存在し、とりわけアルコール成分がエタノールである一構成において、第1の反応域は、約90℃から160℃の範囲、好ましくは約120℃から約130℃の範囲の温度を必要とし得る。第2の反応域は、約70℃から約150℃の範囲、好ましくは約90℃から約120℃の範囲の温度を必要とし得る。
反応域内の典型的な操作圧力は、約0.1バールから約20バール、好ましくは約1.8バールから約3.4バールである。第1および第2の反応域が存在する場合、第1の反応域は、好ましくは第2の反応域よりも低い圧力で操作される。
本発明の他の態様によると、カルボン酸成分とアルコール成分との反応によるカルボン酸エステルの製造方法に使用するための装置であって、
液体カルボン酸供給物導入のための上部入口、補給アルコール導入のための下部入口、生成物エステルを取り出すための下部出口、エーテル副生成物および水を含む精製流を取り出すための上部出口、および精製域からの含水量が減少したエーテルを導入するための入口を含み、エステル化条件下で動作するように構成された反応域;
反応域からの精製流を精製域へ搬送する導管;
反応域から上部流を受けるための入口、および含水量が減少したエーテルを除去するための出口を含み、出口で除去されたエーテルが、入口へ搬送されたエーテルよりも少ない含水量を有するよう動作するように構成された前記精製域;ならびに
含水量が減少したエーテルを、含水量が減少したエーテルを反応域へ導入するための入口へ返送する導管
を含む装置が提供される。
好ましい構成において、反応域は、含水量が減少したアルコールを導入するための入口をさらに含み、精製域は、含水量が減少したアルコールを除去するための出口をさらに含み、精製域は、出口で除去されるアルコールが入口への供給物よりも低い含水量を有するよう動作するように構成されており、装置は、含水量が減少したアルコール流を反応域への入口へ再循環する導管をさらに含むであろう。
任意の適切な反応域の構成が使用され得る。適切な構成の例は本発明の方法に関連して上述された。特に反応域は、第1および第2の反応域を含み得る。
任意の適切な精製域の構成が使用され得る。適切な構成の例は本発明の方法に関連して上述された。特に反応域は、第1および第2の反応域を含み得る。
ここで添付図面を参照し、例示として本発明を説明する。
本発明の第1の態様に係る方法の略図である。 本発明の第2の態様に係る方法の略図である。 本発明の第3の態様に係る方法の略図である。 実施例1のモル組成プロファイルを示す三元図である。
図は図式であり、商業プラントにおいては、還流、ドラム、ポンプ、真空ポンプ、温度センサー、圧力センサー、圧力安全弁、調節弁、流量制御装置、レベル制御装置、保持タンク、貯留タンクなどの、さらなる装備品が必要とされ得ることを当業者は理解するであろう。そのような付属の装備品の提供は本発明の一部を形成せず、従来の化学工業実務に従う。
本発明の一構成が図1に図式的に説明される。カルボン酸を含む流れは、ライン1から第1の反応域2へ添加される。これは下方へ流れ、次第に乾燥するアルコール蒸気流と接触する。アルコールは含水アルコールであってもよく、ライン3から第1の反応域へ添加される。含水アルコール流は、上方へ移動しながら、下降するカルボン酸と反応して、エーテル副生成物および水と同時に生成物エステルを形成する。含水アルコール流およびエーテル副生成物は、上方へ移動し、エステル化およびエーテル化反応で生成する水のため、より水を含んだ状態となる。
反応水、初期アルコール流中の水、未反応アルコール、およびエーテル副生成物を含有する蒸気は、ライン8で除去される。この流れは、蒸留カラムなどのアルコールリファイナ9へ搬送され、ここで余分な水がアルコールおよびエーテル副生成物から分離され、ライン11で除去される。エーテルからの水の分離を促進するため、一構成において、乾燥アルコール補給流が、ライン15でアルコールリファイナ9へ提供され得る。含水アルコールは、リファイナ9からライン10で返送され、そこから含水アルコールを第1の反応域2へ搬送するライン3へ送られる。
ライン8でリファイナ9へ搬送されるエーテルよりも少ない含水量を有するエーテル流は、リファイナ9頂部から除去され、ライン13で第2の反応域5底部へ搬送される。
エステル生成物および未反応カルボン酸を含む中間生成物流を含む液体流は、第1の反応域2の基底部から除去され、ライン4で冷却器14を介して第2の反応域5へ搬送される。この流れは、第2の反応域5を通過し下方へ流れ、蒸気性の乾燥剤アルコールおよびエーテルと次第に遭遇する。乾燥補給アルコールは、ライン6へ添加される。生成物エステルは、ライン7で反応器から除去される。
エステル化およびエーテル化の水、ならびに再循環および副生成物エーテルと共に、未反応アルコールは、ライン12で第2の反応域の頂部から除去され、第1の反応域2の底部へ流れる。この流れは含水アルコールを含むであろう。
この方法は、2段反応域、および含水アルコールの使用に関連して説明されているが、従来の単一反応域系、または多区域反応系に、リファイナ9の構成を適用可能であることは、容易に理解されるであろう。
図1で説明される方法の一部の変更点を図2に示す。図2の系の、図1と同じ構成要素は、同一の参照番号を有し、それらの機能は図1に関連して記載したとおりである。
一構成において、図1のエタノールリファイナ9は、名目上アルコール精製カラムおよびエーテル精製カラムと称され得る、2段精製カラム構成と置き換えられる。この構成において、ライン8で第1の反応域から除去された蒸気はアルコールリファイナ9へ搬送され、ここで余分な水がアルコールおよびエーテル副生成物から分離され、ライン11で除去される。含水アルコール流は、ライン10を介して第1の反応域へ返送される。
流れ中のエーテル副生成物は、アルコールリファイナ9頂部へ上行し、ライン17で独立するエーテルリファイナ16へ搬送される。さらに余分な水がエーテルリファイナ16中のエーテルから分離される。一部のアルコールもリファイナ中で分離され得る。この余分な水、および任意でアルコールは、ライン18でエーテルリファイナ16の底部からアルコールリファイナ9へ返送される。エーテルリファイナ16へ搬送される流れよりも少ない含水量を有するエーテル流は、ライン13で第2の反応域の底部へ搬送される。乾燥アルコール補給流は、ライン15でエーテルリファイナへ提供される。
さらなる構成が図3に説明される。この構成において、第121および第222の反応域は、単一の容器に統合される。カルボン酸を含む流れは、ライン20において第1の反応域21へ添加される。この流れは下方へ流れ、ライン23で反応器へ添加される、次第に乾燥するアルコール/エーテル蒸気流と接触する。一部が反応したカルボン酸流は、第2の反応域22へ下降を続け、ライン32で添加される乾燥アルコール/エーテル蒸気流、およびライン24で添加される乾燥補給アルコールと接触する。生成物エステルはライン25で除去される。エーテルおよびアルコールのすべてがライン32を介して添加される場合、第1および第2の反応域は単一の反応域に事実上統合される。
乾燥アルコール/エーテルは、第2の反応域を通過し上方へ流れるにつれて、エステル化およびエーテル化の水を集め、第1の反応域21へ到達する時までに、含水アルコール/エーテル流となる。含水流は、含水流が追加のエステル化およびエーテル化の水を補足する第1の反応域21を通過して、上方へ移動する。この流れはライン26で回収され、余分な水をアルコールおよびエーテル成分から分離するアルコールリファイナ27へ送られ、ライン28で除去される。残りの流れである、アルコールおよびエーテルの含水流は、アルコールリファイナ27の頂部から除去され、ライン29で分子篩装置30へ搬送されるであろう。
分子篩装置30内で、さらに余分な水がアルコールおよびエーテル成分から分離され、非常に少ない含水量の、すなわち共沸混合物の水準未満の乾燥アルコール/エーテルの流れを形成する。この乾燥アルコール/エーテルの流れは、ライン23で第1の反応域21へ、またライン32で第2の反応域22へ搬送されるであろう。余分な水、ならびに一部のエーテルおよびアルコールは、ライン31で分子篩装置30からアルコールリファイナ27へと流れ、分子篩装置30へ送り返す前に、エーテルおよびアルコールがさらに精製され、水がライン28で除去される。含水量が十分に低くない場合、任意で、すべての補給アルコールはライン33で分子篩装置30へ送られ得る。
ここで本発明を、以下の実施例を参照して説明する。実施例はとりわけジエチルエーテルおよびエタノールの再循環に関するが、記載の方法は、他のアルコールおよびエーテル副生成物にも同様に適用可能であることが理解されるであろう。
エタノール、ジエチルエタノール、および水を含有する蒸気流(流れ1)を、第1の反応域から取り出し、エタノールリファイナへ搬送した。エタノールリファイナは、最大1.45baraで運転される、58段エタノール蒸留カラムであった。流れは、カラムの基底部から6段目のエタノールリファイナ中へ搬送された。流れがカラムを上行するにつれて、余分な水がエタノールおよびジエチルエーテルから分離された。
液相の含水エタノール流(流れ2)は、カラムの基底部から45段目のエタノールリファイナから取り出され、第1の反応域の基底部へ搬送された。余分な水の流れ(流れ3)は、エタノールリファイナの基底部から取り出され、廃棄される。
液相の乾燥ジエチルエーテル流(流れ4)は、エタノールリファイナの頂部から取り出され、第2の反応域の基底部へ搬送された。
流れ1から4の各々に対し、質量流量率、モル分率、質量分率、全流量率、および温度を記録した。データを下の表1に示す。
結果より、エタノールリファイナにおける処理は、首尾よく水をジエチルエーテル副生成物から分離し、水のモル分率0.007および水の質量分率0.002の乾燥ジエチルエーテル流(流れ4)を形成することがわかる。カルボン酸の生成物エステルへの変換率を減少させることなく、乾燥ジエチルエーテル流を反応域へ搬送することができる。
図4は、ジエチルエーテルパスツリゼーションに伴う、58段エタノールカラム内の組成のモル換算三元プロットを表す。

Claims (16)

  1. カルボン酸成分とアルコール成分との反応によるカルボン酸エステルの製造方法であって、
    (a)液体カルボン酸流を、エステル化条件下に維持される反応域の上部へ搬送する工程;
    (b)アルコール蒸気流を、前記反応域の下部へ搬送する工程;
    (c)前記カルボン酸流を前記アルコール流の向流に流して、生成物エステルを含む液体生成物流を形成する工程;
    (d)前記反応域の頂部または頂部近傍から、未反応アルコール、水、およびエーテル副生成物を含む精製流を取り出す工程;
    (e)前記精製流を精製域へ流し、前記流れを処理してその含水量を減少させ、前記反応域から除去された上部流の含水量よりも少ない含水量を有するエーテル含有流を形成する工程;および
    (f)工程(e)からの前記エーテル含有流を、前記反応域へ再循環する工程
    を含む、方法。
  2. 乾燥アルコールが前記精製域へ添加される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応域が、1つの反応域、または第1および第2の反応域を含む2つの反応域であって前記第1の反応域が前記第2の反応域の上方に位置し得る、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記含水量が減少したエーテル流が、単一反応域の下部へ再循環される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記含水量が減少したエーテル流が、2つの反応域の構成における第1の反応域の下部へ再循環される、請求項3に記載の方法。
  6. 前記精製域が、単独で、またはアルコールリファイナと組み合わせて、エーテルリファイナを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. アルコールが前記アルコールリファイナ中で処理されて含水量が減少して、含水アルコール流が形成され、これが前記反応域へ再循環される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記エーテルの含水量が、前記アルコールリファイナの頂部に向かって位置するパスツリゼーション区域内で減少する、請求項6または7に記載の方法。
  9. エーテル精製カラムが、アルコール精製カラムから独立している、請求項6または7に記載の方法。
  10. 乾燥エタノール補給物がエーテル精製カラムへ供給される、請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記エーテルから水を除去するため、前記精製域が、充填層と組み合わせてアルコールリファイナを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記充填層が分子篩で充填される、請求項11に記載の方法。
  13. 水を除去するため、含水アルコール補給物が前記充填層に供給される、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記アルコールがエタノールである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. カルボン酸成分とアルコール成分との反応によるカルボン酸エステルの製造方法に使用するための装置であって、
    液体カルボン酸供給物導入のための上部入口、アルコール導入のための下部入口、生成物エステルを取り出すための下部出口、エーテル副生成物および水を含む精製流を取り出すための出口、および精製域からの含水量が減少したエーテルを導入するための入口を含み、エステル化条件下で動作するように構成された反応域;
    前記反応域からの上部流を精製域へ搬送する導管;
    前記反応域からの前記精製流を受けるための入口、および含水量が減少したエーテルを除去するための出口を含み、前記出口で除去されたエーテルが、前記入口へ搬送されたエーテルよりも少ない含水量を有するよう動作するように構成された前記精製域;ならびに
    前記含水量が減少したエーテルを、含水量が減少したエーテルを前記反応域へ導入するための前記入口へ返送する導管
    を含む、装置。
  16. 前記反応域が、含水量が減少したアルコールを導入するための入口をさらに含み、前記精製域が、含水量が減少したアルコールを除去するための出口をさらに含み、前記精製域が、前記出口で除去されたアルコールが前記入口への供給物よりも低い含水量を有するよう動作するように構成されており、前記装置が、前記含水量が減少したアルコール流を前記反応域への前記入口へ再循環する導管をさらに含む、請求項15に記載の装置。
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