JP2016522254A - Bace阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式IIIの化合物:【化79】(式中、Aは【化80】であり、Z、R1、R2、R3およびR4は本明細書に定義される通りである)またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、新規BACE阻害剤、該化合物を含む医薬組成物、生理的障害を治療するために該化合物を使用する方法、ならびに該化合物の合成に有用な中間体およびプロセスに関する。
本発明は、アルツハイマー病ならびにアミロイドβ(Aβ)ペプチド、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の神経毒および高い凝集性のペプチド断片に関する他の疾患および障害の治療の分野である。アルツハイマー病は、世界中で数百万人の患者に影響を与える破壊的な神経性変性障害である。現在、患者に対する症状の有益性を一時的にのみ与える市販されている承認されている薬剤を考慮しても、アルツハイマー病の治療において重要で満たされていない必要性が存在する。
アルツハイマー病は、脳におけるAβの生成、凝集、および沈着によって特徴付けられる。β−セクレターゼ(β部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素;BACE)の完全または部分的な阻害は、マウスモデルにおいてプラークに関連したおよびプラークに依存した病理に対する顕著な効果を有することが示されており、Aベータペプチドレベルの少しの減少さえも、プラーク負荷およびシナプス欠損の長期間の顕著な減少を生じ得るので、特にアルツハイマー病の治療において顕著な治療効果を与えることが示唆される。
米国特許出願公開第2012/0202804号明細書は、BACE阻害活性を有する縮合アミノジヒドロオキサジン誘導体を開示しており、これはさらに、アルツハイマー型認知症などのAベータペプチドによって引き起こされる神経変性疾患のための有用な治療剤として開示されている。米国特許第8,158,620号明細書は、BACE阻害活性を有する縮合アミノジヒドロチアジン誘導体を開示しており、これはさらに、アルツハイマー型認知症などのAベータペプチドによって引き起こされる神経変性疾患のための有用な治療剤として開示されている。米国特許出願公開第2012/0245155号明細書は、同様にBACE阻害活性を有する縮合複素環化合物を開示しており、これはさらに、アルツハイマー病を治療するのに有用であるとして開示されている。
中枢神経系(CNS)浸透を有するBACE阻害剤が、アルツハイマー病などのAβペプチド媒介性障害についての治療を提供するために望まれる。本発明は、BACEの阻害剤である特定の新規化合物を提供する。さらに、本発明は、CNSを浸透する特定の新規化合物を提供する。本発明はまた、改善された副作用プロファイルについての可能性を有する特定の新規化合物を提供する。
したがって、本発明は、式Iの化合物:

(式中、Aは、

であり、
は、H、F、Cl、CN、OCHCF、またはOCHCFCHFであり、
は、H、CH、F、またはClであり、
は、H、F、またはClであり、
は、H、F、Cl、CH、OCH、CF、OCHCF

である)
またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
本発明はさらに、式IIの化合物:

(式中、Aは、

であり、
は、H、F、Cl、CN、またはOCHCFであり、
は、H、F、Cl、またはCHであり、
は、H、OCH、またはOCHCFである)
またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
本発明はさらに、式IIIの化合物:

(式中、Aは、

であり、
Zは、OまたはSであり、
は、H、F、Cl、CN、OCH、OCHCHOCH

であり、
は、H、F、Cl、またはCHであり、
は、H、F、Cl、CH、CF、C1−C3アルコキシ、OCHCHOCH

であり、
は、H、F、Cl、またはOCHである)
またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
本発明はまた、患者におけるアルツハイマー病を治療する方法であって、式I、IIもしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法を提供する。
本発明は、患者における軽度の認識機能障害からアルツハイマー病への進行を予防する方法であって、式I、II、もしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法をさらに提供する。本発明はまた、患者におけるBACEを阻害する方法であって、式I、II、もしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法を提供する。
本発明はまた、アミロイド前駆体タンパク質のBACE媒介性切断を阻害する方法であって、式I、II、もしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法を提供する。本発明は、Aベータペプチドの産生を阻害する方法であって、式I、II、もしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、方法をさらに提供する。
さらに、本発明は、療法に使用するため、特にアルツハイマー病の治療のためまたは軽度の認識機能障害からアルツハイマー病への進行の予防のための式I、II、もしくはIIIの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。なおさらに、本発明は、アルツハイマー病の治療のための医薬の製造のための式I、II、もしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
本発明は、式I、II、もしくはIIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、1種以上の薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物をさらに提供する。特定の実施形態において、組成物は1種以上の他の治療剤をさらに含む。本発明はまた、式I、II、もしくはIIIの化合物を合成するための新規中間体およびプロセスを含む。
軽度の認識機能障害は、臨床所見および時間と共に軽度の認識機能障害からアルツハイマー認知症を示す患者の進行に基づいたアルツハイマー病に関連する認知症の潜在的な前駆期と定義される(Morrisら、Arch.Neurol.58、397−405(2001);Petersenら、Arch.Neurol.56、303−308(1999))。「軽度の認識機能障害からアルツハイマー病への進行の予防」という用語は、患者における軽度の認識機能障害からアルツハイマー病への進行を遅延、停止または反転することを含む。
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療すること」という用語は、既存の症状または障害の進行または重症度を抑性、遅延、停止、または反転することを含む。
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、ヒトを指す。
本明細書で使用される場合、「C1−C3アルコキシ」という用語は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、およびイソプロポキシ基を指す。
「Aベータペプチドの産性の阻害」という用語は、患者におけるAベータペプチドのインビボレベルの減少を意味する。
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、患者への単回または複数回用量投与で、診断または治療下の患者に所望の効果を与える、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の量または用量を指す。
有効量は、公知の技術の使用によって、および類似の状況下で得られる結果を観察することによって当業者としての担当診断医により容易に決定され得る。患者のための有効量を決定する際に、担当診断医によって、限定されないが、患者の種;その大きさ、年齢、および全体的な健康;関与する特定の疾患または障害;疾患または障害の程度または関与または重症度;個々の患者の反応;投与される特定の化合物;投与様式;投与される製剤の生物学的利用能特性;選択される投与レジメン;併用薬の使用;および他の関連状況を含む、多くの要因が考慮される。
本発明の化合物は全体的に広範囲の投薬量にわたって効果的である。例えば、1日当たりの投薬量は、通常、約0.01〜約20mg/kg体重の範囲内である。一部の場合、上述の範囲の下限値以下の用量レベルが十分以上であってもよく、一方、他の場合、さらに高い用量が許容可能な副作用で利用されてもよく、したがって、上記の投薬量範囲は本発明の範囲を決して限定することを意図していない。
本発明の化合物は、好ましくは、化合物を生物学的に利用可能にする、経口および非経口経路を含む、任意の経路によって投与される医薬組成物として製剤化される。最も好ましくは、このような組成物は経口投与用である。このような医薬組成物およびそれを調製するためのプロセスは当該分野において周知である(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(D.B.Troy編、第21版、Lippincott、Williams & Wilkins、2006を参照のこと)。
式I、II、およびIIIの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は本発明の治療方法に特に有用であるが、特定の基、置換基および構造が式I、II、およびIIIの化合物に好ましい。以下の段落は、このような好ましい基、置換基および構造を記載する。これらの選択は本発明の治療方法および新規化合物の両方に適用可能であることは理解されるであろう。
したがって、式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩について:
Aが

であることが好ましい。
さらに、Aが

であることが好ましい。
特に、Aが

であることが好ましい。
がCNまたはFであることが好ましく、CNが特に好ましい。
がHであることが好ましい。
がCNまたはFであり、RがHである場合、特に好ましい。
がCNであり、RがHである場合、さらに特に好ましい。
さらに、RがClであることが好ましい。
また、RがOCHであることが好ましい。
当業者は、式Iの化合物が、以下のスキームAに示されるように2つのキラル中心を含有するコアから構成されることを理解するであろう:
本発明は、全ての個々の鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびにラセミ体を含む前記化合物の鏡像異性体の混合物を意図するが、スキームAに例示したように1および2で標識した炭素原子において絶対配置を有する化合物が好ましい本発明の化合物である。
式IIの化合物またはその薬学的に許容可能な塩について:
がCNであることが好ましい。
がHであることが好ましい。
がOCHであることが好ましい。
Aが

であることがさらに好ましい。
がCNであり、RがHである場合、特に好ましい。
Aが

であることがさらに特に好ましい。
Aが

であることがさらに特に好ましい。
当業者は、式IIの化合物が、以下のスキームBに示すように2つのキラル中心を含有するコアから構成することを理解するであろう:
本発明は、全ての個々の鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびにラセミ体を含む前記化合物の鏡像異性体の混合物を意図するが、スキームBに例示したように1および2で標識した炭素原子において絶対配置を有する化合物が好ましい本発明の化合物およびその薬学的に許容可能な塩である。
式IIIの化合物またはその薬学的に許容可能な塩について:
Aが

であることが好ましい。
Aが

であることがさらに好ましい。
Aが、

であることが特に好ましい。
Aが

であることが最も特に好ましい。
がCNであることが好ましい。
がHであることが好ましい。
がCNであり、RがHである場合、さらに好ましい。
がOCH、CHCF

であることが好ましい。
がOCHであることが特に好ましい。
式IIIの化合物は、以下に示すように縮合環について(cis)構造であることが好ましい:
さらに、当業者は、式IIIの化合物が、以下のスキームCに示すように2つのキラル中心を含有するコアから構成することを理解するであろう:
本発明は、全ての個々の鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびにラセミ体を含む前記化合物の鏡像異性体の混合物を意図するが、スキームCに例示したように1および2で標識した炭素原子において絶対配置を有する化合物が好ましい本発明の化合物である。
好ましい化合物は以下である:

およびそれらの薬学的に許容可能な塩。
最も好ましい化合物は以下である:

およびそれらの薬学的に許容可能な塩。
特に好ましい化合物は

およびその薬学的に許容可能な塩である。
より特には、以下の化合物が好ましい:
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−メトキシ−ピラジン−2−カルボキサミド;
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−[(1−フルオロシクロプロピル)メトキシ]ピラジン−2−カルボキサミド;
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−カルボキサミド;
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−メトキシ−ピラジン−2−カルボキサミド;
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−[(2,2−ジフルオロシクロプロピル)メトキシ]ピラジン−2−カルボキサミド;および
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボキサミド;
ならびにそれらの薬学的に許容可能な塩。
より好ましい化合物は、
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−ピリジン−2−カルボキサミド;
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−メトキシ−ピラジン−2−カルボキサミド;
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−メトキシ−ピラジン−2−カルボキサミド;および
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−ピリジン−2−カルボキサミド;
ならびにそれらの薬学的に許容可能な塩である。
特に好ましい化合物は、N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−ピリジン−2−カルボキサミドおよびその薬学的に許容可能な塩である。
当業者は、本発明の化合物が、スキームDに示されるように互変異性型で存在し得ることを理解するであろう。本発明の化合物の特定の互変異性体のものに対する本出願における任意の参照が与えられる場合、互変異性型およびその全ての混合物の両方を包含することが理解される。

特定の立体化学中心は特定されていないままであり、特定の置換基は簡潔さのために以下のスキームにおいて除外されており、スキームの教示を決して限定するものではない。さらに、個々の異性体、鏡像異性体、およびジアステレオマーは、選択的結晶化技術またはキラルクロマトグラフィーなどの方法によって式I、IIおよびIIIの化合物の合成において任意の都合の良い点で当業者により分離または分割され得る(例えば、J.Jacquesら、「Enantiomers,Racemates,and Resolutions」、John Wiley and Sons,Inc.、1981、ならびにE.L.ElielおよびS.H.Wilen、「Stereochemistry of Organic Compounds」、Wiley−Interscience、1994を参照のこと)。「異性体1」および「異性体2」という指定は、それぞれ第1および第2のキラルクロマトグラフィーから溶出する化合物を指し、キラルクロマトグラフィーが合成において早期に開始される場合、同じ指定が後の中間体および実施例に適用される。
さらに、以下のスキームに記載される特定の中間体は1つ以上の窒素保護基を含有してもよい。様々な保護基は、実施される特定の反応条件および特定の変換に応じて各々の出現において同じであっても、異なっていてもよい。保護および脱保護条件は当業者に周知であり、文献に記載されている(例えば、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、Peter G.M.WutsおよびTheodora W.Greene、John Wiley and Sons,Inc.2007を参照のこと)。
特定の略語は以下のように定義される:「APP」はアミロイド前駆体タンパク質を指し;「CSF」は脳脊髄液を指し;「DCC」は1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドを指し;「DIC」はジイソプロピルカルボジイミドを指し;「DIPEA」はジイソプロピルエチルアミンまたはN−エチル−N−イソプロピル−プロパン−2−アミンを指し;「ACN」はアセトニトリルを指し;「DMAP」はジメチルアミノピリジンを指し;「DMEM」はダルベッコ改変イーグル培地を指し;「DMF」はジメチルホルムアミドを指し;「DMSO」はジメチルスルホキシドを指し;「EDCI」は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を指し;「ee」は鏡像異性体過剰率を指し;「Ex」は実施例を指し;「F12」はHma’s F12培地を指し;「FBS」はウシ胎仔血清を指し;「FRET」は蛍光共鳴エネルギー移動を指し;「HATU」は(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチル(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)メタンイミニウムヘキサフルオロホスフェートを指し;「HEK」はヒト胚腎臓を指し;「HOAc」は酢酸を指し;「HOAt」は1−ヒドロキシ−7−アゾベンゾトリアゾールを指し;「HOBt」は1−ヒドロキシルベンゾトリアゾール水和物を指し;「HBTU」は2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを指し;「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを指し;「IC50」は薬剤について可能な50%の最大阻害反応を生じるその薬剤の濃度を指し;「min」は分を指し;「MeOH」はメタノールまたはメチルアルコールを指し;「MTBE」はメチルtert−ブチルエーテルを指し;「PDAPP」は血小板由来アミロイド前駆体タンパク質を指し;「PG」は保護基を指し;「Prep」は調製例を指し;「PyBOP」はベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートを指し;「PyBrop」はブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェートを指し;「RFU」は相対蛍光単位を指し;「SCX」は強カチオン交換を指し;「SFC」は超臨界流体クロマトグラフィーを指し;「THF」はテトラヒドロフランを指す。
本発明の化合物またはその塩は当該分野において公知の様々な手順によって調製でき、それらのいくつかは以下のスキーム、調製例および実施例に例示される。記載される経路の各々についての特定の合成工程は、式I、IIおよびIIIの化合物またはそれらの塩を調製するために、異なる方法で組み合わされてよいか、または異なるスキームからの工程と併せて組み合わされてもよい。以下のスキームにおける各工程の生成物は、抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、粉砕および結晶化を含む、当該分野において周知の従来の方法によって回収できる。以下のスキームにおいて、他に示されない限り、全ての置換基は以前に定義される通りである。試薬および出発物質は当業者に容易に利用可能である。

スキーム1、工程Aにおいて、臭化ブロムアセチルを、炭酸カリウムなどの無機塩基またはジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基を使用して当該分野において周知の条件下でN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩で処理して、ワインレブアミドを得る。
スキーム1、工程Bにおいて、ワインレブアミドを、当該分野において周知の条件下でアリルアルコールおよび炭酸カリウムなどの無機塩基で処理して、アリルエーテルを得る。例えば、ワインレブアミドは、約30℃にて約3時間にわたって、約6〜7当量のアリルアルコールおよび約2当量の適切な塩基、例えば炭酸カリウムに加えられる。反応混合物を約30℃にて約2時間撹拌し、トルエンなどの適切な有機溶媒を加える。次いで混合物を約0℃に冷やし、濾過する。濾過ケーキを冷(約0℃)トルエンで洗浄し、有機濾液を合わせ、硫酸水素カリウム水溶液でリンスする。次いで有機相を、さらなるトルエンを加えることで濃縮して、水および過剰のアリルアルコールを除去する。有機物を再び水で洗浄し、次いで濃縮して大部分のトルエンを除去する。有機残渣を最終的に希釈してアリルエーテルを得る。
スキーム1、工程Cにおいて、4−ブロモ−1−フルオロ−2−ヨードベンゼンを、イソプロピルマグネシウムクロリドなどのグリニヤール試薬を使用してアルキルエーテルと反応させて、置換されたアリルオキシエタノンを得る。例えば、THF中のイソプロピルマグネシウムクロリドなどの約1当量の適切なグリニヤール試薬を、撹拌しながら約0℃にて、THFなどの適切な有機溶媒中の約0.95当量の4−ブロモ−1−フルオロ−2−ヨードベンゼンに加える。約0℃にて約60分後、THFなどの適切な有機溶媒中の約1当量のアリルエーテルを約60分にわたって加える。次いで反応を約0℃にて過剰な塩化アンモニウム水溶液でクエンチする。ヘプタンなどの適切な有機溶媒を、混合物を室温に加温するように撹拌しながらクエンチした反応混合物に加える。次いで層を分離し、有機層を水で洗浄し、さらなるヘプタンで濃縮して水およびTHFを除去して、アリルオキシエタノンを得る。
スキーム1、工程Dにおいて、二環式イソオキサゾールが、2工程手順(ヒドロキシルアミンを使用してオキシムをインサイチュで形成し、次いで二環式イソオキサゾリジンに環化する(PG=H))を使用することなどのいくつかの方法によってアリルオキシエタノンから形成し得る。あるいは、1−フェニルプロピルヒドロキシルアミンp−トルエンスルホン酸塩などの置換されたヒドロキシルアミンを炭酸水素カリウムで処理し、続いてチタンテトライソプロポキシドで加熱して、インサイチュでニトロン中間体を得、それを窒素保護二環式イソオキサゾールに環化する。例えば、(R)−N−(1−フェニルプロピル)ヒドロキシルアミンp−トルエンスルホン酸塩などの適切な1−フェニルプロピルヒドロキシルアミンp−トルエンスルホン酸塩(Patel,I.;Smith,N.A.;Tyler,S.N.G.Organic Process Research & Development 2009、13、49−53を参照のこと)を、約2.75当量の炭酸水素カリウム、水およびMTBEなどの適切な有機溶媒で処理する。層を分離し、有機層を塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。適切な有機溶媒を有機層に加え、MTBEおよび水の大部分を約50℃にて蒸留することによって除去する。ヘプタン中の約1当量の約20〜25%重量%溶液のアリルオキシエタノンを、約50℃にてヘプタン中の1−フェニルプロピルヒドロキシルアミンに加える。次いで約1.5当量のチタンテトライソプロポキシドを加え、混合物を約10時間約55〜60℃にて加熱する(チタン(IV)エトキシドも使用されてもよい)。次いで窒素保護二環式イソオキサゾールを、濃縮、冷却、および濾過による回収などの当該分野において周知の条件下で単離する。
スキーム1、工程Eにおいて、二環式イソオキサゾールを窒素保護アニリン二環式イソオキサゾリジンに変換する。例えば、約1当量の二環式イソオキサゾールを、DMFなどの適切な有機溶媒中の約4当量のアセトアミド、約0.2当量の適切な触媒、例えばヨウ化銅(I)、約0.7当量のヨウ化カリウム、約2当量のリン酸三カリウム、および約0.8当量のN,N−ジメチルエチレンジアミンと合わせる。次いで反応混合物を約4時間約110℃にて加熱する。当該分野において周知の技術および条件を使用して窒素保護アニリン二環式イソオキサゾリジンを単離する。例えば、反応混合物を約30℃に冷やし、酢酸イソプロピルなどの適切な有機溶媒と塩化アンモニウム水溶液との間に分ける。層を分離し、水層を酢酸イソプロピルでさらに抽出する。有機抽出物を合わせ、塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、有機層をキシレンなどの適切な有機溶媒と混合する。次いで有機混合物を希釈して、酢酸イソプロピルおよび残留DMFの大部分を除去する。次いで有機混合物を約0℃に冷やし、得られた固体窒素保護アニリン二環式イソオキサゾリジンを濾過により回収する。
スキーム1、工程Fにおいて、窒素保護アニリン二環式イソオキサゾリジン環を開環でき、イソオキサゾリジン窒素もまた、当該分野において周知の標準的な条件下で脱保護でき、アミノ−ヒドロキシメチル−テトラヒドロフランを得る。例えば、約1当量の窒素保護アニリン二環式イソオキサゾリジン環を、プロパノール/水および約0.9当量のHClの混合物中でスラリーにした約0.2当量の塩化亜鉛および約20重量%負荷の水で湿潤した硫化5%炭素パラジウム触媒と合わせる。混合物を、約16時間、約300〜400kPaの水素下で約50℃にて加熱する。次いで触媒を濾過により除去し、濾過ケーキをプロパノールでリンスする。次いで大部分の水を、さらなるプロパノールを加えて共沸蒸留によって濾液から除去する。さらなるHClを水に加え(約0.1当量)、固体を回収してアミノ−ヒドロキシメチル−テトラヒドロフランを得る。あるいは、水素条件下でHOAc中の粉末亜鉛またはラネーNiを使用してイソオキサゾリジン環を開環できる。
スキーム1、工程Gにおいて、アミノ−ヒドロキシメチル−テトラヒドロフランを適切な窒素保護基で最初に保護する。続いてヒドロキシル基を当該分野において周知の条件下で酸化してアルデヒドを得る。例えば、アミノ−ヒドロキシメチル−テトラヒドロフランを、THFなどの適切な有機溶媒中で、約2〜3当量の適切な有機塩基、例えばトリエチルアミンおよび約1.2〜1.4当量の適切な窒素保護基試薬、例えばジ−tert−ブチルジカルボネートと合わせる。反応物を約50℃にて約15〜18時間撹拌し、得られた窒素保護中間体を単離し、当該分野において周知の技術を使用して精製する。例えば、反応物を室温に冷やし、濃縮する。残渣を10%クエン酸と酢酸エチルとの間に分け、酢酸エチルで抽出し、乾燥させ、濃縮して窒素保護中間体を得る。あるいは、反応物を室温に冷やし、濾過し、固体を酢酸エチルで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮する。次いで残渣を、メタノール:ジクロロメタン勾配0:10〜1:10などの適切な溶出液で溶出するシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製して、工程G、副工程1の窒素保護中間体を得る。次いで窒素保護中間体を、工程G、副工程2において当業者に周知の条件下でアルデヒドに酸化する。例えば、ジクロロメタンなどの適切な有機溶媒に溶解した、すぐ上で調製した窒素保護中間体を、ジクロロメタン中の約1.7当量のクロロクロム酸ピリジニウムなどの適切な酸化剤、4Å分子篩、および約2.3当量の酢酸アンモニウムの撹拌混合物に加える。懸濁液を室温にて約35分〜約2時間撹拌する。次いで工程G、副工程2の得られたアルデヒド化合物を単離し、当該分野において周知の技術を使用して精製する。例えば、反応混合物を減圧下で部分的に濃縮し、酢酸エチルなどの適切な有機溶媒を加え、混合物をシリカゲルで濾過する。シリカゲルを酢酸エチルでさらにリンスし、濾液を合わせ、次いで減圧下で濃縮してアルデヒドを得る。あるいは、DMSOなどの適切な有機溶媒に溶解した、すぐ上で調製した窒素保護中間体に、2−ヨードキシ安息香酸(IBX)を加え、混合物を約18時間撹拌する。混合物を炭酸ナトリウム水溶液に加え、MTBEを加え、混合物を室温にて約15分間撹拌し、珪藻土で濾過し、有機層を回収し、濃縮して、工程G、副工程2のアルデヒド化合物を得る。
スキーム1、工程H、副工程1において、工程Gのアルデヒドは、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(Selectfluor(商標)とも称される)を使用してフッ素化してフッ素化化合物を得、次いでアルデヒドを副工程2において還元してフッ素化第一級アルコールを得る。例えば、アルデヒドをTHFなどの適切な有機溶媒に溶解し、約1.08当量の適切な第2級環状アミン、例えばピロリジンまたはD−(+)−プロリンで処理する。溶液を約5〜10分間室温にて撹拌し、約1.15当量のSelectfluor(商標)で処理し、反応物を約2〜3時間撹拌する。次いで反応物を飽和炭酸水素ナトリウムでクエンチし、酢酸エチルおよびジクロロメタンなどの適切な有機溶媒で抽出する。有機抽出物を合わせ、無水硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウムなどの適切な乾燥剤で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。あるいは、約1.1当量のD−(+)−プロリンを2,2,2−トリフルオロ−エタノール中のアルデヒドの溶液に加え、それを炭酸カリウムおよび3Å分子篩で処理し、使用前に濾過する。メタノール、エタノール、THF、およびジクロロメタンなどの他の溶媒も使用されてもよく、それらは異なるジアステレオ選択性を生じ得る。3Å分子篩(500mg)を加え、反応混合物を室温にて約4時間撹拌する。約1.3当量のSelectfluor(商標)を混合物に加え、それを約36時間撹拌する。混合物を濃縮し、当該分野において周知の技術を使用して精製して、工程H、副工程1の還元されていないフッ素化生成物を得る。
工程H、副工程2において、残渣をメタノールまたはエタノールなどの適切な有機溶媒に溶解し、1.07〜1.4当量の適切な試薬剤、例えば水素化ホウ素ナトリウムまたはテトラヒドロホウ酸ナトリウムで処理し、次いで反応物を室温にて30分〜2時間撹拌する。次いで反応物を飽和炭酸水素ナトリウムでクエンチするか、または残渣まで蒸発させて、酢酸エチルおよびジクロロメタンなどの適切な有機溶媒で抽出する。有機抽出物を合わせ、無水硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウムなどの適切な乾燥剤で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製フッ素化第一級アルコールを得る。次いで0:10〜1:10のメタノール:ジクロロメタン勾配または酢酸エチル/ヘキサン(1:1)などの適切な溶出液を用いたシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーなどの当該分野において周知の技術を使用してこの粗物質を精製して、工程Hの精製されたフッ素化第一級アルコールを得る。直接フッ素化を達成するための当業者に公知の他の方法は、Selectfluor(商標)、銅(I)ビスイミン錯体、ならびにアニオン性相間移動触媒およびN−ヒドロキシフタルイミドまたはN,N−ジヒドロキシピロメリトイミドおよびSelectfluor(商標)を利用する。Selectfluor(商標)に加えて、使用され得るフッ素化試薬としは、以下:N−フルオロピリジニウムトリフルオロメタンスルホネートおよびN−フルオロベンゼンスルホンイミドが挙げられ、それらは異なるジアステレオ選択性を生じ得る。

スキーム2、工程Iにおいて、工程Hのフッ素化第一級アルコールは、当該分野において周知の条件を使用して脱保護アミンを後でチオ尿素に変換できる標準的な条件下で脱保護される。例えば、副工程1、脱保護において、フッ素化第一級アルコールを、ジクロロメタンなどの適切な有機溶媒に溶解し、約15当量のトリフルオロ酢酸などの過剰な適切な酸で処理する。反応物を室温にて約2〜3時間撹拌する。次いで反応物を減圧下で濃縮し、トルエンと共沸する。副工程2、チオ尿素形成において、次いで残渣をTHFなどの適切な有機溶媒に溶解し、約1.1当量の適切な有機アミン、例えばトリエチルアミンおよび約1.06当量のベンゾイルイソチオシアネートで処理する。次いで反応物を室温にて約16〜18時間撹拌し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチする。次いでクエンチした反応物を適切な有機溶媒、例えば酢酸エチルおよびジクロロメタンで抽出する。有機抽出物を合わせ、無水硫酸マグネシウムなどの適切な乾燥剤で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して工程Iの粗チオ尿素生成物を得る。次いでこの粗物質を、0:10〜1:10のメタノール:ジクロロメタン勾配などの適切な溶出液を用いたシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーなどの当該分野において周知の技術を使用して精製して、精製したチオ尿素を得る。
スキーム2、工程J、結晶化において、工程Iのチオ尿素は、標準的な条件下で保護された二環式アミノチアジンに環化される。例えば、チオ尿素をジクロロメタンなどの適切な有機溶媒に溶解し、約1.44当量の1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミンで処理する。次いで反応物を室温にて約3〜4時間撹拌し、反応物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチする。次いでクエンチした反応物をジクロロメタンなどの適切な有機溶媒で抽出する。有機抽出物を合わせ、無水硫酸マグネシウムなどの適切な乾燥剤で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、工程Jの粗製二環式アミノチアジン生成物を得る。次いで粗物質を、0:1〜1:0の酢酸エチル:ヘキサン勾配などの適切な溶出液を用いたシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーなどの当該分野において周知の技術を使用して精製して、精製した二環式アミノチアジンを得る。
スキーム2、工程Kにおいて、工程Jの二環式アミノチアジン生成物を当該分野において周知の条件下で副工程1において脱保護し、次いで副工程2において、アミド化を、適切なアリールアシルクロリド(A−(C=O)−Cl)(式中、「A」は本発明明細書に定義される通りである)を用いて当該分野において周知の条件下で実施して、式Iまたは式IIIa(ZはSである)の化合物を得る。例えば、二環式アミノチアジンを、エタノールなどの適切な有機溶媒中で約5.6当量のO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩および約5.9当量のピリジンと合わせ、約50℃にて約16時間加熱される。次いで約25当量の適切な酸、例えば濃塩酸を加え、反応物を約50℃にてさらに24時間加熱する。次いで反応物を冷やし、減圧下で濃縮して、粗製脱保護ジアミノ化合物を得、次いでそれを、メタノール/ジクロロメタン勾配0:10〜1:10中の7Mアンモニアなどの適切な溶出液で溶出するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーなどの当該分野において周知の技術によって精製して、精製された脱保護ジアミノ化合物を得る。
あるいは、工程Jの二環式アミノチアジン生成物を、エタノールなどの適切な有機溶媒中で約9.4当量のO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩および約9.9当量のピリジンと合わせ、約50℃にて約18時間加熱する。次いで反応物を、例えば、メタノール、続いてメタノール中の7Mアンモニアなどの適切な溶出液を利用するSCXカラムの使用により直接精製する。次いで精製した物質をエタノールなどの適切な有機溶媒に溶解し、約16当量の適切な酸、例えば濃塩酸で処理し、50℃にて約23時間加熱する。次いで反応物を冷やし、減圧下で濃縮して、粗製脱保護ジアミノ化合物を得、それを、メタノール、続いてメタノール中の7Mアンモニアなどの適切な溶出液を利用するフラッシュクロマトグラフィーまたはSCXカラムなどの当該分野において周知の技術によって精製できる。
次いで脱保護ジアミノを、例えば、アリールアシルクロリドを使用して当該分野において周知の条件下で工程K、副工程2においてアミド化して、式Iまたは式IIIaの化合物を得ることができる。例えば、2当量の塩化オキサリルをアセトニトリルなどの適切な有機溶媒中の2.2当量のDMFに加え、反応物を約10分間撹拌する。約2.05当量の適切に置換されたアリールカルボン酸(A−COH)を反応物に加え、それを約30〜60分間撹拌し、約2当量の対応するアリールアシルクロリドを得る。約1〜2当量の新たに調製されたアリールアシルクロリドを、約50℃にてエタノール:水(約1:1vol)中の上記で調製した脱保護ジアミノ化合物の溶液に滴下して加える。反応物を50℃にて約45〜90分間加熱する。得られた式Iまたは式IIIaの化合物を次いで単離し、当該分野において周知の技術および条件を使用して精製する。例えば、反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と合わせ、ジクロロメタンなどの適切な有機溶媒で抽出する。(反応混合物はまた、SCXカラムに直接負荷でき、精製し、次いでシリカゲルによりさらに精製する。)有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、減圧下で濃縮して、式Iまたは式IIIaについて粗物質を得る。次いで粗物質は、例えば、0:10〜1:10のメタノール/ジクロロメタン勾配中の7Mアンモニアなどの適切な溶出液を使用したシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製できる。精製した物質は、5%メタノールを含む10mM炭酸水素アンモニウム水溶液中のアセトニトリルの5〜60%勾配などの適切な溶出液で溶出する高性能C18カラムを使用した逆相フラッシュクロマトグラフィーによってさらに精製できる。次いで生成物を含有する溶出液を4:1のクロロホルム:イソプロパノールで抽出する。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、遊離塩基として式Iまたは式IIIaのさらに精製した化合物を得る。
あるいは、当業者は、カルボン酸およびアミンの反応から生じるアミド形成のための多くの方法および試薬が存在することを認識するであろう。例えば、カップリング試薬およびアミン塩基、例えばDIPEAまたはトリエチルアミンの存在下で脱保護されたジアミノ化合物と適切なアリールカルボン酸(A−COH)との反応により、式Iまたは式IIIaの化合物が得られる。カップリング試薬としては、DCC、DIC、EDCIおよび芳香族カップリング試薬、例えばHOBtおよびHOAtなどのカルボジイミドが挙げられる。さらに、ウロニウムまたは非求核アニオンのホスホニウム塩、例えばHBTU、HATU、PyBOPおよびPyBrOPが、多くの従来のカップリング試薬の代わりに使用されてもよい。DMAPなどの添加剤が、反応を向上させ、式Iまたは式IIIaの化合物を提供するために使用されてもよい。

スキーム3、工程L、副工程1において、フッ素化第一級アルコール(スキーム1、工程Hにおいて調製した)は、標準的な条件下で脱保護され、続いて副工程2aおよび2bにおいて中和され、チオ尿素が形成し、環化されて、保護された二環式アミノオキサジンが得られる。例えば、副工程1において、フッ素化第一級アルコールを酢酸エチルまたはジクロロメタンなどの適切な有機溶媒に溶解し、過剰な適切な酸、例えば塩酸(1,4−ジオキサン中4M)またはトリフルオロ酢酸で処理する。反応物を室温にて約2時間から一晩撹拌する。次いで脱保護したアミンを、濾過などの当該分野において周知の技術で塩として単離する。あるいは副工程1について、エタノールを、約0℃にて酢酸エチル中の過剰な塩化アセチルの溶液に滴下して加え、約30分間撹拌する。フッ素化第一級アルコール(スキーム1、工程H)を加え、反応物を室温にて一晩撹拌する。次いで脱保護したアミン塩を濾過などの当該分野において周知の技術で単離する。次いで、副工程2aについての中和およびチオ尿素について、脱保護したアミン塩を、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランなどの適切な有機溶媒に溶解し、約1.1当量の適切な有機アミン、例えばトリエチルアミンで処理してアミンを中和し、約1.05当量のベンゾイルイソチオシアネートを加えて中間体チオ尿素を形成する。次いで反応物を5℃にて約1時間撹拌するか、または約70℃で2時間加熱する。副工程2bにおいて、保護された二環式アミノオキサジンを環化し、形成するために、約1.1当量のトリメチルシリルクロリドおよびDMSOを加え、撹拌を約2時間継続する。反応物をリン酸水素二カリウム(20%)でクエンチしてpHを7〜8に調整し、当該分野において周知の技術を使用して生成物を単離して、工程Lの保護された二環式アミノオキサジン生成物を得る。あるいは、アミン塩を、工程L、工程2aについて上記のようにトリエチルアミンで中和でき、ベンゾイルカルバメートで処理して、中間体のN−カルバモイルベンズアミドを形成し、次いでそれを、約−78℃にてジクロロメタンなどの有機溶媒中で三フッ化ジエチルアミノ硫黄により環化し、1時間にわたってほぼ室温に加温する。当該分野において周知の技術を使用して生成物を単離して、工程Lの保護された二環式アミノオキサジン生成物を得る。
スキーム3、工程Mにおいて、保護された二環式アミノオキサジンの脱保護が最初に完了し、次いでアニリンが当該分野において周知の条件下で脱保護され、続いて副工程2において適切なアリールアシルクロリド−A(式中、「A」は本明細書に定義される通りである)を用いてアニリンのアミド化が行われて、式IIまたは式IIIb(ZはOである)の化合物を得る。例えば、工程M、副工程1において、保護された二環式アミノオキサジンをメタノール中の約1.1当量の水酸化リチウムの溶液に加え、40℃で約18時間加熱して、二環式アミノオキサジン上のアミノ基を脱保護する。次いでアニリンを、1M塩化水素水溶液を使用し、90℃にて約3時間加熱する酸性条件などの当該分野において周知の条件下で脱保護する。次いで反応物を冷やし、酢酸エチルで希釈し、水層を分離し、水酸化ナトリウム水溶液で処理して、pHを約10に調整する。次いでこの混合物を酢酸エチルで抽出し、減圧下で濃縮して、脱保護した粗ジアミノ化合物を得る。次いで脱保護した粗ジアミノ化合物を、メタノール/ジクロロメタン勾配中の7Mアンモニアなどの適切な溶出液で溶出するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーなどの当該分野において周知の技術によって精製して、精製された脱保護されたジアミノ化合物を得る。
次いで、スキーム3、工程M、副工程2において、脱保護されたジアミノ化合物を、例えば、アリールアシルクロリドを使用する、当該分野において周知の条件下でアニリン窒素にてアミド化して、式IIまたは式IIIbの化合物を得る。例えば、約1当量の塩化オキサリルおよび触媒量のDMFをアセトニトリルなどの適切な有機溶媒中の約1.07当量のアリールカルボン酸(A−COH)に加え、混合物を約10分間撹拌する。次いでこの混合物をエタノールおよび水中の脱保護したジアミノ化合物の50℃の溶液に加え、約50℃にて約10分間撹拌する。次いで式IIまたは式IIIbの得られた化合物を単離し、当該分野において周知の技術および条件を使用して精製する。例えば、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と合わせ、酢酸エチルなどの適切な有機溶媒で抽出する。次いで粗物質を、例えば、メタノール/ジクロロメタン中の7Mアンモニアの勾配などの適切な溶出液を使用してシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、遊離塩基として式IIまたは式IIIbの化合物を得ることができる。
あるいは、スキーム3、工程N、副工程1において、スキーム1、工程Hのフッ素化第一級アルコールは、工程L、副工程1について上記のように脱保護でき、アミンを最初に保護せずに副工程2aおよび2bにおいて中和し、環化し、当該分野において周知の条件下で副工程3においてアミド化する。例えば、アミンは、塩酸(1,4−ジオキサン中4M)またはトリフルオロ酢酸などの過剰の適切な酸を使用して当該分野において周知の酸性条件下で副工程1において脱保護できる。次いでHCl塩などの脱保護したアミンを、濾過などの当該分野において周知の技術を用いて単離する。脱保護したアミン、ヒドロキシルHClアミンを、ジクロロメタンなどの適切な有機溶媒に溶解することによって副工程2bにおいて中和し、トリエチルアミンなどの約1.2当量の有機塩基で処理し、約10分間撹拌し、濃縮する。酢酸エチルを加え、混合物を40℃で約10分間加熱し、続いて濃縮して、完全な中和を確実にする。結晶化を副工程2においてエタノールおよび臭化シアンを残渣に加えることによって完了し、混合物を約120℃で約4時間加熱する。溶媒の蒸発後、残渣を水および1.0Mの塩酸に溶解し、酢酸エチルで洗浄する。水性抽出物を濃塩酸水溶液で処理し、50℃にて約48時間撹拌する。混合物を冷やし、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを塩基性に調整し、酢酸エチルで抽出する。粗アニリンアミノ二環式オキサジンの精製は、メタノールおよびジクロロメタン中の7Mアンモニアなどの勾配で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを用いて達成できる。工程N、副工程3において、この物質は、工程M、副工程2において上記のようにアニリンアミンにてアミド化して、式IIまたは式IIIbの化合物を得ることができる。
あるいは、当業者は、スキーム2の下で以前に記載され、スキーム3にも適用され得るカルボン酸およびアミンの反応から生じるアミド形成の多くの方法および試薬が存在することを認識するであろう。
塩酸塩などの式I、IIおよびIIIの化合物の薬学的に許容可能な塩は、当該分野において周知の標準的な条件下で、適切な溶媒中で、式I、IIまたはIII(IIIaおよびIIIbを含む)の適切な遊離塩基と適切な薬学的に許容可能な酸との反応によって形成できる。さらに、このような塩の形成は窒素保護基の脱保護と同時に行われてもよい。このような塩の形成は周知であり、当該分野において理解される。例えば、Gould,P.L.、「Salt selection for basic drugs」、International Journal of Pharmaceutics、33:201−217(1986);Bastin,R.J.ら、「Salt Selection and Optimization Procedures for Pharmaceutical New Chemical Entities」、Organic Process Research and Development、4:427−435(2000);およびBerge,S.M.ら、「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Sciences、66:1−19(1977)を参照のこと。
以下の調製例および実施例は本発明をさらに例示する。
調製例1
2−(アリルオキシ)−N−メトキシ−N−メチルアセトアミド

スキーム1、工程AおよびB:ブロモアセチルブロミド(1.06当量)を、0℃にて水(4mL/g)、トルエン(4mL/g)およびKCO(1.15当量)の撹拌混合物中のN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.0当量)の溶液(体積はこの化合物のmL/gである)に加える。1時間にわたって室温に加温した後、層を分離し、水層をトルエン(2mL/g)で抽出する。合わせた有機層を濃縮して、約20%のトルエンを含有する中間体2−ブロモ−N−メトキシ−N−メチル−アセトアミドを得る。2−ブロモ−N−メトキシ−N−メチル−アセトアミドを、30℃にて3時間にわたってアリルアルコール(6.3当量)およびKCO(2当量)の混合物に加える。30℃にて2時間後、トルエン(4mL/g)を加え、混合物を0℃に冷やし、濾過する。濾過ケーキを冷(0℃)トルエン(2.7mL/g)でリンスし、合わせた濾液をKHSOの3重量%水溶液(0.6mL/g)で洗浄する。水およびアリルアルコールを除去するために追加のトルエン(11mL/g)を加えながら、トルエン溶液を濃縮する。濃縮したトルエン溶液を水(0.5g/g)で洗浄し、さらに濃縮して大部分のトルエンを除去し、次いで蒸留して標題化合物を得る。LC−MS(m/z):160(M+H)。
調製例2
(3aS,6aS)−6a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−((R)−1−フェニルプロピル)ヘキサヒドロフロ[3,4−c]イソオキサゾール

スキーム1、工程CおよびD:0℃にてTHF(4.6mL/g)中の4−ブロモ−1−フルオロ−2−ヨードベンゼン(0.95当量)に、イソプロピルマグネシウムクロリド(1.0当量、THF中20重量パーセント)を加える。0℃にて約60分後、THF(2.2mL/g)中の2−(アリルオキシ)−N−メトキシ−N−メチルアセトアミド(1.0当量)の溶液(この段階についての体積はこの化合物のmL/gである)を約60分にわたって加える。反応混合物を0℃にてNHCl(4.3当量)水溶液(5.8mL/g)中でクエンチする。混合物を室温に加温しながらヘプタン(7.2mL/g)を加え、層を分離する。有機層を水(7.2mL/g)で洗浄する。水およびTHFを除去するためにさらなるヘプタン(4mL/g)を加えながら有機層を濃縮する。中間体、2−アリルオキシ−1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)エタノンをヘプタン(約20〜25重量%)中の溶液として得る。
(R)−N−(1−フェニルプロピル)ヒドロキシルアミンp−トルエンスルホン酸塩をKHCO(2.75当量)、水(6.6mL/g)およびメチルtert−ブチルエーテル(6.8mL/g)で処理する。層を分離し、有機層を25重量%のNaCl水溶液(2.8mL/g)で洗浄する。ヘプタン(12mL/g)を加え、MTBEおよび水の大部分を約50℃にて蒸留により除去する。ヘプタン中の2−アリルオキシ−1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)エタノン(1当量、この段階についての体積はこの化合物のmL/gである)の20〜25重量%溶液を、50℃にて(R)−N−(1−フェニルプロピル)ヒドロキシルアミンヘプタン混合物に加える。チタンテトライソプロポキシド(1.5当量)を加え、混合物を約10時間、約55〜60℃にて加熱する。さらなるヘプタン(6mL/g)を加えながら、混合物を約35〜50℃にて濃縮する。全体積が60%の予想される産生収率に匹敵する約5mL/gになった場合に蒸留を停止する。混合物を−10℃に冷却し、固体を濾過により回収し、冷(−10℃)ヘプタン(1mL/g)で2回リンスし、乾燥させて標題化合物を得る。LC−MS(79Br/81Brについてm/z):406/408(M+H)。
調製例3
N−(4−フルオロ−3−((3aS,6aS)−1−((R)−1−フェニルプロピル)ヘキサヒドロフロ[3,4−c]イソオキサゾール−6a−イル)フェニル)アセトアミド

スキーム1、工程E:(3aS,6aS)−6a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−((R)−1−フェニルプロピル)ヘキサヒドロフロ[3,4−c]イソオキサゾール(1.0当量、体積はこの化合物のmL/gである)、アセトアミド(4当量)、ヨウ化銅(I)(0.2当量)、ヨウ化カリウム(0.7当量)、KPO(2.0当量)、N,N−ジメチルエチレンジアミン(0.8当量)およびDMF(4mL/g)の混合物を110℃にて約4時間加熱する。30℃に冷やした後、混合物を水中の酢酸イソプロピル(3.7mL/g)と10重量%NHCl(5.7mL/g)との間に分ける。層を分離し、水層を酢酸イソプロピル(2mL/g)で抽出する。合わせた有機層を水中の10重量%のNHCl(1mL/g)で2回洗浄する。有機層をキシレン(4.3mL/g)と混合し、混合物を真空下で蒸留して酢酸イソプロピルおよび残留DMFの大部分を除去する。混合物を0℃に冷やし、固体を濾過により回収し、キシレン(0.7mL/g)で2回リンスし、乾燥させて標題化合物を得る。LC−MS(m/z):385(M+H)。
調製例4
N−(3−((3S,4R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)−4−フルオロフェニル)アセトアミド塩酸塩

スキーム1、工程F:N−(4−フルオロ−3−((3aS,6aS)−1−((R)−1−フェニルプロピル)ヘキサヒドロフロ[3,4−c]イソオキサゾール−6a−イル)フェニル)アセトアミド(1.0当量、体積はこの化合物のmL/gである)、塩化亜鉛(0.2当量)および20重量%負荷の水で湿潤した、硫化5%Pd/C触媒の混合物を、1−プロパノール(4mL/g)、水(3.8mL/g)およびHCl(0.9当量、水中33重量%)の混合物中でスラリーにする。混合物を水素圧(約300〜400kPa)下で50℃にて約16時間加熱する。触媒を約50℃にて濾過により除去し、濾過ケーキを1−プロパノール(2.9mL/g)でリンスする。水の大部分を、さらなる1−プロパノール(10.5mL/g)を使用して共沸蒸留によって合わせた濾液から除去する。さらなるHCl(0.1当量、水中33重量%)を混合物に加え、固体を濾過により回収し、1−プロパノール(1mL/g)で2回リンスし、乾燥させて標題化合物を得る。LC−MS(m/z):269(M+H)。
調製例5
tert−ブチルN−[(3S,4R)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]カルバメート
方法A

スキーム1、工程G、副工程1(保護):50℃にてテトラヒドロフラン中のN−[3−[(3S,4R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]−4−フルオロ−フェニル]アセトアミド塩酸塩(60.0g、197mmol)、トリエチルアミン(85.0mL、610mmol)およびジ−tert−ブチルジカルボネート(60.0g、272mmol)の溶液を15.5時間撹拌する。反応物を周囲温度に冷やし、濾過し、酢酸エチルで洗浄し、減圧下で濃縮する。残渣を、メタノール/ジクロロメタン(0:10)からメタノール/ジクロロメタン(1:10)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(71.0g、98%)を得る。ES/MS(m/e):269(M−99)。
方法B 調製例5
ジ−tert−ブチルジカルボネート(130g、591mmol)を、THF(1.2L)中のN−(3−((3S,4R)−3−アミノ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル)−4−フルオロフェニル)アセトアミド塩酸塩(150g、492mmol)およびトリエチルアミン(137mL、984mmol)の溶液に加える。窒素下で50℃にて18時間撹拌した後、反応混合物を室温に徐々に冷やし、溶媒を蒸発させる。残渣を10%クエン酸水溶液(500mL)と酢酸エチル(1L)との間に分ける。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×150mL)で抽出する。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得、それを真空下で一定重量まで乾燥させて標題化合物(192g、95.3%)を得る。ES/MS(m/z):367(M+1),267(M−99);H NMR(300.16MHz,CDCl)δ7.85−7.79(m,1H),7.60−7.56(m,1H),7.41−7.36(m,1H),7.26(d,J=1.0Hz,7H),7.04−6.95(m,2H),4.26−4.11(m,2H),3.80−3.72(m,3H),2.15(s,5H),2.05(d,J=0.8Hz,1H),1.72−1.67(m,1H),1.36(s,13H),1.31−1.26(m,3H)。
調製例6
tert−ブチルN−[(3S,4S)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−ホルミル−テトラヒドロフラン−3−イル]カルバメート
方法A

スキーム1、工程G、副工程2(酸化):クロロクロム酸ピリジニウム(10.0g、45.5mmol)、4Å分子篩(20.0g)および酢酸アンモニウム(5.00g、62.3mmol)の混合物を微細粉末に粉砕し、ジクロロメタン(150mL)に加える。次いでジクロロメタン(100mL)中のtert−ブチルN−[(3S,4R)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]カルバメート(10.0g、27.1mmol)の溶液を加える。得られた懸濁液を周囲温度にて35分間撹拌し、約100mL体積のジクロロメタンまで減圧下で濃縮する。次いで酢酸エチル(200mL)を加え、得られた混合物をシリカゲルケーキで濾過する。そのケーキを酢酸エチルで洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮して標題化合物(71.0g、98%)を得、それをさらに精製せずに使用する。ES/MS(m/e):267(M−99)。
方法B 調製例6
2−ヨードソ安息香酸(45%w/w、88.3g、142mmol)を、室温にてDMSO(200mL)中のtert−ブチルN−[(3S,4R)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]カルバメート(50.0g、129mmol)の溶液に少しずつ加える。22℃にて18時間撹拌した後、温度を25℃以下に維持しながら反応混合物を炭酸ナトリウム水溶液(500mL)に加える。メチル−t−ブチルエーテルを加え(500mL)、混合物を室温にて15分間撹拌する。混合物を珪藻土により濾過し、有機層を分離する。水層をメチル−t−ブチルエーテル(2×100mL)で抽出する。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得る。残渣を一定重量(46.0g、93.5%)まで真空下で乾燥させる。この物質をさらに精製せずに使用する。ES/MS(m/z):267(M−99).H NMR(300.16MHz,CDCl)δ9.87(d,J=2.8Hz,1H),9.44(t,J=2.2Hz,1H),7.63−7.55(m,3H),7.43−7.31(m,2H),7.26(s,3H),7.04−6.98(m,2H),5.30(s,1H),4.49−4.28(m,5H),4.12−4.06(m,2H),3.75(td,J=7.6,2.6Hz,1H),3.21(s,4H),2.62(s,1H),2.15(d,J=4.4Hz,6H),1.63(s,4H),1.36−1.31(m,18H),1.19(s,11H)。
調製例7
tert−ブチルN−[(3S,4S)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]カルバメート
方法A

スキーム1、工程H、副工程1および2(フッ素化および還元):テトラヒドロフラン(100mL)中のtert−ブチルN−[(3S,4S)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−ホルミル−テトラヒドロフラン−3−イル]カルバメート(9.0g、24.56)の溶液をピロリジン(2.20mL、26.4mmol)で処理する。得られた溶液を周囲温度にて7分間撹拌し、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(10.0g、28.2mmol)で処理する。反応物を周囲温度にて160分間撹拌し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルおよびジクロロメタンで連続して抽出する。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得る。残渣をメタノール(100mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(1.00g、26.2mmol)を溶液に1回で加える。得られた反応物を周囲温度にて37分間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、ジクロロメタンおよび酢酸エチルで連続して抽出する。有機層を合わせ、乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得る。残渣を、メタノール/ジクロロメタン(0:10)からメタノール/ジクロロメタン(1:10)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(2.70g、28%)を得る。ES/MS(m/e):287(M−99)。
方法B 調製7
D−(+)−プロリン(691mg、6.00mmol)を、2,2,2−トリフルオロ−エタノール(16mL、炭酸カリウムおよび3Å分子篩で処理し、使用前に濾過した)中のtert−ブチルN−[(3S,4S)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−ホルミル−テトラヒドロフラン−3−イル]カルバメート(2.00g、5.46mmol)の溶液に1回で加える。3Å分子篩(500mg)を加え、反応混合物を室温にて4時間撹拌する。反応混合物に、1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(2.51g、7.10mmol)を一度に加え、混合物を室温にて36時間撹拌する。溶媒を真空下で濃縮し、残渣を水(25mL)と酢酸エチル(25mL)との間に分ける。炭酸水素ナトリウム(7%水溶液)を加えてpH=8に調整し、有機層を分離する。水層を酢酸エチル(2×15mL)で抽出する。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をエタノール(25mL)に溶解し、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(289mg、7.64mmol)を加える。室温にて2時間撹拌した後、溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を水(30mL)と酢酸エチル(30mL)との間に分ける。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過する。濾液を減圧下で蒸発させる。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)から酢酸エチルで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色の泡状物として標題化合物(1.50g、70.0%)を得る。ES/MS(m/z):287(M−99).H NMR(300.13MHz,CDCl)δ7.99−7.89(m,1H),7.81−7.74(m,1H),7.49−7.46(m,1H),7.26(s,2H),6.98(dd,J=9.0,12.0Hz,1H),5.79−5.74(m,1H),4.39−4.34(m,1H),4.32−4.27(m,2H),2.14(s,4H),1.71(s,3H)。
方法C 調製例7
D−(+)−プロリン(36g、313.1mmol)を、メタノール(956mL)中のtert−ブチルN−[(3S,4S)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−ホルミル−テトラヒドロフラン−3−イル]カルバメート(95.6g、260.9mmol)の溶液に1回で加え、反応混合物を室温にて16時間撹拌する。反応混合物に、1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(120.1g、339.2mmol)を1回で加え、混合物を室温にて24時間撹拌する。溶媒を真空下で濃縮し、残渣を炭酸水素ナトリウム(7%水溶液)(800mL)と酢酸エチル(600mL)との間に分ける。水層を酢酸エチル(2×300mL)で抽出する。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をエタノール(956mL)に溶解し、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(13.80g、365.2mmol)を加える。室温にて2時間撹拌した後、溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を水(500mL)と酢酸エチル(500mL)との間に分ける。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固する。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)から酢酸エチルで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(55g、54%)を白色の泡状物として得る。ES/MS(m/z):287(M−99).H NMR(300.13MHz,CDCl)δ7.99−7.89(m,1H),7.81−7.74(m,1H),7.49−7.46(m,1H),7.26(s,2H),6.98(dd,J=9.0,12.0Hz,1H),5.79−5.74(m,1H),4.39−4.34(m,1H),4.32−4.27(m,2H),2.14(s,4H),1.71(s,3H)。
調製例8
N−[[(3S,4S)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]カルバモチオイル]ベンズアミド

スキーム2、工程I、(脱保護およびチオ尿素形成):ジクロロメタン(40mL)およびトリフルオロ酢酸(8.00mL、106mmol)中のtert−ブチルN−[(3S,4S)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]カルバメート(2.70g、6.99mmol)の溶液を周囲温度にて150分間撹拌する。反応物を減圧下で濃縮し、トルエンと共沸する。残渣をテトラヒドロフランに溶解し、トリエチルアミン(1.10mL、7.89mmol)およびベンゾイルイソチオシアネート(1.00mL、7.41mmol)で処理する。反応物を周囲温度にて16.5時間撹拌し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルおよびジクロロメタンで連続して抽出する。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得る。残渣を、メタノール/ジクロロメタン(0:10)からメタノール/ジクロロメタン(1:10)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(2.60g、83%)を得る。ES/MS(m/e):450(M+1)。
調製例9
N−[3−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]−4−フルオロ−フェニル]アセトアミド塩酸塩
方法A

スキーム3、工程Lおよび工程N、副工程1(脱保護):エタノール(8.61mL、148mmol)を、0℃にて酢酸エチル(127mL)中の塩化アセチル(9.36mL、131mmol)の溶液に滴下して加える。0℃にて30分間撹拌した後、tert−ブチルN−[(3S,4S)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]カルバメート(12.7g、32.8mmol)を加え、次いで反応混合物を室温に徐々に加温し、さらに18時間撹拌する。白色固体を濾過により回収し、一定重量まで減圧下で乾燥させて標題化合物(11.0g、99.0%)を得る。ES/MS(m/z):287(M−35).H NMR(300.16MHz,d−DMSO)δ10.31(s,1H),9.05(s,2H),7.85−7.83(m,1H),7.75−7.71(m,1H),7.31−7.22(m,1H),5.15−5.07(m,3H),4.48−4.33(m,3H),4.12−3.97(m,3H),2.50(s,4H),2.05(s,4H),1.98(s,1H),1.59(s,1H)。
方法B 調製例9
塩酸(1,4−ジオキサン中4M、1.95mL、7.80mmol)を、酢酸エチル(10mL)中のtert−ブチルN−[(3S,4S)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]カルバメート(1.00g、2.59mmol)の溶液に加え、混合物を室温にて一晩撹拌する。混合物を濾過し、白色沈殿物を酢酸エチル(10ml)で洗浄して標題化合物(800mg、96.0%)を白色固体として得る。ES/MS(m/z):287(M+1)。
方法C 調製例9
イソプロピルアルコール6M(100ml、600mmol)中の塩化水素を、イソプロピルアルコール(225mL)中のtert−ブチルN−[(3S,4S)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]カルバメート(56g、144.9mmol)の溶液に滴下して加える。22℃にて16時間撹拌した後、反応物をヘキサン(350mL)で希釈し、さらに30分撹拌する。白色固体を濾過により回収し、一定重量まで減圧下で乾燥させて標題化合物(36.5g、78%)を得る。ES/MS(m/z):287(M−35).H NMR(300.16MHz,d−DMSO)δ10.31(s,1H),9.05(s,2H),7.85−7.83(m,1H),7.75−7.71(m,1H),7.31−7.22(m,1H),5.15−5.07(m,3H),4.48−4.33(m,3H),4.12−3.97(m,3H),2.50(s,4H),2.05(s,4H),1.98(s,1H),1.59(s,1H)。
調製例10
N−[(4aR,7aS)−7a−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド
方法A

スキーム2、工程J(環化):ジクロロメタン(50mL)中のN−[[(3S,4S)−3−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]カルバモチオイル]ベンズアミド(2.60g、5.78mmol)および1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(1.10mL、8.31mmol)の溶液を周囲温度にて190分間撹拌する。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出する。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得る。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(0:1)から酢酸エチル/ヘキサン(1:0)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(1.36g、54%)を得る。ES/MS(m/e):432.0(M+1)。
方法B 調製例10
THF(290mL)中のN−[3−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]−4−フルオロ−フェニル]アセトアミド塩酸塩(14.5g、40.44mmol)の溶液をトリエチルアミン(5.64mL、40.44mmol)で処理し、混合物を15分間撹拌し、次いで5℃に冷やす。ベンゾイルイソチオシアネート(6mL、44.48mmol)を加え、3時間にわたって反応物を室温に加温する。1,1’−カルボニルジイミダゾール(7.21g、44.48mmol)を加え、反応混合物を室温にて16時間撹拌し、次いで72時間還流する。反応混合物を22℃に冷やし、次いで水(150mL)およびMTBE(200mL)に注ぐ。有機層を分離し、水層をMTBE(2×100mL)で洗浄する。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、残渣まで蒸発する。残渣を、塩化メチレン/酢酸エチル(1/1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、白色の泡状固体(10.5g、60%)として標題化合物を得る。ES/MS(m/e):328.0(M+1)。
調製例11
N−[(4aR,7aS)−7a−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル]ベンズアミド
方法A

スキーム3、工程L、副工程2aおよびb(中和、チオ尿素形成および環化):トリエチルアミン(1.90mL、13.6mmol)を、窒素下で5℃にてアセトニトリル(40mL)中のN−[3−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]−4−フルオロ−フェニル]アセトアミド塩酸塩(4.00g、12.4mmol)の溶液に加える。30分間撹拌した後、ベンゾイルイソチオシアネート(1.76mL、13.0mmol)を滴下して加える。得られた混合物を5℃にて1時間撹拌する。トリメチルシリルクロリド(1.73mL、13.6mmol)およびDMSO(968μL、13.6mmol)を加え、混合物を5℃にて2時間撹拌する。反応混合物をリン酸水素二カリウム(20%、150mL)水溶液に注いでpH7〜8に到達させ、30分間撹拌する。酢酸エチル(50mL)を加え、混合物を珪藻土で濾過する。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(50mL)で抽出する。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。濾液を減圧下で蒸発させ、残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(60%)から酢酸エチル/ヘキサン(90%)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(3.50g、68.0%)を白色固体として得る。ES/MS(m/z):416(M+1)。
方法B 調製例11
スキーム3、工程L、副工程2aおよびb(中和、N−カルバモイルベンズアミド形成および環化):N−[3−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]−4−フルオロ−フェニル]アセトアミド塩酸塩(12g、37.19mmol)、トリエチルアミン(5.7mL、41mmol)およびフェニルN−ベンゾイルカルバメート(9.9g、41mmol)の混合物をTHF(240mL)に溶解し、混合物を70℃にて2時間加熱する。混合物を室温に冷やし、酢酸エチル(500mL)で抽出し、水(250mL)、ブライン(250mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固して中間体のチオ尿素を得る。(LCMS(m/z):434(M+H)。粗物質をジクロロメタン(240mL)に溶解し、−78℃に冷却する。三フッ化ジエチルアミノ硫黄(5.9mL、45mmol)を加え、ドライアイス冷却浴を取り除き、混合物を室温に加温し、1時間撹拌する。混合物をジクロロメタン(500mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(250mL)で洗浄する。混合物を珪藻土で濾過し、ブライン(250mL)で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固する。残渣を、ジクロロメタンおよびメタノール(99:1)から(95:5)の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する。精製を混合画分で繰り返して標題化合物(13.5g、87%)を得る。LCMS(m/z):415.8(M+H)。
調製例12
(4aR,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン

方法A
スキーム2、工程K、副工程1(脱保護):エタノール(30mL)中のN−[(4aR,7aS)−7a−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(2.36g、3.15mmol)、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.50g、17.6mmol)およびピリジン(1.50mL、18.6mmol)の溶液を50℃で16時間加熱する。次いで濃塩酸(6.00mL、79.2mmol)を加え、加熱をさらに24時間継続する。反応物を周囲温度に冷やし、減圧下で濃縮する。残渣を、メタノール/ジクロロメタン(0/10)中の7Mアンモニアからメタノール/ジクロロメタン(1/10)中の7Mアンモニアで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(800mg、89%)を得る。ES/MS(m/e):286.0(M+1)。
方法B
スキーム2、工程K、副工程1(脱保護):エタノール(25mL)中のN−[(4aR,7aS)−7a−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(1.20g、2.50mmol)、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.50g、23.5mmol)およびピリジン(2.00mL、24.7mmol)の溶液を50℃で18時間加熱する。次いで反応物を、溶出液としてメタノール、続いてメタノール中の7Mアンモニアを使用したSCXカラムによって直接精製して残渣を得る。残渣をエタノール(15mL)および塩酸(3.00mL、39.6mmol)に溶解し、50℃にて23時間加熱する。反応物を周囲温度に冷やし、減圧下で濃縮する。残渣を、メタノール、続いてメタノール中の7MアンモニアにおいてSCXカラムにより精製して標題化合物(640mg、90%)を得る。ES/MS(m/e):286.0(M+1)。
方法C 調製例12
メタノール(25mL)中のN−[(4aR,7aS)−7a−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(2.15g、2.49mmol)、水酸化リチウム(179mg、7.47mmol)の溶液を50℃で16時間加熱する。次いで反応混合物を室温に冷やし、溶媒を蒸発させる。残渣を酢酸エチル(15mL)および水(20mL)で希釈し、2Mクエン酸水溶液を加えてpHを1に調整する。水層を分離し、pH=10になるまでNaOH50%w/w水溶液で中和する。反応混合物を酢酸エチル(2×15mL)で洗浄し、有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過する。濾液を蒸発させて標題化合物(850mg、89%)を得る。粗物質をさらに精製せずに使用する。ES/MS(m/e):286.0(M+1)。
調製例13
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]アセトアミド
方法A

スキーム3、工程M、副工程1(脱保護):N−[(4aR,7aS)−7a−(5−アセトアミド−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−イル]ベンズアミド(3.50g、8.43mmol)を、メタノール(35mL)中の水酸化リチウム(225mg、9.27mmol)の溶液に加え、混合物を40℃にて18時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチル(50mL)と水(30mL)との間に分ける。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせる。有機溶液を塩酸水溶液(0.1M、50mL)で洗浄する。次いで水層をpH=10になるまで水酸化ナトリウム水溶液(2.0M)で処理し、酢酸エチル(2×50mL)で2回抽出する。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。濾液を減圧下で蒸発させて標題化合物(1.9g、72%)を白色の泡状物として得る。ES/MS(m/z):312(M+1)。
方法B 調製例13
スキーム3、工程N、副工程2aおよび2b(中和および環化):THF(80mL)中のN−[3−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]−4−フルオロ−フェニル]アセトアミド塩酸塩(8g、24.8mmol)の溶液を、[ベンゾイル(フェノキシカルボニル)アミノ]カリウム(7.62、27.3mmol)で処理し、混合物を還流で3時間加熱する。反応物を冷やし、溶媒を蒸発させる。残渣を水(50mL)と酢酸エチル(100mL)との間に分け、水層を捨てる。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。濾液を蒸発させ、残渣を一定重量まで真空下で乾燥させる。粗物質を塩化メチレン(120mL)に溶解し、次いで窒素雰囲気下で−35℃に冷却する。内部温度を−35℃に維持しながら三フッ化ジエチルアミノ硫黄(3.94mL、29.75mmol)を加える。混合物をこの温度で1時間撹拌し、次いで2時間、22℃に加温する。反応物をリン酸水素二カリウム水溶液(200mL)および塩化メチレン(50mL)に注ぐ。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。濾液を蒸発させ、真空下で一定重量まで乾燥させる。この粗物質をメタノール(80mL)に溶解し、水酸化リチウム(783mg、32.2mmol)を加える。混合物を16時間の間、50℃で加熱する。メタノールを蒸発させ、残渣を水(50mL)および酢酸エチル(100mL)に注ぐ。有機層を分離し、水層をさらなる酢酸エチル(100mL)で洗浄する。有機層を合わせ、塩酸0.5M(2×30mL)で洗浄する。水層を合わせ、水酸化ナトリウムを加えてpH=10に調整し、水性混合物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出する。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。濾液を蒸発乾固し、残渣を一定重量まで真空下で乾燥させて標題化合物(5.5g、71%の全収率、3工程)を得る。ES/MS(m/z):312(M+1)。
調製例14
(4aR,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−アミン
方法A

スキーム3、工程M、副工程1(脱保護):N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]アセトアミド(800mg、2.57mmol)を塩化水素水溶液(1.0M、10ml)に加え、得られた溶液を90℃で3時間加熱する。反応物を22℃に冷やし、酢酸エチル(5mL)で洗浄する。水層を分離し、pH=10になるまで水酸化ナトリウム水溶液(1.0M)で処理し、酢酸エチル(2×5mL)で抽出する。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。濾液を減圧下で蒸発させて標題化合物(650mg、2.34mmol)を得る。ES/MS(m/z):270(M+1)。
方法B 調製例14
スキーム3、工程N、副工程2aおよびb(中和および環化):トリエチルアミン(0.32mL、2.3mmol)を、ジクロロメタン(10mL)中のN−[3−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−イル]−4−フルオロ−フェニル]アセトアミド塩酸塩(600mg、1.85mmol)の溶液に加える。混合物を室温にて10分間撹拌し、濃縮する。酢酸エチル(10mL)を残渣に加え、混合物を40℃で10分間加熱する。混合物を濾過し、濾液を濃縮し、40mLのねじ式の容器に加える。無水エタノール(12mL)および臭化シアン(305mg、2.79mmol)を加え、混合物を120℃で4時間加熱する。溶媒を蒸発乾固する。水(20mL)および塩酸水溶液(1.0M、20mL)を加える。得られた混合物を酢酸エチル(40mL)で洗浄する。水層を濃塩酸水溶液(3.2mL)で処理し、50℃にて48時間撹拌する。混合物を室温に冷やし、水酸化ナトリウム水溶液(2.0M)を使用してpHを塩基性に調整する。次いで混合物を酢酸エチル(200mL)で抽出する。有機層をブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残渣を、メタノール/ジクロロメタン(98:2)中の7Mアンモニウムからメタノール/ジクロロメタン(90:10)中の7Mアンモニアの勾配で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(175mg、35%)を白色固体として得る。ES/MS(m/z):270(M+1)。
方法C 調製例14
N−[3−(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]アセトアミド(17g、54.6mmol)を塩化水素水溶液(1.0M、218ml)に加え、得られた溶液を90℃で3時間加熱する。反応物を5℃に冷やし、水酸化ナトリウム水溶液50%w/wを加えてpH=10に調整する。混合物を酢酸エチル(3×100mL)で洗浄する。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。濾液を減圧下で蒸発させて標題化合物を白色固体(13.4g、91%)として得る。ES/MS(m/z):270(M+1)。
調製例15
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−ピリジン−2−カルボキサミド
方法A

スキーム3、工程M、副工程2または工程N、副工程3(アミド化):ジメチルホルムアミド(20μL、0.26mmol)および塩化オキサリル(162μL、1.87mmol)を、アセトニトリル(10mL)中の5−シアノピリジン−2−カルボン酸(310mg、2.00mmol)のスラリーに加え、室温にて約10分間撹拌する。次いでこの混合物を、エタノール(5mL)および水(5mL)中の(4aR,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−アミン(500mg、1.86mmol)の溶液に50℃で一度に加え、温度を50℃に維持する。反応混合物を約10分間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチする。次いで混合物を酢酸エチルで抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して残渣を得、それを、ジクロロメタン中の0〜10%MeOHの勾配で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、さらにメタノール/ジクロロメタン(5/95)中の7Mアンモニアの勾配を使用して2回精製して標題化合物(470mg、63%)を得る。ES/MS(m/z):400(M+1)。
方法B 調製例15
水(81mL)およびエタノール(116mL)の混合物中の(4aR,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−アミン(11.6g、41.8mmol)の溶液に、1M塩化水素水溶液(41.7mL、41.7mmol)を加える。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(8.41g、43.8mmol)および5−シアノピリジン−2−カルボン酸(6.5g、43.8mmol)を一度に加え、反応物を室温にて3時間撹拌する。さらに1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(10mg、52.16μmol)を加え、混合物を30分間撹拌する。反応混合物を50℃で加熱し、全ての固体を溶解する。1M水酸化ナトリウム水溶液(45.97mL、45.97mmol)を、50℃に温度を維持し、pHを11に調整しながら、滴下して加える。反応物を室温に冷やし、白色固体を濾過により回収し、水で洗浄する。固体を一定重量まで真空下で乾燥させ、次いで塩化メチレン/メタノール(95:5)の混合物で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(7.5g、45%)を白色固体として得る。ES/MS(m/z):400(M+1)。
調製例16
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−クロロ−ピラジン−2−カルボキサミド

スキーム3、工程M、副工程2または工程N、副工程3(アミド化):アセトニトリル(15mL、283mmol)中の5−クロロピラジン−2−カルボン酸(1.53g、9.66mmol)の混合物を、DMF(115μL、1.49mmol)および塩化オキサリル(970μL、11.1mmol)で処理する。混合物を周囲温度にて窒素下で20分間撹拌する。別のフラスコに、(4aR,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−アミン(2.00g、7.43mmol)、エタノール(7.4mL)、水(7.4mL)を加え、混合物を50℃で加熱する。酸塩化物を上記で調製した溶液に加え、反応混合物を50℃で20分間撹拌する。反応物を室温に冷やし、酢酸エチル(200mL)で希釈し、水(40mL)および飽和NaHCO(40mL)水溶液で洗浄する。水性洗浄物を合わせ、酢酸エチル(100mL)で抽出する。合わせた有機層を乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空中で除去して粗生成物を得る。粗生成物を、酢酸エチルで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題生成物(2.85g、94%)を得る。ES/MS(m/e):410(M+1)。
調製例17
5−(シクロプロピルメトキシ)ピラジン−2−カルボン酸

ジメチルホルムアミド(20.0mL)中の5−クロロピラジン−2−カルボン酸(1.00g、6.31mmol)、シクロプロピルカルビノール(1.00mL、12.4mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(2.00g、17.8mmol)の溶液を100℃で3時間加熱する。反応物を室温に冷やし、1M塩酸でクエンチする。混合物を酢酸エチルおよびイソプロピルアルコール/クロロホルム(1/10)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(1.10g、90%)を灰色がかった固体として得る。この酸をさらに精製せずに直接使用する。
調製例18
メチル5−(シクロプロポキシ)ピラジン−2−カルボキシレート

シクロプロパノール(542μL、8.69mmol)を、ジメチルホルムアミド(11.6mL)中のメチル5−クロロピラジン−2−カルボキシレート(1.0g、5.79mmol)および炭酸カリウム(1.60g、11.59mmol)の懸濁液に加える。反応混合物を室温にて15時間、次いで50℃にて24時間撹拌する。反応物を周囲温度に冷やし、水で希釈し、酢酸エチルで抽出する(3回)。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して茶色の油を得る。粗生成物を、酢酸エチル/ヘキサン(0:100)から酢酸エチル/ヘキサン(35:65)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(610mg、54%)を得る。ES/MS(m/e):195.0(M+1)。
調製例19
5−(シクロプロポキシ)ピラジン−2−カルボン酸

水酸化リチウム(264mg、6.28mmol)を、テトラヒドロフラン(10mL)および水(0.5mL)中のメチル5−(シクロプロポキシ)ピラジン−2−カルボキシレート(610mg、3.14mmol)の溶液に加える。反応混合物を50℃で1時間撹拌し、周囲温度に冷やし、水で希釈し、1M HClをゆっくり加えることによってpH=2にし、ジクロロメタンで抽出する(4回)。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して標題化合物(550mg、97%)を得る。ES/MS(m/e):181.0(M+1)。
調製例20
5−(オキセタン−2−イルメトキシ)ピラジン−2−カルボン酸

電子レンジバイアルに、5−クロロピラジン−2−カルボン酸(100.0mg、0.631mmol)、ジメチルホルムアミド(5mL)、オキセタン−2−イルメタノール(83.4mg、0.946mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(176.9mg、1.58mmol)を加える。少しの発熱が観察される。室温にて1分後、バイアルを密封し、混合物を電子レンジにおいて120℃で30分間加熱する。次いで反応混合物をNHCl水溶液でクエンチし、減圧下で溶媒を蒸発させる。得られた残渣を2−プロパノール中で粉砕する。濾液を減圧下で濃縮して標題化合物をクリーム色の固体(0.294g、99%)として得、さらに精製せずに使用する。ES/MS(m/e):211.0(M+1)、208.8(M−H)。
調製例21
5−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピラジン−2−カルボン酸

カリウムtert−ブトキシド(4.25g、37.84mmol)を、DMF(20mL)中の5−クロロピラジン−2−カルボン酸(1.00g、6.31mmol)およびジフルオロエタノール(2.59g、31.54mmol)の溶液に加え、混合物を100℃にて2時間加熱する。反応物を室温に冷やし、窒素下で一晩撹拌する。反応物を1M HCl(30mL)でクエンチし、酢酸エチルで抽出する(3回)。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得る。粗生成物を、ジクロロメタン中の0.5%から10%メタノールの勾配で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、キシレンと共沸して残留DMFを除去して標題生成物(1.18g、91%)を得る。ES/MS(m/e):205.0(M+1)。
表1における以下の化合物は、適切なアルコールを使用して調製例21に記載される方法と本質的に同様の方法で調製する。
調製例28
メチル5−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ピリジン−2−カルボキシレート

メチル5−ヒドロキシピリジン−2−カルボキシレート(0.903g、5.90mmol)をアセトン(7mL)およびDMF(7mL)中に懸濁する。325メッシュの炭酸カリウム(2.44g、17.69mmol)を一度に加え、窒素下で室温にて1.5時間撹拌する。2,2,3,3−テトラフルオロプロピルトリフルオロメタンスルホネート(2.02g、7.67mmol)を滴下して加え、混合物を2時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルおよび飽和NHClで希釈し、酢酸エチルで抽出する(3回)。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去する。粗生成物を、ジクロロメタン中の0〜20%酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(1.047g、66%)を得る。ES/MS(m/e):268.0(M+1)。
調製例29
5−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ピリジン−2−カルボン酸

水酸化リチウム(469mg、19.6mmol)を、THF(7mL)および水(7mL)中のメチル5−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ピリジン−2−カルボキシレート(1.047mg、3.92mmol)の溶液に加える。反応混合物を60℃にて1時間撹拌し、周囲温度に冷やし、1M HCl(20mL)でクエンチし、ブラインで希釈し、ジクロロメタンで抽出する(3回)。有機層を合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して標題化合物(921mg、93%)を得る。ES/MS(m/e):254.0(M+1)。
調製例30
エチル5−(2,2−ジフルオロエトキシ)−3−フルオロ−ピリジン−2−カルボキシレート

エチル3,5−ジフルオロピリジン−2−カルボキシレート(0.98g、5.24mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解する。ジフルオロエタノール(430μL、6.81mmol)を加え、続いて炭酸カリウム(1.83g、13.09mmol)を加える。溶液を室温にて2日間撹拌し、次いで濾過し、濾液を濃縮する。粗物質を、0〜25〜50%酢酸エチル/ヘキサン勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(242mg、18%)を得る。ES/MS(m/e):250.0(M+1)。
調製例31
5−(2,2−ジフルオロエトキシ)−3−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸

水酸化ナトリウム(水中2M、2.43mL、4.86mmol)を、THF(10mL)中のエチル5−(2,2−ジフルオロエトキシ)−3−フルオロ−ピリジン−2−カルボキシレート(242mg、0.97mmol)の溶液に加える。反応物を室温にて5日間撹拌する。ジオキサン(1.25mL、5mmol)中の4M HClを加えることによって反応物をクエンチし、溶液を濃縮して粗標題化合物(493mg、229%)を得る。ES/MS(m/e):222.0(M+1)。
調製例32
2−クロロ−3−フルオロ−5−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ピリジン

6−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−オール(300mg、2.03mmol)をDMF(10mL)に溶解する。炭酸カリウム(562mg、4.07mmol)、続いて2,2,3,3−テトラフルオロプロピルトリフルオロメタンスルホネート(591mg、2.24mmol)を加える(この試薬の調製については、US2013/143900、実施例1を参照のこと)。反応物を室温にて18時間撹拌し、次いで室温にて4日間静置させる。反応物をNaHCO水溶液および酢酸エチルで希釈する。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出する(2×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、濃縮する。粗物質を、0〜10%酢酸エチル/ヘキサン勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(440mg、83%)を得る。ES/MS(m/e):262.0(M+1)。
調製例33
メチル3−フルオロ−5−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ピリジン−2−カルボキシレート

2−クロロ−3−フルオロ−5−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ピリジン(440mg、1.68mmol)を、酢酸パラジウム(II)(0.04g、0.18mmol)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.12g、0.21mmol)を含有するParrオートクレーブに加える。アセトニトリル(9mL)、続いてメタノール(6mL)を加える。トリエチルアミン(0.6mL、4.3mmol)を加え、オートクレーブを密閉し、Nでパージし、COでパージし、次いで100psiCOで加圧し、100℃にて18時間加熱する。溶液を濃縮して粗生成物を得、それを、0〜25%酢酸エチル/ヘキサン勾配を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して標題化合物(430mg、90%)を得る。ES/MS(m/e):286.0(M+1)。
調製例34
3−フルオロ−5−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ピリジン−2−カルボン酸

水酸化ナトリウム(水中2M、2mL、4.0mmol)を、THF(15mL)中のメチル3−フルオロ−5−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ピリジン−2−カルボキシレート(430mg、0.1.51mmol)の溶液に加える。反応物を室温にて18時間撹拌する。ジオキサン(1.25mL、5mmol)中の4M HClを加えることによって反応物をクエンチし、溶液を濃縮して粗標題化合物(476mg、99%)を得る。ES/MS(m/e):222.0(M+1)。
調製例35
(1−フルオロシクロプロピル)メタノール

THF(8mL)中の1−フルオロ−シクロプロパンカルボン酸(0.78g、7.49mmol)の0℃の溶液を、10分にわたって1Mボラン−テトラヒドロフラン錯体(8.99mL、8.99mmol)を滴下することにより処理する。反応物を室温に加温し、窒素下で18時間撹拌する。さらに1Mボラン−テトラヒドロフラン錯体(3.75mL、3.75mmol)を加え、反応物を2時間撹拌する。反応物を水(発熱が観察される)、続いて1N HCl(25mL)でクエンチする。混合物を酢酸エチルで抽出し、分離する。水層を酢酸エチルで抽出し(2回)、有機層を合わせる。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、溶媒を真空中で除去して標題生成物(0.848g、100%)を得る。
調製例36
5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−カルボン酸

窒素雰囲気下でDMF(250mL)中のメチル5−クロロピラジン−2−カルボキシレート(25g、144.87mmol)の溶液に、炭酸セシウム(47.2g、144.8mmol)および2,2,2−トリフルオロ−エタノール(15.7mL、217.3mmol)を加える。反応混合物を室温にて72時間撹拌する。混合物を水(1L)に注ぎ、薄茶色の固体を濾過により回収する。固体を水で洗浄し、一定重量まで真空下で乾燥させる。乾燥粗物質を、水(200mL)およびイソプロピルアルコール(40ml)の混合物から2回再結晶化して、中間体メチル5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−カルボキシレート(15g、93%)を薄いクリーム色の固体として得、それをさらに精製せずに使用する。メタノール(50mL)および1M水酸化ナトリウム水溶液(42.3mL、42.3mmol)中の中間体メチル5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−カルボキシレート(5g、21.17mmol)の溶液を室温にて2時間撹拌する。塩酸35%w/wを加えてpHを2に調整する。メタノールが蒸発し、薄いクリーム色の固体が濾過により単離される。固体を水で洗浄し、真空下で乾燥させて標題化合物(3g、51%)を得る。ES/MS(m/z):223.1(M+1)。
調製例37
5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−カルボン酸

DMF(1L)中のメチル5−ヒドロキシピリジン−2−カルボキシレート(10.1g、65.95mmol)および炭酸セシウム(42.9g、131.9mmol)の溶液に、2時間にわたって、20mlのDMF中の2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(22.96g、98.93mmol)の溶液を加える。反応物を室温にて4時間撹拌し、次いで水(1L)に注ぎ、さらに1時間撹拌する。茶色の固体を濾過により回収し、さらなる水で洗浄する。固体を一定重量まで乾燥させて、メチル5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−カルボキシレートの中間体化合物(10.3g、66%)を得、それをさらに精製せずに使用する。メタノール(45mL)中のメチル5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−カルボキシレート(4.5g、19.1mmol)の溶液に、1M水酸化ナトリウム水溶液(38.2ml、38.2mmol)を加え、反応物を室温にて2時間撹拌する。反応混合物のpHをHCl35%w/wを用いてpH=1に調整し、次いで得られた固体を濾過により単離する。固体を水で洗浄し、次いで真空下で乾燥させて標題化合物(3g、70%)を得る。ES/MS(m/z):222.1(M+1)。
調製例38
[ベンゾイル(フェノキシカルボニル)アミノ]カリウム

カリウムtert−ブトキシド1.5M溶液(113.8mL、182mmol)を、窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(450mL)中のベンズアミド(20.36g、168mmol)ジ−フェニルカルボネート(30g、140mmol)の溶液に加える。反応物を20℃にて16時間撹拌する。淡いピンク色の固体を濾過により回収し、一定重量まで減圧下で乾燥させて標題化合物(29g、74%)を得る。H NMR(300.16MHz,d−DMSO)δ7.88−7.85(m,2H),7.55−7.40(m,3H),7.15−7.10(m,2H),6.77−6.67(m,3H)。
実施例1
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−フルオロ−ピリジン−2−カルボキサミド塩酸塩

スキーム2、工程K、副工程2(アミド化):塩化オキサリル(180μL、2.07mmol)を、アセトニトリル(10mL)中のジメチルホルムアミド(180μL、2.33mmol)の溶液に加え、得られた反応物を10分間撹拌する。5−フルオロピリジン−2−カルボン酸(300mg、2.13mmol)を得られた溶液に加える。得られた反応物をさらに40分間撹拌し、次いでこの溶液の5.0mLをシリンジにより除去し、50℃にてエタノール(6.0mL)および水(6.0mL)中の(4aR,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(330mg、1.04mmol)の溶液に滴下して加える。得られた溶液を、SCXカラム(メタノール、次いでメタノール中の7Mアンモニア)により精製する前に50℃で50分間加熱して残渣を得、それを、メタノール/ジクロロメタン(0/10)中の7Mアンモニアからメタノール/ジクロロメタン(1/10)中の7Mアンモニアで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより再び精製して残渣を得、それを、(5%メタノールを含む10mM炭酸水素アンモニウム水溶液)中のアセトニトリルの15〜40%勾配で溶出する高性能C18カラム(Waters X−Bridge OBD 30×75mm、5μm粒径)を使用してHPLCによりさらに精製する。生成物を含有する溶出液を減圧下で約100mLに濃縮し、次いで凍結乾燥して白色の残留物を所望の生成物の遊離塩基として得る。この物質を2mLのジクロロメタン/メタノール(1/1)に溶解し、エーテル(360μL、0.36mmol)中の1M HClで処理する。試料を濃縮して標題化合物(177mg、38%)を得る。ES/MS(m/e):409.0(M+1)。
実施例2
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−メトキシ−ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩

スキーム2、工程K(アミド形成):塩化オキサリル(127μL、1.46mmol)を、アセトニトリル(6mL)中の5−メトキシピラジン−2−カルボン酸(225mg、1.46mmol)およびジメチルホルムアミド(113μL、1.46mmol)のスラリーに加える。得られた反応物を90分間撹拌する。この溶液を、50℃にてエタノール(5.5mL)および水(5.5mL)中の(4aR,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(320mg、1.12mmol)の溶液に滴下して加える。得られた溶液を50℃にて5時間加熱する。反応物を、200mLのNaHCO(水溶液)を含有する分液漏斗に注ぐ。試料をジクロロメタン(3×200mL)で抽出する。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、濃縮する。粗生成物を、メタノール/ジクロロメタン(0/10)中の7Mアンモニアからメタノール/ジクロロメタン(1/10)中の7Mアンモニアで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。この物質を、150gの高性能C18カラムを使用し、(5%MeOHを含む10mM炭酸水素アンモニウム水溶液)中のACNの5〜60%勾配で溶出する逆相フラッシュクロマトグラフィーによりさらに精製する。生成物を含有する溶出液を単離し、4:1のクロロホルム:イソプロパノール溶液(3×50mL)で抽出する。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して所望の化合物の遊離塩基を得る。この物質をジクロロメタン(15mL)に溶解し、ジオキサン(900μL、3.6mmol)中の4M HClで処理する。試料を濃縮して標題化合物(160mg、31.2%)を得る。ES/MS(m/e):422.0(M+1)。
実施例3
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−ピリジン−2−カルボキサミド塩酸塩

スキーム2、工程K(アミド形成):塩化オキサリル(60.0μL、692μmol)をアセトニトリル(4.0mL)中のジメチルホルムアミド(60.0μL、776μmol)の溶液に加え、得られた反応物を16分間撹拌する。5−シアノピリジン−2−カルボン酸(106mg、715μmol)を得られた溶液に加える。反応物を33分間撹拌し、この溶液の2.0mLをシリンジにより除去し、50℃にてエタノール(2.0mL)および水(2.0mL)中の(4aR,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(110mg、347μmol)の溶液に滴下して加える。得られた溶液を50℃にて44分間加熱し、続いてSCXカラム(メタノールからメタノール中の7Mアンモニア)により精製して残渣を得、それを、メタノール/ジクロロメタン(0/10)中の7Mアンモニアからメタノール/ジクロロメタン(1/10)中の7Mアンモニアで溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより再び精製して、所望の生成物(120mg、83%)の遊離塩基として残渣を得る。この物質を5mLのジクロロメタン/メタノール(1/1)に溶解し、エーテル(300μL、0.30mmol)中の1M HClで処理する。試料を濃縮して標題化合物(128mg、81.6%)を得る。ES/MS(m/e):416.1(M+1)。
実施例4
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−(オキセタン−2−イルメトキシ)ピラジン−2−カルボキサミド

酢酸エチル(8.90μL、1.50mmol)中の1−プロパンホスホン酸環状無水物50wt%溶液を、(4aR,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(81.2mg、0.285mmol)、5−(オキセタン−2−イルメトキシ)ピラジン−2−カルボン酸(140mg、0.300mmol)および無水ジクロロメタン(10mL)の混合物を含有する電子レンジバイアルに加える。バイアルを密閉し、混合物を室温にて一晩撹拌する。次いで混合物を水とジクロロメタンとの間に分け、層分離カートリッジにより層を分離する。有機物を合わせ、溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた油をメタノールに溶解し、濾過し、分取HPLC(Phenomenex Gemini 10μm 50150mm C−18)(120ml/分にて10分にわたりCHCNおよび10mM炭酸水素アンモニウムを含む水、10%〜100%CHCN)(1回の注入)により精製する。生成物を有する画分を遠心蒸発器において一晩濃縮乾固して、標題化合物を白色固体(40mg、28%)として得る。ES/MS(m/e):478.2(M+1)。
表2における以下の化合物は、アミド形成反応のために適切に置換されたカルボン酸を利用して実施例1〜3に記載される方法と本質的に同様の方法で調製する。実施例1〜3および表2に示される例の各々は、遊離塩基として、または実施例3に記載されるように薬学的に許容可能な塩、例えばHCl塩として調製され得る。






実施例34
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−ピリジン−2−カルボキサミド塩酸塩
方法A

遊離塩基N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−ピリジン−2−カルボキサミド(458mg、1.15mmol、調製例15において調製した)をジクロロメタン(3mL)およびメタノール(3mL)に溶解する。塩酸(1,4−ジオキサン中4M、380μL、1.52mmol)を加える。溶液を蒸発乾固させて標題化合物(380mg、76%)を淡黄色の固体として得る。ES/MS(m/z):400(M+1)。
方法B 実施例34
メタノール(182mL)中のN−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−ピリジン−2−カルボキサミド(9.1g、22.7mmol)の溶液に、イソプロピルアルコール(18.9mL、22.7mmol)中の塩酸1.2Mの溶液を加える。混合物を15分間撹拌する。溶媒を蒸発させて標題化合物を白色結晶固体(9.8g、99%)として得る。ES/MS(m/z):400(M+1)。
実施例35
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−3−フルオロ−ピリジン−2−カルボキサミド塩酸塩

スキーム3、工程M、副工程2(アミド化):ジメチルホルムアミド(10μL、0.14mmol)および塩化オキサリル(119μL、1.38mmol)をアセトニトリル(3.7mL)に加え、室温にて10分間撹拌する。5−シアノ−3−フルオロ−ピリジン−2−カルボン酸(213mg、1.28mmol)を加え、混合物をさらに10分間撹拌する。次いでこの混合物を、エタノール(3.7mL)および水(3.7mL)中の(4aR,7aS)−7a−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−2−アミン(247mg、0.917mmol)の溶液に一度に加え、55℃で加熱する。反応混合物を1.5時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮する。残渣を酢酸エチルで希釈し、1/2飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄する。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して残渣を得、それを、メタノール/ジクロロメタン(1/99)中の7Mアンモニアからメタノール/ジクロロメタン(10/90)中の7Mアンモニアの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(328mg、0.786mmol)の遊離塩基を得る。遊離塩基をジクロロメタン(5mL)およびメタノール(0.2mL)に溶解し、塩酸(ジエチルエーテル中1M、865μL、0.865mmol)で処理し、減圧下で濃縮する。ジエチルエーテル(3mL)を残渣に加え、濃縮し、これを2回繰り返して標題化合物(349mg、0.769mmol、83.8%)を得る。ES/MS(m/z):418.0(M+1)。
表3における以下の化合物は、アミド形成反応において適切に置換されたカルボン酸を利用して実施例35に記載される方法と本質的に同様の方法で調製する。加えて、HCl塩は実施例35に記載される方法と同様の方法で対応する遊離塩基から調製する。




実施例57
N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−[(1−フルオロシクロプロピル)メトキシ]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩

N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−クロロ−ピラジン−2−カルボキサミド(110mg、268μmol)、(1−フルオロシクロプロピル)メタノール(73mg、805μmol)および炭酸カリウム(111mg、805.31μmol)を電子レンジバイアル中で合わせる。アセトニトリル(3mL)を加え、反応混合物を電子レンジ反応器内で150℃にて1.5時間加熱する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和NaHCO水溶液および水で洗浄する。合わせた水層を酢酸エチルで2回抽出し、MgSOで乾燥させ、溶媒を真空中で除去して粗生成物を得る。粗生成物を、ジクロロメタン中の0〜3%(7N NH−メタノール)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標題生成物(37mg、30%)の遊離塩基を得る。遊離塩基をジクロロメタン(2mL)に溶解し、塩酸(ジエチルエーテル中1M、80μL、80μmol)で処理し、減圧下で濃縮して標題生成物(39mg、29%)を得る。ES/MS(m/e):464(M+1)。
表4における以下の化合物は、2−フルオロプロパ−2−エン−1−オールを利用して実施例57に記載される方法と本質的に同様の方法で調製する。加えて、HCl塩は実施例35に記載される方法と同様の方法で対応する遊離塩基から調製する。
インビトロアッセイ手順:
インビトロ酵素および細胞アッセイに関して、試験化合物をDMSO中に調製して10mMのストック溶液を作製する。ストック溶液をDMSO中で連続希釈して、インビトロ酵素および全細胞アッセイを実施する前に96ウェル丸底プレート中で10μM〜0.05nMの範囲の最終化合物濃度で10点希釈曲線を得る。
インビトロプロテアーゼ阻害アッセイ:
huBACE1:Fcの発現および精製
ヒトBACE1(アクセッション番号:AF190725)を、RT−PCRによって全脳cDNAからクローニングする。アミノ酸配列#1〜460に対応するヌクレオチド配列を、ヒトIgG(Fc)ポリペプチドをコードするcDNAに挿入する(Vassarら、Science、286、735−742(1999))。huBACE1:Fcと命名される、BACE(1〜460)およびヒトFcのこの融合タンパク質をpJB02ベクター内に構築する。ヒトBACE1(1〜460):Fc(huBACE1:Fc)をHEK293細胞において一過的に発現する。各構築物の250μgのcDNAをFugene6と混合し、1リットルのHEK293細胞に加える。トランスフェクションの4日後、馴化培地を精製のために収集する。huBACE1:FcをプロテインAクロマトグラフィーによって精製する。酵素を少しのアリコートにおいて−80℃に保存する(Yangら、J.Neurochemistry、91(6)1249−59(2004)を参照のこと)。
BACE1 FRETアッセイ
試験化合物の連続希釈を上記のように調製する。化合物をKHPO緩衝液中でさらに20倍に希釈する。10μLの各希釈物を、反応混合物(25μLの50mM KHPO、pH4.6、1mMのTRITON(登録商標)X−100、1mg/mLのウシ血清アルブミン、および15μMのFRET基質)を含有する、列A〜Hの対応する低いタンパク質結合ブラックプレートで各ウェルに加える(Yangら、J.Neurochemistry、91(6)1249−59(2004)を参照のこと)。内容物を、プレートシェーカーで10分間、十分に混合する。KHPO緩衝液中の15μLの200pMのヒトBACE1(1〜460):Fc(Vasserら、Science、286、735−741(1999)を参照のこと)を基質および試験化合物を含有するプレートに加えて反応を開始する。0時における混合物のRFUを、プレートシェーカーで簡単に混合した後、励起波長355nmおよび放射波長460nmにて記録する。反応プレートをアルミニウム箔で覆い、16〜24時間、室温にて暗い加湿オーブン内に維持する。インキュベーションの終わりにRFUを、0時において使用した同じ励起および放射設定で記録する。0時およびインキュベーションの終了時におけるRFUの相違は、化合物処理下でのBACE1の活性を表す。RFUの相違を阻害剤濃度に対してプロットし、曲線を4パラメータロジスティック式に適合してIC50値を得る(Mayら、Journal of Neuroscience、31、16507−16516(2011)を参照のこと)。
本明細書における実施例1〜58の化合物を本質的に上記のように試験すると、BACE1について約1μM未満のIC50値を示し、実施例1、2、3、34および57の化合物は表5に示すように以下の活性を示す。
このデータにより、実施形態1〜58の化合物が、精製された組換えBACE1酵素活性をインビトロで阻害することが実証される。
PDAPP初代神経細胞アッセイ
確認の全細胞アッセイもまた、PDAPPトランスジェニック胚マウスから生成された初代神経培養物中で実施する(Mayら、Journal of Neuroscience、31、16507−16516(2011))。初代皮質ニューロンを胎生16日目のPDAPP胚から調製し、96ウェルプレート(DMEM/F12(1:1)プラス10%FBS中の15×10個の細胞/ウェル)中で培養する。インビトロで2日後、培養培地を、B27補足物および2μM(最終)のAra−C(Sigma、C1768)を含有する無血清DMEM/F12(1:1)と置き換える。インビトロで5日目に、神経を、所望の濃度にて阻害剤(DMSO中に希釈した)の存在/非存在下で、37℃にて24時間、インキュベートする。インキュベーションの終わりに、例えば、特定のサンドイッチELISAによるAベータペプチド1〜40および1〜42を分析することによってベータ−セクレターゼ活性の証拠について馴化培地を分析する。Aベータのこれらの特定のアイソフォームを測定するために、モノクローナル21F12をAベータ1〜42についての捕捉抗体として使用する。Aベータ1〜40およびAベータ1〜42ELISAの両方は報告抗体としてビオチン化3D6を使用する(抗体の詳細については、Johnson−Woodら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA94、1550−1555(1997)を参照のこと)。化合物処理後に馴化培地に放出されるAベータの濃度は、このような条件下でBACE1の活性に対応する。10点阻害曲線をプロットし、Aベータ低下効果についてIC50値を得るために4パラメータロジスティック式に適合する。以下の例示した化合物を本質的に上記のように試験すると、Aベータ低下効果について以下の活性を示した:
このデータにより、表6の化合物が、全細胞においてAベータ産生を阻害することが実証される。
ベータ−セクレターゼのインビボでの阻害
マウス、モルモット、イヌ、およびサルを含む、いくつかの動物モデルを、化合物処理後のインビボでのベータ−セクレターゼ活性の阻害についてスクリーニングするために使用できる。本発明に使用した動物は、野生型、トランスジェニック、または遺伝子ノックアウト動物であってもよい。例えば、Gamesら、Nature 373、523−527(1995)に記載されるように準備したPDAPPマウスモデル、および他の非トランスジェニックまたは遺伝子ノックアウト動物は、阻害化合物の存在下で、AベータおよびsAPPベータ産生のインビボでの阻害を分析するのに有用である。一般に、2ヶ月齢のPDAPPマウス、遺伝子ノックアウトマウスまたは非トランスジェニックマウスに、コーンオイル、ベータ−シクロデキストラン、リン酸緩衝剤、PHARMASOLVE(登録商標)などのビヒクル、または他の適切なビヒクル中で製剤化した化合物を、経口、皮下、静脈内、供給または他の投与経路により投与する。化合物の投与の1〜24時間後、動物を屠殺し、脳をAベータ1〜xの分析のために除去する。本明細書で使用される場合、「Aベータ1〜x」とは、残基1で開始し、残基28より多いC末端で終了するAベータ種の合計を指す。これはAベータ種の大部分を検出し、しばしば「全Aベータ」と呼ばれる。全Aベータペプチド(Aベータ1〜x)レベルは、捕捉抗体としてモノクローナル266および報告抗体としてビオチン化3D6を使用してサンドイッチELISAによって測定する(Mayら、Journal of Neuroscience、31、16507−16516(2011)を参照のこと)。
急性試験に関して、適切なビヒクルの化合物を投与し、投与の約3時間後に動物を屠殺する。脳組織を選択した動物から得、Aベータ1〜xの存在について分析する。長期間投与の後、高齢のAPPトランスジェニック動物の脳組織もまた、化合物処理後のベータ−アミロイド斑の量について分析できる。
阻害化合物を投与した動物(PDAPPまたは他のAPPトランスジェニックもしくは非トランスジェニックマウス)は、ビヒクル処置した対照またはゼロ時の対照と比較して、脳組織内のAベータの減少を示し得る。例えば、若いメスのPDAPPマウスへの実施例1の化合物の30mg/kg経口投与の3時間後、Aベータ1〜xペプチドレベルは、ビヒクル処置したマウスと比較して、脳海馬内で約37%、大脳皮質内で約48%減少する、p<0.01。実施例2、若いメスのPDAPPマウスへの10mg/kg経口投与に関して、Aベータ1〜xペプチドレベルは、投与の3時間後、ビヒクル処置したマウスと比較して脳海馬内で約40%、大脳皮質内で約45%減少する、p<0.01。若いメスのPDAPPマウスへの実施例2の30mg/kgの経口投与に関して、Aベータ1〜xペプチドレベルは、投与の3時間後、ビヒクル処置したマウスと比較して、脳海馬内で約52%、大脳皮質内で約54%減少する、p<0.01。実施例3、若いメスのPDAPPマウスへの10mg/kg経口投与に関して、Aベータ1〜xペプチドレベルは、投与の3時間後、ビヒクル処置したマウスと比較して、脳海馬内で約34%、大脳皮質内で約46%減少する、p<0.01。実施例34に関して、若いメスのPDAPPマウスへの実施例34の化合物の10mg/kgの経口投与の3時間後、Aベータ1〜xペプチドレベルは、ビヒクル処置したマウスと比較して、脳海馬内で約26%(p<0.05)、n=2およびp<0.01について大脳皮質内で36%および24%減少する。
インビトロでBACE酵素に対する実施例1、2、3および34の活性を考慮して、これらのAベータ低下効果はインビボでのBACE阻害と一致し、実施例1、2、3および34のCNS浸透をさらに実証する。
これらの研究は、本発明の化合物がBACEを阻害するので、Aベータレベルを低下させるのに有用であることを示す。

Claims (16)

  1. 以下の式の化合物またはその薬学的に許容可能な塩:

    (式中、Aは、

    であり、
    Zは、OまたはSであり、
    は、H、F、Cl、CN、OCH、OCHCHOCH

    であり、
    は、H、F、ClまたはCHであり、
    は、H、F、Cl、CH、CF、C1−C3アルコキシ、OCHCHOCH

    であり、
    は、H、F、ClまたはOCHである)。
  2. (cis)構造:

    の請求項1に記載の化合物または塩。
  3. Aが

    である、請求項1または2に記載の化合物または塩。
  4. Aが

    である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  5. Aが

    である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  6. Aが

    である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  7. が、OCH、CHCF

    である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  8. が、OCHである、請求項1〜4および7のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  9. ZがOである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  10. ZがSである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物または塩。
  11. N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−ピリジン−2−カルボキサミドである、請求項1に記載の化合物または塩。
  12. N−[3−[(4aR,7aS)−2−アミノ−4a−フルオロ−5,7−ジヒドロ−4H−フロ[3,4−d][1,3]オキサジン−7a−イル]−4−フルオロ−フェニル]−5−シアノ−ピリジン−2−カルボキサミドである、請求項11に記載の化合物。
  13. 有効量の請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を、治療を必要とする患者に投与することを含む、患者におけるアルツハイマー病を治療する方法。
  14. 療法に使用するための請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  15. アルツハイマー病の治療に使用するための請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  16. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と、1種以上の薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物。
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