JP2016521281A - 糖類からの5−ヒドロキシメチルフルフラールの合成法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、糖類からの5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の新規合成法に関する。具体的には、本発明は、6個の炭素原子を有する単糖類(ヘキソース)、それに由来する二糖類.オリゴ糖および多糖類の脱水によって、高純度の5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を高収率で得るための新規の方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、糖類からの5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の新規合成法に関する。
具体的には、本発明は、6個の炭素原子を有する単糖類(ヘキソース)、それに由来する二糖類、オリゴ糖および多糖類の脱水によって、高純度の5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を高収率で得るための新規の方法に関する。
HMFは、再生可能資源から一連の非常に多くの有用な中間体(2,5−フランジカルボン酸、2,5−ジメチルフラン、2,5−(ジヒロドキシメチル)フラン等)を得るための非常に重要な生成物である。フルクトースおよびグルコース等の6個の炭素原子を有する単糖類、またはサッカロースおよびイヌリン等のそれらに由来する二糖類および多糖類の脱水による、単糖単位当たり3個の水分子の除去を介したHMFの生産は、文献中で知られている反応である。
6126 → HMF + 3H2
転化は、様々な種類の溶媒:水、非プロトン性双極性溶媒(例えばジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、Ν,Ν−ジメチルアセトアミド)、水および有機溶媒(例えば2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノン)を含む二相系、イオン性液体(例えばN−メチル−2−ピロリドンメチルスルホネート、l−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、l−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、l−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート)の中で実行することができる。
転化を実行するために、例えば、鉱酸タイプの酸触媒、酸性イオン交換樹脂、ゼオライト、担持ヘテロポリ酸、および金属塩化物(例えばFeCl3、CrCl2、SnCl4)等の種々の触媒系が使用されている。ところが、酸性イオン交換樹脂の場合、触媒の強い酸性度は、引き続くHMFのレブリン酸およびギ酸への脱水、またはそのオリゴマー形成もしくは重合をすることにより、反応の全収率を低下させる一因となるさらなる副生成物をもたらす傾向があり得る。
開始基質としてフルクトースを使用する場合、これらの溶媒および触媒のうちのいくつかを組み合わせることによって、HMFへの良好な転化を獲得することが可能であるが、HMFの水中への高い溶解性、その低い融点(30〜34℃)およびその相対的熱不安定性のために、HMFを反応媒体および副生成物から分離し、単離された高純度生成物としてHMFを得ることは、未だ困難である。例えば、ジメチルスルホキシド等の高沸点の水溶性溶媒の使用は、一般的に、分留および引き続くカラムクロマトグラフィによる分離を必要とし、高価で、且つ環境への適合性が乏しいイミダゾリウム、ピロリドンおよび類似種のイオン性液体の使用は、一般的に、生成物をイオン性液体から分離回収するために有機溶媒による面倒な抽出を必要とする。
実際に、文献で報告されるHMF収率は、概して、反応混合物を(例えばHPLCによって)分析することによって算出されたものであり、実際に単離精製された生成物の量に基づいて決定されたものではない。
さらに、グルコース、サッカロースまたはイヌリン等の、フルクトースよりも豊富で入手性が高い糖類が開始基質として使用される場合、HMF収率はかなり低いものとなる。実際に、グルコースが使用される場合、HMF形成により適したフラノース立体配置の糖類を得るために、フルクトースへの異性化という予備工程が必要となり、サッカロースが使用される場合、二糖の加水分解およびグルコースを構成する部分の部分的異性化の工程が必要となり、イヌリンが使用される場合、フルクトースへの加水分解という予備工程が必要となる。
近年、アルキルアンモニウム塩も、この種の反応のための触媒または溶媒として報告されており(中国特許出願公開第101906088号明細書;中国特許出願公開第101811066号明細書;Tetrahedron Letters 53,2012,p.983−985;Carbohydrate Research 346,2011,p.2019−2023)、HMF収率は、開始糖類に依存して45〜70%で変動する。実際には、かなりの研究活動がこの特殊な反応に献身したにもかかわらず、実施が容易で経済的に維持可能な、環境影響が低い工程を介した糖類の脱水により、高収率で高純度のHMFを得るという課題は、未だ解決されていない。
中国特許出願公開第101906088号明細書 中国特許出願公開第101811066号明細書
Tetrahedron Letters 53,2012,p.983−985 Carbohydrate Research 346,2011,p.2019−2023
驚くべきことに、第四級テトラアルキルアンモニウム塩および以下に記載されるものから選択される特定の触媒の併用を含む触媒系を用いる、6個の炭素原子を有する単糖類(ヘキソース)、または6個の炭素原子を有する単糖単位から形成される二糖類、オリゴ糖および多糖類から開始される、実施が容易で経済的に維持可能な新規の工程を介して、高純度HMFの高収率を獲得することが可能であることが、本出願人によって発見された。
したがって、本発明の第一の目的は、以下の工程A)、B)、C)およびD)を含む5−ヒロドキシメチルフルフラール(HMF)を調製するための方法を含む。
A)以下のa)、b)、c)およびd)からなる混合物を10分間〜12時間の時間をかけて、所望により不活性ガス流の中で、60〜120℃、好ましくは80〜110℃の温度に加熱する工程
a)第四級アンモニウム塩R3R′N+-
(式中、
Rは、同一または異なっており、C1〜C4アルキル基を表し、
R′はC1〜C15アルキル基を表し、
-は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオンまたは水酸化物イオンから選択される陰イオンを表す。)
b)以下のb−i)、b−ii)、b−iii)、b−iv)から選択される少なくとも1つの触媒
b−i)150〜900℃、好ましくは200〜600℃の温度で焼成された、150〜900m2/g、好ましくは150〜500m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持された酸化チタン(IV)
b−ii)150〜900℃、好ましくは200〜600℃の温度で焼成された、150〜900m2/g、好ましくは150〜500m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持されたリンタングステン酸H3[P(W3104
b−iii)リン酸ジルコニウムZr(HPO42
b−iv)リン酸チタンTi(HPO42
c)第四級アンモニウム塩に対して1〜50質量%の量の水
d)6個の炭素原子を有する単糖類、6個の炭素原子を有する単糖単位から形成される二糖類、オリゴ糖および多糖類から選択される1つまたは複数の糖類
B)反応混合物に、15℃と有機溶媒または有機溶媒の混合物の沸点との間の温度において、第四級アンモニウム塩および触媒が非常に不溶性であり、5−ヒドロキシメチルフルフラールが可溶性である、有機溶媒または有機溶媒の混合物を添加し、固相としての第四級アンモニウム塩および触媒、並びに液相としての有機溶媒または有機溶媒の混合物および5−ヒドロキシメチルフルフラールを得る工程
C)工程B)の、前記固相を前記液相から取り除く工程
必要であれば、工程B)および工程C)を1回または複数回繰り返して、第四級アンモニウム塩および触媒からの5−ヒドロキシメチルフルフラールの分離を完了させる。
D)有機溶媒または有機溶媒の混合物を5−ヒドロキシメチルフルフラールから、好ましくは周囲圧力より低い圧力において、蒸留によって分離する工程
本発明のさらなる目的は、6個の炭素原子を有する単糖類、または6個の炭素原子を有する単糖単位から形成される二糖類、オリゴ糖および多糖類から選択される1つまたは複数の糖類から、5−ヒドロキシメチルフルフラールを調製するための、下記a)、b)およびc)を含む混合物の使用である。
a)第四級アンモニウム塩R3R′N+-
(式中、
Rは、同一または異なっており、C1〜C4アルキル基を表し、
R′はC1〜C15アルキル基を表し、
-は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオンまたは水酸化物イオンから選択される陰イオンを表す。)
b)以下のb−i)、b−ii)、b−iii)、b−iv)から選択される少なくとも1つの触媒、
b−i)150〜900℃、好ましくは200〜600℃の温度で焼成された、150〜900m2/g、好ましくは150〜500m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持された酸化チタン(IV)
b−ii)150〜900℃、好ましくは200〜600℃の温度で焼成された、150〜900m2/g、好ましくは150〜500m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持されたリンタングステン酸H3[P(W3104
b−iii)リン酸ジルコニウムZr(HPO42
b−iv)リン酸チタンTi(HPO42
c)第四級アンモニウム塩に対して1〜50質量%の量の水
本発明の方法に従って脱水によりHMFを得るために使用することができる糖類の例は、フルクトース、グルコース、ガラクトース、マンノース等の単糖類、サッカロース、マルトース、ラクトース、セロビオース等の二糖類、3〜10個のフルクトース単位を含有するオリゴフルクトース等のオリゴ糖、およびフルクタン(例えば、イヌリン)、デンプン、セルロース等の多糖類である。オリゴフルクトースの具体例は、式GFnを有するものであり、式中、Gはグルコース単位であり、Fはフルクトース単位であり、nはフルクトース単位の数であり、3〜10の間に含まれる。フルクタンの好ましい例はイヌリンである。
フルクトース、グルコース、サッカロース、オリゴフルクトース、イヌリンおよびこれらの可能な混合物が、開始糖類として好ましい。
本発明の方法に従って反応を実行するために使用することができる第四級アンモニウム塩の例は、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウムである。
本発明による反応を実行するのに好ましい第四級アンモニウム塩は、塩化物および臭化物、具体的には、塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)、塩化テトラエチルアンモニウム(TEAC)、臭化テトラエチルアンモニウム(TEAB)、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)である。
b−i)型の触媒は、選択された比表面積を有するシリカおよび有機溶媒(例えばジオキサン)中のチタンイソプロポキシドの溶液から、濾過によって触媒を分離し、所望の温度で焼成して、または例えばInorganica Chimica Acta,2012,380,p.244−251に報告されているように、調製することができる。好ましいb−i)型触媒は、200〜600℃の温度で焼成された150〜500m2/gの比表面積を有するシリカから得られたものである。
b−ii)型の触媒は、選択された比表面積を有するシリカを水中のリンタングステン酸の溶液に含浸させ、次いで80〜200℃の温度で水を除去し、所望の温度で焼成することにより、調製することができる。200〜600℃の温度で焼成された150〜500m2/gの比表面積を有するシリカから得られるものが好ましい。
本発明の好ましいb−i触媒およびb−ii触媒の比表面積は、好ましくは100〜350m2/gである。
比表面積は、物質の表面に吸着した気体の量を測定する、S.Brunauer,P.H.Emmett and E.Teller,J.Am.Chem.Soc.,1938年,第60巻,p.309で開示されたBET法に従って測定することができる。
物質の比表面積の値に応じて、気体として窒素またはヘリウムが使用される。
メソ多孔性物質のBET比表面積(50〜400m2/gの値)は、本明細書では、10-6トール(約0.13×10-3Pa)の減圧下、100℃で一晩触媒試料を脱気した後、77Kおよびおよそ0.3のP/Poにおいて、および窒素断面積を16.2A2(ただしAはオングストロームを表す。)と仮定して、吸着した窒素の量を決定することによって測定される。
微孔性物質のBET比表面積(400〜1000m2/gの値)は、本明細書では、10-6トール(約0.13×10-3Pa)の減圧下、100℃で一晩触媒試料を脱気した後、4.2Kおよびおよそ0.3のP/Poにおいて、およびヘリウム断面積を1A2と仮定して、吸着したヘリウムの量を決定することによって測定される。
b−iii)型の触媒は、例えばChemistry−A European Journal 2008,第14巻,p.8098に報告されているように、調製することができる。
b−iv)型の触媒は、例えばAdvanced Materials 1996,8,p.291−303またはActa Chem.Scand.,1986,A40,p.507−514に報告されているように、調製することができる。
糖類と第四級アンモニウム塩の質量比は、好ましくは1:100〜2:1、より好ましくは1:10〜1:1、さらにより好ましくは1:6〜1:3である。
水の量は、第四級アンモニウム塩に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜45%である。反応混合物中の水含量を5〜20%に維持することは、副生成物形成の制限を可能にすることから、単糖類および/または二糖類が使用される場合に好ましい。
糖類と触媒の活性相の質量比は、好ましくは500:1〜1:1、より好ましくは400:1〜1.3:1、さらにより好ましくは300:1〜1.5:1である。「活性相」という表現は、触媒作用を促進することが可能な、(不活性担体上の)化学種を指す。
単糖類および/または二糖類が使用される場合、糖類とb−i)型およびb−ii)型の触媒の活性相の質量比は、500:1〜50:1、好ましくは400:1〜80:1、より好ましくは300:1〜90:1で変動し得る。一方、b−iii)型およびb−iv)型の触媒を使用する場合、糖類と触媒の質量比は、100:1〜1:1、好ましくは50:1〜5:1、より好ましくは30:1〜7:1で変動し得る。
オリゴ糖および/または多糖類が使用される場合、糖類とb−i)型およびb−ii)型の触媒の活性相の質量比は、100:1〜5:1、好ましくは50:1〜7:1、より好ましくは30:1〜10:1で変動し得る。一方、b−iii)型およびb−iv)型の触媒を使用する場合、糖類と触媒の質量比は、100:1〜1:1、好ましくは50:1〜1.3:1、より好ましくは30:1〜1.5:1で変動し得る。
図1は本発明の方法の略図を示している。 図2は、工程C)で回収されたアンモニウム塩および触媒が工程A)に再利用され、工程D)で蒸留された有機溶媒が工程B)に再利用される方法の一実施形態を示している。
脱水反応は、工程A)の間に、糖類、第四級アンモニウム塩、水および触媒を混合し、60〜120℃の温度に加熱することによって実行される。
使用される条件下では非常に高い融点(>250℃)を有しているが、第四級アンモニウム塩は、反応混合物の融点をかなり低下させ、60℃以上、一般的には80℃以上の温度で液相中で働くことを可能にする糖類と共晶を形成することから、溶媒として働く。前記共晶が形成されるために、第四級アンモニウム塩の存在によって、有機溶媒を加えること無しに、記載された条件下で、工程A)を実行することが可能となる。前記反応は、まず、液相中の糖類および第四級アンモニウム塩を得るのに必要な温度に、およびそれに必要な時間をかけて、固体混合物を加熱し、次いで、前記混合物を60〜120℃、好ましくは80〜110℃の温度に、所望の収率で反応を完了させるのに必要な時間をかけて、激しく撹拌しながら加熱することによって、実行されることが好都合である。
本方法では、反応の過剰な延長が、副反応または生成物の分解による副生成物の形成をもたらす可能性があることを考慮すべきである。従って、概して、10分間〜12時間の間に含まれる、好ましくは15分間〜10時間の間に含まれる、より好ましくは20分間〜8時間の間に含まれる反応時間は、反応条件および使用される糖類に応じて変動し得る。例えば、単糖類および/または二糖類が使用される場合、反応時間は、10分間〜2時間の間に含まることが好ましく、一方、オリゴ糖および/または多糖類が使用される場合、反応時間は、1時間〜6時間の間に含まれることが好ましい。
反応の終わりに、第四級アンモニウム塩および触媒が高度に不溶性であり、且つ5−ヒドロキシメチルフルフラールが可溶性である有機溶媒または有機溶媒の混合物を前記混合物に加え、前記混合物を、15℃〜有機溶媒または有機溶媒の混合物の沸点の温度範囲内に、アンモニウム塩および触媒の沈殿、並びにHMFの溶解を達成するのに必要な時間だけ維持する(工程B)。
本方法の工程B)で使用される有機溶媒は、第四級アンモニウム塩および触媒の溶解性が低く(一般的には20℃で20g/L未満)、且つHMFの溶解性が高い(一般的には20℃で100g/Lより高い)、有機溶媒である。第四級塩および触媒の沈殿に適した有機溶媒の例は、エステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル)、ケトン(例えば2−ブタノンおよび4−メチル−2−ペンタノン)、エーテル(例えばテトラヒドロフラン)、またはハロゲン化アルカン(例えばクロロホルム)である。これらの沸点(Teb)の一覧を以下の表に示す。
Figure 2016521281
したがって、例えば、工程Bは、酢酸エチルが有機溶媒として使用される場合は15℃〜77℃の温度範囲内、2−ブタノンが有機溶媒として使用される場合は15℃〜79.6℃の温度範囲内、テトラヒドロフランが有機溶媒として使用される場合は15℃〜66℃の温度範囲内、またはクロロホルムが有機溶媒として使用される場合は15℃〜61℃の温度範囲内に混合物を維持して実行される。工程Bは、混合物を15℃〜130℃の温度範囲内に維持することで実行されることが好ましく、温度範囲は20℃〜80℃の範囲であることが好都合である。
沈殿を促進させるために、所望によりこの工程で、例えば蒸留によって、好ましくは真空下で、水が混合物から少なくとも部分的に除去される。水と共沸混合物を形成する有機溶媒(例えば2−ブタノン)が使用される場合、水は共沸蒸留によって除去されることが好都合である。
有益な実施形態によれば、反応混合物は、第四級アンモニウム塩が可溶性である限定量の有機溶媒、例えば、エタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、一般的にはエタノールで熱希釈され、次いで、第四級アンモニウム塩および触媒が共に不溶性である溶媒または有機溶媒の混合物が加えられ、これらは濾過によって分離される固体として沈殿する(工程C)。一方、5−ヒドロキシメチルフルフラールは有機相に溶解したままであり、その有機相から、好ましくは減圧下における溶媒または溶媒の混合物の蒸留によって、5−ヒドロキシメチルフルフラールは容易に回収することができる(工程D)。
好ましい有機溶媒の例は、2−ブタノン、酢酸エチル、テトラヒドロフランおよびクロロホルムである。
あるいは、別の実施形態によれば、反応の終わりに、前記混合物は、第四級アンモニウム塩および触媒が不溶性であり、一方でHMFおよび、少なくとも部分的に、水が可溶性である有機溶媒または有機溶媒の混合物で、熱いうちに激しく撹拌しながら、直接処理する。有機相が例えば沈殿または濾過によりアンモニウム塩および触媒から分離され(工程C)、溶媒が好ましくは減圧下の蒸留によって除去されて、HMFが得られる(工程D)。この操作に好ましい溶媒は、テトラヒドロフラン(例えば、TEAC等の塩化アンモニウム塩の沈殿に対してはクロロホルムと共に)および2−ブタノン(例えば、TEAB等の臭化アンモニウム塩の沈殿に対して)である。
工程B)、C)およびD)の操作は、数回繰り返すことができ、連続的な抽出系の中でも可能である。
(工程Aの間の)反応の過程で形成される水は、不活性ガス流、好ましくは窒素流により、反応系から除去することができ、真空下でも可能であり、残った水は、もし存在するならば、最後に、好ましくは減圧で、有機溶媒または有機溶媒の混合物と共に、蒸留によって工程D)の終わりに、HMFから分離される。
工程D)の間にHMFから分離された有機溶媒は、好都合なことに、(例えば蒸留による水の除去後に)再利用することができ、再利用することで逐次バッチで工程B)を実行することができる。
第四級アンモニウム塩および触媒を含む、工程C)の終わりに除去された固相は、数回再利用することができ、それにより、工程A)の反応を、触媒系における実質的な効率損失無しで、逐次バッチで実行することができる。本発明の方法はまた、連続的にも半連続的にも実行することもできる。
上記のように、特定された触媒系の特殊な特性のために、本発明の方法を介して、高純度のHMFを高収率で得ることが可能である。
使用される触媒は、実際には、ブレンステッド酸部位およびルイス酸部位の同時存在を特徴とする、二官能不均一酸である。
これは、ブレンステッド型酸部位の存在による糖類の高転化率、およびルイス酸型部位の存在によるHMFに対するより高い選択率を達成することを可能にする。
溶媒としての第四級アンモニウム塩の使用は、本発明のさらなる利点を表し、無毒且つ環境適合性であることに加えて、第四級アンモニウム塩は、有機溶媒での希釈および結晶化により反応環境から容易に除去することができ、これにより、本方法の連続実行における、第四級アンモニウム塩の再利用が可能となる。第四級アンモニウム塩は、そのイオン伝導性特徴のために、相間移動剤として機能し、さらに、糖類のHMFへの添加を触媒する。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、限定するためのものと見なされるべきではなく、ここでは、本発明をより十分に説明することを目的として提供される。
BET比表面積の決定
比表面積をSorptomatic 1990 Thermo Finningen装置を用いて評価した。10-6トール(約0.13×10-3Pa)の減圧下で、100℃で一晩予め脱気した試料(0.35g)を77Kで冷却した後、17.20cm3(ピストンのデッドボリュームは0.25cm3と見なす)の規定体積のN2ガスを、720トール(約9.6×104Pa)の飽和圧力を達成するまで導入した。導入した窒素ガスの総体積は約130〜150cm3であった。吸着の平衡を示す定圧は、N2導入の3時間52分後に観察された。
生成物の特徴付け
本方法の工程Dの終わりにおける液相からの溶媒の除去(濃縮)後、微量の有機溶媒および水も全て除去するために、生成物を窒素流の中に12時間放置し、その後秤量した。
試料(1mg)を1mLの0.005N H2SO4溶液中に溶解させ、テフロン(登録商標)フィルター(孔径:0.20μm)を通して濾過し、その後、HMFの純度を決定するために、標準試料を使用するHPLCにより分析した。
HPLC分析は、RI検出器およびRezex ROA−Organic acid H+(8%)300×7.8mmカラムを備えたクロマトグラフ上で行った。0.6mL/分の流速の0.005N H2SO4溶液を溶出剤として使用した。カラム温度は65℃に設定した。
実施例1 触媒b−ii(HPWOSi500)の調製
11mLの蒸留水中の1.0gまたは3.0gのリンタングステン酸の溶液を用いて、10gの市販シリカ(Aerolyst 3038、デグサ社(Degussa)、比表面積180m2/g)を均一に含浸させて、それぞれ10質量%のHPWOSi500および30質量%HPWOSi500を得た。
前記ペーストを、最初に80℃で12時間乾燥器内で乾燥し、次いで、200℃で2時間焼成した。青/紫色の粉末が形成され、次にこれを200℃で2時間処理し、最後に、黄色粉末が形成されるまで、500℃でさらに2時間処理した。
このように調製された10質量%HPWOS1500触媒(159m2/gのBET比表面積を有する)を、実施例4、5および9の反応に使用した。
実施例2 触媒b−i(Ti/Si500)の調製
100mLのジオキサン、
6gのシリカ(Aerolyst 3038、デグサ社、比表面積180m2/g)、
0.88gのチタンイソプロポキシド[Ti(i−PrO)4
を窒素雰囲気中で250mLガラスフラスコ内に入れた。
これらを周囲温度で5時間撹拌し続けた。その後、固体を濾取し、ジオキサンで洗浄し、120℃で12時間乾燥器内で乾燥させ、200℃で2時間、次いで500℃で2時間焼成した。
このように調製されたTi/Si500触媒(170m2/gのBET比表面積を有する)を、実施例6の試験に使用した。
実施例3 触媒b−iii(Zr(HPO42)の調製
3.3mmolのジルコニルプロピオネート(ゴールドマン有限責任会社(Goldmann Gmbh))を10mLの無水エタノール中に溶解させた。
1.35mLのリン酸(85%)を、周囲温度で撹拌しながらこのエタノール溶液に加えた。澄明溶液が得られ、これは数分以内に、ゲル状に変化した。得られたゲルをエタノールで3回洗浄して、過剰のリン酸およびプロピオン酸等の副産物を除去した。ゲルを乾燥器内で60℃で24時間乾燥させた。
実施例4 サッカロースの脱水
2gのサッカロース、
実施例1で調製した0.2gの10%HPWOSi500触媒、
10gの臭化テトラエチルアンモニウム(TEAB)、
1gの蒸留水
を50mLガラスフラスコ内に入れた。
この反応混合物を80℃の温度に昇温させ、15分間撹拌し、その後、約15分間かけて温度を100℃に上げ、60分間激しく撹拌し続け、反応によって形成された水を窒素流で除去した。
反応の終わりに、前記混合物を、激しく撹拌しながら、50mLの2−ブタノンで処理した。溶媒をデカントし、80℃に加熱して真空下で除去した。
100mLの2−ブタノンを反応物残渣に加え、およそ10分間加熱還流し、アンモニウム塩を抽出する操作を3回繰り返した。最後に、有機溶液を濾過して、固相を除去し、液相を減圧下で濃縮した。94.1%の純度を有する1.05gのHMFが67%の収率で得られた。
実施例5 グルコース/フルクトースシロップの脱水
2.17gの1:1グルコース/フルクトース混合物および0.66gの水を含有する、2.83gのトウモロコシシロップ、
実施例1で調製した0.2gの10%HPWOSi500触媒、
10gの臭化テトラエチルアンモニウム(TEAB)、
0.3mLの蒸留水
を50mLガラスフラスコ内に入れた。
この反応混合物を80℃の温度に昇温させ、15分間撹拌し続け、その後、およそ15分間かけて温度を100℃に上げ、60分間激しく撹拌し続け、反応によって形成された水を窒素流で除去した。
最後に、前記混合物をおよそ4mLの高温エタノール(60℃)で希釈し、酢酸エチルを加えることにより塩を沈殿させた。有機相を濾過してアンモニウム塩および触媒を固相として分離し、次に、液相をシリカゲル(60オングストローム孔径)上で濾過し、減圧下で濃縮して、88.6%の純度を有する1.28gのHMFが75%の収率で得られた。
実施例6 フルクトースの脱水
2.1gのフルクトース、
実施例2で調製した0.2gのTi/Si500触媒、
9.1gの塩化テトラエチルアンモニウム(TEAC)、
0.9mLの蒸留水
を50mLガラスフラスコを入れた。
この反応混合物を80℃の温度に昇温させ、15分間撹拌し続け、その後、およそ15分間かけて温度を100℃に上げ、さらに15分間激しく撹拌し続けた。最後に、前記混合物をおよそ70〜75℃の温度のエタノール(10mL)中に溶解させ、エタノールおよび水を減圧下、70〜75℃の温度で除去した。次に、残渣をクロロホルム中に再度溶解させ、テトラヒドロフランを加え、アンモニウム塩を沈殿させ、これを濾過により触媒と一緒に回収した。液相をシリカゲル上で濾過し、減圧下で濃縮して、97.6%の純度を有する1.4gのHMFが93%の収率で得られた。
その後、アンモニウム塩および触媒を含有する回収された固相を再利用して、同じ手順でフルクトース脱水を行った。3回目の再利用の後、1.25gのHMF(約82%の反応収率に相当)が得られた。
実施例7(比較例)
実施例6の同一反応を触媒の添加無しで実行した。アンモニウム塩の沈殿後、主にクロロホルムおよびTHFからなる液相は、わずか5%の収率に相当する量のHMFを含有していた。
実施例8 フルクトースの脱水
2.13gのフルクトース、
0.2gのリン酸チタンTi(HPO42
10gの臭化テトラエチルアンモニウム(TEAB)、
1gの蒸留水
を50mLガラスフラスコ内に入れた。
実施例4と同様に反応を実行した。80%収率のHMF(99.6%の純度)が得られた。
実施例9 固相の再利用
2gのフルクトース、
実施例1で調製した0.2gの10%HPWO/Si500触媒、
10gの臭化テトラエチルアンモニウム(TEAB)、
0.91mLの蒸留水
を50mLガラスフラスコ内に入れた。
この反応混合物を80℃の温度に昇温させ、15分間撹拌し続け、その後、およそ15分間かけて温度を100℃に上げ、さらに15分間激しく撹拌し続けた。
最後に、10mLのエタノールを加え、その後、共沸蒸留により水と一緒に除去した。次に、200mLの酢酸エチルを加えて、アンモニウム塩を沈殿させた。HMFを含有する有機相を濾過によって固相から分離した。
2gのフルクトースおよび0.91mLの水を、アンモニウム塩および触媒を含有する固相に加え、上記の反応および抽出の手順を繰り返した。固相の再利用を同一手順でさらに6回繰り返した。各固相の使用後に得られた結果(HMF収率)を以下の表に報告する。
Figure 2016521281
実施例10 フルクトースの脱水
1.97gのフルクトース、
実施例3で調製した0.2gのジルコニウムホスフェート(α−Zr(HPO42)、
10gの臭化テトラエチルアンモニウム(TEAB)、
0.91mLの蒸留水
を50mLガラスフラスコ内に入れた。
反応を実施例4と同様に実行した。
反応の終わりに、前記混合物を50mLの2−ブタノンで処理し、水を真空下で除去した。200mLの2−ブタノンを反応残渣に加えてHMFを抽出した。HMFを含有する有機溶液を濾過して、アンモニウム塩および触媒を固相として分離し、最後に、有機溶媒を液相から留去した。87.6%の収率に相当する、99%の純度を有する1.22gのHMFが得られた。
実施例11 イヌリンの加水分解および脱水
2gのイヌリン、
実施例1で調製した0.33gの30%HPWOSi500
10gの臭化テトラエチルアンモニウム(TEAB)、
4mLの蒸留水
を50mLガラスフラスコ内に入れた。
この反応混合物を80℃の温度に昇温させ、15分間撹拌し、その後、約120分間かけて温度を110℃に上げ、120分間激しく撹拌し続け、反応によって形成された水を窒素流で除去した。
反応の終わりに、前記混合物をエタノールで処理し、水を真空下で除去した。250mLの酢酸エチルを反応残渣に加えて、HMFを抽出した。HMFを含有する有機溶液を濾過してアンモニウム塩および触媒を分離し、最後に、有機溶媒を留去した。1.20gのHMF(66.3%の収率に相当)が得られた。

Claims (21)

  1. 5−ヒロドキシメチルフルフラールを調製するための方法であって、
    A)以下のa)、b)、c)およびd)からなる混合物を10分間〜12時間の時間をかけて60〜120℃の温度に加熱する工程、
    a)第四級アンモニウム塩R3R′N+-
    (式中、
    Rは、同一または異なっており、C1〜C4アルキル基を表し、
    R′はC1〜C15アルキル基を表し、
    -は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオンまたは水酸化物イオンから選択される陰イオンを表す。)、
    b)以下のb−i)、b−ii)、b−iii)、b−iv)から選択される少なくとも1つの触媒、
    b−i)150〜900℃の温度で焼成された、150〜900m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持された酸化チタン(IV)、
    b−ii)150〜900℃の温度で焼成された、150〜900m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持されたリンタングステン酸H3[P(W3104]、
    b−iii)リン酸ジルコニウムZr(HPO42
    b−iv)リン酸チタンTi(HPO42
    c)第四級アンモニウム塩に対して1〜50質量%の量の水、
    d)6個の炭素原子を有する単糖類、6個の炭素原子を有する単糖単位から形成される二糖類、オリゴ糖および多糖類から選択される1つまたは複数の糖類、
    B)反応混合物に、15℃と有機溶媒または有機溶媒の混合物の沸点との間の温度において、第四級アンモニウム塩および触媒が非常に不溶性であり、5−ヒドロキシメチルフルフラールが可溶性である、有機溶媒または有機溶媒の混合物を添加し、固相としての第四級アンモニウム塩および触媒、並びに液相としての有機溶媒または有機溶媒の混合物および5−ヒドロキシメチルフルフラールを得る工程、
    C)工程B)の固相を液相から取り除く工程、
    D)有機溶媒または有機溶媒の混合物を5−ヒドロキシメチルフルフラールから蒸留によって分離する工程
    を含む方法。
  2. 工程B)およびC)が一回または複数回反復される、請求項1に記載の方法。
  3. 糖類がフルクトース、グルコース、サッカロース、オリゴフルクトース、イヌリンおよびこれらの混合物から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. -が塩素イオンまたは臭素イオンを表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 第四級アンモニウム塩が、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウムまたは臭化テトラブチルアンモニウムから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 触媒が、150〜900℃の温度で焼成された150〜900m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持された酸化チタン(IV)である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 酸化チタン(IV)触媒が、200〜600℃の温度で焼成された150〜500m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持されている、請求項6に記載の方法。
  8. 触媒が100〜350m2/gの比表面積を有する、請求項6〜7に記載の方法。
  9. 触媒が、150〜900℃の温度で焼成された150〜900m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持されたリンタングステン酸H3[P(W3104]である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  10. Η3[Ρ(W3Ο104]触媒が、200〜600℃の温度で焼成された150〜500m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持されている、請求項9に記載の方法。
  11. 触媒が100〜350m2/gの比表面積を有する、請求項9〜10に記載の方法。
  12. 触媒がリン酸ジルコニウムZr(HPO42である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  13. 触媒がリン酸チタンTi(HPO42である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  14. 糖類が単糖類および/または二糖類から選択され、工程A)の水の量が第四級アンモニウム塩に対して5〜15質量%である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 工程B)の有機溶媒が、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、テトラヒドロフラン、クロロホルムおよびこれらの混合物から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 工程A)の時間が15分間〜10時間である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 工程A)の時間が20分間〜8時間である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 糖類が単糖類および/または二糖類から選択され、工程A)の時間が10分間〜2時間である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 糖類がオリゴ糖および/または多糖類から選択され、工程A)の時間が1時間〜6時間である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 工程A)における糖類と触媒の活性相の質量比が500:1〜1:1である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. a)第四級アンモニウム塩R3R′N+-
    (式中、
    Rは、同一または異なっており、C1〜C4アルキル基を表し、
    R′はC1〜C15アルキル基を表し、
    -は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオンまたは水酸化物イオンから選択される陰イオンを表す。)、
    b)以下のb−i)、b−ii)、b−iii)、b−iv)から選択される少なくとも1つの触媒、
    b−i)150〜900℃の温度で焼成された、150〜900m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持された酸化チタン(IV)、
    b−ii)150〜900℃の温度で焼成された、150〜900m2/gの比表面積を有するシリカ上に担持された、リンタングステン酸H3[P(W3104]、
    b−iii)リン酸ジルコニウムZr(HPO42
    b−iv)リン酸チタンTi(HPO42
    c)第四級アンモニウム塩に対して1〜50質量%の量の水
    を含む混合物の、
    6個の炭素原子を有する単糖類、または6個の炭素原子を有する単糖単位から形成される二糖類、オリゴ糖および多糖類から選択される1つまたは複数の糖類から、5−ヒドロキシメチルフルフラールを調製するための使用。
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