JP6728655B2 - 2−フルアルデヒドの製造方法及び2−フルアルデヒド製造用組成物 - Google Patents
2−フルアルデヒドの製造方法及び2−フルアルデヒド製造用組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6728655B2 JP6728655B2 JP2015236699A JP2015236699A JP6728655B2 JP 6728655 B2 JP6728655 B2 JP 6728655B2 JP 2015236699 A JP2015236699 A JP 2015236699A JP 2015236699 A JP2015236699 A JP 2015236699A JP 6728655 B2 JP6728655 B2 JP 6728655B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- furaldehyde
- acid
- reaction
- producing
- raw material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Furan Compounds (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
2−フルアルデヒドを製造する方法としては、ペントサンやペントースといった五炭糖類を含む原料を酸触媒の存在下に反応させ、五炭糖類を脱水することにより得る方法が古くから知られている(非特許文献1、2)。五炭糖類は、農産廃棄物であるサトウキビの搾りかす(バガス)、トウモロコシの芯、木材といったものが含有するヘミセルロース等に含まれている。しかし、これら五炭糖類を含む代表的な原料である上記の農産廃棄物は、原料集積に限りがある。さらに上記代表的な原料中に含まれるヘミセルロースの含有量がそれほど多くない。例えば木材中のヘミセルロースの含有量は、多くても25%程度である。このため五炭糖から2−フルアルデヒドを得る方法では、使用する原料あたりの2−フルアルデヒドの収量が少ないという問題がある。そのため2−フルアルデヒドを、植物中により豊富に存在する構成成分から得る方法が望まれている。
そこで、本発明は、連続式反応においても収率の高い、工業的に有利な2−フルアルデヒドの製造方法の提供を課題とする。
即ち、本発明の要旨は、以下に存する。
[2] ホウ素化合物が、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ酸エステル、及びハロゲン化ホウ素からなる群より選ばれる1以上であることを特徴とする、[1]に記載の2−フルアルデヒド
の製造方法。
[3] 無機酸(但し、ホウ酸を除く)が、硫酸又はリン酸であり、有機酸がカルボン酸である[1]又は[2]に記載の2−フルアルデヒドの製造方法。
[5] 前記金属化合物が、該金属化合物を加水分解した際に生成する水酸化物が両性となる化合物であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の2−フルアルデヒドの製造方法。
[6] 前記金属化合物が、Al、Ga、In、Sn、Ti、Zr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Pb、Bi及びZnからなる群から選ばれる金属を含むものであることを特徴
とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の2−フルアルデヒドの製造方法。
[7] 前記金属化合物が、金属アルコキシド、金属有機酸塩、金属ハロゲン化物及び金属硫酸塩からなる群より選ばれることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載の2−フルアルデヒドの製造方法。
[9] 前記溶媒が、2−フルアルデヒドよりも沸点が高い溶媒であることを特徴とする、[1]〜[8]のいずれかに記載の2−フルアルデヒドの製造方法。
[10] 前記反応で生成する2−フルアルデヒドを、反応系外に排出しながら反応させることを特徴とする、[1]〜[9]のいずれかに記載の2−フルアルデヒドの製造方法。
[11] 反応温度が、2−フルアルデヒドの沸点以上かつ前記溶媒の沸点以下であることを特徴とする、[1]〜[10]のいずれかに記載の2−フルアルデヒドの製造方法。
[13] 前記糖原料が、セルロース、でんぷん及びヘキソースからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、[1]〜[12]のいずれかに記載の2−フルア
ルデヒドの製造方法。
[14] 前記触媒を水に溶解させて供給することを特徴とする、[1]〜[13]のいずれかに記載の2−フルアルデヒドの製造方法。
[16] (1)ヘキソースを構成成分とする糖原料、(2)無機酸(但し、ホウ酸を除く)及び有機酸からなる群より選ばれる1以上の酸、及び/又は、金属化合物、並びに(3)溶媒を含むことを特徴とする2−フルアルデヒド製造用組成物。
[17] 前記溶媒が、非プロトン性極性溶媒であることを特徴とする、[16]に記載の2−フルアルデヒド製造用組成物。
なお本明細書において、本発明の製造方法に係る「少なくとも糖原料、溶媒、ホウ素化合物、並びに、(a)無機酸(但し、ホウ酸を除く)及び有機酸からなる群より選ばれる1以上の酸、及び/又は、(b)金属化合物を混合」した液を「反応液」といい、ホウ素化合物が触媒として作用している反応液を「反応系」という。
本発明の2−フルアルデヒドの製造方法は、少なくとも、ヘキソースを構成成分とする糖原料、触媒、及び溶媒を混合して反応させるものであり、前記触媒が、ホウ素化合物であり、反応系に(a)無機酸(但し、ホウ酸を除く)及び有機酸からなる群より選ばれる1以上の酸、及び/又は、(b)金属化合物を混合して反応させることを特徴とする。
本発明において用いられる、ヘキソースを構成成分とする糖原料とは、糖を構成する炭素数が6個であるヘキソース(六炭糖類)をその構成成分として含むものをいう。
構成成分としてのヘキソースの含まれ方は特に限定されるものではないが、糖類の分子中にヘキソースを含むものでも、混合物中にヘキソースを含むものでもよく、またヘキソースを含む糖類(たとえば後述するセルロース等の多糖類)の原料となり得る天然物等も含まれる。
具体的にはアロース、タロース、グロース、グルコース(ブドウ糖)、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース等のアルドース;プシコース、フルクトース(果糖)、ソルボース、タガトース等のケトース;フコース, フクロース, ラムノース等のデオキシ糖;等が挙げられる。好ましくは、以下に記載する糖原料中の含有量が多いことから、グルコース、フルクトースが好ましく、非可食原料由来での入手が可能であることから、グルコースがより好ましい。また、本発明で用いられる糖原料は、上記のヘキソースを1種類でも、2種類以上含むものでもよい。
具体的な糖原料としては、木材や紙、木綿、稲わらや麦わら、トウモロコシの芯、サトウキビの搾りかす(バガス)等のセルロースを含有する原料;ジャガイモやサツマイモ等の芋類、米、麦、とうもろこし等のでんぷんを含有する原料;果汁、水あめ、蜂蜜等の複数の糖類を含有する果汁糖蜜類;等が挙げられる。上記の原料は、単独で用いても2種類
以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのうち、セルロースは樹木や草の主要構成成分として多量に存在しており、またでんぷんやショ糖と異なり非可食資源であることから、糖原料としてはセルロースを含有するものが好ましい。また、でんぷんを含有するものは、純度の高いものが容易に入手できるため好ましく用いられる。
触媒として用いられるホウ素化合物は、水溶性あるいは水により加水分解してホウ酸を
生成するものが好ましい。その理由は、触媒と他の成分(ヘキソースを構成成分とする糖原料や任意に含まれる酸、金属化合物、又は水)との反応により、反応器内での触媒の分散性や均一性、およびヘキソースを構成成分とする糖原料との親和性が高まり、ひいては高い触媒効率が得られるからである。例えば、ホウ酸と無水カルボン酸の反応で生成する酸無水物もホウ素化合物として使用できる。なお、ここでいう水溶性とは25℃で100ccの水に1g以上溶解するものをいう。
ホウ酸エステル(ホウ酸アルキル、ホウ素アルコキシドとも呼ばれる)としては、ホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル等の、ホウ酸と炭素数1〜4のアルキル基とのモノ、ジ、トリエステルが挙げられる。
これらの中でも、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ酸エステルが好ましく、安価で取り扱いも容易である点で、ホウ酸が更に好ましい。ホウ素化合物は2種以上組み合わせて使用してもよいし、三フッ化ホウ素とエーテルとの錯体のように複合体として用いることも可能である。
尚、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、上記ホウ素化合物以外の触媒を併用してもよい。
本発明において用いられる溶媒は、本発明の目的を満たす限りにおいては特に限定されるものではないが、通常、後述する反応により、主成する2−フルアルデヒドを反応系外に排出しながら、好ましくは気相で排出しながら反応させることができる溶媒が好ましく、中でも、反応温度において安定して溶媒として機能する点から、2−フルアルデヒドの沸点以上の沸点を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒は、具体的には、非プロトン性極性溶媒、1−エチル−3メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3メチルイミダゾリウムメチルフォスフォネート等のイオン液体や溶融塩、超臨界二酸化炭素等から選択される。
ゾフラン−1−オン)等が例示され、2−フルアルデヒドの収率の面でジメチルスルフォン、スルフォラン、フタリドが好ましい。
本発明において用いる溶媒の使用量は、本発明の目的を満たす限りにおいては特に限定されるものではない。具体的には、反応原料が熱分解して得られるレボグルコサン等の中間体を溶解するのに十分かつ2−フルアルデヒドに変換されることが阻害されない量があればよい。
溶媒の具体的な使用量は、通常、ヘキソースを構成成分とする糖原料1質量部に対し1〜1000質量部である。
本発明の製造方法においては、上述のように、ホウ素化合物を触媒として用いるが、更に、反応系に(a)無機酸(但し、ホウ酸を除く)及び有機酸からなる群より選ばれる1以上の酸(以下、無機酸(但し、ホウ酸を除く)及び有機酸を合わせてホウ酸以外の酸と略することがある)、及び/又は、(b)金属化合物を混合して反応させる。ホウ酸以外の酸は、酸性やホウ素化合物の反応性の調整のために、反応系に、別途、添加される。添加する酸の種類は特に限定されないが、ハロゲン化水素、硫酸、リン酸、イソポリ酸、ヘテロポリ酸等の無機酸(但し、ホウ酸を除く)及び有機酸が挙げられる。好ましくは、硫酸、リン酸、ピロリン酸、有機酸であり、特に好ましくは、硫酸、リン酸及びカルボン酸、である。
素化合物にホウ酸以外の酸を加えることによって2−フルアルデヒド収率を高めることができた。この酸の添加の効果は、触媒として主要な役割を担うホウ素化合物の加水分解の度合いや溶媒や水への溶解度を調整し、あるいは原料へのアクセスや原料との反応による不活性化を妨げ、結果として触媒活性を高めることにある。また、特に、とうもろこしの芯やバガスなどの草本系の農産廃棄物を直接原料に用いる場合に効果は顕著であり、酸の共用は、原料が含むアルカリなどのミネラル分が主要な触媒成分であるホウ素化合物の反応性を阻害することを回避する。
ホウ酸以外の酸は、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの酸の添加のタイミングは特に限定されないが、通常、ホウ素化合物の導入と同時に加えられるか、あらかじめホウ素化合物に混合して用いられる
加える酸の量は、特に限定されるものではないが、回分方式では、用いられるホウ素化合物の総量1質量部に対して、通常0.01質量部以上100質量部以下である。連続方式においては、1時間あたりに反応器に供給されるホウ素化合物の総量1質量部に対して、1時間あたり、通常0.01質量部以上100質量部以下、好ましくは0.02質量部以上50質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上20質量部以下となるように、酸を連続供給する。上記範囲で供給する場合には、特に、収率が向上する傾向となる。但し、多すぎると反応使用後の分離も煩雑になる傾向にある。
上述の通り、本発明の製造方法においては、反応系に(a)ホウ酸以外の酸、及び/又は、(b)金属化合物を混合して反応させる。本発明でホウ素化合物とともに使用される
金属化合物は、通常、ホウ素化合物と相互作用して、2−フルアルデヒドの生成能を有する触媒活性種に変化する化合物である。かかる金属化合物としては、該金属化合物を加水分解した際に生成する水酸化物が両性となる化合物であるのが、2−フルアルデヒドを高収率で得る点で好ましい。ここで、両性となるとは、酸に対しては塩基性、塩基に対しては酸性を示すことを意味し、具体的には、Al、Ga、In、Sn、Ti、Zr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Pb、Bi及びZnからなる群から選ばれる金属の化合物が挙げられる。
特に、原料となるヘキソースを構成成分として含む糖原料がセルロースやバイオマスなどの固体の場合はその有効性はさらに顕著である。固体酸触媒はたとえ高表面積を有する固体酸触媒であっても、固体の糖原料との接触部分は極めて少ないのに対し、これらの金属を含む化合物やこれらの金属を含む化合物とホウ素化合物から得られる触媒活性種は親水性が高く、固体の糖原料と混合した段階で水や溶媒の媒介により固体の糖原料の内部までアクセスし、固体内部の糖ユニットにも有効に作用することが可能となる。その結果、固体酸触媒を用いる場合よりも少量で高い2−フルアルデヒド収率が得られると考えられる。さらには、これらの金属を含む化合物とホウ素化合物から得られる触媒活性種は、硫酸ほどには脱水炭化力がないため、収率の低下を招くことなく、2−フルアルデヒドの生成に適していると考えられる。
尚、上記金属化合物は、単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
また、上記金属化合物の中でも、2−フルアルデヒドの収率が良好であることにより、好ましいものは、金属アルコキシド、金属有機酸塩、及び金属ハロゲン化物及び金属硫酸塩等が挙げられる。
金属化合物は2種を組み合わせて使用してもよい。
これらの金属化合物の添加のタイミングは特に限定されないが、通常、ホウ素化合物の導入と同時に加えられるか、あらかじめホウ素化合物に混合して用いられる。
連続方式においては、1時間あたりに反応器に供給されるホウ素化合物の総量1質量部に対して、1時間あたり、通常0.01質量部以上100質量部以下、好ましくは0.02質量部以上50質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上20質量部以下となるように、金属化合物を連続供給する。上記範囲で供給する場合には、特に、収率が向上する傾向となる。但し、多すぎると反応使用後の分離も煩雑になる傾向にある。
本発明の製造方法においては、2−フルアルデヒド生成反応を進行させるために、反応系内に水を存在させることが好ましい。水の役割は原料の膨張や水和を促すとともに、2−フルアルデヒドに至る中間体への反応を促進し、生成した2−フルアルデヒドを反応系外に留出させるための役割をも担っている。従って、本発明の2−フルアルデヒドの製造方法では、好ましくは、反応系に水を供給する。特に、溶媒として非プロトン性極性溶媒を用いる場合、水を併用するのが上記の理由から好ましい。
本発明の製造方法においては、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の他の成分を混合して反応させてもよい。
本発明の2−フルアルデヒドの製造方法では、ヘキソースを構成成分として含む糖原料、触媒、及び溶媒を反応させるが、前記触媒が、ホウ素化合物であり、更に反応系に(a)ホウ酸以外の酸及び/又は(b)金属化合物を混合して反応させることを特徴とし、更に好ましくは水を混合して反応させる。通常、反応は加熱により行われ、混合の方法、順序、及び加熱の方法は特に限定されない。例えば、(1)予め反応温度に設定した反応器に上記の糖原料、ホウ素化合物、溶媒、(a)ホウ酸以外の酸及び/又は(b)金属化合物、水を別々に導入し、反応器内で混合する方法、(2)あらかじめ、糖原料、ホウ素化合物、溶媒、(a)ホウ酸以外の酸及び/又は(b)金属化合物、水を混合して反応器に供給する方法、(3)糖原料、ホウ素化合物、(a)ホウ酸以外の酸及び/又は(b)金属化合物を混合した後に、反応器内に装填した溶媒及び水に導入、混合する方法、あるいは、(4)あらかじめ水とホウ素化合物とを混合し、好ましくはホウ素化合物を水に溶解させ、その後、糖原料や溶媒、(a)ホウ酸以外の酸及び/又は(b)金属化合物を添加、混合する方法、等が挙げられる。これらの混合物は、適度に分散、反応した化合物が原料や溶媒と混ざった、いわゆるスラリー状となることが多く、2−フルアルデヒドの製造に好適な状態が得られる。
は実質的に必要なく、きわめて簡便に反応を行うことができるとの利点を有する。
本発明の2−フルアルデヒドの製造方法では、反応温度は、特に限定されるものではないが、液相で反応を行い、後述するように、生成する2−フルアルデヒドを反応系外に排出しながら、好ましくは気相で出しながら反応させるのが、2−フルアルデヒドを高収率で得る点から好ましく、この場合には、2−フルアルデヒドの沸点以上かつ溶媒の沸点以下の温度で反応することが好ましい。具体的な反応温度は、例えば140℃以上、好ましくは150℃以上、より好ましくは160℃以上、更に好ましくは170℃以上、特に好ましくは180℃以上、最も好ましくは200°以上であり、通常300℃以下、好ましくは280℃以下、さらに好ましくは260℃以下、特に好ましくは250℃以下である。反応温度が低すぎると、反応収率が不十分となる場合があり、また、反応速度が遅くなる傾向がある。また、2−フルアルデヒドの沸点より低い反応温度では、生成する2−フルアルデヒドが溶媒中や反応系に長く滞留し、重合や過分解を起こす可能性がある。一方、反応温度が高すぎる場合には、糖原料や中間体の副反応が顕著となる可能性があり、また、例えば溶媒の沸点以上の反応温度では溶媒が十分に機能しない恐れがある。
また本発明で用いられる反応は、適宜窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等の、反応に悪影響を与えない物質を共存させて実施することができる。
本発明の2−フルアルデヒドの製造方法の反応方式は、回分式反応でも連続式反応でも行うことができる。
回分式反応の場合には、具体的には反応器に、上記ヘキソースを構成成分とする糖原料、(a)ホウ酸以外の酸及び/又は(b)金属化合物、溶媒、ホウ素化合物を仕込み、加熱攪拌下に、好ましくは水を供給しながら反応させ、生成する2−フルアルデヒドを反応器から、好ましくは気相に抜き出して、より好ましくは水と共に反応器から留去させることができる。この場合、糖原料やホウ素化合物、(a)ホウ酸以外の酸及び/又は(b)金属化合物を一括で仕込まず、数回に分けて反応器に供給、あるいは連続的に反応器に供給し、連続方式と同様の原料供給方法を採用しても良い。
回分式反応の場合の反応時間は、原料の種類、触媒の使用量、反応温度および生成する2−フルアルデヒドの所望の収率などにより異なり、特に限定されるものではないが、通常0.1時間以上、好ましくは0.5時間以上であり、通常、50時間以下、好ましくは20時間以下である。
0時間以下である。
ヘキソースを構成成分とする糖原料、ホウ素化合物、溶媒の使用量は、反応器に、ヘキソースを構成成分とする糖原料、溶媒、ホウ素化合物を仕込んで反応させる回分方式の場合、通常、ヘキソースを構成成分とする糖原料1質量部に対し、ホウ素化合物が0.0001〜100質量部、好ましくは0.001〜50質量部、溶媒が1〜1000質量部、好ましくは10〜500質量部である。この回分方式において、ヘキソースを構成成分とする糖原料を一括で仕込まず、数回に分けて反応器に供給、あるいは連続的に反応器に供給する場合には、通常、一度の反応で使用する出発原料の総量1質量部に対し、ホウ素化合物が0.0001〜100質量部、溶媒が1〜1000質量部である。尚、(a)ホウ酸以外の酸及び/又は(b)金属化合物の使用量は前述のとおりである。
尚、生成する2−フルアルデヒドを反応系外に排出する場合には、上記いずれの場合においても、反応系の溶媒に対して、2−フルアルデヒドの含有量が10質量%以下となるように反応系外に2−フルアルデヒドを出すことが好ましい。
本発明により生成する2−フルアルデヒドの分離・回収は常法により行うことができる。
特に、本発明の好ましい反応条件においては、生成した2−フルアルデヒドがただちに気体になって反応系外に除去されるため、溶媒や反応系に残留する副生成物や金属化合物、ホウ素化合物との分離には労力を要しない。具体的には、反応器からの流出気体を冷却して高沸点成分から順次凝縮させることにより2−フルアルデヒドを分離・回収するか、冷却して一旦すべての液体成分を凝縮させて回収し、次いで蒸留により水および2−フルアルデヒドを分離・回収する。この方法により、反応器からの流出気体に含まれるギ酸、酢酸、ホルムアルデヒドなどの副生物も分離あるいは回収可能である。回収された水は反応系に戻して再使用することができる。
本発明により製造された2−フルアルデヒドの保存方法は、特に制限されず、従来公知の方法を用いることができるが、例えば常温付近で密閉容器に保存する方法、遮光して不活性ガス雰囲気下に保存する方法等が挙げられる。
上記の通り、本発明は、少なくとも該糖原料、ホウ素化合物、(a)ホウ酸以外の酸及び/又は(b)金属化合物、並びに溶媒を混合して反応させて2−フルアルデヒドを製造する方法であり、従って、上記成分を含む組成物、即ち、(1)ヘキソースを構成成分とする糖原料、(2)ホウ素化合物、、(3)無機酸(但し、ホウ酸を除く)及び有機酸からなる群より選ばれる1以上の酸、及び/又は、金属化合物、並びに(4)溶媒を含む組成物は、2−フルアルデヒド製造用組成物として有用なものである。本発明の2−フルアルデヒド製造用組成物は、水を含むことが好ましく、また、2−フルアルデヒドの製造に用いられる上記の成分を含んでいてもよい。
尚、各成分は、上記の説明に準じるものであり、単独で含まれても、2種以上が含まれていてもよい。
本発明で得られた2−フルアルデヒドは、溶剤として使用することが可能である。また従来公知の方法により、フラン、テトラヒドロフラン、フラン樹脂等の製造原料としての用途に使用することが可能である。
具体的には、2−フルアルデヒドを触媒の存在下、水素添加反応を行うことでフラン樹脂の製造原料であるフルフリルアルコールを得ることができる。また、2−フルアルデヒドを触媒の存在下、脱カルボニル化反応に供することにより、フランを得ることができる。こうして得られたフランを触媒存在下、水素添加反応を行うことでテトラヒドロフランへと誘導することができる。
尚、以下の実施例中、使用した化合物等は、以下に記載のものを表す。
セルロース :アルドリッチ社製 Cellulose,microcrs
talline,powder,〜20micron
スルフォラン :キシダ化学社製 特級
ホウ酸 :キシダ化学社製 特級
硫酸水溶液 :純正化学社製 容量分析用規定液
85%りん酸 :和光純薬社製 特級
<ホウ酸を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
テフロン(登録商標)攪拌子を入れた300mlのナス型フラスコに、14gのセルロース、126gのスルフォラン、56gの脱イオン水、0.320gのホウ酸を加えて5時間攪拌混合して原料スラリーを調製した。
2−フルアルデヒドの分析には、島津製作所製ガスクロマトグラフGC−2014(FID)を用いた。波形処理には島津製作所製クロマトパックC−R8Aを用いた。
カラム:Thermon-3000 5%/SHINCARBON A 60/80 3
m(ガラス)
キャリアーガス:窒素(30ml/min)
カラム温度:95℃(0min)→230℃まで昇温(3℃/min)→230℃(0min)
INJ:200℃
DET:240℃
[FAL収率(mol%)]=[FAL生成モル数(ガスクロマトグラフ分析値)]/[
1時間に供給したヘキソースユニットのモル数×100]
なおヘキソースユニットのモル数はセルロースが100%ヘキソースの重合物((C6
H10O5)n、式量:(162.14)n)であると仮定して算出した。
結果を表−1に示す。
<無触媒でのセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
比較例Aにおいて、ホウ酸を使用せずに原料スラリーを調製した以外は比較例Aと同様に実施した。結果を表−1に示す。
<ホウ酸および硫酸を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
比較例Aにおいて、0.320gのホウ酸に加えて0.345mlの2.5mol/l硫酸水溶液(純正化学 容量分析用規定液)(硫酸として0.0847g)を用いて原料スラリーを調製した以外は比較例Aと同様に実施した。結果を表−1に示す。
<硫酸を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
比較例Aにおいて、ホウ酸に代えて0.345mlの2.5mol/l硫酸水溶液(純正化学 容量分析用規定液)(硫酸として0.0847g)を用いて原料スラリーを調製した以外は比較例Aと同様に実施した。結果を表−1に示す。
<硫酸を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
比較例Aにおいて、ホウ酸に代えて2.07mlの2.5mol/l硫酸水溶液(純正化学 容量分析用規定液)(硫酸として0.508g)を用いて原料スラリーを調製した以外は比較例Aと同様に実施した。結果を表−1に示す。
<ホウ酸およびリン酸を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
比較例Aにおいて、0.320gのホウ酸に加えて0.0996gの85%リン酸を用いて原料スラリーを調製した以外は比較例Aと同様に実施した。結果を表−1に示す。
<リン酸を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
比較例Aにおいて、ホウ酸に代えて0.0996gの85%リン酸を用いて原料スラリーを調製した以外は比較例Aと同様に実施した。結果を表−1に示す。
<アルミニウムイソプロポキシド−ホウ酸を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
テフロン(登録商標)攪拌子を入れた300mlのナス型フラスコに、20gのセルロース、113gのスルフォラン、40gの脱イオン水、0.1gのホウ酸を加えて30分攪拌混合し、これに0.7gのアルミニウムイソプロポキシドを加えて5時間攪拌混合して原料スラリーを調製した。
<アルミニウムイソプロポキシドを用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
比較例Aにおいて、ホウ酸を用いなかった以外は実施例3と同様に実施した。結果を表−1に示す。
<酢酸亜鉛・2水和物−ホウ酸を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
ホウ酸の使用量を0.2gに変更し、アルミニウムイソプロポキシドに代えて0.2gの酢酸亜鉛・2水和物を用い、セルロース、スルフォラン、脱イオン水、ホウ酸及び酢酸亜鉛・2水和物を5時間攪拌混合した以外は実施例3と同様に実施した。結果を表−1に示す。
<酢酸亜鉛・2水和物を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
ホウ酸を使用しなかった以外は実施例4と同様に実施した。結果を表−1に示す。
<クエン酸第二鉄・n水和物−ホウ酸を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
ホウ酸の使用量を0.25gに変更し、アルミニウムイソプロポキシドに代えて0.6gのクエン酸第二鉄・n水和物を用い、セルロース、スルフォラン、脱イオン水、ホウ酸及びクエン酸第二鉄・n水和物を5時間攪拌混合した以外は実施例3と同様に実施した。結果を表−1に示す。
<クエン酸第二鉄・n水和物を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
ホウ酸を使用しなかった以外は実施例5と同様に実施した。結果を表−1に示す。
<塩化アルミニウム・6水和物−ホウ酸を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
ホウ酸の使用量を0.2gに変更し、アルミニウムイソプロポキシドに代えて0.2gの塩化アルミニウム・6水和物を用い、セルロース、スルフォラン、脱イオン水、ホウ酸及び塩化アルミニウム・6水和物を5時間攪拌混合した以外は実施例3と同様に実施した。結果を表−1に示す。
<塩化アルミニウム・6水和物を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
ホウ酸を使用しなかった以外は実施例6と同様に実施した。結果を表−1に示す。
<固体酸触媒(H-US-Yゼオライト)を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
ほう酸に代えて0.2gのH-US-Yゼオライトを用い、30分の撹拌混合を行わず、アルミニウムイソプロポキシドを用いなかった以外は実施例3と同様に実施した。結果を表−1に示す。
<ホウ酸および乳酸アルミニウムを用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
比較例Aにおいて、0.320gのホウ酸に加えて0.253gの乳酸アルミニウム(キシダ化学)を用いて原料スラリーを調製した以外は比較例Aと同様に実施した。結果を表−1に示す。
<ホウ酸および硫酸アルミニウムを用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
比較例Aにおいて、0.320gのホウ酸に加えて0.136gの硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3・14−18H2O、キシダ化学)を用いて原料スラリーを調製した以外は比較例Aと同様に実施した。結果を表−1に示す。
<ホウ酸、硫酸アルミニウム、および硫酸を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
比較例Aにおいて、0.160gのホウ酸に加えて0.136gの硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3・14−18H2O、キシダ化学)、0.063gの硫酸を用いて原料スラリーを調製した以外は比較例Aと同様に実施した。結果を表−1に示す。
<ホウ酸およびサリチル酸を用いたセルロースからの2−フルアルデヒドの製造>
比較例Aにおいて、0.320gのホウ酸に加えて0.119gのサリチル酸(キシダ化学)を用いて原料スラリーを調製した以外は比較例Aと同様に実施した。結果を表−1に示す。
<ホウ酸、硫酸アルミニウムおよび硫酸を用いたおがくずからの2−フルアルデヒドの製造(連続法)>
おがくず粒の調製
本発明の実施例として実バイオマスを適用するにあたり、原料とするおがくず粒を次のように調製した。木芸社より入手したおがくず(完全乾燥超微粒子/樹種:檜、杉、栂、米松ほか)に対して、イオン交換水を約 1 重量部添加して 2 〜4mmに造粒後、乾燥
窒素流通下に 110℃にて 4時間乾燥したものを使用した。なお、使用した乾燥おがくず中の有機溶媒可溶分、ホロセルロース、α-セルロース、ヘミセルロースの割合は木質
科学実験マニュアル(日本木材学会編,P.92)に準じて分析したところ以下であった。
有機溶媒可溶分(エタノール-トルエン抽出法) 3wt%
ホロセルロース(亜塩素酸ナトリウム法) 71wt%
α-セルロース( 17.5% 水酸化ナトリウム法) 47wt%
ヘミセルロース(上記ホロセルロース−α-セルロース) 24wt%
2−フルアルデヒドの製造
連続流通用供給液として、(ア) 126.0gのスルフォランと35.0gのイオン
交換水の混合液、(イ)ホウ酸/硫酸アルミニウム/硫酸(重量組成2.0/5.0/0.1)からなる触媒を21.0gのイオン交換水に溶解した水溶液を予め調製した。実バイオマス原料として、0.420gのおがくず粒をバイアルに小分けしたものを添加回数分の数だけ用意した。
反応液保持容量34mlの反応容器(100ml四つ口フラスコ)に、34.0gのスルフォランを仕込み、コンデンサーに冷却水を流し、窒素雰囲気下にオイルバスを60℃、保温用テープヒーターを120℃に予熱、反応器に(ア)と(イ)の混合液あるいは混合スラリーを反応器にフィードできるようにフィードラインを設置し、反応器蒸留ヘッド上部に連結したシリコンゴム管の末端に0.667gのおがくず粒の入ったバイアルを設置し、シリコンゴム管の途中をピンチコックで止めた。
スターラーで400r.p.m.の攪拌速度で攪拌しながら、同伴ガスとして20ml/minの供給速度で窒素を反応容器に流通させ、オイルバスの昇温を開始し20分で反応器内温が所定温度となるよう昇温を開始した。反応器内液温が所定温度に達した時点で、(ア)および(イ)の供給を開始(スルフォランとして11.33g/h、イオン交換水として4.0g/hとなる供給速度、触媒は所定の供給速度)し、同時にポンプを稼動させ保持反応液量制御用サクション管からの抜き出し速度を1.5ml/minに制御し、反応容器内のスラリーを約34mlに保持した。
蒸留ヘッド上部のシリコンゴム管のピンチコックを開け、0.420gのおがくず粒を、バイアルを傾けながら反応器に供給して反応を開始し、おがくず粒はその後20分毎に反応終了まで0.420gずつ蒸留ヘッド上部から反応器に供給した。1時間あたりに反応器に供給されるおがくず/スルフォラン/水の比は1.0/9.0/4.0重量比であり、おがくず/ホウ酸/硫酸アルミニウム/硫酸の比は100/2.0/5.0/0.1重量比であった。
反応器内温を225℃±2℃となるよう保持し反応時間7.0時間の連続流通反応を行った。留出液サンプリング用受器として、30mlのTHFと0.5mlのトリエチレングリコールジメチルエーテル(GC分析用内部標準物資)の入った50ml三角フラスコをサンプリング回数と同じ数だけ準備し、反応開始から1時間毎(0−1時間、1−2時間、2−3時間、3−4時間・・・・・・)にサンプリング用受器を交換して留出液を回収し、回収した受器を振って良く攪拌した後、GC分析(1.0μl注入)し2−フルアルデヒドの生成量、スルフォランの留出量を求めた。反応時間6.0時間から7.0時間の留出液を分取して2-フルアルデヒド収率を求めた結果を表−1に示す。
)ホウ酸を除く酸及び/又は(b)金属化合物を用いない比較例A、無触媒の比較例1、硫酸を使用するもののホウ素化合物を用いない比較例2及び3、リン酸を使用した比較例4、ホウ素化合物を使用せず金属化合物や固体酸触媒を使用した比較例5〜9に対して、本発明に従い、少なくとも該糖原料、溶媒、ホウ素化合物、(a)ホウ酸を除く酸及び/又は(b)金属化合物を混合して反応させた実施例1〜10は、目的とする2−フルアルデヒドを高収率で製造することが可能であることがわかる。
また、実バイオマス原料を用いた実施例11においても、目的とする2−フルアルデヒドを高収率で製造することが可能であることがわかる。
Claims (16)
- ヘキソースを構成成分とする糖原料、非プロトン性の極性溶媒、ホウ酸、酸化ホウ素、
ホウ酸エステル、及びハロゲン化ホウ素からなる群より選ばれる1以上であるホウ素化合
物、水、並びに、(a)無機酸(但し、ホウ酸を除く)及び有機酸からなる群より選ばれ
る1以上の酸、及び/又は、(b)金属化合物をそれぞれ混合し、150℃以上300℃
以下で混合して反応させることを特徴とする2−フルアルデヒドの製造方法。 - 無機酸(但し、ホウ酸を除く)が、硫酸又はリン酸であり、有機酸がカルボン酸である
請求項1に記載の2−フルアルデヒドの製造方法。 - 前記糖原料、前記溶媒、前記ホウ素化合物、(a)無機酸(但し、ホウ酸を除く)及び
有機酸からなる群より選ばれる1以上の酸、及び/又は(b)金属化合物のうち、少なく
とも1種類を、分割して供給する、段階的に供給する、あるいは、連続的に供給して反応
させる
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の2−フルアルデヒドの製造方法。 - 前記金属化合物が、該金属化合物を加水分解した際に生成する水酸化物が両性となる化
合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の2−フルアルデヒド
の製造方法。 - 前記金属化合物が、Al、Ga、In、Sn、Ti、Zr、Mn、Fe、Co、Ni、
Cu、Pb、Bi及びZnからなる群から選ばれる金属を含むものである
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の2−フルアルデヒドの製造方法
。 - 前記金属化合物が、金属アルコキシド、金属有機酸塩、金属ハロゲン化物及び金属硫酸
塩からなる群より選ばれる
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の2−フルアルデヒドの製造方法
。 - 前記溶媒が、2−フルアルデヒドよりも沸点が高い溶媒である
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の2−フルアルデヒドの製造方法
。 - 前記反応で生成する2−フルアルデヒドを、反応系外に排出しながら反応させる
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の2−フルアルデヒドの製造方法
。 - 反応温度が、2−フルアルデヒドの沸点以上かつ前記溶媒の沸点以下である
ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の2−フルアルデヒドの製造方法
。 - 前記糖原料が、セルロース、でんぷん及びヘキソースからなる群から選ばれる少なくと
も1種を含有する
ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の2−フルアルデヒドの製造方法
。 - 前記ホウ素化合物、(a)無機酸(但し、ホウ酸を除く)及び有機酸からなる群より選
ばれる1以上の酸、及び/又は(b)金属化合物を、水に溶解させて供給することを特徴
とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の2−フルアルデヒドの製造方法。 - 前記ホウ素化合物がホウ酸である
ことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の2−フルアルデヒドの製造方
法。 - 反応時間が0.5時間以上、20時間以下であることを特徴とする、請求項1〜12の
いずれか1項に記載の2−フルアルデヒドの製造方法。 - (1)ヘキソースを構成成分とする糖原料、(2)ホウ素化合物、(3)無機酸(但し、
ホウ酸を除く)及び 有機酸からなる群より選ばれる1以上の酸、及び/又は、金属化合
物、(4)溶媒、並びに(5)水をそれぞれ含む組成物であり、
前記ホウ素化合物が、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ酸エステル、及びハロゲン化ホウ素か
らなる群より選ばれる1以上である
ことを特徴とする2−フルアルデヒド製造用組成物。 - 前記溶媒が、非プロトン性極性溶媒である
ことを特徴とする、請求項14に記載の2−フルアルデヒド製造用組成物。 - 前記金属化合物が、Al、Ga、In、Sn、Ti、Zr、Mn、Fe、Co、Ni、
Cu、Pb、Bi及びZnからなる群から選ばれる金属を含むものである
ことを特徴とする、請求項14または15に記載の2−フルアルデヒドの製造用組成物。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014257893 | 2014-12-19 | ||
JP2014257893 | 2014-12-19 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016117716A JP2016117716A (ja) | 2016-06-30 |
JP6728655B2 true JP6728655B2 (ja) | 2020-07-22 |
Family
ID=56242807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015236699A Active JP6728655B2 (ja) | 2014-12-19 | 2015-12-03 | 2−フルアルデヒドの製造方法及び2−フルアルデヒド製造用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6728655B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108017790B (zh) * | 2017-12-13 | 2018-12-07 | 济南圣泉集团股份有限公司 | 一种生产高活性木质素和副产糠醛的方法及应用 |
-
2015
- 2015-12-03 JP JP2015236699A patent/JP6728655B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016117716A (ja) | 2016-06-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2598466B1 (en) | Microwave assisted synthesis of dehydrated sugar derivatives hydroxymethylfurfural, levulinic acid, anhydrosugar alcohols, and ethers thereof | |
EP2233477B1 (en) | Preparation of levulinic acid from fructose using an acid catalyst, a polyethylene glycol and an end-capped polyethylene glycol | |
US7317116B2 (en) | Processes for the preparation and purification of hydroxymethylfuraldehyde and derivatives | |
KR101847683B1 (ko) | 히드록시메틸푸르푸랄로부터 2,5-퓨란디카르복실산의 제조를 위한 분사 산화 방법 | |
JP2016521281A (ja) | 糖類からの5−ヒドロキシメチルフルフラールの合成法 | |
JP5779888B2 (ja) | 2−フルアルデヒド化合物の製造方法 | |
WO2009012445A1 (en) | Method for production of 5-hydroxymethyl-2-furfural from fructose | |
WO2015041013A1 (ja) | 2,5-フランジカルボン酸の製造方法 | |
JP2009060828A (ja) | 植物系繊維材料の糖化分離方法 | |
US20160060194A1 (en) | Process for the transformation of lignocellulosic biomass into mono- or poly-oxygenated molecules | |
JP7184132B2 (ja) | アルコールの製造方法 | |
US9162960B2 (en) | Process for the preparation of a benzene derivative | |
JP6728655B2 (ja) | 2−フルアルデヒドの製造方法及び2−フルアルデヒド製造用組成物 | |
JP2018002701A (ja) | 5−ヒドロキシメチル−2−フルフラールの製造方法 | |
JP6183483B2 (ja) | 2−フルアルデヒドの製造方法 | |
WO2016039996A1 (en) | Production of levoglucosenone | |
JP2019099544A (ja) | 副産物の生成が抑制された5−ヒドロキシメチル−2−フルフラールの製造方法 | |
CN114075157B (zh) | 一种连续生产生物基呋喃化合物的方法 | |
JP6458473B2 (ja) | ラクトン類の製造方法 | |
US20160251296A1 (en) | Process to prepare levulinic acid | |
RO132551A2 (ro) | Procedeu de obţinere a unui catalizator pe bază de zn-zsm-5 pentru sinteza hidroximetilfurfuralului din melasă | |
WO2015072870A1 (en) | The process for obtaining 5-(chloromethyl)furfural and its ethers from algal biomass |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20170424 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181128 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190815 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190924 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20191113 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200120 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200602 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200615 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6728655 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |