JP5779888B2 - 2−フルアルデヒド化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
MaH(3−a)PO4 ・・・(1)
[式中、Mはアルカリ金属を示し、aは0.2以上0.95以下である]
本発明の2−フルアルデヒド化合物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と称することがある)は、水溶液層と有機溶媒層の二層からなる反応系で、ヘキソース及び/又はペントースを、酸触媒の存在下で反応させるにあたり、該水溶液層を構成する水溶液に、特定のアルカリ金属とリン酸との塩を含有させることを特徴とするものである。
本発明の製造方法で反応させるヘキソース及び/又はペントース(以下、これを「糖」と称することがある)は、それ自体を単糖として反応槽に供給してもよいが、ヘキソース及び/又はペントースを含有、又はこれらの糖が誘導されるもの(以下、これを「糖原料」と称する)を用いることもできる。ヘキソース及びペントースとしては、好ましくはアルドースが挙げられる。また、2種以上の糖を混合したものを反応させることもできる。
本発明の2−フルアルデヒド化合物の製造方法で使用される水溶液層は、下記一般式(1)で表される特定比率のアルカリ金属とリン酸との塩を含む水溶液で構成される。
MaH(3−a)PO4 ・・・(1)
[式中、Mはアルカリ金属を示し、aは0.2以上0.95以下である]
本発明の2−フルアルデヒド化合物の製造方法で使用される有機溶媒層を構成する有機溶媒としては、反応条件下にアルカリ金属とリン酸との塩を含む水溶液と二層を形成し、水溶液層で生成する2−フルアルデヒド化合物を抽出できるものであれば何れのものでもよい。この有機溶媒層の有機溶媒としては、具体的には、アルコール、エーテル、ケトン、及びカルボン酸よりなる群から選ばれた少なくとも1つの有機溶媒を用いることができる。
該有機溶媒は、溶媒の回収・再利用を考慮した場合、単一溶媒のほうがプロセスとして簡略化できるため好ましいが、2種以上を混合して用いても構わない。
糖を2−フルアルデヒド化合物に変換する本発明の反応は、回分方式でも連続方式でも行うことができる。回分方式の場合には、反応器に、上記糖原料、アルカリ金属とリン酸との塩を含む水溶液、有機溶媒を仕込み、攪拌下に反応させる。この場合、糖原料を一括で仕込まず、数回に分けて反応器に供給するか、あるいは連続的に反応器に供給しても良い。
反応圧力は、反応系が液相に保持される範囲であれば任意である。
2−フルアルデヒド化合物が5−(ヒドロキシメチル)−2−フルアルデヒドである場合、まずアルカリ金属とリン酸との塩を含む水溶液層から5−(ヒドロキシメチル)−2−フルアルデヒドを含む有機溶媒層を分離した後、有機溶媒層の有機溶媒を留去して回収する方法、有機溶媒層に貧溶媒を添加して冷却して晶析分離して回収する方法、有機溶媒層を吸着剤に接触させて吸着したのち脱離溶媒で処理して回収する方法、有機溶媒層と水を接触させて水層に抽出させて回収する方法等が挙げられる。
本発明で得られた5−(ヒドロキシメチル)−2−フルアルデヒドは、医薬品、農薬、香料、各種ポリマー用モノマー、液体燃料等の合成中間体の用途に使用することが可能である。また、2−フルアルデヒドは、溶剤、フラン樹脂、テトラヒドロフラン、フラン等の製造原料としての用途に使用することが可能である。
<GC分析条件>
カラム:Thermon3000 5%/SHINCARBON A 60/80
3m(ステンレス)
キャリアーガス:窒素(50ml/min)
カラム温度:170℃(12min)→190℃まで昇温(10℃/min)
→190℃(31min)
INJ:200℃
DET:240℃
5−(ヒドロキシメチル)−2−フルアルデヒド(HMF)収率は以下の式(i)より求めた。
HMF収率(%)=
生成したHMF(mol)/仕込み原料中のヘキソースユニット(mol)×100
・・・(i)
5−(ヒドロキシメチル)−2−フルアルデヒド(HMF)収率は上記式(i)により求め、HMF有機カルボン酸エステル(VMF、CMF)の収率は以下の式(ii),(iii)より求めた。
VMF収率(%)=
生成したVMF(mol)/仕込み原料中のヘキソースユニット(mol)×100
・・・(ii)
CMF収率(%)=
生成したCMF(mol)/仕込み原料中のヘキソースユニット(mol)×100
・・・(iii)
<GC分析条件>
カラム:FON 10%/Celite545A 80/100
3m(ステンレス)
キャリアーガス:窒素(30ml/min)
カラム温度:140℃(15min)→240℃まで昇温(20℃/min)
→240℃(25min)
INJ:200℃
DET:240℃
2−フルアルデヒド(FAL)収率は以下の式(iv)より求めた。
FAL収率(%)=
生成したFAL(mol)/仕込み原料中のペントースユニット(mol)×100
・・・(iv)
反応は、ブッヒグラスウスター社製ミニクレーブ(PTFEカバー、200mlガラス容器、液温測定用熱電対鞘管付き)を用いて実施した。
11.53gの85%リン酸(H3PO4として100.0mmol、H2Oとして96.0mmol)、及び10.88gの脱塩水(604.0mmol)を混合して水溶液層(リン酸を含む水溶液の組成として、H3PO4 100.0mmol、H2O 700.0mmol)として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。反応後は二層にならなかったため、回収した反応液に2.0mlのテトラエチレングリコールジメチルエーテル(GC分析用内部標準物質)と15gの水酸化カルシウム(リン酸中和除去用)を加え混合した後、No.2Cの濾紙で濾過し、濾液をGC分析して生成した5−(ヒドロキシメチル)−2−フルアルデヒド量を求めた。結果を表1に示す。
2.722gのリン酸二水素カリウム(20.0mmol)、11.23gの脱塩水(623.2mmol)、及び9.223gの85%リン酸(H3PO4として80.0mmol、H2Oとして76.8mmol)を混合して水溶液層(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.2H2.8PO4 100.0mmol、H2O 700.0mmol)として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
5.444gのリン酸二水素カリウム(40.0mmol)、11.57gの脱塩水(642.4mmol)、及び6.917gの85%リン酸(H3PO4として60.0mmol、H2Oとして57.6mmol)を混合して水溶液層(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.4H2.6PO4 100.0mmol、H2O 700.0mmol)として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
8.165gのリン酸二水素カリウム(60.0mmol)、11.92gの脱塩水(661.6mmol)、及び4.612gの85%リン酸(H3PO4として40.0mmol、H2Oとして38.4mmol)を混合して水溶液層(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.6H2.4PO4 100.0mmol、H2O 700.0mmol)として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
9.526gのリン酸二水素カリウム(70.0mmol)、12.09gの脱塩水(671.2mmol)、及び3.459gの85%リン酸(H3PO4として30.0mmol、H2Oとして28.8mmol)を混合して水溶液層(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.7H2.3PO4 100.0mmol、H2O 700.0mmol)として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
12.25gのリン酸二水素カリウム(90.0mmol)、12.44gの脱塩水(690.4mmol)、及び1.153gの85%リン酸(H3PO4として10.0mmol、H2Oとして9.6mmol)を混合して水溶液層(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.9H2.1PO4 100.0mmol、H2O 700.0mmol)として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
13.61gのリン酸二水素カリウム(100.0mmol)、及び12.61gの脱塩水(700.0mmol)を混合して水溶液層(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、KH3PO4 100.0mmol、H2O 700.0mmol)として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。この反応においては反応中の水溶液層に塩の析出が観察された。結果を表1に示す。
10.89gのリン酸二水素カリウム(80.0mmol)、6.86gの脱塩水(380.8mmol)、及び2.306gの85%リン酸(H3PO4として20.0mmol、H2Oとして19.2mmol)を混合して水溶液層(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.8H2.2PO4 100.0mmol、H2O 400.0mmol)として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。この反応においては反応中の水溶液層に塩の析出が観察された。結果を表1に示す。
10.89gのリン酸二水素カリウム(80.0mmol)、17.67gの脱塩水(980.8mmol)、及び2.306gの85%リン酸(H3PO4として20.0mmol、H2Oとして19.2mmol)を混合して水溶液層(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.8H2.2PO4 100.0mmol、H2O 1000.0mmol)として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に示す。
10.89gのリン酸二水素カリウム(80.0mmol)、23.07gの脱塩水(1280.8mmol)、及び2.306gの85%リン酸(H3PO4として20.0mmol、H2Oとして19.2mmol)を混合して水溶液層(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.8H2.2PO4 100.0mmol、H2O 1300.0mmol)として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に示す。
10.89gのリン酸二水素カリウム(80.0mmol)、35.68gの脱塩水(1980.8mmol)、及び2.306gの85%リン酸(H3PO4として20.0mmol、H2Oとして19.2mmol)を混合して水溶液層(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.8H2.2PO4 100.0mmol、H2O 2000.0mmol)として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に示す。
10.89gのリン酸二水素カリウム(80.0mmol)、53.69gの脱塩水(2980.8mmol)、及び2.306gの85%リン酸(H3PO4として20.0mmol、H2Oとして19.2mmol)を混合して水溶液層(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.8H2.2PO4 100.0mmol、H2O 3000.0mmol)として用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に示す。
15.0mlの室温飽和塩化ナトリウム水溶液と0.391gの35%塩酸の混合液を水溶液層とし、予め室温飽和塩化ナトリウム水溶液と接触させておいた50.0mlの2−ブタノールを有機溶媒層として用い、反応時間を5.0時間とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に示す。
D(+)グルコースの代わりに1.802gのD(−)フルクトース(10.0mmol)を用い、反応時間を3.0時間とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に示す。
D(+)グルコースの代わりに1.802gのD(−)フルクトース(10.0mmol)を用い、5.0mlの室温飽和塩化ナトリウム水溶液と0.130gの35%塩酸の混合液を水溶液層とし、予め室温飽和塩化ナトリウム水溶液と接触させておいた50.0mlの2−ブタノールを有機溶媒層として用い、反応時間を0.5時間とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に示す。なお、反応時間0.5時間の反応温度(液温)は反応開始時と反応終了時の平均値とした。
D(+)グルコースの代わりに1.711gのD(+)セロビオース(5.0mmol、ヘキソースユニットとして10.0mmol)を用い、反応時間を7.0時間とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に示す。
D(+)グルコースの代わりに1.802gのD(+)マルトース・1水和物(5.0mmol、ヘキソースユニットとして10.0mmol、H2O 5.0mmol)を用い、10.89gのリン酸二水素カリウム(80.0mmol)、12.17gの脱塩水(675.8mmol)、及び2.306gの85%リン酸(H3PO4として20.0mmol、H2Oとして19.2mmol)を混合して水溶液層(マルトースの水和水を含め、カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.8H2.2PO4 100.0mmol、H2O 700.0mmol)として用い、反応時間を7.0時間とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表2に示す。
D(+)グルコースの代わりに1.711gのスクロース(5.0mmol、ヘキソースユニットとして10.0mmol)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表3に示す。
D(+)グルコースの代わりに1.954gの馬鈴薯澱粉(含水量17.04wt%:H2O 18.5mmol、残りのすべてがヘキソース重合物と仮定するとヘキソースユニットとして10.0mmol)を用い、水溶液層として5.70gの脱塩水(316.2mmol)、1.845gの85%リン酸(H3PO4として16.0mmol、H2Oとして15.4mmol)、及び8.71gのリン酸二水素カリウム(64.0mmol)の混合物(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、馬鈴薯澱粉中のH2Oを含め、K0.8H2.2PO4 80.0mmol、H2O 350.0mmol)を用い、有機溶媒として50.0mlの4−メチル−2−ペンタノン、反応後の水溶液層の洗浄に4−メチル−2−ペンタノンを用いた以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表3に示す。
糖原料として0.901gのD(+)グルコース(5.0mmol)、水溶液層として9.39gの脱塩水(521.2mmol)、3.459gの85%リン酸(H3PO4として30.0mmol、H2Oとして28.8mmol)、及び16.09gのリン酸二水素セシウム(70.0mmol)の混合物(セシウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、Cs0.7H2.3PO4 100.0mmol、H2O 550.0mmol)を用い、反応時のオイルバス温度を145℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表3に示す。
糖原料として0.901gのD(+)グルコース(5.0mmol)、水溶液層として13.37gの脱塩水(742.3mmol)、0.922gの85%リン酸(H3PO4として8.0mmol、H2Oとして7.7mmol)、及び7.48gのリン酸二水素リチウム(72.0mmol)の混合物(リチウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、Li0.9H2.1PO4 80.0mmol、H2O 750.0mmol)を用い、反応時のオイルバス温度を145℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表3に示す。
糖原料として0.901gのD(+)グルコース(5.0mmol)、水溶液層として6.11gの脱塩水(339.3mmol)、1.585gの85%リン酸(H3PO4として13.75mmol、H2Oとして13.2mmol)、及び19.31gのリン酸二水素ナトリウム・2水和物(123.75mmol)の混合物(ナトリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、Na0.9H2.1PO4 137.5mmol、H2O 600.0mmol)を用い、反応時のオイルバス温度を145℃、反応時間を3.0時間とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表3に示す。
糖原料として0.901gのD(+)グルコース(5.0mmol)、水溶液層として13.23gの脱塩水(734.6mmol)、1.845gの85%リン酸(H3PO4として16.0mmol、H2Oとして15.4mmol)、及び8.71gのリン酸二水素カリウム(64.0mmol)の混合物(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.8H2.2PO4 80.0mmol、H2O 750.0mmol)を用い、有機溶媒として50.0mlの1−プロパノール、反応後の水溶液層の洗浄に1−プロパノールを用い、反応時のオイルバス温度を145℃、反応時間を5.0時間とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表3に示す。
糖原料として0.901gのD(+)グルコース(5.0mmol)、水溶液層として9.63gの脱塩水(534.6mmol)、1.845gの85%リン酸(H3PO4として16.0mmol、H2Oとして15.4mmol)、及び8.71gのリン酸二水素カリウム(64.0mmol)の混合物(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.8H2.2PO4 80.0mmol、H2O 550.0mmol)を用い、有機溶媒として50.0mlの2−ペンタノール、反応後の水溶液層の洗浄に2−ペンタノールを用い、反応時のオイルバス温度を145℃、反応時間を5.0時間とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表3に示す。
糖原料として0.901gのD(+)グルコース(5.0mmol)、水溶液層として6.03gの脱塩水(334.6mmol)、1.845gの85%リン酸(H3PO4として16.0mmol、H2Oとして15.4mmol)、及び8.71gのリン酸二水素カリウム(64.0mmol)の混合物(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.8H2.2PO4 80.0mmol、H2O 350.0mmol)を用い、有機溶媒として50.0mlのエチレングリコールジエチルエーテル、反応後の水溶液層の洗浄にエチレングリコールジエチルエーテルを用い、反応時のオイルバス温度を145℃、反応時間を4.0時間とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表3に示す。
糖原料として0.901gのD(+)グルコース(5.0mmol)、水溶液層として6.03gの脱塩水(334.6mmol)、1.845gの85%リン酸(H3PO4として16.0mmol、H2Oとして15.4mmol)、及び8.71gのリン酸二水素カリウム(64.0mmol)の混合物(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.8H2.2PO4 80.0mmol、H2O 350.0mmol)を用い、有機溶媒として50.0mlの4−メチル−2−ペンタノン、反応後の水溶液層の洗浄に4−メチル−2−ペンタノンを用い、反応時のオイルバス温度を145℃とした以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表3に示す。
糖原料として0.901gのD(+)グルコース(5.0mmol)、水溶液層として9.63gの脱塩水(534.6mmol)、1.845gの85%リン酸(H3PO4として16.0mmol、H2Oとして15.4mmol)、及び8.71gのリン酸二水素カリウム(64.0mmol)の混合物(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.8H2.2PO4 80.0mmol、H2O 550.0mmol)を用い、有機溶媒として50.0mlの吉草酸を用いた以外は、実施例1と同様に反応を実施した。
反応後、吉草酸層を100ml三角フラスコに移した後、水溶液層を10mlの吉草酸で3回洗浄してこれらの洗浄液を前記フラスコ中に回収した。回収された吉草酸溶液に2.0mlのテトラエチレングリコールジメチルエーテル(GC分析用内部標準物質)と1gのベーマイト(残存リン酸除去用)を加え混合した後、No.2Cの濾紙で濾過し、濾液をGC分析して生成した5−(ヒドロキシメチル)−2−フルアルデヒド及び5−(ヒドロキシメチル)−2−フルアルデヒドの吉草酸エステルの量を求めた。5−(ヒドロキシメチル)−2−フルアルデヒド及びその吉草酸エステル(VMF)の収率を表4に示す。
有機溶媒としてカプロン酸を用い、水溶液層の洗浄にカプロン酸を使用した以外は、実施例24と同様に反応を行った。5−(ヒドロキシメチル)−2−フルアルデヒド及びそのカプロン酸エステル(CMF)の収率を表4に示す。
攪拌子、フッ素樹脂被覆熱電対、還流冷却管を備えた100ml四口フラスコに、窒素雰囲気下、糖原料として1.802gのD(−)フルクトース(10.0mmol)、水溶液層として5.46gの脱塩水(303.1mmol)、5.765gの85%リン酸(H3PO4として50.0mmol、H2Oとして48.0mmol)、及び10.21gのリン酸二水素カリウム(75.0mmol)の混合物(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.6H2.4PO4 125.0mmol、H2O 351.1mmol)、有機溶媒として50.0mlの4−メチル−2−ペンタノンを仕込み、オイルバスにセットした。プログラム温度調節器を用いてオイルバスの温度を30分かけて107℃に昇温し、そのまま107℃で保持した。反応の開始時間はオイルバス温度が107℃に達した時点とし、反応液温度をテフロ被覆熱電対で反応開始時から反応終了時まで1時間毎に測定しその平均値を反応温度とした。8時間の反応時間の後、加熱・攪拌を停止し、フラスコをオイルバスから取り出し室温付近まで放冷し、4−メチル−2−ペンタノン層を100ml三角フラスコに移した。水溶液層を10mlの4−メチル−2−ペンタノンで3回洗浄してこれらの洗浄液を前記フラスコ中に回収した。回収された4−メチル−2−ペンタノン溶液に2.0mlのテトラエチレングリコールジメチルエーテル(GC分析用内部標準物質)と1gの水酸化カルシウム(残存する酸の除去用)を加え混合した後、No.2Cの濾紙で濾過し、濾液をGC分析して生成した5−(ヒドロキシメチル)−2−フルアルデヒドの量を実施例1と同様に求めた。結果を表5に示す。
糖原料として0.901gのD(−)フルクトース(5.0mmol)、水溶液層として3.42gの脱塩水(189.8mmol)、7.206gの85%リン酸(H3PO4として62.5mmol、H2Oとして60.0mmol)、及び8.506gのリン酸二水素カリウム(62.5mmol)の混合物(カリウムとリン酸との塩を含む水溶液の組成として、K0.5H2.5PO4 125mmol、H2O 249.8mmol)を用い、反応時間を4.0時間とした以外は、実施例26と同様に反応を行った。結果を表5に示す。
糖原料として1.501gのD(+)キシロース(10.0mmol)を用い、反応時間を3.0時間とした以外は、実施例1と同様に反応を実施した。
反応後、2−ブタノール層を100ml三角フラスコに移した後、水溶液層を10mlの2−ブタノールで3回洗浄してこれらの洗浄液を前記フラスコ中に回収した。回収された2−ブタノール溶液に1.0mlのジエチレングリコールジエチルエーテル(GC分析用内部標準物質)と1gの水酸化カルシウム(残存する酸の除去用)を加え混合した後、No.2Cの濾紙で濾過し、濾液をGC分析して生成した2−フルアルデヒド(FAL)量を求めた。結果を表6に示す。
15.0mlの室温飽和塩化ナトリウム水溶液と0.391gの35%塩酸の混合液を水溶液層とし、予め室温飽和塩化ナトリウム水溶液と接触させておいた50.0mlの2−ブタノールを有機溶媒層として用いた以外は、実施例28と同様に反応を行った。結果を表6に示す。
<Run1>
糖原料として0.901gのD(+)グルコース(5.0mmol)を用いた以外は、実施例1と同様に反応、分析を行った。
<Run2>
Run1で回収されたカリウムとリン酸との塩を含む水溶液の重量を測定し、これにRun1の水溶液層の仕込み重量(25.46g)と同じになるように脱塩水を添加した。これに、糖原料として0.901gのD(+)グルコース(5.0mmol)、有機溶媒として50.0mlの2−ブタノールを加え、Run1と同様に反応、分析を行った。
<Run3>
Run2で回収されたカリウムとリン酸との塩を含む水溶液を用いた以外は、Run2と同様に実施した。
<Run4>
Run3で回収されたカリウムとリン酸との塩を含む水溶液を用いた以外は、Run2と同様に実施した。
上記Run1〜Run4の結果を表7に示す。
Claims (7)
- 水溶液層と有機溶媒層の二層からなる反応系で、ヘキソース及び/又はペントースを、酸触媒の存在下で反応させる2−フルアルデヒド化合物の製造方法において、該水溶液層を構成する水溶液が下記一般式(1)で表されるアルカリ金属とリン酸との塩を含むことを特徴とする2−フルアルデヒド化合物の製造方法。
MaH(3−a)PO4 ・・・(1)
[式中、Mはアルカリ金属を示し、aは0.2以上0.95以下である] - 前記ヘキソース及び/又はペントースが、アルドースであることを特徴とする請求項1に記載の2−フルアルデヒド化合物の製造方法。
- 前記アルドースが、グルコース及び/又はキシロースであることを特徴とする請求項2に記載の2−フルアルデヒド化合物の製造方法。
- 前記アルカリ金属が、カリウムであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の2−フルアルデヒド化合物の製造方法。
- 前記反応系で、ヘキソースを、酸触媒の存在下で反応させて5−(ヒドロキシメチル)−2−フルアルデヒドを製造する方法であって、前記水溶液層に対する有機溶媒層の容量比が0.1以上50以下であり、且つ、水溶液層を構成する水溶液の水/リン酸イオンのモル比が30以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の2−フルアルデヒド化合物の製造方法。
- 前記反応系で、ペントースを、酸触媒の存在下で反応させて2−フルアルデヒドを製造することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の2−フルアルデヒド化合物の製造方法。
- 前記有機溶媒層を構成する有機溶媒が、アルコール、エーテル、ケトン、及びカルボン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の2−フルアルデヒド化合物の製造方法。
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