JP2016512826A - ケトカルボン酸を含む組成物からのジカルボン酸および誘導体の製造方法 - Google Patents

ケトカルボン酸を含む組成物からのジカルボン酸および誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

不純物を含む水性相中のバイオマスに由来するケトカルボン酸、例えばレブリン酸を含む粗製組成物は、高収率で対応するジカルボン酸、例えばコハク酸に効率的に転化され、これは精製され、乾燥され得る。【選択図】図1

Description

優先権
本出願は、米国特許仮出願第61/798,129号(2013年3月15日出願)(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に対する優先権を主張する。
本発明は、ケトカルボン酸からのジカルボン酸の製造に関する。特に本発明は、ケトカルボン酸を含むバイオマスに由来する不純水性組成物からのジカルボン酸の製造に関する。
バイオマス由来のケトカルボン酸、例えばレブリン酸を含み、有意レベルの不純物を有する粗製組成物を、ジカルボン酸、例えばコハク酸に有利に転化するための方法を、本発明人等は発見した。粗生成物には、例えばフルフリルアルコール、糖、デンプン、リグノセルロースまたはセルロースの加水分解的分解による、例えばケトカルボン酸の製造からの副産物が夾雑し得る。
一実施形態では、バイオマスからのジカルボン酸、例えばコハク酸の製造方法は、バイオマス残渣を含む少なくとも1.0重量%の不純物とともに、以下の構造:
Figure 2016512826
(式中、RはC〜Cアルキルであり、a=0〜3、具体的には1〜3、さらに具体的には1〜2である)
を有するケトカルボン酸、例えばレブリン酸を含む粗製組成物をバイオマスから得ること;酸化剤および任意に触媒の存在下でケトカルボン酸を酸化するために粗製組成物を反応させて、対応するジカルボン酸を生成すること;ならびに任意に、ジカルボン酸を精製し、乾燥して、95重量%超のジカルボン酸を含む固体組成物を得ることを包含し、具体的には、この場合、RはOHに置き替えられる。
一実施形態では、本発明は、バイオマスからのコハク酸または無水コハク酸の製造方法であって、バイオマスからレブリン酸を含む粗製組成物を得ること、ならびに上記のような製法により組成物中のレブリン酸をコハク酸または無水コハク酸に転化することを包含する方法に関する。
一実施形態では、本発明は、バイオマスからのコハク酸の製造方法であって、酸触媒の存在下で、バイオマス残渣を含む少なくとも1.0重量%の不純物および少なくとも5重量%の水とともに、以下の構造:
Figure 2016512826
を有するレブリン酸を含む粗製組成物である加水分解物をバイオマスから得ること;その後、酸化剤の存在下でレブリン酸を酸化するために粗製組成物を加熱して、コハク酸を生成することであって、この場合、酸化剤は硝酸、任意にバナジウムペントキシドを含む触媒であり、任意に金属亜硝酸塩のさらなる存在下であり、粗製組成物は、10、9、8、7、6、5、4、3、2時間またさらには1時間未満の間、10℃〜140℃、さらに具体的には20℃〜100℃、さらに具体的には20℃〜80℃の範囲の温度に連続反応系で加熱され、その後、連続反応系でクエンチされ;ならびに次に、任意に、コハク酸を精製し、乾燥して、少なくとも95重量%のコハク酸を含む固体組成物を得ることを包含する方法に関する。
物質I、ならびに実施例6〜8における可溶性オリゴマーのサイズ排除クロマトグラフィー(UV検出器、1=300nm)である。
詳細な説明
ジカルボン酸、例えばコハク酸は、バイオマスから生成され得る。具体的には、コハク酸は、順次バイオマスから得られるレブリン酸から生成される。しかしながら、バイオマスから出発するこのような製法は、所望の生成物の形成に向けて十分に選択的でなく、製法によって、種々の不純物が製法中に形成され得る。
さらに、このような製法は、希釈水性条件下で作業する必要性をしばしば要する。これらの条件は、反応生成物の下流処理に大きな課題を課し得る。したがって、バイオマスから得られるレブリン酸(4−オキソペンタン酸)を介したバイオマスからのコハク酸の生成のための適切な合成経路を提供することが望ましい。
バイオマスからレブリン酸およびその誘導体を生成するための方法は既知であり、これは、レブリン酸およびその誘導体を含む不純水性組成物を生じる。例えば、レブリン酸は、低コストの(ヘミ)セルロース系物質の酸触媒転化により得られる。さらにまた、例えば米国特許第6,054,611号は、5炭糖または6炭糖の脱水生成物としてのレブリン酸の、副産物、例えば、フルフラル、5−HMF(5−ヒドロキシメチル−2−フラルデヒド)、コハク酸、マレイン酸、またはフマル酸を伴う生成を開示する。
コハク酸は、多数のバイオベース製品に用いられ得る。例えば、それは、無水コハク酸、1,4−ブタンジオール、THF(テトラヒドロフラン)、g−ブチロラクトン、2−ピロリドン、コハク酸エステル等のような化学物質の生成のための基準化学物質として役立ち得る。さらに、コハク酸およびその誘導体は、種々のポリマーの製造における基礎的要素としての使用の可能性を有する。
一旦レブリン酸が得られたら、コハク酸が生成され得る。例えば、米国特許第2,676,186号は、レブリン酸からのコハク酸の合成方法を開示するが、この場合、例えば275〜400℃の高温でメタバナジン酸アンモニウム触媒がレブリン酸をコハク酸に転化するために用いられる。さらに近年、US 2012/044168は、レブリン酸をコハク酸に転化する化学経路によるコハク酸の合成を開示しており、この製法は、(a)バイオマスからレブリン酸を得ること、ならびに(b)硝酸の存在下で、特に温和な温度で、レブリン酸を加熱することを包含する。
後者特許は、重大な欠点を有する。US 2,676,186は、蒸気形態でのレブリン酸の酸化を伴う200℃を上回る非常に高い温度を要する。したがって、レブリン酸は純粋形態でなければならないと推定され得る。US 2012/044168は、純粋形態のまたはバイオマスからのレブリン酸からコハク酸を調製する方法を開示する。レブリン酸が、実施例では1〜4時間、加熱されるバッチ系が用いられる。US 2012/044168の実施例9および11は、バイオマス、すなわちそれぞれD−フルクトース(実施例8)およびセルロース(実施例9)から得られるレブリン酸を用いる。両方の場合において、レブリン酸の生成中に多量のチャーが明らかに形成される。粗製レブリン酸は、黒色液体または懸濁液として、乾燥され、次いでコハク酸に転化される。
バイオマスに由来するケトカルボン酸、例えばレブリン酸を、レブリン酸から水を除去するかまたはレブリン酸を乾燥しなければならないということなしに、連続製法などの製法で、コハク酸などのジカルボン酸に効率的に転化することが望ましく、この場合チャーがレブリン酸の形成に際して低減されるかまたは排除される、および/またはコハク酸へのレブリン酸の転化前に除去される。
フルフリルアルコール、糖、デンプン、リグノ−セルロースまたはセルロースなどのバイオマスの酸触媒性分解からの主な副産物である市販のケトカルボン酸には、不純物が夾雑し得る。このような不純物は、固体、アンジェリカラクトン、蟻酸、フラニクス、アルデヒド、および種々のオリゴマーを包含し得る。特定のケトカルボン酸であるレブリン酸は、種々のバイオマス供給原料の酸性加水分解から直接的に得られ、したがって、水および酸触媒、または水のみを含有し得る。粗製レブリン酸含有生成物流も、固体濾過、抽出、および/または酸性加水分化混合物からの精製の種々の段階から得られ、したがって、種々の量の抽出溶媒を含有する。さらに、粗製レブリン酸は、水、酸、固体または抽出溶媒を本質的に含み得ないが、しかしさらに精製され得る。例えば、レブリン酸不純物は、種々の未知のオリゴマー種(例えば、サイズ排除クロマトグラフィーにより特性化され得るもの)を含有し得る。
本発明の製法において、以下のように、レブリン酸を酸化するために硝酸(任意に亜硝酸ナトリウムを用いる)および任意に酸化バナジウム(V)を含み得る製法条件下での処理により、粗製ケトカルボン酸(例えば、レブリン酸)流は粗製ジカルボン酸流(例えば、コハク酸流)に転化され得る。
Figure 2016512826
一態様において、バイオマスに由来する、不純物を含有する粗製ケトカルボン酸、例えばレブリンは、バイオマス由来加水分解物であるケトカルボン酸、例えばレブリン酸を含む粗製組成物から直接、効率的に転化され得る。対応するジカルボン酸は、ケトカルボン酸、例えばレブリン酸を含む加水分解物組成物から、不純物、または水および不純物を除去することなく、粗製組成物から得られる。さらに、ケトカルボン酸、例えばレブリン酸は、ジカルボン酸を含む組成物を得るための時間および温度の適切な使用により、加熱下での連続、半連続またはバッチ製法で、ジカルボン酸に転化され得る。具体的には、粗製ケトカルボン酸、例えばレブリン酸の、コハク酸などの二酸への連続転化は、粗製ケトカルボン酸、例えばレブリン酸を、酸化剤および任意に触媒と、例えば硝酸(任意に金属亜硝酸塩、例えば亜硝酸ナトリウムを用いて)および任意に酸化バナジウム(V)の混合物と接触させることにより成し遂げられ得る。反応物は、予定温度で限定された短時間の間反応させられた後、例えば冷却によりクエンチされる。次に、反応生成物を精製および乾燥に付し、固体コハク酸を白色粉末または結晶の形態で得る。ジカルボン酸への転化後、ジカルボン酸は精製され、他の合成的転換のために用いられ得る。したがって、ジカルボン酸は、粗製ケトカルボン酸、例えばレブリン酸から効率的に生成され、その場合、ケトカルボン酸を生成し、精製または乾燥することなく、高純度で得られる。特に、ケトカルボン酸、例えばレブリン酸は、対応するジカルボン酸への酸化の前に、有意量のオリゴマー不純物、アルデヒド、蟻酸、イオウ含有酸不純物、遷移金属不純物等を含有し得る。粗製ケトカルボン酸、例えばレブリン酸は、有意の色を有し得る。しかしながら、チャーリングは、連続、半連続またはバッチ製法での比較的限定された時間の間、ケトカルボン酸、例えばレブリン酸に適用される温度の適切な制御、あるいは無機酸不純物の濃縮により、有意に低減または排除され得る。粒子の形態で生成されるチャーは、例えば濾過により、容易に除去され得る。ほとんどの場合、ケトカルボン酸、例えばレブリン酸を含有する粗製反応混合物の有意の暗色は、酸化後、有意程度に減少され得る。
「バイオマス」という用語は、本明細書中で用いる場合、紙製造工程からのスラッジ;農業残渣;バガスピティ(bagasse pity);バガス;糖蜜;水性オーク材抽出物;籾殻;オートムギ残渣;木材糖シロップ;モミおがくず;トウモロコシ穂軸フルフラル残渣;コットンボール;生木粉;コメ;藁;ダイズ外被;ダイズ油残渣;トウモロコシ莢;ワタ茎;綿実殻;デンプン;ジャガイモ;サツマイモ;ラクトース;ヒマワリ実の莢;糖;コーンシロップ;麻;紙屑;紙屑繊維;おがくず;木材;農業または林業からの残渣;地方自治体および工業廃棄物の有機構成成分;硬材またはブナ材樹皮からの植物廃棄物質;繊維板産業廃水;発酵後溶液;フルフラル非発泡性残渣;糖、例えばC6糖;リグノセルロースおよびセルロース;デンプン;およびその組合せを包含する。したがって、バイオマスは、多糖、二糖、および単糖を包含し得る。
ケトカルボン酸、例えばレブリン酸は、種々の酸触媒の存在下で、バイオマス生成物の加水分解により得られる。酸触媒は、ルイスまたはブレンステッド・ローリー酸であり得る。本明細書中に記載されるバイオマス物質、例えば糖を転化するために用いられる適切なブレンステッド酸としては、無機酸、例えば、限定されないが、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸およびその混合物が挙げられ得る。ケタール生成のための既知の均一触媒である酸触媒は、例えば強プロトン性酸触媒、例えば55以上のKを有するブレンステッド・ローリー酸が用いられ得る。強プロトン性酸触媒の例としては、硫酸、アリールスルホン酸、およびその水和物、例えばp−トルエンスルホン酸・一水和物、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、過塩素酸、臭化水素酸、塩酸、2−ナフタレンスルホン酸、および3−ナフタレンスルホン酸が挙げられる。他の実施形態では、例えば55未満のKを有する弱プロトン性酸触媒、例えばリン酸、オルトリン酸、ポリリン酸、およびスルファミン酸が用いられ得る。非プロトン性(ルイス酸)触媒としては、例えばチタンテトラアルコキシド、アルミニウムトリアルコキシド、スズ(II)アルコキシド、カルボキシレート、有機スズアルコキシド、有機スズカルボキシレート、および三フッ化ホウ素が挙げられ得る。前記の酸触媒のうちのいずれか1つ以上を含む組合せが、用いられ得る。
均一酸触媒の代わりに、またはそれに加えて、不均一酸触媒が用いられ得るが、この場合、酸触媒は、樹脂ビーズ、膜、多孔質炭素粒子、ゼオライト物質、およびその他の固体支持体などの固体支持体物質の中に組み入れられるか、固体支持体物質の上に組み入れられるか、または固体支持体物質に共有結合される。多数の市販の樹脂ビーズ系酸触媒が、イオン交換樹脂として販売されている。有用なイオン交換樹脂の型の1つは、スルホン化ポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂であって、これは、活性スルホン酸基を供給する。その他の市販イオン交換樹脂としては、LEWATIT(登録商標)イオン交換樹脂(販売元:Lanxess Company,Pittsburgh,PA);DOWEX(商標)イオン交換樹脂(販売元:Dow Company,Midland,MI);ならびにAMBERLITE(登録商標)およびAMBERLYST(登録商標)イオン交換樹脂(販売元:Dow Company,Midland,MI)が挙げられる。実施形態において、AMBERLYST(登録商標)15、AMBERLYST(登録商標)35、AMBERLYST(登録商標)70が用いられる。これらの実施形態では、樹脂ベースの触媒は、水で、その後、アルコール、例えばメタノールまたはエタノールで洗浄され、次いで、乾燥された後、使用される。あるいは、樹脂は、その最初の使用の前に洗浄されない。実施形態では、Nafion(登録商標)樹脂(DuPont,Wilmington,DEから)もまた、無溶媒形態で不均一触媒として用いられるか、またはシリカと充填される。使用に際して、不均一触媒は反応混合物に添加され、それにより、反応を触媒するための酸プロトンの非揮発性供給源を提供する。不均一触媒はカラム中に詰め込まれ、その中で反応が実行され得る。試薬がカラムを通して溶離すると、反応が触媒され、溶離生成物は酸を含まない。他の実施形態では、不均一触媒は、試薬を含有するポット中でスラリー化され、反応が実行されて、その結果生じる反応生成物は樹脂から直接濾過されるかまたは蒸留されて、酸を含まない物質が残る。
一実施形態では、この製法は、反応体の総重量に比して高濃度の硫酸、例えば約1〜80重量%、具体的には約10〜約60重量%、さらに具体的には20〜55重量%を用い、これは、いくつかの明らかな利点を有する。1つは、反応は低酸製法と比較してより低い温度で実行され、依然として合理的時間枠で糖を加水分解し得る、という点である。これらの高酸、低温反応条件下(例えば、60〜160℃、具体的には80〜150℃、さらに具体的には90〜140℃)では、生成されるチャー副産物は懸濁化粒子の形態であり、反応器から除去するのが容易であり、かつ液体加水分解物生成物流から濾過され得る、ということが発見されている。これに対比して、低酸条件では、合理的時間枠で糖を有効に加水分解するために高温が必要とされ、そしてそれらの条件は、機械的または水力的エネルギーなしで除去するのが難しいような方式で反応器構成成分を被覆し、たいていは、反応混合物中に懸濁されて滞留しないチャー副産物を生成する。上記のように、ケトカルボン酸、例えばレブリン酸を含む生物源性加水分解物には、それらの生成から生じる種々の副産物が夾雑し得る。粗製ケトカルボン酸、例えばレブリン酸組成物は、例えば1〜10重量%、または2〜8重量%の夾雑物を含み得る。さらに、本発明の方法は、非乾燥または湿潤生物源性生成物を含む、すなわち、いくつかの実施形態では、5重量%、10重量%、30重量%の、または50重量%までの水を、および他の実施形態では、5〜95重量%、10〜90重量%の水、または20〜60重量%の水を含有する粗製ケトカルボン酸、例えばレブリン酸組成物を有効に用い得る。
約1重量%超の総量で存在し得る夾雑物は、より具体的には、1つ以上のバイオマス残渣、具体的には0〜10重量%またはそれ以上のフルフラル、蟻酸、フルフリルアルコール、ヒドロキシメチルフルフラル、アンジェリカラクトン、酢酸、固体フミン、リグニン、メタノール、グルコース、フルクトース、未知のオリゴマー、固体チャー粒子等を含み得る。バイオマスのこのような残渣は、糖、セルロース、リグノセルロース、またはその他の多糖、例えばデンプン、イヌリン、およびキシランなどのバイオマスからのケトカルボン酸の製造から生じ得る。
以下の実施例は、市販の粗製レブリン酸の組成物を例示する。商用製品の一試料では、市販の粗製レブリン酸(LA)は純度94%で、0.5重量%超の低分子量構成成分(硫酸、アンジェリカラクトン、フラニクス、抽出溶媒)および2重量%超の高分子量不純物(未知の組成のオリゴマー)を含有する。粗製レブリン酸の第二試料は、10重量%超の水、10重量%超のHSO、1重量%未満のナトリウム塩、5重量%超のレブリン酸、0.5重量%未満のアンジェリカラクトンおよびフラニクス不純物、ならびに未知の組成の0.5重量%未満の固体フミンを含有する。粗製レブリン酸の黄色度指数(YI)は、50より大きい。試料は暗黄色〜黒色である。
本発明の製法において、純コハク酸は、有意量の不純物を含有する前記の例の粗製レブリン酸から生成され得る。その結果生じる純コハク酸は、コハク酸の総重量を基礎にして、5重量%未満の不純物、具体的には1重量%未満の不純物、さらに具体的には0.1重量%未満の不純物を含有し得る。
対応するジカルボン酸を製造するのに用いるためのケトカルボン酸は、エステル化、結晶化、または種々の精製方法による単離に付される必要がない。限られた程度でケトカルボン酸エステルを単離するかまたは精製する方法は、洗浄、結晶化、濾過、液−液相抽出、分離、沈澱、吸着、または前記のうちの少なくとも1つの組合せを包含し得る。しかしながら、一実施形態では、ケトカルボン酸の酸化によるコハク酸の生成後を含む、後期段階で生成物を精製することにより、低コスト製造方法を提供するために、このような方法は回避されるかまたは除外される。したがって、バイオマスからの粗製ケトカルボン酸は、直接的に、またはチャーを濾過後に、具体的には、水性相中に残留する間に、対応するジカルボン酸に転化するために用いられ得る。有利な一態様では、転化は、連続的に、または同一反応器中で連続的に起こり得るが、この場合、レブリン酸を含む加水分解物が得られる。
一実施形態では、生物源性粗製組成物は、以下のケトカルボン酸を含む:
Figure 2016512826
(式中、RはC〜Cアルキルであり、a=0〜3である)。別の具体的実施形態では、式Iを参照すると、RはC〜Cアルキルであり、a=1〜3である。別の具体的実施形態では、式Iを参照すると、RはC〜Cアルキルであり、a=1〜2である。さらに別の具体的実施形態では、式Iを参照すると、Rはメチルであり、a=1または2であり、具体的にはRはメチルであり、a=2である。
さらに具体的実施形態では、対応するジカルボン酸への酸化のための出発組成物は、以下の構造により表されるレブリン酸を含む:
Figure 2016512826
出発組成物は、不純物、または不純物および水をさらに含有する。例えば、以下の反応Iで示されるように、粗製レブリン酸(a=2であるレブリン酸I)は、酸化剤、例えば硝酸と加熱下で反応して、ジカルボン酸を生成し得る。
Figure 2016512826
本発明の製法において、酸化剤、例えば硝酸、および任意に触媒、例えば酸化バナジウムを含む触媒は、良好な収率でのコハク酸の生成を確立するのに有効な量で用いられ得る。他の実施形態では、バナジウムおよび銅触媒の組合せも用いられ得る。ある場合には、硝酸を用いる場合、この量はレブリン酸の量を基礎にして算定される0.1当量超の硝酸を包含し得る。具体的には、0.5当量超の、最も具体的には、レブリン酸またはその他のケトカルボン酸に関して化学量論的量または過剰量の硝酸が用いられ得る。硝酸は、少なくとも100グラム/リットルの量で存在し得る。一実施形態では、硝酸は、過剰に存在し、少なくとも200グラム/リットルの濃度を有する。
ケトカルボン酸をジカルボン酸に転換するために適切な酸化剤としては、例えば過マンガン酸塩、次亜塩素酸塩、酸素、オゾン、オキソン(登録商標)、硝酸、一酸化窒素、亜硝酸ナトリウム、過酸化物、例えば過酸化水素、ならびに本明細書中に記載される他のものが挙げられる。
酸化剤と組み合わせて用いられ得る適切な金属含有触媒は、例えばプラチナ、パラジウム、ルテニウム、銅、コバルト、バナジウム、タングステン、鉄、銀、マンガンまたは金を含有する。具体的触媒としては、限定されないが、MeReO(メチルトリオキソルテニウム(VII))、RuCl、ポリオキソメタレート、例えば[AlMnII/III(OH)W11396−/7銅化合物、例えば硫酸銅または酸化銅、コバルト化合物、プラチナ触媒、例えば担持プラチナまたは錯体、ペロブスカイト型錯体(LaMnO)、金属臭化物触媒、例えばCo−Mn−Br、またはAu/TiOが挙げられる。
一実施形態では、酸化剤、例えば硝酸の存在下でのレブリン酸からのコハク酸の生成は、高温で実行される。より高い加熱温度およびより長い時間が可能であるが、しかし、加熱が、相対的に温和な高温ならびに相対的に短い時間で、具体的にはクエンチを伴って実行される場合に、この製法の利点が最も際立つということは明らかである。これは、チャーリングを回避または制限するのに役立ち得る。加熱は、任意に大気圧での、周囲温度(一般的に18℃より上)を上回る温度を指す。より低い温度が用いられ得るし、反応が高い(すなわち、大気圧より上の)圧力下で実行される場合、「上昇した」とみなされる、と当業者は理解する。一実施形態では、反応温度は10℃〜140℃の範囲であり、さらに具体的には20℃〜100℃、さらに具体的には20℃〜80℃の範囲である。一実施形態では、大気圧に基づいて算定される反応温度は100℃より低く、例えば、反応は20℃〜80℃の温度で、さらに具体的には30℃〜70℃の温度で実行される。
良好な収率で反応生成物を得るために、レブリン酸を含む粗製加水分解物組成物の反応は、具体的にはクエンチ前に、十分な時間、例えば10,9、8、7、6、5、4、3、2時間またさらには1時間未満の間実行される、と理解される。具体的には、一実施形態では、反応は1時間未満の間、具体的には1分〜45分、具体的には5分〜40分、さらに具体的には10分〜30分、実行され得る。反応は、有利に連続して実行され、レブリン酸を含有する再循環流を含み得る。当業者は、反応条件(圧力、温度、時間)ならびに所定の出発物質または不純ケトカルボン酸を含む加水分解物に最良に適用可能である反応設備を選択し得る。粗製供給原料の特定の組成物によって、酸化剤の濃度、触媒、滞留時間、温度およびその他の条件は、特にバッチ製法またはバイオマスから得られる純レブリン酸の使用と比較して、全体的に低コストでコハク酸または類似のジカルボン酸の良好な収率を得るために、予備選択されるかまたは変更され得る。
一実施形態では、硝酸は、COまたはCOの生成を伴うコハク酸へのレブリン酸の転化における酸化剤として用いられ得る。理論に縛られずに考えると、硝酸は酸化剤として作用するだけでなく、転化のための触媒または助触媒としても作用し、これが、良好な収率を得る際の相対的に穏やかな反応を可能にする。
一実施形態では、硝酸は、コハク酸へのレブリン酸の化学的転化における酸化剤として用いられる。硝酸は、少なくとも200g/リットルの濃度で、具体的には200〜650g/リットルで水溶液中に用いられ得る。硝酸のほかに、亜硝酸ナトリウム(NaNO)が任意に存在する。少量の亜硝酸ナトリウム等(硝酸と比較して0.1〜0.5%重量%)は、反応を加速するために役立ち得る。
硝酸という用語は、硝酸中に存在する慣例的酸化窒素、例えばNOおよびNOも含み得る。硝酸のほかに、他の酸および/または酸化剤が存在し得る。有利に、硝酸は不安定構成成分を容易に除去され得る例えば気体生成物へとさらに酸化し得る。生成されるコハク酸は、適応される反応条件下で安定であり、これが、より簡単な且つ改良された精製またはその他の下流処理をもたらし得る。
任意に、ケトカルボン酸の、具体的にはレブリン酸の、ジカルボン酸への、具体的にはコハク酸への転化において、固体触媒、例えば本明細書中に記載されるものが、反応を促進するために用いられ得る。具体的には、転化反応は、任意に、硝酸および任意の金属亜硝酸塩の存在と組み合わせて、触媒としてバナジウムペントキシドの存在下で実行されるのが有利であり得る。バナジウムペントキシド(V)は、触媒量で、具体的には0.01〜2.0重量%で用いられ得る。このような固体触媒は、反応の速度および選択性を増大するために有利に用いられ得る。
反応工程は、触媒としてバナジウムペントキシドを用いる場合も用いない場合も、酸性物質を含むこのような化学製法のために普通に用いられる任意の反応設備で実行され得る。具体的には、硝酸の酸化特性に耐え得る設備が用いられ得る。
有利に、バイオマスはレブリン酸からのコハク酸の生成のために用いられる。具体的には、レブリン酸が出発物質として用いられ、これは、このようなバイオマスから獲得され得る。有利であるのは、レブリン酸が、わずかな精製または非精製で、連続、半連続またはバッチ製法で、具体的には連続製法で、レブリン酸からの水の除去を伴わずに、コハク酸に転換され得ることである。バイオマスは、バイオマスの定義に示されるように、専用のエネルギー作物および樹木、農業食物および飼料作物(fee crop)残渣、(再生処理)紙残渣、水生植物、動物およびその他の廃棄物を含み、それが再生可能的に入手可能であり得るため、物質の有益な供給源である。
この点で、一態様は、バイオマスからのコハク酸の生成方法であって、(a)バイオマスから酸加水分解物としてレブリン酸を含む粗製組成物を得ること、ならびに(b)不純物を含有する粗製組成物を、任意に脱水または単離を伴わずに、連続工程で、酸化剤の存在下で高温に付すことを包含する方法に関する。酸化剤は硝酸を含み、任意に金属亜硝酸塩および/またはバナジウムペントキシド、および本明細書中に記載される他の物質を伴い得る。
製法全体において、コハク酸が容易に生成され得るだけでなく、そのカルボン酸誘導体も生成され得る、と理解される。このような誘導体としては、限定されないが、無水コハク酸、コハク酸エステル、およびコハク酸アミドが挙げられ得る。一般的に、これらのカルボン酸誘導体は、レブリン酸の対応するカルボン酸誘導体から本明細書中に開示されるように生成され得る。エステルは、任意のアルコール、例えばC1−30アルコール、具体的にはC1−10アルコール、さらに具体的にはC1−6アルコールから作られ得る。アミドに関しては、類似のアミンが用いられ得る。
ほぼ定量的転化収率(一般的には90%を上回る転化、特に95%を上回る転化が可能で、典型的にはおよそ99%)で実行され得るコハク酸へのレブリン酸の転化は、COおよび/またはCOの同時生成も伴い得る。所望の生成物中で得られるレブリン酸を分離し、単離し、精製する際に、当業者は標準化学ワークアップを用い得る。
コハク酸への粗製レブリン酸の転化は、酢酸またはその他の低分子量酸も生成し得る。
コハク酸への粗製レブリン酸の転化はまた、より高分子量のオリゴマー不純物を、コハク酸および酢酸を含む、より低分子量の化合物へと酸化し得る。粗製反応混合物中のオリゴマー含量の減少は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によりモニタリングされ得る。
酸化剤、例えば硝酸は、レブリン酸を含む組成物中に直接投入され得るし、あるいは反応混合物中に投入される前に、水中で希釈され得る。希硝酸は、反応の過程全体を通して連続して反応体混合物に添加され得るし、あるいは単一回投入で反応混合物に即座に添加され得る。
一実施形態では、ジカルボン酸を生成するための反応は、連続反応器中で、または半連続反応器中で実行され得る。反応器は、加熱、冷却、撹拌、濃縮および蒸留設備を有することが望ましい。
一実施形態では、ジカルボン酸を生成するための系(示されていない)は、蒸留カラムを装備する単一連続撹拌タンク反応器で構成され得る。蒸留カラムは、余分な副産物、不純物、および水を反応から除去するために用いられ得る。
連続反応系では、反応体は第一反応器に投入される。生成物への反応体の転化が約50%以上であると測定される場合、第一反応器からの生成物混合物の一部分は第二反応器中でさらなる仕上げ工程に付され得るが、一方、同時に、付加的反応体および触媒が連続的に第一反応器に投入されて、ケトカルボン酸に転化される。連続反応器系は、複数の反応器を、一続きで、または平行して用いることができ、したがって、工程の種々の部分が異なる反応器中で同時に実行され得る。一実施形態では、同一反応器が、レブリン酸を含む加水分解物の生成およびジカルボン酸へのその酸化的転化の両方のために用いられ得る。
一実施形態では、反応器は、一続きで、または平行して、互いと流体連絡する複数の反応器(例えば、多段階反応器系)からなる。複数の反応器を用いて、レブリン酸を反応させて、対応するジカルボン酸を生成し、反応体を再利用し、純粋且つ安定したジカルボン酸を得るために望ましくない副産物および不純物を除去し得る。一実施形態では、複数の反応器の一部分が主に反応体を反応させてジカルボン酸を製造するために用いられ得るが、一方、複数の反応器の別の部分は主にジカルボン酸を単離するために用いられ、複数の反応器のさらに別の部分は、良好な貯蔵安定性を有する安定生成物の生成を阻止し得る残留触媒および副産物を除去するために用いられ得る。
任意に、反応は、不活性ガス(例えば、アルゴン、窒素等)の層の下で実行され得るし、あるいは圧力下で実行され得る。反応器は、1〜約2000psi、具体的には約10〜約500psiの圧力に付され得る。
反応完了時に溶液は冷まされ、その後、ジカルボン酸が精製され得る。次いで、結晶ジカルボン酸が、あらゆる夾雑物を除去するために第一溶媒中で洗浄され得る。洗浄済みジカルボン酸は、次に、第二溶媒中に再溶解され、再結晶化されて、純粋形態のジカルボン酸を生成し得る。第一および第二溶媒は、同一であるかまたは異なり得る。一実施形態では、第一溶媒は水であり、第二溶媒は同じく水である。水はまた、着色体、酸触媒、および非反応レブリン酸を反応混合物から除去する。水は、多少の塩または希釈塩基を含有し得る。再結晶化を実行するために、適切な加熱および冷却ステップが実施され得る。
水が精製のために用いられ得るが、有機溶媒もそれを結晶化するために用いられ得る。他の有機溶媒の例は、メタノール、エタノール、アセトン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、酢酸エチル等であり、あるいは、当業者により慣用的に実行され得る精製スキームを用いる、前記溶媒のうちの少なくとも1つを含む組合せである。
別の実施形態では、ジカルボン酸へのレブリン酸の転化後、ジカルボン酸塩を沈殿させるために、混合物に塩基が添加され得る。付加的塩基の例は水酸化ナトリウムである。慣用的に既知の他の塩基も用いられ得る。塩基は、ジカルボン酸の総モルを基礎にして、約0.8〜約1.5モル、具体的には約0.9〜約1.3モルの量で添加され得る。ジカルボン酸塩に関する他の陰イオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムおよびNH4−n(ここで、R=アルキル、アリール、アルカリル、またはアリールアルキルであり、n=0〜4である)である。
固体不純物は、加圧フィルターによりジカルボン酸生成物から濾過され得る。ジカルボン酸塩は、再酸性化されてジカルボン酸を生成し得る。一実施形態では、ジカルボン酸塩の再酸性化のために用いられる酸は、硫酸である。硫酸は再酸性化の前に水で希釈され得る。上記の他の酸も用いられ得る。
一実施形態では、ジカルボン酸の濾過混合物は、水を除去するために加熱され得る。水を除去するために、濾過混合物は、真空を用いて、または用いずに、水の沸点近くの温度に、具体的には約80〜約100℃に加熱され得る。それは、次に、有機不純物の除去のために蒸留に付され得る。一実施形態では、蒸留は、約1〜約10Torr、具体的には約3〜約7Torrの真空で実行される真空蒸留である。
ジカルボン酸が高純度を有することが望ましい。本発明の方法により得られる純粋形態のジカルボン酸は、重量に基づいて約95%以上、具体的には約98%以上、さらに具体的には約99%以上の純度を有する一方で、ASTM E 313により測定して、20単位未満、好ましくは5単位未満の黄色度指数を示す。純粋形態のジカルボン酸は、白色粉末を含み得るし、および/または白色光沢結晶を含み得る。
以下の非限定的実施例により、本発明をさらに説明する。
方法:化学分析のための高圧液体クロマトグラフィー:実施例で示されるような3つの方法のうちの1つを用いて、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により生成物組成物の分析を行った。
第一のHPLC法(方法1)は、Waters(登録商標)LCシステム(Waters Corp.,Milford,Mass.から)をPDA 2998フォトダイオードアレイとともに用いる。カラムは、Hamilton(登録商標)X300 7μm粒子サイズ、250×4.1mmカラムであり、流量は2.0mL/分でアイソクラティックであり、試料温度目標は25.0℃であり、カラム温度目標は50.0℃であり、移動相は20%メタノールおよび80%の20mNリン酸である。
第二のHPLC法(方法2)は、Waters(登録商標)LC2695システム(Waters Corp.,Milford,Mass.から)をRI 2414示差屈折率計とともに用いる。カラムは、Bio−Rad Aminex(登録商標)HPX−87H、300×7.8mmカラムであり、流量は0.60mL/分でアイソクラティックであり、試料温度目標は25.0℃であり、カラム温度目標は50.0℃であり、移動相は3%アセトニトリルを含有する脱イオン水中の20mMリン酸である。
第三のHPLC法(方法3)は、Waters(登録商標)LC2695システム(Waters Corp.,Milford,Mass.から)をRI 2414示差屈折率計とともに用いる。カラムはSupelcosil(登録商標)LC−NH2であり、流量は1.0mL/分でアイソクラティックであり、試料温度目標は25.0℃であり、カラム温度目標は50.0℃であり、移動相は80%アセトニトリルおよび20%水、20mMリン酸である。
湿度分析計:125℃の乾燥温度でMettler Toledo(登録商標)HG63ハロゲン湿度分析計を用いた。
チャー洗浄方法:別記しない限り、以下のチャー洗浄方法を用いた。チャーをブフナー漏斗中に入れて、先ず、2×250mLの脱イオン水で洗浄した。ブフナー漏斗上の水中に完全に分散されるよう、スパチュラを用いてチャーケークを粉々にした。水洗後、チャーを250mLのアセトンで洗浄した。
実施例1:レブリン酸(LA)の合成
磁気撹拌棒を含有するビーカー中に、43.25g(0.24mol)のフルクトースおよび50.08gの脱イオン水を投入した。ビーカーを撹拌プレート上に載せて、フルクトースを溶解した。磁気撹拌棒を含有する500mL四首丸底フラスコ中に、11.84gの脱イオン水および153.35g(1.00mol)の64%硫酸を投入した。丸底フラスコを加熱マントル上に置いて、熱電対、濃縮装置、ガラス栓およびシリンジポンプ管を備え付けた。650RPMの速度で撹拌しながら、硫酸および水混合物を90℃に加熱した。一旦フルクトースがすべて溶解したら、それを60mLシリンジに入れて、シリンジポンプ中に置いた。一旦酸および水混合物が温度に至ったら、フルクトース溶液の添加をシリンジポンプを介して開始した。30.8mL/時間の流量で、2.5時間の行程に亘って、フルクトース溶液を添加した。反応器中への単糖添加中、フルクトースの濃度は0.7%を超えなかったし、5−ヒドロキシメチル−2−フラルデヒド(HMF)の濃度は0.4%を超えなかった。すべてのフルクトースを添加した後、反応を放置して、さらなる時間の間反応させて、次に、停止させ、周囲温度に冷ました。形成された固体は、全反応中、反応器中で懸濁されたままであった。一旦反応混合物が冷却されたら、それをガラスマイクロファイバー1.1μm濾紙に通して濾過した。次いで、固体をDI水およびアセトンで洗浄した。湿度分析計を用いて、反応混合物中の固体の量を決定した。実験の結果は、HPLC法2を用いて、LAの収率57.91mol%、蟻酸(FA)の収率68.01mol%、およびLA対チャー比 2.18を示した。
実施例2:レブリン酸(LA)の合成
異なる投入重量で、実施例1と同一の手順に従い、フルクトースの全てを1.25時間に亘って添加した。量は、38.03g(0.21mol)のフルクトースおよび25.60gの脱イオン水、102.57gの脱イオン水および103.04g(1.05mol)の硫酸であった。シリンジポンプを、37.6mL/時間に設定した。反応器中への単糖添加中、フルクトースの濃度は1.5重量%を超えなかったし、HMFの濃度は0.7重量%を超えなかった。形成された固体は、全反応中、反応器中で懸濁したままであった。実験の結果は、HPLC法1および3を用いて、LAの収率81.37mol%、FAの収率95.03mol%、およびLA対チャー比 3.48を示した。
実施例3:コハク酸の合成
実施例1の生成物組成物を、ブフナー漏斗を介して濾過し、次いで、濾液を1Lの溶媒、LBX−98(Merisol,Inc.)で抽出する。溶媒および蟻酸を蒸留により除去して、80%より高い純度のレブリン酸の粗製混合物を提供する。20グラムのこの粗製生成物に、0.2gのVを添加し、混合物を120℃で2時間加熱して、コハク酸を得る。
実施例4:コハク酸の合成
実施例2の生成物組成物を、ブフナー漏斗を介して濾過し、次いで、150gの濾液を、凝縮装置を備えた三首フラスコ中に入れる。次に、1グラムの濃HNOを混合物中に徐々に添加し、混合物を100℃で2時間反応させて、コハク酸を得る。
実施例5:コハク酸の合成
実施例2の生成物組成物を、ブフナー漏斗を介して濾過し、次いで、支持V(例えばV−0501SまたはV−0701T、Engelhard、現在BASFから)を含有する連続触媒床中に濾液をポンプ輸送する。HNOの溶液をさらにまた連続的に連続反応器に添加して、触媒床の入口で濾液と接触させる。触媒床を20〜100℃の温度に保持し、床中の濾液の滞留時間は10秒〜10分である。反応器流出液を迅速に冷却して、コハク酸を得る。
実施例6〜8
分析方法の説明
実施例6〜8に関するHPLC法は、Waters(登録商標)LC2695システム(Waters Corp.,Milford,Mass.から)をRI 2414示差屈折率計とともに用いた。カラムはBio−Rad Aminex(登録商標)HPX−87H,300×7.8mmカラムであり、流量は0.60mL/分でアイソクラティックであり、試料温度目標は25.0℃であり、カラム温度目標は50.0℃であり、移動相は、3%アセトニトリルを含有する脱イオン水中の20mMリン酸であった。
Waters 996 PDA(フォトダイオードアレイ)UV検出器およびWaters Micromass ZQ質量分析計と接続されたWaters 2695アライアンス分離モジュールを用いて、LC−MS分析を実施した。コハク酸およびレブリン酸の分析のための条件は、以下の通りであった:
カラム: Ascentis Express C−18 150×4.6mm、粒子サイズ2.7μm
カラムオーブン: 50℃
移動相A − アセトニトリル
移動相B − 40mM蟻酸アンモニウム、pH3.45
移動相C − 24mM蟻酸、pH2.65(用いられない)
移動相D − HPLC等級H2O

勾配:
時間 A% B% C% D% 流量 曲線
0.00 2.0 40.0 0.0 58.0 0.500 1
2.00 2.0 40.0 0.0 58.0 0.500 6
10.00 20.0 40.0 0.0 40.0 0.500 6
11.00 90.0 0.0 0.0 10.0 0.500 6
15.00 90.0 0.0 0.0 10.0 0.500 6
16.00 2.0 40.0 0.0 58.0 0.500 6
25.00 2.0 40.0 0.0 58.0 0.500 6
ESI(電子噴霧試料導入)を用いて、質量分析計を操作した。以下の設定を用いて、ネガティブモードで計器を操作した:
極性 ESCi−
毛管(kV) 2.80
コロナ(uA) 0.30
ESコーン(V) 35.00
抽出装置(V) 3.00
RFレンズ(V) 0.5
ソース温度(℃) 150
脱溶媒和温度(℃) 450
コーンガス流量(L/Hr) 20
脱溶媒和ガス流量(L/Hr) 700
イオンエネルギー 1 0.5
マルチプライアー(V) 650
VICI 2−位置バルブ(Valco Instruments)を用いて、流れを転じて逃がして、質量分析計に硫酸が導入するのを回避した。MassLynx操作ソフトウェアにより、バルブを制御した。
コハク酸(117amu)およびレブリン酸(115amu)に関する抽出イオンクロマトグラフィーを、試料間の相対的比較のために用いた。
Waters 2996 PDAと接続されるWaters 2695アライアンス分離モジュールを用いて、サイズ排除クロマトグラフィーを実施した。2つのAgilent PLgel 3ミクロンm 300×7.5mmカラムを直列に接続した。移動相はテトラヒドロフランであり、流量は1.0mL/分であった。カラムオーブンは、30℃に設定した。300nmで応答をモニタリングした。
試薬の説明
I:組成物:5.47%レブリン酸、2.25%蟻酸、0.165%グルコース、31%硫酸、0.1〜2%の未知の組成の可溶性オリゴマー、3.0%の濾過可能固体粒子、および残りは水であった。Iは、高フルクトースコーンシロップ(HFCS−42、Cornsweet(登録商標)42、ADM,Inc.)の酸性分解から得られた。HFCS−42の説明:36.7%グルコース、30.3%フルクトース、1.7%マルトース、および0.3%マルトトリオース。混合物を濾過した後、固体を除去するために用いた。コハク酸に対するレブリン酸のLC−MS比は、220.9であった。
実施例6:
15.2gの粗製レブリン酸混合物(I)を、磁気攪拌機、還流凝縮器および熱電対を含有する三首丸底フラスコ中に添加した。9.8gの65%HNOを、徐々に混合物に添加した。それを70分間40℃に加熱すると、溶液は暗黒色から赤みを帯びた褐色に変わり、溶液は透明になった。反応を65℃に加熱した。25分後、溶液はより明色になり、NOの赤みを帯びた褐色のガスが顕著になった。試料を採取すると、これは、HPLC(ピーク域=155425)によりコハク酸の存在を示した。280分後に反応を停止し、試料を反応器から取り出して、HPLCにより分析した。試料は、コハク酸の存在を示した(ピーク域=131253、0.81質量%)。LC−MSは、化合物をコハク酸として確証した。コハク酸に対するレブリン酸のLC−MS比は0.012で、これは、出発組成物Iと比較して、レブリン酸に対するコハク酸の非常に高い比を示している。酢酸も、共生成物として生成された。
実施例7:
18gの粗製レブリン酸混合物(I)を、磁気攪拌機、還流凝縮器および熱電対を含有する三首丸底フラスコ中に添加した。0.017gのRuCl×HOを触媒として添加した。別個の20mLシンチレーションバイアル中に、2.275gのオキソンおよび10.297gの水を含有する溶液を作成した。オキソンの完全溶解後、オキソン溶液を粗製レブリン酸混合物に5分間の添加時間に亘って添加した。溶液が発泡し、溶液の色が黒色から暗褐色に明るくなり始めた。溶液を室温で90分間撹拌し、次いで40℃に加熱して150分間撹拌した。次に、混合物を60℃で150分間撹拌した。反応時間を通して色は明るくなり続けた。混合物は透明になった。コハク酸が生成され、LC−MSにより確証された。LC−MSにより、コハク酸に対するレブリン酸の濃度の比は35.3であったが、これは、出発組成物Iと比較して、レブリン酸に対するコハク酸の非常に高い比率を示している。
実施例8:
15gの粗製レブリン酸混合物(I)を、磁気攪拌機、還流凝縮器および熱電対を含有する三首丸底フラスコ中に添加した。フラスコを氷浴中に浸漬した。別個の20mLシンチレーションバイアル中に、3gのDI水および0.5gの亜硝酸ナトリウムを含有する溶液を作成した。亜硝酸ナトリウムの完全溶解後、亜硝酸ナトリウム溶液を粗製レブリン酸混合物に5分間の添加時間に亘って添加した。溶液が発泡し、褐色NOガスが生じた。溶液の色は、黒色から橙色に明るくなり始めた。溶液を室温で180分間撹拌した。色は反応時間を通して明るくなり続けた。混合物は透明になった。コハク酸が生成され、LC−MSにより確証された。LC−MSにより、コハク酸に対するレブリン酸の濃度の比は68.3であったが、これは、出発組成物Iと比較して、レブリン酸に対するコハク酸の非常に高い比率を示している。
意外にも、この新規の製法は、コハク酸を作り、さらにまた、SECにより測定した場合、望ましくない高分子量オリゴマーの量を低減する、ということが判明した。図1は、組成物Iおよび実施例6〜8に関するSECクロマトグラムを示す。実施例6〜8は、初期組成物I中に存在した可溶性オリゴマー不純物の量の有意の低減を示す。これらの不純物の低減は、コハク酸およびレブリン酸を精製するための下流精製ステップを手助けする。
本明細書中で用いる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、状況がそうでないことを明白に示さない限り、複数形を同様に包含するよう意図される。「または」という用語は、「および/または」を意味する。同一構成成分または特性に指示されるすべての範囲の終点は、修飾語「〜の間」が用いられる場合を除いて、終点を含み、独立して併合可能である。量に関連して用いられる修飾語「約」は、記述される値を含み、文脈により示される意味を有する(例えば、特定の量の測定に関連した誤差の程度を含む)。「組合せ」は、配合物、混合物、合金、反応生成物などを含む。
概して、組成物または方法は、代替的に、開示される任意の適切な構成成分またはステップを含み、それらからなり、または本質的にそれらからなり得る。組成物は、付加的に、または代替的に、従来技術の組成物中に用いられる、もしくはそうでなければ本発明の特許請求の範囲の機能および/または目的の達成に必要でない任意の構成成分、物質、成分、アジュバントまたは種、あるいはステップを欠くかまたは実質的に含有しないよう、処方され得る。
別記しない限り、用いられるすべての用語(例えば、技術的および科学的用語)は、本発明が属する当該技術分野の当業者に一般に理解されるものと同一の意味を有する。化合物は、標準命名法を用いて記載される。任意の指示基により置換されない任意の位置は、指示されるような結合または水素原子により満たされるその原子価を有すると理解される。2つの文字または記号の間でないダッシュ(「−」)は、置換基に関する結合の点を示すために用いられる。例えば、−OHは、カルボニル基の炭素を介して結合される。「アルキル」は、特定数の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖飽和脂肪族炭化水素を意味する。
種々の化合物の立体化学は明白に示されていないが、本開示はすべての異性体を包含する、と理解されるべきである。
引用される特許、特許出願およびその他の参考文献はすべて、それらの記載内容が参照により本明細書中で援用される。
例示的実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、種々の変更がなされ得るし、等価物がその要素と置き換えられ得る、と当業者は理解する。さらに、本発明の本質的範囲を逸脱しない限り、本発明の教示に特定の状況または物質を適合するために多数の修正がなされ得る。したがって、特許請求の範囲は本発明を実行するために意図される最良の方式として開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含むよう意図される。
特許請求されるものを以下に示す:

Claims (33)

  1. バイオマスからのジカルボン酸の製造方法であって、以下の:
    バイオマス残渣を含む少なくとも1.0重量%の不純物とともに、以下の構造:
    Figure 2016512826
    (式中、RはC〜Cアルキルであり、a=0〜3である)
    を有するケトカルボン酸を含む粗製組成物をバイオマスから得ること、
    酸化剤の存在下でケトカルボン酸を酸化するために前記粗製組成物を反応させて、R2がOHに置換される対応するジカルボン酸を生成すること、ならびに
    任意に、ジカルボン酸を精製し、乾燥して、95重量%超のジカルボン酸を含む固体組成物を得ること
    を包含する方法。
  2. 前記酸化剤が硝酸および任意にバナジウムペントキシドを含む触媒であり、任意に金属亜硝酸塩のさらなる存在下である請求項1記載の製法。
  3. 前記粗製組成物が前記バイオマスの酸性加水分解物であり、少なくとも5重量%の水を含む請求項1記載の製法。
  4. 前記加水分解物が濃硫酸を用いて得られる請求項1記載の製法。
  5. 加熱が10℃〜140℃の範囲の温度で10時間未満の間実行され、次いで冷却によりクエンチされる請求項1記載の製法。
  6. 前記ケトカルボン酸を対応するジカルボン酸に酸化する前に前記粗製組成物からチャー粒子を除去することをさらに包含する請求項1記載の製法。
  7. 前記酸化剤が硝酸を含み、硝酸を基礎にして算定される0.1〜1.0重量%の亜硝酸ナトリウムがさらに添加される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製法。
  8. がC〜Cアルキルであり、a=1〜3である請求項1記載の方法。
  9. がC〜Cアルキルであり、a=1〜2である請求項1記載の方法。
  10. がメチルであり、a=1〜2である請求項1記載の方法。
  11. 前記ケトカルボン酸が、ブレンステッド・ローリー酸、ルイス酸、または前記触媒のうちの少なくとも1つを含む組合せを含む酸触媒の存在下でバイオマス転化から得られる請求項1記載の方法。
  12. 前記ケトカルボン酸を含む前記粗製組成物が、バイオマス残渣を含む少なくとも5重量%の不純物、固体フミン、抽出溶媒、反応副産物、反応体、およびその組合せを含む請求項1記載の方法。
  13. 前記ケトカルボン酸を含む前記粗製組成物が少なくとも5重量%の水をさらに含む請求項12記載の方法。
  14. 前記不純物が、フルフラル、蟻酸、フルフリルアルコール、ヒドロキシメチルフルフラル、アンジェリカラクトン、酢酸、メタノール、フミン、可溶性オリゴマー前駆体、多糖、糖類、抽出溶媒、または前記不純物のうちの少なくとも1つを含む組合せを含む請求項1記載の方法。
  15. 前記ケトカルボン酸がレブリン酸である請求項1記載の方法。
  16. 前記ジカルボン酸がコハク酸である請求項1記載の方法。
  17. 前記ジカルボン酸を生成するための前記ケトカルボン酸の反応が、連続反応器系で1分〜300分の時間で実行される請求項1記載の方法。
  18. 前記ジカルボン酸を生成するための前記ケトカルボン酸の反応が、不活性ガス雰囲気中で、または圧力下で実行される請求項17記載の方法。
  19. バイオマスからのコハク酸または無水コハク酸の製造方法であって、バイオマスからレブリン酸を含む粗製組成物を得ること、ならびに請求項1〜7のいずれか一項に記載の製法により組成物中のレブリン酸をコハク酸または無水コハク酸に転化することを包含する方法。
  20. 洗浄すること、結晶化すること、濾過すること、液体−液体抽出、相分離、沈澱、吸着、中和、または前記のうちの少なくとも1つの組合せにより、コハク酸または無水コハク酸を精製および/または単離することをさらに包含する請求項19記載の方法。
  21. 単離することが、コハク酸または無水コハク酸を濾過すること、および結晶化することを包含する請求項20記載の方法。
  22. 単離することが、結晶化したコハク酸または無水コハク酸を水で洗浄して、着色体、酸反応体、非反応レブリン酸、または前記のうちの少なくとも1つを含む組合せを除去することをさらに包含する請求項21記載の方法。
  23. バイオマスからのコハク酸の製造方法であって、以下の:
    酸触媒の存在下で、バイオマス残渣を含む少なくとも1.0重量%の不純物および少なくとも5重量%の水とともに、以下の構造:
    Figure 2016512826
    を有するレブリン酸を含む粗製組成物である加水分解物をバイオマスから得ること、
    酸化剤の存在下で、レブリン酸をコハク酸へと酸化するために粗製組成物を反応させることであって、この場合、前記粗製組成物は4時間未満の間20℃〜100℃の範囲の温度に連続反応系で加熱されその後クエンチされ、ならびに
    任意に、コハク酸を精製し、乾燥して、95重量%超のコハク酸を含む固体組成物を得ること
    を包含する方法。
  24. レブリン酸を酸化するために前記粗製組成物を反応させる前に、前記粗製組成物からチャー粒子を濾過することをさらに包含する請求項23記載の方法。
  25. 前記加水分解物が硫酸を用いてバイオマスから得られる請求項23記載の方法。
  26. 前記不純物が、フルフラル、蟻酸、フルフリルアルコール、ヒドロキシメチルフルフラル、アンジェリカラクトン、酢酸、メタノール、フミン、多糖、糖類、抽出溶媒、または前記不純物のうちの少なくとも1つを含む組合せを含む請求項23記載の方法。
  27. 前記酸化剤が、過マンガン酸塩、次亜塩素酸塩、酸素、オゾン、オキソン(登録商標)、硝酸、一酸化窒素、亜硝酸ナトリウム、過酸化物、またはその組合せから選択される請求項1または23のいずれかに記載の方法。
  28. 前記酸化剤が硝酸である請求項27記載の方法。
  29. 前記酸化剤が過酸化水素である請求項27記載の方法。
  30. 触媒が前記酸化剤と組み合わせて用いられる請求項23または27〜29のいずれかに記載の方法。
  31. 前記触媒が、プラチナ、パラジウム、ルテニウム、銅、コバルト、バナジウム、タングステン、鉄、銀、マンガン、または金を含む金属含有触媒である請求項30記載の方法。
  32. 前記触媒が、MeReO(メチルトリオキソルテニウム(VII))、RuCl、ポリオキソメタレート、硫酸銅、酸化銅、コバルト触媒、プラチナ触媒、ペロブスカイト型錯体、金属臭化物触媒、およびその組合せから選択される請求項31記載の方法。
  33. 前記触媒がバナジウムペントキシドである請求項31記載の方法。
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