JP6672941B2 - フラン化合物の製造方法及びフルフラール組成物 - Google Patents
フラン化合物の製造方法及びフルフラール組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6672941B2 JP6672941B2 JP2016062093A JP2016062093A JP6672941B2 JP 6672941 B2 JP6672941 B2 JP 6672941B2 JP 2016062093 A JP2016062093 A JP 2016062093A JP 2016062093 A JP2016062093 A JP 2016062093A JP 6672941 B2 JP6672941 B2 JP 6672941B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- furfural
- compound
- composition
- weight
- furan
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D307/00—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
- C07D307/02—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
- C07D307/34—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
- C07D307/36—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with only hydrogen atoms or radicals containing only hydrogen and carbon atoms, directly attached to ring carbon atoms
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D307/00—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
- C07D307/02—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
- C07D307/34—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
- C07D307/38—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with substituted hydrocarbon radicals attached to ring carbon atoms
- C07D307/40—Radicals substituted by oxygen atoms
- C07D307/46—Doubly bound oxygen atoms, or two oxygen atoms singly bound to the same carbon atom
- C07D307/48—Furfural
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J23/00—Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00
- B01J23/38—Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals
- B01J23/54—Catalysts comprising metals or metal oxides or hydroxides, not provided for in group B01J21/00 of noble metals combined with metals, oxides or hydroxides provided for in groups B01J23/02 - B01J23/36
- B01J23/56—Platinum group metals
- B01J23/58—Platinum group metals with alkali- or alkaline earth metals
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07B—GENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
- C07B61/00—Other general methods
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Furan Compounds (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
成品を、発酵により製造する方法が従来から開発されている。非可食のバイオマス資源を使用した場合、ヘミセルロースなどから生成するフルフラール化合物は発酵阻害成分となる。そのため、従来では、フルフラール化合物は不純物として除去されることが一般的であったが、バイオマス資源を効率的に使用するという観点であれば、ヘミセルロース類から生成するフルフラール類からも化成品を製造する技術が必要とされている。
でフルフラール化合物の脱カルボニル化反応を進行させることができ、且つ目的とするフラン化合物を高い選択率で効率よく得ることができる、工業的に有利なフラン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
[1] 原料として2−フランカルボキシアルデヒドを含有するフルフラール組成物を反
応器に供給し、触媒の存在下で脱カルボニル化反応により、生成物としてフランを得る工
程を含むフランを製造する方法であって、該フルフラール組成物中のフルフラールダイマ
ー濃度が1000重量ppm以下であり、該フルフラール組成物中の過酸化物価が0.0
1mEq/kg以上0.90mEq/kg以下であり、且つ、該フルフラール組成物は、
下記工程により得られたものであるフランの製造方法。
(a)粗フルフラールに陰イオン交換樹脂及び/又は塩基性化合物を接触させた後に得ら
れる粗フルフラールを蒸留塔で蒸留し、フルフラールよりも高い沸点を有する化合物を除
去する工程
(b)上記(a)から得られる、フルフラールよりも高い沸点を有する化合物が除去され
た粗フルフラールを、蒸留塔で蒸留し、フルフラールよりも低い沸点を有する化合物を除
去し、蒸留塔の側留からフルフラール組成物を抜き出す工程
[2] 前記原料のフルフラール組成物中の窒素含有化合物濃度が0.1重量ppm以上
50重量ppm以下である、前記[1]に記載のフランの製造方法。
[3] 前記原料のフルフラール組成物中の2−フランカルボキシアルデヒドの濃度が9
9.00重量%〜99.97重量%である、前記[1]又は[2]に記載のフランの製造
方法。
[4] 前記原料のフルフラール組成物中の、2−アセチルフラン濃度が120重量pp
m以上1000重量ppm以下である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のフランの
製造方法。
[5] 前記(a)の蒸留における還流比が0.1以上100以下である、[1]〜[4
]のいずれかに記載のフランの製造方法。
[6]フルフラール組成物であって、2−フランカルボキシアルデヒドの濃度が99.0
0重量%以上99.97重量%以下であり、且つフルフラールダイマーの濃度が1000
重量ppm以下であり、且つ過酸化物価が0.01mEq/kg以上0.90mEq/k
g以下であり、且つ2−アセチルフラン濃度が120重量ppm以上1000重量ppm
以下である、フルフラール組成物。
本発明のフラン化合物の製造方法で使用される原料のフルフラール組成物及び本発明のフルフラール組成物中に含まれるフルフラール化合物は、下記一般式(1)で表される化合物をいう。
本発明のフルフラール組成物及びフラン化合物の製造方法での原料のフルフラール組成物は、粗フルフラールから得ることができる。粗フルフラールは、通常、とうもろこしの穂軸、バガス、木材のおがくず等のヘミセルロース分を含む植物(非可食のバイオマス資源)などを、希硫酸等の酸存在下で加熱する事でフルフラールと水を発生させ、その発生したフルフラールと水を含む混合物を脱水処理して得ることができるが、必ずしもこの方法によって得られるものに限定されない。例えば、国際公開第2013/102027号に記載されているようにフルフラール製造反応器を反応蒸留形式としてフルフラールと水の混合物を連続的に抜き出す方法や国際公開第2012/115706号に記載されているように有機溶媒を用いてフルフラールを水相から連続抽出する方法などを用いることも出来る。粗フルフラール中のフルフラール化合物の濃度は、特に限定されないが、通常、90重量%以上98.7重量%以下であり、好ましくは95重量%以上98.5重量%以下、より好ましくは97重量%以上98.3重量%以下であり、最も好ましくは97.5重量%以上98.0重量%以下である。
(a)粗フルフラールに陰イオン交換樹脂及び/又は前記塩基性化合物を接触させた後に得られる粗フルフラールを蒸留塔で蒸留し、フルフラールよりも高い沸点を有する化合物を除去する工程
(b)上記(a)から得られる、フルフラールよりも高い沸点を有する化合物が除去さ
れた粗フルフラールを、蒸留塔で蒸留し、フルフラールよりも低い沸点を有する化合物を除去する工程
)の蒸留塔に供給することが好ましい。
ル化反応により得られるフラン化合物の収率に影響する理由としては、必ずしも明確ではないが、次のような理由が推測される。つまり、フルフラール化合物の脱カルボニル化反応において、原料のフルフラール組成物中のフルフラールダイマーは脱カルボニル化反応触媒の触媒金属種等と容易に結合しやすく、活性点を覆うことでフルフラール化合物の脱カルボニル化反応を阻害することが考えられ、この濃度を高くすればするほど、反応阻害も増大すると推測される。またフルフラール化合物は反応性が高く、触媒上でフルフラール化合物同士が重合し、その重合物質が触媒をコーキングして、脱カルボニル化反応を阻害していると考えられる。フルフラールダイマーのような重合前駆体量が増加することにより、触媒のコーキングが促進され、反応収率の低下が起こると推測される。
好ましくは0.5重量ppm以上であり、特に好ましくは0.8重量ppm以上である。一方、この濃度としては、50重量ppm以下が好ましく、より好ましくは10重量ppm以下であり、更により好ましくは5重量ppm以下であり、特に好ましくは3重量ppm以下である。
(c)工程(a)で分離されたフルフラールよりも高い沸点を有する化合物を蒸留塔で蒸留し、フルフラールを分離し回収する工程
する方法、過酸化物価の低いフルフラール組成物で希釈する方法なども好ましい方法として挙げられる。これらの方法は、単独で行ってもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。なお、これらの中でも、フルフラール組成物を脱カルボニル化反応の反応器に供給する前に、予め蒸留塔を用いて、蒸留して過酸化物を蒸留分離する方法やアルミナ等の固体触媒に流通させて過酸化物価を低減する方法がより好ましい。
着して含窒素化合物濃度を低減する方法、含窒素化合物を固体酸で処理して含窒素化合物濃度を低減する方法、フルフラール組成物を抽出分離して含窒素化合物の濃度を低減する方法、含窒素化合物濃度の低いフルフラール組成物で希釈する方法、含窒素化合物を添加して含窒素化合物濃度を増加させる方法、含窒素化合物濃度の高いフルフラール組成物を添加する方法、なども好適に使用される。
本発明のフラン化合物の製造方法で得られるフラン化合物は下記一般式(2)〜(6)で表される化合物をいう。
フランの製造方法は従来から公知の方法であれば、特に限定されないが、活性炭などの担体に長周期型周期表(以下、単に「周期表」という)の第8〜10族に担持した触媒を使って水素化反応を行い、フランからテトラヒドロフランを製造することが好ましい。
本発明のフラン化合物の製造方法における脱カルボニル化反応は、液相および気相反応のどちらでもよいが、気相反応が好ましい。脱カルボニル反応の反応形式は特に規定されるものではなく、回分反応、連続流通反応のいずれでも実施することができるが、工業的には連続流通反応形式を用いるのが好ましい。気相流通反応の場合、通常、触媒を充填した管型反応器に原料として上述のフルフラール化合物を主成分とするフルフラール組成物のガスを連続的に供給し、反応器内の触媒に通ずることによって反応を進行させフラン化合物を得る。フルフラール化合物を主成分とするフルフラール組成物を予め設けた気化器においてガスとすることが好ましい。気化の方法は特に限定されないが、液状態のフルフラール化合物を主成分とするフルフラール組成物に水素や不活性ガス等をガスバブリングする方法やスプレー気化による方法等が挙げられる。
[フルフラール組成物の製造]
温水を流通させて加熱できるジャケット付きの容積100ccのガラス製クラマトグラフ管に、陰イオン交換樹脂(三菱化学株式会社 ダイヤイオン(登録商標)、型式名:WA20)を70cc充填し、このガラス製クロマトグラフ管に、兼松ケミカル(株)製のフルフラール(純度98.7wt%)を140cc/hで流通させた。この際、陰イオン
交換樹脂とフルフラールとの接触温度は40℃、圧力は常圧であった。
[フルフラール組成物の製造]
製造例1において、軽沸成分を分離する蒸留を塔頂部から1cc/hrで連続留出を行い、塔底から99cc/hrで連続抜き出しを行った以外は全て同様にして実施した。尚、蒸留の熱源としてオイルバスを使用し、オイルバスの温度は145℃とした。本連続蒸留により、得られた缶出抜出液をフルフラール純度99.78%、フルフラールダイマー0.03重量%、過酸化物価1.03mEq/kg、窒素化合物濃度を窒素原子として1.3重量ppmの組成で得た。
[フルフラール組成物の製造]
製造例2で得たフルフラール組成物を10段のオルダーショウ蒸留塔を用い(理論段5段)、塔頂圧力は6.7kPa、塔底温度を98℃、還流比を1.0とし、90cc/hrの流量で塔底から5段の位置に原料フルフラールを連続導入し、塔頂部から89cc/hrで連続留出を行い、塔底から1cc/hrで連続抜き出しを行なった。本連続蒸留により、塔頂からフルフラール液(塔頂留出液)をフルフラール純度99.94%、フルフラールダイマー検出限界以下、過酸化物価0.57mEq/kg、窒素化合物濃度を窒素原子として1.3重量ppmの組成で得た。
[フルフラール組成物の製造]
製造例1において、蒸留塔の漏れ込み空気が1.3kPa/hr未満になるようにして蒸留を実施した。本連続蒸留により、塔頂からフルフラール液(塔頂留出液)をフルフラール純度99.97%、フルフラールダイマー0.05重量ppm、過酸化物価0.19mEq/kg、窒素化合物濃度を窒素原子として2.0重量ppmの組成で得た。
[フルフラール組成物の製造]
500LのSUS304製釜に陰イオン交換樹脂(三菱化学株式会社 ダイヤイオン(
登録商標)、型式名:WA20)を35kg充填し、この釜に兼松ケミカル(株)製のフルフラール(純度98.7wt%)を100kg充填した。その後40℃で30分間撹拌し、ろ過器で液と樹脂を分離した。圧力は常圧であった。その後、液を再度釜に充填し、洗浄後の陰イオン交換樹脂を35kg充填し、40℃で30分間撹拌した。液の水分が200重量ppm以下になるまでこれらの操作を繰り返した。
[フルフラール組成物の脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造]
0.6mm以下に破砕した担持Pd触媒(1重量%Pd−1重量%K/ZrO2)12.0gを内径13.4mmのSUS反応管に充填し、水素22.5mmol/h、窒素292.5mmol/h流通下で触媒の温度を231℃まで昇温した。製造例1で精製したフルフラール組成物を245℃に加熱した気化器を通して気化させ、362.2mmol/hの流速で供給して脱カルボニル化反応を開始した。このとき、水素/フルフラールの比は0.05であった。反応圧は絶対圧で0.4MPaであった。
反応管出口から得られた反応ガスの一部をガスクロマトグラフィー(GC)に導入し、フラン化合物、一酸化炭素、窒素及びその他の生成物の定量を行った。
ッシュ60/80)を充填した、カラム長3mのパックドカラムを用いた。尚、試料導入
部及び検出部の温度を90℃、カラム温度を70℃、検出部に流す電流値を70mAに設定し分析を実施した。
・フルフラール転化率(%)=[1−{反応後フルフラール化合物の残量(mol)/
フルフラール化合物の供給量(mol)}]×100
・フラン選択率(%)={フラン化合物の収率(%)/フルフラール化合物の転化率(%)}×100
=[{フラン化合物の生成量(mol)/フルフラール化合物の
供給量(mol)}×100/フルフラール転化率(%)]×100
実施例1において、原料のフルフラール組成物を製造例1のフルフラール組成物から製造例3のフルフラール組成物に変更した以外は全て同様の条件で脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造を行った。反応開始から60時間後のフルフラール転化率は99.35%、フラン選択率は99.51%であった。結果を表−1に示す。
実施例1において、原料のフルフラール組成物を製造例1のフルフラール組成物から製造例4のフルフラール組成物に変更した以外は全て同様の条件で脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造を行った。反応開始から60時間後のフルフラール転化率は99.38%、フラン選択率は98.61%であった。結果を表−1に示す。
実施例1において、原料のフルフラール組成物を製造例1のフルフラール組成物から製造例2のフルフラール組成物に変更した以外は全て同様の条件で脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造を行った。反応開始から60時間後のフルフラール転化率は97.35%、フラン選択率は97.73%であった。結果を表−1に示す。
製造例5のフルフラール組成物5.0gと0.6mm以下に破砕した担持Pd触媒(1重量%Pd−1重量%K/ZrO2)1.0gを混合し、200mLオートクレーブに充填した。オートクレーブを3回窒素で置換後、真空とし、水素を58cc注入した。オートクレーブに窒素を入れて0.4MPaとし、オートクレーブの内温200℃で5時間、液相脱カルボニル化反応を実施した。反応液を冷却後、取出し、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、フルフラール転化率は79.96%、フラン選択率は99.86%であった。結果を表−1に示す。
実施例4において、原料のフルフラール組成物を製造例5のフルフラール組成物から製造例1のフルフラール組成物に変更した以外は全て同様の条件で脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造を行った。反応開始から5時間後のフルフラール転化率は77.55%、フラン選択率は99.85%であった。結果を表−1に示す。
実施例5において、原料のフルフラール組成物を製造例1のフルフラール組成物から製造例4のフルフラール組成物に変更した以外は全て同様の条件で脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造を行った。反応開始から5時間後のフルフラール転化率は74.61%、フラン選択率は99.75%であった。結果を表−1に示す。
実施例5において、原料のフルフラール組成物を製造例1のフルフラール組成物から製造例2のフルフラール組成物に変更した以外は全て同様の条件で脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造を行った。反応開始から5時間後のフルフラール転化率は70.71%、フラン選択率は99.59%であった。結果を表−1に示す。
実施例5において、原料のフルフラール組成物を製造例1のフルフラール組成物から製造例1のフルフラール組成物と製造例1の軽沸分離蒸留で得た缶出液を97:2の重量比率で混合したフルフラール組成物に変更した以外は全て同様の条件で脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造を行った。反応開始から5時間後のフルフラール転化率は67.47%、フラン選択率は99.64%であった。結果を表−1に示す。
実施例5において、原料のフルフラール組成物を製造例1のフルフラール組成物から製造例2のフルフラール組成物とビス−2−フリルエタンジオン(アルドリッチ試薬、純度98%)をフルフラールダイマー濃度が0.11重量%になるように混合したフルフラール組成物に変更した以外は全て同様の条件で脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造を行った。反応開始から5時間後のフルフラール転化率は66.72%、フラン選択率は99.75%であった。結果を表−1に示す。
[フルフラール組成物の製造]
温水を流通させて加熱できるジャケット付きの容積100ccのガラス製クラマトグラフ管に、陰イオン交換樹脂(三菱化学株式会社 ダイヤイオン(登録商標)、型式名:WA20)を70cc充填し、このガラス製クロマトグラフ管に、兼松ケミカル(株)製のフルフラール(純度98.7wt%)を140cc/hで流通させた。この際、陰イオン交換樹脂とフルフラールとの接触温度は40℃、圧力は常圧であった。
得られたフルフラール1000.0gを塔径35mm、理論段が5段のオルダーショウの蒸留塔を使用して、塔頂の圧力13.3kPa、塔底温度を102℃で蒸留を実施した。
蒸留の熱源としてオイルバスを使用し、オイルバスの温度は120℃とした。留出液は軽沸成分を多く含む初留から順に抜き出し、フルフラール組成物であるFr−1〜Fr−6をそれぞれ取得した。なお、Fr−1〜Fr−6は留出開始から、それぞれ1時間後、2時間後、3時間後、4.2時間後、5.5時間後、7.2時間後に抜き出した留出液である。
[フルフラール組成物の製造]
製造例6において、理論段が20段のオルダーショウの蒸留塔を使用した以外は全て同様の条件で、フルフラール組成物Fr−1〜Fr−6を製造した。Fr−1〜Fr−6は留出開始から、それぞれ1時間後、2時間後、3時間後、4.2時間後、5.5時間後、7.2時間後に抜き出した留出液である。
Fr−1〜fr−6のフルフラール及び2−アセチルフランの濃度は以下の表−3の通りであった。
[フルフラール組成物の脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造]
0.6mm以下に破砕した担持Pd触媒(1重量%Pd−1重量%K/ZrO2)0.75gを内径6mmのガラス型反応管に充填し、水素2.25mmol/h、窒素85.71mmol/h流通下で触媒の温度を231℃まで昇温した。製造例6で精製したフルフラール組成物(Fr−2)を182℃に加熱した気化器を通して気化させ、36.22mmol/hの流速で供給して脱カルボニル化反応を開始した。このとき、水素/フルフラール化合物の比は0.062であった。反応圧は絶対圧で0.1MPaであった。
反応管出口から得られた反応ガスの一部をガスクロマトグラフィーに導入し、フラン化合物、一酸化炭素、窒素及びその他の生成物の定量を行った。
上記条件で脱カルボニル化反応を行った結果、反応開始から12時間後のフルフラール転化率は99.5%、フラン選択率は93.5%であった。結果を表−4に示す。
実施例7において、原料のフルフラール組成物を製造例6のFr−2から製造例6のFr−3に変更した以外は全て同様の条件で脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造を行った。反応開始から12時間後のフルフラール転化率は97.7%、フラン選択率は94.1%であった。結果を表−4に示す。
実施例7において、原料フルフラール組成物を製造例6のFr−2から製造例7のFr−3に変更した以外は全て同様に脱カルボニル化反応を実施した。反応開始から12時間後のフルフラール転化率は99.5%、フラン選択率は99.5%であった。結果を表−4に示す。
実施例7において、原料のフルフラール組成物を製造例6のFr−2から製造例6のFr−6に変更した以外は全て同様の条件で脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造を行った。反応開始から12時間後のフルフラール転化率は90.9%、フラン選択率は93.5%であった。結果を表−4に示す。
実施例9において、原料フルフラール組成物を製造例7のFr−3から製造例7のFr−2に変更した以外は実施例9と同様に脱カルボニル化反応を実施した。反応開始から12時間後のフルフラール転化率は88.3%、フラン選択率は99.3%であった。結果を表−4に示す。
実施例7において、原料のフルフラール組成物を製造例6のFr−2から製造例6のFr−4に変更した以外は全て同様の条件で脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造を行った。反応開始から12時間後のフルフラール転化率は98.6%、フラン選択率は92.8%であった。結果を表−4に示す。
実施例7において、原料のフルフラール組成物を製造例6のFr−2から市況のフルフラール(兼松ケミカル(株)製)に変更した以外は全て同様の条件で脱カルボニル化反応によるフラン化合物の製造を行った。反応開始から12時間後のフルフラール転化率は85.6%、フラン選択率は92.5%であった。結果を表−4に示す。
一方、実施例7〜9と比較例6の結果から、2−アセチルフラン濃度が低すぎるとフラン収率が低下することがわかる。
Claims (6)
- 原料として2−フランカルボキシアルデヒドを含有するフルフラール組成物を反応器に
供給し、触媒の存在下で脱カルボニル化反応により、生成物としてフランを得る工程を含
むフランを製造する方法であって、
該フルフラール組成物中のフルフラールダイマー濃度が1000重量ppm以下であり
、該フルフラール組成物中の過酸化物価が0.01mEq/kg以上0.90mEq/k
g以下であり、且つ、該フルフラール組成物は、下記工程により得られたものであるフラ
ンの製造方法。
(a)粗フルフラールに陰イオン交換樹脂及び/又は塩基性化合物を接触させた後に得ら
れる粗フルフラールを蒸留塔で蒸留し、フルフラールよりも高い沸点を有する化合物を除
去する工程
(b)上記(a)から得られる、フルフラールよりも高い沸点を有する化合物が除去され
た粗フルフラールを、蒸留塔で蒸留し、フルフラールよりも低い沸点を有する化合物を除
去し、蒸留塔の側留からフルフラール組成物を抜き出す工程 - 前記原料のフルフラール組成物中の窒素含有化合物濃度が0.1重量ppm以上50重
量ppm以下である、請求項1に記載のフランの製造方法。 - 前記原料のフルフラール組成物中の2−フランカルボキシアルデヒドの濃度が99.0
0重量%〜99.97重量%である、請求項1又は2に記載のフランの製造方法。 - 前記原料のフルフラール組成物中の、2−アセチルフラン濃度が120重量ppm以上
1000重量ppm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフランの製造方法
。 - 前記(a)の蒸留における還流比が0.1以上100以下である、請求項1〜4のいず
れか1項に記載のフランの製造方法。 - フルフラール組成物であって、
2−フランカルボキシアルデヒドの濃度が99.00重量%以上99.97重量%以下
であり、且つ
フルフラールダイマーの濃度が1000重量ppm以下であり、且つ
過酸化物価が0.01mEq/kg以上0.90mEq/kg以下であり、且つ
2−アセチルフラン濃度が120重量ppm以上1000重量ppm以下である、フル
フラール組成物。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015067199 | 2015-03-27 | ||
JP2015067199 | 2015-03-27 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016188206A JP2016188206A (ja) | 2016-11-04 |
JP6672941B2 true JP6672941B2 (ja) | 2020-03-25 |
Family
ID=57005068
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016062093A Active JP6672941B2 (ja) | 2015-03-27 | 2016-03-25 | フラン化合物の製造方法及びフルフラール組成物 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US10125109B2 (ja) |
EP (1) | EP3275873B1 (ja) |
JP (1) | JP6672941B2 (ja) |
CN (1) | CN107531659B (ja) |
WO (1) | WO2016158706A1 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016158706A1 (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-06 | 三菱化学株式会社 | フラン化合物の製造方法及びフルフラール組成物 |
US10620930B2 (en) * | 2017-05-05 | 2020-04-14 | Servicenow, Inc. | Software asset management |
JP7192268B2 (ja) * | 2017-06-29 | 2022-12-20 | 三菱ケミカル株式会社 | フルフラール化合物の脱カルボニル触媒、およびフラン化合物の製造方法 |
EP3626711A1 (en) * | 2018-09-24 | 2020-03-25 | Arbaflame Technology AS | Process for the production of furfural |
CN112979590A (zh) * | 2021-03-01 | 2021-06-18 | 安徽金轩科技有限公司 | 一种利用呋喃制备2-乙酰呋喃的新工艺 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5375054B2 (ja) | 2007-11-30 | 2013-12-25 | 三菱化学株式会社 | フラン化合物の製造方法 |
JP5315679B2 (ja) | 2007-11-30 | 2013-10-16 | 三菱化学株式会社 | フラン化合物の製造方法 |
CN102993139B (zh) * | 2007-11-30 | 2015-09-16 | 三菱化学株式会社 | 呋喃化合物的制备方法 |
JP5948921B2 (ja) * | 2012-02-08 | 2016-07-06 | 三菱化学株式会社 | フランの製造方法 |
JP6299086B2 (ja) * | 2012-06-08 | 2018-03-28 | 三菱ケミカル株式会社 | フルフラールの精製方法 |
JP6575126B2 (ja) * | 2014-05-08 | 2019-09-18 | 三菱ケミカル株式会社 | フルフラールの製造方法及びフランの製造方法 |
WO2016158706A1 (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-06 | 三菱化学株式会社 | フラン化合物の製造方法及びフルフラール組成物 |
-
2016
- 2016-03-24 WO PCT/JP2016/059514 patent/WO2016158706A1/ja active Application Filing
- 2016-03-24 EP EP16772587.8A patent/EP3275873B1/en active Active
- 2016-03-24 CN CN201680017990.7A patent/CN107531659B/zh active Active
- 2016-03-25 JP JP2016062093A patent/JP6672941B2/ja active Active
-
2017
- 2017-09-22 US US15/712,844 patent/US10125109B2/en active Active
-
2018
- 2018-07-10 US US16/031,501 patent/US10253008B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN107531659B (zh) | 2021-06-29 |
US20180319757A1 (en) | 2018-11-08 |
JP2016188206A (ja) | 2016-11-04 |
WO2016158706A1 (ja) | 2016-10-06 |
EP3275873A4 (en) | 2018-01-31 |
EP3275873A1 (en) | 2018-01-31 |
US10125109B2 (en) | 2018-11-13 |
US10253008B2 (en) | 2019-04-09 |
EP3275873B1 (en) | 2020-10-21 |
US20180009774A1 (en) | 2018-01-11 |
CN107531659A (zh) | 2018-01-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6672941B2 (ja) | フラン化合物の製造方法及びフルフラール組成物 | |
US10351544B2 (en) | Process for the preparation of a purified acid composition | |
JP6575126B2 (ja) | フルフラールの製造方法及びフランの製造方法 | |
JP6100757B2 (ja) | 5−ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法 | |
US10428039B2 (en) | Process for preparing furan-2,5-dicarboxylic acid | |
JP2014515037A5 (ja) | ||
EP3371158A1 (en) | A process for preparing a mixture comprising 5-(hydroxymethyl)furfural and specific hmf esters | |
JP2016512826A (ja) | ケトカルボン酸を含む組成物からのジカルボン酸および誘導体の製造方法 | |
JP2012149008A (ja) | 2−フルアルデヒド化合物の製造方法 | |
JP5948921B2 (ja) | フランの製造方法 | |
JP2015501821A (ja) | 60℃超200℃未満の沸点(標準圧力で)を有する溶媒(略して低沸点溶媒と称する)の存在下における糖溶液からの5−ヒドロキシメチルフルフラール(hmf)の調製 | |
JP6299086B2 (ja) | フルフラールの精製方法 | |
CA2728810A1 (en) | Process for the hydrogenolysis of furfuryl derivatives | |
JP2016117678A (ja) | フラン化合物の製造方法及びテトラヒドロフランの製造方法 | |
JP2018090511A (ja) | フラン誘導体の製造方法 | |
CN110944983B (zh) | 用于制造2,5-呋喃二甲酸酯的方法 | |
JP7278315B2 (ja) | 5-アルコキシメチルフルフラールの製造方法 | |
Nguyen et al. | A sustainable one-pot synthesis of 2, 5-diformylfuran from carbohydrates using tetracationic ionic liquid |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20170421 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190124 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20191114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191119 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200109 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200204 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200217 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6672941 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |