JP6447061B2 - フルフラール製造触媒の回収方法、フルフラール製造触媒、および該フルフラール製造触媒を用いたフルフラールの製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に記載のイオン交換樹脂を使用する方法では、反応中に生成する不溶性物質であるフミンやチャーの付着によって触媒が被毒され、再利用を繰り返すと活性が徐々に低下するという課題があった。
一方、特許文献3に記載される有機酸のリサイクル方法では、蒸留で目的物を分離したあと、有機酸触媒を缶出液から抜出し、再反応に用いるが、特許文献1と同様に水溶性の不純物を除去することができず、このリサイクル触媒を用いた場合にはフルフラールの収率が低下するという課題があった。
すなわち、本発明の要旨は以下に存する。
[2] 前記触媒が有機酸である、[1]に記載のフルフラール製造触媒の回収方法。
[3] 前記有機溶媒がエーテル、ケトン、およびエステルよりなる群の少なくとも1つから選ばれる、[1]又は[2]に記載のフルフラール製造触媒の回収方法。
[4] 前記触媒回収工程を10℃〜80℃で行う、[1]〜[3]のいずれかに記載のフルフラール製造触媒の回収方法。
[5] 前記触媒回収工程の前に、前記反応液からフルフラールを分離するフルフラール分離工程を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載のフルフラール製造触媒の回収方法。
[6] 前記触媒回収工程において、前記反応液に対して5wt%〜3000wt%の有機溶媒を用いる、[1]〜[5]のいずれかに記載のフルフラール製造触媒の回収方法。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の回収方法により回収したフルフラール製造触媒。
[8] [1]〜[6]のいずれかに記載の回収方法により回収したフルフラール製造触媒を用いて糖からフルフラールを製造することを特徴とする、フルフラールの製造方法。
[9] 前記フルフラール製造触媒を、糖に対して0.02〜50wt%用いる、[8]のフルフラールの製造方法。
[10] 前記糖が、炭素数5の単糖または炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖である、[8]又は[9]に記載のフルフラールの製造方法。
[11] 糖からフルフラールを製造する際に、反応溶媒として水を用い、水に対する糖の濃度が0.1〜50wt%である、[8]〜[10]のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
[12] 糖からフルフラールを製造する際の反応温度が100℃〜250である、[8]〜[11]のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
さらに、回収したフルフラール製造触媒を用いて、糖からフルフラールを製造する工程(リサイクル触媒利用FRL製造工程)を有していてもよい。
以下、それぞれの各要件に分けて詳細に説明する。
本発明で行われるフルフラール製造工程は、多糖類や単糖類などの糖を、触媒の存在下で脱水反応させて、フルフラールを生成させる工程である。
糖からフルフラールの合成反応は、主に五炭糖からの脱水反応である。この脱水反応は、フルフラールの生産性向上、得られるフルフラールの純度向上の観点から、反応溶媒及び触媒を用いて行うことが好ましい。
本発明で用いられる糖は、フルフラールを製造することができれば特に限定されず、単糖類や多糖類などのいわゆる糖類一般を用いることができる。
単糖類としては、具体的にはリボース、リキソース、キシロース、アラビノース、デオキシリボース、キシルロース、リブロース等の炭素数5の単糖(ペントース);アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、フコース、フクロース、ラムノース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等の炭素数6の単糖(ヘキソース);セドヘプツロース等の炭素数7の単糖(ヘプトース)等が挙げられる。これらの単糖の中でも、自然界、植物の構成成分となっていることから豊富に存在し、原料の入手が容易であるためヘキソース、ペントースが好ましく、収率の観点から炭素数5の単糖であるペントースが最も好ましい。
フルフラールの合成反応は主に五炭糖からの脱水反応であることから、本発明で用いる糖は、炭素数5の単糖および/または炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖であることが好ましい。
前述の糖は、主にバイオマス原料に含まれており、これらのバイオマス原料から得られる糖を用いることが好ましい。バイオマス原料は上記の糖類を構成成分とする多糖類を含んでいれば特に限定されないが、具体的には、セルロース、ヘミセルロースを含む植物や澱粉糖化液、または糖蜜なども使用される。たとえば、サトウキビ、甜菜またはサトウカエデ等の植物から搾取した糖液が挙げられる。
可食バイオマス原料としては、サトウキビ、澱粉、テンサイ、とうもろこし、いも、キャッサバ、サトウカエデ等が挙げられる。
非可食バイオマス原料としては、具体的には、バガス、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、コーンストーバー、稲わら、麦わら、米ぬか、樹木、木材、植物油カス、ササ、タケ、パルプ類、古紙、食品廃棄物、水産物残渣、家畜廃棄物等が挙げられる。また、砂糖の製造工程で発生する糖蜜から砂糖を回収した後に残る廃糖蜜も非可食バイオマス原料として使用可能である。
このうち、非可食バイオマス原料は、可食バイオマス原料と異なり、食用用途と競合せず、また通常であれば廃棄、焼却処理をされるものが多いため、安定的な供給、資源の有効利用が図れる点で好ましい。これら、バイオマス原料はそのまま使用することもできるし、酸処理や水熱処理等の前処理を行ってから使用することもできる。
フルフラール製造工程において、反応溶媒中に含まれる糖の濃度は特に限定されないが、反応溶媒としては水を含むことが好ましく、水に対する糖濃度が0.1〜50wt%であることが好ましく、より好ましくは1wt%〜30wt%であり、さらに好ましくは5wt%〜25wt%である。糖濃度が下限値以上であると、フルフラールと溶媒との分離効率が高くなる傾向があり、糖濃度が上限値以下であると副反応を抑制できフルフラールの収率が高くなる傾向があり好ましい。
反応溶媒として水と有機溶媒とを含む場合には、上記範囲に加えて、水に対する糖濃度が10wt%以上であることがさらに好ましく、特に好ましくは15wt%以上である。有機溶媒を用いる場合には、生成したフルフラールが有機溶媒へ溶解して、分解するのを抑制可能であると考えられることから、水に対する糖濃度を比較的高い範囲にすることができる。
フルフラール製造工程において、反応液とは、通常、原料となる糖、触媒、反応溶媒からなる溶液を指し、反応生成物であるフルフラールおよび副生物などの不純物が含まれていてもよい。副生物としては、例えば、ギ酸、酢酸、レブリン酸等が挙げられる。また、反応液中にはフルフラール製造反応を阻害しないものであれば如何なるものが含まれていても構わない。具体的には、非可食バイオマス原料に含まれる成分として硫酸イオン、硝酸イオンなどの無機酸イオン類;塩素、フッ素などのハロゲン元素;カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属元素;マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属元素;ケイ素元素;リグニン等の、非可食バイオマスに由来する糖類以外の化合物を含む。ここで、上記に示した元素は反応溶媒中でどのような形態で存在しているかは特に限定されず、たとえば、化合物やイオンを構成する元素の一部であってもよい。
本発明のフルフラール製造工程で用いられる触媒は、糖からフルフラールを製造可能な酸触媒であり、リサイクルの観点から、有機溶媒抽出可能な酸触媒を用いる。有機溶媒を用いて酸触媒を抽出することで、反応液中の水溶性の不純物と分離することができ、フルフラール製造の繰り返し反応における収率低下を抑制することができる。また、水性溶媒である反応液から蒸留を行うことなく触媒を回収できるため、エネルギーの負荷が少なく、生産効率に優れたプロセスとなる。
カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、レブリン酸、乳酸等の脂肪族カルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アコニット酸、イタコン酸、オキサロ酢酸、フマル酸、cis−1,2−シクロペンタンジカルボン酸、trans−1,2−シクロペンタンジカルボン酸、cis−1,3−シクロペンタンジカルボン酸、trans−1,3−シクロペンタンジカルボン酸、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、trans−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、cis−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、trans−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、cis−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、ナフタレンカルボン酸等の芳香族カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、メロファン酸、プレニト酸、ピロメリト酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フランカルボン酸、フランジカルボン酸等の複素環カルボン酸;が挙げられる。また、これらの酸の少なくとも一部を中和した塩も用いることができる。
本発明で用いる触媒は、上記のポリカルボン酸を単独で含有していてもよいし、2種類以上を含有していてもよい。
ここで、本明細書におけるポリカルボン酸の酸解離定数pKaとは、解離段が1の場合の数値とする。すなわち、2個以上のカルボキシル基のうち少なくとも1個の水素イオンが脱離する場合の酸解離定数pKaを意味する。たとえば、カルボキシル基を2個有するコハク酸では、通常、pKaは解離段が1の4.19と解離段が2の5.48となるが、本明細書では解離段が1の4.19をコハク酸のpKaと解する。
本発明で用いる触媒は、上記のスルホン酸を単独で含有していてもよいし、2種類以上を含有していてもよい。
本発明で用いる触媒は、上記のヘテロポリ酸を単独で含有していてもよいし、2種類以上を含有していてもよい
フルフラール製造工程において用いる反応溶媒は、水や有機溶媒であることが好ましい。通常、水のみで反応を行うことが可能であるが、有機溶媒を添加して反応を行うこともできる。コスト優位性の観点からは、反応溶媒として水のみを用いることが好ましく、フルフラールの収率向上の観点からは、反応溶媒として水と有機溶媒とを用いることが好ましい。
有機溶媒の添加によって均一混合溶媒で反応を行うことができるが、フルフラールの重合や分解反応を抑制し、フルフラールの収率が向上するため、水層と有機層の2層系となる有機溶媒を用いることが好ましい。本明細書においては、均一混合溶媒となる、または水層を形成する有機溶媒、および水を総称して「水性溶媒」と呼ぶ場合がある。
用いる有機溶媒の量は本発明の趣旨を損ねない限り、特に限定されないが、水に対して10〜5000wt%であることが好ましく、特に10〜1000wt%であることが好ましい。
このうち、2層系で反応を行う場合は、フルフラールの抽出効率および有機溶媒の水への溶解量の観点からトルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、1−メチルナフタレン、シクロヘキサン、イソドデカンが好ましく、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、1−メチルナフタレン等の芳香族炭化水素が特に好ましい。上記有機溶媒は溶媒の回収・再利用を考慮すると単一溶媒のほうが好ましいが、2種類以上を用いても構わない。
フルフラール製造工程の反応形態は特に限定されず、バッチ式でも半回分式でも連続式でもよく、これらを組み合わせた反応形態でもよい。生産性向上の観点からは、半回文式反応および連続式反応が好ましく、操作の簡易さの観点からはバッチ式反応が好ましい。
また、反応生成物であるフルフラールを生産しながら蒸留する反応蒸留方式でも構わない。反応蒸留式の場合、減圧で実施しても常圧で実施してもいずれでも構わない。
フルフラール製造工程の反応温度は特に限定されないが、具体的には100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは160℃以上であって、250℃以下であることが好ましく、より好ましくは230℃以下である。反応温度が下限値以上であると、反応の進行が速くなる傾向があり、フルフラールの生産性が向上する。反応温度が上限値以下であると、フルフラール及び原料の糖が分解や重合を起こすことを抑制し、フルフラールの収率を向上させる傾向があるため好ましい。
本発明で行われる触媒回収工程は、前述のフルフラール製造工程にて得られた反応液から、有機溶媒を用いた抽出によって、有機溶媒中に触媒を回収する工程である。触媒回収工程を実施する反応液中には、通常、触媒、反応溶媒、反応生成物であるフルフラールおよび副生物などの不純物が含まれる。さらに、未反応の原料である糖が含まれている場合もある。これらのうち、反応生成物であるフルフラールや反応溶媒に関しては、触媒回収工程を実施する前に分液操作や蒸留等で分離してもよい。一方で、フルフラールや反応溶媒を含む反応液に対して、そのまま有機溶媒で触媒およびフルフラール等の抽出を実施してもよい。
本発明の触媒回収工程を実施した場合、フルフラール製造触媒と共に副生物や未反応の原料である糖、フルフラールの中間体などが抽出・回収される場合がある。通常、これらの不純物はフルフラールの製造に影響しないものであるため、フルフラール製造触媒および不純物を含む溶液を、リサイクル触媒として用いることができる。
本発明の触媒回収工程で用いられる有機溶媒(以下、抽出溶媒と呼ぶ場合がある)は、触媒を抽出可能であれば、特に限定されないが、ジエチルエーテル、テトラヒドロピラン、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル-tert−ブチルエーテル、ブチルエーテル、ペンチルエーテル、ヘキシルエーテル、オクチルエーテル、ノニルエーテル、デシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等の炭素数4〜20のエーテル類;2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、シクロヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2,4−ジメチルペンタノン、5−ノナノン、4−デカノン、5−デカノン、2−ウンデカノン、4−ウンデカノン、3−ドデカノン、2−トリデカノン、2−テトラデカノン、4−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、3−ペンタデカノン、7−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、4−ヘキサデカノン、6−ヘキサデカノン、2−ヘプタデカノン、4−ヘプタデカノン、9−ヘプタデカノン、3−オクタデカノン、アセトフェノン等の炭素数4〜20のケトン類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデシルアルコール、1―ラウリルアルコール、1−トリデシルアルコール、1−テトラデカノール、1−ペンタデシルアルコール、1−ヘキサデカノール、シス−9−ヘキサデセン−1−オール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、16−メチルヘプタデセン−1−オール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール等の炭素数4〜20のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、イソドデカンなどの炭素数3〜12の飽和脂肪族炭化水素化合物;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、1−メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられ、エーテル、ケトン、エステル、アルコール、芳香族炭化水素、および飽和脂肪族炭化水素よりなる群の少なくとも1つから選ばれることが好ましい。これらの中でも、触媒回収効率の観点からエーテル、ケトン、エステル類が好ましく、特にケトン類が好ましい。
また、反応溶媒として用いた有機溶媒が水層と均一層を形成する水性溶媒である場合は、該反応溶媒を蒸留等で分離してもよいし、そのまま抽出溶媒を添加しても構わない。
抽出溶媒として用いる上記有機溶媒は溶媒の回収・再利用を考慮すると単一溶媒のほうが好ましいが、2種類以上を用いても構わない。
本発明の触媒回収工程は、抽出溶媒中に触媒を抽出することができれば、特に操作方法は限定されないが、たとえば反応液に有機溶媒を加えて混合し、一定時間静置して水層と有機層の2層に分離し、そのうち有機層を回収する方法;遠心分離装置を用いて、2層に分離する方法などが挙げられる。2層分離は、回分的に行っても、連続的に行っても構わない。
また、溶媒抽出を実施する前または実施中に、反応液に無機塩等を添加して、塩析を行うことで、触媒回収効率を向上させることができる。
本発明の触媒回収工程において有機溶媒抽出で回収した触媒を含む溶液が得られ、該溶液から純度の高いフルフラール製造触媒を回収する操作を行ってもよい。たとえば、該溶液から減圧下、常圧下もしくは加圧下で溶媒を除去することにより、触媒を回収することができる。また、ヘキサン、ヘプタン等の溶媒を用いて晶析し、触媒を回収することができる。さらに、有機溶媒とフルフラール製造触媒との沸点差がある場合は、蒸留等で回収することができる。
本発明の触媒回収工程では、上述した有機溶媒を用いた抽出以外の分離・精製工程を組合わせて実施してもよく、たとえば、蒸留、晶析があげられる。
本発明の回収方法で得られるフルフラール製造触媒の収率は、特に限定はされず、有機溶媒や抽出操作条件によって大きく異なるが、通常40%以上であり、好ましくは50%以上であり、上限は特に限定されず、通常は100%以下である。ここで、通常、フルフラール製造触媒の収率は、フルフラール製造工程で用いた酸触媒の回収割合を意味する。ただし、バガスなどの非可食バイオマス原料を用いた場合には、副生した酸もフルフラール製造触媒として含まれていてもよく、収率の上限が100%を超えることがある。
本発明の触媒回収工程を実施して得られたフルフラール製造触媒(以下、リサイクル触媒と呼ぶ場合がある)は、新品同等の触媒活性が得られる。
本発明の回収方法で回収したフルフラール製造触媒(リサイクル触媒)を用いて、糖からフルフラールを製造する工程(リサイクル触媒利用FRL製造工程)を実施することができる。なお、前述のとおり、リサイクル触媒にはフルフラール製造触媒と共に抽出・回収された副生物や未反応の原料である糖、フルフラールの中間体などが含まれていてもよい。
本発明で得られたリサイクル触媒を用いれば、触媒に含まれる不純物が極めて少ないため、一回も使用されていない触媒と同程度のフルフラール収率を達成することができ、さらに、繰り返して用いてもフルフラール収率の低下を起こさないため、フルフラール製造のコスト低減に特に有効である。
フルフラール製造工程およびリサイクル触媒利用フルフラール製造工程で得られたフルフラールは、反応終了後、反応液から適宜、濃縮、抽出、蒸留等の一般的な分離・精製操作を経て、分離され適宜目的とする純度まで精製することができる。また、精密蒸留法やカラムクロマト分離精製法を用いることで、更に純度を向上することができる。
少なくとも、反応液からフルフラールを分離するフルフラール分離工程は、上記触媒回収工程の前に実施することが好ましい。これにより、触媒回収工程における抽出操作の際の抽出効率を向上させることが可能となる。
本発明の製造方法で得られるフルフラールの収率は、特に限定はされず、原料によって大きく異なるが、通常15%以上であり、好ましくは20%以上であり、上限は特に限定されず、通常は100%以下である。
なお前記収率は、下記の通りの計算式で算出した。
収率(%) = (反応後のフルフラール(mol)/ 仕込原料糖類化合物(mol))×100
<高速液体クロマトグラフィー分析>
(糖・有機酸の測定条件)
ポンプ :島津製作所社製 LC−20AD
カラムオーブン:島津製作所社製 CTO−10A
UV検出器 :島津製作所社製 SPD−10A
RI検出器 :島津製作所社製 RID−10A
カラム: ULTRON PS−80H 300L×8.0mmID(信和化工製)
溶離液: 0.0108%HClO4aq..
カラム温度: 60℃
流速: 1.0mL/min
注入量: 10μL
検出: RI
(フルフラールの測定条件)
装置: Agilent Technologys社製 1200Serie
カラム: Develosil C30
4.6mm×100mmL. 3μm (野村化学製)
溶離液: A−0.054% HClO4aq. B−アセトニトリル
A/B=95/5→0/100
カラム温度: 40℃
流速: 1.0mL/min
注入量: 10μL
検出器: UV(280nm、210nm)
合成例1では、購入試薬である乳酸を触媒として、1回目のフルフラール製造反応を行った。
70mLミクロオートクレーブに、糖としてキシラン(SIGMA−ALDRICH製)を0.60g、反応溶媒として脱塩水を11.41g、および触媒として乳酸(東京化成社製)を0.12gと、撹拌子を入れて、容器を密閉した後、内部空間を窒素で置換した。内容物を攪拌しながら、200℃まで昇温し、200℃で1時間、加熱撹拌して反応を行った。
反応終了後、攪拌を維持しながら室温まで放冷し、オートクレーブ中の反応液を全量回収した。得られた反応液のうち、0.10gを脱塩水1.02gで希釈し、0.45μmのフィルターでろ過して、上記条件にてHPLC分析を行った。
HPLC分析の結果をもとに、下記計算式により、フルフラール(FRL)収率、キシロース収率を求めた。なお、キシランは(C5H8O4)nのユニットとして収率を算出した。
FRL収率(%) = (反応後のFRL量(mol)/ 仕込糖(キシラン)量(mol))×100
キシロース収率(%) = (反応後のキシロース量(mol)/ 仕込糖(キシラン)量(mol))×100
反応液中のFRL濃度は1.09wt%、キシロース濃度は0.151wt%、乳酸濃度は1.28wt%であり、FRL収率は30.2%、キシロース収率は2.68%であった。
結果を表1に示した。
実施例1では、合成例1のフルフラール製造反応で用いた触媒である乳酸を回収し、得られたフルフラール製造触媒である乳酸を用いて、2回目のフルフラール製造反応を行った。
合成例1の反応液を0.45μmのフィルターでろ過して得られた乳酸含有溶液11.03g(HPLC分析より、乳酸濃度が1.23wt%)に、抽出溶媒としてメチルエチルケトン11.04gを加えた。これを混合し、室温下で有機層と水層の2層になるまで静置した後、有機層と水層を分離して有機層を回収して、抽出操作を行った(抽出操作1回目)。
水層から得られた乳酸含有溶液12.67gに、再度、抽出溶媒としてメチルエチルケトン12.74gを加えて、同様に抽出操作を行った(抽出操作2回目)。
さらに水層から得られた乳酸含有溶液9.43gに、抽出溶媒としてメチルエチルケトン9.44gを加えて、同様に抽出操作を行った(抽出操作3回目)。
回収した有機層であるメチルエチルケトン溶液は、3回分を合わせてエバポレーターで濃縮し、残渣0.18gを脱塩水3.04gで希釈して触媒抽出溶液1を得た。
得られた触媒抽出溶液1のHPLC分析を行ったところ、乳酸濃度は2.43wt%であり、重量ベースでの乳酸回収率は57.5%であった。また、フルフラールは検出されなかった。
糖としてキシラン0.26g、触媒として上記で調製したフルフラール製造触媒溶液1 4.91gを用いた以外は、合成例1と同様にして2回目のフルフラール製造反応を行い、得られた反応液の分析を行った。
反応液中のFRL濃度は1.06wt%、キシロース濃度は0.102wt%、乳酸濃度は1.13wt%であり、FRL収率は29.1%、キシロース収率は1.79%であった。
結果を表1に示した。
実施例2では、実施例1の2回目のフルフラール製造反応で用いたフルフラール製造触媒を回収し、さらに3回目のフルフラール製造反応を行った。
実施例1の反応液を0.45μmのフィルターでろ過して得られた乳酸含有溶液6.16g(HPLC分析より、乳酸濃度が1.13wt%)に抽出溶媒としてメチルエチルケトン6.15gを加えた。実施例1と同様にして、合計3回の抽出操作を行った後、濃縮操作を行い、残渣0.12gを脱塩水2.53gで希釈して触媒抽出溶液2を得た。
得られた触媒抽出溶液2を実施例1と同様にして分析した結果、乳酸濃度は1.36wt%であり、重量ベースでの乳酸回収率は51.7%であった。また、フルフラールは検出されなかった。
糖としてキシラン0.17g、触媒として上記で調製したフルフラール製造触媒溶液2 3.26gを用いた以外は、合成例1と同様にして3回目のフルフラール製造反応を行い、得られた反応液の分析を行った。
反応液中のFRL濃度は1.18wt%、キシロース濃度は0.532wt%、乳酸濃度は1.25wt%であり、FRL収率は32.3%、キシロース収率は0.93%であった。
結果を表1に示した。
実施例3では、実施例2の3回目のフルフラール製造反応で用いたフルフラール製造触媒を回収し、さらに4回目のフルフラール製造反応を行った。
実施例2の反応液を0.45μmのフィルターでろ過して得られた乳酸含有溶液2.84g(HPLC分析より、乳酸濃度が1.26wt%)に抽出溶媒としてメチルエチルケトン2.85gを加えた。実施例1と同様にして、合計3回の抽出操作を行った後、濃縮操作を行い、残渣0.07gを脱塩水0.84gで希釈しして触媒抽出溶液3を得た。
得られた触媒抽出溶液3を実施例1と同様にして分析した結果、乳酸濃度は2.22wt%であり、重量ベースでの乳酸回収率は56.6%であった。また、フルフラールは検出されなかった。
糖としてキシラン0.09g、触媒として上記で調製したフルフラール製造触媒溶液3 1.73gを用いた以外は、合成例1と同様にして4回目のフルフラール製造反応を行い、得られた反応液の分析を行った。
反応液中のFRL濃度は1.01wt%、キシロース濃度は0.186wt%、乳酸濃度は1.14wt%であり、FRL収率は27.3%、キシロース収率は0.32%であった。
結果を表1に示した。
合成例2では、購入試薬である乳酸を触媒として、1回目のフルフラール製造反応を行った。
70mLミクロオートクレーブに、糖原料としてキシラン(SIGMA−ALDRICH製)0.40g、反応溶媒として脱塩水7.61g、触媒として乳酸(東京化成社製)0.09gと、撹拌子を入れて、容器を密閉した後、内部空間を窒素で置換した。内容物を攪拌しながら、200℃まで昇温し、200℃で1時間、加熱撹拌して反応を行った。
反応終了後、攪拌を維持しながら室温まで放冷し、オートクレーブ中の反応液を全量回収した。得られた反応液のうち0.10gを脱塩水1.03gで希釈し、0.45μmのフィルターでろ過して、上記条件にてHPLC分析を行った。
反応液中のFRL濃度は1.24wt%、キシロース濃度は0.555wt%、乳酸濃度は1.24wt%であり、FRL収率は34.4%、キシロース収率は0.98%であった。
比較例1では、合成例2のフルフラール製造反応で用いた触媒を含む反応液から、副生物である固形分を分離し、さらに蒸留後に残った乳酸を用いて、2回目のフルフラール製造反応を行った。
合成例2の反応液を0.45μmのフィルターでろ過した後、エバポレーターでフルフラールと水を留去した。得られた残渣0.31gを脱塩水2.02gで希釈し、触媒溶液4を得た。
得られた触媒溶液4を上記条件でHPLC分析を行ったところ、乳酸濃度は9.05wt%であった。
糖としてキシラン0.50g、触媒として上記で調整したフルフラール製造触媒溶液4 9.5gを用いた以外は、合成例2と同様にして2回目のフルフラール製造反応を行い、得られた反応液の分析を行った。
反応液中のFRL濃度は0.783wt%、キシロース濃度は0.545wt%、乳酸濃度は1.16wt%であり、FRL収率は20.5%、キシロース収率は0.96%だった。
結果を表2に示した。
比較例2では、比較例1の2回目のフルフラール製造反応で用いたフルフラール製造触媒を回収し、さらに3回目のフルフラール製造反応を行った。
比較例1の反応液を0.45μmのフィルターでろ過した後、エバポレーターでフルフラールと水を留去した。得られた残渣0.041gを脱塩水4.00gで希釈して、触媒溶液5を得た。触媒溶液5を上記条件でHPLC分析したところ、乳酸濃度は4.63wt%であった。
糖としてキシラン0.44g、触媒として上記で調整したフルフラール製造触媒溶液5 8.52gを用いた以外は、合成例2と同様にして3回目のフルフラール製造反応を行い、得られた反応液の分析を行った。
反応液中のFRL濃度は0.63wt%、キシロース濃度は0.401wt%、乳酸濃度は1.21wt%であり、FRL収率は17.7%、キシロース収率は0.72%だった。
結果を表2に示した。
比較例3では、比較例2の3回目のフルフラール製造反応で用いたフルフラール製造触媒を回収し、さらに4回目のフルフラール製造反応を行った。
比較例2の反応液を0.45μmのフィルターでろ過した後、エバポレーターでフルフラールと水を留去した。得られた残渣0.033gを脱塩水3.51gで希釈して、触媒溶液6を得た。触媒溶液6を上記条件でHPLC分析したところ、乳酸濃度は3.82wt%であった。
糖としてキシラン0.39g、触媒として上記で調整したフルフラール製造触媒溶液6 7.63gを用いた以外は、合成例2と同様にして4回目のフルフラール製造反応を行い、得られた反応液の分析を行った。
反応液中のFRL濃度は0.48wt%、キシロース濃度は0.414wt%、乳酸濃度は1.19wt%であり、FRL収率は13.6%、キシロース収率は0.75%であった。
カルボン酸を含む水溶液として乳酸(東京化成社製)1wt%水溶液 1.50gに対して、抽出溶媒としてメチルエチルケトン1.51gを加えた。これを混合し、室温下で有機層と水層の2層になるまで静置した後、有機層と水層を分離して有機層を回収して、抽出操作を行った(抽出操作1回)。
水層側から得られた水溶液について上記分析条件でHPLC分析を行って乳酸濃度を測定し、その結果から、有機層の乳酸回収率を算出したところ、35.6%であった。
結果を表3に示した。
参考例1と同様に、乳酸1wt%水溶液を用いて、水溶液の重量と同量のメチルエチルケトンで3回、抽出操作を行った(抽出操作3回)。
参考例1と同様にして有機層での乳酸回収率を算出した結果、84.7%であった。
結果を表3に示した。
カルボン酸を含む水溶液の乳酸濃度を5wt%に変更した以外は、参考例1と同様にメチルエチルケトンで1回、抽出操作を行った(抽出操作1回)。
参考例1と同様にして有機層での乳酸回収率を算出した結果、36.2%であった。
結果を表3に示した。
抽出溶媒を酢酸エチルに変更した以外は、参考例1と同様に1回、抽出操作を行った(抽出操作1回)。
参考例1と同様にして有機層での乳酸回収率を算出した結果、30.6%であった。
結果を表3に示した。
カルボン酸を含む水溶液を酢酸1wt%水溶液に変更した以外は、参考例1と同様に1回、抽出操作を行った(抽出操作1回)。
参考例1と同様にして有機層での酢酸回収率を算出した結果、46.8%であった。
結果を表3に示した。
抽出操作を3回に変更した以外は、参考例5と同様に抽出操作を行った(抽出操作3回)。
参考例1と同様にして有機層での酢酸回収率を算出した結果、93.6%であった。
結果を表3に示した。
カルボン酸を含む水溶液の酢酸濃度を5wt%に変更した以外は、参考例5と同様に抽出操作を行った(抽出操作1回)。
参考例1と同様にして有機層での酢酸回収率を算出した結果、46.7%であった。
結果を表3に示した。
抽出溶媒をトルエンに変更した以外は、参考例5と同様に抽出操作を行った(抽出操作1回)。
参考例1と同様にして有機層での酢酸回収率を算出した結果、5.1%であった。
結果を表3に示した。
カルボン酸を含む水溶液をコハク酸1wt%水溶液に変更した以外は、参考例1と同様に1回抽出操作を行った(抽出操作1回)。
参考例1と同様にして有機層でのコハク酸回収率を算出した結果、45.5%であった。
結果を表3に示した。
抽出操作を3回に変更した以外は、参考例9と同様に抽出操作を行った(抽出操作3回)。
参考例1と同様にして有機層でのコハク酸回収率を算出した結果、92.8%であった。
結果を表3に示した。
カルボン酸を含む水溶液のコハク酸濃度を5wt%に変更した以外は、参考例9と同様に抽出操作を行った(抽出操作1回)。
参考例1と同様にして有機層でのコハク回収率を算出した結果、47.5%であった。
結果を表3に示した。
抽出溶媒を酢酸エチルに変更した以外は、参考例9と同様に抽出操作を行った(抽出操作1回)。
参考例1と同様にして有機層でのコハク酸回収率を算出した結果、26.9%であった。
結果を表3に示した。
参考例5~8の結果より、酢酸濃度1wt%、5wt%いずれの濃度においても、メチルエチルケトンやトルエン等の有機溶媒抽出で、酢酸が回収できることがわかる。抽出効率は、トルエンより極性が高いメチルエチルケトンの方が効果的であることがわかる。
また、抽出操作の回数を増やすことで、酢酸の回収率が向上することがわかる。
参考例9~12の結果より、コハク濃度1wt%、5wt%いずれの濃度においても、メチルエチルケトンや酢酸エチル等の有機溶媒抽出で、コハク酸が回収できることがわかる。また、抽出操作の回数を増やすことで、コハク酸の回収率が向上することがわかる。
Claims (9)
- 触媒を含む反応液中で糖からフルフラールを製造するフルフラール製造工程、および、
有機溶媒を用いた抽出によって前記反応液から触媒を回収する触媒回収工程を有するフル
フラール製造触媒の回収方法により回収したフルフラール製造触媒を用いて糖からフルフ
ラールを製造し、糖からフルフラールを製造する際に、反応溶媒として水を用い、水に対
する糖濃度が0.1〜50wt%であることを特徴とする、フルフラールの製造方法。 - 前記触媒が有機酸である、請求項1に記載のフルフラールの製造方法。
- 前記有機溶媒がエーテル、ケトン、およびエステルよりなる群の少なくとも1つから選
ばれる、請求項1又は2に記載のフルフラールの製造方法。 - 前記触媒回収工程を10℃〜80℃で行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフル
フラールの製造方法。 - 前記触媒回収工程の前に、前記反応液からフルフラールを分離するフルフラール分離工
程を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。 - 前記触媒回収工程において、前記反応液に対して5wt%〜3000wt%の有機溶媒
を用いる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。 - 前記フルフラール製造触媒を、糖に対して0.02〜50wt%用いる、請求項1〜6
のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。 - 前記糖が、炭素数5の単糖または炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖である、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。 - 糖からフルフラールを製造する際の反応温度が100℃〜250である、請求項1〜8
のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。
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