本発明は、式I
式中
Xは、NまたはCHを示し、
Yは、Het−ジイルまたはArを示し、
Q1は、(CH2)n、O(CH2)nまたは(CH2)nHet1−ジイルを示し、
Mは、(CH2)pNR3CO、CONR3、NR3またはCOを示し、
Q2は、(CH2)nOまたは(CH2)nを示し、
Bは、ArまたはHet−ジイルを示し、
Hetは、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、インドール、イソインドール、インドリン、ベンズイミダゾール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、ベンゾオキサゾール、1,3−ベンゾジオキソール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、イミダゾピリジン、ジヒドロインドール、キノキサリン、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾールまたはフロ[3,2−b]ピリジンを示し、その各々は、非置換であるか、またはHal、A、[C(R3)2]pOR3、[C(R3)2]pN(R3)2、[C(R3)2]pHet1、NO2、CN、[C(R3)2]pCOOR3、CON(R3)2、NR3COA、NR3SO2A、SO2N(R3)2、S(O)nA、COHet1、O[C(R3)2]mN(R3)2、O[C(R3)2]pHet1、NHCOOA、NHCON(R3)2、NHCOO[C(R3)2]mN(R3)2、NHCOO[C(R3)2]pHet1、NHCONH[C(R3)2]mN(R3)2、NHCONH[C(R3)2]pHet1、OCONH[C(R3)2]mN(R3)2、OCONH[C(R3)2]pHet1、CHO、COA、=S、=NR3および/もしくは=Oによって単置換もしくは二置換されており、
Arは、フェニレンを示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、[C(R3)2]pOR3、O[C(R3)2]pOR3、[C(R3)2]pN(R3)2、O[C(R3)2]pN(R3)2、[C(R3)2]pHet1、NO2、CN、[C(R3)2]pCOOR3、O[C(R3)2]pCOOR3、CON(R3)2、NR3COA、NR3SO2A、SO2N(R3)2、S(O)2A、COHet1、O[C(R3)2]pHet1、NHCOOA、NHCON(R3)2、NHCOO[C(R3)2]mN(R3)2、NHCOO[C(R3)2]pHet1、NHCONH[C(R3)2]mN(R3)2、NHCONH[C(R3)2]pHet1、OCONH[C(R3)2]mN(R3)2、OCONH[C(R3)2]pHet1、S(O)2Het1、CHOおよび/もしくはCOAによって単置換、二置換もしくは三置換されており、
Het1は、ジヒドロピロール、ピロリジン、アゼチジン、オキセタン、テトラヒドロイミダゾール、ジヒドロピラゾール、テトラヒドロピラゾール、テトラヒドロフラン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、モルホリン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、[1,3]ジオキソラン、テトラヒドロピランまたはピペラジンを示し、それは、非置換であるか、またはHal、CN、OH、OA、COOA、CONH2、S(O)2A、S(O)2Ar、COA、Aおよび/もしくは=Oによって単置換もしくは二置換されており、
Aは、1〜10個のC原子を有し、ここで1つまたは2つの隣接していないCHおよび/またはCH2基がN、Oおよび/またはS原子によって置き換えられていてもよく、かつここで1〜7個のH原子がFまたはClによって置き換えられていてもよい、非分枝状または分枝状アルキルを示し、
R3は、Hまたは1、2、3もしくは4個のC原子を有するアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、1、2、3、4または5を示し、
mは、1、2または3を示し、
pは、0、1、2、3または4を示す、
で表される化合物、
ならびにそれらの薬学的に使用可能な溶媒和物、塩、互変異性体および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物に関する。
本発明はまた、これら化合物の光学活性体(立体異性体)、エナンチオマー、ラセミ体、ジアステレオマー、ならびに、水和物および溶媒和物にも関する。
本発明はまた、式Iで表される化合物の塩の溶媒和物、例えば塩酸塩の一水和物または二水和物にも関する。
さらに、本発明は、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る誘導体に関する。
用語、溶媒和物は、それらの相互引力により形成された、化合物上への不活性溶媒分子の付加物(adduction)を意味するものとする。溶媒は、例えば、一水和物もしくは二水和物またはアルコラートである。
用語、薬学的に許容し得る誘導体は、例えば、本発明による化合物の塩、ならびにまたプロドラッグ化合物を意味するものとする。
本明細書中において用いられ、および別段の指示がない限り、用語「プロドラッグ」は、生物学的条件(in vitroまたはin vivo)下で加水分解、酸化または別の反応がなされ、活性化合物、特に式Iで表される化合物を提供する、式Iで表される化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例は、これらに限定されないが、生体加水分解性(biohydrolyzable)部分、例えば生体加水分解性アミド、生体加水分解性エステル、生体加水分解性カルバマート、生体加水分解性カーボネート、生体加水分解性ウレイドおよび生体加水分解性ホスファート類似物などを含む式Iで表される化合物の誘導体および代謝産物を含む。ある態様において、カルボキシル官能基を有するプロドラッグ化合物は、カルボン酸の低級アルキルエステルである。カルボキシラートエステルは、分子上に存在するカルボン酸部分のいずれかをエステル化することによって、簡便に形成される。プロドラッグは、典型的には、周知の方法、例えばBurger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery 6th ed. (Donald J. Abraham ed., 2001, Wiley) およびDesign and Application of Prodrugs (H.Bundgaard ed., 1985, Harwood Academic Publishers Gmfh)に記載されるものなどを使用して製造することができる。
表現「有効量」は、組織、系、動物またはヒトにおいて、例えば研究者もしくは医師に、探索されているか、または所望されている生物学的または医学的応答を引き起こさせる医薬のまたは薬学的に活性な成分の量を示す。
加えて、表現「治療有効量」は、この量を施与されていない対応する対象と比較して、以下の転帰を有する量を表す:
疾患、症候群、状態、愁訴、障害もしくは副作用の、改善された処置、治癒、予防または排除、あるいはまた、疾患、愁訴または障害の進行の低減。
表現「治療有効量」はまた、正常な生理学的機能を増加させるのに有効である量も包含する。
本発明はまた、式Iで表される化合物の混合物、例えば2種のジアステレオマーの、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比率での混合物の使用に関する。
これらは、特に好ましくは立体異性化合物の混合物である。
「互変異性体」は、互いに平衡状態にある化合物の異性体に言及する。異性体の濃度は、化合物が見出される環境に依存し、例えば、化合物が固体であるか、または有機溶液もしくは水性溶液中にあるかによって異なり得る。
本発明は、式Iで表される化合物およびそれらの塩に、ならびに式Iで表される化合物ならびにそれらの薬学的に使用可能な塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体の製造方法であって、
a) ここで、式Iにおいて、Mは、(CH2)pNR3COを示す、
式II
式中、X、Y、Q1、Q2、B、R3およびpは、請求項1において示した意味を有し、Lは、Cl、Br、Iまたは遊離の、もしくは反応的に官能的に修飾されたOH基を示す、
で表される化合物を環化し、
ならびに/あるいは
式Iで表される塩基または酸を、その塩の1種に変換する
ことを特徴とする、前記方法に関する。
本明細書中で、明示的に別段の定めをした場合を除き、ラジカルX、Y、Q1、M、Q2およびBは、式Iに示した意味を有する。
Aは、アルキルを示し、これは非分枝状(直鎖状)または分枝状であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。Aは、好ましくはメチル、さらにはエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにはまたペンチル、1−、2−もしくは3−メチルブチル、1,1−、1,2−もしくは2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−もしくは4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−もしくは3,3−ジメチルブチル、1−もしくは2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−もしくは1,2,2−トリメチルプロピル、さらに好ましくは、例えばトリフルオロメチルを示す。
Hetは、好ましくはピラゾールを示す。
Arは、好ましくはフェニレンを示す。
Het1は、好ましくはピペラジンまたはピペリジンを示す。
R3は、好ましくはHまたはメチルを示す。
Halは、好ましくはF、ClまたはBr、しかしまたI、特に好ましくはFまたはClを示す。
本発明をとおして、1回以上現れるすべてのラジカルは、同一のであっても異なっていてもよく、すなわち、互いに独立している。
式Iで表される化合物は、1個または2個以上のキラル中心を有してもよく、よって、様々な立体異性体の形態に現れ得る。式Iはこれらすべての形態を包含する。
したがって、本発明は特に、式Iで表され、式中前記ラジカルの少なくとも1つが上に示した好ましい意味の1つを有する化合物に関する。いくつかの好ましい群の化合物は、以下の従属式Ia〜Idによって表され得、それは式Iに適合し、ここでより詳細に指定しないラジカルは、式Iについて示した意味を有するが、ここで
Iaにおいて、Hetは、ピラゾールを示し;
Ibにおいて、Arは、フェニレンを示し;
Icにおいて、Het1は、ピペリジンまたはピペラジンを示し;
Icにおいて、R3は、Hまたはメチルを示し;
Idにおいて、Xは、NまたはCHを示し、
Yは、Het−ジイルまたはArを示し、
Q1は、(CH2)n、O(CH2)nまたは(CH2)nHet1−ジイルを示し、
Mは、(CH2)pNR3CO、CONR3、NR3またはCOを示し、
Q2は、(CH2)nOまたは(CH2)nを示し、
Bは、ArまたはHet−ジイルを示し、
Hetは、ピラゾールを示し、
Arは、フェニレンを示し、
Het1は、ピペリジンまたはピペラジンを示し、
R3は、Hまたはメチルを示し、
nは、1、2、3、4または5を示し、
pは、0、1、2、3または4を示す、
ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体であり、すべての比率でのそれらの混合物を含む。
式Iで表される化合物およびまたそれらの製造のための出発材料もまた、正確には、論文に記載されているそれ自体知られている方法で(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的学術書において)、製造する。ここで、ここではより詳細に言及されていない、それ自体知られている変形の使用もまたなされ得る。
式Iで表される化合物を好ましくは、式IIで表される化合物を環化することにより得ることができる。
式IIで表される出発化合物は、一般に知られている。しかしそれらが新規である場合は、それらを、自体知られている方法によって製造することができる。
式IIで表される化合物において、Lは、好ましくはCl、Br、Iあるいは遊離の、または反応的に修飾されたOH基、例えば1〜6個のC原子を有する活性化されたエステル、イミダゾリドもしくはアルキルスルホニルオキシ(好ましくはメチルスルホニルオキシもしくはトリフルオロメチルスルホニルオキシ)または6〜10個のC原子を有するアリールスルホニルオキシ(好ましくはフェニルもしくはp−トリルスルホニルオキシ)を示す。
当該反応を、一般に、酸結合剤、好ましくは有機塩基、例えばDIPEA、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジンまたはキノリンの存在下で行う。
アルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩またはアルカリもしくはアルカリ土類金属、好ましくはカリウム、ナトリウム、カルシウムもしくはセシウムの弱酸の別の塩の添加は、また好ましい場合がある。
使用される条件に依存して、反応時間は、数分間〜14日間であり、反応温度は、約−30°〜140°、通常は−10°〜90°、特に約0°〜約70°である。
好適な不活性溶媒の例は、炭化水素類、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなど;塩素化炭化水素類、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムもしくはジクロロメタンなど;アルコール類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなど;エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサンなど;グリコールエーテル類、エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ダイグライム)など;ケトン類、アセトンもしくはブタノンなど;アミド類、アセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF)など;ニトリル類、アセトニトリルなど;スルホキシド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)など;二硫化炭素類;カルボン酸類、ギ酸もしくは酢酸など;ニトロ化合物類、ニトロメタンもしくはニトロベンゼンなど;エステル類、酢酸エチルなど、または、該溶媒の混合物である。
特に好ましいのは、アセトニトリル、ジクロロメタンおよび/またはDMFである。
薬学的な塩および他の形態
本発明による当該化合物は、それらの最終非塩形態で使用することができる。一方で、本発明はまた、当該技術分野において知られている手順によりさまざまな有機および無機の酸ならびに塩基から誘導され得る、それらの薬学的に許容し得る塩の形態でのこれらの化合物の使用も包含する。式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩形態は、ほとんどの部分が、従来の方法により製造される。式Iで表される化合物がカルボキシル基を含む場合、その好適な塩の1つは、その化合物を好適な塩基と反応させて、対応する塩基付加塩を得ることにより、形成され得る。
かかる塩基は、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムなど;アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化バリウムおよび水酸化カルシウムなど;アルカリ金属アルコキシド、例えばカリウム・エトキシドおよびナトリウム・プロポキシドなど;ならびに、さまざまな有機塩基類、例えばピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチル−グルタミンなどである。式Iで表される化合物のアルミニウム塩も同様に含まれる。式Iで表されるある化合物の場合、酸付加塩は、これらの化合物を、薬学的に許容し得る有機酸および無機酸、例えばハロゲン化水素、例えば、塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素のなど、他の鉱酸およびその対応する塩、硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、ならびにアルキルスルホン酸塩、例えばエタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩およびモノアリールスルホン酸塩、ならびに他の有機酸およびその対応する塩、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などの、と処置することによって形成され得る。
したがって、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩は、以下を含む:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギナート(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素化物、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ガラクテル酸塩(粘液酸からのもの)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素化物、2−ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩、しかしこれは限定を表さない。
さらに、本発明による化合物の塩基性塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛の塩を含むが、これが限定を表すことは意図されない。前述した塩のうち、好ましいのは、アンモニウム;アルカリ金属塩類ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属類カルシウムおよびマグネシウムである。薬学的に許容し得る有機非毒性塩基に由来する式Iで表される化合物の塩は、第一級、第二級および第三級アミン、置換アミン、ならびに天然由来の置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)などを含むが、これが限定を表すことは意図されない。
塩基性窒素含有基を含む本発明の化合物は、薬剤、例えばハロゲン化(C1〜C4)アルキル、例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C1〜C4)アルキル硫酸塩、例えば、硫酸ジメチル、ジエチルおよびジアミル;ハロゲン化(C10〜C18)アルキル、例えば塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにハロゲン化アリール(C1〜C4)アルキル、例えば、塩化ベンジルおよび臭化フェネチルなどを使用して四級化され得る。本発明による水溶性化合物と油溶性化合物の両方が、かかる塩を使用して製造され得る。
好ましい前述の薬学的な塩は、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバル酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンを含むが、これが限定を表すことは意図されない。
特に好ましいのは、塩酸塩、二塩酸塩、臭化水素酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、リン酸塩、硫酸塩およびコハク酸塩である。
式Iで表される塩基性化合物の酸付加塩は、遊離塩基形態を十分量の所望の酸と接触させ、慣用の様式で塩を形成させることにより製造される。遊離塩基は、塩形態を塩基と接触させ、慣用の様式で遊離塩基を単離することにより、再生させることができる。遊離塩基形態は、特定の物性例えば極性溶媒中での溶解性などに関し、その対応する塩形態と、ある点において異なる;しかしながら、本発明の目的に対し、塩は、他の点においては、そのそれぞれの遊離塩基形態に対応する。
前述のように、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩は、金属類またはアミン類、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミンなどと形成される。好ましい金属類は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミン類は、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
本発明による酸性化合物の塩基付加塩は、遊離酸形態を十分量の所望の塩基と接触させ、慣用の様式で塩を形成させることにより製造される。遊離酸は、塩形態を酸と接触させ、慣用の様式で遊離酸を単離することにより、再生され得る。遊離酸形態は、特定の物性、例えば極性溶媒中での溶解性などに関し、その対応する塩形態と、ある点において異なる;しかしながら、本発明の目的に対し、塩は、他の点においては、そのそれぞれの遊離の酸形態に対応する。
本発明による化合物が、このタイプの薬学的に許容し得る塩を形成させることができる1個より多い基を含む場合、本発明はまた、多重塩をも包含する。典型的な多重塩形態は、例えば、重酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、二メグルミン塩、二リン酸塩、二ナトリウム塩および三塩酸塩を含むが、これが制限を表すことは意図されない。
上で述べたことに関し、本発明に関連する表現「薬学的に許容し得る塩」は、特に、この塩形態が、以前に使用されていた活性成分の遊離体または活性成分のあらゆる他の塩形態と比較して、活性成分に薬物速度論的特性を付与する場合に、式Iで表される化合物をその塩の1つの形態で含む活性材料を意味するものとする。活性材料の薬学的に許容し得る塩はまた、従前有していなかった所望の薬物速度論的特性を有するこの活性成分を初めて提供することもでき、また体内での治療効果に関し、この活性材料の薬力学に対して正の影響すら有することができる。
同位体
さらに、式Iで表される化合物がその同位体で標識されたその形態を含むことが意図される。式Iで表される化合物の同位体標識された形態は、化合物の1個または2個以上の原子が通常天然に存在する原子の原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子(単数)または原子(複数)によって置き換えられているという事実以外は、この化合物と同一である。
容易に商業的に入手でき、周知の方法によって式Iで表される化合物に包含させることができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えば、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clを含む。上述の同位体および/または他の原子の他の同位体の1種または2種以上を含む式Iで表される化合物、そのプロドラッグまたは薬学的に許容し得る塩が、本発明の一部であることが意図される。
式Iで表される同位体標識した化合物を、多数の有益な方法で使用することができる。例えば、放射性同位体、例えば3Hまたは14Cなどが包含された式Iで表される同位体標識化合物は、医薬および/または基質組織分布アッセイに適している。これらの放射性同位体、つまりトリチウム(3H)および炭素14(14C)は、単純な調製および優れた検出能のために特に好ましい。より重い同位体、例えば重水素(2H)の式Iで表される化合物中への包含は、この同位体標識化合物のより高い代謝安定性のために治療的利点を有する。
より高い代謝安定性は、増加したin vivoでの半減期またはより低い投与量へと直接的に転換され、これは、ほとんどの状況下での本発明の好ましい態様を表す。式Iで表される同位体標識化合物は、本文中の合成スキームおよび関連する記載に、例の部に、ならびに製造の部に開示した手順を、容易に利用可能な同位体標識反応体により非同位体方式反応体を置き換えて実行することによって、製造することができる。
重水素(2H)をまた、化合物の酸化的代謝を一次的な速度論的同位体効果によって操作するための目的で、式Iで表される化合物に包含させることができる。一次的な速度論的同位体効果は、同位体核の交換に起因する化学反応のための速度の変化であり、それは次に、この同位体交換の後に共有結合形成に必要な基底状態エネルギーの変化によって引き起こされる。より重い同位体の交換の結果、通常化学結合のための基底状態エネルギーの低下がもたらされ、したがって律速的な結合破壊の速度の低下が生じる。
結合破壊が多重生成物反応の配位に沿った鞍点領域において、またはその近辺で生じる場合には、生成物分布比を、実質的に変動させることができる。説明のために:重水素が炭素原子に交換可能でない位置において結合する場合には、kM/kD=2〜7の速度差が、典型的である。この速度差を酸化を受けやすい式Iで表される化合物に成功に適用する場合には、in vivoでこの化合物のプロフィールを大幅に修正し、改善された薬物動態学的特性をもたらすことができる。
治療薬を発見し、開発する場合には、当業者は、薬物動態学的パラメーターを最適化し、同時に所望のin vitro特性を保持することを試みる。乏しい薬物動態学的プロフィールを有する多くの化合物が酸化的代謝を受けやすいことを推測することが、合理的である。
現在利用可能なin vitroでの肝臓ミクロソームアッセイは、このタイプの酸化的代謝の経過についての有用な情報を提供し、それによって次に、かかる酸化的代謝に対する耐性によって改善された安定性を有する式Iで表される重水素化された化合物の合理的な設計が可能になる。
式Iで表される化合物の薬物動態学的プロフィールにおける著しい改良が、それによって得られ、in vivo半減期(t/2)、最大の治療効果における濃度(Cmax)、用量反応曲線およびFの下の面積(AUC)の増加の点において;ならびに低下したクリアランス、用量および物質コストの点において定量的に表すことができる。
以下は、上記のものを例示することを意図する:酸化的代謝のための攻撃の複数の潜在的な部位、例えばベンジル水素原子および窒素原子に結合した水素原子を有する式Iで表される化合物を、水素原子の様々な組み合わせが重水素原子によって置き換えられ、したがってこれらの水素原子のいくつか、ほとんどまたはすべてが重水素原子によって置き換えられている一連の類似体として製造する。半減期決定によって、酸化的代謝に対する耐性の改善が改善される程度の程度の好ましく、かつ正確な決定が可能になる。このようにして、基本化合物の半減期を、このタイプの重水素−水素交換の結果100%までによって延長することができることが決定される。
式Iで表される化合物における重水素−水素交換をまた使用して、所望されない有毒な代謝産物を減少させるかまたは消失させるための出発化合物の代謝産物範囲の好ましい修正を達成することができる。例えば、有毒な代謝産物が酸化的炭素−水素(C−H)結合開裂によって生じる場合には、重水素化された類似体が、特定の酸化が律速ステップでない場合であっても所望されない代謝産物の産生を大幅に減少させるかまたは消失させるであろうことを合理的に推測することができる。重水素−水素交換に関しての最先端技術に関するさらなる情報は、例えばHanzlik et al., J. Org. Chem. 55, 3992-3997, 1990、Reider et al., J. Org. Chem. 52, 3326-3334, 1987、Foster, Adv. Drug Res. 14, 1-40, 1985、Gillette et al, Biochemistry 33(10) 2927-2937, 1994およびJarman et al. Carcinogenesis 16(4), 683-688, 1993に見出され得る。
さらに、本発明は、式Iで表される化合物および/またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、あらゆる比率でのそれらの混合物の少なくとも1種、ならびに任意に、賦形剤および/またはアジュバントを含む医薬に関する。
医薬処方物は、予め決定した量の投薬単位毎に活性成分を含む投与単位の形態で投与され得る。かかる単位は、例えば、0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、特に好ましくは5mg〜100mgの本発明による化合物を含み得、処置される疾患、投与方法および年齢、体重および患者の状態に応じてか、または、医薬処方物は、予め決定した量の投薬単位毎に活性成分を含む投薬単位の形態で投与され得る。好ましい投薬単位処方物は、先に示されるように、活性成分の1日用量または部分用量、あるいはその対応する画分を含むものである。さらに、このタイプの医薬処方物は、薬学の分野において一般的に知られている方法を使用して製造され得る。
医薬処方物は、任意の所望する好適な方法を介する投与に適合され得、例えば、経口(口腔または舌下を含む)、経直腸、経鼻、局所(口腔、舌下または経皮を含む)、経膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内を含む)の方法による。かかる製剤は、薬学の分野で知られているあらゆる方法を使用して、例えば、活性成分に賦形剤(単数または複数)またはアジュバント(単数または複数)を組み合わせることにより調製され得る。
経口投与に適合させた医薬処方物を、例えば、カプセルまたは錠剤;粉末または顆粒;水性または非水性液体中の溶液または懸濁液;食用泡(edible foam)または泡食品(foam food);あるいは、水中油滴型液体エマルションまたは油中水滴型液体エマルション、などの別個の単位として投与することができる。
よって、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合には、活性成分の成分を、例えば、エタノール、グリセリン、水などの経口用の、無毒性である、薬学的に許容し得る不活性賦形剤と組み合わせることができる。粉末を、化合物を好適な微細サイズの粉末状にし、それを類似の方法で粉末状にした、例えばデンプンまたはマンニトールなどの、例えば食用炭水化物などの薬学的賦形剤と混合することにより調製する。フレーバー剤、保存料、分散剤および色素が、同様に存在してもよい。
カプセルは、前記のように粉末混合物を調製し、これでゼラチンの殻を充填することにより製造される。例えば固体形態の、高分散ケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールなどの流動促進剤および潤滑剤を、充填操作の前に粉末混合物に加えてもよい。例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤もまた、カプセルが摂取された後の医薬の利用率を高めるために、同様に加えてもよい。
加えて、所望の場合または必要な場合、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに色素も、同様に混合物中に組み入れてもよい。好適な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然糖、例えばグルコースまたはベータ−ラクトースなど、トウモロコシから作られる甘味料、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどを含む。これらの剤形に使用される潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを含む。崩壊剤は、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどを含むが、これらに限定されない。
錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、混合物を顆粒化するか、または乾式プレスし、潤滑剤および崩壊剤を添加し、混合物全体を圧縮して錠剤が得ることにより処方される。粉末混合物は、前記のように、好適な方法で粉末化された化合物を、希釈剤または基剤と、および任意に結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドンなど、溶解遅延剤、例えばパラフィンなど、吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム塩などおよび/または吸収剤、例えばベントナイト、カオリンまたはリン酸二カルシウムなどと混合することにより調製される。粉末混合物は、それを結合剤、例えばシロップ、デンプンペースト、アカシア粘液またはセルロースまたはポリマー材料の溶液などにより湿潤させ、ふるいを通してそれを圧縮することにより顆粒化することができる。顆粒化の代替として、粉末混合物は、打錠機に通され、砕かれて顆粒を形成する不均一な形状の塊が得られ得る。
顆粒は、錠剤の型に付着することを防ぐために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油の添加により潤滑化され得る。潤滑化された混合物は、次いで圧縮され、錠剤が得られる。本発明による化合物はまた、自由流動不活性賦形剤と組み合わされて、次いで直接圧縮され、顆粒化または乾式プレスを行わずに錠剤が得られ得る。セラックシーリング層、糖またはポリマー材料の層およびワックスの光沢層からなる、透明なまたは不透明な保護層が存在してもよい。色素は、異なる投薬単位を差別化することを可能にするために、これらの被膜に添加され得る。
例えば、溶液、シロップおよびエリキシルなどの経口液体は、所定の量が予め特定された量の化合物を含むような、投与単位の形態で調製され得る。シロップは、水溶液中で好適なフレーバー剤とともに化合物を溶解させることにより調製することができ、一方、エリキシルは、無毒性アルコールビヒクルを使用して調製される。懸濁液は、無毒性ビヒクル中の化合物の分散により処方され得る。例えばエトキシ化されたイソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存料、例えばペパーミント油または天然甘味料またはサッカリンなどのフレーバー添加剤あるいは他の人工甘味料なども、同様に添加され得る。
経口投与のための用量単位製剤を、所望の場合には、マイクロカプセルにカプセル化することができる。製剤をまた、放出が延長または遅延されるように、例えば、ポリマー、ワックスなどの中に粒子状材料を被覆することまたは包埋することなどにより調製することができる。
式Iで表される化合物、および、それらの塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体はまた、例えば小型単層ベシクル、大型単層ベシクルおよび多層ベシクルなどのリポソーム送達系の形態でも投与され得る。リポソームは、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどのさまざまなリン脂質から形成され得る。
式Iで表される化合物、および、それらの塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体はまた、化合物分子が結合している個々の担体としてのモノクローナル抗体を使用しても送達され得る。化合物はまた、標的医薬担体として可溶性ポリマーに結合され得る。かかるポリマーは、パルミトイルラジカルで置換された、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノールまたはポリエチレンオキシドポリリジンを包含してもよい。化合物は、さらに、医薬の制御放出を達成するのに好適な生分解性ポリマーのクラス、例えばポリ乳酸、ポリ−イプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリレートおよび架橋または両親媒性の、ヒドロゲルのブロックコポリマーなどと結合されていてもよい。
経皮投与に適合された医薬処方物を、独立した膏薬として、レシピエントの表皮との広範かつ密接な接触のために、投与することができる。よって、例えば、活性成分を、一般論としてPharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に記載されるように、膏薬からイオン泳動により、送達することができる。
局所投与に適合された薬学的化合物を、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ジェル、スプレー、エアロゾルまたはオイルとして処方することができる。
眼または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置のために、製剤を、好ましくは、局所的軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を得るための製剤の場合において、活性成分を、パラフィン性または水混和性のクリーム基剤のいずれかとともに用いることができる。代替的に、活性成分を処方し、水中油滴型クリーム基剤または油中水滴型基剤を有するクリームとして得ることができる。
眼への局所適用に適合された医薬処方物には、活性成分が、好適な担体に、特に水性溶媒に溶解されるか、または懸濁された点眼剤が含まれる。
口腔中の局所適用に適合された医薬処方物には、薬用キャンディー、トローチおよびマウスウォッシュが包含される。
直腸投与に適合された医薬処方物を、坐薬または浣腸の形態で投与することができる。
担体物質が固体である、経鼻投与に適合された医薬処方物には、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒径を有し、鼻から吸い込んで摂取される方法で、すなわち鼻の近傍に保持され、粉末を含有する容器から鼻腔を経由した急速な吸入により投与される粗粉末を含む。担体物質として液体を伴う鼻腔用スプレーまたは点鼻剤に好適な処方物には、水または油中の活性成分溶液が包含される。
吸入による投与に適合された医薬処方物には、エアロゾル、噴霧器または吸入器を備えた種々の加圧ディスペンサーにより発生させることができる、微粒子ダストまたはミストが包含される。
膣内投与に適合された医薬処方物を、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、泡またはスプレー処方物として投与することができる。
非経口投与に適合された医薬処方物は、抗酸化剤、緩衝液、静菌物質(bacteriostatics)および溶質を含み、それにより処方物は処置されるべきレシピエントの血液と等張とされる水性および非水性の滅菌注射溶液;ならびに、懸濁媒体および増粘剤を含んでもよい水性および非水性の滅菌懸濁液を含む。処方物は、例えば密封アンプルおよびバイアルなどの単回用量または複数回投与容器で投与されることができ、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵されることができ、使用直前の、例えば注射用の水などの滅菌担体溶液の添加のみが必要とされるようにできる。レシピに従って調製された注射溶液および懸濁液は、滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。
特に前述した構成成分に加え、製剤にはまた、特定のタイプの製剤に関し、当該技術分野において通常の他の剤も含まれていてもよいことは言うまでもなく;よって、例えば、経口投与に好適な製剤には、フレーバー剤が含まれていてもよい。
式Iで表される化合物の治療有効量は、複数の因子に応じて、例えば、動物の年齢および体重、処置が求められる正確な疾患、その重症度、処方物の性質および投与の方法が含まれ、最終的には処置する医師または獣医により決定される。しかしながら、本発明による化合物の有効量は、一般的に、1日当たりレシピエント(哺乳動物)の体重の0.1〜100mg/kgの範囲であり、特に典型的には、1日当たり体重の1〜10mg/kgの範囲である。よって、70kgの体重である成体の哺乳動物について、1日当たりの実際の量は、通常70〜700mgであり、ここで、この量を、1日当たり単回用量でまたは通常1日あたり一連の部分用量(例えば2、3、4、5または6など)で投与することができ、これにより1日の全体用量が同一となる。それらの塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体の有効量は、本発明による化合物自体の有効量の割合として決定され得る。類似の用量も前述の他の疾患の処置に好適であると想定され得る。
開示された式Iで表される化合物は、RA(リウマチ性関節炎)の処置のための薬剤などの、他の公知の治療剤と組み合わせて投与することができる。本明細書で用いられる、用語「RAの処置のための薬剤」は、RAを処置する目的で、RAを有する患者に投与される任意の薬剤に関する。
以下の医薬は、好ましくは、式Iで表される化合物と併用されるが、排他的にではない:
1. NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)および鎮痛剤
2. グルココルチコイド(低経口用量)
3. 慣用の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)
− メトトレキサート
− レフルノミド
− スルファサラジン
− ヒドロキシクロロキン
− アザチオプリン
− シクロスポリン
− ミノサイクリン
− 金
4. 生物学的反応修飾物質(BRMs)→炎症プロセスに関与する標的分子/免疫細胞、および以下の剤を含む:
− TNF阻害剤
− エタネルセプト(Enbrel)
− インフリキシマブ(Remicade)
− アダリムマブ(Humira)
− B細胞指向性療法
− リツキシマブ(Rituxan)
− T細胞/B細胞共活性化シグナル阻害剤
− アバタセプト(Orencia)
− IL−1受容体アンタゴニスト
− アナキンラ(Kineret)
このタイプの併用処置は、処置の個々の成分の同時の、連続の、または別個の施与により、達成され得る。このタイプの併用製品は、本発明による化合物を用いる。
本発明は、さらに、式Iで表される少なくとも1種の化合物、ならびに/または、それらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびに、あらゆる比率でのそれらの混合物と、少なくとも1種のさらなる医薬活性材料とを含む医薬に関する。
本発明はまた、
(a)有効量の式Iで表される化合物、ならびに/または、それらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびに、あらゆる比率でのそれらの混合物、
ならびに、
(b)有効量のさらなる医薬活性材料
の個別のパックからなるセット(キット)にも関する。
セットは、好適な容器、例えば箱、個別の瓶、袋またはアンプルなどを含む。セットは、例えば、それぞれが、有効量の式Iで表される化合物、ならびに/または、それらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびにあらゆる比率でのそれらの混合物、ならびに、溶解されたか、または凍結乾燥された形態での有効量のさらなる医薬活性材料を含む、小分けされたアンプルを含む。
本明細書で使用される「処置する」は、障害もしくは疾患に関連する症状の全体でまたは一部の緩和、あるいは、それらの症状のさらなる進行もしくは悪化の遅延または停止、あるいは、疾患もしくは障害を発症するリスクがある対象における該疾患もしくは該障害の阻止または予防を意味する。
式(I)で表される化合物に関係する用語「有効量」は、障害もしくは疾患に関連する症状の全部または一部を軽減すること、あるいは、それらの症状のさらなる進行もしくは悪化を遅らせることまたは停止させること、あるいは、炎症状態、免疫学的状態、癌、メタボリック状態、神経変性状態、慢性感染症またはキナーゼまたはキナーゼ経路、一態様においてGCN2経路の阻害によって処置可能であるかまたは阻止可能である状態などの本明細書に開示される疾患を有するか、または該疾患を発症するリスクがある対象において疾患もしくは障害を阻止するかまたは予防を提供することができる量を意味し得る。別の態様において、これは、GCN2、FMS(CSF1R)、FLT3もしくはFLT4またはその組み合わせの群からのキナーゼまたはキナーゼ経路の阻害によって処置可能であるかまたは阻止可能である状態に関する。
一態様において、式Iで表される化合物の有効量は、例えばin vitroまたはin vivoなどでの細胞におけるキナーゼを阻害する量である。いくつかの態様において、有効量の式(I)で表される化合物は、細胞中のキナーゼを、非処置の細胞中のキナーゼの活性と比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または99%阻害する。例えば医薬組成物中の、式(I)で表される化合物の有効量は、所望の効果を発揮するであろうレベルであってもよい;例えば、経口投与および非経口投与の両方のための単位投薬において、対象の体重の約0.005mg/kg〜対象の体重の約10mg/kg。
使用
本化合物は、免疫調節およびストレス応答キナーゼ誘発疾患の処置において哺乳動物のための、特にヒトのための医薬活性成分として好適である。これらの疾患は、固形腫瘍癌、リンパ系または血液系の癌、腫瘍細胞の増殖、固形腫瘍の成長を促進する病理学的新血管形成(または血管新生)、神経変性疾患(アルツハイマー病、脱髄性コア障害多発性硬化症など)、免疫関連障害、例えば関節炎、乾癬、ループス、または他の自己免疫疾患および慢性感染症を含むが、それらには限定されない新生物の悪性腫瘍を含む。
本発明は、式Iで表される化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、癌の処置または阻止のための医薬の製造のための使用を包含する。処置に関する好ましい癌は、脳の癌、尿生殖路癌、リンパ系の癌腫、胃癌、喉頭癌および肺癌の群から生じる。癌の好ましい形態のさらなる群は、単球性白血病、肺腺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、膠芽腫、黒色腫および乳癌である。癌の好ましい形態のさらなる群は、子宮頸癌、神経芽細胞腫、精巣癌、マクログロブリン血症および肉腫を含むが、それらには限定されない。
本発明の請求項1に記載の化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、神経障害、特に神経変性疾患、例えば軸索変性によって、またはタンパク質プラーク堆積によって生じた疾患の処置または阻止のための医薬の製造のための使用がまた、包含される。神経変性疾患は、例えば脱髄性コア障害、例えば多発性硬化症、急性横断性脊髄炎、筋萎縮性側索硬化症、クロイツフェルト・ヤコブ病またはアルツハイマー病を含む。
本発明の請求項1に記載の化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、慢性感染症の処置のための医薬の製造のための使用が、さらに包含される。かかる慢性感染症は、寄生生物、例えばハンセン病へのリーシュマニア、またはHIVなどによるウイルス感染に関し得る。
本発明の請求項1に記載の化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、血管新生が関与する疾患の処置または予防のための医薬の製造のための使用が、さらに包含される。
血管新生が関与するかかる疾患は、眼の疾患、例えば網膜血管化、糖尿病性網膜症、年齢誘発黄斑変性などである。
本発明は、請求項1に記載の化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、免疫関連障害、例えば強直性脊椎炎、関節炎、再生不良性貧血、ベーチェット病、1型糖尿病、移植片対宿主病、グレーブス病、自己免疫性溶血性貧血、ウェゲナー肉芽腫症、高IgE症候群、特発性血小板減少性紫斑病、関節リウマチ、クローン病、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬およびループス、特に自己免疫疾患の処置または阻止のための医薬の製造のための使用を包含する。それをまた使用して、臓器拒絶反応、骨髄移植片拒絶、骨髄非破壊的骨髄移植片拒絶を処置し、骨髄非破壊的移植前処置の後の骨髄生着を増強し、それらを組み合わせてもよい。
式Iで表される化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、哺乳動物における免疫調節もしくはストレス応答キナーゼ誘発性疾患または免疫調節もしくはストレス応答キナーゼ誘発性状態の処置または阻止のための医薬の製造のための使用がまた包含され、ここでこの方法に対して、治療的に有効な量の本発明の化合物を、かかる処置を必要とする疾患哺乳動物に投与する。治療的量は、特定の疾患に従って変動し、過度の努力を伴わずに当業者によって決定され得る。
本発明はまた、式Iで表される化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、網膜血管化の処置または阻止のための医薬の製造のための使用を包含する。
表現「免疫調節またはストレス応答キナーゼ誘発性疾患または状態」は、1種または2種以上の免疫調節またはストレス応答キナーゼの活性に依存する病理学的状態を指す。免疫調節またはストレス応答キナーゼは、増殖、付着および移動および分化を含む様々な細胞活性のシグナル伝達経路に直接または間接的に関与する。免疫調節またはストレス応答キナーゼ活性と関連する疾患は、新生物の悪性腫瘍(固形腫瘍癌、リンパ系または血液系の癌など)、神経変性疾患、免疫関連障害、例えば関節炎、乾癬、ループス、多発性硬化症または他の自己免疫疾患および慢性感染症を含む。
本発明は特に、GCN2の阻害、調節および/または調整が役割を果たす疾患の処置に使用するための、式Iで表される化合物、および、それらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびに、あらゆる比率でのそれらの混合物に、関する。
本発明は特に、GCN2の阻害に使用するための、式Iで表される化合物、および、それらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびに、あらゆる比率でのそれらの混合物に、関する。
本発明は特に、新生物の悪性腫瘍(固形腫瘍癌、リンパ系または血液系の癌など)、神経変性疾患、免疫関連障害、例えば関節炎、乾癬、ループス、多発性硬化症または他の自己免疫疾患および慢性感染症の処置のための使用のための、式Iで表される化合物、ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物に関する。
特に好ましいのは、疾患の処置のための使用であり、ここで疾患は、新生物の悪性腫瘍である。
新生物の悪性腫瘍は、好ましくは、肺、扁平上皮、膀胱、胃、腎臓、頭頸部、食道、子宮頸部、甲状腺、腸、肝臓、脳、前立腺、尿生殖路、リンパ系、胃および/または喉頭の腫瘍の群から選択される。
新生物の悪性腫瘍は、さらに好ましくは、肺腺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、神経膠芽腫、結腸癌および乳癌の群から選択される。
好ましいのは、さらに、血液および免疫系の新生物の悪性腫瘍の処置のための、好ましくは急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病および/または慢性リンパ性白血病の群から選択された腫瘍の処置のための使用である。
本発明は特に、炎症状態、免疫学的状態、自己免疫状態、アレルギー状態、リウマチ状態、血栓症状態、癌、感染症、神経変性疾患、神経炎症疾患、心血管疾患または代謝的状態の処置または阻止方法であって、それを必要としている対象に、有効量の式Iで表される化合物またはそれらの薬学的に許容し得る塩、互変異性体、立体異性体もしくは溶媒和物を投与することを含む、前記方法に関する。
別の観点において、前記キナーゼを発現する細胞におけるキナーゼの阻害方法であって、前記細胞を有効量の式Iで表される化合物またはそれらの薬学的に許容し得る塩、互変異性体、立体異性体もしくは溶媒和物と接触させることを含む、前記方法を、本明細書中で提供する。一態様において、キナーゼは、GCN2またはその変異体もしくはアイソフォーム、あるいはそれらの2つまたは3つ以上の組み合わせである。
式Iで表される化合物が、処置するかまたは阻止するのに有用である代表的な免疫学的状態は、ベーチェット症候群、非アレルギーマスト細胞疾患(例えばマスト細胞症およびアナフィラキシーの処置)、強直性脊椎炎、骨関節炎、関節リウマチ(RA)、多発性硬化症、ループス、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、重症筋無力症、グレーブス病、移植片拒絶、体液性移植片拒絶、非体液性移植片拒絶、細胞の移植片拒絶、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)、特発性血小板減少性紫斑病、糖尿病、細菌、寄生虫に対する免疫学的応答、蠕虫寄生またはウイルス感染症、湿疹、皮膚炎、移植片対宿主病、グッドパスチャー疾患、新生児の溶血性疾患、自己免疫性溶血性貧血、抗リン脂質抗体症候群、ANCA関連血管炎、チャーグ・ストラウス症候群、ウェゲナー肉芽腫症、尋常性天疱瘡、血清病、混合型クリオグロブリン血症、IgM抗体と関連する末梢神経障害、顕微鏡的多発血管炎、橋本甲状腺炎、シェーグレン症候群、線維化状態(例えば生得的な、もしくは適応性の免疫系もしくは局所的な間葉細胞に依存するもの)または原発性胆汁性肝硬変を含むが、それらには限定されない。
式Iで表される化合物が、処置するかまたは阻止するのに有用である代表的な自己免疫状態は、自己免疫性溶血性貧血(A1HA)、ベーチェット症候群、クローン病、I型糖尿病、グッドパスチャー疾患、グレーブス病、橋本甲状腺炎、特発性血小板減少性紫斑病、ループス、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、潰瘍性大腸炎、またはウェゲナー肉芽腫症を含むが、それらには限定されない。
式Iで表される化合物が、処置するかまたは阻止するのに有用である代表的なアレルギー状態は、アナフィラキシー、枯草熱、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、粘膜の障害、組織障害およびある胃腸障害を含むが、それらには限定されない。
式Iで表される化合物が、処置するかまたは阻止するのに有用である代表的なリウマチ状態は、関節リウマチ、痛風、強直性脊椎炎または骨関節炎を含むが、それらには限定されない。
式Iで表される化合物が、処置するかまたは阻止するのに有用である代表的な炎症状態は、非ANCA(抗好中球細胞質自己抗体)血管炎(例えば、ここでGCN2機能が、好中球付着、血管外漏出および/または活性化と関連する)、乾癬、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、慢性蕁麻疹、蕁麻疹、アナフィラキシー、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、痛風、クローン病、粘液性大腸炎、潰瘍性大腸炎、腸の抗原に対するアレルギー(例えばグルテン腸症)、糖尿病(例えばI型糖尿病およびII型糖尿病)ならびに肥満を含むが、それらには限定されない。
いくつかの態様において、炎症状態は、皮膚科学的状態、例えば乾癬、蕁麻疹(urticaria)、蕁麻疹(hives)、湿疹、強皮症または皮膚炎である。他の態様において、炎症状態は、炎症性肺状態、例えば喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または成人/急性呼吸窮迫症候群(ARDS)である。他の態様において、炎症状態は、胃腸の状態、例えば炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、特発性炎症性腸疾患、過敏性腸症候群または痙攣性結腸である。
式Iで表される化合物が、処置または阻止に有用である代表的な感染症は、細菌性、寄生虫性、プリオン、ウイルス性感染症または蠕虫寄生を含むが、それらには限定されない。
式Iで表される化合物が、処置または予防に有用である代表的な癌は、頭部、頸部、目、口、喉、食道、気管支、喉頭(larynx)、咽頭(pharynx)、胸(chest)、骨、肺、結腸、直腸、胃、前立腺、膀胱、子宮、子宮頸部、胸(breast)、卵巣、精巣または他の生殖器、皮膚、甲状腺、血液、リンパ節、腎臓、肝臓、膵臓、脳、中枢神経系の癌、固形腫瘍および血液由来の腫瘍を含むが、それらには限定されない。
式Iで表される化合物が、処置または阻止に有用である代表的な心血管疾患は、再狭窄、アテローム性動脈硬化症およびその結果、例えば脳卒中、心筋梗塞、心臓、肺、腸、腎臓、肝臓、膵臓、脾臓または脳に対する虚血性障害を含むが、それらには限定されない。
式Iで表される化合物が、処置または阻止に有用である代表的な代謝状態は、肥満ならびに糖尿病(例えばI型およびII型糖尿病)を含むが、それらには限定されない。特別の態様において、インスリン抵抗性の処置または阻止方法を本明細書中に提供する。ある態様において、糖尿病(例えばII型糖尿病)をもたらすインスリン抵抗性の処置または阻止方法である。別の態様において、ここで提供するのは、シンドロームXまたはメタボリックシンドロームの処置または阻止方法を、本明細書中に提供する。
別の態様において、II型糖尿病、I型糖尿病、遅発性I型糖尿病、尿崩症(例えば神経原性尿崩症、腎性尿崩症、口渇誘発性尿崩症またはゲスタゲニック尿崩症(gestagenic diabetes insipidus))、真性糖尿病、妊娠糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群、成人発症型糖尿病、若年性糖尿病、インスリン依存性糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、栄養不良関連糖尿病、ケトン症の傾向のある糖尿病、糖尿病前症(例えばグルコース代謝障害)、嚢胞性線維症関連糖尿病、血色素症およびケトーシス抵抗性糖尿病の処置または阻止方法を、本明細書中に提供する。
式Iで表される化合物が、処置または阻止に有用である代表的な神経変性および神経炎症疾患は、ハンチントン病、アルツハイマー病、ウイルス(例えばHIV)または細菌関連脳炎および損傷を含むが、それらには限定されない。
別の態様において、線維症の疾患および障害の処置または阻止方法を、本明細書中に提供する。特別の態様において、特発性肺線維症、骨髄線維症、肝臓の線維症、ステアトフィブロシス(steatofibrosis)および脂肪性肝炎の処置または阻止方法を、本明細書中に提供する。
別の態様において、血栓症の事象、例えば、しかし限定されずにアテローム性動脈硬化症、心筋梗塞および虚血性脳卒中と関連する疾患の処置または阻止方法を、本明細書中に提供する。
本発明は特に、炎症状態、免疫学的状態、自己免疫状態、アレルギー状態、リウマチ状態、血栓症状態、癌、感染症、神経変性疾患、神経炎症疾患、心血管疾患および代謝的状態の処置および/または阻止のための使用のための、式Iで表される化合物ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物、その必要のある対象に有効な量の請求項1の化合物を投与することを含む方法に関する。
さらに、本発明は特に、癌の処置および/または阻止のための使用のための化合物に関し、
ここで処置するべき癌は、固形腫瘍または血液および免疫系の腫瘍である。
さらに、本発明は特に、癌の処置および/または阻止のための使用のための化合物に関し、ここで腫瘍は、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病および/または慢性リンパ性白血病の群から生じる。
さらに、本発明は特に、癌の処置および/または阻止のための使用のための化合物に関し、ここで固形腫瘍は、上皮、膀胱、胃、腎臓、頭頸部、食道、子宮頸部、甲状腺、腸、肝臓、脳、前立腺、尿生殖路、リンパ系、胃、喉頭、軟骨肉腫およびユーイング肉腫を含む骨、胚組織腫瘍を含む生殖細胞、および/または肺のもの、単球性白血病、肺腺癌、小細胞肺癌の群からの、膵臓癌、神経膠芽腫、神経線維腫、血管肉腫、乳癌および/または悪性黒色腫の群から生じる。
さらに、本発明は特に、
関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、喘息、多発性硬化症、骨関節炎、虚血傷害、巨細胞性動脈炎、炎症性腸疾患、糖尿病、嚢胞性線維症、乾癬、シェーグレン症候群および移植器官拒絶
の群から選択された疾患の処置および/または阻止のための使用に関する。
さらに、本発明は特に、
アルツハイマー病、ダウン症候群、アミロイドーシス−オランダ型を有する遺伝性脳出血、脳アミロイド血管症、クロイツフェルト・ヤコブ病、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、パーキンソン病
の群から選択された疾患の処置および/または阻止のための使用のための化合物に関する。
さらに、本発明は特に、
リーシュマニア、らい菌、結核菌および/またはマイコバクテリウム・アビウムを含むマイコバクテリウム、リーシュマニア、マラリア原虫、ヒト免疫不全ウィルス、エプスタイン・バーウイルス、単純ヘルペスウイルス、C型肝炎ウイルス
の群から選択された疾患の処置および/または阻止のための使用のための化合物に関する。
式Iで表される開示した化合物を、抗がん剤を含む他の既知の治療薬と組み合わせて投与することができる。本明細書中で使用する用語「抗がん剤」は、がんを処置する目的のためにがんを有する患者に投与されるあらゆる剤に関する。
本明細書中で定義する抗がん処置を、単独の療法として適用してもよく、または本発明の化合物に加えて、慣用の手術または放射線療法または化学療法を含んでもよい。かかる化学療法は、以下のカテゴリーの抗腫瘍剤の1種または2種以上を含んでもよい:
(i) 医学的腫瘍学において使用する抗増殖/抗悪性腫瘍/DNA損傷剤およびそれらの組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファンおよびニトロソ尿素);代謝拮抗薬(例えば葉酸代謝拮抗薬、例えばフルオロピリミジン、例えば5−フルオロウラシルおよびテガフール、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素およびゲムシタビン);抗腫瘍抗生物質(例えばアントラサイクリン、例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシンおよびミトラマイシン);有糸分裂阻害薬(例えばビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビン、ならびにタキソイド、例えばタキソールおよびタキソテール);トポイソメラーゼ阻害剤(例えばエピポドフィロトキシン、例えばエトポシドおよびテニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカンおよびカンプトセシン)ならびに細胞分化剤(例えば全トランス型レチノイン酸、13−シスレチノイン酸およびフェンレチニド);
(ii) 細胞分裂阻害剤、例えば抗エストロゲン(antioestrogen)(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン(droloxifene)およびヨードキシフェン(iodoxyfene))、エストロゲン受容体下方調節剤(downregulator)(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドおよび酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、リュープロレリンおよびブセレリン)、プロゲステロン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害薬(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボロゾールおよびエキセメスタン)ならびに5α還元酵素の阻害剤、例えばフィナステリド;
(iii) 癌細胞侵入を抑制する剤(例えばメタロプロテイナーゼ阻害剤、例えばマリマスタットおよびウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体機能の阻害剤);
(iv) 成長因子機能の阻害剤、例えばかかる阻害剤は、成長因子抗体、成長因子レセプター抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツズマブ[HerceptinTM]および抗erbbl抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤、例えば上皮成長因子ファミリーの阻害剤(例えばEGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えばN−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033))、例えば血小板由来成長因子ファミリーの阻害剤および例えば肝細胞成長因子ファミリーの阻害剤を含む。
(v) 抗血管新生薬、例えば血管内皮成長因子の効果を抑制するもの(例えば抗血管内皮細胞成長因子抗体ベバシズマブ[AvastinTM]、化合物、例えば公表された国際特許出願WO 97/22596、WO 97/30035、WO 97/32856およびWO 98/13354に開示されているもの)および他の機構によって作動する化合物(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能およびアンジオスタチンの阻害剤)、
(vi) 血管損傷剤、例えばコンブレタスタチンA4ならびに国際特許出願WO 99/02166、WO 00/40529、WO 00/41669、WO 01/92224、WO 02/04434およびWO 02/08213に開示されている化合物);
(vii) アンチセンス療法、例えば上に列挙した標的に向けられるもの、例えばISIS 2503、抗Rasアンチセンス;
(viii) 例えば異常な遺伝子、例えば異常なp53または異常なBRCA1もしくはBRCA2の置換のためのアプローチ、GDEPT(遺伝子に向けられた酵素プロドラッグ療法)アプローチ、例えばシトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌性ニトロ還元酵素を使用するもの、および化学療法または放射線療法に対する患者耐性を増加させるためのアプローチ、例えば多剤耐性遺伝子療法を含む、遺伝子療法アプローチ;ならびに
(ix) 例えば患者腫瘍細胞の免疫原性を増加させるためのex-vivoおよびin vivoアプローチ、例えばサイトカイン、例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子でのトランスフェクション、T細胞アネルギーを減少させるためのアプローチ、トランスフェクトした免疫細胞、例えばサイトカインでトランスフェクトした樹状細胞を使用するアプローチ、サイトカインでトランスフェクトした腫瘍細胞系を使用するアプローチ、および抗イディオタイプ抗体を使用するアプローチを含む、免疫療法アプローチ。
以下の表1からの医薬を、好ましくは、しかし排他的でなく式Iで表される化合物と組み合わせる。
以下の略語は、それぞれ下記の定義を参照する:
aq(水性)、h(時間)、g(グラム)、L(リットル)、mg(ミリグラム)、MHz(メガヘルツ)、min.(分)、mm(ミリメートル)、mmol(ミリモル)、mM(ミリモーラー)、m.p.(融点)、eq(定量的)、mL(ミリリットル)、L(マイクロリットル)、ACN(アセトニトリル)、AcOH(酢酸)、CDCl3(重水素化クロロホルム)、CD3OD(重水素化メタノール)、CH3CN(アセトニトリル)、c−hex(シクロヘキサン)、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DCM(ジクロロメタン)、DIC(ジイソプロピルカルボジイミド)、DIEA(ジイソプロピルエチル−アミン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシ)、DMSO−d6(重水素化ジメチルスルホキシド)、EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)、ESI(エレクトロスプレイイオン化)、EtOAc(酢酸エチル)、Et2O(ジエチルエーテル)、EtOH(エタノール)、HATU(ジメチルアミノ([1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)−メチレン]−ジメチル−アンモニウムヘキサフルオロホスファート)、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)、i−PrOH(2−プロパノール)、K2CO3(炭酸カリウム)、LC(液体クロマトグラフィ)、MeOH(メタノール)、MgSO4(硫酸マグネシウム)、MS(質量分析)、MTBE(メチルtert−ブチルエーテル)、NaHCO3(重炭酸ナトリウム)、NaBH4(水素化ホウ素ナトリウム)、NMM(N−メチルモルホリン)、NMR(核磁気共鳴)、PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート)、RT(室温)、Rt(保持時間)、SPE(固相抽出)、TBTU(2−(1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、TLC(薄層クロマトグラフィ)、UV(紫外)。
in vitroアッセイの説明
GCN2:アッセイ原理および条件
このアッセイは、セリンキナーゼGCN2(一般的対照非抑制解除可能−2)の活性を定量することができる。
このキナーゼは、細胞のストレス代謝に関係する。それは、飢餓(アミノ酸消耗)によって活性化される。その天然の基質は、eIF2a(真核生物の開始因子2アルファサブユニット)、翻訳因子であり、それは、細胞におけるアミノ酸ボトルネックの場合においてはGCN2によって活性化(リン酸化)される。これによって、次にタンパク質合成の停止がもたらされる。GCN2の阻害の結果、この機構が停止する:細胞は、「飢餓」ストレスによるタンパク質産生を止めることができない。
アッセイを、2ステップで実行する:酵素反応および検出ステップ。第1のステップにおいて、GCN2を、10μM ATPおよび80nMのGFP標識した基質eIF2アルファと共に室温でインキュベートする。
酵素反応を、EDTAの添加によって停止する。リン酸化されたeIF2アルファの量を、TR−FRET(Lanthascreen)によって決定する:抗体およびGFP標識ホスホ−eIF2aからなる複合体が、生成し、それによって、340nmでの励起によるFRETが可能になる。
GCN2活性は、発光波長520nm(ホスホペプチド感受性波長=GFPの発光)での蛍光ユニットの495nm(基準波長=テルビウムキレートの発光)でのユニットに対する比に正比例する。
酵素反応における最終濃度
Hepes、pH7.0、50mM
MgCl2 10mM
MnCl2 5mM
BSA 0.1%
DMSO 1%
ATP 10uM
DTT 2mM
GFP−eIF2a 80nM(基質)
GCN2 30nM(酵素)
アッセイ手順
4uL 酵素溶液(アッセイ緩衝液中)
1.5uL 化合物(化合物希釈緩衝液/6.3%DMSO中)
インキュベーション RTで20min
4uL 基質/ATP混合物(アッセイ緩衝液中)
インキュベーション RTで90min
10uL 停止/検出混合物(抗体希釈緩衝液中)
インキュベーション RTで60min
読み出し Lanthascreen 340/495/520
化合物活性の決定のための細胞アッセイ
ヒトU2OS細胞(2000細胞/ウェル)を、384ウェルプレート中に接種し、20時間インキュベートする。
翌日、細胞を試験化合物で処理し、2時間インキュベートする。次に、トリプトファノールを、600μMの最終濃度で細胞に加え、それらを、30分間インキュベートする。
細胞GCN2活性のアッセイを、免疫細胞化学によって行う。簡潔に、細胞を、ウェル表面上にホルムアルデヒドによって固定し、Triton X-100で透過性にする。一次抗体(抗ホスホ−eIF2アルファ(Ser51, Cell Signalling Technology, #3398)を、処理した細胞上で20時間インキュベートし、続いて二次抗体(抗ウサギIgG-Alexa 488;Molecular Probes # 11008)を60分間インキュベートする。
リン酸化されたGCN2の分析および定量化を、プレートをAcumen Explorerシステム(TTPLabtech)において走査することにより行う。得られたデータを、未処理の対照ウェル(DMSOのみ)に対して正規化し、%有効値として表現する。IC50値の決定を、Graph Pad Prismソフトウェアを使用することにより行う。
LCMS:
方法A
A: H2O+0.05%HCOOH;B:MeCN+0.04%HCOOH
T: 30℃;流量:2ml/min;カラム:Chromolith RP-18e 100-3mm;MS:85〜800amu
勾配:1%→100%のB:0→3.5min;100%のB:3.5→4.2min
方法B
A: H2O+0.05%HCOOH、B:MeCN+0.04%HCOOH
T: 30℃;流量:2ml/min;カラム: Chromolith RP-18e 100-3mm;MS: 85〜800amu
勾配:1%→100% B: 0→1.8min;100% B: 1.8→2.5min
方法C
A: H2O+0.05%HCOOH、B: MeCN+0.04%HCOOH
T: 30℃;流量:2ml/min;カラム: Chromolith RP-18e 50-4.6mm;MS: 85〜800amu
勾配: 4%→100% B: 0→2.8min、100% B: 2.8→3.3min
方法D
A−H2O中の0.1%TFA、B−ACN中の0.1%TFA:流量:2.0ml/min.
カラム:XBridge C8(50×4.6mm、3.5μm)、+veモード。
分取HPLC
A: H2O 98%+MeCN 2%+TFA 0.1%、B: MeCN 90%+H2O 10%+TFA 0.1%
流量: 10ml/min、カラム: LiChrosorb RP18(7□m)250−25mm
勾配
1H NMR
Bruker400および500MHz
本明細書中で、温度はすべて℃で示す。以下の例において、「慣用のワークアップ」は、次を意味する:必要ならば水を加え、必要ならばpHを2と10との間の値に調整し、最終生成物の構成によるが、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィで、または再結晶化で、精製する。シリカゲルでのRf値;溶離液:酢酸エチル/メタノール 9:1。
例1
2,7−ジアザ−11−オキサ−3H−1(5,3)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジナ−1H−3(4,1)−ピラゾーラ−12(1,4)−ベンゼンアシクロドデカファン−8−オン(「A1」)の合成
出発物質の合成:
4−(4−ニトロフェノキシ)ブタン酸エチル
4−ニトロフェノール(1g、0.00718mmol)のDMF(15mL)中の撹拌溶液に、K2CO3(1.1g、0.00862mol)および4−ブロモ酪酸エチル(1.4g、0.00718mol)を加えた。得られた混合物を、100℃で2h撹拌した。反応完了後、反応混合物を、セライト(Celite)床を通して濾過し、メタノール(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、4−(4−ニトロフェノキシ)ブタン酸エチルを得た;収率:55%(1g、薄茶色液体);
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 8.20 (dd, J = 2.2, 7.1 Hz, 2H), 7.13 (dd, J = 2.2, 7.1 Hz, 2H), 4.15-4.08 (m, 2H), 4.05 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.50-2.43 (m, 2H), 1.19-1.17 (m, 3H).
4−(4−アミノフェノキシ)ブタン酸エチル
4−(4−ニトロフェノキシ)ブタン酸エチル(1g、0.0039mmol)を、CH3OH(20mL)に溶解し、Pd/C(10%、150mg)を加え、バルーンH2(14psi)下で5時間水素化した。TLCによって証拠づけられる反応完了後に、反応混合物を、セライト床を通して濾過し、メタノール(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、4−(4−アミノフェノキシ)ブタン酸エチルを得た;収率:91%(0.8g、淡黄色液体);
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 6.61 (dd, J = 2.2, 6.6 Hz, 2H), 6.48 (dd, J = 2.2, 6.5 Hz, 2H), 4.59 (s, 2H), 4.07-4.04 (m, 2H), 3.81 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.41 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.91-1.85 (m, 2H), 1.17 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
(3−(4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)プロピル)カルバミン酸t−ブチル
THF(50mL)中の、4−ニトロピラゾール(2.12g、0.188mmol)、(3−Boc−アミノ)−1−プロパノール(3g、0.0171mol)およびPPh3(6.89g、0.0256mol)の、N2雰囲気下で0℃に冷却した撹拌溶液に、DIAD(4.32mL、0.0214mmol)を滴状で加えた。得られた溶液を、0℃で10min撹拌し、次いでRTで放置して加温し、14h撹拌した。混合物を、ヘキサン(80mL)およびEtOAc(20mL)で希釈し、次いで激しく撹拌した。混合物を濾過し、固体をヘキサンで洗浄した。合わせた濾液を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィーによって精製して、(3−(4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)プロピル)カルバミン酸t−ブチルを得た;収率:46%(2.1g、淡黄色固体)、LCMS:(方法D) 171.0(M+H)。
(3−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)プロピル)カルバミン酸t−ブチル
(3−(4 ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)プロピル)カルバミン酸t−ブチル(2.1g、0.0077mol)を、メタノール(20mL)に溶解し、Pd/C(10%、300mg)を加え、バルーンH2(14psi)下で5h水素化した。TLCによって証拠づけられる反応完了後に、反応混合物を、セライト床を通して濾過し、メタノール(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、所望の化合物(3−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)プロピル)カルバミン酸t−ブチルを得た;
収率:81%(1.5g、淡黄色液体)、LCMS:(方法D)185.1(M+H)。
[3−(4−ニトロフェノキシ)プロピル]カルバミン酸t−ブチル
THF(50mL)中の、4−ニトロフェノール(5g、0.0359mol)、(3−Boc−アミノ)−1−プロパノール(6.93mL、0.0395mol)およびPPh3(14.48g、0.053mol)の、N2雰囲気下で0℃に冷却した撹拌溶液に、DIAD(9mL、0.044mmol)を滴状で加えた。得られた溶液を、0℃で10分間撹拌し、次いで室温に放置して加温し、14h撹拌した。混合物を、ヘキサン(80mL)およびEtOAc(20mL)で希釈し、次いで激しく撹拌した。混合物を濾過し、固体をヘキサンで洗浄した。合わせた濾液を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィーによって精製して、[3−(4−ニトロフェノキシ)プロピル]カルバミン酸t−ブチルを得た;収率:33%(3.5g、淡黄色固体);
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 8.21 (dd, J = 5.0, 6.3 Hz, 2H), 7.13 (dd, J = 5.0, 6.4 Hz, 2H), 6.94-6.91 (m, 1H), 4.11 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.10-3.05 (m, 2H), 1.88-1.82 (m, 2H), 1.36 (s, 9H).
[3−(4−アミノフェノキシ)プロピル]カルバミン酸t−ブチル
[3−(4−ニトロフェノキシ)プロピル]カルバミン酸t−ブチル(3.5g、0.0118mol)を、CH3OH(20mL)に溶解し、Pd/C(10%、450mg)を加え、バルーンH2(14psi)下で16時間水素化した。TLCによって証拠づけられる反応完了後に、反応混合物を、セライト床を通して濾過し、メタノール(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、[3−(4−アミノフェノキシ)プロピル]カルバミン酸t−ブチルを得た;収率:73%(2.5g、茶色液体)、LCMS:(方法D) 167.2(M+H)。
5−(4−ニトロフェノキシ)ペンタン酸エチル
DMF(15mL)中の4−ニトロフェノール(3g、0.0215mmol)の撹拌溶液に、K2CO3(3.5g、0.0258mol)および5−ブロモ吉草酸エチル(3.46mL、0.0215mol)を加えた。得られた混合物を、100℃で2h撹拌した。反応完了後、反応混合物を、セライト床を通して濾過し、メタノール(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、5−(4−ニトロフェノキシ)ペンタン酸エチルを得た;収率:55%(3g、淡黄色液体);1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.19 (dd, J = 2.0, 7.2 Hz, 2H), 7.15-7.11 (m, 2H), 4.14-4.10 (m, 4H), 2.36 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 1.77-1.67 (m, 4H), 1.27-1.25 (m, 3H).
5−(4−アミノフェノキシ)ペンタン酸エチル
5−(4−ニトロフェノキシ)ペンタン酸エチル(3g、0.011mol)を、CH3OH(20mL)に溶解し、Pd/C(10%、450mg)を加え、バルーンH2(14psi)下で5時間水素化した。TLCによって証拠づけられる反応完了後に、反応混合物を、セライト床を通して濾過し、メタノール(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、5−(4−アミノフェノキシ)ペンタン酸エチルを得た;収率:76%(2g、黄色の粘着性液体)、LCMS:(方法D) 238.0(M+H)。
[3−(4−ニトロフェニル)プロピル]アミン
3−フェニル−1−プロピルアミン(5g、0.037mol)を、濃HNO3(20mL)に、0℃で滴状で加えた。反応物を、14hにわたってRTに放置して加温した。反応物を0℃に冷却し、氷水中に注いだ。黄色沈殿物を濾過によって単離し、水で洗浄し、空気乾燥させて、[3−(4−ニトロフェニル)プロピル]アミンを得た;収率:45%(3g、黄色固体);
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 8.18 (dd, J = 2.4, 5.6 Hz, 2H), 7.51 (dd, J = 7.0, 6.4 Hz, 2H), 2.83-2.76 (m, 4H), 1.90-1.82 (m, 2H).
[3−(4−ニトロフェニル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチル
1−ニトロ−4−ペンチル−ベンゼン(3g、0.0166mol)を乾燥THF(10mL)に溶解した撹拌溶液に、二炭酸ジ−t−ブチル(3.93g、0.0183mol)およびEt3N(6.98mL、0.498mol)を加えた。反応混合物を、14h撹拌した。反応完了後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。得られた残留物を、カラムクロマトグラフィーによって精製して、[3−(4−ニトロフェニル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルを得た;収率:86%(4g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 181.0(M+H)。
[3−(4−アミノフェニル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチル
[3−(4−ニトロフェニル)プロピル]カルバミン酸t−ブチル(2.3g、0.0082mol)を、CH3OH(20mL)に溶解し、Pd/C(10%、300mg)を加え、バルーンH2(14psi)下で16時間水素化した。TLCによって証拠づけられる反応完了後に、反応混合物を、セライト床を通して濾過し、メタノール(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、[3−(4−アミノフェニル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチルを得た;収率:88%(1.8g、白色の粘着性固体)、LCMS:(方法D) 151.2(M+H)。
例1(「A1」)の合成
ステップ1:
2,4−ジクロロ−5−ニトロ−ピリミジン(1.050g;5.249mmol)を、20mlの乾燥ジオキサンに溶解した。外的な氷冷下で、先ず3−(4−アミノ−フェノキシ)−プロピオン酸メチルエステル(1.097g;5.249mmol)、次いでN−エチルジイソプロピルアミン(1.1ml;6.3mmol)を、混合物にゆっくりと加えた。オレンジ色懸濁液を、室温で1時間撹拌した。沈殿物を濾別し、THFで洗浄した。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc勾配)によって精製した;収量:1.72g 暗い赤色の固体、LCMS(A):2.728min、353.1(M+H)。
ステップ2:
3−[4−(2−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−プロピオン酸メチルエステル(1.715g;4.4mmol)および無水塩化スズ(II)(2.5g;13.1mmol)を、20mlの酢酸エチルおよび5mlのエタノールに溶解した。橙黄色溶液を、70℃で1時間撹拌した。反応混合物を、飽和Na2CO3溶液で塩基性化し、セライトから濾過し、酢酸エチルおよび水で洗浄した。有機層を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減少させて乾燥した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc勾配)によって精製した;収量:1.389g 茶色固体、LCMS(A):2.238min、323.1(M+H)。
ステップ3:
3−[4−(5−アミノ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−プロピオン酸メチルエステル(1.389g;4.3mmol)を、塩酸(発煙、37%)(13ml)と混合し、次いで亜硝酸ナトリウム(594mg;8.6mmol)を加えた。懸濁液を、室温で3h撹拌した。氷を加え、沈殿物を濾別し、水で洗浄した;収量:958.7mg 明るい黄色の固体、LCMS(A):2.325min、320.1(M+H)。
ステップ4:
[3−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(228mg;0.938mmol)を、15mlのエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解した。3−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−プロピオン酸(300mg;0.9mmol)および0.13mlのトリエチルアミンを、加えた。反応物を、100℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルおよび水に懸濁させた。不溶性物質を、濾別した;収量:191.6mg 黄色固体、LCMS(A):2.429min、524.3(M+H)。有機層をクロマトグラフィーによって精製して、別のバッチを得た;収量:198.6mg 固体。
ステップ5:
3−(4−{5−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−プロピオン酸(191.6mg;0.35mmol)を、10mLの乾燥ジオキサンに溶解した。ジオキサン中の10mLのHCl、4mol/Lを、加えた。懸濁液を、RTで2時間撹拌した。懸濁生成物を濾別し、DCMで洗浄した;収量:367.6mg 淡黄色固体、LCMS(A):1.729min、424.2(M+H)。
ステップ6:
100mlの丸底フラスコ中で、3−(4−{5−[1−(3−アミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−プロピオン酸塩酸塩(150mg;0.3mmol)を、30mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した。混合物を、0℃に冷却した。O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(97mg;0.3mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(12.5mg;0.091mmol)を、加えた。トリエチルアミン(84μl;0.6mmol)で、混合物を中和した。反応物を、RTで14h撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、粗生成物を、DCM/MetOH勾配を使用してクロマトグラフィーによって精製した;
収量:24mg 黄色固体、LCMS(A):1.931min、406.2(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 10.37 (s, 1H), 9.36 (s, 1H), 8.28 (t, J=5.8, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.83 - 7.78 (m, 2H), 7.35 (s, 1H), 7.23 - 7.19 (m, 2H), 4.57 - 4.52 (m, 2H), 4.05 - 4.00 (m, 2H), 3.12 (q, J=6.8, 2H), 2.57 - 2.52 (m, 2H), 1.97 - 1.86 (m, 2H).
例2
化合物「A2」の合成
ステップ1:
例1、ステップ1と同様にして、4−(4−アミノ−フェノキシ)−酪酸エチルエステル(2.63g;11.8mmol)、2,4−ジクロロ−5−ニトロ−ピリミジン(2.36g;11.8mmol)およびN−エチルジイソプロピルアミン(2.4ml;14mmol)を反応させて、所望の生成物を得た;収量:3.65g 赤色固体、LCMS(B):2.060min、381.1(M+H)。
ステップ2:
例1、ステップ2と同様にして、4−[4−(2−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−酪酸エチルエステル(3.65g;9.58mmol)および塩化スズ(II)(5.45g;29mmol)によって、所望の生成物が得られた;収量:2.43g 灰色固体、LCMS(A):2.521min、351.1(M+H)。
ステップ3:
例1、ステップ3と同様にして、4−[4−(5−アミノ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−酪酸エチルエステル(2.4g;6.8mmol)を、塩酸および亜硝酸ナトリウム(938mg;13.6mmol)と反応させて、所望の生成物を得た;収量:2.18g オフホワイト固体、LCMS(B):2.020min、334.2(M+H)。
ステップ4:
例1、ステップ4と同様にして、[3−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(213.9mg;0.9mmol)および4−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−酪酸(300mg;0.65mmol)を反応させて、所望の生成物を得た;収量:350mg、LCMS(A):2.513min、538.3(M+H)。
ステップ5:
例1、ステップ5と同様にして、4−(4−{5−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−酪酸(421.8mg;0.73mmol)によって、HCl/ジオキサンでの処理の後に所望の生成物が得られた;収量:316.5mg オフホワイト固体、LCMS(A):1.793min、438.2(M+H)。
ステップ6:
例1、ステップ6と同様にして、4−(4−{5−[1−(3−アミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−酪酸塩酸塩(200mg;0.42mmol)によって、所望の生成物が得られた;収量:140.7mg 緑色固体、LCMS(A):2.024min、420.2(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 10.37 (s, 1H), 9.36 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.98 (t, J=5.7, 1H), 7.88 - 7.83 (m, 2H), 7.37 (s, 1H), 7.27 - 7.22 (m, 2H), 4.20 (t, J=6.2, 2H), 4.06 - 3.99 (m, 2H), 3.20 (q, J=6.5, 2H), 2.28 - 2.22 (m, 2H), 2.02 - 1.95 (m, 2H), 1.92 - 1.82 (m, 2H).
例3
化合物「A3」の合成
ステップ1:
例1、ステップ1について記載したのと同じ手順を使用して、(4−アミノ−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(1.44g;3.97mmol)および(4−アミノ−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(123mg;0.34mmol)によって、所望の生成物が得られた;収量:1.49g 赤色固体、LCMS(B):1.863min、339.0(M+H)。
ステップ2:
例1、ステップ2について記載したのと同じ手順を使用して、[4−(2−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−酢酸メチルエステル(1.49g;4.4mmol)および塩化スズ(II)(2.5g;13.2mmol)によって、所望の生成物が得られた;収量:1.15g 茶色油、LCMS(A):2.127min、309.2(M+H)。
ステップ3:
例1、ステップ3について記載したのと同じ手順を使用して、[4−(5−アミノ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−酢酸メチルエステル(1.147g;3.72mmol)、それと共に亜硝酸ナトリウム(513mg;7.4mmol)および濃HClによって、所望の生成物が得られた;収量:940.7mg 赤褐色固体、LCMS(A):2.215min、306.1(M+H)。
ステップ4:
例1、ステップ4について記載したのと同じ手順を使用して、[3−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(211mg;0.87mmol)および[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−酢酸(300mg;0.87mmol)によって、所望の生成物が得られた;収量:320mg 黄色固体、LCMS(A):2.402min、510.2(M+H)。
ステップ5:
例1、ステップ5について記載したのと同じ手順を使用して、(4−{5−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−酢酸(320mg;0.62mmol)、これと共にジオキサン中のHClによって、所望の生成物が得られた;収量:264.6mg オレンジ色固体、LCMS(A):1.658min、410.2(M+H)。
ステップ6:
例1、ステップ6について記載したのと同じ手順を使用して、(4−{5−[1−(3−アミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−酢酸(200mg;0.44mmol)を環化して、所望の生成物を得た;収量:12.2mg オフホワイト固体、LCMS(A):1.976min、392.2(M+H)。
例4
化合物「A4」の合成
ステップ1:
150mg(0.45mmol)の3−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−プロピオン酸および[4−(4−アミノ−フェノキシ)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.138mmol;39mg)を、例1、ステップ4の合成において記載したように反応させて、所望の生成物を得た;収量:223mg 黄色油、LCMS(B):2.453min、578.3(M+H)。
ステップ2:
4−(4−{5−[4−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ブトキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−酪酸(0.47mmol;394mg)を、例1、ステップ5の合成において記載したようにジオキサン中のHClで脱保護して、所望の生成物を得た;収量:335.5mg 黄色固体、LCMS(A):1.974min、478.2(M+H)。
ステップ3:
例1、ステップ6の合成において記載した手順に従って、4−(4−{5−[4−(4−アミノ−ブトキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−酪酸(0.56mmol;335mg)によって、所望の最終生産物が得られた;
収量:21.8mg オフホワイト固体、LCMS(A):2.447min、460.2(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ[ppm] 10.08 (s, 1H), 9.38 (s, 1H), 7.96 - 7.90 (m, 3H), 7.58 - 7.54 (m, 2H), 7.26 - 7.20 (m, 2H), 6.97 - 6.92 (m, 2H), 4.16 - 4.01 (m, 4H), 3.13 (q, J=6.7, 2H), 2.22 (t, J=6.7, 2H), 1.98 (p, J=6.9, 2H), 1.70 (p, J=6.8, 2H), 1.55 (p, J=7.1, 2H).
例5
化合物「A5」の合成
ステップ1:
[3−(4−アミノ−フェニル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(78.3mg;0.31mmol)および3−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−プロピオン酸(100mg;0.31mmol)を、エチレングリコールモノメチルエーテル中で4時間反応させて、所望の生成物を得た;収量:147.5mg 黄色固体、LCMS(C):2.376min、534.3(M+H)。
ステップ2:
3−(4−{5−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−プロピオン酸(147.5mg;0.26mmol)を、ジオキサン中のHClで室温で一晩脱保護して、所望の生成物を得た;収量:112.6mg 黄色固体、LCMS(A):1.880min、434.2(M+H)。
ステップ3:
3−(4−{5−[4−(3−アミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−プロピオン酸塩酸塩(95.2mg;0.19mmol)を、例1、ステップ6の合成において記載したように反応させて、所望の生成物を得た;
収量:23.1mg オフホワイト固体、LCMS(A):2.244min、416.2(M+H)。
例6
化合物「A6」の合成
ステップ1:
[3−(4−アミノ−フェニル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(110.2mg;0.44mmol)を、4−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−酪酸(146.8mg;0.44mmol)と、エチレングリコールモノメチルエーテル中で100℃で2h反応させて、所望の生成物を得た;収量:172.3mg、LCMS(A):2.933min、548.3(M+H)。
ステップ2:
4−(4−{5−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−酪酸(172.5mg;0.30mmol)を、ジオキサン中のHClで脱保護して、所望の生成物を得た;収量:137.5mg 黄色固体、LCMS(A):1.940min、448.2(M+H)。
ステップ3:
例1、ステップ6と同様にして、4−(4−{5−[4−(3−アミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−酪酸(117.9mg;0.24mmol)を反応させて、所望の生成物を得た;収量:67.4mg オフホワイト固体、LCMS(A):2.356min、430.2(M+H)。
例7
化合物「A7」の合成
ステップ1:
2,4−ジクロロ−5−ニトロ−ピリミジン(4.5mmol;900mg)を、15mlの1,4−ジオキサンに溶解した。混合物を、氷浴中で冷却した。[3−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.5mmol;1081.5mg)および次いで1.15mlのN−エチルジイソプロピルアミンを、混合物にゆっくりと加えた。茶色溶液を、室温で2.5時間撹拌した。沈殿物を濾別し、THFで洗浄した。濾液を減少させて乾燥し、残留物を水で処理し、濾別し、水およびシクロヘキサンで洗浄した;収量:1.98g 赤褐色固体、LCMS(A):2.610min、398.1(M+H)。
ステップ2:
{3−[4−(2−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−ピラゾール−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.9g;4.5mmol)を、20mlのTHFに溶解した。0.8gのスポンジニッケル触媒を加え、混合物を、ガス状H2を使用して水素化して、所望の生成物を得た;収量:1.245g 茶色油、LCMS(B):1.620min、368.2(M+H)。
ステップ3:
{3−[4−(5−アミノ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−ピラゾール−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.44mmol;1.25g)をアセトニトリル(25ml)に溶解した溶液に、亜硝酸ブチル(3.66mmol;0.44ml)を加え、暗い緑色の溶液を70℃で1h撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、減少させて乾燥した。残留物を、シクロヘキサン酢酸エチル勾配を使用してフラッシュクロマトグラフィーによって精製した;収量:1g 黄色固体、LCMS(B):1.954min、379.1(M+H)。
ステップ4:
{3−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−ピラゾール−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.57mmol;220mg)を、6mlのエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解し、次いで5−(4−アミノ−フェノキシ)−ペンタン酸エチルエステル(0.57mmol;153mg)および0.24mlのトリエチルアミンを、加えた。暗褐色溶液を、85℃で2h撹拌した。混合物を減少させて乾燥して、所望の粗生成物を得た;収量:564.4mg 暗褐色固体、LCMS(B):2.083min、580.3(M+H)。
ステップ5:
5−(4−{3−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ}−フェノキシ)−ペンタン酸エチルエステル(0.67mmol;564mg)を20mlのエタノールに懸濁させ、8.4mlの水酸化ナトリウム溶液(2N)を加えた。茶色溶液を、70℃で2h撹拌した。塩酸を冷却下で加えて、pH7を調整し、エタノールを除去し、次いで水相中に沈殿物が生成した。それを、真空下で濾別し、水およびシクロヘキサンで洗浄した;収量:177.7mg 茶色固体、LCMS(B):1.857min、552.3(M+H)。
ステップ6:
5−(4−{3−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ}−フェノキシ)−ペンタン酸(0.29mmol;177.7mg)を2mlの1,4−ジオキサンに溶解し、次いで4mlの、ジオキサン中の塩化水素溶液(4mol/L)を加えた。茶色溶液を、室温で3h撹拌した。混合物を蒸発させ、DCMを加えた。それを、水酸化ナトリウム溶液(1mol/L)で中和した。沈殿物を濾別し、水で洗浄した;収量:79.7mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.394min、452.3(M+H)。
ステップ7:
50mlの丸底フラスコ中で、5−(4−{3−[1−(3−アミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ}−フェノキシ)−ペンタン酸(0.13mmol;60mg)を、12mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した。混合物を、0℃に冷却した。O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)(0.13mmol;40.5mg)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.038mmol;5.2mg)を加え、TEAで混合物を中和した。茶色溶液を、室温で14h撹拌した。
溶媒を除去し、残留物を水で処理し、真空下で濾別し、水で洗浄した。分取HPLCによる精製の後、所望の生成物が得られた;収量:16.8mg オフホワイト固体、LCMS(A):2.125min、434.3(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ[ppm] 10.22 (s, 1H), 9.37 (s, 1H), 8.45 - 8.44 (m, 1H), 8.09 (t, J=5.8, 1H), 8.02 (d, J=0.7, 1H), 7.72 - 7.68 (m, 2H), 6.90 - 6.85 (m, 2H), 4.27 (t, J=7.3, 2H), 4.06 - 4.00 (m, 2H), 3.20 - 3.14 (m, 2H), 2.19 - 2.14 (m, 2H), 2.04 - 1.97 (m, 2H), 1.74 - 1.64 (m, J=5.9, 4.9, 4H).
例8
化合物「A8」の合成
ステップ1:
例7、ステップ1と同様にして、3−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−プロピオン酸エチルエステル(5mmol;1091mg)を、2,4−ジクロロ−5−ニトロ−ピリミジン(5.5mmol;1.1g)と反応させて、所望の生成物を得た;収量:1.46g オフホワイト固体、LCMS(A):2.260min、327.1(M+H)。
ステップ2:
例7、ステップ2と同様にして、3−[4−(2−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸メチルエステル(1.46g;4.16mmol)を還元して、所望の生成物を得た;収量:1.272g 暗褐色油、LCMS(B):1.427min、297.1(M+H)。
ステップ3:
例7、ステップ3と同様にして、3−[4−(5−アミノ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸メチルエステル(3.68mmol;1.27g)を、亜硝酸ブチル(5.52mmol;0.67ml)と反応させて、所望の生成物を得た;収量:1.059g 茶色油、LCMS(B):1.669min、308.1(M+H)。
ステップ4:
例7、ステップ4と同様にして、3−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸メチルエステル(0.67mmol;220mg)および[3−(4−アミノ−フェノキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.67mmol;184.5mg)を反応させて、所望の生成物を得た;収量:574mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.959min、538.3(M+H)。
ステップ5:
例7、ステップ5と同様にして、3−(4−{5−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−ピラゾール−1−イル)−プロピオン酸メチルエステル(1mmol;574mg)を鹸化して、所望の生成物を得た;収量:270.5mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.935min、524.3(M+H)。
ステップ6:
例7、ステップ6と同様にして、3−(4−{5−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−ピラゾール−1−イル)−プロピオン酸(0.52mmol;270mg)によって、ジオキサン中のHClでの脱保護の後に所望の生成物が得られた;収量:230mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.312min、424.2(M+H)。
ステップ7:
例7、ステップ7と同様にして、3−(4−{5−[4−(3−アミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−ピラゾール−1−イル)−プロピオン酸(0.45mmol;210mg)を環化して、所望の生成物を得た;収量:152mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.522min、406.3(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ[ppm] 10.13 (s, 1H), 9.36 (s, 1H), 8.39 - 8.36 (m, 1H), 8.10 - 8.05 (m, 1H), 7.97 - 7.96 (m, 1H), 7.61 - 7.57 (m, 2H), 6.99 - 6.94 (m, 2H), 4.49 - 4.45 (m, 2H), 4.18 (t, J=6.5, 2H), 3.13 (q, J=5.7, 2H), 2.83 - 2.78 (m, 2H), 1.74 (p, J=6.4, 2H).
例9
化合物「A9」の合成
ステップ1:
例7、ステップ4と同様にして、3−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸メチルエステル(0.67mmol;220mg)および[4−(4−アミノ−フェノキシ)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.67mmol;192.2mg)を反応させて、所望の生成物を得た;収量:551mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.995min、552.3(M+H)。
ステップ2:
例7、ステップ5と同様にして、3−(4−{5−[4−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ブトキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−ピラゾール−1−イル)−プロピオン酸メチルエステル(0.85mmol;551mg)によって、エタノール中のNaOHを使用した鹸化の後に所望の生成物が得られた;収量:266.5mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.870min、538.3(M+H)。
ステップ3:
例7、ステップ6と同様にして、所望の生成物が、3−(4−{5−[4−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ブトキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−ピラゾール−1−イル)−プロピオン酸(0.47mmol;266mg)から得られた;収量:226mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.361min、438.2(M+H)。
ステップ4:
例7、ステップ7と同様にして、所望の生成物が、3−(4−{5−[4−(4−アミノ−ブトキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−ピラゾール−1−イル)−プロピオン酸(0.42mmol;205mg)から得られた;収量:25mg オフホワイト固体、LCMS(A):2.127min、420.3(M+H)。
例10
化合物「A10」の合成
ステップ1:
4−(2−ブロモ−エトキシ)−フェニルアミン(2.75mmol;625.6mg)を、15mlの1,4−ジオキサンに溶解した。外的な氷冷下で、先ず2,4−ジクロロ−5−ニトロ−ピリミジン(2.75mmol;550mg)および次いでN−エチルジイソプロピルアミン(4.13mmol;0.7ml)を、加えた。茶色−赤色溶液を、室温で3h撹拌した。
沈殿物を濾別し、THFで洗浄した。濾液を減少して乾燥させ、残留物を水で処理し、濾別し、水およびシクロヘキサンで洗浄した。粗生成物を、クロマトグラフィー(シクロヘキサン、酢酸エチル勾配)によって精製した;収量:901mg 赤色固体、LCMS(B):2.044min、375.0(M+H)。
ステップ2:
[4−(2−ブロモ−エトキシ)−フェニル]−(2−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イル)−アミン(0.9g;2.12mmol)を、10mlのTHFに溶解した。0.9gのスポンジニッケル触媒を加え、混合物を、ガス状H2を使用して水素化して、所望の生成物を得た;収量:687.5mg 茶色油、LCMS(B):1.803min、345.0(M+H)。
ステップ3:
N4−[4−(2−ブロモ−エトキシ)−フェニル]−2−クロロ−ピリミジン−4,5−ジアミン(1.24mmol;687mg)を10mlのアセトニトリルに溶解した溶液に、亜硝酸ブチル(1.86mmol;0.22ml)を加え、暗褐色溶液を、70℃で1h撹拌した。
反応混合物を室温に冷却し、減少させて乾燥した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン、酢酸エチル勾配)によって精製した;収量:535mg ピンク色固体、LCMS(A):2.960min、356.0(M+H)。
ステップ4:
3−[4−(2−ブロモ−エトキシ)−フェニル]−5−クロロ−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(180mg、0.455mmol)を、6mlのエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解し、次いで[3−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.455mmol;110.5mg)およびトリエチルアミン(0.68mmol;0,09ml)を、加えた。オレンジ色溶液を、100℃で1.5h撹拌した。混合物を減少させて乾燥し、さらに精製せずに使用した;収量:350mg オフホワイト固体。
ステップ5:
[3−(4−{3−[4−(2−ブロモ−エトキシ)−フェニル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ}−ピラゾール−1−イル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0,546mmol;350mg)を、4mlの1,4−ジオキサンに溶解し、次いで4mlのジオキサン中の塩化水素溶液(4mol/L)を加えた。オレンジ色溶液を、室温で1h撹拌した。沈殿物を真空下で濾別し、ジクロロメタンで洗浄した。非常に脂肪性の固体をメタノールに溶解し、NaOH2mol/Lで中和した。沈殿物が生成し、それを濾別した;
収量:226.4mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.478min、460.1(M+H)。
ステップ6:
[1−(3−アミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イル]−{3−[4−(2−ブロモ−エトキシ)−フェニル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル}−アミン(0.385mmol;226mg)を6mlのエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解し、次いでトリエチルアミン(0.13ml)を加えた。黄褐色溶液を、100℃で14h撹拌した。
混合物を減少させて乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製した;収量:8.6mg 黄色固体、LCMS(C):1.341min、378.2(M+H)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 10.36 (s, 1H), 9.38 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.79 - 7.73 (m, 2H), 7.52 - 7.46 (m, 2H), 7.33 - 7.31 (m, 1H), 4.62 - 4.55 (m, 2H), 4.12 - 4.06 (m, 2H), 3.16 - 3.06 (m, 2H), 3.03 - 2.94 (m, 2H), 1.92 - 1.81 (m, 2H).
例11
化合物「A11」の合成
ステップ1:
3−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸メチルエステル(0.67mmol;220mg)を、6mlのエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解し、次いで[3−(3−アミノ−フェノキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.67mmol;182.6mg)および合成のためのトリエチルアミン(0.18ml)を、加えた。茶色溶液を、90℃で2.5h撹拌した。混合物を、減少させて乾燥した;収量:568.5mg 茶色固体、LCMS(B):1.996min、538.3(M+H)。
ステップ2:
3−(4−{5−[3−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−ピラゾール−1−イル)−プロピオン酸メチルエステル(0.87mmol;568mg)を、20mlのエタノールに懸濁させた。水酸化ナトリウム溶液(c(NaOH)=2mol/l;10.8ml)を、加えた。茶色溶液を、70℃で2.25h撹拌した。
pHを、7.0に調整した。沈殿物が生成し、それを濾別した;収量:133.8mg 橙褐色固体、LCMS(B):1.861min、524.2(M+H)。
ステップ3:
3−(4−{5−[3−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−ピラゾール−1−イル)−プロピオン酸(1.459g;1.268mmol)を、6mlの1,4−ジオキサンに懸濁させ、次いで6mlの、ジオキサン中の塩化水素溶液(4mol/L)を加え、黄色溶液を、室温で2.5h撹拌した。沈殿物を濾別し、ジクロロメタンで洗浄した;収量:1.25g オレンジ色固体、LCMS(B):1.351min、424.2(M+H)。
ステップ4:
100mlの丸底フラスコ中で、3−(4−{5−[3−(3−アミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−ピラゾール−1−イル)−プロピオン酸(1.18mmol;1.25g)を、N,N−ジメチルホルムアミド(30ml)に溶解し、次いで混合物を、0℃に冷却した。O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)(1.18mmol;379mg)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.35mmol;49mg)を加え、混合物をTEAで中和した。オレンジ色溶液を、室温で2.5h撹拌した。
溶媒を除去し、残留物を水で処理し、真空下で濾別し、水およびヘプタンで洗浄した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM、MeOH勾配)によって精製した;収量:48mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.564min、406.2(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ[ppm] 10.42 (s, 1H), 9.44 - 9.43 (m, 1H), 8.41 - 8.39 (m, 1H), 8.27 (t, J=2.2, 1H), 8.02 (t, J=5.8, 1H), 8.00 - 7.97 (m, 1H), 7.14 (t, J=8.1, 1H), 6.86 - 6.80 (m, 1H), 6.57 - 6.51 (m, 1H), 4.53 - 4.44 (m, 2H), 3.73 (t, J=5.7, 2H), 3.19 - 3.11 (m, 2H), 2.60 - 2.53 (m, 2H), 1.92 - 1.83 (m, 2H).
例12
化合物「A12」の合成
ステップ1:
5−(4−アミノ−フェノキシ)−ペンタン酸エチルエステル(21mmol;5.663g)を、80mlの1,4−ジオキサンに溶解した。外的な氷冷下で、先ず2,4−ジクロロ−5−ニトロ−ピリミジン(17.5mmol;3.5g)、次いでN−エチルジイソプロピルアミン(26.3mmol;4.5ml)を、加えた。赤色懸濁液を、室温で2時間撹拌した。沈殿物を濾別し、THFで洗浄した。濾液を減少して乾燥させ、残留物を水で処理し、濾別し、水およびシクロヘキサンで洗浄した;収量:7.92g 赤色固体、LCMS(C):2.557min、395.1(M+H)。
ステップ2:
5−[4−(2−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−ペンタン酸エチルエステル(7.9g;15.65mmol)を、80mlのTHFに溶解した。4gのスポンジニッケル触媒を加え、混合物を、ガス状H2を使用して水素化して、粗生成物を得た。反応混合物を減少させて乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル)によって精製した;収量:3.94g 暗褐色油、LCMS(B):1.878min、365.2(M+H)。
ステップ3:
5−[4−(5−アミノ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−ペンタン酸エチルエステル(5.08mmol;3.94g)を50mlのアセトニトリルに溶解した溶液に、亜硝酸ブチル(7.62mmol;0.92ml)を加え、暗褐色溶液を70℃で2h撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、減少させて乾燥した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン、酢酸エチル勾配)によって精製した;収量:2.59g オレンジ色固体、LCMS(B):2.127min、376.1(M+H)。
ステップ4:
5−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−ペンタン酸エチルエステル(0.56mmol;220mg)を、エチレングリコールモノメチルエーテル(6ml)に溶解し、次いで[4−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−ブチル]−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.56mmol;154mg)およびトリエチルアミン(1.1mmol;0.15ml)を、加えた。オレンジ色溶液を、80℃で2.5h撹拌した。混合物を減少させて乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール勾配)によって精製した;収量:416.7mg オフホワイト固体、LCMS(B):2.173min、608.4(M+H)。
ステップ5:
5−[4−(5−{1−[4−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−ブチル]−1H−ピラゾール−4−イルアミノ}−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−ペンタン酸エチルエステル(0.62mmol;416mg)を無水エタノール(15ml)に懸濁させ、7.8mlの水酸化ナトリウム溶液(c(NaOH)=2mol/l)を加えた。オレンジ色溶液を、70℃で2h撹拌した。外的な氷冷下で塩酸を加えて、pH7を調整した。沈殿物が生成し、それを濾別し、シクロヘキサンで洗浄した;収量:232mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.933min、580.4(M+H)。
ステップ6:
5−[4−(5−{1−[4−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−ブチル]−1H−ピラゾール−4−イルアミノ}−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−ペンタン酸(0.36mmol;231mg)を1,4−ジオキサン(4ml)に懸濁させ、次いで4mlの、ジオキサン中の塩化水素溶液(4mol/L)を加え、黄色懸濁液を室温で2.5h撹拌した。沈殿物を濾別し、ジクロロメタンで洗浄した;収量:1.1g オフホワイト固体、LCMS(B):1.463min、480.3(M+H)。
ステップ7:
5−(4−{5−[1−(4−メチルアミノ−ブチル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−ペンタン酸(0.78mmol;750mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(25ml)に溶解し、次いで混合物を0℃に冷却した。O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)(0.78mmol;251mg)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(Hobt)(0.24mmol;32.4mg)を加え、TEAで混合物を中和した。茶色溶液を、室温で2h撹拌した。溶媒を除去し、残留物を水で処理し、真空下で濾別し、水で処理した。
収量:125mg オフホワイト固体、LCMS(A):2.316min、462.3(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 10.39 (s, 1H), 9.36 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.95 - 7.91 (m, 2H), 7.37 (s, 1H), 7.32 - 7.28 (m, 2H), 4.24 - 4.10 (m, 4H), 3.29 - 3.21 (m, 2H), 2.76 (s, 3H), 2.42 - 2.33 (m, 2H), 1.86 - 1.78 (m, 2H), 1.77 - 1.66 (m, 4H), 1.61 - 1.52 (m, 2H).
例13
化合物「A13」の合成
ステップ1:
4−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−酪酸エチルエステル(200mg;0.55mmol)をエチレングリコールモノメチルエーテル(6ml)に溶解し、次いで[3−(3−アミノ−フェノキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.43mmol;118.8mg)およびトリエチルアミン(0.18ml)を加えた。橙褐色溶液を、90℃で4時間撹拌した。混合物を、減少させて乾燥した;
収量:431.5mg オフホワイト固体、LCMS(B):2.245min、592.4(M+H)。
ステップ2:
4−(4−{5−[3−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−酪酸エチルエステル(018mmol;431mg)を15mlのエタノールに懸濁させ、2.2mlの水酸化ナトリウム溶液(c(NaOH)=2mol/l)を加えた。混合物を、70℃で3h撹拌した。
外的な氷冷下で塩酸を加えて、pH7を調整した。エタノールを除去し、水性エマルションを凍結乾燥した;収量:1.25g オレンジ色固体、LCMS(B):2.003min、564.3(M+H)。
ステップ3:
4−(4−{5−[3−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−酪酸(1.11mmol;1.25g)を6mlの1,4−ジオキサンに懸濁させ、次いで6mlの、ジオキサン中の塩化水素溶液(4mol/L)を加えた。黄色溶液を、室温で2.5h撹拌した。沈殿物が生成した。懸濁液を濾別し、ジクロロメタンで洗浄した;収量:1g オフホワイト固体、LCMS(B):1.477min、464.2(M+H)。
ステップ4:
100mlの丸底フラスコ中で、4−(4−{5−[3−(3−アミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}−フェノキシ)−酪酸(1.09mmol;1.01g)を、30mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した。混合物を、0℃に冷却した。O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)(1.09mmol;348mg)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(Hobt)(0.33mmol;45mg)を、加えた。TEAで混合物を中和した。茶色溶液を、室温で2.5h撹拌した。溶媒を除去し、残留物を水で処理し、真空下で濾別し、水およびヘプタンで洗浄した。粗生成物を、分取HPLCによって精製した;収量:18.8mg オフホワイト固体、LCMS(A):2.402min、446.2(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 10.41 (s, 1H), 9.45 (s, 1H), 8.19 (t, J=2.2, 1H), 8.03 (t, J=5.7, 1H), 7.89 - 7.85 (m, 2H), 7.17 (t, J=8.1, 1H), 7.15 - 7.11 (m, 2H), 6.88 - 6.84 (m, 1H), 6.59 - 6.54 (m, 1H), 4.08 (t, J=5.6, 2H), 3.90 (t, J=5.5, 2H), 3.25 (q, J=6.1, 2H), 2.27 - 2.20 (m, 2H), 2.06 - 2.00 (m, 2H), 1.87 - 1.78 (m, 2H).
例14
化合物「A14」の合成
ステップ1:
2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(0.4g、1.913mmol)をTHF(10mL)に溶解した0℃での撹拌溶液に、4−(4−アミノフェノキシ)ブタン酸エチル(0.37g、1.93mmol)をTHF(5mL)に溶解した溶液を加えた。反応物を、2h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、4−{4−[(2−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ブタン酸エチルを得た;収率:82%(0.6g、黄色固体)、LCMS:(方法D) 381.0(M+H)。
ステップ2:
4−{4−[(2−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ブタン酸エチル(0.38g、0.001mol)をTHF(10mL)に溶解した撹拌溶液に、(3−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)プロピル)カルバミン酸t−ブチル(0.24g、0.001mol)およびDIPEA(0.5mL、0.003mol)をTHF(2mL)に溶解した溶液を加えた。反応物を、2h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、4−(4−{2−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−5ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−酪酸エチルエステルを得た;収率:85%(0.5g、黄色固体)、LCMS:(方法D) 585.2(M+H)。
ステップ3:
4−(4−{2−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−酪酸エチルエステル(0.5g、0.00085mol)をCH3OH(20mL)に溶解し、Pd/C(10%、100mg)を加え、バルーンH2(14psi)下で16時間水素化した。TLCによって証拠づけられる反応完了後に、反応混合物を、セライト床を通して濾過し、メタノール(5mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、4−(4−{5−アミノ−2−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−酪酸エチルエステルを得た;収率:64%(0.3g、黄色液体)、LCMS:(方法D) 555.0(M+H)。
ステップ4:
4−(4−{5−アミノ−2−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−酪酸エチルエステル(0.3g、0.0005mol)およびオルトギ酸トリメチル(5mL、9.7mol)の溶液を、100℃で12h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、4−(4−{2−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−プリン−9−イル}−フェノキシ−酪酸エチルエステルを得た;収率:71%(0.2g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 565.0(M+H)。
ステップ5:
4−(4−{2−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−プリン−9−イル}−フェノキシ)−酪酸エチルエステル(0.2g、0.00035mol)をTHF(8mL)に溶解した撹拌溶液に、H2O(2mL)に溶解したLiOH.H2O(0.044g、0.0010mol)を、RT、3hで加えた。反応完了後、反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(20mL)と1N水性塩酸(2mL)との間で分割した(水層のpH 〜3)。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、4−(4−{2−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−プリン−9−イル}−フェノキシ)−酪酸を得た;収率:97%(0.29g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 536.0(M+H)。
ステップ6:
4−(4−(2−((1−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)フェノキシ)ブタン酸(150mg、0.27mmol)をDCM(10mL)に溶解した0℃での撹拌溶液に、5mLの1,4−ジオキサン中HClを加え、RTで2h撹拌した。反応完了後、次いで溶媒を減圧下で除去し、ジエチルエーテルで粉末化して、所望の化合物を得た;収率:84%(100mg、淡黄色固体)、LCMS:(方法D) 437.3(M+H)、RT. 2.22min;
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 9.63 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.79-7.76 (m, 5H), 7.58 (s, 1H), 7.18 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 4.15 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.07 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.89-2.85 (m, 2H), 2.41-2.38 (m, 2H), 2.08-1.98 (m, 2H).
ステップ7:
4−(4−(2−((1−(3−アミノプロピル)−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)フェノキシ)ブタン酸塩酸塩(100mg、0.18mmol)をDMF(50mL)に溶解した撹拌溶液に、0℃に冷却した。TBTU(60mg、0.18mmol)およびHOBT(7.3mg、0.55mmol)を反応混合物に加え、次いでEt3N(0.07mL、0.48mmol)で中和する。反応混合物を、RTで16h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、次いで粗生成物を質量基準逆相クロマトグラフィー(Mass based Reverse Phase chromatography)によって精製して、所望の化合物を得た;収率:25%(20mg、淡黄色固体)、LCMS:(方法D) 419.2(M+H)、RT. 2.16min;
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 9.69 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.68 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.28 (s, 1H), 7.20 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.15-4.10 (m, 2H), 3.90-3.85 (m, 4H), 3.18-3.17 (m, 2H), 3.10-3.08 (m, 1H), 2.26-2.25 (m, 2H), 2.01-1.98 (m, 2H), 1.88-1.85 (m, 2H).
例15
化合物「A15」の合成
ステップ1:
4−{4−[(2−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ブタン酸エチル(0.5g、0.0013mol)をTHF(10mL)に溶解した撹拌した溶液に、[3−(4−アミノフェノキシ)プロピル]カルバミン酸t−ブチル(0.35g、0.0013mol)およびDIPEA(0.5mL、0.0039mol)をTHF(2mL)に溶解した溶液を加えた。反応物を、2h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、4−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−酪酸エチルエステルを得た;収率:52%(0.4g、黄色固体)、LCMS:(方法D) 611.0(M+H)。
ステップ2:
4−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−酪酸エチルエステル(0.4g、0.00065mol)をCH3OH(20mL)に溶解し、Pd/C(10%、75mg)を加え、バルーンH2(14psi)下で16時間水素化した。TLCによって証拠づけられる反応完了後に、反応混合物を、セライト床を通して濾過し、メタノール(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、4−(4−{5−アミノ−2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−酪酸エチルエステルを得た;収率:71%(0.3g、淡黄色液体)、LCMS:(方法D) 581.0(M+H)。
ステップ3:
4−(4−{5−アミノ−2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−酪酸エチルエステル(0.3g、0.0005mol)およびオルトギ酸トリメチル(5mL、9.7mol)の溶液を、100℃で12h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、4−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−プリン−9−イル}−フェノキシ)−酪酸エチルエステルを得た;収率:68%(0.2g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 591.0(M+H)。
ステップ4:
4−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−プリン−9−イル}−フェノキシ)酪酸エチルエステル(0.2g、0.33mmol)をTHF(8mL)に溶解した撹拌溶液に、H2O(2mL)に溶解したLiOH.H2O(0.42g、0.0010mol)を、RT、3hで加えた。反応完了後、反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(20mL)と1N水性塩酸(2mL)との間で分割した(水層のpH 〜3)。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、4−[4−({2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−5−メチル−ピリミジン−4−イル}−ビニル−アミノ)−フェノキシ]−酪酸を得た;収率:81%(0.15g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 563.3(M+H)。
ステップ5:
4−(4−(2−((4−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロポキシ)フェニル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)フェノキシ)ブタン酸(150mg、0.00026mol)をDCM(10mL)に溶解した0℃での撹拌溶液に、5mLの1,4−ジオキサン中HClを、RT、2hで加えた。反応完了後に、溶媒を減圧下で除去し、ジエチルエーテルで粉末化して、所望の化合物を塩酸塩として得た;収率:23%(30mg、薄茶色固体)、LCMS:(方法D) 463.0(M+H)、RT. 2.53min;
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 9.59 (s, 1H), 8.89 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 7.78 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.68 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.24-4.20 (m, 2H), 4.13-4.09 (m, 2H), 2.95 (d, J = 6.7 Hz, 2H), 2.50-2.49 (m, 2H), 1.99-1.96 (m, 4H).
ステップ6:
DMF(50mL)に溶解した4−(4−(2−((4−(3−アミノプロポキシ)フェニル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)フェノキシ)ブタン酸塩酸塩(100mg、0.20mmol)の溶液を、0℃に冷却した。TBTU(64mg、0.20mmol)およびHOBT(8.1mg、0.6mmol)を反応混合物に加え、次いでトリエチルアミン(0.07mL、0.48mmol)で中和する。反応混合物を、RTで16h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、次いで粗生成物を質量基準逆相クロマトグラフィーによって精製して、所望の化合物を得た;収率:11%(10mg、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 445.2(M+H)、RT. 2.64min;
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 9.41 (s, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 7.95 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.82 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.09 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.96 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.18-3.17 (m, 2H), 2.21 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.99-1.92 (m, 2H), 1.86-1.83 (m, 2H).
例16
化合物「A16」の合成
ステップ1:
2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(3.6g、0.0134mol)をTHF(10mL)に溶解した0℃での撹拌溶液に、4−(4−アミノフェノキシ)ペンタン酸エチル(2.6g、0.0134mol)をTHF(5mL)に溶解した溶液を加えた。反応物を、2h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、4−{4−[(2−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ペンタン酸エチルを得た;収率:94%(5g、黄色固体)、LCMS:(方法D) 405.2(M+H)。
ステップ2:
5−(3−((2−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ)フェノキシ)ペンタン酸エチル(0.7g、0.00177mol)をTHF(10mL)に溶解した撹拌溶液に、[3−(4−アミノ−フェノキシ)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.472g、0.00177mol)およびDIPEA(0.5mL、0.003mol)をTHF(2mL)に溶解した溶液を加えた。反応混合物を、2h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、5−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)フェニルアミノ]−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ}フェノキシ)ペンタン酸エチルエステルを得た;収率:72%(0.8g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 625.2(M+H)。
ステップ3:
5−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ}フェノキシ)ペンタン酸エチルエステル(0.8g、0.128mmol)を、CH3OH(20mL)に溶解し、Pd/C(10%、100mg)を加え、バルーンH2(14psi)下で16時間水素化した。TLCによって証拠づけられる反応完了後に、反応混合物を、セライト床を通して濾過し、エタノール(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、5−(4−{5−アミノ−2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ−フェニルアミノ]ピリミジン−4−イルアミノ}フェノキシ)ペンタン酸エチルエステルを得た;収率:79%(0.6g、黄色の粘着性液体)、LCMS(方法D) 595.0(M+H)。
ステップ4:
5−(4−{5−アミノ−2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}フェノキシ)ペンタン酸エチルエステル(0.6g、0.0010mol)およびオルトギ酸トリメチル(10mL)の溶液を、100℃で12h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、5−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−プリン−9−イル}フェノキシ)ペンタン酸エチルエステルを得た;収率:50%(0.3g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 605.3(M+H)。
ステップ5:
5−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−プリン−9−イル}フェノキシ)ペンタン酸エチルエステル(0.3g、0.49mmol)をTHF(8mL)に溶解した撹拌溶液に、H2O(2mL)に溶解したLiOH.H2O(0.062g、0.148mmol)を、RT、3hで加えた。反応完了後、反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(20mL)と1N水性塩酸(2mL)との間で分割した(水層のpH 〜3)。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、5−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ)−フェニルアミノ]−プリン−9−イル}フェノキシ)ペンタン酸を得た;収率:88%(0.25g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 577.0(M+H)。
ステップ6:
5−(4−(2−((4−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロポキシ)フェニル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)フェノキシ)ペンタン酸(150mg、0.00025mol)をDCM(10mL)に溶解した0℃での撹拌溶液に、5mLの1,4−ジオキサン中HClを、RT、2hで加えた。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、ジエチルエーテルで粉末化して、所望の化合物を得た;収率:12%(15mg、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 477.1(M+H)、RT. 2.68min;
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 9.61 (s, 1H), 8.89 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.92-7.90 (m, 4H), 7.78 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.68 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.16 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.08-4.00 (m, 4H), 2.95 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 2.31 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.99 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 1.78-1.60 (m, 2H).
ステップ7:
DMF(50mL)に溶解した5−(4−(2−((4−(3−アミノプロポキシ)フェニル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)フェノキシ)ペンタン酸塩酸塩(100mg、0.00019mol)の撹拌溶液に、0℃に冷却した。TBTU(64mg、0.00019mol)およびHOBT(8.1mg、0.000057mol)を反応混合物に加え、次いでEt3N(0.05mL、0.00038mol)で中和する。反応混合物を、RTで16h撹拌した。反応完了後に、溶媒を減圧下で除去し、次いで粗製物を質量基準逆相クロマトグラフィーによって精製して、所望の化合物を得た;収率:40%(35mg、淡黄色固体)、LCMS:(方法D) 459.2(M+H)、RT. 2.20min;
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 9.46 (s, 1H), 8.85 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 7.84 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.82 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.14-4.13 (m, 2H), 3.93-3.90 (m, 2H), 3.20-3.16 (m, 2H), 2.25 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 1.84-1.81 (m, 2H), 1.72-1.69 (m, 4H).
例17
化合物「A17」の合成
ステップ1:
5−(4−アミノ−フェノキシ)−ペンタン酸エチルエステル(21mmol;5.663g)を、80mlの1,4−ジオキサンに溶解した。外的な氷冷下で、先ず2,4−ジクロロ−5−ニトロ−ピリミジン(17.5mmol;3.5g)、次いでN−エチルジイソプロピルアミン(4.5ml)を、ゆっくりと加えた。赤色懸濁液を、室温で2時間撹拌した。
沈殿物を濾別し、THFで洗浄した。濾液を減少して乾燥させ、残留物を水で処理し、濾別し、水およびシクロヘキサンで洗浄した;収量:7.92g 赤色固体、LCMS(C):2.557min、395.1(M+H)。
ステップ2:
5−[4−(2−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−ペンタン酸エチルエステル(7.92g;15.65mmol)を、80mlのTHFに溶解した。4gのスポンジニッケル触媒を加え、混合物を、ガス状H2を使用して水素化して、所望の生成物を得た;収量:3.94g 暗褐色油、LCMS(B):1.878min、365.2(M+H)。
ステップ3:
5−[4−(5−アミノ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−ペンタン酸エチルエステル(5.08mmol;3.94g)を50mlのアセトニトリルに溶解した溶液に、亜硝酸ブチル(7.6mmol;0.9ml)を加え、暗褐色溶液を70℃で2h撹拌した。
反応混合物を室温に冷却し、減少させて乾燥した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン酢酸エチル勾配)によって精製した;収量:2.59g オレンジ色固体、LCMS(B):2.127min、376.1(M+H)。
ステップ4:
5−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−ペンタン酸エチルエステル(0.56mmol;220mg)および4−[2−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.56mmol;167mg)を、5mlのエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解した。トリエチルアミン(0.2ml)を、混合物に加えた。暗赤色溶液を、90℃で2h撹拌した。
混合物を減少させて乾燥し、シリカ上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/シクロヘキサン勾配)によって精製した;収量:309.7mg 黄色固体、LCMS(B):2.239min、634.4(M+H)。
ステップ5:
4−[2−(4−{3−[4−(4−エトキシカルボニル−ブトキシ)−フェニル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ}−ピラゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.39mmol;309mg)を15mlのエタノールに懸濁させ、4mlの水酸化ナトリウム溶液(c(NaOH)=2mol/l)を加えた。オレンジ色溶液を、70℃で1.25h撹拌した。外的な氷冷下で塩酸を加えて、pH7を調整し、エタノールを除去し、残留物をメタノールで処理し、固体部分を濾別した。濾液を減少させて乾燥して、所望の生成物を得た;収量:1.332g 黄色固体、LCMS(B):1.984min、606.4(M+H)。
ステップ6:
4−[2−(4−{3−[4−(4−カルボキシ−ブトキシ)−フェニル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ}−ピラゾール−1−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.88mmol;1.33g)を、6mlの1,4−ジオキサンに懸濁させた。6mlの、ジオキサン中の塩化水素溶液(4mol/L)を加え、黄色懸濁液を室温で1h撹拌した。懸濁液を濾別し、ジクロロメタンで洗浄した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(MeOH、DCM勾配)によって精製した;収量:190.2mg 黄色固体、LCMS(B):1.466min、506.3(M+H)。
ステップ7:
5−(4−{5−[1−(2−ピペリジン−4−イル−エチル)−1H−ピラゾール−4−イルアミノ]−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}フェノキシ)ペンタン酸(0.3mmol;170mg)を、N,N−ジメチルホルムアミド(10.00ml)に溶解した。混合物を、0℃に冷却した。O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)(0.3mmol;96mg)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(Hobt)(0.09mmol;12.4mg)を加え、TEAで混合物を中和した。オレンジ色溶液を、室温で1h撹拌した。溶媒を除去し、残留物を水で処理し、真空下で濾別し、水およびシクロヘキサンで洗浄した。粗生成物を、分取HPLCによって精製した;収量:34.1mg 黄色固体、LCMS(A):2.402min、488.3(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 10.38 (s, 1H), 9.36 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.02 - 7.95 (m, 2H), 7.35 (s, 1H), 7.26 - 7.20 (m, 2H), 4.41 - 4.32 (m, 1H), 4.24 - 4.03 (m, 4H), 3.83 - 3.73 (m, 1H), 2.97 - 2.89 (m, 1H), 2.72 - 2.62 (m, 1H), 2.50 - 2.44 (m, 1H), 2.16 - 2.07 (m, 1H), 2.00 - 1.91 (m, 2H), 1.89 - 1.46 (m, 7H), 1.18 - 1.08 (m, 1H), 1.04 - 0.93 (m, 1H).
例18
化合物「A18」の合成
ステップ1:
4−{4−[(2−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ブタン酸エチル(1g、0.00263mol)を1,4−ジオキサン(10mL)に溶解した撹拌溶液に、[3−(4−アミノフェニル)プロピル]カルバミン酸t−ブチル(0.72g、0.00289mol)およびDIPEA(1.37mL、0.0078mol)を1,4−ジオキサン(2mL)に溶解した溶液を加えた。反応物を、12h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、4−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−酪酸エチルエステルを得た;収率:45%(0.7g、淡黄色固体)、LCMS:(方法D) 595.2(M+H)。
ステップ2:
4−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)フェニルアミノ]−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ}フェノキシ)−酪酸エチルエステル(0.7g、0.0011mol)を、CH3OH(20mL)に溶解し、Pd/C(10%、200mg)を加え、バルーンH2(14psi)下で16時間水素化した。TLCによって証拠づけられる反応完了後に、反応混合物を、セライト床を通して濾過し、エタノール(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、4−(4−{5−アミノ−2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)フェニルアミノ]ピリミジン−4−イルアミノ}フェノキシ)−酪酸エチルエステルを得た;収率:78%(0.5g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 579.2(M+H)。
ステップ3:
4−(4−{5−アミノ−2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−酪酸エチルエステル(0.5g、0.00088mol)およびオルトギ酸トリメチル(5mL)の溶液を、100℃で12h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、4−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)フェニルアミノ]−プリン−9−イル}−フェノキシ)−酪酸エチルエステルを得た;収率:59%(0.3g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 575.0(M+H)。
ステップ4:
4−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−プリン−9−イル}フェノキシ)−酪酸エチルエステル(0.3g、0.00052mmol)をTHF(8mL)に溶解した撹拌溶液に、H2O(2mL)に溶解したLiOH.H2O(0.067g、0.00156mol)を、RT、3hで加えた。反応完了後、反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(20mL)と1N水性塩酸(2mL)との間で分割した(水層のpH 〜3)。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、4−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−プリン−9−イル}−フェノキシ)−酪酸を得た;収率:70%(0.2g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 547.2(M+H)。
ステップ5:
4−(4−(2−((4−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)フェニル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)フェノキシ)ブタン酸(150mg、0.00027mol)をDCM(10mL)に溶解した0℃での撹拌溶液に、5mLの1,4−ジオキサン中HClを、RT、2hで加えた。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、ジエチルエーテルで粉末化して、所望の化合物を得た;収率:33%(40mg、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 447.3(M+H)、RT. 2.62min;
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 9.65 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 7.80 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.66 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.11 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.15 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.74-2.70 (m, 2H), 2.60-2.57 (m, 2H), 2.07 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 1.92-1.81 (m, 4H).
ステップ6:
4−(4−(2−((4−(3−アミノプロピル)フェニル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)フェノキシ)ブタン酸(150mg、0.00033mol)をDMF(50mL)に溶解した撹拌溶液に、0℃に冷却した。TBTU(109mg、0.00033mol)およびHOBT(7.3mg、0.00010mol)を、反応混合物に加え、次いでEt3N(0.07mL、0.00048mol)で中和する。反応混合物を、RTで16h撹拌した。反応完了後に、溶媒を減圧下で除去し、次いで粗製物を質量基準逆相クロマトグラフィーによって精製して、所望の化合物を得た;収率:25%(20mg、淡黄色固体)、LCMS:(方法D) 429.2(M+H)、RT. 2.66min;
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 9.44 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.76 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.10-7.05 (m, 4H), 4.08 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.03-2.98 (m, 2H), 2.58 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.18-2.12 (m, 2H), 1.97-1.92 (m, 2H), 1.70-1.64 (m, 2H).
例19
化合物「A19」の合成
ステップ1:
5−(3−((2−クロロ−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ)フェノキシ)ペンタン酸エチル(0.7g、0.00177mol)をTHF(10mL)に溶解した撹拌溶液に、(3−(4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)プロピル)カルバミン酸t−ブチル(0.44g、0.00177mol)およびDIPEA(0.93mL、0.0078mol)をTHF(2mL)に溶解した溶液を加えた。反応物を、2h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、5−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−ペンタン酸エチルエステルを得た;収率:55%(0.6g、淡黄色固体)、LCMS:(方法D) 609.0(M+H)。
ステップ2:
5−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−ペンタン酸エチルエステル(0.6g、0.00098mol)を、CH3OH(20mL)に溶解し、Pd/C(10%、200mg)を加え、バルーンH2(14psi)下で16時間水素化した。TLCによって証拠づけられる反応完了後に、反応混合物を、セライト床を通して濾過し、エタノール(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、5−(4−{5−アミノ−2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イルアミノ}−フェノキシ)−ペンタン酸エチルエステルを得た;収率:76%(0.4g、黄色液体)、LCMS:(方法D) 579.0(M+H)。
ステップ3:
5−(4−((5−アミノ−2−((4−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)フェニル)アミノ)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェノキシ)ペンタン酸エチル(0.4g、0.00069mol)およびオルトギ酸トリメチル(5mL、9.7mol)の溶液を、100℃で12h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、5−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−プリン−9−イル}−フェノキシ)−ペンタン酸エチルエステルを得た;収率:61%(0.25g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 589.3(M+H)。
ステップ4:
5−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−プリン−9−イル}−フェノキシ)−ペンタン酸エチルエステル(0.25g、0.00042mol)をTHF(8mL)に溶解した撹拌溶液に、H2O(2mL)に溶解したLiOH.H2O(0.054g、0.00126mol)を、RT、3hで加えた。反応完了後、反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(20mL)と1N水性塩酸(2mL)との間で分割した(水層のpH 〜3)。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、5−(4−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−フェニルアミノ]−プリン−9−イル}−フェノキシ)−ペンタン酸を得た;収率:85%(0.2g、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 536.0(M+H)。
ステップ5:
5−(4−(2−((4−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)フェニル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)フェノキシ)ペンタン酸(0.2g、0.00035mol)をDCM(10mL)に溶解した0℃での撹拌溶液に、5mLの1,4−ジオキサン中HClを、RT、2hで加えた。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、ジエチルエーテルで粉末化して、所望の化合物を得た;収率:33%(40mg、オフホワイト固体)、LCMS:(方法D) 461.0(M+H)、RT. 2.86min;
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 9.69 (s, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.83-7.71 (m, 6H), 7.14-7.12 (m, 4H), 4.08-4.05 (m, 2H), 2.78-2.73 (m, 2H), 2.60-2.50 (m, 2H), 2.32 (t, J = 7.12 Hz, 2H), 1.84-1.80 (m, 4H), 1.77-1.71 (m, 2H).
ステップ6:
5−(4−(2−((4−(3−アミノプロピル)フェニル)アミノ)−9H−プリン−9−イル)フェノキシ)ペンタン酸塩酸塩(12mg、0.000241mol)をDMF(50mL)に溶解した撹拌溶液に、0℃に冷却した。TBTU(77mg、0.000241mol)およびHOBT(10mg、0.000072mol)を、反応混合物に加え、次にトリエチルアミン(0.07mL、0.00048mol)で中和する。反応混合物を、RTで16h撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、次に粗製の物質を質量基準逆相クロマトグラフィーによって精製して、所望の化合物を得た;収率:19%(20mg、淡黄色固体)、LCMS:(方法D) 443.2(M+H)、RT. 3.04min;
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] 9.57 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.73 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.59 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.11-7.05 (m, 4H), 4.14 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.50 (s, 1H), 2.95-2.93 (m, 2H), 2.59-2.57 (m, 2H), 2.16-2.15 (m, 2H), 1.73-1.63 (m, 6H).
例20
化合物「A20」の合成
化合物を、前の例と同様にして合成した。
例21
化合物「A21」の合成
ステップ1:
4−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−酪酸(200mg;0.43mmol)を、6mlのエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解した。(3−{4−[2−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.43mmol;196mg)およびトリエチルアミン(0.18ml)を、加えた。黄褐色溶液を、90℃で1.25h撹拌した。混合物を減少させて乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(MeOH DCM勾配)によって精製した;収量:281mg 黄色固体、LCMS(B):1.492min、650.4(M+H)。
ステップ3:
4−{4−[5−(1−{2−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−1H−ピラゾール−4−イルアミノ)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−フェノキシ}−酪酸(781mg;0.98mmol)を、10mlの1,4−ジオキサンに溶解した。6mlの、ジオキサン中の塩化水素溶液(4mol/L)を加えた。黄色懸濁液を、室温で1h撹拌した。沈殿物を真空下で濾別し、ジオキサンおよびジクロロメタンで洗浄した;収量:512mg 黄色固体、LCMS(B):1.327min、550.3(M+H)。
ステップ4:
4−{4−[5−(1−{2−[4−(3−アミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−1H−ピラゾール−4−イルアミノ)−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]−フェノキシ}−酪酸(0.62mmol;412mg)を、20mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した。O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)(0.62mmol;200mg)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)(0.19mmol;26mg)を加え、TEAで混合物を中和した。オレンジ色懸濁液を、室温で1.5h撹拌した。溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM MeOH勾配)によって精製した;収量:65.1mg 淡黄色固体、LCMS(B):1.418min、532.3(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 10.35 (s, 1H), 9.37 (s, 1H), 8.51 - 7.86 (m, 4H), 7.52 - 7.40 (m, 1H), 7.28 - 7.22 (m, 2H), 4.39 - 4.20 (m, 2H), 4.17 - 4.00 (m, 2H), 3.24 - 3.17 (m, 2H), 3.10 - 2.17 (m, 14H), 2.12 - 1.96 (m, 2H), 1.85 - 1.46 (m, 2H).
例22
化合物「A22」の合成
ステップ1:
(4−アミノ−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2g;9mmol)を、50mlの1,4−ジオキサンに溶解した。外的な氷冷下で、先ず2,4−ジクロロ−5−ニトロ−ピリミジン(1.8g;9mmol)、次にN−エチルジイソプロピルアミン(2.3ml;13.5mmol)を、ゆっくりと加えた(発熱反応)。混合物を、室温で1時間撹拌した。沈殿物を濾別し、THFで洗浄した。濾液を減少させて乾燥し、シリカ上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン酢酸エチル勾配)によって精製した;収量:3.087g オレンジ色固体、LCMS(A):2.901min、380.2(M+H)。
ステップ2:
例7、ステップ2に記載した手順を使用して、[4−(2−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.1g;8.2mmol)を水素化して、所望の生成物を得た;収量:1.65g 茶色固体、LCMS(A):2.509min、350.1(M+H)。
ステップ3:
[4−(5−アミノ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.65g;4.46mmol)を乾燥アセトニトリル(30ml)に溶解した溶液に、亜硝酸ブチル(0.8ml;6.69mmol)を加えた。溶液を、70℃で1h撹拌した。
反応混合物を室温に冷却し、減少させて乾燥し、シリカ上に吸収させて、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン酢酸エチル勾配)によって精製した;収量:1.129g 茶色固体、LCMS(A):2.871min、305.0(M+H)。
ステップ4:
[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(250mg;0.63mmol)を、10mlのエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解した。4−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−酪酸メチルエステル(115.5mg;0.63mmol)を、混合物に加えた。赤色溶液を、80℃で1時間撹拌した。混合物を減少させて乾燥し、酢酸エチルに溶解し、シリカ上に吸収させて、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン酢酸エチル勾配)によって精製した;収量:302mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.903min、508.2(M+H)。
ステップ5:
4−(4−{3−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−フェニル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ}−ピラゾール−1−イル)−酪酸メチルエステル(302mg;0.59mmol)を、10mlのメタノールに懸濁させた。0.43mlの水酸化ナトリウム溶液(c(NaOH)=2mol/l)を、加えた。アルカリ性加水分解物を、70℃で撹拌した。外的な氷冷下で塩酸を加えて、pH6を調整した。残留物を濾別し、水で洗浄する;収量:161mg オフホワイト固体、LCMS(A):2.528min、494.2(M+H)。
ステップ6:
4−(4−{3−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−フェニル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ}−ピラゾール−1−イル)−酪酸(160.6mg;0.33mmol)を、4mLのジオキサンに溶解した。4mlの、ジオキサン中のHCl(4mol/L)を加えた。混合物を、30℃で2時間撹拌した。懸濁生成物を濾別し、DCMで洗浄した;収量:128mg 黄色固体、LCMS(A):1.636min、394.2(M+H)。
ステップ7:
100mlの丸底フラスコ中で、4−{4−[3−(4−アミノメチル−フェニル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ]−ピラゾール−1−イル}−酪酸塩酸塩(157mg;0.37mmol)を、50mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した。混合物を、0℃に冷却した。O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(117.3mg;0.37mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(15mg;0.1mmol)を、加えた。トリエチルアミン(101μl;0.7mmol)で、混合物を中和した。カップリングを、RTで14h撹拌した。溶媒を、高度の真空下で蒸発させた。粗生成物を水に懸濁させ、濾別した。固体を酢酸エチル中に吸収させ、シリカ上に吸収させて、フラッシュクロマトグラフィー(DCM MeOH勾配)によって精製した;収量:63.3mg 明るい黄色の固体、LCMS(A):1.919min、376.2(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 10.36 (s, 1H), 9.36 (s, 1H), 8.55 (t, J=6.3, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.70 (s, 4H), 7.26 (d, J=0.7, 1H), 4.35 (d, J=6.3, 2H), 4.08 - 4.01 (m, 2H), 2.13 - 2.08 (m, 2H), 1.74 - 1.66 (m, 2H).
例23
化合物「A23」の合成
ステップ1:
{3−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−ピラゾール−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.41mmol;160mg)および4−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−酪酸(0.41mmol;81.4mg)を、5mlのエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解した。トリエチルアミン(115μl)を加え、黄色懸濁液を80℃で1.5h撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、減少させて乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM MeOH勾配)によって精製した;収量:221.5mg 黄色固体、LCMS(C):1.942min、512.3(M+H)。
ステップ2:
4−(4−{3−[1−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ}−ピラゾール−1−イル)−酪酸(0.37mmol;221mg)を、4mlの1,4−ジオキサンに懸濁させた。次に、4mlの、ジオキサン中の塩化水素溶液(4mol/L)を加えた。黄色溶液を、室温で1h撹拌した。沈殿物を濾別し、ジクロロメタンで洗浄した。それを水およびメタノールで溶解し、減少させて乾燥した;収量:158.9mg 黄色固体、LCMS(B):1.269min、412.1(M+H)。
ステップ3:
4−(4−{3−[1−(3−アミノ−プロピル)−1H−ピラゾール−4−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ}−ピラゾール−1−イル)−酪酸塩酸塩(0.31mmol;158mg)を、N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解した。O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)(0.31mmol;101mg)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(Hobt)(0.094mmol;13mg)を加え、TEAで混合物を中和した。黄色溶液を、室温で14h撹拌した。混合物を再び減少させて乾燥し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM MeOH勾配)によって精製した;収量:68.5mg 黄色固体、LCMS(B):1.403min、394.2(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 10.41 (s, 1H), 9.35 (s, 1H), 8.62 - 8.57 (m, 1H), 8.38 - 8.33 (m, 1H), 8.11 - 8.09 (m, 1H), 7.98 (t, J=5.8, 1H), 7.43 - 7.39 (m, 1H), 4.26 (t, J=7.3, 2H), 4.10 (t, J=7.2, 2H), 3.14 (q, J=5.9, 2H), 2.19 - 2.03 (m, 6H).
例24
化合物「A24」の合成
ステップ1:
2−[3−(4−アミノ−フェノキシ)−プロピル]−イソインドール−1,3−ジオン(10mmol;2.96g)を、40mlの1,4−ジオキサンに溶解した。外的な氷冷下で、先ず2,4−ジクロロ−5−ニトロ−ピリミジン(10mmol;2g)および次にN−エチルジイソプロピルアミン(15mmol;2.55ml)を、ゆっくりと加えた(発熱反応)。赤色溶液を、室温で1h撹拌した。沈殿物を濾別し、THFで洗浄した。濾液を減少させて乾燥し、固体の残留物を水とともに粉末化し、濾別し、水およびシクロヘキサンで洗浄した;収量:4.459g 黄色固体、LCMS(B):2.077min、454.1(M+H)。
ステップ2:
例7、ステップ2に記載した手順を使用して、2−{3−[4−(2−クロロ−5−ニトロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオン(4.46g;9.53mmol)を水素化して、所望の生成物を得た;収量:3.58g 茶色固体、LCMS(B):1.877min、424.1(M+H)。
ステップ3:
2−{3−[4−(5−アミノ−2−クロロ−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオン(7.2mmol;3.58g)をアセトニトリル(60,00ml)に溶解した溶液を、亜硝酸ブチル(10.8mmol;1.3ml)で処理し、茶色溶液を、70℃で1h撹拌した。反応混合物を減少させて乾燥し、シリカ上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(DCM MeOH勾配)によって精製した;収量:2.31g オフホワイト固体、LCMS(B):2.082min、435.1(M+H)。
ステップ4:
2−{3−[4−(5−クロロ−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)−フェノキシ]−プロピル}−イソインドール−1,3−ジオン(0.79mmol;350mg)および4−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−酪酸(0.79mmol;155mg)を、5mlのエチレングリコールモノメチルエーテルに懸濁させた。次に、トリエチルアミン(1.58mmol;218μl)を、加えた。バラ色懸濁液を、80℃で1.25h撹拌した。30分後、懸濁液、別の10mlのエチレングリコールモノメチルエーテルを、加えた。
反応混合物を、室温に冷却した;沈殿物を濾別し、ジクロロメタンで洗浄した;
収量:335.6mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.864min、568.2(M+H)。
ステップ5:
4−[4−(3−{4−[3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロポキシ]−フェニル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ)−ピラゾール−1−イル]−酪酸(0.57mmol;335mg)を、6mlのメタノールに溶解した。次に、水酸化ヒドラジニウム(100%)を、加えた。明るいオレンジ色の懸濁液を、60℃で5.25h撹拌した。懸濁液を濾別し、メタノールおよびジクロロメタンで洗浄した;
収量:226.4mg オフホワイト固体、LCMS(B):1.343min、438.1(M+H)。
ステップ6:
4−(4−{3−[4−(3−アミノ−プロポキシ)−フェニル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ}−ピラゾール−1−イル)−酪酸(0.49mmol;226mg)を、15mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した。O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)(0.49mmol;156mg)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)(0.15mmol;20mg)を加え、TEAで混合物を中和した。淡黄色懸濁液を、室温で3.5h撹拌した。懸濁液を濾別し、水およびシクロヘキサンで洗浄した。有機相を減少させて乾燥し、分取HPLCによって精製した;収量:21.4mg オフホワイト固体、LCMS(A):2.108min、420.1(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 10.34 (s, 1H), 9.36 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.98 (t, J=5.8, 1H), 7.95 - 7.89 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.25 - 7.17 (m, 2H), 4.19 (t, J=6.6, 2H), 4.10 - 4.02 (m, 2H), 3.28 - 3.21 (m, 2H), 2.20 (t, J=7.3, 2H), 2.04 - 1.94 (m, 2H), 1.92 - 1.82 (m, 2H).
例25
化合物「A25」の合成
ステップ1:
3−[4−(2−ブロモ−エチル)−フェニル]−5−クロロ−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(174.9mg;0.44mmol)を、エチレングリコールモノメチルエーテル(7ml)に溶解した。[4−(4−アミノ−ピラゾール−1−イル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(114mg;0.44mmol)およびトリエチルアミン(0.12ml)を、加えた。赤色溶液を、80℃で1時間撹拌した。混合物を減少させて乾燥し、酢酸エチルに溶解し、シリカ上に吸収させて、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン酢酸エチル勾配)によって精製した;収量:229mg 黄色固体、LCMS(A):3.016min、558.1(M+H)。
ステップ2:
[4−(4−{3−[4−(2−ブロモ−エチル)−フェニル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イルアミノ}−ピラゾール−1−イル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2290mg;0.28mmol)を、3mLのジオキサンに溶解した。ジオキサン中のHCl(4mol/L、3ml)を、加えた。混合物を、RTで1時間撹拌した。1時間後、温度を50℃に上昇させ、混合物を4時間撹拌した。懸濁生成物を濾別し、DCMで洗浄した。粗生成物を、分取HPLCによって精製した;収量:125.5mg 黄色固体、LCMS(A):2.063min、456.2(M+H)。
ステップ3:
50mlの丸底フラスコ中で、[1−(4−アミノ−ブチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−{3−[4−(2−ブロモ−エチル)−フェニル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル}−アミン(50mg;0.1mmol)を、6mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解した。炭酸カリウム(41mg)およびヨウ化ナトリウム(1.5mg)を、加えた。混合物を、RTで14h撹拌した。溶媒を蒸発させた。残留物を分取HPLCによって精製した;収量:9.8mg 黄色固体、LCMS(A):1.644min、376.2(M+H)。
以下の化合物「A26」を、例2と同様にして製造した:
LCMS(A) 2.233min、434(M+H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 10.34 (s, 1H), 9.36 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.02 - 7.82 (m, 3H), 7.39 (s, 1H), 7.28 - 7.15 (m, 2H), 4.19 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.11 - 3.98 (m, 2H), 3.16 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 2.17 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.02 - 1.88 (m, 2H), 1.83 - 1.64 (m, 4H).
以下の化合物「A27」を、例18と同様にして製造した:
LCMS 443(M+H);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 9.64 (s, 1H), 8.89 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.79 - 7.73 (m, 3H), 7.73 - 7.68 (m, 2H), 7.23 - 7.17 (m, 2H), 7.09 - 7.03 (m, 2H), 4.25 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.14 (q, J = 5.9 Hz, 2H), 2.60 - 2.52 (m, 2H), 1.96 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 1.81 (p, J = 6.6 Hz, 2H), 1.78 - 1.69 (m, 2H), 1.51 (m, 2H).
薬理学的データ
表2 式Iで表される数種の代表的な化合物のGCN2阻害
表2に示す化合物は、本発明の特に好ましい化合物である。
以下の例は医薬に関する:
例A:注射バイアル
100gの式Iで表される活性材料および5gのリン酸水素二ナトリウムを3lの2回蒸留水に溶解した溶液を、2Nの塩酸を使用してpH6.5に調整し、滅菌ろ過し、注射バイアル中に移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で封をする。各々の注射バイアルは、5mgの活性材料を含む。
例B:座剤
20gの式Iで表される活性材料と100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターとの混合物を、溶融し、型中に注ぎ入れ、放冷する。各々の座剤は、20mgの活性材料を含む。
例C:溶液
1gの式Iで表される活性材料、9.38gのNaH2PO4・2H2O、28.48gのNa2HPO4・12H2Oおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから、2回蒸留した940mlの水中に、溶液を調製する。pHを6.8に調整し、溶液を1lにし、放射線により滅菌する。この溶液は、点眼剤の形態で用いることができる。
例D:軟膏
500mgの式Iで表される活性材料を、無菌条件下で、99.5gのワセリンと混合する。
例E:錠剤
式Iで表される1kgの活性材料、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、慣用の様式で圧縮して、錠剤を得、各錠剤が10mgの活性材料を含むようにする。
例F:糖衣錠
錠剤を、例Eに類似させて圧縮し、続いて、慣用の様式で、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料の被膜で被覆する。
例G:カプセル
式Iで表される2kgの活性材料を、慣用の様式で、硬質ゼラチンカプセル中に導入し、各々のカプセルが20mgの活性材料を含むようにする。
例H:アンプル
1kgの式Iで表される活性材料を60lの2回蒸留水に溶解した溶液を滅菌ろ過し、アンプル中に移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で封をする。各アンプルは、10mgの活性材料を含む。