JP2016516776A - がんの処置に使用するための2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン - Google Patents

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Abstract

本発明は、ナフトフラン化合物、ナフトフラン化合物の多形体、粒子形態のナフトフラン化合物、1種または複数のナフトフラン化合物を含有する精製された組成物、1種または複数の粒子形態のナフトフラン化合物を含有する精製された組成物、ならびにこれらのナフトフラン化合物、多形体、精製された組成物および/または粒子形態を使用して、それを必要とする被験体を処置する方法を提供する。一局面において、ヒト被験体におけるがんを処置する方法が提供され、上記方法は、治療有効量の、本明細書に記載の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを、がんの処置を必要とする被験体に投与することを含み、上記化合物は、約80mg〜約2000mgの範囲の総1日用量で上記被験体に投与される。

Description

この出願は、2013年4月9日に出願された米国仮出願第61/810,117号;2013年6月1日に出願された米国仮出願第61/830,068号;2014年1月27日に出願された米国仮出願第61/932,179号;および2014年2月11日に出願された米国仮出願第61/938,386号の利益を主張する。これらの各々の内容は、それらの全体が参考として本明細書に援用される。
本発明は、ナフトフラン化合物、ナフトフラン化合物の多形体、粒子形態のナフトフラン化合物、1種または複数のナフトフラン化合物を含有する精製された組成物、1種または複数の粒子形態のナフトフラン化合物を含有する精製された組成物、ならびにこれらのナフトフラン化合物、多形体、精製された組成物および/または粒子形態を使用して、それを必要とする被験体を処置する方法を提供する。
がんによる死亡者数は米国だけでも毎年数十万人にも及ぶ。手術、放射線療法、および化学療法による、ある特定の形態のがんの処置が進歩しているにもかかわらず、多くの種類のがんは本質的に不治である。有効な処置が、ある特定のがんに対してたとえ利用可能であったとしても、このような処置の副作用は重篤であり、生活の質の有意な低下をもたらしかねない。
大部分の従来の化学療法薬剤は、特に進行した固形腫瘍を持つ患者に対して、毒性および限定された効力を有する。化学療法薬剤は、がん細胞ばかりでなく、非がん性細胞にも損傷を引き起こす。このような化合物の治療指数(療法ががん細胞と正常細胞とを区別する能力の尺度)はかなり低い可能性がある。多くの場合、がん細胞を死滅させるのに有効な化学療法薬物の用量は、正常細胞、特に頻繁な細胞分裂を行うような正常細胞(例えば、上皮細胞)も死滅させることになる。正常細胞が療法の影響を受ける場合、脱毛、造血の抑制、および悪心などの副作用が生じ得る。患者の全般的な健康状態に応じて、このような副作用は化学療法の投与を妨げる可能性があり、または、少なくとも、患者にとって極度に不快であり、苦痛であり、がん患者の残りの生活の質を著しく低下させる可能性がある。化学療法に反応して腫瘍退縮したがん患者でさえも、このような腫瘍反応は多くの場合、無増悪生存率(PFS)の延長または全生存期間(OS)の延長を伴わない。実際のところ、化学療法への最初の反応の後に、がんは急速に進行し、より多くの転移を形成することが多い。このような再発性がんは、化学療法剤に対して極めて耐性または治療抵抗性がある。化学療法後のこのような急速な再発性および治療抵抗性は、がん幹細胞により引き起こされると考えられている。
最近の研究により、自己再生能を有し、悪性増殖、再燃および転移に基本的に関与していると考えられているがん幹細胞(CSC、腫瘍始原細胞またはがん幹細胞様細胞とも呼ばれる)の存在が発見された。重要なことに、CSCは従来の療法に本質的に耐性がある。したがって、がん幹細胞に対して活性を有する標的薬剤はがん患者にとって大いに期待できる(J Clin Oncol.、2008年6月10日;26巻(17号))。したがって、従来の化学療法は大部分のがん細胞を死滅させることができるが、がん幹細胞を残してしまう。がん幹細胞は、化学療法による標準の非がん幹細胞の減少後、より速く増殖することができ、これが、化学療法後の急速な再燃に対する機序であると考えられる。
J Clin Oncol.、2008年6月10日;26巻(17号)
したがって、がん細胞を選択的に標的とし、がん幹細胞を標的とするための化合物および医薬組成物、ならびに臨床応用のためのこれらの化合物、医薬組成物を調製する方法、ならびにそれを必要とする人々へこれを投与する方法を発見することの必要性が存在する。
本明細書で引用された参考文献は、特許請求された本発明に対する従来の技術であると認められてはいない。
これらのすべての全内容が本明細書に参照により援用されている、WO2009/036099、WO2009/036101、およびWO2011/116399として公表された共同所有のPCT出願において、新規のナフトフラン化合物、ナフトフラン化合物の多形体、1種または複数のナフトフラン化合物を含有する精製された組成物、および粒子形態のナフトフラン化合物が開示されている。これらのナフトフラン化合物(粒子形態のものを含む)、多形体、および精製された組成物は、がん幹細胞およびSTAT3の選択的阻害剤である。WO2009/036099およびWO2009/036101は、ナフトフラン化合物ががん幹細胞を標的とすることを開示している。ナフトフラン化合物はまた、STAT3の阻害を介して非がん幹細胞も阻害する。これらの化合物は、ある特定の曝露条件下で、正常細胞への損傷を引き起こすことなく多くの異なる種類のがん細胞を死滅させることが可能である。したがって、化合物は、がんの処置、特に治療抵抗性、再発性、転移性がん、またはSTAT3を発現するがんの処置および予防に使用することができる。刊行物はまた、ナフトフラン化合物、その誘導体、および中間体、ならびに関連化合物の医薬組成物を調製するための方法について記載している。
本発明は、例えば、細胞増殖障害を処置する、細胞増殖障害の進行を遅延する、細胞増殖障害の再燃を予防する、または細胞増殖障害の症状を軽減することを含めて、様々な適応症においてこれらナフトフラン化合物(粒子形態のものを含む)、多形体、および精製された組成物を製剤化および使用する新規方法を提供する。例えば、ナフトフラン化合物(粒子形態のものを含む)、多形体、および精製された組成物は、がんを処置する、がんの進行を遅延する、がんの再燃を予防する、がんの症状を軽減する、またはさもなければがんを改善するのに有用である。一部の実施形態では、がんは、食道がん、食道胃接合部がん、胃食道腺癌、軟骨肉腫、直腸結腸がん、結腸腺癌、直腸腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃腺癌、ならびに副腎皮質癌からなる群より選択される。一部の実施形態では、がんは食道がんである。一部の実施形態では、がんは食道胃接合部がんである。一部の実施形態では、がんは胃食道腺癌である。一部の実施形態では、がんは治療抵抗性がある。一部の実施形態では、がんは再発性がある。一部の実施形態では、がんは転移性がある。一部の実施形態では、がんはSTAT3の過剰発現を伴う。
ヒト、哺乳動物、または動物被験体において、がん(または新生物)を処置し、がん(または新生物)の進行を遅延させ、がん(または新生物)の再燃を予防し、がん(または新生物)の再発性、転移性を阻害し、がん(または新生物)の症状を軽減し、および/またはさもなければがん(または新生物)を改善する本発明による方法は、抗新生物薬活性が生じるように化合物、生成物および/または医薬組成物の治療有効量を投与することを含むことができる。例えば、抗新生物薬活性は抗がん活性であってよい。例えば、抗新生物薬活性は、新生物の容積増加を遅延させる、新生物の容積増加を停止するまたは新生物の容積を低減させることを含むことができる。新生物は、固形腫瘍、悪性腫瘍、転移性細胞、がん幹細胞を含むことができる。新生物は、癌、肉腫、腺癌、リンパ腫、または血液悪性腫瘍を含むことができる。新生物は、化学療法、放射線療法、および/またはホルモン療法による処置に対して治療抵抗性があってもよい。化合物、生成物および/または医薬組成物は、新生物の再燃を予防するために投与することができる。化合物、生成物および/または医薬組成物は、手術による切除に対する補助療法として投与することができる。化合物、生成物および/または医薬組成物は、例えば、経口的におよび/または静脈内に投与することができる。一部の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも以下と共に本発明の化合物を含む:(i)ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む界面活性剤;(ii)Gelucire(ラウロイルポリオキシルグリセリド);およびLabrafil(リノレオイルポリオキシルグリセリド)。
本明細書において、「がんを処置する」という用語は、がん(または新生物)の進行を遅延する、がん(または新生物)の再燃を予防する、がん(または新生物)の再発性、転移性を阻害する、がん(または新生物)の症状を軽減する、および/またはさもなければがん(または新生物)を改善することを含み得る。
一部の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも以下と共に本発明の化合物を含む:(i)ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む界面活性剤;(ii)Gelucire(ラウロイルポリオキシルグリセリド);および(iii)Labrafil(リノレオイルポリオキシルグリセリド)。
一部の実施形態では、医薬組成物は、約27.18重量%の活性成分、約0.27重量%の界面活性剤、約14.51重量%のGelucire、および約58.04重量%のLabrafilを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約125mgの活性成分、約1.2mgの界面活性剤、約66.8mgのGelucire、および約267mgのLabrafilを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約80mgの活性成分、約0.8mgの界面活性剤、約42.7mgのGelucire、および約170.9mgのLabrafilを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、カプセル剤内に収納されている。一部の実施形態では、カプセル剤は、サイズ1またはこれより小さい。
本発明による方法はまた、その疾患または障害に罹患しているヒト、哺乳動物、または動物被験体において、疾患もしくは障害を処置する、疾患もしくは障害の進行を遅延する、疾患もしくは障害の再燃を予防する、疾患もしくは障害の症状を軽減する、またはさもなければ疾患もしくは障害を改善することも含む。一部の実施形態では、疾患または障害とは、本明細書に記載されているがん(または新生物)のいずれかである。一部の実施形態では、がんは、食道がん、食道胃接合部がん、胃食道腺癌、軟骨肉腫、直腸結腸がん、結腸腺癌、直腸腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃腺癌、および副腎皮質癌からなる群より選択される。
一部の実施形態では、本方法はまた、患者組織中のリン酸化STAT3(p−STAT3)のレベルを検出するステップであって、p−STAT3のレベルが患者選択に対するバイオマーカーとして使用されるステップも含む。一部の実施形態では、組織のリン酸化STAT3レベルは、ベンチマークレベルより上にある(P−STAT3の中間レベルで10%超の腫瘍細胞)。一部の実施形態では、がんは、細胞膜とは対照的に、細胞核内のβ−カテニンの局在化を伴う。一部の実施形態では、本方法は、患者の組織内でのβ−カテニン発現の位置を検出するステップであって、このようなβ−カテニン発現の位置が患者選択に対するバイオマーカーとして使用されるステップを含む。一部の実施形態では、有意なβ−カテニン発現が細胞核内で検出される。一部の実施形態では、β−カテニンの中間から強い程度の発現が20%またはそれ超の腫瘍細胞内で検出される。
化合物、製品および/または医薬組成物の疾患または障害を患っている患者への投与は、様々な実験結果または臨床結果のいずれかが達成された場合、成功であると考えられる。例えば、投与は、疾患または障害に伴う症状のうちの1種または複数が軽減、減少、阻害された、またはさらなる、すなわち、よりひどい状態へと進行していない場合、成功と考えられる。投与は、障害、例えば、がんまたは新生物が緩解に入った、またはさらなる、すなわち、よりひどい状態へと進行していない場合、成功と考えられる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている化合物、生成物および/または医薬組成物は、例えば、化学療法薬剤および他の抗新生物剤、抗炎症性化合物ならびに/または免疫抑制薬化合物を含む、様々な公知の治療剤のいずれかと組み合わせて投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されている化合物、製品および/または医薬組成物は、非限定的例として、手術による処置および方法、放射線療法、化学療法および/またはホルモンまたは他の内分泌関連の処置を含む様々な公知の処置のいずれかと併用して有用である。
これらの「併用療法」は、逐次的または同時に投与することができる。本明細書に記載されている化合物、生成物および/または医薬組成物ならびに第2の療法は、同じ医薬組成物で被験体、好ましくはヒト被験体に投与することができる。代わりに、本明細書に記載されている化合物、生成物および/または医薬組成物ならびに第2の療法は、別の医薬組成物で被験体に同時に、別々にまたは逐次的に投与ことができる。本明細書に記載されている化合物、生成物および/または医薬組成物ならびに第2の療法は、同じまたは異なる投与経路で被験体に投与することができる。本明細書に記載されている化合物、生成物および/または医薬組成物を、被験体に第1に投与し、次いで第2の療法を被験体に投与することができる。第2の療法を被験体に第1に投与し、次いで本明細書に記載されている化合物、生成物および/または医薬組成物を被験体に投与することができる。一部の実施形態では、本発明の併用療法は、本明細書に記載されている化合物、生成物および/または医薬組成物の有効量と、本明細書に記載されている化合物、生成物および/または医薬組成物と異なる作用機序を有する少なくとも1種の他の療法(例えば、予防剤または治療剤)の有効量とを含む。一部の実施形態では、本発明の併用療法は、相加的効果または相乗効果を有するように一緒に機能させることによって、本明細書に記載されている化合物、生成物および/または医薬組成物ならびに第2の療法の予防効果または治療効果を改善する。ある特定の実施形態では、本発明の併用療法は、第2の療法(例えば、予防剤または治療剤)に伴う副作用を減少させる。
一部の実施形態では、疾患または障害は、以下の通り化合物、生成物および/または医薬組成物を投与することにより処置することができる。化合物の血液モル濃度は、有効期間と少なくとも同じ長さであり、有害な期間よりも短い第1の継続的期間の間、少なくとも有効濃度であり、有害な濃度未満であってよい。血液モル濃度は、第1の継続的期間の後、有効濃度未満となり得る。例えば、有効濃度は、約0.1μΜ、約0.2μΜ、約0.5μΜ、約1μΜ、約2μΜ、約3μΜ、約4μΜ、約5μΜ、約6μΜ、約10μΜ、または当業者により有効であると判定された別の濃度であってよい。例えば、有害な濃度は、約1μΜ、約3μΜ、約10μΜ、約15μΜ、約30μΜ、約100μΜ、または当業者により有害であると判定された別の濃度であってよい。例えば、有効期間は、約1時間、2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約24時間、または当業者により有効であると判定された別の期間であってよい。例えば、有害な期間は、約12時間、約24時間、約48時間、約72時間、約144時間、または当業者により有害であると判定された別の期間であってよい。
一部の実施形態では、化合物、生成物および/または医薬組成物の治療有効量は、腫瘍細胞のIC50を超え、正常細胞のIC50未満の血中濃度を生じるように選択される。一部の実施形態では、治療有効量は、腫瘍細胞を死滅させるのに十分に高く、正常細胞のIC50未満の血中濃度を生じるように選択される。
一部の実施形態では、化合物、生成物および/または医薬組成物は、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤(硬質または軟質)、カプレット剤、散剤、粒剤、懸濁剤、液剤、ゲル剤、カシェ剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤、水中油型乳剤、油中水型乳剤、および/または水薬などの剤形で経口的に投与される。
併用療法の様々な実施形態において、本発明の化合物は、患者に、約400mg〜約1000mgの範囲の総1日用量で投与する。一部の実施形態では、本発明の化合物は、患者に、約800mg〜約1000mgの範囲の総1日用量で投与し、好ましくは1日2回の用量、例えば、約480mgBIDで投与する。投与間の間隔は、約4時間〜約16時間、例えば、約12時間の範囲とすることができる。
一部の実施形態では、総1日用量が1日合計400〜800mgまで減少するように本発明の化合物の用量の修正を行ってもよい。一部の実施形態では、総1日用量は、1日合計50mg〜400mgの範囲まで減少するようにさらなる用量の修正を行ってもよい。一部の実施形態では、本発明の化合物はまた、1日1回服用することもできる。一部の実施形態では、1日1回服用する場合、投与間の間隔は、18〜30時間(例えば、約24時間)とすることができる。一部の実施形態では、本発明の化合物はまた、約240〜1000mgの全用量を1日3回で服用することもできる。1日3回服用する場合、投与間の間隔は、約4時間〜8時間とすることができる。
本発明の1つの特徴において、本発明のナフトフラン化合物は、有糸分裂阻害剤、特に有効な化学療法薬剤であることが証明されたもの、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグと組み合わせて使用される。本発明の化合物との併用療法に有用となり得る有糸分裂阻害剤の例として、パクリタキセル(Abraxane/Taxol)、ドセタキセル(Taxotere)、BMS−275183、Xyotax、Tocosol、ビノルレビン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビンゾリジン、エトポシド(VP−16)、テニポシド(VM−26)、イクサベピロン、ラロタキセル、オルタタキセル、テセタキセル、およびイスピネシブが挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、併用療法において本発明の化合物と共に使用される第2の薬剤は、パクリタキセル(Abraxane/Taxol)、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグである。一部の実施形態では、パクリタキセルは、約40mg/m〜約100mg/mの範囲の総1週用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、パクリタキセルは、約80mg/mの総1週用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、パクリタキセルはIVを介して被験体に投与される。一部の実施形態では、パクリタキセルは、毎4週間につき3週間、週に1回、すなわち、3週間投薬して、1週休む。
一部の実施形態では、本発明の化合物が、最初に被験体に投与され、次いでパクリタキセルが被験体に投与されてもよい。パクリタキセルが最初に被験体に投与され、次いで本発明の化合物が被験体に投与されてもよい。このような場合、本発明の化合物とパクリタキセルの投与間にいくらかの間隔をあけることができる。一部の実施形態では、本発明は、パクリタキセルを被験体に投与することによる治癒的または予防的ながん処置の方法であって、治癒的または予防的がん処置を必要とする被験体に、本発明の化合物のある投与量およびパクリタキセルのある投与量を投与するステップを含み、パクリタキセルを被験体に投与する前または後に第1の投与量が投与される方法を指す。
ある態様では、本発明は、好ましくは、ヒト被験体における治癒的または予防的がんの処置、すなわち、本明細書で「化合物1」と呼ばれ、以下
に示す構造を有する、ナフトフラン化合物、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、またはプロドラッグの治療有効量を、それを必要とする被験体に投与することを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、化合物は、約80mg〜約2000mgの範囲の総1日用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、化合物は、約80mg、約160mg、約320mg、約480mg、約640mg、約800mg、および約960mgからなる群より選択される総1日用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、化合物は、約960mgの総1日用量で被験体に投与される。
一部の実施形態では、化合物は、1日2回(BID)投与される。一部の実施形態では、化合物は、約80mgBID〜約480mgBIDの範囲の用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、化合物は、約80mgBID、約160mgBID、約320mgBID、約400mgBID、および約480mgBIDからなる群より選択される用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、化合物は、約480mgBIDの用量で被験体に投与される。
一部の実施形態では、化合物は、化合物の投与間のタイミングが、約4時間の投与間〜約16時間の投与間の範囲でBID投与される。一部の実施形態では、化合物は、化合物の投与間のタイミングが、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間および/または少なくとも16時間であるBIDで投与される。一部の実施形態では、化合物は、化合物の投与間のタイミングが約4時間の投与間〜約16時間の投与間の範囲である、約80mgBID〜約480mgBIDの範囲の用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、化合物は、化合物の投与間のタイミングが少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間および/または少なくとも16時間である、BIDで投与される。一部の実施形態では、化合物は、化合物の投与間のタイミングが、約4時間の投与間〜約16時間の投与間の範囲である、約80mgBID、約160mgBID、約320mgBID、約400mgBID、および約480mgBIDからなる群より選択される用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、化合物は、化合物の投与間のタイミングが少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間および/または少なくとも16時間である、BIDで投与される。一部の実施形態では、化合物は、化合物の投与間のタイミングが約12時間の投与間である、約480mgBIDの用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、化合物は、化合物の投与間のタイミングが約12時間の投与間である、約80mgBIDの用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、化合物は、化合物の投与間のタイミングが約12時間の投与間である、約400mgBIDの用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、化合物は、化合物の投与間のタイミングが約12時間の投与間である、約320mgBIDの用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、化合物は、化合物の投与間のタイミングが少なくとも4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、少なくとも約12時間、少なくとも約13時間、少なくとも約14時間、少なくとも約15時間および/または少なくとも約16時間である、BIDで投与される。一部の実施形態では、化合物は、化合物の投与間のタイミングが少なくとも5時間超、好ましくは、約5時間の投与間〜約15時間の投与間の範囲である、約80mgBID、約160mgBID、約320mgBID、約400mgBID、および約480mgBIDの用量で被験体に投与される。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、錠剤またはカプセル剤として投与される。一部の実施形態では、錠剤またはカプセル剤は、約80mgの用量を含む。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、流体を併用して空の胃に経口的に投与される。一部の実施形態では、流体はミルクまたは水である。
一部の実施形態では、ナフトフラン化合物は、本明細書で「化合物1」と呼ばれる、以下
に示されている化合物の多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体とは、それぞれの内容が、これら全体において参照により本明細書に援用されている、WO2011/116398およびWO2011/116399に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。WO2011/116398およびWO2011/116399の図1に示されている粉末X線回折分析を、40KV/30mAでのCu放射線を使用するPhilips PW1800回折計を使用して、ステップサイズ0.03°で5°〜70°の範囲にわたり、3時間の計数時間で実施した。以下の条件を使用して、2〜45°の2シータから分析を実施した:発散スリット:0.6mm、散乱防止スリット:0.6mm、受光スリット:0.1mm、検出スリット:0.6mm、ステップサイズ:0.02°、ステップ時間:5秒。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。WO2011/116398およびWO2011/116399の図2および3に示されている粉末X線回折分析を、Bruker D8 Advance回折計を使用して実施した。分析は、以下の条件を使用して2〜45°2−シータで実施した:発散スリット:0.6mm、散乱防止スリット:0.6mm、受光スリット:0.1mm、検出スリット:0.6mm、ステップサイズ:0.02°、ステップ時間:5秒。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.4、11.9、14.1、14.5、17.3、21.0、22.2、24.0、26.0、および28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.9、14.1、14.5、17.3、22.2、および/または28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約11.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約17.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約22.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含む、X線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、11.4、12.3、15.0、23.0、23.3、24.1、24.6、25.0、26.1、27.0、および28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、12.3、15、23.0、23.3、24.6および/または28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約9.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約12.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約15度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.4度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.0度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークおよび少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
本発明はまた粒子形態のナフトフラン化合物を提供する。例えば、粒子形態のナフトフラン化合物は、活性のある、すなわち、in vivoで効力および/または抗腫瘍活性を有する、以下に示す式Iの化合物の粒子である。効果的な粒子は、粒径について定められた必要条件を有し、例えば、約200μm、約150μm、約100μm、約40μm、または約20μm、約10μm、約5μm、約4μm、約3μm、約2μm、約1μm、約0.5μm、または約0.2μm未満またはこれと等しい直径を有する。定められた粒径より大きな粒子は、不活性であるか、または活性が低いかのいずれかである。
一部の実施形態では、化合物は、化合物の粒子の集団を含む医薬組成物中にあり、粒子の累計の一部分は、0.2μm〜20μmの範囲の直径を有する。
一部の実施形態では、化合物は、化合物の粒子の集団を含む医薬組成物中にあり、粒子の累計の50%(D50)は、約0.5〜約5μmの範囲の直径を有する。
一部の実施形態では、化合物は、化合物の粒子の集団を含む医薬組成物中にあり、粒子の累計の50%(D50)は、約2μmの直径を有する。
一部の実施形態では、粒子形態のナフトフラン化合物は、粒子が約200μm未満またはこれと等しい直径を有する式I
(式中、各(R)は、独立して、水素、ハロゲン、フッ素、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル、メチル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アリール、置換アリール、OR、SR、およびNHからなる群より選択され、nは4であり、Rは、水素、ハロゲン、フッ素、シアノ、CF、OCF、アルキル、メチル、置換アルキル、ハロゲン置換アルキル、ヒドロキシル置換アルキル、アミン置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アリール、置換アリール、OR、SR、およびNRからなる群より選択され、Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アリール、および置換アリールからなる群より選択され、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アリール、および置換アリールからなる群より選択されるか、またはRおよびRは、これらが結合しているNと一緒になって、ヘテロ環もしくは置換ヘテロ環を形成する)による化合物またはその塩もしくは溶媒和物の粒子である。
一部の実施形態では、各(R)は、独立して、水素、メチル、F(フッ素)、Cl、Br、I、OH、およびNHからなる群より選択され、Rは、メチルおよびC(Rからなる群より選択され、各(R)は、独立して、水素、メチル、F(フッ素)、Cl、Br、I、OH、およびNHからなる群より選択される。一部の実施形態では、(R)および(R)のうちの最大2つがF(フッ素)であり、残りが水素である。一部の実施形態では、Rはメチルである。さらなる実施形態では、化合物は、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、およびその塩または溶媒和物からなる群より選択される。
一部の実施形態では、粒子形態のナフトフラン化合物は、化合物1の粒子である。
一部の実施形態では、粒子形態のナフトフラン化合物は、化合物1の多形体の粒子である。例えば、一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図1に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図2に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図3に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.4、11.9、14.1、14.5、17.3、21.0、22.2、24.0、26.0、および28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.9、14.1、14.5、17.3、22.2、および/または28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約11.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約17.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約22.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含む、X線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、11.4、12.3、15.0、23.0、23.3、24.1、24.6、25.0、26.1、27.0、および28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、12.3、15、23.0、23.3、24.6および/または28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約9.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約12.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約15度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.4度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.0度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークおよび少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
一部の実施形態では、粒子は、約160μm、約150μm、約120μm、約100μm、約50μm、約40μm、または約20μm未満またはこれと等しい直径を有する。さらなる実施形態では、粒子は、約10μm、約5μm、約4μm、約3μm、約2μm、約1μm、約0.5μm、約0.2μm、または約0.1μm未満またはこれと等しい直径を有する。
一部の実施形態では、化合物は、化合物の粒子の集団を含む医薬組成物中にあり、粒子の累計の一部分は、0.2μm〜20μmの範囲の直径を有する。
一部の実施形態では、化合物は、化合物の粒子の集団を含む医薬組成物中にあり、粒子の累計の50%(D50)は、約0.5〜約5μmの範囲の直径を有する。
一部の実施形態では、化合物は、化合物の粒子の集団を含む医薬組成物中にあり、粒子の累計の50%(D50)は、約2μmの直径を有する。
本発明は、例えば、式Iの化合物、活性のある、すなわち、効力および/または抗腫瘍活性を有するナフトフラン化合物の粒子を提供する。活性のある粒子は、ある特定の粒度を有し、例えば、約200μm、約150μm、約100μm、約40μm、または約20μm、約10μm、約5μm、約4μm、約3μm、約2μm、約1μm、約0.5μm、約0.2μm、または約0.1μm未満またはこれと等しい直径を有する。ある特定の粒度より大きな粒子は、不活性であるか、または本明細書に記載されている粒子よりも活性が低い。
本発明による一部の実施形態では、医薬組成物は、式Iによる化合物、例えば、ナフトフラン、またはその塩もしくは溶媒和物の粒子を含む。例えば、一部の実施形態では、医薬組成物は、化合物1の粒子を含む。例えば、一部の実施形態では、医薬組成物は、化合物1の多形体の粒子を含む。例えば、一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図1に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図2に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図3に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.4、11.9、14.1、14.5、17.3、21.0、22.2、24.0、26.0、および28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.9、14.1、14.5、17.3、22.2、および/または28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約11.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約17.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約22.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含む、X線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、11.4、12.3、15.0、23.0、23.3、24.1、24.6、25.0、26.1、27.0、および28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、12.3、15、23.0、23.3、24.6および/または28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約9.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約12.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約15度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.4度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.0度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークおよび少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
粒子の累計の一部分は、約200μm未満またはこれと等しい直径を有することができる。一部の実施形態では、1セットの粒子の一部分とは、そのセットの中の粒子の総数の少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、または少なくとも約30%であってよい。一部の実施形態では、この部分は実質的な部分である。例えば、1セットの粒子の「実質的な部分」とは、そのセット中の粒子の総数の少なくとも約99%、少なくとも約95%、少なくとも約90%、少なくとも約85%、少なくとも約80%、少なくとも約75%、少なくとも約70%、少なくとも約60%、または少なくとも約50%であってよい。各(R)は、独立して、水素、ハロゲン、フッ素、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル、メチル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アリール、置換アリール、OR、SR、およびNHからなる群より選択することができる。nは正の整数であってよい。例えば、nは4であってよい。Rは、水素、ハロゲン、フッ素、シアノ、CF、OCF、アルキル、メチル、置換アルキル、ハロゲン置換アルキル、ヒドロキシル置換アルキル、アミン置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アリール、置換アリール、OR、SR、およびNRからなる群より選択することができる。Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アリール、および置換アリールからなる群より選択することができる。RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アリール、および置換アリールからなる群より選択することができるか、またはRおよびRは、これらが結合しているNと一緒になって、ヘテロ環もしくは置換ヘテロ環を形成する。
本発明による一部の実施形態では、各(R)は、独立して、水素、メチル、F(フッ素)、Cl、Br、I、OH、およびNHからなる群より選択することができる。Rは、メチルおよびC(Rからなる群より選択することができる。各(R)は、独立して、水素、メチル、F(フッ素)、Cl、Br、I、OH、およびNHからなる群より選択することができる。一部の実施形態では、(R)およびRのうちの最大2つは、F(フッ素)であってよく、残りは水素であってよい。
本発明による一部の実施形態では、式Iによる化合物は、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、および2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンからなる群より選択される。一部の実施形態では、式Iによる化合物は化合物1である。一部の実施形態では、式Iによる化合物は、化合物1の多形体である。例えば、一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図1に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図2に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図3に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.4、11.9、14.1、14.5、17.3、21.0、22.2、24.0、26.0、および28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.9、14.1、14.5、17.3、22.2、および/または28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約11.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約17.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約22.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含む、X線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、11.4、12.3、15.0、23.0、23.3、24.1、24.6、25.0、26.1、27.0、および28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、12.3、15、23.0、23.3、24.6および/または28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約9.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約12.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約15度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.4度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.0度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークおよび少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、医薬組成物は、約160μm、100μm、40μm、20μm、10μm、5μm、3μm、または2μm未満またはこれと等しい粒径を有する粒子の累計の少なくとも約90%を有することができる。例えば、医薬組成物は、約160μm、100μm、40μm、20μm、10μm、5μm、3μm、2μm、1μm、または0.5μm未満またはこれと等しい粒径を有する粒子の累計の少なくとも約50%を有することができる。例えば、医薬組成物は、約160μm、100μm、40μm、20μm、5μm、2μm、1μm、0.5μm、または0.1μm未満またはこれと等しい粒径を有する粒子の累計の少なくとも約10%を有することができる。医薬組成物において、粒子は、例えば、約160μm、40μm、20μm、10μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm、0.5μm、0.3μm、または0.2μm未満またはこれと等しいメジアン径を有することができる。例えば、粒子は、約0.2μm〜約50μmのメジアン径、または約0.5μm〜約30μmのメジアン径を有することができる。例えば、医薬組成物は、平均径/メジアン径の比率が最大約2μmの粒子の累計を有することができる。本薬学的発明は、結晶性の状態の、少なくとも2種の異なる多形体状態の化合物を含む粒子を有することができる。
一部の実施形態では、医薬組成物は、式Iの化合物またはその粒子形態の多形体を含み、この粒子は、20ミクロン、10ミクロン、5ミクロン、2ミクロン、1ミクロンまたは0.5ミクロン未満である。
本発明は、実質的に純粋な式IIの化合物
(式中、各Rは、独立して、H、Cl、またはFであり、nは、0、1、2、3、または4である)を提供する。一部の実施形態では、式IIの化合物は粒子形態である。
一部の実施形態では、実質的に純粋な化合物は化合物1である。一部の実施形態では、化合物1は粒子形態である。
一部の実施形態では、実質的に純粋な化合物は、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、リン酸モノ−[1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニル]エステル、リン酸1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニルエステルジメチルエステル、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、および塩または溶媒和物からなる群より選択される。
一部の実施形態では、実質的に純粋な化合物は、化合物1の多形体である。例えば、一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図1に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図2に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では,多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図3に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.4、11.9、14.1、14.5、17.3、21.0、22.2、24.0、26.0、および28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.9、14.1、14.5、17.3、22.2、および/または28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約11.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約17.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約22.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含む、X線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、11.4、12.3、15.0、23.0、23.3、24.1、24.6、25.0、26.1、27.0、および28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、12.3、15、23.0、23.3、24.6および/または28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約9.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約12.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約15度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.4度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.0度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークおよび少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
一部の実施形態では、化合物1の多形体は粒子形態である。
一部の実施形態では、化合物、生成物および/または医薬組成物は、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、または約99%の純度を有する。一部の実施形態では、化合物、生成物および/または医薬組成物は、少なくとも約95.5%、約96%、約96.5%、約97%、約97.5%、約98%、約98.5%、約99%、または約99.5%の純度を有する。一部の実施形態では、化合物、生成物および/または医薬組成物は、少なくとも約99.1%、約99.2%、約99.3%、約99.4%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%、または約99.9%の純度を有する。
一部の実施形態では、化合物、生成物および/または医薬組成物は、最大約10%、約5%、約1%、約0.15%、または約0.5%の不純物を有する。一部の実施形態では、化合物、生成物および/または医薬組成物は、各単一の不純物に対して、最大約0.5%、約0.2%、約0.15%、または約0.1%を含有する。さらなる実施形態では、不純物は、2−アセチル−2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2,6−ジアセチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2,7−ジアセチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、3−アセチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオール、および1−(4,9−ジヒドロキシ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−エタノンからなる群からの1つまたは複数である。
一部の実施形態では、不純物は残留溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチル(EtOAc)、トルエン、エタノール、メタノール、クロロホルム、およびCHCl/ヘキサンからなる群より選択される。
一部の実施形態では、純度はHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で決定される。一部の実施形態では、純度はNMR(核磁気共鳴)で決定される。さらなる実施形態では、純度はHPLCとNMRの両方で決定される。
本発明はまた、粒子形態の化合物1の多形体(化合物は極めて精製された形態)、生成物および/または医薬組成物を提供する。例えば、一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図1に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図2に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図3に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.4、11.9、14.1、14.5、17.3、21.0、22.2、24.0、26.0、および28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.9、14.1、14.5、17.3、22.2、および/または28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約11.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約17.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約22.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含む、X線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、11.4、12.3、15.0、23.0、23.3、24.1、24.6、25.0、26.1、27.0、および28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、12.3、15、23.0、23.3、24.6および/または28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約9.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約12.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約15度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.4度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.0度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークおよび少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
化合物1の多形体は粒子形態である。一部の実施形態では、化合物1の多形体は粒子形態であり、この粒子は、約160μm、約150μm、約120μm、約100μm、約50μm、約40μm、または約20μm未満またはこれと等しい直径を有する。一部の実施形態では、粒子形態の化合物1の多形体は、粒子の集団の中にあり、この粒子の集団は、約160μm、約150μm、約120μm、約100μm、約50μm、約40μm、または約20μm未満またはこれと等しいD50(すなわち、分布を2つの等しい部分に分割する粒径分布の中点)を有する。一部の実施形態では、化合物1の多形体は粒子形態であり、この粒子は、約10μm、約5μm、約4μm、約3μm、約2μm、約1μm、約0.5μm、約0.2μm、または約0.1μm未満またはこれと等しい直径を有する。一部の実施形態では、粒子形態の化合物1の多形体は粒子の集団の中にあり、粒子の集団は、約10μm、約5μm、約4μm、約3μm、約2μm、約1μm、約0.5μm、または約0.2μm未満またはこれと等しいD50を有する。
本発明は、活性がある、すなわち、効力および/または抗腫瘍活性を有する、化合物1の多形体の粒子または粒子の集団を提供する。活性のある粒子は、ある特定の粒度を有し、例えば、約200μm、約150μm、約100μm、約40μm、または約20μm、約10μm、約5μm、約4μm、約3μm、約2μm、約1μm、約0.5μm、または約0.2μm未満またはこれと等しい直径またはD50を有する。ある特定の粒度より大きな粒子は、不活性であるか、または本明細書に記載されている粒子よりも活性が低い。
化合物1の多形体の粒子の累計の一部分は、約200μm未満またはこれと等しい直径またはD50を有することができる。一部の実施形態では、1セットの粒子の一部分は、そのセットの中の粒子の総数の少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、または少なくとも約30%であってよい。一部の実施形態では、この部分は実質的な部分である。例えば、1セットの粒子の「実質的な部分」とは、そのセット中の粒子の総数の少なくとも約99%、少なくとも約95%、少なくとも約90%、少なくとも約85%、少なくとも約80%、少なくとも約75%、少なくとも約70%、少なくとも約60%、または少なくとも約50%であってよい。
一部の実施形態では、化合物1の多形体の粒子の集団は、約160μm、100μm、40μm、20μm、10μm、5μm、3μm、または2μm、1μmまたは0.5μm未満またはこれと等しい粒径を有する粒子の累計の少なくとも約90%を有することができる。例えば、化合物1の多形体の粒子の集団は、約160μm、100μm、40μm、20μm、10μm、5μm、3μm、2μm、1μm、または0.5μm未満またはこれと等しい粒径を有する粒子の累計の少なくとも約50%を有することができる。例えば、化合物1の多形体の粒子の集団は、約160μm、100μm、40μm、20μm、5μm、2μm、1μm、0.5μm、または0.1μm未満またはこれと等しい粒径を有する粒子の累計の少なくとも約10%を有することができる。化合物1の多形体の粒子の集団の中で、粒子は、例えば、約160μm、40μm、20μm、10μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm、0.5μmまたは0.2μm未満またはこれと等しいメジアン径を有することができる。例えば、粒子は、約0.002μm〜約50μmのメジアン径、または約0.2μm〜約30μmのメジアン径を有することができる。例えば、化合物1の多形体の粒子の集団は、平均径/メジアン径の比率が最大約2である粒子の累計を有することができる。化合物1の多形体の粒子の集団は、結晶性の状態、少なくとも2種の異なる多形体状態の化合物を含む粒子を有することができる。
一部の実施形態では、化合物1の多形体は粒子形態であり、この粒子は、約20ミクロン、10ミクロン、5ミクロン、または23ミクロン、2ミクロン、1ミクロン、0.5ミクロン、0.2ミクロン、または0.1ミクロン未満またはこれと等しい直径を有する。一部の実施形態では、粒子形態の化合物1の多形体は、粒子の集団の中にあり、粒子の集団は、約20ミクロン、10ミクロン、5ミクロン、4ミクロン、5ミクロン、3ミクロン、2ミクロン、1ミクロン、0.5ミクロンまたは0.2ミクロン未満またはこれと等しいD50を有する。
本発明はまた実質的に純粋なナフトフラン化合物の治療有効量と、薬学的に許容される担体、添加剤、または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。添加剤として、例えば、脂肪酸のグリセロールエステル、飽和脂肪酸のグリセロールエステル、8〜18個の炭素を有する飽和脂肪酸のグリセロールエステル、ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、セルロース、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、ホスファチジルコリン、脂質、ステロール、コレステロール、界面活性剤、ポリソルベート、および/またはポリオキシエチレンソルビタンアルキレートを挙げることができる。
本発明による一部の実施形態では、製造物品として、医薬組成物の治療有効量と、薬学的に許容される添加剤とを含有する容器を挙げることができる。
本発明の一部の実施形態による化合物、生成物および/または医薬組成物を生成するための方法は、化合物を粉砕して粒子を形成することを含むことができる。例えば、化合物は、ボール粉砕、ロール粉砕、ジェット粉砕、湿式粉砕、超音波粉砕、破砕、またはこれらの粉砕手順および/または他の粉砕手順の組合せで処理することができる。化合物の温度を減少させ、例えば、極低温の温度まで減少させて、粉砕することができる。温度のこのような減少により、化合物はより壊れやすくなり、粉砕による粒径減少に対し、化合物をさらによく適応させることができる。
本発明の一部の実施形態による化合物、生成物および/または医薬組成物を生成するための方法は結晶化を含むことができる。結晶化の間に得られる粒径分布(PSD)は、結晶化の間に生じる様々な機序、例えば、核形成、増殖、凝集、摩耗、破損などの組合せにより影響される。結晶化中に粒径が常に制御できずに、所望の仕様を満たすことができない場合、乾式粉砕などの追加の処理ステップを含めることができる。
本発明による一部の実施形態では、新生細胞の複製または拡散を減少させるまたは阻害するための組成物は、以下の方法により選択される1セットの粒子を含む。式I
による化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供することができる。
一部の実施形態では、化合物1またはその塩もしくは溶媒和物を提供することができる。一部の実施形態では、化合物1の多形体を提供することができる。例えば、一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図1に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図2に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図3に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.4、11.9、14.1、14.5、17.3、21.0、22.2、24.0、26.0、および28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.9、14.1、14.5、17.3、22.2、および/または28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約11.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約17.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約22.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含む、X線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、11.4、12.3、15.0、23.0、23.3、24.1、24.6、25.0、26.1、27.0、および28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、12.3、15、23.0、23.3、24.6および/または28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約9.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約12.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約15度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.4度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.0度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークおよび少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
化合物を含む粒子の少なくとも1セットを調製することができる。粒子のそれぞれ少なくとも1セットの粒径分布を決定することができる。少なくとも1セットの粒子を、既定の濃度で、既定の期間の間、新生細胞および正常細胞に投与することができる。新生細胞および正常細胞の代謝および/または分裂に対する粒子の効果を観察することができる。新生細胞に対する粒子の効果に基づき、有効性評定を粒子の各セットに割り当てることができる。正常細胞に対する粒子の効果に基づき、毒性評定を粒子の各セットに割り当てることができる。第1の粒径分布を有する、粒子の少なくとも1セットの有効性評定および/または毒性評定を、第1の粒径分布とは異なる粒径分布を有する、粒子の少なくとも他の1セットの有効性評定および/または毒性評定と比較することができる。粒子の少なくとも他の1セットより高い有効性評定、より低い毒性評定、および/またはより大きな加重した有効性評定および毒性評定の合計を有する粒子のセットを最適セットとして選択することができる。例えば、最適セットの粒子の粒径分布は、最適粒径分布として特定することができる。例えば、最適セットの粒子を組成物中に含むことができる。例えば、有効性評定は、抗腫瘍活性と比例してもよい。例えば、有効性評定は、新生細胞の代謝および/または分裂の阻害に基づくことができる。例えば、毒性評定は忍容性と反比例してもよい。例えば、毒性評定は、正常細胞の代謝および/または分裂の阻害に基づくことができる。例えば、粒子の少なくとも1セットをin vitroで新生細胞および正常細胞に投与することができる。例えば、有効性評定は、この新生細胞のIC50であってよい。例えば、毒性評定は、この正常細胞のIC50であってよい。例えば、粒子の少なくとも1セットを、試験動物の新生細胞および正常細胞にin vivoで投与することができる。試験動物は、例えば、哺乳動物、霊長類、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、またはイヌであってよい。有効性評定は新生細胞の容積の低減であってよく、毒性評定は、試験動物の質量の低減であってよい。
一部の実施形態では、化合物を含む1セットの粒子を調製することは、化合物を溶解および分散させること、化合物をマイクロ流体技術により溶解および分散させること、化合物をキャビテーションもしくは噴霧によって溶解および分散させること、化合物を粉砕すること、化合物をボール粉砕すること、化合物をロール粉砕すること、化合物をジェット粉砕すること、化合物を湿式粉砕すること、化合物を超音波粉砕すること、化合物を破砕すること、ならびに/または化合物をふるい分けすることによって、既定の粒径分布の粒子を単離することを含むことができる。粒子は、薬学的に許容される添加剤に懸濁させることができる。粒径分布の決定は、ふるい分折、光学顕微鏡計数法、透過電子顕微鏡写真計数法、電気抵抗計数法、沈降時間、レーザー回折、音響分光法、および組合せからなる群より選択される技術の使用を含むことができる。
新生物または他の細胞増殖障害を処置する方法は、最適な粒径および分布を有する組成物の粒子の最適セットを含む組成物の治療有効量を、新生物を罹患しているヒト、哺乳動物、または動物に投与することを含むことができる。
本発明は、ナフトフラン化合物を調製する方法を提供する。本方法は、ナフトジヒドロフラン化合物またはナフトジヒドロフラン化合物を含む混合物を、第1の溶媒中で酸化剤と反応させることを含む。一部の実施形態では、混合物は、ナフトフラン化合物をさらに含む。一部の実施形態では、ナフトフラン化合物は、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、リン酸モノ−[1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニル]エステル、リン酸1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニルエステルジメチルエステル、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、およびその塩または溶媒和物からなる群より選択される。一部の実施形態では、酸化剤は二酸化マンガンである。一部の実施形態では、第1の溶媒はトルエンである。一部の実施形態では、本方法は、活性炭のパッドを介して酸化生成物を濾過することをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第1の溶媒を蒸発させることによって、ナフトフラン化合物を結晶化させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、本方法は、第2の溶媒を用いてナフトフラン化合物を再結晶化することをさらに含む。一部の実施形態では、第2の溶媒は酢酸エチルである。一部の実施形態では、本方法は、第2の溶媒を用いてナフトフラン化合物をスラリー化することと、スラリーを加熱することと、スラリーを冷却することとをさらに含む。
本発明は、実質的に純粋なナフトフラン化合物を調製する方法を提供する。本方法は、第1の溶媒を用いてナフトフラン化合物を結晶化することと、第2の溶媒を用いてナフトフラン化合物を再結晶化することとを含む。本発明は、実質的に純粋なナフトフラン化合物を調製する別の方法を提供する。本方法は、第1の溶媒を用いてナフトフラン化合物を結晶化することと、第2の溶媒を用いて結晶性ナフトフラン化合物をスラリー化することと、スラリーを加熱することと、スラリーを冷却することとを含む。一部の実施形態では、ナフトフラン化合物は、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、リン酸モノ−[1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニル]エステル、リン酸1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニルエステルジメチルエステル、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、およびその塩または溶媒和物からなる群より選択される。一部の実施形態では、第1の溶媒はトルエンである。一部の実施形態では、第2の溶媒は酢酸エチルである。
本発明は、上記方法のいずれか1つにより調製したナフトフラン化合物を提供する。一部の実施形態では、ナフトフラン化合物は、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、リン酸モノ−[1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニル]エステル、リン酸1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニルエステルジメチルエステル、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、およびその塩または溶媒和物からなる群より選択される。一部の実施形態では、ナフトフラン化合物は、少なくとも約80%、約85%または約90%、約95%、または約99%の純度を有する。一部の実施形態では、ナフトフラン化合物は、最大約10%、約5%、約2%、または約1%、約0.5%、約0.2%、約0.15%、または約0.1%の不純物を有する。
本発明は、化合物1の多形体の粒子、化合物1の純度の高い形態の粒子および化合物1の多形体の純度の高い形態の粒子を含む、化合物1の粒子を調製するための方法を提供する。一部の実施形態では、所望のメジアン粒径、例えば、約20ミクロンを有する粒子は、化合物1の精製された形態の結晶、化合物1の多形体の結晶および/または化合物1の多形体の精製された形態の結晶を含む、化合物1の結晶を粉砕することによって生成する。例えば、結晶は、ジェット粉砕法を使用して粉砕し、ベンチュリ圧力は約40であり、微粉砕圧力は約100であり、供給量はおよそ1304g/時間である。
本発明はまた、がん幹細胞性に関連する1つまたは複数のバイオマーカーの発現レベルを検出することによって、開示化合物の治療的投与に対して適切な特定の、選択された患者集団を処置するためのキットおよび/または方法も提供する。バイオマーカーは、がん幹細胞を有することが公知であり、および/または異常なStat3経路活性を有することが公知であるがんを患っている患者または患者からの試料において、同じマーカーのベースライン、対照または正常な発現レベル、例えば、がん幹細胞を有することが公知であり、および/または異常なStat3経路活性を有することが公知であるがんを患っていない患者におけるレベルと比較してその発現が上昇している場合、がん幹細胞性に関連しているとみなされる。
一部の実施形態では、がん幹細胞性に関連するバイオマーカーはリン酸化STAT3(p−STAT3)である。一部の実施形態では、がん幹細胞性に関連するバイオマーカーはβ−カテニンである。一部の実施形態では、がん幹細胞性に関連するバイオマーカーはNANOGである。一部の実施形態では、がん幹細胞性に関連するバイオマーカーの組合せが使用され、この組合せは、p−STAT3、β−カテニン、およびNANOGのうちの2つまたはそれ超からなる群より選択される。一部の実施形態では、がん幹細胞性に関連するバイオマーカーの組合せが使用され、この組合せはp−STAT3、β−カテニン、およびNANOGの3つからなる群より選択される。
本開示の方法および/またはキットにおいて、1つまたは複数のがん幹細胞性マーカーの発現レベルは、患者または患者からの試料において検出され、この場合、この患者または試料は、対照の発現レベルと比較して、1つまたは複数のがん幹細胞性マーカーのレベルが上昇しており、次いで患者に開示化合物の治療有効量が投与される。
これらの方法の一部の実施形態では、本方法はin vivoでの方法である。これらの方法の一部の実施形態では、本方法はin situでの方法である。これらの方法の一部の実施形態では、本方法はex vivoでの方法である。これらの方法の一部の実施形態では、本方法はin vitroでの方法である。
本発明はまた、がん幹細胞性に関連する1つまたは複数のバイオマーカーの発現レベルを検出することによって、開示化合物の治療的投与に対して適切な患者集団を特定すること、またはさもなければ絞り込む、例えば、階層化するためのキットおよび/または方法を提供する。バイオマーカーは、がん幹細胞を有することが公知であり、および/または異常なStat3経路活性を有することが公知であるがんを患っている患者または患者からの試料において、同じマーカーのベースライン、対照または正常な発現レベル、例えば、がん幹細胞を有することが公知であり、および/または異常なStat3の経路活性を有することが公知であるがんを患っていない患者におけるレベルと比較して発現レベルが上昇している場合、がん幹細胞性に関連しているとみなされる。
一部の実施形態では、がん幹細胞性に関連するバイオマーカーはリン酸化STAT3(p−STAT3)である。一部の実施形態では、がん幹細胞性に関連するバイオマーカーはβ−カテニンである。一部の実施形態では、がん幹細胞性に関連するバイオマーカーはNANOGである。一部の実施形態では、がん幹細胞性に関連するバイオマーカーの組合せが使用され、この組合せは、p−STAT3、β−カテニン、およびNANOGのうちの2種またはそれ超からなる群より選択される。一部の実施形態では、がん幹細胞性に関連するバイオマーカーの組合せが使用され、この組合せはp−STAT3、β−カテニン、およびNANOGである。
本開示の方法および/またはキットにおいて、1つまたは複数のがん幹細胞性マーカーの発現レベルが患者または患者からの試料において検出され、この患者または試料が対照の発現レベルと比較して上昇した1つまたは複数のがん幹細胞性マーカーのレベルを有する場合、患者に開示化合物の治療有効量が投与される。
これらの方法の一部の実施形態では、本方法はin vivoの方法である。これらの方法の一部の実施形態では、本方法はin situでの方法である。これらの方法の一部の実施形態では、本方法はex vivoでの方法である。これらの方法の一部の実施形態では、本方法はin vitroでの方法である。
図1は、患者におけるBID投薬対QD投薬の薬物動態を比較するグラフであり、各投薬中に患者には500mgが投薬された。500mgのBIDレジメンに対して、同日中の2回の投薬間に4時間の間隔をあけて薬剤を投与した。 図2は、本発明の化合物の2種の異なる製剤の薬物動態を比較したグラフである。これら2種の製剤は、結果として異なるサイズのカプセル剤となる。 図3Aは、リン酸化STAT3およびDAPI(下の列)に対する抗体を使用した免疫組織化学法を介して視覚化した、CRC患者からの腫瘍組織試料の写真画像である。 図3Bは、高いp−STAT3を有する患者(低いまたは陰性のp−STAT3を有する患者と比較して)について、生存率の改善への傾向を示すチャートである。 図4Aは、β−カテニンおよびDAPI(下の列)に対する抗体を使用した免疫組織化学法を介して視覚化した、CRC患者からの腫瘍組織試料の写真画像である。図4Bは、核のβ−カテニン局在化を有する患者(細胞膜にβ−カテニンが局在する患者と比較して)について、生存率の改善への傾向を示すチャートである。 図5は、CD44high細胞増殖が本発明の化合物により遮断されていることを示している。CD44high細胞はFACS(FaDu)により単離され、結合および血清の不在下で5日間培養して初代の球を形成した。次いで、初代の球をAccumax(eBioscience、San Diego、CA)中で単細胞に分離し、示された濃度の治療剤の添加前72時間の間上記の通り培養した。処置の5日後、代表的な球の画像を記録した。 図6は、異種移植したヒト大腸がん腫瘍組織を有するヌードマウスのin vivoの試験を示しており、ここでは、本発明の化合物が、p−STAT3およびβ−カテニンレベルを減少させるまたは排除するのに有効であることが示されている。本発明の化合物またはビヒクル(対照)の強制経口投与を用いて毎日15日の間処置したマウスからのホルムアルデヒド固定された腫瘍を切開し、ヒト−STAT2およびβ−カテニンに対して特異的な抗体を使用して免疫蛍光染色により分析した。 図7は、マウスの試験において、本発明の化合物ががん幹細胞を標的としていることを示している。異種移植片を保持するマウスに、ビヒクル、ゲムシタビン(120mg/kg(MIA PaCa−2))、カルボプラチン(30mg/kg(FaDu))、または20mg/kgの本発明の化合物のいずれかをipで投与した。屠殺後、PaCa−2およびFaDu細胞に対して、処置をそれぞれ7日または14日行った後、腫瘍を収集した。動物を屠殺し、腫瘍を滅菌除去した後、単細胞懸濁液を得た。次いで、生細胞を計数し、これを使用して、がん幹細胞培地(DMEM/F12、B27 Neurobasal補充物、20ng/mL EGF、10ng/mL FGF、4ng/mLインスリン、および0.4%BSA)中で培養した際の球を形成するこれらの能力を測定した。3日おきに、新鮮な培地を添加し、10〜14日間の培養後、球の形成を判定した。>50個の細胞の球が計数された。 図8A、B、Cは、ヒト臨床試験において、本発明の化合物がCRC患者に有効であると判明したことを表す一連のグラフである。図8Aは、結腸直腸がん(CRC)患者における無増悪生存期間(PFS)と本発明の化合物の曝露との間の関係を表している。CRC患者において、本発明の化合物の血漿中濃度が4時間超の間2.0μMより上であった患者と、その曝露レベルに達しなかった患者との間にPFSにおいて統計学的に有意な差が見られた。図8Bは、評価可能なCRC患者における全生存期間(OS)を表している。本発明の化合物で処置した評価可能なCRC患者のOS(本発明の化合物≧4週間、服薬コンプライアンス80%と定義)を過去の対照と比較した[Cetuximab for the treatment of colorectal cancer、2007年、N. Engl. J. Med、357巻、2040〜2048頁]。図8Cは、評価可能なCRC患者のPFSを表している。本発明の化合物で処置した評価可能なCRC患者のPFS(本発明の化合物≧4週間、服薬コンプライアンス80%と定義)を過去の対照と比較した[Open−Label Phase III Trial of Panitumumab Plus Best Supportive Care Compared with Best Supportive Care Alone in Patients with Chemotherapy−Refractory Metastatic Colorectal Cancer、2007年、J. Clin. One.、25巻:1658〜1665頁]。
本発明の実施形態を以下に詳細に考察する。実施形態の記載において、明瞭さの目的で特定の用語を利用している。しかし、本発明は、このように選択された特定の用語に限定されることを意図しない。当業者であれば、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の同等の構成部分を利用することができ、他の方法を開発することができることを認識されよう。本明細書で引用されたすべての参考文献は、それぞれが個別に援用されているかのように参照により援用されている。
本明細書において、1セットの粒子のうちの「実質的な部分」とは、そのセットの中の粒子の総数の少なくとも約99%、少なくとも約95%、少なくとも約90%、少なくとも約85%、少なくとも約80%、少なくとも約75%、少なくとも約70%、少なくとも約60%、または少なくとも約50%であってよい。
組成物の抗がん幹細胞活性は、in vitroまたはin vivoで決定することができる。例えば、組成物の抗腫瘍活性は、化合物を投与し、がん幹細胞の自己再生および生存を測定することによってin vitroで決定することができる。例えば、化合物の抗腫瘍活性は、化合物が投与された腫瘍細胞の挙動を、化合物が投与されていない腫瘍細胞の挙動(対照)と比較することによってin vitroで評価することができる。例えば、組成物の抗腫瘍活性は、化合物が投与された動物において、腫瘍の容積の変化を測定することによって、転移性モデルを適用することによって、および/または同所性モデルを適用することによって、in vivoで決定することができる。例えば、化合物の抗腫瘍活性は、化合物が投与された動物を、化合物が投与されていない動物(対照)と比較することによって、in vivoで評価することができる。
組成物の忍容性は、in vitroまたはin vivoで決定することができる。例えば、組成物の忍容性は、化合物を投与し、正常細胞の分裂速度を測定することによって、正常細胞の栄養素の取り込みを測定することによって、栄養素取り込み以外の正常細胞の代謝率の指標を測定することによって、正常細胞の増殖を測定することによって、および/または正常細胞の活力の別の指標を測定することによって、in vitroで決定することができる。例えば、化合物の忍容性は、化合物が投与された正常細胞の挙動を、化合物が投与されていない正常細胞の挙動(対照)と比較することによって、in vitroで評価することができる。例えば、組成物の忍容性は、化合物が投与された動物において、体重または食品摂取量を測定することによって、あるいは、例えば、毛髪の保持もしくは脱毛、活動性、および/または刺激に対する反応性などの臨床的観察を行うことによって、in vivoで決定することができる。例えば、化合物の忍容性は、化合物が投与された動物を、化合物が投与されていない動物(対照)と比較することによって、in vivoで評価することができる。
化合物、生成物および/または医薬組成物に、有効性評定および/または毒性評定を割り当てることができる。例えば、有効性評定は、抗腫瘍活性に比例してもよく、または抗腫瘍活性に対して単調増加関数であってもよい。例えば、毒性評定は、忍容性に反比例してもよく、または忍容性に対して単調減少関数であってもよい。ナフトフラン化合物はin vivoで抗腫瘍活性がないことが報告されている。M.M. RaoおよびD.G.I. Kingston、J. Natural Products、45巻(5号)(1982年)600〜604頁を参照されたい。さらに、この化合物はがん細胞および正常細胞に対して同等に毒性を持つことが報告されている。すなわち、この化合物は、がん細胞と正常細胞の両方を同等に死滅させることが報告されており、化合物は、がん処置に対する潜在能力がないと結論付けられた。K. Hirai K.ら、Cancer Detection and Prevention、23巻(6号)(1999年)539〜550頁;Takano A.ら、Anticancer Research、29巻:455〜464頁、2009年を参照されたい。
しかし、本明細書で報告された実験的試験は、この刊行物に記載されているようなある特定の薬物動態学的曝露を達成するのに適当な粒径分布を有する粒子として化合物が投与された場合、化合物は選択的抗腫瘍活性を有することを示している。
本発明の目的のため、薬物の「バイオアベイラビリティー」とは、全身循環に入る、投与された剤形からの薬物の相対量および薬物が血流中に出現する速度と定義される。バイオアベイラビリティーは少なくとも3つの因子により制御される:(i)バイオアベイラビリティーを制御する吸収、これに続く(ii)その組織での再分布および(iii)排除(代謝分解プラス腎臓および他の機序)。
「絶対的バイオアベイラビリティー」は、組織再分布および生体内変換(すなわち、排除)を考慮に入れることによって予想することができ、ひいては、これらは薬物の静脈内投与を介して予想することができる。他に指摘されていない限り、「HPLC」とは、高速液体クロマトグラフィーを指し、「薬学的に許容される」とは、哺乳動物に投与された際に、アレルギー反応または他の有害反応、例えば、胃の不調、めまいなどを通常生じない生理学的に許容される材料を指し、「哺乳動物」とは、乳腺により分泌されるミルクでこれらの幼い子供を養い、通常多かれ少なかれ毛で覆われた皮膚を有する、人間および他のすべての動物を含む、高等脊椎動物のクラスを指し、「処置する」とは、哺乳動物における疾患(複数可)の少なくとも1つの症状を緩和、軽減、または排除することを包含することを意図する。
「処置」という用語は、本明細書で使用する場合、望まない状態を予防的に防止または抑制し、状態の程度または症状を治療的に排除または減少させるための本発明による化合物の投与を包含することを意図する。処置はまた、望まない状態の再燃を予防し、望まない状態の進行を遅延させ、望まない状態の発症を予防または遅延させることを含む。本発明による処置は、このような処置の必要性を作り出す疾患または状態を有するヒトまたは他の哺乳動物に付与される。処置はまた、細胞または器官へのin vitroでの化合物の適用を含む。処置は、全身性または局所的投与によるものであってよい。
有効量とは、所望の薬理効果を達成するのに必要な、単回用量または複数回用量で投与される活性成分の量である。熟練した医師であれば、熟練した臨床医には周知の所定の実験および滴定により、個々の患者に対する有効用量、または個々の状態を処置するための有効用量を決定することができる。しかし、医薬製剤または組成物に対する患者集団からの予期しない臨床反応により、処置の態様、例えば、投与量、薬物投与間の間隔、および/または薬物の投与方式などの予想外の変更または調整が決定づけられることもある。実際の用量およびスケジュールは、組成物が他の薬物と組み合わせて投与されるかどうかに応じて、または薬物動態、薬物体内動態、および代謝における個人差に応じて異なってもよい。同様に、量は、in vitroの適用に対して異なってもよい。本明細書で開示されている場合、用量範囲は、別途述べられていない限り、ある特定の適用において保証されている可能性のあるような、より高いまたはより低い用量の構成部分の使用を必ずしも排除しない。
本明細書に提供されている医薬組成物についての記載は、ヒトへの投与に対して適切である医薬組成物を含む。本開示に基づき、このような組成物が任意の哺乳動物または他の動物への投与に対して一般的に適切であることは、当業者であれば理解されよう。様々な動物への投与に対して適切な組成物の調製はよく理解されており、普通の熟練した獣医学的薬理学者であれば、ヒトへの投与のための医薬組成物に基づく所定の実験を用いて、このような修正を設計および実施することができる。
化合物の構造および特性
式Iのナフトフラン化合物、例えば、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンなどは、水およびDMSO(ジメチルスルホキシド)、N−メチルピロリジン、DMA(ジメチルアセトアミド)、エタノール、PEG400(ポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、Cremophor EL(ポリエトキシル化ヒマシ油)、Labrasol(カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド(ポリオキシルグリセリド))、Labrafil M(植物油PEG−6(ポリエチレングリコール)エステル)、およびCapryol(プロピレングリコールカプリレート)を含む、試験した広範なパネルの溶媒に実際に不溶性であった。ナフトフラン化合物は、一連の極性有機溶媒、例えば、ある特定のハロ炭素、例えば、クロロ炭素(塩化メチレンなど)、エステル、酢酸エチル、カルボン酸(酢酸など)、ケトン(アセトンなど)、およびアルコール(メタノールなど)に可溶性であってよい。ナフトフラン化合物は、塩化メチレンおよび酢酸エチルに可溶性であることが判明した。
本明細書に記載されている実験的試験により、選択的抗がん活性のためのある特定の薬物動態学的曝露を達成するために、小粒子形態の医薬組成物の活性化合物を投与することによって、選択的抗腫瘍活性が達成されたことが判明したが、これは、ナフトフラン化合物に焦点をあてたものであった。化合物を用いて行った現在論じられている観察を考慮すると、他のナフトフラン、例えば、ナフトフランは、小さな直径の粒子形態で投与された場合、選択的抗がん活性を達成するある特定の薬物動態学的曝露を達成するための、これらの薬物動態学的プロファイルの有利な修正を同様に示すことができる。1つまたは複数の異なる粒径分布として投与された他のナフトフランの薬物動態学的プロファイルを、実験的に決定することができる。
実施例において試験した化合物に対して観察されたように、動物、哺乳動物、またはヒトに投与される形態の粒径の低減によりそれらの薬物動態学的プロファイルおよび効力の改善を示し得る他のいくつかの化合物は、式I
、ならびにその塩および溶媒和物として提示されたものを含む。
式Iにおいて、記号(Rは、(R)置換基が、独立して、ベンゼン環に沿って各利用可能な位置において置換されていることを示す。例えば、nが4と等しい場合、4個のR置換基は、すべて同じでもよいし、またはこれらは他の任意の置換基とそれぞれ異なってもよい。例えば、各(R)は、独立して、水素、ハロゲン、フッ素、シアノ、ニトロ、CF、OCF、アルキル、メチル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アリール、置換アリール、OR、SR、およびNHからなる群より選択することができる。アルキルは、例えば、単結合により連結された1〜8個の炭素原子を有する部分を含むことができ、アルケニルは、例えば、1つまたは複数の二重結合により連結された2〜8個の炭素原子を有する部分を含むことができ、アルキニルは、例えば、1つまたは複数の三重結合により連結された2〜8個の炭素原子を有する部分を含むことができる。置換基は、例えば、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール、OR、SR、およびNHなどの部分を含むことができる。例えば、各(R)は、独立して水素、メチル、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、I(ヨウ素)、OH(ヒドロキシル)、およびNH(アミン)からなる群より選択することができる。例えば、Rは、水素、ハロゲン、フッ素、シアノ、CF、OCF、アルキル、メチル、置換アルキル、ハロゲン置換アルキル、ヒドロキシル置換アルキル、アミン置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アリール、置換アリール、OR、SR、およびNRからなる群より選択することができる。例えば、Rは、メチルおよびC(Rからなる群より選択することができる。各(R)は、独立して、水素、メチル、F(フッ素)、Cl、Br、I、OH、およびNHからなる群より選択することができる。例えば、独立して選択される(R)置換基および(R)置換基のうちの最大2つは、F(フッ素)であるように選択することができ、残りは水素であるように選択される。
一部の実施形態では、式Iの化合物は、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、およびその塩または溶媒和物からなる群より選択される。例えば、式Iの化合物が2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンとなるように、各(R)は、水素であるように選択することができ、Rはメチルであるように選択することができる。例えば、各Rは、独立して水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アリール、および置換アリールからなる群より選択することができる。例えば、各RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環、アリール、および置換アリールからなる群より選択することができる。代わりに、RおよびRは、これらが結合しているNと一緒になって、ヘテロ環または置換ヘテロ環を形成することができる。
多形体
本発明のナフトフラン化合物は多形体を含む。一部の実施形態では、多形体は、式Iによる化合物の多形体である。一部の実施形態では、多形体は、化合物1の多形体である。例えば、一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図1に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。この多形体は、本明細書で「結晶形1」、「形態1」または「XRPD1」と呼ばれており、これらの用語は交換可能なように使用される。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図2に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。この多形体は、本明細書で「結晶形2」、「形態2」、または「XRPD2」と呼ばれており、これらの用語は交換可能なように使用される。一部の実施形態では、多形体は、WO2011/116398およびWO2011/116399の図3に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。この多形体は、本明細書で「結晶形3」、「形態3」、または「XRPD3」と呼ばれており、これらの用語は交換可能なように使用される。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.4、11.9、14.1、14.5、17.3、21.0、22.2、24.0、26.0、および28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2、11.9、14.1、14.5、17.3、22.2、および/または28.1度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約11.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約14.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約17.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約22.2度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.1度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含む、X線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
例えば、一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、11.4、12.3、15.0、23.0、23.3、24.1、24.6、25.0、26.1、27.0、および28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5、9.9、12.3、15、23.0、23.3、24.6および/または28.4度の2θにおける1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約9.9度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約12.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約15度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約23.3度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約28.4度の2θにおけるピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。一部の実施形態では、多形体は、少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.0度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピークおよび少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体である。
結晶形1は、様々な溶媒中および条件で検出されてきたが、低い抗腫瘍活性を有することが示されてきた(WO2011/116398およびWO2011/116399の図8)。WO2011/116398およびWO2011/116399の図8に示されている試験において、確立した皮下FaDuヒト頭頸部がんを有する免疫抑制マウスに、結晶形1を有する、手動で破砕した、指示された量の化合物1、またはビヒクル対照を経口的に(po)与えた。化合物1はGELUCIRE(商標)において製剤化した。すべてのレジメンは毎日投与された(qd)。処置の間、腫瘍サイズを定期的に評価した。
驚くことに、結晶形2は不純物の存在下で得られたが、この多形体は、強力な抗腫瘍活性を示すことが示されている(WO2011/116398およびWO2011/116399の図9)。WO2011/116398およびWO2011/116399の図9に示されている試験において、確立した皮下FaDuヒト頭頸部がんを有する免疫抑制マウスに、WO2011/116398およびWO2011/116399の図5Aおよび5Bに記載されている合成プロセスによって生成された100mg/kgの微粉化した化合物1(第1の収穫物)、またはビヒクル対照を経口的に(po)与えた。化合物1をGELUCIRE(商標)において製剤化した。すべてのレジメンは毎日投与された(qd)。処置の間、腫瘍サイズを定期的に評価した。形態2は、現行適正製造基準(cGMP)プロセスにより成功裏に製造され、FDAおよびカナダ保健省から治験における使用の承認を受けた。形態2は、がん患者において望ましい薬物動態(WO2011/116398およびWO2011/116399の図11)、安全性、および抗腫瘍活性の強い徴候を示した。
結晶形3は、形態1と同様ではあるが、異なる粉末X線回折(XRPD)パターンを共有することを示し、形態1とは極めて異なる結晶癖を示した(WO2011/116398およびWO2011/116399の図7AおよびB)。形態3は、本明細書に記載されている特別に設計したスラリープロセスを使用して、形態1のみから作ることができる。形態3は、強力な抗腫瘍活性を示すことが示されている(WO2011/116398およびWO2011/116399の図10)。WO2011/116398およびWO2011/116399の図10に示されている試験において、確立した皮下FaDuヒト頭頸部がんを有する免疫抑制マウスに、手動で破砕した結晶形1または形態3を有する200mg/kgの化合物1、またはビヒクル対照を経口的に(po)与えた。化合物1はgelucireにおいて製剤化した。すべてのレジメンは毎日投与された(qd)。処置の間、腫瘍サイズを定期的に評価した。この多形体は、cGMPプロセスにより成功裏に製造され、FDAおよびカナダ保健省から治験における使用の承認を受けた。形態3はまた、がん患者において望ましい薬物動態(WO2011/116398およびWO2011/116399の図12)、安全性、および抗腫瘍活性の強い徴候を示した。
結晶形2を調製するための合成プロセスがWO2011/116398およびWO2011/116399の図5A〜5Bに示されている。簡単に説明すると、充填した3−ブテン−2−オン(451.2グラム)を、機械撹拌装置、温度計、および滴下ロートを備えた2リットルの三つ口丸底フラスコに添加する。滴下ロートに、臭素(936.0グラム)を添加する。フラスコ内の内容物を−5℃に冷却した後、激しく撹拌し、30分間にわたり温度を−5℃に維持しながら、臭素をフラスコに滴下する。混合物を−5℃でさらに15分間撹拌し、次いで4つに等分する。混合物の各部分をテトラヒドロフラン(2133.6グラム)と共に、機械撹拌装置、温度計、および滴下ロートを備えた22リットルの四つ口丸底フラスコに加える。充填したDBU(1,3−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、222.9グラム)を滴下ロートに添加する。激しく撹拌し、30分間にわたり温度を0℃〜5℃に維持しながらDBUをフラスコに滴下する。混合物を0℃〜5℃でさらに15min撹拌する。次いで、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(231グラム)をフラスコに添加する。さらなるDBU(246.0グラム)を滴下ロートに充填し、次いで、反応混合物の温度が40℃を上回らないような速度でフラスコ中の混合物に滴下する。DBUの添加が完了した後、生成した混合物を室温で一晩撹拌し、反応混合物の試料をHPLC分析のために採取する。反応混合物に、水(10.8リットル)を充填し、生成した混合物を0℃〜3℃で少なくとも30分間冷却し、次いで真空フィルターを介して濾過する。濾過した固体を5%水性炭酸水素ナトリウム(3リットル)、水(3リットル)、1%水性酢酸(3リットル)およびエタノール(2回)(2×1リットル)で逐次的にすすぐ。すすいだ固体を保存し、他のバッチからものと一緒にプールする。合わせた粗生成物(28.73kg)を酢酸エチル(811.7kg)と共に、機械撹拌装置、温度計、および冷却器を備えた、500ガロンの容器に加える。窒素雰囲気下にて、混合物を2時間加熱還流させ(72℃)、次いで、活性炭層を含有する10ミクロンのカートリッジフィルターで濾過することによって、不溶物を除去する。新鮮な高温の酢酸エチル(10kg)を使用して、容器、移動ラインおよびフィルターをすすぐ。合わせた濾液を0〜5℃に冷却し、この温度で2時間保持し、次いで20インチブフナーフィルターで濾過する。濾過した固体生成物を0〜5℃の酢酸エチル(5.7kg)ですすぎ、40℃で真空下にて一定の重量に乾燥させる。残りの濾液を蒸発により容積で63%減少させ、結晶化プロセスを再び繰り返し、生成物の第2の収穫物を生成し、これをまた生成物の第1の収穫物と同じ条件下で乾燥させた。得た両方の収穫物は結晶形2である。生成された第1の収穫物(0.5kg)は、HPLCにより99.5%の純度を有した(NMRにより約95%)。生成された第2の収穫物(1.09kg)は、HPLCにより98.9%の純度を有した(NMRにより約90%)。
結晶形3を調製するための合成プロセスがWO2011/116398およびWO2011/116399の図6A〜6Dに示されている。このステップは本明細書で簡単に概説されている。ステップ1:臭素を使用して3−ブテン−2−オン(メチルビニルケトン、MVK)を臭素化する。さらなる溶媒は使用しない。中間体3,4−ジブロモブタン−2−オンをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)と反応させて、第2の中間体、3−ブロモ−3−ブテン−2−オンを形成する。この反応物が完了したら、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(HNQ)を添加する。DBUの第2の部分を添加し、混合物を大気に曝露する。水で反応をクエンチし、固体を濾取する。これらの固体を水性炭酸水素ナトリウム、水性酢酸、水、およびエタノールで洗浄する。生成物をエタノール中でスラリー化し、固体を収集することによって単離する。ステップ2:所望の2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(化合物1)を伴う2−アセチル−2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの残留量を、トルエン中の活性化二酸化マンガンで酸化して化合物1にする。木炭およびセライトのケーキを介して混合物を濾過する。濾液を濃縮して、生成物を沈殿させ、これを濾過し、乾燥させる。ステップ3:固体を酢酸エチル中で75℃〜80℃で約5hrスラリー化し(25mL/gの精製した化合物1)、濾取し、乾燥させる。この方法で生成された化合物1は結晶形3である。スラリープロセスを使用せずに、この方法で生成された化合物1は、結晶形1を生成した。
薬物血漿濃度および選択的抗腫瘍活性に対する化合物の粒径分布の効果
本発明の以前には、化合物1の微小粒子は、作製されず、および/または評価されなかった。過去の試験では、化合物1が正常細胞およびがん細胞に対して同等に毒性を持つことが示され、動物モデルにおいて抗腫瘍活性は観察されなかった。本明細書で提示された試験は、化合物1の粒径減少が、バイオアベイラビリティーを改善しただけでなく、毒性の徴候なしに選択的抗腫瘍活性の増加ももたらしたことを実証している。バイオアベイラビリティーについての改善は、化合物1への曝露をがん細胞および正常細胞により同等に増加させてしまうので、これは予想外である。正常細胞への毒性を増強させることなく、抗がん活性を選択的増強させるための機序は公知ではなかった。これらの試験において、化合物1のバイオアベイラビリティーの改善は、D50(すなわち、分布を2等分する粒径分布の中点)が約20μmであった場合最大となったようだ。しかし、D50値を約2μmとするさらなる試験を行った。2ミクロンのD50を有する化合物1の微小粒子は、20ミクロンのD50を有する粒子と比較して、薬物動態学的曝露において改善はないにもかかわらず、驚くことに抗腫瘍活性が増強していた。さらなる試験において、約100ナノメートルのD50(D50=110.4ナノメートル)を有する化合物1のナノ粒子を作製したが、驚くことに、化合物1のこの粒径で抗腫瘍活性の減少を観察した。したがって、好ましい実施形態において、化合物1の粒子、例えば、微小粒子を含有する組成物は、20ミクロンと等しいまたはそれ未満および0.2ミクロンと等しいまたはそれ超のD50を有し、驚くことに正常細胞への細胞毒性を増加させることなく、強力な抗腫瘍活性を保有する。
異なる粒径範囲を有する化合物1の粒子の抗腫瘍活性がWO2011/116398およびWO2011/116399の図15に例示されており、異なる粒径範囲を有する化合物1の粒子の薬物動態学的データがWO2011/116398およびWO2011/116399の図16〜18に例示されている。WO2011/116398およびWO2011/116399の図15に示されている試験において、確立した皮下FaDuヒト頭頸部がんを有する免疫抑制マウスに、指示された粒径を有する、指示された量の化合物1、またはビヒクル対照を経口的に(po)与えた。すべてのレジメンが毎日投与された(qd)。腫瘍サイズを定期的に評価した。
定められた粒径、例えば、減少させた粒径を有する粒子形態のナフトフラン化合物の投与は、薬物血漿濃度をin vivoで増強することが判明した。本明細書で別途明示されていない限り、「粒度」および「直径」という用語は、粒子を記載するのに交換可能なように使用される。「直径」という用語の使用は、粒子が完全またはほぼ球状の形態を有することを必ずしも意味しないことを理解されたい。例えば、「直径」は、例えば、非球状粒子と同等の容積の球の直径、粒径の近似値として使用することができる。
驚くべき結果において、例えば、医薬組成物中の小粒子としての、定められた粒径分布のナフトフラン化合物粒子の投与は、選択的抗腫瘍活性をもたらすことが判明した。例えば、20μm(すなわち、ミクロン、これらの用語は本明細書で交換可能なように使用される)のメジアン粒径を有する粒子として投与される化合物は、マウス異種移植片モデルにおいて相対的には弱いが、効力(選択的抗腫瘍活性)を示した。比較した場合、150μm(ミクロン)の粒子は効力を示さなかった。より小さな粒子形態のナフトフラン化合物の投与が、選択的抗腫瘍活性をもたらし得るという発見は驚くべきものであり、溶解性またはバイオアベイラビリティーにおける改善だけに基づいて説明することはできない。すなわち、一般的に、溶解性の改善は、薬物経口バイオアベイラビリティーの増加に伴い、これは抗腫瘍活性だけでなく正常細胞に対する毒性も増強し得る。上で論じたように、ナフトフラン化合物は、WO2009/036099およびWO2009/036101に記載されているように定められた条件下で曝露が行われなかった場合、腫瘍細胞および正常細胞に対して同等に毒性を持つことができる。
さらに驚くべき結果において、医薬組成物中さらに小さい粒度のナフトフラン化合物粒子の投与は、有意に改善された抗腫瘍活性をもたらすことが判明したが、ただし、薬物動態学的プロファイルはほぼ変わらない、すなわち、バイオアベイラビリティーは変わらなかった。例えば、2μm(ミクロン)のメジアン粒径を有する粒子として投与された化合物は、マウス異種移植片モデルにおいて劇的に増強した効力を示した。20μmの粒子と比較して、2μmの粒子は、有意に改善された効力を示したが、ただし、薬物動態学的プロファイルは極めて同様であった。言い換えると、このような改善された効力は、薬物動態学的プロファイル、すなわち、バイオアベイラビリティーと無関係である。弱い溶解性を有するこのような化合物に対して、改善された効力は通常薬物経口バイオアベイラビリティーの増加に伴うため、結果は非常に驚くべきものである。
したがって、選択的抗腫瘍活性における観察された改善は驚くべきものであり、予想外である。本発明は、ナフトフラン化合物の粒子、例えば、活性のある、すなわち、効力または選択的抗腫瘍活性を有する式Iの化合物の粒子を提供する。活性のある粒子は、定められた粒径を有し、例えば、約200μm、約150μm、約100μm、約40μm、または約20μm、約10μm、約5μm、約4μm、約3μm、約2μm、約1μm、約0.5μm、約0.2μm、または約0.1μm未満またはこれと等しい直径を有する。定められた粒径より大きな粒子は、不活性であるか、または本明細書に記載されている粒子よりも活性が低い。
したがって、より小さな粒子形態のナフトフラン化合物または式Iによる別の化合物の投与は、その選択的抗腫瘍活性の改善をもたらすことができる。定められた粒径分布を有する式Iによる化合物の粒子の投薬における使用は、所望の選択的抗腫瘍活性の確立を可能とすることができる。例えば、定められた粒径分布を有する、例えば、より小さな粒子であるナフトフラン化合物粒子の使用は、より短期間でより高い血中濃度、選択的抗腫瘍活性(ただし、相対的には弱い)をもたらすことができる。さらに化合物の粒径を減少させることによって、化合物の血漿濃度を変えることなく、有意に改善された効力をもたらすことができる。
本明細書で、他に指摘されていない限り、「血漿濃度」、「血液モル濃度」、および「血中濃度」という用語は、交換可能なように使用される。「新生物」という用語は、異常なパターンの増殖を示す細胞を記載するために使用することができる。このような新生物は、腫瘍、良性と悪性の両方、例えば、固形腫瘍、ならびに、定められた形状を有さず、ヒトまたは動物の体の特定の領域に限定されない他の細胞増殖障害、例えば、白血病などを含むことができる。したがって、「新生物」は、がんとがんではない両方の新生細胞および組織を含む。本明細書で、特に述べられ、明らかにされ、または特定の試験もしくは実験について言及されていない限り、「腫瘍」および「がん」という用語は、ヒトまたは動物の体の特定の領域に限定されないものを含めて、すべての新生物のより広範なクラスについて言及していると理解されるものとする。しかし、より限定された用語である「固形腫瘍」は、定められた形状を有さず、ヒトまたは動物身体の特定の領域に限定されない細胞増殖障害、例えば、白血病などを含まないと理解されるものとする。
新生物は、以下の特徴のどれも示さなくてもよいし、以下の特徴のうちの1つ、または2つ以上を示してもよい:固体形態(固形腫瘍)、悪性腫瘍、転移、またはStat3経路活性。新生物は、例えば、がん幹細胞を含むことができる。新生物は、例えば、癌、肉腫、腺癌、リンパ腫、または血液悪性腫瘍であってよい。
吸収は、薬物が投与の部位から体内の測定部位へと取り込まれるプロセスと定義される。M. Rowland、T.N、Tozer(1995年)Clinical pharmacokinetics: Concepts and applications. Lippincott Williams & Wilkinsを参照されたい。経口薬物吸収は、腸細胞の頂端膜が膜の透過に対する律速段階であると考えられるため、この頂端膜を貫通する薬物移動と呼ばれることが多い。U. Fagerholm & H. Lennernas(1995年) Experimental estimation of the effective unstirred water layer thickness in the human jejunum, and its importance in oral drug absorption、 Eur J Pharm Sci、3巻:247〜253頁;M.B. Lande、J.M. Donovan & M.L. Zeidel(1995年)The relationship between membrane fluidity and permeabilities to water, solutes, ammonia, and protons、J Gen Physiol、106巻:67〜84頁を参照されたい。透過性は、いかに容易に薬物が膜を介して移動するかを記載する一般的な用語である。薬物の特定の透過性特徴は、親油性、電荷、サイズ、および極性表面積を含むその物理化学的特性に依存する。Rowland & Tozer、1995年;C.A. Lipinski、F. Lombardo、B.W. Dominy & P.J. Feeney(2001年)Experimental and computational approaches to estimate solubility and permeability in drug discovery and development settings、Adv Drug Deliv Rev 46巻:3〜26頁を参照されたい。吸収速度は、薬物の透過性、膜の表面積、および膜上の濃度勾配に依存する。濃度勾配は、薬物の膜輸送に対する最も一般的な機序である、受動拡散のための推進力である。経口投与に対して、薬物は腸によって主に吸収される。ヒトの腸は長さ約5〜8メートルであり、ほぼ200平方メートルの総表面積を有し、その一方でマウスの腸は長さがほんの約10〜20cmである。したがって、より大きな粒径を有する薬物透過性は、より小さな粒径を有する薬物の透過性より低いにもかかわらず、より大きな粒径を有する薬物は、より小さな粒径を有する薬物がマウスにおいてそうであるように、ヒトにおいてより高いまたは同じ吸収速度を有することを予測することができる。
例えば、約200μm、150μm、100μm、80μm、60μm、40μm、20μm、10μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm、0.5μmまたは0.2μm未満またはこれと等しいメジアン径を有する式Iによる化合物の粒径分布は、例えば、がんまたは腫瘍の処置のために医薬製剤で投与された場合、選択的抗腫瘍活性をもたらすことが予測できる。例えば、粒径分布は、粒子が、約0.02μm〜約5μm、または約0.2μm〜約4μmのメジアン径を有するようなものでよい。例えば、粒径分布は、粒子が約5μm未満またはこれと等しいメジアン径、最大約2の平均径/メジアン径の比率、および少なくとも約0.25のモード直径/メジアン径の比率を有するようなものでよい。
「粒子」という用語は、式Iの化合物の凝集物を指すことができる。「平均」という用語は、すべての粒子の粒度の合計を粒子の総数で割ったものを指すことができる。「メジアン」という用語は、例えば、粒子の2分の1がより大きな直径を有し、粒子の2分の1がより小さな直径を有する直径を指すことができる。「モード」という用語は、最も頻繁にあらわれる粒径値を示すことができる。「累計」という用語はすべての粒子を指すことができる。
ナフトフラン化合物粒子の投与により達成される選択的抗腫瘍活性は、粒径分布、例えば、粒子の容積またはこれらの容積の代表的な直径だけでなく、粒子の形状および粒子の形状の分布にも依存し得る。例えば、針のような形状を有する1セットの粒子は、球状の形状を有する1セットの粒子とは異なる薬物動態学的プロファイルをもたらすことができる。したがって、投与する粒子の形状および粒子の形状分布を測定し、および/または既定の形状および形状分布、例えば、ほぼ均一な形状を有する粒子(例えば、粒子は球に近似している)を生成するプロセスを使用することが望ましいこともある。例えば、粒子の球形度Ψは、
(式中、Vは粒子の容積であり、Aは粒子の表面積である)として定義することができる。球は、Ψ=1の球形度を有し、粒子の球形度が単一に近いほど、粒子の形状は球により密接に近似する。比較すると、四面体は約0.671の球形度を有し、立方体は約0.806の球形度を有し、八面体は約0.846の球形度を有し、十二面体は約0.910の球形度を有し、二十面体は約0.939の球形度を有する。球の形態は所与の容積に対して表面積を最小限に抑えるため、ほぼ球状である粒子は、ほぼ球状でない同じ容積の粒子よりゆっくりと溶解することが予想できる。1セットの球の平均球形度は、
(式中、ΣVはすべての粒子の総容積であり、ΣAはすべての粒子の総表面積である)として定義することができる。例えば、投与される式Iによる化合物の粒子は、少なくとも約0.8の平均球形度、または少なくとも約0.9の平均球形度を有し得る。
粒径、粒径分布、形状、形状分布、および因子、例えば、粒子の表面粗さまたは不規則性などは、医薬製剤で投与される1セットの化合物1の粒子の平均比表面積に影響を及ぼすことができる。平均比表面積は、ΣA/Σm(式中、ΣAは粒子の総表面積であり、Σmは粒子の全質量である)として定義することができる。粒子の平均比表面積が大きくなるほど、予想される粒子の溶解がより速くなる。
医薬製剤中の式Iによる化合物の粒子は、異なる粒子を通してまたは同じ粒子内で、結晶状態のナフトフラン化合物を含むことができる。結晶状態は、異なる粒子を通してまたは同じ粒子内で、1種または複数の多形体を含み得る。当業者であれば理解しているように、粒子の溶解速度は、第1の多形体、または第2の多形体の化合物の粒子中の物質の状態、例えば、結晶性であるかどうかにより影響され得ると予想される。
一連の技術の1種または複数を適用して、医薬製剤中の式Iによる化合物の粒径および/または粒径分布を決定することができる。例えば、ふるい分折、光学顕微鏡計数法、透過電子顕微鏡写真計数法、電気抵抗計数法、沈降時間、レーザー回折、および/または音響分光法を適用することができる。これらの技術またはその変化形のいくつかまたはすべてを適用して、医薬製剤中のナフトフラン化合物粒子の形状、形状分布、および/または比表面積を決定することができる。BET等温線および/または通気性比表面積技術を適用して、医薬製剤中の式Iによる化合物の粒子の比表面積を決定することができる。
ナフトフラン化合物を生成するための方法
WO2009/036099およびWO2009/036101は、以下の通り式IIのナフトフラン化合物の調製のための方法を開示している。
本方法において、3−ブロモ−3−ブテン−2−オン(4−3)を、開放空気容器内で、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(4−4)と反応させると、2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(4−5)が生じる。2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(4−5)を開放空気からの酸素で酸化させると、ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(4−6)となる。この方法により生成されたナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを用いて。しかし、この化合物のさらなる開発中に、本方法は依然としてこれらの化合物の潜在的臨床応用を妨害するかなりの様々な不純物を生成すると判定された。一部の実施形態では、不純物の1つは2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(4−5)である。
一態様では、本発明は、ナフトフランの調製ための改善された方法を提供する。改善された方法は、不純物を最小限に抑え、これによって、実質的に純粋なナフトフランを生成する。本明細書で使用する場合、「実質的に純粋な」という用語は、HPLCによる面積(%)として測定した場合、少なくとも約80%またはそれ超の本発明の化合物を含む調製物を指す。一部の実施形態では、ナフトフランはナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンおよびその関連化合物(4−6)である。
一部の実施形態では、本発明の方法は、本明細書に提供されている実施例に示されている方法のうちの1種または複数を含む。一部の実施形態では、本方法は、本明細書に提供されている実施例1、2および/または5に示されている方法のうちの1種または複数を含む。
一部の実施形態では、本発明の方法は、3−ブロモ−3−ブテン−2−オン(4−3)と2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(4−4)のカップリング粗生成物を、第1の溶媒中で、酸化剤で酸化することを含む。さらなる実施形態では、酸化剤は二酸化マンガン(MnO)である。またさらなる実施形態では、粗生成物は酸化前に単離する。一部の実施形態では、第1の溶媒はトルエンまたはクロロホルムである。
一部の実施形態では、本発明の方法は、熟成した酸化混合物を木炭で処理し、ある特定の不純物を取り除くステップをさらに含む。さらなる実施形態では、熟成した酸化混合物を活性炭のパッドで濾過する。またさらなる実施形態では、混合物を約100℃で濾過する。
一部の実施形態では、本発明の方法は、濾液から生成物を結晶化することをさらに含む。さらなる実施形態では、濾液を蒸発させて濃縮し、冷却することによって生成物を結晶化する。
一部の実施形態では、本発明の方法は、第2の溶媒を用いて生成物を再結晶化することをさらに含む。さらなる実施形態では、第2の溶媒は酢酸エチルである。
代替の実施形態では、本発明の方法は、第1の溶媒から結晶化した生成物を第2の溶媒中でスラリー化し、スラリーを加熱し、スラリーを冷却することをさらに含む。さらなる実施形態では、第2の溶媒は酢酸エチルである。一部の実施形態では、生成物をスラリー化し、加熱のみによって部分的に溶解させる。さらなる実施形態では、生成物をスラリー化するために使用する第2の溶媒の容積は、加熱条件における生成物の完全な溶解のための容積の約1/10、1/5、1/4、1/3、1/2、または2/3である。
本発明はまた、本発明の方法により調製したナフトフラン化合物を提供する。一部の実施形態では、ナフトフラン化合物は、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、リン酸モノ−[1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニル]エステル、リン酸1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニルエステルジメチルエステル、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、およびその塩または溶媒和物からなる群より選択される。さらなる実施形態では、ナフトフラン化合物は、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(4−4)と3−ブロモ−3−ブテン−2−オン(4−3)の単離したカップリング粗生成物を、トルエンの存在下で二酸化マンガンと反応させるステップを含む方法により調製する。またさらなる実施形態では、本方法は、熟成した反応混合物を活性炭のパッドで濾過することをさらに含む。
別の態様では、本発明は、実質的に純粋なナフトフラン化合物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、リン酸モノ−[1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニル]エステル、リン酸1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニルエステルジメチルエステル、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、およびその塩または溶媒和物からなる群より選択される実質的に純粋な化合物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、実質的に純粋な式IIの化合物
(式中、各Rは、独立して、H、Cl、またはFであり、nは、0、1、2、3、または4である)を提供する。
本明細書で使用する場合、「実質的に純粋な」とは、少なくとも約80%の純度を指す。一部の実施形態では、本発明の化合物の純度は、少なくとも約85%、約90%、約95%、または約99%の純度を有する。さらなる実施形態では、本発明の化合物の純度は、少なくとも約99.5%、または約99.8%の純度を有する。またさらなる実施形態では、本発明の化合物の純度は、少なくとも約99.85%、約99.90%、約99.94%、約99.95%、または約99.99%の純度を有する。一部の実施形態では、本発明の化合物は、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、リン酸モノ−[1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニル]エステル、リン酸1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニルエステルジメチルエステル、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、およびその塩または溶媒和物からなる群より選択される。一部の実施形態では、本発明の化合物は多形体である。一部の実施形態では、本発明の化合物は式Iによる化合物の多形体である。一部の実施形態では、本発明の化合物は化合物1の多形体である。
本発明の化合物中に存在し得る典型的な不純物は、副生成物、異性体、中間体、および溶媒からなる群より選択される1種または複数を含む。一部の実施形態では、本発明の化合物中に存在し得る不純物は、式IIの化合物に対して、最大約10%、約8%、約5%、約2%、または約1%である。さらなる実施形態では、本発明の化合物中に存在し得る不純物は、式IIの化合物に対して、最大約0.5%、約0.2%、約0.15%、または約0.1%である。またさらなる実施形態では、本発明の化合物中に存在し得る不純物は、式IIの化合物に対して、最大約0.05%、約0.02%、または約0.01%である。一部の実施形態では、式IIの実質的に純粋な化合物は、式IIの化合物に対して最大約500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、0.2、0.15、0.1、または0百万分率(p.p.m.)の残留副生成物を有する。
一部の実施形態では、不純物は、2−アセチル−2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2,6−ジアセチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2,7−ジアセチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、3−アセチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオールおよび1−(4,9−ジヒドロキシ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−エタノンからなる群より選択される1種または複数の副生成物を含む。
一部の実施形態では、不純物はマンガン(Mn)を含む。
本発明の化合物の純度は、様々な装置で決定することができる。一部の実施形態では、純度は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で決定する。一部の実施形態では、純度は、NMR(核磁気共鳴)で決定する。さらなる実施形態では、純度はHPLCおよびNMRで決定する。
化合物1を含有するこれらの純度の高い組成物は、動物実験において、化合物1を含有するより純度が低い組成物と比較して有意に改善された安全性プロファイルを示す。純度の高い化合物1の任意の有害作用の徴候は、マウスにおいて観察されていなかった。加えて、化合物1を含有するこれらの純度の高い組成物を患者においてテストし、並外れた安全性が実証されてきた。例えば、WO2011/116398およびWO2011/116399の図13は、化合物1に対して約90%純度を有する組成物で観察された毒性を例示し、その一方でWO2011/116398およびWO2011/116399の図14は、化合物1に対して約95%またはそれ超の純度を有する純度の高い組成物が安全で有効であることを例示している。WO2011/116398およびWO2011/116399の図13に示されている試験において、確立した皮下FaDuヒト頭頸部がん(上のパネル)またはMDA−231ヒト乳がん(下のパネル)を有する免疫抑制マウスに、所与の指示された量の化合物1、またはビヒクル対照を経口的に(po)与えた。化合物1は、GELUCIRE(商標)において製剤化した。すべてのレジメンは毎日投与された(qd)。処置の間、体重を定期的に評価した。各ポイントは、8つの腫瘍の平均±SEMを表す。純度約90%の化合物1で有意な毒性が観察された。第1の実験において合計4匹のマウスが処置の間に死亡し(上のパネル)(1匹が16日目、2匹が19日目、および1匹が23日目)、したがって、これらの体重は、これらの死亡後のプロットに含めなかった。第2の実験において合計3マウスが処置の間に死亡し(下のパネル)(1匹が14日目および2匹が21日目)、したがって、これらの体重は、これらの死亡後のプロットに含めなかった。WO2011/116398およびWO2011/116399の図14に示されている試験では、確立した皮下FaDuヒト頭頸部がん(上のパネル)またはMDA−231ヒト乳がん(下のパネル)を有する免疫抑制マウスに、指示された量の化合物1、またはビヒクル対照を経口的に(po)与えた。化合物1はGELUCIRE(商標)において製剤化した。すべてのレジメンは毎日投与された(qd)。処置の間、体重を定期的に評価した。各ポイントは、8つの腫瘍の平均±SEMを表す。より高い純度を有する化合物1は十分に許容され、毒性の徴候を示さなかった。両方の実験において、処置全体を通して、すべてのマウスは健康であり続けた。第I相試験において、化合物1の用量を20mgから2000mg/日に増大したが、最大耐用量(MTD)には達しなかった。用量制限毒性は観察されなかった。患者は、薬物誘発性の有害作用なしに化合物1に極めて十分な許容性を示したが、これは、がん化学療法剤と著しく対比される。実質的に純粋な化合物1の組成物の臨床安全性プロファイルは、過去におけるオンコロジー薬物の中でも最も良いものである。
医薬製剤
ある特定の添加剤または強化剤は、医薬製剤中の所与の粒径分布の式Iによる化合物の粒子の経口バイオアベイラビリティーを増強することが判明した。例えば、薬学的に適合性のある添加剤である、GELUCIRE(商標)44/14(Gattefosseで生産されているポリエチレングリコールラウリン酸グリセリル)の添加は、約20ミクロン未満またはこれと等しいメジアン粒径を有する化合物1のバイオアベイラビリティーを増加させることができる。経口バイオアベイラビリティーを増強または制御するために使用することができる他の添加剤の例として、界面活性剤、例えば、TWEEN80(商標)もしくはTWEEN20(商標)(ポリソルベート、すなわち、ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン)など、またはある特定の脂質、例えば、ホスファチジルコリン、例えば、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)などが挙げられる。界面活性剤は、両親媒性であり、疎水性基と親水性基の両方を含有する化合物を含む。他の添加剤として、例えば、脂肪酸のグリセロールエステル、飽和脂肪酸のグリセロールエステル、8〜18個の炭素を有する飽和脂肪酸のグリセロールエステル、ラウリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、セルロースまたはセルロース誘導体、例えば、微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)など、ならびに脂質、例えば、ステロール、例えば、コレステロールなどを挙げることができる。他の添加剤として、抗酸化剤、例えば、ビタミンEなどを挙げることができる。他の添加剤およびさらなる構成部分は、当業者により理解されているように、本発明による医薬製剤中に含まれていてもよい。例えば、他の活性剤、標準的ビヒクル、担体、液体担体、生理食塩水、水溶液、賦形剤、界面活性剤、分散剤、不活性賦形剤、造粒剤および崩壊剤、結合剤、滑沢剤、摺滑剤、抜染剤、甘味剤、香味剤、着色剤、保存剤、生理学的分解可能な組成物、例えば、ゼラチンなど、水性ビヒクルおよび溶媒、油性ビヒクルおよび溶媒、懸濁剤、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、乳化剤、粘滑剤、緩衝液、塩、増粘剤、ゼラチン、充填剤、乳化剤、抗酸化剤、抗生物質、抗真菌剤、安定化剤、水、グリコール、油、アルコール、結晶化遅延剤(例えば、糖の結晶化を遅延させるためのもの)、デンプン、糖、スクロース、界面活性剤,任意の他の成分の溶解性を増加させる薬剤、例えば、ポリヒドロキシアルコール、例えばグリセロールまたはソルビトールなど、薬学的に許容されるポリマー材料または疎水性材料、ならびに他の構成部分も含むことができる。当業者により理解されているように、添加する適当なさらなる薬剤は、剤形に依存する(例えば、注射溶液、カプセル剤、または丸剤)。
本発明の式Iによる化合物は、「医薬組成物」に製剤化することができる。本発明による実施形態は、例えば、患者の処置に有用となり得る化合物を含む様々な剤形を含む。例えば、経口投与剤形として、錠剤、丸剤、カプセル剤(硬質または軟質)、カプレット剤、散剤、粒剤、懸濁剤(例えば、水性または油性ビヒクル中)、液剤(例えば、水性または油性ビヒクル中)、ゲル剤、カシェ剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤、水薬、水中油型乳剤、または油中水型乳剤を挙げることができる。錠剤およびカプセル剤は、これらの投与が容易なことから、好ましい経口投薬を代表することができる。固体経口投与剤形は、標準的技術により糖コーティングしたまたは腸溶コーティングしてもよい。例えば、鼻腔用および他の粘膜用噴霧製剤(例えば吸入用の形態)は、保存剤および等張剤と共に、精製した活性化合物の水溶液を含むことができる。このような製剤は、鼻粘膜または他の粘膜に適合性のあるpHおよび等張状態に調節されるのが好ましい。代わりに、製剤は、ガス担体中に懸濁された微粉砕した固体粉末、吸入剤、またはエアゾール剤の形態であってよい。このような製剤は、任意の適切な手段または方法、例えば、ネブライザー、アトマイザー、定量式吸入器などによって送達し得る。例えば、本発明による医薬組成物は、局所的に、例えば、軟膏剤、クリーム剤、または坐剤の形態で投与し得る。例えば、本発明による医薬組成物は、注入物質を注入することによって投与し得る。したがって、本発明による剤形は、例えば、固体、半固体、液体、または気体の形態を有することができる。適切な剤形として、これらに限定されないが、経口、直腸、舌下、粘膜、鼻、眼、皮下、筋肉内、静脈内、非経口、経皮、脊髄、髄腔内、関節内、動脈内、くも膜下、気管支、リンパ、および子宮内投与、ならびに活性成分の全身性送達のための他の剤形が挙げられる。活性成分、例えば、式Iによる化合物は、被験体(患者)への投与後に、急速放出、持続放出、遅延放出、または当業者に公知の他の任意の放出プロファイルが得られる製剤中に含有されていてもよい。所与の処置に対して選択される投与モードおよび剤形は、所与の処置適用ならびに被験体(患者)の精神状態および健康状態などの因子に対して望ましいおよび効果的である化合物または組成物の治療量に密接に関連する。
本発明の医薬組成物は、単回単位用量として、複数の単回単位用量として、または複数回用量形態で調製し、包装し、またはまとめて販売してもよい。本明細書で使用する場合、「単位用量」とは、既定の量の活性成分を含む医薬組成物の別々の量である。各単位用量中の活性成分の量は一般的に、投与される活性成分の総量または総投与量の便利な部分、例えば、このような投与量の2分の1もしくは3分の1と等しい。経口投与に対して適切な本発明の医薬組成物の製剤は、別々の固体投薬単位の形態であってよい。各固体投薬単位は、既定の量の活性成分、例えば単位用量またはその部分を含有する。本明細書で使用する場合、「油性」液体は、水より極性の低い炭素またはケイ素ベースの液体を含むものである。したがって、このような薬学的剤形において、活性剤は、1種または複数の薬学的に許容される担体および任意選択で任意の他の治療的成分と一緒に利用するのが好ましい。担体は、製剤の他の成分と適合性があり、そのレシピエントに過度に有害でないという意味で薬学的に許容されていなければならない。本発明の組成物は、単位剤形で提供することができ、各投与単位、例えば、茶さじ、錠剤、カプセル剤、液剤、または坐剤は、単独でまたは他の薬学的活性のある薬剤との適当な組合せで、既定の量の活性薬物またはプロドラッグを含有する。「単位剤形」という用語は、ヒトおよび動物被験体に対して投与単位として適切な、物理的に別々の単位を指し、各単位は、単独でまたは他の活性剤との組合せで、所望の効果を得るのに十分な量で計算した既定の量の本発明の組成物を含有する。
本発明の医薬組成物の剤形は、当技術分野で公知の技術により調製され、治療有効量の活性化合物または成分を含有することができる。公知である、または今後開発される任意の技術を、本発明による医薬組成物または製剤の調製のために使用することができる。一般的に、調製は、活性成分を、担体または1種または複数の他のさらなる構成部分と合わせ、次いで、必要に応じてまたは望ましい場合、生成物を所望の単回用量または複数回用量単位に成形または包装することを含む。本発明による粉末状および顆粒状製剤は、公知の方法または開発されることになる方法を使用して調製することができる。このような製剤は、被験体に直接投与してもよいし、あるいは、このような製剤を使用して、例えば、錠剤、充填カプセル剤を形成するか、またはこれに水性もしくは油性のビヒクルを添加することによって水性もしくは油性の懸濁剤または液剤を調製してもよい。錠剤は、任意選択で1種または複数の副成分と共に、圧縮もしくは成形によって、または湿式造粒法により生成することができる。圧縮錠は、適切な装置の中で、流動性のよい形態、例えば、粉末状または顆粒状調製物などの活性成分を圧縮することによって調製することができる。成形した錠剤は、適切な装置の中で、活性成分、薬学的に許容される担体、および少なくとも混合物を湿らすのに十分な液体の混合物を成形することによって生成することができる。錠剤は、コーティングしなくてもよいし、または当技術分野で公知の方法もしくは開発されることになる方法を使用してコーティングしてもよい。コーティング錠剤は、例えば、腸溶コーティングを使用することによって、被験体の消化管における遅延性崩壊のために製剤化され、これによって、活性成分の持続放出および吸収を提供することができる。錠剤は、薬学的に洗練され、口当たりの良い調製物を提供する成分をさらに含んでもよい。活性成分を含む硬質カプセルは、生理学的に分解可能な組成物、例えば、ゼラチンなどを使用して生成することができる。このような硬質カプセルは活性成分を含む。活性成分を含む軟質ゼラチンカプセルは、生理学的に分解可能な組成物、例えば、ゼラチンなどを使用して生成することができる。このような軟質カプセル剤は、水または油媒体と混合し得る活性成分を含む。投与に対して適切な本発明の医薬組成物の液体製剤は、液体形態で、または使用前に水もしくは別の適切なビヒクルと再構成することを意図した乾燥生成物の形態で調製し、包装し、および販売することができる。活性成分が水性または油性ビヒクル中に分散している液体懸濁剤および活性成分が水性または油性ビヒクル中に溶解している液体液剤は、従来の方法または開発されることになる方法を使用して調製し得る。活性成分の液体懸濁剤は、水性または油性のビヒクル中にあってもよい。活性成分の液体液剤は、水性または油性ビヒクル中にあってもよい。このような薬学的剤形を調製するため、活性成分、例えば、ナフトフランを、従来の薬学的配合技術による薬学的担体と密に混和することができる。担体は、投与に対して望まれる調製の形態に応じて多種多様な形態を取ることができる。経口投与剤形の組成物の調製において、通常の薬学的媒体のいずれかを利用することができる。
本発明による一部の実施形態では、製造物品は、式Iによる化合物を含む医薬組成物の治療有効量を含有する容器を含む。この容器は薬学的に許容される添加剤を含むことができる。この容器は印刷されたラベルの使用説明書を含むことができる。例えば、印刷されたラベルは、医薬組成物が投与されるべき投与量および頻度、ならびに組成物が食品と共に投与されるべきか、または食物摂取前もしくは後の定められた期間内で投与されるべきかについて示すことができる。組成物は、組成物と有意に相互作用しない剤形を保持および分配することが可能な任意の適切な容器内に含有することができる。ラベルの使用説明書は、本明細書に記載されている処置の方法と一致し得る。ラベルは、これら2つの物理的近接性を維持する手段によって、容器と結合していることができる。非限定的例として、容器およびラベルは、両方とも、包装材料、例えば、箱またはプラスチック収縮包装などの中に含有されていてもよいし、あるいは、例えば、ラベルの使用説明書を覆い隠さない接着剤または他の結合手段もしくは保持手段などにより、容器に接着された使用説明書と結合していてもよい。
本発明の一部の実施形態では、医薬組成物は、(a)本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物である活性成分の治療有効量と、b)親水性−親油性のバランス(HLB)が10超であるポリオキシルグリセリドと、(c)HLBが10未満であるポリオキシルグリセリドとを含む。より好ましくは、医薬組成物は、(d)界面活性剤をさらに含む。
HLBが10超であるポリオキシルグリセリドの好ましい例として、HLBが10〜17の間であるもの、より好ましくはHLBが12〜15の間であるものが挙げられる。さらに好ましい例として、25摂氏温度において固体または半固体であるもの、好ましくは、融点が30超摂氏温度であるもの、より好ましくは、融点が33〜64の間の摂氏温度であるもの、さらにより好ましくは融点が40〜55の間の摂氏温度であるものが挙げられる。具体的例としてラウロイルポリオキシルグリセリドが挙げられ、より具体的には、ラウロイルポリオキシル−32グリセリド、例えば、Gelucire(商標)44/14、およびステアロイルポリオキシルグリセリド、より具体的には、ステアロイルポリオキシル−32グリセリド、例えば、Gelucire(商標)50/13などが好ましい。より好ましい具体的例として、ラウロイルポリオキシルグリセリド、より具体的には、ラウロイルポリオキシル−32グリセリド、例えば、Gelucire(商標)44/14などが挙げられる。
HLBが10未満であるポリオキシルグリセリドの好ましい例として、HLBが2〜8の間のもの、より好ましくは、HLBが3〜7の間のものが挙げられる。具体的例として、リノレオイルポリオキシルグリセリド、例えば、Labrafil(商標)M2125CSなど、オレオイル(leoyl)ポリオキシルグリセリド、例えば、Labrafil(商標)M1944CSなど、およびラウロイルポリオキシル−6グリセリド、例えば、Labrafil(商標)M2130CSなどが挙げられる。より好ましい具体的例として、リノレオイルポリオキシルグリセリド、およびオレオイルポリオキシルグリセリドが挙げられる。
界面活性剤の例として、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート、好ましくはポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN80(商標))またはポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン(TWEEN20(商標)))、ある特定の脂質、例えば、ホスファチジルコリン、例えば、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)などが挙げられる。界面活性剤は、両親媒性であり、疎水性基と親水性基の両方を含有する化合物を含む。好ましい界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である。
活性成分は、製剤の重量に対して5%〜50%の範囲で含まれていてよい。界面活性剤は、製剤の重量に対して0.05%〜5%の範囲で含まれていてもよい。HLBが10超であるポリオキシルグリセリドは、製剤の重量に対して5%〜80%の範囲で含まれていてもよい。HLBが10未満のポリオキシルグリセリドは、製剤の重量に対して5%〜80%の範囲で含まれていてもよい。HLBが10超であるポリオキシルグリセリドと、HLBが10未満であるポリオキシルグリセリドとの比率は、約90/10〜約10/90である。好ましくは、比率は約80/20〜約20/80であり、より好ましくは、約40/60〜約80/20である。組成物は、約27.18重量%の活性成分、約0.27重量%の界面活性剤、約14.51重量%の、HLBが10超のポリオキシルグリセリド、および約58.04重量%の、HLBが10未満のポリオキシルグリセリドからなってもよい。125mgカプセル剤の実施形態は、125mgの活性成分、約1.2mgの界面活性剤、約66.8mgの、HLBが10超のポリオキシルグリセリド、および約267mgの、HLBが10未満のポリオキシルグリセリドからなってもよい。80mgカプセル剤の実施形態は、約80mgの活性成分、約0.8mgの界面活性剤、約42.7mgの、HLBが10超であるポリオキシルグリセリド、および約170.9mgの、HLBが10未満であるポリオキシルグリセリドからなってもよい。本発明の実施形態は、上記医薬組成物のいずれかをカプセル剤、例えば、LIcapカプセル剤中に収納する製造物品を含む。カプセル剤はサイズ1またはそれより小さいもの、例えば、サイズ2が好ましい。
選択された粒径分布を有する医薬製剤を作製し、最適な粒径分布を特定するためのプロセス
粉砕プロセス
本発明による方法において、粉砕または破砕プロセスを使用して、式Iによる活性成分または化合物の粒径を減少させることができる。例えば、粉砕プロセスまたは破砕プロセスは、200μm、150μm、100μm、40μm、20μm、5μm、2μm超または200μm、150μm、100μm、40μm、20μm、5μm、2μm未満の粒度のメジアン径を有する粒子を生成するのに適切であり得る。このような粉砕プロセスまたは破砕プロセスは、例えば、ボール粉砕、ロール粉砕、ジェット粉砕、湿式粉砕、超音波粉砕、破砕、および組合せを含むことができる。例えば、本プロセスは、粒子を硬い表面に衝突させることによって、または粒子を高圧に供する、例えば、粒子を2つの表面の間で圧搾することによって、粒径を減少させることができる。例えば、ジェット粉砕では、ガス流は粒子を運び出し、高速まで加速する。次いで、粒子を他の粒子および壁に衝突させ、より小さな粒子に破断する。例えば、湿式粉砕では、粒子を液体と合わせ、生成したスラリーを高い剪断混合器に通し、粒子を破断する。例えば、超音波粉砕では、例えば、スラリー中の粒子を、超音波放射線に曝露させる。超音波により誘発されたキャビテーションにより、粒子をより小さな粒度の粒子へと破断することができる。
粒子を粉砕または破砕作業に供する前に、粒子の温度を低下させることが有利となり得る。例えば、温度は、粒子を液体窒素などの極低温の流体に曝露する、または粒子をこれに浸漬することによって、極低温の温度に低下させることができる。このように温度を低下させることによって、粒子はより壊れやすくなり、粉砕または破砕作業においてこれらの粒度をより減少させやすくすることができる。粉砕プロセスまたは破砕プロセスの後で、ふるい分けなどの選択プロセスを使用して、粒径の範囲を狭めることができる。
結晶化プロセス
結晶化は、薬剤物質を製造するための主要な分離および精製ステップである。結晶化を利用して、粒径を制御することもできる。結晶化の間に得た粒径分布(PSD)は、結晶化の間に生じる様々な機序、例えば、核形成、増殖、凝集、摩耗、破損などの組合せによって影響される。結晶化の間のPSDの制御は、所望の生成物特性を達成するのに重要である。結晶化の間に粒径が常に制御されず、所望の仕様を満たすことができない場合、乾式粉砕などの追加の処理ステップを含めることができる。(Braatら、Crystallization: Particle Size Control、 Encyclopedia of Pharmaceutical Technology:第3版、2006年10月2日出版)
がんの処置のための方法
新生物に罹患しているヒト、哺乳動物、または動物被験体を処置し、進行を遅延させ、再燃を予防し、症状を軽減し、またはさもなければ改善するための本発明による方法は、新生物の容積増加が遅延し、新生物の容積増加が停止し、新生物の容積が低減し、および/またはがん性新生物が死滅するように、既定の粒度分布の粒子、例えば、式Iによる化合物、例えば、化合物1、純粋な化合物、純粋な生成物および/または純粋な医薬組成物などを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。本方法による処置に適している可能性のある新生物の種類のいくつかの例として、固形腫瘍、悪性腫瘍、がん、治療抵抗性がん、再発性がん、転移性腫瘍、新生物(がん幹細胞を含む)、STAT3経路が関与している新生物、癌、および肉腫が挙げられる。一部の実施形態では、式Iによる化合物の粒子の投与による処置に適している可能性のあるがんは、食道がん、食道胃接合部がん、胃食道腺癌、軟骨肉腫、直腸結腸がん、結腸腺癌、直腸腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃腺癌、および副腎皮質癌からなる群より選択される。STAT3経路は、これらのがんに関わっている可能性がある。CSC経路は、これらのがんに関わっている可能性がある。
本発明の実施形態では、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグの治療有効量は、がんと診断された患者または被験体に投与され、このがんは食道胃接合部がん、食道がん、または胃食道腺癌である。任意選択で、パクリタキセルなどの有糸分裂阻害剤が、併用療法のための第2の/組み合わせ薬剤として投与される。1つの特徴において、本発明の化合物は、好ましくは化合物の投与間の間隔を約4時間〜約16時間の範囲で、より好ましくは約12時間あけて、BIDで、合計約160mg〜約1000mgの範囲となるような1日2回の用量が被験体に投与される。任意選択の併用薬剤パクリタキセルを、総1週用量が約40mg/m〜約100mg/mの範囲、例えば、約80mg/mとなるように被験体に投与することができる。
がん幹細胞
近年では、より多くの腫瘍形成の新規モデルが幅広く受け入れられており、これらは、腫瘤全体のうちの小さな部分のみが腫瘍内の腫瘍原性活性に関与していると仮定しているのに対して、古いまたはクローンの遺伝子モデルは、すべての変異した腫瘍細胞が同等にこのような腫瘍原性活性の原因となると推測している。新規モデルによる腫瘍原性細胞のこの小さな部分は、幹細胞のような性質を有する形質転換細胞であり、「がん幹細胞」(CSC)と呼ばれている。BonnetおよびDickは、1990年代にin vivoで、急性骨髄性白血病(AML)におけるCSCの存在を最初に実証した。彼らのデータは、免疫不全マウスに移植した場合、ヒトAML細胞の小さな亜集団のみがAMLを移動させる能力を有し、他のAML細胞は白血病を誘発させることができなかったことを示した。後に、これらのCSCは、原始造血幹細胞として同じ細胞のマーカー、CD34/CD38を有することを示した。(Bonnet, D.、Normal and leukaemic stem cells.、Br J Haematol、2005年、130巻(4号):469〜79頁)。それ以来、研究者らは、脳がん、乳がん、皮膚がん、前立腺がん、直腸結腸がんなどの腫瘍を含む、腫瘍の様々な種類において確証的にCSCを見出した。
腫瘍形成のCSCモデルは、腫瘍移植を確立するためになぜ数万または数十万の腫瘍細胞を実験動物に注射する必要があるかを説明している。ヒトAMLにおいて、これらの細胞の発生頻度は、10,000個中1個未満である。(Bonnet, D.およびJ.E. Dick、Human acute myeloid leukemia is organized as a hierarchy that originates from a primitive hematopoietic cell.、Nat Med、1997年、3巻(7号):730〜7頁)。所与の腫瘍細胞集団内では稀であるとしても、このような細胞は、ほとんどすべての腫瘍種類において存在するという増大する証拠が存在する。しかし、がん細胞株は、組織培養物において増殖するように特異的に適合されたがん細胞の亜集団から選択されるため、がん細胞株の生物学的および機能的特性は、劇的な変化を起こすことができる。したがって、すべてのがん細胞株がCSCを含有するわけではない。
がん幹細胞は、正常な幹細胞と多くの同様の形質を共有する。例えば、CSCは、限定された分裂数とは対照的に、自己再生能力、すなわち、通常他の分裂腫瘍細胞より遅い速度でさらなる腫瘍原性がん幹細胞を生じる能力を有する。CSCはまた、複数の細胞型に分化する能力を有し、これは、多くの腫瘍が、宿主器官に由来する複数の細胞型を含有するだけでなく、腫瘍転移において異質性も一般的に保持されるという組織学的な証拠を説明している。CSCは、腫瘍形成、がんの転移、およびがんの再発に基本的に関与していることが実証されてきた。CSCはまた、腫瘍始原細胞、がん幹様細胞、幹様がん細胞、高度に腫瘍原性の細胞、腫瘍幹細胞、固形腫瘍幹細胞、または超悪性細胞とも呼ばれている。
がん幹細胞の存在は、将来のがん処置および療法に対して基本的な意味を有する。これらの意味は、疾患の特定、選択的薬物標的、がん転移および再発の予防、およびがんとの戦いにおける新規戦略の開発において明白となっている。
現在のがん処置の効力は、テストの初期段階において、腫瘍収縮のサイズ、すなわち、死滅した腫瘤の量で測定することが多い。CSCは腫瘍の極小の割合を形成し、これらのより分化した後代とは著しく異なる生物的特徴を有することから、腫瘤の測定は、幹細胞に特異的に作用する薬物を必ずしも選択することができない。実際に、がん幹細胞は、放射線療法(XRT)に耐性があるようであり、化学療法および標的薬物に対する治療抵抗性もあるようである。(Hambardzumyan, D.、M. SquatritoおよびE.C. Holland、Radiation resistance and stem−like cells in brain tumors. Cancer Cell、2006年、10巻(6号):454〜6頁;Baumann, M.、 M. KrauseおよびR. Hill、Exploring the role of cancer stem cells in radioresistance.、 Nat Rev Cancer、2008年、8巻(7号):545〜54頁;Ailles, L.E.およびI.L. Weissman、Cancer stem cells in solid tumors.、 Curr Opin Biotechnol、2007年18巻(5号):460〜6頁)。正常な体性幹細胞は、自然に化学療法薬剤に対して耐性を持つ。正常な体性幹細胞は、薬物、およびDNA修復タンパク質を排除する様々なポンプ(MDRなど)を有する。さらに、化学療法薬剤が急速に複製する細胞を標的とするのに対して、正常な体性幹細胞は遅い速度の細胞交替も有する。正常な幹細胞の変異した同等物であるがん幹細胞は、薬物療法および放射線処置を掻い潜ることを可能とする同様の機序も有し得る。言い換えると、従来の化学療法および放射線療法は、新規の高度な腫瘍原性がん幹細胞を生成することができない大部分の腫瘍を形成する分化した細胞または分化途中の細胞を死滅させるが、他方で、分化した細胞および分化している細胞を生じさせるがん幹細胞の集団は、そのまま放置され、疾患の再燃を引き起こすことが可能であった。従来の抗がん療法に対するさらなる危険は、化学療法処置により化学療法耐性のがん幹細胞のみが残り、続いて生じる再発性腫瘍も恐らくまた化学療法への耐性を持つことになる可能性があることである。
残存するがん幹細胞は腫瘍を再生息させ、再燃を引き起こし得るため、抗がん療法がCSCに対する戦略を含むことは不可避である(WO2011/116398およびWO2011/116399の図18を参照されたい)。これは、たとえ雑草の地表面の塊が切断されていたとしても、タンポポが再成長するのを防止するために根を除去することと類似している。(Jones, R.J.、W.H. Matsui、およびB.D. Smith、Cancer stem cells: are we missing the target? J Natl Cancer Inst、2004年96巻(8号):583〜5頁)。がん幹細胞を選択的に標的とすることによって、攻撃的な、切除不能腫瘍および治療抵抗性または再発性のがんを有する患者を処置し、ならびに腫瘍転移および再発を予防することが可能となる。がん幹細胞を標的とする特異的療法の開発は、特に転移性がんの患者に対して、がん患者の生存および生活の質を改善することができる。この未開発の能力を解明する鍵となるのは、がん幹細胞の自己再生および生存に対して選択的に重要である経路の特定および検証である。残念なことに、がんにおける腫瘍形成または胚性幹細胞および成体幹細胞における自己再生の根底にある複数の経路が過去において明らかにされてきたが、がん幹細胞の自己再生および生存に対する経路はほとんど特定および検証されていない。
がん幹細胞の同定および単離についてもたくさんの研究が行われてきた。使用された方法は、CSCが薬物を排出する能力を主に利用するもの、またはがん幹細胞に関連する表面マーカーの発現に基づくものである。
例えば、CSCは多くの化学療法薬剤に耐性があるので、CSCが薬物排出ポンプ、例えば、ABCG2(BCRP−1)(Ho, M.M.ら、Side population in human lung cancer cell lines and tumors is enriched with stem−like cancer cells.、 Cancer Res、2007年、67巻(10号):4827〜33頁;Wang, J.ら、Identification of cancer stem cell−like side population cells in human nasopharyngeal carcinoma cell line.、 Cancer Res、2007年、67巻(8号):3716〜24頁;Haraguchi, N.ら、Characterization of a side population of cancer cells from human gastrointestinal system.、 Stem Cells、2006年、24巻(3号):506〜13頁;Doyle, L.A.およびD.D. Ross、Multidrug resistance mediated by the breast cancer resistance protein BCRP (ABCG2).、 Oncogene、2003年、22巻(47号):7340〜58頁;Alvi, A. J.ら、Functional and molecular characterisation of mammary side population cells.、 Breast Cancer Res、2003年、5巻(1号):R1〜8頁)、および他のATP結合カセット(ABC)スーパーファミリーメンバー(Frank, N.Y.ら、ABCB5−mediated doxorubicin transport and chemoresistance in human malignant melanoma.、 Cancer Res、2005年、65巻(10号):4320〜33頁;Schatton, T.ら、Identification of cells initiating human melanomas.、 Nature、2008年、451巻(7176号):345〜9頁)などをほぼ遍在的に過剰発現することは驚くべきことではない。したがって、造血幹細胞および白血病性幹細胞を富化するために最初に使用されたサイドポピュレーション(SP)技術もまたCSCを特定および単離するのに利用された。(Kondo, T.、T. SetoguchiおよびT. Taga、Persistence of a small subpopulation of cancer stem−like cells in the C6 glioma cell line.、 Proc Natl Acad Sci U S A、2004年、101巻(3号):781〜6頁)。Goodellらによって最初に記載されたこの技術は、Hoechst33342などの蛍光色素の示差的ABCトランスポーター依存性排出を活用して、CSC中に富化された細胞集団を規定し、単離する(Doyle, L.A.およびD.D. Ross、Multidrug resistance mediated by the breast cancer resistance protein BCRP (ABCG2).、 Oncogene、2003年、22巻(47号):7340〜58頁;Goodell, M.A.ら、Isolation and functional properties of murine hematopoietic stem cells that are replicating in vivo.、 J Exp Med、1996年、183巻(4号):1797〜806頁)。具体的には、SPは、薬物排出をベラパミルで遮断することによって示され、この時点で、色素をSPからもはやポンプで排除できなくなる。
研究者らはまた、がん幹細胞を大部分の腫瘍から区別する特異マーカーを発見することに焦点をあててきた。がん幹細胞によって最も一般的に発現される表面マーカーとして、CD44、CD133、およびCD166が挙げられる。(Collins, A.T.ら、Prospective identification of tumorigenic prostate cancer stem cells.、 Cancer Res、2005年、65巻(23号):10946〜51頁;Li, C.ら、Identification of pancreatic cancer stem cells.、 Cancer Res、2007年、67巻(3号):1030〜7頁:Ma, S.ら、Identification and characterization of tumorigenic liver cancer stem/progenitor cells.、 Gastroenterology、2007年、132巻(7号):2542〜56頁;Prince, M.E.ら、Identification of a subpopulation of cells with cancer stem cell properties in head and neck squamous cell carcinoma.、 Proc Natl Acad Sci U S A、2007年、104巻(3号):973〜8頁;Ricci−Vitiani, L.ら、Identification and expansion of human colon−cancer−initiating cells.、 Nature、2007年、445巻(7123号):111〜5頁;Singh, S.K.ら、Identification of a cancer stem cell in human brain tumors.、 Cancer Res、2003年、63巻(18号):5821〜8頁;Dalerba, P.ら、Phenotypic characterization of human colorectal cancer stem cells.、 Proc Natl Acad Sci U S A、2007年、104巻(24号):10158〜63頁)。これらの表面マーカーの差次的発現に主に基づき、腫瘍細胞を並び替えることが、今日までに記載された高度に腫瘍原性のCSCの大部分を占めた。したがって、これらの表面マーカーは、がん細胞株からおよび大部分の腫瘍組織からのがん幹細胞の同定および単離に対してよく検証されている。
最近の試験で、腫瘍を再生させる独占的能力を有するがん幹細胞(CSC)の存在が発見された。これらのCSCは、ほとんどすべての腫瘍の種類に存在し、継続した悪性増殖、がん転移、再発、および制がん剤耐性と機能的に連結している。CSCおよびこれらのより分化した後代は、著しく異なる生物的特徴を有するようにみえる。従来の制がん剤スクリーニングは、腫瘤の量の測定に依存し、したがって、CSCに特異的に作用する薬物を必ずしも選択することができない。実際に、CSCは、標準的化学療法および放射線療法に耐性があり、標準的抗がん処置の後で富化されることが実証されたが、これは、がんの治療抵抗性および再発をもたらす。これらの細胞を単離する方法としてこれらに限定されないが、Hoechst 33342を排出するこれらの能力による同定、これらの細胞が発現する表面マーカー、例えば、CD133、CD44、CD166、およびその他などによる同定、ならびにこれらの腫瘍原性特性による富化が挙げられる。がん幹細胞を腫瘍形成と関連づける証拠が増大するにつれて、がん幹細胞を標的とする莫大な治療の機会が解き明かされる。
本明細書に提供されているデータは、CSCの研究における最近の突破口と合わせて、本発明がCSCの阻害を対象とする一連の方法、CSCと異種がん細胞の両方の阻害を対象とする方法、および特にCSCを有するがんまたは一般的にがんを処置する方法を提供することを可能にする。本発明はまた、関連する方法(例えば、製造および薬物候補のスクリーニング)、材料、組成物およびキットを提供する。本方法は、腫瘍原性CSC細胞に分裂することによって、その数を補充することがもはやできないように、CSCが自己再生するのを妨ぐことができる。または、本方法は、CSCにおいて、またはCSCと異種がん細胞の両方において細胞死を誘発することができる。
この方法は、被験体のがんを処置するために使用することができる。このような処置に対して良好な候補であるがんとして、食道がん、食道胃接合部がん、胃食道腺癌、軟骨肉腫、直腸結腸がん、結腸腺癌、直腸腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃腺癌、および副腎皮質癌からなる群より選択されるがんが挙げられる。
さらに、CSCは、腫瘍形成、がん転移およびがん再発に基本的に関与していることが実証されたので、CSC、またはCSCと異種がん細胞の両方を阻害することを対象とする本発明の任意の方法を実施して、転移性であり、化学療法もしくは放射線療法に治療抵抗性があり、または最初の処置後に被験体において再燃したがんを処置することができる。
一部の実施形態では、本発明によるがん幹細胞阻害剤は、式1の化合物、化合物1、化合物1の多形体、WO2011/116398およびWO2011/116399の図1に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づける2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、WO2011/116398およびWO2011/116399の図2に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、WO2011/116398およびWO2011/116399の図3に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約23度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、リン酸モノ−[1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニル]エステル、リン酸1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニルエステルジメチルエステル、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、およびその塩もしくは溶媒和物;式1の化合物の多形体、化合物1、化合物1の多形体、WO2011/116398およびWO2011/116399の図1に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、WO2011/116398およびWO2011/116399の図2に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つもしくはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、WO2011/116398およびWO2011/116399の図3に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約23度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、リン酸モノ−[1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニル]エステル、リン酸1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニルエステルジメチルエステル、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、およびその塩もしくは溶媒和物;または実質的に純粋な形態の式1の化合物、化合物1、化合物1の多形体、WO2011/116398およびWO2011/116399の図1に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、WO2011/116398およびWO2011/116399の図2に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、WO2011/116398およびWO2011/116399の図3に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約23度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体、2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、リン酸モノ−[1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニル]エステル、リン酸1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニルエステルジメチルエステル、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、およびその塩または溶媒和物;粒子形態の2−(1−ヒドロキシエチル)−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−クロロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチル−7−フルオロ−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、2−エチル−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン、リン酸モノ−[1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニル]エステル、リン酸1−(4,9−ジオキソ−3a,4,9,9a−テトラヒドロ−ナフト[2,3−b]フラン−2−イル)−ビニルエステルジメチルエステル、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、およびその塩または溶媒和物(本明細書では「本発明の化合物」とも呼ばれている)である。
本発明は、がん幹細胞を阻害することが可能な薬物候補を同定する方法を提供する。一部の実施形態では、薬物候補は、CSCの細胞死を誘発するか、または少なくともその自己再生を阻害することが可能である。さらなる実施形態では、薬物候補は、CSCの細胞死を誘発するか、または少なくともその自己再生を阻害し、異種がん細胞の細胞死を誘発することが可能である。経路における様々な相を、薬物候補をスクリーニングするための標的とすることができる。
したがって、別の態様では、本発明の化合物を使用して、障害または状態を処置または予防するための医薬組成物を製剤化することができる。一部の実施形態では、がんは、食道がん、食道胃接合部がん、胃食道腺癌、軟骨肉腫、直腸結腸がん、結腸腺癌、直腸腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃腺癌、および副腎皮質癌からなる群より選択される。
したがって、ある態様では、本発明は、本発明の化合物の有効量が細胞に投与される、がん幹細胞を阻害する方法を提供する。CSCを有することが公知のがんは、このような処置に対して良好な候補であり、これらに限定されないが、食道がん、食道胃接合部がん、胃食道腺癌、軟骨肉腫、直腸結腸がん、結腸腺癌、直腸腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃腺癌、および副腎皮質癌からなる群より選択されるがんが含まれる。
さらに、CSCが腫瘍形成、がん転移およびがん再発に基本的に関与していることが実証された場合、CSCを阻害することを対象とする本発明の任意の方法を実施することによって、転移性であり、化学療法もしくは放射線療法に対して治療抵抗性があるか、または最初の処置後に被験体において再燃したがんを処置することができる。
本方法の一部の実施形態では、処置するがんは、以下の群より選択される:食道がん、食道胃接合部がん、胃食道腺癌、軟骨肉腫、直腸結腸がん、結腸腺癌、直腸腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃腺癌、および副腎皮質癌。がんは、STAT3、Nanogおよび/またはβ−カテニン経路の異常に関与し得る。
ある態様では、本発明は、本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量が被験体に投与される、被験体においてがんを処置する方法を提供する。がんは転移性、治療抵抗性または再発性であってよい。被験体は、哺乳動物、例えば、ヒトであってよい。
新生物を患っている被験体(患者)への、例えば、式Iによる化合物の粒子の投与による処置は、以下の状態に対して適応することができる。新生物は、化学療法、放射線療法、またはホルモン療法による処置に治療抵抗性であってよい。新生物は、手術による切除に適していないこともある。新生物は被験体(患者)において再燃し得る。がん幹細胞は、新生物の再燃に関わっている。本発明による方法によりがん幹細胞を死滅させる、またはこれらの自己再生を阻害することにより、新生物がそれ自体再生することを防止することができる。ナフトフランの粒子の投与による処置は、例えば、新生細胞の死亡を誘発し、新生細胞の増殖および/もしくは分裂を阻害し、ならびに/または新生細胞を選択的に死滅させることによって、新生物の容積増加を遅延もしくは停止させ、または新生物の容積を低減することができる。例えば、本発明による処置は、新生物細胞の細胞死を誘発し得る。例えば、処置は、新生細胞のSTAT3、Nanogおよび/またはβ−カテニン経路を阻害するように作用し得る。
新生物を患っている被験体(患者)への、例えば本発明の化合物の粒子の投与による処置は、新生物の再燃を予防するために、および/または手術による切除に対する補助療法として使用することができる。
例えば、本発明の化合物の粒子を含む医薬組成物は、これが処置の便利な形態であるため、経口投与されてもよい。例えば、医薬組成物は、1日4回以下経口投与することができる。代わりに、医薬組成物は、静脈内または腹腔内に投与することもできる。
推定上のバイオマーカーを使用した患者スクリーニング
細胞核内でのリン酸化STAT3(p−STAT3)の陽性およびβ−カテニン発現が、両方とも、個別にまたは組み合わせて、本発明の化合物を使用した、処置効力の高い可能性(実施例9および10を参照されたい)のための予測的バイオマーカーとしての役目を果たすことができるという発見に基づき、本発明は、本発明の化合物を含むがんの処置の推奨について、患者をスクリーニングする方式を提供する。発明者らのデータは、処置前の腫瘍組織中のp−STAT3のレベルと、本発明の化合物での生存確率または処置の成功確率との間の直接的相関関係を示している。言い換えると、処置前にがん患者、少なくとも結腸直腸のがん(CRC)患者において見出されるp−STAT3のレベルが高いほど、本発明の化合物および関連組成物を使用する処置を1度行うと全生存期間(OS)がより長くなる(図3B)。したがって、本発明は、選択された患者集団においてがんを処置する、または処置に対して潜在的ながん患者をスクリーニングする方法であって、がん(例えば、結腸直腸腺癌)と診断された患者候補から得た生体試料(例えば、処置前の腫瘍組織)においてリン酸化STAT3(p−STAT3)のレベルを測定するステップと、患者候補のp−STAT3レベルがベンチマークレベルより上であることを確認するステップと、患者候補に、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグの治療有効量を投与するステップとを含む方法を提供する。ベンチマークレベルは、異なる人口統計セクターに対して異なってもよく、所定の実験を介して当業者により決定することができる。
同様に、発明者らのデータは、細胞核中のβ−カテニン(STAT3と密接に連結しているがん遺伝子)の発現レベルまたは局在化と、本発明の化合物を用いた生存確率または処置の成功確率との間の直接的相関関係を示している。言い換えると、がん患者の細胞膜とは対照的に、少なくともCRC患者において、がん細胞核中のβ−カテニンの発現レベルが高いほど、全生存期間(OS)が長い(図4B)。したがって、本発明は、選択された患者集団においてがんを処置する、または処置に対して潜在的ながん患者をスクリーニングする方法であって、がんと診断された患者候補から得た生体試料(例えば、処置前の腫瘍組織)において、β−カテニン発現位置を検出するステップと、患者候補からの試料において細胞核中に有意なβ−カテニン発現が検出されていることを確認するステップと、患者候補に、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグの治療有効量を投与するステップとを含む方法を提供する。β−カテニンに対する核の発現がそこで臨床的に重大であると考えられるレベルは、異なる人口統計のセクターに対して異なってもよく、所定の実験を介して当業者により決定することができる。
本発明は、がん幹細胞性に関連する1つまたは複数のバイオマーカーの発現レベルを検出することによって、本開示の化合物の治療的投与に対して適切な患者集団を特定する、またはさもなければ絞り込む、例えば、階層化するためのキットを提供する。本開示の方法および/またはキットにおいて、1種または複数のがん幹細胞性マーカーの発現レベルは、患者または患者からの試料において検出され、患者または試料が、発現の対照レベルと比較してがん幹細胞性マーカーの1種または複数のレベルが上昇している場合、この患者に本開示の化合物の治療有効量を投与する。これらの方法の一部の実施形態では、本方法はin vivoでの方法である。これらの方法の一部の実施形態では、本方法はin situでの方法である。これらの方法の一部の実施形態では、本方法はex vivoでの方法である。これらの方法の一部の実施形態では、本方法はin vitroでの方法である。
がん幹細胞性マーカーの臨床的関連性を理解し、本発明の化合物へのこれらの予測的な反応を特定することを本明細書で使用して、臨床的利点を引き出す最も高い可能性がある患者を選択することによって、臨床的開発を補助する。一部の実施形態では、本明細書に提供されている方法は、1種または複数の周知のがん幹細胞性マーカー、例えば、p−STAT3および/またはタンパク質に関連する他のがん幹細胞、例えば、β−カテニンなど、およびNANOGの発現などを使用する。これらすべてのタンパク質は、様々な当技術分野において承認されている技術のいずれかを使用して容易に検出できる。一部の実施形態では、がん幹細胞性マーカーは抗体を用いて、免疫組織化学法で検出する。本発明の化合物を用いた第I相臨床試験から収集したアーカイブの組織試料を使用して、本発明の化合物に対する患者反応をバイオマーカー状態に基づき分析した。本発明の化合物で処置したCRC患者の分析により、p−STAT3またはNANOGの低いまたは陰性のレベルを有する患者と比較して、p−STAT3またはNANOGの高いレベルを有する患者に対して生存が増加傾向にあることが実証された。β−カテニンが細胞膜に限局される患者と比較して、核のβ−カテニンが局在化している患者において生存における有意な改善が検出された、HR=0.043、p値<0.001。さらなる証拠として、がん細胞の一団をスクリーニングするin vitroでの試験において、核のβ−カテニンを有する細胞株は、本発明の化合物に対してより低いIC50を示している。さらに、本発明の化合物によるSTAT3の阻害は、がん細胞株内のin vitroと、ヒトCRC異種移植片マウスモデルの両方においてβ−カテニンタンパク質レベルを減少させた。したがって、STAT3活性化は、核のβ−カテニン調節に関わっている。加えて、β−カテニンの状態は、本発明の化合物に対するCRC患者の反応性を予測するためのバイオマーカーである。
上記処置方法の様々な実施形態では、がんは、以下のうちの1種であってよい:食道がん、食道胃接合部がん、胃食道腺癌、軟骨肉腫、直腸結腸がん、結腸腺癌、直腸腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃腺癌、および副腎皮質癌。がんは治療抵抗性、再発性または転移性であってよい。
薬物レジメン、投与量および間隔
本発明による方法において、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、約20mg〜約2000mg、約100mg〜約1500mg、約160mg〜約1400mg、または約180mg〜約1200mgの範囲の総1日用量であってよい。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、約200mg〜約1500mg、または約360mg〜1200mgの範囲の総1日用量である。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、約400mg〜約1000mgの範囲の総1日用量である。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、約1000mgの総1日用量である。
各投薬間の間隔は、例えば、組成物の薬物動態、流体または食物の摂取を伴うまたは伴わない薬物代謝、忍容性および他の服薬遵守の因子(例えば、利便性)などの因子に応じて、異なってもよいし、または一定に留まってもよい。好ましい間隔は、生じる有害な副作用を最小に抑えつつ、体内で医薬組成物の有効レベルを維持する。一部の実施形態では、各投薬間の間隔は、約4時間〜約24時間の範囲である。一部の実施形態では、各投薬間の間隔は、約8時間〜約14時間の範囲である。一部の実施形態では、各投薬間の間隔は、約10時間〜約13時間の範囲、または約12時間である。したがってこれらの実施形態では、化合物は、例えば、レジメンの期間にわたり平均して1日約2回被験体に投与される。
一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、約160mg〜約960mgまたは約1000mgの範囲の総1日用量である。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、約160mg、約320mg、約640mg、約800mg、および約960mgからなる群より選択される総1日用量である。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、約960mgの総1日用量で被験体に投与される。
一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量はBID投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、約80mgBID〜約480mgBIDの範囲の用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、約80mgBID、約160mgBID、約320mgBID、約400mgBID、および約480mgBIDからなる群より選択される用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、約480mgBIDの用量で被験体に投与される。
一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、化合物の投与間のタイミングが約4時間の投与間〜約16時間の投与間の範囲であるBIDで投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、化合物の投与間のタイミングが少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15および/または少なくとも16時間であるBIDで投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、化合物の投与間のタイミングが約4時間の投与間〜約16時間の投与間の範囲である、約80mgBID〜約480mgBIDの範囲の用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、化合物の投与間のタイミングが少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15および/または少なくとも16時間であるBIDで投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、被験体に、化合物の投与間のタイミングが、約4時間の投与間〜約16時間の投与間の範囲である、約80mg、約160mg、約320mgBID、約400mgBID、および約480mgBIDからなる群より選択される用量で投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、化合物の投与間のタイミングが、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15および/または少なくとも16時間であるBIDで投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、被験体に、化合物の投与間のタイミングが、約4時間の投与間〜約16時間の投与間の範囲である、約480mgBIDの用量で投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、被験体に、化合物の投与間のタイミングが約4時間の投与間〜約16時間の投与間の範囲である、約80mgBIDの用量で投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、化合物の投与間のタイミングが約4時間の投与間〜約16時間の投与間の範囲である約400mgBIDの用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、被験体に、化合物の投与間のタイミングが、約4時間の投与間〜約16時間の投与間の範囲である約320mgBIDの用量で投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、化合物の投与間のタイミングが、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15および/または少なくとも16時間であるBIDで投与される。
一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、化合物の投与間のタイミングが約12時間の投与間である約480mgBIDの用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、化合物の投与間のタイミングが約12時間の投与間である約80mgBIDの用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、化合物の投与間のタイミングが約12時間の投与間である約400mgBIDの用量で被験体に投与される。一部の実施形態では、粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、化合物の投与間のタイミングが約12時間の投与間である約320mgBIDの用量で被験体に投与される。
本発明の化合物またはその医薬組成物は、例えば、経口、静脈内、または腹腔内などの経路のいずれか1つを介して、またはこれらの組合せを介して投与することができる。例えば、一部の実施形態では、本発明の化合物は経口投与することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、ラウロイルポリオキシルグリセリド(例えばGelucire)およびTween80を含む製剤、またはラウロイルポリオキシルグリセリド(例えばGelucire)、リノレオイルポリオキシルグリセリド(例えばLabrafil)、および界面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)もしくはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む製剤で経口投与することができる。
本発明の化合物は、被験体、例えば、患者において、少なくとも2時間から24時間以下の時間の間、少なくとも約0.002μΜ〜約30μMの範囲の化合物の血中濃度を達成する用量で投与することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、被験体において、少なくとも2時間から24時間以下の時間の間、少なくとも約0.2μΜ〜約1μΜの範囲、少なくとも2時間から24時間未満の間、約0.2μΜ、0.5μΜ、1.0μΜ、1.5μΜ、2.0μΜ、2.5μΜ、3.0μΜ、4.0μΜ、5.0μΜ、6.0μΜ、7.0μΜ、8.0μΜ、9.0μΜ、10.0μΜ、15.0μΜと等しいまたはそれ超の化合物の血中濃度を達成する用量で投与することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、被験体において、少なくとも2時間および24時間未満の間、約1.0μΜ、1.5μΜ、2.0μΜ、3.0μΜ、5.0μΜ、10.0μΜ、15.0μΜと等しいまたはそれ超の化合物の血中濃度を達成する用量で投与することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、被験体において、少なくとも2時間および24時間未満の間、約2.0μΜ、3.0μΜ、5.0μΜ、10.0μΜと等しいまたはそれ超の化合物の血中濃度を達成する用量で投与することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、被験体において、少なくとも2時間および24時間未満の間、約3.0μΜ、または5.0μΜと等しいまたはそれ超の化合物の血中濃度を達成する用量で投与することができる。
本発明の化合物は、被験体、例えば、患者において、24時間で少なくとも約0.002μΜ.h〜約300μΜ.hの範囲の化合物の血中濃度を達成する用量で投与することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、被験体において、少なくとも2時間および24時間未満の間、約0.2μΜ、0.5μΜ、1.0μΜ、1.5μΜ、2.0μΜ、2.5μΜ、3.0μΜ 4.0μΜ、5.0μΜ、6.0μΜ、7.0μΜ、8.0μΜ、9.0μΜ、10.0μΜ、15.0μΜと等しいまたはそれ超の、24時間の曲線下面積(AUC24)を達成する用量で投与することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、被験体において、少なくとも2時間および24時間未満の間、約1.0μΜ、1.5μΜ、2.0μΜ、3.0μΜ、5.0μΜ、10.0μΜ、15.0μΜと等しいまたはそれ超の化合物の血中濃度を達成する用量で投与することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、被験体において、少なくとも2時間および24時間未満の間、約2.0μΜ、3.0μΜ、5.0μΜ、10.0μΜと等しいまたはそれ超の化合物の血中濃度を達成する用量で投与することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、被験体において、少なくとも2時間および24時間未満の間、約3.0μM、または5.0μMと等しいまたはそれ超の化合物の血中濃度を達成する用量で投与することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、被験体において、約2μΜhr、10μMhr、20μΜhr、30μΜhr、40μΜhr、50μΜhr、60μΜhr、70μΜhr、80μΜhr、90μΜhr、100μΜhr、125μΜhr、150μMhr、200μΜhr、250μMhr、300μΜhr、400μΜhr、および500μΜhrと等しいまたはそれ超の24時間の曲線下面積(AUC0〜24hr)を達成する用量で投与することができる。
被験体(患者)の状態がそれを必要とする場合、医薬組成物の用量は、継続的またはパルス状注入として投与することができる。処置の期間は、利点が持続する限り、数十年、数年、数カ月、数週間、または数日間であってよい。前述の範囲は、ガイドラインとしてのみ提供されたもので、最適化を前提とする。
本発明による方法では、有効期間と少なくとも同じ長さであり、有害な期間より短い第1の継続期間の間、化合物の血液モル濃度が少なくとも有効濃度であり、有害な濃度未満であるように医薬組成物を投与することによって、新生物の細胞は選択的に死滅させられる。第1の継続期間後、血液モル濃度は有効濃度未満であってよい。有効濃度は、新生細胞、例えば、がん細胞が死滅するように十分に高い濃度であってよい。有効期間は、新生細胞、例えば、がん細胞が死滅するような十分な長さであってよい。有害な濃度は、正常細胞が損傷または死滅する濃度であってよい。有害な期間は、正常細胞が損傷または死滅するのに十分な長さの期間であってよい。例えば、有効濃度は、約0.02μΜ、約0.05μΜ、約0.1μΜ、約0.2μΜ、約0.5μΜ、約1μΜ、約3μΜ、約10μΜまたは約20μMと等しいもしくはそれ超であってよい。例えば、非有害濃度は、約3μΜ、約10μΜ、約14μΜ、約30μΜ、または約100μΜと等しいもしくはそれ未満であってよい。例えば、有効期間は、約2時間、約4時間、約6時間、約12時間、約24時間、または約48時間と等しいもしくはそれ超であってよい。例えば、正常細胞に対して非有害曝露を達成するためには、化合物1の薬物濃度は、約12時間、約24時間以内に血液から実質的に排除されなければならない。「血液から実質的に排除される」とは、血液薬物濃度が少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約80%、少なくとも約90%低減することを意味する。例えば、有効濃度とは、化合物がしばらくの期間の間投与された場合、がん細胞のIC50を上回る濃度であってよい。例えば、有効期間とは、化合物が少なくとも有効濃度で投与された場合、がん細胞が選択的に阻害または死滅させられる期間であってよい。例えば、有害濃度とは、化合物が任意の期間の間投与された場合、正常細胞のIC50を上回る濃度であってよい。例えば、有害期間とは、化合物が有効濃度で投与された場合、がん細胞ばかりでなく正常細胞も阻害または死滅させられる期間であってよい。
新生細胞、例えば、がん細胞などの選択的死滅、および正常細胞の温存に必要とみなされた、本明細書に記載されている「選択的薬物動態プロファイル」(SPP)を達成するために、当業者は、投与量および頻度を選択することによって医薬組成物を投与することができる。SPPのこのような考慮によって、医薬組成物の設計、例えば、粒子の粒径分布および形状分布を導くことができる。
本発明による方法において、医薬組成物は錠剤、丸剤、カプセル剤(硬質または軟質)、カプレット剤、散剤、粒剤、懸濁剤、液剤、ゲル剤、カシェ剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤、水中油型乳剤、油中水型乳剤、または水薬などの剤形で経口的に投与される。
最適粒径分布の同定
本発明による方法において、新生物に罹患しているヒト、哺乳動物、または動物を処置するための式Iによる化合物、化合物1、化合物1の多形体、および/または実質的に純粋な形態の化合物1の最適粒径分布は、以下の通り決定することができる。化合物を含む少なくとも1セットの粒子を調製することができる。粒子のこのセットの調製において、例えば、固体化合物の試料の粒径は、例えば、化合物を溶解しておよび溶液を噴霧し、化合物を溶解して、溶液を超音波処理し、固体化合物をボール粉砕し、固体化合物をロール粉砕し、固体化合物を破砕し、および/または固体化合物をふるい分けすることによって、減少させることができる。少なくとも1セットの粒子の粒径分布は、当業者に公知の方法または方法の組合せにより決定することができる。例えば、粒径分布は、ふるい分折、光学顕微鏡計数法、透過電子顕微鏡写真計数法、電気抵抗計数法、沈降時間、レーザー回折、音響分光法、別の技術、または技術の組合せなどの技術を使用して決定することができる。少なくとも1セットの粒子は、既定の濃度で、既定の期間の間、新生細胞および正常細胞に投与することができる。新生細胞および正常細胞の代謝、分裂、および/または他の活力の指標に対する粒子の効果を観察することができる。新生細胞に対する粒子の観測された効果を使用して、粒子の各セットに有効性評定を割り当てることができる。例えば、新生細胞の代謝および/もしくは分裂を阻害し、新生細胞を損傷もしくは死滅させ、またはさもなければ高い抗腫瘍活性を示す1セットの粒子に、高い有効性評定を割り当てることができる。正常細胞に対する粒子の観測された効果を使用して、粒子の各セットに毒性評定を割り当てることができる。例えば、正常細胞の代謝および/もしくは分裂を阻害し、または正常細胞を損傷もしくは死滅させ、またはさもなければ、正常細胞が、このセットの粒子に対して低い忍容性を示す1セットの粒子には、高い毒性評定を割り当てることができる。
例えば、粒子のセットは、in vitroで新生細胞および正常細胞に投与することができる。例えば、有効性評定は、新生細胞のIC50と等しく、比例し、または単調増加関数であってよい。例えば、毒性評定は、正常細胞のIC50と等しく、比例し、または単調増加関数であってよい。
例えば、粒子のセットは、テスト動物の新生細胞および正常細胞にin vivoで投与することができる。例えば、テスト動物は、哺乳動物、霊長類、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、またはイヌであってよい。例えば、有効性評定は、粒子のセットを投与した後、新生細胞の容積の低減と等しく、比例し、またはその単調増加関数であってよい。例えば、毒性評定は、粒子のセットを投与した後、テスト動物の質量の低減と等しく、比例し、または単調増加関数であってよい。例えば、粒子のセットは、臨床試験においてヒトに投与することができる。新生物を処置する方法は、式Iによる化合物、化合物1、化合物1の多形体、および/または実質的に純粋な形態の化合物1の治療有効量の1セットの粒子を、新生物に罹患しているヒト、哺乳動物、または動物に投与することを含むことができる。化合物、式Iによる化合物、化合物1、化合物1の多形体、および/または実質的に純粋な形態の化合物1の粒子は、動物もしくはヒトに、または細胞に、in vitroで投与する前に、粒子を薬学的に許容される添加剤中に懸濁させることができる。
第1の粒径分布を有する各セットの粒子の有効性評定および/または毒性評定は、第1の粒径分布と異なる粒径分布を有する粒子の別のセットの有効性評定および/または毒性評定と比較することができる。高い有効性評定および低い毒性評定を有する化合物の1セットの粒子は、新生細胞、例えば、がん細胞を阻害または死滅させるのに有効となり得、しかも正常細胞を温存することができる。当業者は、最適セットとして、少なくとも他の1セットの粒子よりも高い有効性評定、少なくとも他の1セットの粒子より低い毒性評定および/または少なくとも他の1セットの粒子より高い加重した有効性評定および毒性評定の合計を有する粒子のセットを選択することができる(例えば、有効性評定は、正の係数で加重することができ、毒性評定は陰性の係数で加重することができる)。当業者は、また別の基準を使用して、粒子の最適セット、例えば、加重した有効性評定と、有効性評定/毒性評定の加重した比率の合計を有する粒子を選択することができる。粒子の最適セットの粒径分布は、テストした化合物に対して最適な粒径分布と考えることができる。最適な粒径分布は、1つの化合物、例えば、化合物1について、別の化合物、例えば、化合物1ではない式Iによる化合物に対するものとは異なってもよい。所与の化合物に対する最適な粒径分布は、in vitroでの細胞への、小さなテスト動物への、および大きなテスト動物への投与により決定される場合、異なってもよい。しかし、in vitroまたはin vivoでの生物への所与の化合物の投与により決定された最適粒径分布は、別の化合物に対する粒径分布を最適化するため、または別の生物への投与のための合理的出発点を表し得る。
式Iによる化合物、化合物1、化合物1の多形体、および/または実質的に純粋な形態の化合物1の粒子の最適セットは、新生細胞の複製もしくは拡散を減少させるか、または阻害するための組成物中に含むことができる。
本発明の異なる特徴をさらに例示するために以下に実施例を提供する。実施例はまた、本発明を実施するために有用な方法を例示している。これらの実施例は、特許請求された発明を制限しない。
実施例1:ナフトフラン化合物の調製
ナフトフラン化合物(2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン)の調製のための手順は以下の通り要約される。
ステップ1:臭素化
機械撹拌装置、温度計、および滴下ロートを備えた2リットルの三つ口丸底フラスコに3−ブテン−2−オン(451.2グラム)を充填する。滴下ロートに臭素(936.0グラム)を添加する。フラスコ中の内容物を−5℃に冷却した後、激しく撹拌し、30分間にわたり温度を−5℃に維持しながら、臭素をフラスコ中に滴下する。混合物を−5℃でさらに15分間撹拌し、次いで4等分する。
ステップ2:脱臭素化
混合物の各部分をテトラヒドロフラン(2133.6グラム)と共に、機械撹拌装置、温度計、および滴下ロートを備えた22リットルの四つ口丸底フラスコに加える。滴下ロートに、DBU(1,3−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、222.9グラム)を充填する。激しく撹拌し、30分間にわたり温度を0℃〜5℃に維持しながら、DBUをフラスコ中に滴下する。混合物を0℃〜5℃でさらに15min撹拌する。
ステップ3:カップリング反応
次いで、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトフラン(231グラム)をフラスコに添加する。さらにDBU(246.0グラム)を滴下ロートに充填し、次いで、反応混合物の温度が40℃を超えないような速度でフラスコ内の混合物に滴下する。DBUの添加が完了した後、生成した混合物を室温で一晩撹拌し、反応混合物の試料をHPLC分析用に採取する。
ステップ4:結晶化
反応混合物に、水(10.8リットル)を充填し、生成した混合物を0℃〜3℃に少なくとも30分間冷却し、次いで真空フィルターを介して濾過する。濾過した固体を、5%水性炭酸水素ナトリウム(3リットル)、水(3リットル)、1%水性酢酸(3リットル)およびエタノール(2回)(2×1リットル)で逐次的にすすぐ。
すすいだ固体を保存し、他のバッチと一緒にプールする。合わせた粗生成物(28.73kg)を酢酸エチル(811.7kg)と共に、機械撹拌装置、温度計、および冷却器を備えた500ガロンの容器に加える。窒素雰囲気下で、混合物を2時間加熱還流させ(72℃)、次いで活性炭層を含有する10ミクロンカートリッジフィルターで濾過し、不溶物を除去する。
新鮮な高温の酢酸エチル(10kg)を使用して、容器、移動ラインおよびフィルターをすすぐ。合わせた濾液を0〜5℃に冷却し、この温度で2時間保持し、次いで、20インチのブフナーフィルターで濾過する。濾過した固体生成物を0〜5℃の酢酸エチル(5.7kg)ですすぎ、40℃にて、真空下で一定の重量になるまで乾燥させる。残りの濾液を、蒸発により容積を63%減少させ、結晶化プロセスを再び繰り返して、第2の収穫物の生成物を生成し、これをまた生成物の第1の収穫物と同じ条件下で乾燥させた。
1ロットのナフトフラン化合物を以下の手順で得た。このロットの化合物に対する純度は、95.44面積%(HPLC)である。
実施例2:ナフトフラン化合物の調製
ナフトフラン化合物(2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン)の調製のための別の手順を、以下の通り要約する。
ステップ1:臭素化
12LのRBF(丸底フラスコ)(UVフィルターで光から保護)にMVK(2,160ml、26.4モル)を充填し、ドライアイス/アセトン浴槽内で−9.6℃に冷却した。T≦−2.6℃(Tmax)に維持しながら2hrs20minにわたり、臭素(1,300ml、25.3モル)をゆっくりと添加した。生成した黄色の混合物をさらに28min撹拌した。
ステップ2:脱臭化水素化
予め冷却したTHF(テトラヒドロフラン)(20L、5ml/gのHNQ(2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(naphtoquinone)))を有する72LのRBFに、上記からの臭素化生成物を充填し、生成した溶液を−4.8℃に冷却した。T<0.3℃(Tmax)に維持しながら、THF(4,200ml)中に溶解したDBU(4,200ml、28.1モル)を2hrs20minにわたりゆっくりと添加した。生成した懸濁液を42min撹拌した。
ステップ3:カップリング
2−ヒドロキシ−1,4−ナフトフラン(4,003g、23.0モル)を、−1.8℃で一度に、上記からの反応混合物に充填した。DBU(3,780ml、25.3モル)の第2の部分を48分間にわたり添加しながら、冷却浴槽を適用することで、反応物温度を40℃にした。冷却浴槽を取り除き、大気に開放して反応混合物を週末にかけて撹拌した。
ステップ4:粗材料の単離
予め冷却した水(100L、25ml/gのHNQ)を有する200L反応器に、上記からの反応混合物を充填した。生成した懸濁液を6.0℃に冷却し、次いでT=3±3℃で約1時間撹拌した。次いで、生成した懸濁液を濾過し、収集した固体を200Lの反応器に戻した。
5%水性のNaHCO(26L、6.5ml/gのHNQ)中で1時間撹拌後、懸濁液を濾過した。収集した固体を200Lの反応器に戻し、水(26L)中で1時間撹拌し、次いで濾過した。
湿った固体を200Lの反応器に戻し、1%水性酢酸(26L)中で約1時間撹拌し、濾過し、次いで、フィルターロート上で、水(10L)で洗浄した。収集した固体を200Lの反応器に戻し、エタノール(17.5L;4.3ml/gのHNQ)中で穏やかに加熱還流(77.4℃)させた。生成した懸濁液を4.2℃に冷却し、濾過した。
湿った固体を100Lの反応器に移し、エタノール(17.5L;4.3ml/gのHNQ)中で加熱還流(77.6℃)させた。生成した懸濁液を4.5℃に冷却し、濾過した。湿ったケーキを一晩液体除去した。H NMRおよびHPLC試料を採取した。H NMR:化合物1/NDHF(2−アセチル−2,3−ジヒドロナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン)42:58%;HPLC:化合物1/NDHF74:11面積%。
固体を4日間にわたり真空オーブン内50℃で乾燥させ、2,268gの粗製の化合物1を生成した。H NMR:化合物1/NDHF41:59%;HPLC:化合物1/NDHF67:11面積%。
ステップ5:ナフトジヒドロフランの酸化
粗化合物1(2.268kg)をトルエン(77L)中でスラリー化した。MnO(9536g)を添加し、混合物を穏やかに加熱還流した。TLC(1:1EA:ヘキサン)は、1時間後に反応の完了を示した。
次いで、反応混合物を、セライト(1530g、低層)、活性炭(2230g、中央層)、およびセライト(932g、最上層)の予熱したパッドを介して、高温で濾過した。黄色からオレンジ色の濾液を収集した。
濾液をロトバップでほぼ1/10の容積まで濃縮した。スラリーを濾過し、トルエンで洗浄した。次いで、結晶を50℃で乾燥させて、952g(42%)の暗い黄色の固体を得た。HPLC:99.94%。H NMRは、いかなるナフトジヒドロフランも示さなかった。
結晶を真空下にて、50℃でさらに46〜65時間乾燥させて、材料中の残留トルエンの量を減少させた。
ステップ6:酢酸エチルによる処置
化合物1(5816g)を200Lの反応容器に充填した。酢酸エチル(145L、25mL/g)を添加し、溶液を2時間26分間にわたり加熱還流させた。還流を5時間30分間維持し、次いで混合物を冷却し、一晩17℃に維持した。
スラリーをポリエチレンフリット上で濾過した。黄色の結晶を風乾し、次いで真空オーブン中のトレイ上に75時間置き、5532g(95.1%収率)の黄色の固体を得た。HPLC:99.86%。H NMRは、化合物1の構造と一致する。
ステップ7:酢酸エチルによる再結晶化
2LのRBFに、粗材料(10g)および酢酸エチル(900ml)を充填した。混合物を約77℃で還流させ、次いでさらなる酢酸エチル(100ml)を添加して、完全な溶解を達成した。生成した透明な黄色がかった溶液を約30分間還流させながら撹拌し、次いで加熱を止めた。混合物を室温で一晩撹拌した。
生成した懸濁液を濾過し、収集した黄色の固体をロート上で、酢酸エチル(30ml)ですすいだ。湿った固体を真空オーブン内、40〜50℃で、4時間にわたり乾燥させて、8.53gの黄色の結晶性生成物を得た(全収率約17%)。
H NMR:構造と一致;HPLC:99.94面積%;DSC:228.68℃、151J/g。
実施例3:ナフトフラン化合物の微粉化
例えば、化合物1の結晶を粉砕し、160ミクロン(μm)のふるい(ふるい#100、150μmの開口)に通して、ほぼ160ミクロンまたはそれ未満の結晶を生成した。
例えば、化合物1の結晶を、約20ミクロンのメジアン粒径に粉砕した(The Retsch Ultra遠心性Mill ZM200;シングルパス、18,000rpm、0.25mmのスクリーンを使用)。表3は、生成した粒径分布を提示している(Hydro 2000S湿性アクセサリーを有するMalvern 2000)。欄の見出しにおいて下付き文字で提示されている総累積パーセントでの最大粒径が、欄に提示されている。例えば、欄D90は、粒子の90%がこれと等しいまたはより小さい粒度を有する粒度を提示している。欄D50は、粒子の半分がこれより大きな粒度を有し、粒子の半分がこれと等しいまたはより小さい粒度を有するメジアン径を表している。
例えば、表4に提示されているように、化合物1の結晶を、ジェット粉砕法(4”ジェットミル、ベンチュリ圧力=40、粉砕圧力=100、供給量=1304g/時間)を使用して、約2ミクロンのメジアン粒径に微粉化した。乾燥粒子法(Sympatec Helos/KF粒径分析器)を使用して粒径分析を実施した。
粒径分布の対数正規モデル由来の累積分布関数は、表4に提示されたデータに対して良好なフィットを提供した。累積分布関数は、以下のように表される
(式中、erfは誤差関数であり、dは粒径変数であり、dメジアンはメジアン粒径であり、σは、累積分布関数の幅に関係したパラメーターである)。CDF(d)は、d未満またはこれと等しい粒度を有する粒子の部分を表す。2.07ミクロンの観察されたメジアンにdメジアンを設定し、モデルをフィッティングさせることで、σ=1.06の値を得た。このモデルは、3.6ミクロンの平均径および0.67ミクロンのモード直径を示した。このモデルはまた2200m/kgの粒子の比表面積を示唆しているが、ただし、これは、表面粗さなどの因子を考慮していない。
実施例4:HPLCアッセイ
このHPLC法は、ナフトフラン、例えば、2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(化合物1)の純度、およびその反応の完全さをHPLCにより評価するものである。すべての構成部分は、クロマトグラム内の全ピークの面積パーセントで表現される。
2.溶液の調製
10mMリン酸緩衝液
1.74gのリン酸二カリウムを秤量し、1Lの精製水で希釈する(必要量まで重量および容積を調整)。リン酸でpHをpH6.8に調整する。
移動相A
10mMリン酸緩衝液とアセトニトリルを混合して、緩衝液:アセトニトリルの比が80:20となるように、移動相Aを調製する。脱気する。
移動相B
10mMリン酸緩衝液とアセトニトリルを混合して、緩衝液:アセトニトリルの比が20:80となるように移動相Bを調製する。脱気する。
賦形剤
移動相Aは、すべての試料および標準的な調製物に対して賦形剤として使用する。
3.標準的調製物
化合物1のストック標準(濃度≒1.0mg/mL)
20mLシンチレーションバイアル内で、10mgの重量の化合物1の参考材料を調製する。重量±0.01mgを記録する。10mLのDMSOを添加し、固体が溶解するまで超音波処理する。
ストックテスト試料(濃度≒1.0mg/ml)
テスト溶液は、20mLシンチレーションバイアル内に10mgの試料を秤量し、10mLのDMSOで希釈することによって調製する。
作業テスト用試料(濃度≒0.01mg/mL)
この溶液は、1mLを100mLのメスフラスコに移し、賦形剤溶液で希釈することによって調製する。
5.作動手順
以下の順序で溶液を注入する:
1.賦形剤ブランク(1×)
2.化合物1作業標準(5×)
3.テスト溶液(各2×)
4.作業標準(各1×)
6.システム適性 。
以下の基準を満たした場合、システムは使用に適している。
1.この順序の始めの賦形剤ブランクの注入には、任意の特定された不純物による干渉性ピークが含有されないものとする。
2.化合物1の作業標準の最初の5回の反復した注入は、(1)%RSDピーク面積<3.0%;(2)%RSD保持時間<3.0%;および(3)平均テーリング係数<2.0を有する。
3.括弧内標準に対するクロマトグラムにおいて、(1)保持時間は、最初の適性の注入からの平均保持時間の97.0〜103.0%であり、(2)その面積%は、初期値の97.0〜103.0%である。
7.計算 。
すべてピークは、クロマトグラムにおける全ピークの面積%として報告し、これを以下の式を通して統合ソフトウエアにより計算する:
実施例5:粗製2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの調製
化合物1の調製のための別の手順を以下の通り要約する。
反応物を0℃未満の温度に維持しながら、滴下ロートを介して、臭素(0.95当量)を−20〜−15℃でメチルビニルケトン(MVK、1.0当量)に添加する。次いで、反応混合物を−10〜0℃でさらに2〜3時間撹拌し、これに続いてテトラヒドロフラン(6vol)を添加し、反応混合物を−20〜−10℃に冷却する。次いで、激しく撹拌し、反応物を0℃未満の温度に維持しながら、トリエチルアミン(1.1当量)を添加する。生成したスラリーを−15〜−5℃で最低10時間撹拌し、次いで−5〜5℃に温め、濾過する。次いで、処理中のH NMRを介して、濾液を分析して、存在する中間体ブロモメチルビニルケトン(BrMVK)の量(重量%)を決定し、さらなる使用まで−25〜−10℃で保持した。
次に、きれいな反応容器内のテトラヒドロフラン(3.15vol)に、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(処理中のH NMRからBrMVKの計算量に対する1.0当量)を充填する。生成したオレンジ色のスラリーを短い間撹拌し、次いで温度を45℃またはそれ未満で維持しながら、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU、1.1当量)を添加する。次いで、反応混合物を40〜45℃で最低1時間撹拌し、50〜55℃に加熱し、反応物の温度を50〜60℃に維持しながら、滴下ロートを介して、BrMVK溶液を添加する。次いで、5%未満の2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンが残るまで、反応混合物を50〜55℃でほぼ18時間撹拌する。次いで、反応混合物を濃縮し、エタノールで2回同時蒸発させ、エタノール/水(1:1)から再結晶化させる。固体を真空下、35〜45℃で乾燥させる。次いで、粗製の固体および木炭G−60(100重量%)をアセトニトリル中に懸濁させ、70〜75℃で2時間加熱し、濾過し、高温のアセトニトリルで洗浄する。次いで、濾液を1/3の容積まで濃縮し、0〜5℃に冷却し、濾過する。次いで、固体を真空下、45〜50℃で乾燥させる。次いで、これらの粗製の固体を酢酸エチル中で、還流下にて6時間再スラリー化し、室温に冷却し、濾過し、酢酸エチルで洗浄する。次いで、材料を真空下、45〜50℃で乾燥させ、最終放出のために包装する。
実施例6:治験:安全性および効力
化合物2−アセチルナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンを選択し、US FDAおよびカナダ保健省からのIND承認を受けた後、第I相臨床試験に入ったが、これは、標準的療法に失敗した進行がんを有する成人患者における用量漸増試験であった。各サイクルは、化合物の4週間の間の1日2回の経口投与からなる。疾患の進行、許容不可能な毒性、または別の中断の判定基準が満たされるまで、サイクルを4週(28日間)ごとに繰り返した。オープンラベルおよび多施設臨床試験として用量漸増臨床試験を行った。修正したサイモンの加速滴定スキームを用量の漸増のために使用した。
臨床試験の主な目的は、安全性、忍容性、および推奨された第II相の用量(RP2D)を決定することであった。臨床試験の第2の目的は、化合物の薬物動態プロファイル、化合物の薬力学、および化合物の予備的抗腫瘍活性を決定することであった。
組み入れ基準には、転移性の、切除不能、または再発性である組織学的にまたは細胞学的に確認された固形腫瘍;年齢≧18才;RECISTにより測定可能な疾患;およびカルノフスキー≧70%が含まれていた。排除基準には、最初の投薬の4週間以内の化学療法、放射線療法、免疫療法または研究用薬剤;最初の投薬の4週間以内の手術;および公知の脳の転移が含まれていた。
上記基準下で選択された患者の人口統計データおよびベースライン疾患特徴を表6に要約した。
これらの患者のうち、10コホートを、20mg〜2000mg/日の範囲の用量で評価した。用量制限的毒性は観察されなかった。最も一般的な有害事象は、下痢、悪心、および疲労であった。第3等級またはそれ超の事象は、疲労および下痢を含んだ。有害事象を表7に要約した。
20mgの毎日の投与では、驚くほど高濃度の化合物が患者の尿中に観察された。さらに、患者の尿中の本発明の化合物の抗腫瘍活性をテストすると、化合物は、がん細胞に対して強力なままであったことが判明した。
投薬した患者のうち、疾患制御(疾患の安定化および腫瘍退縮)が、結腸直腸腺癌、頭頸部がん、乳がん、胃がん、卵巣がん、軟骨肉腫、副腎皮質癌、および黒色腫を含む、化学療法に対して治療抵抗性がある様々な腫瘍における腫瘍反応に対する評価可能な患者の65%に観察された。1人の患者において大腸がん転移性病変の腎臓への完全な退縮があった(患者0001)。化合物1で処置した患者において、新規転移性腫瘍病変が劇的に無くなった。進行した治療抵抗性がんを有する24人の評価可能な患者の80%超が、転移性腫瘍がないことを示した。
活性の徴候を有する登録患者を表8において要約した。
抗p−STAT3抗体を使用した免疫組織化学法による処置前の腫瘍組織中の高レベルのp−STAT3は、これらの腫瘍の化合物1への良好な反応を予測することが判明した。
経口のbid投薬を用いた薬物動態プロファイルも試験した。薬物の血漿中濃度は、表9に例示されているように、効果的濃度(in vitroのIC50)の数倍上に達した。しかし、薬物濃度は、高レベルで長時間維持されず、効果的な濃度より下に急速に低減した。
望ましい期間の間薬物血漿中濃度を効果的なレベルまたはそれ超で維持するため、およびピーク血漿中濃度をさらに増加させるために、500mgのBIDレジメン(同じ日の2回の投薬間に4時間の間隔あけて、または「q4h」で)の薬物動態を試験し、これを500mgQDレジメンと比較した(図1)。驚いたことに、薬物動態の点から2つの投与レジメンの間に有意な差は観察されなかった。これまでは、BIDレジメン、すなわち、患者血漿中の薬物レベルは、同じ日のうちに投薬を2倍にすると、QDレジメンと比較して、別の明白なピークを示すと予想されていた。しかし、化合物1の2回、q4hの投与は、最初の投薬後、同じ24時間の間、望ましい長さの時間だけ薬物レベルを維持することができなかった。別の適切な投与レジメンでは、500mgの化合物1を1日3回(TID)ヒト被験体に投与した。むしろ期待に反して、患者の化合物1への曝露レベルは、1日2回の投薬と比較して、1日3回の投薬により有意に改善されなかった。
実施例7:投与レジメンおよび新規製剤
粒子、多形体および/または精製された形態の本発明の化合物を含む医薬組成物の治療有効量は、約160mg〜約1000mgの範囲、例えば、約960mgの総1日用量であってよい。しかし、有効用量レベルを達成するために、臨床試験は、患者が苦しめられている錠剤数負担という難題に直面した。錠剤数負担問題を克服し、望ましい期間の間、薬物濃度を最小効果レベルまたはそれ超で維持するという問題を解決するために、より高い強度のカプセル剤が新規製剤(DP2A)において設計された。
しかし、より高い強度のカプセル剤では、患者において悪心、嘔吐、および下痢を含む消化器の有害作用の悪化が観察された。さらなる第I相臨床試験において、薬物血漿濃度と有害作用の間の関係を試験した際に(この一部は以下の表10に要約されている)、驚いたことに、データは、消化器の有害事象の重症度は、普通そうではないかと疑われるように、血漿の薬物動態学的パラメーターと相関していないようであることを示している(表10および11を参照されたい)。
従来の解答を論じ尽くした後、薬物摂取プロトコルに対する予期せぬ変化から突破口が見つかった。驚いたことに、本発明の一部の好ましい実施形態による投薬間の摂取間隔が、消化器の副作用を低減させるばかりでなく、薬物曝露を長引かせることに対する主要因子であることが判明した。さらに驚くべきことは、問題が血流中の薬物濃度の急速な降下であった場合、誰でも直観的に試みるように、各摂取間の間隔を短縮させることにより薬物の投与を凝縮させるのではなく、代わりに、このような間隔を延ばすことによって、問題が実際に解決することが判明した。例えば、薬物の投与間の好ましい間隔は、約8時間〜約14時間、より好ましくは、約10時間〜約13時間の範囲の期間であることがわかった。特定の実施形態では、本発明の化合物または関連する組成物および形態は、平均して、1日2回、約12時間の投薬間の間隔で、ある期間にわたり投与され、各用量は約480〜500mgBIDである。
さらに別の適切な投与レジメンでは、約20mgまたはそれ超の化合物1が1日1回ヒト被験体に投与される。本明細書で20mgQDと呼ぶこの投与レジメンは、患者において治療的に活性のあるレベルを示したが、薬物はヒトにおいて血液から急速に排除される。しかし、薬物は血流から腎臓を介して尿へと排除されるにつれて、尿中の薬物濃度が極めて高くなることから、大腸がん病変を有する腎臓において特に強力な抗腫瘍活性の徴候を示した。一般的に、この投与レジメンはヒトにおいて良好な忍容性を示した。
さらに別の適切な投与レジメンでは、化合物1は、流体、例えば、ミルクまたは水と共に空の胃へ投与され、これによって薬物動態学的曝露が改善する(表12)。直観に反するように、ミルクは、消化器の有害作用から患者を守った。
さらに別の適切な投与レジメンでは、化合物1をTmaxを遅延させる食物と共に投与した(表13)。
また別の適切な投与レジメンでは、新規薬物製剤(DP2A)を介して錠剤数負担の問題に対処した。新規製剤は、DP1製剤に使用されている界面活性剤GELUCIRE(商標)44/14の大部分を、別の界面活性剤Labrafilで置き換え、カプセル剤の寸法をサイズ00からサイズ1またはサイズ2に減少させたが、これはかなりの減少である。新規製剤は、同様のバイオアベイラビリティーを維持することができた(図2)。2種の製剤の構成部分が以下に要約されている(表14):
本発明の化合物の経口製剤、具体的には、より高い強度のカプセル剤製剤(DP2A)を使用してさらなる試験を行った。本明細書中に記載されているように、本発明の化合物は、Stat3、β−カテニン、およびNanog経路を阻害することによって、がん幹細胞(CSC)の自己再生を遮断し、非がん幹細胞ばかりでなくCSCにおける細胞死を誘発し、前臨床試験で、強力な抗腫瘍活性および抗転移性の活性を示した。上に記載されている第I相試験において、化合物は固形腫瘍を有する患者において忍容性ならびに抗がん活性の徴候を実証した。本明細書に記載されている試験は、進行がんを有する患者において薬物動態(PK)を決定する主試験に対して設計された製剤を評価するための第1相延長試験として設計された。
第1日目には、患者は、本発明の化合物(DP1)の経口投与製剤の単回の500mgの用量を服用した。第4日および第8日目には、絶食し、次いで摂食条件で、主臨床試験(DP2A)に対して設計されたより高い強度のカプセル剤を服用した。次いで、病状悪化または許容不可能な毒性が生じるまでDP2Aが毎日投与された。エンドポイントは安全性、PKおよび予備的抗がん活性であった。
DP2Aを24人の患者において評価した。DP1とDP2Aとの間で血漿曝露に有意な差はなく、有意な食効は観察されなかった。9人の患者は、500mgの化合物DP2Aを、1日2回4hの間をあけて服用し(DP2A−4h)、15人の患者は化合物DP2A、500mg bidを、12hの間をあけて服用した(DP2A−12h)。PKが化合物DP1と同等であったにもかかわらず、DP2A−4hは、下痢、腹部の激痛、悪心/嘔吐、摂食障害、および疲労を含めて、上に記載されている以前の試験において観察されたものより高い頻度の消化器の(GI)有害事象(AE)を伴った。対照的に、DP2A−12hはより少ないGI AEを有し、延長試験に選択された。DP2A−12hを服用した15人の患者の中で、8人のCRC患者が参加し、疾患制御が反応に対して評価可能な67%において観察され(4/6)、無増悪生存期間および全生存期間はそれぞれ17週および39週であった。
主臨床試験において化合物に対して推奨された投与レジメンは、約500mg bid q12hであると決定された。抗がん活性の徴候は、CRCおよび卵巣がんを有する患者において観察された。
実施例8:有糸分裂阻害剤との併用療法
本発明の化合物を、有糸分裂阻害剤、特に有効な化学療法薬剤であることが証明されたものと組み合わせて使用して、患者を処置することに成功した。本発明の化合物との併用療法に有用となり得る有糸分裂阻害剤の例として、パクリタキセル(Abraxane/Taxol)、ドセタキセル(Taxotere)、BMS−275183、Xyotax、Tocosol、ビノルレビン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビンゾリジン、エトポシド(VP−16)、テニポシド(VM−26)、イクサベピロン、ラロタキセル、オルタタキセル、テセタキセル、およびイスピネシブが挙げられるが、これらに限定されない。
第Ib相試験は、進行した悪性腫瘍を有する患者において、本発明の化合物をパクリタキセルと組み合わせて使用することを評価するように設計された。この試験は、毎週投与のパクリタキセルと併用して使用した場合の、本発明の化合物の安全性、忍容性、RP2D、および予備的抗がん活性を決定するための第Ib相用量漸増試験として設計された。化合物は、疾患の進行、許容不可能な毒性、または他の中断基準が満たされるまで、パクリタキセル(毎週80mg/m2;毎4週間のうち3週間)と組み合わせて増大する用量の3つのコホート(200mgBID、400mgBID、500mgBID)で投与した。
24人の患者がこの試験に登録した。本発明の化合物の単剤療法RP2Dは、完全な用量のパクリタキセルと組み合わせて投与できた。最大耐用量(MTD)は未確定であった。新規有害事象は観察されず、安全性プロファイルは、単剤療法としての各薬剤のものと同様であった。最も一般的な有害事象として、等級1および2の下痢、腹部の激痛、悪心、嘔吐が挙げられた。プロトコル療法に関係した等級3の事象が4人の患者に生じ、下痢、脱水、および衰弱を含んだ。有意な薬物動態学的な相互作用は観察されなかった。疾患制御(すなわち、完全な反応(CR)+部分的な反応(PR)+安定した疾患(SD)の合計)が15人の評価可能な患者のうちの10人(67%)に観察された。以下の表15に示されているように、治療抵抗性胃/胃食道の接合点(GEJ)腺癌を有する5人の患者が登録し、2人がPR(48%および44%退縮)を有し、1人が25%退縮を有するSD、および2人が(以前のタキサンでは失敗)長期SD≧24週を有した。
この第Ib相試験は、本発明の化合物および毎週投与のパクリタキセルは、完全な用量で安全に組み合わせることができることを実証した。抗腫瘍活性の促進が胃およびGEJ腺癌を有する患者に観察された。
第II相試験は進行中であるが、これは、第Ib相試験からの延長であり、胃/GEJ腺癌を有する患者が継続して登録した。
これらの試験において、9人の評価可能な胃/GEJ患者のうちの7人が本発明の化合物およびパクリタキセルでの組合せ療法に反応して活性を示した。
実施例9:予測(predicative)バイオマーカーとしてのP−STAT3
リン酸化STAT3(p−STAT3)に対する標識抗体を使用した免疫組織化学法(IHC)を介して、CRC患者のアーカイブ腫瘍組織試料を分析した。図3Aに示されているように、本発明の化合物はp−STAT3発現を阻害するのに極めて有効であった。100QD(単回の1日投与量)ほど低い投与量でも、処置後の患者組織においてもはや任意の検出可能なp−STAT3はほぼ存在しなかった。さらに図3Bのチャートに示されているように、本発明の化合物での処置を受ける患者(N=13)にとって、これまで比較的高レベルのp−STAT3を示した患者において全生存期間(OS)はずっとより楽観的となる。例えば、処置前に低いp−STAT3レベルまたは0レベルを有する患者の10%が100週より長く生存した一方で、処置前に高いp−STAT3レベルを有する患者の40%は、100週より長く生存した。これは本発明の化合物がSTAT3経路を下方制御するし、STAT3経路が直腸結腸がんに関わっていることをさらに裏付けている。
p−STAT3レベルと、本発明の化合物による処置を受けたCRC患者のOSとの間の直接的相関関係により、p−STAT3は、処置有効性を予測するために使用することができる前途有望な診断用バイオマーカーとなる。したがって、p−STAT3レベルを使用して、本発明の化合物での処置について患者のプールをスクリーニングすることができる。
実施例10:予測バイオマーカーとしての核のβ−カテニン
β−カテニンに対する標識した抗体を使用した免疫組織化学法(IHC)を介して、CRC患者のアーカイブの腫瘍組織試料を分析した。図4Aに示されているように、本発明の化合物は、腫瘍組織内の細胞核中のβ−カテニンの蓄積を除去または防止するのに有効であった。さらに図4Bのチャートに示されているように、本発明の化合物での処置を受ける患者(N=13)にとって、処置前、高レベルの核のβ−カテニンをこれまで示したことが判明した患者において全生存期間(OS)はずっとより楽観的となる。例えば、高レベルの膜質のβ−カテニンを有する患者で25週を超えて生存した者はいなかったのに対して、処置前、高いレベルの核β−カテニンを有する患者の40%近くが100週より長く生存した。これは、本発明の化合物がβ−カテニン機能を破壊するか、または何らかの形でモジュレートし、β−カテニン経路が直腸結腸がんに関わっていることをさらに裏付けている。
核のβ−カテニンレベルと、本発明の化合物による処置を受けたCRC患者のOSとの間の直接的相関関係により、核のβ−カテニンレベルは、処置有効性を予測するために使用することができる前途有望な診断用バイオマーカーとなる。したがって、核のβ−カテニンレベルを使用して、本発明の化合物での処置について患者のプールをスクリーニングすることができる。
実施例11:本発明の化合物のin vitroおよびin vivo分析
CD44high細胞をFACS(FaDu)で単離し、これらの増殖を本発明の化合物で遮断した(図5)。
さらに、異種移植したヒト大腸がん腫瘍組織を有するヌードマウスのin vivoでの試験において、本発明の化合物はまた、p−STAT3およびβ−カテニンのレベルを減少または排除するのに有効であることを示した(図6)。
マウスの試験はまた、本発明の化合物ががん幹細胞を標的とすることを示した(図7)。
ヒト臨床試験において、本発明の化合物はCRC患者に有効であることが判明した(図8)。
本明細書において例示および論じられた実施形態は、本発明を作製および使用するために本発明者らに公知の最も良い方式を当業者に教示することのみを意図する。本明細書におけるいかなるものも、本発明の範囲を制限していると考えられるべきではない。提示されたすべての例は代表的であり、非限定的である。上に記載された本発明の実施形態は上記教示の観点から当業者により理解されているように、本発明から逸脱することなく、修正または変化させることができ、したがって、特許請求の範囲およびこれらの同等物の範囲内で、本発明は具体的に記載されているものとは別の方法で実施することができることを理解されたい。

Claims (119)

  1. ヒト被験体におけるがんを処置する方法であって、前記方法は、治療有効量の構造
    を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを、がんの処置を必要とする被験体に投与することを含み、前記化合物は、約80mg〜約2000mgの範囲の総1日用量で前記被験体に投与される、方法。
  2. 前記化合物が、約960mgの総1日用量で前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記化合物が、1日2回の用量で前記被験体に投与される、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 各用量が約480mgである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記化合物が、錠剤またはカプセル剤として前記被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記錠剤またはカプセル剤が、約80mgの用量を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記化合物の投与間の間隔が、約4時間〜約16時間の範囲である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記化合物が、約80mgBID、約160mgBID、約320mgBID、約400mgBID、約480mgBID、約500mgBID、および約600mgBIDからなる群より選択される用量で前記被験体に投与される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記化合物の投与間の間隔が、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、少なくとも約12時間、少なくとも約13時間、少なくとも約14時間、少なくとも約15時間および少なくとも約16時間からなる群より選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 投与間の間隔が約12時間である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  11. 各用量が約480mgBIDであり、投与間の間隔が約12時間である、請求項1に記載の方法。
  12. 各用量が約80mgBIDであり、投与間の間隔が約12時間である、請求項1に記載の方法。
  13. 各用量が約400mgBIDであり、投与間の間隔が約12時間である、請求項1に記載の方法。
  14. 各用量が約320mgBIDであり、投与間の間隔が約12時間である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記化合物が、流体を併用して空の胃に経口的に投与される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記流体がミルクまたは水を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記化合物が、以下:
    (a)特許公開WO2011/116398およびWO2011/116399の図2に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる多形体;
    (b)少なくとも約10.2、11.9、14.1、14.5、17.3、22.2、および28.1度の2θにおけるピークからなる群からの1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体;
    (c)少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体;
    (d)特許公開WO2011/116398およびWO2011/116399の図3に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる多形体;
    (e)少なくとも約7.5、9.9、12.3、15、23、23.3、24.6、および28.4度の2θにおけるピークからなる群より選択される1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体;ならびに
    (f)少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約23度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体
    から選択される多形体である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記化合物が粒子形態であり、前記粒子が約20マイクロメートルと等しいまたはそれ未満の直径を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記化合物が、前記化合物の粒子の集団を含む医薬組成物中にあり、前記粒子の累計の一部分が、0.2μm〜20μmの範囲の直径を有する、請求項1に記載の方法。
  20. 前記化合物が、前記化合物の粒子の集団を含む医薬組成物中にあり、前記粒子の累計の50%(D50)が、約0.5〜約5μmの範囲の直径を有する、請求項1に記載の方法。
  21. 前記化合物が、前記化合物の粒子の集団を含む医薬組成物中にあり、前記粒子の累計の50%(D50)が約2μmの直径を有する、請求項1に記載の方法。
  22. 前記化合物が、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、核磁気共鳴(NMR)またはHPLCとNMRの両方で決定した場合、95.0%を超えるまたはこれと等しい純度を有するAPIを有する製剤で投与され、前記組成物が5%未満またはこれと等しい不純物を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記がんが、胃および胃食道腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫21からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。前記がんが胃がんである、請求項1に記載の方法。
  24. 前記がんが胃/胃食道の接合部腺癌である、請求項1に記載の方法。
  25. 前記がんが治療抵抗性である、請求項1に記載の方法。
  26. 前記がんが再発性である、請求項1に記載の方法。
  27. 前記がんが転移性である、請求項1に記載の方法。
  28. 前記がんがSTAT3の過剰発現を伴う、請求項1に記載の方法。
  29. 患者組織においてリン酸化STAT3(p−STAT3)のレベルを検出することをさらに含み、前記p−STAT3のレベルが患者選択のためのバイオマーカーとして使用される、請求項1に記載の方法。
  30. 前記がんが、核のβ−カテニンの過剰発現を伴う、請求項1に記載の方法。
  31. 患者の組織内で核のβ−カテニン発現を検出することをさらに含み、このような核のβ−カテニン発現が患者選択のためのバイオマーカーとして使用される、請求項1に記載の方法。
  32. 治癒的または予防的ながんの処置方法であって、前記方法は、以下:
    (a)ある投与量の構造
    を有する第1の薬剤または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを、治癒的または予防的ながんの処置を必要とする被験体に投与するステップと、
    (b)ある投与量の有糸分裂阻害剤または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを前記被験体に投与するステップと
    を含む、方法。
  33. 被験体へのパクリタキセル(Abraxane/Taxol)の投与における治癒的または予防的ながんの処置方法であって、前記方法は、以下:
    (a)ある投与量の構造
    を有する第1の薬剤または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを、治癒的または予防的ながんの処置を必要とする被験体に投与するステップを含み、
    前記投与量の前記第1の薬剤が、前記パクリタキセル(Abraxane/Taxol)を前記被験体に投与する前または後に投与される、方法。
  34. 前記有糸分裂阻害剤が、パクリタキセル(Abraxane/Taxol)、ドセタキセル(Taxotere)、BMS−275183、Xyotax、Tocosol、ビノルレビン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビンゾリジン、エトポシド(VP−16)、テニポシド(VM−26)、イクサベピロン、ラロタキセル、オルタタキセル、テセタキセル、およびイスピネシブからなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
  35. 前記有糸分裂阻害剤がパクリタキセル(Abraxane/Taxol)を含む、請求項33に記載の方法。
  36. 前記がんが、胃がん食道胃接合部がん、および食道がんからなる群より選択される、請求項32または33に記載の方法。
  37. 前記がんが胃/胃食道腺癌である、請求項32または33に記載の方法。
  38. 前記がんが治療抵抗性である、請求項32または33に記載の方法。
  39. 前記がんが再発性である、請求項32または33に記載の方法。
  40. 前記がんが転移性である、請求項32または33に記載の方法。
  41. 患者組織中のリン酸化STAT3(p−STAT3)のレベルを検出することをさらに含み、前記p−STAT3のレベルが患者選択のためのバイオマーカーとして使用される、請求項32または33に記載の方法。
  42. 前記がんが核のβ−カテニンの過剰発現を伴う、請求項32または33に記載の方法。
  43. 患者の組織中の核のβ−カテニン発現を検出することをさらに含み、核のβ−カテニン発現が患者選択のためのバイオマーカーとして使用される、請求項32または33に記載の方法。
  44. 選択された患者集団においてがんを処置する方法であって、前記方法は、以下:
    (a)がんと診断された患者候補から得た生体試料においてリン酸化STAT3(p−STAT3)レベルを測定するステップと、
    (b)前記患者候補のp−STAT3レベルがベンチマークレベルより上であることを確認するステップと、
    (c)治療有効量の構造
    を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを、前記患者候補に投与するステップと
    を含む、方法。
  45. 前記がんが、食道がん、食道胃接合部がん、胃食道腺癌、軟骨肉腫、直腸結腸がん、結腸腺癌、直腸腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃腺癌、および副腎皮質癌からなる群より選択される、請求項44に記載の方法。
  46. 前記がんが結腸直腸腺癌である、請求項44に記載の方法。
  47. 前記がんが治療抵抗性である、請求項44に記載の方法。
  48. 前記がんが再発性である、請求項44に記載の方法。
  49. 前記がんが転移性である、請求項44に記載の方法。
  50. 選択された患者集団においてがんを処置する方法であって、前記方法は、以下:
    (d)がんと診断された患者候補から得た生体試料において、核のβ−カテニンの発現を検出するステップと、
    (e)前記患者候補からの前記試料において、有意なβ−カテニン発現が細胞核中に検出されることを確認するステップと、
    (f)治療有効量の構造
    を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを、前記患者候補に投与するステップと
    を含む、方法。
  51. 前記がんが、胃および胃食道腺癌、食道腺癌、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、ならびに副腎皮質癌からなる群より選択される、請求項50に記載の方法。
  52. 前記がんが結腸直腸腺癌である、請求項50に記載の方法。
  53. 前記がんが治療抵抗性である、請求項50に記載の方法。
  54. 前記がんが再発性である、請求項50に記載の方法。
  55. 前記がんが転移性である、請求項50に記載の方法。
  56. ヒト被験体においてがんを処置する方法であって、前記方法は、治療有効量の構造
    を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを、がんと診断された被験体に投与することを含み、前記がんは直腸結腸がん、結腸腺癌または直腸腺癌である、方法。
  57. 前記化合物が、合計で約80mg〜約2000mgの範囲となる1日2回の用量で前記被験体に投与される、請求項56に記載の方法。
  58. 前記化合物が、約480mgの用量で前記被験体に投与される、請求項56に記載の方法
  59. 前記化合物の投与間の間隔が、約4時間〜約16時間の範囲である、請求項56に記載の方法。
  60. 前記化合物が、約80mgBID、約160mgBID、約320mgBID、約400mgBID、約480mgBID、および約500mgBIDからなる群より選択される用量で前記被験体に投与される、請求項56に記載の方法。
  61. 前記がんが治療抵抗性である、請求項56に記載の方法。
  62. 前記がんが再発性である、請求項56に記載の方法。
  63. 前記がんが転移性である、請求項56に記載の方法。
  64. 治療有効量の構造
    を有する活性成分と、
    ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む界面活性剤と、
    Gelucire(ラウロイルポリオキシルグリセリド)と、
    Labrafil(リノレオイルポリオキシルグリセリド)と
    を含む、医薬組成物。
  65. 約27.18重量%の前記活性成分、約0.27重量%の前記界面活性剤、約14.51重量%のGelucire、および約58.04重量%のLabrafilからさらになる、請求項64に記載の医薬組成物。
  66. 約125mgの前記活性成分、約1.2mgの前記界面活性剤、約66.8mgのGelucire、および約267mgのLabrafilからさらになる、請求項64に記載の医薬組成物。
  67. 約80mgの前記活性成分、約0.8mgの前記界面活性剤、約42.7mgのGelucire、および約170.9mgのLabrafilからさらになる、請求項64に記載の医薬組成物。
  68. カプセル剤内に収納されている、請求項64から67のいずれかに記載の医薬組成物を含む製造物品。
  69. 前記カプセル剤がサイズ1またはこれより小さい、請求項68に記載の製造物品。
  70. 選択された患者集団においてがんを処置する方法であって、前記方法は、以下:
    (a)がんと診断された患者候補から得た生体試料において、リン酸化STAT3(p−STAT3)、β−カテニン、およびNANOGから選択される1種または複数のがん幹細胞性マーカーのレベルおよび/または細胞内局在化を測定するステップと、
    (b)前記患者候補のがん幹細胞性マーカーレベルおよび/または細胞内局在化がベンチマークレベルより上であることを確認するステップと、
    (c)治療有効量の構造
    を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを、前記患者候補に投与するステップと
    を含む、方法。
  71. 前記がんが、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃/胃食道腺癌、食道腺癌、および副腎皮質癌からなる群より選択される、請求項70に記載の方法。
  72. 前記がんが結腸直腸腺癌である、請求項70に記載の方法。
  73. 前記がんが治療抵抗性である、請求項70に記載の方法。
  74. 前記がんが再発性である、請求項70に記載の方法。
  75. 前記がんが転移性である、請求項70に記載の方法。
  76. ヒト被験体においてがんを処置する方法であって、前記方法は、治療有効量の構造
    を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを、がんの処置を必要とする被験体に投与すること、および治療有効量のパクリタキセルを投与することを含む、方法。
  77. 前記化合物が、約80mg〜約2000mgの範囲の総1日用量で前記被験体に投与される、請求項76に記載の方法。
  78. 前記化合物が、約960mgの総1日用量で前記被験体に投与される、請求項76に記載の方法。
  79. 前記化合物が、1日2回の用量で前記被験体に投与される、請求項76から78のいずれか一項に記載の方法。
  80. 各用量が約480mgである、請求項79に記載の方法。
  81. 前記化合物の投与間の間隔が、約4時間〜約16時間の範囲である、請求項76から80のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記化合物が、約80mgBID、約160mgBID、約320mgBID、約400mgBID、約480mgBID、および約500mgBIDからなる群より選択される用量で前記被験体に投与される、請求項81に記載の方法。
  83. 前記化合物の投与間の間隔が、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間および少なくとも16時間からなる群より選択される、請求項76から80のいずれか一項に記載の方法。
  84. 投与間の間隔が約12時間である、請求項76から80のいずれか一項に記載の方法。
  85. 各用量が約480mgBIDであり、投与間の間隔が約12時間である、請求項76に記載の方法。
  86. 各用量が約80mgBIDであり、投与間の間隔が約12時間である、請求項76に記載の方法。
  87. 各用量が約400mgBIDであり、投与間の間隔が約12時間である、請求項76に記載の方法。
  88. 各用量が約320mgBIDであり、投与間の間隔が約12時間である、請求項76に記載の方法。
  89. 前記化合物が、流体を併用して空の胃に経口的に投与される、請求項76に記載の方法。
  90. 前記流体がミルクまたは水を含む、請求項76に記載の方法。
  91. 前記パクリタキセルが、約40mg/m〜約100mg/mの範囲の総1週用量で前記被験体に投与される、請求項76に記載の方法。
  92. 前記パクリタキセルが、約80mg/mの総1週用量で前記被験体に投与される、請求項76に記載の方法。
  93. 前記パクリタキセルが、IVを介して前記被験体に投与される、請求項76に記載の方法。
  94. 前記化合物が、以下:
    (a)特許公開WO2011/116398およびWO2011/116399の図2に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる多形体;
    (b)少なくとも約10.2、11.9、14.1、14.5、17.3、22.2、および28.1度の2θにおけるピークからなる群からの1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体;
    (c)少なくとも約10.2度の2θにおけるピーク、少なくとも約11.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.1度の2θにおけるピーク、少なくとも約14.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約17.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約22.2度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.1度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体;
    (d)特許公開WO2011/116398およびWO2011/116399の図3に記載されているものと実質的に同様のX線回折パターンにより特徴づけられる多形体;
    (e)少なくとも約7.5、9.9、12.3、15、23、23.3、24.6、および28.4度の2θにおけるピークからなる群より選択される1つまたは複数のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体;ならびに
    (f)少なくとも約7.5度の2θにおけるピーク、少なくとも約9.9度の2θにおけるピーク、少なくとも約12.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約15度の2θにおけるピーク、少なくとも約23度の2θにおけるピーク、少なくとも約23.3度の2θにおけるピーク、少なくとも約24.6度の2θにおけるピーク、および少なくとも約28.4度の2θにおけるピークならびにこれらの任意の組合せからの2つまたはそれ超のピークを含むX線回折パターンにより特徴づけられる2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの多形体
    から選択される多形体である、請求項76に記載の方法。
  95. 前記化合物が粒子形態であり、前記粒子が約20マイクロメートルと等しいまたはそれ未満の直径を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  96. 前記化合物が、前記化合物の粒子の集団を含む医薬組成物中にあり、前記粒子の累計の一部分が、約0.5μm〜約5μmの直径を有する、請求項76に記載の方法。
  97. 前記化合物が、前記化合物の粒子の集団を含む医薬組成物中にあり、前記粒子の累計の50%(D50)が約2μmの直径を有する、請求項76に記載の方法。
  98. 前記化合物が、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、核磁気共鳴(NMR)またはHPLCとNMRの両方で決定した場合、95.0%を超えるまたはこれと等しい純度を有するAPIを有する製剤で投与され、前記組成物が5%未満またはこれと等しい不純物を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  99. 前記がんが、胃および胃食道腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、ならびに食道腺癌からなる群より選択される、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  100. 前記がんが、胃および胃食道腺癌である、請求項76に記載の方法。
  101. 前記がんが、結腸直腸腺癌、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、黒色腫、胃腺癌、ならびに副腎皮質癌からなる群より選択される、請求項76に記載の方法。
  102. 前記がんが治療抵抗性である、請求項76に記載の方法。
  103. 前記がんが再発性である、請求項76に記載の方法。
  104. 前記がんが転移性である、請求項76に記載の方法。
  105. 前記がんがSTAT3の過剰発現を伴う、請求項76に記載の方法。
  106. 患者組織においてリン酸化STAT3(p−STAT3)のレベルを検出することをさらに含み、前記p−STAT3のレベルが患者選択のためのバイオマーカーとして使用される、請求項76に記載の方法。
  107. 前記がんが、核のβ−カテニン発現を伴う、請求項76に記載の方法。
  108. 患者の組織において、β−カテニン発現を検出することをさらに含み、このようなβ−カテニン発現が、患者選択のためのバイオマーカーとして使用される、請求項76に記載の方法。
  109. 有意なβ−カテニン発現が細胞核中で検出される、請求項76に記載の方法。
  110. 細胞中のβ−カテニン発現が細胞核中で検出される患者においてがんを処置する方法であって、前記方法は、治療有効量の構造
    を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを、前記患者に投与することを含む、方法。
  111. 細胞中のβ−カテニン発現が、細胞膜中とは対照的に、細胞核中で検出される患者においてがんを処置する方法であって、前記方法は、治療有効量の構造
    を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグを、前記患者に投与することを含む、方法。
  112. 前記β−カテニンが中間のβ−カテニン発現レベル〜強いβ−カテニン発現レベルにあることによって、β−カテニンが20%またはそれ超の腫瘍細胞内で検出される、請求項111に記載の方法。
  113. (a)治療有効量の構造
    を有する活性成分と、
    (b)HLBが10超であるポリオキシルグリセリドと、
    (c)HLBが10未満であるポリオキシルグリセリドと
    を含む、医薬組成物。
  114. 界面活性剤をさらに含む、請求項113に記載の医薬組成物。
  115. HLBが10超である前記ポリオキシルグリセリドが、ラウロイルポリオキシルグリセリドおよびステアロイルポリオキシルグリセリドからなる群より選択される、請求項113に記載の医薬組成物。
  116. HLBが10未満である前記ポリオキシルグリセリドが、リノレオイルポリオキシルグリセリドである、請求項113に記載の医薬組成物。
  117. 前記界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはドデシル硫酸ナトリウムである、請求項114に記載の医薬組成物。
  118. HLBが10超である前記ポリオキシルグリセリドが、ラウロイルポリオキシルグリセリドおよびステアロイルポリオキシルグリセリドからなる群より選択され、HLBが10未満である前記ポリオキシルグリセリドが、リノレオイルポリオキシルグリセリドである、請求項113または請求項114に記載の医薬組成物。
  119. HLBが10超である前記ポリオキシルグリセリドが、ラウロイルポリオキシルグリセリドおよびステアロイルポリオキシルグリセリドからなる群より選択され、HLBが10未満である前記ポリオキシルグリセリドが、リノレオイルポリオキシルグリセリドであり、前記界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはドデシル硫酸ナトリウムである、請求項114に記載の医薬組成物。
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