図示した本発明の実施形態は、電気光学ミラーシステムに関する方法ステップと装置構成要素との組み合わせに、主として属する。したがって、装置構成素子および方法ステップが説明されており、必要に応じて図中の慣習的な符号により、本発明の実施形態の理解に関係のある特定の詳細のみを示すことで、当業者が容易に理解して本明細書中の説明の利益を得るであろう詳細な開示が不明瞭にならないようにする。さらに、説明および図面にある同様の数字は同様の素子を表す場合がある。
この明細書では、関連する用語、例えば、第1および第2、上および下などは、1つの構成素子または動作を他の構成素子または動作と区別するために、単独で用いられるもので、そのような複数の構成素子または動作の間での実際の相互関係または順序を必ずしも要求または包含するものではない。用語「含む("comprises"、"comprising")」またはその用語の他のバリエーションは、列挙される複数の要素を含むプロセス、方法、物品、または装置がそれらの要素のみを含むものではなく、はっきりと列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置にとって固有のものではない他の要素を含んでもよいように、非排他的包含を範囲とすることを意図している。「〜を具備する("comprses…a")」に先行する素子は、その素子を具備するプロセス、方法、物品、または装置において同一の素子が追加されて存在することを、制限されることなく、除外するものではない。
図1に関して、電気光学ミラーシステムは、参照符号100で概ね示される。システム100は、第1のミラーアセンブリ102(例えば電気光学内部ミラーアセンブリ)を具備してもよい。さらに、システム100は、第2のミラーアセンブリ104aと、第3のミラーアセンブリ104bとを具備してもよい。第2のミラーアセンブリ104aおよび第3のミラーアセンブリ104bは、それぞれ、運転手側外部ミラーアセンブリおよび乗客側外部ミラーアセンブリを具備してもよい。
ミラーアセンブリ102、104a、104bはそれぞれ、受けた光(例えばグレア光)を検出するように構成された後向き光センサ106a、106b、106dを具備してもよい。グレア光は、1つまたは複数の後続車両の少なくとも1つのヘッドライトから放射される光に相当することがある。後向き光センサ106a、106b、および106d の各々は、ミラーアセンブリ102、104a、および104bの各々において、プロセッサ108a、108b、および108cと連通するように構成されてもよい。受信した光に応答して、後向き光センサ106a、106b、および106dの各々は、各々のプロセッサ108a、108b、および108cへ信号を通信してもよい。
プロセッサ108a、108b、および108cは、後向き光センサ106a、106b、および106dから受信された信号の各々からの光強度を決定するように、作動可能であってもよい。さらに、プロセッサ108a、108b、および108cの各々は、ミラーアセンブリ102、104a、および104bの各々の駆動回路110a、110b、および110cと連通し、かつそれらを制御するように作動可能であってもよい。さらに、各々の駆動回路110a、110b、および110cは、ミラーアセンブリ102、104a、および104bに各々の可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cと電気的に連通してもよい。プロセッサ108a、108b、および108cの各々からの制御信号に応答して、駆動回路110a、110b、および110cは、可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cの各々の反射率レベルを制御してもよい。各々のプロセッサ108a、108b、および108cの制御信号に応答して、可変反射率ミラーアセンブリ102、104a、および104bの各々は、反射率レベルを個々に変化させるように作動可能であってもよい。
例えば、第1の後向き光センサ106aはグレア光を検知し、プロセッサ108aへグレア光に対応する信号を通信してもよい。信号に応答して、プロセッサ108aは、グレア光の強度を決定するよう作動可能であってもよい。グレア光の強度にもとづいて、プロセッサ108aは、反射率、または、可変反射率ミラー素子112aの反射率レベルを制御してもよい。可変反射率ミラー素子112aの反射率を制御するために、プロセッサ108aは、駆動回路110aへの制御信号を送信してもよい。制御信号に応答して、駆動回路は、後向き光センサ106aによって検知されたグレア光に基づいた可変反射率ミラー素子112aの反射率レベルを制御するよう作動可能であってもよい。
ミラーアセンブリ102、104a、および104b(例えば内部バックミラーアセンブリ102)の少なくとも1つは、さらに第4の光センサ(例えば前向き光センサ106c)を具備してもよい。前向き光センサ106cは、一般に車両の通常運転方向に対して前方向を向いてもよい。前向き光センサ106cは、周囲光を受信するように構成されてもよく、それによってシステム100が周囲照明条件を決定可能になる。周囲照明条件は、任意の照明条件を含んでもよく、光源から上に、または、車両からいくらか前方に放射された光に概ね対応してもよい。例えば、周囲照明条件は、昼間照明条件または夜間照明条件などの周囲の光強度を有してもよい。
前向き光センサ106cは、プロセッサ108a、108b、および108cの1つまたは複数と電気的に連通してもよい。例示的な実施形態では、前向き光センサ106cは、内部ミラーアセンブリ102に組み込まれてもよく、またプロセッサ108bと連通してもよい。内部ミラーアセンブリ102のプロセッサ108bとプロセッサ108a、108cの外部のミラーアセンブリ104aおよび104bとは、データリンク114aおよび114bを介して通信するように、さらに作動可能であってもよい。データリンク114aおよび114bは周囲光信号を通信するのに、あるいは、前向き光センサ106cまたはプロセッサ108bからプロセッサ108aおよび108cの各々へ制御信号を通信するのに作動可能であってもよい。
1つの特定の例において、前向き光センサ106cによって受信された光に基づいた信号は、各々の後向き光センサ106a、106b、106dによって受信された光またはグレア光に基づいた信号と組み合わせられて、プロセッサ108a、108b、および108cの各々によって実行されてもよい。前向き光センサ106cに対応する受信された信号と、後向き光センサ106a、106b、および106dの各々から受信された信号またはグレア光信号とに基づいて、プロセッサ108a、108b、および108cの各々は、可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cの反射率レベルを、それぞれ独立して、制御してもよい。
この実装で実証されたミラーアセンブリ102、104a、および104bの各々はプロセッサ108a、108b、および108cを含むが、シングルプロセッサは、可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cの各々の駆動回路110a、110b、および110cを部分的または全体的に制御するように作動可能であってもよい。ミラーアセンブリ102、104a、および104bの各々が連通しているものとして示されるため、様々な実装には、本開示の精神の範囲内で、単一のプロセッサまたは複数のプロセッサの任意の組み合わせによって、プロセッサ108a、108b、および108cの間で伝達された様々な信号の処理が含まれてもよい。例えば、プロセッサ108bは、前向き光センサ106cからの周囲光の強度を決定し、プロセッサ108aおよび108cの各々に周囲光信号を伝達してもよい。周囲光信号はプロセッサ108aおよび108cを用いて、可変反射率ミラー素子112aおよび112cの反射率を制御してもよい。このように、プロセッサ108aおよび108cは、前向き光センサ106cによって検知された周囲光に対応するプロセッサ108bからの制御信号(例えば、周囲光信号)に応答してもよい。
1つの実施形態によれば、通信結合部114aおよび114bは一方向の通信リンクである。いくつかの実装では、通信結合部114aおよび114bは配線接続である。しかしながら、通信結合部114aおよび114bは、少なくとも1つの通報信号を伝送するように作動可能な任意の通信方式によって実装されてもよい。例えば、通信結合部114aおよび114bは、限定されるものではないが、Wi−Fi、RF、IR、ブルートゥース、その他同種のもの、またはそれの任意の組み合わせ等の無線接続によって実装されてもよい。通信結合部114aおよび114bが双方向接続リンクであってもよいことは、当業者であれば当然理解しうる。
図2Aに示された実施形態を参照すると、外部バックミラーアセンブリ、例えば、運転手側外部ミラーアセンブリ104aの正面図が示される。運転手側外部ミラーアセンブリ104aはミラー筐体120を具備してもよく、それは可変反射率ミラー112aを少なくとも部分的に囲んでいる。また、外部バックミラーアセンブリ104aは後向き光センサ106aを具備してもよい。後向き光センサ106aは、ミラー素子112aの少なくとも1つの基板の後ろに置かれてもよい。また、プロセッサ108aおよび駆動回路110aも、可変反射率ミラー112aの後ろのミラー筐体120に囲まれた運転手側外部ミラーアセンブリ104aに組み込まれてもよい。
ミラー素子112aの少なくとも1つの基板は、実質的に並列の第1の基板および第2の基板を具備してもよい。第1の基板と第2の基板は空隙部を画成してもよい。エレクトロクロミック媒体は、空隙部に配置され、少なくとも1つの可変反射率素子の可変反射率を生じるように、作動可能であってもよい。本明細書中で議論されるようなエレクトロクロミック媒体に関するさらなる詳細は、開示の後続部分に見いだされる。
後向き光センサ106aは、可変反射率ミラーの領域を通って、光(例えばグレア光)を検知するように作動可能であってもよい。例えば、可変反射率ミラー112aは、光が可変反射率ミラー112aを通り抜け可能にするように構成された部分116を具備してもよく、この部分116を通り抜ける光を後向き光センサが検知可能になるようにする。いくつかの実装では、部分116は、可変反射率ミラーの表面の全体または表面の一部にわたって半透過型であってもよい。さらに、上記部分116は、光が可変反射率ミラー112aを通り抜けることを可能にするように構成された複数のスリットまたはシースルー部分を有する、窓部分または遮蔽部分を具備してもよい。これらの構成では、後向き光センサ106aは、後続車両からのグレア光の存在や強度を検知するように、作動可能であってもよい。
図2Bを参照すると、運転手側外部ミラーアセンブリ104aの横断面図が示されている。運転手側外部ミラーアセンブリ104aは、可変反射率ミラー112aの可変反射率表面122を、概ね具備してもよい。可変反射率ミラー112aは、キャリアプレート124によって部分的に囲まれ、かつ支持されてもよい。可変反射率表面122の後ろで、可変反射率表面122の部分116が、光センサ窓部118を光が通り抜け可能になるように、構成されてもよい。いくつかの実装では、汚れおよび破片から後向き光センサ106aを保護するために、後向き光センサ106aは可変反射率ミラー素子112aの後ろに位置してもよい。
後向き光センサ106aは、後続車両の少なくとも1つのヘッドライトから光量またはグレア光の強度を読取るように構成される。後向き光センサ106aによって検知されたグレア光の強度に応じて、光センサ106aは、強度を識別する信号をプロセッサ108aに伝達してもよい。制御回路110aと通信するための制御信号を決定するために、後向き光センサ106aからの信号はプロセッサ108aによって分析されてもよい。プロセッサ108aからの制御信号に基づいて、制御回路110aは、可変反射ミラー素子112aの可変反射率表面122の反射率レベルを制御するように構成されてもよい。
典型的な実装では、さらに、プロセッサは通信結合部114aからの信号を受け取るように、作動可能であってもよい。通信結合部は、前向き光センサ106cによって検知された少なくとも1つの周囲光信号を送信してもよい。後向き光センサ106aからの信号と前向き光センサ106cからの信号との組み合わせに応じて、プロセッサは、可変反射率表面122の反射率レベルを制御してもよい。例えば、前向き光センサ106cから送信された暗所または夜間条件と後向き光センサ106aによって検知されたグレア光とに応答して、プロセッサは、可変反射率表面122の反射率レベルを減少させてもよい。
本明細書中で議論された後向き光センサ106a、106b、および106dの1つまたは複数の様々な実装は、視野に影響する二次光学部品を、さらに具備してもよい。例えば、外部ミラーアセンブリ104aおよび104b上の後向き光センサ106aおよび106dは、二次光学部品を具備してもよく、その際、該二次光学部品が、それぞれの後向き光センサ106aおよび106dの各々の原点または光軸に対して水平視野が約10度外側および約35度内側になるようにする。さらに、または、二者択一的に、外部ミラーアセンブリ104aおよび104bの後向き光センサ106aおよび106dは、センサ原点または光軸、例えば、後向き光センサ106aおよび106dの各々の原点よりも、約10度下および約15度上の、垂直視野をモニターするように構成されてもよい、
上述の視野は、後向き光センサ106aおよび106dの各々のおよび同一平面感知面および可変反射率表面122が車両に対して垂直でありかつ車両が置かれている道路または面に対して垂直であるように、所定の位置に設けられたミラーアセンブリ104aおよび104bの各々に対応してもよい。従って、後向き光センサ106aおよび106dの各々の視野の中心は、車両の後部の方向とほぼ平行である。特定の視野が本明細書中に詳細に議論されるが、後向き光センサ106aおよび106dの視野は、本開示の精神の範囲内において、垂直方向および水平方向の両方で、10から20度変動してもよい。
図3および図4に示された実装に関して、内部ミラーアセンブリ102は、少なくとも部分的に可変反射率ミラー素子112bを囲むのに適した筐体126を具備してもよい。内部ミラーアセンブリ102は、車両のフロントガラスまたはヘッドライナーに作動可能に接続するように構成されたマウント128を、具備するようにしてもよい。内部バックミラーアセンブリ102は、筐体126に組み込まれた前向き光センサ106cをさらに具備してもよい。いくつかの実装では、前向き光センサ106cは、車両の後部位置(例えば、内部ミラーアセンブリが設けられるヘッドライナー制御コンソール)に位置決めされてもよい。そのような実装では、前向き光センサ106cは、内部ミラーアセンブリ102の駆動回路またはプロセッサと通信するように、作動可能であってもよい。
前向き光センサ106cは環境または周囲光の条件(例えば周囲の光強度、照明環境、または他の外部周囲照明条件の明るさ)を検知するように構成されてもよい。周囲光条件には、走行条件(例えば昼間走行条件、夜間走行時間)が含まれてもよい。前向き光センサ106cは、さらにプロセッサ108bと連通してもよい。周囲光の検出または周囲光の強度レベルに応じて、前向き光センサ106cは対応する信号をプロセッサ108bに送信してもよい。周囲光条件に対応する信号に応じて、プロセッサ106bは、システム100が照明条件を決定できるように、周囲光条件を送信してもよい。照明条件に基づいて、システム100は、可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cの各々の反射率を、選択的に調節してもよい。
さらに、内部ミラーアセンブリ102は、後向き光センサ106bを具備してもよい。後向き光センサ106bは、後続車両の少なくとも1つのヘッドライトからのグレア光を検知するように、構成されてもよい。運転中、前向き光センサ106cは、周囲光量(例えば低光量条件または夜間走行条件)を検知するように、作動可能であってもよい。さらに、後向き光センサ106bは、後続車両からのグレア光を検知してもよい。グレア光と組み合わさった低周囲光条件に応答して、プロセッサ108bは、可変反射率ミラー素子112bの反射率が減少するように、可変反射率ミラー素子112bを制御してもよい。図5および6を参照しながらさらに考察するとおり、ミラーアセンブリ102、104a、および104bの各々は、前向き光センサ106cによって検知された周囲条件と、後向き光センサ106a、106b、および106dの各々に検知されたグレア光条件に対して、個別に応答してもよい。
動作中のシステム100の一例を図5に示すが、システム100を含む制御された車両のバックミラーアセンブリには、一定量のグレアが存在する。さらに、周囲光または環境照明強度は、前向き光センサ106cによって検知されてもよい。図5および6に関して説明された例では、前向き光センサは低周囲光または夜間条件を検知する。低光条件に応じて、前向き光センサ106cはバックミラーアセンブリのプロセッサ108a、108b、および108cの各々に周囲光信号を送信してもよい。後向き光センサ106a、106b、および106dの少なくとも1つによって検知されたグレア光に応答して、反射率レベルの減少を促進するべく、周囲光信号は、プロセッサ108a、108b、および108cの各々と通信してもよい。
当該の例において、後続車両142は、後続車両142の少なくとも1つのヘッドライトからのグレア146が先行車両144のバックミラーアセンブリ102、104a、および104bの各々に到達可能なように、制御された車両(例えば、先行車両144)の真後ろにある。各々の光センサ106a、106b、106dは、後続車両142からグレア146に対応するグレア量を検知してもよい。受信されたグレアの量に応じて、可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cの各々の反射率レベルはプロセッサ108a、108b、および108cの各々によって下げられてもよい。受信されたグレアの量に基づいて、プロセッサの各々は、ミラーアセンブリ102、104a、および104bの反射率レベルを下げるために、可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cをそれぞれ別個に暗くしてもよい。反射率レベルの減少によって、先行車両144の乗員に反射されたグレアの量を低減されることがある。
後向き光センサ106a、106b、および106dの各々は、視野152、154、および156を持つように構成されてもよい。視野152、154、および156の各々は、先行車両144のまわりに位置した、別個の暗くなるゾーンに設けられるように、構成されてもよい。後続車両142が先行車両144に接近するにつれて、グレア光は、それぞれの視野152、154、および156の各々にある光センサ106a、106b、および106dの各々によって、受信されてもよい。受信された光あるいは視野152、154、および156の各々に検知されたグレア光に応じて、ミラーアセンブリ102、104a、および104bの各々が結果的に暗くなるように構成されてもよい。このように、システムは、可変性反射素子112a、112b、および112cの反射率を変えるための、独立した複数のゾーンを提供する。
動作中のシステム100の一例も図6に示すが、この例では、一定量のグレアが先行車両144の少なくとも1つのバックミラーアセンブリの中に存在する。後続車両142が先行車両144を追い越している、または、それに対して隣のレーンにいる場合、後続車両142の少なくとも1つのヘッドライトからのグレア146は、部分的に各々のバックミラーアセンブリ102、104a、および104bに達してもよい。この例において、バックミラーアセンブリ104aは、グレア光の第1のレベルを検知してもよい。バックミラーアセンブリ102は、グレア光の第2のレベルを検知してもよい。また、バックミラーアセンブリ104bは、グレア光の第3のレベルを検知してもよい。すなわち各々の後向き光センサ106a、106b、106dは、後続車両142からの異なるレベルのグレア光を受信してもよい。
検知されたグレア光の各レベルに応じて、プロセッサ108a、108b、および108cの各々は、可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cの各々の反射率レベルの変更を開始してもよい。後向き光センサ106a、106b、および106dの各々は、プロセッサ108a、108b、および108cに信号を送信してもよい。プロセッサ108a、108b、および108cは、駆動回路110a、110b、および110cにそれぞれの可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cの各々の反射率を減少させることによって、信号に応答してもよい。可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cの反射率を減少させるか暗くすることで、後続車両からのグレアの量を減らして先行車両144のドライバーの視程を改善してもよい。
既に論じられたように、後向き光センサ106a、106b、および106dの各々は異なる視野152、154、および156を有するように示されている。後続車両142が先行車両144を追い越すとき、グレア146は各々の視野152、154、および156に不均等に分配されることがある。後向き光センサ106a、106b、および106dの各々によって検知されるグレアのレベルに応答して、各々のミラー102、104a、および104bは結果として暗くなるように構成されてもよい。例えば、ミラーアセンブリ104aおよび対応の後向き光センサ106aは、視野154におけるグレア146の第1のレベルを受信してもよい。内部ミラーアセンブリ156および対応の後向き光センサ106bは、第2の視野156おけるグレア146の第2のレベルを受信してもよい。第1のレベルおよびグレア146の第2のレベルは、強度において異なってもよい。
検知されたグレア146の第1のレベルに応じて、可変反射率ミラー素子112aが第1の減少反射率レベルまで減少されてもよい。検知されたグレア146の第2のレベルに応じて、可変反射率ミラー素子112bは第2の減少反射率レベルまで減少されてもよい。さらに、ミラーアセンブリ104aおよび対応の後向き光センサ106dは、任意のレベルのグレア146を検知しなくてもよいし、受信しなくてもよい。この例において、第1の減少反射率は第2の減少反射率よりも多く減少されてもよい。さらに、可変反射率ミラー素子112cの反射率は、グレア146に対応して検出された光の不足により減少されなくてもよい。このように、システム100は、可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cの各々の反射率レベルを個別に制御してもよい。
図7を参照すると、電気光学バックミラーシステムを制御する方法を参照符号200で概ね示す。方法200は、ステップ202で開始されてステップ204へ進み、ここで光が検出される。通常、周囲光は前向き光センサ106cによって検知され、そしてグレア光(例えば後続車両からの光)は後向き光センサ106a、106b、および106dによって検知される。ステップ206では、検知された周囲光に対応するデータは、周囲光信号の形で、プロセッサ108a、108b、および108cに送信される。さらに、後向き光センサ106a、106b、および106dの各々によって検知されたグレア光に対応するデータは、それぞれのプロセッサ108a、108b、および108cの各々に送信される。
ステップ208では、プロセッサ108a、108b、および108cの各々は、それぞれの可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cの各々の反射率を制御してもよい。周囲光とグレア光とに対応するデータに応じて、プロセッサ108a、108b、および108cの各々は、可変反射率ミラー素子112a、112b、および112cの各々に適切な反射率レベルを、個別に決定してもよい。例えば、プロセッサ108aは、低周囲光量および高グレア光量を送信するデータを受信してもよい。低周囲光量と高グレア光量とに応じて、プロセッサ108aは、可変反射率ミラー素子112aの反射率を適切なレベルまで減少させてもよい。方法200は、車両の操作の始めから終わりまで続けてもよく、さらにステップ210で終了してもよい。複数の可変反射率ミラー素子の反射率を個別に変えることによって、本明細書中で開示されたシステムおよび方法は、車両上のミラーアセンブリから反射される安全かつ快適な量のグレア光を車両乗員が受けられるようにしてもよい。
本明細書中で議論されたシステムおよび方法は、複数の可変反射率ミラー素子の反射率を決定し制御するように作動可能である、内部ミラーアセンブリ(例えば102)および外部ミラーアセンブリ(例えば104a、104b)を、提供してもよい。内部ミラーアセンブリの前向き光センサから受信された周囲光データと、複数の後向き光センサから受信したグレア光とが、複数のプロセッサに送信されて、複数の可変反射率ミラー素子の反射率のレベルを決定してもよい。一実施形態によれば、前向き光センサからの周囲光信号は、外部バックミラーアセンブリに送信される。しかしながら、当業者は、検知された周囲光条件を表す周囲光信号が内部バックミラーアセンブリのプロセッサから外部バックミラーアセンブリへ送信されるように、内部ミラーアセンブリ(例えば108b)に対応するプロセッサが周囲光データを受信し処理する構成であってもよいことを、当然認識しうる。
本明細書中で議論された周囲光レベル、グレア光レベル、および反射率レベルは、適切、安全、減少、高、低、その他と言及されてもよい。本明細書中に記載した例示的な例の各々において、これらの用語は、それぞれ、特定の用途に対するシステム100の解像度に基づいた種々の定量的なレベルを参照する。例えば、後向き光センサは、光量(例えばグレア光の光量)の複数の第1のレベルを検知するように作動可能である。前向き光センサは、光量(例えば周囲光の光量)の複数の第2のレベルを検知するように作動可能である。また、可変反射率ミラー素子はグレア光量と周囲光量とに応じて、複数の第3のレベルの間で可変反射率ミラー素子の反射率を調整するように、作動可能であってもよい。本明細書中で議論されるような様々なレベルは、1〜2、1〜3(低中、高)、1〜5、1〜10、1〜100などのレベルを測定する範囲を含んでもよく、そこでは様々なレベルが特定の範囲にわたり均一に分布されてもよい。
検知された周囲光量およびグレア光量に基づいて、少なくとも1つのプロセッサは、ミラーアセンブリの可変反射率ミラー素子の反射率レベルを決定するように作動可能であってもよい。少なくとも1つのプロセッサは、ロジックに基づいたプロセス、ルックアッププロセスなどのプロセスを介して反射率レベルを決定してもよい。周囲光およびグレア光に対応する入力レベルは、プロセッサがアウトプットレベル(例えば反射率レベル)を決定するべく入力レベルにアクセスし得るように、1つまたは複数のテーブルまたはマトリックスをメモリに格納してもよい。いくつかの実装では、少なくとも1つのプロセッサは、受信した周囲光量およびグレア光量の、1つのアルゴリズムまたは複数のアナログ範囲に基づいて、反射率レベルを決定するべく、作動可能であってもよい。本明細書中で説明した処理ステップおよび特定のプロセッサは、様々な方法およびシステムを介して達成および実装可能であり、それらの方法およびシステムのいくつかは本明細書中で議論される。特定のプロセッサおよび加工方法は、この開示の精神の範囲内で変化し得る。
いくつかの実装では、本開示は、街の中を運転している最中に街灯により不調を来す(不正確な検出を行う)可能性を減らすべく、1つの内部ミラーアセンブリの中で前方に向いている1つの中央周囲センサを提供することが可能である。一実施形態によれば、上方向の角度よりもむしろ車両の操作面に対して水平に向いている周囲光センサを有することで、街の中を運転中に日光および頭上の街灯が光センサによって受信される可能性を減少させることが可能である。各ミラーアセンブリ上の後向き光センサを組み込むことで、内部および外部ミラーの各々を暗くして、検出されたグレアの量に基づいた適切な反射率にすることが可能である。
本明細書中で議論されるシステムおよび方法は、それらが複数の後向き光センサを提供するという点で有利であると考えられる。開示されたシステムは、複数の後向き光センサにより、障害で誤動作する可能性は少ないと考えられる。複数の後向き光センサは、本明細書中で議論されたシステムの動作に悪影響を及ぼし得る障害の可能性を減少させるために、複数の視野を提供することが可能である。単一の内部センサは、とりわけ、乗客、後部座席、およびプライバシーガラス等の、多くの障害物によって妨害されることがある。
ミラー素子112a、112b、および112cは、様々な装置を用いて実装可能である。調光は、「光電制御式学区ミラー」と題するJordanらによる米国特許第3,680,951号、および「自動車用自動バックミラー」と題するBauerらによる米国特許第4,443,057号(これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる)に記述されるように、機械的に達成しうる。可変透過率素子42は、「グレア遮蔽型反射体」と題するOhmiらによる米国特許第4,632,509号(これは参照により本明細書に組み込まれる)に記述されるように、液晶を使用して形成しうる。1つまたは複数のミラー素子は、エレクトロクロミックセルであり得る。このエレクトロクロミックセルは、引加制御電圧に応じて透過率を変えるもので、例えば、Bykerに対する「単一コンパートメント、自己消去、溶液相エレクトロクロミック装置、そこで使用するための溶液、およびその使用」と題する米国特許第4,902,108号(これは参照により本明細書に組み込まれる)に記述されている。調光素子を実施するために、その他多くのエレクトロクロミック装置を使用することが可能である。当業者であれば認識するように、本発明は調光素子のタイプまたは構造に依存しない。調光素子がエレクトロクロミック可変透過率素子を含む場合、反射面を可変透過率素子に組み込むことが可能で有り、または可変透過率素子の外部に配置してもよい。
内部バックミラーアセンブリ102は、表示装置を具備してもよい。この表示装置は、ミラー素子に隣接、またはその後ろに位置してもよい。さらに、調光/輝度制御は、周囲センサおよび/またはグレアセンサ(例えば後向き光センサ)の出力に応答して、表示装置の輝度を制御し得る。
本明細書に記載された光センサ106a、106b、106c、および106dは、米国特許第7,543,946号、米国特許第8,620,523号、米国特許出願公開第US 2012/0330504 A1号、Richard T.Fishらによる2012年8月3日に出願された「光センサ用の光学アセンブリ」と題された米国特許出願第13/565,837号、およびBarry K.Nelsonらによる2013年2月12日に出願された「光センサ」と題された米国特許出願第13/764,971号に開示されているような様々なやり方で実装可能である。なお、これらの文献の開示全体を参照により本明細書に援用する。
当然のことながら、本明細書で説明した本発明の実施形態は、本明細書で説明したとおり、一定の非プロセッサ回路と連動して、電気光学ミラーシステムの一部、ほとんどまたはすべての機能、ならびにそのシステムの方法を実施するための1つまたは複数のプロセッサを制御する1つまたは複数の伝統的プロセッサおよび固有の内蔵プログラム命令を具備してもよい。非プロセッサ回路としては、限定されるものではないが、シグナルドライバ、クロック回路、電源回路、および/またはユーザ入力装置を挙げることが可能である。そのため、これらの機能は、分類システムの使用または構築に用いられる方法のステップとして、解釈されてもよい。一方、一部または全部の機能は、プログラム命令を格納していない状態機械によって、あるいは、各機能または機能の特定のいくつかの組み合わせがカスタムロジックとして実装されている1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)によって、実装され得る。もちろん、2つのアプローチの組み合わせを用いることが可能である。したがって、これらの機能の方法および手段が本明細書中に説明されている。当業者であれば、おそらくかなりの努力と多くの設計選択肢にもかかわらず、本明細書で開示される概念および原理によって導かれた場合、例えば、利用可能な時間、現在の技術、および経済的な考慮事項によって動機づけられて、最小限の実験でそのようなソフトウェア命令およびプログラムならびにICを容易に生成することができると、期待される。
本開示の目的のために、また、以下により詳細に説明されるように、可変反射率ミラー素子(例えば、可変反射率ミラー素子112a、112b、および112c)のエレクトロクロミック媒体は、好ましくは少なくとも1つの溶媒、少なくとも1つの陽極材料、および少なくとも1つの陰極材料を含む。
通常、陽極材料および陰極材料は両方とも電気活性である。また、それらの少なくとも1つはエレクトロクロミックである。その通常の意味にかかわらず、用語「電気活性(electroactive)」は、本明細書中で、特定の電位差にさらされると同時に、その酸化状態で修飾を受ける材料として定義されるものと、理解される。さらに、用語「エレクトロクロミック」は、本明細書中で、その通常の意味にかかわらず、特定の電位差にさらされると同時に、1つまたは複数の波長でその消衰係数の変化を示す材料として、定義される。
エレクトロクロミック媒体は、以下のカテゴリーのうちの1つから好ましくは選ばれる。
(I)単一層、単相 エレクトロクロミック媒体は、小さな非均質の領域を含み得る材料の単一の層を具備してもよく、該領域には溶液相デバイスが含まれる。このデバイスでは、材料は、イオン伝導性電解質溶液に含まれてもよく、電気化学的に酸化または還元された場合に電解質中で溶液状態のままである。溶液相電気活性材料は、「エレクトロクロミック層とそれを具備するデバイス」と題された米国特許第5,928,572号と、「エレクトロクロミックポリマー固体フィルム、その固体フィルムを用いたエレクトロクロミックデバイスの製造、およびそのような固体いる無とデバイスとを製造するためのプロセス」と題された国際特許出願第PCT/US98/05570号との教示に基づいて、ゲル媒体の連続溶液相に含まれてもよい。なお、これら両方の文献をそれらの全体として参照により本明細書に援用する。
複数の陽極材料および陰極材料は、あらかじめ選択された色を示すために組み合わせることができる。複数の陽極材料および陰極材料を組み合わせて、あらかじめ選択された色を示すことができる。このことは、「エレクトロクロミック化合物」と題された米国特許第5,998,617号、「事前に選択された色の生成が可能なエレクトロクロミック媒体」と題された米国特許第6,020,987号、「エレクトロクロミック化合物」と題された米国特許第6,037,471号、および「事前に選択された色の生成が可能なエレクトロクロミック媒体」と題された米国特許第6,141,137号に記載されており、これらのすべてを、それらに組み込まれた参照文献および/または引用された参照文献の全てを含む全体として、参照により本明細書に援用する。
陽極材料および陰極材料も架橋部によって組み合わせまたは結合されてもよい。このことは、「エレクトロクロミックシステム」と題された米国特許第6,241,916号および/または「エレクトロクロミックデバイス」と題された米国特許出願公開第2002/0015214 A1号に記載されており、これらを、それらに組み込まれた参照文献および/または引用された参照文献の全てを含む全体として、参照により本明細書に援用する。エレクトロクロミック材料は、さらに近赤外線(NIR)吸収化合物を含んでもよい。このことは、「近赤外線吸収エレクトロクロミック化合物およびそれを含むデバイス」と題された米国特許第6,193,912号に記載されており、このすべてを、それに組み込まれた参照文献および/または引用された参照文献の全てを含む全体として、参照により本明細書に援用する。
さらに、同様の方法によって陽極の材料および陰極の材料を結合させることも可能である。さらに、これらの特許に説明される概念を組み合わせて、陽極および/または陰極材料に対して、色安定化部分の結合などの、酸化還元バッファの結合またはカップリングされる様々な電気活性材料を、作り出すことができる。
陽極および陰極のエレクトロクロミック材料もまた、「光安定ディクテーション酸化状態による結合エレクトロクロミック化合物」と題された米国特許第6,249,369号に記述されたような結合材料も含み得る。この文献は、それに組み込まれた参照文献および/または引用された参照文献の全てを含む全体として、参照により本明細書に援用する。
エレクトロクロミック材料の概念は、「濃度強化安定性を有するエレクトロクロミック媒体、その調製のためのプロセス、およびエレクトロクロミックデバイスでの使用」と題された米国特許第6,137,620号に教示されたように選択され得る。この文献は、それに組み込まれた参照文献および/または引用された参照文献の全てを含む全体として、参照により本明細書に援用する。
さらに、単層、単相媒体は、「エレクトロクロミックポリマーシステム」と題された国際特許出願第PCT/EP98/03862号と「エレクトロクロミック重合性固体フィルム、そのような固体フィルムを用いたエレクトロクロミックデバイスの製造、ならびにそのような固体フィルムおよびデバイス」と題された国際特許出願第PCT/US98/05570号とに記述されたようなポリマーマトリックスに陽極材料および陰極材料が取り込まれる媒体を含んでもよい。これらの文献を、それらに組み込まれた参照文献および/または引用された参照文献の全てを含む全体として、参照により本明細書に援用する。
(II)多層 エレクトロクロミック媒体は、層状に調製されてもよく、このエレクトロ導電性の電極に対して直接付着またはそれに極めて近接するとともに電気化学的に酸化または還元された際に付着または画成されたままである材料を、含んでいてもよい。
(III)多相 さらに、エレクトロクロミック媒体は、多相を用いて調製されてもよい。この媒体に含まれる1つまたは複数の材料は、デバイスの動作の過程で相変化を生ずるもので、例えば、イオン伝導性電極に溶液状に含まれ、電気化学的に酸化または還元された場合に導電性電極上に層を形成する材料である。
本発明の目的のために、陽極材料には、いくつかの材料のいずれか1つが含まれてもよく、このような材料として、フェロセン、置換フェロセン、置換フェロセニル塩、フェナジン、置換フェナジン、フェノチアジン、置換フェナジン、フェノチアジン、ならびに置換ジチアジン、チアントレン、および置換チアントレンなどの置換フェノチアジンが挙げられる。本発明による使用に適している陽極材料の具体例として、限定されるものではないが、ジ−tert−ブチル−ジエチルフェロセン、5,10−ジメチル−5,10−ジヒドロフェナジン(DMP)、3,7,10−トリメチルフェノチアジン、2,3,7,8−テトラメトキシ−チアントレン、10−メチルフェノチアジン、テトラメチルフェナジン(TMP;合成に関しては、ここで全体として参照により本明細書に援用される米国特許第6,242,602 B1号を参照)、およびビス(ブチルトリエチルアミニウム)−パラ−メトキシトリフェノジチアジン(TPDT;ここで全体として参照により本明細書に援用される米国特許第6,710,906 B2号にある3,10−ジメトキシ−7,14−(トリメチルアンモニウムブチル)−トリフェノジチアジン−ビス)(テトラフルオロボレート)の合成を参照)が挙げられる。ビス(ブチルトリエチルアミニウム)−パラ−メトキシトリフェノジチアジン(TPDT;ここで全体として参照により本明細書に援用される米国特許第6,710,906 B2号にある3,10−ジメトキシ−7,14−(トリメチルアンモニウムブチル)−トリフェノジチアジン−ビス)(テトラフルオロボレート)の合成を参照)が挙げられる。さらに、陽極材料が、ポリアニリン、ポリチオフェンなどのポリマーフィルム、または、限定されるものではないが、バナジウム、ニッケル、イリジウムの酸化物を含む固体遷移金属酸化物、さらには多数の複素環式化合物、その他の酸化物を含むものであってもよいと、考えられる。数多くの他の陽極材料が本発明に従って用いられることが考えられ、それらは、「シングルコンパートメント、自己消去、溶液相エレクトロクロミック素子、それに用いる溶液、およびその使用」と題された米国特許第4,902,108号、「色安定化エレクトロクロミックデバイス」と題された6,188,505 B1号、「エレクトロクロミックデバイスおよび関連エレクトロクロミックデバイスに使用される、拡散係数が制御されたエレクトロクロミック材料」と題された米国特許第6,710,906 B2号、「エレクトロクロミック化合物ならびに関連媒体およびデバイス」と題された米国特許第7,428,091 B2号に開示されたものが含まれ、これらの文献すべてを、それらに組み込まれた参照文献および/または引用された参照文献の全てを含む全体として、参照により本明細書に援用する。
例示のみを目的として、陽極材料の濃度は、約1ミリモル(mM)から約500mM、より好ましくは約2mMから約100mMである。
本発明の目的のために、陰極材料として、例えば、ビオロゲン、例えばメチルビオロゲンテトラフルオロボレート、オクチルビオロゲンテトラフルオロボレート(オクチルビオロゲン)、またはベンジルビオロゲンテトラフルオロボレート、フェロセニウム塩、例えば(6−(トリ−tert−ブチルフェロシニウム)ヘキシル)トリメチルアンモニウム−ジ−テトラフルオロボレート(TTBFc+)を挙げることが可能である。なお、合成に関しては「可逆的電着と関連電気化学媒体」と題された米国特許第7,046,418号(ここで、その全体を参照により本明細書に援用)を参照のこと。上記陰極材料の各々に関する調製および/または商業的入手可能性が当該技術分野において周知であることは、理解される。例えば、LA.Summersによる「ビピリジニウム除草剤」(Academic Press 1980))を参照のこと。例示のみを目的として特定の陰極材料が示されているが、使用のために多数の他の陰極材料が考えられるこれらは、限定されることを意味するものではないが、米国特許第4,902,108号、米国特許第6,188,505号、米国特許第6,710,906 B2号、さらには、「エレクトロクロミック化合物ならびに関連媒体およびデバイス」と題された米国特許第7,855,821 B2号に記載されたものが挙げられる。なお、これらの文献すべてを、それらに組み込まれた参照文献および/または引用された参照文献の全てを含む全体として、参照により本明細書に援用する。さらに、陰極材料がポリマーフィルム、例えば様々な置換ポリチオフェン、重合ピオロゲン、無機フィルム、または、限定されるものではないが、タングステン酸化物などの固体遷移金属酸化物を含んでもよい。
例示のみを目的として、陰極材料の濃度は、約1ミリモル(mM)から約500mM、より好ましくは約2mMから約100mMである。
本発明の目的のために、エレクトロクロミック媒体は、好ましくは、いくつかの市販されている溶媒のいずれか1つを含み、該溶媒として、例えば3−メチルスルホラン、スルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラグライム、および他のポリエーテル類と、エトキシエタノールなどのアルコール類と、アセトニトリル、グルタロニトリル、3−ヒドロキシプロピオニトリル、および2−メチルグルタロニトリルなどのニトリル類と、2−アセチルブチロラクトン、シクロペンタノンなどのケトン類と、β−プロピオラクタン、γ−ブチロラクトン、およびγ−バレロラクトンなどの環状エステル類と、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネートと、それらの均質混合物とが、挙げられる。エレクトロクロミック媒体に関連して特定の溶媒が開示されている一方で、それらの前に本開示を有する当業者に知られている多数の他の溶媒も同様に使用することが考えられる。
さらに、可変反射率ミラー素子のエレクトロクロミック媒体は、他の材料、例えば、光吸収剤、光安定剤、熱安定剤、抗酸化剤、増粘剤、粘度調整剤、色合い付与剤、レドックス緩衝剤、およびそれらの混合物を含んでもよい。適当なレドックス緩衝剤として、とりわけ、「色安定化エレクトロクロミックデバイス」と題された米国特許第6,188,505 B1号に開示されたものが挙げられる。なお、この文献は、それに組み込まれた参照文献および/または引用された参照文献の全てを含む全体として、参照により本明細書に援用される。適当なUV安定剤として、Uvinul N−35の商標でBASF(Parsippany, NY)により、またViosorb 910の商標でAceto Corp.(lushing, NY)により販売されている材料2−エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、Uvinul N−539の商標でBASFにより販売されている材料(2−エチルヘキシル)−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、Tinuvin Pの商標でCiba−Geigy Corp.により販売されている材料2−(2’−ヒドロキシ−4’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、従来の加水分解とそれに続く従来のエステル化を介して、Ciba−Geigy Corp.より販売されているTinuvin 213から調製される、材料3−[[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−yl)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸 ペンチルエステル(以下、"Tinuvin PE")と、他の多くのもののなかでも、Aldrich Chemical Co.により販売されている2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンと、Cyasorb UV 9の商標でAmerican Cyanamidより販売されている材料2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンと、Sanduvor VSUの商標でSandoz Color & Chemicalsにより販売されている2−エチル−2’−エトキシアニリドとを、挙げることが可能である。
当業者および本発明を実施または利用しようとする者は、本発明の改良を想起できる。したがって、図面および上記の説明に示した実施形態は、単に説明を目的にしたものであって、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。本発明の範囲は、均等論を含む特許法の原則に従って解釈される以下の特許請求の範囲によって定義される。