JP2019068340A - 車載用撮像システム - Google Patents

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Abstract

【課題】夜間や暗所において、光源からの出射光を照射して得られる画像の輝度ムラを低減し、視認性の良い画像を表示できる車載用撮像システムを提供する。【解決手段】車載用撮像システムは、光源と光源の出射光の波長領域と可視光領域とに感度を有する撮像素子111と、撮像素子の光入射側に配置され、入射した波長領域の入射光の光量を調節して出射する物性素子112と、を備えたカメラ11を備える。光源を用いて撮像する際には、物性素子112が、物性素子112に入射する入射光の光量分布を解消する透過率分布を有する状態をとり、光源を用いずに撮像する際には、物性素子112が可視光を透過する状態をとる。【選択図】図2

Description

本発明は、夜間や暗所でも外部の観察が可能な光源を備えた車載用撮像システムに関する。
自動車の外側にカメラを搭載し、後方や前方或いは側方を撮像素子で撮像した画像を車室内のモニターに表示する車載用撮像システムが知られている。車室内のモニターとしては、ナビゲーションシステムと兼用されるフロントディスプレイユニットやルームミラー内の表示システムがある。車載用撮像システムは、後方など自動車周辺の視認し難い部分や死角部分をこれらのモニターに表示させることで、人間や障害物の有無の確認等、運転者に安全を提供するものである。
これら車載用撮像システムは、可視光が少ない夜間や暗所での走行時にも良好な視界を確保するために、車周辺部を照らす外部光源を備えたシステムも知られている。外部光源は、人間の目で見る像と同程度の色再現を有する画像が得られる可視光領域の波長(白色光)を光源とするものや、人間の目に感度の低い近赤外光領域の波長を光源として周辺の人の目を眩惑させないようにするものも知られている。
車載用撮像システムを構成するモニターを運転席近傍に設ける場合、特にモニターをルームミラー内に設ける場合、その設置スペースは限られるためモニターサイズが小さくなる。安全を確保するためには、小さいモニターサイズでも高精細で視認性の良い画像を映し出すシステムが求められ、具体的には下記の2つの要件が求められている。
第一の要件は、明るすぎず、且つ暗すぎない像である。これには撮像素子に入射される透過光量を条件に応じて制御する必要がある。
第二の要件は、得られる画像の面内での明るさのムラがないことである。外部光源としては、LED(Light Emitting Diode)が広く用いられているが、多くの市販のLEDは指向性が高い。そのため、夜間や暗所においてLEDで可視光や近赤外光を照射した場合、輝度ムラが大きく、LED照射部が白とびした視認性の悪い画像となることが多い。これは、撮像素子には1画素で蓄積できる電荷量に制限(飽和容量)があるため、係る飽和容量を超える高輝度の光が入射された画素では電荷が信号の取り出し方向にあふれ出てしまう現象に起因する。
特許文献1には、車後部に赤外線ランプ及びカメラを取り付け、赤外線を照射することにより車周辺部をモニターで確認する暗視システムが記載されている。
また特許文献2には、近赤外光と可視光とに感度を有する撮像素子に可変フィルタを組み合わせることで、可視光によるカラー画像の色再現性と、近赤外光によるモノクロ画像の良好な感度とを、実現した撮像システムが開示されている。係る可変フィルタは、印加電圧に応じて透過する光の波長領域が可視光領域と近赤外光領域とで切り替わるフィルタである。
特開平9−150670号公報 特開2008−124941号公報
特許文献1に記載の赤外線ランプ照射による暗視システムにおいては、撮像システムに入射される透過光量や位置の制御を行っていないため、画像全体の明るさも画像面内の明るさ均一度(ムラ)も制御することが困難である。複数の赤外線ランプにより異なる位置を照射すれば明るさのムラは改善するものの、複数のランプ設置によるスペースと製造コストが増大するデメリットがある。
特許文献2に記載の可変フィルタを備えた撮像システムは、可視光領域と近赤外光領域のそれぞれの透過光量が調節可能であるため、第一の要件である明るさの制御は可能で画質を向上させることはできる。しかしながら、第二の要件であるLED照射部と非照射部の明るさのムラの解決は困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、夜間や暗所において、光源からの出射光を照射して得られる画像の輝度ムラを低減し、視認性の良い画像を表示できる車載用撮像システムを提供することを目的とする。
本発明は、光源と、
前記光源の出射光の波長領域と可視光領域とに感度を有する撮像素子と、前記撮像素子の光入射側に配置され、入射した前記波長領域の入射光の光量を調節して出射する物性素子と、を備えたカメラと、を備えた車載用撮像システムであって、
前記物性素子が、前記入射光の光量分布を軽減する透過率分布を有する状態と、前記入射光の光量を減少させずに透過する状態との間で透過率を調節可能であることを特徴とする。
本発明によれば、透過率分布を有する状態と透明な状態との間で透過率を調節可能な物性素子を用いることによって、夜間や暗所において光源より光を照射した場合でも、撮像素子に入射する光の光量分布が解消される。よって、輝度ムラが少ない、視認性の良い画像を表示しうる車載用撮像システムが提供される。
本発明の車載用撮像システムを搭載した自動車を示す模式図であり、(a)は上方から見た図、(b)は後方から見た図である。 本発明の車載用撮像システムの一実施形態に係る車載カメラの構成を模式的に示す断面図である。 本発明に用いられる物性素子の透過率分布の一例を示す図である。 本発明に用いられる物性素子が透過率分布を有する状態と有さない状態のそれぞれにおける透過率スペクトルを示す図であり、(a)は物性素子が可視光領域に着色領域を有する場合、(b)は物性素子が近赤外光領域に着色領域を有する場合を示す。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の車載用撮像システムが搭載された自動車10の一例を示したものである。図1(a)は上方から見た図であり、図1(b)は後方から見た図である。本実施形態の車載用撮像システムは、車外に備え付けられたカメラ11及び光源12を備えており、望ましくは車内に備え付けられたモニター13を備えている。自動車10の後部(例えばバンパー部)にはカメラ11とLEDなどの光源12を備え、ここで撮像された画像を、車室内運転席前方のモニター13に表示させるものである。モニター13としては、例えばナビゲーションシステムと兼用されるフロントディスプレイユニットやルームミラー内の表示システムが挙げられる。
図1には、カメラ11や光源12が自動車10の後部に設置されたリアカメラの例を示したが、これらは自動車10の前部(例えばエンブレム部)に設置されたフロントカメラや側部に設置されたサイドカメラであってもよい。
本発明に用いられるカメラ11は、図2に示すように、カメラ用レンズ110、該レンズ110が結像する像を撮像する撮像素子111、及び撮像素子111に入射する入射光の光量を調節する物性素子112を有して構成される。さらに本実施形態では、レンズ110を保持する樹脂材からなるレンズセル113及び撮像素子111を設置するプリント配線基板を含むケース114を有する。
レンズ110は魚眼レンズなどの広角レンズを好適に用いることができる。撮像素子111としては、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementarymetal OxideSemiconductor)を用いることができる。撮像素子111は、レンズ110によって受光面に結像される被写体像を光電変換する。
光源12は、光を照射するものであれば良いがLEDが好ましい。光源12の出射光としては、白色光(可視光)でも近赤外光(例えば870nm程度の波長帯域)のいずれでも良い。一般に白色光の方が人間の目にとっては色再現性の観点からは視認性が良いが、車外の人を惑わせる原因となるため、夜間や暗所には近赤外光の方が好ましく用いられる場合も多い。使用される光源12の個数は1個でもよく複数でもよく、設置場所はレンズ110の画角やLEDの照射角により自由に設計することができる。
本発明の撮像システムは、日中の明るい場所においては、光源12を用いず、太陽光の可視光領域で撮像し、夜間や日中でも暗い場所では、光源12を用いて近赤外光或いは可視光で撮像を行う。よって、本発明に用いられる撮像素子111は、可視光と、光源12の出射光の波長領域とに対して感度を有している必要がある。
撮像素子として一般的に用いられている固体撮像素子は、近赤外光及び可視光のいずれにも感度を有している。よって、このような近赤外光及び可視光に感度を有する撮像素子は、本発明に係る撮像素子111として良好に用いることができる。また、光源12の出射光が可視光の場合には、可視光のみに感度を有する撮像素子も用いることができる。
本発明の撮像システムは、撮像素子111を駆動制御する駆動部や、撮像素子111からの撮像画像を信号処理する信号処理部、その画像信号をモニター13に出力する接続ケーブルなどを備えていてよい。
物性素子112は、撮像素子111の光入射側に配置され、撮像素子111に入射する入射光の光量を制御する部材である。物性素子112の位置は、撮像素子111の直前でも、レンズ110近傍でも、いずれでもよい。また、物性素子112が常に光学系に組み込まれた形で動かない固定型でもよく、入射光を調節・カットする位置と調節・カットしない位置とで切り替え可能な駆動機構を設けていてもよい。
モニター13は出力された画像を運転者等が見えるように表示する。液晶ディスプレイ(LCD)やCRT等を用いて表示する。このモニター13は、運転席上部のルームミラー内や車室内のセンターパネル内、車両運行ナビゲーションシステムなどに配置される。
次に本発明における物性素子112による光量調節作用について説明する。
夜間や暗所で光源12により近赤外光或いは可視光を照射した場合、撮像素子111に入射する入射光には光量分布が生じる。特に、光源12が市販のLEDの場合には、出射光の指向性が高いため、入射光の光量分布が大きく、光照射部が白とびした視認性の悪い画像となる場合が多い。尚、本発明において、撮像素子111に入射する入射光の光量分布とは、日中の太陽光による撮像では、同量の光量となるような部分に光量差を有するような場合を言う。
例えば、夜間に1つのLEDで暗部を照射した場合、LEDが照射された画角の中心部は明るすぎる一方、画角周辺部は光量が低く暗いため、近づいている人に気付きにくくなる。これは、撮像素子は1画素で蓄積できる電荷量の制限(飽和容量)があるため、高輝度の光が入射された場合に電荷が信号の取り出し方向にあふれ出てしまう現象に起因する。このような光源12による輝度ムラは、カメラ11で撮影する被写体像の望ましい配置と必ずしも一致しないため、安全上に課題がある。
そこで本発明においては、均一な光量の画像が得られるように物性素子112を用いる。係る物性素子112は、光源12を用いた場合に、該光源12の出射光の波長領域を有し撮像素子111に入射する入射光の光量分布を軽減する透過率分布を有する状態をとる。具体的には、入射光の輝度が物性素子112の入射面の中心部が最も高く、周辺部に向かって徐々に低くなる場合には、上記中心部が最も透過率が低く、該中心部から周辺部に向かって透過率が高くなる透過率分布とする。図3は、係る透過率分布状態を示す図であり、物性素子112の入射面の中心位置を0として、該中心位置の光学濃度が最も高く(透過率が低く)、中心位置から離れるに従って光学濃度が低くなる(透過率が高くなる)分布を示している。
尚、係る透過率分布状態は、光源12を用いて撮像する際に必要な状態であり、光源12が必要でない日中の明るい場所では、係る状態は必要ではない。よって、物性素子112は、光源12を用いた場合の、入射光に対する透過率分布を有する状態と、該透過率分布を有さずに透過する状態との間で透過率を調節可能とする。好ましくは、係る透過率分布を有する状態と、有さない状態との間で、段階的に透過率を調節可能とすることで、入射光の光量に応じた調整を行うことができる。
尚、日中の明るい場所では、光源12を使用せず、輝度ムラのない太陽光の可視光領域による撮像である。よって、物性素子112の上記透過率分布を有さない状態は、光源12の出射光が可視光及び近赤外光のいずれであっても、可視光を光量を減少させずに透過する状態である。
図3に示したような、中心部から周辺に向かってのグラデーション状の光学濃度は、センサ等で明るさを検出して予め決められたルックアップテーブルに基づいて検出された明るさに対して自動で調節してもよい。また、車内の人物がモニター13の画像を確認しながらボタンやダイヤルなどにより手動で制御してもよい。
上記のように、物性素子112により撮像素子111に入射する入射光の光量の面内分布を均一に調節した結果、モニター13に出力される時点で輝度ムラは大幅に低減し、視認性を向上することができる。視覚的に輝度が均一に見えるためには、モニター13に出力される画像の面内の最低輝度と最高輝度の比(最低輝度/最高輝度)が0.7以上であることが好ましい。
さらに、モニター13に出力される画像の面内の最高輝度及び最低輝度が共に相対輝度で50%乃至90%の範囲に含まれることが好ましく、65%から85%の範囲に含まれることがより好ましい。輝度がこの範囲に含まれると、モニター13に映る画像は適切な明るさで、かつ面内が均一な明るさで像を確認することできるため、視認性が良い。尚、ここで言う相対輝度とは、撮像素子の1画素が飽和容量の100%の電荷を蓄積した際の輝度を飽和輝度とした時の、該飽和輝度に対する輝度の割合である。
図4は、本発明に用いられる物性素子112が透過率分布を有する状態(減光時)と透過率分布を有さない状態(透過時)のそれぞれにおける、物性素子112の透過率スペクトルの例を示す図である。図4(a)は、物性素子112が可視光領域に着色領域を有する場合を、図4(b)は、物性素子112が近赤外光領域に着色領域を有する場合を示す。
物性素子112が可視光領域の入射光量を制御する場合は、図4(a)に示すように、可視光域全体の波長域で均一に減光することが好ましい。これは、良好な色再現性やカラーバランスを保つためである。ここで「可視光領域全体の波長域で均一に減光する」とは、波長領域における各波長における透過率のばらつきが小さく、透過率スペクトルがフラットであることを示す。また、近赤外光領域の入射光量を低減する場合は、図4(b)に示すように光吸収のピーク波長が850nm乃至950nm域にあることが好ましい。これは、市販されている近赤外光のLEDの波長域が850nm乃至950nmのものが多いためである。
これらの減光特性を制御する物性素子112としては、一対の電極と、該電極間に透過率変化層を備え、上記一対の電極の少なくとも一方が、電圧を印加された際に電極面内において電位勾配を形成する素子が挙げられる。具体例としては、上記透過率変化層が有機エレクトロクロミック層である有機エレクトロクロミック素子(有機EC素子)や、上記透過率変化層が液晶層である液晶素子が挙げられる。有機EC素子や液晶素子は、電気的に光量を調節することができる。即ち、光量調節の必要がない場合には透明とし、必要な場合のみ図3に示したような光学濃度パターンに変化させ、中心部の透過光量を減光し、撮像素子111に入射される光量の面内分布を均一にすることができる。
エレクトロクロミック素子(EC素子)は、電気化学的な酸化還元反応により、物質の光学吸収の性質(呈色状態や光透過度)が変化するEC材料を利用した素子である。EC素子は、液晶素子等と比較して、消色時の透過率が高い、偏光の影響を受けない、メモリー性を有する等の特徴がある。中でも有機EC素子は、無機EC素子に比べて、EC材料設計によりその着色時の吸収波長を可視光域から近赤外域まで幅広く制御可能であり、また着色時の光学濃度を濃くできることから光量調節範囲も広いため、本発明に係る用途に好適に用いることができる。
このような有機EC素子の一例としては、一対の電極基板の間に有機EC材料及び電解質を溶媒に溶解させたEC溶液をサンドイッチ構造とした溶液型有機EC素子が挙げられる。EC溶液はシール材によって外部と隔離されて保持されていることが好ましい。一対の電極基板は透明であることが好ましい。
電極材料としては、例えば、金属や金属酸化物、シリコン系材料、炭素材料などを用いることができる。金属としては、金、銀、白金、銅、インジウム、クロムなどが挙げられる。金属酸化物としては、酸化インジウムスズ合金(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化銀、酸化バナジウム、酸化モリブデンが挙げられる。シリコン系材料としては、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等が挙げられる。炭素材料としては、カーボンブラック、グラファイト、グラッシーカーボン等が挙げられる。
電解質としては、イオン解離性の塩であり、かつ溶媒に対して良好な溶解性、固体電解質においては高い相溶性を示すものであれば限定されない。例えば、各種のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機イオン塩、4級アンモニウム塩や環状4級アンモニウム塩などがあげられる。
有機EC材料及び電解質を溶かす溶媒としては、特に限定されないが、極性を有するものが好ましく、さらにポリマーやゲル化剤を含有させて粘稠性が高いもの若しくはゲル状としたもの等を用いることもできる。
有機EC材料は、溶媒に対して溶解性を有し、電気化学的な反応で着色と消色を表現できるものであれば、どのようなものであっても構わない。公知の酸化/還元着色性有機EC材料を使用することができる。有機EC材料の組合せとして、酸化反応で着色を示すアノード性の材料を二種以上用いても良く、還元反応で着色を示すカソード性の材料を二種以上用いても良い。物性素子112が減光したい波長帯域に応じて、着色時の吸収波長特性を有するEC材料を選択すればよい。
有機EC材料としては、低分子有機化合物も高分子有機化合物も含まれるが、いずれの材料も、外部から電気的な刺激を与えることによって着色するタイプの材料である。このタイプの高分子有機化合物としては、ポリチオフェンやポリアニリンなどが挙げられる。本発明に用いられる有機EC材料として好ましいのは、分子量が2000以下の低分子有機化合物であり、電極における酸化反応又は還元反応により、消色体から着色体に変化する化合物である。
アノード性の有機EC材料として、例えば、チオフェン誘導体、芳香環を有するアミン類、ピロール誘導体、チアジン誘導体、トリアリルメタン誘導体、ビスフェニルメタン誘導体、キサンテン誘導体、フルオラン誘導体、スピロピラン誘導体が挙げられる。芳香環を有するアミン類としては、例えば、フェナジン誘導体、トリアリルアミン誘導体が挙げられる。
上記EC材料を用いることにより、所望の吸収波長プロファイルを持つEC素子を提供しやすく、繰り返し使用に対する耐久性が得られる。これらのEC材料は中性状態で紫外領域に吸収ピークを有し、可視光領域や近赤外光領域には吸収を有さないため、可視光領域や近赤外光領域の透過率が高い消色状態を取る。そして、酸化反応によりこれらの分子がラジカルカチオンとなり、可視光領域や近赤外光領域に吸収がシフトすることで着色状態となる。これらの分子は、そのπ共役長を拡大縮小させること、また置換基を変更してπ共役系に変化を加えることで、その吸収波長を可視光領域から近赤外光領域まで設計することができる。ここで低分子とは、分子量で2000以下、好ましくは1000以下である。
カソード性の有機EC材料としては、ビオロゲン等のピリジン系化合物、キノン化合物等が挙げられる。中でも、ビオロゲン等のピリジン系化合物が最も好ましく用いられる。本発明においては、有機EC材料として、それぞれ複数種類のアノード性有機EC材料、カソード性有機EC材料が含まれていてもよい。図4(a)に示すように可視光領域全体で均一に減光するためには、異なる複数種の有機EC材料を混合した方が好ましい。
本発明に用いられるEC素子の形成方法は特に限定されず、一対の電極基板の間に設けた間隙に、真空注入法、大気注入法、メニスカス法等によって予め調製したEC性有機化合物を含有する液体を注入する方法を用いることができる。
EC素子に透過率分布を有する状態をとらせるために、一対の電極の一方に電位勾配を形成する方法としては、例えば、特開2016−200675号公報に記載されているように、電極膜厚分布を制御する方法が挙げられる。また、特開2012−42814号公報に記載されているような給電方法を工夫する方法や、同心円状に複数の電極を形成し、これら複数電極間で抵抗を変化させる方法も挙げられる。これらの手法により、物性素子112は図3に示すような中心から周辺に向かって光学濃度がグラデーション状に減少する光学濃度パターンを示すことができる。
また、液晶素子は、液晶の光学的異方性を利用して透過率を制御するものである。2枚の透明電極間に液晶を封入した液晶素子において、液晶分子はある一方向に配向しているが、電圧を印加することにより配向方向を変化させることが可能である。この配向方向の変化に伴い、透過光量が変化するものである。ねじれネマティック(TN)液晶、垂直配向(VA)液晶、二色性色素を混合したゲストホスト(GH)液晶などが本発明に係る液晶素子の例として挙げられる。いずれも応答速度がEC素子(特に無機EC素子)より早いため、素早く光量調節を行って安全確認を行う本発明の目的において、好適に用いることができる。
例えばTN液晶においては、液晶分子を面内で全て同じ方向となるようにホモジニアス配向とする。この状態で液晶の配向方向と垂直方向の偏光成分は屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚み(d)の積であるΔndの位相差を有する。この位相差に対して、位相差板を入れることで偏光方向を変化させ、また対向した基板に電圧を印加して液晶分子の配向を基板に対して垂直に変化させることで、透過光量を変化させるとともに位相差Δndを無くすことができる。
このようなTN液晶素子の一例は以下のように作製される。一対のITO電極基板上にポリイミド膜を製膜後ラビングにより配向処理を行い、このラビング処理軸が直交するように基板をシール材で重合接着されたセルを作製する。このセルにネマティック液晶を封入後、注入口を封止することにより液晶セルが形成される。
この液晶素子を利用する場合、液晶素子の表面にポリビニルアルコールなどからなる2枚の偏光板を入れる。電極材料は、EC素子の場合と同様に、金属や金属酸化物、シリコン系材料、炭素材料などを用いることができる。例えば、金属としては、金、銀、白金、銅、インジウム、クロムなどを、金属酸化物としては、ITO、FTO、NESA、IZO、酸化銀、酸化バナジウム、酸化モリブデンなどを用いることができる。シリコン系材料としては、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等を、炭素材料としては、カーボンブラック、グラファイト、グラッシーカーボン等を用いることができる。
物性素子112が液晶素子である場合にもEC素子同様、液晶層を挟持する一対の電極の少なくとも一方に電位勾配を形成することで、図3に示したような光学濃度パターンを形成することができる。具体的には、同心円状の電極パターンを複数形成し、これら同心円状の複数電極間で印加する電圧を変化させることにより、同心円状に透過率が変化した状態を形成することができる。
また、本発明の撮像システムを日中の明るい場所で使用する際には、光源12を用いず、物性素子112を可視光が光量を減少せずに透過する状態として撮像する。その際、撮像素子111に入射する入射光の輝度が高すぎる場合も、画像に白とびを生じてしまう。よって、本発明においては、上記物性素子112を第1の物性素子として、さらに、可視光の光量を低減する第2の物性素子を用いることが好ましい。
第2の物性素子を用いるのは、日中の明るい場所での撮像であるため、基本的に、撮像素子111への入射光は光量分布を持たない。よって、第2の物性素子には入射光の入射面内で可視光に対する透過率分布を持たせる必要はなく、面内で均一な透過率とすればよい。
第2の物性素子としては、第1の物性素子112と同様のEC素子及び液晶素子が好ましく用いられ、入射光の輝度に応じて、適宜、透過率を制御すればよい。また、第2の物性素子は、撮像素子111の光入射側であれば、第1の物性素子112とレンズ113との間、及び、第1の物性素子112と撮像素子111との間のいずれであっても構わない。
本発明の撮像システムは、さらに、カメラ11が撮像した画像を記録する記録媒体や、カメラ11が撮像した画像を外部の記録媒体や表示装置などと通信する通信部を有していても良い。
11:カメラ、12:光源、13:モニター、111:撮像素子、112:物性素子

Claims (13)

  1. 光源と、
    前記光源の出射光の波長領域と可視光領域とに感度を有する撮像素子と、前記撮像素子の光入射側に配置され、入射した前記波長領域の入射光の光量を調節して出射する物性素子と、を備えたカメラと、を備えた車載用撮像システムであって、
    前記物性素子が、前記入射光の光量分布を軽減する透過率分布を有する状態と、前記入射光の光量を減少させずに透過する状態との間で透過率を調節可能であることを特徴とする車載用撮像システム。
  2. 前記透過率分布は、前記物性素子の前記入射光の入射面の中心部が最も透過率が低く、前記中心部から周辺部に向かって透過率が高くなる分布であることを特徴とする請求項1に記載の車載用撮像システム。
  3. 前記光源がLEDであることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載用撮像システム。
  4. 前記カメラが撮像した画像を表示するモニターを備え、
    前記モニターに出力された画像の面内の最低輝度と最高輝度の比(最低輝度/最高輝度)が0.7以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車載用撮像システム。
  5. 前記撮像素子の1画素が飽和容量の100%の電荷を蓄積した際の輝度を飽和輝度とした時、前記モニターに出力された画像の面内の最低輝度と最高輝度の前記飽和輝度に対する相対輝度がいずれも50%乃至90%であることを特徴とする請求項4に記載の車載用撮像システム。
  6. 前記物性素子は、一対の電極と、前記電極間に配置された透過率変化層と、を有し、前記一対の電極の少なくとも一方が、電圧を印加された際に電極面内において電位勾配を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車載用撮像システム。
  7. 前記透過率変化層が有機エレクトロクロミック層であり、前記物性素子が有機エレクトロクロミック素子であることを特徴とする請求項6に記載の車載用撮像システム。
  8. 前記透過率変化層が液晶層であり、前記物性素子が液晶素子であることを特徴とする請求項6に記載の車載用撮像システム。
  9. 前記出射光が可視光であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の車載用撮像システム。
  10. 前記出射光が近赤外光であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の車載用撮像システム。
  11. 前記物性素子を第1の物性素子として、さらに、前記撮像素子の光入射側に、入射した可視光の光量を低減して出射する第2の物性素子を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の車載用撮像システム。
  12. 前記カメラが撮像した画像を外部と通信する通信部を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の車載用撮像システム。
  13. 前記カメラが撮像した画像を記録する記録媒体を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の車載用撮像システム。
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