JP2016514214A - 流体システムにおける変性レシチン腐食抑制剤 - Google Patents

流体システムにおける変性レシチン腐食抑制剤 Download PDF

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Abstract

少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つの酸化エチレン/酸化プロピレン(EO/PO)アルコキシレートと、少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルと、少なくとも1つの変性レシチンとを含有する防食組成物を提供する。また、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つのソルベートと、少なくとも1つの変性レシチンとを含有する防食組成物も提供する。防食組成物を製造する方法も提供する。少なくとも1つの変性レシチンは、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール、少なくとも1つのEO/POアルコキシレート若しくは少なくとも1つのポリエチレングリコールエステル、又はそれらの任意の組合せと配合させることができる。防食組成物を、金属表面に、金属表面の腐食を抑制するのに有効な量で塗布することを含む、金属表面の腐食を抑制する方法を更に提供する。【選択図】図1

Description

本願は、2013年3月14日付けで出願された先の米国仮特許出願第61/783756号(その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなす)の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張するものである。
本発明は、1つ又は複数の腐食防止剤を用いた、金属表面の腐食の抑制に関する。
150年以上の間、腐食は、科学的研究の主題であり続けている。腐食は、その環境との反応に起因する、材料又はその特性の悪化に関する自然発生現象である。寿命の短縮に加えて、腐食はまた、侵食、目詰まり及び汚損によってシステムを更に劣化させるおそれのある酸化物を生成する。酸化物は、伝熱面上に堆積して、効率を低下させるとともに、エネルギーコストを上げるおそれがある。腐食の一般的な発生源としては、溶解酸素、細菌、電気分解(迷走電流)、金属差(誘電性)及びセル差(differential cells)が挙げられる。流れ(Flow)、温度及び圧力も腐食速度を増大し得る。製品及び製造プロセスがより複雑になると、腐食の結果としてコストがより増大してしまうため、腐食を制御及び予防することにより注意が払われる。
それ故、より良好な毒性プロファイルと併せて財務コスト及び環境コストを最低限に収めるより有効な腐食防止剤を特定することが引き続き求められている。
本発明の特徴は、金属表面の腐食を抑制することである。
本発明の別の特徴は、金属表面の腐食を予防又は最低限に抑えるように、低い毒性及び高い効能を有する腐食防止剤を使用する方法を提供することである。
多種多様な異なるシステム及び環境に据えられる金属表面の腐食を抑制する方法も、本発明の特徴である。
これらの及び他の利点を実現するために、また具現化されかつ本明細書中に広く記載される本発明の目的に従って、本発明は、防食組成物であって、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つの酸化エチレン/酸化プロピレン(EO/PO)アルコキシレートと、少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルと、少なくとも1つの変性レシチンとを含む、防食組成物を提供する。少なくとも1つの変性レシチンは、アセチル化レシチン、エトキシル化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、スルホン化レシチン、リン酸化レシチン、アルコキシル化レシチン、ハロゲン化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、化学変性レシチン若しくは酵素変性レシチン、又はそれらの任意の組合せであり得る又はそれらを含み得る。少なくとも1つの変性レシチンは、変性ホスファチジルコリン、変性ホスファチジルエタノールアミン、変性ホスファチジルセリン、変性ホスファチジルイノシトール若しくは変性ホスファチジン酸、又はそれらの任意の組合せであり得る又はそれらを含み得る。
本発明はまた、少なくとも1つの変性レシチンを、単独で、又は、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール、少なくとも1つのEO/POアルコキシレート、少なくとも1つのポリエチレングリコールエステル、若しくはそれらの任意の組合せと、約40℃〜約80℃の温度で約10分〜約60分又はそれ以上配合させることを含む、防食組成物を製造する(preparing)方法を提供する。
本発明は、金属表面の腐食を抑制する方法であって、少なくとも1つの変性レシチンを含む防食組成物を、該金属表面に、該金属表面の腐食を抑制するのに有効な量で塗布することを含み、該少なくとも1つの変性レシチンが、アセチル化レシチン、エトキシル化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、スルホン化レシチン、リン酸化レシチン、ハロゲン化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、物理変性レシチン、化学変性レシチン若しくは酵素変性レシチン、又はそれらの任意の組合せであるか又はそれらを含む、金属表面の腐食を抑制する方法を更に提供する。防食組成物は、少なくとも1つの脂肪酸エステル、グリコール、少なくとも1つのEO/POアルコキシレート若しくは少なくとも1つのポリエチレングリコールエステル、又はそれらの任意の組合せを更に含有し得る。塗布は、防食組成物の流展、コーティング、スポンジング、ワイピング、噴霧、ペインティング、シャワリング及びミスチングの1以上を含み得る。本方法は、金属表面を、防護が求められる少なくとも1つの腐食因子と接触させることを更に含むものであってもよい。
本発明は、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つのソルベートと、少なくとも1つの変性レシチンとを含有する、防食組成物を更に提供する。この組成物に含まれる、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール及び/又は少なくとも1つの変性レシチンは、第1の防食組成物について上記に示されるものと同じであっても同様のものであってもよい。この組成物は、上記に示されるものと同様の方法で金属表面の腐食を抑制するのに作製されまた使用され得る。
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の説明に一部記載されるとともに、一部は説明から明らかとなるか、又は本発明の実施によって理解することができる。本発明の目的及び他の利点は、特に本明細書の記載及び添付の特許請求の範囲において指摘される要素及び組合せによって実現され、得られると考えられる。
前述の概要及び後述の詳細な説明はともに、例示かつ説明のみを目的としたものであり、特許請求の範囲に記載される発明を更に説明を提供することを意図しているにすぎないことを理解されたい。
本出願に援用されるとともに本出願の一部をなす添付の図面は、本発明の特徴の幾つかを図示するものであり、本明細書と併せて、本発明の原理を説明するのに役立つ。
実施例2に記載されるような、本発明の実施例による防食組成物(製品B)を含有する溶液に浸漬させた金属クーポン、及び実質的に同様の組成物(製品C)により処理された別のクーポン、陽性対照として市販品(製品A)を含有する溶液中のクーポン、並びに、未処理溶液(ブランク)中のクーポンについての、1年間当たりのミル(千分の1インチ)侵食度(MPY)として表される、腐食環境に曝した後の金属クーポンの腐食に対する重量損失を示す棒グラフである。
本発明は、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つの酸化エチレン/酸化プロピレン(EO/PO)アルコキシレートと、少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルと、少なくとも1つの変性レシチンとを含むか、それらから本質的になるか、それらからなるか、又はそれらを包含する、防食組成物を提供する。防食組成物は、防食組成物の総重量ベースで、約5 wt%〜約20 wt%(例えば、5 wt%〜15 wt%、5 wt%〜10 wt%、7 wt%〜20 wt%)の少なくとも1つの脂肪酸エステル、約2 wt%〜約20 wt%(例えば、2 wt%〜15 wt%、2 wt%〜10 wt%、2 wt%〜5 wt%、5 wt%〜20 wt%、7 wt%〜20 wt%)の少なくとも1つのグリコール、約1 wt%〜約10 wt%(例えば、1 wt%〜7 wt%、1 wt%〜5 wt%、1 wt%〜3 wt%、2 wt%〜10 wt%、4 wt%〜10 wt%)の少なくとも1つのEO/POアルコキシレート、約10 wt%〜約50 wt%(例えば、10 wt%〜40 wt%、10 wt%〜30 wt%、10 wt%〜20 wt%、15 wt%〜50 wt%、20 wt%〜50 wt%、25 wt%〜50 wt%、30 wt%〜50 wt%)の少なくとも1つのポリエチレングリコールエステル、及び約20 wt%〜約80 wt%(例えば、20 wt%〜75 wt%、20 wt%〜70 wt%、20 wt%〜60 wt%、20 wt%〜50 wt%、20 wt%〜40 wt%、25 wt%〜80 wt%、30 wt%〜80 wt%、35 wt%〜80 wt%、40 wt%〜85 wt%、50 wt%〜80 wt%)の少なくとも1つの変性レシチンを含んでいてもよい。もしあれば、残りは、不活性な構成成分、水性溶剤若しくは非水性溶剤、又は本開示に記載される他の構成成分等とすることができる。2つ以上の成分によって各分量が構成されていてもよい。一例として、20 wt%〜80 wt%の変性レシチンは、2つ又は3つの異なる変性レシチンを任意の重量比で含むもの等とすることができる。
変性レシチンは、ヒドロキシル化、エトキシル化、アセチル化、ハロゲン化(例えば、塩素化、臭素化及び/又はヨウ素化)、スルホン化、リン酸化、アルコキシル化、加水分解、物理変性、化学変性、酵素変性されたもの、又はそれらの任意の組合せであってもよい。変性レシチンの一方又は両方の脂肪酸基が、除去、変更又は交換されていてもよく、例えば、変性レシチンがリゾレシチンであってもよい。したがって、変性レシチンは、モノグリセリド、ジグリセリド又はトリグリセリドとすることができる。脂肪酸の除去は、加水分解、例えば、酵素加水分解、又はけん化を介する塩基を用いた化学的加水分解を通じて達成することができる。レシチンのグリセロール骨格上に残るヒドロキシル基(複数の場合もある)は、例えば、エトキシル化、アセチル化、スルホン化、リン酸化若しくはアルコキシル化されたもの、又はそれらの任意の組合せであってもよい。脂肪酸は、エステル交換反応によって交換されていてもよい。付加的又は代替的に、当業者に既知の任意の他の変性も本発明の範囲内に含まれる。例えば、Szuhaj and List, eds., Lecithins, pp. 203-208, American Oil Chemists Society (1985)(その内容は全て引用することにより本明細書の一部をなすものとする)を参照されたい。レシチンは、化学的に、酵素により、遺伝子学的に変性されたもの、又はそれらの任意の組合せであってもよい。レシチンは、脱油、漂白、加水分解、分別、抽出、エステル交換されたもの、又はそれらの任意の組合せであってもよい。変性レシチンは、いずれの形態、例えば、固体(例えば、顆粒状又は粉末状)、液体、塑性、エマルション等、又はそれらの任意の組合せであってもよい。固体レシチン、及びその変性形態は、中性トリグリセリド油をレシチンから除去することによる脱油を介して生成することができる。油はアセトンを用いて抽出することができる(Szuhaj and List, eds., Lecithins, American Oil Chemists Society (1985))。変性レシチンは複合したものであってもよい。変性レシチンは、任意の所望の親水親油性バランス(HLB)値、例えば、約2.0より大きい、約4.0より大きい、約6.0より大きい、約8.0より大きい、約10.0より大きい、約12.0より大きい、約14.0より大きい、約16.0より大きい、又は約18.0より大きい値を有することができる。本発明の防食組成物は、エマルションとして提供される場合、水中油型エマルション又は油中水型エマルションとして提供することができる。
いずれの供給源によるレシチンも、変性レシチンを生成するのに使用することができる。レシチンは、植物及び動物の両方、並びに他の生物内に存在するリン脂質である。レシチンは、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、又はそれらの任意の組合せを含むものであってもよい。それらの化学種の相対的な量は、様々な値をとり、また多様なものとすることができる。天然に存在するレシチンは、リン酸のコリンエステルと結合する様々な脂肪酸、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸のジグリセリドの混合物である。使用され得るレシチンの例としては、大豆、ナタネ、落花生、ベニバナ、綿実、ヒマワリ又はトウモロコシ等の植物に由来するもの、及び、卵黄等の動物源に由来するものが挙げられる。合成レシチン、天然に存在するレシチン、又はそれらの組合せを使用することができる。市販の変性レシチンとしては、例えば、Solae LLC North America (St. Louis, MO)によるSolec HR-2B、Solec A、Solec E、Solec K-EML;Cargill, Inc. (Minneapolis, Minnesota)によるEmulfluid(商標)特別仕様(tailored)レシチン;Archer Daniels Midland Company (Decatur, Illinois)によるYelkin(商標)1018、Thermolec(商標)57、Thermolec(商標)200及びThermolec(商標)WFC;American Lecithin Company (Oxford, Connecticut)によるAlcolec(商標)Xtra-A、Alcolec(商標)S、Alcolec(商標)BS、Alcolec(商標)Granules、Alcolec(商標)F-100 Powder、Alcolec(商標)FF-100 Fine Powder、Alcolec(商標)Z-3及びAlcolec(商標)495;並びに、SanQun Industrial Co. Qingdao (Shandong, China)による変性レシチンが挙げられる。任意の変性レシチン又はその組合せ、例えば、B. Szuhaj, Lecithins, Chapter 13, in Bailey's Industrial Oil and Fat Products, 6th edition, F. Shahidi, editor (2005)(その内容は全て引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に記載されているものも使用することができる。
変性レシチンと未変性レシチンとの組合せも使用することができる。例えば、使用される変性レシチンと未変性レシチンとの重量比は、約0.0001:1000〜約1000:0.0001、約0.001:500〜約500:0.001、約0.01:100〜約100:0.01、約0.1:100〜約100:0.1、約1:100〜約100:1、約50:1〜約1:50、約10:1〜約1:10、約5:1〜約1:5、約2:1〜約1:2若しくは約1:1、又は任意の他の好適な又は有効な比率又はその間の比率範囲とすることができる。変性レシチンは、変性ホスファチジルコリン、変性ホスファチジルエタノールアミン、変性ホスファチジルセリン、変性ホスファチジルイノシトール若しくは変性ホスファチジン酸、又はそれらの任意の組合せであっても、それを含んでいてもよい。それらの化学種の相対的な量は、様々な値をとり、また多様なものとすることができる。
変性レシチンの脂肪酸部分(複数の場合もある)は、脂肪酸のタイプのいずれのタイプ又は組合せも含むことができる。例えば、脂肪酸はプロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、ヘプタコシル酸、モンタン酸、ノナコシル酸、メリシン酸、ヘナトリアコンチル酸(henatriacontylic acid)、ラッセル酸(lacceroic acid)、フィリン酸(psyllic acid)、ゲダ酸(geddic acid)、セロプラスチン酸(ceroplastic acid)、ヘキサトリアコンチル酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、ヘキサデカトリエン酸(HTA)、α-リノレン酸(ALA)、ステアリドン酸(SDA)、エイコサトリエン酸(ETE)、エイコサテトラエン酸(ETA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、クルパノドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、テトラコサペンタエン酸、テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)、リノール酸(LA)、γ-リノレン酸(GLA)、カレンジン酸(calendic acid)、エイコサジエン酸、ジホモ-γ-リノレン酸(DGLA)、アラキドン酸(AA)、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、テトラコサペンタエン酸、パルミトレイン酸、バクセン酸、パウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ゴンドイン酸、ミード酸、エルカ酸、ネルボン酸、アロイリット酸、カタルピン酸(catalpic acid)、共役脂肪酸、共役リノール酸、シクロプロペン酸、デカン酸、15,16-ジヒドロキシ-α-エレオステアリン酸、ダイマー酸、ドコサテトラエン酸、エイコサテトラエン酸、α-エレオステアリン酸、β-エレオステアリン酸、エルカ酸、2-エチルヘキサン酸、ガドレイン酸、ヘプタデカン酸、ヘプタン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヘキサトリアコンタン酸、12-ヒドロキシエイコサテトラエン酸、5-ヒドロキシエイコサテトラエン酸、ジャカル酸、レスクエロール酸(lesquerolic acid)、マルバル酸、ミード酸、トランス-3-メチル-2-ヘキセン酸、ミコール酸、ネオデカン酸、オクタデカトリエン酸、α-パリナリン酸、ペンタデカン酸、パーフルオロノナン酸、パーフルオロオクタン酸、リン脂質由来脂肪酸、ピノレン酸、プニカ酸、リシネライジン酸、リシノール酸、ルーメン酸、ステアリン酸、ステアリドン酸、タリリン酸、ツベルクロステアリン酸、ウンデシレン酸、若しくはベルノール酸(vernolic acid)、又は任意のそれらの組合せであってもよい。脂肪酸は、線形、環状、飽和、不飽和、共役、置換、同質(homogenous)、異質(heterogeneous)、又はそれらの任意の組合せであってもよい。
防食組成物は、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド又はそれらの任意の組合せを含む少なくとも1つの脂肪酸エステルを含んでいても、含有していてもよい。この脂肪酸エステルは、少なくとも1つの変性レシチンのものと異なり、また独立し得るものである。脂肪酸エステルは、ソルビタンと、ステアリン酸等の脂肪酸とのエステルとすることができる。脂肪酸エステルは、Polysorbate 20〜80の1つ又は複数、例えば、Polysorbate 20、Polysorbate 30、Polysorbate 40、Polysorbate 50、Polysorbate 60、Polysorbate 70若しくはPolysorbate 80、又は他のポリソルベート等のポリソルベートとすることができる。脂肪酸エステルの脂肪酸部分は、任意の長さを有するものであり、例えば、本明細書中に記載される、さもなければ既知の、合成若しくは自然界から単離され得る任意の脂肪酸とすることができる。脂肪酸は、線形、環状、飽和、不飽和、共役、置換、同質、異質、又はそれらの任意の組合せであってもよい。
防食組成物は、少なくとも1つのEO/POアルコキシレートを含んでいても、含有していてもよい。EO/POアルコキシレートは、約1000ダルトン〜約10000ダルトンの平均分子量を有していてもよい。任意の所望の酸化エチレン/酸化プロピレン(EO/PO)アルコキシレートを使用することができる。EO/POアルコキシレートは、酸化エチレン及び/又は酸化プロピレン単位を任意の好適な数含むことができる。例えば、アルコキシレートは、約2〜約2000、約10〜約1000、約25〜約750、約50〜約500、約75〜約400、約100〜約250、又は2000より多い酸化アルキレン基を有していてもよい。アルコキシレートのアルコール部分は、任意の好適な長さを有することができる。アルコール部分は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等、又はそれらの任意の組合せであってもよい。アルコールは、第一級アルコール、第二級アルコール、第三級アルコール、又はそれらの任意の組合せであってもよい。アルコールは、線形、環状、飽和、不飽和、共役、置換、同質、異質、又はそれらの任意の組合せであってもよい。アルコキシレートは、共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、統計共重合体、グラフト共重合体、又はそれらの任意の組合せであってもよい。アルコキシレートは、少なくとも1つの単独重合体、少なくとも1つの共重合体、又はそれらの任意の組合せを含んでいてもよい。EO/POアルコキシレートは入手可能なものであり、例えば、Dow Chemical CompanyによるTergitol XD、Harcros Chemicals Kansas City, KS Midland, Michigan、Perstorp Holding AB, Perstorp, Sweden、INEOS Group AG, Rolle, Switzerland及びStepan Chemical Company Northfield, ILによるT-Det XDがある。
防食組成物は、少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルを含んでいても、含有していてもよい。ポリエチレングリコールエステルは、約400ダルトン〜約10000ダルトンの平均分子量を有していてもよい。任意の好適なポリエチレングリコール(ポリオキシエチレングリコール;PEG)エステルを使用することができる。PEG部分は、任意の所望の分子量、例えば、少なくとも100ダルトン、少なくとも200ダルトン、少なくとも400ダルトン、少なくとも500ダルトン、少なくとも600ダルトン、少なくとも750ダルトン、少なくとも1000ダルトン、少なくとも2000ダルトン、少なくとも4000ダルトン、少なくとも5000ダルトン、少なくとも6000ダルトン、少なくとも7500ダルトン、少なくとも8000ダルトン、少なくとも10000ダルトン、少なくとも50000ダルトン若しくは任意のその間の分子量、又はそれらの任意の組合せを有し得る。PEGは、任意の所望の幾何学的形状、例えば、線形、分枝状、星型、櫛型、又はそれらの任意の組合せを有していてもよい。PEGエステルの酸部分は、任意の長さを有していてもよく、例えば、本明細書中に記載の任意の脂肪酸であってもよい。酸は、線形、環状、飽和、不飽和、共役、置換、同質、異質、又はそれらの任意の組合せ、さもなければ既知の合成され得る、又は自然界から単離され得るものとすることができる。PEGエステルは市販されており、例えば、Jiangsu Haian Petrochemical Plant (Jiangsu, China)及びSynasia Fine Chemicals Inc. (Metuchen, New Jersey)によるものがある。
防食組成物は少なくとも1つのグリコールを含んでいてもよい。グリコールは、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン及び/又はジプロピレングリコール、又はそれらの任意の組合せとすることができる。グリコールは、1つ又は複数のアルキレングリコールであってもよい。
本発明は更に、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つのソルベートと、少なくとも1つの変性レシチンとを含むか、それらから本質的になるか、それらからなるか、又はそれらを包含する防食組成物に関する。防食組成物は、防食組成物の総重量ベースで、約5 wt%〜約45 wt%(例えば、5 wt%〜40 wt%、5 wt%〜35 wt%、5 wt%〜30 wt%、7 wt%〜30 wt%、10 wt%〜25 wt%)の少なくとも1つの脂肪酸エステル、約2 wt%〜約30 wt%(例えば、2 wt%〜25 wt%、2 wt%〜23 wt%、2 wt%〜約20 wt%、3 wt%〜20 wt%、3 wt%〜15 wt%、5 wt%〜15 wt%、5 wt%〜25 wt%、7 wt%〜20 wt%)の少なくとも1つのグリコール、約0.005 wt%〜約5 wt%(例えば、0.01 wt%〜4.5 wt%、0.1 wt%〜4 wt%、0.2 wt%〜3.5 wt%、0.25 wt%〜3 wt%、0.3 wt%〜2.5 wt%、0.35 wt%〜2 wt%、0.4 wt%〜2 wt%、0.5 wt%〜1.5 wt%、0.6 wt%〜1 wt%)の少なくとも1つのソルベート、及び約20 wt%〜約80 wt%(例えば、20 wt%〜75 wt%、20 wt%〜70 wt%、20 wt%〜60 wt%、20 wt%〜50 wt%、20 wt%〜45 wt%、25 wt%〜80 wt%、30 wt%〜80 wt%、35 wt%〜80 wt%、40 wt%〜85 wt%、50 wt%〜80 wt%)の少なくとも1つの変性レシチンを含んでいてもよい。もしあれば、残りは、不活性な構成成分、水性溶剤若しくは非水性溶剤、又は本開示に記載される他の構成成分等とすることができる。2つ以上の成分によって各分量が構成されていてもよい。一例として、5 wt%〜45 wt%の少なくとも1つの脂肪酸エステルは、少なくとも1つのポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリソルベート)と、少なくとも1つの異なる脂肪酸エステル(例えば、個々に又はそれらの任意の混合物で、モノグリセリド、ジグリセリド及び/又はトリグリセリド)とを任意の重量比で含むものとすることができ、例えば、ポリソルベートと他の全ての脂肪酸エステルとの重量比は、重量:重量基準でそれぞれ約1/1〜約10/1(例えば、それぞれ3/1〜9/1、4/1〜8/1、又は5/1〜7/1、又は約6/1 wt:wt)とすることができる。別の例として、20 wt%〜80 wt%の変性レシチンは、2つ又は3つの異なる変性レシチンを任意の重量比で含むもの等とすることができる。
少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つのソルベートと、少なくとも1つの変性レシチンとを含有する、この付加的な防食組成物に関して、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール及び少なくとも1つの変性レシチンの成分の例及び詳細については、それらが重複する範囲において、前述の防食組成物に使用される成分と同じものとすることができる。既述のとおり、この組成物中の少なくとも1つの脂肪酸エステル成分は、2つ以上の異なる脂肪酸エステルの組合せ、例えば、少なくとも1つのポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリソルベート)と、モノグリセリド、ジグリセリド又はトリグリセリドの少なくとも1つ、又はそれらの任意の混合物との組合せであってもよい。ソルベートは、遊離型ソルビン酸(2,4-ヘキサジエン酸)の形態、その塩、又はそれらの任意の組合せであってもよい。ソルベート塩は、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウム若しくは他のソルベート塩、又はそれらの任意の組合せであってもよい。ソルベートは好ましくはソルベート防腐剤(preservative)である。ソルベート防腐剤は、抗菌剤、例えば、カビ、酵母及び/又は真菌の成長を抑制するのに有用な作用物質とすることができる。
本発明は、防食組成物を製造する方法を提供する。本方法は、少なくとも1つの変性レシチンを、単独で、又は防食組成物の1つ又は複数の他の構成成分と、約40℃〜約80℃の温度で約10分〜約60分(以上)配合させることを含んでいてもよい。説明のために既述の組成物の1つについて、少なくとも1つの変性レシチンを、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール、少なくとも1つのEO/POアルコキシレート及び/又は少なくとも1つのポリエチレングリコールエステル、及び/又はそれらの任意の組合せと配合させてもよい。変性レシチンは、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール、少なくとも1つのEO/POアルコキシレート、及び少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルと配合させてもよい。配合は、約10 rpm〜約1000 rpmの速度で実施することができる。本発明の防食組成物を形成する様々な構成成分は、撹拌、かき混ぜ(stirring)若しくは配合、又はそれらの任意の組合せ等の従来の混合技法を用いて混ぜ合わせることができる。ミキサー、ブレンダ―、パドル(paddle)、スターラー、密閉容器及び/又は開放容器等の機器を混合に使用することができる。同様の方法を使用して、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール及び少なくとも1つのソルベートと配合される、少なくとも1つの変性レシチンを含有する防食組成物を調製することもできる。
その使用に応じて、本発明による組成物は様々な形態で調製することができる。例えば、組成物を、溶液、分散液、エマルション、懸濁液又はペーストとして;無溶剤型の分散液、懸濁液又はペーストとして;又は、少なくとも1つの変性レシチン及び防食組成物の他の成分を溶剤又は溶剤の組合せに溶解させることによる溶液として、液体形態で調製してもよい。好適な溶剤としては、アセトン、グリコール、アルコール、エーテル、水、又は他の水分散性溶剤が挙げられるが、これらに限定されない。組成物は、その用途の前に希釈するような液体濃縮物として調製してもよい。一般的な添加剤、例えば、界面活性剤、乳化剤、分散剤等を、当該技術分野において知られているように使用して、水性組成物若しくは非水性組成物又はそれらの系等の液体組成物又は液系中の、少なくとも1つの変性レシチン、及び防食組成物の他の成分の溶解度を上げてもよい。
本発明の組成物は混合物又は配合物とみなすことができる。組成物は、水に溶解するような高度に分散性のものとすることができる。例えば、20℃における組成物の溶解度は、水中において組成物の約1 wt%〜約25 wt%(組成物の総重量に対して)、又は約1 g/100 g水〜約27 g/100 g水以上、又は約2 g/100 g水〜約25 g/100 g水、又は約5 g/100 g水〜約22 g/100 g水、又は約10 g/100 g水〜約20 g/100 g水、又は少なくとも5 g/100 g水、又は少なくとも10 g/100 g水、又は少なくとも15 g/100 g水、又は少なくとも20 g/100 g水とすることができ、「g」は本発明の組成物のグラムを指すものである。
本発明の組成物は固体形態で調製してもよい。例えば、少なくとも1つの変性レシチン、及び防食組成物の他の成分を、当該技術分野で既知の手段を用いて、粉末又は錠剤として調合してもよい。錠剤は、打錠分野において既知の多種多様な賦形剤を含有し得る。当該技術分野で既知の他の成分、例えば、フィラー、結合剤、流動化助剤(glidants)、潤滑剤又は接着防止剤(antiadherents)を含んでいてもよい。これらの成分を含めると、錠剤の特性及び/又は打錠プロセスを改善することができる。
少なくとも1つの変性レシチンを含む防食組成物は、水等の流体溶媒中で成分を順次又は同時に化合させることによって調合することができる。成分の添加の順序は限定されるものではない。得られる組合せのpHは概して、例えば、約2〜約14のpH、又は約4〜約12のpH、又は約7〜約11のpH、又は約9〜約10の既定のレベルに制御することができる。これらのpH範囲は、水性溶液又は非水性溶液中の防食組成物に適用することができる。組成物のpHの調節は、例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化アンモニウム(水性アンモニア)の添加を通じて達成することができる。
防食組成物は、後に希釈するマスターバッチとして調製してもよく、又は組成物の調製と同時に所望の濃度を得ることもできる。防食組成物は、その場で又は別の場所で調製されるものであってもよく、又は、組成物の一部又は成分が、組成物の最終生成前に別の場所で又はその場で調製又は予備混合されるものであってもよい。防食組成物は、金属表面、若しくは少なくとも1つの金属表面を備えるシステムに塗布する直前に生成されるものであってもよく、又は、組成物を、予め、例えば、使用前、使用の数分前、使用の数時間前、若しくは使用の数日若しくは数週間若しくは数ヶ月前、例えば使用の約2週間〜3週間以内に、調製しておいてもよい。防食組成物を予備混合物として導入する場合、予備混合物は、塗布の約1.0秒〜約100秒前、又は使用の約1.0時間〜約5時間前、約1.0時間〜約10時間前、約1.0時間〜約24時間前、使用の約1.0日〜約7.0日前、約1.0日〜約30日前、約1.0日〜約60日前、又は約1日〜約180日前に作っておいてもよい。
本発明は、金属表面の腐食を抑制する方法であって、少なくとも1つの変性レシチンを含有する防食組成物を、金属表面に、金属表面の腐食を抑制するのに有効な量で塗布することを含み、少なくとも1つの変性レシチンが、アセチル化レシチン、エトキシル化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、スルホン化レシチン、リン酸化レシチン、ハロゲン化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、アルコキシル化レシチン、化学変性レシチン若しくは酵素変性レシチン、又はそれらの任意の組合せであるか又はそれらを含む、金属表面の腐食を抑制する方法を提供する。本方法は、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール、少なくとも1つのEO/POアルコキシレート、及び/又は少なくとも1つのポリエチレングリコールエステル、又はそれらの任意の組合せを更に含有する防食組成物を使用するものであってもよい。本方法は、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つのソルベートとを更に含有する防食組成物を使用するものであってもよい。
防食組成物は単独で金属表面に塗布してもよく、又は、1つ若しくは複数の付加的な成分、例えば、付加的な腐食防止剤及び/又は殺生物剤を任意に含有し得る流体の一部として塗布してもよい。1つ又は複数の付加的な腐食防止剤と組み合わせた場合、得られる腐食の抑制は、劣加法的(sub-additive)、加法的(additive)又は優加法的(super-additive)(相乗的)となり得る。流体としては、液体、蒸気(ガス)、又はそれらの組合せが挙げられ得る。流体としては、少なくとも1つのH2O、NH3及びはアルコールが挙げられ得る。流体は、水性、非水性、又は両方であってもよい。流体は、少なくとも1つの変性レシチン及び防食組成物の他の成分に加えて、酸又は塩基を含み得る。流体は、少なくとも1つの塩の塩溶液を含み得る。
少なくとも1つの変性レシチン、及び防食組成物の他の成分を、任意の適切な技法を用いて、金属表面に直接又は間接的に塗布してもよい。例えば、金属表面への、少なくとも1つの変性レシチン、及び防食組成物の他の成分の流展、コーティング、スポンジング、ワイピング、噴霧、ペインティング、シャワリング及びミスチングの1つ又は複数を使用することができる。塗布には、少なくとも1つの変性レシチン、及び防食組成物の他の成分を含有する流体を、金属表面にわたって流展させることが含まれ得る。該方法は、金属表面上に、少なくとも1つの変性レシチン、及び防食組成物の他の成分を含む保護膜を形成することを含み得る。
流体は、冷却しても若しくは加熱してもよく、又は周囲温度で提供することもできる。例えば、流体、又はその成分は、約-200℃超、約-150℃超、約-100℃超、約-50℃超、約-25℃超、0.0℃未満、約0.0℃超、約5.0℃超、約10℃超、約25℃超、約40℃超、約50℃超、約60℃超、約75℃超、約90℃超、約99℃超、約100℃、約100℃超、約150℃超、約200℃超、又は約250℃超であってもよい。流体のpHは、中性、又は約1.0〜約14、約2.0〜約12、約4.0〜約10若しくは約6.0〜約8.0とすることができる。
少なくとも1つの変性レシチン及び防食組成物の他の成分の濃度は処理される特定の金属表面(複数の場合もある)及びそれを使用するシステムのパラメータに応じて調節することができる。流体システム中の少なくとも1つの変性レシチン、及び防食組成物の他の成分の濃度は、0.001 ppm未満、0.001 ppm超、約0.001 ppm〜約10000 ppm、約0.01 ppm〜約1000 ppm、約0.1 ppm〜約100 ppm、又は約1.0 ppm〜約50 ppm、又は約0.5 ppm〜約40 ppm、又は約1 ppm〜約30 ppm、又は約1 ppm〜約20 ppm、又は約1 ppm〜約15 ppm、又は約1 ppm〜約10 ppm、又は約0.5 ppm〜約5 ppmであってもよい。少なくとも1つの変性レシチン及び防食組成物の他の成分は、保存液の総重量ベースで、約0.01 wt%〜約100 wt%、約0.1 wt%〜約95 wt%、約1.0 wt%〜約80 wt%、約5.0 wt%〜約75 wt%、約10 wt%〜約60 wt%、約15 wt%〜約50 wt%、約25 wt%〜約40 wt%の少なくとも1つの変性レシチン、及びその防食組成物の他の成分の保存液として調製することができる。少なくとも1つの変性レシチン及び防食組成物の他の成分は、本発明の方法において固体、液体及び/又は気体の配合物として使用することができる。本発明による方法は、全水処理方式の一部とすることができる。少なくとも1つの変性レシチン及び防食組成物の他の成分は殺生物剤(例えば、殺藻剤、殺真菌剤、殺細菌剤、軟体動物駆除剤、酸化剤等)、しみ抜き剤、清澄剤、凝集剤、凝固剤、又は水処理において一般に使用される他の化学薬品等の他の水処理用化学薬品とともに使用することができる
防食組成物の各成分を、金属表面に、又はそれに加えて金属表面に塗布する流体に、例えば、事前に作製したか又は事前に形成した安定化剤組成物の形態で適用するか、又は、成分を時間内(例えば、1.0秒〜10分以内)に(任意の順序で)順次添加して、成分を金属表面と相互作用させてもよい。防食組成物の個々の成分は、予備混合物として事前に化合させた後に、金属表面へと防食組成物として合わせて添加してもよい。個々の成分を、添加パイプライン、又は得られる共混合物(co-mixture)を導入口へと供給する他の供給経路内で共混合(co-mixed)させてもよい。個々の成分は、同じプロセス処理装置上の異なる導入口から水性溶液に別々に又は同時に添加してもよい。個々の成分は、1つ又は複数の金属表面を備えるシステムにおける同じ又は異なる導入口又は位置から、順次、すなわち別々の時間に別々に導入してもよい。逐次的な添加では、少なくとも1つの変性レシチンを含む個々の成分を、金属表面と接触する全成分と時間を合せて、短時間のうちに、例えば、互いに約5分以内、又は互いに約4分以内、又は互いに約2分以内、又は互いに約1分以内、又は互いに約30秒以内、又はより短い時間で別々に添加してもよい。
いずれの金属表面の腐食も、本発明の方法を用いて抑制することができる。いずれの金属、金属の組合せ、又は合金も保護することができる。金属表面の例としては、工業用金属又は合金又は金属コート品が挙げられる。金属表面の例としては、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、白金、金、水銀、ニオブ、イリジウム、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、アルミニウム、インジウム、ゲルマニウム、ガリウム、アンチモン、錫、鉛、ビスマス、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、及びイッテルビウムの1つ又は複数を含有する金属表面が挙げられる。合金は、青銅、クロム、ステンレス鋼、鋼等であってもよい。金属表面は、第一鉄表面又は非鉄表面であってもよい。金属表面は、連続的又は非連続的なものであってもよい。金属表面は、任意の形状、寸法、又は表面の質感を有していてもよい。金属を、1つ又は複数の非金属媒体、例えば、プラスチック、ゴム、ガラス、セラミック、コンポジット等に包埋させることもできる。金属は電気めっきされていてもよい。金属は亜鉛めっきされていてもよい。定電流又は可変電流及び/又は磁界を、金属表面に印加してもよい。金属表面を加熱又は冷却してもよい。
本発明の方法は、金属表面を、防護が求められる少なくとも1つの腐食因子と接触させることを更に含むことができる。少なくとも1つの変性レシチン、及び防食組成物の任意の他の成分の塗布は、金属表面と少なくとも1つの腐食因子との接触前、その間及び/又はその後に実施することができる。金属表面は、閉じた流体システム若しくは開いた流体システムの一部、又は両方であってもよい。処理され得るシステムの例としては、冷却システム、加熱システム、冷却塔、ボイラー、ラジエータ、蒸気配管、送油装置及び送油管、油製造装置及び油製造管、製紙装置及びパルプマシン、配管、自動車、列車、航空機、宇宙機、飛行場、港、船、橋、トンネル、道路、線路、建物、工場、電子機器、ケーブル、及び金物が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中に記載の防食組成物はまた、トウモロコシ油添加剤、ボイラー水処理助剤、冷却塔用添加剤、製紙装置用消泡剤、ニッケル消泡剤、金属浮選助剤、伝熱システム用添加剤、飲料システム用添加剤、メカニカルクーラントシステム(mechanical coolant system)用添加剤、ラジエータ用添加剤、クレーピング剥離助剤(creping release additive)、リパルプ用添加剤、コーティング消泡剤、金属加工油剤、及び酵素固定化剤(enzyme fixation agent)としても使用することができる。
本発明は、少なくとも1つの変性レシチンを含有する防食組成物を、金属表面に、金属表面の腐食を抑制するのに有効な量で塗布することを含む、金属表面の腐食を抑制する方法を提供する。要因及び/又は効果で特徴づけられるように、いずれのタイプの腐食も抑制することができる。例えば、腐食は、表面の端から端まで均等に広がる一様な腐食、不均一でありかつより小さい深い領域(孔)を有する孔食、細長い結晶粒(grains)の層に沿って進行する剥離腐食、及び/又は、結晶粒界に沿って成長する粒界腐食を含み得る。
腐食を抑制するのに有効な量とは、腐食抑制剤(anti-corrosion inhibitor)の存在下における金属表面の化学変化を、その非存在下よりも低度とする量である。腐食の抑制は、部分的な抑制又は完全な抑制であってもよい。化学変化は、例えば、金属表面の重量変化を測定することによって、及び/又は、金属表面を流れる流体中の、金属表面に由来する金属、そのイオン又はその塩の濃度を測定することによって測定することができる。例えば、腐食環境に曝した後の腐食クーポンの重量損失は、1年間当たりのミル(千分の1インチ)侵食度(MPY)として表すことができる。腐食速度は、クーポンの全表面にわたる一様な腐食を想定して算出することができる。MPYは、グラム単位の重量損失に22300を乗じた後、クーポンの面積(sq. in.)、クーポンの金属密度(g/cm3)及び腐食環境における曝露時間(日)の積で除算することによって算出することができる。1 MPYは0.0254 mm/yに等しく、これは25.4 μm/yに等しい。これに応じて、金属の減損による腐食速度は、W(ミリグラム単位の重量損失)、D(g/cm3単位の金属密度)、A(cm2単位のサンプルの面積)及びT(時間単位の金属サンプルの曝露時間)を用いて、mm/y=87.6×(W/DAT)として算出することができる。
金属の腐食は、金属と電解液との界面における電気化学反応を介して起こるものであってもよい。金属表面上の水分の薄膜が、大気腐食にかかる電解質となる。腐食は通常、相対する電気化学反応である、アノード反応(金属の酸化)とカソード反応(溶液種の還元)との平衡によって求められる速度で起こる。これらの2つの反応が平衡状態にある場合には、各反応による電子の流れが均衡を保つため、電気の正味の流れは発生しない。これらの2つの反応は、1つの金属上、又は電気的に連絡する2つ以上の異なる金属上で生じ得る。腐食電流を使用して、化学種Sを伴う電解溶解反応を想定することにより、S→Sn++ne-の反応によって腐食速度をとることができる。電流の流れは、ファラデーの法則:Q = nFM(式中、Qは、化学種Sの反応により生じるクーロン単位の電気量であり、nは、S 1分子又は1原子当たりに移行する電子の数であり、Fはファラデー定数(96486.7クーロン/モル)であり、Mは、反応する化学種Sのモル数である)による質量と関連づけられ得る。この関係は、等価重量(EW)である、1ファラデーの電気量と反応する化学種Sの質量を用いて利用することもできる。原子種では、EW = AW/n(式中、AWは化学種の原子量である)となる。M = W/AWをQ = nFM式に代入すると、W(反応した化学種Sの質量)= (EW×Q)/Fが得られる。金属表面全体にわたる一様な腐食は、1年間当たりの長さ単位の腐食速度の算出を可能とする。合金を一様に溶解させるために、当量は、合金成分の当量の加重平均とする。質量分率とは対照的に、モル分率を重み係数(weighting factor)として使用することができる。溶解が一様でなければ、腐食生成物を使用してEWを算出することができる。
重量損失は、サンプルの密度(d)及びサンプル面積(A)を知った上で腐食速度(CR)に変換することができる。電気量は、Q = I×T(式中、Tは秒単位の時間であり、Iは電流である)である。腐食速度は、(Ic×K×EW)/dA(式中、Icはamp単位の腐食電流であり、Kは定数(MMPYについては3272 mm/(amp・cm・year)、又はMPYについては1.288×105ミリインチ/(amp・cm・year)であり、EWはグラム単位の等価重量であり、dはグラム/cm3の密度であり、Aはcm2単位のサンプルの面積である)と等しくなる。ASTM規格G 102(腐食速度の算出のための標準実験及び電気化学的測定結果による関連情報(Standard Practice for Calculation of Corrosion Rates and Related Information from Electrochemical Measurements))を使用することができる。導電率曲線及びインピーダンス平面をモニタリングするとともに、単層腐食の検出、二層腐食の検出、制限的侵食法、二周波法(dual frequency method)、及び/又は可変周波数法等の1つ又は複数の技法を使用することによって、腐食を測定するのに渦電流測定器及びプローブを使用することができる。
以下の実施例は例示を意図するものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1
本実施例は、未変性レシチンに対する変性レシチンの比較試験を含むものである。400 mlの試験容積を使用した。使用した溶液は脱イオン水をベースとするものとした。溶液の温度はpH 8で70℃とした。製剤(formulas)は75 ppmで投与した。軟鋼クーポンを溶液に浸漬させた。ブランク/対照には、溶液に抑制剤を投与していない。試験セットは7日間強実行した。Buckman Laboratories, Inc., Memphis, Tennesseeから入手可能なBulab(商標)3886を、ノンアミン成膜剤の陽性対照として使用した。各試験で使用した組成(formulation)は次のとおりである{製剤(formulation)の重量に対してwt%を使用}:
PEG 400 25 wt%
SPAN 60(モノステアリン酸ソルビタン) 10 wt%
Tergitol XD 5 wt%
プロピレングリコール 6 wt%
レシチン(未変性又は変性)又はBulab 3886 54 wt%。
ブランク/対照については、100 wt%のDI水を使用した。上記の組成の「レシチン」には、アセチル化レシチン、酵素変性レシチン及び未変性レシチンをそれぞれ含有する製剤を採用した。MPYスコアが低いほど、腐食があまり示されなくなるため、腐食がより良好に防止されていると言える。結果は次のとおりである(MPY):ブランク/対照(4.95)、Bulab(商標)3886(0.23)、アセチル化レシチン(0.16)、酵素変性レシチン(0.16)、及び未変性レシチン(3.49)。製剤によっては、これらの試験をpH約6及びpH約7で繰り返し、より低いpHでは全ての製剤について腐食が増大したが、本発明の製剤は依然として、少なくとも15%〜20%未満のMPYの程度といった、ブランク/対照と比較して腐食を抑制するのにより有効であった。これらの結果から、変性レシチン製剤が、既存の防食組成物と比較して、また未変性レシチンと比較して優れた防食結果を提供し得ることが立証される。本発明の変性レシチンが、未変性レシチンと比較して、腐食を抑制するのに著しく有効であったことは、特に予想外の驚くべきものであった。
実施例2
本実施例は、市販品及びブランク/対照に対する、変性レシチンと、脂肪酸エステルと、グリコールと、ソルベートとを含む防食組成物の比較試験を含むものである。これらの試験で使用した試験プロトコル、条件及び軟鋼クーポンは、実施例1に記載したものと同様のものとした。これらの試験はpH 6の溶液で実行した。実施例1と同様に、ブランク/対照には、溶液(ブランク)に抑制剤を投与しなかった。Bulab(商標)3886を再度、陽性対照として使用した(製品A)。以下の表1に示される組成を有する製剤を使用した(製品B)。製品B中の成分は全て、FDAに関連して(for FDA contact)承認されるものである。製品Bと類似の製剤として、製品C製剤も調製及び試験した。
a:TWEEN 60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート)。
b:SolaeによるレシチンSolec HR2B。
c:Lambent TechnologiesによるLumulse GMO-K(モノオレイン酸エステルとジオレイン酸エステルとの混合物としてのオレイン酸グリセリル)。
試験の結果を図に示す。結果の棒グラフから、腐食の重量損失が、市販品及びブランク/対照に関するものよりも製品B及び製品C(ともに本発明)について予想外かつ驚くべきことに少ないことが示される。これらの結果から、本発明の防食組成物が優れた防食結果を提供し得ることが実証される。
本発明は、任意の順序及び/又は任意の組合せでの以下の態様/実施形態/特徴を包含する。
1. 防食組成物であって、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つの酸化エチレン/酸化プロピレン(EO/PO)アルコキシレートと、少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルと、少なくとも1つの変性レシチンとを含む、防食組成物。
2. 防食組成物の総重量に対して、約5 wt%〜約20 wt%の少なくとも1つの脂肪酸エステルと、約2 wt%〜約20 wt%の少なくとも1つのグリコールと、約1 wt%〜約10 wt%の少なくとも1つのEO/POアルコキシレートと、約10 wt%〜約50 wt%の少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルと、約20 wt%〜約80 wt%の少なくとも1つの変性レシチンとを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の防食組成物。
3. 少なくとも1つの変性レシチンが、アセチル化レシチン、エトキシル化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、スルホン化レシチン、リン酸化レシチン、ハロゲン化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、アルコキシル化レシチン、化学変性レシチン若しくは酵素変性レシチン、又はそれらの任意の組合せを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の防食組成物。
4. 少なくとも1つの変性レシチンが、変性ホスファチジルコリン、変性ホスファチジルエタノールアミン、変性ホスファチジルセリン、変性ホスファチジルイノシトール若しくは変性ホスファチジン酸、又はそれらの任意の組合せを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の防食組成物。
5. 少なくとも1つの脂肪酸エステルが、モノグリセリド、ジグリセリド若しくはトリグリセリド、又はそれらの任意の組合せを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の防食組成物。
6. 少なくとも1つのEO/POアルコキシレートが、約1000ダルトン〜約10000ダルトンの平均分子量を有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の防食組成物。
7. 少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルが、約400ダルトン〜約10000ダルトンの平均分子量を有する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の防食組成物。
8. 防食組成物であって、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つのソルベートと、少なくとも1つの変性レシチンとを含む、防食組成物。
9. 防食組成物の総重量に対して、約5 wt%〜約45 wt%の少なくとも1つの脂肪酸エステルと、約2 wt%〜約30 wt%の少なくとも1つのグリコールと、約0.005 wt%〜約5 wt%の少なくとも1つのソルベートと、約20 wt%〜約80 wt%の少なくとも1つの変性レシチンとを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の防食組成物。
10. 少なくとも1つの変性レシチンが、アセチル化レシチン、エトキシル化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、スルホン化レシチン、リン酸化レシチン、ハロゲン化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、アルコキシル化レシチン、化学変性レシチン若しくは酵素変性レシチン、又はそれらの任意の組合せを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の防食組成物。
11. 少なくとも1つの変性レシチンが、変性ホスファチジルコリン、変性ホスファチジルエタノールアミン、変性ホスファチジルセリン、変性ホスファチジルイノシトール若しくは変性ホスファチジン酸、又はそれらの任意の組合せを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の防食組成物。
12. 少なくとも1つの脂肪酸エステルが、ポリソルベートと、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、又はそれらの任意の組合せの少なくとも1つとを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の防食組成物。
13. 防食組成物を製造する方法であって、少なくとも1つの変性レシチンを、約40℃〜約80℃の温度で約10分〜約60分間配合させることを含む、防食組成物を製造する方法。
14. 少なくとも1つの変性レシチンを、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール、少なくとも1つのEO/POアルコキシレート若しくは少なくとも1つのポリエチレングリコールエステル、又はそれらの任意の組合せと配合させる、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
15. 少なくとも1つの変性レシチンを、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール、少なくとも1つのEO/POアルコキシレート及び少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルと配合させる、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
16. 少なくとも1つの変性レシチンを、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール及び少なくとも1つのソルベートと配合させる、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
17. 配合を、約10 rpm〜約1000 rpmの速度で実施する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
18. 金属表面の腐食を抑制する方法であって、少なくとも1つの変性レシチンを含む防食組成物を、該金属表面に、該金属表面の腐食を抑制するのに有効な量で塗布することを含み、該少なくとも1つの変性レシチンが、アセチル化レシチン、エトキシル化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、スルホン化レシチン、リン酸化レシチン、ハロゲン化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、アルコキシル化レシチン、化学変性レシチン若しくは酵素変性レシチン、又はそれらの任意の組合せを含む、金属表面の腐食を抑制する方法。
19. 防食組成物が、少なくとも1つの脂肪酸エステル、グリコール、少なくとも1つのEO/POアルコキシレート若しくは少なくとも1つのポリエチレングリコールエステル、又はそれらの任意の組合せを更に含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
20. 防食組成物が、少なくとも1つの変性レシチンと、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つのEO/POアルコキシレートと、少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルとを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
21. 防食組成物が、少なくとも1つの変性レシチンと、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つのソルベートとを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
22. 金属表面上に防食組成物の膜を形成することを更に含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
23. 組成物を流体に添加することを更に含み、塗布が、該流体を金属表面に施すことを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
24. 流体が液体及び蒸気の少なくとも1つを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
25. 流体が、H2O、NH3及びアルコールの少なくとも1つを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
26. 流体が酸又は塩基を含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
27. 流体が塩溶液を含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
28. 塗布が、防食組成物の流展、コーティング、スポンジング、ワイピング、噴霧、ペインティング、シャワリング若しくはミスチング、又はそれらの組合せを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
29. 金属表面を少なくとも1つの腐食因子と接触させることを更に含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
30. 塗布を、接触前、その間及び/又はその後に実施する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
31. 金属表面が、閉じた流体システムの一部である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様の方法。
32. 少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つの酸化エチレン/酸化プロピレン(EO/PO)アルコキシレートと、少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルと、少なくとも1つの変性レシチンとを含む、組成物であって、トウモロコシ油添加剤、ボイラー水処理助剤、冷却塔用添加剤、製紙装置用消泡剤、ニッケル消泡剤、金属浮選助剤、伝熱システム用添加剤、飲料システム用添加剤、メカニカルクーラントシステム用添加剤、ラジエータ用添加剤、クレーピング剥離助剤、リパルプ用添加剤、コーティング消泡剤、金属加工油剤又は酵素固定化剤として利用される、組成物。
本発明は、文及び/又は段落に記載のような上記及び/又は下記のこれらの様々な態様、特徴又は実施形態の任意の組合せを包含し得る。本明細書に開示される特徴の任意の組合せは本発明の一部とみなされ、組合せ特徴に関しては限定されないことが意図される。
出願人らはこの開示における全ての引用文献の内容全体を具体的に援用している。さらに、量、濃度又は他の値若しくはパラメータが範囲、好ましい範囲、又は好ましい上限値と好ましい下限値とのリストのいずれかとして与えられる場合、これは範囲が別々に開示されているかに関わらず、任意の範囲上限又は好ましい値と、任意の範囲下限又は好ましい値との任意の組合せからなるあらゆる範囲を具体的に開示するものと理解されるものとする。数値の範囲が本明細書で言及されている場合、特に指定のない限り、範囲はその端点、並びに範囲内の全ての整数及び端数を含むことが意図される。本発明の範囲は、範囲を規定する場合に言及された特定の値に限定することは意図されない。
本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく本発明の実施形態に様々な修正及び変更を行うことができることは当業者にとって明らかであろう。このため本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等範囲内にあれば、本発明の他の修正形態及び変更形態を包含するものであることが意図される。

Claims (32)

  1. 防食組成物であって、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つの酸化エチレン/酸化プロピレン(EO/PO)アルコキシレートと、少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルと、少なくとも1つの変性レシチンとを含む、防食組成物。
  2. 前記防食組成物の総重量に対して、約5 wt%〜約20 wt%の前記少なくとも1つの脂肪酸エステルと、約2 wt%〜約20 wt%の前記少なくとも1つのグリコールと、約1 wt%〜約10 wt%の前記少なくとも1つのEO/POアルコキシレートと、約10 wt%〜約50 wt%の前記少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルと、約20 wt%〜約80 wt%の前記少なくとも1つの変性レシチンとを含む、請求項1に記載の防食組成物。
  3. 前記少なくとも1つの変性レシチンが、アセチル化レシチン、エトキシル化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、スルホン化レシチン、リン酸化レシチン、ハロゲン化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、アルコキシル化レシチン、化学変性レシチン若しくは酵素変性レシチン、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の防食組成物。
  4. 前記少なくとも1つの変性レシチンが、変性ホスファチジルコリン、変性ホスファチジルエタノールアミン、変性ホスファチジルセリン、変性ホスファチジルイノシトール若しくは変性ホスファチジン酸、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の防食組成物。
  5. 前記少なくとも1つの脂肪酸エステルが、モノグリセリド、ジグリセリド若しくはトリグリセリド、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の防食組成物。
  6. 前記少なくとも1つのEO/POアルコキシレートが、約1000ダルトン〜約10000ダルトンの平均分子量を有する、請求項1に記載の防食組成物。
  7. 前記少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルが、約400ダルトン〜約10000ダルトンの平均分子量を有する、請求項1に記載の防食組成物。
  8. 防食組成物であって、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つのソルベートと、少なくとも1つの変性レシチンとを含む、防食組成物。
  9. 前記防食組成物の総重量に対して、約5 wt%〜約45 wt%の前記少なくとも1つの脂肪酸エステルと、約2 wt%〜約30 wt%の前記少なくとも1つのグリコールと、約0.005 wt%〜約5 wt%の前記少なくとも1つのソルベートと、約20 wt%〜約80 wt%の前記少なくとも1つの変性レシチンとを含む、請求項8に記載の防食組成物。
  10. 前記少なくとも1つの変性レシチンが、アセチル化レシチン、エトキシル化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、スルホン化レシチン、リン酸化レシチン、ハロゲン化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、アルコキシル化レシチン、化学変性レシチン若しくは酵素変性レシチン、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項8に記載の防食組成物。
  11. 前記少なくとも1つの変性レシチンが、変性ホスファチジルコリン、変性ホスファチジルエタノールアミン、変性ホスファチジルセリン、変性ホスファチジルイノシトール若しくは変性ホスファチジン酸、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項8に記載の防食組成物。
  12. 前記少なくとも1つの脂肪酸エステルが、ポリソルベートと、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、又はそれらの任意の組合せの少なくとも1つとを含む、請求項8に記載の防食組成物。
  13. 防食組成物を製造する方法であって、少なくとも1つの変性レシチンを、約40℃〜約80℃の温度で約10分〜約60分間配合させることを含む、防食組成物を製造する方法。
  14. 前記少なくとも1つの変性レシチンを、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール、少なくとも1つのEO/POアルコキシレート若しくは少なくとも1つのポリエチレングリコールエステル、又はそれらの任意の組合せと配合させる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1つの変性レシチンを、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール、少なくとも1つのEO/POアルコキシレート及び少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルと配合させる、請求項13に記載の方法。
  16. 前記少なくとも1つの変性レシチンを、少なくとも1つの脂肪酸エステル、少なくとも1つのグリコール及び少なくとも1つのソルベートと配合させる、請求項13に記載の方法。
  17. 前記配合を、約10 rpm〜約1000 rpmの速度で実施する、請求項13に記載の方法。
  18. 金属表面の腐食を抑制する方法であって、少なくとも1つの変性レシチンを含む防食組成物を、該金属表面に、該金属表面の腐食を抑制するのに有効な量で塗布することを含み、該少なくとも1つの変性レシチンが、アセチル化レシチン、エトキシル化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、スルホン化レシチン、リン酸化レシチン、ハロゲン化レシチン、ヒドロキシル化レシチン、アルコキシル化レシチン、化学変性レシチン若しくは酵素変性レシチン、又はそれらの任意の組合せを含む、金属表面の腐食を抑制する方法。
  19. 前記防食組成物が、少なくとも1つの脂肪酸エステル、グリコール、少なくとも1つのEO/POアルコキシレート若しくは少なくとも1つのポリエチレングリコールエステル、又はそれらの任意の組合せを更に含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記防食組成物が、少なくとも1つの変性レシチンと、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つのEO/POアルコキシレートと、少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルとを含む、請求項18に記載の方法。
  21. 前記防食組成物が、少なくとも1つの変性レシチンと、少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つのソルベートとを含む、請求項18に記載の方法。
  22. 前記金属表面上に前記防食組成物の膜を形成することを更に含む、請求項18に記載の方法。
  23. 前記組成物を流体に添加することを更に含み、ここで前記塗布が、該流体を前記金属表面に施すことを含む、請求項18に記載の方法。
  24. 前記流体が液体及び蒸気の少なくとも1つを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記流体が、H2O、NH3及びアルコールの少なくとも1つを含む、請求項23に記載の方法。
  26. 前記流体が酸又は塩基を含む、請求項23に記載の方法。
  27. 前記流体が塩溶液を含む、請求項23に記載の方法。
  28. 前記塗布が、前記防食組成物の流展、コーティング、スポンジング、ワイピング、噴霧、ペインティング、シャワリング若しくはミスチング、又はそれらの組合せを含む、請求項18に記載の方法。
  29. 前記金属表面を少なくとも1つの腐食因子と接触させることを更に含む、請求項18に記載の方法。
  30. 前記塗布を、前記接触前、その間及び/又はその後に実施する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記金属表面が、閉じた流体システムの一部である、請求項18に記載の方法。
  32. 少なくとも1つの脂肪酸エステルと、少なくとも1つのグリコールと、少なくとも1つの酸化エチレン/酸化プロピレン(EO/PO)アルコキシレートと、少なくとも1つのポリエチレングリコールエステルと、少なくとも1つの変性レシチンとを含む、組成物であって、トウモロコシ油添加剤、ボイラー水処理助剤、冷却塔用添加剤、製紙装置用消泡剤、ニッケル消泡剤、金属浮選助剤、伝熱システム用添加剤、飲料システム用添加剤、メカニカルクーラントシステム用添加剤、ラジエータ用添加剤、クレーピング剥離助剤、リパルプ用添加剤、コーティング消泡剤、金属加工油剤又は酵素固定化剤として利用される、組成物。
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