JP2016513100A - フルオロスルホナートエステル、およびそれから誘導されるオニウム塩の調整、 - Google Patents
フルオロスルホナートエステル、およびそれから誘導されるオニウム塩の調整、 Download PDFInfo
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Abstract
Description
本願は、2013年2月11日付けで出願された米国仮特許出願第61/763087号および2013年2月15日付けで出願された米国仮特許出願第61/765560号の出願日の利益を主張する。ここでその全体を参照により組み込む。
本発明は、フルオロスルホナートエステルまたはその塩を、非プロトン性塩基(aprotic base)の存在下でアルコキシドアニオン(alkoxide anion)をスルフリルフルオリド(sulfuryl fluoride)で処理することによって、生成する方法に関する。アルコキシドアニオンは、例えば原(parent:出発)アルコールの脱プロトン化(deprotonation)によって、またはシリルエーテルのフルオリドイオン開裂によって、生成される。そのようにして生成されたフルオロスルホナートエステルは、ポットから単離(分離)されてもよく、または、その場で(in situ)または後で添加される(added afterward)より高い塩基性またより低い塩基性非プロトン性求核試薬(nucleophiles)と反応して、オニウムフルオロスルホン酸塩を形成してもよい。安定なフルオロスルホナートエステルがポット中で生成される場合、プロトン性アミンが導入されて、そのようにして多種の生成物が得られてもよい。本発明の生成物は、電気化学エネルギ蓄積用の電解質として、およびその他の産業部門において有用である。
本発明は、フルオロスルホナートエステルまたはその塩を調整する方法に関する。その方法は、溶解フッ化スルホニル(RFSO2F)を、非プロトン性塩基(B)の存在下でその場で(in situ)生成されたアルコキシドアニオン(RO−)と反応させることを含んでいる。ここで、RFはフッ素またはC1−C8ペルフルオロアルキル基であり、Rは、例えば第一級アルキルまたはアルコキシアルキルのような適した基であり、その基は、任意に、任意の他の飽和または不飽和アルキル基またはアリール(aryl)基で置換されたものである。本開示内容における“第一級アルキルまたはアルコキシアルキル”への言及は、例えばアリル(allyl)、プロパルギル(propargyl)およびベンジル(benzyl)(例に記載されたもの)のような、非置換基および置換基を包含するものと理解されるであろう。RFがフッ素であるとき、フッ化スルホニルはSO2F2である。アルコキシドアニオン(RO−)は、第一級アルコール(ROH)またはシリルエーテルからその場で(in situ)生成することができる。
幾つかの実施形態において、フルオロスルホナートエステルまたはその塩を調整する方法において、アルコールが使用されて、アルコキシドアニオン(RO−)が生成される。その方法は、溶解フッ化スルホニ(RFSO2F)を、例えば非プロトン性アミンのような非プロトン性塩基(B)の存在下で、アルコール(ROH)と反応させることを含む。ここで、RFはフッ素またはC1−C8ペルフルオロアルキル基であり、Rは、ここで記載するように、第一級アルキルまたはアルコキシアルキル(基)である。フルオロスルホナートエステルまたは結果的に得られるオニウム塩[RB+][RFSO3 −]は単離することができる。例えば、非プロトン性塩基が第三級アミン(R’3N)を含むとき、結果的に得られるオニウム塩は第四級アンモニウム塩[RFSO3]−[RR’3N]+である。
ROSO2F + B → RB+ + FSO3 - (3)
RO- + ROSO2F → ROR + FSO3 - (4)
オニウム塩の高い収率を達成するためには、本発明が開示するように、[RO−]またはROSO2Fのいずれかまたは双方の濃度が高くなるのを防止する条件を採用しなければならない。
ROSO2F + F- → RF + FSO3 - (5)
幾つかの他の実施形態において、フルオロスルホナートエステルまたはその塩を調整する方法において、シリルエーテルを用いてアルコキシドアニオン(RO−)を生成することができる。その方法は、溶解フッ化スルホニル(RFSO2F)を、シリルエーテルと、オニウム塩が所望の生成物である場合に、任意に非プロトン性塩基(B)の存在下で、反応させることを含んでいる。ここで、RFはフッ素またはC1−C8ペルフルオロアルキル基であり、Rは第一級アルキルまたはアルコキシアルキル基である。例えば、シリルエーテルは、化学式ROSiR”3、(RO)2SiR”2、(RO)3SiR”または(RO)4Siを有することができる。ここで、第一級アルキルまたはアルコキシアルキル基であり、R”は、例えばメチルまたはエチルのようアルキル基である。また、RはR”と同じとすることができる。結果的に得られるフルオロスルホナートエステルまたはオニウム塩[RB+][RFSO3 −]は単離することができる。例えば、非プロトン性塩基が第三級アミン(R’3N)を含むとき、結果的に得られるオニウム塩は、第四級アンモニウム塩[RFSO3]−[RR’3N]+である。RFがフッ素のとき、フッ化スルホニルはSO2F2であり、結果的に得られるオニウム塩は第四級アンモニウムフルオロスルホナート[FSO3]−[RR’3N]+である。
ROSiR” 3 + F- → RO- + FSiR”3 (6)
Et2NH + SO2F2 + B → Et2NSO2F + BH+F- (7)
第二級アルコキシドが使用されるとき、収率は一般的に低い。例えば、比較例3に示されるように、イソプロパノールを[RO−]前駆体として使用すると、結果的に、収率14%の純粋な生成物が得られる。イソプロピルフルオロスルホナートは極性媒質(polar media)において解離する(dissociate)傾向があるので、その収率は低い(Cafferata, L. F. R.; Desvard, O. E.; Sicre, J. E. Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 2 1981, 940-943参照)。
全ての反応剤を溶解することができる任意の不活性溶媒を使用することができ、より高い極性の溶媒が好ましい。典型例の溶媒は、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)(THF)、エチルエーテル(ethyl ether)、n−プロピルエーテル(n-propyl ether)、イソプロピルエーテル(iso-propyl ether)、1,2−ジメトキシエタン(1,2-dimethoxyethane)、メチルtert−ブチルエーテル(methyl tert-butyl ether)、アセトニトリル(acetonitrile)、ジクロロメタン(dichloromethane)、1,1,1−トリクロロエタン(1,1,1-trichloroethane)、クロロホルム(chloroform)、クロロベンゼン(chlorobenzene)、フルオロベンゼン(fluorobenzene)、1,2−ジフルオロベンゼン(1,2-difluorobenzene)、トルエン(toluene)、およびジ−n−ブチルエーテル(di-n-butyl ether)、等およびそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。溶媒との反応から得られる副生成物を最小化する条件を確実にするように注意を払わなければならない。FSO3Rと反応することが知られている溶媒は、THFおよびアセトニトリルを含んでいる。双方は、測定可能な速度でアルキル化され、副生成物を生じさせることができる。これらの副反応は、低温によって最小化される。エチルエーテルは、その相対的な不活性に加えて、エチル化に適した溶媒である。その理由は、トリエチルオキソニウムカチオン(triethyloxonium cation)が唯一のタイプ(種類)の官能基を有し、副生成物があまり見込まれないからである。n−プロピルエーテルをプロピル化に使用してもよい。同様に、従来技術(Wong, C.-P.; Jackman, L. M.; Portman, R. G. Tetrahedron Letters, 1974, 15, 921-924)に記載されているように、リン酸エステル(RO)3P=Oを、オニウム塩の生成用の溶媒として使用してもよい。ここで、(RO)3P=Oの(RO)は、[RO−]前駆体と同じR基を有する。多種の非プロトン性溶媒、例えば、ジエチルホルムアミド(dimethylformamide)(DMF)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide))(DMSO)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1,3-dimethyl-3,4,5,6-tetrahydro-2(1H)-pyrimidinone)(DMPU)、ヘキサメチルホスホルアミド(hexamethylphosphoramide)(DMPU)は、使用するにはフルオロスルホナートエステルとの反応性が高すぎる(Wong参照)。
一般的に、SO2F2は上のヘッドスペースに注入されるか、または[RO−]前駆体および塩基(B)の攪拌溶液中に投入または注入される。安定なフルオロスルホナートエステルの生成のために、シリルエーテルをBおよびSO2F2の混合物中に加えてもよい。代替形態として、Bを[RO−]前駆体およびSO2F2の混合物中に加えてもよい。副反応の最小化が、[RO−]の濃度を低く、温度を低く、およびオニウム塩生成のためにBの高い濃度を保つことによって、行われる。従って、本発明の一実施形態において、[RO−]前駆体は、BおよびSO2F2の溶液中にゆっくりと加えられえる。別の実施形態において、SO2F2と[RO−]前駆体の双方が同時にBの溶液中にゆっくりと加えられる。SO2F2ガス、および例えばMe3NまたはEt3Nのようなアミンについて、−15乃至−17℃で完全に静的な真空状態でSO2F2を[RO−]前駆体/B溶液の上のヘッドスペース内に注入して、反応熱が冷却力(パワー)と整合するまで圧力を上昇させることによって、優れた収率が得られた。
アルコール(ROH)が[RO−]前駆体として使用されるとき、最良の結果が得られるのは、ROHが、限定試薬(limiting reagent)であり、完全に消費されるときである。これは、特に、より高い沸点のアルコールについて当てはまる。反応を完了させるために、非プロトン性塩基対アルコール(B:ROH)のモル比は、2:1またはそれより大きいことが好ましい。例えば、良好な結果が比2:5:1を用いることによって得られた。フッ化スルホニル(RFSO2F、例えばSO2F2)対アルコール(SO2F2:ROH)のモル比は1:1またはそれより大きい、例えば1:1より僅かに大きい。
作動(作用)圧力は、完全な静的真空状態から大気圧より充分高い状態までの範囲を取る。作動圧力は、幾つかの実施形態では大気圧より低い。その反応は、超大気圧(superatomospheric pressures)で行われてもよいが、速度の利点は、安全上の危険性(ハザード)によって相殺され得る。また、高い反応性の低級フルオロスルホナートエステルが中間体として使用される場合、ポットの冷却力(パワー)の限界も、より高圧ではより重要になる。しかし、安定な中間体(または単離された生成物)としてのフルオロスルホナートエステルの生成が望ましい場合、超大気圧が有用であり得る。SO2F2の圧力依存性の(圧力のゲート制御による)供給(添加)を用いて行われた観察は、所与の速度の反応を維持するのに必要なSO2F2の圧力が、反応温度が低下するにしたがって、および反応が進行するにしたがって、増加することを示す。SO2F2用の制限的低い供給(添加)圧力は存在せず、圧力が低下するにしたがって供給(添加)時間の増加だけが存在する。使用し得る最低の絶対的圧力は、ポットの静的蒸気圧に近づく。実際には、幾つかの実験では、使用される圧力は、ROHが[RO−]前駆体として使用されるとき、−17℃で、50Torr(開始時)乃至400Torr(終了時)の範囲にある。
Bの存在下でのSO2F2のセトニトリル溶液の[RO−]前駆体との反応は、一般的に−20℃で容易になるが、Bなしでは、反応はゆっくりとだけ生じるかまたは全く生じない。また、本発明を逸脱することなく、より高い温度を用いてもよい。本発明の幾つかの実施形態では、反応期間中の温度は、例えば、より低い反応性または低ヒンダード(より低い立体障害)のフルオロスルホナートエステルが中間体であり、かつオニウム塩が生成物であるとき、60℃またはそれより高い範囲を取ることができる。また、溶媒系の氷点までのより低い温度を用いることができる。
急冷は、任意選択的であり、アンモニアを用いて行うことができる。その供給(添加)は発熱性である。アンモニア供給(付加)は、次の2つの主要な目的に役立つ。即ち、大部分の[BH+F−]塩は、存在する場合、不溶性のフッ化アンモニウムに変換され、また、残留スルホニルエステルは、存在する場合、ポットから除去される。アンモニアが生成物または溶媒と反応する場合、その他の急冷剤が使用されてもよい。大部分の非プロトン性アミンについて、[BH+F−]は、アンモニアでの処理によってジクロロメタンから完全に除去される。アセトニトリルが使用されるとき、[BH+F−]はアンモニアでの処理によってより不完全に除去される。これに関して、より低い温度が役立つ。また、アンモニウムフルオロスルホナートは、大部分の非プロトン性溶媒において溶性が劣り、任意の[BH+][FSO3 −]が存在する場合、同様に、アンモニアでの処理によって未加工のポットから取り出されてもよい。例外は、アンモニアによって直ちには脱プロトン化されない塩[DIPEA−H+][FSO3 −](例15参照)であり、より強い塩基または大きく過剰なアンモニアをこの汚染物質(contaminant)のために使用しなければならない。
本発明の脂肪族アルキルアンモニウムフルオロスルホナート生成物は、全て吸湿性であり、フルオロスルホナートは感水性がある。従って、粗生成物(粗製品、未加工品)から水および残留アルコールを除去することは重要である。直接または濾過によって得た透明なポット内容物は、効率的に水分を取り除いて(脱水または乾燥させて)擦り取って、シリルアミンでの処理によってフッ化物のない状態にしてもよい。また、粗生成物は、本発明の範囲内で同様に処理されてもよい。粗生成物は、溶媒の存在下または不存在下で、シリルアミンで処理してもよい。必要なシリルアミンの量は、ポット中に存在する、任意の水、フッ化物、および中間シラノールと反応するのに充分であるべきである。過剰なシリルアミンが、他の生成物(アミン、ROSiMe3およびMe3SiOSiMe3)と共に、減圧下でおよび/または上昇させた温度で取り出されて、より純粋な生成物が得られる。使用し得るシリルアミンは、ヘキサメチルジシラザン(hexamethyldisilazane)、ジメチルアミノトリメチルシラン(dimethylaminotrimethylsilane)、ジエチルアミノトリエチルシラン(diethylaminotrimethylsilane)、等、およびこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。より低い沸点のシリルアミンが好ましい。また、容易に排出されないまたは抜けないより高い沸点のアルコールまたはエーテル汚染物質について、処理後の精製は、生成物を溶解することなく、ROSiMe3を溶解する溶媒を用いた洗浄または共蒸溜(co-distillation)を含んでもよい。適正な溶媒の選択は、精製される生成物に応じて決まる。一般的に、本発明の大部分のオニウム生成物はこれらの溶媒での溶性が劣るので、アルキルエーテルおよび炭化水素が適している。
SO2F2は、非常に有害で完全に無臭および無色の気体である。従って、充分な予防策を講じなければならない。全ての反応は、充分な換気を有する領域で行うべきである。実験規模では、これは、少なくとも急冷ガス(NH3)が除去されるまでは、全ての反応を、ドラフト(fume hood)内で行わなければならないことを意味する。産業規模では、適正な換気を設計してその後に適正な安全対策を講じるべきである。SO2F2は有害であるが、それは、気体であり、封じ込められまたは換気されるときに、例えばFSO3Me、液体の場合よりも作業上の危険性がはるかに小さい。
本発明は、さらに、上述の生成物を含む組成物に関する。幾つかの実施形態では、組成物は本発明の生成物を含み(即ち、[RFSO3]−[RR’3N]+、ここで、Rは第一級アルキルまたはアルコキシアルキルであり、各R’は、独立に、アルキル、N,N−シクロアルキル、またはアルコキシアルキル、そのテトラキスアンモニウム塩、その芳香族ヘテロ環第四級アンモニウム塩であり、純度95%以上、98%以上、99%以上、99.5%以上、99.9%以上、または99.999%以上である)。
例1
テトラメチルアンモニウムフルオロスルホナート(tetramethylammonium fluorosulfonate)。密閉された2リットルの圧力反応器(パーインストゥルメント社(Parr Instrument Company))には、アセトニトリル(781g)、メタノール(48g、1.5モル)およびトリメチルアミン(283g、4.8モル)が充填された。その反応器は、−20℃に冷却されて、攪拌しながら一定の静的圧力に真空引きされた。フッ化スルフリル(155.3g、152モル)が、攪拌しながら減圧下で140分にわたって温度−15℃で加えられ、次いで−15℃未満の温度で4時間攪拌された。反応器は、深いチューブを通してアンモニアで大気圧より高い圧力に加圧された。5分間攪拌した後、反応器は排気されて開かれた。反応器内容物が濾過され、大量の白い固形沈殿物から透明で無色の濾液が分離された。濾液は、回転蒸発器上で乾燥状態になるまで濃縮され、10.6gの固形物が得られた。乾燥された複数の固形物が組み合わされて、1kgの水から再結晶化されて、分解による融点(mp)=342〜345℃の、純粋なテトラメチルアンモニウムフルオロスルホナート(206g、1.18モル、78.9%)が得られた。APCI MS m/e 74(M+)、247(2M+/FSO3 −)。
テトラエチルアンモニウムフルオロスルホナート(tetraethylammonium fluorosulfonate)。密閉された2リットルのパー社製反応器には、アセトニトリル(784g)、エタノール(28.2g、0.61モル)およびトリエチルアミン(211g、2.1モル)が充填された。反応器は、−19℃に冷却されて、真空引きされた(12Torr)。フッ化スルフリル(63.5g、0.62モル)が、攪拌しながら減圧下で68分にわたって温度−17℃で加えられ、次いで−17℃未満の温度で35分間攪拌された。反応器は、深いチューブを通してアンモニアで約600Torrに加圧され、温度が−20℃から+3℃に上昇した。10分間攪拌した後、反応器が開かれた。反応器内容物が濾過され、白い固形沈殿物から透明で無色の濾液が分離された。濾液は、回転蒸発器上で乾燥状態になるまで濃縮され(90℃/0.8Torr)、135gの生成物(EtOHから0.59モル、96%)が白い固形物として得られた。水の重量の3分の1から生成物が再結晶化されて、真空オーブンで乾燥されて(60℃)、分解による融点(mp)=296〜298℃の、2群(two crops)の純粋な結晶固形物が得られた。生成物Et4NFSO3は、ジクロロメタン(25℃で0.5M)に可溶である(溶解できる)。APCI MS m/e 130(M+)、359(2M+/FSO3 −)。
N−ヘクシル−N−メチルピロリジニウムフルオロスルホナート(N-hexyl-N-methylpyrrolidinium fluorosulfonate)。密閉された2リットルのパー社製反応器には、アセトニトリル(779g)、n−ヘキサノール(50g、0.49モル)およびN−メチルピロリジノン(127.7g、1.5モル)が充填された。反応器は、15℃で静的圧力76Torrに真空引きされた。フッ化スルフリル(49.4g、0.48モル)が、攪拌しながら74分にわたって温度15〜17℃を維持して攪拌された溶液に加えられた。反応器は26℃に加熱されて、追加的な2時間、攪拌された。過剰なアンモニアガスが導入されて、その後で、深いチューブを通して窒素ガスが反応器に散布(スパージ)された。反応器が開かれ、その内容物が濾過され、透明な濾液が回転蒸発されて、ヘキサノールの臭いを有する残留物(159g)が得られた。この残留物は、圧力1.1Torrに達するまで、130℃に加熱され、次いで冷却されて、融点(mp)=123〜125℃の、透明な黄金のガラス状の固形物(113.1g、0.42モル、86%)が得られた。
2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(630g)、ジメチルスルフィド(22.4g、0.36モル)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(“DIPEA”)(130g、1モル)およびメタノール(12.8g、0.4モル)が充填され、−5℃に冷却されて、真空引きされた(44Torr)。SO2F2(46.6g、0.45モル)が、攪拌しながら700Torrで13分の期間にわたって加えられ、温度が−5℃から+9℃に上昇した。反応器内容物は1時間にわたって0℃に冷却され、次いで一晩中(9時間)加熱された。終了時の圧力は12℃で210Torrであった。反応器は、真空引きされて、アンモニア(9.1g、0.53モル)が加えられた。20分後、反応器が開かれて、固形物が濾過されて取り除かれた。透明な濾液が、固形物に濃縮され、エタノール(100g)で洗浄され、真空オーブンにおいて45℃で乾燥された。数時間後、その真空オーブンの壁面上に昇華物(sublimate)が観測された。残りの固形物(65.4g)は、質量分析によって、0.27モル、67%の、N−エチル−N−メチル−N,N−ジイソプロピルアンモニウムフルオロスルホナート(N-ethyl-N-methyl-N,N-diisopropylammonium fluorosulfonate)であることが判明した(APCI MS m/e=144)。
1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムフルオロスルホナート(1-Propyl-3-methylimidazolium Fluorosulfonate)。2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(750g)、N−メチルイミダゾール(250g、3.04モル)、およびn−プロパノール(60g、1モル)が充填され、−20℃に冷却されて、真空引きされた。SO2F2が、ゲート制御された圧力500Torrで温度−17乃至−20℃で77分にわたって導入された。反応器は、17時間、−17乃至−10℃で攪拌され、その時間の間に圧力が27Torrに低下した。反応器は、真空引きされ、22.6gのアンモニアが導入され、反応器が+10℃に加熱された。その内容物は濾過され、そのケーキがアセトニトリルで(2×100mL)洗浄された。透明で無色の濾液が回転蒸発されて(48℃/8Torr)、油が得られた。次いで、N−メチルイミダゾールが100℃の油槽で0.3Torrで蒸留されて、155gが回収された。無色の結晶残留物は、生成物(222.9g、0.99モル、98%)、mp(融点)≒26℃で構成されていた。118℃の槽で6ミクロンの真空度でイミダゾールの痕跡の除去をさらに試行したところ、追加的な4.5gのイミダゾールが除去され、残留物が黄色になり、質量全体は、23.6乃至2.51℃で溶融した。収率97%、APCI MS m/e 125(M+)、349(2M+/FSO3 −)であった。
N−エチルピリジニウムフルオロスルホナート(N-ethylpyridinium fluorosulfonate)。2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(856g)、エタノール(46.1g、1モル)、ピリジン(236.2g、3モル)が充填され、−20℃に冷却されて、真空引きされた(10Torr)。SO2F2が、ゲート制御された圧力500〜700Torrで温度−19乃至−20℃で27分にわたって、攪拌しながら加えられた。その内容物は、常に大気圧より低い圧力(subatomospheric pressure)を維持しながら、23時間にわたって攪拌されて段階的に温度が上昇して−3℃になった。終了時点での圧力は163Torrであった。反応器は、真空引きされ、アンモニア(26g、1.5モル)が導入された。次いで、内容物は濾過され、透明で無色の濾液が58℃/4Torrで回転蒸発された。結果的に得られた油がさらに50〜60℃の水槽中で加熱されて10ミクロンの真空度にされ、無色の固形物(174.6g、0.84モル、84%)が生成され、質量全体は、49.8〜52.0℃で溶融した。APCI MS m/e 108(M+)、315(2M+/FSO3 −)であった。
テトラエチルアンモニウムフルオロスルホナート(tetraethylammonium fluorosulfonate)。2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(461g)、エトキシトリメチルシラン(78.7g、0.66モル)、トリエチルアミン(81.3g、0.804モル)が充填され、−20℃に冷却されて、真空引きされた(13Torr)。SO2F2(64.7g、0.63モル)が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力300〜500Torrで103分にわたって加えられた。その内容物は−14℃で一晩中攪拌されて、圧力が75Torrに低下した。反応器は真空引きされ、27℃に加熱され、窒素ガスで大気圧にされた。その内容物は、透明で淡黄色の液体で、ほぼ乾燥状態(55℃/6Torr)まで回転蒸発された。結果的に得られた僅かに湿った固形物は、均一な懸濁液が達成されるまで(90分)、トルエン(500mL)およびジクロロメタン(25mL)と共に80℃で攪拌された。懸濁液は濾過された。白い固形物および淡黄色の濾液が観測された。固形物は真空オーブンで80℃で乾燥されて、分解による融点(m.p.)=301〜302℃の生成物(141.7g、0.62モル、97.5%)が得られた。
アリルトリエチルアンモニウムフルオロスルホナート(allyltriethylammonium fluorosulfonate)。2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(624g)、トリエチルアミン(111g、1.1モル)、およびアリルアルコール(28.95g、0.5モル)が充填され、−19℃に冷却されて、真空引きされた(9Torr)。SO2F2(51.7g、0.51モル)が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力139Torrで−17℃で2時間にわたって加えられた。−17乃至−18℃で追加的な2時間の後、反応器圧力は20Torrに低下した。アンモニア(11.2g、0.66モル)が導入されて、反応器は23℃に加熱されて、内容物が濾過された。透明で無色の濾液が、回転蒸発されて(46℃/5Torr)乾燥状態にされた。粗(未加工の)固形物はジクロロメタン/トルエンから再結晶化されて、真空オーブンで45℃で一晩中乾燥されて、融点(m.p.)=212〜219℃の生成物(118.7g、0.49モル、98%)が得られた。APCI MS m/e 142(M+)、383(2M+/FSO3 −)。
N−エチル−N−メチルピロリジニウムフルオロスルホナート(N-ethyl-N-methylpyrrolidinium fluorosulfonate)。2リットルのパー社製反応器には、アセトニトリル(668g)、エトキシトリメチルシラン(60g、0.51モル)、およびN−メチルピロリジン(42.3g、0.5モル)が充填された。反応器は、−19℃に冷却されて、真空引きされた(14Torr)。SO2F2が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力100〜400Torrで−19℃で37分にわたって加えられた。反応器は一晩中攪拌され、圧力が53Torrに低下した。反応器は、真空引きされて、2.3gのアンモニアが加えられた。反応器は28℃に加熱され、窒素が充填され、内容物、僅かに不透明な無色の液体が、仕上げ(ポリッシュ)濾過されて、濾液が回転蒸発されて(45℃/5Torr)、1Torr未満で乾燥されて、融点(mp)=123〜157℃の102.3gの白い固形物(0.48モル、97%)が、容易には再結晶化できない高い潮解性の(deliquescent)固形物として得られた。APCI MS m/e 114(M+)。
プロパルギルトリエチルアンモニウムフルオロスルホナート(propargyltrimethylammonium fluorosulfonate)。2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(638g)、プロパルギルアルコール(28.6g、0.51モル)、およびトリエチルアミン(113.7g、1.12モル)が充填され、−26℃に冷却されて、真空引きされた(7Torr)。SO2F2が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力50〜75Torrで116分にわたって加えられた。さらに−25℃で23分後、圧力が17Torrに低下した。反応器は、真空引きされて、アンモニア(19g、1.1モル)が加えられた。次いで、反応器は、+12℃に加熱され、窒素が充填され、透明で無色の内容物が回転蒸発され、1Torrで一晩中乾燥されて、融点(mp)=160〜164℃の生成物(118.5g、0.495モル、97%)がほぼ無色の結晶として得られた。アセトニトリル/トルエンからの再結晶化で、融点(mp)=163〜169℃の98gの生成物が得られた。APCI MS m/e 140(M+)、379(2M+/FSO3 −)であった。生成物は吸湿性でなかった。
n−プロピルトリメチルアンモニウムフルオロスルホナート(n-propyltrimethylammonium fluorosulfonate)。2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(1062g)、プロポキシトリメチルシラン(propoxytrimethylsilane)(211.6g、1.6モル)、およびトリメチルアミン(90.5g、1.53モル)が充填され、冷却されて(−19℃)、真空引きされた(96Torr)。真空引きの期間に、15.8gのトリメチルアミンが除去され、イオン交換樹脂トラップによって捕獲され、ポット中に74.7g(1.26モル)が残された。SO2F2(130.1g、1.27モル)が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力400Torrで217分にわたって−9乃至−12℃で加えられて、12時間、−12℃で攪拌された。圧力は132Torrに低下した。反応器は、0℃まで加熱されて、真空引きされて(68Torr)、開けられた。透明で無色の液体が回転蒸発されて(45℃/1.8Torr)、白い固形物(264g)が得られ、これが回転蒸発器で(0〜13℃/60〜20Torr)ジクロロメタン/トルエン/ヘキサメチルジシラザン(dichloromethane/toluene/hexamethyldisilazane)(1200mL/300mL/25g)から再結晶化されて乾燥されて(45℃/1Torr)、融点(mp)=98〜99.5℃の生成物(250g、1.24モル、99%)が微細な蝋性の(ワックス状の)フレークとして得られた。APCI MS m/e 102(M+)、303(1M+/FSO3 −)。
エチルトリメチルアンモニウムフルオロスルホナート(ethyltrimethylammonium fluorosulfonate)。2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(811g)、およびエトキシトリメチルシラン(120.8g、1.02モル)が充填され、冷却されて(−21℃)、真空引きされた(11Torr)。トリメチルアミン(59.5g、1.01モル)が加えられて、圧力が−20℃で64Torrに上昇した。SO2F2(103.8g、1.02モル)が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力300Torrで79分にわたって−9乃至−15℃で加えられた。反応器は、12時間、−10℃で攪拌され、0℃まで加熱され、真空引きされて、窒素が充填された。その内容物は微細なフリットガラス製のフィルタを通して濾過され、透明で無色の濾液が回転蒸発されて(45℃/80Torr)乾燥状態にされ、結果的に得られた固形物が一晩中乾燥されて(45℃/1Torr)、分解による融点(m.p.)=278〜286℃の生成物(182.2g、0.97モル、96%)が得られた。アセトニトリル/トルエンから再結晶化されて、融点(m.p.)=292〜295℃(d)の生成物が得られた。APCI MS m/e 88(M+)、275(2M+/FSO3 −)。
ネオペンタノール/Et3N/SO2F2(Neopentanol/Et3N/SO2F2): 2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(924g)、ネオペンタノール(103g、1.16モル)、およびトリエチルアミン(260g、2.57モル)が充填され、冷却されて(−17℃)、真空引きされた(14Torr)。SO2F2(120.6g、1.18モル)が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力300Torrで70分にわたって−9℃で加えられた。反応器は、一晩中(15時間)−11℃で攪拌されて、圧力が30Torrまで低下した。反応器は、0℃まで加熱され、真空引きされて(29Torr)、アンモニア(25.3g、1.5モル)が加えられた。反応器は、窒素が充填されて開かれ、重い懸濁液が見られた。これが濾過されて取り除かれ、透明で無色の濾液が回転蒸発されて(45℃/80Torr)、穏やかに煙を出す残留液体が残った。その液体は47℃の槽で蒸留されて、沸点(bp)=29℃/6Torrの透明で無色の蒸留物が得られた。これが、60℃の槽で再蒸留されて、沸点41℃/14Torr、81gの僅かに濁った蒸留物が得られた。この蒸留物に対してFTIR分析が行われ、3000cm−1より上にはピークが見出されなかった。フラスコは軽く栓がされて保存された。一日後、内容物が噴出して、栓を吹き飛ばし、フラスコおよびドラフトに暗赤色の油状残留物が残された。残留物は更に分析されることはなかった。
イソプロピルトリエチルアンモニウムフルオロスルホナート(isopropyltriethylammonium fluorosulfonate)。2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(862g)、イソプロパノール(60.1g、1モル)、およびトリエチルアミン(250g、2.47モル)が充填され、冷却されて(−12℃)、真空引きされた(12Torr)。SO2F2(107.2g、1.05モル)が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力50乃至400Torrで160分にわたって−19℃で加えられた。反応器は、追加的な45分間攪拌され、圧力が369Torrから321Torrに低下した。次いで、反応器は、真空引きされ(33Torr)、−10℃に加熱されて、アンモニア(22.7g、1.3モル)が加えられた。次いで、反応器は、+20℃に加熱され、窒素が充填されて、内容物が濾過された。濾液は、透明で僅かに有色の液体であり、回転蒸発されて(45℃/32Torr)、油状の残留物(180g)が得られた。残留物は、取り出されてジクロロメタン(500mL)中に入れられ、アンモニアが拡散されて、沈殿したNH4Fが得られこれが濾過されて取り除かれた。油は、取り出されてジクロロメタン(500mL)およびヘキサメチルジシラザン(7g)中に入れられ、固形物が出現するまで回転蒸発された(200Torr)。次いで、フラスコは、充分冷却される(chilled)までドライアイス“ライス”(rice)のベッド(層)に移され、次いで直ぐに濾過されて、23.9gの粗固形物が得られた。さらに2つの群が、このようにして濾液の濃縮によって得られ、合計61gの粗固形物が得られた。粗固形物は、ジクロロメタン/トルエンから再結晶化されて、分解による融点(mp)=278〜280℃の純粋な生成物(35.1g、0.14モル、14%)が得られた。APCI MS m/e 144(M+)、387(2M+/FSO3 −)。
ベンジルトリエチルアンモニウムフルオロスルホナート(benzyltriethyammonium fluorosulfonate)。2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(864g)、ベンジルアルコール(117.5g、1.1モル)、およびトリエチルアミン(244g、2.41モル)が充填され、冷却されて(−22℃)、真空引きされた(10Torr)。SO2F2(113.8g、1.15モル)が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力100Torrで120分にわたって−18乃至−20℃で加えられた。反応器は、18分間、−20℃で攪拌され、圧力が54Torrに低下した。反応器は、真空引きされ、アンモニア(20.1g、1.18モル)が加えられ、反応器は、室温に加熱されながら一晩中攪拌された。反応器は、窒素が充填され、開かれ、その内容物が濾過された。透明で無色の濾液に、ヘキサメチルジシラザン(hexamethyldislazane)(32g)およびトルエン(750mL)が加えられて、沈殿物を生じさせ、それが加熱されて回転蒸発器上で再び溶解された。その透明な溶液は回転蒸発されて(38℃/77Torr)約700mLにされ、沈殿物が形成された。次いで、フラスコが氷上で回転されて、濾過された。そのケーク(cake)が、ラバー・ダム(rubber dam)で圧縮され、トルエン(50mL)で洗浄された。ケークは、45℃/1Torrで乾燥されて、生成物が、融点(mp)=137〜139℃の白い固形物(247.4g、0.85モル、77%)として得られた。第2の群が、濾液から、融点(mp)=124〜138℃の淡黄色の固形物(39.5℃、0.135モル、12%)として得られた。APCI MS m/e 192(M+)、483(2M+/FSO3 −)。
(2−メトキシエチル)トリメチルアンモニウムフルオロスルホナート((2-methoxyethyl)trimethylammonium fluorosulfonate)。2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(842g)、および(2−メトキシエトキシ)トリエチルシラン(192.4g、1.29モル)が充填され、冷却されて(−17℃)、真空引きされた(9Torr)。トリメチルアミン(75.2g、1.27モル)が加えられ、圧力は−19℃で78Torrに上昇した。SO2F2(132.8g、1.3モル)が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力125〜250Torrで134分にわたって−15乃至−17℃で加えられた。次いで、反応器は、4時間、−15乃至−17℃で攪拌され、圧力が116Torrに低下した。反応器は、真空引きされ、−2℃に加熱され、窒素が充填されて、開かれた。内容物は、透明で無色の液体であり、回転蒸発されて乾燥状態になり、さらに4時間回転されて(45℃/2.2Torr)、生成物が融点(mp)=93℃の白い固形物(271.8g、1.25モル、98.5%)として得られた。APCI MS m/e 118(M+)、335(2M+/FSO3 −)。
(2−エチルヘキシル)(トリエチル)アンモニウムフルオロスルホナート((2-ethylhexyl)(triethyl)ammonium fluorosulfonate)。2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(653g)、2−エチルヘキサノール(97.5g、0.75モル)、およびトリエチルアミン(174g、1.71モル)が充填され、−19℃に冷却されて、真空引きされた(12Torr)。SO2F2(78g、0.76モル)が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力200Torrで174分にわたって−15乃至−21℃で加えられた。反応器は、12時間、−21℃で攪拌され、圧力が48Torrに低下した。反応器は、−10℃に加熱され、真空引きされた(22Torr)。アンモニア(17.6g、1モル)が15分にわたって加えられ、次いで反応器は+19℃に加熱され、窒素が充填されて、開かれた。固形物NH4F(26g、0.7モル)が濾過されて取り除かれ、オクタノールの微臭がある207gの粘着性の淡黄色の油が得られた(45℃/1.4Torr)。その油は、45℃で17時間、36ミクロンの真空度で攪拌されて、生成物(200g、0.64モル、85%)が、無臭の淡黄色の油として得られた。APCI MS m/e 214(M+)、527(2M+/FSO3 −)。
2リットルのパー社製反応器は、アセトニトリル(936g)、エタノール(39.8g、0.86モル)、DIPEA(249g、1.9モル)、およびトリメチルアミン(56.7g、0.96モル)が充填され、−35℃に冷却されて、真空引きされた(6Torr)。SO2F2(87g、0.85モル)が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力100〜150Torrで46分にわたって−30乃至−38℃で加えられた。反応器は、90分間、−25℃で攪拌され、圧力が11Torrに低下した。アンモニア(28.6g、1.7モル)が7分にわたって加えられ、次いで反応器は+12℃に加熱され、窒素が充填されて、開かれた。白い固形物が濾過されて取り除かれ、濾液は回転蒸発されて(65℃/9.7Torr)、147gの白い固形物が得られた。この固形物のAPCI質量分光法は、それがエチルトリメチルアンモニウムフルオロスルホナート(m/e88)およびDIPEA−H+フルオロスルホナート(m/e130)の混合物であることを示した。m/e158においてピークは見出されず、DIPEAがこの反応ではアルキル化されなかったことが示された。
2,2,2−トリフルオロエチルフルオロスルホナート(2,2,2-trifluoroethyl fluorosulfonate)(最適化されていない手順)。2リットルのパー社製反応器は、ジクロロメタン(1.3kg)、およびDIPEA(133g、1.03モル)が充填され、−20℃に冷却されて、真空引きされた(48Torr)。フッ化スルフリル(102.3g、1モル)が、攪拌しながら、ゲート制御された圧力100〜200Torrで1時間にわたって−19℃で加えられた。反応器は追加的な18時間、−21℃で攪拌され、圧力が72Torrに低下した。反応器は、真空引きされ(47Torr)、25℃に加熱されて、窒素が充填されて、開かれた。透明で無色の内容物が、回転蒸発器に配置されて、37℃/300Torrで150分間、回転されて、湿った残留物および蒸留物が得られた。残留物を含むフラスコが45〜50℃の水槽に浸漬され、揮発性物質が10〜20Torrで蒸留されて取り出されてドライアイス・トラップ(捕獲手段)内に入って、69gの蒸留物が得られた。残留の乾燥状態の固形物が分析され(APCI MS)、アルキル化されたDIPEA(m/e212)の証拠は見出されず、プロトン化されたDIPEA(m/e 130)だけが見出された。次いで、トラップ内容物が部分的に大気圧で蒸留された。42〜45℃での前留分(forerun)は廃棄された。次いで、二相の蒸留物(10.6)が79〜82℃で収集されて、分析された(GCMS)。上層(0.6g)はDIPEAであり、下層(10g)は生成物FSO2OCH2CF3(文献による沸点(bp)=82〜83℃(文献King))であった。
Claims (33)
- フルオロスルホナートエステルまたはその塩を調整する方法であって、
溶解フッ化スフホニル(RFSO2F)をアルコキシドアニオン(RO−)前駆体と、非プロトン性塩基(B)の存在下で反応させることを含み、
ここで、RFはフッ素またはC1−C8ペルフルオロアルキル基であり、Rは第一級アルキルまたはアルコキシアルキル基である、
方法。 - RFはフッ素であり、前記フッ化スルホニルはSO2F2である、請求項1に記載の方法。
- 前記アルコキシドアニオン(RO−)前駆体は第一級アルコール(ROH)である、請求項1に記載の方法。
- 前記アルコキシドアニオン(RO−)前駆体は、化学式ROSiR”3、(RO)2SiR”2、(RO)3SiR”または(RO)4Siを有するシリルエーテルであり、R”はアルキル基である、請求項1に記載の方法。
- 前記非プロトン性塩基(B)は第三級アミン(R’3N)であり、各R’は、独立に、C1−C6アルキルまたはアルコキシアルキル、シクロアルキル、モルホリニル、またはビシクロアルキル基である、請求項1に記載の方法。
- 前記非プロトン性塩基はヘテロ芳香族第三級アミンである、請求項1に記載の方法。
- 前記反応は大気圧以下で行われるものである、請求項1に記載の方法。
- さらに、結果的に得られるフルオロスルホナートエステルRFSO2Fを単離することを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記アルコキシドアニオン(RO−)前駆体は、ヒンダード第一級アルコキシドである、請求項8に記載の方法。
- 前記非プロトン性塩基はヒンダード塩基である、請求項8に記載の方法。
- さらに、結果的に得られるオニウム塩[RB+][RFSO3 −]を単離することを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記結果的に得られるオニウム塩[RB+][RFSO3 −]は、結果的に得られるフルオロスルホナートエステルRFSO2Rを、その場で(in situ)または、後で加えられる非プロトン性塩基と反応させることによって得られるものである、請求項11に記載の方法。
- 前記結果的に得られるオニウム塩[RB+][RFSO3 −]は、第四級アンモニウム塩[RFSO3]−[RR’3N]+、または第四級ヘテロ芳香族塩[RFSO3]−[RNAr]+であり、
各R’は、独立に、C1−C6アルキルまたはアルコキシアルキル、シクロアルキル、モルホリニルまたはビシクロアルキル基であり、
NArはヘテロ芳香族基である、請求項11に記載の方法。 - フルオロスルホナートエステルまたはその塩を調整する方法であって、
溶解フッ化スフホニル(RFSO2F)をアルコール(ROH)と、非プロトン性塩基(B)の存在下で反応させることを含み、
ここで、RFはフッ素またはC1−C8ペルフルオロアルキル基であり、Rは第一級アルキルまたはアルコキシアルキル基であり、
さらに、結果的に得られるフルオロスルホナートエステルRFSO2Fまたは結果的に得られるオニウム塩[RB+][RFSO3 −]を単離することを含む、
方法。 - RFはフッ素であり、前記フッ化スルホニルはSO2F2である、請求項14に記載の方法。
- 前記アルコール(ROH)は、1乃至20個の炭素原子を有する直鎖第一級アルコールまたはアルコキシアルコールである、請求項14に記載の方法。
- 前記アルコール(ROH)は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、3−メトキシプロパノール、2−エトキシエタノール、および3−エトキシプロパノール、ベンジルアルコール、環置換ベンジルアルコール、2−エチルヘキサノールおよびネオペンタノールからなる群から選択されるものである、請求項14に記載の方法。
- 前記アルコール(ROH)が、ヒドロキシル炭素を除いて、部分的にまたは全体的にフッ素化される、請求項14に記載の方法。
- 溶解フッ化スフホニル(RFSO2F)とアルコール(ROH)との反応は溶媒中で行われ、
前記溶媒は、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、エチルエーテル、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、トルエン、n−プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、およびメチルtert−ブチルエーテルからなる群から選択されるものである、請求項14に記載の方法。 - 前記非プロトン性塩基(B)対前記アルコール(ROH)のモル比は2:1またはそれより大きく、RFSO2F対ROHのモル比は1:1またはそれより大きいものである、請求項14に記載の方法。
- 結果的に得られるフルオロスルホナートエステルRFSO2Fは単離され、
前記アルコール(ROH)がヒンダード第一級アルコールである、または前記非プロトン性塩基がヒンダード塩基である、請求項14に記載の方法。 - 前記非プロトン性塩基は、第三級アミン(R’3N)またはヘテロ芳香族第三級アミン(:NAr)を含み、
各R’は、独立に、C1−C6アルキルまたはアルコキシアルキル、シクロアルキル、モルホリニル、またはビシクロアルキル基である、請求項14に記載の方法。 - 前記結果的に得られるオニウム塩[RB+][RFSO3 −]は、第四級アンモニウム塩[RFSO3]−[RR’3N]+、または第四級ヘテロ芳香族塩[RFSO3]−[RNAr]+であり、
各R’は、独立に、C1−C6アルキルまたはアルコキシアルキル、シクロアルキル、モルホリニル、またはビシクロアルキル基である、請求項14に記載の方法。 - 前記フッ化スルホニルはSO2F2であり、前記非プロトン性塩基は第三級アミン(R’3N)を含み、前記結果的に得られるオニウム塩は第四級アンモニウム塩[RFSO3]−[RR’3N]+である、請求項14に記載の方法。
- フルオロスルホナートエステルまたはその塩を調整する方法であって、
溶解フッ化スフホニル(RFSO2F)をシリルエーテルと、任意に非プロトン性塩基(B)の存在下で、反応させることを含み、
ここで、RFはフッ素またはC1−C8ペルフルオロアルキル基であり、Rは第一級アルキルまたはアルコキシアルキル基であり、
さらに、結果的に得られるフルオロスルホナートエステルRFSO2Fまたは結果的に得られるオニウム塩[RB+][RFSO3 −]を単離することを含む、
方法。 - 前記シリルエーテルは、化学式ROSiR”3または(RO)2SiR”2、(RO)3SiR”または(RO)4Siを有し、R”はアルキル基である、請求項25に記載の方法。
- 前記R”はメチルまたはエチル基である、請求項25に記載の方法。
- 前記フッ化スルホニルはSO2F2であり、
前記非プロトン性塩基は第三級アミン(R’3N)を含み、
前記結果的に得られるオニウム塩は、第四級アンモニウム塩[RFSO3]−[RR’3N]+であり、
各R’は、独立に、C1−C6アルキルまたはアルコキシアルキル、シクロアルキル、モルホリニル、またはビシクロアルキル基である、請求項25に記載の方法。 - 結果的に得られるフルオロスルホナートエステルRFSO2Fが単離される、請求項25に記載の方法。
- 結果的に得られるオニウム塩[RB+][RFSO3 −]が単離され、
ここで、前記結果的に得られるオニウム塩[RB+][RFSO3 −]は、結果的に得られるフルオロスルホナートエステルRFSO2Rを、その場で(in situ)または、後で加えられる前記非プロトン性塩基と反応させることによって得られるものである、請求項25に記載の方法。 - 非プロトン性アミンを加えてSO2F2との反応によってフッ素イオンを生成することを含む、請求項1、14および25のいずれかに記載の方法。
- 前記フルオロスルホナートエステルは、安定なエステルであり、非プロトン性アミンで処理され、
中性のプロトン性または非プロトン性アミンが結果的に得られる生成物である、請求項1、14および25のいずれかに記載の方法。 - 前記フルオロスルホナートエステルは、安定なエステルであり、非プロトン性アミンで処理され、
オニウム塩が結果的に得られる生成物である、請求項1、14および25のいずれかに記載の方法。
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