JP2016512183A - タイヤ用の多層ラミネート - Google Patents

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Abstract

タイヤ用の気密エラストマーラミネートであって、前記ラミネートがエラストマーの少なくとも2つの重畳層: ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有し、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーの含有量が50phrより多く100phr(エラストマー100質量部に対する質量部)までの範囲内にある、少なくとも1つの熱可塑性エラストマー、及び1phrから40phrまでの可塑化用オイル及び1phrから40phrまでの炭化水素樹脂を含み、可塑剤の全含有量が2phrから70phrまでの範囲内にある、可塑化系をベースとする組成物から構成される第1層; ジエンエラストマーの含有量が50phrより多く95phrまでの範囲内にある、少なくとも1つのジエンエラストマー、及び熱可塑性スチレンエラストマーの含有量が5phrから50phr未満までの範囲内にある、少なくとも1つの熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)をベースとする組成物から構成される第2層を含む、前記ラミネート。【選択図】なし

Description

本発明は、エラストマー層の一方において、エラストマーが主にポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーである、気密組成物を含むタイヤ用のラミネートに関する。
従来のタイヤにおいて、種々のエラストマー層はジエンエラストマー組成物から構成され、前記エラストマーの架橋の間に生成される結合を介して相互に付着している。従って、これらの層は付着させるために、キュアリング(又は架橋)前に合わせられなければならない。
今日タイヤ製造業者は、エラストマーとして、主にポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーを含む気密エラストマー層を用いることがこれらのエラストマーの特性から利益を得るために、特に気密性、転がり抵抗の減少及び加工性にとって有利である。
エラストマーが主に熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)、特にポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーであるこのような層の使用における問題点は、エラストマーが主にポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーである、得られたラミネートのキュアリング前或いは層に隣接する層のキュアリング後の従来の組成物の隣接するジエン層への接着である。
この接着を改善するために、出願人の会社は、例えば文献の国際公開第2010/063427号パンフレットにおいて、エラストマーが主にポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーである、層を含むタイヤのためのラミネートを以前に記載した。この文献では、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーから主に構成される層は特定の中間接着剤層の存在によってジエン層に付着させることができる。それは効果的であるが、得られたラミネートはタイヤの構造に追加の層を加え、タイヤをより重くするとともにその製造の段階を加える。
主にポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーをベースとする気密層の使用によって従来のタイヤを改善する目的で、隣接する架橋された又は架橋されていないジエン層にこのような層の接着を簡易化しつつ、出願人の会社は、驚くべきことに、本発明のラミネートを見出した。
従って、本発明の内容は、タイヤ用の気密エラストマーラミネートであって、前記ラミネートがエラストマーの少なくとも2つの隣接層:
ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有し、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーの含有量が50phrより多く100phr(エラストマー100質量部に対する質量部)までの範囲内にある、少なくとも1つの熱可塑性エラストマー、及び1phrから40phrまでの可塑化用オイル及び1phrから40phrまでの炭化水素樹脂を含み、可塑剤の全含有量が2から70phrまでの範囲内にある、可塑化系をベースとする組成物から構成される第1層;
ジエンエラストマーの含有量が50phrより多く95phrまでの範囲内にある、少なくとも1つのジエンエラストマー、及び熱可塑性スチレンエラストマーの含有量が5phrから50phr未満までの範囲内にある、少なくとも1つの熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)をベースとする組成物から構成される第2層
を含む。
これらの2層において、気密層内にポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーが含まれる、熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)の存在は、本発明の気密ラミネートの2層間に満足すべき接着を有することを可能にする。従来技術の解決策と比較すると、本発明は、中間層を不要にすることを可能にし、中間層の唯一の役割がポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーを含む気密層のジエン層への接着であるので、タイヤを重くすることなく且つその転がり抵抗も増加させないので、かなり簡便である。
本発明の他の主要な利点は、接着のために追加のエラストマー層を用いる代わりに、本発明が主にジエン層(従来のタイヤの組成物のように)をポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーを含む気密層に付着させることを可能にするので材料の節約を可能にすることである。この節約は、更に、環境の保護にも非常に有利である。
更にまた、このラミネート層の配合は、キュアリング後の製造、すなわち第2層のキュアリング後にラミネートの第1層の第2層への適用を可能にする。従って、例えば、半径方向内層として前記第2層を備えているタイヤをキュアリングした後、第1層を第2層に適用することができる; 特に、第1層のこの適用は、第2層に必要である処理を含めずに可能である。
好ましくは、本発明は、第1層のポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーが、スチレン/イソブチレン/スチレン(SIBS)コポリマーである、上で定義したラミネートに関する。
好ましくはまた、本発明は、第1層の組成物中のポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーの含有量が、70phrから100phrまで、より好ましくは80phrから100phrまでの範囲内にある、上で定義したラミネートに関する。
好ましくは、本発明は、熱可塑性エラストマーが、第1層の唯一のエラストマーである、上で定義したラミネートに関する。
好ましくは、本発明は、第1層の可塑化系が、2phrから30phrまで、好ましくは5phrから20phrまでの可塑化用オイルを含む、上で定義したラミネートに関する。
好ましくはまた、本発明は、第1層の可塑化用オイルが、ポリオレフィンオイル、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族オイル、鉱油及びこれらのオイルの混合物からなる群より選ばれる、上で定義したラミネートに関する。好ましくは、第1層の可塑化用オイルは、ポリブテン油、好ましくはポリイソブチレン油である。
好ましくは、本発明は、第1層の可塑化系が、2phrから30phrまで、好ましくは5phrから20phrまでの炭化水素樹脂を含む、上で定義したラミネートに関する。
好ましくは、本発明は、第1層の炭化水素樹脂が、シクロペンタジエン又はジシクロペンタジエンのホモポリマー又はコポリマー樹脂、テルペンのホモポリマー又はコポリマー樹脂、テルペン/フェノールのホモポリマー又はコポリマー樹脂、C5留分のホモポリマー又はコポリマー樹脂、C9留分のホモポリマー又はコポリマー樹脂、α-メチルスチレンのホモポリマー又はコポリマー樹脂及びこれらの樹脂の混合物からなる群より選ばれる、上で定義したラミネートに関する。好ましくは、第1層の炭化水素樹脂が、2つの異なるビニル芳香族モノマーのコーポリマー樹脂、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、(D)CPD/C5留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C5留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C9留分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C5留分/ビニル芳香族コポリマー樹脂及びこれらの樹脂の混合物からなる群より選ばれる。より好ましくは、第1層の炭化水素樹脂は、(D)CPDホモポリマー樹脂、(D)CPD/スチレンコポリマー樹脂、ポリリモネン樹脂、リモネン/スチレンコポリマー樹脂、リモネン/D(CPD)コポリマー樹脂、C5留分/スチレンコポリマー樹脂、C5留分/C9留分コポリマー樹脂、スチレン/α-メチルスチレンコポリマー樹脂及びこれらの樹脂の混合物からなる群より選ばれる。非常に好ましくは、第1層の炭化水素樹脂は、スチレン/α-メチルスチレンコポリマー樹脂である。
好ましくは、本発明は、可塑剤の全含有量が、5phrから45phrまでの範囲内にある、上で定義したラミネートに関する。好ましくは、可塑剤の全含有量は、10phrから35phrまでの範囲内にある。
好ましくはまた、本発明は、第1層が、更に、板状充填剤を含む、上で定義したラミネートに関する。
好ましくは、本発明は、第1層が、架橋系を含んでいない、上で定義したラミネートに関する。
好ましくは、本発明は、第2層の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)のエラストマーブロックが、25℃未満のガラス転移温度を有するエラストマーから選択される、上で定義したラミネートに関する。
好ましくはまた、本発明は、第2層の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)のエラストマーブロックが、エチレンエラストマー、ジエンエラストマー及びこれらの混合物からなる群より選ばれる、上で定義したラミネートに関する。好ましい形態によれば、第2層の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)のエラストマーブロックは、エチレンエラストマーから選択される。他の好ましい形態によれば、第2層の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)のエラストマーブロックは、ジエンエラストマーから選択される。
好ましくは、本発明は、第2層の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)が5%と50質量%の間のスチレンを含む、上で定義したラミネートに関する。より好ましくは、第2層の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)は、スチレン/エチレン/ブチレン(SEB)、スチレン/エチレン/プロピレン(SEP)、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン(SEEP)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEPS)、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEEPS)、スチレン/イソブチレン(SIB)、スチレン/イソブチレン/スチレン(SIBS)、スチレン/ブタジエン(SB)、スチレン/イソプレン(SI)、スチレン/ブタジエン/イソプレン(SBI)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/ブタジエン/イソプレン/スチレン(SBIS)、スチレン/ブタジエン/ブチレン(SBB)及びスチレン/ブタジエン/ブチレン/スチレン(SBBS)のコポリマー熱可塑性エラストマー及びこれらのコポリマーの混合物からなる群より選ばれる。
好ましくは、本発明は、第2層の組成物中の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)の含有量が5phrから45phrまで、より好ましくは10phrから40phrまでの範囲内にある、上で定義したラミネートに関する。
好ましくは、本発明は、第2層のジエンエラストマーが本質的に不飽和ジエンエラストマー及びこれらのエラストマーの混合物からなる群より選ばれる、上で定義したラミネートに関する。好ましくは、第2層のジエンエラストマーは、4から12個までの炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られるホモポリマー、1つ以上の共役ジエンの相互の共重合又は1つ以上の共役ジエンと8から20個まで炭素原子を有する1つ以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られるコポリマー、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる。より好ましくは、第2層のジエンエラストマーは、ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、天然ゴム、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーの混合物からなる群より選ばれる。
好ましくは、本発明は、第2層が補強充填剤を含む、上で定義したラミネートに関する。好ましくは、第2層の補強充填剤は、カーボンブラック及び/又はシリカである。より好ましくは、第2層の主な補強充填剤は、カーボンブラックである。
本発明は、また、上で定義したラミネートを含むタイヤに関する。
更にまた、本発明は、また、空気式対象物において、上で定義したラミネートの使用に関する。
本発明は、より詳しくは、非自動車、例えば自転車、又は乗用車タイプの自動車、SUV(「スポーツ用多目的車」)、二輪車(特にオートバイ)、航空機だけでなく、バン、「重量」車両、すなわち地下鉄列車、バス、道路運送車両(トラック、トラクター、トレーラー)又は道路外車両、例えば農業用車両又は工事用車両、又は他の輸送車両又はハンドリング車から選択される産業用車両に装着することを意図するタイヤに用いられる上で定義したラミネートに関する。
本発明及びその利点は、以下の説明及び実施例を考慮して容易に理解される。
本説明において、特に明確にことわらない限り、示されるパーセント(%)はすべて質量パーセントである。
更にまた、用語「phr」は、本特許出願の意味の範囲内で、一緒に混合されるエラストマー、熱可塑性エラストマー及びジエン100部に対する質量部を意味する。本発明の意味の範囲内で、熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)は、エラストマーの中に含められる。
更にまた、語句「aとbの間」が示す数値の間隔は、aよりも大きい数値からbよりも小さい数値までの範囲を表す(すなわち、aとbの限度を除く)が、語句「aからbまで」が示す数値の間隔は、aからbまでの数値の範囲を意味する(すなわち、厳密な限度aとbを含める)。
本発明に必要とされるものとして、本特許出願においては、「熱可塑性層」は、質量で、ジエンエラストマーより多量の熱可塑性エラストマーを含むエラストマー層を示し、「ジエン層」は、質量で、熱可塑性エラストマーより多量のジエンエラストマーを含むエラストマー層を示すことが指定される。主にポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するTPSコポリマーを含む本発明のラミネートの気密層は、明らかに上で定義した熱可塑性層である。
本発明のラミネートは、示された2層、本発明の明瞭さに必要とされるものとしての第1層と第2層(又はそれぞれ気密熱可塑性層とジエン層)の間に優れた接着を示す。従って、本発明によれば、上で定義した気密熱可塑性層は上で定義したジエン層と、このジエン層内の一定量のTPSの存在によって付着させることができる。
本発明の詳細は、第1の工程において、本発明のラミネートの2層の可能な一般成分の説明によって、次に、第2の工程において、本発明のラミネートの層の各々の特定の成分の説明によって、最後に、本発明のラミネートの2層間の接着の説明によって以下で説明される。
本発明の気密ラミネートは、「気密熱可塑性層」と「ジエン層」と呼ばれる少なくとも2つのエラストマー層を異なる配合で備えている本質的特性を有し、前記ラミネートの前記層は、気密層内にポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーが含まれる、下記で定義される少なくとも1つの熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)を含む。ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーに加えて、気密層は可塑化系を含み、それの組成物は以下に詳述される。熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)に加えて、ジエン層もまた、ジエンエラストマーを含む; その組成物は、以下に詳述される。
I- 本発明のラミネートの気密層の組成物
I-1. ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマー
気密であり又はより一般的には任意のふくまらせるガスに気密である第1層は、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する50phrを超えるTPSコポリマーを含む。
「ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマー」は、本特許出願において、少なくとも1つのポリスチレンブロック(すなわち、1つ以上のポリスチレンブロック)及び少なくとも1つのポリイソブチレンブロック(すなわち、1つ以上のポリイソブチレンブロック)を含む任意の熱可塑性スチレンコポリマーを意味するものとして理解されなければならず、他の飽和又は不飽和ブロック(例えば、ポリエチレンブロック及び/又はポリプロピレンブロック)及び/又は他のモノマー単位がそれと関連してもよく又は関連しなくてもよい。ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーがポリスチレンブロックを含むので、これは本発明のラミネートのジエン層の組成物を記載している部分において下記で詳述される熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)のより大きいファミリーの中に入っている。ポリスチレンブロックは、本説明において、置換されていない及び置換されている双方のスチレンをベースとする1つ以上のモノマーの重合から得られる任意のブロックを意味するものとして理解されなければならず; 置換スチレンの中では、例えば、メチルスチレン(例えば、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、p-メチルスチレン又はtert-ブチルスチレン)、クロロスチレン(例えば、モノクロロスチレン又はジクロロスチレン)又はブロモスチレンを挙げることができる。
ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するこのコポリマー、例えば、特に、スチレン/イソブチレン(「SIB」と略記される)ジブロックコポリマー又はスチレン/イソブチレン/スチレン(「SIBS」と略記される)トリブロックコポリマーの存在が、ブチルゴムをベースとする従来の層と比較して、ヒステリシスを著しく減少させつつラミネートの優れた気密性を与えることがわかった。
ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するこのコポリマーは、特に、定義上完全に飽和されている、SIB、SIBS及びこれらのSIBとSIBSコポリマーの混合物からなる群より選ばれる。
ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマー、例えばSIB又はSIBSコポリマーは既知であり、市販されており、例えば、KanekaによりSibstar名(例えばSIBSに対してはSibstar 103T、Sibstar 102T、Sibstar 073T又はSibstar 072T、SIBに対してはSibstar 042D)として販売されている。これらは、例えば、これらの合成とともに、特許文献の欧州特許第731 112号明細書、米国特許第4 946 899号明細書、米国特許第5 260 383号明細書に記載されている。これらは、最初に、生物医学的用途に開発され、次に、医療機器、自動車又は家庭電気製品の部品、電線の被覆材料、耐漏えい部品又は弾性部品といった多様な、TPSエラストマーに特定の種々の用途に記載されている(例えば、欧州特許第1 431 343号明細書、同第1 561 783号明細書、同第1 566 405号明細書、国際公開第2005/103146号パンフレットを参照のこと)。タイヤ用途は、特許文献の国際公開第2009/007064号パンフレット及び同第2010/063427号パンフレットに記載されている。
上記の気密層は、必要により、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマー以外のエラストマーを、少量(50phr未満)で含んでいてもよい。このような追加のエラストマーは、例えば、本発明のラミネートのジエン層について以下で定義されるジエンエラストマー、例えば天然ゴム又は合成ポリイソプレン、ブチルゴム、実際には他の飽和熱可塑性スチレンエラストマーさえも、これらのミクロ構造の適合性の限度内であってもよい。このような例において、好ましくは、第1の気密組成物中のポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーの含有量は、70phrから100phrまでの範囲内、特に80phrから100phrまでの範囲内にある。
しかしながら、特に好ましい実施態様によれば、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマー、特にSIB又はSIBSのコポリマーは、気密層内に存在する唯一の熱可塑性エラストマー、より一般的には唯一のエラストマーである; その結果として、このような例においては、その含有量は100phrに等しい。
上記ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマー、特にSIB又はSIBSのコポリマーは、これらが第1のエラストマー層に満たされるように用いられる空気式対象物に関して気密性のためにそれ自体単独で充分である。
I-2. 可塑化系
本発明のラミネートの気密層の可塑化系は、可塑化用オイル及び炭化水素樹脂から構成される。
可塑化系の機能は、粘度の低下及び気密層、従って本発明のラミネートの粘着力の増大によって、処理、特に空気式対象物における取込みを容易にすることである。この可塑化系は、可塑化用オイル及び炭化水素樹脂を含んでおり、可塑剤の全含有量は、2phrから70phrまで、好ましくは5phrから45phrまで、より好ましくは10phrから35phrまでの範囲内にある。
本発明に必要とされるものとしての可塑剤、すなわちオイル及び樹脂は、好ましくは、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーと相溶性である。ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーと互相溶性の可塑剤は、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーとの混合物として、混合物のエラストマー部分が単一のガラス転移温度(Tg)を示す可塑剤(当該可塑剤によれば、オイル又は樹脂)を意味すると理解される。可塑剤と、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーとの前記相溶性は、可塑剤の最適効果を可能にする。
可塑化用オイル(又は伸展油)は、1から40phrまでの範囲にある含有量で用いられ、phrは第1の気密層に存在する全エラストマー(すなわち、適切な場合、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する上記コポリマープラス追加のエラストマー)100部に対する質量部を意味する。
指示された最低値より少ないと、気密層、従って多層ラミネートの粘度が高すぎてジエン層のキュアリング後にジエン層上に堆積され且つジエン層の間隙に浸透するリスクがあるが、推奨された最大値を超えると、タイヤの回転中に遠心処理によって材料の望ましくない運動が生じることが可能な過度に大きい冷間時クリープの危険がある。
これらの理由により、伸展油は、好ましくは2phrから30phrまで、より好ましくは5phrから20phrまでの範囲にある含有量で用いられる。
エラストマー、特に熱可塑性エラストマーを伸展又は可塑化することができる、好ましくは弱い極性を有する任意の伸展油が使われてもよい。
周囲温度(23℃)において、多少粘稠であるこれらの油は、特に本来固形物である樹脂と対照的に、液体(すなわち、念のため、その容器の形状を最終的にとる能力を有する物質)である。
好ましくは、伸展油は、ポリオレフィンオイル(すなわち、モノオレフィン又はジオレフィンのオレフィンの重合から得られる)、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル(低粘度又は高粘度)、芳香族オイル、鉱油及びこれらのオイルの混合物からなる群より選ばれる。
好ましくはポリブテン油、特にポリイソブチレン(「PIB」と略記される)油が使われ、試験したその他の油、特にパラフィン型の油と比較して特性が最良の妥協を示した。
例として、ポリイソブチレン油は、特に、UnivarによりDynapak Poly名(例えば、Dynapak Poly 190)で、BASFによりGlissopal(例えば、Glissopal 1000)又はOppanol(例えば、Oppanol B12)名で及びIneos Oligomerにより名称Indopol H1200として販売されている。パラフィン系オイルは、例えば、Exxonにより名称Telura 618として又はRepsolにより名称Extensol 51として販売されている。
伸展油の数平均分子量(Mn)は、好ましくは200と25 000g/molの間、より好ましくは300と10 000g/molの間である。極端に低いMn質量には、組成物の外部に油が移動するリスクが存在するが、極端に高い質量は結果として本組成物を過剰に固くすることになり得る。350と4000g/molの間、特に400と3000g/molの間のMn質量は、標的にされた用途に対して、特にタイヤにおける使用に対して優れた妥協を構成することがわかった。
伸展油の数平均分子量(Mn)は、SECによって定量され、試料をテトラヒドロフランに約1g/lの濃度で前もって溶解し; 次に、溶液を0.45μmの多孔性を有するフィルターで濾過した後に注入する。装置は、Waters Allianceクロマトグラフィーラインである。溶離溶媒はテトラヒドロフランであり、流速は1ml/分であり、システムの温度は35℃であり、分析時間は30分である。Styragel HT6E名を有する一組の2本のWatersカラムが用いられる。ポリマー試料の溶液の注入容積は、100μlである。検出器はWaters 2410示差屈折計であり、クロマトグラフィーデータを使うための、その関連ソフトウェアはWaters Millenniumシステムである。計算された平均モル質量は、ポリスチレン標準によって生成される較正曲線に相対する。
当業者は、以下の説明及び実施例を考慮して、気密熱可塑性層、特にそれが用いられることを意図する空気式対象物の特定の使用条件の関数として伸展油の量をどれくらい調整するかを知っている。
また、本発明のラミネートの第1層の可塑化系は、炭化水素樹脂を含む。
呼称「樹脂」は、液体可塑化化合物、例えば油とは対照的に、周囲温度(23℃)で固体である化合物として、当業者に既知の定義上本特許出願において確保されている。
炭化水素樹脂は、特にポリマーマトリックスにおける可塑剤として使用し得る、本質的に炭素及び水素をベースにした、当業者によく知られているポリマーである。炭化水素樹脂は、例えば、R. Mildenberg、M. Zander及びG. Collinによる「Hydrocarbon Resins」(New York、VCH、1997、ISBN 3-527-28617-9)という題名の研究に記載されており、それの第5章は、特にタイヤゴム分野での用途に向けられている(5.5.「Rubber Tires and Mechanical Goods」)。炭化水素樹脂は、脂肪族/芳香族型の、すなわち脂肪族及び/又は芳香族モノマーをベースとした脂肪族、脂環式、芳香族、水素添加された芳香族であり得る。炭化水素樹脂は、天然又は合成であることができ、石油をベースとするか又はベースとしない(このような例である場合には、炭化水素樹脂は石油樹脂という名前でも知られている)。炭化水素樹脂は、真の希釈剤として作用するように、意図されるポリマー組成物と用いられる含有量で定義上混和性(すなわち、相溶性)である。炭化水素樹脂のTgは、好ましくは0℃より高く、特に20℃より高い(一般的には30℃と120℃間である)。
知られているように、これらの炭化水素樹脂は、また、加熱されるときに軟化するので成形され得るという意味で熱可塑性樹脂と記載され得る。これらは、また、軟化点によって定義されることができ、それの温度で生成物は、例えば粉末の形で一緒に付着する。炭化水素樹脂の軟化点は、一般的にはそのTg値より約50〜60℃だけ高い。
可塑化系において、樹脂は1phrから40phrまでの範囲にある質量含有量で用いられる。1phrより少ないと、樹脂効果はほとんど注目に値せず、40phrより多いと、ヒステリシスの同時増加の危険がある。これらの理由により、樹脂の含有量は、好ましくは、2phrから30phrまで、非常に好ましくは5phrから20phrまでである。
本発明の好ましい実施態様によれば、炭化水素樹脂は、下記の特性の少なくとも1つ、より好ましくは全てを示す:
・10℃より高い、より好ましくは30℃より高いTg;
・50℃より高い、好ましくは80℃より高い(特に80℃と160℃の間の)軟化点;
・200と3000g/molの数平均モル質量(Mn);
・4以下の多分散性指数(PI)(注意: PI = Mw/Mn、ここでMwは質量平均モル量)。
より好ましくは、この炭化水素樹脂は、下記の特性の少なくとも1つ、より好ましくは全てを示す:
・30℃と120℃の間(特に35℃と105℃の間)のTg;
・90℃より高い(特に110℃と150℃間)の軟化点;
・400と1500g/molの平均質量Mn;
・3未満、特に2未満の多分散性指数PI。
軟化点は、規格ISO 4625(環球法)に従って測定される。Tgは、規格ASTM D3418(1999)に従って測定される。炭化水素樹脂のマクロ構造(Mw、Mn及びPI)は、立体排除クロマトグラフィー(SEC); 溶媒テトラヒドロフラン; 温度35℃; 濃度1g/l; 流速1ml/分; 0.45μmの多孔性を有するフィルターで濾過後に注入される溶液; ポリスチレン標準によるムーア較正; 連続して3本のWatersカラムセット(Styragel HR4E、HR1及びHR0.5); 示差屈折計(Waters 2410)及びその関連するオペレーティングソフト(Waters Empower)による検出によって定量される。
このような炭化水素樹脂の例としては、シクロペンタジエン(CPDと略記される)又はジシクロペンタジエン(DCPDと略記される)のホモポリマー又はコポリマー樹脂、テルペンホモポリマー又はコポリマー樹脂、C5留分ホモポリマー又はコポリマー樹脂、C9留分ホモポリマー又はコポリマー樹脂、α-メチルスチレンホモポリマー又はコポリマー樹脂及びこれらの樹脂の混合物からなる群より選ばれる炭化水素樹脂を挙げることができる。より詳しくは、上記のコポリマー樹脂の中で、2つの異なるビニル芳香族モノマーのコポリマー樹脂、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、(D)CPD/C5留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C5留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C9留分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C5留分/ビニル芳香族コポリマー樹脂及びこれらの樹脂の混合物からなる群より選ばれるものを挙げることができる。
用語「テルペン」はここでは、知られているように、α-ピネン、β-ピネン及びリモネンモノマーを組み合わせる; 好ましくは、知られているように、化合物が3つの可能な異性体の形で存在するリモネンモノマー: L-リモネン(左旋性エナンチオマー)、D-リモネン(右旋性エナンチオマー)或いはジペンテン、右旋性及び左旋性のエナンチオマーのラセミ化合物が使われる。ビニル芳香族モノマーとして、例えば: スチレン、α-メチルスチレン、オルトメチルスチレン、メタメチルスチレン、パラメチルスチレン、ビニルトルエン、パラ(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン又はC9留分(又はより一般的にはC8からC10留分まで)から得られる任意のビニル芳香族モノマーが適切である。
より詳しくは、(D)CPDホモポリマー樹脂、(D)CPD/スチレンコポリマー樹脂、ポリリモネン樹脂、リモネン/スチレンコポリマー樹脂、リモネン/D(CPD)コポリマー樹脂、C5留分/スチレンコポリマー樹脂、C5留分/C9留分コポリマー樹脂、スチレン/α-メチルスチレンコポリマー樹脂及びこれらの樹脂の混合物からなる群より選ばれる樹脂を挙げることができる。非常に好ましくは、樹脂は、スチレン/α-メチルスチレンコポリマー樹脂である。
上記樹脂は、全て当業者に周知であり、市販されており、例えば、ポリリモネン樹脂に関しては名称DercolyteとしてDRTにより、C5留分/スチレン又はC5留分/C9留分コポリマー樹脂に関しては名称Super NevtacとしてNeville Chemical社により、名称HikorezとしてKolonにより又は名称EscorezとしてExxon Mobilにより、名称40 MS又は40 NS(芳香族及び/又は脂肪族樹脂の混合物)としてStruktolにより、水素添加された脂肪族炭化水素樹脂に関しては名称Eastotac、例えばEastotac H-142WとしてEastmanにより、又はスチレン/α-メチルスチレン樹脂に関しては名称Sylvares SA 140としてArizonaにより販売されている。
I-3. 板状充填剤
上記のエラストマーは、本発明の多層ラミネートにそれ自体単独で充分使用できる; しかし、板状充填剤は、本発明のラミネートの気密層の組成物中に使用可能である。
板状充填剤の好ましい使用は、有利には、エラストマー組成物物の透過係数を、そのモジュラスを過度に増大させることなく、低下させること(従って気密性を高めること)を可能にし、このことは、上記気密層の空気式対象物への組込みの容易さを保持することを可能にする。
「板状」充填剤は、当業者に周知である。板状充填剤は、特にタイヤにおいて、ブチルゴムをベースとする通常の気密層の透過性を低下させるために用いられている。ブチルゴムをベースとするこれらの層においては、板状充填剤は、一般的には比較的低い含有量で用いられ、たいてい10〜15phrを超えない(例えば、特許文献米国特許出願第2004/0194863号明細書、国際公開第2006/047509号パンフレットを参照されたい)。
板状充填剤は、一般に、比較的顕著な異方性を有する積層プレート、プレートレット、シート又はラメラの形で与えられる。板状充填剤のアスペクト比(A = L/T)は、一般的には3よりも大きく、しばしば5よりも又は10よりも大きく、Lは長さ(又は最も大きい寸法)を示し、Tはこれらの板状充填剤の平均厚さを示し、これらの平均値は数字に基づいて算出される。数十に、実際には数百にさえ達するアスペクト比がしばしばである。板状充填剤の平均長は、好ましくは1μmよりも大きく(すなわち、その場合、「マイクロメーター」の板状充填剤が含まれる)、典型的には数μm(例えば5μm)と数百μm(例えば500μm、実際に800μmにさえ)の間にある。
好ましくは、本発明に従って用いられる板状充填剤は、グラファイト、フィロケイ酸塩及びこのような充填剤の混合物からなる群より選ばれる。特に、フィロケイ酸塩の中では、クレー、タルク、マイカ又はカオリンが挙げられ、これらのフィロケイ酸塩は、例えば表面処理によって、変性されること又は変性されないことが可能である; 特に、このような変性されたフィロケイ酸塩の例として、酸化チタンで被覆されたマイカ又は界面活性剤で変性されたクレー(「オルガノクレー」)を挙げることができる。
好ましくは、低表面エネルギーを有する、即ち、比較的非極性である板状充填剤、例えば、グラファイト、タルク、雲母及びこのような充填剤の混合物からなる群より(これらは、変性されているか或いは変性されていないことが可能である)、より好ましくは、グラファイト、タルク及びこのような充填剤の混合物からなる群より選ばれる板状充填剤が使われる。特に、グラファイトの中では、天然グラファイト、膨張グラファイト又は合成グラファイトが挙げられ得る。
雲母の例としては、CMMP社により販売されている雲母(例えば、Mica‐MU(登録商標)、Mica‐Soft(登録商標)、Briomica(登録商標))、バーミキュライト(特に、CMMP社により販売されているバーミキュライトShawatec(登録商標)又はW.R. Grace社により販売されているバーミキュライトMicrolite(登録商標))又は変性又は処理雲母(例えば、Merckにより販売されているIriodin(登録商標)範囲)を挙げることができる。グラファイトの例としては、Timcalにより販売されているグラファイト(Timrex(登録商標)種類)を挙げることができる。タルクの例としては、Luzenacにより販売されているタルクを挙げることができる。
上記の板状充填剤は、好ましくは0%と50%の間、より好ましくは1%と50%間、更により好ましくは5%と50%の間の容積含有量で好ましく用いられる。
個々の実施態様によれば、組成物中の板状充填剤の含有量は、エラストマー組成物の好ましくは少なくとも10容積%に等しい。このような容量含有量は、典型的には、用いられる板状充填剤の平均密度(典型的には2.0と3.0の間)及び用いられるTPSエラストマーの平均密度を考慮して、20phrよりも多い、好ましくは少なくとも40phrに等しい質量含有量に相当する。
TPSエラストマー層の気密性を更に高めるために、少なくとも15容積%、実際には20容積%にさえ等しい更に高含有量の板状充填剤を使うこともでき、典型的には少なくとも50phr、実際には80phrにさえ等しい質量含有量に相当する。100phrよりも多い質量含有量も同等に有利に可能である。
しかしながら、板状充填剤の含有量は、好ましくは50容積%未満(典型的には500phr未満)であり、この上限より多いと、モジュラスの増大、組成物の脆弱化、充填剤分散及び加工の問題が、ヒステリシスのマイナス効果の可能性は言うまでもなく生じ得る。
板状充填剤の熱可塑性エラストマー組成物への導入は、種々の既知の方法に従って、例えば溶液混合によって、密閉ミキサー中でのバルク混合よって、又は押出混合によって行われ得る。
I-4. 各種添加剤
上記の気密層又は組成物は、更に、当業者に既知の気密層内に通常は存在する種々の添加剤を含み得る。例えば、補強充填剤、例えばカーボンブラック又はシリカ、上記板状充填剤以外の非補強充填剤又は不活性充填剤、組成物の着色に有利に使用し得る着色剤、保護剤、例えば酸化防止剤又はオゾン劣化防止剤、UV安定剤、各種加工助剤又は他の安定剤、又は空気式対象物の残りの構造物への接着を促進することのできる促進剤が挙げられる。
好ましくは、多層ラミネートの気密熱可塑性層は、同時にこれらの添加剤をすべて含むのではなく、好ましくは、場合によっては、多層ラミネートはこれらの薬剤を含まない。
同時に及び必要により、本発明の多層ラミネートの層の組成物は、当業者に既知の架橋系を含み得る。好ましくは、組成物は架橋系を含まない。
上記のエラストマーに加えて、多層ラミネートの組成物は、また、常にブロックエラストマーに対しては少量の質量部分に従って、1つ以上の(非エラストマー)熱可塑性ポリマー、例えばポリエーテルをベースにしたものを含み得る。
II- 本発明のラミネートのジエン層の組成物
II-1. 熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)
第2のジエン層は、常にそのエラストマーの少量部分に従って、TPSを含む。
熱可塑性スチレンエラストマー(TPSと略記される)は、知られているように、熱可塑性エラストマー(TPEと略記される)のファミリーの中に入っている。エラストマーと熱可塑性ポリマーの間の構造中間体について、熱可塑性スチレンエラストマーは、可撓性エラストマー配列、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(エチレン/ブチレン)又はポリイソブチレン)が結合した剛性ポリスチレン配列から構成される。熱可塑性スチレンエラストマーは、しばしば、可撓性セグメントが結合した2つの剛性セグメントを有するトリブロックエラストマーである。剛性と可撓性のセグメントは、線状に、又は星型配置又は分枝状配置で位置決めされ得る。典型的には、これらのセグメント又はブロックの各々は、最小限5を超える、一般的には10を超えるベース単位(例えば、スチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマーに対してのスチレン単位とイソプレン単位)を含む。
スチレンは、この説明において、置換されていない及び置換されているスチレンをベースにした任意のモノマーを意味すると理解されなければならない; 置換スチレンの中では、例えば、メチルスチレン(例えば、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、p-メチルスチレン又はtert-ブチルスチレン)、クロロスチレン(例えば、モノクロロスチレン又はジクロロスチレン)又はブロモスチレンを挙げることができる。
TPSエラストマーの数平均分子量(Mnで示す)は、好ましくは30 000と500 000 g/molの間、より好ましくは40 000と400 000 g/molの間にある。指示した最定値より小さいと、特に伸展油によるエラストマーの希釈が可能なため、影響を受けるエラストマーの鎖間の凝集のリスクがある; 更に、機械的性質、特に破壊時の性質に影響する使用温度の上昇のリスクがあり、その結果「熱」性能が低下する。更にまた、高過ぎる質量Mnは、気密層の可撓性に悪影響を与え得る。従って、50 000から300 000 g/molまでの範囲にある値が、とりわけタイヤにおける組成物の使用に、特によく適していることがわかった。
TPSエラストマーの数平均分子量(Mn)は、立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって知られているように定量される。試料を前もってテトラヒドロフランに約1g/lの濃度で溶解し、次にこの溶液を0.45μmの多孔性を有するフィルターで濾過した後、注入する。用いられる装置は、Waters Allianceクロマトグラフィーラインである。溶出溶媒はテトラヒドロフランであり、流速は0.7ml/分であり、系の温度は35℃であり、分析時間は90分である。Styragel商品名(HMW7、HMW6E及び2本のHT6Eカラム)による、連続した一組の4本のWatersカラムが用いられる。ポリマー試料の溶液の注入容積は、100μlである。検出器は、WATERS 2410示差屈折計であり、クロマトグラフデータを処理するその関連ソフトウェアは、WATERS MILLENIUMシステムである。算出した平均分子量は、ポリスチレン標準によって得られた較正曲線に相対する。
TPSエラストマーの多分散性指数Ip (注:Ip = Mw/Mn、ここで、Mwは質量平均分子量である)は、好ましくは3未満、より好ましくは、Ipは2未満である。
本発明の好ましい実施態様によれば、TPSコポリマー中のスチレンの質量含有量は、5%と50%の間にある。指示した最低値よりも少ないと、エラストマーの熱可塑性がかなり低下するリスクがあり、推奨される最高値よりも多いと、気密層の弾性が影響され得る。これらの理由により、スチレン含有量は、より好ましくは10%と40%の間、特に15%と35%の間にある。
本発明に必要とされるものとしてのTPEのエラストマーブロックは、当業者に知られている任意のエラストマーであり得る。TPEのエラストマーブロックは、一般的には25℃未満、好ましくは10℃未満、より好ましくは0℃未満、非常に好ましくは-10℃のTgを有する。好ましくはまた、TPEのエラストマーブロックのTgは、-100℃より高い。
炭素ベースの鎖を含むエラストマーブロックに対して、TPEのエラストマー部分がエチレン性不飽和を含まない場合には、飽和エラストマーブロックと呼ばれる。TPEのエラストマーブロックがエチレン性不飽和(すなわち、炭素-炭素二重結合)を含む場合には、不飽和又はジエンエラストマーブロックと呼ばれる。
飽和エラストマーブロックは、少なくとも1つ(すなわち、1つ以上)のエチレンモノマー、すなわち炭素-炭素二重結合を含むモノマーの重合によって得られるポリマー配列から構成される。これらのエチレンモノマーから得られるブロックの中に、ポリアルキレンブロック、例えばポリイソブチレン、ポリブチレン、ポリエチレン又はポリプロピレンブロック、又はエチレン/プロピレン又はエチレン/ブチレンランダムコポリマーも挙げることができる。これらの飽和エラストマーブロックは、不飽和エラストマーブロックの水素化によって得ることもできる。これらの飽和エラストマーブロックは、ポリエーテル、ポリエステル又はポリカーボネートのファミリーから得られる脂肪族ブロックでもあり得る。
飽和エラストマーブロックの場合には、TPEのこのエラストマーブロックは、好ましくは主にエチレン単位から構成される。主に、エラストマーブロックの全質量に対して、最大であるエチレンモノマーの質量含有量、好ましくは50%を超え、より好ましくは75%を超え、更により好ましくは85%を超える質量含有量を意味すると理解される。
共役C4-C14ジエンは、エチレンモノマーと共重合され得る。共役C4-C14ジエンは、この場合、ランダムコポリマーである。好ましくは、これらの共役ジエンは、イソプレン、ブタジエン、1-メチルブタジエン、2-メチルブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,4-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、2-メチル-1,3-ヘキサジエン、3-メチル-1,3-ヘキサジエン、4-メチル-1,3-ヘキサジエン、5-メチル-1,3-ヘキサジエン、2,3-ジメチル-1,3-ヘキサジエン、2,4-ジメチル-1,3-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-1,3-ヘキサジエン、2-ネオペンチルブタジエン、1,3-シクロペンタジエン、1,3-シクロヘキサジエン、1-ビニル-1,3-シクロヘキサジエン又はこれらの混合物から選択される。より好ましくは、共役ジエンは、ブタジエン又はイソプレン又はブタジエン及びイソプレンを含む混合物から選択される。
不飽和エラストマーブロックの場合、TPEのこのエラストマーブロックは、好ましくは主に、ジエンエラストマー部分から構成される。主には、エラストマーブロックの全質量に対して、最大であるジエンモノマーの質量含有量、好ましくは50%を超え、より好ましくは75%を超え、更により好ましくは85%を超える質量含有量を意味すると理解される。或いは、不飽和エラストマーブロックの不飽和は、二重結合及び環状型の不飽和を含むモノマーに由来し得る; これは、例えば、ポリノルボルネンの例である。
好ましくは、ジエンエラストマーブロックを形成するために共役C4-C14ジエンが重合又は共重合され得る。好ましくは、これらの共役ジエンは、イソプレン、ブタジエン、ピペリレン、1-メチルブタジエン、2-メチルブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,4-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ペンタジエン、2,5-ジメチル-1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,4-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、2-メチル-1,3-ヘキサジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、3-メチル-1,3-ヘキサジエン、4-メチル-1,3-ヘキサジエン、5-メチル-1,3-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-1,3-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、2-ネオペンチル-1,3-ブタジエン、1,3-シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、2-メチル-1,6-ヘプタジエン、1,3-シクロヘキサジエン、1-ビニル-1,3-シクロヘキサジエン又はこれらの混合物から選択される。より好ましくは、共役ジエンは、イソプレン又はブタジエン又はイソプレン及び/又はブタジエンを含む混合物である。
別の形によれば、TPEのエラストマー部分を形成するために重合させたモノマーは、エラストマーブロックを形成するように、少なくとも1つの他のモノマーとランダム共重合され得る。この別の形によれば、エラストマーブロックの全単位数に対して、エチレンモノマー以外の、重合させたモノマーのモル分率は、このブロックがそのエラストマー特性を保持するようなものでなければならない。有利には、この他のコモノマーのモル分率は、0%から50%まで、より好ましくは0%から45%まで、更により好ましくは0%から40%までの範囲にあり得る。
例示として、第1のモノマーと共重合することのできるこの他のモノマーは、上で記載されたようなエチレンモノマー(例えばエチレン)、ジエンモノマー、より詳しくは上で定義したように4から14個までの炭素原子を有する共役ジエンモノマー(例えばブタジエン)、下で定義されるように8から20個までの炭素原子を有するビニル芳香族型モノマーから選ばれ得るか又は酢酸ビニルのようなモノマーもあり得る。
コモノマーがビニル芳香族型を有する場合は、有利には、熱可塑性ブロックの全単位数に関して、単位の分率、0%から50%まで、好ましくは0%から45%までの範囲にある、より好ましくは0%から40%までの範囲にあることを表す。前述のスチレンモノマー、すなわち、メチルスチレン、パラ(tert-ブチル)スチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン又はパラヒドロキシスチレンも、特にビニル芳香族化合物として適している。好ましくは、ビニル芳香族型のコモノマーはスチレンである。
本発明の好ましい実施態様によれば、TPEのエラストマーブロックは、TPEに対して、良好なエラストマー特性を与え且つ機械的強度が充分でタイヤ多層ラミネートとしての使用と適合するように、全体で、25 000 g/molから350 000 g/molまで、好ましくは35 000 g/molから250 000 g/molまでの範囲にある数平均分子量(Mn)を示す。
エラストマーブロックは、また、上で定義したようにいくつかのタイプのエチレンモノマー、ジエンモノマー又はスチレンモノマーを含むブロックであり得る。
エラストマーブロックは、また、上で定義したようにいくつかのエラストマーブロックから構成され得る。
TPSエラストマーは、特に、スチレン/エチレン/ブチレン(SEB)、スチレン/エチレン/プロピレン(SEP)、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン(SEEP)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEPS)、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEEPS)、スチレン/イソブチレン(SIB)、スチレン/イソブチレン/スチレン(SIBS)、スチレン/ブタジエン(SB)、スチレン/イソプレン(SI)、スチレン/ブタジエン/イソプレン(SBI)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/ブタジエン/イソプレン/スチレン(SBIS)、スチレン/ブタジエン/ブチレン(SBB)及びスチレン/ブタジエン/ブチレン/スチレン(SBBS)ブロックコポリマー及びこれらのコポリマーの混合物からなる群より選ばれ得る。
好ましくは、TPSエラストマーは、ポリスチレンブロック及びポリイソブチレンブロックを有するコポリマーである。このような定義は、少なくとも1つのポリスチレンブロック(すなわち、1つ以上のポリスチレンブロック)及び少なくとも1つのポリイソブチレンブロック(すなわち、1つ以上のポリイソブチレンブロック)を含み、他のブロック(例えば、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンブロック)及び/又は他のモノマー単位(例えば、不飽和単位、例えばジエン単位)が関連していても又は関連していなくてもよい、任意の熱可塑性コポリマーを意味すると理解されなければならない。
より好ましくは、このようなブロックコポリマーは、スチレン/イソブチレン/スチレントリブロックコポリマー(SIBSと略記される)である。SIBSエラストマー又はコポリマーは、本特許出願において、定義上、中央のポリイソブチレンブロックが、必要によりハロゲン化されていてもよい、1つ以上の不飽和単位、特に1つ以上のジエン単位、例えばイソプレン単位で中断されていても中断されていなくてもよい任意のスチレン/イソブチレン/スチレントリブロックエラストマーを意味すると理解される。
TPSエラストマーは、市販されており、例えば、SIBSに関しては、KanekaによりSibstar名(例えばSibstar 102T、Sibstar 103T又はSibstar 073T)として販売されている。
第2層におけるTPSの含有量(すなわち、ポリスチレンブロックを有するいくつかのコポリマーがある場合には全含有量)は、5から50phr未満までの範囲に、特に5から45phrまでの範囲に、より詳しくは10から40phrまでの範囲にある。TPSの最低含有量より少ないと、接着効果が充分でなく、推奨された最大値より多いと、ジエン層の特性は、TPSの強い存在によって過剰な程度まで悪影響を受ける。
II-2. ジエンエラストマー
ジエン層の組成物は、熱可塑性エラストマーより多くのジエンエラストマー含む。
従って、ジエン層の組成物は、少なくとも1つ(すなわち、1つ以上)のジエンエラストマーを含み、これは単独で又は少なくとも1つ(すなわち、1つ以上)の他のジエンエラストマー(又はゴム)とのブレンドとして使用し得る。
「ジエン」エラストマー又はゴムは、知られているように、少なくとも部分的には(すなわち、ホモポリマー又はコポリマー)ジエンモノマー(2つの共役又は非共役炭素-炭素二重結合をもつモノマー)から得られる(1つ以上が理解される)エラストマーを意味すると理解されなければならない。
これらのジエンエラストマーは、2種類:「本質的に不飽和の」又は「本質的に飽和の」に分類され得る。
「本質的に不飽和の」は、一般的には、ジエン由来(共役ジエン)単位の含量が15%(モル%)よりも多い共役ジエンモノマーから少なくとも部分的に得られるジエンエラストマーを意味すると理解される。「本質的に不飽和の」ジエンエラストマーでは、「高度に不飽和の」ジエンエラストマーは、特に、ジエン由来(共役ジエン)単位の含量が50%よりも多いジエンエラストマーを意味すると理解される。
従って、ジエンエラストマー、例えば一部のブチルゴム又はEPDMタイプのジエンとα-オレフィンのコポリマーは、「本質的に飽和の」ジエンエラストマー(低含量又は非常に低含量、常に15%未満のジエン由来の単位)として記載され得るということである。
これらの定義を考えれば、本発明の組成物に用いることのできるジエンエラストマーは、より詳しくは、下記を意味すると理解される:
(a) - 4から12個までの炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られる任意のホモポリマー;
(b) - 1つ以上の共役ジエンを相互に又は8から20個までの炭素原子を有する1つ以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られる任意のコポリマー;
(c) - エチレン及び3から6個までの炭素原子を有するα-オレフィンと、6から12個までの炭素原子を有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる三元コポリマー、例えば、エチレン及びプロピレンと、上述のタイプの非共役ジエンモノマー、例えば、特に1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン又はジシクロペンタジエンから得られるエラストマー;
(d) - イソブテンコポリマー及びイソプレンコポリマー(ブチルゴム)、更にこのタイプのハロゲン化変形、特に、塩素化又は臭素化変形のコポリマー。
任意のタイプのジエンエラストマーが本発明に使用し得る。組成物が加硫系を含む場合、本発明の多相ラミネートの製造において、好ましくは本質的に不飽和のエラストマー、特に上記の(a)又は(b)のタイプが使われる。
共役ジエンとして以下のものが特に適している: 1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1-C5アルキル)-1,3-ブタジエン、例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン又は2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン又は2,4-ヘキサジエン。ビニル芳香族化合物として、例えば、以下のものが適している: スチレン、オルト-、メタ-又はパラ-メチルスチレン、市販の「ビニルトルエン」混合物、パラ-(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン又はビニルナフタレン。
コポリマーは、99%と20質量%の間のジエン単位及び1%と80質量%の間のビニル芳香族単位を含み得る。エラストマーは、任意ミクロ構造を有することができ、用いられる重合条件に、特に変性剤及び/又はランダム化剤の有無に及び使われる変性剤及び/又はランダム化剤の量に左右される。エラストマーは、分散状態で又は溶解状態で調製され得る; エラストマーは、カップリング剤及び/又は星状枝分れ剤又は官能基化剤でカップリング及び/又は星状枝分れ或いは官能基化され得る。例えば、カーボンブラックへのカップリングには、C-Sn結合又はアミノ化官能基を含む官能基、例えばベンゾフェノンを挙げることができ; 例えば、無機補強充填剤、例えばシリカへのカップリングには、シラノール官能基又はシラノール端を有するポリシロキサン官能基(例えば、仏国特許第2 740 778号明細書又は米国特許第6 013 718号明細書に記載されている)、アルコキシシラン基(例えば、仏国特許第2 765 882号明細書又は米国特許第5 977 238号明細書に記載されている)、カルボキシル基(例えば、国際公開第01/92402号パンフレット又は米国特許出願公開第2006/0089445号明細書に記載されている)或いはポリエーテル基(例えば、欧州特許第1 127 909号明細書又は米国特許第6 503 973号明細書に記載されている)を挙げることができる。官能基化エラストマーの他の例として、エポキシ化タイプのエラストマー(例えばSBR、BR、NR又はIR)も挙げることができる。
この第2層におけるジエンエラストマーの含有量(すなわち、ジエンエラストマーのいくつかがある場合には全含有量)は、50phrと95phrの間にある。本発明の好ましい実施態様によれば、ジエンエラストマーの含有量(すなわち、ジエンエラストマーのいくつかがある場合には全含有量)は、好ましくは55phrから95phrまで、好ましくは60phrから90phrまでの範囲にある。
II-3. ナノメータ(又は補強)充填剤
上記のエラストマーは、本発明の多層ラミネートにそれ自体単独で充分使用できる; しかし、補強充填剤は、本発明のラミネートのジエン層の組成物中に使用可能である。
補強充填剤が用いられる場合、タイヤの製造に一般に用いられる充填剤のタイプ、例えば有機充填剤、例えばカーボンブラック、無機充填剤、例えばシリカ、又はこれらの2つのタイプの充填剤のブレンドも使われ得る。
補強無機充填剤が用いられる場合、例えば、知られているように、無機充填剤(その粒子の表面)とエラストマーの間に、化学的及び/又は物理的性質の、満足すべき結合を与えることを意図した少なくとも二官能性カップリング剤(又は結合剤)、特に二官能性オルガノシラン又はポリオルガノシロキサンを用いることが可能である。
II-4. 各種添加剤
本発明の多層ラミネートのジエン層は、更に、通常は当業者に知られているタイヤエラストマー層に存在する種々の添加剤を含み得る。例えば、保護剤、例えば酸化防止剤又はオゾン劣化防止剤、UV吸収剤、種々の加工助剤又は他の安定剤、又はタイヤの構造の残部に接着を促進することのできるプロモーターから選択される1つ以上の添加剤が選ばれる。同様に且つ好ましくは、ジエン層の組成物は、当業者に知られている架橋系を含む。
必要によりまた、本発明の多層ラミネートの層の組成物は、可塑剤、例えば伸展油(又は可塑化用オイル)又は可塑化樹脂を含んでもよく、それの役割は、多層ラミネートの加工、特に、モジュラスの低下及び粘着力の増大によって、タイヤに組み込むことを容易にすることである。
III- 多層ラミネートの調製
従って、上記のように、本発明の多層ラミネートは、少なくとも2つの隣接エラストマー層:
ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有し、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーの含有量が50phrより多く100phr(エラストマー100質量部に対する質量部)までの範囲内にある、少なくとも1つの熱可塑性エラストマー、及び1phrから40phrまでの可塑化用オイル及び1phrから40phrまでの炭化水素樹脂を含み、可塑剤の全含有量が2から70phrまでの範囲内にある、可塑化系をベースとする組成物から構成される第1層;
ジエンエラストマーの含有量が50phrより多く95phrまでの範囲内にある、少なくとも1つのジエンエラストマー、及び熱可塑性スチレンエラストマーの含有量が5phrから50phr未満までの範囲内にある、少なくとも1つの熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)をベースとする組成物から構成される第2層
を含むという本質的特性を有する。
本発明の多層ラミネートは、当業者に既知の方法に従って、ラミネートの2層を別個に調製し、次に熱可塑性層とジエン層とをジエン層のキュアリングの前か後に合わせることによって調製される。熱可塑性層とジエン層とを合わせる工程は、熱、必要により圧力の作用によって行われ得る。本発明のラミネートの気密層の組成物は、この場合、ラミネートのジエン層のキュアリング後に前記気密層を位置決めするのに特に適している。
III-1. 第1層又は気密熱可塑性層
本発明の多層ラミネートの気密熱可塑性層は、例えば、マトリックスの融解及びすべての成分の取込みが実施されるように、各成分を二軸押出機に組み込み、続いて熱可塑性層を生成することを可能にするフラットダイを用いることにより慣用的に調製される。より一般的には、気密熱可塑性層を成形は、当業者に知られている任意の方法: 押出し、カレンダー成形、押出し-吹込み成形、射出成形又はキャストフィルムによって実施され得る。
好ましくは、上記の熱可塑性層は、0.05mmよりも大きい、より好ましくは0.1と10mmの間(例えば、0.2から2mmまで)の厚さを有する。
個々の適用領域、必要とする寸法や圧力に従って、本発明の実施態様は変動することができ、実際に第1の気密層がいくつかの好ましい厚さ範囲を含んでいることは容易に理解される。従って、例えば、乗用車型のタイヤには、少なくとも0.3mm、好ましくは0.5と2mmの間の厚さを有することができる。他の例によれば、大型車両又は農業用車両のタイヤには、好ましい厚さは1と3mmの間であり得る。他の例によれば、建設工事の領域の車両又は航空機のタイヤには、好ましい厚さは、2と10mmの間であり得る。
III-2. 第2層又はジエン層
本発明の多層ラミネートのジエン層は、当業者に周知の一般手順の2連続調製段階を用いて、適切なミキサー内で調製される: 高温で、130℃と200℃の間、好ましくは145℃と185℃の間の最高温度までの温度で熱機械的加工又混練する第1の段階(時には「非生産」段階と呼ばれる)、続いて低温で、典型的には120℃よりも低い、例えば60℃と100℃の間の機械的加工(時には「生産」段階と呼ばれる)の第2段階、これの最終段階で架橋系又は加硫系が組み込まれる。
本発明の好ましい実施態様によれば、加硫系を除く、本発明の組成物のすべてのベース成分、例えばTPSエラストマー又は選択的充填剤が、第1の「非生産的」段階でジエンエラスマーに、混練により、密接に組み込まれ、すなわち、少なくともこれらの種々のベース成分がミキサーに導入され、1以上の段階で、130℃と200℃の間、好ましくは145℃と185℃の間の最高温度に達するまで熱機械的に混練される。
一例として、第1の(非生産的)段階は、単一の熱機械段階で実施され、それの間に、加硫系を除く、すべて必要な成分、選択的補助被覆剤又は加工助剤及び種々の他の添加剤が適切なミキサー、例えば通常内部ミキサーに導入される。この非生産段階における混練の全持続時間は、好ましくは1と15分の間である。第1の非生産段階でこのようにして得られた混合物を冷却した後、次に加硫系が、一般的には外部ミキサー、例えばオープンミルにおいて、低温で組み込まれる; 次にすべてが数分、例えば2と15分の間に混合される(生産段階)。
このようにして得られた最終組成物は、引き続き、例えば、示された層、本発明においては、ジエン層の形でカレンダー仕上される。
III-3. ラミネートの調製
本発明の多層ラミネートは、ジエン層のキュアリングの前か後に、気密熱可塑性層とジエン層とを合わせることによって調製される。キュアリング前、このことは、本発明のラミネートを形成するために、ジエン層上に熱可塑性層を重層し、次にラミネート又は前記ラミネートを備えているタイヤのキュアリングを実施することからなる。キュアリング後、熱可塑性層は、プレキュアされたジエン層上に載置される。接着を確立することができるように、接合面にTPSの処理温度より高い、それ自体でガラス転移温度(Tg)より高い、半結晶性熱可塑性ブロックの場合には、前記TPSの融点(m.p.)より高い温度が必要であり、必要により加圧と組み合わせてもよい。
IV- タイヤにおけるラミネートの使用
本発明のラミネートは、任意のタイプのタイヤにおいて使用し得る。本発明のラミネートは、特に、ゴムでできているタイヤ、タイヤ完成品又はタイヤ半製品、非常に詳しくは、自動車、例えば二輪車、乗用車又は産業用タイプ、又は非自動車、例えば自転車用のタイヤにおける使用によく適している。
本発明のラミネートは、キュアリング前又はキュアリング後にさえラミネートの層を合わせることによって製造され得る。より詳しくは、熱可塑性層はキュアリングを必要としないので、熱可塑性層は、タイヤに用いられる前にこれ自体はキュアリングを必要とする、このジエン層のキュアリングの前か後に本発明のラミネートのジエン層と合わせることができる。従って、本発明のラミネートの気密層は、有利には、最終の半径方向内層として、本発明のラミネートのジエン層を組み込んでいるタイヤの製造及びキュアリング後にラミネートのジエン層と組み立てることができる。従って、この場合には、本発明のラミネートの2層の組み立ては、前記ラミネートのジエン層を組み込んでいるタイヤの製造の後である。
本発明の多層ラミネートは、有利には、すべての型の車両、特に、非常に高速で走行することのできる乗用車のためのタイヤ又は産業用車両、例えば重量車のためのタイヤに使用し得る。
このようなラミネートは、好ましくは、空気式対象物の内壁上に、それを完全に又は少なくとも部分的に覆って位置決めされるが、その内部構造に完全に組み込むこともできる。
ブチルゴムをベースとする通常の気密層と比較すると、本発明の多層ラミネートは、熱可塑性気密層の使用によって、ヒステリシスが著しく低いので、タイヤに低転がり抵抗を与えるという利点を有する。更にまた、この熱可塑性気密層は、タイヤのキュアリング後にラミネートのジエン層上に位置決めされ得る。
更にまた、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーを含む既知の気密層と比較すると、本発明のラミネートは特定の接着層を必要とせずに、従来のジエン層に付着するという大きな利点を示す。これはラミネートの第2層がこの従来の層であり、ジエンエラストマーの一部が熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)で置き換えられているからである。
V- 実施例
V-1. 実例の調製
前述の通り本発明の多層ラミネートの実例を調製する。
V-2. 使用する試験の説明
粘度測定
原理は、剪断応力の間の動的粘性率を測定することにある。Alpha Technologiesにより販売されている動的メカニカルレオメーター(RPA 2000)が使われる。試料は5gの質量を有するディスクの形で準備される。円錐/円錐型形状としている2つのプレートの間にOリングを用いて試料を制限する。下側プレートは回転させることができるが、上側プレートは固定されている; 可動ジョーは、温度の上昇の間(3℃/分程度の速度で40℃から220℃へ)、10Hzの周波数で5%の動的角変形を加えることを可能にする; 装置で、加えられた角変形に対応する印加トルクが測定され、そこからこの機械的及び熱的な応力の間の材料の動的粘性率η(Pa.s)が推定される。
結果は、温度の関数として動的粘性率ηの曲線の形で示される。50℃及び200℃の温度に対応する粘度の2つの特定値をそれぞれ書きとめる。粘度η200℃の値を基準として実験した材料の比較が行われる。100の任意の値は対照の粘度として示され、100より大きい結果は粘度の低下を示すので、粘度性能の改善を意味する。
ヒステリシス測定
原理は、動的応力の間の材料フィルムの損失弾性率(E")を測定することにある。TA Instrumentsにより販売されている動的機械分析装置(DMA Q800)が使われる。試料は、4mmの幅と1mmの厚さを有するフィルムの形で準備される。試料ホルダーは、試料の両端をつかむ2つのジョーから構成されている; ジョー間の距離は、10mmである; 上側のジョーは移動可能であるが、下側のジョーは固定されている; 可動ジョーは0.1Nの静的プレ力を印加することを可能にし、温度の上昇の間(3℃/分で周囲から180℃へ)、1Hzの周波数で7%の動的変形が加えられる; この機械的及び熱的の応力の間に材料によってもたらされる損失弾性率E"が記録される。
結果は、温度の関数として損失弾性率E"の曲線の形で示される。40℃の温度に対応する損失弾性率E"の値を基礎として実験した材料の比較が行われる。100の任意の値は対照の損失弾性率として示され、100より大きい結果は損失弾性率E"、すなわちヒステリシスの低下を示すので、ヒステリシス性能の改善を意味する。
気密試験(又は透水試験)
この分析には、剛性壁浸透計が使われ、オーブン(本例においては60℃の温度)内に置かれ、相対圧力センサー(0から6バールまでの範囲に調整される)を備え、空気注入弁を備えたチューブに接続されている。浸透計には、ディスク形状(例えば、本例においては65mmの直径を有する)で1.5mmまでの範囲にあり得る均一な厚さ(本例においては0.5mm)を有する標準試験片が受容され得る。圧力センサーは、0.5Hzの周波数で継続取得(2秒毎に1ポイント)を実施するコンピュータに接続されているNational Instruments社のデータ取得カード(0〜10Vのアナログ4チャネル取得)に接続されている。透過係数(K)は線形回帰直線から測定され、時間の関数として試験した試験片による圧力低下の傾斜αが、システムの安定化後、すなわち圧力が時間の関数として直線的に低下する安定した状態に達した後に得られる。100の任意の値は対照の気密性として示され、100より大きい結果は気密性の向上を示し、従って透過性の減少を示すので、透過性性能の改善を意味する。
接着測定
本発明の多層ラミネートの実例を、「剥離」試験に従って気密熱可塑性層のジエン層への接着に関して試験する。層の各々が織物で補強されている(前記層のトラクション下での変形を制限するように)2層のラミネートを接触させることによって剥離試験片を生成させる。インシピエントクラックを2層の間に挿入する。
キュアする前か後に接着が評価されるかによって、ジエン層の混合物をそれぞれキュアしないか又はプレキュアする(180℃10分間)。全ての例において、ラミネート試験片が一旦組み立てられると、圧力下で10分間180℃にされる。30mmの幅を有する小片を、切断機を用いて切り離す。引き続き、インシピエントクラックの両側を、Intron(登録商標)の商品名を有する引張試験装置のジョーに入れる。試験は、周囲温度で100mm/分の引張り速度で行われる。引張り応力が記録され、引張り応力は試験片の幅によって標準化される。引張試験装置(0と200mmの間)の可動クロスレール移動の関数として幅(N/mm)の単位当たりの強度曲線が得られる。選ばれた接着値は、試験片の破損の開始に対応するので、この曲線の最大値に対応する。実例の性能は対照(ベース100)に対して標準化されるので、100より大きい結果は接着性能の改善を意味する。
V-3. 実施例
V-3-1. ラミネート層の実施例
多層ラミネート及び種々のジエン層の種々の気密熱可塑性組成物を調製した; 組成物を下記表1A及び1Bに示す。
組成物A1において、28phrの板状充填剤は、5%(容積パーセント)の含有量に対応する。
表1A

Figure 2016512183
表1B

Figure 2016512183

(1) NR、天然ゴム
(2) BR、4%の1,2-単位及び93%のcis-1,4-単位を有するポリブタジエン(Tg = -106℃)
(3) 溶液SBR、25%のスチレン単位及び48%の1,2-単位のブタジエン部分を有するスチレンとブタジエンのコポリマー(Tg -48℃)
(4) SIS、D1161、Kratonにより販売されている
(5) SEBS、G1654、Kratonにより販売されている
(6) SIBS、Sibstar 102T、Kanekaにより販売されている
(7) ASTM N347又はASTM N683グレード、Cabotにより販売されている
(8) MESオイル、Catenex SNR、Shellにより販売されている
(9) N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、6-PPD、Flexsys製
(10) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、Santocure CBS、Flexsys製
V-3-2. 接着が改善されたラミネートの実施例
キュアリング前に層を組み立てる
第1の工程において、組成物A1及び種々のジエン層を調製し、キュアリング前に組み立て、上記のように試験した; 接着結果を下記表2に示す。
表2

Figure 2016512183
表2に示される結果は、熱可塑性層を従来のジエン層(すなわち、その組成物中にTPSを全く含んでいない)と組み合わせている状況と比較して、ジエン層が熱可塑性スチレンエラストマーを含むラミネートの接着に優れた結果を実証している。ラミネートの接着がA1とB5との組み合わせによって示される2つの熱可塑性層のラミネートの接着と同レベルであることもわかる。
キュアリング後に層を組み立てる
第2の工程において、熱可塑性組成物A1及び上で定義したB1、B4及びB5として記録された層を調製し、キュアリング後に組み立て、上記のように試験した; 接着結果を下記表3に示す。
表3
Figure 2016512183
表3に示される結果は、ジエン層がキュアリング後のジエン層を含む熱可塑性スチレンエラストマーを含むラミネートの接着に優れた結果を実証している。対照A1/B5から、「ジエン」層中50phrを超えるTPS含有量が、ジエン層が5から50phr未満までの範囲内で熱可塑性スチレンエラストマーの含有量を含むラミネートほど良好な接着を得ることを可能にしないことが実証されることもわかる。
更にまた、ラミネート(気密熱可塑性層)の第1層とジエン層のキュアリング後のラミネート(ジエン層)の第2層とを組み立てるために、出願人の会社は、上で見られた良好な接着を失うことなく且つ特に満足すべき気密性及び満足すべきヒステリシスを得ることを可能にすることなく、プレキュアされたジエン層上に熱条件下に(例えば200℃で)容易に堆積させ得る第1層を得るためにこれらの実験を続けた。
V-3-3. 本発明のラミネートの実施例
本発明に特定の可塑化系をもっていない対照と比較して(A2/B3、A3/B3及びA4/B3)、第1の層において上記可塑化系が含まれる本発明のラミネート(A5/B3)を調製し試験した。結果を表4に示す
表4

Figure 2016512183
表4に示される結果は、本発明の可塑化系(ラミネートA5/B3)だけが、2層の間の良好な接着を保持しつつ、ラミネートの200℃における粘度、ヒステリシス及び透過性を同時に改善することを可能にする。このことは、オイルのみの使用が透過性性能と接着性能に有害な影響を有し、樹脂のみの使用がヒステリシスの性能に有害な影響を有する理由である。
結論において、気密熱可塑性層及びジエン層を組み立てる接着層を用いた既知のラミネートと比較して、本発明は、ジエン層のキュアリング後に組み立てることを容易にする粘度レベルを有することを可能にしつつ且つ更に透過性性能とヒステリシス性能を促進させつつ、特にTPSエラストマーの一部分をジエン層に挿入することによって、接着層を不要にすることを可能にする。

Claims (33)

  1. タイヤ用の気密エラストマーラミネートであって、前記ラミネートがエラストマーの少なくとも2つの重畳(superimposed)層:
    ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有し、ポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーの含有量が50phrより多く100phr(エラストマー100質量部に対する質量部)までの範囲内にある、少なくとも1つの熱可塑性エラストマーと、1phrから40phrまでの可塑化用オイル及び1phrから40phrまでの炭化水素樹脂を含み、可塑剤の全含有量が2phrから70phrまでの範囲内にある可塑化系とをベースとする組成物から構成される第1層;
    ジエンエラストマーの含有量が50phrより多く95phrまでの範囲内にある、少なくとも1つのジエンエラストマー、及び熱可塑性スチレンエラストマーの含有量が5phrから50phr未満までの範囲内にある、少なくとも1つの熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)をベースとする組成物から構成される第2層
    を含む、前記ラミネート。
  2. 第1層のポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有するコポリマーが、スチレン/イソブチレン/スチレン(SIBS)コポリマーである、請求項1に記載のラミネート。
  3. 第1層の組成物中のポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーの含有量が、70phrから100phrまでの範囲内にある、請求項1又は2に記載のラミネート。
  4. 第1層の組成物中のポリスチレンブロックとポリイソブチレンブロックを有する熱可塑性エラストマーの含有量が、80phrから100phrまでの範囲内にある、請求項3に記載のラミネート。
  5. 熱可塑性エラストマーが、第1層の唯一のエラストマーである、請求項4に記載のラミネート。
  6. 第1層の可塑化系が、2phrから30phrまで、好ましくは5phrから20phrまでの可塑化用オイルを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のラミネート。
  7. 第1層の可塑化用オイルが、ポリオレフィンオイル、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族オイル、鉱油及びこれらのオイルの混合物からなる群より選ばれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のラミネート。
  8. 第1層の可塑化用オイルが、ポリブテン油、好ましくはポリイソブチレン油である、請求項7に記載のラミネート。
  9. 第1層の可塑化系が、2phrから30phrまで、好ましくは5phrから20phrまでの炭化水素樹脂を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のラミネート。
  10. 第1層の炭化水素樹脂が、シクロペンタジエン又はジシクロペンタジエンのホモポリマー又はコポリマー樹脂、テルペンのホモポリマー又はコポリマー樹脂、テルペン/フェノールのホモポリマー又はコポリマー樹脂、C5留分のホモポリマー又はコポリマー樹脂、C9留分のホモポリマー又はコポリマー樹脂、α-メチルスチレンのホモポリマー又はコポリマー樹脂及びこれらの樹脂の混合物からなる群より選ばれる、請求項1〜9のいずれか1項に記載のラミネート。
  11. 第1層の炭化水素樹脂が、2つの異なるビニル芳香族モノマーのコポリマー樹脂、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、(D)CPD/C5留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C5留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C9留分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C5留分/ビニル芳香族コポリマー樹脂及びこれらの樹脂の混合物からなる群より選ばれる、請求項10に記載のラミネート。
  12. 第1層の炭化水素樹脂が、(D)CPDホモポリマー樹脂、(D)CPD/スチレンコポリマー樹脂、ポリリモネン樹脂、リモネン/スチレンコポリマー樹脂、リモネン/D(CPD)コポリマー樹脂、C5留分/スチレンコポリマー樹脂、C5留分/C9留分コポリマー樹脂、スチレン/α-メチルスチレンコポリマー樹脂及びこれらの樹脂の混合物からなる群より選ばれる、請求項11に記載のラミネート。
  13. 第1層の炭化水素樹脂が、スチレン/α-メチルスチレンコポリマー樹脂である、請求項12に記載のラミネート。
  14. 可塑剤の全含有量が、5phrから45phrまでの範囲内にある、請求項1〜13のいずれか1項に記載のラミネート。
  15. 可塑剤の全含有量が、10phrから35phrまでの範囲内にある、請求項1〜14のいずれか1項に記載のラミネート。
  16. 第1層が、更に、板状充填剤を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載のラミネート。
  17. 第1層が、架橋系を含まない、請求項1〜16のいずれか1項に記載のラミネート。
  18. 第2層の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)のエラストマーブロックが、25℃未満のガラス転移温度を有するエラストマーから選択される、請求項1〜17のいずれか1項に記載のラミネート。
  19. 第2層の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)のエラストマーブロックが、エチレンエラストマー、ジエンエラストマー及びこれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項1〜18のいずれか1項に記載のラミネート。
  20. 第2層の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)のエラストマーブロックが、エチレンエラストマーから選択される、請求項1〜19のいずれか1項に記載のラミネート。
  21. 第2層の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)のエラストマーブロックが、ジエンエラストマーから選択される、請求項1〜19のいずれか1項に記載のラミネート。
  22. 第2層の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)が、5質量%と50質量%の間のスチレンを含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載のラミネート。
  23. 第2層の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)が、スチレン/エチレン/ブチレン(SEB)、スチレン/エチレン/プロピレン(SEP)、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン(SEEP)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEPS)、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEEPS)、スチレン/イソブチレン(SIB)、スチレン/イソブチレン/スチレン(SIBS)、スチレン/ブタジエン(SB)、スチレン/イソプレン(SI)、スチレン/ブタジエン/イソプレン(SBI)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/ブタジエン/イソプレン/スチレン(SBIS)、スチレン/ブタジエン/ブチレン(SBB)及びスチレン/ブタジエン/ブチレン/スチレン(SBBS)コポリマー熱可塑性エラストマー及びこれらのコポリマーの混合物からなる群より選ばれる、請求項1〜19のいずれか1項又は請求項22に記載のラミネート。
  24. 第2層の組成物中の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)の含有量が、5から45phrまでの範囲内にある、請求項1〜23のいずれか1項に記載のラミネート。
  25. 第2層の組成物中の熱可塑性スチレンエラストマー(TPS)の含有量が、10から40phrまでの範囲内にある、請求項24に記載のラミネート。
  26. 第2層のジエンエラストマーが、本質的に不飽和のジエンエラストマー及びこれらのエラストマーの混合物からなる群より選ばれる、請求項1〜25のいずれか1項に記載のラミネート。
  27. 第2層のジエンエラストマーが、4から12個までの炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られるホモポリマー、1つ以上の共役ジエン相互の共重合又は1つ以上の共役ジエンと8から20個までの炭素原子を有する1つ以上のビニル芳香族化合物の共重合によって得られるコポリマー、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項26に記載のラミネート。
  28. 第2層のジエンエラストマーが、ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、天然ゴム、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーの混合物からなる群より選ばれる、請求項27に記載のラミネート。
  29. 第2層が、補強充填剤を含む、請求項1〜28のいずれか1項に記載のラミネート。
  30. 第2層の補強充填剤が、カーボンブラック及び/又はシリカである、請求項29に記載のラミネート。
  31. 第2層の主な補強充填剤が、カーボンブラックである、請求項30に記載のラミネート。
  32. 請求項1〜31のいずれか1項に記載のラミネートを含むタイヤ。
  33. 請求項1〜31のいずれか1項に記載のラミネートの空気式対象物における使用。
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