JP2016511346A - スポーツ表面及びガーデニング表面用の芝生システム、及び前記システムによって芝生を栽培する方法 - Google Patents

スポーツ表面及びガーデニング表面用の芝生システム、及び前記システムによって芝生を栽培する方法 Download PDF

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Abstract

合成由来の芝及び天然由来の芝が実質的に弾性の透過性基板上に配置され、弾性基板は天然芝の根が下方位置に配置された生育層まで貫通できるように構成され、弾性基板は下方位置に配置された根の生育層の圧縮を回避するために表面に発生した衝撃によるエネルギーを吸収できる合成由来の芝及び天然由来の芝。a)合成由来の芝の繊維を支持するベース上及び実質的に弾性の透過性基板上に配置された充填土の層に天然芝の種を播く段階と、b)天然芝を合成芝の繊維の高さ以上の高さに達するまで成長させる段階であって、天然芝の根は下方位置に配置された生育層に達するように合成芝の繊維を支持するベースを貫通でき且つ弾性基板を貫通できる段階と、c)少なくとも合成芝の繊維と等しい天然芝の高さを維持するために、特に表面に与えられる用途に応じて天然芝を0.015mと0.040mの間に含まれる高さに維持するために、天然芝の草を刈る段階とを含む方法。

Description

本出願は、単一システムに組み込まれた天然由来の芝及び合成由来の芝を含む表面用の混合芝に関する。同出願はまた、スポーツ表面用の改良された天然芝システムに関する。
スポーツ表面及びガーデニング表面の天然由来の芝が多くのメンテナンス作業を必要とすることは周知の事実である。スポーツが行われる面の特別の場合には、天然芝のメンテナンスは非常に高頻度で行わなければならず、いずれにしても、数時間の使用後に表面の草及び粒子が受ける磨耗及び圧縮の結果として多くの問題が発生する傾向がある。
天然芝のメンテナンスの問題を軽減するために、一部のスポーツピッチは合成由来の芝を使用する。このような芝は、ほとんど摩耗を受けず、ほとんどメンテナンスを必要としないという利点を提供する。しかしながら、合成由来の芝が天然由来の芝によって提供されるスポーツを行うための力学的特性(弾力性、垂直変形など…)を欠いていることは周知の事実である。
市場には、天然由来の芝と合成由来の芝とを組み合わせた、いわゆる混合芝がある。既存の混合芝は、基本的に、人工芝の合成繊維を支持するベース上に配置された土の層で天然芝草の種を育てることによって得られる。また、前もって植え付けた天然芝に合成繊維を挿入する別のシステムもある。
混合芝システムの主な目的は、天然由来の芝の特性から利益を得る一方で、合成由来の芝の繊維の存在のおかげで前記天然芝のメンテナンス作業を減らすことである。しかしながら、既存の混合芝システムは多くの欠点をもたらすことが知られている。
例えば、合成芝の繊維の存在は、天然芝を育てるのに必要なエアレーション作業をより困難にすることが確認されている。これらのエアレーション作業は、使用によって表面が受ける圧縮を元に戻すために必要であり、通常、天然芝の栽培断面をスパイキングすることから成る。混合芝では、この「スパイキング」は合成繊維を支持するベースを壊れさせ、更に繊維自体の破断を引き起こし、実際には、合成繊維が緩んで来て芝が劣化することを意味する。
既存の混合芝システムの別の問題は、天然芝草の全体栽培断面が合成繊維を支持するベース上に配置されることであり、芝を持ち上げさせ、ディボットを発生させる横方向の引き裂き力の作用を大いに受けることを意味する。これらの欠陥は競技をより困難にし、スポーツピッチでのけがの発生が増加する。また、「サッチ」又は天然芝によって形成されたカーペットから出た分解有機物の層を取り除くために必要な天然芝での土かき作業は、人工芝の合成繊維を駄目にするか又は引き裂くことなく栽培断面に行うことが非常に困難であることが指摘されている。
実際には、スパイキング及び土かきの作業を適切に行うのが不可能なことによって生じるエアレーションの不足により天然芝が最終的に所定のゾーンで弱り且つ/又は枯れることを考えると、前述のメンテナンスの問題の結果、スポーツを実施するのに適していない混合芝を得ることになる。
こうしたことから、維持し易いスポーツ表面又はガーデニング表面用の改良された天然芝、又は純粋なハイブリッド芝を得るために2種類の芝を単一のシステムに組み込むことによって上記課題を解決する混合芝を得る必要があることは明らかである。
本発明の目的は、非常に維持し易く、しかもスポーツ表面の性能をこのような地面のより多くの使用時間数を可能にすることによって実質的に向上させる、スポーツ表面及びガーデニング表面用の芝生システムを開発することによって、上述の欠点を解決することである。
この目的に沿って、第1の態様によれば、本発明は、スポーツ表面及びガーデニング表面用の芝生システムであって、合成由来の芝及び天然由来の芝を含み、前記合成由来の芝及び前記天然由来の芝は実質的に弾性の透過性基板上に配置され、前記弾性基板は前記天然芝の根がより低い位置に配置された生育層まで貫通することを可能にするように構成され、前記弾性基板はより低い位置に配置された前記根の生育層の圧縮を避けるために前記地面で行われた衝突によるエネルギーを吸収することができることを特徴とする芝生システムを提供する。
既存の芝生システムと異なり、本発明の芝生システムは、天然芝の生育層のエアレーションのためのスパイク作業なしで、また従来の土かきなしで提供することができるという利点を提供する。また、提案されるシステムは、混合芝と天然芝のどちらでも、栽培断面の適切なエアレーションを保証する。エアレーションは、より少ない圧縮とバイオマスのより高い分解(「少ないサッチ」)をもたらし、土地の安定性(ぬかるみの形成が少ない、排水不足による水たまりの形成が少ないなど)に有利に働くことを考えると、スポーツを実施するための理想的な特性を有する芝を得るのに有利に働く。
実際に、根が下の生育層まで通ることを可能にする前記弾性透過性基板の存在のおかげで、より低い位置にある天然芝草の根の生育層は、既存のシステムで起こるのと同じように圧縮されない。請求項に係るシステム、好ましくは混合芝システムでは、弾性基板は、地面で生じた衝撃を吸収し且つより低い層にある根が生育するゾーンの的確なエアレーションを保証し、合成繊維を破壊するスパイキングを必要としないことが確認されている。
実際には、請求項に係るシステムは、繊維を破壊する「スパイキング」(エアレーション)を行わなくても、スポーツ表面の衝撃吸収及び回転牽引の特性が少なくとも芝生面に必要な最小値に等しいことを保証することが確認された。これらの最小値は、現時点まで国際サッカー連盟(FIFA)が天然由来の芝を有するピッチの品質証明書を要求しないことを考えると、合成由来の芝のための欧州規格EN 15330−1:2005(スポーツエリアの表面−合成芝の仕様)に定められている。
Figure 2016511346
本発明の芝の別の利点は、芝草の生育層が人工芝よりも低い位置にあるので、前記生育層と、それによって天然芝草の根は、断裂又は隆起を引き起こす力から保護されることにある。このようにして、このシステムは、スポーツゲーム用地の適切な品質を保証することができる。
好ましくは、請求項に係るシステムは、合成芝の繊維を支持するベース上に配置された充填土の層を含み、前記充填土の層に天然芝の種を播くことができ、合成繊維を支持するベースは、天然芝の根がより低い位置に配置された弾性基板まで貫通するのを可能にするように構成される。
合成芝繊維を支持するベース上に配置されたこの充填土の層は、合成繊維を安定化させるという利点を提供し、また、天然芝草の種子を支持するための基板として機能する。
有利なことに、合成繊維を支持するベースは、天然芝草の根の通過のための穴又は穿孔が設けられた、合成材料で作られた実質的に層状の構造により構成される。この合成材料は、例えば、ポリオレフィン族由来物質(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)であることができる。合成繊維に関しては、これらは、支持ベース上に編み込まれた、モノフィラメントのフィブリル化型又は混合型のものであることができる。人工芝はまた、テクスチャード加工の合成繊維又は渦巻いた合成繊維を含むことができる。
好ましい実施形態によれば、請求項に係るシステムは、前記充填土の層と実質的に弾性の基板の間に配置された水に対して透過性があるシートを含み、前記シートは、充填土の粒子のより低い位置に配置された弾性基板への通過を阻止するように構成され、前記布は、前記天然芝の根がそれを貫通するのを可能にすることができる。
このようにして、この透過性シートのおかげで、弾性基板の孔は、上方の充填土の層からの粒子で塞がれるようにならず、前記基板の空気量が維持されることを保証し、弾性基板を水耕栽培基板と同様にして真菌病原性細菌の増殖の危険性を減少させる。また、このシートは、昆虫の幼虫が天然芝草の根域に達するのを防ぐことができる。
このシートは、例えば、特定の粒度を有する充填土の砂粒子の通過を防ぐメッシュの形で構成されたシートであることができる。
有利なことに、前記透過性シートは、前記天然芝の根の通過を可能にするように構成されたジオテキスタイル布であり、好ましくは、前記ジオテキスタイル布は、0.0001m(100μM)以下の直径を有する孔が設けられた繊維のメッシュを含み、前記孔は根の通過を可能にし且つより低い位置にある弾性基板の孔を塞ぐ可能性がある土の粒子の通過を防ぐのに適している。
更に有利なことに、ジオテキスタイル布は不織布、好ましくは0.3Kg/m(300g/m)以下の繊維密度を有する不織布である。不織布の繊維は、天然繊維又は合成繊維、例えばポリエステル繊維などであることができる。合成繊維は、それらが下の生育層への幼虫の通過をより効果的に防ぐことを考えると、天然繊維よりも好ましい。
300g/m以下のジオテキスタイル布の繊維の密度が、根の通過を可能にすると同時に充填土の粒子の通過を防ぐのに適していることが確認された。
しかしながら、ジオテキスタイル布の代わりに、例えば、約300g/mの重さがある、0.6mm×1mmの規則的な格子によって形成された、押出ポリマー(HDPE−高密度ポリエチレン)で作られたメッシュを使用することもできる。
前述の弾性基板に関しては、好ましくは、前記基板は、システムの断面内に0.020m(20mm)と0.005m(5mm)の間に含まれる厚さを有する層を画定し、有利なことに、布の透過性シートで保護された場合に、弾性基板のこの層の見掛けの嵩密度は、空気の最適含有量を保証するために500Kg/m以下である。
この見掛けの嵩密度は、例えばピート又はパーライトなどの水耕栽培に使用される基板によって提供されるものと同様である。このようにして、下方の生育層にアクセスするために基板を通る天然芝草の根は、それらの生物学的過程を改善する重要な空気の流れを利用する。この基板の高い空気量の別の利点は、それにより表面の温度変化の影響を低減する断熱効果がもたらされることにある。このことは、天然芝の蒸発散量が減少するため、水を節約するのに役立つ。
また、有利には、前記実質的に弾性の透過性基板は、ボール又は類似物体の作用によって表面に発生した衝撃のエネルギーを吸収することができるように構成され、特に、前記基板は、実験UNE−EN14808:2005に従って(図7参照)、上記欧州規格によって定められた値(55%−70%)の範囲内に含まれる衝撃吸収能力を有する混合芝又は天然芝を得ることができるように構成される。
また、弾性基板の垂直リバウンド能力は、実験UNE−EN122235によって検証されている。この実験は、方法の説明書に示されるように、承認されたフットボールのボールを2mの高さから落下させた後のボールの高さの回復を評価する。コンクリートの床に関するボールの高さの回復の結果はコンクリートの上で直接測定した120cmであり、一方、弾性基板上で直接跳ね返った後に回復した高さは80cmであり、これは、40%の弾性基板の(芝ではなく、基板のみの)ボールの垂直リバウンドに対応し、この値は、上記欧州規格EN−15330−1によれば、合成由来の芝に必要とされる値の範囲に非常に近い。
好ましい実施形態によれば、前記実質的に弾性の基板は、例えばポリ塩化ビニルすなわちPVCなどのポリマー由来の弾性材料で製造された0.005m(5mm)と0.02m(20mm)の間に含まれる厚さを有する三次元メッシュを基にして構成される。
弾性合成材料の三次元メッシュ、例えば、弾性材料の糸の非晶質ネットワークを画定するタイプのメッシュは、前記非晶質ネットワークが草の根の支持体を提供し、芝の下部の改善されたグリップをもたらし、その結果、競技場の芝の不要な浮き上がりのリスクが低いことを考慮すると、非常に適切であることが確認された。
好ましくは、前記三次元メッシュは、弾性特性を有するポリマー材料の糸状のものによって形成されたメッシュである。これらの糸状のものは、草の根の通過を可能にするための中空空間を有するセミアモルファス構造を定めるように互いに固定又は結合される。このタイプのメッシュは、商品名ビニールループマット(Vinyl loop mats)でNotax Floor Mattingにより市販されている。
別の実施形態によれば、前記弾性基板は、芝草の根の通過のための貫通孔が設けられた、所定の厚みを有する弾性材料のスラブを基にして構成される。スラブの材料は、ゴム系SBR(スチレン−ブタジエン)とポリウレタン又は他の結合剤との凝集体、例えばBerleburguer Shaumstoffwerk社製の材料などであることができる。それはまた、必要とされる特性をもたらす、イソシアネート又はその他の試薬の使用によって結合された適切な密度を有するポリウレタンフォーム、例えば、Recticel Internacional社製の材料などであってもよい。別の種類の材料は、必要とされる特性をもたらす方法によって一体化された、発泡ポリエチレン又は同様のプラスチック材料、例えば、Trocellen社及びShmitz Foams Products社製の材料などであってもよい。
或いは、上記弾性材料のスラブの代わりに、システムの弾性層は、天然芝の根の通過を可能にするための0.8mmと4.5mmの間に含まれる顆粒サイズを有する、複数の弾性材料の顆粒、好ましくはゴム顆粒で構成することができる。このようにして、顆粒はコンパクトな本体を形成しないものの、それらは衝撃吸収及び土壌圧縮の回避の際にスラブと同様の機能を果たすことができる。
システムの好ましい実施形態によれば、合成芝の繊維は0.015m(15mm)と0.035m(35mm)の間に含まれる高さを有し、充填土の層は、0.005m(5mm)と0.025m(25mm)の間に含まれる厚さを有する。この同じ断面において、より低い位置に配置された天然芝栽培の層は、好ましくは0.05m(50mm)と0.20m(200mm)の間に含まれる高さを有する。
請求項に係るシステムでは、合成芝の繊維はより低い位置に配置され、外部からは芝が天然芝のように見えることを意味する。
代替的な実施形態によれば、システムには芝の合成繊維が設けられず、前記実質的に弾性の透過性基板上に天然芝のみが配置される。このようにして、本出願はまた、従来の「スパイキング」及び土かきの作業なしで維持することが可能であることを考えると、非常に維持し易いという利点を提供する全体的に天然芝の改良されたシステムを提供する。
前述したように、充填土の層は実際には合成繊維を安定化させる機能を有する層であり、下方の生育層は根の成長のための栄養素を提供するものである。さらに、この充填土の層の減厚は、ひっくり返される土の深さが非常に限られることを考えると、幼虫の成長の可能性を低下させ、従来の土かき作業を排除する。このシステムの土かきは実際には行われず、前記充填材を除去及び掃除するための作業に置き換えられる。
この充填土の層の限定された厚さ又は深さの他の更なる利点は、天然芝を枯れさせるか又は除草剤によりそれを除去する場合に、弾性基板が表面に非常に近いため、地面に十分な弾力性を提供し続けるおかげで、競技場を合成繊維のみで使用することができることにある。天然芝が再び必要な場合には、もう一度種を播くことのみが必要である。
システムの同じ好ましい実施形態によれば、システムの断面のより低い位置に配置された天然芝の生育層は、0.0005m(0.5mm)から0.004m(4mm)の間に含まれる直径を有する、天然由来又は合成由来の弾性材料で作られた粒子を含む。これらの弾性材料の粒子又は、地面又はスポーツ表面又はガーデニング表面の圧縮を減らすことに貢献する。
第2の態様によれば、本発明はまた、上記請求項のシステムによって芝生を栽培する方法であって、
a)合成芝の繊維を支持するベース上及び実質的に弾性の透過性基板上に配置された充填土の層に天然芝の種を播く段階と、
b)天然芝を合成芝繊維の高さ以上の高さまで成長させる段階であって、前記天然芝の根はより低い位置に配置された生育層に達するように合成芝繊維を支持するベースを貫通し且つ前記弾性基板を通過することができる段階と、
c)人工芝繊維の高さ、詳細には、面に与えられる用途に応じて、0.015m(15mm)から0.04m(40mm)の間に含まれる高さに少なくとも等しく前記天然芝の高さを維持するために前記天然芝を刈る段階と
を含む方法に関する。
提案された混合芝システムは、芝草の根が合成繊維を支持するベースにより下の生育層内で保護されるので、天然芝を破損の危険なしに楽に刈ることができるという利点を提供する。
有利なことに、天然芝は、全体的に天然芝の外観を有する表面と天然芝に良く似た力学的特性とを提供するために、人工芝の合成繊維の高さより上の高さに刈られる。
好ましくは、段階a)において、種播きは、土粒子の通過を防ぐ透過性シートによって前記実質的に弾性の基板から分離された、0.005m(5mm)と0.025m(25mm)の間に含まれる厚さを有する充填土の層で行われ、天然芝の根は基板内に入り込むように前記透過性シートを貫通することができ、一方、前記基板は土粒子がないままである。
天然芝の種播きは、人工芝の合成繊維を支持するベースの非常に近くにある、減厚した充填土の層で行われる。この充填土の層の減厚は、昆虫の幼虫の存在と、その結果、草の損失とを大幅に減らすことが観察された。
有利には、前記方法は、0.005m(5mm)と0.025m(25mm)の間に含まれる厚さを有する前記充填土の層を掘り起こすことなく、清掃及び掃除する段階を含む。
前述のように、充填土の層の減厚は、ひっくり返される土の深さが非常に限られることを考えると、土かきの作業を排除し、それらを単純な清掃に変える。
記載された特徴のすべてのおかげで、請求項に係る混合芝及び天然芝のシステムは、最新式の天然芝の表面又はピッチよりも多くの時間使用することができ、また既存の天然芝表面又は混合芝表面よりもはるかに維持し易い、スポーツ表面又はガーデニング表面を得ることを可能にする。
本発明では、ジオテキスタイル布は、必要とされる抵抗及び濾過能力に応じて、非織布又は不織布の形で製造することができる、好ましくはポリプロピレン及びポリエステルで作られた、好ましくは合成繊維の透過性且つ可撓性のシートを意味することが理解されるであろう。本発明で使用されるジオテキスタイル布は、天然芝草の根の通過を可能にするために修正された繊維の密度を有するジオテキスタイル布である。
上述したもののより良い理解のために、図面一式が添付され、それらには2つの実施形態の実用的な例が概略的に且つ非限定的な例としてのみ示されている。
本発明のシステムの第1実施形態の形状又は断面の斜視図である。 図1の断面の形状のクローズアップを示す。 本発明のシステムの第2実施形態の形状又は断面の斜視図である。 請求項に係るシステムの実質的に弾性の透過性基板を構成することができる、弾性材料の1種類のスラブの斜視図を示す。 請求項に係るシステムの実質的に弾性の透過性基板を構成することができる、弾性材料の1種類のスラブの斜視図を示す。 弾性特性を有する高分子材料の糸状のものによって形成された三次元メッシュの斜視図を示す。この三次元メッシュは、システムの実質的に弾性の透過性基板の層を構成することができる。 欧州規格EN 14808に従って表面領域の衝撃吸収能力を測定する方法を説明する画像を示す。
以下は、図1から3を参照する本発明の混合芝システムの説明である。
提案される混合芝のシステム1は、実質的に弾性の透過性基板4上に配置された天然由来の芝2と合成由来の芝3とを含む。この基板4は、天然芝の草6の根5がより低い位置に配置された生育層7まで貫通することを可能にするように構成される。
図1及び2に示す実施形態では、前記基板4は、弾性合成材料のメッシュ、具体的には、10mmの厚さと、それを貫通する根5の支持を容易にする実質的に非晶質のネットワーク構造とを有する(後者は図面に示されていない)、ポリ塩化ビニルすなわちPVCのメッシュによって構成される。
しかしながら、同一の基板4は、材料が根5が通過することを可能にし且つ表面に生じた衝撃によるエネルギーを吸収することができるという条件で、同様の特性を有する別の種類の材料で構成することができる。図3は、弾性透過性基板4の第2実施形態の略図を含むシステム1の形状を示す。この弾性基板の第2実施形態は、5mmと20mmの間の厚さを有し、根の通過を可能にする複数の規則的な又は非晶質の穴を有し、これらの穴が前記シートの構造的安定性を不安定にしない、共重合体スチレン−ブタジエンゴムSBRで製造したシートで構成することができる。
図4及び5は、請求項に係るシステムにおいて弾性基板4としても使用することができる、弾性材料の他の2種類のシート又はスラブを表す。これらのシートは、ポリウレタンフォーム、例えばRecticel Internacional社製のシートなどを基にして製造するか、又は発泡ポリエチレン、例えばTrocellen社及びShmitz Foams Products社製のシートなどを基にして製造することができる。いずれの場合においても、図から分かるように、シートは、芝草の根の貫通を可能にするために貫通穴4a、4bを含む。これらの穴4a、4bは、シートの表面において、均一に分布してもしなくてもよい。それらはまた、示されたものと異なる多様な断面又は形状を提供することができる。
図6は、弾性ポリマー材料の糸状のものによって形成された三次元メッシュを基にして構成される前記弾性基板4の他の可能な実施形態を示し、弾性ポリマー材料の糸状のものは、示されたもののような最終的なセミアモルファス構造を確定するために互いに固定又は接合される。このセミアモルファス構造は、根の通過を可能にする中空空間を含む。この三次元メッシュの一例は、Notas Floor Mating社によってビニールループマットという名前で販売されているものである。
本発明の説明で述べたように、基板4の弾性特性は、例えばスポーツゲームのボールの作用によって表面に生じた衝撃によるエネルギーの吸収を保証する。このようにして、より低い位置に配置された天然芝2の草6の根5の生育層7の圧縮が回避される。
説明した混合芝のシステム1では、天然芝2の草6の種は、合成又は人工由来の芝3の合成繊維10を支持するベース9上に配置された、厚さ5mmから25mmの充填土の層8に配置される。充填土の層8は、合成繊維10を安定させ且つ天然芝2の種を支持する機能のみを有する。
合成繊維10を支持するベース9に関しては、このベース9は、草6の根5の弾性基板4への貫通を可能にするように構成される。記載される実施形態では、ベース9は、ポリエチレン又はポリプロピレン型の合成由来の材料を基にして製造され、根5の通過を可能にする穿孔(図示せず)が設けられている。
図1に示すように、弾性基板4は、合成繊維10を支持するベース9の真下に配置された、水に対して透過性の一枚の布11で充填土の層8から保護又は分離される。この布11は、充填層8の土粒子が弾性基板4の孔を塞ぐのを防ぐ機能を有する。
記載される実施形態では、布11は、0.2Kg/m(200g/m)の密度と60μmすなわち0.06mmの孔径とを有する、ポリエステル繊維のジオテキスタイル不織布である。この密度は、根5の通過を可能にする一方で同時に土粒子の通過を防ぐのに最適であることが確認された。
前述のジオテキスタイル布11のおかげで、弾性基板4は、その孔が空気で満たされ、システムの断面において、350Kg/mの見掛けの嵩密度を有する0.01m(10mm)の厚さの層を画定したままである。この密度は、天然芝2の草6に影響を及ぼす菌類及び病原性細菌の増殖を大幅に低下させる水耕栽培のものに非常によく似た生育条件を提供するのに適している。ジオテキスタイル布11の他の利点は、昆虫の幼虫が充填土の層8から下の生育層7に達するのを防ぐことにある。
前述の下の生育層7は、砂、有機物、粒状基肥、及び0.5mmと4mmの間に含まれる直径を有する弾性材料の顆粒の混合物により形成された、50mmと200mmの間の厚さの層である。
この層7の機能は、根5が成長できるのに必要な栄養素と空間とを提供することによって前記根5が成長することを可能にすることを考えれば、その名が示すように、天然芝2を生育することである。上記弾性顆粒は、土の圧縮を回避するのに役立つ。
本発明の説明で述べたように、芝2の草5の生育層7は、合成芝3の層より下の位置にあるため、前記生育層7と、それにより天然芝2の草6の根5は、芝の引き裂き及び浮き上がりを引き起こす力から保護される。このことは、本発明の混合芝システム1が、引き裂き又は浮き上がりを受けることなく、天然芝2よりも多い時間数使用されることを可能にするのに役立つ。
図1から3から分かるように、生育層7は、その土台が水の排水路13を含む下層土12上に配置される。
請求項に係るシステム1によって混合芝を育てる方法は、天然芝2の草6の種が0.5mmと20mmの間に含まれる高さで充填土の層8に配置される、最初の種播き段階を含む。
天然芝2の種は発芽し、その草6は人工芝3の合成繊維10の高さ以上の高さまで成長することができる。草6の成長は、合成繊維10を支持するベース9(その穴)、ジオテキスタイル布11、及び弾性基板4を通過することによって下方の生育層7に達する根5によって栄養が与えられる(図を参照)。
行われるスポーツの種類に応じて、天然芝2の草6を刈る高さは変わり得るが、一般的に、推奨される高さは、人工芝又は合成芝3の繊維10の高さにもよるが、15mmと40mmの間に含まれ、好ましくは天然芝の草6が合成繊維10より高いままであることを確実にする。
システム1の断面のすべての層が水に対して透過性であることを考えると、灌漑及び排水は、ウォーターロギングの恐れなく、通常通りに行われる。また、弾性基板4の高い空気含有量(層の低い見掛け嵩密度)は、草6の根5の正しいエアレーションを保証し、芝の草の首状部への一般的な真菌病の出現を回避する。
前述のように、定期的に、充填土の層8の清掃及び掃除作業が「サッチ」又は有機物を分解する層を除去するために行われる。これらの操作は、従来の土かきに取って替わる。充填土の層8は、非常に限られた厚さを有するため、土かき作業はあまり大々的でない簡単なプロセス(単に土をならすこと)で置き換えることができる。
次に、請求項に係るシステム1の断面に関して実験室で行われた、天然芝2の草6の根が人工芝又は合成芝の繊維10の上に根付く能力を証明した実験を説明する。
実験用の断面は、以下の材料で作られた。
・合成繊維10を支持するための穿孔したポリエチレンのベース9。
・穿孔したベース9に縫い付けられたフィブリル化されたポリエチレン製の合成繊維10。実験用の繊維10の高さは20mmであった。
・1.2mmの厚さ、200g/mの繊維密度、及び60μmの孔径を有する、ポリエステル製の不織のジオテキスタイル布11。選択された布11は、水に対して透過性である。
・非晶質ネットワーク構造及び350Kg/mの見掛けの嵩密度を有する、10mmの厚さのポリ塩化ビニルPVCの三次元メッシュによって構成された弾性基板4。
・草6の種を播くための厚さ10mmの充填土の層8。
・根5の成長のための厚さ85mmの生育層7。
天然芝の草6の種子は、充填土の層8に均一に播かれた。播種後、肥料を施した。5日後、最初の芽吹きが見られた。
1ヶ月後、実験で使用された支持ベース9、ジオテキスタイル布11及び弾性基板4を根5が完全に貫通したことが観察された。具体的には、根5がジオテキスタイル不織布11を穿孔又は貫通して基板9の三次元メッシュに達することができたことが観察された。根5は、基板4のメッシュによって作られた空間内で充填土の粒子なしで成長した。その結果、ジオテキスタイル布11によって保護された弾性基板9が効果的に根5の水耕栽培(土なし)と類似の媒体を構成することが確認された。
実験開始1ヶ月半後、天然芝2の草6が表面の100%を覆っていること、人工芝の合成繊維10が実質的に見えないことが分かった。
実験開始2ヶ月後、天然芝2の草6の強度は明らかであり、根5はかなりの密度及び厚さを示し、下方の生育層7に達した。
本発明の特定の実施形態を参照してきたが、記載されたシステム1が多くの変更及び修正を受けること、上述のすべての詳細が、添付の特許請求の範囲によって定義される保護範囲から逸脱することなく、技術的に等価な他のものに置き換えられ得ることが当業者には明らかである。

Claims (17)

  1. スポーツ表面及びガーデニング表面用の芝のシステム(1)であって、合成由来の芝(3)及び天然由来の芝(2)を備え、前記合成由来の芝(3)及び前記天然由来の芝(2)は実質的に弾性の透過性基板(4)上に配置され、前記弾性基板(4)は前記天然芝(2)の根(5)がより低い位置に配置された生育層(7)まで貫通することを可能にするように構成され、前記弾性基板(4)はより低い位置に配置された前記根(5)の生育層(7)の圧縮を回避するために前記表面に発生した衝撃によるエネルギーを吸収することができることを特徴とする、システム。
  2. 合成由来の芝の繊維(10)を支持するベース(9)上に配置された充填土の層(8)を含み、前記充填土の層(8)に天然芝(2)の種を播くことが可能であり、前記合成繊維(10)を支持するベース(9)は前記天然芝(2)の根(5)がより低い位置に配置された前記弾性基板(4)まで貫通することを可能にするように構成される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記充填土の層(8)と前記実質的に弾性の基板(4)の間に配置された水を通す材料(11)のシートを含み、前記シートはより低い位置に配置された前記弾性基板(4)への充填土の粒子の通過を防ぐように構成され、前記布(11)は前記天然芝(2)の根(5)の通過を可能にすることができる、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記透過性の層は前記天然芝(2)の根(5)の通過を可能にするように構成されたジオテキスタイル布(11)である、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記ジオテキスタイル布(11)は0.0001m(100μm)以下の直径を有する孔を備えた繊維のメッシュを含み、前記孔は根(5)の通過を可能にし且つ前記弾性基板(4)の孔を塞ぐ可能性がある土の粒子の通過を防ぐのに適している、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記ジオテキスタイル布(11)は不織布、好ましくは0.3Kg/m(300g/m)以下の繊維の密度を有する不織布である、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記実質的に弾性の基板(4)は前記システム(1)の断面において0.005m(5mm)と0.02m(20mm)の間に含まれる厚さの層を画定し、この基板の層の見掛けの嵩密度は、空気の最適含有量を保証することを目的として透過性布(11)のシートで保護された場合に500Kg/m以下である、請求項3に記載のシステム。
  8. 前記実質的に弾性の基板(4)は、ポリマー由来の弾性材料を用いて製造された、0.005m(5mm)と0.02m(20mm)の間に含まれる厚さを有する三次元メッシュを基にして構成される、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記実質的に弾性の基板(4)は、ゴム粒子の凝集体、及び/又はポリウレタンフォーム、及び/又は予め互いに結合された発泡プラスチック材料、例えば発泡ポリエチレンなどの粒子を含む、弾性材料のシート又はスラブを基にして構成される、請求項7に記載のシステム。
  10. 前記実質的に弾性の透過性基板(4)は、スポーツ表面のための欧州規格EN−15330−1に定められた最小値に従ってボール又は他の類似物体の作用によって表面に発生した衝撃のエネルギーを吸収することができるように構成され、特に、前記基板は、実験UNE−EN 14808:2005に従って前記欧州規格によって定められた値の範囲(55%〜70%)内に含まれる衝撃吸収能力を有する混合芝又は天然芝を得ることを可能にするように構成される、請求項1、7、8、9のいずれか1項に記載のシステム。
  11. 前記人工芝(3)の繊維(10)は、0.015m(15mm)と0.035m(35mm)の間に含まれる高さを有し、前記充填土(8)の層は、0.005m(5mm)と0.025m(25mm)の間に含まれる厚さを有する、請求項2に記載のシステム。
  12. 合成由来の芝(3)の繊維(10)を有しておらず、前記実質的に弾性の透過性基板(4)上に配置されるのは天然由来の芝(2)のみである請求項1に記載のシステム。
  13. 前記生育層(7)は0.05m(50mm)と0.20m(200mm)の間に含まれる高さを有することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
  14. 前記生育層(7)は0.5mmと4mmの間に含まれる直径を有する天然由来又は合成由来の弾性材料の粒子を含む、請求項11に記載のシステム。
  15. 請求項1から14までのシステムによって芝生を栽培する方法であって、
    a)合成由来の芝(3)の繊維(10)を支持するベース(9)上及び実質的に弾性の透過性基板(4)上に配置された充填土の層(8)に天然芝(2)の種を播く段階と、
    b)前記天然芝(2)を前記合成芝(3)の繊維(10)の高さ以上の高さまで成長させる段階であって、前記天然芝(2)の根(5)はより低い位置に配置された生育層(7)に達するように前記人工芝(3)の繊維(10)を支持するベース(9)を貫通し且つ前記弾性基板(9)を貫通することができる段階と、
    c)前記合成芝(3)の繊維(10)の高さと少なくとも等しい前記天然芝の(2)の高さを維持するために、特に、表面に与えられる用途に応じて、前記天然芝(2)を0.015m(15mm)と0.040m(40mm)の間に含まれる高さに維持するために、天然芝(2)の草(6)を刈る段階と
    を含む方法。
  16. 段階a)において、前記種を播くことは、土粒子の通過を防ぐ透過性シート(11)によって前記弾性基板(4)から分離された、0.005m(5mm)と0.025m(25mm)の間に含まれる厚さを有する充填土の層(8)で行われ、前記天然芝(2)の根(5)は前記基板(4)に入るように前記透過性シート(11)を貫通することができ、一方、前記基板(4)は土粒子を含まない状態に保たれる、請求項15に記載の栽培の方法。
  17. 前記充填土の層(8)を掘り起こさずに清掃及び掃除する段階を含む、請求項15又は16に記載の栽培の方法。
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