JP2016509669A - 画像化用の試料を作製する方法 - Google Patents

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Abstract

観察用の試料を、荷電粒子ビーム・システム内で、アーチファクトを低減させまたは防ぐ方式で作製する方法および装置が提供される。イオン・ビーム・ミリングが、大きくミリングするプロセスを使用して加工物の断面を露出させる。付着前駆体ガスを試料表面に導き、同時に露出させた断面から少量の材料を除去する。この付着前駆体はより均一な断面を生成する。実施形態は、異なる硬さの材料からなる複数の層を有する試料をSEMで観察するための断面を作製するのに有用である。実施形態は、薄いTEM試料の作製に有用である。

Description

本発明は、電子顕微鏡法用の試料の作製に関し、具体的には、半導体および他の材料の高品質試料の作製に関する。
集積回路の製造などの半導体製造は一般にフォトリソグラフィの使用を伴う。その表面に回路を形成する半導体基板、通常はシリコン・ウェーハを、露光すると溶解性が変化するフォトレジストなどの材料で覆う。放射源と半導体基板の間に配置したマスク、レチクルなどのリソグラフィ・ツールが影を作って、基板のどのエリアを露光するのかを制御する。露光後、露光したエリアまたは露光しなかったエリアからフォトレジストを除去して、後続のエッチング・プロセスまたは拡散プロセスの間ウェーハの部分を保護するパターン形成されたフォトレジストの層をウェーハ上に残す。
このフォトリソグラフィ・プロセスは、しばしば「チップ」と呼ばれる多数の集積回路デバイスまたはエレクトロメカニカル・デバイスを、それぞれのウェーハ上に形成することを可能にする。次いでこのウェーハを、単一の集積回路デバイスまたはエレクトロメカニカル・デバイスをそれぞれが含む個々のダイに切断する。最後に、これらのダイを追加の操作にかけ、パッケージングして、個々の集積回路チップまたはエレクトロメカニカル・デバイスとする。
この製造プロセスの間に、露光および集束は変動するため、リソグラフィ・プロセスによって現像されたパターンを絶えず監視しまたは測定して、パターンの寸法が許容範囲内にあるかどうかを判定する必要がある。しばしばプロセス制御と呼ばれるこのような監視の重要性は、パターン・サイズが小さくなるにつれて、特に、そのリソグラフィ・プロセスが使用可能な分解能限界に最小の特徴部分のサイズが近づくにつれて、相当に増大する。デバイス密度を常により高いものにしていくためには、特徴部分のサイズを絶えず小さくしていく必要がある。このような特徴部分のサイズには例えば、相互接続線の幅および間隔、コンタクト・ホールの間隔および直径、ならびに、さまざまな特徴部分のコーナ、エッジなどの表面幾何形状が含まれる。ウェーハ上の特徴部分は3次元構造物であり、完全な特徴評価(characterization)は、線の上面の幅、トレンチの上端の幅などの表面寸法だけではなく、特徴部分の完全な3次元プロフィールをも記述しなければならない。プロセス・エンジニアは、製造プロセスを微調整し、所望のデバイス幾何形状が得られることを保証するために、このような表面の特徴部分の限界寸法(CD)を正確に測定することができなければならない。
CDの測定は一般に、走査電子顕微鏡(scanning electron microscope)(SEM)などの機器を使用して実施される。走査電子顕微鏡(SEM)では、1次電子ビームを微細なスポットに集束させ、このスポットが、観察する表面を走査する。この1次ビームが表面に衝突すると、その表面から2次電子が放出される。その2次電子を検出し、画像を形成し、その画像のそれぞれの点の明るさを、その表面の対応するスポットに1次ビームが衝突したときに検出された2次電子の数によって決定する。
観察するために試料の一部分を露出させる目的に、集束イオン・ビーム(FIB)システムがしばしば使用される。例えば、FIBを使用して回路中にトレンチをミリングし、それによって、微小な特徴部分を有する回路または他の構造体などの試料の複数の層を示す断面を表示する垂直な側壁を露出させることができる。
走査電子顕微鏡は、ビームが表面にわたって走査されたときにその表面から放出された2次電子を集めることによって画像を形成する。その画像のそれぞれの点の明るさは、その表面の対応する点から集められた2次電子(または他の電子信号)の数に比例する。それぞれの点で放出される2次電子の数は、材料のタイプおよび形状に依存する。多くの異なるタイプの材料が、1入射電子当たり、異なる数の2次電子数を放出するため、境界、例えば金属層と酸化物層の境界を観察することは容易である。酸化物、窒化物などのいくつかの類似の材料は、1次電子1つ当たり、だいたい同じ数の2次電子を放出し、そのため、電子ビーム画像中でのそれらの材料間の境界はしばしば明瞭ではない。
界面を見えるようにする1つの方法は、界面のエリアを選択的にエッチングする方法である。一方の材料が他方の材料よりも速くエッチングする場合、その界面の形状は変化し、画像を見れば、その変化が分かるであろう。加工物を処理して特徴部分をより見やすくすることを「デコレーション(decoration)」と呼ぶ。1つのデコレーション・プロセスは、デリニエーション(delineation)エッチング・プロセスと呼ばれ、このプロセスは、2,2,2−トリフルオロアセトアミドを含むフッ素化炭化水素蒸気を使用した、化学的に支援された集束イオン・ビーム・エッチングを含む。界面を見えるようにするときには、構造体の変化をできるだけ小さくして、プロセス・エンジニアが加工物の正確な写真を得るようにすることが望ましい。したがって、プロセス・エンジニアがデコレーション・プロセスを精密に制御することができるように、エッチング速度は非常に低いことが望ましい。
集積回路の特徴部分のサイズが小さくなると、イオン・スパッタリングによって生じた試料の固有の損傷が、許容できない可能性がある測定誤差をもたらす。イオン・ビームの代わりに電子ビームを使用してデコレーションを実行すると、物理的なスパッタ損傷が排除される。電子ビーム誘起反応における運動量の移動はごくわずかであるため、電子ビームがエッチングするのは一般に、エッチング前駆体ガスが存在するときだけである。
二フッ化キセノン(XeF)を電子ビームまたはイオン・ビームとともに使用してシリコンを含む材料をエッチングし、それによって層のデリニエーションを達成することができる。異なるタイプの誘電体の層間の電子ビーム・エッチングによって生み出されたデコレーションは、大部分の用途に対して不適切である。例えば、XeFを用いた電子ビーム・エッチングは、窒化物層と酸化物層を同様の速度でエッチングし、そのため、観察者は、それらの層間の境界を容易には観察することができない。加えて、たとえビーム誘起選択性が観察される場合であっても、全体の速度があまりに大きすぎて、エッチングの深さを適切に制御できない可能性がある。
Randolph他の米国特許出願公開第2010/0197142号明細書(「Randolph」)は、高選択性、低損傷の電子ビーム・デリニエーション・エッチングの方法を開示している。集束イオン・ビーム・マイクロ機械加工によって断面を露出させる。断面を露出させた後、2種類のガスの存在下で、露出した断面に向かって電子ビームを導く。一方のガスは、電子ビームの存在下で反応して、断面の1つの材料をエッチングし、他方のガスは、断面の他の材料のエッチングを阻害する。このようにすると、一方の材料にデコレーションを施し、他方の材料にはデコレーションを施さないことができる。
Randolphの方法は2ステップで実行される。最初に、集束イオン・ビームによって断面を露出させる。次に、露出した断面に、2種類のガスの存在下で、電子ビームによってデコレーションを施す。
イオン・ビームによって材料をミリングして構造体を露出させて観察するときに、イオン・ビームがその構造体を歪め、カーテニング(curtaining)などのアーチファクトを生み出すことがあり、これらのアーチファクトは観察を妨害する。カーテニングは、イオン・ビームが、加工物中の異なる材料を異なるミリング速度でミリングするときに生じる。カーテニングは、同じビームによって異なる速度で除去される材料からなる特徴部分をミリングするときに生じることがある。カーテニングは、凹凸のある形状を有する表面をミリングするときにも生じることがある。例えば、関心の特徴部分は、スルー・シリコン・ビア(through−silicon via:TSV)であることがある。TSVの断面を形成することは、ボイドおよび境界面の特性を評価するために半導体研究室において一般的に実施されている作業である。TSVの深さ(一般に50〜300nm)のため、イオン・ビームを用いてTSVの断面をミリングするとかなりのカーテニングが生じることがある。
特徴部分を露出させるためのイオン・ビーム・ミリングに起因する損傷およびアーチファクトのため、画像は、製造プロセスの結果を忠実には示さない。このことは、測定を妨げ、製造プロセスの評価を妨げる。それらの画像および測定値は試料作製の結果を示すものであって、製造プロセスの結果を示すものではないためである。
図13は、加工物1300中にトレンチ1302をミリングして、異なる材料からなる複数の層の断面を露出させた結果を、誇張された形で示す。これらの層の一部は異なるエッチング速度を有する。加工物1300は例えば、3D NANDなどの集積回路または薄い層を有する他の構造体を含む。このようなデバイスは一般に、例えばシリコン、シリコンの酸化物、シリコンの窒化物、金属、フォトレジスト、ポリマーまたは金属からなる層を有する。示された層1306aおよび1306cから1306eは例えば半導体および絶縁性化合物からなり、層部分106bは金属導体を含む。図14は、露出した断面の正面図を示し、この断面は層1306bの金属導体1402を示す。
層1306b中の金属導体1402は、半導体層および酸化物層よりもゆっくりとエッチングするため、金属の下の領域は隠され、それによって、図1および図2に誇張されて示されるカーテニング効果210が生じる。カーテニング効果は、断面を歪め、製造プロセスの分析を妨害する。
しかしながら、特徴部分が小さくなり続けると、測定対象の特徴部分があまりに小さすぎて、通常のSEMが提供する分解能では分解できない点に到達する。透過電子顕微鏡(transmission electron microscope)(TEM)では、数ナノメートル程度の極めて小さな特徴部分を見ることができる。材料の表面だけを画像化するSEMとは対照的に、TEMでは、試料の内部構造をも分析することができる。TEMでは、幅の広いビームが試料に衝突し、試料を透過した電子を集束させて試料の画像を形成する。1次ビーム中の電子の多くが試料を透過し、反対側へ出ることができるように、試料は十分に薄くなければならない。試料の厚さは一般に100nm未満である。
走査透過電子顕微鏡(STEM)では、1次電子ビームを微細なスポットに集束させ、そのスポットを、試料表面にわたって走査する。基板を透過した電子を、試料の向こう側の電子検出器によって集める。画像上のそれぞれの点の強度は、その表面の対応する点に1次ビームが衝突したときに集められた電子の数に対応する。
半導体の幾何形状が縮小し続けると、製造業者はますます透過電子顕微鏡(TEM)に依存して、プロセスを監視し、欠陥を分析し、界面層の形態を調べるようになる。本明細書で使用するとき、用語「TEM」はTEMまたはSTEMを指し、TEM用の試料を作製すると言うときには、この作製が、STEMで見るための試料の作製をも含むことを理解すべきである。
バルク試料材料(bulk sample material)から切り出された薄いTEM試料は「薄片(lamella)」として知られている。薄片の厚さは一般に100nm未満であるが、用途によってはこれよりもかなり薄くしなければならない。30nm以下である先進の半導体製造プロセスでは、小規模構造物間の重なりを防ぐために、薄片の厚さを20nm未満にする必要がある。現在のところ、60nmよりも薄くすることは困難であり、堅牢でない。試料の厚さに変動があると、その結果、薄片に、曲り(bending)、オーバーミリング(over−milling)または他の致命的欠陥が生じる。このような薄い試料に関して、薄片の作製は、最も小さく最も決定的に重要な構造物の構造特性評価および構造分析の質のかなりの部分を決定する、TEM分析の決定的に重要なステップである。
TEM顕微鏡法用の薄片を形成する目的に集束イオン・ビーム(FIB)システムを使用することは、当技術分野において知られている。FIBシステムは、TEMシステムで使用するのに十分な薄さまで薄片をミリングする能力を有する。TEM試料を作製する目的にデュアル・ビーム・システムを使用することは、当技術分野において知られている。デュアル・ビーム・システムは、バルク試料から薄片をミリングするFIBカラムと、一般に薄片をミリングしている最中に薄片を画像化するSEMカラムとを有する。デュアル・ビーム・システムは、TEM分析用試料の作製にかかる時間を改善する。試料作製におけるFIB法の使用は、TEM分析用試料の作製にかかる時間をわずか数時間に短縮したが、所与の1枚のウェーハから得た15ないし50のTEM試料を分析することは珍しいことではない。結果として、試料作製の速度は、TEM分析を使用する際、特にTEM分析を半導体プロセス制御に使用する際の非常に重要な因子である。
図1Aおよび1Bは、FIBを使用してバルク試料材料から作製する、TEM分析用の試料薄片の作製を示す。バルク試料材料108を試料ステージに載せ、FIBカラムから発射された集束イオン・ビーム104に対してバルク試料材料108の上面が垂直になるような向きに、バルク試料材料108を配置する。大きなビーム電流を使用し、それに対応した大きなビーム・サイズを有する集束イオン・ビームを使用して、関心領域の前方部分および後方部分から大量の材料をミリングによって除去する。ミリングされた2つの長方形14と長方形15の間に残った材料は、関心領域を含む垂直な薄い試料切片102を形成する。バルク試料の薄化(bulk thinning)の後、所望の厚さ(一般に100nm未満)に達するまで試料切片を薄くする(一般に次第に細くなるビーム・サイズおよび次第に小さくなるビーム・エネルギーを使用する)。薄片110を形成するために実施される大部分のイオン・ビーム機械加工は、バルク試料材料108およびFIBカラムをこの向きに配置して実行される。
試験体(specimen)が所望の厚さに達したら、一般にステージを傾け、試料切片102の底面および側面に部分的に沿ったU字形の切断を斜めに実施して、試料上面の両側のタブによって吊り下がった試料を残す。この小さなタブは、試料を完全にFIB研磨した後にミリングによって除去する材料の量を最少にすることを可能にし、薄い試験体の表面に再付着アーチファクトが蓄積する可能性を低下させる。次いで、次第に細くなるビーム・サイズを使用して、この試料切片をさらに薄くする。最後に、タブを切断して、薄くした薄片110を完全に分離する。薄化の後、試料を、側面および底面のバルク材料から分離し、薄くしたTEM試料を抜き取ることができる。
残念なことに、上述の先行技術の方法を使用して形成した極薄の薄片は、「曲り」および「カーテニング」として知られている望ましくない副次的作用を受ける。極薄の試料(例えば厚さ30nm以下)を生成しようとすると、試料は、構造的完全性(structural integrity)を失い、試料に作用する力の下で、一般に一方の試料面または他方の試料面に向かって曲がることによって変形することがある。FIB薄化ステップの最中またはFIB薄化ステップの前にこの変形が生じた場合には、そのビームに近づく方向またはビームから遠ざかる方向への関心領域の変形が、試料に対する容認できない損傷の原因になることがある。
「カーテニング」として知られているミリング・アーチファクトによって生じる厚さの変動も、TEM試料の品質に重大な影響を与えうる。不均質な構造体(例えば金属ゲートおよび金属シールドとシリコンおよび二酸化シリコンとからなる構造体)からバルク試料材料108が形成されているとき、イオン・ビーム104はより軽い元素をより大きなミリング速度で優先的にミリングする。より重い金属元素は、その下のより軽い材料を覆って、より軽い材料を陰にする傾向がある。その結果生じる影響は、金属のエリアが、金属を含まないエリアに比べてミリングされていない波打った面である。図2は、1つの試料面のカーテニングを示す、薄くしたTEM試料102の顕微鏡写真であり、薄片面の波打った特徴部分は、ぶら下がったカーテンに似ている。カーテニング・アーチファクトはTEM画像化の質を低下させ、試験体の最小有効厚さを制限する。極薄のTEM試料では、2つの断面が非常に近接し、そのため、カーテニング効果による厚さの変動により試料薄片が使用不能になることがある。したがって、TEM試料薄片の作製時にはカーテニング・アーチファクトを低減させることが望ましい。
カーテニングおよび他のアーチファクトは、SEMで観察するためにFIBによってミリングされた断面でも問題である。硬い材料をミリングすると、その結果として「段丘構造(terracing)」が生じる。すなわち、鋭く垂直に落下するのはなく、縁がうねって一連の段差(terrace)を作る。図8は、硬い層によって起きた段丘構造を示す。この段丘構造によって、段丘構造の下に、カーテニング・アーチファクトおよび他のアーチファクトが形成されることがある。試料800は、アルミニウムの層804の上に酸化アルミニウムの層802を含む。アルミニウムは酸化アルミニウムよりも軟かい。酸化アルミニウム層の上に付着させた白金保護層806は、ミリング・アーチファクトの生成を低減させるが、段丘構造を排除することはない。図8は、イオン・ビームによって硬い酸化アルミニウム層上に生成された、段差が形成された縁810を示す。酸化アルミニウム層の段差が形成された縁810によって、段丘構造の下のアルミニウム層804などの層上に、カーテニング・アーチファクトなどの凹凸812が生成される。
図9は、図8に概略的に示された試料に類似した試料902の走査電子ビーム画像を示す。アルミニウムの層906の上に酸化アルミニウムの層904が位置している。アーチファクトの生成を低減させるため、酸化アルミニウム層904の上には保護層908が付着している。トレンチをミリングして、図示の断面を露出させた後、露出した面にわたってイオン・ビームを走査して、「断面平滑化(cleaning cross section)」を、約180nAの電流を使用してミリングした。「断面平滑化」は一般に、逐次的に前進する一連の線状のミリングである。硬い酸化アルミニウム層は段丘構造アーチファクトを示している。段丘構造アーチファクトは図9の黒色領域にあって、観察することが難しい。硬い酸化アルミニウム層の段丘構造は、酸化アルミニウムの下のより軟かいアルミニウム層906においてカーテニングを生じさせる。段丘構造および他の平らでないミリング・アーチファクトはさらに、プラズマ・イオン源からのビーム電流などの大きなビーム電流を使用したときに多くの材料で生じうる。
アーチファクトを低減させる先行技術の方法を使用して、段差が形成されたアーチファクトを防ぐことは難しく、時間がかかる。このような方法は、小さなミリング電流を使用すること、および最終的な断面平滑化において、走査間でビームを大幅に重複させる走査を使用することを含む。大きな断面をミリングするときに生み出される一部のアーチファクトは、加工物を「揺らす」ことによって、すなわちイオン・ビーム衝突角を交互に切り換えることによって、例えばプラス10度のビーム角とマイナス10度のビーム角を交互に使用することによって低減する。しかしながら、揺らしても段丘構造アーチファクトは低減しない。段丘構造は、段丘構造の下の領域において、重度のカーテニングなど深刻なアーチファクトを生み出す傾向がある。
最も効果的で広範囲に証明されている代替策であるバックサイド・ミリング(backside milling)は、厚さが50から100nmのTEM試料に対しては適度によく機能するものの、厚さ30nm以下の極薄試料に対しては、バックサイド・ミリングによって作製した試料であっても、しばしば、望ましくない不均一な試料面を与えるミリング・アーチファクトを示す。さらに、より厚い試料に対してであっても、バックサイド・ミリングは、非常に長い時間がかかる取出しおよび反転操作を必要とする。さらに、現行のバックサイド・ミリング技法は手動で実行されており、自動化には適さない。
したがって、集束イオン・ビームを使用して試料を作製する改良された方法であって、例えばSEMで観察するための極薄のTEM試料と中実試料の両方を作製する改良された方法が依然として求められている。
米国特許出願公開第2010/0197142号明細書 米国特許第7,241,361号明細書 米国特許第6,641,705号明細書 米国特許第6,039,000号明細書 米国特許第5,851,413号明細書 米国特許第5,435,850号明細書 米国特許第7,442,924号明細書
本発明の目的は、ミリング・アーチファクトをほとんどまたは全く生み出さずに、イオン・ビーム・ミリングによって試料を作製することにある。
本発明のいくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビームが加工物をミリングしている時間の少なくとも一部分の間、加工物の表面に付着前駆体ガスを供給する。この付着前駆体は、加工物がミリングされているときに、隙間のある構造体を埋めて、ミリング操作によるアーチファクトの生成および縁の変形を防ぐ。本発明の実施形態は、ミリングされた画像化するための面の縁の鮮鋭度を増強する。
いくつかの実施形態では、イオン・ビームによってトレンチをミリングして、走査電子顕微鏡で観察するための断面を露出させる。他の実施形態では、TEMで観察するための薄片を生成する。
アーチファクトのない断面を露出させるいくつかの実施形態では、トレンチを生成する最初のミリング操作の後、トレンチの面に材料を付着させる。次いでこの面をミリングして、付着した材料を除去し、アーチファクトのない表面を生成する。他の実施形態では、表面をミリングするのと同時に材料を付着させる。
TEM試料を生成する実施形態では、厚さ60ナノメートル未満、より好ましくは厚さ30nm以下のTEM薄片を、曲りおよびカーテニングを低減させまたは防ぐ方式で生成する。いくつかの実施形態は、試料を作製するプロセス中に、TEM試料の面に材料を付着させる。いくつかの実施形態では、反対側の面を薄くする前に、既に薄くされた試料面に材料を付着させることができ、この操作は、試料の構造的完全性を補強し、カーテニング現象のために薄くなりすぎたエリアを再び埋める役目を果たすことができる。
いくつかの実施形態では、異なる硬さを有する材料からなる複数の層を有する断面をミリングするときなどに、イオン・ビーム・ミリングによって断面を露出させ、次いで、その断面を最終的にミリングする前にその断面に材料を付着させる。この付着は、試料面上のカーテニングを低減させまたは排除する役目を果たすことができる。いくつかの実施形態では、イオン・ビームが断面をミリングしている間に付着ガスを供給し、いくつかの実施形態では、断面を最終的にミリングする前の付着ステップ中に付着ガスを供給する。
以上では、以下の本発明の詳細な説明をより十分に理解できるように、本発明の特徴および技術上の利点をかなり大まかに概説した。以下では、本発明の追加の特徴および利点を説明する。開示される着想および特定の実施形態を、本発明の目的と同じ目的を達成するために他の構造体を変更しまたは設計するためのベースとして容易に利用することができることを当業者は理解すべきである。さらに、そのような等価の構造体は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨および範囲を逸脱しないことを当業者は理解すべきである。
次に、本発明および本発明の利点のより完全な理解のため、添付図面に関して書かれた以下の説明を参照する。
バルク基板からTEM試料を作製する先行技術に基づく大きくミリングするプロセスを示す図である。 先行技術に従って薄くされたTEM試料の顕微鏡写真である。 1つの試料面のカーテニングを示す、薄くされたTEM試料の顕微鏡写真である。 TEM試料を形成するステップを示す本発明の好ましい一実施形態に基づく流れ図である。 抜き取る試料の、より大きなバルク基板内における位置を示す略図である。 図3の方法を実施する際の諸ステップを示す図である。 図3の方法を実施する際の諸ステップを示す図である。 図3の方法を実施する際の諸ステップを示す図である。 図3の方法を実施する際の諸ステップを示す図である。 図3の方法を実施する際の諸ステップを示す図である。 図3の方法を実施する際の諸ステップを示す図である。 図3の方法を実施する際の諸ステップを示す図である。 図3の方法を実施する際の諸ステップを示す図である。 図3の方法を実施する際の諸ステップを示す図である。 あるガリウム集束イオン・ビームのイオン電流密度を、ある半径方向軸に沿った位置に対して示したグラフである。 本発明の実施形態を実施するように機器が装備された例示的なデュアル・ビームSEM/FIBシステムの一実施形態を示す図である。 先行技術の方法に従ってミリングされた、段丘構造アーチファクトおよびカーテニング・アーチファクトを示す加工物を概略的に示す図である。 先行技術の方法に従って処理された試料の段丘構造アーチファクトおよびカーテニング・アーチファクトを示す顕微鏡写真である。 本発明の一実施形態の諸ステップを示す流れ図である。 本発明の一実施形態に基づく異なる処理段階における加工物を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に基づく異なる処理段階における加工物を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に基づく異なる処理段階における加工物を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に基づく異なる処理段階における加工物を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に従って処理された加工物を示している、この画像にカーテニング・アーチファクトは見られない、顕微鏡写真である。 画像化のための断面を露出させるために先行技術のミリング方法を使用して加工物中にミリングされたトレンチを示す図である。 図13の断面の正面図である。 本発明の一実施形態の好ましいステップを示す流れ図である。 本発明の一実施形態を使用して加工物中にミリングされた断面を示す図である。 薄片作製中に試料が薄くなるにつれて拡大するいくつかの欠陥であり、電子ビーム誘起付着を使用して安定させることができる欠陥を示す図である。
本発明の実施形態は、加工物の一部分に、集束イオン・ビームおよび付着前駆体ガスを使用して、トレンチまたは他の構造体を形成する方法および装置を提供する。本発明の実施形態を使用して作製された断面は、露出した特徴部分の改良された明暸性を提供する。いくつかの試料のFIBミリングは、ミリング操作によって露出されている特徴部分の縁を歪めることがある。本発明の実施形態を使用して作製された断面は、低減されたアーチファクトを示し、そのため、構造体を生み出した製造プロセスの結果をより正確に表す。
付着ガスは分解して、異なる材料の異なるエッチング速度などの一様でないミリング速度によって生み出された凹みを埋めると考えられる。ミリングによって穴または他の凹みが生み出されているときにそれら穴または凹みを絶え間なく埋めることによって、その結果得られる断面はより滑らかになり、断面が示す歪みは、そうしなければ生成されたであろう歪みよりも減り、実際の構造体の表示をより良好にする。
いくつかの試料では、試料を構成している異なる材料が、SEM画像中において非常によく似た外観を有し、そのため、境界を識別することは困難であるかまたは不可能である。本発明の実施形態は、層間の改良されたコントラストを示すより滑らかな断面を提供することによって、材料間のデリニエーションを改良することができる。
図15は、集束イオン・ビームおよび付着前駆体ガスを使用して断面を形成する手順を示す。ステップ1500で、少なくとも2種類の材料からなる加工物を真空室に挿入する。ステップ1502で、真空室を排気する。ステップ1504で、加工物に向かって集束イオン・ビームを導いて、関心領域の近くにトレンチを切削する。ビームは一般に、長方形のパターンで移動させて「大きくミリングする」プロセスを実行する。大きくミリングするプロセスでは、イオン・ビームが一般に、一般に500pA超、より好ましくは1.0nA超、5nA超、10nA超または20nA超の比較的に大きな電流で、長方形を、ラスタ・パターンで走査する。プラズマ・イオン源を有する集束イオン・ビームを使用するときには、20nAから2μΑの間の電流を使用することができる。表面に対して斜めに導かれた電子ビームが、表面に対して垂直な、ミリング・プロセスによって露出させた壁を画像化することを可能にするため、このトレンチは一般に三角形の断面を有する。バルク材料を除去してトレンチの大部分を形成した後に、または任意選択で、大きくミリングする前もしくは大きくミリングしている間に、ステップ1506で、加工物表面に付着ガスを供給する。W(CO)、スチレンなどの多くの付着前駆体がイオン・ビーム誘起付着に対して有用であることが知られている。任意の前駆体を使用することができるが、前駆体は、基板材料のFIB除去速度と同様のFIB除去速度を有する材料を付着させることが好ましい。次いで、ステップ1508で、加工物に集束イオン・ビームを導いて、断面壁の形成を、好ましくは、より細かい表面を生み出す線状のミリングで完了させる。この線状のミリングは、一般に長方形ではなく線状であり、大きくミリングする電流よりも小さなビーム電流で実施される。
いくつかの実施形態では、断面がミリングされている期間の全体にわたってこのガスを使用し、他の実施形態では、ミリング・プロセスの終わり近くでのみこのガスを使用して、画像化のための滑らかでアーチファクトのない面を生成する。ステップ1510で、露出させた断面を走査電子顕微鏡を使用して画像化する。
図16は、イオン・ビームおよび付着前駆体ガスを使用して形成された加工物の断面を示す。断面をミリングしている間に付着前駆体を使用することによって、ミリング・プロセス中に凹みが埋められる。断面の壁はより滑らかであり、断面の壁にアーチファクトはない。断面の複数の層が異なる速度でエッチングするとき、または、窒化シリコンの層に隣接して酸化シリコンの層があるときなど、隣接する層が類似の材料からなるときに、SEM画像上でのこれらの2つの層間の境界の視認性に高まるのに、本発明の実施形態は特に有用である。本発明の実施形態は、ビアもしくは他の空隙を有する材料または混合密度材料の層を有する材料をミリングするときに滑らかな表面を生成するのに特に有用である。
いくつかの実施形態では、最初に、前駆体ガスなしで大きくミリングするプロセスを実行し、次いで、付着前駆体ガスを使用して線状ミリング・プロセスを実行して、滑らかな断面を生成する。ビーム電流は、付着材料の蓄積を防ぐのに十分な大きさであることが好ましい。ミリング操作が常に滑らかで安定した表面上で実施されるように、材料は、凹みの中だけに付着し、凹みは、ミリングによってコンスタントに形成され、埋められ、除去されることが好ましい。
加工物が、ボイドまたは低密度材料で満たされた領域を含むとき、ミリングは一様にならない傾向がある。付着ガスをイオン・ビームとともに使用すると、ボイドは埋められ、高密度材料よりも速く低密度材料がエッチングするために残された隙間に材料が付着する。
ある点を超えると、ビーム電流が増大するにつれて付着速度は低下することが知られている。これは、表面にガス分子を補充して材料が付着するよりも速くイオン・ビームが材料をスパッタリングするためである。付着とスパッタリングは競合するプロセスであり、付着は、付着前駆体が表面に拡散する速度によって制限される。典型的な実施形態は、ステップ1508で、80pAから1nAの間の電流を使用する。ステップ1508における電流は500pAよりも小さいことが好ましく、250pAよりも小さいとより好ましく、いくつかの実施形態ではこの電流が約100pAである。ビーム・エネルギーは一般に30keVであるが、スパッタリングを低減させ、それによって付着を増大させるため、いくつかの実施形態では、それよりも低いビーム・エネルギーが有用である。
好ましい一実施形態は、液体金属イオン源からのガリウム・イオンのビーム、プラズマ・イオン源からの他のイオンのビーム、例えば不活性ガス・イオンのビームなどの集束イオン・ビームに関して記述される。このようなプラズマ源は例えば、本発明の譲受人に譲渡された「Magnetically Enhanced,Inductively Coupled,Plasma Source for a Focused Ion Beam」という名称の米国特許第7,241,361号明細書に記載されている。さらに、イオンは、表面に注入され、回路の電気特性に影響を及ぼしうる。例えば、シリコン中でガリウムはp型ドーパントとして作用する。水素イオンなどの軽いイオンのビームは損傷をそれほど生じさせず、回路に対して電気的な影響をほとんどまたは全く及ぼさない。
ガス注入ノズルによって前駆体ガスを表面に向かって導いたとき、周囲の室圧力は約10−5ミリバールに維持されるが、注入針によって表面における圧力はかなり高くなる。表面における圧力は、この圧力の数値に反映されない。
分解反応には格子振動または2次電子が関与し、そのため、分解反応は、イオン・ビームが加工物に衝突する正確な点だけに限定されないと考えられる。これによって、イオンが直接には衝突しない凹みの中での分解が可能になることがある。イオン・ビーム衝突点に十分に近く前駆体分子は解離するが、イオンは直接には衝突しないかまたはより少数のイオンしか衝突しない領域では、付着反応がスパッタリング反応を上回って、凹みが埋められることがある。
「Apparatus and method for reducing differential sputter rates」という名称の米国特許第6,641,705号明細書は、入来イオンを偏向させる犠牲付着を使用して、ミリングされている穴の滑らかな床を生成するために、銅が除去されるシステムを記載している。米国特許第6,641,705号明細書は、銅によって穴の滑らかな床を生成する。本発明では、ビームに対して平行な滑らかな側壁が生成される。ビームは、壁を滑らかにするために付着が必要な穴または凹みの内部に直接に衝突しない可能性があるため、これには、米国特許第6,641,705号明細書とは異なる機構が必要である。
図10は、本発明の一実施形態の諸ステップを示す流れ図である。図11A〜11Dは、異なる処理段階における試料を示す。図11Aは、試料1102が、アルミニウムの層1106の上に酸化アルミニウムの層1104を含むことを示す。ステップ1002で、試料上の関心領域を識別する。ステップ1004で、関心領域の上の試料1104の表面に保護層1110を付着させる。保護層は例えば、イオン・ビーム誘起付着、電子ビーム誘起付着または他の局所付着プロセスを使用して付着させることができる。付着前駆体はよく知られており、付着前駆体は例えば、金属を付着させるためのタングステンヘキサカルボニル、メチルシクロペンタジエニル白金(IV)トリメチルなどの金属有機化合物、または絶縁体を付着させるためのヘキサメチルシクロヘキサシロキサンを含むことができる。
ステップ1006で、図11Aに示されているように、試料中にトレンチ1112をミリングして、断面1114を露出させる。イオン・ビーム1116の向きは一般に、トレンチをミリングしているときの試料の上面に対して垂直である。このトレンチは、トレンチを速く切削する比較的に大きなビーム電流の「大きくミリングする」プロセスを使用して部分的にミリングすることができる。例えば、ガリウム液体金属イオン源を使用するときには、大きな電流が、約5nA超、より好ましくは約10nA超、よりいっそう好ましくは約20nA超となろう。プラズマ・イオン源からのFIBを使用するときには、約50nAから2μΑの間の電流を使用することができる。一実施形態では、プラズマ・イオン源からのキセノン・イオンのビームが使用される。他の実施形態では、ガリウム液体金属イオン源からのガリウム・イオンのビームが使用される。大きなビーム電流を用いてトレンチをミリングすると、平らでない表面が生じることがある。この大電流で大きくミリングするプロセスによってトレンチを形成した後、任意選択で、露出した面1114をより小さな電流を使用してミリングして、「断面の平滑化」を実行し、それによって表面を滑らかにし、より粗いアーチファクトを除去する。この断面の平滑化は、大きくミリングするために使用したビーム電流よりも小さなビーム電流を使用して実行される。図11Bは、段丘構造アーチファクト1120、およびカーテニング・アーチファクトを表す誇張された凹凸1122を示す。この時点の試料1102は、図8および/または図9に示された先行技術の試料と同様である。
トレンチをミリングした後、ステップ1008で、図11Cに示されているように、一般に(イオン・ビームに対する垂線から)約45度の角度に試料を傾けて、ミリングされた面1114をイオン・ビームにさらす。ステップ1010で、試料表面のトレンチ1112の領域に前駆体ガスを供給し、同時に試料にビーム1117を導いて、面1114および既存の保護層1110の一部分に、白金などの材料1124を付着させる。付着材料は、段丘構造、凹みおよび他の凹凸を少なくとも部分的に埋めて、より滑らかな面を生成することによって、段差が形成された領域1120と、段差が形成された領域の下方のアーチファクトが多い領域1122の両方を滑らかにする。付着材料は、付着材料によって表面を部分的に平坦にする。付着材料は、その下の材料のスパッタ速度と同様のスパッタ速度を有することが好ましい。付着材料は導体または絶縁体とすることができる。白金は、ステップ1010で付着させるのに適した材料であることが分かっている。
ステップ1012で、図11Dに示されているように、試料1102を元の向きまで再び傾けて、ビーム試料表面の向きがイオン・ビームに対して垂直になるようにする。ステップ1014で、イオン・ビーム1118を導いて、ステップ1006で使用した電流よりも小さい電流で「断面平滑化」を実行する。このビームは、付着材料および凹凸を除去して、観察するための滑らかな面1128を生成した。いくつかの実施形態では、付着材料が全て除去されたときにミリングが停止される。終点は、面1114の荷電粒子ビーム画像を観察することによって、またはミリングされている材料を2次イオン質量分析などによって分析することによって、または付着材料の既知の厚さを除去するのに必要な時間を単純に推定によって決定することができる。例えば、ガリウム液体金属イオン・ビームを使用すると、断面平滑化のための電流が一般に0.1nAから4nAの間である。プラズマ・イオン源を使用すると、断面平滑化のための電流が一般に15nAから180nAの間である。ステップ1014は、アーチファクトのない表面を生成する。
図12は、本発明の一実施形態の結果を示す顕微鏡写真である。図12を図9と比較すると、図12にはカーテニング・アーチファクトがないことが分かる。
上に記載した例では、アルミニウムの上に酸化アルミニウムがある断面を形成したが、本発明は、多種多様な材料に適用可能である。これは特に、1つの層が硬い材料からなる積層構造において、および大きなビーム電流が使用される大きな断面に対して有用である。このプロセスが、エポキシ樹脂中の炭素繊維の断面など、他の材料のアーチファクトのない断面を生成することを、本発明の出願人は実証した。
記載した手順は追加の付着ステップを含むが、本発明の実施形態は、全体のミリング時間を短縮することによって、先行技術よりも短い時間で断面を形成することができる。
いくつかの実施形態は、試料を作製するプロセスの最中に試料に材料を追加することによって、TEM試料の作製中の曲りおよびカーテニングの問題に対処する。試料から材料を除去することだけに集中する先行技術の方法とは対照的に、本発明の好ましい実施形態は実際に、作製中の試料に追加の材料を付着させる。
好ましいいくつかの実施形態では、後により詳細に説明するように、第1のTEM試料面を薄くした後、第2のTEM試料面を薄くする前に、第1のTEM試料面に材料を付着させることができる。いくつかの実施形態では、第2の試料面を薄くする間、薄くした第1の試料面に、付着材料の全てを残しておくことができる。他の実施形態では、第2の側面を薄くする前に、薄くした第1の側面から、付着材料の大部分を除去することができる。後に残った付着材料は、カーテニング効果のために薄くなりすぎたエリアを埋める役目を果たすことができる。いずれにせよ、FIBミリングしている面とは反対側の試料面に存在する付着材料は、試料の構造的完全性を補強する役目を果たすことができる。
好ましいいくつかの実施形態では、試料面を薄くしているときに、その試料面に材料を付着させることができる。上述のとおり、試料が、より速くミリングされる材料とよりゆっくりとミリングされる材料の混合物からなるときには、しばしば、望ましくないカーテニング効果が生じる。本出願の出願人は、適当な前駆体ガスの存在下でミリング・プロセスを実施することにより、試料表面のある部分をミリングによって除去している間に、それと同時に、試料表面の他の部分に材料を付着させることができることを見出した。付着ガスは分解して、異なる材料の異なるエッチング速度などの一様でないミリング速度によって生み出された凹みを埋めると考えられる。ミリングによって穴または他の凹みが生み出されているときにそれら穴または凹みを絶え間なく埋めることによって、その結果得られる断面はより滑らかになり、断面が示す歪みは、そうしなければ生成されたであろう歪みよりも減り、実際の構造体をより良好に表示する。他の実施形態では、FIB薄化の一部分を試料面に実行した後に、その試料面をコーティングすることができる。これらの一方または両方の方法によって、薄化プロセスの間、試料面のより大きなミリング速度を有するエリアを付着材料によって保護し、または薄化プロセスの間に、そのようなエリアを付着材料によって再び埋めることができ、したがって試料面のカーテニングを低減させまたは防ぐことができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、試料を画像化する前に、付着材料の一部または全部を除去する。他の実施形態では、所望の画像化パラメータにおいて、付着材料が十分に電子透過性であり、そのため、試料TEM分析の間、付着材料をその場に残しておくことができる。付着材料の一部または全部を除去する場合には、公知の適当な任意の方法を使用して材料を除去することができる。当業者なら理解するとおり、適当な材料除去法は、付着材料、試料の構造的完全性など、いくつかの因子によって決まる。選択する材料除去法は、付着材料を選択的に除去し、TEM試料から試料材料をさらに除去することが全くないかまたはほとんど引き起こさないことが好ましい。
上述の実施形態を、一緒に、または別々に、または所望の組合せで使用することができることに留意すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、試料面を薄くした後にのみ試料面に材料を付着させることができるが、他の実施形態では、試料面を薄くしている最中と試料面を薄くした後の両方の時期に材料を付着させることができる。本発明の好ましい方法または装置は多くの新規の態様を有する。本発明は、異なる目的を有する異なる方法または装置として実施することができるため、全ての実施形態に全ての態様が存在する必要はない。さらに、記載された実施形態の態様の多くは別個に特許を受けることができる。
図3は、TEM試料を形成するステップを示す本発明の好ましい一実施形態に基づく流れ図である。最初に、ステップ301で、FIBカラムとSEMカラムの両方を有するデュアル・ビームFIB/SEMシステムなどの適当な処理ツールに、半導体ウェーハ、凍結生体材料、鉱物試料などの基板を装填する。このような適当な1つのビームFIB/SEMシステムは、本発明の譲受人である米オレゴン州HillsboroのFEI Companyから販売されているHelios1200またはExpida(商標) 1255 DualBeam(商標) Systemである。
図7も参照すると、デュアル・ビーム・システム702の典型的な構成は、垂直軸を有する電子カラム704と、この垂直軸に対して(通常は約52度の傾きで)傾いた軸を有するイオン・カラム706とを備える。ウェーハは、当技術分野ではよく知られているように、多ウェーハ搬送および自動装填ロボット(図示せず)を経由して移送することが好ましいが、手動でウェーハを移動させることもできる。
ステップ302で、(関心の特徴部分を含む)TEM試料を基板から抜き取る位置を決定する。例えば、この基板は、シリコン半導体ウェーハまたはシリコン半導体ウェーハの部分であり、抜き取る部分は、そのシリコン・ウェーハ上に形成された集積回路の一部分であって、TEMを使用して観察する部分を含む。他の例では、基板がAlTiCウェーハであり、抜き取る部分が、記憶媒体上のデータを読み取りまたは記憶媒体上にデータを書き込むために使用される構造体を含む。他の例では、基板が、天然資源を含む試料であり、抜取りが、試料中の資源の特性を分析するために実行される。図4は、抜き取る試料102の、より大きな基板108内における位置を示す略図である。
ステップ304で、好ましくは、FIBカラム706から発射された集束イオン・ビームに対して基板の上面が垂直になるような向きに、基板を配置する。次いで、ステップ306で、大きなビーム電流を使用し、それに対応した大きなビーム・サイズを有する集束イオン・ビームを使用して、所望のTEM試料を含む試料切片の前方部分および後方部分から大量の材料をミリングによって除去する。バルク材料をできるだけ速く除去するため、バルク材料の除去は、大きなビーム電流、好ましくは使用可能な最も大きな制御可能電流で実行することが好ましい。バルク材料の除去は例えば、加速電圧が30kVの13nAのガリウム・イオン・ビームを使用して実行することができる。状況によっては、TEM試料が基板表面に対して鋭角をなす向きを有するように、基板をミリングした方が望ましいこともある。例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡されたLibby他の「Focused Particle Beam Systems and Methods Using a Tilt Column」という名称の米国特許第6,039,000号明細書(2000年)は、試料表面に対してある角度に向けられたFIBを使用し、所望のTEM試料の両側に空洞をエッチングすることにより、TEM試料を形成することを記載している。
図1に示した先行技術の方法と同様に、大きくミリングした後、ミリングされた2つの長方形14と長方形15の間に残った材料は、垂直な試料切片102を形成しており、試料切片102は依然として、側面および底面のところでバルク基板とつながっている。図5Aは、このような垂直な試料切片102を示す。分かりやすくするため、周囲のバルク基板は一切示されていない。
バルク試料の薄化の後、次いで、ステップ308で、所望の第1の試料面に到達するまで、試料切片102の第1の側面51Aをさらに薄くする(次第に細くなるビーム・サイズおよび次第に小さくなるビーム・エネルギーを使用することが好ましい)。例えば、薄化の第1の段階では、ビーム電流が1nAのイオン・ビームを使用し、続く第2の段階では100pAのビームを使用する。図5Bに示すように、露出した第1の試料面は一般に、ある程度のカーテニングを示し、このカーテニングの結果、オーバーミリングされたエリア52が生じる。試料は、試料の上面に対して直角方向または垂直方向を向いた軸を有するイオン・ビームを使用して薄くすることが好ましいが、ビーム軸が、所望のTEM試料面の側に向けられているならば、直角以外の角度を使用することもできる。
図5Bに示した材料の厚さの違いは単に例示を目的としたものであり、加工面とカーテニングによって生じた谷部との間の厚さの違いを正確なスケールで示すこと、または表面の変動が必ず均一になることを示すことを意図したものではない。図5B〜5Iに図式的に示したFIB706およびSEMビーム704を示す矢印または他の処理を示す矢印は単に、その処理が加えられていることを示すことを意図したものであり、ビームの角度もしくは向きまたは付着もしくはエッチングの正確な位置を示すことを意図したものではない。
所望の試料面を露出させた後、ステップ310で、露出させた試料面に材料56を付着させる。材料層56は、例えば前駆体ガス54と、(付着させる材料に部分的に応じた)イオン・ビームまたは電子ビームを使用した化学蒸着とを使用することによって、試料面全体に付着させることが好ましい。前駆体を活性化する機構は、SEM、FIB、2次粒子の間接送達または他の技法とすることができる。さらに、この付着技法は、前駆体をビームによって活性化させる付着だけに限定されない。
付着材料は、TEM試料材料とは異なる組成を有することが好ましい。付着させる材料は、TEM試料の具体的な用途に応じて選択することができる。適当な付着材料は例えば、タングステン、白金、金、炭素、酸化シリコンまたは他の適当な材料を含む。これらの材料を付着させるための前駆体ガスは先行技術においてよく知られている。
さらに、後により詳細に論じるとおり、付着材料は、薄化プロセスの最中に除去するか、またはTEM試料の決定的に重要なミリングが完了した後に容易に除去することができる。例えば、付着材料が、炭素蒸着によって付着させることができる炭素である場合には、炭素以外のTEM試料に対する追加の損傷を生じさせない非常に選択的なエッチング・プロセスである水蒸気エッチングによって、付着材料を除去することができる。好ましいいくつかの実施形態では、付着材料を、TEM試料の画像化をあまり妨害しない材料とすることができ、その場合には、その材料をその場に残しておくことができる。例えば、試料の化学分析を含む用途では、付着材料中に存在する既知の化合物を無視することができる。
図5Cに示す実施形態では、元の試料切片102の全体の厚さが増大するように材料56を追加する。言い換えると、薄化プロセス中に除去された材料よりも多くの材料を追加する。しかしながら、追加する材料が、試料の構造的完全性を適切に増大させ、または十分な量のカーテニング・オーバーミリングを埋めるのに十分である限りにおいて、そのような量の材料を追加する必要はない。この厚い付着層の厚さは、どれくらいのビーム被曝が予想されるのか、およびどの材料を付着させるのかに依存する。例えば、構造的完全性の目的で主に炭素ベースの材料を付着させ、その材料が、ビーム被曝から最小限の侵食を受け取る場合、約20nmの付着層が適当であろう。この層が、1nAのミリング・ステップ中のカーテニングを低減させる目的に使用される場合には、100nm以上の厚さを付着させることができる。
ステップ312において、任意選択で、追加した材料56の一部を除去する。付着材料は単一の化合物からなるため、材料を除去するときにカーテニングはほとんどまたは全く起こらない。他方の試料面51Bをミリングするときに追加の構造的完全性を提供するため、試料面51Aに十分な付着材料56を残すことが好ましいが、試料の曲りの優先度が低く、カーテニングの低減だけが実際の懸念事項である状況では、第2の試料面に取りかかる前に全ての付着材料を除去することができる。後に論じるように、好ましいいくつかの実施形態では、最終的な試料面を露出させる前に、試料に材料を付着させることができる。次いで、さらに続いて薄化している間に、この付着材料を除去することができる。この薄化ステップ、材料追加ステップおよび再薄化ステップを、最終的な試料面が露出するまで、繰り返し反復することができる。この反復技法は、カーテニング効果を最小化する際に役立つことがあり、または、望ましい場合には、この反復技法を、薄化ステップの終点決定技法として使用することができる。
次いで、ステップ314で、試料102の第2のTEM試料面51B(背面)にFIBを導いて、試料を薄くする。この場合も、次第に細くなるビーム・サイズおよび次第に小さくなるビーム・エネルギーを使用して、所望の試料面を露出させる。例えば、薄化の第1の段階では、ビーム電流が1nAのイオン・ビームを使用し、続く第2の段階では100pAのビームを使用する。図5Fに示すように、露出した第2の試料面51Bも一般に、ある程度のカーテニングを示し、このカーテニングの結果、オーバーミリングされたエリア52が生じる。
ステップ316で、化学蒸着などの適当なプロセスを使用して、第2の試料面51Bにも材料56を付着させる。ステップ318で、第2の面の付着材料の一部または全部を、例えばFIBミリングによって除去する。裏面に付着させる材料も、複数のステップで繰り返し追加され、除去され、最後の薄化ステップで全ての材料が除去されることもある。
任意選択で、ステップ320において、完成したTEM試料110から全ての付着材料56を除去することができる。この材料除去は、FIBミリングによって、またはFIBミリングほどにはTEM試料材料を破壊しない、イオン・ビームまたは電子ビームを用いた選択的ガス支援エッチングなどの方法によって達成することができる。好ましい他の実施形態では、TEM試料を真空室から取り出した後に、付着材料を、エッチング、例えば酸浴中でのエッチングによって除去することができる。本発明はこれらの例だけに限定されず、適当な任意のタイプのビーム・ベース除去もしくは化学除去、またはプラズマ誘起除去を利用することができる。基板から抜き取る試料が他にある場合には(ステップ322)、プロセスはステップ302へ戻り、次の試料位置を決定する。基板から抜き取る試料が他にない場合には、ステップ324でプロセスは停止する。
本発明の好ましいいくつかの実施形態では、薄化プロセスの間にTEM試料面に材料を付着させることもできる。好ましいいくつかの実施形態によれば、2つの荷電粒子ビームを一度に使用することができる。例えば、後述する図7に示したシステムなどのデュアル・ビーム・システムでは、電子ビームを適当な前駆体ガスとともに使用して試料面に材料を付着させ、同時に、FIBを使用してミリングを実施することができる。
他の実施形態では、イオン・ビームを使用して、材料の付着と材料の除去を同時に実施することができる。集束イオン・ビーム・システムは一般に、実質的にガウス分布である図6に示すような円対称の電流密度分布を有する。図6は、イオン電流密度を、ある半径方向軸に沿った位置に対して示したグラフである。図6に示すように、ビームの中心の電流密度が最も大きく(したがってより速くミリングし)、ビームの中心から離れるにつれてビーム電流は次第に小さくなる。
このビーム電流の広がりは、カーテニングの主な誘因の1つである。ビームが、ビームの中心を用いて薄片面をミリングしているとき、ガウス分布の後尾のイオンは、ビームの中心よりも先に(およびビームの中心よりも後に)試料材料に到達する。ビームの小電流部分は、小さなミリング速度を有するより重い金属試料構造物に対してほとんど影響しない可能性があるが、より大きなミリング速度を有するより軽い材料はかなりミリングされる可能性がある。
本出願の出願人は、ビームの存在下で適当な前駆体ガスを試料表面に向かって導くことによって、この「事前」ミリングを低減させまたは排除することができることを見出した。先行技術ではよく知られているように、前駆体ガスの吸着層を有する基板に荷電粒子ビームを照射すると、基板から2次電子が放出される。これらの2次電子は、吸着した前駆体ガス分子の解離を引き起こす。解離した前駆体材料の一部は基板表面に付着物を形成し、残りの前駆体ガス粒子は揮発性の副生物を形成し、装置の真空システムによって排出される。
適当な前駆体ガスが存在すると、中心から離れたビームの小電流部分は、解離した前駆体材料の付着を引き起こす2次電子を提供することができる。この付着材料は、その下の基板がミリングされる前に、スパッタリングによって除去されなければならない。ビームの中心のビーム電流は、優勢な反応が付着反応からミリング反応に切り替わる十分に大きなものであることが好ましい。このようにすると、この付着材料は、より大きなミリング速度を有するより軽い材料がビームの中心が到達する前に相当にミリングされることを防ぐ保護層の役目を果たすことができ、一方、ビームの中心は、新たに付着した保護層とその下の基板の両方をだいたい同じ速度でミリングする。中心から離れたビームの縁のビーム電流はより小さいため、保護層によって覆われたより軽い材料はあまりエッチングされず、カーテニングは防止され、または少なくとも実質的に低減する。当業者は、適当な前駆体ガスを選択することができ、また、中心から離れたビームの小電流部分において優勢な反応が付着反応となり、ビームの中心において優勢な反応がエッチング(ミリング)反応となるように、ガス圧およびビーム電流を調整することができる。
好ましいいくつかの実施形態では、表面全体に保護層が付着するように、ビームの中心についても、付着速度がエッチング速度よりも大きくなるようにすることができる。次いで、ビーム全体について、またはビームの中心の大電流部分だけについてエッチングが優勢になるように、ビーム・パラメータまたはガス圧を調整することができる。さらに、いくつかの実施形態によれば、試料をミリングしている最中にカーテニングがある程度形成し始めると、より軽い材料がオーバーミリングされた試料面のボイドは、湾曲したお椀形の形状を示す傾向がある。お椀の壁の湾曲のため、前駆体材料は、試料面の残りの部分よりも大きな速度でこの領域に付着する傾向を示す。その結果として、付着材料がこの低いエリアを埋める傾向を示すように、したがって付着材料がカーテニングをある程度埋め、この低いエリアをさらなるオーバーミリングから保護するように、ビーム・パラメータおよび前駆体ガス圧を調整することができる。
したがって、本発明の実施形態は、試料の曲り(および応力に基づく他のタイプの試料損傷)および/または試料面のカーテニングを低減させまたは防ぐ手段を提供する。このことは、極薄の試料(本明細書では厚さ30nm以下の試料と定義する)に関して特に重要である。材料を付着させていないあるシリコンTEM試料が、厚さ30nmに達するずっと前にかなりの曲りを示すときに、一方の試料面に適当な付着材料層を付着させると、同様の試料を、曲りを生じさせることなく、約30nmまで薄くすることができることを、本出願の出願人は実験によって確認した。
特定の試料のタイプによっては、これらのタイプの試料損傷のうちの一方の損傷を回避することが、他方の損傷を回避することよりも重要なことがある。例えば、関心の構造体の全幅は100nm未満であるが、関心の構造体が速くミリングされる材料とゆっくりミリングされる材料の間の垂直境界の真下にある試料では、カーテニングが決定的に重要なタイプの損傷であり、試料の曲りはそれほど重要ではないであろう。損傷の1つのタイプの損傷だけが重要であるこのような場合には、上述の方法の全てのステップを使用する必要がないことがある。試料の両面に付着材料を付着させる必要もない。例えば、曲りが主たる懸念事項である試料を作製するときには、第1の試料面を薄くした後に第1の試料面にだけ材料を付着させ、次いで、第2の試料面を露出させた後でその付着材料を除去するだけで十分なことがある。いくつかの実施形態では、試料面に材料を付着させるステップ、試料面を薄くするステップ、および次いで試料面により多くの材料を付着させるステップを、試料の所望の厚さに到達するまで繰り返し実施することができる。
薄化中の試料の構造的完全性の向上はさらに、本発明に基づくTEM試料の製造法を、自動化された操作および処理に対してより適したものにする。自動化された操作および処理は、使いやすさを増大させ、顧客のために、1試料当たりの費用を低下させることができる。カーテニングの影響の低減により、先行技術のシリコン・サイド・ミリング技法(silicon−side milling technique)よりも短いサイト時間(site time)で、および/またはより使いやすくなり、高品質の試料を製造することが可能になる。
さらに、上述のステップは所望の順序で使用することができる。例えば、状況によっては、薄化を実施する前に材料を付着させた方が望ましいことがある。さらに、プロセス中の任意の時点で試料を画像化することができる。さらに、例えば、試料を十分に薄くし、画像化を実行して、最終的なTEM試料面においてターゲットとなる試料内の所望の特徴部分を認識するまで、試料面への材料の付着を開始しなくてもよい。好ましいいくつかの実施形態では、材料付着操作と材料除去操作が異なる連続ステップである。他の実施形態では、試料作製の少なくとも一部の最中に、同じ面または異なる面において、付着プロセスと材料除去プロセスを同時に実施することができる。
本発明の実施形態は、加工物の一部分に、集束イオン・ビームおよび付着前駆体ガスを使用して、トレンチまたは他の構造体を形成する方法および装置を提供する。本発明の実施形態を使用して作製された断面は、露出した特徴部分の改良された明暸性を提供する。いくつかの試料のFIBミリングは、ミリング操作によって露出されている特徴部分の縁を歪めることがある。本発明の実施形態を使用して作製された断面は、低減されたアーチファクトを示し、そのため、構造体を生み出した製造プロセスの結果をより正確に表す。
付着ガスは分解して、異なる材料の異なるエッチング速度などの一様でないミリング速度によって生み出された凹みを埋めると考えられる。ミリングによって穴または他の凹みが生み出されているときにそれら穴または凹みを絶え間なく埋めることによって、その結果得られる断面はより滑らかになり、断面が示す歪みは、そうしなければ生成されたであろう歪みよりも減り、実際の構造体の表示をより良好にする。
いくつかの試料では、試料を構成している異なる材料が、SEM画像中において非常によく似た外観を有し、そのため、境界を識別することは困難であるかまたは不可能である。本発明の実施形態は、層間の改良されたコントラストを示すより滑らかな断面を提供することによって、材料間のデリニエーションを改良することができる。
図3は、集束イオン・ビームおよび付着前駆体ガスを使用して断面を形成する手順を示す。ステップ300で、少なくとも2種類の材料からなる加工物を真空室に挿入する。ステップ302で、真空室を排気する。ステップ304で、加工物に向かって集束イオン・ビームを導いて、関心領域の近くにトレンチを切削する。ビームは一般に、長方形のパターンで移動させて「大きくミリングする」プロセスを実行する。表面に対して斜めに導かれた電子ビームが、表面に対して垂直な、ミリング・プロセスによって露出させた壁を画像化することを可能にするため、このトレンチは一般に三角形の断面を有する。バルク材料を除去してトレンチの大部分を形成した後に、または任意選択で、大きくミリングする前もしくは大きくミリングしている間に、ステップ306で、加工物表面に付着ガスを供給する。W(CO)、スチレンなどの多くの付着前駆体がイオン・ビーム誘起付着に対して有用であることが知られている。任意の前駆体を使用することができるが、前駆体は、基板材料のFIB除去速度と同様のFIB除去速度を有する材料を付着させることが好ましい。次いで、ステップ308で、加工物に集束イオン・ビームを導いて、断面壁の形成を、好ましくは線状のミリングで完了させる。線状のミリングはより細かい表面を生み出す。
いくつかの実施形態では、断面がミリングされている期間の全体にわたってこのガスを使用し、他の実施形態では、ミリング・プロセスの終わり近くでのみこのガスを使用して、画像化のための滑らかでアーチファクトのない面を生成する。ステップ310で、露出させた断面を走査電子顕微鏡を使用して画像化する。
図4は、イオン・ビームおよび付着前駆体ガスを使用して形成された加工物の断面を示す。断面をミリングしている間に付着前駆体を使用することによって、ミリング・プロセス中に凹みが埋められる。断面の壁はより滑らかであり、断面の壁にアーチファクトはない。断面の複数の層が異なる速度でエッチングするとき、または、窒化シリコンの層に隣接して酸化シリコンの層があるときなど、隣接する層が類似の材料からなるときに、SEM画像上でのこれらの2つの層間の境界の視認性を高めるのに、本発明の実施形態は特に有用である。本発明の実施形態は、ビアもしくは他の空隙を有する材料または混合密度材料の層を有する材料をミリングするときに滑らかな表面を生成するのに特に有用である。
いくつかの実施形態では、最初に、前駆体ガスなしで大きくミリングするプロセスを実行し、次いで、付着前駆体ガスを使用して線状ミリング・プロセスを実行して、滑らかな断面を生成する。ビーム電流は、付着材料の蓄積を防ぐのに十分な大きさであることが好ましい。ミリング操作が常に滑らかで安定した表面上で実施されるように、材料は、凹みの中だけに付着し、凹みは、ミリングによってコンスタントに形成され、埋められ、除去されることが好ましい。
加工物が、ボイドまたは低密度材料で満たされた領域を含むとき、ミリングは一様にならない傾向がある。付着ガスをイオン・ビームとともに使用すると、ボイドは埋められ、高密度材料よりも速く低密度材料がエッチングするために残された隙間に材料が付着する。
ある点を超えると、ビーム電流が増大するにつれて付着速度は低下することが知られている。これは、表面にガス分子が補充して材料が付着するよりも速くイオン・ビームが材料をスパッタリングするためである。付着とスパッタリングは競合するプロセスであり、付着は、付着前駆体が表面に拡散する速度によって制限される。典型的な実施形態は、80pAから1nAの間の電流を使用する。ビーム・エネルギーは一般に30keVであるが、スパッタリングを低減させ、それによって付着を増大させるため、いくつかの実施形態では、それよりも低いビーム・エネルギーが有用である。
好ましい一実施形態は、液体金属イオン源からのガリウム・イオンのビーム、プラズマ・イオン源からの他のイオンのビーム、例えば不活性ガス・イオンのビームなどの集束イオン・ビームに関して記述される。このようなプラズマ源は例えば、本発明の譲受人に譲渡された「Magnetically Enhanced,Inductively Coupled,Plasma Source for a Focused Ion Beam」という名称の米国特許第7,241,361号明細書に記載されている。さらに、イオンは、表面に注入され、回路の電気特性に影響を及ぼしうる。例えば、シリコン中でガリウムはp型ドーパントとして作用する。水素イオンなどの軽いイオンのビームは損傷をそれほど生じさせず、回路に対して電気的な影響をほとんどまたは全く及ぼさない。
ガス注入ノズルによって前駆体ガスを表面に向かって導いたとき、周囲の室圧力は約10−5ミリバールに維持されるが、注入針によって表面における圧力はかなり高くなる。表面における圧力は、この圧力の数値に反映されない。
分解反応には格子振動または2次電子が関与し、そのため、分解反応は、イオン・ビームが加工物に衝突する正確な点だけに限定されないと考えられる。これによって、イオンが直接には衝突しない凹みの中での分解が可能になることがある。イオン・ビーム衝突点に十分に近く前駆体分子は解離するが、イオンは直接には衝突しないかまたはより少数のイオンしか衝突しない領域では、付着反応がスパッタリング反応を上回って、凹みが埋められることがある。
「Apparatus and method for reducing differential sputter rates」という名称の米国特許第6,641,705号明細書は、入来イオンを偏向させる犠牲付着を使用して、ミリングされている穴の滑らかな床を生成するために、銅が除去されるシステムを記載している。米国特許第6,641,705号明細書は、銅によって穴の滑らかな床を生成する。本発明では、ビームに対して平行な滑らかな側壁が生成される。ビームは、壁を滑らかにするために付着が必要な穴または凹みの内部に直接に衝突しない可能性があるため、これには、米国特許第6,641,705号明細書とは異なる機構が必要である。
図5は、垂直に装着されたSEMカラムと垂直線から約52度の角度に装着された集束イオン・ビーム(FIB)カラムとを備える、本発明を実施するのに適した一般的なデュアル・ビーム・システム510を示す。適当なデュアル・ビーム・システムは例えば、本出願の譲受人である米オレゴン州HillsboroのFEI Companyから市販されている。適当なハードウェアの一例を以下に示すが、本発明は、特定のタイプのハードウェアで実現されることに限定されない。
走査電子顕微鏡541と電源および制御ユニット545はデュアル・ビーム・システム510に備わっている。陰極552と陽極554の間に電圧を印加することによって、陰極552から電子ビーム543が放出される。電子ビーム543は、集光レンズ556および対物レンズ558によって微細なスポットに集束する。電子ビーム543は、偏向コイル560によって試験体上で2次元的に走査される。集光レンズ556、対物レンズ558および偏向コイル560の動作は電源および制御ユニット545によって制御される。
電子ビーム543は、下室526内の可動式X−Yステージ525上にある基板522の表面に焦束させることができる。電子ビーム中の電子が基板522の表面に衝突すると、2次電子が放出される。これらの2次電子は、後に論じる2次電子検出器540によって検出される。TEM試料ホルダ524およびステージ525の下に位置するSTEM検出器562は、TEM試料ホルダ上に下で論じるように装着された試料を透過した電子を集めることができる。
デュアル・ビーム・システム510は集束イオン・ビーム(FIB)システム511をさらに含み、FIBシステム511は、上部ネック部512を有する排気された室を含み、上部ネック部512内にはイオン源514および集束カラム516が位置し、集束カラム516は、引出し電極および静電光学系を含む。集束カラム516の軸は、電子カラムの軸から52度傾いている。イオン・カラム512は、イオン源514、引出し電極515、集束要素517、偏向要素520および集束イオン・ビーム518を含む。イオン源514を出たイオン・ビーム518は、カラム516を通過し、520で概略的に示されている静電偏向手段間を通り抜けて、下室526内の可動X−Yステージ525上に配置された基板522、例えば半導体デバイスを含む基板522に向かって進む。
半導体デバイスから試料を抜き取り、TEM試料ホルダへ移動させることができるように、ステージ525はさらに、1つまたは複数のTEM試料ホルダ524を支持することができる。ステージ525は、水平面(XおよびY軸)内で移動することができ、かつ垂直に(Z軸)移動することができることが好ましい。ステージ525はさらに約60度傾くことができ、Z軸を軸に回転することができる。いくつかの実施形態では、別個のTEM試料ステージ(図示せず)を使用することができる。このようなTEM試料ステージもX、YおよびZ軸に沿って可動であることが好ましい。X−Yステージ525上に基板522を挿入するため、および内部ガス供給リザーバが使用される場合には内部ガス供給リザーバの整備作業のために、扉561が開かれる。システムが真空状態にある場合に開かないように、この扉はインタロックされる。
ネック部512を排気するためにイオン・ポンプ568が使用される。室526は、真空コントローラ532の制御の下、ターボ分子および機械ポンピング・システム530によって排気される。この真空システムは、室526に、約1×10−7トルから5×10−4トルの間の真空を提供する。エッチング支援ガス、エッチング遅延ガスまたは付着前駆体ガスを使用する場合、室のバックグラウンド圧力は典型的には約1×10−5トルまで上昇することがある。
イオン・ビーム518にエネルギーを与え集束させるため、高電圧電源は、イオン・ビーム集束カラム集束516内の電極に適当な加速電圧を印加する。イオン・ビームが基板522に当たると、材料がスパッタリングされる。すなわち試料から材料が物理的に追い出される。あるいは、イオン・ビーム518が前駆体ガスを分解して、材料を付着させることもできる。
液体金属イオン源514と、約1keVから60keVのイオン・ビーム518を形成しそれを試料に向かって導くイオン・ビーム集束カラム516内の適当な電極とに高圧電源534が接続されている。パターン発生器538によって提供される所定のパターンに従って動作する偏向コントローラおよび増幅器536が偏向板520に結合されており、それによって、対応するパターンを基板522の上面に描くようにイオン・ビーム518を手動または自動で制御することができる。いくつかのシステムでは、当技術分野ではよく知られているように、偏向板が、最後のレンズの前に配置される。イオン・ビーム集束カラム516内のビーム・ブランキング(blanking)電極(図示せず)は、ブランキング・コントローラ(図示せず)がブランキング電極にブランキング電圧を印加したときに、イオン・ビーム518を、基板522ではなくブランキング絞り(図示せず)に衝突させる。
液体金属イオン源514は一般にガリウムの金属イオン・ビームを提供する。イオン・ミリング、強化されたエッチングもしくは材料付着によって基板522を改変するため、または基板522を画像化するために、源を一般に、基板522の位置における幅が1/10マイクロメートル未満のビームに集束させることができる。
2次イオンまたは2次電子の放出を検出する目的に使用されるエバーハート・ソーンリー(Everhart Thornley)検出器、マルチチャンネル・プレートなどの荷電粒子検出器540がビデオ回路542に接続されており、ビデオ回路542は、ビデオ・モニタ544に駆動信号を供給し、コントローラ519から偏向信号を受け取る。下室526内における荷電粒子検出器540の位置は実施形態によって変更することができる。例えば、荷電粒子検出器540はイオン・ビームと同軸とすることができ、イオン・ビームが通り抜けることを可能にする穴を含むことができる。他の実施形態では、最終レンズを通過させ、次いで集めるために軸から逸らした2次粒子を集めることができる。
米テキサス州DallasのOmniprobe,Inc.のAutoProbe 200(商標)、ドイツReutlingenのKleindiek NanotechnikのModel MM3Aなどのマイクロマニピュレータ(micromanipulator)547は、真空室内の物体を精密に移動させることができる。真空室内に配置された部分549のX、Y、Zおよびθ制御を提供するため、マイクロマニピュレータ547は、真空室の外側に配置された精密電動機548を備えることができる。小さな物体を操作するため、マイクロマニピュレータ547に別のエンド・エフェクタを取り付けることができる。本明細書に記載した実施形態では、このエンド・エフェクタが細いプローブ550である。
ガス蒸気を導入し基板522に向かって導くためにガス送達システム546が下室526内へ延びている。本発明の譲受人に譲渡されたCasella他の「Gas Delivery Systems for Particle Beam Processing」という名称の米国特許第5,851,413号明細書は適当なガス送達システム546を記載している。別のガス送達システムが、やはり本発明の譲受人に譲渡されたRasmussenの「Gas Injection System」という名称の米国特許第5,435,850号明細書に記載されている。例えば、エッチングを強化するためにヨウ素を送達することができ、または金属を付着させるために金属有機化合物を送達することができる。
システム・コントローラ519は、デュアル・ビーム・システム510のさまざまな部分の動作を制御する。従来のユーザ・インタフェース(図示せず)にコマンドを入力することにより、ユーザは、システム・コントローラ519を介して、イオン・ビーム518または電子ビーム543を所望のとおりに走査することができる。あるいは、システム・コントローラ519は、プログラムされた命令に従って、デュアル・ビーム・システム510を制御することができる。いくつかの実施形態では、デュアル・ビーム・システム510が、関心の領域を自動的に識別する、米マサチューセッツ州NatickのCognex Corporationから市販されているソフトウェアなどの、画像認識ソフトウェアを含み、システムは、本発明に従って試料を手動でまたは自動的に抜き取ることができる。例えば、システムは、複数のデバイスを含む半導体ウェーハ上の類似した特徴部分の位置を自動的に検出し、異なる(または同じ)デバイス上のそれらの特徴部分の試料を採取することができる。
以上の説明では用語「エッチング前駆体」および「付着前駆体」を使用したが、多くの前駆体が、ガス流束およびビーム密度に応じてエッチングまたは付着を実行することができることを当業者は認識するであろう。本発明は、画像化用の断面を生成することだけに限定されず、滑らかな表面を生成するのにも役立つ。
図7は、本発明の実施形態を実施するように機器が装備された例示的なデュアル・ビームSEM/FIBシステム702の一実施形態を示す。本発明の実施形態は、基板のターゲット表面に低抵抗率材料を付着させる多種多様な用途に使用することができる。このような試料の作製および分析は一般に、以下で説明するシステムなどのデュアル・ビーム電子ビーム/集束イオン・ビーム・システムで実行される。適当なデュアル・ビーム・システムは例えば、本出願の譲受人である米オレゴン州HillsboroのFEI Companyから市販されている。適当なハードウェアの一例を以下に示すが、本発明は、特定のタイプのハードウェアで実現することに限定されない。
デュアル・ビーム・システム702は、垂直に取り付けられた電子ビーム・カラム704と、垂直線から約52度の角度に取り付けられた集束イオン・ビーム(FIB)カラム706とを、排気可能な試験体室708上に有する。試験体室は、ポンプ・システム709によって排気することができる。ポンプ・システム709は一般に、ターボ分子ポンプ、油拡散ポンプ、イオン・ゲッタ・ポンプ、スクロール・ポンプおよび知られている他のポンピング手段のうちの1つもしくは複数のポンプ、またはこれらのポンプの組合せを含む。
電子ビーム・カラム704は、ショットキ放出器、冷陰極電界放出器などの電子を発生させる電子源710、ならびに微細集束電子ビーム716を形成する電子−光学レンズ712および714を含む。電子源710は一般に、一般にグランド電位に維持される加工物718の電位よりも500Vから30kV高い電位に維持される。
したがって、電子は、約500eVから30keVの入射エネルギー(landing energy)で加工物718に衝突する。電子の入射エネルギーを低減させ、それによって電子と加工物表面との相互作用体積を小さくし、それによって核生成部位のサイズを小さくするために、加工物に負の電位を印加することができる。加工物718は例えば、半導体デバイス、マイクロエレクトロメカニカル・システム(MEMS)、データ記憶デバイス、またはその材料特性または組成を知るために分析されている材料の試料を含むことができる。加工物718の表面に電子ビーム716の衝突点を配置することができ、偏向コイル720によって電子ビーム716の衝突点を加工物718の表面全体にわたって走査することができる。レンズ712、714および偏向コイル720の動作は、走査電子顕微鏡電源および制御ユニット722によって制御される。レンズおよび偏向ユニットは、電場、磁場またはこれらの組合せを使用することができる。
加工物718は、試験体室708内の可動ステージ724上にある。ステージ724は、水平面(X軸およびY軸)内で移動し、垂直に(Z軸)移動し、約60度傾き、Z軸を軸に回転することができることが好ましい。X−Y−Zステージ724上に加工物718を挿入するため、および内部ガス供給リザーバ(図示せず)が使用される場合には内部ガス供給リザーバの整備作業のために、扉727を開くことができる。試験体室708を排気する場合に開かないように、この扉はインタロックされる。
真空室には、1つまたは複数のガス注入システム(gas injection system)(GIS)730が取り付けられる。GISはそれぞれ、前駆体または活性化材料を保持するリザーバ(図示せず)、および加工物の表面にガスを導くための針732を備えることができる。GISはそれぞれさらに、加工物への前駆体材料の供給を調節する手段734を備える。この例では、この調節手段が調整可能な弁として示されているが、調節手段は例えば、前駆体材料を加熱して前駆体材料の蒸気圧を制御する調節された加熱器を含むこともできる。
電子ビーム716中の電子が加工物718に当たると、2次電子、後方散乱電子およびオージェ電子が放出され、これらの電子を検出して、画像を形成し、または加工物についての情報を決定することができる。例えば2次電子は、エバーハート−ソーンリー(Everhart−Thornley)検出器、低エネルギーの電子を検出することができる半導体検出デバイスなどの2次電子検出器736によって検出される。TEM試料ホルダ761およびステージ724の下に位置するSTEM検出器762は、TEM試料ホルダ上に取り付けられた試料を透過した電子を集めることができる。検出器736、762からの信号はシステム・コントローラ738へ送られる。前記コントローラ738はさらに、偏向器信号、レンズ、電子源、GIS、ステージおよびポンプ、ならびにこの機器の他の構成要素を制御する。監視装置740は、ユーザ制御を表示し、その信号を使用して加工物の画像を表示するために使用される。
室708は、真空コントローラ741の制御の下、ポンプ・システム709によって排気される。この真空システムは、室708に約7×10−6ミリバールの真空を提供する。適当な前駆体ガスまたは活性化剤ガスを試料表面に導入すると、室のバックグラウンド圧力は一般に約5×10−5ミリバールまで上昇することがある。
集束イオン・ビーム・カラム706は、イオン源746および集束カラム748がその内部に位置する上ネック部744を備え、集束カラム748は、引出し電極750および静電光学系を含み、静電光学系は対物レンズ751を含む。イオン源746は、液体金属ガリウム・イオン源、プラズマ・イオン源、液体金属合金源または他の任意のタイプのイオン源を含むことができる。集束カラム748の軸は、電子カラムの軸から52度傾いている。イオン・ビーム752は、イオン源746から、集束カラム748を通り、静電偏向器754間を通過して、加工物718に向かって進む。
FIB電源および制御ユニット756は、イオン源746の電位を供給する。イオン源746は一般に、一般にグランド電位に維持される加工物の電位よりも1kVから60kV高い電位に維持される。したがって、イオンは、約1keVから60keVの入射エネルギーで加工物に衝突する。FIB電源および制御ユニット756は偏向板754に結合される。偏向板754は、イオン・ビームが、加工物718の上面に、対応するパターンをトレースすることを可能にする。当技術分野ではよく知られているとおり、システムによっては、最後のレンズよりも前に偏向板が置かれる。イオン・ビーム集束カラム748内のビーム・ブランキング(blanking)電極(図示せず)は、FIB電源および制御ユニット756がブランキング電極にブランキング電圧を印加したときに、イオン・ビーム752を、加工物718ではなくブランキング絞り(図示せず)に衝突させる。
イオン源746は一般に、一価の正のガリウム・イオンのビームを発生させ、このビームは、イオン・ミリング、強化エッチング、材料付着によって加工物718を変更するため、または加工物718を画像化するために、加工物718位置において幅1/10マイクロメートル以下のビームに集束させることができる。
米テキサス州DallasのOmniprobe,Inc.のAutoProbe 200(商標)、ドイツReutlingenのKleindiek NanotechnikのModel MM3Aなどのマイクロマニピュレータ(maicromanipulator)757は、真空室内の物体を精密に移動させることができる。真空室内に配置された部分759のX、Y、Zおよびθ制御を提供するため、マイクロマニピュレータ757は、真空室の外側に配置された精密電動機758を備えることができる。小さな物体を操作するため、マイクロマニピュレータ757に別のエンド・エフェクタを取り付けることができる。本明細書に記載した実施形態では、このエンド・エフェクタが細いプローブ760である。先行技術では知られているように、分析のため、マイクロマニピュレータ(またはマイクロプローブ)を使用して、(一般にイオン・ビームによって基板から分離された)TEM試料をTEM試料ホルダ761に移すことができる。
システム・コントローラ738は、デュアル・ビーム・システム702のさまざまな部分の動作を制御する。従来のユーザ・インタフェース(図示せず)にコマンドを入力することにより、ユーザは、システム・コントローラ738を介して、イオン・ビーム752または電子ビーム716を希望通りに走査することができる。あるいは、システム・コントローラ738は、プログラムされた命令に従って、デュアル・ビーム・システム702を制御することができる。図7は略図であり、一般的なデュアル・ビーム・システムの要素の全ては含んでおらず、また、それらの要素の実際の外見およびサイズまたはそれらの要素間の関係の全ては示していない。
前駆体の解離は、高エネルギー電子、高エネルギー・イオン、X線、光、熱、マイクロ波放射に試料(加工物)をさらすことによって達成でき、または、結果として付着物を形成する不揮発性部分と、揮発性部分とに前駆体材料が解離する、他の任意の方法で前駆体にエネルギーを与えることによって、達成することができることに留意されたい。イオン・ビーム以外の他のエネルギー付与手段を使用すること、例えばレーザによって生成された光を使用することは、ミリングの前に凹凸またはボイドを埋めるときに有利なことがある。前駆体は、例えば100μΩ・cmよりも良い伝導率を示す良導体であることが好ましい。ミリングと同時に付着を実施するときに、高エネルギーのイオン・ビームを使用して付着物を形成することは、より道理に適っている。
薄い試料、すなわち薄片の作製が知られているだけでなく、非平面試料の作製も、例えば米国特許第7,442,924号明細書から既知であることに留意されたい。米国特許第7,442,924号明細書では、形成される試料が概ね円対称である。すなわち、形成される試料が、円柱または円錐の形態を有する。
試料は、多孔質試料(ボイドを含む試料材料)とすることができることにも留意されたい。これは例えば、触媒を検査するときにしばしばそうなる。
いくつかの実施形態では、加工物に向かってイオン・ビームを導いて材料を除去することが、少なくともいくつかの付着材料およびいくつかの試料材料を、露出した表面から除去して、滑らかな表面を生成することを含む。
いくつかの試料は事実上多孔質であり、または、TEM/STEM試料を生成するにつれて大きな亀裂を発達させる。図17は、試料が薄くなるにつれて拡大し始めたいくつかの特徴部分を示す。これらの試料は、電子ビーム付着を使用して安定化され、次いでミリングまたは薄化が継続された。
ビーム誘起付着を使用して、より大きな個々のより大きな構造体を埋めて、試料の完全性を維持することができる。これは、イオン・ビーム・ミリングと同時に付着ガスを供給することによって、または、別個のステップで、例えば電子ビーム誘起付着を使用して実行することができる。このプロセスは、試料を形成するためのイオン・ビーム・ミリングと、イオン・ビーム処理による損傷を修復し、追加のイオン・ビーム・ミリングの前に試料を安定させるための電子ビーム誘起付着とを交互に繰り返すことができる。SEMまたは他のデバイスによる改良されたイオン・ミリングおよび/または観察のために、電子ビーム付着を使用して、もともと多孔質の試料上に均一な表面を生成することもできる。
以上の本発明の説明は主に、極薄のTEM試料を作製する方法を対象としているが、このような方法の操作を実行する装置も本発明の範囲に含まれることを認識すべきである。さらに、コンピュータ・ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、またはコンピュータ可読の非一時的記憶装置に記憶されたコンピュータ命令によって、本発明の実施形態を実現することができることも認識すべきである。本発明の方法は、標準プログラミング技法を使用し、本明細書に記載された方法および図に基づいて、コンピュータ・プログラムとして実現することができ、このコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・プログラムを含むように構成されたコンピュータ可読の非一時的記憶媒体を含み、そのように構成された記憶媒体は、コンピュータを、予め定義された特定の方式で動作させる。コンピュータ・システムと通信するため、それぞれのプログラムは、高水準手続き型プログラミング言語またはオブジェクト指向プログラミング言語で実現することができる。しかしながら、所望ならば、それらのプログラムを、アセンブラ言語または機械語で実現することもできる。いずれにせよ、その言語は、コンパイルまたは解釈される言語とすることができる。さらに、そのプログラムは、そのプログラムを実行するようにプログラムされた専用集積回路上で実行することができる。
さらに、方法論は、限定はされないが、荷電粒子ツールもしくは他の画像化デバイスとは別個の、荷電粒子ツールもしくは他の画像化デバイスと一体の、または荷電粒子ツールもしくは他の画像化デバイスと通信するパーソナル・コンピュータ、ミニコンピュータ、メインフレーム、ワークステーション、ネットワーク化されたコンピューティング環境または分散コンピューティング環境、コンピュータ・プラットホームなどを含む、任意のタイプのコンピューティング・プラットホームで実現することができる。本発明の諸態様は、取外し可能であるか、またはコンピューティング・プラットホームと一体であるかを問わない、ハードディスク、光学式読取りおよび/または書込み記憶媒体、RAM、ROMなどの記憶媒体または記憶装置上に記憶された機械可読コードであって、プログラム可能なコンピュータが、本明細書に記載された手順を実行するために、その記憶媒体または記憶装置を読んだときに、そのコンピュータを構成し、動作させるために、そのコンピュータが読むことができるように記憶された機械可読コードとして実現することができる。さらに、機械可読コードまたは機械可読コードの一部を、有線または無線ネットワークを介して伝送することができる。本明細書に記載された発明は、マイクロプロセッサまたは他のデータ処理装置と連携して上述の諸ステップを実現する命令またはプログラムを含む、これらのさまざまなタイプのコンピュータ可読記憶媒体、およびその他のさまざまなタイプのコンピュータ可読記憶媒体を含む。本発明はさらに、本明細書に記載された方法および技法に従ってプログラムされたコンピュータを含む。
入力データに対してコンピュータ・プログラムを使用して、本明細書に記載された機能を実行し、それによって入力データを変換して出力データを生成することができる。この出力情報は、ディスプレイ・モニタなどの1つまたは複数の出力装置に出力される。本発明の好ましい実施形態では、変換されたデータが物理的な実在する物体を表し、これには、その物理的な実在する物体の特定の視覚的描写をディスプレイ上に生成することが含まれる。
本発明の好ましい実施形態はさらに、粒子ビームを使用して試料を画像化するためにFIB、SEMなどの粒子ビーム装置を利用する。試料を画像化する目的に使用されるこのような粒子は、本来的に、試料と相互作用し、その結果、ある程度の物理的変化をもたらす。さらに、本明細書の全体を通じて、「計算する」、「決定する」、「測定する」、「生成する」、「検出する」、「形成する」などの用語を利用した議論は、コンピュータ・システムまたは同様の電子装置の動作および処理を指し、そのコンピュータ・システムまたは同様の電子装置は、コンピュータ・システム内の物理量として表されたデータを操作し、そのデータを、その同じコンピュータ・システムまたは他の情報記憶装置、伝送装置もしくは表示装置内の、物理量として同様に表された他のデータに変換する。
本発明は幅広い適用可能性を有し、上記の例において説明し、示した多くの利点を提供することができる。本発明の実施形態は、具体的な用途によって大きく異なり、全ての実施形態が、これらの全ての利点を提供するわけではなく、本発明によって達成可能な全ての目的を達成するわけではない。本発明を実施するのに適した粒子ビーム・システムは例えば、本出願の譲受人であるFEI Companyから市販されている。
上記の説明の多くの部分は半導体ウェーハを対象としているが、本発明は、適当な任意の基板または表面に対して使用することができる。さらに、本発明は、真空室内で薄くし、真空室の外で基板から取り出した試料(外位置(ex situ)型試料)、または真空室内のTEMグリッドに取り付けた後で基板から抜き取り、薄くした試料(原位置(in situ)型試料)に対して使用することができる。本明細書において用語「自動」、「自動化された」または同種の用語が使用されるときには常に、それらの用語が、自動プロセスもしくは自動ステップ、または自動化されたプロセスもしくは自動化されたステップの手動開始を含むことが理解される。以下の議論および特許請求の範囲では、用語「含む(including)」および「備える(comprising)」が、オープン・エンド(open−ended)型の用語として使用されており、したがって、これらの用語は、「・・・を含むが、それらだけに限定はされない」ことを意味すると解釈すべきである。用語「集積回路」は、マイクロチップの表面にパターン形成された一組の電子構成部品およびそれらの相互接続(ひとまとめにして内部電気回路要素)を指す。用語「半導体デバイス」は、総称的に、集積回路(IC)を指し、この集積回路(IC)は、半導体ウェーハと一体でも、またはウェーハから切り離されていても、または回路板上で使用するためにパッケージングされていてもよい。本明細書では用語「FIB」または「集束イオン・ビーム」が、イオン光学部品によって集束させたビームおよび整形されたイオン・ビームを含む、平行イオン・ビームを指すために使用される。
本明細書で特に定義されていない場合、その用語は、その通常の一般的な意味で使用されることが意図されている。添付図面は、本発明の理解を助けることが意図されており、特に明記しない限り、一律の尺度では描かれていない。
本発明のいくつかの実施形態は、異なる材料の層からなる加工物中に滑らかな断面をイオン・ビーム・ミリングする方法において、走査電子顕微鏡による観察のために、露出した断面が異なる材料の層を露出させ、異なる材料の層を露出させる加工物の内部表面を露出させるために、加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことであって、このビームが、ビームの方向に対して平行な壁を形成し、この壁が、層の異なる材料が異なる速度でミリングすることによって生じた凹凸を有することと、壁に向かって付着前駆体ガスを導くことと、付着前駆体ガスの存在下で壁から薄い層を除去するために、加工物に向かって集束イオン・ビームを導くことであって、前駆体ガスが分解して壁の部分に材料を付着させ、同時にイオン・ビームが壁をエッチングし、付着した材料が、壁のイオン・ビーム・エッチングを一様にして滑らかな表面を生成することと、壁に向かって電子ビームを導いて、壁の画像を形成することを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、壁が、加工物の表面に対して垂直である。
いくつかの実施形態では、内部表面を露出させるために加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことが、第1のビーム電流を使用して集束イオン・ビームを導くことを含み、付着前駆体ガスの存在下で壁から薄い層を除去するために加工物に向かって集束イオン・ビームを導くことが、第2のビーム電流を使用して加工物に向かって集束イオン・ビームを導くことを含み、第2のビーム電流が第1のビーム電流よりも小さい。
いくつかの実施形態では、第1の電流が2nAよりも大きく、第2の電流が500pAよりも小さい。
いくつかの実施形態では、付着前駆体ガスの存在下で壁から薄い層を除去するために加工物に向かって集束イオン・ビームを導くことが、イオン・ビームを導いて線状のミリングを実行することを含む。
いくつかの実施形態では、加工物の内部表面を露出させるために加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことが、イオン・ビームを導いて大きくミリングするプロセスを実行することを含む。
いくつかの実施形態では、大きくミリングするプロセスのためのビーム電流が1nAよりも大きい。
いくつかの実施形態では、内部表面を露出させるために加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことが、前駆体ガスを使用せずに集束イオン・ビームを導くことを含む。
いくつかの実施形態では、内部表面を露出させるために加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことが、集束イオン・ビームを導いてトレンチをミリングすることを含み、壁が、トレンチの1つの縁に形成される。
いくつかの実施形態は、荷電粒子ビーム付着を使用して加工物の上面に保護層を付着させることをさらに含む。
いくつかの実施形態では、内部表面を露出させるために加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことが、プラズマ・イオン源からイオン・ビームを導くことを含み、イオン・ビームのビーム電流が50nAよりも大きい。
いくつかの実施形態では、内部表面を露出させるために加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことが、金属の少なくとも1つの層および酸化物または窒化物の少なくとも1つの層を貫いてミリングするために、加工物の表面に向かってイオン・ビームを導いくことを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、荷電粒子ビーム処理の方法であって、集束イオン・ビームを使用して加工物を処理することであり、この処理が試料中の細孔もしくは亀裂を露出させ、または試料中に細孔もしくは亀裂を生成することと、試料の表面に付着前駆体ガスを供給することと、試料に向かって電子ビームを導くことであり、電子ビームが試料の細孔または亀裂内へ前駆体を分解させて、細孔または亀裂内に材料を付着させることを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、加工物を処理することが、試料を形成するために、集束イオン・ビームを使用して加工物の一部分を薄くすることを含む。
いくつかの実施形態は、試料の処理を継続するために、電子ビームを導いた後に、加工物に向かって集束イオン・ビームを導くことをさらに含み、細孔または亀裂内への付着が、試料の構造的完全性を増大させて、試料をそれ以上劣化させずにさらに処理することを容易にする。
本発明のいくつかの実施形態は、荷電粒子ビーム装置であって、イオン源と;試料真空室内の加工物上にイオンを集束させる集束カラムと;加工物の表面に前駆体ガスを供給するガス注入システムと;記憶されたコンピュータ可読命令に従って荷電粒子ビーム・システムの動作を制御するコントローラと;異なる材料の層を露出させる加工物の内部表面を露出させるために、加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導き、このビームが、ビームの方向に対して平行な壁を形成し、この壁が、層の異なる材料が異なる速度でミリングすることによって生じた凹凸を有し、壁に向かって付着前駆体ガスを導き、付着前駆体ガスの存在下で壁から薄い層を除去するために、加工物に向かって集束イオン・ビームを導き、前駆体ガスが分解して壁の部分に材料を付着させ、同時にイオン・ビームが壁をエッチングし、付着した材料が、壁のイオン・ビーム・エッチングを一様にして滑らかな表面を生成するように、荷電粒子ビーム・システムを制御するコンピュータ命令を記憶したコンピュータ可読記憶装置と;を備える荷電粒子ビーム装置、ならびに、コンピュータ・プログラムを含むように構成された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、そのように構成された記憶媒体によって、コンピュータが、上述の任意の方法の各動作を実行するように荷電粒子ビーム・システムを制御する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
本発明および本発明の利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に、さまざまな変更、置換および改変を加えることができることを理解すべきである。さらに、本出願の範囲が、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者なら本発明の開示から容易に理解するように、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し、または実質的に同じ結果を達成する既存のまたは今後開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを、本発明に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを含むことが意図されている。
図13は、加工物1300中にトレンチ1302をミリングして、異なる材料からなる複数の層の断面を露出させた結果を、誇張された形で示す。これらの層の一部は異なるエッチング速度を有する。加工物1300は例えば、3D NANDなどの集積回路または薄い層を有する他の構造体を含む。このようなデバイスは一般に、例えばシリコン、シリコンの酸化物、シリコンの窒化物、金属、フォトレジスト、ポリマーまたは金属からなる層を有する。示された層1306aおよび1306cから1306eは例えば半導体および絶縁性化合物からなり、層部分1306bは金属導体を含む。図14は、露出した断面の正面図を示し、この断面は層1306bの金属導体1402を示す。
層1306b中の金属導体1402は、半導体層および酸化物層よりもゆっくりとエッチングするため、金属の下の領域1410は隠され、それによって、図1および図2に誇張されて示されるカーテニング効果が生じる。カーテニング効果は、断面を歪め、製造プロセスの分析を妨害する。
図16は、イオン・ビームおよび付着前駆体ガスを使用して形成された加工物の断面を示す。断面をミリングしている間に付着前駆体を使用することによって、ミリング・プロセス中に凹みが埋められる。断面の壁はより滑らかであり、断面の壁にアーチファクトはない。断面の複数の層が異なる速度でエッチングするとき、または、窒化シリコンの層に隣接して酸化シリコンの層があるときなど、隣接する層が類似の材料からなるときに、SEM画像上でのこれらの2つの層間の境界の視認性を高めるのに、本発明の実施形態は特に有用である。本発明の実施形態は、ビアもしくは他の空隙を有する材料または混合密度材料の層を有する材料をミリングするときに滑らかな表面を生成するのに特に有用である。
ステップ1012で、図11Dに示されているように、試料1102を元の向きまで再び傾けて、ビーム試料表面の向きがイオン・ビームに対して垂直になるようにする。ステップ1014で、イオン・ビーム1118を導いて、ステップ1006で使用した電流よりも小さい電流で「断面平滑化」を実行する。このビームは、付着材料および凹凸を除去して、観察するための滑らかな面1128を生成した。いくつかの実施形態では、付着材料が全て除去されたときにミリングが停止される。終点は、面1114の荷電粒子ビーム画像を観察することによって、またはミリングされている材料を2次イオン質量分析などによって分析することによって、または付着材料の既知の厚さを除去するのに必要な時間を単純に推定することによって決定することができる。例えば、ガリウム液体金属イオン・ビームを使用すると、断面平滑化のための電流が一般に0.1nAから4nAの間である。プラズマ・イオン源を使用すると、断面平滑化のための電流が一般に15nAから180nAの間である。ステップ1014は、アーチファクトのない表面を生成する。
図3は、集束イオン・ビームおよび付着前駆体ガスを使用して断面を形成する手順を示す。ステップ301で、少なくとも2種類の材料からなる加工物を真空室に挿入する。ステップ302で、真空室を排気する。ステップ304で、加工物に向かって集束イオン・ビームを導いて、関心領域の近くにトレンチを切削する。ビームは一般に、長方形のパターンで移動させて「大きくミリングする」プロセスを実行する。表面に対して斜めに導かれた電子ビームが、表面に対して垂直な、ミリング・プロセスによって露出させた壁を画像化することを可能にするため、このトレンチは一般に三角形の断面を有する。バルク材料を除去してトレンチの大部分を形成した後に、または任意選択で、大きくミリングする前もしくは大きくミリングしている間に、ステップ306で、加工物表面に付着ガスを供給する。W(CO)6、スチレンなどの多くの付着前駆体がイオン・ビーム誘起付着に対して有用であることが知られている。任意の前駆体を使用することができるが、前駆体は、基板材料のFIB除去速度と同様のFIB除去速度を有する材料を付着させることが好ましい。次いで、ステップ308で、加工物に集束イオン・ビームを導いて、断面壁の形成を、好ましくは線状のミリングで完了させる。線状のミリングはより細かい表面を生み出す。

Claims (17)

  1. 異なる材料の層からなる加工物中に滑らかな断面をイオン・ビーム・ミリングする方法において、走査電子顕微鏡による観察のために、露出した前記断面が前記異なる材料の層を露出させ、
    前記異なる材料の層を露出させる加工物の内部表面を露出させるために、前記加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことであって、前記ビームが、前記ビームの方向に対して平行な壁を形成し、前記壁が、前記層の前記異なる材料が異なる速度でミリングすることによって生じた凹凸を有することと、
    前記壁に向かって付着前駆体ガスを導くことと、
    前記付着前駆体ガスの存在下で前記壁から薄い層を除去するために、前記加工物に向かって前記集束イオン・ビームを導くことであって、前記前駆体ガスが分解して前記壁の部分に材料を付着させ、同時に前記イオン・ビームが前記壁をエッチングし、付着した前記材料が、前記壁の前記イオン・ビーム・エッチングを一様にして滑らかな表面を生成することと、
    前記壁に向かって電子ビームを導いて、前記壁の画像を形成することと
    を含む方法。
  2. 前記壁が、前記加工物の表面に対して垂直である、請求項1に記載の方法。
  3. 内部表面を露出させるために、加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことが、第1のビーム電流を使用して前記集束イオン・ビームを導くことを含み、前記付着前駆体ガスの存在下で前記壁から薄い層を除去するために、前記加工物に向かって前記集束イオン・ビームを導くことが、第2のビーム電流を使用して前記加工物に向かって前記集束イオン・ビームを導くことを含み、前記第2のビーム電流が前記第1のビーム電流よりも小さい、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の電流が2nAよりも大きく、前記第2の電流が500pAよりも小さい、請求項3に記載の方法。
  5. 前記付着前駆体ガスの存在下で前記壁から薄い層を除去するために、前記加工物に向かって前記集束イオン・ビームを導くことが、線状のミリングを実行するために、前記イオン・ビームを導くことを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記加工物の内部表面を露出させるために、加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことが、大きくミリングするプロセスを実行するために、前記イオン・ビームを導くことを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記大きくミリングするプロセスのためのビーム電流が1nAよりも大きい、請求項6に記載の方法。
  8. 内部表面を露出させるために、加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことが、前駆体ガスを使用せずに前記集束イオン・ビームを導くことを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 内部表面を露出させるために、加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことが、トレンチをミリングするために前記集束イオン・ビームを導くことを含み、前記壁が、前記トレンチの1つの縁に形成されている、請求項1に記載の方法。
  10. 荷電粒子ビーム付着を使用して前記加工物の上面に保護層を付着させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. 内部表面を露出させるために、加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことが、プラズマ・イオン源からイオン・ビームを導くことを含み、前記イオン・ビームのビーム電流が50nAよりも大きい、請求項1に記載の方法。
  12. 内部表面を露出させるために、加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導くことが、金属の少なくとも1つの層および酸化物または窒化物の少なくとも1つの層を貫いてミリングするために、加工物の表面に向かってイオン・ビームを導くことを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 荷電粒子ビーム処理の方法であって、
    集束イオン・ビームを使用して加工物を処理することであり、前記処理が、前記試料中の細孔もしくは亀裂を露出させ、または前記試料中に細孔もしくは亀裂を生成することと、
    前記試料の表面に付着前駆体ガスを供給することと、
    前記試料に向かって電子ビームを導くことであり、前記電子ビームが、前記試料の前記細孔または亀裂内へ前記前駆体を分解させて、前記細孔または亀裂内に材料を付着させることと
    を含む方法。
  14. 前記加工物を処理することが、試料を形成するために、集束イオン・ビームを使用して加工物の一部分を薄くすることを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記電子ビームを導いた後に、前記試料の処理を継続するために、前記加工物に向かって前記集束イオン・ビームを導くことをさらに含み、前記細孔または亀裂内への前記付着が、前記試料の構造的完全性を増大させて、前記試料をそれ以上劣化させずにさらに処理することを容易にする、請求項14に記載の方法。
  16. コンピュータ・プログラムを含むように構成された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、そのように構成された前記記憶媒体によって、コンピュータが、請求項1に記載の方法の各動作を実行するように荷電粒子ビーム・システムを制御する非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  17. 荷電粒子ビーム装置であって、
    イオン源と、
    試料真空室内の加工物上にイオンを集束させる集束カラムと、
    前記加工物の表面に前駆体ガスを供給するガス注入システムと、
    記憶されたコンピュータ可読命令に従って前記荷電粒子ビーム・システムの動作を制御するコントローラと、
    前記異なる材料の層を露出させる前記加工物の内部表面を露出させるために、加工物の表面に向かって集束イオン・ビームを導き、前記ビームが、前記ビームの方向に対して平行な壁を形成し、前記壁が、前記層の前記異なる材料が異なる速度でミリングすることによって生じた凹凸を有し、
    前記壁に向かって付着前駆体ガスを導き、
    前記付着前駆体ガスの存在下で前記壁から薄い層を除去するために、前記加工物に向かって前記集束イオン・ビームを導き、前記前駆体ガスが分解して前記壁の部分に材料を付着させ、同時に前記イオン・ビームが前記壁をエッチングし、付着した前記材料が、前記壁の前記イオン・ビーム・エッチングを一様にして滑らかな表面を生成する
    ように、前記荷電粒子ビーム・システムを制御するコンピュータ命令を記憶したコンピュータ可読記憶装置と
    を備える荷電粒子ビーム装置。
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