JP4318962B2 - 薄膜加工における膜厚制御方法とそれを実行するシステム - Google Patents

薄膜加工における膜厚制御方法とそれを実行するシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は透過型電子顕微鏡の試料を集束イオンビームを用いて薄片化加工する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
透過型電子顕微鏡(TEM)観察用の断面試料を、集束イオンビーム(FIB)装置を用いた薄膜加工によって作成することは周知であり、▲1▼ウエハのままエッチング加工して薄片化された薄膜試料を取り出す方法と、▲2▼ウエハ状の試料から機械的に小片を切り出しそれを加工する方法とが知られている。▲1▼の方法はウエハのような大きな試料中で断面観察を行いたい部分を特定し、ガス銃から原料ガスを吹き付けながらFIBを照射して保護用のデポ膜を施した後、その断面を挟む両側にFIBエッチング加工によって穴を穿設し、更に観察断面部の薄片化加工をおこなった後周囲をカットし、図4のA,Bに示すように図示していないマニピュレータを操作してガラスプローブで該薄片試料をリフトアウトし、有機薄膜のメッシュ上に固着してTEM試料とする。▲2▼の方法で断面TEM用試料の作製を行う場合は、図5のAに示すようにまず機械研磨で数10μmに削り込んだ小片試料の観察場所の前後を、Bに示すようにガス銃から原料ガスを吹き付けながらFIBを照射して保護用のデポ膜を施す。この試料にFIBを用いたエッチング加工でCに示すように0.5μm以下の壁を残す。次に図のDに示すように、加工後の試料をTEMで観察し、適正な厚さに加工されたかを確認する。加工が不十分であるときは、再びイオンビームエッチング加工行う必要がある。この方法では、FIB装置とTEM装置という複数の真空装置間で試料を出し入れする必要があるため、真空排気・試料の位置出しなどに時間がかかることと、最適な断面TEM試料の作製が困難であると言う問題があった。
【0003】
その問題に対処するため、本出願人は先に特許文献1の「集束イオンビーム装置および加工観察方法」提示した。この特許文献1に開示されたものは、図6に示すように加工用の集束イオンビーム装置においてイオン鏡筒(イオン銃1,イオン光学系3)に加え電子鏡筒(電子銃6,電子光学系8)を備えるようにしたもので、横方向から電子ビームを試料に照射できる照射系と電子ビーム励起の二次信号(二次電子、反射電子、透過電子、オージェ電子およびX線)を検出する検出器5,9,11,10を装着していることを特徴とするもので、前記FIB2を走査し、イオンビーム励起の二次電子を検出して走査型イオン顕微鏡(SIM)像観察を行い試料の加工観察位置出しをした後で、被加工試料表面をイオンビームエッチング加工できるため、被加工試料の特定箇所の薄片化加工、特に断面TEM試料を作製することができる。そして必要に応じて、イオンビームを前記電子ビームに切り換えSEM像による加工状態観察や反射電子、透過電子、透過散乱電子励起のX線などをモニターすることにより薄膜試料の厚さの推定ができるものである。この装置を用いれば、試料の特定箇所をFIBによるエッチングで薄片化加工を行い、加工作業中、装置を移すことなく必要に応じてイオンビームを電子ビームに切り換え、SEM像観察やX線分析を行うことにより、加工位置・加工形状・断面の確認や微小部分析が容易にでき、また反射電子・透過電子・透過散乱電子をモニターすることにより、単なる寸法確認ではなく試料の電子透過度から薄片化加工された試料の厚さをチェックできるため、適正な薄片化加工を容易に行うことができる長所を備えたものである。しかし、上記の装置では試料をFIB装置と電子顕微鏡という異なる装置間で移すことはないものの、求められる薄片化加工をするためには、やはり加工途中で加工を中断し、横からのSTEM像観察で膜厚を確認しては再度加工を行い、また膜厚を確認するという加工の繰り返しであったため、オペレータの手間と加工時間がかかっていた。
【0004】
そのような事情の中で、材質も含め同じ構造の試料を加工する場合は、予め加工条件を確認してまず加工レシピをつくり、以後の加工はそのレシピを元に加工を行うことで、ほぼ必要とする膜厚を得る手法が採用されるようになってきた。さらに、この手法をプログラムして自動で連続加工する装置も開発され、従来職人的スキルが必要とされていたTEM試料加工が、このプログラム加工により未習熟者にも有る程度のレベルまでは簡単に出来るようになってきている。しかし、上記加工レシピの作成には、従来通りスキルが必要であり、その作成にはTEM試料数個分の加工時間を必要とする。つまり、試料数の少ない場合は、かえってレシピを作成する時間の方がかかってしまうため、従来通りの方法で加工を行っていた。また、薄膜の反射電子・透過電子および電子励起のX線などの信号を用いて、FIB加工途中の試料の膜厚を推測する方法においても、パターンが無く試料のどの場所でも同様の構造である試料であれば問題ないが、LSIのようなデバイスの場合には断面構造が複雑であるため、やはり加工途中で作業を中断し、断面側からの信号をもとに膜厚を確認しては再度加工を行い、また加工を中断しては膜厚を確認するという作業の繰り返しを行わねばならず、加工時間がかかっていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−231720号公報「集束荷電ビーム装置および加工観察装置」平成6年8月19日公開
【非特許文献1】
坂田大祐 「追加工できるFIBリフトアウト法」日本電子顕微鏡学会第58回学術講演会 Vol.37,P247 2002年
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、薄膜加工の加工レシピなしでも、FIB加工で設定した膜厚制御を行い、有る程度のスキルがあれば、簡単にTEM試料などの微細加工を行うことが出来る方法と、それを実行するシステムを提示することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のTEM試料などの微細加工方法は、所定条件下のFIBによる1ラインの加工量を把握すると共に、試料上面の薄膜加工残幅を顕微鏡測長機能で測長し、所定幅値になるまでの加工必要走査ライン数を演算によって求め、設定した厚さまで加工するものである。所定条件下のFIBによる1ラインの加工量を把握する方法は複数ラインの走査を行って試料を加工し、その際のエッチング寸法を顕微鏡測長機能で測長し、1ライン走査の平均加工量を算出する。顕微鏡測長は、加工用のFIBによるSIM像またはモニタ用のSEM像を用いて、試料面に付けられたドリフト補正用のマークを目印にパターンマッチングを行い、TEM試料の指定した場所の仕上げ面の試料厚さを測定する。
【0008】
本発明のTEM試料などの微細加工を実行するシステムは、所定条件下のFIBによる1ラインの加工量を記憶する手段と、試料上面の顕微鏡画像を取得し薄膜加工残幅を自動測長する手段と、所定幅値になるまでの加工ライン数を上記1ラインの加工量を基に演算する手段と、そのFIB加工を実行する手段とを備え、設定されたプログラムに従って加工を施しては薄膜加工残幅を測長して加工量を確認しながら設定した厚さまで自動加工するものである。測長手段としてはFIBと非同期で作動する電子顕微鏡装置を備え、顕微鏡像としてSEM像または反射電子像を用いる。また、加工厚さを確認する手段としては、電子ビーム照射手段と反射電子、透過電子又は電子励起のX線などの信号を検出する手段とを備え、該検出信号により加工厚さを確認するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は大きな試料から機械的に小片を切り出し図5に示すようにそれを加工するTEM試料作製法において、加工レシピがない場合でもスキルを持たない未習熟者にも容易に加工ができる手法の提示すると共に、それを実行するシステムを提供するものである。しかし、大きな試料を直接エッチング加工して薄片化された薄膜試料を取り出す方法のものでも非特許文献1に示されているような追加工できるFIBリフトアウト試料にはそのまま適用できる。この試料は大きな試料から加工してリフトアウトした試料片を有機薄膜上に寝かせて固定するのではなく、図3のAに示したように薄片化仕上げされていない数10μm程度の厚さの試料片を観察断面部を立てた状態でブロック状のサンプル台に固定し、その上でBに示すように両面を仕上げ加工するものである。
図5に示した従来法同様に、試料ブロックにおける観察断面の上面部近傍に、原料ガスを吹き付けながらFIBを照射して保護用のデポジション膜を施し、続いてその観察断面の両面部からFIBによるエッチングで薄片化加工を実行する。本発明はこの薄片化加工を1ラインのFIB走査によって削られる量をまず把握しておき、加工すべき厚さは何ラインのFIB走査によって削れるのかを算出し、その分の作業を途中チェックポイントで確認しながら自動的に行わせようというのが基本的な技術思想である。用いる装置としては基本的には従来のFIB装置であってもよいが、特許文献1に提示されている電子顕微鏡を兼ね備えたFIB装置(図6参照)が使いやすい。ただ、顕微鏡像から加工部分の厚さを測長できる機能を備えていることと、加工厚さを1ラインのFIB走査によって削られる量で除算し加工ライン数を算出する演算機能を備えていることが必要である。1ラインのFIB走査によって削られる量は使用されるイオンビーム状態、加速電圧とかビーム電流あるいは走査速度といったFIBの設定条件そして加工対象となる試料の材質によって変わってくるものであるから、最初の加工時には被加工試料に対しFIBの設定条件を決めて1ラインの加工を実行し、その加工量を基に演算を行いつつ加工を行うことになる。同種のサンプルを多数作製する場合にはこの際のデータが利用できるので、加工対象となる材料について、FIBの設定条件に対応した加工量の値をテーブルとしてデータベースに備えておくと後の加工に便利となる。
【0010】
TEM試料の最適厚みはTEMの設定加速電圧や試料の材質に応じて変わってくる。一般には材質が重元素となるに従って電子が透過しにくくなるため薄く加工する必要がある。因みに試料がシリコン半導体デバイスであって、TEMの加速電圧が200kVである場合は0.1μm程度が最適厚みであることが知られている。本発明のTEM試料作製手順を図2のフローチャートを参照しながら説明する。まずステップ1としてウエハのような大きな試料からリフトアウトした小片試料をFIB装置のステージにセットし、その上面からの顕微鏡像を撮って観察断面部分の位置を確認すると共にこの観察断面の上面部分の近傍に原料ガスを吹き付けながらFIBを照射して保護用のデポジション膜を施す。このときの状態を図1のAに示す。ステップ2で該小片試料の幅寸法を目標仕上げ幅の数倍程度となるようにFIBでエッチング加工する。この加工は厳密な寸法を出す必要はないが、最終面は平坦な仕上げ面とすることが必要である。したがって、当初は大電流のFIBで粗加工をし、次いで中加工をして最終段階では低電流のFIBで仕上加工をする。この状態を図1のBに示す。ステップ3でSIM像を撮り測長機能でその際の試料の幅寸法aを測長する。ステップ4で緻密な加工を行うFIBの加速電圧、ビーム電流および走査速度について設定条件を決め、1ラインから数ラインのエッチング加工を実行する。この場合両側について1から数ラインずつ行うので加工量は実質的に2倍のラインに相当する(図1のC)。ステップ5で加工後の幅寸法bを顕微鏡測長機能で測定し、先の測定幅との差演算a−bから1回の走査で削られる寸法値を得る。ステップ6でチェックポイントまでの作業量を算出する。例えば仕上げ幅を0.1μmとして現在幅から目標仕上げ幅までの80%にあたる部分をチェックポイントとすると、幅寸法は0.8(b−0.1)であり、そこまでの加工を行うためのFIBの走査回数はこの値を1回の走査で削られる寸法で割ったもの、0.8(b−0.1)/(a−b)/加工走査回数で算出できる。ステップ7で得られた作業量でFIBエッチング加工を実行する。ステップ8で加工された試料の幅寸法cを顕微鏡測長機能で測定し、先の加工で削られた寸法b−cを実際に行った加工走査回数nで割り、1ライン走査の加工量をより正確に把握する(図1のD)。この値は先のステップ4で得た1ライン走査だけで得た値a−bよりnライン走査の平均で得た値であるからより正確なものとなっている。同種のサンプルを作る際に利用するデータとして蓄積するときはこの値を用いる。ステップ9で目標仕上げ寸法までの幅寸法c−0.1をこの正確な1ライン走査の加工量で割り算し、目標仕上げ寸法までの加工走査回数を算出する。ステップ10で算出された走査回数の加工を実行して一応の作製を終える(図1のE)。ステップ11で作製された試料の仕上がりをチェックし必要があれば微調整することになる。この確認はTEM手段を備えた装置であればそれでTEM像を得ることにより簡単に行うことができる。
上記作製手順において、チェックポイントの設定は幅値も回数も適宜設定することができ、設定値の差が大きい程、加工の追い幅は大きくし、設定値に近づく程、加工の追い幅を小さくして実行するのがよい。なお、削りすぎは再加工できないため目標寸法は安全率を見込んでやや厚めに設定するのがよい。
【0011】
顕微鏡測長機能については、モニタSEMを具備するシステムでは、FIBと非同期のSEM像または反射電子像をモニタ像として用いることができる。測長の動作は試料面に付けられたドリフト補正用のマークを目印にパターンマッチングを行い、リアルタイムにTEM試料の指定した場所の残し幅を測定できる。
更に、電子ビーム照射による薄膜の反射電子・透過電子および電子励起のX線などの信号を用いて像を得る手段を備えたものでは、FIB加工途中の試料の膜厚を推測する方法において、ドリフト補正用のマークを目印にパターンマッチングを行ってから、断面の特異パターンを用いたパターンマッチングで測定指定箇所の割り出しを行い、電子の透過度によるTEM試料の仕上げ面の試料厚さのチェックをする。この方法の場合、予め測定指定箇所と同様の材質の膜厚とそれぞれの信号との関係を測定しておく必要がある。
【0012】
本発明の手法を実行するシステムについて説明する。本発明のシステムは、まず、基本構成として従来のFIB装置が備えているイオン源とイオンレンズ系二次荷電粒子検出器とガス銃と顕微鏡画像を表示するモニタ、そしてFIBの条件設定やビーム走査、試料の位置姿勢制御を司る手段と動作を制御するコントローラ(コンピュータ)を備えていることが必須である。それに加え、顕微鏡測長手段と記憶手段、演算手段とを備えていなければならない。その顕微鏡測長手段ではステップ3,5,8において試料上面の顕微鏡画像を取得し薄膜幅を自動測長する。その演算手段ではステップ5,6,8,9において所定条件下のFIBによる加工前後の薄膜幅の差、及び1ラインの加工量、更には加工に必要なライン走査回数を演算する。記憶する手段はステップ1,3,5,6,8,9において特定した位置情報、測定した幅情報、演算した結果情報を記憶する。
【0013】
ステップ1では小片試料をFIB装置のステージにセットし、その上面からの顕微鏡像を撮って観察断面部分の位置を特定する。試料面には位置を特定する際の目印となるマークを付しておき、この点を基準に顕微鏡画像において観察断面の位置を割り出し、その位置情報を記憶手段に蓄積する。この位置情報を基に観察断面の上面部分の近傍に原料ガスを吹き付けながらFIBを照射して保護用のデポジション膜を施す。ステップ2で目標仕上げ幅の数倍程度となるように両面加工するときは、厳密な位置出しを必要としないので試料の材質に応じて経験的なFIB設定でエッチング加工する。ただし、次の1ライン走査後の幅との寸法差を出す必要のあることから最終面は平坦な仕上げ面とすることが必要である。したがって、当初は高エネルギーのFIBで粗加工をし、目標位置近傍ではビームエネルギーを下げて中加工をして、最終段階では低エネルギーのFIBで研磨加工をすることになるが、これはシステム上プログラムとして自動設定することが可能である。ステップ3でSIM像を撮り測長機能でその際の試料の幅寸法aを測長する。ステップ4で緻密な加工を行うFIBの加速電圧、ビーム電流および走査速度について設定条件(これは一般にはステップ2における研磨加工時の設定と同じ。)を決め、1ラインのエッチング加工を実行する。この場合両側について1ラインずつ行う。ステップ5で加工後の幅寸法bを顕微鏡測長機能で測定し、演算手段により先の測定幅との差演算a−bを実行し1回の走査で削られる寸法値を得る。そして、記憶手段にこのデータを記憶する。ステップ6でチェックポイントまでの作業量を算出する。すなわち、仕上げ幅を0.1μmとして現在幅から目標仕上げ幅までの80%にあたる部分をチェックポイントとすると、幅寸法は0.8(b−0.1)であるから、演算手段により、そこまでの加工を行うためのFIBの走査回数0.8(b−0.1)/(a−b)/加工走査回数を算出する。ステップ7で得られた作業量の走査回数を設定し、FIBエッチング加工を実行する。ステップ8で加工された試料の幅寸法cを顕微鏡測長機能で測定するが、その際の仕上がり寸法は当初予定値と厳密に一致している必要はない。しかし、顕微鏡測長機能で測定する寸法cは正確に測定しなければならない。演算手段により先の加工で削られた寸法b−cを算出すると共に、実際に行った加工走査回数nで割り、1ライン走査の加工量の平均値を算出する。この値は前述したように先のステップ4で得た1ライン走査だけで得た値(a−b)/加工走査回数より遙かに正確な1ライン作業量を現している。この値は記憶手段に記憶され、次の仕上げ加工の際だけでなく同種のサンプルを作る際に利用することができる。ステップ9では、演算手段により、目標仕上げ寸法までの幅寸法c−0.1を算出すると共に、この正確な1ライン走査の加工量で割り算し、目標仕上げ寸法までの加工走査回数を算出する。ステップ10で算出された走査回数の加工を実行して一応の作製を終える。この加工は精度の高い幅寸法c−0.1と正確な1ライン走査の加工量に基づき算出した自動加工であるから、特別な熟練スキルを必要とせず目標仕上げ寸法は極めて精度の高い加工を保証する。
ステップ11で作製された試料の仕上がりをチェックし必要があれば微調整することになる。この確認はFIBと非同期で作動する電子顕微鏡装置を備えたシステムであれば、顕微鏡像としてSEM像または反射電子像を用い容易に行うことができる。また、電子ビーム照射手段と反射電子、透過電子又は電子励起のX線などの信号を検出する手段とを備えたシステムであれば、該検出信号により顕微鏡像をモニタしながらステップ10におけるFIB加工の最終点を確認することができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明のTEM試料などの微細加工方法は、所定条件下のFIBによる1ライン走査の加工量を把握すると共に、試料上面の薄膜加工残幅を顕微鏡測長機能で測長し、所定幅値になるまでの加工必要走査ライン数を演算によって求め、設定した厚さまで加工するものであるから、熟練したスキルや作製レシピがなくても、容易にTEM試料の加工を実行することができる。
本発明のTEM試料などの微細加工方法では、所定条件下のFIBで複数ラインの走査を行って試料を加工し、その際のエッチング寸法を顕微鏡測長機能で測長し、1ライン走査の平均加工量を算出することにより、正確な1ライン走査の加工量を得ることができるので、自動加工によって精度の高いTEM試料の加工が実現できる。
本発明における顕微鏡測長は、加工用のFIBによるSIM像またはモニタ用のSEM像を用いて、試料面に付けられたドリフト補正用のマークを目印にパターンマッチングを行い、指定した場所の微細加工を正確な位置合わせの下で実行できる。
本発明のTEM試料などの微細加工方法は、電子ビーム照射による薄膜の反射電子・透過電子および電子励起のX線などの信号を用いて、TEM試料の仕上げ面の試料厚さを確認しながら行うことができるので、加工の精度と安定性が得られる。
【0015】
本発明のTEM試料などの微細加工を実行するシステムは、所定条件下のFIBによる1ラインの加工量を記憶する手段と、試料上面の顕微鏡画像を取得し薄膜加工残幅を自動測長する手段と、所定幅値になるまでの加工ライン数を上記1ラインの加工量と薄膜加工残幅値を基に演算する手段と、そのFIB加工を実行する手段とを備えたものであるから、熟練したスキルや作製レシピがなくても、容易に設定されたプログラムに従って薄膜加工残幅を測長して加工量を確認しながら目標厚さまで自動加工することができる。
また、本発明のTEM試料などの微細加工を実行するシステムは、FIBと非同期で作動する電子顕微鏡装置を備え、顕微鏡像としてSEM像または反射電子像を用いるものであるから、試料面に付けられたドリフト補正用のマークを目印にパターンマッチングを行い、指定した場所の微細加工を正確な位置合わせの下で実行できる。
更に、TEM試料などの微細加工を実行するシステムは、電子ビーム照射手段と反射電子、透過電子又は電子励起のX線などの信号を検出する手段とを備えたものであるから、該検出信号により加工厚さを確認しながら加工を進めることができ、加工の精度と安定性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜加工における膜厚制御方法を説明する模式図である。
【図2】薄膜加工における膜厚制御方法の手順を説明するフローチャートである。
【図3】追加工可能なリフトアウト試料の形態と加工を説明する図である。
【図4】TEM試料作製方法の従来の一つを説明する図である。
【図5】TEM試料作製する従来の他の方法を説明する図である。
【図6】TEM試料を作作製するFIB装置の例を示す図である。
【符号の説明】
1 イオン銃 6 電子銃
2 イオンビーム 7 電子ビーム
3 イオン光学系 8 電子光学系
4 試料 9 反射電子検出器
4a 試料ステージ 10 X線検出器
5 二次荷電粒子検出器 11 透過電子検出器

Claims (7)

  1. 加工用のFIBによるSIM像またはモニタ用のSEM像により、試料上面の寸法幅(a)を測定し、
    所定条件下のFIBにより複数ラインの走査をし、前記試料の仕上げ面をエッチング加工し、
    加工用のFIBによるSIM像またはモニタ用のSEM像により、前記試料の上面に付けられたドリフト補正用のマークを目印にパターンマッチングを行い、前記試料上面の加工後の寸法幅(b)を測定し、
    前記寸法幅の差(a−b)と前記走査の回数から1ライン走査の平均加工量を算出し、前記試料を所定厚みにするために必要な走査ライン数を演算し、
    前記試料を設定した厚さまでFIB加工をする、薄膜加工における膜厚制御方法。
  2. 前記FIB加工後、前記試料に電子ビームを照射し、前記試料の薄膜の反射電子または透過電子または電子励起のX線の信号により、前記試料の厚さを測定し、前記FIB加工の最終点を確認する請求項1記載の薄膜加工における膜厚制御方法。
  3. 所定条件下のFIBにより複数ラインの走査をし、試料をエッチング加工し、
    加工用のFIBによるSIM像またはモニタ用のSEM像により、前記試料の上面に設けられたドリフト補正用のマークを目印にパターンマッチングを行い、前記試料上面の薄膜加工残幅を測定し、
    前記薄膜加工残幅と前記走査の回数から1ライン走査の平均加工量を算出し、前記試料を所定幅値にするために必要な走査ライン数を演算し、前記試料を設定した厚さまで加工する、薄膜加工における膜厚制御方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の膜厚制御方法を用いるTEM試料作成方法。
  5. 所定条件下のFIBによる複数ラインの走査回数と、加工用のFIBによるSIM像またはモニタ用のSEM像による試料の上面に設けられたドリフト補正用のマークを目印とするパターンマッチングによる前記試料上面の薄膜加工残幅と、から算出した1ライン走査の加工量を記憶する記憶手段と、
    前記試料上面の顕微鏡画像取得による前記パターンマッチングにより薄膜加工残幅を測長する手段と、
    前記1ライン走査の加工量と前記薄膜加工残幅とから所定幅値にするための加工ライン数を算出する手段と、
    前記加工ライン数に基づき、前記FIB加工を実行する手段を有する薄片化加工装置。
  6. 前記FIBと非同期で作動する電子顕微鏡装置を備え、前記顕微鏡画像取得に前記電子顕微鏡装置によるSEM像または反射電子像を用いる請求項5記載の薄片化加工装置。
  7. 電子ビーム照射手段と、反射電子、透過電子または電子励起のX線信号を検出する手段を有し、前記検出信号により前記薄膜の加工厚さを確認する請求項5または6記載の薄片化加工装置。
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