JP2014130145A5 - - Google Patents

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撮像のための試料調製方法
本発明は、電子顕微鏡用の試料の調製に関し、より詳細には、高品質の半導体及び他の材料の試料の調製に関する。
半導体の製造−たとえば集積回路の製造−にはフォトリソグラフィの使用が必要となる。集積回路が上に形成される半導体基板−通常はシリコンウエハ−は、放射線に曝露されるときに溶解度を変化させる材料−たとえばフォトレジスト−でコーティングされる。放射線源と半導体基板との間に設けられるリソグラフィツール−たとえばマスク又はレチクル−は、基板のどの領域が放射線に曝露されるのかを制御するように影を与える。曝露後、フォトレジストは、曝露領域又は非曝露領域のいずれかから除去される。その結果、後続のエッチング又は拡散プロセスの間にウエハの一部を保護するパターニングされたフォトレジストの層がウエハ上に残される。
フォトリソグラフィプロセスは、複数の集積回路素子又は電気機械素子−通常「チップ」と呼ばれる−を各ウエハ上で形成可能にする。続いてウエハは個々のダイに切断される。各ダイは単一の集積回路素子又は電気機械素子を有する。最終的に、これらのダイにはさらなる処理が施され、これらのダイは個々の集積回路チップ又は電気機械素子にパッケージングされる。
製造プロセス中、露光及び焦点が変化すると、パターンの寸法が許容範囲内であるか否かを判断するため、リソグラフィプロセスによって現像されるパターンは連続的に監視すなわち測定される必要がある。パターンサイズが小さくなる−具体的には最小の部位サイズがリソグラフィプロセスによって実現可能な限界に接近する−ことで、そのような監視−通常はプロセス制御と呼ばれる−の重要性は顕著に増大している。さらに高密度の素子密度を実現するため、さらに小さな部位のサイズが必要となる。これには、相互接続ラインの幅と間隔、コンタクトホールの間隔と直径、及び表面の幾何学構造−たとえば様々部位の角部と端部−が含まれて良い。ウエハ上の部位は3次元構造である。完全な評価は、表面寸法−たとえばライン又はトレンチの上部幅−だけではなく、部位の完全な3次元プロファイルを表さなければならない。プロセスエンジニアは、製造プロセスを微調整して、所望の素子の幾何学構造が得られることを保証するため、係る表面部位の限界寸法(CD)を正確に測定しなければならない。
典型的には、CD測定は、たとえば走査電子顕微鏡(SEM)を用いて行われる。走査電子顕微鏡(SEM)では、1次電子ビーム、観察されるべき表面を走査する微少スポットに集束される。1次電子が表面に衝突することで、2次電子が表面から放出される。2次電子が検出され、像が生成される。像の各点での輝度は、ビームが表面上の対応する地点に衝突するときに検出される2次電子の数によって決定される。
集束イオンビーム(FIB)システムは通常、観察用に試料の一部を露出させるのに用いられる。たとえばFIBは、回路内にトレンチを生成するようにミリングすることで、試料−たとえば回路又は微視的部位を有する他の構造−の層を有する断面を表示する垂直側壁を露出させるのに用いられる。
しかし部位がどんどん小さくなるにつれて、測定される部位が通常のSEMによって与えられる分解能にとっては小さすぎる地点が現れるようになる。透過電子顕微鏡(TEM)によって、観察者は、極端に小さな部位をナノメートルのオーダーで観察することが可能となる。材料の表面しか撮像しないSEMとは対照的に、TEMは、試料の内部構造の解析も可能にする。TEMでは、広いビームが試料に衝突し、かつ、試料を透過する電子は、試料の像を生成するように集束される。1次ビーム中の多くの電子が、試料を通り抜けて反対側の位置で飛び出ることを可能にするように、試料は十分に薄くなければならない。試料は典型的には厚さ100nm未満である。
走査透過電子顕微鏡(STEM)では、1次電子ビーム微少スポットに集束され、かつ、そのスポット試料表面にわたって走査される。基板を透過する電子が、試料の向こう側の電子検出器によって検出される。像上の各点の強度は、1次ビームが表面上の対応する点に衝突するときに収集された電子数に対応する。
半導体の幾何学構造が縮小し続けているので、製造者は、プロセスの監視、欠陥の解析、及び、界面層のモフォロジーの調査を行うために透過電子顕微鏡(TEM)にますます依拠している。本明細書で用いられている「TEM」はTEM又はSTEMを指称する。TEM用の試料を調製するという場合、STEM上での観察用に試料を調製することも含まれることに留意して欲しい。
バルク試料材料から切断された薄いTEM試料は「薄片」として知られている。薄片は典型的には厚さ100nm未満だが、用途によっては薄片はもっと薄くなければならない。30nm以下の最先端の半導体製造プロセスでは、小さなスケールの構造間での重なりを回避するため、薄片は厚さ20nm未満である必要がある。現状では60nmを超えて薄くすることは困難であり、かつ強度が足りない。試料内での厚さがばらつく結果、薄片の曲がり、過剰ミリング、又は他の破局的な欠陥が生じる。そのような薄い試料では、薄片の調製は、構造評価の質と最小かつ最重要な構造の解析の質の決定に大きく影響するまさにTEM解析における重要な段階である。
TEM用の薄片を生成するのに集束イオンビーム(FIB)を用いるのは当技術分野において既知である。FIBシステムは、TEMシステム内において用いられる薄片を十分薄くミリングすることができる。TEM試料の調製にデュアルビームシステムを用いるのは当技術分野において既知である。デュアルビームシステムは、バルク試料から薄片をミリングするFIB鏡筒、及び、一般的には薄片がミリングされる際にその薄片を撮像するSEM鏡筒を有する。デュアルビームシステムは、TEM解析のために試料を調製するのに必要な時間を改善する。試料の調製においてFIB法を用いることで、TEM解析のために試料を調製するのに必要な時間を数時間に減少させたが、所与のウエハから15〜50のTEM試料を解析することは珍しくない。その結果、試料調製の速度は、TEM解析の利用−特に半導体プロセス制御−にとっては非常に重要な因子である。
図1Aと図1Bは、FIBを用いてバルク試料材料からTEM解析用に試料薄片を調製する様子を表している。バルク試料材料108は試料ステージに搬入され、上面がFIB鏡筒から放出される集束イオンビーム104に対して垂直となるようにそのバルク試料材料108の向きが設定される。高ビーム電流を用いてそれに対応する大きなビームサイズを有する集束イオンビームが、関心領域の前部と後部から大量の材料をミリングして除去するのに用いられる。2つのミリングされた長方形14と15との間に残された材料が、関心領域を含む薄い垂直試料部102を構成する。バルクを薄くした後、試料部は、所望の厚さに到達するまで(典型的には使用するビームサイズとビームエネルギーを徐々に小さくしながら)薄くされる。薄片110の生成のために実行されるイオンビーム加工のほとんどは、バルク試料材料108とFIB鏡筒がこのような配置をとった状態で行われる。
一旦試料が所望の厚さに到達すると、ステージは一般的には傾けられ、試料部102の底部及び側部に部分的に沿ってある角度でU字形状に切断される。その結果、試料の上部でいずれかの面にてタブによって試料がくっついた状態となる。その小さなタブによって、試料が完全にFIB研磨された後にミリングにより解放される材料の量は最小にすることができる。それにより、薄い試料上に再堆積アーティファクトが蓄積する可能性を減らすことができる。続いて試料は、使用するビームサイズを徐々に小さくしながらさらに薄くされる。最終的に、タブは、薄くされた薄片110を完全に解放するように切断される。薄くした後、試料は側部及び底部にてバルク材料から解放され、かつ、薄くされたTEM試料を取り出すことが可能となる。
残念なことに、上述の従来技術に係る方法を用いて生成された超薄い薄片は、望ましくない副作用−たとえば「曲がり」及び「カーテン効果(curtaining)」−の影響を受ける。超薄い試料(たとえば30nm以下の厚さ)を生成しようとするとき、試料は、構造の完全性を失い、かつ、典型的には一の試料面又は他の試料面へ向けて曲がることによって、試料に力がかかった状態で変形するおそれがある。これがFIBによる薄片化段階中又はその前に起こると、ビームに向かって又はビームから離れるように関心領域が変形することで、試料に許容できない損傷が引き起こされるおそれがある。
「カーテン効果」として知られるミリングアーティファクトによって生じる厚さのばらつきは、TEM試料の品質に重大な影響をも有すると考えられる。バルク試料材料108が不均一な構造(たとえばシリコンと二酸化シリコンに金属ゲートとシールドを備えた構造)から生成されるとき、イオンビーム104は、ミリング速度が大きくなればなるほどより軽い元素を選択的にミリングする。金属元素が重ければ重いほど、その下に存在する軽い元素が隠されがちである。その結果として生じるのが波状表面である。これは、金属領域内ではミリングされず、金属の存在しない領域内でミリングされることである。図2は、一の試料面でのカーテン効果を示す薄くされたTEM試料の写真である。薄片面上での波状部位はカーテンをひっかけている部位に似ている。カーテン効果アーティファクトは、TEM撮像の品質を低下させ、かつ、有効な最小の試料厚さを制限する。超薄いTEM試料では、2つの断面は非常に近接している。よってカーテン効果から生じる厚さのばらつきによって、試料薄片は使用できなくなってしまう恐れがある。よってTEM試料薄片の調製中にカーテン効果を減少させることが望ましい。
カーテン効果アーティファクト及び他のアーティファクトはまた、SEMで観察しながらFIBによってミリングされる断面でも問題となる。固い材料をミリングする結果、「テラス効果(terracing)」が生じる恐れがある。これは、端部が、垂直方向に急峻に落ちるのではなく、一連のテラスに転がるように落ちてしまうことである。図8は固い層によって引き起こされるテラス効果を表している。テラス効果によって、カーテン効果アーティファクトと他のアーティファクトが、テラス効果の下で生じる恐れがある。試料800は、アルミニウム層804を覆うアルミニウム酸化物の層802を有する。アルミニウム層804はアルミニウム酸化物の層802よりも柔らかい。アルミニウム酸化物の層802を覆うように堆積されたPtの保護層806はミリングアーティファクトを減少させるが、保護層はテラス効果を除去しない。図8は、固い酸化物層上でイオンビームによって生成されるテラス端部810を示している。酸化物層のテラス端部810は、テラス効果の下で層−たとえばアルミニウム層804−上に不規則性(凹凸)812−たとえばカーテン効果アーティファクト−を生成する。
図9は、試料902の走査電子ビーム像を示している。この像は図8で概略的に図示されたものと似ている。保護層908は、アーティファクトの生成を減少させるように酸化物層904を覆うように堆積される。トレンチがミリングされて図示された断面を曝した後、イオンビームは、約180nAの電流を用いることによって「清浄断面」を得るようにミリングするように、曝された面にわたって走査された。「清浄断面」とは一般的には、一連の先行する直列のラインミリング跡である。固いアルミニウム酸化物の層はテラス効果アーティファクトを示している。テラス効果アーティファクトは、図9の黒色領域内で観察するのが難しい。固い酸化物層内でのテラス効果は、アルミニウム酸化物の下の柔らかいアルミニウム層906内にカーテン効果を生じさせる。テラス効果及び他の不均等なミリングアーティファクトもまた、たとえばプラズマイオン源からの高ビーム電流を用いるときには、多くの材料において生成されると思われる。
テラス効果アーティファクトは、アーティファクトを減らす従来技術に係る方法を用いて防止するには難しいし時間もかかる恐れがある。係る方法には、使用するミリング電流と最終清浄断面内の走査間での大きなビームの重なりを減少させることが含まれる。大きな断面をミリングするときに生成されるアーティファクトの中には、試料を「振動させる」−つまりイオンビーム衝突角を変化させる(たとえばビーム角を+10°〜-10°の間で変化させる)−ことによって減少するものがある。振動はテラス効果アーティファクトを減少させない。しかしテラス効果は、テラス効果の下の領域内に深刻なアーティファクト−たとえば深刻なカーテン効果−を生成させがちである。
最も有効かつ広範に効果が認められた代替手法としての裏面ミリングは、厚さが50〜100nmのTEM試料では十分に機能する。しかし厚さが30nm以下の超薄い試料については、裏面ミリングによって調製される試料でさえも、よくミリングアーティファクトを示す。その結果、望ましくない不均一な試料面が生じる。さらにより厚い試料については、裏面ミリングは、非常に時間のかかる取り出しと反転操作を必要とする。現状の裏面ミリング法は、手動で実行され、自動化には適さない。
よって、曲がりやカーテン効果を減少又は除去可能で、かつ、自動化された試料調製プロセスに適する超薄いTEM試料の調製方法を改善することが依然として必要とされている。
米国特許第7442924B2号明細書 米国特許第6039000号明細書
本発明の目的は、ミリングアーティファクトをほとんど生じさせることなくイオンビームミリングによって試料を調製することである。
一部の実施例では、前記イオンビームは、走査電子顕微鏡によって観察される断面を露出させるトレンチをミリングによって生成する。他の実施例では、TEMでの観察用に薄片が生成される。
アーティファクトの存在しない断面を露出させる実施例では、トレンチを生成する最初のミリング操作後、材料が前記トレンチの面上に堆積される。続いて前記面は、前記の堆積された材料を除去して、かつ、アーティファクトの存在しない表面を生成するようにミリングされる。
TEM試料を生成する実施例では、厚さが60nm未満−より好適には30nm以下−のTEM薄片、曲がりとカーテン効果を減少又は防止するように生成される。一部の実施例は、前記試料の調製中にTEM試料の面上に材料を堆積する。一部の実施例では、前記材料は、反対の面が薄くされる前に既に薄くされた試料面上に堆積され得る。これは、前記試料の構造の完全性を補強し、かつ、前記カーテン効果現象に起因して過剰に薄くされた領域を再充填する機能を果たしうる。
一部の実施例では、たとえば硬度の異なる複数の材料層を有する断面をミリングするとき、断面イオンビームミリングによって露出され、その後材料、前記断面の最終ミリング前に前記断面に堆積される。前記堆積は、前記試料面上でのカーテン効果を減少又は除去する機能を果たしうる。一部の実施例では、前記イオンビームが前記断面をミリングしながら、堆積ガスが供される。一部の実施例では、前記堆積ガスは、前記断面の最終ミリング前の堆積段階中に供される。
前記前駆体の分解は、前記試料(ワークピース)を、高エネルギー電子、高エネルギーイオン、X線、光、熱、マイクロ波に曝露するか、又は、前記前駆体にエネルギーを付与するための任意の他の方法によって実現されて良い。その結果、前記前駆体の材料は、前記堆積物を生成する不揮発部分と揮発部分に分解する。イオンビーム以外の他のエネルギー付与手段を用いる−たとえばレーザーによって生成される光を用いる−ことによって、ミリング前に生じた不規則性又は気泡を充填するときに利点を与えることができる。好適には、前記前駆体は良好な導体−たとえば100μΩ・cmの伝導率を有する導体−である。堆積がミリングと同時に起こるとき、前記高エネルギーイオンのビームを用いて堆積物を生成することは、より意味のあることである。
上記記載は、以降の発明の詳細な説明をよりよく理解することを目的として、本発明の特徴及び技術上の利点についてかなり広く概説している。本発明のさらなる特徴及び利点については以降で説明する。開示された基本思想及び具体的実施例は、本発明の同一目的を実行するために他の構造を修正又は設計する基礎として当業者はすぐに利用できることに留意して欲しい。また当業者は、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想及び技術的範囲から逸脱することなく均等型を想到しうることにも留意して欲しい。
薄い試料−薄片−の調製だけが既知なのではなく、平坦ではない試料の調製もたとえば特許文献1から知られていることに留意して欲しい。特許文献1では、生成される試料はほぼ円対称−つまり円筒又は錐体の形態で形成される
試料は有孔性試料(気泡を含む試料材料)であって良いことにさらに留意して欲しい。これはたとえば、触媒を調査する場合には通常当てはまる。
一部の実施例では、イオンビームをワークピースに向かうように案内することで材料を除去することは、滑らかな表面を生成するために、少なくとも一部の堆積された材料と前記の露出された表面からの一部の試料材料を除去することを含む。
従来技術によるバルク基板からTEM試料を調製するバルクミリングプロセスを示している。 従来技術による薄くされたTEM試料の顕微鏡写真である。 一の試料面上でカーテン効果を示す薄くされたTEM試料の顕微鏡写真である。 本発明の好適実施例によるTEM試料の生成段階を示すフローチャートである。 大きなバルク基板内部で取り出される試料の位置を示す概略図である。 A-Dは、図3の方法を実行する各段階を表している。 E-Hは、図3の方法を実行する各段階を表している。 図3の方法を実行する各段階を表している。 Gaの集束イオンビームについての半径方向軸に沿った位置に対するイオン電流密度のグラフを示している。 本発明の実施例を実行する典型的なデュアルビームSEM/FIBシステムに係る一の実施例を図示している。 テラス効果アーティファクトとカーテン効果アーティファクトを示す従来技術に係る方法によってミリングされたワークピースを概略的に示している。 従来技術に係る方法によって処理された試料のテラス効果アーティファクトとカーテン効果アーティファクトを示す顕微鏡写真である。 本発明の実施例による段階を示すフローチャートである。 A-Cは、本発明の実施例による処理の各異なる段階でのワークピースを概略的に示している。 Dは、本発明の実施例による処理の各異なる段階でのワークピースを概略的に示している。 本発明の実施例によって処理されたワークピースを示す顕微鏡写真である。像にはカーテン効果アーティファクトが存在しない。
本発明とその利点をより完全に理解するため、添付図面と共に以降の発明の詳細な説明を参照する。
図10は本発明の実施例による段階を示すフローチャートである。図11A-Dは本発明の実施例による処理の各異なる段階での試料を概略的に示している。図11Aは、アルミニウム層1106の上にアルミニウム酸化物層1104を有する試料1102を示している。段階1002では、試料上の関心領域が特定される。段階1004では、保護層1110が、関心領域を覆うように試料1104の表面上に堆積される。保護層はたとえばイオンビーム誘起堆積、電子ビーム誘起堆積、又は他の局所的堆積法を用いて堆積されて良い。堆積前駆体は周知である。堆積前駆体にはたとえば、金属堆積用のタングステンヘキサカルボニルとメチルシクロペンタジエニルプラチナ(IV)トリメチル、及び、絶縁体堆積用のヘキサメチルシクロヘキサシロキサンのような有機金属化合物が含まれて良い。
段階1006では、図11Aに図示されているように断面1114を露出させるように、トレンチがミリングによって試料内に生成される。イオンビーム1116は典型的には、ミリングによってトレンチを生成するときに試料の上面に対して垂直な方向を向く。トレンチは、相対的に大きなビーム電流である「バルクミリング」プロセスを用いて部分的にミリングされることで、そのトレンチが迅速に切断されて良い。たとえば液体Gaイオン源が用いられるときには、約5nAよりも大きな−より好適には約10nAよりも大きく、さらにより好適には約20nAよりも大きな−電流である。プラズマイオン源からのFIBを用いるとき、約50nA〜2μAの電流が用いられて良い。一の実施例では、プラズマイオン源からのXeイオンビームが用いられる。他の実施例では、液体Gaイオン源からのGaイオンビームが用いられる。大きなビーム電流でトレンチをミリングにより生成することで、平らでない表面が生成されうる。大きなバルクミリングプロセスがトレンチを生成した後、露出された面1114は任意で小さな電流を用いて「断面の清浄化」が実行されることで、表面が滑らかになり、かつ、ひどいアーティファクトが除去される。断面の清浄化は、バルクミリングに用いられるビーム電流よりも小さなビーム電流を用いて実行される。図11Bは、カーテン効果アーティファクトを表すテラス効果アーティファクト1120と誇張された不規則性(凹凸)1122を示している。この点での試料1102は、図8及び/又は図9に図示された従来技術に係る試料と似ている。
図11Cに図示されているように、段階1008では、トレンチがミリングにより生成された後、ミリングされた面1114をイオンビームに曝すように、試料が典型的には(イオンビームに対して)約45°傾けられる。段階1010では、前駆体ガスが、トレンチ1112の領域内の試料表面に供される一方で、ビーム1117が、たとえばPtのような材料1124を面1114上と既存保護層1110上に堆積するように案内される。堆積された材料は、テラス効果領域、凹み、及び他の不規則性を少なくとも部分的に充填することによって、テラス効果の領域1120と該テラス効果の領域1120の下のアーティファクトが積み重なった領域1122の両方を滑らかにする。その結果より滑らかな表面が生成される。堆積された材料は堆積された材料によって表面を部分的に平坦化する。堆積された材料は、下地材料と同程度のスパッタ速度を有することが好ましい。堆積された材料は導体であって良いし又は絶縁体であっても良い。Ptは、段階1010において堆積される適切な材料であることがわかった。
段階1012では、試料表面がイオンビームに対して垂直になるように試料1102が、図11Dに図示される元の向きへと、傾斜が戻される。段階1014では、段階1006において用いられる電流よりも低い電流での“断面の清浄化”のためにイオンビーム1118が案内される。ビームは、堆積された材料と不規則性を除去することで、観察用の滑らかな表面1128を生成する。一部の実施例では、すべての堆積された材料が除去されるときに、ミリングは停止される。終点は、面1144の荷電粒子ビーム像の観察、ミリングされた材料の−たとえば2次イオン質量分析による−解析、又は、単純な既知の厚さの堆積された材料を除去するのに必要な時間の推定によって決定されて良い。たとえば液体Gaイオン源を用いると、清浄断面のための電流は一般的には0.1nA〜4nAである。プラズマイオン源を用いると、清浄断面のための電流は一般的には15nA〜180nAである。段階1014はアーティファクトの存在しない表面を生成する。
図12は、本発明の実施例の結果を示す顕微鏡写真である。図12と図9とを比較すると、図12にはカーテン効果アーティファクトが存在しないことがわかる。
上述の例はアルミニウム上のアルミニウム酸化物の断面について述べたが、本発明は広範な材料に適用可能である。一の層が固い層で構成される層構造において大きなビーム電流が用いられる大きな断面が用いられる場合に特に有用である。本願出願人は、プロセスが他の材料でもアーティファクトの存在しない断面−たとえばエポキシ中でのカーボンファイバの断面−を生成することを示した。
記載された処理は追加の堆積段階を含むが、本発明の実施例は、合計のミリング時間を減少させることによって従来技術よりも短い時間で断面を生成することができる。
本発明の実施例は、SEM像では識別が困難である材料層間の界面の描写を改善しうる。たとえばシリコン酸化物層とシリコン窒化物層との間の境界は、SEM像では観察が困難であるため、層の厚さと均一性を正確に決定することは不可能である。一部の実施例では、堆積前駆体ガスが試料に供される一方で、表面はエッチングされることで、観察用に断面が露出される。この結果、断面は滑らかになり、層間のコントラストを改善することが可能となる。ビーム電流は、試料表面上での堆積材料ビルドアップを防止するのに十分大きいことが好ましい。材料は、絶えず生成され、充填され、かつ、ミリングによって除去される凹みにのみ堆積されることが好ましい。前記ミリングは絶えず滑らかで安定な表面にして、前記ミリングが完了するときには表面上に堆積材料がほとんど残らない。
一の実施例では、バルクミリングは、試料表面に対して垂直な壁を供するように三角形の断面を有するトレンチを生成するように実行される。続いて「ラインミル」が、滑らかな壁を生成するために実行される。一部の実施例では、堆積前駆体ガスの存在しない状態でバルクミルプロセスが実行され、その後、ビームの衝突地点付近の試料表面に堆積前駆体ガスを供しながらラインミルプロセスが実行される。他の実施例では、バルクミリングとラインミリングのいずれにおいても、断面がミリングされる間中、堆積前駆体ガスが試料表面に供される。
エッチングしながら堆積前駆体を用いることは、ビア若しくは他の空気ギャップを有するか、又は、異なる密度の材料の層を有する材料をミリングするときに滑らかな表面を生成するのにも有用である。従来技術によってミリングされるそのような材料の断面は非平坦になる傾向がある。イオンビームと共に堆積ガスを用いることで、気泡が充填され、かつ、低密度材料が高密度材料よりも速くエッチングされることで残された割れ目に材料が堆積される。
前駆体の分解反応は、格子振動又は2次電子を含むので、イオンビームがワークピースに衝突する厳密な地点に限定されないと考えられる。このため、イオンが直接的に衝突しない凹み内で分解することが可能となる。前駆体分子を分解させるイオンビームの衝突地点に十分近いが直接衝突するイオンがほとんどない領域では、堆積反応がスパッタリング反応を上回ることで、凹みが充填されうる。集束イオンビームと共に堆積前駆体を用いるとき、ある時点の後、ビーム電流の増大に伴って堆積速度が減少する。その理由は、イオンビームが、表面上に供給される気体分子が材料を堆積するよりも速くスパッタリングを行うからである。堆積及びスパッタリングは競合過程であり、堆積は、堆積前駆体が表面に拡散する速度によって律速される。滑らかな断面を生成する典型的実施例は80pA〜1nAの電流を用いる。30keVのビームエネルギーが典型的である、実施例によっては、スパッタリングを減少させることで堆積を増大させるために、より低いビームエネルギーが有用となりうる。
一部の実施例は、TEM試料の調製プロセス中にそのTEM試料に材料を加えることによって、そのTEM試料調製中での曲がりやカーテン効果の問題を解決する。試料から材料を除去することにのみ注目する従来技術に係る方法とは対照的に、本発明の好適実施例は、試料調製中にその試料上に実際にさらなる材料を堆積する。
一部の好適実施例では、以降で詳述するように、第1TEM試料面が薄くされた後であって第2面が薄くされる前に、その第1TEM試料面に材料が堆積されて良い。一部の実施例では、第2試料面は薄くされる間、すべての堆積された材料が薄くされた第1試料面上に残され得る。他の実施例では、第2面が薄くされる前に、ほとんどの堆積された材料は薄くされた第1面から除去されて良い。残されたままの堆積材料は、カーテン効果によって過剰に薄くされた領域を充填する役割を果たしうる。いずれの場合でも、FIBによりミリングされる面とは反対の試料面上に堆積された材料が存在することで、試料の構造完全性が補強されうる。
一部の好適実施例では、材料は、薄くされている試料面上に堆積されて良い。上述したように、試料が速くミリングされる材料と遅くミリングされる材料の混合物で構成されるとき、意図しないカーテン効果がよく起こる。本願出願人は、適切な前駆体ガスが存在する中でミリングプロセスを実行することによって、材料は、試料表面のある部分では堆積されるが、同時に他の部分ではミリングよって除去されることを発見した。堆積ガスは分解されることで、不均等なミリング速度−たとえば材料が異なることでエッチング速度が異なる−によって生成される凹みを充填すると考えられる。ミリングによって生成される孔又は他の凹みを連続的に充填することによって、その結果得られる断面は、滑らかになり、かつ、充填されないものよりも小さい歪みを示す。それにより実際の構造がより良好に表される。他の実施例では、FIBによって試料を薄くする処理の一部が試料面上で実行された後に、その試料面はコーティングされて良い。これらの方法の一方又は両方によって、高いミリング速度を有する試料面の領域は、薄くするプロセスの間に保護又さらには最充填されて良い。それにより試料面のカーテン効果は減少又は防止されうる。
本発明の好適実施例によると、堆積された材料の一部又は全部は、試料の撮像前に除去される。他の実施例では、堆積された材料は、試料のTEM解析中に残され得る程度に、所望の撮像パラメータで十分電子を透過させる。堆積された材料の一部又は全部が除去される場合、任意の既知の適切な方法が材料の除去に用いられて良い。当業者には理解されるように、適切な材料除去方法は、多数の因子−たとえば堆積される材料及び試料の構造完全性−に依存する。選ばれた材料除去方法は、堆積された材料を選択的に除去することより、TEM試料からさらなる試料材料が除去されてもほとんど何も起こさないことが好ましい。
上述の複数の実施例は、併用されて実施されて良いし、各独立に実施されて良いし、又は任意の望ましい方法で実施されて良いことに留意して欲しい。たとえば一部の実施例では、材料は、試料面上、それが薄くされた後にのみ堆積される一方で、他の実施例では、材料は試料面を薄くしている間と薄くした後の両方で堆積されても良い。本発明の好適方法又は装置は多くの新規な態様を有する。本発明は、目的が異なればそれに対応して異なる方法又は装置で実施されて良いので、すべての態様がすべての実施例に存在する必要はない。しかも記載された実施例の態様の多くは別々に特許可能である。
図3は、本発明の好適実施例によるTEM試料の生成段階を示すフローチャートである。最初に段階301では、適切な処理装置−たとえばFIB鏡筒とSEM鏡筒の両方を有するデュアルビームFIB/SEMシステム−に基板−たとえば半導体ウエハ、冷凍された生体試料、又は鉱物試料−が搬入される。そのような適切なデュアルビームFIB/SEMシステムの一つは、本願出願人であるFEIから市販されているHelios1200又はExpida(商標)1255デュアルビーム(商標)システムである。
また図7を参照すると、典型的なデュアルビームシステム702の構成は、軸が垂直な電子鏡筒704と前記軸に対して(通常は約52°)傾斜するイオン鏡筒706を備える構成である。ウエハは、マルチウエハキャリアと自動搬入ロボット(図示されていない)によって搬送されることが好ましい。しかし当技術分野において周知であるように、ウエハは手動で搬送されても良い。
段階302では、基板から取り出される(関心領域を含む)TEM試料の位置が決定される。たとえば、基板はシリコン又はその一部であって良く、かつ、取り出され部分は、TEMを用いて観察されるシリコンウエハ上に形成された集積回路の一部を含んで良い。他の例では、基板はAlTiCウエハであって良く、かつ、取り出され部分は、記憶媒体上のデータの読み書きに用いられる構造を含んで良い。他の例では、基板は天然資源を含む料であって良く、かつ、取り出しは、その試料中の資源の特性を解析するために実行されて良い。図4は、大きな基板108内部取り出される試料102の位置を示す概略図である。
段階304では、上面がFIB鏡筒706から放出されるイオンビームに対して垂直になるように基板の向きが設定されることが好ましい。続いて段階306において、高ビーム電流とそれに対応する大きなビームサイズを用いる集束イオンビームが、所望のTEM試料を含む試料部分の前部と後部から多量の材料をミリングによって除去するのに用いられる。バルク材料の除去は、高ビーム電流−好適には可能な限りバルク材料を除去するために利用可能な最大の制御可能な電流−で実行されることが好ましい。たとえばバルク材料除去は、13nAのGaイオンビームを30kVの加速電圧で用いることによって実行されて良い。場合にとっては、基板表面に対して鋭角をなすTEM試料を有する基板をミリングすることが望ましいこともあり得る。たとえば特許文献2は、所望のTEM試料のいずれかの面上にエッチングによりキャビティを生成することによって基板表面に対してある角をなすFIBを用いたTEM試料の生成について記載している。
図1に図示された従来技術に係る方法のように、一旦バルクミリングが完了すると、2つのミリングされた長方形14と15との間に残された材料は、垂直試料部分を構成する。前記垂直試料部分は依然として、側部及び底部で基板に取り付けられている。図5Aは係る垂直試料部分102を示している。ただし周囲のバルク基板は、簡明を期すために示されていない。
バルクを薄くした後、段階308では、試料部分102はその後さらに第1面51A上で(好適には徐々に小さくされるビームサイズとビームエネルギーを用いることによって)薄くされる。たとえば薄くする第1段階は、ビーム電流が1nAのイオンビームを用いてよく、その後第2段階では、100pAのビーム電流が用いられてよい。図5Bに表されているように、曝露された第1試料面には一般的により多くのカーテン効果が現れる。その結果、過剰にミリングされる領域52が存在する。試料は、その試料の上側表面に対して垂直に進行するイオンビームを用いて薄くされることが好ましい。ただしビーム軸が所望のTEM試料面の側部に向けられる場合には、90°以外の角度が用いられても良い。
図5Bに示された材料の厚さの差異は、単なる例示であって、処理される表面とカーテン効果によって生じる溝との間の厚さの差異の厳密な大きさを示すものではなく、又は、表面の変化が必ず均一であることを示すものでもない。図5B〜図5Iで概略的に図示されたFIB706とSEMビーム704と他の処理を示す矢印は、適用された処理を表すことを意図しただけであり、ビームの角度や方向又は堆積若しくはエッチングの厳密な位置を示すものではない。
段階 310では、一旦所望の試料面が露出されると、材料56が露出試料面上に堆積される。好適には、材料層56は、前駆体ガス54と化学気相成長を用い、かつ、(部分的には堆積される材料に依存して)イオンビーム又は電子ビームを用いることによって、試料面全体に堆積される。前駆体を活性化させる機構は、SEM、FIB、第2粒子の間接的供給、又は他の方法であって良い。さらに堆積法はビームにより活性化される前駆体を用いる方法に限定されない。
堆積される材料は、(複数の)TEM試料材料以外の組成物を有することが好ましい。堆積される材料の選択はTEM試料の具体的な用途に依存しうる。適切な堆積材料にはたとえば、W、Pt、Au、C、SiOxが含まれてよい。これらの材料を堆積する前駆体ガスは当技術分野において周知である。
また以降で詳述するように、堆積材料は、薄くするプロセスの間に除去されるか、又は、TEM試料の重要なミリングが完了した後に容易に除去可能である。たとえば堆積材料がC-これは炭素気相成長によって堆積可能である-である場合、堆積材料は、水蒸気エッチング-これは非炭素TEM試料にさらなる損傷を引き起こさない非常に選択的なエッチングプロセスである-によって除去されてよい。一部の好適実施例では、堆積材料は、TEM試料の撮像を顕著に妨害しない材料であって良い。その場合、その材料はそのまま残されてよい。たとえば試料の化学分析を含む用途では、堆積材料中に存在する既知の成分を無視することができる。
図5Cに図示された実施例では、材料56が追加されることで、元の試料部分102の厚さが増大する。換言すると、薄くされるプロセス中に除去された材料よりも多くの材料が追加された。しかし追加された材料が、試料の構造の完全性を適切に増大させるか、又は、十分な程度のカーテン効果による過剰ミリングを充填する限りは、この量でなくても良い。堆積された層の厚さは、予想されるビーム曝露の程度及びどの材料が堆積されるのかに依存する。たとえばCを主成分とする材料が主として構造完全性のために堆積される場合、約20nmの厚さの堆積が適切であると考えられる。層が1nAのミリング段階中にカーテン効果を減少させるのに用いられる場合、100nm以上の厚さが堆積されてよい。
段階 312では、追加された材料56の一部が任意で除去される。堆積材料が単一成分で構成されるので、その材料が除去されるときにカーテン効果はほとんど生じない。十分な堆積材料51Bが試料面51A上に残されることで、他の試料面51Bがミリングされる際にさらなる構造完全性を供することが好ましい。とはいえ試料の曲がりの重要性が低くて、かつ、唯一の現実的な懸念がカーテン効果の減少である状況であれば、べての堆積材料が第2面への処理に先立って除去されても良い。後述するように、一部の好適実施例では、最終試料面が露出される前に、材料が試料上に堆積されても良い。堆積材料はその後、後でさらに薄くされる間に除去されてよい。薄くする段階、材料を追加する段階、及び再度薄くする段階が、最終試料面が露出されるまで繰り返されてよい。この反復法は、カーテン効果を抑制するのに有用となりうるし、又は、薄くする段階の終点検出法として用いることもできる。
続いて段階 314では、FIBが、試料102を薄くするように第2TEM試料面51B(背面)へ案内される。繰り返しになるが、徐々に小さくなるビームサイズとビームエネルギーが、所望の試料面を露出させるのに用いられる。たとえば薄くする第1段階は、ビーム電流が1nAのイオンビームを用いて、その後第2段階は100pAのビーム電流を用いる。図5Fに表されているように、露出された第2試料面51Bは一般的には、ある程度のカーテン効果を示す。その結果過剰ミリング領域52Bが生じる。
段階 316では、材料56、たとえば化学気相成長法のような適切な方法を用いることによって第2TEM試料面51B上にも堆積される。段階318では、たとえばFIBミリングによって第2試料面上堆積材料の一部又は全部が除去される。背面上に堆積された材料もまた、複数の段階において反復的に追加及び除去される。全ての材料は、最終的な薄くする段階において除去される。
任意で段階 320では、すべての堆積材料56が、完成したTEM試料110から除去される。材料の除去は、FIBミリング、又は、TEM試料材料を損傷させない方法-たとえばイオンビーム又は電子ビームのいずれかによる気体支援エッチングのうな方法-によって実現されてよい。他の好適実施例では、堆積材料はたとえば、TEM試料が真空チャンバから取り出された後に酸の槽に浸漬されることでエッチングされてよい。本発明はこれらの例に限定されない。任意の適切な種類のビームに基づく除去、又は、化学的除去、又は、プラズマ誘起除去が利用されてよい。基板から取り出されるべき試料が他に存在する場合(段階322)、処理は段階302へ戻り、次の試料位置が特定される。そのような試料が他に存在しない場合、段階324において処理は終了する。
本発明の一部の好適実施例では、材料は、薄くするプロセスの間にも、TEM試料面上堆積されてよい。一部の好適実施例によると、2つの荷電粒子ビームが一度に用いられてよい。たとえば以降の図7で示されるようなデュアルビームシステムにおいては、電子ビームが適切な前駆体ガスと併用されることで、試料面上に材料が堆積される一方で、FIBがミリングに用いられてよい。
他の実施例では、イオンビーム同時に材料の除去と堆積に用いられてよい。集束イオンビームシステムは典型的には、図6に図示されているように円対称で、実質的にガウス電流密度分布である。図6は、半径軸に沿った位置に対するイオン電流密度のグラフを示している。図6に図示されているように、ビーム中央での電流密度は最高である一方で、ビーム電流はビームの中心から離れるにつれて小さくなる。
このようなビーム電流の広がりはカーテン効果の主要な要因の一つである。ビームがビームの中央で薄片の面をミリングするので、ガウス分布における端に位置するイオンは、ビームの中央よりも後に試料材料に到達する。ビームの低電流部分は、ミリング速度の低い重い金属の試料構造にはほとんど影響を及ぼさないと考えられる。しかしミリング速度の大きな軽い元素はかなりの程度ミリングされうる。
本願出願人等は、「先行(advance)」ミリングは、ビームの存在下で適切な前駆体ガスを試料表面へ案内することによって減少又は除去できることを発見した。従来技術において周知であるように、荷電粒子ビーム、前駆体ガスが吸着して構成された層を備える基板に照射されるとき、2次電子が基板から放出される。これらの2次電子は、吸着した前駆体ガス分子を分解させる。分解した前駆体材料の一部は基板表面上で堆積物を構成する一方で、前駆体ガス粒子の残りは、揮発性の副生成物を生成して、装置の真空系によって排気される。
適切な前駆体ガスが存在する中で、ビームの外側の低電流部分は2次電子を供することで、分解した前駆体材料を堆積させる。その後この堆積材料は、下地の基板がミリングされる前にスパッタリングされなければならない。ビーム中央でのビーム電流は、支配的な反応を堆積からミリングへ切り換えるのに十分高いことが好ましい。この方法では、堆積材料は、ビームの中央で先行して起こる軽くてミリング速度の大きな材料の顕著なミリングを防止する保護層として機能する一方で、ビームの中央は、新たに堆積された保護層と下地の基板を略同一速度でミリングにして除去する。ビーム電流はビームの外側端部で低いので、保護層によって覆われる軽い材料は顕著にエッチングされず、カーテン効果は防止又は少なくとも実質的に軽減される。支配的な反応が、ビームの外側端部の低電流部分では堆積で、かつ、ビームの中心でエッチング(ミリング)となるように、当業者は、適切な前駆体ガスを選択するとともに、気体圧力とビーム電流を調節することが可能である。
一部の好適実施例では、堆積速度は、ビーム中央でのエッチング速度よりも速くてよい。その結果、保護層は表面全体に堆積される。その後ビームパラメータ又は気体圧力が調節されてよい。それによりエッチングは、ビーム全体又はビーム中心の高い電流部分でのみ優勢になる。さらに一部の実施例によると、一旦ある程度のカーテン効果が試料のミリング中に生じると、軽い材料が過剰ミリングされた試料表面内の気泡が、曲がったボウル状の形状を有しようとする。ボウルの壁の曲率のため、前駆体材料は、試料表面の残りの部分よりも速い速度でこれらの領域に堆積される傾向になる。その結果、ビームパラメータと前駆体ガスの圧力は、堆積材料が低い領域を充填するように調節されてよい。よってカーテン効果を示す領域がある程度充填され、かつ、低い領域がさらになる過剰ミリングから保護される。
よって本発明の実施例は、(他の種類の応力に基づく試料の損傷と共に)試料の曲がり及び/若しくは試料表面上でのカーテン効果を減少又は防止する手段を供する。これは、非常に薄い試料(本願においては厚さが30nm以下の試料と定義される)で特に有用である。たとえば関心構造の全体が幅100nm未満であるが、ミリング速度の速い材料とミリング速度の遅い材料との間の垂直な境界の下に位置する場合、カーテン効果は重大な種類の損傷である一方、試料の曲がりは無関係であると考えられうる。一種類の損傷だけが重要な場合、上述の方法の全ての段階を用いる必要はない。また堆積材料は試料の両面に付与される必要もない。たとえば曲がりが基本的な関心である試料を調製するには、薄くした後に第1試料面上にのみ材料を堆積し、その後第2試料面が露出された後に第1試料面上の材料を除去すれば十分であると考えられる。一部の実施例では、試料面上に材料を堆積し、試料面を薄くして、その後その試料面上にさらに材料を堆積する段階は、所望の試料厚さが実現されるまで反復的に実行されてよい。
薄くされた試料の構造完全性が改善されることで、本発明によるTEM試料の生成方法は、自動処理により適したものとなる。この結果、利用がより容易になり、かつ、本願出願人の顧客にとっての試料あたりのコストが低下する。カーテン効果が減少することで、従来技術に係るシリコン面をミリングする方法よりも場所の数が少なく、かつ/又は、利用がより容易な高品質試料の製造が可能となる。
上述の段階はまた、任意の所望の順序で適用されて良い。たとえば状況によっては、何れの薄化を行う前にも材料を堆積することが望ましいこともあり得る。試料はまた処理中において任意の点で撮像されて良い。またたとえば、試料が十分に薄くなって、かつ、撮像が行われて、最終的なTEM試料面の目標となる試料内部の所望の部位が認識されるまで、試料面上への材料の堆積は開始されなくても良い。一部の好適実施例では、材料の堆積と材料の除去は、別個の順次の段階である。他の実施例では、堆積及び材料の除去は、試料調製の少なくとも一部の間、同じ試料面上又は各異なる試料面上で同時に行われて良い。
図7は、本発明の実施例を実行するように構成された典型的なデュアルビームSEM/FIBシステム702の一の実施例を表している。本発明の実施例は、低抵抗材料が基板の標的面上に堆積される広範な用途において用いられて良い。係る試料の調製及び解析は一般的には、本願明細書で説明したような電子ビーム/集束イオンビームのデュアルビームシステム内で実行される。適切なデュアルビームシステムは本願出願人であるFEI社から市販されている。適切なハードウエアの例は以降で与えられるが、本発明は如何なる特定の型のハードウエアに限定されるものではない。
デュアルビームシステム702は、垂直に設けられた電子ビーム鏡筒704、及び、排気可能な試料チャンバ708上での垂線か約52°の角度をなして設けられる集束イオンビーム(FIB)鏡筒706を有する。試料チャンバは排気システム709によって排気されて良い。排気システム709は一般的には、ターボ分子ポンプ、油拡散ポンプ、イオンゲッターポンプ、スクロールポンプ、若しくは他の既知の排気手段のうちの1つ以上又はこれらの組み合わせを含む。
電子ビーム鏡筒704は、電子を生成する電子源710−たとえばショットキーエミッタ又は冷陰極電界放出型電子銃−及び微細に集束した電子ビーム716を生成する電子光学レンズ712と714を有する。電子源710は一般的に、ワークピース718の電位−一般的には接地電位に維持される−よりも500V〜30kV高い電位に維持される。
よって電子は、約500eV〜30keVの到達エネルギーでワークピース718に衝突する。負の電位が、電子の到達エネルギーを減少させるようにワークピースに印加されて良い。それにより電子とワークピース表面との相互作用体積が減少することで、核化位置の大きさが減少する。ワークピース718はたとえば半導体デバイス、微小電子機械システム(MEMS)、データ記憶装置、又は、材料の特性若しくは組成を解析する材料の試料を含んで良い。電子ビーム716の衝突地点が偏向コイル720によって、ワークピース718上に位置付けられ、そして、ワークピース718の表面上で走査される。レンズ712,714及び偏向コイル720の動作は、走査電子顕微鏡電源と制御ユニット722によって制御される。レンズ及び偏向ユニットは、電場及び/又は磁場を用いて良い。
ワークピース718は、試料チャンバ708の内部で可動ステージ724上に存在する。ステージ724は、水平面内(X軸及びY軸)及び垂直方向(Z軸)に移動可能で、約60°に傾斜可能で、かつ、Z軸の周りで回転可能であることが好ましい。ドア727が、XYZステージ724へワークピース718を挿入し、かつ、使用される場合には、内部気体供給容器(図示されていない)を供するために開かれて良い。試料チャンバ708が排気される場合に開かないように、ドアはインターロックされる。
1つ以上の気体注入システム(GIS)730が真空チャンバ上に設けられる。各GISは、前駆体又は活性化材料を保持する容器(図示されていない)及び気体をワークピース表面へ案内する針732を有する。各GISは、ワークピースへの前駆体の供給を制御する手段734をさらに有する。この例では、制御手段は、調節可能バルブとして表されている。しかし制御手段はたとえば、前駆体材料を加熱することでその蒸気圧を制御するレギュレータを含んでも良い。
電子ビーム716中の電子がワークピース718に衝突するとき、2次電子、後方散乱電子、及びオージェ電子が放出され、かつ、像の生成又は試料に関する情報の決定を行うように検出されて良い。たとえば2次電子は、2次電子検出器736−たとえばEverhart-Thornley型検出器又は低エネルギー電子を検出可能な半導体検出器−によって検出される。TEM試料ホルダ761及びステージ724の後方に位置するSTEM検出器762は、TEM試料ホルダ上に設けられた試料を透過する電子を収集して良い。検出器736,762からの信号はシステム制御装置738へ供される。前記制御装置738はまた、偏向装置信号、レンズ、電子源、GIS、ステージ、ポンプ、及び他の装置をも制御する。モニタ740は、信号を用いることによって、ユーザー制御とワークピースの像を表示するのに用いられる。
チャンバ708は、真空制御装置741の制御下でポンプ系709によって排気される。真空系は、チャンバ708内部を約7×10-6mbarの真空度にする。適切な前駆体又は活性剤が試料表面に導入されるとき、チャンバのバックグラウンド圧力が典型的には約5×10-5mbarに上昇しうる。
集束イオンビーム鏡筒706は上側首部744を有する。上側首部744内には、イオン源746と、引き出し電極750を含む集束鏡筒748と、対物レンズ751を含む静電光学系が設けられる。イオン源746は、液体Gaイオン源、プラズマイオン源、液体金属合金源、又は他の任意の型のイオン源を含んで良い。集束鏡筒748の軸は、電子鏡筒の軸から約52°傾斜している。イオンビーム752は、イオン源746から集束鏡筒748及び静電偏向装置754の間を通り抜けて試料718へ向かう。
FIB電源及び制御ユニット756はイオン源746で電位を供する。イオン源746は一般的に、ワークピースの電位−一般的には接地電位に維持される−よりも1kV〜60kV大きい電位に維持される。よってイオンは、約1keV〜60keVの到達エネルギーでワークピースに衝突する。FIB電源及び制御ユニット756は偏向754に結合される。偏向754は、イオンビームに、ワークピース718の上側表面上で対応するパターンを描かせ得る。一部のシステムでは、当業者に周知であるように、偏向板は、最終レンズの前に設けられる。FIB電源及び制御ユニット756がブランキング電圧をブランキング電極へ印加するときには、イオンビーム集束鏡筒748内のビームブランキング電極(図示されていない)は、イオンビーム752を、ワークピース718ではなくブランキングアパーチャに衝突させる。
イオン源746は一般的に、イオンミリング、改良エッチング、材料堆積によってワークピース718を改質し、又は、ワークピース718を撮像するため、0.1μm未満の幅のビームに集束されるわずかに正の電荷を有するGaイオンビームを供する。
マイクロマニピュレータ757−たとえばOmniprobe社から市販されているAutoProbe200(商標)−は、真空チャンバ内で対象物を精密に移動させることができる。マイクロマニピュレータ757は精密電気モータ758を有して良い。精密電気モータ758は、真空チャンバ外部に設けられ、真空チャンバ内に設けられた部分759のX,Y,Z、及びθ制御を供する。マイクロマニピュレータ757には、小さな対象物を操作する様々なエンドエフェクタが備えられて良い。従来技術において既知であるように、マイクロマニピュレータ(又はマイクロプローブ)は、解析目的で、(一般的にはイオンビームによって基板から解放された)TEM試料をTEM試料ホルダ761へ搬送するのに用いられて良い。
システム制御装置738は、デュアルビームシステム702の様々な構成要素の動作を制御する。システム制御装置738を介して、ユーザーは、イオンビーム752又は電子ビーム716を、従来のユーザーインターフェース(図示されていない)に入力された命令によって所望の方法で走査させることができる。あるいはその代わりに、システム制御装置738は、プログラムされた命令に従ってデュアルビームシステム702を制御して良い。図7は概略図であって、典型的なデュアルビームシステムのすべての構成要素を含むものではないし、すべての構成要素の実際の外見、大きさ、又は関係を反映しているものでもない。
本発明の記載は、超薄いTEM試料の調製方法に関するが、当該方法の動作を実行する装置も本発明の技術的範囲に属することに留意して欲しい。
本発明は、解析用の試料を調製する方法を供する。当該方法は:
ワークピースに向けてイオンビームを案内することで材料を除去し表面を露出させる段階であり、露出された表面は不規則性を有する、段階
− 前記露出された表面に材料を堆積する段階であって、前記堆積された材料は前記不規則性を滑らかにする、段階;
− 前記ワークピースに向けてイオンビームを案内して、前記堆積された材料と前記露出された表面からの一部の材料とを除去することで、滑らかな断面を生成する段階、を有する。
一部の実施例では、当該方法は、荷電粒子ビーム堆積を用いることによって前記ワークピースの表面に保護層を堆積する段階をさらに有する。
一部の実施例では、前記ワークピースに向けてイオンビームを案内して、前記堆積された材料と前記露出された表面からの一部の材料とを除去する段階は、イオンビームを前記ワークピースの表面に対して垂直に案内することを含む。
一部の実施例では、前記露出された表面に材料を堆積する段階は、前記ワークピースを傾斜させ且つ荷電粒子ビーム堆積を用いることによって材料を堆積することを含む。
一部の実施例では、前記ワークピースに向けてイオンビームを案内することで材料を除去して表面を露出させる段階は、第1ビーム電流を用いて前記イオンビームを案内することを含み、かつ、前記ワークピースに向けてイオンビームを案内して、前記堆積された材料を除去する段階は、前記第1ビーム電流未満である第2ビーム電流を用いて前記イオンビームを案内することを含む。
一部の実施例では、前記ワークピースに向けてイオンビームを案内することで材料を除去して表面を露出させる段階は、50nA未満のビーム電流を有するイオンビームをプラズマイオン源から案内することを含む。
一部の実施例では、前記ワークピースに向けてイオンビームを案内することで材料を除去する段階は、トレンチを切ることで、走査電子顕微鏡による観察用に断面を露出させることを含む。
一部の実施例では、前記ワークピースに向けてイオンビームを案内することで材料を除去する段階は、透過電子顕微鏡での観察用に薄片を生成することを含む。
一部の実施例では、前記ワークピースに向けてイオンビームを案内する段階は、様々な硬さの複数の材料の層で構成されるワークピースに向けてイオンビームを案内することを含む。前記イオンビームは、より硬い層を通り抜けた後に、より柔らかい層内に前記不規則性を生成する。
一部の実施例では、前記ワークピースに向けてイオンビームを案内する段階は、少なくとも金属の層と該金属の酸化物又は窒化物の層で構成されるワークピースに向けてイオンビームを案内することを含む。
一部の実施例では、当該方法は、前記ワークピースに向けてイオンビームを案内して第2面を露出させ、該露出された第2面上に材料の層を堆積する段階を含む。
一部の実施例は荷電粒子ビーム装置を含む。当該荷電粒子ビーム装置は:
− イオン源;
試料真空チャンバ内で前記イオンをワークピース上に集束させる集束鏡筒;
− 前記ワークピースの表面に前駆体ガスを供する気体注入システム;
− 記憶されたコンピュータ可読命令に従って当該荷電粒子ビームシステムの動作を制御する制御装置;
コンピュータ可読メモリであり、
前記ワークピースに向けてイオンビームを案内することで、材料を除去し表面を露出させ、露出された表面は不規則性を有し、
前記露出された表面に材料を堆積し、前記堆積された材料は前記不規則性を滑らかにし、
前記ワークピースに向けてイオンビームを案内して、前記堆積された材料と前記露出された表面からの一部の材料とを除去することで、滑らかな断面を生成する
ように、当該荷電粒子ビームシステムを制御するコンピュータ命令を記憶するコンピュータ可読メモリ、を有する。
一部の実施例は、コンピュータプログラムを備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体を有する。前記記憶媒体は、コンピュータに、当該方法の段階を実行させるように荷電粒子ビームシステムを制御させる。
一部の実施例は、イオンビームミリングによって滑らかな表面を生成する方法を供する。当該方法は:
ワークピースの表面へ向けて集束イオンビームを案内して、材料を除去して前記ワークピースの内側表面を露出させる段階;及び
− 前記ワークピースに向けて堆積前駆体ガスを案内する一方で前記集束イオンビームを案内する段階であって、前記イオンビームは、前記前駆体ガスの分解を開始することで、前記ワークピースの表面上に材料を堆積すると同時に、前記基板から材料をミリングすることで、観察用の滑らかな表面を生成する、段階、を有する。
一部の実施例では、当該方法は、電子ビームを用いることによって壁の像を生成する段階をさらに有する。
一部の実施例では、壁は前記ワークピースの表面に対して垂直である。
一部の実施例では、前記壁はラインミリングを用いて生成される。
一部の実施例では、当該方法は、堆積ガスを用いることなくミリングによって前記ワークピース内にトレンチを生成する段階を有する。前記壁は前記トレンチの端部で生成される。
一部の実施例では、前記試料材料は有孔性材料である。
一部の実施例では、前記試料は、薄くて平坦な試料ではない(薄片ではない)。
14 長方形
15 長方形
51A 試料面
51B 試料面
52 過剰ミリング領域
54 前駆体ガス
56 材料
102 試料の一部分
104 集束イオンビーム
108 バルク試料材料
110 薄片
702 デュアルビームシステム
704 電子鏡筒
706 イオン鏡筒
800 試料
802 アルミニウム酸化物層
804 アルミニウム層
806 保護層
810 テラス端部
812 不規則性
902 試料
904 酸化物層
906 アルミニウム層
908 保護層
1102 試料
1104 アルミニウム酸化物層
1106 アルミニウム層
1110 保護層
1112 トレンチ
1114 断面
1116 イオンビーム
1117 ビーム
1118 ビーム
1120 テラス効果の領域
1122 不規則性
1124 材料
1128 滑らかな表面

Claims (15)

  1. 解析用の試料を調製する方法であって:
    ワークピースに向けてイオンビームを案内することで材料を除去し表面を露出させる段階であり、露出された表面は不規則性を有する、段階
    − 前記露出された表面に材料を堆積する段階であって、前記堆積された材料は前記不規則性を滑らかにする、段階;
    − 前記ワークピースに向けてイオンビームを案内して少なくとも一部の前記堆積された材料と前記露出された表面からの一部の材料とを除去することで、滑らかな面を生成する段階;
    を有する方法。
  2. 前記試料材料は有孔性材料である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記堆積された材料は前駆体材料の分解によって生成され、かつ、
    前記前駆体材料は、前記露出された表面を、電子、イオン、X線、光、熱、マイクロ波に曝露することによって活性化され、その結果、前記前駆体材料は、前記堆積物を生成する不揮発部分と揮発部分に分解する、
    請求項1に記載の方法。
  4. 荷電粒子ビーム堆積を用いることによって前記ワークピースの表面に保護層を堆積する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ワークピースに向けてイオンビームを案内して少なくとも一部の前記堆積された材料と前記露出された表面からの一部の材料と除去する段階は、イオンビームを前記ワークピースの表面に対して垂直に案内することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記露出された表面に材料を堆積する段階は、前記ワークピースを傾斜させ且つ荷電粒子ビーム堆積を用いることによって材料を堆積することを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ワークピースに向けてイオンビームを案内することで材料を除去して表面を露出させる段階は、第1ビーム電流を用いて前記イオンビームを案内することを含み、かつ、
    前記ワークピースに向けてイオンビームを案内して前記堆積された材料を除去する段階は、前記第1ビーム電流未満である第2ビーム電流を用いて前記イオンビームを案内することを含む、
    請求項1に記載の方法。
  8. 前記ワークピースに向けてイオンビームを案内することで材料を除去して表面を露出させる段階は、50nAよりも大きいビーム電流を有するイオンビームをプラズマイオン源から案内することを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記ワークピースに向けてイオンビームを案内することで材料を除去する段階は、トレンチを切ることで、走査電子顕微鏡による観察用に断面を露出させることを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ワークピースに向けてイオンビームを案内することで材料を除去する段階は、透過電子顕微鏡での観察用に薄片を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記ワークピースに向けてイオンビームを案内する段階は、異なる硬さの複数の材料の層で構成されるワークピースに向けてイオンビームを案内することを含み、
    前記イオンビームは、より硬い層を通り抜けた後に、より柔らかい層内に前記不規則性を生成する、
    請求項1に記載の方法。
  12. 前記ワークピースに向けてイオンビームを案内する段階は、少なくとも金属の層と該金属の酸化物は窒化物の層で構成されるワークピースに向けてイオンビームを案内することを含む、請求項1に記載の方法。
  13. ワークピースに向けてイオンビームを案内して第2面を露出させる段階;
    露出された第2面上に材料の層を堆積する段階;
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 荷電粒子ビーム装置であって:
    − イオン源;
    試料真空チャンバ内で前記イオンをワークピース上に集束させる集束鏡筒;
    − 前記ワークピースの表面に前駆体ガスを供する気体注入システム;
    − 記憶されたコンピュータ可読命令に従って当該荷電粒子ビームシステムの動作を制御する制御装置;
    コンピュータ可読メモリであり、
    前記ワークピースに向けてイオンビームを案内することで材料を除去し表面を露出させ、露出された表面は不規則性を有し、
    前記露出された表面に材料を堆積し、前記堆積された材料は前記不規則性を滑らかにし、
    前記ワークピースに向けてイオンビームを案内して前記堆積された材料と前記露出された表面からの一部の材料とを除去することで、滑らかな断面を生成する
    ように当該荷電粒子ビームシステムを制御するコンピュータ命令を記憶するコンピュータ可読メモリ;
    を有する、装置。
  15. コンピュータに、請求項1に記載の方法の段階を実行させるように荷電粒子ビームシステムを制御させる、コンピュータプログラムを備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
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