JP2016508919A - ルーフレール保持具及びルーフレール構造並びにルーフレール構造を備えた車両 - Google Patents

ルーフレール保持具及びルーフレール構造並びにルーフレール構造を備えた車両 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴミ及び/又は湿気が屋根内部に到達することなく、車両の屋根にしっかりと確実に固定可能なルーフレール保持具を提供する。【解決手段】本発明は、車両の屋根(48)への取付用の固定装置(10)と車両のルーフレール(1)の取付用の固定機構(8)とを有するアダプタ部材(5)を備えたルーフレール保持具(3)に関する。固定装置(10)は、圧縮可能なシールリング(12)によって包囲された、好適にはねじ山(16、17)が設けられたボルト要素(4)を有している。ボルト要素(4)には少なくとも一つの支持要素(18)が割り当てられており、支持要素(18)の一方側がアダプタ部材(5)に当接するか又はアダプタ部材(5)と接続されており、他方側が車両の屋根(48)に載置可能な少なくとも一つの支持面(66)を有している。ボルト要素(4)の軸方向に見て、非圧縮状態のシールリング(12)の厚さ(47)は、支持要素(18)の支持長さ(45)よりも大きい。また、本発明は、ルーフレール構造及びルーフレール構造を備えた車両に関する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両の屋根への取付用の固定装置と車両のルーフレールの取付用の固定機構とを有するアダプタ部材を備えたルーフレール保持具に関する。
独国特許第102005018158A1号より、車両の屋根上に基本的に連続的に載置可能な当接面を備えた、ルーフトリムとして形成されたルーフレールが知られている。当接面は、少なくとも一つの切欠きを備えており、車両の屋根の固定用開口部に差し込まれるねじボルトの始端となる滑り子がこの切欠きに押し込まれる。これにより、ルーフトリムが車両の屋根上に直接的に配置される。
本発明は、ルーフレールが車両の屋根に直接的に固定されるのではなく、ルーフレール保持具を介在させることによって固定可能となる/固定される、という別の状況を仮定している。従って、ルーフレール保持具は、自動車の屋根に固定され、このルーフレール保持具に、例えばルーフトリムの形でルーフレールが固定される。
本発明の基礎を成す課題は、ゴミ及び/又は湿気が屋根内部に到達することなく、車両の屋根にしっかりと確実に固定可能な、冒頭で言及した種類のルーフレール保持具を提供することである。
この課題は、冒頭で言及した種類のルーフレール保持具において、固定装置が、圧縮可能なシールリングによって包囲された、好適にはねじ山が設けられたボルト要素を有し、ボルト要素に、少なくとも一つの支持要素が割り当てられ、この支持要素は、一方側がアダプタ部材に当接するか又はアダプタ部材と接続され、特に別個の部品としてアダプタ部材と接続されるか又はアダプタ部材と一体的に接続され、他方側が車両の屋根上に載置可能な少なくとも一つの支持面を有し、ボルト要素の軸方向に見て、非圧縮状態のシールリングの厚さが支持要素の支持長さよりも大きいことによって解決される。本出願の過程において、本発明では、ルーフレールとしてルーフトリムが例示され、単一のルーフレール保持具についてのみ説明される。しかし、ルーフレールとして、下面が屋根の輪郭に沿う無脚のルーフトリムでなく、脚付のレールも使用可能であるので、本発明はこの例に限定されない。また、大抵の場合、各レールには、レールの長さ全体にわたって分散配置された複数のルーフレール保持具が割り当てられている。更に、本出願では、単一のルーフレールについてのみ説明されているとしても、大抵の場合、車両は、互いに平行に配置された二本のルーフレールを備えている。ボルト要素を包囲する圧縮可能なシールリングは、車両の屋根の固定用開口部を封止するために使用される。ボルト要素を固定用開口部に差し込むことによって行われるルーフレール保持具の車両の屋根への取付の際に、シールリングが圧縮されることにより、シールリングは、一方側ではルーフレール保持具に密接に当接し、他方側では車両の屋根の外面に密接に当接する。これにより、固定用開口部が外部に対して密接に遮蔽されるので、ゴミ及び/又は湿気等が屋根内に侵入し得なくなる。ただし、シールリングの押し付けは、ボルト要素が車両の屋根に固定される際の引張力とは無関係である。一方側がアダプタ部材に当接するか又はアダプタ部材と接続され、他方側が車両の屋根上に載置可能な支持面を有する少なくとも一つの支持要素がボルト要素に割り当てられているので、ボルト要素がこの支持面に支持される。ボルト要素がこのように車両の屋根に固定されると、支持要素は、シールリングの更なる圧縮を防止すると共に、ブロック状固定、特にブロック状ねじ接続を実現するスペーサとして機能する。これは、固定装置の領域内で、支持要素と、車両の屋根の板金及び屋根の内部に位置する少なくとも一つの屋根下部部材と、ボルト要素に配置されるか又は取り付けられた要素、特にボルト要素のねじ山に螺合される固定ナットと、任意的にアダプタ部材とが、「ブロック状に(当接するように)」配置されることと解釈され、この配置により、ルーフレール保持具を保持するための、長期にわたっても一定な保持力が発揮される。ボルト要素を固定するために、特にねじ接続を行う場合、トルク減少が生じず、持続的に一定な締付トルクが確保されるブロック状ねじ接続を実現することができる。それにもかかわらず、シールリングは、最適に、限度を超えずに圧縮されるので、長期的にもゴミ及び湿気に対する確実な封止が達成される。ボルト要素のねじ山に螺合される固定ナットの代わりに、ボルト要素に段差部等、特に頭部を設けることも可能であり、その場合、段差部、特に頭部は、場合によっては、支持ディスク等を介在させて、屋根下部部材に支持される。また、ボルト要素は、アダプタ部材に固定、特にアダプタ部材とねじ接続される。このアダプタ部材とのねじ接続は、直接的又は間接的に行うことができる。直接的なねじ接続の場合、ねじ山が設けられたボルト要素がアダプタ部材のねじ穴に係合し、間接的なねじ接続の場合、ねじ要素がアダプタ部材に設けられ、特にアダプタ部材に固定されており、ボルト要素のねじ山がこのねじ要素にねじ込まれる。
本発明の更なる一形態によれば、ボルト要素は、ステーボルト、ねじ棒、又はねじである。
本発明の更なる一形態によれば、支持要素は、ボルト要素とシールリングとの間に配置される。従って、支持要素は、ボルト要素とシールリングとの間に位置する空間に位置する。即ち、シールリングは、ボルト要素の周囲にきつく当接されているのではなく、ある間隔を維持することによって、そこに空間を形成している。追加的又は代替的に、ボルト要素に対して背けられたシールリングの一方側に支持要素が位置していてもよい。この構成のみが存在する場合は、シールリングは、間隔を空けてボルト要素を包囲する必要がない。車両の屋根に設けられた固定用開口部を、外部からゴミ及び湿気が侵入し得ないように包囲するように、シールリングが構成されていることが常に重要である。
支持要素は、連続した部材であってよく、又は、支持要素は、分散配置された複数の個々の支持要素から構成されてもよい。
本発明の更なる一形態では、シールリングは、支持要素、特にリング状に形成された支持要素を包囲する。そのため、支持要素とシールリングとは軸方向に重複することなく、径方向に並んで位置している。
本発明の更なる一形態によれば、支持要素は、ボルト要素に固定されているか又はボルト要素と一体的に形成されている。支持要素は、好適にはボルト要素に段差部、特にリング状段差部を形成している。その場合、そのようなリング状部材をボルト要素上に押し上げてそこで固定可能であるか、又はこの部材がボルト要素に一体的に形成されている。特に、支持要素は、ボルト要素のフランジである。好ましくは、ボルト要素は、両ねじボルトとして形成されている。即ち、このボルトは、二つのボルト部分とその間に位置するフランジとを備えており、好適には、両方のボルト部分とフランジとが互いに一体的に形成されている。特に、両ねじボルトは、それぞれにねじ山が設けられた二つのボルト部分を有してもよく、その場合、ボルト部分の間にフランジが配置される。ねじ山が設けられたボルト部分の一方は、固定機構に属しているので、このボルト部分は、ルーフレール、特にルーフトリムの固定に使用され、他方のボルト部分は、ルーフレール保持具を車両の屋根に固定するために使用される固定装置に属している。
本発明の更なる一形態によれば、支持要素は、ボルト要素に取り付けられたリング要素であってもよい。リング要素は、ボルト要素への取付後、例えば溶接によってこのボルト要素と接続される。又は、リング要素は、ナットに似たリング要素である。即ち、リング要素は、雌ねじを備えており、ボルト要素に取り付けるために、このボルト要素に螺合させることができる。代替的に、アダプタ部材に支持される程度に、リング要素をボルト要素上に緩く押し上げてもよい。
本発明の別の一実施形態によれば、支持要素は、アダプタ部材に固定されるか又はアダプタ部材と一体的に形成されている。その限りでは、支持要素は、ボルト要素に属する部材でもなく、又はボルト要素に固定される部材でもなく、ボルト要素の近傍でアダプタ部材に固定されるか、又は、そこに一体的に形成される部材である。例えば、アダプタ部材の型押し加工によって支持要素を形成することができる(型押し支持要素)。
本発明の好ましい一実施形態では、シールリング、又は、支持要素を伴うシールリングは、アダプタ部材の窪み内に配置されている。その際、特に、窪みの深さは、支持要素の支持長さと同等の大きさである。これにより、窪みに隣接するアダプタ部材の領域が車両の屋根上に載置可能な支持要素の支持面と同じ高さに位置するので、この領域及び支持面が車両の屋根の外面上に載置される。
窪みは、アダプタ部材の型押し跡であれば有利である。これにより、非常に容易な製造が可能になる。
本発明の更なる一形態では、アダプタ部材は、車両の屋根に当接させるための載置面を有する。この載置面は、好適にはアダプタ部材の上述の領域である。
本発明の更なる一形態では、ボルト要素は、ねじ固定部を用いてアダプタ部材に固定される。好ましくは、ボルト要素のねじ山が設けられた既述のボルト部分を用いてこの固定が行われる。好ましくは、アダプタ部品に対するねじ固定は、アダプタ部材に固定されたインサートナットを用いて行ってもよい。インサートナットの代わりに、アダプタ部品に固定された他のねじ要素を使用することもできる。
本発明の更なる一形態では、アダプタ部材は、板金部材である。この板金部材は、非常に容易に生産可能である。特に、板金部材は、C形材として形成されている。この際、好ましくは、C形材のC形状は、板金部材の縁部を曲げることによって設けられる。従って、C形状を形成するには、打抜き加工及び縁部を曲げることによって、板金から板金部材を打ち抜いてから縁部を曲げればよい。
特に、固定機構は、C形材の長さ方向において固定装置に対してずらされて位置している。これにより、固定機構及び固定装置は、互いに重複しないので、固定機構及び固定装置の両方に到達可能となり、車両の屋根への固定及びルーフレールの固定もまた容易になる。
本発明の更なる一形態では、C形材は、二つの形材張出部を有し、形材張出部の一方が固定装置を有し、形材張出部の他方が固定機構を有し、他方の形材張出部は、固定装置のC形材の内部に位置する領域に到達するための切欠きを有する。この切欠きによって、外部から固定装置に到達することが可能になる。
また、本発明は、上述のようなルーフレール保持具と、固定機構を用いてアダプタ部材に固定されるルーフレールとを備えたルーフレール構造に関する。固定機構は、好ましくは、ルーフレール、特にルーフトリムをアダプタ部材に固定するために使用される少なくとも一つのねじ固定部を備えている。
また、本発明は、上述のようなルーフレール構造を備えた車両に関する。車両の少なくとも一つの屋根板金と屋根下部部材とを有する屋根は、固定用開口部を有し、この固定用開口部にボルト要素が差し込まれ、ボルト要素は、そのボルト要素に配置されるか又は取り付けられた固定要素を有し、この固定要素は、支持要素と、屋根板金と、屋根下部部材と、固定要素と、任意的にアダプタ部材とを当接させるように(ブロック状に)配置するために、屋根下部部材の下面に支持されている。様々な構成要素を当接させるように(ブロック状に)配置することによって、シールリングの封止性が時間経過と共に低下することなく、確実な持続的に一貫した保持力でルーフレール保持具が車両の屋根に固定されることが保証される。上記のボルト要素に配置されるか又は取り付けられた固定要素は、本発明の一実施例では、ねじ山が設けられたボルト要素に螺合される固定ナットであってよく、又は、特にボルト要素がねじとして形成されている場合は、ボルト要素の段差部、特に頭部であってもよい。
最後に、屋根下部部材の下面と固定要素との間に少なくとも一つの支持ディスクが配置されていれば有利である。この支持ディスクは、大面積での力伝達のために使用される。この支持ディスクは、互いに対して当接するように(ブロック状に)配置される上記の部材に属している。
図面には一実施例に基づく本発明が示されており、具体的には以下の通りである。
複数のルーフレール保持具を備えた、ルーフトリムとして形成されたルーフレールの側面図である。 ルーフレール保持具の斜視図である。 図2のルーフレール保持具の分解図である。 ルーフレール保持具のアダプタ部材を様々な方向から見た図である。 ルーフレール保持具のアダプタ部材を様々な方向から見た図である。 ルーフレール保持具のアダプタ部材を様々な方向から見た図である。 ルーフレールに固定されたルーフレール保持具の底面斜視図である。 ルーフレールに固定されたルーフレール保持具の側面図である。 ルーフレール保持具とルーフレールとを備えた、車両の屋根に固定されたルーフレール構造の断面図である。 図9の枠で囲まれた領域の拡大図である。 固定装置の領域内のルーフレール保持具の別の一実施例の断面図である。 ルーフレール保持具の別の一実施例の図10に対応する図である。
図1には、ルーフトリム2として形成された、不図示の車両の屋根上に固定されたルーフレール1が示されている。ルーフレール1は、複数のルーフレール保持具3を用いて車両の屋根に固定される。図1には、ルーフレール1の長さ全体にわたって分散してこのルーフレール1に固定された四つのルーフレール保持具3が示されている。ルーフレール1を固定するには、特にルーフレール1に固定されたルーフレール保持具3を用いて、ルーフレール保持具3の特にステーボルト4'として形成してもよいボルト要素4が車両の屋根の固定用開口部内に沈むように、ルーフレール1を車両の屋根へ導くだけでよい。これにより、屋根の内側から固定要素をボルト要素に取り付けることができ、それによってルーフレール1が、車両の屋根に確実にしっかりと保持される。好適には、車両は、屋根上に互いに平行に延在する二本のルーフレール1を有している。代替的に、ルーフレール保持具の別の一実施形態では、ルーフレールがそれに固定されたルーフレール保持具と共に外側から車両の屋根へ導かれ、ボルト要素が屋根の内部から屋根の固定用開口部を通して押されてルーフレール保持具3と直接的又は間接的にねじ接続されるように、車両の屋根への固定を行ってもよい。
図2は、ルーフレール保持具3の斜視図である。ルーフレール保持具3は、アダプタ部材5を備えており、このアダプタ部材は、その上面6に固定機構8の固定用穴7を備えている。固定機構8は、アダプタ部材5をルーフレール1に固定するために使用される。アダプタ部材5は、その下面9にステーボルト4'が属する固定装置10を備えている。固定装置10は、ルーフレール保持具3を車両の屋根に固定するために使用される。好適には、固定装置10は、ねじ固定部(68)として形成されており、アダプタ部材5に固定されたインサートナット11を更に備えている。ステーボルト4'には、圧縮可能なシールリング12が割り当てられている。シールリング12は、ステーボルト4'を包囲し、アダプタ部材5の下面9に当接している。
図3には、ルーフレール保持具3の構造が分解図で明示されている。図から分かるように、ステーボルト4'は、両ねじボルト13として形成されており、二つのボルト部分14、15を備えている。両方のボルト部分14、15には、ねじ山16、17が設けられている。両方のボルト部分14、15の間には、支持要素18が位置しており、この支持要素18が両ねじボルト13、つまりステーボルト4'のフランジ19を形成している。ステーボルト4'は、一体的に形成されている。即ち、ねじ山16、17が設けられた両方のボルト部分14、15及びフランジ19は互いに一体的に構成されている。好適には発泡ゴムから成るシールリング12の内径20は、リング状に形成されたフランジ19の直径21より大きい。シールリング12の外径22は、アダプタ部材5のその下面9の領域における奥行23とほぼ同じ大きさである。好適にはフランジ19及びシールリング12は、平面視で円形状に形成されている。従って、内径20はシールリング12のリング開口部24を画定しており、このリング開口部24の外形が同様に円形状に形成されている。
図4から図6には、アダプタ部材5の構造が示されている。図4は側面図、図5は端面図、図6はアダプタ部材5の上面6の上面図である。アダプタ部材5は、一体的に板金から作製される。即ち、アダプタ部材5は、板金部材25である。図5の端面図によれば、この板金部材25は、C形状が設けられることにより、C形材26として形成されている。C形材26は、90°の縁部29を経て後方張出部30に移行する二つの形材張出部27、28を備えている。また、形材張出部27、28は、縁部31を経て短い前方張出部32、33に移行している。縁部31は、同様に90°の範囲の縁部角度、又は図5から明らかなように、90°より小さい縁部角度を有している。前方張出部32、33は、板金部材25の補強張出部として機能する。
図4によれば、アダプタ部材5の上面6の領域には、切欠き34が位置しており、この切欠き34が形材張出部27及び前方張出部32を中断して後方張出部30に少しの距離だけ突出している。これにより、形材張出部27は、二つの形材張出片35、36に分割されており、両方の形材張出片35、36の間に切欠き34が位置している。両方の形材張出片35、36の長さと切欠き34の長さとを合わせた長さは、形材張出部28の長さよりも大きい。好適には、形材張出部28の長さは、切欠き34(図4)の長さよりも大きい。固定用穴7の一方は、形材張出片35に位置しており、固定用穴7の他方は、形材張出片36に位置している。形材張出部28には、固定装置10に属する固定用穴37が設けられている。また、形材張出部28は、その下面9の領域に窪み38を備えており、この窪み38が形材張出部28の奥行23全体にわたって延在しており、この形材張出部28の好適にはほぼ中央に固定用穴37が位置している。図6によれば、窪み38の長さ39は、切欠き34の長さよりも小さく、好適にはやや小さい。窪み38の外形は、例えば四角形である。この窪み38は、好適には、板金部材25、つまりアダプタ部材5の板金壁の型押し工程によって形成される。
図7から図9によれば、ルーフレール保持具3は、二つのねじ40を用いてルーフレール1、特にルーフトリム2と接続される。このために、各ねじ40は、C形材26の内部から対応する固定用穴7を通して差し込まれ、ルーフレール1、特にルーフトリム2の下面のねじ穴41'(図9)にねじ込まれる。ねじ40の代わりに、他の固定手段、例えばリベット等を使用してもよい。図9から明らかなように、ルーフトリム2は好適には中空形材42として形成されているので、ねじ40のねじ込まれたねじ軸、又はリベット等の対応する領域を、中空形材42の内部に受容することができる。リベットは、好適にはブラインドリベットである。
図8及び図9によれば、インサートナット11は、その雌ねじ43が固定用穴37と一致するように、C形材26の内部41から形材張出部28に固定されている。インサートナット11は、押し込み工程によってアダプタ部材5としっかりと接続されている。アダプタ部材5の下面9から、ステーボルト4'のねじ山16が設けられたボルト部分14がインサートナット11の雌ねじ43にねじ込まれる。即ち、ボルト部分14は、固定用穴37を貫通し、次に雌ねじ43に係合する。このねじ込みは、フランジ19の外面44が窪み38の領域内の下面9にしっかりと当接するように行われる。フランジ19は、支持要素18を形成している。即ち、この支持要素18は、形材張出部28と当接するように(ブロック状に)位置しており、同時にアダプタ部材5と当接するように(ブロック状)に位置している。図10によれば、フランジ19の厚さと一致する支持長さ45は、窪み38の深さ46と同等の大きさである。また、図10から見て取れるように、支持要素18は、シールリング12によって包囲されており、図10ではシールリング12が圧縮状態及び非圧縮状態で示されている。圧縮状態は非破線で示されており、非圧縮状態は非破線及び破線の領域から構成されている。非圧縮状態では、シールリングの厚さ47は支持要素18の支持長さ45よりも大きい。
図10及び図11には、ルーフレール保持具3を用いて車両の屋根48上に固定されたルーフレール1が示されている。屋根48は、外側に位置する屋根板金49を備えており、この屋根板金49が一部の領域で屋根溝50を形成しており、これらもまたルーフレール1を支持するルーフレール保持具3(図1)がこの屋根溝50の内部に固定されている。ルーフレール保持具3の高さ51は、屋根溝50の深さとほぼ一致している。また、車両の屋根48は、複数の板金、支柱等53、54、55から構成される屋根下部部材52を備えている。屋根板金49と屋根下部部材52とは、互いに当接するように(ブロック状に)配置されており、固定用開口部56が車両の屋根48全体に延在している。これはつまり、屋根板金49の対応する開口部と板金、支柱等53、54、55とから固定用開口部56が形成されているということである。この際、公差を補償できるように、複数の異なる開口部の直径の大きさを異ならせることが可能である。前述のように、ルーフレール保持具3を取り付ける際に、屋根板金49と、板金、支柱等53、54、55とが互いに当接するよう(ブロック状に)配置される、又はブロック状に重なり合って締め付けられる。
図7から図10より見て取れるように、ステーボルト4'のボルト部分15には、固定ナット58の作用を受ける支持ディスク57が装着されている。固定要素69である固定ナット58は、好適には戻り止め固定ナットとして形成されている。図10によれば、支持ディスク57をディスク状に形成せずに、固定ナット58のリング状切欠き60に軸方向に係合するリング状張出部59を支持ディスク57に設けてもよい。ただし、リング状張出部59及びリング状切欠き60を伴う形成は任意である。
ルーフレール保持具3を車両の屋根48上に固定する際には、以下のように行われる。他のルーフレール保持具3(図1)の場合も対応して行われるので、以下ではルーフレール保持具3の一つを用いた取付についてのみ説明する。ルーフレール1とねじ接続されたルーフレール保持具3のステーボルト4'を屋根48の固定用開口部56に差し込む。前述のように、ステーボルト4'は、予めインサートナット11にねじ込まれているので、その支持要素18がアダプタ部材5に当接するように(ブロック状に)位置している。更に、例えば粘着膜を用いて、アダプタ部材5の下面9に保持されているシールリング12によって支持要素18を包囲する。シールリング12は緩く設置してもよいが、それによって取扱が困難になる。又は、シールリング12を他の方法で予め固定しておいてもよい。ステーボルト4'を車両の屋根48の固定用開口部56に差し込むことによって、ボルト部分15が固定用開口部56から下向きに、つまり屋根内部61に突出する。そこから支持ディスク57をボルト部分15に装着し、続いて固定ナット58をボルト部分15のねじ山17に螺合させる。固定ナット58を締め付けると、支持面66(図10)を形成している支持要素18(図3)の下面62が屋根板金49の外面70に対して当接するように(ブロック状に)配置される。更に、シールリング12を、その本来の厚さ47から支持長さ45又は窪み38の深さ46まで圧縮すると、シールリング12が一方側ではアダプタ部材5に密接に当接し、その他方側では車両の屋根48の外面70に密接に当接し、その際、固定用開口部56を密接に包囲するので、外部から固定用開口部56、従って屋根48の内部にも、ゴミ及び湿気等が侵入し得なくなる。更に、固定ナット58の螺合によって、支持ディスク57が屋根下部部材52の、つまり下方の板金、下方の支柱等55の下面63(図10)に対して当接するように(ブロック状に)押され、固定ナット58もまたブロック状に支持ディスク57に到達する。固定ナット58は、所定のトルクで締め付け可能であり、可撓性がないので、このように形成されたブロック状ねじ接続部64に基づいて、このトルクが常に確保される。ブロック状ねじ接続部64は、アダプタ部材5と、支持要素18と、屋根板金49及び屋根下部部材52と、支持ディスク57と、固定ナット58とを当接するように(ブロック状に)配置することによって実現される。それにもかかわらず、シールリング12は、支持要素18の支持長さ45から得られる規定された程度までしか圧縮されない。屋根板金49の外面70上には、支持要素18の下面62及び形材張出部28の下面9の領域65(図3)が位置しているが、これは、支持要素18の支持長さ45が窪み38の深さ46と同等の大きさに形成されているからである。その限りでは、領域65は車両の屋根48に当接させるための載置面67を形成している。
以上より、本発明に基づいて、一つのルーフレール保持具3又は複数のルーフレール保持具3を用いた車両の屋根48へのルーフレール1の確実で安定した固定が行われ、その際、シールリング12を用いた封止が同時に達成されるので、外部から屋根48の内部に何も侵入し得なくなる。
図11には、固定装置10の領域におけるルーフレール保持具3の別の一実施例が示されている。また、屋根板金49と板金53、54、55を有する屋根下部部材52とを備えた引き続き不図示の車両の屋根48が示されている。図1から図10までの実施例に関して図示及び説明した全ての構成が以下の違いを除いて有効である。この違いは、ねじ固定部68及びボルト要素4に関する。図1から図10までの実施形態によるねじ固定部68及び両ねじボルト13の代わりに、図11の実施例では、アダプタ部材5の固定用穴37に留められる、スペーサリベットとも呼ばれるブラインドリベット80が設けられている。ブラインドリベット80は、頭部81と、軸82と、軸82に形成された変形区間83とを備えている。ブラインドリベット80が固定用穴37に差し込まれることによって、頭部81がアダプタ部材5の下面9に支持される。頭部81は支持要素18を形成している。続いて、適切な工具を用いて、ブラインドリベット80の変形区間83が、(図11から明らかなように)フランジ84が形成されるように変形される。従って、アダプタ部材5が頭部81とフランジ84との間で締め付けられる。ブラインドリベット80は、好適にはねじ4"として形成されたボルト要素4がルーフレールの側から差し込まれる貫通路85によって貫通されている。また、ボルト要素4又はねじ4"を用いてブラインドリベット80を前述のように変形させることも考えられる。ブラインドリベット80内にねじ込まれるねじ4"は、いわばステーボルト4'を形成している。車両の屋根48へのルーフレール保持具3の固定は、図9及び図10の実施例の際に説明したように対応した方法で行われる。ねじ4"は、その頭部86でブラインドリベット80に支持されており、図11の実施例では戻り止めナットとしては図示されていないが、代替的に戻り止めナットであってもよい固定ナット58が、ねじ4"のねじ軸87に螺合される。
図12の実施例は、図11の実施例と基本的に一致しているので、図1から図10の実施例と併せてこの図11の実施例が参照される。しかし、固定装置10の構成、及び好適には同様にねじ4"として形成されているボルト要素4の使用の点で異なっている。図12の実施例では、図11によるブラインドリベット80の代わりに、リベットナットとも呼ばれるブラインドリベットナット90が使用されている。このブラインドリベットナット90は、貫通路85に雌ねじ91が設けられているという点のみがブラインドリベット80と異なっている。引き続き不図示の車両の屋根48への固定の際に、図1から図11までの実施例とは異なり、ボルト要素4は、屋根48の固定用開口部56に外側から差し込まれるのではなく、屋根48の内部から差し込まれるので、ねじ4"の頭部86が屋根下部部材52の下面に、好適には支持ディスク57を介在させて支持され、固定用開口部56及び固定用穴37を貫通し、ブラインドリベットナット90の雌ねじ91にねじ込まれる。

Claims (25)

  1. 車両の屋根への取付用の固定装置と前記車両のルーフレールの取付用の固定機構とを有するアダプタ部材を備えたルーフレール保持具であって、
    前記固定装置(10)は、圧縮可能なシールリング(12)によって包囲された、好適にはねじ山(16、17)が設けられたボルト要素(4)を有し、
    前記ボルト要素(4)に、少なくとも一つの支持要素(18)が割り当てられ、該支持要素(18)は、一方側が前記アダプタ部材(5)に当接するか又は前記アダプタ部材(5)と接続され、他方側が前記車両の前記屋根(48)上に載置可能な少なくとも一つの支持面(66)を有し、
    前記ボルト要素(4)の軸方向に見て、非圧縮状態の前記シールリング(12)の厚さ(47)が前記支持要素(18)の支持長さ(45)よりも大きいことを特徴とする、ルーフレール保持具。
  2. 前記ボルト要素(4)は、ステーボルト(4')、ねじ棒、又はねじ(4")であることを特徴とする、請求項1に記載のルーフレール保持具。
  3. 前記支持要素(18)は、前記ボルト要素(4)と前記シールリング(12)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のルーフレール保持具。
  4. 前記支持要素(18)は、前記ボルト要素(4)をリング状に包囲することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のルーフレール保持具。
  5. 前記シールリング(12)は、前記支持要素(18)、特にリング状に形成された前記支持要素(18)を包囲することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のルーフレール保持具。
  6. 前記支持要素(18)は、前記ボルト要素(4)に固定されているか又は前記ボルト要素(4)と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のルーフレール保持具。
  7. 前記支持要素(18)は、前記ボルト要素(4)のフランジ(19)であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のルーフレール保持具。
  8. 前記ボルト要素(4)は、両ねじボルト(13)として形成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のルーフレール保持具。
  9. 前記両ねじボルト(13)は、それぞれねじ山(16、17)が設けられた二つのボルト部分(14、15)を有し、前記ボルト部分(14、15)の間に前記フランジ(19)が位置していることを特徴とする、請求項7に記載のルーフレール保持具。
  10. 前記支持要素(18)は、前記ボルト要素(4)に取り付けられたリング要素であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のルーフレール保持具。
  11. 前記支持要素(18)は、前記アダプタ部材(5)に固定されているか又は前記アダプタ部材(5)と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のルーフレール保持具。
  12. 前記シールリング(12)、又は、前記支持要素(18)を伴う前記シールリング(12)は、前記アダプタ部材(5)の窪み(38)内に配置されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のルーフレール保持具。
  13. 前記窪み(38)の深さ(46)は、前記支持要素(18)の前記支持長さ(45)と同等の大きさであることを特徴とする、請求項12に記載のルーフレール保持具。
  14. 前記窪み(38)は、前記アダプタ部材(5)の型押し跡であることを特徴とする、請求項12又は13に記載のルーフレール保持具。
  15. 前記アダプタ部材(5)は、前記車両の前記屋根(48)に当接させるための載置面(67)を有することを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のルーフレール保持具。
  16. 前記ボルト要素(4)は、ねじ固定部(68)を用いて前記アダプタ部材に固定されることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載のルーフレール保持具。
  17. 前記ねじ固定部(68)は、前記アダプタ部材(5)に固定されたインサートナット(11)、前記アダプタ部材(5)に固定されたリベット、特にブラインドリベット(80)、又は前記アダプタ部材(5)に固定されたリベットナット、特にブラインドリベットナット(90)であることを特徴とする、請求項16に記載のルーフレール保持具。
  18. 前記アダプタ部材(5)は、板金部材(25)であることを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載のルーフレール保持具。
  19. 前記板金部材(25)は、C形材(26)であることを特徴とする、請求項18に記載のルーフレール保持具。
  20. 前記C形材(26)のC形状は、前記板金部材(25)の縁部を曲げることによって設けられることを特徴とする、請求項19に記載のルーフレール保持具。
  21. 前記固定機構(8)は、前記C形材(26)の長さ方向において前記固定装置(10)に対してずらされて位置していることを特徴とする、請求項19又は20に記載のルーフレール保持具。
  22. 前記C形材(26)は、二つの形材張出部(27、28)を有し、
    前記形材張出部の一方(28)は、前記固定装置(10)を有し、前記形材張出部の他方(27)は、前記固定機構(8)を有し、
    前記他方の形材張出部(27)は、前記C形材(26)の内部(41)に位置する前記固定装置(10)の領域に到達するための切欠き(34)を有することを特徴とする、請求項19から21のいずれか一項に記載のルーフレール保持具。
  23. 請求項1から22のいずれか一項に記載のルーフレール保持具(3)と、前記固定機構(8)を用いて前記アダプタ部材(5)に固定されるルーフレール(1)と、を備えたルーフレール構造。
  24. 請求項23に記載のルーフレール構造を備えた車両であって、
    車両の少なくとも一つの屋根板金(49)と屋根下部部材(52)とを有する前記屋根(48)は、固定用開口部(56)を有し、該固定用開口部(56)に前記ボルト要素(4)が差し込まれ、前記ボルト要素(4)は、該ボルト要素(4)に配置されるか又は取り付けられた固定要素(69)を有し、該固定要素(69)は、前記支持要素(18)と、前記屋根板金(49)と、前記屋根下部部材(52)と、前記固定要素(69)と、任意的に前記アダプタ部材(5)とを当接させて配置するために、前記屋根下部部材(52)の前記下面(63)に支持されている、車両。
  25. 前記屋根下部部材(52)の前記下面(63)と前記固定要素(69)との間に少なくとも一つの支持ディスク(57)が配置されていることを特徴とする、請求項24に記載の車両。
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