JP5813705B2 - 初期ワイヤ張力発生装置を備えたウインドウレギュレータ - Google Patents
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Description
特許文献1には、両側のワイヤ(41,42)のワイヤエンド(52)をそれぞれスプリング(57)を介してハウジング(50)へスライド可能に装着しておき、前記両側のワイヤエンド間にストッパ手段(101)を介在させてコイルばねを両側へ圧縮することでワイヤを弛ませ、配索後にストッパ手段(101)を撤去してワイヤの弛みを取ると共にスプリングの弾力でワイヤに張力を付与する構成が記載されている。
特許文献2には、ワイヤ経路に中間ガイド体41、42をスプリング43が圧縮された状態で配置し、ワイヤにワイヤの軸線方向に張力を付与してワイヤの緩みや伸びを効率よく除去する構成が記載されている。
張力付与手段はスプリング受けとスライド部材およびベースプレートの間に圧縮状態で装着された張力付与スプリングとで構成することができ、ベースプレートと共に初期ワイヤ張力発生装置を構成する。
張力付与手段によって、前記ベースプレートを前記回動軸を中心に回動させ、これにより、ワイヤドラムを移動させてワイヤ張力を増強する。
張力付与手段は、ベースプレートに設けた円弧状長孔にスプリング受けと張力付与スプリングを配置し、円弧状長孔の箇所でスプリング受けをベースプレートに係合させて、ベースプレート間に張力付与スプリングを圧縮した状態で維持させることがある。
その他の具体的な構成は実施例の説明を通じて明らかにする。
このため、ウインドウレギュレータ取付け後に改めてワイヤ張力を付与する手間を省略することができる。
〔1〕全体構成
ウインドウレギュレータ1(図1、以下、レギュレータ1という)は、車両のドアパネル2の内部空間に取付けられている。ドアパネル2は、内パネル2aと外パネル2bとからなり、図1においては内パネル2aを破線で示し、内パネル2aと外パネル2bとの間に位置するレギュレータ1を内パネル2aを透して示している。
なお、ベースプレート6において、符号6a、6bはスタッドボルトであり、ベースプレート6の内側面に内方向へ突出して固定され、内パネル2aから内側へ突出する長さを有する。符号6cはボルト頭を有するボルトでねじ部29(ナット側)の先端が内パネル2aから内側に突出する長さを有する。
ワイヤ5はガラス支持部材4からワイヤドラム7に至る部分ワイヤ5aとガラス支持部材4からワイヤガイド3を巻回してワイヤドラム7に至る部分ワイヤ5bとからなる。
部分ワイヤ5aの一端はガラス支持部材4にワイヤエンド4aで取り付けられ(図1)、他端はワイヤドラム7に巻回の後、このワイヤドラム7に固定されている。また、部分ワイヤ5bの一端はガラス支持部材4にワイヤエンド4bで取り付けられ、他端はワイヤガイド3を転回し、ワイヤドラム7に巻回の後、固定されている。
部分ワイヤ5aがワイヤドラム7で引かれるとガラス支持部材4が下降するので、部分ワイヤ5aを下降ワイヤ5aと称し、部分ワイヤ5bは、これが引かれるとガラス支持部材4は上昇するので、部分ワイヤ5bを上昇ワイヤ5bと称することにする。
すなわち、駆動装置8がワイヤドラム7を駆動回転すると、ガラス支持部材4に支持された窓ガラスが上下に移動し、車両の窓が開閉される。
初期ワイヤ張力発生装置10はベースプレート6と張力付与手段9とで構成される。
ベースプレート6は3本のボルト(6a,6b,6c)によってドアパネル2の定位置に固定される。すなわち、前記のスタッドボルト6aとこれに内パネル2aの内側から螺合されるナット6d、スタッドボルト6bとこれに内パネルの内側から螺合されるナット6e、および頭付きボルト6cとこれに内パネル2aの内側から螺合されるナット6fとの組み合わせによってドアパネル2の定位置に固定される。
張力付与手段9(図2,3)は、前記のスライド部材12、円周方向に長い円弧状長孔13、スプリング受け14および張力付与スプリング15で構成される。
円弧状長孔13は、前記の回動軸11を中心とした円弧で構成されるものであり、ベースプレート6において回動軸11とワイヤドラム7を挟んで間隔を取った反対側に配置される。実施例において、長手方向両側にガイド突条16を有する(図3,4)。両側のガイド突条16は、一端側(実施例において下方)で円弧状長孔13よりも短く、スプリング受け14の導入口17が構成されている(図3イ)。また、スプリング受け14の初期位置(後述)と対応する位置に係合凹部18が形成されている。
大径部分23は頭付きボルト6cの頭部25が嵌り込む箇所であり、小径部分22は操作部材12aのランス部品26(図4,6)が嵌り込む箇所である。前記の受け座24の座面の幅は、前記した頭付きボルト6cの頭部25とランス部品26との径の差である。
なお、ガイド溝20の内外方向の寸法(図4の幅d1)は前記の円弧状長孔13の両側に設けたガイド突条16の内外方向寸法(図4の厚みd2)と略同じ程度でわずかに大きい。
張力付与手段9は次のように組み付けられる。
(1)頭付きボルト6cのねじ部29にランス部品26を圧入し、操作部材12aを構成する(図6)。
(2)ついで、スプリング受け14に操作部材12aをねじ部29から挿通させ、ランス部品26を小径部分22に収容する(図9)。スライド部材12の各部品が揃った状態となる。
(3)スライド部材12をベースプレート6に設けた円弧状長孔13の導入口17に配置する(図3イ−ロ)。スプリング受け14のガイド溝20を円弧状長孔13のガイド突条16に合わせる。
(5)張力付与スプリング15をスプリング受け14の下面と円弧状長孔13の下端との間にセットする。スプリング受け14の下面と円弧状長孔13の下端との間隔は大きく設計されているので、張力付与スプリング15は軽く圧縮する程度で簡単にセットすることができる。
符号21(21a,21b)はスプリングの外れるのを防止する突起であり、スプリング受け14の下面(21a)と円弧状長孔13の下端面(21b)に形成されている。
ランス部品26も移動し、内端側の前後に配置した係止用ランス31がスプリング受け14の前後面に設けたガイド溝20に開口した窓27の位置となり、係止用ランス31は、押圧から解放されてその弾力で窓27の外へ突出できる状態となる。しかし、現状でスプリング受け14は円弧状長孔13の上端にあるので(図3ハ、図9ロ)、ガイド突条16の対向面によって係止用ランス31は押さえられており、張り出すことができない。
カーメーカーでは、内パネル2aにワイヤガイド3とベースプレート6を上下位置に配置して取り付ける。
ベースプレート6は、スタッドボルト6aを内パネル2aに貫通させてナット6dを取付け、スタッドボルト6bを内パネル2aの長孔に貫通させてナット6eを取付け、さらに、張力付与手段9のスライド部材12における頭付きボルト6cのねじ部29内端を内パネル2aに貫通させてナット6fを取付ける。これらのボルト・ナットは当初、緩く締め、ベースプレート6がスタッドボルト6a(回動軸11)を中心に回動可能に取り付けられる。
このように、レギュレータ1をドアパネル2へ取り付ける作業によってワイヤに張力を付与する作業も自動的に完了する。
2 ドアパネル
2a 内パネル
2b 外パネル
3 ワイヤガイド
4 ガラス支持部材
4a,4b ワイヤエンド
5 ワイヤ
6 ベースプレート
6a,6b スタッドボルト
6c 頭付きボルト
6d〜6f ナット
7 ワイヤドラム
8 駆動装置
9 張力付与手段
10 初期ワイヤ張力発生装置
11 回動軸
12 スライド部材
13 円弧状長孔
14 スプリング受け
15 張力付与スプリング
16 ガイド突条
17 導入口
18 係合凹部
19 ボルト貫通孔
20 ガイド溝
21 スプリングを止める突起
22 小径部分
23 大径部分
24 受け座
25 頭部
26 ランス部品
27 窓
28 ランス受け孔
28a ランス受け凹部
29 ねじ部
30 抜け止めランス
31 係止用ランス
32 内パネルに設ける長孔
Claims (6)
- ドアパネルに取付ける上方のワイヤガイドとドアパネルに取付ける下方のワイヤドラム間にワイヤを配索し、ワイヤに取り付けたガラス支持部材に窓ガラスを支持させたレールレスウインドウレギュレータであって、
前記ワイヤドラムは、駆動装置によって駆動回転されることでガラス支持部材に支持された窓ガラスを上下に移動して車両の窓を開閉するものであり、
ベースプレートに前記ワイヤドラムが固定されると共にベースプレートに張力与手段が設けられており、
前記ベースプレートはドアパネルに対する回動軸を中心に回動可能とされており、
前記張力付与手段によってベースプレートが前記回動軸を中心に回動されることにより、前記ワイヤドラムがワイヤ張力を増強する方向に移動され、
前記ベースプレートは前記移動の後ドアパネルに固定される、
ことを特徴とした初期ワイヤ張力発生装置付きレールレスウインドウレギュレータ。 - 前記ベースプレートの前記回動軸と前記ワイヤドラムと張力付与手段は、前記回動軸と前記張力付与手段との間に前記ワイヤドラムが配置されていることを特徴とした請求項1に記載の初期ワイヤ張力発生装置付きレールレスウインドウレギュレータ。
- 前記張力付与手段は前記ベースプレートに設けた円弧状長孔とスライド部材と張力付与スプリングを備え、
円弧状長孔はベースプレートの前記回動軸を中心とした円弧に沿って形成されており、
前記スライド部材を基準とした前記張力付与スプリングの伸張で、前記ベースプレートを前記回動軸を中心に回動させるものであることを特徴とした請求項1又は2に記載の初期ワイヤ張力発生装置付きレールレスウインドウレギュレータ。 - スライド部材は、スプリング受けとこれに摺動可能に貫通した頭付きボルトを有し、この頭付きボルトは前記ベースプレートの前記回動軸が取り付けられるパネルに貫通し、ワイヤドラムがワイヤ張力を付与する方向に移動されたのち、ナットで固定され、前記ベースプレートをパネルに固定するボルトの一本となるものであることを特徴とした請求項3に記載の初期ワイヤ張力発生装置付きレールレスウインドウレギュレータ。
- 前記スライド部材の頭付きボルトはランス部品を有した操作部材であり、ランス部品を頭付きボルトの軸方向へ移動させることで、前記スプリング受けを張力付与スプリングが圧縮された初期位置から圧縮状態が解放される張力付与位置へ操作可能とされていることを特徴とした請求項4に記載の初期ワイヤ張力発生装置付きレールレスウインドウレギュレータ。
- 操作部材のランス部品は、スプリング受けとの間に、スプリング受けに挿通した操作部材がもと方向に抜け出すのを阻止する抜け止めランスを備えていることを特徴とした請求
項5に記載の初期ワイヤ張力発生装置付きレールレスウインドウレギュレータ。
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2013
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