JP2016503820A - n−ブテン類をブタジエンにする酸化的脱水素化方法 - Google Patents

n−ブテン類をブタジエンにする酸化的脱水素化方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、n−ブテン類からのブタジエンの製造方法であって、以下の工程:A)n−ブテン類を含む出発ガス流aを準備する工程;B)n−ブテン類を含む出発ガス流aおよび酸素含有ガスを、少なくとも1つの脱水素化領域に供給して、n−ブテン類を酸化的脱水素化してブタジエンにする工程、ここで、ブタジエン、未反応のn−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点の炭化水素、場合により炭素酸化物、および場合により不活性ガスを含む生成物ガス流bが得られる;C)生成物ガス流bを、少なくとも1つの圧縮段階で冷却および圧縮する工程、ここで、水を含む少なくとも1つの凝縮物流c1、およびブタジエン、n−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点の炭化水素、場合により炭素酸化物、および場合により不活性ガスを含むガス流c2が得られる;D)酸素、低沸点の炭化水素、場合により炭素酸化物、および場合により不活性ガスを含む、凝縮できない低沸点のガス成分を、ガス流d2として、以下の工程Da)ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素を、高沸点の吸収剤に吸収させる工程、ここで、C4炭化水素が負荷された吸収剤流とガス流d2が得られる、Db)不活性ガスによるストリッピングにより、C4炭化水素が負荷された吸収剤流から酸素を除去する工程、Dc)前記負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着させる工程、ここで、実質的にC4炭化水素からなり、酸素を100ppm未満含むC4生成物ガス流d1が得られる、によりガス流c2から分離する工程;E)C4生成物流d1を、ブタジエンのための選択的溶媒を用いる抽出蒸留により、ブタジエンおよび該選択的溶媒を含む物質流e1と、n−ブテン類を含む物質流e2へと分離する工程;F)ブタジエンおよび前記選択的溶媒を含む物質流e1を蒸留して、実質的に該選択的溶媒からなる物質流f1と、ブタジエンを含む物質流f2にする工程、を含む前記n−ブテン類からのブタジエンの製造方法に関する。

Description

本発明は、n−ブテン類をブタジエンにする酸化的脱水素化方法に関する。
ブタジエンは、重要な基本化学物質であり、例えば、合成ゴム(ブタジエンホモポリマー、スチレンブタジエンゴムまたはニトリルゴム)の製造、または熱可塑性ターポリマー(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンコポリマー)の製造に使用される。さらに、ブタジエンは反応して(1,4−ジクロロブテンおよびアジピン酸ジニトリルを経て)スルホラン、クロロプレンおよび1,4−ヘキサメチレンジアミンになる。ブタジエンの二量化によって、さらにビニルシクロヘキセンを作ることができ、これは、脱水素化してスチレンにすることができる。
ブタジエンは、飽和炭化水素の熱分解(スチームクラッカー)によって製造することができ、ここで、通常、原料としてナフサを出発点とする。ナフサのスチームクラッカーでは、メタン、エタン、エテン、アセチレン、プロパン、プロペン、プロピン、アレン、ブタン、ブテン、ブタジエン、ブチン、メチルアレン、C5炭化水素および高級炭化水素の炭化水素混合物が生じる。
ブタジエンは、n−ブテン類(1−ブテンおよび/または2−ブテン)の酸化的脱水素化により得ることもできる。n−ブテン類のブタジエンへの酸化的脱水素化のための出発混合物として、n−ブテン類を含むいずれの任意の混合物が利用されてよい。例えば、主成分としてn−ブテン類(1−ブテンおよび/または2−ブテン)を含み、ナフサクラッカーのC4留分から、ブタジエンおよびイソブテンを分離して得られた留分が使用されてよい。さらに、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテンまたはそれらの混合物を含み、エチレンの二量化により得られた混合ガスが出発ガスとして使用されてもよい。さらに、出発ガスとしてn−ブテン類を含む混合ガスが使用されてよく、この混合ガスは、流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking、FCC)により得られたものである。
出発ガスとして、n−ブテン類のブタジエンへの酸化的脱水素化で使用されるn−ブテン類を含む混合ガスは、n−ブタンを含む混合ガスの非酸化的脱水素化により製造することもできる。
WO2005/063658は、n−ブタンからのブタジエンの製造方法であって、以下の工程
a)n−ブタンを含む出発ガス流aを準備する工程;
b)n−ブタンを含む出発ガス流aを、少なくとも1つの第一脱水素化領域に供給して、n−ブタンを非酸化的接触脱水素化する工程、ここで、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン、水素、低沸点の副成分、および場合により水蒸気を含む生成物ガス流bが得られる;
c)前記非酸化的接触脱水素化の生成物ガス流bおよび酸素含有ガスを、少なくとも1つの第二脱水素化領域に供給して、1−ブテンおよび2−ブテンを酸化的脱水素化する工程、ここで、n−ブタン、2−ブテン、ブタジエン、水素、低沸点の副成分および水蒸気を含み、生成物ガス流bよりも高い含有量のブタジエンを有する生成物ガス流cが得られる;
d)水素、低沸点の副成分および水蒸気を分離する工程、ここで、実質的に、n−ブタン、2−ブテンおよびブタジエンからなるC4生成物ガス流dが得られる;
e)C4生成物ガス流dを、実質的にn−ブタンおよび2−ブテンからなる返送流e1と、実質的にブタジエンからなる流e2に抽出蒸留により分離して、流e1を第一脱水素化領域に返送する工程
を含む前記n−ブタンからのブタジエンの製造方法を開示している。
前記方法は、原材料を特に有効に利用できることを特徴としている。例えば、原材料であるn−ブタンの損失は、未反応のn−ブタンを脱水素化へ返送することによって最小限に抑えられる。非酸化的接触脱水素化と酸化的脱水素化とのカップリングにより、高いブタジエン収率が達成される。前記方法は、クラッカーによるブタジエンの生成と比べて選択性が高いことを特徴としている。副生成物は生じない。クラックプロセスの生成物混合ガスからのブタジエンの費用のかかる分離が省略される。
残留酸素は、後続の方法工程でブタジエンペルオキシドの形成を引き起こしうること、および重合反応の開始剤として作用しうるという点で、憂慮すべき影響をもたらすことがある。この危険性は、特に、ブタジエンが、高濃度で、純物質として存在している分野にある、それというのは、安定化していない1,3−ブタジエンが、酸素の存在下に危険なブタジエンペルオキシドを形成しうることが公知であるからである。この危険性は、上述のプロセス、特に、ブタジエンが残留しているC4炭化水素と分離される工程e)にある。これらの危険性は、例えば、D.S.Alexander(Industrial and Engineering Chemistry 1959、51、733〜738)によって議論された。前記ペルオキシドは、粘性の液体である。その密度は、ブタジエンの密度よりも高い。さらに、前記ペルオキシドは、液状の1,3−ブタジエン中にわずかしか溶けないため、貯蔵容器の底に沈殿する。前記ペルオキシドは、その化学的反応性が比較的低いにもかかわらず、きわめて不安定な化合物であり、85〜110℃の温度で自発的に分解しうる。特に大きな危険性は、前記ペルオキシドの高い衝撃感受性にあり、爆薬の爆破力をもって爆発する。ポリマー形成の危険性は、特に、ブタジエンの蒸留分離で生じ、そこで、塔内でポリマーの堆積(いわゆる「ポップコーン」の形成)がもたらされることがある。
WO2006/05969では、酸化的脱水素化方法が記載されており、ここで、酸素除去は、触媒燃焼段階による酸化的脱水素化の直後に実施される。この触媒燃焼段階では、酸素は、触媒の存在下に、この段階で添加される水素と反応する。それによって、わずかな微量にまでの酸素含有量の低減が達成される。触媒燃焼段階の欠点は、水素の消費、ならびに1,3−ブタジエンの一部が、酸素によって燃焼して、水素により水素化されてブテンおよびブタンになる副反応である。
本発明の課題は、n−ブテン類をブタジエンにする酸化的脱水素化方法を提供することであり、ここで、ブタジエンからのブタジエンペルオキシドの形成は、酸化的脱水素化の生成物混合ガスの後処理において有効的に回避される。
前記課題は、以下の工程を含む、n−ブテン類からのブタジエンの製造方法により解決される:
A)n−ブテン類を含む出発ガス流aを準備する工程;
B)n−ブテン類を含む出発ガス流aおよび酸素含有ガスを、少なくとも1つの脱水素化領域に供給して、n−ブテン類を酸化的脱水素化してブタジエンにする工程、ここで、ブタジエン、未反応のn−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点の炭化水素、場合により炭素酸化物、および場合により不活性ガスを含む生成物ガス流bが得られる;
C)生成物ガス流bを、少なくとも1つの圧縮段階で冷却および圧縮する工程、ここで、水を含む少なくとも1つの凝縮物流c1と、ブタジエン、n−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点の炭化水素、場合により炭素酸化物、および場合により不活性ガスを含むガス流c2が得られる;
D)酸素、低沸点の炭化水素、場合により炭素酸化物、および場合により不活性ガスを含む、凝縮できない低沸点のガス成分を、ガス流d2として、以下の工程
Da)ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素を、高沸点の吸収剤に吸収させる工程、ここで、C4炭化水素が負荷された吸収剤流、およびガス流d2が得られる、
Db)凝縮できないガスによるストリッピングにより、前記C4炭化水素が負荷された吸収剤流から酸素を除去する工程、
Dc)前記負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着させる工程、ここで、酸素を100ppm未満含むC4炭化水素流d1が得られる、
によりガス流c2から分離する工程、
E)C4生成物流d1を、ブタジエンのための選択的溶媒を用いる抽出蒸留により、ブタジエンおよび前記選択的溶媒を含む物質流e1と、n−ブテン類を含む物質流e2へと分離する工程、
F)ブタジエンおよび前記選択的溶媒を含む物質流e1を蒸留して、実質的に前記選択的溶媒からなる物質流f1と、ブタジエンを含む物質流f2にする工程。
工程A)では、n−ブテン類を含む出発ガス流aが準備される。
出発ガス流aとして、純粋なn−ブテン類(1−ブテンおよび/またはシス/トランス−2−ブテン)が使用されてよいが、ブテンを含む混合ガスが使用されてもよい。このような混合ガスは、例えば、n−ブタンの非酸化的脱水素により得ることができる。主成分としてn−ブテン類(1−ブテンおよびシス/トランス−2−ブテン)を含み、ナフサクラッカーのC4留分から、ブタジエンおよびイソブテンを分離して得られた留分が使用されてもよい。さらに、純粋な1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテンまたはそれらの混合物を含む混合ガス、およびエチレンの二量化により得られた混合ガスを出発ガスとして使用してもよい。さらに、出発ガスとして、流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking、FCC)により得られたn−ブテン類を含む混合ガスが使用されてよい。
本発明による方法の1つの実施態様では、前記n−ブテン類を含む出発混合ガスは、n−ブタンの非酸化的脱水素化により得られる。形成されたn−ブテン類の、非酸化的接触脱水素化と酸化的脱水素化とのカップリングにより、使用されるn−ブタンに対して高い収率のブタジエンが得ることができる。n−ブタンの非酸化的接触脱水素化では、ブタジエン、1−ブテン、2−ブテンおよび未反応のn−ブタンの他に副成分を含む混合ガスが得られる。通常の副成分は、水素、水蒸気、窒素、COおよびCO2、メタン、エタン、エテン、プロパンおよびプロペンである。第一脱水素化領域を離れる混合ガスの組成は、脱水素化の運転方式によって大きく変化しうる。例えば、酸素およびさらに水素を供給しながら脱水素化を実施する場合、生成物混合ガスは、比較的高い含有量の水蒸気および炭素酸化物を有する。酸素を供給しない運転方式では、非酸化的脱水素化の生成物混合ガスは、比較的高い含有量の水素を有している。
工程B)では、n−ブテン類を含む出発ガス流aおよび酸素含有ガスが、少なくとも1つの脱水化領域に供給されて、前記混合ガス中に含まれるブテンは、オキシ脱水素化触媒(Oxidehydrierungskatalysator)の存在下に脱水素化されてブタジエンになる。
オキシ脱水素化に好適な触媒は、一般に、Mo−Bi−Oを含む多金属酸化物系であって、一般にさらに鉄を含有する系を基礎とするものである。一般に、前記触媒系は、さらなる成分、例えば、カリウム、セシウム、マグネシウム、ジルコン、クロム、ニッケル、コバルト、カドミウム、スズ、鉛、ゲルマニウム、ランタン、マンガン、タングステン、リン、セリウム、アルミニウムまたはケイ素をさらに含んでいる。鉄を含むフェライトも、触媒として提案された。
好ましい実施態様では、前記多金属酸化物は、コバルトおよび/またはニッケルを含む。さらなる好ましい実施態様では、前記多金属酸化物は、クロムを含む。さらなる好ましい実施態様では、前記多金属酸化物は、マンガンを含む。
Mo−Bi−Fe−Oを含む多金属酸化物の例は、Mo−Bi−Fe−Cr−Oを含む多金属酸化物、またはMo−Bi−Fe−Zr−Oを含む多金属酸化物である。好ましい系は、例えば、US4,547,615(Mo12BiFe0.1Ni8ZrCr30.2xおよびMo12BiFe0.1Ni8AlCr30.2x)、US4,424,141(Mo12BiFe3Co4.5Ni2.50.50.1x+SiO2)、DE−A2530959(Mo12BiFe3Co4.5Ni2.5Cr0.50.1x、Mo13.75BiFe3Co4.5Ni2.5Ge0.50.8x、Mo12BiFe3Co4.5Ni2.5Mn0.50.1xおよびMo12BiFe3Co4.5Ni2.5La0.50.1x)、US3,911,039(Mo12BiFe3Co4.5Ni2.5Sn0.50.1x)、DE−A2530959およびDE−A2447825(Mo12BiFe3Co4.5Ni2.50.50.1x)に記載されている。
好適な多金属酸化物およびその製造は、さらにUS4,423,281(Mo12BiNi8Pb0.5Cr30.2x、およびMo12BibNi7Al3Cr0.50.5x)、US4,336,409(Mo12BiNi6Cd2Cr30.5x)、DE−A2600128(Mo12BiNi0.5Cr30.5Mg7.50.1x+SiO2)およびDE−A2440329(Mo12BiCo4.5Ni2.5Cr30.50.1x)に記載されている。
特に好ましい触媒活性の、モリブデンおよび少なくとも1つのさらなる金属を含む多金属酸化物は、一般式(Ia)を有する:
Figure 2016503820
[式中、
1は、Si、Mnおよび/またはAlであり、
2は、Li、Na、K、Csおよび/またはRbであり、
aは、0.2以上1以下であり、
bは、0.5以上10以下であり、
cは、0以上10以下であり、
dは、0以上10以下であり、
c+dは、2以上10以下であり、
eは、0以上2以下であり、
fは、0以上10以下であり、
gは、0以上0.5以下であり、
yは、電荷中性条件下に、(Ia)の酸素とは異なる元素の原子価および存在度(Haeufigkeit)により求められる数である]。
触媒であって、その触媒活性酸化物材料が、前記2つの金属CoおよびNiのうちCoのみを有する触媒が好ましい(dは、0である)。X1は、Siおよび/またはMnであるのが好ましく、X2は、K、Naおよび/またはCsであるのが好ましく、X2は、Kであるのが特に好ましい。
分子状酸素含有ガスは、一般に10体積%超、好ましくは15体積%超、さらにより好ましくは20体積%超の分子状酸素を含む。分子状酸素は、空気であるのが好ましい。分子状酸素の含有量の上限は、一般に、50体積%以下、好ましくは30体積%以下、さらにより好ましくは25体積%以下である。さらに、前記分子状酸素含有ガス中に、任意の不活性ガスが含まれていてよい。考えられる不活性ガスとして、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、CO、CO2および水を挙げることができる。不活性ガスの量は、窒素の場合、一般的に90体積%以下、好ましくは85体積%以下、さらにより好ましくは80体積%以下である。窒素以外の別の成分の場合、不活性ガスの量は、一般に、10体積%以下、好ましくは1体積%以下である。
n−ブテン類の全変換率で酸化的脱水素化を実施するために、分子状酸素とn−ブテン類の比が少なくとも0.5である混合ガスが好ましい。酸素とn−ブテン類の比が0.55〜10で実施されるのが好ましい。前記値を調節するために、出発物質ガスは、酸素または酸素含有ガス、例えば、空気、および場合によりさらなる不活性ガスまたは水蒸気が混合されてよい。得られる酸素含有混合ガスは、その後、オキシ脱水素化に供給される。
オキシ脱水素化の反応温度は、一般に、反応管を取り囲んでいる熱交換剤によって制御される。そのような液体熱交換剤として、例えば、塩、例えば、硝酸カリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウムおよび/または硝酸ナトリウムの溶融物、ならびに金属、例えば、ナトリウム、水銀および種々の金属の合金の溶融物が考慮される。しかし、イオン性液体または熱媒体油も使用可能である。前記熱交換剤の温度は、220〜490℃、好ましくは300〜450℃、特に好ましくは350〜420℃である。
進行する前記反応は発熱性であるため、反応器内部の特定区間の温度は、反応の間、前記熱交換剤の温度よりも高いことがあり、いわゆるホットスポットが生成する。ホットスポットの位置および高さは、反応条件により決まるが、触媒層の希釈比または混合ガスの流量により調節することもできる。ホットスポットの温度と前記熱交換剤の温度との差は、一般に、1〜150℃であり、好ましくは、10〜100℃であり、特に好ましくは、20〜80℃である。触媒床の端部の温度は、一般に、前記熱交換剤の温度を0〜100℃、好ましくは、0.1〜50℃、特に好ましくは、1〜25℃上回っている。
オキシ脱水素化は、先行技術から公知のあらゆる触媒床反応器、例えば、箱形炉、固定床管型反応器または管束反応器、またはプレート熱交換器で実施されてよい。管束反応器が好ましい。
酸化的脱水素化が、固定床管型反応器または固定床管束反応器で実施されるのが好ましい。反応管は、(管束反応器の別の構成部材と同様に)通常、鋼製である。反応管の壁厚は、一般的に1〜3mmである。その内径は、一般に(一様に)10〜50mm、または15〜40mm、多くの場合、20〜30mmである。管型反応器に収容される反応管の数は、一般に、少なくとも1000、または3000、または5000に達し、好ましくは少なくとも10000に達する。多くの場合、管束反応器に収容される反応管の数は、15000〜30000、または40000まで、または50000までである。反応管の長さは、通常の場合、数メートルであり、一般的に、反応管の長さは、1〜8m、多くの場合2〜7m、多くの場合、2.5〜6mの範囲である。
さらに、反応器内に設けられている触媒層は、単層から、または2つもしくは複数の層からなっていてよい。これらの層は、触媒からのみなっているか、または出発ガスもしくは反応の生成物ガスの成分と反応しない材料で希釈されていてよい。さらに、触媒層は、全活性材料(Vollmaterial)または担持されたシェル触媒からなっていてよい。
前記酸化的脱水素化を離れる生成物ガス流は、ブタジエンの他に、一般に、未反応の1−ブテンおよび2−ブテン、酸素、ならびに水蒸気を含んでいる。副成分として、前記生成物ガス流は、一般に、一酸化炭素、二酸化炭素、不活性ガス(主に窒素)、低沸点の炭化水素、例えば、メタン、エタン、エテン、プロパン、およびプロペン、ブタンおよびイソブタン、場合により水素、ならびに場合により酸素含有炭化水素、いわゆる含酸素化合物(Oxygenate)をさらに含む。
工程C)では、生成物ガス流bは、冷却されて、少なくとも1つの圧縮段階で圧縮され、ここで、水を含む少なくとも1つの凝縮物流c1、ならびにブタジエン、n−ブテン類、酸素、水蒸気、低沸点の炭化水素、場合により炭素酸化物、および場合により不活性ガスを含むガス流c2が得られる。
反応器出口の生成物ガス流は、前記触媒床の端部の温度に近い温度であることを特徴としている。前記生成物ガス流は、その後、150〜400℃、好ましくは、160〜300℃、特に好ましくは170〜250℃の温度にされる。前記生成物ガス流が貫流する導管を、所望の範囲の温度に保つために断熱することが可能であるが、しかし、熱交換器の使用が好ましい。この熱交換器系は、この系を用いて、前記生成物ガスの温度を所望の水準に保つことができる限り、任意である。熱交換器の例として、スパイラル式熱交換器、プレート式熱交換器、二重管熱交換器、多重管熱交換器、タンクスパイラル式熱交換器、タンクジャケット式熱交換器、液・液接触熱交換器、空気熱交換器、直接接触熱交換器ならびにフィンチューブ熱交換器を挙げることができる。前記生成物ガスの温度が、所望の温度に調節される間、前記生成物ガス中に含まれている高沸点の副生成物の一部が沈殿することがあり、したがって、前記熱交換器系は、好ましくは2つまたは複数の熱交換器を有しているのが望ましい。ここで、設けられた2つまたは複数の熱交換器が、並列に配置されており、このようにして、得られた生成物ガスを熱交換器内で分けて冷却することが可能である場合、熱交換器内に沈殿する高沸点の副生成物の量が減少するため、熱交換器の運転時間を延長することができる。上記方法の代替案として、設けられた2つまたは複数の熱交換器は、並列に配置されていてよい。生成物ガスは、ある程度の運転時間後に、別の熱交換器と交代する1つまたは複数の熱交換器に供給されるが、すべての熱交換器に供給されない。この方法では、冷却を継続し、反応熱の一部を回収して、それと同時並行に、複数の熱交換器の1つに沈殿した高沸点の副生成物を除去することができる。上記有機溶媒として、1つの溶媒が、高沸点の副生成物を溶解することができる限り、この溶媒を制限なしに使用してよく、その例として、芳香族炭化水素溶媒、例えば、トルエン、キシレンなど、ならびにアルカリ性水性溶媒、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液が使用されてよい。
続いて、冷却によって、前記高沸点の副生成物および水の大部分を生成物ガス流bから分離することができる。ここで、この冷却および分離は、クエンチで行われるのが好ましい。このクエンチは、1つまたは複数の段階からなっていてよい。生成物ガス流bが、冷却媒体と直接接触して、それによって冷却される方法が使用されるのが好ましい。冷却媒体として、水またはアルカリ性水溶液が使用されるのが好ましい。
2段階のクエンチが好ましい。生成物ガスの冷却温度は、反応器出口から得られる生成物ガス、および冷却媒体の温度により異なる。一般に、生成物ガスは、熱交換器の存在および温度水準に応じて、クエンチ入口の前で100〜440℃、好ましくは140〜300℃、特に好ましくは170〜240℃の温度に達しうる。クエンチへの生成物ガス注入口は、沈殿物による詰まりが、ガス注入口およびその直前で最小限に抑えられるか、または防止されるように設計されていなければならない。生成物ガスは、第一クエンチ段階で、冷却媒体と接触する。ここで、冷却媒体は、生成物ガスとできる限り効率のよい混合を達成するため、ノズルによって導入されてよい。同一の目的のために、前記クエンチ段階では、内部構造体、例えば、さらなるノズルが導入されてよく、生成物ガスおよび冷却媒体は、このノズルを一緒に通る必要がある。クエンチへの冷却剤注入口は、沈殿物による詰まりが、冷却剤注入口の範囲で最小限に抑えられるか、または阻止されるように設計されていなければならない。
一般に、生成物ガスは、第一クエンチ段階で、5〜180℃、好ましくは30〜130℃、さらにより好ましくは60〜90℃に冷却される。注入口での前記冷却媒体の温度は、一般に、25〜200℃、好ましくは40〜120℃、特に好ましくは50〜90℃であってよい。第一クエンチ段階の圧力は、特に制限されていないが、一般に、0.01〜4bar(ゲージ圧)、好ましくは0.1〜2bar(ゲージ圧)、特に好ましくは0.2〜1bar(ゲージ圧)である。生成物ガス中に高沸点の副生成物が多く存在している場合、高沸点の副生成物の間での重合、または高沸点の副生成物によってこの作業段階で引き起こされる、固体の副生成物の沈殿が起こりやすい。冷却塔で使用される冷却媒体は、多くの場合、循環させて使用されるため、共役ジエンの製造が連続的に継続される場合、固体の沈殿物によるブロックが起こりうる。1時間あたりのブタジエンの質量流量(グラム)に対する1時間あたりの冷却媒体の循環流量(リットル)は、一般に、0.0001〜5l/g、好ましくは、0.001〜1l/g、特に好ましくは0.002〜0.2l/gであってよい。
ODH反応の副生成物、例えば、酢酸、MSAなどは、低いpH値よりも高められたpH値でのほうが冷却媒体、例えば、水に溶解しうる。副生成物、例えば、上述の副生成物が、例えば、水のpH値を低下させるため、pH値は、アルカリ性媒体を添加することによって一定に保たれるか、または高めることができる。一般に、第一クエンチ段階の底部のpH値は、2〜14、好ましくは3〜13、特に好ましくは4〜12に維持される。pH値が酸性であればあるほど、供給しなければならないアルカリ性溶媒は少なくなる。塩基性であればあるほど、いくつかの副生成物はますます溶解しうる。しかし、きわめて高いpH値は、副生成物、例えば、CO2の溶解をもたらし、それによって、アルカリ性溶媒の消費量がきわめて高くなる。底部における冷却媒体の温度は、一般に、27〜210℃、好ましくは45〜130℃、特に好ましくは55〜95℃であってよい。冷却媒体の副成分による負荷は、時間の経過とともに増えるため、負荷された冷却媒体の一部を循環から取り出し、負荷されていない冷却媒体を添加することによって循環量を一定に保つことができる。流出量と添加量の割合は、生成物ガスの蒸気負荷および第一クエンチ段階の終わりの生成物ガス温度による。冷却媒体が水である場合、第一クエンチ段階における添加量は、一般に、流出量より少ない。
冷却され、副生成物が減った生成物ガス流は、ここで、第二クエンチ段階に供給されてよい。この第二クエンチ段階では、前記生成物ガス流は、ここで再び冷却溶媒と接触しうる。
一般に、前記生成物ガスは、第二クエンチ段階のガス出口までに、5〜100℃、好ましくは15〜85℃、より好ましくは30〜70℃に冷却される。冷却剤は、生成物ガスに対して向流で供給されてよい。この場合、冷却剤注入口での冷却媒体の温度は、5〜100℃、好ましくは15〜85℃、特に好ましくは30〜70℃であってよい。第二クエンチ段階の圧力は、特に制限されないが、一般に、0.01〜4bar(ゲージ圧)、好ましくは0.1〜2bar(ゲージ圧)、特に好ましくは0.2〜1bar(ゲージ圧)である。冷却塔で使用される冷却媒体は、多くの場合、循環させて使用されるため、共役ジエンの製造が連続的に継続される場合、固形の沈殿物によりブロックが起こることがある。1時間あたりのブタジエンの質量流量(グラム)に対する、1時間あたりの冷却媒体の循環流量(リットル)は、一般に、0.0001〜5l/g、好ましくは0.001〜1l/g、特に好ましくは0.002〜0.2l/gであってよい。
ODH反応の副生成物、例えば、酢酸、MSAなどは、低いpH値よりも高められたpH値でのほうが、冷却媒体、例えば水中に溶解しうる。副生成物、例えば、上述の副生成物の溶解が、例えば、水のpH値を低下させるため、pH値は、アルカリ性媒体を添加することによって一定に保つか、または高めることができる。一般に、第二クエンチ段階の底部のpH値は、1〜14、好ましくは2〜12、特に好ましくは3〜11に保たれる。pH値が酸性であればあるほど、供給しなければならないアルカリ性溶媒は少なくなる。塩基性であればあるほど、いくつかの副生成物はますます溶解しうる。しかし、きわめて高いpH値は、副生成物、例えば、CO2の溶解をもたらし、それによって、アルカリ性溶媒の消費量がきわめて高くなる。底部における冷却媒体の温度は、一般に、20〜210℃、好ましくは35〜120℃、特に好ましくは45〜85℃であってよい。冷却媒体の副成分による負荷は、時間の経過とともに増えるため、負荷された冷却媒体の一部を循環から取り出し、負荷されていない冷却媒体を添加することによって循環量を一定に保つことができる。流出量および添加量の割合は、生成物ガスの蒸気負荷および第二クエンチ段階の終わりの生成物ガス温度による。冷却媒体が水である場合、第二クエンチ段階における添加量は、一般に、流出量よりも多い。
生成物ガスと冷却媒体ができる限り充分に接触するように、内部構造体が第二クエンチ段階に存在していてよい。このような内部構造体には、例えば、バブルキャップトレイ、遠心式トレイ(Zentrifugalboeden)および/またはシーブトレイ、規則充填物、例えば、比表面積100〜1000m2/m3のシートメタル充填物を有する塔、例えば、Mellapak(登録商標)250Y、ならびに不規則充填塔が含まれる。
前記2つのクエンチ段階の循環は、互いに別個でも、互いに連結していてもよい。循環流の所望温度は、好適な熱交換器によって調節することができる。
前記クエンチから排気導管への液状成分の誘発沈殿を最小限に抑えるため、好適な構造的な措置(例えば、デミスターの組み込み)が講じられてよい。さらに、クエンチで生成物ガスから分離されない高沸点の物質は、さらなる構造的な措置、例えば、ガススクラバによって、生成物ガスから除去することができる。n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン、場合により、酸素、水素、水蒸気、わずかな量のメタン、エタン、エテン、プロパンおよびプロペン、イソブタン、炭素酸化物および不活性ガスが残留しているガス流が得られる。さらに、この生成物ガス流中には、クエンチで定量的に分離されなかった微量の高沸点の成分が残留していることがある。
続いて、工程C)では、クエンチからの生成物ガス流bが、少なくとも1つの圧縮段階で圧縮されて、その後さらに冷却され、ここで、水を含む少なくとも1つの凝縮物流c1が凝縮されて、ブタジエン、1−ブテン、2−ブテン、酸素、水素、場合により、低沸点の炭化水素、例えば、メタン、エタン、エテン、プロパンおよびプロペン、ブタンおよびイソブタン、場合により炭素酸化物、および場合により不活性ガスを含むガス流c2が残留する。
前記圧縮は、1段階または多段階で行われてよい。一般に、総じて、1.0〜4.0bar(絶対圧)の範囲の圧力から、3.5〜20bar(絶対圧)の範囲の圧力に圧縮される。それぞれの圧縮段階の後に冷却段階が続き、この冷却段階で、ガス流は、15〜60℃の範囲の温度に冷却される。したがって、凝縮物流は、多段階の圧縮で、複数の流を含んでいてもよい。前記凝縮物流は、一般に、少なくとも80質量%が、好ましくは少なくとも90質量%が水からなっており、その他にわずかな量の低沸点物、C4炭化水素、含酸素化合物および炭素酸化物を含んでいる。
ブタジエン、n−ブテン類、酸素、低沸点の炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン)、場合により水蒸気、場合により炭素酸化物、ならびに場合により不活性ガスを含むガス流c2は、出発ガス流としてさらなる後処理に供給される。
工程D)では、酸素、低沸点の炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン)、炭素酸化物および不活性ガスを含む、凝縮できない低沸点のガス成分は、ガス流d2として、高沸点の吸収剤におけるC4炭化水素の吸収、および後続のC4炭化水素の脱着による、以下の工程
Da)ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素を、高沸点の吸収剤に吸収させる工程、ここで、C4炭化水素が負荷された吸収剤流、およびガス流d2が得られる、
Db)不活性ガスによるストリッピングにより、前記C4炭化水素が負荷された吸収剤流から酸素を除去する工程、
Dc)前記負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着させる工程、ここで、実質的にC4炭化水素からなり、酸素を100ppm未満含むC4生成物ガス流d1が得られる
によりガス流c2から分離される。
前記C4生成物ガス流は、酸素を50ppm未満、特に好ましくは20ppm未満、特に好ましくは10ppm未満含むのが好ましい。
さらに、吸収段階Da)では、水分離後に得られたガス流c2は、不活性の吸収剤と接触して、C4炭化水素は、不活性の吸収剤に吸収され、ここで、C4炭化水素が負荷された吸収剤と、その他のガス成分を含む排ガスが得られる。脱着段階では、C4炭化水素は、高沸点の吸収剤から再び遊離される。
吸収段階は、それぞれ任意の、当業者に公知の好適な吸収塔で実施されてよい。吸収は、生成物ガス流を吸収剤に単に導通させるだけで行うことができる。しかし、吸収は、塔または回転吸収体で行われてもよい。ここで、並流、向流または交差流で運転することができる。吸収は、向流で実施されるのが好ましい。好適な吸収塔は、例えば、バブルキャップトレイ、遠心トレイおよび/またはシーブトレイを有する棚段塔、規則充填物、例えば、100〜1000m2/m3の比表面積を有するシートメタル充填物を有する塔、例えば、Mellapak(登録商標)250 Y、ならびに不規則充填塔である。しかし、トリクル塔(Rieseltuerme)および噴霧塔、グラファイトブロック吸収体、表面吸収体、例えば、厚膜吸収体および薄膜吸収体、ならびに回転カラム、プレートスクラバ、クロスベールスクラバ(Kreuzschleierwaescher)およびロータリースクラバも考慮される。
1つの実施態様では、吸収塔に下側領域で、ブタジエン、n−ブテン類および低沸点であり、凝縮できないガス成分を含むガス流2が供給される。吸収塔の上側領域に、高沸点の吸収剤が送り込まれる。
吸収段階で使用される不活性の吸収剤は、一般に、高沸点の非極性溶媒であり、この溶媒中で、分離されるC4炭化水素混合物は、分離されるその他のガス成分よりも明らかに高い溶解度を有する。好適な吸収剤は、比較的非極性の有機溶媒であり、例えば、脂肪族C8〜C18アルカン、または芳香族炭化水素、例えば、パラフィン蒸留の中油留分、トルエンまたは嵩高い基を有するエーテル、またはそれらの溶媒の混合物であり、ここで、前記非極性有機溶媒に、極性溶媒、例えば、1,2−ジメチルフタレートが添加されてよい。好適な吸収剤は、さらに、安息香酸およびフタル酸と直鎖のC1〜C8アルカノールとのエステル、ならびにいわゆる熱媒油、例えば、ビフェニルおよびジフェニルエーテル、それらのクロロ誘導体ならびにトリアリールアルケンである。好適な吸収剤は、ビフェニルおよびジフェニルエーテルからの混合物、好ましくは、共沸的組成における混合物、例えば、市販のDiphyl(登録商標)である。多くの場合、前記溶媒混合物は、ジメチルフタレートを0.1〜25質量%の量で含む。
好ましい吸収剤は、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカンおよびオクタデカン、または主成分として前記線状アルカンを含む、製油所流から得られる留分である。
好ましい実施態様で、吸収のための溶媒として、アルカン混合物、例えば、テトラデカン(工業的C14〜C17カット)が使用される。
吸収塔の頂部では、実質的に、酸素、低沸点の炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン)、場合によりC4炭化水素(ブタン、ブテン、ブタジエン)、場合により不活性ガス、場合により炭素酸化物、および場合によりさらに水蒸気を含む排ガス流が取り出される。この物質流は、部分的にODH反応器に供給されてよい。したがって、例えば、ODH反応器の導入部は、所望のC4炭化水素含有量に調節することができる。
吸収塔の底部で、さらなる塔において、ガスによる洗浄により、吸収剤中に溶解した酸素の残分が排出される。残留する酸素含分は、脱着塔を離れる流であり、ブタン、ブテンならびにブタジエンを含む流d1が、酸素をわずかに最大100ppmしか含んでいない程度に少ないのが望ましい。
酸素のストリッピング除去は、いずれの任意の当業者に公知の好適な塔で実施されてよい。ストリッピングは、凝縮できないガス、好ましくは不活性ガス、例えば、窒素を、負荷された吸収溶液に単に導通させるだけで行うことができる。ストリッピング除去されたC4は、前記ガス流を吸収塔に通すことによって、前記吸収溶液に戻して洗浄される。これは、好ましい実施態様では、吸収塔の下方にストリッピング塔を直接取り付けることによって行うことができる。ストリッピング塔部および吸収塔部における圧力が、本発明によれば同じであるため、直接的に連結することができる。好適なストリッピング塔は、例えば、バブルキャップトレイ、遠心トレイおよび/またはシーブトレイを有する棚段塔、規則充填物、例えば、100〜1000m2/m3の比表面積を有するシートメタル充填物、例えば、Mellapak(登録商標)250 Y、ならびに不規則充填塔である。しかし、トリクル塔および噴霧塔、ならびに回転カラム、プレートスクラバ、クロスベールスクラバおよびロータリースクラバも考慮される。好適なガスは、例えば、窒素またはメタンである。
前記C4炭化水素が負荷された吸収剤流は、続いて、脱着塔に通される。1つの方法別形では、脱着工程Dc)は、前記負荷された吸収剤の放圧および/または加熱により実施される。好ましい方法別形は、ストリッピング蒸気の添加、および/または脱着塔の底部における新たな蒸気の供給である。C4炭化水素が減少した吸収剤は、凝縮された水蒸気と一緒に混合物として相分離に供給されてよい。
前記吸収剤は、水蒸気によるストリッピングの後に、高沸点溶媒70〜100質量%、および水0〜30質量%、特に好ましくは高沸点溶媒80〜100質量%、および水0〜20質量%、特に高沸点溶媒85〜95質量%、および水5〜15質量%を含んでいるのが好ましい。脱着段階で再生された吸収剤は、吸収段階に返送される。
実質的にn−ブタン、n−ブテン類およびブタジエンからなるC4生成物ガス流d1は、一般に、ブタジエン20〜80体積%、n−ブタン0〜80体積%、1−ブテン0〜10体積%、および2−ブテン0〜50体積%を含み、ここで、総量は、100体積%になる。さらに、少量のイソブタンが含まれていることがある。
4生成物流d1は、続いて、ブタジエンのための選択的溶媒を用いる抽出蒸留により、ブタジエンおよび前記選択的溶媒を含む物質流e1と、n−ブテン類を含む物質流e2へと分離される。
実質的にn−ブタンと2−ブテンとからなる流f2は、全部または部分的にODH反応器のC4供給部に供給されてよい。この返送流のブテン異性体が、実施的に2−ブテンからなり、および2−ブテンが、一般に、酸化的脱水素化されてブタジエンになるのが1−ブテンよりも遅いため、この返送流は、ODH反応器への供給前に触媒により異性体化されてよい。それによって、異性体分布は、熱力学平衡に存在する異性体分布に相応して調節することができる。
前記抽出蒸留は、例えば、「Erdoel und Kohle−Erdgas−Petrochemie」(第34巻(8)、343〜346ページ)、または「Ullmanns Enzyklopaedie der Technischen Chemie」(第9巻、1975年第4版、1〜18ページ)に記載の通り、実施されてよい。そのために、前記C4生成物ガス流は、抽出剤、好ましくはN−メチルピロリドン(NMP)/水混合物と抽出塔で接触する。抽出領域は、一般に、洗浄塔の形状で仕上げられていて、棚段、不規則充填物または規則充填物を内部構造体として含む。この抽出領域は、一般に、30〜70の理論分離段を有しており、それによって、充分に優れた分離作用が達成される。前記洗浄塔は、塔頂部に逆洗領域を有しているのが好ましい。この逆洗領域は、気相中に含まれる抽出剤を、液状の炭化水素還流によって回収するために用いられ、そのために、頂部留分は、あらかじめ凝縮される。抽出剤と抽出領域の供給流中のC4生成物ガス流の質量比は、一般に、10:1〜20:1である。抽出蒸留は、100〜250℃の範囲の底部温度で、特に110〜210℃の範囲の温度で、10〜100℃の範囲、特に20〜70℃の範囲の頂部温度で、および1〜15barの範囲、特に3〜8barの範囲の圧力で運転されるのが好ましい。抽出蒸留塔は、5〜70の理論分離段を有するのが好ましい。
好適な抽出剤は、ブチロラクトン、ニトリル、例えば、アセトニトリル、プロパンニトリル、メトキシプロパンニトリル、ケトン、例えば、アセトン、フルフラール、N−アルキル置換低級脂肪族酸アミド、例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、N−フォルミルモルホリン、N−アルキル置換された環状酸アミド(ラクタム)、例えば、N−アルキルピロリドン、特にN−メチルピロリドン(NMP)である。一般に、アルキル置換低級脂肪族酸アミドまたはN−アルキル置換環状酸アミドが使用される。ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、フルフラールが特に有利であり、およびNMPが殊に有利である。
しかし、前記抽出剤の混合物、例えば、NMPおよびアセトニトリルの混合物、前記抽出剤と助溶媒および/またはtert−ブチルエーテルとの混合物、例えば、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、プロピルーtert−ブチルエーテル、n−ブチル−tert−ブチルエーテルまたはイソブチル−tert−ブチルエーテルが使用されてもよい。NMPが特に好適であり、水を0〜20質量%、特に好ましくは水を7〜10質量%、殊に水を8.3質量%有する、水溶液のNMPが好ましい。
抽出蒸留塔の頂部生成物流は、実質的に、ブタンおよびブテンおよび少量のブタジエンを含んでおり、気体状または液状で取り出される。一般に、実質的にn−ブタンと2−ブテンとからなる流は、n−ブタン50〜100体積%、2−ブテン0〜50体積%、およびさらなる成分、例えば、イソブタン、イソブテン、プロパン、プロペン、およびC5 +炭化水素0〜3体積%を含む。
工程F)では、ブタジエンおよび選択的溶媒を含む流e1は、実質的に前記選択的溶媒からなる物質流f1とブタジエンを含む物質流f2に蒸留分離される。
抽出蒸留塔の底部で得られる物質流e1は、一般的に抽出剤、水、ブタジエンおよび少ない割合のブテンおよびブタンを含んでおり、蒸留塔に供給される。この蒸留塔で、頂部を介してブタジエンを得ることができる。蒸留塔の底部で、抽出剤および場合により水を含む物質流が生じ、ここで、この抽出剤および水を含む物質流の組成は、抽出に添加される組成に相当する。抽出剤および水を含む物質流は、抽出蒸留に返送されるのが好ましい。
1つの別形では、蒸留塔において、ブタジエンおよび抽出剤を含む側方排出流が得られ、脱着領域に移される。この脱着領域は、例えば、2〜30、好ましくは5〜20の理論段、および場合により、例えば4つの理論段を備える逆洗領域を有する洗浄塔の形態で仕上げられていてよい。これらの逆洗領域は、気相中に含まれる抽出剤を、液状の炭化水素還流を用いて回収するために用いられ、そのために、ブタジエンからの頂部留分は、あらかじめ凝縮される。内部構造体として、規則充填物、棚段塔または不規則充填物が設けられている。蒸留は、100〜300℃の範囲、特に150〜200℃の範囲の底部温度、および0〜70℃の範囲、特に10〜50℃の範囲の頂部温度で実施されるのが好ましい。ここで、蒸留塔内の圧力は、1〜10barの範囲であるのが好ましい。一般に、脱着領域では、抽出領域と比べて減少された圧力および/または高められた温度が存在する。
塔頂で得られる有価生成物流は、一般に、ブタジエン90〜100体積%、2−ブテン0〜10体積%、およびn−ブタンおよびイソブタン0〜10体積%を含む。前記ブタジエンをさらに精製するために、さらなる蒸留を先行技術に準拠して実施することができる。
本発明を、以下の例によって詳細に説明する。
本発明による方法の実施態様を示す図

例1:
本発明による方法の実施態様は、図1に示されている。図1において符号は以下を意味する:
1:O2、N2、C4炭化水素、CO、CO2、H2Oを有するプロセスガス流
2:ストリッピング媒体(凝縮できないガス)
5:C4炭化水素が負荷された吸収溶液(冷却状態)
4:O2、N2、CO、CO2を有する排ガス流
6:C4炭化水素が負荷された吸収溶液(加熱された)
8:H2Oを有する、負荷されていない吸収溶液
11:負荷されていない吸収溶液
12:負荷されていない水
13:C4炭化水素流(気体状)
14:C4炭化水素(液状の還流)
15:抽出蒸留のための気体状のC4炭化水素流(不活性ガスをまだ含有する)
16:抽出蒸留のための凝縮されたC4炭化水素流。
圧縮器を離れるプロセスガス混合物は、40℃および第1表に示される組成でもって、流1として、60段を含む吸収塔の第30段目でこの吸収塔に入る。前記塔の頂部圧力は、10bar(絶対値)であり、バブルキャップトレイを有する。
Figure 2016503820
吸収塔において、プロセスガス流1は、主に、水で飽和されたテトラデカンからなる、上から供給される吸収剤流11に対して向流で流される。ここで、前記吸収剤は、C4炭化水素および少ない割合の凝縮できないガスを吸収するのが好ましい。吸収剤流11とプロセスガス流1の質量比は、2.9:1である。前記塔の下部は、ストリッピング塔として利用され、温度35℃の窒素(流2)が、前記塔の最下段から、負荷された前記吸収剤流に向かって通される。吸収剤流と窒素流2の質量比は、98:1である。このストリッピングにより、C4成分が負荷された吸収剤流から酸素が除去され、流5は、46.6℃および第2表に示される組成でもって前記吸収塔から排出される。
Figure 2016503820
凝縮できないガスは、主に、流4として、温度35℃および第3表に示される組成でもって、前記吸収塔の頂部を介してこの塔を離れる。
Figure 2016503820
吸収剤流5は、50℃に加熱されて、流6として、36段のバブルキャップトレイを含む脱着塔の第30段目でこの脱着塔に入る。この脱着塔は、5.5bar(絶対圧)の頂部圧力で運転されており、この塔内で、C4炭化水素は、156℃の熱い水蒸気流12によって、前記吸収混合物からストリッピング除去される。水とそれ以上負荷されない吸収剤とからの混合物は、温度155℃の流8として、前記脱着塔の底部を離れるものであり、第4表に記載の組成を有する。
Figure 2016503820
流8は、続いて35℃に冷却され、10bar(絶対圧)に圧縮されて、デカンタ10内で、テトラデカンの豊富な流11と水性流12へと分離される。
前記脱着塔の頂部で、C4成分は、流13として温度48℃および第5表に示される組成で取り出され、続いて、15℃に冷却されて、それによって部分的に凝縮される。
Figure 2016503820
前記凝縮物は、部分的に、前記脱着塔の頂部に返送される。ここで、流14と流15の質量比は、1:1である。気体状の流15および液状の流16の組成は、第6表に記載されている。
Figure 2016503820
前記運転条件では、C4吸収/脱着の後のガス流中の酸素濃度10ppmが達成される。
例2:
本発明による考えのさらなる別形は、図1に示されている。図1を参照して、図中の符号は以下を意味する:
1:O2、N2、C4、H2Oを有するプロセスガス流
2:ストリッピング媒体(凝縮できないガス)
5:C4が負荷された吸収溶液(冷却状態)
4:O2、N2を有する排ガス流
6:C4が負荷された吸収溶液(加熱された)
8:H2Oを有する、負荷されていない吸収溶液
11:負荷されていない吸収溶液
12:負荷されていない水
13:C4流(気体状)
14:C4流(液状の還流)
16:抽出蒸留のための凝縮されたC4
15:抽出蒸留のための気体状のC4流(不活性ガスをまだ含有する)。
前記圧縮器を離れるプロセスガス混合物は、41℃および第7表に示される組成でもって、流1として、40段の実際段を含む吸収塔の実際段の第10段目でこの吸収塔に入る。前記塔の頂部圧力は、10bar(絶対圧)であり、バブルキャップトレイを有する。以下の表に示される体積割合の測定は、クロマトグラフィーにより行われた。ここで、較正は、外部標準を用いて行われる。
Figure 2016503820
前記吸収塔では、プロセスガス流は、主に、水で飽和されたメスチレン(1,3,4−トリメチルベンゼン)からなる、上から供給される吸収剤流11と向流で流れる。ここで、前記吸収剤は、C4炭化水素およびわずかな割合の凝縮できないガスを吸収するのが好ましい。前記吸収剤流11とプロセスガス流1の質量比は、2.9:1である。前記塔の下部は、ストリッピング塔として利用され、温度35℃の窒素(流2)が、前記塔の最下段から、負荷された前記吸収剤流に向かって通される。負荷された吸収剤流と窒素流2の質量比は、328:1である。このストリッピング除去によって、C4成分が負荷された吸収剤流から酸素が除去されて、流5は、43℃で前記吸収塔から排出される。
前記凝縮できないガスは、主に流4として、温度35℃および第8表に示される組成でもって、前記吸収塔の頂部を介してこの塔を離れる。
Figure 2016503820
吸収剤流5は、75℃に加熱されて、流6として、36段のバブルキャップトレイを含む脱着塔の第30段目でこの脱着塔に入る。前記脱着塔は、5.5bar(絶対圧)の頂部圧力で運転されて、前記塔内で、C4炭化水素は、156℃の熱い水蒸気流12によって、前記吸収混合物からストリッピング除去される。水と、それ以上負荷されない吸収剤とからの混合物は、温度157℃の流8として前記脱着塔の底部を離れるものであり、第9表に示される組成を有する。
Figure 2016503820
流8は、続いて35℃に冷却され、10bar(絶対圧)に圧縮され、デカンタ10内で、メシチレンの豊富な流11と水性流12へと分離される。
前記脱着塔の頂部で、C4成分は、流13として温度45.8℃で取り出され、続いて、13.8℃に冷却されて、それによって、部分的に凝縮される。前記凝縮物は、部分的に、前記脱着塔の頂部に返送される。ここで、流14と流16の質量比は、1:1.05である。気体状の流15および液状の流16の組成は、第10表に記載されている。
Figure 2016503820
流15および流16における酸素濃度の合計は、この試験では231ppmであった。つまり、本発明によれば、著しい酸素除去が達成された。酸素含有量のさらなる低減は、窒素流2の増加によって達成可能である。
1 プロセスガス流
2 ストリッピング媒体
3 吸収塔
4 排ガス流
5 C4炭化水素が負荷された吸収溶液(冷却状態)
6 C4炭化水素が負荷された吸収溶液(加熱された)
7 脱着塔
8 H2Oを有する、負荷されていない吸収溶液
9 H2Oを有する、負荷されていない吸収溶液
10 デカンタ
11 負荷されていない吸収溶液
12 負荷されていない水
13 C4炭化水素流(気体状)
14 C4炭化水素(液状の還流)
15 抽出蒸留のための気体状のC4炭化水素流(不活性ガスをまだ含有する)
16 抽出蒸留のための凝縮されたC4炭化水素流

Claims (3)

  1. n−ブテン類からのブタジエンの製造方法であって、以下の工程:
    A)n−ブテン類を含む出発ガス流aを準備する工程;
    B)n−ブテン類を含む出発ガス流aおよび酸素含有ガスを、少なくとも1つの脱水素化領域に供給し、n−ブテン類を酸化的脱水素化してブタジエンにする工程、ここで、ブタジエン、未反応のn−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点の炭化水素、場合により炭素酸化物、および場合により不活性ガスを含む生成物ガス流bが得られる;
    C)生成物ガス流bを、少なくとも1つの圧縮段階で冷却および圧縮する工程、ここで、水を含む少なくとも1つの凝縮物流c1と、ブタジエン、n−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点の炭化水素、場合により炭素酸化物、および場合により不活性ガスを含むガス流c2が得られる;
    D)酸素、低沸点の炭化水素、場合により炭素酸化物、および場合により不活性ガスを含む、凝縮できない低沸点のガス成分を、ガス流d2として、以下の工程
    Da)ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素を、高沸点の吸収剤に吸収させる工程、ここで、C4炭化水素が負荷された吸収剤流とガス流d2が得られる、
    Db)不活性ガスによるストリッピングにより、前記C4炭化水素が負荷された吸収剤流から酸素を除去する工程、
    Dc)前記負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着させる工程、ここで、酸素を100ppm未満含むC4生成物ガス流d1が得られる、
    によりガス流c2から分離する工程、
    E)C4生成物流d1を、ブタジエンのための選択的溶媒を用いる抽出蒸留により、ブタジエンおよび該選択的溶媒を含む物質流e1と、n−ブテン類を含む物質流e2へと分離する工程;
    F)ブタジエンおよび前記選択的溶媒を含む物質流e1を蒸留して、実質的に該選択的溶媒からなる物質流f1と、ブタジエンを含む物質流f2にする工程
    を含む前記n−ブテン類からのブタジエンの製造方法。
  2. 工程Db)において、不活性ガスがストリッピングガスとして使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程Dc)で得られるC4生成物ガス流が、酸素を20ppm未満含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
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