JP2017502988A - n−ブテンを酸化的脱水素するための反応器の起動法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、起動段階及び運転段階を有する、n−ブテンからブタジエンを製造する方法であって、ここで、該方法が、前記運転段階において、以下の工程:A)n−ブテンを含有する供給ガス流a1を準備する工程;B)前記n−ブテンを含有する供給ガス流a1、酸素含有ガス流a2及び酸素含有循環ガス流d2を少なくとも1つの酸化的脱水素ゾーンに供給し、n−ブテンを酸化的脱水素してブタジエンを形成して、ブタジエン、未反応のn−ブテン、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、高沸点副成分、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有する生成物ガス流bを得る工程;C)前記生成物ガス流bを冷却及び圧縮し、かつ前記高沸点副成分の少なくとも一部を凝縮して、少なくとも1つの水性凝縮物流c1と、ブタジエン、n−ブテン、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有するガス流c2とを得る工程;D)前記ガス流c2を吸収ゾーンに供給し、かつ酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含む非凝縮性かつ低沸点のガス構成成分を、ブタジエン及びn−ブテンを含むC4炭化水素を吸収剤に吸収させることによってガス流dとして前記ガス流c2から分離して、C4炭化水素で負荷された吸収剤流及び前記ガス流dを得て、かつ、場合によりパージガス流pの分離後に、前記ガス流dを循環ガス流d2として前記酸化的脱水素ゾーンに返送する工程を含み、並びに、前記起動段階が、以下の工程:i)酸素含有ガス流及び不活性ガス流を、前記循環ガス流d2の酸素含有率が前記運転段階における前記循環ガス流d2の酸素含有率の80%までに相当する比で、前記脱水素ゾーンに供給する工程;ii)前記循環ガス流d2を、前記運転段階における前記循環ガスd2の体積流量の少なくとも70%に調節する工程;iii)任意に、前記運転段階における前記循環ガス流d2の酸素含有率の30〜80%の前記循環ガス流d2の初期酸素含有率で、水蒸気流a3を前記脱水素ゾーンに供給する工程;iv)前記運転段階における前記循環ガス流d2の酸素含有率の30〜80%の前記循環ガス流d2の初期酸素含有率で、前記運転段階における流量よりも小さい体積流量を有する酸素含有ガス流a2’及びブテン含有供給ガス流a1’を、k=a2’/a1’の比で供給し、かつ前記ガス流a1’及びa2’の前記体積流量を、前記運転段階における前記ガス流a1及びa2の体積流量に達するまで上昇させ、ここで、前記循環ガス流d2は、前記運転段階における前記体積流量の少なくとも70%かつ最大で120%である工程を含む。
Description
本発明は、酸化的脱水素(ODH;oxidative dehydrogenation)によってn−ブテンから1,3−ブタジエンを製造するための反応器を起動する方法に関する。
ブタジエンは、重要な基礎化学品であり、かつ、例えば合成ゴム(ブタジエンホモポリマー、スチレン−ブタジエンゴム若しくはニトリルゴム)の製造のために又は熱可塑性ターポリマー(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー)の製造のために用いられる。ブタジエンは、そのうえ、スルホラン、クロロプレン及び1,4−ヘキサメチレンジアミンに(1,4−ジクロロブテン及びアジピン酸ジニトリルを介して)変換される。そのほかに、ブタジエンの二量体化によって、ビニルシクロヘキサンを作り出すことが可能であり、これはスチレンに脱水素することができる。
ブタジエンは、飽和炭化水素の熱分解(水蒸気クラッキング)によって製造することができ、ここで、通常は、ナフサが出発原料として用いられる。ナフサの水蒸気クラッキングの場合、メタン、エタン、エテン、アセチレン、プロパン、プロペン、プロピン、アレン、ブタン、ブテン、ブタジエン、ブチン、メチルアレン、C5以上の炭化水素より成る炭化水素混合物が発生する。
ブタジエンは、n−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン)の酸化的脱水素によっても得ることができる。ブタジエンを得るためのn−ブテンの酸化的脱水素(オキシ脱水素、ODH)用の供給ガス(出発ガス)として、n−ブテンを含有する任意のあらゆる混合物を使用することができる。例えば、主成分としてn−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン)を含有し、かつナフサ分解生成物のC4留分からブタジエン及びイソブテンの分離によって得られた留分を使用することが可能である。さらに、出発ガスとして、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン又はそれらの混合物を含み、かつエチレンの二量体化によって得られたガス混合物も用いることができる。そのうえ、出発ガスとして、流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking, FCC)によって得られた、n−ブテンを含有するガス混合物も用いることができる。
ブテンを含有するガス流の反応は、大規模工業的には、一般に、熱媒体としての塩浴中で運転される多管式固定床反応器において実施される。生成物ガス流は、反応器の下流で、クエンチング段階における冷媒(冷却剤)との直接接触によって冷却され、引き続き圧縮される。次いでC4成分は吸収塔内で有機溶媒に吸収される。不活性ガス、低沸点物、CO、CO2などが塔頂部を介して抜ける。この塔頂流は、部分的に循環ガスとしてODH反応器に供給される。炭化水素及び酸素が、爆発性雰囲気を作り出すことがある。可燃性ガス構成成分(主に炭化水素及びCO)の濃度は、爆発下限界[unteren Explosionsgrenze(UEG)又はlower explosive limit(LEL)]より低いか又は爆発上限界[oberen Explosionsgrenze(OEG)又はupper explosive limit(UEL)]より高くてよい。爆発下限界より低いと、爆発性ガス混合物が形成し得ることなく、酸素濃度を自由に選択することができる。しかしながら、そのときの供給ガス(出発ガス)の濃度は低く、このことは経済的に好ましくない。それゆえ、爆発上限界よりも高いところで反応ガス混合物と反応することが有利である。この場合、爆発につながり得るかどうかは、酸素濃度に依存する。特定の酸素濃度、すなわち、LOC(限界酸素濃度;limiting oxygen concentration)より低いと、爆発性ガス混合物が形成し得ることなく、可燃性ガス構成成分の濃度を自由に選択することができる。UEG(又はLEL)、OEG(又はUEL)だけでなくLOCも温度及び圧力に依存する。
他方で、ブタジエンを得るためのn−ブテンの酸化的脱水素における酸素濃度に応じて、コークス前駆体が形成することがあり、該コークス前駆体は、最終的に複合金属酸化物触媒のコークス化(炭化)、失活及び不可逆的な破壊をもたらすことがある。このことは、反応器の入口でのオキシ脱水素の反応ガス混合物中の酸素濃度がLOCより高い場合にも起こり得る。
かかる触媒系の過剰量の酸素の必要性は、一般的に知られており、かつ、この種の触媒を使用したときの方法条件として表れる。代表例として、Jung et al.の比較的最近の論文(Catal. Surv. Asia 2009, 13, 78-93; DOI 10.1007/s10563-009-9069-5 and Applied Catalysis A: General 2007, 317, 244-249; DOI 10.1016/j.apcata.2006.10.021)が挙げられる。
しかしながら、炭化水素、例えばブタン、ブテン及びブタジエン又は後処理セクションにおいて使用される有機吸収剤に加えて高い酸素濃度が存在することは、危険と隣り合わせである。そうして爆発性ガス混合物が形成することがある。爆発性領域に近接して作業される(反応が行われる)場合、プロセスパラメータの変動によってこの領域に入り込むことを技術的に防ぐことが常に可能というわけではない。爆発のリスク及び触媒のコークス化(炭化)に鑑みて特に肝心なのが、反応器が起動されて反応ガス混合物が通流する期間(時間)である。
ブタジエンを得るためのブテンの酸化的脱水素法は、原則的には知られている。
US2012/0130137A1は、例えば、モリブデン、ビスマス及び一般に更なる金属の酸化物を含有する触媒を使用したかかる方法を記載している。酸化的脱水素用のかかる触媒の持続的な活性のために、ガス雰囲気中で臨界最小規模の酸素分圧が、触媒の実質的な還元ひいては性能損失を回避するために必要である。こうした理由から、一般に、化学量論量の酸素投入量又はオキシ脱水素反応器(ODH反応器)中での完全な酸素変換でもって作業することは可能ではない。US2012/0130137A1には、例えば、生成物ガス中で2.5〜8体積%の酸素含有率が記載されている。
殊に、段落[0017]には、反応工程後の場合によっては爆発性であり得る混合物の形成の問題が論じられている。殊に、反応セクションにおいて爆発上限界より高い、いわゆる“リッチ”な運転モードの場合には、後処理における有機構成成分の大部分の吸収後に、ガス組成物がリッチからリーンなガス混合物に移行しながら爆発性領域を横切る問題が存在することが指摘されている。そのため、段落[0061]〜[0062]には、酸化的脱水素反応器中に導入されたガス混合物中での可燃性ガス構成成分の濃度が爆発上限界より高いことと、酸化的脱水素反応の起動時にまず反応器入口での混合ガス中の酸素濃度を、まず第一に、反応器中に導かれた酸素を含有するガス及び水蒸気の量を調節し、次いで、可燃性ガス(実質的には出発ガス)の導入を開始することによって、限界酸素濃度(LOC)より低い値に調節することとが発明に沿って必要であると説明されている。引き続き、酸素を含有するガス、例えば空気、及び可燃性ガスの導入量を高めてよく、そうして混合ガス中の可燃性ガス構成成分の濃度が爆発上限界より大きくなる。可燃性ガス構成成分及び酸素を含有するガスの導入量が増大したらすぐに、他方においては、混合ガスの導入量が安定し続けるように窒素及び/又は水蒸気の導入量が下げられる。
他方で、連続してリーンな運転モードの場合には、反応セクションにおいてコークス化(炭化)による触媒失活のリスクが存在することも指摘される。しかしながら、US2012/0130137A1は、この問題の解決手段を挙げていない。
ところで、段落[0106]には、吸収工程における爆発性雰囲気の発生が、例えば、吸収工程前の窒素によるガス流の希釈によって回避され得ることが言及されている。段落[0132]以降の吸収工程のより詳しい記載においては、爆発性ガス混合物の形成の問題はそれ以上検討されていない。
該文献中には、触媒のコークス化(炭化)が防止されるよう、いかなる条件が守られなければならないかは記載されていない。さらに、該文献は、循環ガスの運転モードを用いた方法に関するものではない。さらに、流れは連続してセットされ、このことは高い運転費用を意味する。
JP−A−2010−280653(特開2010−280653)は、ODH反応器の起動を記載している。該反応器は、触媒失活又は圧力損失の上昇が起こることなく起動されている。これは、反応器を100時間以内に全負荷の80%超で運転することによって成し遂げられている。段落[0026]には、本発明により反応器に原料ガスを供給し始めてから100時間未満の反応の開始時に、反応器に供給される単位時間当たりの原料ガスの量を、最高許容供給量の80%超に調節し、かつ、この時間を通じて、原料ガスと一緒に反応器中に導入された窒素ガス、酸素元素を含有するガス及び水蒸気の供給量を、原料ガス、窒素ガス、酸素元素を含有するガス及び水蒸気より成る混合ガスの組成が爆発範囲に入らないように調整することが記されている。該文献中には、触媒のコークス化(炭化)が防止されるよう、いかなる条件が守られなければならないかは記載されていない。さらに、該文献は、循環ガスの運転モードを用いた方法に関するものではない。さらに、該文献は、この方法の後処理セクションにおける爆発の問題を考察していない。
EP1180508は、接触気相部分酸化用の反応器の起動を記載している。具体的に記載されているのは、アクロレインを得るためのプロピレンの酸化である。記載されているのは、反応器の起動時に、反応ガス混合物中の酸素含有率がLOCより大きく、かつ可燃性構成成分の濃度がUEG(又はLEL)より小さい範囲を通過する方法である。定常運転状態において、そのときO2濃度はLOCより小さく、かつ可燃性ガス構成成分の濃度はOEG(又はUEL)より大きい。
DE10232482は、アクロレイン及び/又はアクリル酸を得るためのプロピレンの気相部分酸化用の酸化反応器のコンピュータ支援停止機構による安全な運転法を記載している。これは、爆発線図の記録、循環ガス中のO2濃度及びC3炭化水素濃度の測定によるC4及びO2の濃度決定、並びに循環ガス、C3炭化水素流及び酸素含有ガスの体積流量に基づいている。段落[0076]〜[0079]には、反応器の起動が記載されている。段落[0079]には、希釈ガス(水蒸気及び/又は循環ガス)の流入量が、例えば最大可能な空気供給量の70%である最小値に上昇したときに初めて、まず空気を、次にプロペンの供給を始めるための許可が与えられることが書かれている。その際、循環ガス中のO2の濃度は、起動プロセス時に早くも定常運転(3.3体積%)と同じである。
本発明の課題は、ブタジエンを得るためのn−ブテンの酸化的脱水素用の反応器及び生成物ガス混合物を後処理するための後接続されたユニットを起動するための安全かつ経済的な方法を提供することである。
この課題は、起動段階及び運転段階を有する、n−ブテンからブタジエンを製造する方法であって、ここで、該方法が、運転段階において、以下の工程:
A)n−ブテンを含有する供給ガス流a1を準備する工程;
B)n−ブテンを含有する供給ガス流a1、酸素含有ガス流a2及び酸素含有循環ガス流d2を少なくとも1つの酸化的脱水素ゾーンに供給し、n−ブテンを酸化脱水素してブタジエンを形成して、ブタジエン、未反応のn−ブテン、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、高沸点副成分、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有する生成物ガス流bを得る工程;
C)生成物ガス流bを冷却及び圧縮し、かつ高沸点副成分の少なくとも一部を凝縮して、少なくとも1つの水性凝縮物流c1と、ブタジエン、n−ブテン、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有するガス流c2とを得る工程;
D)ガス流c2を吸収ゾーンに供給し、かつ酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含む非凝縮性かつ低沸点のガス構成成分を、ブタジエン及びn−ブテンを含むC4炭化水素を吸収剤に実質的に吸収させることによってガス流dとしてガス流c2から分離して、C4炭化水素で負荷された吸収剤流及びガス流dを得て、かつ、場合によりパージガス流pの分離後に、ガス流dを循環ガス流d2として酸化的脱水素ゾーンに返送する工程;
を含み、
起動段階が、以下の工程:
i)酸素含有ガス流及び不活性ガス流を、循環ガス流d2の酸素含有率が運転段階における循環ガス流d2の酸素含有率の30〜80%に相当する比で、脱水素ゾーンに供給する工程;
ii)循環ガス流d2を、運転段階における循環ガスd2の体積流量の少なくとも70%に調節する工程;
iii)任意に、運転段階における循環ガス流d2の酸素含有率の30〜80%の循環ガス流d2の初期酸素含有率で、水蒸気流a3を脱水素ゾーンに供給する工程;
iv)運転段階における循環ガス流d2の酸素含有率の30〜80%の循環ガス流d2の初期酸素含有率で、運転段階における流量よりも小さい体積流量を有する酸素含有ガス流a2’及びブテン含有供給ガス流a1’を、k=a2’/a1’の比で供給し、かつガス流a1’及びa2’の体積流量を、運転段階におけるガス流a1及びa2の体積流量に達するまで上昇させ、ここで、循環ガス流d2は、運転段階における体積流量の少なくとも70%かつ最大で120%である工程;
を含む方法によって解決される。
A)n−ブテンを含有する供給ガス流a1を準備する工程;
B)n−ブテンを含有する供給ガス流a1、酸素含有ガス流a2及び酸素含有循環ガス流d2を少なくとも1つの酸化的脱水素ゾーンに供給し、n−ブテンを酸化脱水素してブタジエンを形成して、ブタジエン、未反応のn−ブテン、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、高沸点副成分、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有する生成物ガス流bを得る工程;
C)生成物ガス流bを冷却及び圧縮し、かつ高沸点副成分の少なくとも一部を凝縮して、少なくとも1つの水性凝縮物流c1と、ブタジエン、n−ブテン、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有するガス流c2とを得る工程;
D)ガス流c2を吸収ゾーンに供給し、かつ酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含む非凝縮性かつ低沸点のガス構成成分を、ブタジエン及びn−ブテンを含むC4炭化水素を吸収剤に実質的に吸収させることによってガス流dとしてガス流c2から分離して、C4炭化水素で負荷された吸収剤流及びガス流dを得て、かつ、場合によりパージガス流pの分離後に、ガス流dを循環ガス流d2として酸化的脱水素ゾーンに返送する工程;
を含み、
起動段階が、以下の工程:
i)酸素含有ガス流及び不活性ガス流を、循環ガス流d2の酸素含有率が運転段階における循環ガス流d2の酸素含有率の30〜80%に相当する比で、脱水素ゾーンに供給する工程;
ii)循環ガス流d2を、運転段階における循環ガスd2の体積流量の少なくとも70%に調節する工程;
iii)任意に、運転段階における循環ガス流d2の酸素含有率の30〜80%の循環ガス流d2の初期酸素含有率で、水蒸気流a3を脱水素ゾーンに供給する工程;
iv)運転段階における循環ガス流d2の酸素含有率の30〜80%の循環ガス流d2の初期酸素含有率で、運転段階における流量よりも小さい体積流量を有する酸素含有ガス流a2’及びブテン含有供給ガス流a1’を、k=a2’/a1’の比で供給し、かつガス流a1’及びa2’の体積流量を、運転段階におけるガス流a1及びa2の体積流量に達するまで上昇させ、ここで、循環ガス流d2は、運転段階における体積流量の少なくとも70%かつ最大で120%である工程;
を含む方法によって解決される。
本発明による起動の仕方によって、爆発限界からのより大きな間隔を、オキシ脱水素反応器(酸化的脱水素ゾーン、工程B)中のみならず、クエンチ(工程C)においても及びC4炭化水素吸収体(吸収ゾーン、工程D)においても維持できることを見出した。同時に、触媒のコークス化(炭化)が起動段階を通じて効果的に回避される。
一般的には、比kは、1〜10であり、好ましくは、これは、1.5〜6、殊に2〜5である。好ましくは、比kは、起動段階を通じて実質的に一定であり、つまり、±50%を超えずに、殊に±20%を超えずに変動する。
好ましくは、工程ii)において、循環ガス流d2は、運転段階における体積流量の80〜120%に調節される。特に有利な実施形態においては、循環ガス流d2は、運転段階における体積流量の95〜105%に調節され、特に有利には、循環ガス流d2は、運転段階における体積流量の100%に調節される。調節された循環ガス流d2は、後続の工程iii)及びiv)において実質的に一定に保たれ、かつ更なる起動段階を通じて運転段階の循環ガスの体積流量の少なくとも70%かつ最大で120%である。
好ましくは、工程i)において、循環ガス流d2の酸素含有率は、運転段階における循環ガス流d2の酸素含有率の40〜70%、殊に50〜60%である。
本発明の有利な実施形態においては、工程i)と工程ii)との間で、不活性ガス流及び酸素含有ガス流の供給が停止される。
本発明の有利な実施形態においては、工程i)と工程ii)との間で、不活性ガス流及び酸素含有ガス流の供給が停止される。
一般的には、脱水素ゾーンにおける水蒸気量は、工程iii)及びiv)の間を通じて0〜20体積%、有利には1〜10体積%である。
一般的には、脱水素ゾーンにおける圧力は、起動段階を通じて1〜5bar(絶対圧)、有利には1.05〜2.5bar(絶対圧)である。
一般的には、吸収ゾーンにおける圧力は、起動段階を通じて2〜20bar、有利には5〜15barである。
一般的には、伝熱媒体の温度は、起動段階を通じて220℃から490℃の間、有利には300℃から450℃の間、特に有利には330℃から420℃の間である。
一般的には、起動段階の期間(時間)は、1分から5000分の間、有利には5分から2000分の間、特に有利には10分から500分の間である。
一般的には、工程C)は、工程Ca)及びCb)を含む:
Ca)少なくとも1つの冷却段階における生成物ガス流bを冷却し(ここで、少なくとも1つの冷却段階において、冷却は、冷媒(冷却剤)との接触によって行われる)かつ高沸点副成分の少なくとも一部を凝縮する工程;
Cb)残留する生成物ガス流bを少なくとも1つの圧縮段階において圧縮して、少なくとも1つの水性凝縮物流c1と、ブタジエン、n−ブテン、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有するガス流c2とを得る工程。
Ca)少なくとも1つの冷却段階における生成物ガス流bを冷却し(ここで、少なくとも1つの冷却段階において、冷却は、冷媒(冷却剤)との接触によって行われる)かつ高沸点副成分の少なくとも一部を凝縮する工程;
Cb)残留する生成物ガス流bを少なくとも1つの圧縮段階において圧縮して、少なくとも1つの水性凝縮物流c1と、ブタジエン、n−ブテン、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有するガス流c2とを得る工程。
一般的には、工程Dは、工程Da)及びDb)を含む:
Da)酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含む非凝縮性かつ低沸点のガス構成成分を、ブタジエン及びn−ブテンを含有するC4炭化水素を吸収剤に吸収させることによってガス流dとしてガス流c2から分離して、C4炭化水素で負荷された吸収剤流及びガス流dを得る工程、並びに
Db)引き続き、負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着して、C4生成物ガス流d1を得る工程。
Da)酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含む非凝縮性かつ低沸点のガス構成成分を、ブタジエン及びn−ブテンを含有するC4炭化水素を吸収剤に吸収させることによってガス流dとしてガス流c2から分離して、C4炭化水素で負荷された吸収剤流及びガス流dを得る工程、並びに
Db)引き続き、負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着して、C4生成物ガス流d1を得る工程。
好ましくは、引き続きなお工程E)及びF)が実施される:
E)C4生成物流d1を、ブタジエンに選択的な溶媒を用いた抽出蒸留によって、ブタジエン及び選択的な溶媒を含有する物質流e1と、n−ブテンを含有する物質流e2とに分離する工程;
F)ブタジエン及び選択的な溶媒を含有する物質流f2を蒸留して、実質的に選択的な溶媒から成る物質流g1と、ブタジエンを含有する物質流g2とを得る工程。
E)C4生成物流d1を、ブタジエンに選択的な溶媒を用いた抽出蒸留によって、ブタジエン及び選択的な溶媒を含有する物質流e1と、n−ブテンを含有する物質流e2とに分離する工程;
F)ブタジエン及び選択的な溶媒を含有する物質流f2を蒸留して、実質的に選択的な溶媒から成る物質流g1と、ブタジエンを含有する物質流g2とを得る工程。
一般的には、工程Da)において得られたガス流dは、少なくとも10%、有利には少なくとも30%が循環ガス流d2として工程B)に返送される。
一般的には、冷却段階Ca)においては、水性冷媒(水性冷却剤)又は有機溶媒又はそれらの混合物が使用される。
好ましくは、冷却段階Ca)においては、有機溶媒が使用される。これらは、一般的には、ODH反応器の下流に置かれたプラント部分において堆積及び閉塞を生む可能性がある高沸点副生成物に対して、水又はアルカリ性水溶液よりずっと高い溶解能力を有する。冷媒(冷却剤)として用いられる有利な有機溶媒は、芳香族炭化水素、例えばトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、トリイソプロピルベンゼン及びメシチレン又はそれらの混合物である。特に有利なのはメシチレンである。
下記の実施形態は、本発明による方法の有利な又は特に有利な変形例である:
段階Ca)は、段階Ca1)〜Can)の多段階で、有利には2つの段階Ca1)及びCa2)の2段階で実施される。ここで、特に有利には、第二の段階Ca2)の通過後の溶媒の少なくとも一部が冷却剤として第一の段階Ca1)に供給される。
段階Ca)は、段階Ca1)〜Can)の多段階で、有利には2つの段階Ca1)及びCa2)の2段階で実施される。ここで、特に有利には、第二の段階Ca2)の通過後の溶媒の少なくとも一部が冷却剤として第一の段階Ca1)に供給される。
段階Cb)は、一般的には、少なくとも1つの圧縮段階Cba)及び少なくとも1つの冷却段階Cbb)を含む。有利には、少なくとも1つの冷却段階Cbb)において、圧縮段階Cba)において圧縮されたガスが冷却剤と接触させられる。特に有利には、冷却段階Cbb)の冷却剤は、段階Ca)において冷却剤として使用される同じ有機溶媒を含有する。特に有利な変形例においては、少なくとも1つの冷却段階Cbb)の通過後のこの冷却剤の少なくとも一部が冷却剤として段階Ca)に供給される。
有利には、段階Cb)は、複数の圧縮段階Cba1)〜Cban)及び冷却段階Cbb1)〜Cbbn)、例えば4つの圧縮段階Cba1)〜Cba4)及び4つの冷却段階Cbb1)〜Cbb4)を含む。
有利には、工程D)は、複数の工程Da1)、Da2)及びDb)を含む:
Da1)ブタジエン及びn−ブテンを含むC4炭化水素を高沸点吸収剤に吸収し、ここで、C4炭化水素で負荷された吸収剤流及びガス流dを得る工程、
Da2)工程Da)からのC4炭化水素で負荷された吸収剤流から、非凝縮性のガス流によるストリッピングによって酸素を除去する工程、
Db)負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着して、実質的にC4炭化水素から成り、かつ酸素100ppm未満を含むC4生成物ガス流d1を得る工程。
Da1)ブタジエン及びn−ブテンを含むC4炭化水素を高沸点吸収剤に吸収し、ここで、C4炭化水素で負荷された吸収剤流及びガス流dを得る工程、
Da2)工程Da)からのC4炭化水素で負荷された吸収剤流から、非凝縮性のガス流によるストリッピングによって酸素を除去する工程、
Db)負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着して、実質的にC4炭化水素から成り、かつ酸素100ppm未満を含むC4生成物ガス流d1を得る工程。
有利には、工程Da)において用いられる高沸点吸収剤は、芳香族炭化水素溶媒であり、特に有利には、工程Ca)において用いられる芳香族炭化水素溶媒は、殊にメシチレンである。例えば、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン及びトリイソプロピルベンゼン又はこれらの物質を含有する混合物も使用することができる。
本発明による方法の実施形態は、図1に示しており、そして以下で詳述する。
供給ガス流(出発ガス流)として、純粋なn−ブテン(1−ブテン及び/又はシス−/トランス−2−ブテン)、或いはブテンを含有するガス混合物を用いることが可能である。主成分としてn−ブテン(1−ブテン及びシス−/トランス−2−ブテン)を含有し、かつナフサ分解生成物のC4留分からブタジエン及びイソブテンの分離によって得られた留分を使用することも可能である。さらに、純粋な1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン又はそれらの混合物を含み、かつエチレンの二量体化によって得られたガス混合物も供給ガス(出発ガス)として用いることが可能である。そのうえ、供給ガス(出発ガス)として、流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking, FCC)によって得られた、n−ブテンを含有するガス混合物も用いることができる。
本発明による方法の実施形態においては、n−ブテンを含有する供給ガス(出発ガス)は、n−ブタンの非酸化的脱水素によって得られる。非酸化的接触脱水素を、形成されたn−ブテンの酸化的脱水素と結び付けることによって、用いられるn−ブタンに対するブタジエンの高い収率を得ることができる。n−ブタンの非酸化的接触脱水素においては、ブタジエン、1−ブテン、2−ブテン及び未反応のn−ブタンのほかに、二次成分(副成分)を含有するガス混合物が得られる。通常の二次成分は、水、水蒸気、窒素、CO及びCO2、メタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペンである。第一の脱水素ゾーンを抜けるガス混合物の組成は、脱水素の運転モードに応じて大いに変化し得る。そのため、脱水素が、酸素及び追加的な水素の供給下に実施される場合、生成物ガス混合物は、比較的高い含有量で水蒸気及び炭素酸化物を有する。酸素を供給しない運転モードの場合、非酸化的脱水素の生成物ガス混合物は、比較的高い含有量の水素を有する。
工程B)においては、n−ブテンを含有する供給ガス(出発ガス)流及び酸素含有ガスが、少なくとも1つの脱水素ゾーン(ODH反応器R)に供給され、かつガス混合物中に含まれるブテンが、オキシ脱水素触媒の存在下で酸化的にブタジエンに脱水素される。
分子状酸素を含有するガスは、一般的には、10体積%超、好ましくは15体積%超、更に有利には20体積%超の分子状酸素を含有する。有利には、それは空気である。分子状酸素の含有率の上限は、一般的には、50体積%以下、好ましくは30体積%以下、更に有利には25体積%以下である。そのうえまた、分子状酸素を含有するガス中には、任意の不活性ガスが含まれていてよい。可能な不活性ガスとして、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、CO、CO2及び水を挙げることができる。不活性ガスの量は、窒素の場合、一般的には、90体積%以下、好ましくは85体積%以下、更に有利には80体積%以下である。窒素以外の構成成分の場合、それらは、一般的には10体積%以下、好ましくは1体積%以下である。
n−ブテンの完全な変換でもって酸化的脱水素を実施するために、少なくとも0.5の分子状酸素:n−ブテンの比を有するガス混合物が有利である。有利には、0.55〜10の酸素:n−ブテンの比で作業される。この値を調節するために、供給ガス(出発ガス)流は、酸素又は少なくとも1つの酸素含有ガス、例えば空気、及び場合により追加的な不活性ガス又は水蒸気と混合してよい。得られた酸素含有ガス混合物は、次いでオキシ脱水素に供給される。
そのうえ、反応ガス混合物中に一緒に、不活性ガス、例えば窒素と、更に水(水蒸気として)も含まれていてよい。窒素は、酸素濃度の調節のために及び爆発性ガス混合物の形成の防止のために用いられることができ、同じことが水蒸気に当てはめられる。そのうえ、水蒸気は、触媒のコークス化(炭化)の制御のために及び反応熱の放出のために用いられる。
オキシ脱水素に適した触媒は、一般的には、Mo−Bi−Oを含有する複合金属酸化物系を基礎とし、これは、一般に追加的に鉄を含有する。一般的には、該触媒は、更なる追加的な成分、例えばカリウム、セシウム、マグネシウム、ジルコニウム、クロム、ニッケル、コバルト、カドミウム、スズ、鉛、ゲルマニウム、ランタン、マンガン、タングステン、リン、セリウム、アルミニウム又はケイ素を含有する。鉄含有フェライトも触媒として提案されていた。
有利な実施形態においては、複合金属酸化物は、コバルト及び/又はニッケルを含有する。更なる有利な実施形態においては、複合金属酸化物はクロムを含有する。更なる有利な実施形態においては、複合金属酸化物はマンガンを含有する。
Mo−Bi−Fe−Oを含有する複合金属酸化物の例は、Mo−Bi−Fe−Cr−O又はMo−Bi−Fe−Zr−Oを含有する複合金属酸化物である。有利な触媒は、例えばUS4,547,615(Mo12BiFe0.1Ni8ZrCr3K0.2Ox及びMo12BiFe0.1Ni8AlCr3K0.2Ox)、US4,424,141(Mo12BiFe3Co4.5Ni2.5P0.5K0.1Ox+SiO2)、DE−A−2530959(Mo12BiFe3Co4.5Ni2.5Cr0.5K0.1Ox、Mo13.75BiFe3Co4.5Ni2.5Ge0.5K0.8Ox、Mo12BiFe3Co4.5Ni2.5Mn0.5K0.1Ox及びMo12BiFe3Co4.5Ni2.5La0.5K0.1Ox)、US3,911,039(Mo12BiFe3Co4.5Ni2.5Sn0.5K0.1Ox)、DE−A−2530959及びDE−A−2447825(Mo12BiFe3Co4.5Ni2.5W0.5K0.1Ox)に記載されている。
さらに、適した複合金属酸化物及びその製造が、US4,423,281(Mo12BiNi8Pb0.5Cr3K0.2Ox及びMo12BibNi7Al3Cr0.5K0.5Ox)、US4,336,409(Mo12BiNi6Cd2Cr3P0.5Ox)、DE−A−2600128(Mo12BiNi0.5Cr3P0.5Mg7.5K0.1Ox+SiO2)及びDE−A−2440329(Mo12BiCo4.5Ni2.5Cr3P0.5K0.1Ox)に記載されている。
特に有利な、モリブデン及び少なくとも1種の更なる金属を含有する触媒活性複合金属酸化物は、一般式(Ia):
Mo12BiaFebCocNidCreX1 fX2 gOy (Ia)
を有し、ここで、
X1=Si、Mn及び/又はAl、
X2=Li、Na、K、Cs及び/又はRb、
0.2≦a≦1、
0.5≦b≦10、
0≦c≦10、
0≦d≦10、
2≦c+d≦10、
0≦e≦2、
0≦f≦10、
0≦g≦0.5、
yは、電荷的中性という条件のもとに式(Ia)における酸素とは異なる元素の原子価及び存在度によって決定される数
である。
Mo12BiaFebCocNidCreX1 fX2 gOy (Ia)
を有し、ここで、
X1=Si、Mn及び/又はAl、
X2=Li、Na、K、Cs及び/又はRb、
0.2≦a≦1、
0.5≦b≦10、
0≦c≦10、
0≦d≦10、
2≦c+d≦10、
0≦e≦2、
0≦f≦10、
0≦g≦0.5、
yは、電荷的中性という条件のもとに式(Ia)における酸素とは異なる元素の原子価及び存在度によって決定される数
である。
有利なのは、触媒活性酸化物材料が2種の金属Co及びNiのうちCoのみを有する(d=0)触媒である。有利には、X1は、Si及び/又はMnであり、かつX2は、好ましくはK、Na及び/又はCsであり、特に有利には、X2=Kである。特に有利なのは、実質的にCr(VI)不含の触媒である。
触媒活性複合金属酸化物材料は、酸化クロムを含有してよい。出発物質として、酸化物のほかに、なかでもハロゲン化物、硝酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、炭酸塩及び/又は水酸化物が考慮に入れられる。酸化クロム(III)へのクロム(III)化合物の熱分解は、酸素の存在又は不存在とは無関係に、主として70℃から430℃の間で、複数のクロム(VI)含有中間生成物を経て行われる(例えばJ. Therm. Anal. Cal., 72, 2003, 135 and Env. Sci. Tech. 47, 2013, 5858を参照されたい)。酸化クロム(VI)の存在は、アルケンからジエンへの、特にブテンからブタジエンへの接触オキシ脱水素にとって必要ではない。それゆえ、酸化クロム(VI)の毒性及び環境有害性に基づき、活性材料は、実質的に酸化クロム(VI)不含であるべきである。酸化クロム(VI)の含有量は、実質的にか焼条件、殊にか焼工程における最高温度及びその継続時間に依存する。この場合、温度が高ければ高いほど、かつ継続時間が長ければ長いほど、酸化クロム(VI)の含有量は低い。
オキシ脱水素の反応温度は、一般的には、反応管の周りに存在する伝熱媒体によって制御される。かかる液体の伝熱媒体として、例えば、塩の溶融物又は塩混合物、例えば硝酸カリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム及び/又は硝酸ナトリウムの溶融物並びに金属、例えばナトリウム、水銀及び種々の金属の合金の溶融物が考慮に入れられる。しかし、イオン性液体又は熱媒体油を用いることも可能である。伝熱媒体の温度は、220℃から490℃の間に、有利には300℃から450℃の間に、特に有利には330℃から420℃の間にある。
進行する反応の発熱性に基づき、反応を通じての反応器内部の特定のセグメントにおける温度は、伝熱媒体の温度より高くてよく、かつ、いわゆるホットスポットが形成する。ホットスポットの位置及び高さは、反応条件によって規定されるが、それは触媒層の希釈比又は混合ガスの流量によっても調整することができる。ホットスポット温度と伝熱媒体の温度との差は、一般的には、1℃から150℃の間、有利には10℃から100℃の間、特に有利には20℃から80℃の間にある。触媒床の端部の温度は、一般的には、伝熱媒体の温度を0℃から100℃の間で、好ましくは0.1℃から50℃の間で、特に有利には1℃から25℃の間で上回る。
オキシ脱水素は、先行技術から公知のあらゆる固定床反応器中で、例えば棚型炉(Hordenofen又はtray furnace)内で、固定床管式反応器若しくは多管式反応器中で又はプレート型熱交換器中で実施することができる。多管式反応器が有利である。
好ましくは、酸化的脱水素は、固定床管式反応器又は固定床多管式反応器中で実施される。反応管は(多管式反応器の他の部材と同じように)一般に鋼製である。反応管の壁厚は、典型的には1〜3mmである。その内径は、一般に(均一に)10〜50mm又は15〜40mm、頻繁に20〜30mmである。多管式反応器中に収容された反応管の数は、一般に、少なくとも1000、又は3000、又は5000、好ましくは少なくとも10000に達する。頻繁に、多管式反応器中に収容された反応管の数は、15000〜30000又は〜40000又は〜50000である。反応管の長さは、通常のケースでは数メートルに及び、典型的には、反応管長さは、1〜8m、頻繁に2〜7m、しばしば2.5〜6mの範囲にある。
さらに、ODH反応器R中に設けられている触媒層は、単独層又は2つ以上の層から成っていてよい。これらの層は純粋な触媒から成っていてよく、又は供給ガス(出発ガス)若しくは反応の生成物ガスの成分と反応しない材料で希釈されていてよい。さらに、触媒層は、全活性材料及び/又は担持シェル触媒(担持被覆触媒)から成っていてよい。
酸化的脱水素を抜ける生成物ガス流は、ブタジエンのほかに、一般的には、まだ未反応の1−ブテン及び2−ブテン、酸素並びに水蒸気を含有する。副成分(二次成分)として、それはさらに、一般的には、一酸化炭素、二酸化炭素、不活性ガス(主として窒素)、低沸点炭化水素、例えばメタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペン、ブタン及びイソブタン、場合により水素並びに場合により酸素含有炭化水素、いわゆる酸素化物を含有する。酸素化物は、例えば、ホルムアルデヒド、フラン、酢酸、無水マレイン酸、ギ酸、メタクロレイン、メタクリル酸、クロトンアルデヒド、クロトン酸、プロピオン酸、アクリル酸、メチルビニルケトン、スチレン、ベンズアルデヒド、安息香酸、無水フタル酸、フルオレノン、アントラキノン及びブチルアルデヒドであってよい。
反応器出口での生成物ガス流は、触媒床の端の温度付近の温度によって特徴付けられる。次いで、生成物ガス流は、150〜400℃、有利には160〜300℃、特に有利には170〜250℃の温度にさせられる。生成物ガス流が流れる導管を、所望の範囲の温度に保つために断熱すること、又は熱交換器を用いることが可能である。この熱交換器系は、この系により生成物ガスの温度が所望の基準に維持され得る限りにおいて任意である。熱交換器の例として、スパイラル式熱交換器、プレート式熱交換器、二重管式熱交換器、多重管式熱交換器、タンク−スパイラル式熱交換器、タンク−ジャケット式熱交換器、液−液接触式熱交換器、空気式熱交換器、直接接触式熱交換器及びフィン付き管式熱交換器を挙げることができる。生成物ガスの温度が所望の温度に調節される間、生成物ガス中に含まれている高沸点副生成物の一部が沈殿することがあるので、熱交換器系は、好ましくは2つ以上の熱交換器を有しているべきである。ここで、2つ以上の準備された熱交換器が並列に配置されており、そうして、取得された生成物ガスの熱交換器中での分散冷却が可能となる場合、熱交換器中に堆積する高沸点副生成物の量は減少し、そうして熱交換器の運転期間を延ばすことができる。上述の方法の代替案として、2つ以上の準備された熱交換器が並列に配置されていてよい。生成物ガスは、ある一定の運転期間後に他の熱交換器に取って替えられる、1つ以上の、しかしすべてではない熱交換器に供給される。この方法の場合、冷却は継続することができ、反応熱の一部を回収することができ、かつ、それと並行して熱交換器の1つに堆積した高沸点副生成物を除去することができる。上述の冷媒(冷却剤)を、それが高沸点副生成物を溶解することができる限りにおいて、溶媒として使用することができる。例は、芳香族炭化水素溶媒、例えばトルエン及びキシレン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、トリイソプロピルベンゼンである。特に有利なのはメシチレンである。水性溶媒も使用することができる。これらは、酸性でも、アルカリ性でも、例えば水酸化ナトリウムの水溶液を提供することができる。
引き続き、生成物ガス流から、冷却及び圧縮によって、高沸点副成分及び水の大部分が分離される。冷却は、冷媒(冷却剤)との接触によって行われる。以降、この段階は、クエンチQとも呼ぶ。このクエンチは、1つの段階のみから又は複数の段階から成っていてよい。つまり、生成物ガス流は、好ましくは有機冷媒(有機冷却剤)と直接接触させられ、かつ、それによって冷却される。冷媒(冷却剤)として適しているのは、水性冷媒(水性冷却剤)又は有機溶媒、有利には芳香族炭化水素、特に有利にはトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン若しくはメシチレン、又はそれらの混合物である。ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン及びトリイソプロピルベンゼン並びにそれらの混合物のあらゆる可能な異性体も使用することができる。
有利なのは二段階のクエンチであり、すなわち、段階Ca)は、2つの冷却段階Ca1)及びCa2)を含み、ここで、生成物ガス流bは、有機溶媒と接触させられる。
つまり、本発明の有利な実施形態においては、冷却段階Ca)は二段階で実施され、ここで、第二の段階Ca2)の副成分で負荷された溶媒は、第一の段階Ca1)に導かれる。第二の段階Ca2)から取り出された溶媒は、第一の段階Ca1)から取り出された溶媒より少ない副成分を含有する。
n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン、場合により酸素、水素、水蒸気、少量のメタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペン、イソブタン、炭素酸化物、不活性ガス及びクエンチにおいて使用された溶媒の一部を含有するガス流が得られる。さらに、このガス流中には、クエンチにおいて定量的に分離されなかった微量の高沸点成分が残留していることがある。
溶媒のクエンチからの生成物ガス流は、少なくとも1つの圧縮段階Kにおいて圧縮され、続けて冷却装置中で更に冷却され、ここで、少なくとも1つの凝縮物流が生じる。ブタジエン、1−ブテン、2−ブテン、酸素、水蒸気、場合により低沸点炭化水素、例えばメタン、エタン、エテン、プロパン及びプロペン、ブタン及びイソブタン、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有するガス流が残留する。さらに、この生成物ガス流は、更に微量の高沸点成分を含有していることがある。
ガス流の圧縮及び冷却は、一段階又は多段階(n段階)で行ってよい。一般的には、総じて1.0〜4.0bar(絶対圧)の範囲の圧力から3.5〜20bar(絶対圧)の範囲の圧力に圧縮される。それぞれの圧縮段階には冷却段階が続き、ここで、ガス流は、15〜60℃の範囲の温度に冷却される。したがって、凝縮物流は、多段圧縮の場合には複数の流れを含んでもよい。凝縮物流は、大部分が水と、場合によりクエンチにおいて使用された有機溶媒とから成る。双方の流れ(水相及び有機相)は、そのほかに、ごく僅かに副成分、例えば低沸点物、C4炭化水素、酸素化物及び炭素酸化物を含有してよい。
ブタジエン、n−ブテン、酸素、低沸点炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン)、場合により水蒸気、場合により炭素酸化物並びに場合により不活性ガス及び場合により微量の副成分を含有するガス流は、供給ガス流(出発ガス流)として更なる処理に供給される。
工程D)においては、酸素、低沸点炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン)、炭素酸化物及び不活性ガスを含む、非凝縮性かつ低沸点のガス構成成分が、吸収塔A内で、プロセスガス流からのガス流として高沸点吸収剤へのC4炭化水素の吸収及び該C4炭化水素の続く脱着によって分離される。好ましくは、工程Dは、工程Da1)、Da2)及びDb)を含む:
Da1)ブタジエン及びn−ブテンを含むC4炭化水素を高沸点吸収剤に吸収して、C4炭化水素で負荷された吸収剤流及びガス流を得る工程、並びに
Da2)工程Da)からのC4炭化水素で負荷された吸収剤流から、非凝縮性のガス流によるストリッピングによって酸素を除去して、C4炭化水素で負荷された吸収剤流を得る工程、
Db)負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着して、実質的にC4炭化水素から成るC4生成物ガス流を得る工程。
Da1)ブタジエン及びn−ブテンを含むC4炭化水素を高沸点吸収剤に吸収して、C4炭化水素で負荷された吸収剤流及びガス流を得る工程、並びに
Da2)工程Da)からのC4炭化水素で負荷された吸収剤流から、非凝縮性のガス流によるストリッピングによって酸素を除去して、C4炭化水素で負荷された吸収剤流を得る工程、
Db)負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着して、実質的にC4炭化水素から成るC4生成物ガス流を得る工程。
このために、吸収段階D)において、ガス流は不活性吸収剤と接触させられ、かつC4炭化水素は不活性吸収剤に吸収され、ここで、C4炭化水素で負荷された吸収剤及びその他のガス構成成分を含有するオフガスが得られる。脱着段階において、C4炭化水素は、高沸点吸収剤から再び放出される。
吸収段階は、当業者に公知の、それぞれ任意の適した吸収塔内で実施することができる。吸収は、生成物ガス流を吸収剤に単に通過させることによって行うことができる。しかし、それは塔又は回転吸収体において行うこともできる。その際、並流、向流又は交流(横流)で作業してよい。有利には、吸収は向流で実施される。適した吸収塔は、例えば、バブルトレイ、遠心式トレイ及び/又はシーブトレイを有する棚段塔、規則充填物を有する塔、例えば100〜1000m2/m3の比表面積を有する金属薄板充填物、例えばMellapak(登録商標)250Y、並びに不規則充填塔である。しかし、細流塔及び噴霧塔、グラファイトブロック吸収体、表面吸収体、例えば厚膜及び薄膜吸収体並びに回転塔、プレートスクラバー、クロススプレースクラバー(Kreuzschleierwaescher又はcrossed spray scrubber)及び回転スクラバーが考慮に入れられる。
1つの実施形態においては、吸収塔の下部領域に、ブタジエン、n−ブテン及び低沸点かつ非凝縮性のガス構成成分を含有するガス流が供給される。吸収塔の上部領域では、高沸点吸収剤が投入される。
吸収段階において用いられる不活性吸収剤は、一般的には高沸点非極性溶媒であり、該溶媒中で、分離されるべきC4炭化水素混合物は、その他の分離されるべきガス構成成分より明らかに高い溶解度を有する。適した吸収剤は、比較的非極性の有機溶媒、例えば脂肪族C8〜C18−アルカン、又はパラフィン蒸留からの中間石油留分といった芳香族炭化水素、トルエン又は嵩高い基を有するエーテル、又はこれらの溶媒の混合物であり、ここで、これらには、極性溶媒、例えば1,2−ジメチルフタレートが加えられていてよい。さらに、適した吸収剤は、安息香酸及びフタル酸と直鎖C1〜C8−アルカノールとのエステル、並びにいわゆる熱媒体油、例えばビフェニル及びジフェニルエーテル、それらのクロロ誘導体並びにトリアリールアルケンである。適した吸収剤は、ビフェニルとジフェニルエーテルとの、有利には共沸組成における混合物、例えば市販のDiphyl(登録商標)である。頻繁に、この溶媒混合物は、ジメチルフタレートを0.1〜25質量%の量で含有する。
吸収段階Da1)における有利な実施形態においては、冷却段階Ca)におけるのと同じ溶媒が用いられる。
有利な吸収剤は、少なくとも1000ppm(活性酸素mg/溶媒kg)の有機過酸化物に対する溶解能力を有する溶媒である。有利なのは、芳香族炭化水素、特に有利にはトルエン、o−キシレン、p−キシレン及びメシチレン、又はそれらの混合物である。ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン及びトリイソプロピルベンゼン及びそれらの混合物のあらゆる可能な異性体も使用することができる。
吸収塔の頂部で、実質的に酸素、低沸点炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン)、炭化水素溶媒、場合によりC4炭化水素(ブタン、ブテン、ブタジエン)、場合により不活性ガス、場合により炭素酸化物及び場合により更に水蒸気を含有するガス流dが抜き出される。この物質流は、少なくとも部分的に循環ガス流d2としてODH反応器に供給される。それにより、例えばODH反応器への供給流は、所望のC4炭化水素含有量に調節することができる。一般的には、場合によりパージガス流の分離後に、ガス流dの少なくとも10体積%、有利には少なくとも30体積%が循環ガス流d2として酸化的脱水素ゾーンに返送される。
一般的には、返送流は、酸化的脱水素B)に供給されたすべての物質流の合計を基準として10〜70体積%、有利には30〜60体積%である。
パージガス流は、熱又は触媒による後燃焼に供してよい。殊に、それは発電所において熱利用することができる。
吸収塔の底部では、ガスによるフラッシングによって、吸収剤に溶解された酸素の残分を更なる塔に排出してよい。残留する酸素割合は、吸着塔を抜ける、かつブタン、ブテン及びブタジエンを含有する流が、最大100ppmの酸素しか含有しないほど小さくあるべきである。
工程Db)における酸素のストリッピング除去は、当業者に公知の、それぞれ任意の適した塔内で実施することができる。ストリッピングは、非凝縮性ガス、好ましくは吸収剤流に吸収され得ないか又は僅かにしか吸収され得ないガス、例えばメタンを、負荷された吸収溶液に単純に通過させることによって行うことができる。共にストリッピング除去されたC4炭化水素が、このガス流をこの吸収塔内に返送することにより、塔の上部で吸収溶液に戻して洗浄される。これは、ストリッピング塔の管敷設によっても、ストリッピング塔を吸収体塔の下方に直接取り付けることによっても行うことができる。ストリッピング塔部分及び吸収塔部分における圧力は等しいことから、この直接的な結合を行うことができる。適したストリッピング塔は、例えば、バブルトレイ、遠心式トレイ及び/又はシーブトレイを有する棚段塔、規則充填物を有する塔、例えば100〜1000m2/m3の比表面積を有する金属薄板充填物、例えばMellapak(登録商標)250Y、並びに不規則充填塔である。しかし、細流塔及び噴霧塔並びに回転塔、プレートスクラバー、クロススプレースクラバー及び回転スクラバーが考慮に入れられる。適したガスは、例えば窒素又はメタンである。
本方法の実施形態においては、工程Db)において、メタンを含有するガス流を用いてストリッピングする。殊に、このガス流(ストリッピングガス)は、>90体積%のメタンを含有する。
C4炭化水素で負荷された吸収剤流は、熱交換器中で加熱され、引き続き脱着塔内に導いてよい。1つの方法変形例においては、脱着工程Db)は、負荷された吸収剤の減圧及び水蒸気流によるストリッピングによって実施する。
脱着段階において再生された吸収剤は、熱交換器中で冷却することができる。冷却された流は、吸収剤のほかに更に水を含有し、これは相分離器中で分離される。
実質的にn−ブタン、n−ブテン及びブタジエンから成るC4生成物ガス流は、一般的には、ブタジエン20〜80体積%、n−ブタン0〜80体積%、1−ブテン0〜10体積%、2−ブテン0〜50体積%及びメタン0〜10体積%を含有し、ここで、全量は100体積%となる。さらに、少量のイソブタンが含まれていてよい。
主としてC4炭化水素を含有する、凝縮された、脱着塔の塔頂排出物の一部を、塔の分離能を高めるために塔頂部に返送してよい。
凝縮器を抜ける液体又は気体のC4生成物流は、引き続き、ブタジエンに選択的な溶媒を用いた工程E)における抽出蒸留によって、ブタジエン及び選択的な溶媒を含有する物質流と、ブタン及びn−ブテンを含有する物質流とに分離することができる。
本発明による方法の有利な実施形態においては、追加的に停止機構によって、酸化的脱水素反応器に、その組成が爆発性である反応ガス混合物が送り込まれることを防ぎ、ここで、該停止機構は、以下のとおり構成されている:
a)反応ガス混合物の組成に応じて爆発性及び非爆発性の組成が互いに画定されている反応ガス混合物固有の爆発線図がコンピュータ(Rechner又はcomputer)に記録され;
b)反応ガス混合物を作り出すために反応器に供給されたガス流の量及び場合により組成の測定によってデータセットが求められ、該データセットはコンピュータに転送され;
c)b)で得られたデータセットから、コンピュータが、爆発線図における反応ガス混合物の目下の運転点を算出し;
d)運転点と、近接する爆発限界との間隔が、所定の最小値より下に減少すると、反応器へのガス流の供給が自動的に中断される。
a)反応ガス混合物の組成に応じて爆発性及び非爆発性の組成が互いに画定されている反応ガス混合物固有の爆発線図がコンピュータ(Rechner又はcomputer)に記録され;
b)反応ガス混合物を作り出すために反応器に供給されたガス流の量及び場合により組成の測定によってデータセットが求められ、該データセットはコンピュータに転送され;
c)b)で得られたデータセットから、コンピュータが、爆発線図における反応ガス混合物の目下の運転点を算出し;
d)運転点と、近接する爆発限界との間隔が、所定の最小値より下に減少すると、反応器へのガス流の供給が自動的に中断される。
有利には、運転点の計算のために必要な測定パラメータの統計的誤差解析から最小値が計算される。
この方法は、限界酸素濃度を≧0.5、又は≧0.75、又は≧1、又は≧2、又は≧3、又は≧5、又は≧10体積パーセントポイント上回る反応ガス混合物の酸素含有量で、安全性を向上させて、少なくとも1種の有機化合物の不均一系接触気相部分酸化及び酸化的脱水素の実施を可能にする。ここで、限界酸素濃度(LOC)とは、既に記載したとおり、反応ガス混合物の分子状酸素の百分率の体積割合を意味し、この値より低いと、反応ガス混合物、すなわち、殊に酸化されるべき有機化合物の他の構成成分及び不活性希釈ガスの体積割合の量とは無関係に、局所的な着火源(例えば反応器中での局所過熱又はスパーク形成)によって誘発された燃焼(爆発)が、反応ガス混合物の所定の圧力及び温度にて自然発生的にもはや着火源から広がり得ない。
安全上の理由から、爆発線図として実験的に求められた爆発限界の曲線ではなくて、これから安全間隔分だけ下にシフトされたいわゆるスイッチング曲線(Schaltkurve)をコンピュータに記録することが好適であり得る。ここで、安全間隔は、適切には、反応ガス混合物の運転点の測定に関わるすべての誤差原因及び測定誤差を共に考慮して選択される。ここで、安全間隔は、絶対誤差解析によっても、統計的誤差解析によっても求めることができる。一般に、O2の0.1〜0.4体積%ポイントの安全間隔で十分である。
ブタン及びブテンの爆発挙動は匹敵するものであり、かつ水蒸気及び窒素がブタン及び/又はブテンの爆発線図に及ぼす影響はほとんど識別され得ないことから、本発明に従ってコンピュータに記録されるべき固有の爆発線図として、例えば次のものが考慮に入れられる:
a)ブテン/O2−N2線図;
b)ブタン/O2−N2線図;
c)ブテン/O2−H2O線図;
d)ブタン/O2−H2O線図;
e)ブテン/O2−(N2/H2O)線図;
f)ブタン/O2−(N2/H2O)線図。
a)ブテン/O2−N2線図;
b)ブタン/O2−N2線図;
c)ブテン/O2−H2O線図;
d)ブタン/O2−H2O線図;
e)ブテン/O2−(N2/H2O)線図;
f)ブタン/O2−(N2/H2O)線図。
本発明により有利には、ブテン/O2−N2爆発線図をコンピュータに記録することになる。
温度として、爆発線図の実験的な測定においては、部分的な酸化をカバーする温度範囲からそれほど離れていない温度を選択することになる。
爆発線図における反応ガス混合物の有益な目下の運転点を求めるには、例えば、以下の測定パラメータの実験的な測定で十分である:
a)反応器に単位時間当たりに供給された空気の量(標準状態に換算したときの体積(m3)、Nm3);
b)反応器に単位時間当たりに供給されたブテンを含有する供給ガスの量(Nm3);
c)反応器に単位時間当たりに供給された水蒸気及び/又は循環ガスの量(Nm3)
d)循環ガスのO2含有量。
a)反応器に単位時間当たりに供給された空気の量(標準状態に換算したときの体積(m3)、Nm3);
b)反応器に単位時間当たりに供給されたブテンを含有する供給ガスの量(Nm3);
c)反応器に単位時間当たりに供給された水蒸気及び/又は循環ガスの量(Nm3)
d)循環ガスのO2含有量。
空気の酸素及び窒素含有量は知られており、ブテンを含有する供給ガス(出発ガス)量及び場合により併用される水蒸気量は、直接的な測定結果として得られ、かつ循環ガスは、その酸素含有量を除き、もっぱら窒素のみから成ると考えられる。循環ガスが更に可燃性構成成分を含有している場合、これは安全性の問題に不利には作用せず、なぜなら、その場合、爆発線図におけるそれらの存在は、算定された運転点に対する実際の運転点の右方向へのシフトを単に示すに過ぎないからである。循環ガス中に少量で含まれる水蒸気又は炭素酸化物は、安全性の関連性に関して窒素と見なすことができる。
反応器に供給されたガス流の量の測定は、そのために適した任意の測定装置を用いて行うことができる。かかる測定装置として、例えば、あらゆる流量測定装置、例えばスロットル装置(例えばオリフィス板又はベンチュリ管)、容量式流量計、フロート式装置、タービン式装置、超音波式装置、渦流式装置及び質量流量装置が考慮に入れられる。低い圧力損失のために、ベンチュリ管が本発明により有利である。圧力及び温度を考慮することによって、測定された体積流をNm3(standard m3;標準状態に換算したときの体積)に換算することができる。
循環ガス中の酸素含有量の測定は、例えばDE−A−10117678に記載されているようにインラインで行うことができる。しかし、それは原則的にはオンラインで実施することもでき、この場合、酸化的脱水素から生じる生成物ガス混合物から、それが目標生成物分離(後処理)に入る前にサンプルを取り出し、かつ後処理における生成物ガス混合物の滞留時間より短い期間で分析が行われるようにオンライン分析する。すなわち、分析装置に供給されるガス量は、分析ガスバイパスにより、相応して大きく、かつ分析装置に向かう導管系は、相応して小さく選択されなければならない。自明のように、反応ガス中のO2測定も循環ガス分析の代わりに行うことができる。当然のことながら、双方とも実施することも可能である。応用技術的に好適な方法においては、本発明による安全指向のメモリープログラム制御(SSPS)の使用のために運転点の算出は、少なくとも3つのチャネルで構成されている。
すなわち、それぞれの量測定は、3つの直列又は並列に接続された流量インジケーター(FFI)によって実施される。同じことがO2分析にも当てはまる。爆発線図における反応ガス混合物の3つのデータセットから算定された3つの運転点の一つが所定の最小安全間隔を下回ると、ガス流入は、例えば、空気、時間的な遅れをもってブテンを含有する供給ガス(出発ガス)、そして最終的に、場合により水蒸気及び/又は循環ガスの順番で自動的に止められる。
後の再起動の観点から、水蒸気及び/又は循環ガスを更に循環し続けることが好適であり得る。
選択的に、3つの個々の測定から、爆発線図における平均運転点も算定することができる。爆発限界からのこの間隔が最小値を下回ると、前で記載したとおり自動的な停止が行われる。
原則的には、本発明による方法は、定常運転のためのみならず、部分的な酸化の運転開始及び停止のためにも用いることができる。
実施例:
管形反応器(R)は、ステンレス鋼1.4571から成り、29.7mmの内径及び5mの長さを有し、かつ該反応器に、混合酸化物触媒(2500ml)を充填する。管の中心には、充填層における温度プロファイルを検知するために、内側の熱電対を有するサーモウェル(外径6mm)が取り付けられている。管の周りには溶融塩が、外側の壁温度を一定に保つために流れる。反応器に、ブテン及びブタン(a1)、水蒸気、空気及び酸素含有循環ガスより成る流れを供給する。さらに、反応器に窒素を供給してよい。
管形反応器(R)は、ステンレス鋼1.4571から成り、29.7mmの内径及び5mの長さを有し、かつ該反応器に、混合酸化物触媒(2500ml)を充填する。管の中心には、充填層における温度プロファイルを検知するために、内側の熱電対を有するサーモウェル(外径6mm)が取り付けられている。管の周りには溶融塩が、外側の壁温度を一定に保つために流れる。反応器に、ブテン及びブタン(a1)、水蒸気、空気及び酸素含有循環ガスより成る流れを供給する。さらに、反応器に窒素を供給してよい。
オフガス(生成物ガス)(b)を、クエンチ装置(Q)中で45℃に冷却し、その際、高沸点副生成物が分離される。流れを、圧縮段階(K)において10barに圧縮し、かつ再び45℃に冷却する。冷却器中で、凝縮物流c1を排出する。ガス流c2を吸収塔(A)に供給する。吸収塔を、メシチレンを用いて運転する。吸収塔から、有機生成物を豊富に含んだ液体流及び気体流dを該吸収塔の頂部で取得する。全体の後処理は、水及び有機成分が完全に分離されるように設計されている。流れdの一部を循環ガスd2として反応器に送り戻す。
実施例1
反応器及び後処理セクションを、窒素1000Nl/hの流れでまずフラッシングする。1時間後、反応器の下流及び循環ガスにおける酸素の測定含有率は0.5体積%未満である。次いで空気240Nl/h及び窒素1000Nl/hを反応器中に導入する。循環ガス流を2190Nl/hに調節する。循環ガス流を、相応して大きなパージガス流を吸収塔の下流で分岐させることによって一定に保つ。20分後、循環ガス流における酸素濃度は4.1体積%である。反応器への空気及び窒素の供給は同時に停止し、かつ反応器に水蒸気225Nl/hを供給する。その後、反応器に、空気と、ブテン80体積%及びブタン20体積%から成る流れとを供給し、その際、ブテン/ブタン流に対する空気流の比は、この比が常に約3.75となるように調整する。ブテン/ブタン44Nl/h及び空気165Nl/hの流れから始めて、これらの流れを1時間かけて一定の比率で増大させ、そして1時間後には、ブテン/ブタン440Nl/h及び空気1650Nl/hとなる。循環ガス流は、運転開始プロセス全体を通じて、相応のパージガス流の分離によって一定に保ち、かつ2190Nl/hである。
反応器及び後処理セクションを、窒素1000Nl/hの流れでまずフラッシングする。1時間後、反応器の下流及び循環ガスにおける酸素の測定含有率は0.5体積%未満である。次いで空気240Nl/h及び窒素1000Nl/hを反応器中に導入する。循環ガス流を2190Nl/hに調節する。循環ガス流を、相応して大きなパージガス流を吸収塔の下流で分岐させることによって一定に保つ。20分後、循環ガス流における酸素濃度は4.1体積%である。反応器への空気及び窒素の供給は同時に停止し、かつ反応器に水蒸気225Nl/hを供給する。その後、反応器に、空気と、ブテン80体積%及びブタン20体積%から成る流れとを供給し、その際、ブテン/ブタン流に対する空気流の比は、この比が常に約3.75となるように調整する。ブテン/ブタン44Nl/h及び空気165Nl/hの流れから始めて、これらの流れを1時間かけて一定の比率で増大させ、そして1時間後には、ブテン/ブタン440Nl/h及び空気1650Nl/hとなる。循環ガス流は、運転開始プロセス全体を通じて、相応のパージガス流の分離によって一定に保ち、かつ2190Nl/hである。
ブテンは、380℃の塩浴温度で83%が変換される。ブタジエンへのブテン変換の選択率は92%であり、CO及びCO2への変換は計5%であり、かつ他の副成分への変換は3%である。
プラントは4日間運転し、その際、ガス成分の濃度が5%/hより高くは変化しない定常状態が生まれる。反応器の上流と下流及び循環ガスにおける定常状態での濃度は、表1に示している。反応器の上流(“反応器”)、並びにクエンチと圧縮段階との間(“吸収”)及び循環ガス(“リサイクルガス”)における、ブタン/ブテン(燃料ガス)、酸素及び残りのガス成分(100%−C燃料ガス−CO2)の濃度曲線を、反応器の爆発線図(Ex. Reaktor:“反応器の爆発線図”)及び吸収塔の爆発線図(Ex. Absorption:“吸収塔の爆発線図”)と一緒に図2に示している。全ての濃度は、体積パーセントで記している。横座標には、燃料ガスの濃度をプロットしており、縦座標には、酸素の濃度をプロットしている。燃料ガス(ブテン及びブタン)の供給の開始直前に、酸素濃度は、反応器の上流と下流、クエンチと吸収塔との間及び循環ガスにおいて4.1体積%である。燃料ガス流を最終値に上昇させている間に、循環ガスにおける酸素濃度は、約7.6体積%の最終値に高まる。反応器の上流及びクエンチと吸収塔との間でも酸素濃度は高まるが、それでも爆発範囲を横切ることはない。したがって、安全な運転開始を保証することができる。
比較例1:
反応器を、実施例1に記載したように、窒素1000Nl/hの流れでまずフラッシングする。1時間後、反応器の下流及び循環ガスにおける酸素の測定含有率は0.5体積%未満である。次いで空気620Nl/h及び窒素1000Nl/hを反応器中に導入する。循環ガス流を2190Nl/hに調節し、かつ相応して大きなパージガス流を準備することによって一定に保つ。20分後、循環ガスにおける酸素濃度は7.9体積%である。つまり、循環ガス流における酸素濃度は、後の定常運転状態における酸素濃度の高さにほぼ等しい(表1を参照されたい)。反応器への空気及び窒素の供給は同時に停止する。反応器に水蒸気225Nl/hを供給する。その後、反応器に、空気と、ブテン80体積%及びブタン20体積%から成る流れとを供給し、その際、ブテン/ブタン流に対する空気流の比は、この比が常に約3.75となるように調整する。ブテン/ブタン44Nl/h及び空気165Nl/hの流れから始めて、これらの流れを1時間かけて一定の比率で増大させる。1時間後には、ブテン/ブタン流440Nl/h及び空気1650Nl/hとなる。循環ガス流は、運転開始プロセス全体を通じて、相応のパージガス流の分離によって一定に保ち、かつ2190Nl/hである。
反応器を、実施例1に記載したように、窒素1000Nl/hの流れでまずフラッシングする。1時間後、反応器の下流及び循環ガスにおける酸素の測定含有率は0.5体積%未満である。次いで空気620Nl/h及び窒素1000Nl/hを反応器中に導入する。循環ガス流を2190Nl/hに調節し、かつ相応して大きなパージガス流を準備することによって一定に保つ。20分後、循環ガスにおける酸素濃度は7.9体積%である。つまり、循環ガス流における酸素濃度は、後の定常運転状態における酸素濃度の高さにほぼ等しい(表1を参照されたい)。反応器への空気及び窒素の供給は同時に停止する。反応器に水蒸気225Nl/hを供給する。その後、反応器に、空気と、ブテン80体積%及びブタン20体積%から成る流れとを供給し、その際、ブテン/ブタン流に対する空気流の比は、この比が常に約3.75となるように調整する。ブテン/ブタン44Nl/h及び空気165Nl/hの流れから始めて、これらの流れを1時間かけて一定の比率で増大させる。1時間後には、ブテン/ブタン流440Nl/h及び空気1650Nl/hとなる。循環ガス流は、運転開始プロセス全体を通じて、相応のパージガス流の分離によって一定に保ち、かつ2190Nl/hである。
ブテンは、380℃の塩浴温度で83%が変換される。ブタジエンへのブテン変換の選択率は92%であり、CO及びCO2への変換は計5%であり、かつ他の副成分への変換は3%である。プラントは4日間運転し、かつガス成分の濃度が5%/hより高くは変化しない定常状態が生まれる。反応器の上流と下流及び循環ガスにおける定常状態での濃度は、表1に示している。反応器の上流(“反応器”)、並びにクエンチと圧縮段階との間(“吸収”)及び循環ガス(“リサイクルガス”)における、ブタン/ブテン(燃料ガス)、酸素及び残りのガス成分(100%−C燃料ガス−CO2)の濃度曲線を、反応器の爆発線図(“反応器の爆発線図”)及び吸収塔の爆発線図(“吸収塔の爆発線図”)と一緒に図3に示している。全ての濃度は、体積パーセントで記している。横座標には、燃料ガスの濃度をプロットしており、縦座標には、酸素の濃度をプロットしている。燃料ガス(ブテン及びブタン)の供給の開始直前に、酸素濃度は、反応器の上流と下流、クエンチと吸収塔との間及び循環ガスにおいて7.9体積%である。燃料ガス流を最終値に上昇させている間に、循環ガスにおける酸素濃度は、ごく僅かながら約7.6体積%の最終値に変化する。反応器の上流及びクエンチと吸収塔との間で酸素濃度が高まり、この場合、反応器の起動の間、反応器における爆発範囲からの間隔が非常に小さいことが読み取れる。より安全なプロセス運転をこの場合に実現することは困難である。
比較例2:
反応器を、実施例1に記載したように、窒素1000Nl/hの流れでまずフラッシングする。1時間後、反応器の下流及び循環ガス流における酸素の測定含有率は0.5体積%未満である。循環ガス流を2190Nl/hに調節し、かつ相応して大きなパージガス流を分岐させることによって一定に保つ。したがって、循環ガス流における酸素含有率は0体積%である。窒素流を停止し、かつ反応器に水蒸気225Nl/hを供給する。その後、反応器に、空気と、ブテン80体積%及びブタン20体積%から成る流れとを供給し、その際、ブテン/ブタン流に対する空気流の比は、それが常に約3.75となるように調整する。ブテン/ブタン44Nl/h及び空気165Nl/hの流れから始めて、これらの流れを1時間かけて一定の比率で増大させる。1時間後には、ブテン/ブタン流は440Nl/hとなり、かつ空気流は1650Nl/hとなる。さらに、循環ガス流は2190Nl/hである。
反応器を、実施例1に記載したように、窒素1000Nl/hの流れでまずフラッシングする。1時間後、反応器の下流及び循環ガス流における酸素の測定含有率は0.5体積%未満である。循環ガス流を2190Nl/hに調節し、かつ相応して大きなパージガス流を分岐させることによって一定に保つ。したがって、循環ガス流における酸素含有率は0体積%である。窒素流を停止し、かつ反応器に水蒸気225Nl/hを供給する。その後、反応器に、空気と、ブテン80体積%及びブタン20体積%から成る流れとを供給し、その際、ブテン/ブタン流に対する空気流の比は、それが常に約3.75となるように調整する。ブテン/ブタン44Nl/h及び空気165Nl/hの流れから始めて、これらの流れを1時間かけて一定の比率で増大させる。1時間後には、ブテン/ブタン流は440Nl/hとなり、かつ空気流は1650Nl/hとなる。さらに、循環ガス流は2190Nl/hである。
ブテンは、380℃の塩浴温度で83%が変換される。ブタジエンへのブテン変換の選択率は92%であり、CO及びCO2への変換は計5%であり、かつ他の副成分への変換は3%である。プラントは4日間運転し、かつガス成分の濃度が5%/hより高くは変化しない定常状態が生まれる。反応器の上流と下流及び循環ガスにおける定常状態での濃度は、表1に示している。反応器の上流、並びにクエンチと圧縮段階との間及び循環ガスにおける、ブタン/ブテン(燃料ガス)、酸素及び残りのガス成分(100%−C燃料ガス−CO2)の濃度曲線を、反応器の爆発線図(“反応器の爆発線図”)及び吸収塔の爆発線図(“吸収塔の爆発線図”)と一緒に図4に示している。全ての濃度は、体積パーセントで記している。横座標には、燃料ガスの濃度をプロットしており、縦座標には、酸素の濃度をプロットしている。燃料ガス(ブテン及びブタン)の供給の開始直前に、酸素濃度は、反応器の上流と下流(“反応器”)、クエンチと吸収塔との間(“吸収”)及び循環ガス(“リサイクルガス”)において0.5体積%未満である。燃料ガス流を最終値に上昇させている間に、循環ガスにおける酸素濃度は、ごく僅かながら約7.6体積%の最終値に変化する。反応器の上流及びクエンチと吸収塔との間でも酸素濃度は高まるが、それでも爆発範囲を横切ることはない。このタイプの運転開始の欠点は、運転開始プロセスの初期の酸素含有量が非常に低いことである。触媒は、低い酸素含有量ではブテンの存在下に急激にコークス化(炭化)する傾向にあることが知られている。コークス化(炭化)が、長期にわたって触媒の活性の損失及びその機械的破壊を生む可能性がある。
a1 n−ブテンを含有する供給ガス流、 a2 酸素含有ガス流、 b ブタジエン、未反応のn−ブテン、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、高沸点副成分、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有する生成物ガス流、 c1 少なくとも1つの水性凝縮物流、 c2 ブタジエン、n−ブテン、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有するガス流、 d 酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含む非凝縮性かつ低沸点のガス構成成分、 d1 C4生成物ガス流、 d2 酸素含有循環ガス流、 p パージガス流、 A 吸収塔、 Q クエンチ装置、 R 管形反応器、 K 圧縮段階
Claims (13)
- 起動段階及び運転段階を有する、n−ブテンからブタジエンを製造する方法であって、ここで、該方法が、前記運転段階において、以下の工程:
A)n−ブテンを含有する供給ガス流a1を準備する工程;
B)前記n−ブテンを含有する供給ガス流a1、酸素含有ガス流a2及び酸素含有循環ガス流d2を少なくとも1つの酸化的脱水素ゾーンに供給し、n−ブテンを酸化的脱水素してブタジエンを形成して、ブタジエン、未反応のn−ブテン、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、高沸点副成分、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有する生成物ガス流bを得る工程;
C)前記生成物ガス流bを冷却及び圧縮し、かつ前記高沸点副成分の少なくとも一部を凝縮して、少なくとも1つの水性凝縮物流c1と、ブタジエン、n−ブテン、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含有するガス流c2とを得る工程;
D)前記ガス流c2を吸収ゾーンに供給し、かつ酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含む非凝縮性かつ低沸点のガス構成成分を、ブタジエン及びn−ブテンを含むC4炭化水素を吸収剤に吸収させることによってガス流dとして前記ガス流c2から分離して、C4炭化水素で負荷された吸収剤流及び前記ガス流dを得て、かつ、場合によりパージガス流pの分離後に、前記ガス流dを循環ガス流d2として前記酸化的脱水素ゾーンに返送する工程;
を含み、
前記起動段階が、以下の工程:
i)酸素含有ガス流及び不活性ガス流を、前記循環ガス流d2の酸素含有率が前記運転段階における前記循環ガス流d2の酸素含有率の30〜80%に相当する比で、前記脱水素ゾーンに供給する工程;
ii)前記循環ガス流d2を、前記運転段階における前記循環ガスd2の体積流量の少なくとも70%に調節する工程;
iii)任意に、前記運転段階における前記循環ガス流d2の酸素含有率の30〜80%の前記循環ガス流d2の初期酸素含有率で、水蒸気流a3を前記脱水素ゾーンに供給する工程;
iv)前記運転段階における前記循環ガス流d2の酸素含有率の30〜80%の前記循環ガス流d2の初期酸素含有率で、前記運転段階における流量よりも小さい体積流量を有する酸素含有ガス流a2’及びブテン含有供給ガス流a1’を、k=a2’/a1’の比で供給し、かつ前記ガス流a1’及びa2’の体積流量を、前記運転段階における前記ガス流a1及びa2の体積流量に達するまで上昇させ、ここで、前記循環ガス流d2は、前記運転段階における体積流量の少なくとも70%かつ最大で120%である工程;
を含む、前記方法。 - 前記比kが1〜10である、請求項1記載の方法。
- 前記比kが1.5〜6である、請求項2記載の方法。
- 工程ii)において、前記循環ガス流d2を、前記運転段階における体積流量の70〜120%に調節する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 工程i)において、前記循環ガス流d2の酸素含有率が、前記運転段階における前記循環ガス流d2の酸素含有率の40〜70%に相当する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 工程ii)と工程iii)との間で、前記不活性ガス流の供給を停止する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
- 前記脱水素ゾーンにおける前記水蒸気の量が、前記工程iii)及びiv)を通じて0〜20体積%である、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
- 前記脱水素ゾーンにおける圧力が、前記起動段階を通じて1〜5barである、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
- 前記吸収ゾーンにおける圧力が、前記起動段階を通じて2〜20barである、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- 工程D)が、工程Da)及びDb):
Da)酸素、低沸点炭化水素、場合により炭素酸化物及び場合により不活性ガスを含む非凝縮性かつ低沸点のガス構成成分を、ブタジエン及びn−ブテンを含有する前記C4炭化水素を吸収剤に吸収させることによってガス流dとして前記ガス流c2から分離して、C4炭化水素で負荷された吸収剤流及び前記ガス流dを得る工程、並びに
Db)引き続き、前記負荷された吸収剤流から前記C4炭化水素を脱着して、C4生成物ガス流d1を得る工程、
を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。 - 追加の工程:
E)前記C4生成物流d1を、ブタジエンに選択的な溶媒を用いた抽出蒸留によって、ブタジエン及び前記選択的な溶媒を含有する物質流e1と、n−ブテンを含有する物質流e2とに分離する工程;
F)前記ブタジエン及び前記選択的な溶媒を含有する物質流f2を蒸留して、実質的に前記選択的な溶媒から成る物質流g1と、ブタジエンを含有する物質流g2とを得る工程
を有する、請求項10記載の方法。 - 工程D)において用いられる前記吸収剤が芳香族炭化水素溶媒である、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
- 請求項1から12までのいずれか1項記載の方法であって、停止機構によって、酸化的脱水素反応器に、その組成が爆発性である供給ガス混合物が送り込まれることを防ぎ、
ここで、前記停止機構は、以下のとおり構成されている:
a)前記供給ガス混合物の組成に応じて爆発性及び非爆発性の組成が互いに画定されている前記供給ガス混合物固有の爆発線図がコンピュータに記録され;
b)前記供給ガス混合物を作り出すために前記脱水素ゾーンに供給されたガス流の量及び場合により組成の測定によってデータセットが求められ、該データセットはコンピュータに転送され;
c)b)で得られたデータセットから、前記コンピュータが、前記爆発線図における前記供給ガス混合物の目下の運転点を算出し;
d)前記運転点と、近接する爆発限界との間隔が、所定の最小値より下に減少すると、前記脱水素ゾーンへのガス流の供給が自動的に中断される;
前記方法。
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