JP2016503164A - 原子力発電所の冷却のための取水設備ならびにそのような取水設備を備えた原子力発電所 - Google Patents

原子力発電所の冷却のための取水設備ならびにそのような取水設備を備えた原子力発電所 Download PDF

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Abstract

本発明は、原子力発電所(1)の1つまたは複数の原子炉ユニット(1A)に関する少なくとも1つの熱交換器ベースの冷却回路に対して水を供給し得る取水設備に関するものであって、ポンピングステーション(10)がこの取水ボウルから水を抽出するものとされた取水ボウル(2)を具備している。取水設備は、さらに、取水ボウル(2)に対して水を供給するために取水ボウルに対して連通した取水トンネル(3)であるとともに、水の集団(5)内に浸漬された少なくとも2つの取水口(51,52)に対して連結された取水トンネル(3)を具備している。取水トンネル(3)の少なくとも一部は、取水ボウル(2)に対して連通した2つの端部(31,32)を有したループを形成している。

Description

本発明は、原子力発電所の1つまたは複数の原子炉ユニットに関する少なくとも1つの熱交換器ベースの冷却回路のための取水設備であって、水が供給される取水ボウルであるとともに、冷却回路内に水を循環させるために、原子力発電所の少なくとも1つのポンピングステーションがこの取水ボウルから水を抽出するものとされた、取水ボウルを具備し、さらに、取水ボウルに対して水を供給するために取水ボウルに対して連通した取水トンネルであるとともに、例えば海や湖や川といったような水の集団内に浸漬された少なくとも2つの取水口に対して連結された取水トンネルを具備した、取水設備に関するものである。
熱交換器をベースとした冷却回路は、典型的には、原子力発電所の原子炉の二次回路内のタービン発電機から出てくる蒸気を冷却し得るよう構成されている。これにより、その蒸気を凝縮させて、液体状態へと凝縮された水を、二次回路の蒸気発生器へと戻すことができる。蒸気発生器は、加圧された一次回路から熱を吸収し、これにより、一次回路と二次回路との間の熱交換によって原子炉を冷却することができる。一次回路および二次回路は、流体から見て閉塞したシステムである。しかしながら、熱交換器ベースの冷却回路は、開放しており、二次回路から完全に隔離されている。そして、二次回路は、一次回路から完全に隔離されている。したがって、熱交換器から出てくる水は、放射能を有しておらず、例えば、回路へと供給されるように戻すことができる。
上述したような取水設備は、公知であり、特に、1990年に発注されてニューハンプシャー州(米国)の南部の海岸近傍に建設されたシーブルック原子力発電所において公知である。その取水設備は、単一の大部分が直線的な数キロメートル長さの取水トンネルを備えている。この取水トンネルの一端部は、海底の下方に配置されており、30メートル未満で互いに等間隔で離間した3つの鉛直方向の取水シャフトに対して連結されている。各取水シャフトの上部は、海底の上方で開口しており、水中の取水口を形成している。取水口は、海面から約15メートル下方に位置している。各取水口には、大型の海洋生物を取水トンネル内へと侵入させないサイズの格子が設けられている。
この公知の取水設備は、単一の故障がその構成部材の1つに対して悪影響を与えたにしても安全システムがその機能を果たすことができなければならないという単一故障基準には、十分に適合していない。この基準は、一般に、重要な安全機能において冗長度を必要とする。この設備は、3つの取水シャフトのうちの1つまたは2つの取水シャフトが故障した場合であっても、例えば取水口の上へとボートが直接的に沈没することによって取水シャフトの取水口に対して損傷を与えた場合であっても、この基準に適合する。しかしながら、この設備は、取水トンネルに重大な損傷があった場合に取水ボウルに対しての水の通常の供給を継続し得るようには、取水トンネルに冗長度を提供しない。重大な損傷は、例えば、取水トンネルの一部を圧潰するという明らかに起こりそうもないシナリオの場合には、起こり得る。
また、特許文献1により、地下の取水トンネルによって水が供給される取水ボウルを備えた取水設備が公知である。取水トンネルは、海の比較的浅い深さのところに配置された取水口に対して連結されている。これにより、取水口は、津波の前に露出されることとなる。特許文献1は、取水口および/または取水トンネルに対して重複機能を提供しない。津波や高波が重大なリスクとなる場所において海岸線近くに位置した原子力発電所の場合には、多くの場合、取水ボウルに対しては、原子力発電所を保護している堤防の下を通る地下の取水トンネルを通して水が供給されることに、注意されたい。
1984年6月17日に公開された特開昭60-111089号
例えば取水トンネル内での圧潰の後に取水トンネルの少なくとも部分的な閉塞といったような場合に、単一故障基準を満たすためには、並列に設けられた2つの同一の取水トンネルの構成を提供することができる。しかしながら、この手法の場合には、建設コストがかなり高くなってしまう。
本発明の目的は、並列に設けられた2つの同一の取水トンネルを設けるという上記構成と比較してかなり低い建設コストでもって単一故障基準を満たすような取水設備を提供することである。
この目的のために、本発明は、上記のような取水設備に関するものであって、取水トンネルの少なくとも一部が、取水ボウルに対して連通した2つの端部を有したループを形成している。
このような構成により、2つの独立した取水トンネルを設ける必要なく、単一故障基準を満たすことができる。このような構成の意義深い利点は、使用される建設技術がある種の曲率を有したトンネルを形成し得るものであるならば、トンネルボーリングマシン(TBM)によって単一の経路に沿って取水トンネルを掘削し得ることである。下層土が硬すぎない地質学的地域にトンネル位置を選択することにより、単一の経路に沿ったトンネルを掘削することは、一般に、TBMとして単一のカッターヘッドを有したものを使用することを可能とする。
比較するならば、端部が海底に位置した2つの独立した取水トンネルを掘削する場合には、各トンネルを掘削したTBMの回収という問題点が生じる。すべての場合において、カッターヘッドは、海底のトンネル内に放棄しなければならない。このため、2つの取水トンネルの掘削のためには、少なくとも2つのカッターヘッドを使用する必要がある。本願出願人は、互いに離間した2つの取水口の同じ構成に関してトンネルの建設コストの比較研究を行い、本発明による手法が、一般に、ループ型トンネルの総長さが2つの平行に独立した取水トンネルの総長さよりも長いにもかかわらず、かなり安価な建設コストを意義深く提供することを確信した。加えて、ロボットまたはダイバーによる検査操作やメンテナンス操作が、2つの独立した取水トンネルの場合よりも1つのループ型取水トンネルの方がより迅速でありかつより安価であるものと評価される。例示するならば、1つのロボットが、単一の操作でもってループ型トンネルを検査することができる。なぜなら、そのロボットを、トンネルの一端部から導入することができ、トンネルの全体を通過させることができ、トンネルの他端部から導入することができるからである。
加えて、後述するように、例えば取水トンネルの圧潰といったような事象によって引き起こされた局所的閉塞の場合には、ループ型取水トンネルに対して連結された2つの取水口であれば、2つの取水口から取水ボウルに対して十分な量の水を継続して供給することができる。この構成は、それぞれに取水口が付設された2つの独立した取水トンネルを有した構成と比較して、安全性という観点から有利である。なぜなら、2つの独立した取水トンネルを有した構成の場合には、2つの取水トンネルのうちの一方の取水トンネルが局所的に閉塞したときには、必然的に、対応する取水口からの取水ボウルに対しての水の供給量が損失されるからである。
本発明による取水設備の有利な実施形態においては、取水トンネルは、50〜300メートルという曲率半径を有した湾曲部分を有している。このような構成は、一般に、長さの全体にわたって単一の経路に沿っての単一のTBMを使用してのループ型トンネルの掘削を可能とする。これにより、2つの独立した取水トンネルを掘削するのに必要な建設コストと比較して、より安価な建設コストを提供することができる。
本発明による取水設備の他の好ましい実施形態においては、以下の様々な構成の中の1つまたは複数の構成が使用される。
−湾曲部分が、少なくとも半円として延在した円弧を形成しているという構成。
−少なくとも1つの取水口が、水の集団内において深さのところに浸漬され、その深さのところの水温が、年間を通して、21℃未満に維持される、好ましくは16℃未満に維持される、という構成。
−取水設備が、さらに、第2取水トンネルを具備し、この第2取水トンネルが、水の集団内に浸漬された少なくとも2つの取水口に対して連結され、第2取水トンネルが、取水ボウルに対して連通した2つの端部を有したループを形成しているという構成。
−取水トンネルの2つの端部のうちの少なくとも一方が、サービストンネルによって延長され、サービストンネルが、グラウンドレベルで開口した傾斜部分を有し、サービストンネルが、取水トンネルを掘削するために使用されたTBMによって掘削されたものであるという構成。
−少なくとも2つの取水口が、取水トンネルに対して連結された鉛直方向取水シャフトの上端のところに配置され、少なくとも2つの取水口が、少なくとも100mという距離の分だけ互いに離間されているという構成。
−取水ボウルが、チャネルの底部に配置され、チャネルが、水の集団に対して連通した取水部分を備え、取水設備が、さらに、チャネルの底部と取水部分との間を区分するための少なくとも1つの壁を具備し、これにより、取水ボウル内の水が、チャネルの取水部分内の水と混合しないものとされているという構成。
−取水ボウルが、水密性のカバーデバイスによってカバーされ、
取水ボウルとこの取水ボウルの外部環境との間には、カバーデバイスにあるいはカバーデバイスの近傍に、校正された開口が形成され、これにより、水の集団内における異常な高水位のために取水ボウルが完全に充填された際には、取水ボウルから外部環境に対しての、限られた水流が可能とされているという構成。
−取水トンネルによって形成されたループの2つの端部が、単一の鉛直方向通路を介して取水ボウルに対して連通した同一の地下キャビティのところに配置されているという構成。
本発明は、また、少なくとも1つの原子炉ユニットと、本発明による取水設備と、を具備してなる原子力発電所に関するものであって、取水トンネルが、および、取水口の各々が、取水ボウルに対しての、取水トンネルの2つの端部のうちの一方だけからのおよび取水口のうちの一方だけからの水供給であっても、原子力発電所の少なくとも1つの原子炉ユニットの通常動作時に取水設備のすべてのポンピングステーションに対して所定量の水を供給し得るような、サイズとされている。原子力発電所が少なくとも2つの原子炉ユニットを具備している場合には、取水ボウルが、それぞれの原子炉ユニットに対して割り当てられた複数のポンピングステーションに対して水を供給することが有利である。
本発明は、また、少なくとも2つの原子炉ユニットと、本発明による取水設備と、を具備してなる原子力発電所に関するものであって、取水設備が、少なくとも、第2取水トンネルを具備し、この第2取水トンネルが、取水ボウルに対して連通した2つの端部を有したループを形成している。
本発明は、また、本発明による取水設備を形成するための方法に関するものであって、所定経路に沿ってTBMによって取水トンネルを掘削し、この掘削に際しては、
−TBMによって、グラウンドレベルでの出発領域から下向きに傾斜する第1トンネル部分を掘削し、これにより、取水ボウルの第1領域の下方の所定深さのところに位置した第1地下領域へと到達し、ここで、第1地下領域を、取水トンネルによって形成されたループの第1端部を構成するものとし;
−その次に、TBMを使用して、水の集団に向けて配向した第2部分を掘削し、その後、円弧形状の第3部分と、原子力発電所に向けて配向した第4部分と、を掘削し、ここで、第4部分を、取水ボウルの第2領域の下方の所定深さのところに位置した第2地下領域へと到達するものとし、第2地下領域を、取水トンネルによって形成されたループの第2端部を構成するものとし;
このような方法において、第1地下領域と取水ボウルの第1領域との間を連結する第1鉛直方向通路を掘削し、さらに、第2地下領域と取水ボウルの第2領域との間を連結する第2鉛直方向通路を掘削する。
さらに、TBMを使用して、取水トンネルの第5部分を掘削し、この第5部分を、第2地下領域から、TBMを取水トンネルから導出するためのグラウンドレベルでの終点領域へと、上向きに傾斜した部分とする。
本発明の他の特徴点や利点は、添付図面を参照しつつ、非制限的な例示としてのいくつかの実施形態に関する以下の説明を読むことにより、明瞭となるであろう。
海岸近くに位置した原子力発電所を概略的に示す平面図であって、原子力発電所は、本発明の第1実施形態による取水設備を実現し得るように変更されており、取水設備を循環する水の流れが、原子力発電所の通常の動作に関して図示されている。 図1の原子力発電所を概略的に示す平面図であって、取水設備を循環する水の流れが、取水トンネルが圧潰されて性能低下した場合の動作に関して図示されており、この状況においては、原子力発電所が通常動作を継続することがなおも可能とされている。 図1の取水設備を概略的にかつ部分的に示す側面図であって、様々な干満レベルが考慮されている。 図3の取水設備の改良を概略的にかつ部分的に示す側面図である。 高波に曝される可能性がある原子力発電所に関する取水設備を概略的にかつ部分的に示す側面図であって、様々な海面レベルが考慮されている。 図1の原子力発電所を概略的に示す平面図であって、本発明の他の実施形態による取水設備を実現し得るように変更されている。 同一の取水ボウルから水が供給される2つの原子炉を備えているとともに、単一の取水トンネルを有した本発明による取水設備を備えている、原子力発電所を概略的に示す平面図である。 同一の取水ボウルから水が供給される少なくとも3つの原子炉を備えているとともに、2つの取水トンネルを有した本発明による取水設備を備えている、原子力発電所を概略的に示す平面図である。 1つの取水ボウルから水が供給されるとともに、取水トンネルを有した本発明による取水設備を備えている、原子力発電所を概略的に示す平面図であって、取水トンネルの両端部が、取水ボウルから離間したところにおいてループを形成している。
図1〜図3は、以下において説明される本発明の第1実施形態による互いに同一の取水設備を示している。この取水設備は、原子力発電所1のところにおいて、海岸に設置されている。この取水設備は、既存の取水設備を改良するものであり、原子力発電所の少なくとも1つの熱交換器ベースの冷却回路に対して原子力発電所ポンピングステーション10が冷水を供給する源をなす取水ボウル2の中の水温をかなり低減することができる。
取水ボウル2は、チャネル6の底部に配置されている。チャネル6は、海5に対して連通した取水部分60を有している。チャネル6は、チャネル6と海岸線5Bとの間に設けられた堤防61によって、海から保護されている。本発明による変更前には、取水ボウルは、取水部分60に対して連通されたものであり、そのため、チャネルから水が供給されていた。したがって、ポンピングステーション10へと流入する水は、海岸のところにおける表面水の温度と実質的に同じ温度であった。
本発明に基づいて変更された取水設備は、例えばダム壁の態様のものといったような壁62を備えている。この壁62は、底部63とチャネルの取水部分60との間の隔離を形成する。これにより、取水ボウル2からの水は、チャネルの取水部分の水に対して、混合されることがない、あるいは、実質的に混合されることがない。取水ボウル2に対しては、地下の取水トンネル3を介して、水が供給される。取水トンネル3は、2つのシャフトによって取水ボウルに対して連通している。2つのシャフトの各々は、実質的に鉛直方向の通路7によって形成されており、図3に示すように、取水ボウルの底部において開口している。
取水トンネル3は、例示の目的のために、図1,2において図示されている。しかしながら、取水トンネル3が、海底内に埋設されたものであり、そのため、海中内で見えるものではないことは、理解されるであろう。取水トンネル3は、海底内を通って海岸線からある程度の距離のところにまで延出されており、海水面(フランスでは、MSLと称される)よりも深い位置にまで到達している。深さは、取水ボウル内の水温が最大温度を超えないように、決定される。熱交換器ベースの冷却回路のための低温源のタイプにかかわらず、原子力発電所の二次回路の効率ηは、低温源の温度Tfに依存するものであり、すなわち、熱交換器内へと流入する水の温度に依存するものであり、以下の式によって定義される。すなわち、
η=(Tc−Tf)/Tc
ここで、Tcは、熱源の温度である、すなわち、熱交換器から流出する水の温度である。したがって、効率ηは、低温源の温度Tfが減少するほど、向上する。
既存の設備の二次回路の効率を改良するためには、あるいは、新設の原子力発電所の計画に際しては、熱交換器の設計や、設備の通常動作時の要求や、設備の性能低下の動作の要求が、低温源が超えてはいけない温度を決定づける。
水の集団の性質に応じて、また、原子力発電所が設置される領域の性質に応じて、低温源に関するこの最大温度は、地下の取水トンネルに対して連通した取水口を所定の最小深さと少なくとも同じ深さのところに配置しなければならないことを、意味している。例えば、原子力発電所を地中海の沿岸の場所に建設する場合には、冷却システムは、低温源の最大温度が20℃に設定されるような、すなわち、取水口の最大深さが、海面下における変温層をなす35メートルという最小深さであるような、サイズとされる。このことは、一年のうちの海水温が最高である期間に一般的には8月や9月に、水温が20℃を決して超えないための、35メートル以下にまで下げなければならないことを、意味する。
原子炉のための冷却システムは、動作時の低温源の最適温度がシステムの最大温度よりも低温であることによって特徴づけられる。例えば、低温源の最大温度が20℃に設定されている場合、最適の動作温度は、約15℃とすることができる。一年のうちの特定の期間(例えば、1ヶ月単位)の各々に関して深さと水温との間の関係を示している、海に関しての変温曲線に基づき、15℃を決して超えない水温を得るためには、なおも変温層内に位置している70メートルという深さへと到達しなければならないことを、決定することができる。そのような深さにおいては、水温は、年間を通して、ごくわずかしか変化しない。例えば、最も低温の月でも、13℃以下とはならない。この例においては、効率をさらに改良するに際し、70メートルよりも深いところから取水しても意味がないことは、明らかである。なぜなら、トンネル建設にかかる追加的なコストが、効率のわずかな改良と比較して、大きすぎるからである。
取水設備の建設コストと取水設備に関する予想効率との間において最も良好なバランスが得られる深さは、様々な深さに関しての取水トンネル3の建設コストに関する見積もりを知ることにより、さらに、海に関しての変温曲線を使用することによって低温源の温度に基づく取水設備の効率を知ることにより、決定することができる。
海の近くの新設の原子力発電所の場合には、この建設コストは、取水ボウルの水がチャネルによって提供される従来的な冷却システムを備えた原子炉の建設コストと比較される。一般に、本発明による冷却システムを備えた新設の原子力発電所は、取水トンネルの建設のために、全体的にはより高価なものとなる。しかしながら、熱交換器や循環ポンプに関して、とりわけ、関連する人件費を含めて、節約を行うことができる。それは、低温源の最大温度の低減に起因して、寸法を小さくし得るからである。加えて、より深いところから水を引き込むことは、例えば化学薬品や植物(藻)や浮遊物質といったような様々な汚染物質を除去する。これにより、濾過システムを単純化することができ、建設コストおよび維持コストを低減することができる。
したがって、本発明による冷却システムを備えた新設の原子力発電所に関する追加的な建設コストは、必然的に、大きなものとはならない。加えて、地域によるものの、年間のうちのいくつかの期間においてあるいはすべての期間において原子力発電所の効率を改良し得ることにより、かなり大きな動作余裕度をもたらすことができ、これにより、取水設備の費用対効果を改良することができる。これは、特に、海の表面温度が多くの場合に25℃を超える領域において顕著である。したがって、追加的な建設コストは、原子力発電所の予想寿命と比較して比較的迅速に、取水設備の効率の改良によって、オフセットすることができる。長期的には、建設コストと動作コストとを含む合計コストが低減されることとなる。
図1に示す実施形態においては、取水トンネル3は、海面から40メートル下方の深さのところにおいて海底内に配置されている。取水トンネル3は、少なくとも100メートルという距離Dの分だけ互いに離間して配置された2つの取水口51,52に対して連結されている。少なくとも100メートルという距離は、2つの取水口が同時に故障してしまうというリスクを最小化する。例えば、取水口の近傍に沈没したボートが取水口51,52の双方を損傷させてしまうという事象は、それら取水口51,52の間の離間距離のために、極めてあり得ないことである。各取水口は、海底から数メートルだけ上方に位置している。これは、取水トンネル3内への堆積物の吸引を避けるためである。各取水口は、図3に示すように取水トンネルに対して連結された実質的に鉛直方向の取水シャフト8の上端のところに配置されている。海水面L から下方における取水口51,52の深さHは、上述したようにして決定することができる。これにより、取水設備の建設コストと取水設備の予想効率との間における最良バランスを得ることができる。
図2,3に示すように、取水トンネル3は、各々が取水ボウル2に対して連通した2つの端部31,32を有したループを形成している。取水トンネルループの各端部31,32は、取水ボウルのそれぞれ対応する領域21,22よりも鉛直方向において下方に配置されており、全体的に鉛直方向の通路7を介して取水ボウルに対して連通している。図3に示すように、取水トンネルループの端部31,32は、鉛直方向通路7と一緒に、エルボーを形成することができる。エルボーの形成は、取水トンネル内へと吸引され得る堆積物17をエルボーの底部へと捕捉することに寄与する。取水ボウルへと到達する前における回路内の圧力水頭の無用の損失を避けるために、鉛直方向通路7の内径は、好ましくは、取水トンネル3の内径よりも小さなものとされている。取水トンネル3の内径は、例えば、約5メートルである。
取水トンネル3によって形成されたループは、水平面内に位置している。これにより、傾斜した地盤上における土壌の移動および排出の管理を不要とすることができ、建設時にループに沿ってのTBMの操作を容易なものとすることができる。しかしながら、ループ内において傾斜した部分を設けることが想定される。これは、例えば、特定の底土の地質学に適合するためである。取水シャフト8に向けてのごくわずかな上り勾配により、必要とされたときに、例えば原子力発電所の停止時における定例外の修復の際に、ループの端部31,32がループの最も低いポイントをなすことのために、まず最初に取水口51,52を閉塞しその次にループの端部31,32から水をポンピングすることによって、水を枯渇させることを可能とする。しかしながら、後述するように、取水トンネルの構成は、通常、取水トンネル内に損傷が生じた際にメンテナンスを実施するに際して、水の排出を必要とはしない。これとは逆に、取水シャフト8に向けての下り勾配は、例えば10°〜20°という勾配は、各鉛直方向通路7の所要高さを低減させるものであり、回路の全長さをいくらか短縮させるものである。現在のTBM掘削技術を使用するのであれば、実質的に水平面内に位置した取水トンネルループを掘削することが、最も単純な手法であると考えられる。
取水トンネル3は、50〜300メートルという曲率半径Rを有した湾曲部分3Cを有している。有利には、この湾曲部分3Cは、半円よりも大きなものとして延在するような、中心Cと半径Rとを有した円弧を形成する。これにより、ループの両端部31,32が比較的接近していることを考慮すれば、あるいは、ループの両端部31,32が互いに一致することさえあり得る(図6を参照されたい)ことを考慮すれば、取水トンネルの全長さを最小化することができる。少なくとも1つの湾曲部分を有した取水トンネルは、現在のTBM掘削技術により、TBMによって掘削される壁にための補強接続を使用しつつ、建設することができる。補強セグメントは、個々に耐久性のある予成形されたコンクリートブロックである。360°にわたっての補強モジュールを形成するには、すなわち、リング形状の補強モジュールを形成するには、4つの同一のセグメントとキーストーンを形成する1つの追加的なセグメントとを使用することができる。それらセグメントは、弾性シールによって相互連結される。補強モジュールの長さは、例えば、5メートルという内径に関して、1〜2メートルとされる。
取水トンネルに沿った連続的な補強モジュールどうしも、また、弾性シールによって相互連結され、2つの連続的なキーストーンが位置合わせされないようにして、補強モジュールの軸線まわりにおいてペア的に角度オフセットされる。弾性シールによる連結におけるフレキシブルさは、また、2つの連続したモジュールの軸線どうしの間におけるわずかな位置ズレを引き起こす。このことは、ある曲率半径をゆうした少なくとも1つのトンネル部分の建設を可能とする。車両交通用のトンネルのための現在の技術によれば、組み立てられたセグメントによって提供されるトンネル壁の機械的強度に妥協することなく、約150メートルという曲率半径を得ることが可能である。ここで説明する取水トンネルに関しては、より小さな曲率半径が可能である。特に、取水トンネルが水によって充填された後には、機械的応力がわずかに小さくなることのために、より小さな曲率半径が可能である。
取水トンネル3の掘削は、TBMによって行うことができ、以下のようなステップを順次的に行うことができる。第1ステップにおいては、TBMを、取水ボウル2から離間したところに位置したなおかつ原子炉ユニット1Aから離間したところに位置したグラウンドレベルの出発地点35へと、配置する。取水ボウルに対しての、グラウンドレベルの出発地点35の離間距離は、取水ボウルの下方においてTBMを通さなければならない深さに応じたものとなる。TBMは、取水トンネルの第1部分3Aを掘削する。この第1部分3Aは、海に向けて下りに傾斜している。第1部分3Aの掘削は、図2,4に示すように、取水ボウルの第1領域21の下方の所定深さのところに位置した第1地下領域3A1に到達するまで続けられる。第1地下領域3A1は、取水トンネルによって形成されるループの第1端部31を構成する。取水トンネルループを形成するための第2ステップにおいては、TBMが取水トンネルの掘削を継続し、これにより、第1水中取水口51が位置することとなる位置に向けて実質的に配向した第2部分3Bを形成し、その次に、第1水中取水口51を意図した位置の下方と第2水中取水口52を意図した位置の下方と通過する第3円弧部分3Cを形成し、その後、原子力発電所1に向けて配向した第4部分3Dを形成する。第4部分3Dは、取水ボウルの第2領域22の直下の所定深さに位置した第2地下領域3A2へと到達することを意図したものである。第2地下領域3A2は、取水トンネルによって形成されるループの第2端部32を構成するものであり、第1地下領域3A1と実質的に同じ深さのところに位置している。
第3掘削ステップにおいては、TBMは、取水トンネルのうちの、第2地下領域3A2からグラウンドレベルの終点領域36にまで上りで傾斜する第5部分3Eを掘削する。終点領域36を通して、TBMを導出することができる。取水トンネルの形成に際し、この第3ステップが必須ではないことに注意されたい。例えば、第2地下領域3A2の掘削後には、TBMがそのカッターヘッドを放棄するように構成することができ、TBMは、その後、取水トンネルを逆向きに移動して、グラウンドレベルの出発地点35から出ることができる。取水トンネルの第1部分3Aの掘削あるいは第5部分3Eの掘削は、地形を脆弱化させないために、特に、原子力発電所設備の下方の地形を脆弱化させないために、行う必要がある。したがって、それら取水トンネル部分が、原子炉ユニットの繊細なシステムから離間した下方領域を通過していることが、特に好ましい。
取水ボウル2を、取水トンネルによって形成されたループの第1端部31および第2端部32に対して接続するために、第1鉛直方向通路7が掘削される。第1鉛直方向通路7は、第1地下領域3A1を取水ボウルの第1領域21に対して接続する。同様に、第2鉛直方向通路7が掘削され、この第2鉛直方向通路7は、第2地下領域3A2を取水ボウルの第2領域22に対して接続する。これら通路7の壁は、コンクリートによってカバーされる。あるいは、これら通路7の壁は、金属チューブによって形成することができる。第1通路7および第2通路7は、取水トンネルの掘削前でもあるいは掘削時でも掘削後でも形成し得ることに注意されたい。取水トンネルの第1部分3Aおよび第5部分3Eとの少なくとも一方は、図3の実施形態の場合のように、掘削後に再シールすることができる。また、取水トンネルの第1部分3Aおよび第5部分3Eとの少なくとも一方は、そのまま残しておくことができ、コンクリート壁によってカバーすることができる。これにより、サービストンネルを形成することができる。このサービストンネルは、図4の実施形態の場合のようにそして後述するように、取水トンネルの検査やメンテナンスに際して容易なアクセスを提供する。
これに代えて、取水トンネル3は、鉛直方向通路7のためのシャフトの掘削後に掘削することができ、TBMの配置は、このシャフトの底部へと関連部材を降下させることによって行うことができる。特に、掘削部材と車両とをシャフトの底部へと関連部材を降下させることによって行うことができる。したがって、取水トンネルのうちの、例えば部分3Aといったような第1下向き傾斜部分は、掘削する必要はない。
この場合、水の集団5は、干満を受ける海である。例示の実施形態が、実質的な水面変化を起こさないような水の集団に対しても適切であることは、理解されるであろう。通路7の各壁は、図3に示すように、最も大きな干満係数の時の最も低い干満レベルL よりも実質的に下方の高さ位置において、取水ボウル2内に開口している。実際、取水ボウルに対しての、海から吸引された水の供給は、雰囲気圧力下での水位の平衡化によって引き起こされる。取水シャフト8内におけるおよび取水トンネル内における圧力損失を考慮すれば、取水ボウル内における水の高さ位置L は、取水口51,52の上方において測定した場合の海の高さ位置L と比較して、数センチメートル下方といったようなあるいは数十センチメートル下方とさえいったような高さに位置している。ここで、高さ位置L は、波のうねりの山と谷との間の平均位置である。水位L が最低干満レベルL へと到達した場合には、取水ボウル内の水位L は、水位L2Lとなる。この水位L2Lは、ポンピングステーション10内のポンプの通常の動作によって取水ボウルの漸次的な枯渇を避けるためには、通路7の開口7Eよりもある高さだけ上方に位置していなければならない。取水ボウルの高さは、海水面L が、最も大きな干満係数の際に最高水位L となった時に、取水ボウルから水がオーバーフローしないような高さとされている。
有利には、通路7の開口7Eは、取水ボウルの底部2Bと比較して、所定高さ分だけ上方に位置している。これにより、例えば津波の場合に海の水際がそうなるように水の集団5が特例的に水位L よりも下方へと落下した場合でも、取水ボウル内に貯水された水を利用することができる。これは、原子炉ユニットによる電力生成を停止させるまでの時間を提供するものであり、また、ポンプに対しての水の供給を中断させることなく、ポンピングステーション10内におけるポンプの通常動作からバックアップポンプへと切り換えるだけの時間を提供するものである。
原子力発電所1の原子炉ユニット1Aの通常動作時には、図1,3に示すように取水トンネル3が完全な動作を行っている場合、取水口51,52により、取水トンネルは、ポンピングステーション10の流速の関数としての速度でもって流れる流れI ,I によって、水を吸引することができる。例えば、通常動作時に、フルパワーの原子炉ユニット1Aが、冷却のために70m/s の水を必要とする場合には、各流れI ,I の流速は、約35m/s である。さらに、公知なように、ポンピングステーションは、熱交換器ベースの冷却回路から出る水を導出トンネル4内へと循環させるためのポンプを備えている。導出トンネル4は、取水口から離間したところに位置した水面下排出開口41に対して連通している。導出トンネル4によって排出される水の流れI の流速は、通常は、流れI ,I の合計流速に等しい。
取水トンネル3の局所的な損傷時には、例えば、図2に概略的に示すように、取水トンネルの領域55が圧潰された時には、上述したようなトンネル壁の補強セグメントが、取水トンネルに対しての横方向に位置ズレすることができる。これにより、取水トンネルの内径が局所的に狭められてしまう。本出願人による研究によれば、5メートルという内径の取水トンネルが最も深刻に圧潰された時であっても、取水トンネルのうちの、損傷を受けた領域の内径は、例えば少なくとも5m/s という流速を可能とし得るほど、十分な大きさのままであり、ポンピングステーション10内のバックアップポンプが必要とするバックアップ流速よりも大きな流速を可能とし得るほど、十分な大きさのままである。約4m/s というバックアップ流速であれば、通常は、電力生成が停止されていることのために、原子炉ユニットのポンピングステーションの水供給要求を十分にカバーすることができる。
図2に示す例においては、取水トンネルの一部だけが、圧潰された領域55とされている。取水トンネルの内径が、圧潰された領域55において大幅に低減されたと仮定しても、原子炉ユニット1Aの通常の動作を継続することができる。この例においては、通常動作時におけるポンピングステーション10の流速は、約70m/s である。このことは、取水トンネルの1つの支線あたりの流速が約35m/s であることを意味している。第2取水口52と第2端部32との間において、圧潰された領域55が約5m/s という流速しか流せなくなったとしても、取水トンネルのループのうちの、第2取水口52と第1端部31との間における部分は、損傷を受けておらず、取水ボウル2に対して、要求される約70m/s という流速でもって水を供給することができる。
2つの取水口51,52が損傷を受けていないことにより、取水ボウル2に対しての供給流速は、それぞれの取水口に対して均等に割り当てられたままである。すなわち、各流れI ,I は、約35m/s であり、取水ボウルに対しての流速が約70m/s となる。加えて、2つの取水口51,52のうちの一方の取水口が損傷を受けたと仮定しても、取水設備は、取水口51,52のうちの他方の取水口だけであっても原子炉ユニットの通常の動作を継続するのに必要な流速を提供し得るように、構成されている。各取水口51,52のサイズは、また、関連する取水シャフト8のサイズは、それに応じて決定されている。よって、取水トンネル3が、上記のような性能低下したモードで動作したとしても、原子炉ユニット1Aは、通常の動作を継続することができる。
取水設備のそのような構成は、また、複数の原子炉ユニットのための複数の冷却回路に対して同一の取水ボウルから水が供給されているような原子力発電所1の構成に対しても、適用することができる。そのような構成の一例が、図7に示されている。以下、その例に関して説明する。一般に、取水トンネル3および各取水口51,52が、取水トンネルの2つの端部31,32のうちの一方だけであってもまた2つの取水口のうちの一方だけであっても取水ボウルに対しての水の供給が、原子力発電所のすべての原子炉ユニットの通常動作時に取水設備のすべてのポンピングステーション10に対して十分であるような、サイズとされていることは、理解されるであろう。
取水トンネルから水が供給されている1つまたは複数の原子炉ユニットの通常動作を中断することなく取水トンネル内のある種のメンテナンス操作や補修操作を行いつつ、最大の安全性を目指すことができる。例えば、原子炉ユニット1Aを停止させることなく、圧潰された領域55を修理することができる。また、そのような圧潰された領域55に関して、取水トンネルの内径を元々の内径へと復元するに際し、取水トンネルの建設時に、取水口51,52に関連した取水シャフト8に隣接させて、ゲートバルブ56付きのトンネル部分を設けることができる。そのようなゲートバルブ56は、取水トンネルの側部に形成された凹所内に配置されたヒンジ付きドアとすることができる。そのようなゲートバルブ56は、安全機構が解除された後に、ダイバーまたは水中ロボットによって取水トンネルの外部から操作することができる。ゲートバルブに対してのアクセスのためのメンテナンスシャフトを、取水シャフト8に連結させて、設けることができる。
図2の例においては、取水口52の取水シャフトに隣接したゲートバルブ56は、任意の適切な手段によって、ループの端部32に関連した通路7内において水の流量が実質的に低減したことを検出した後には、閉塞される。このゲートバルブ56の閉塞により、この部分の検査や修理のためにサービストンネル3Eからトンネル部分3Dへと入っていくロボットやダイバーや手段が取水口52の取水シャフトへと到達する際に、流れI に対応した水流によってトンネル部分3B内へと移動してしまうリスクを回避することができる。第1取水口51と第1端部31との間の取水トンネル支線において、流速が2倍となった場合には、特に、ダイバーは、図3に示すように、取水ボウルの濾過システム12内へと引っ張られかねない。そのようなゲートバルブ56は、必ずしも水密的である必要はなく、圧潰された領域55を超えて対象物やダイバーが遠くへ行かないようなサイズの格子を備えることができる。しかしながら、比較的水密構造のゲートバルブ56であれば、ループの第2取水口52と第2端部32との間の水流通を大幅に制限することができる。このことは、水流を中断させることなく、圧潰された領域55内において修理を行う場合に、有利なものとすることができる。
図4に示すように、TBMによって掘削された第1部分3Aおよび第5部分3Eは、そのまま残すことができる。これにより、取水トンネルループの第1端部31および第2端部32に対してのグラウンドレベルからのアクセスのための第1サービストンネルおよび第2サービストンネルを提供することができる。図4においては、第5部分3Eは、第1部分3Aの背後に位置しており、仮想線によって部分的に図示されている。これら2つのサービストンネルの寸法は、互いに同じとすることができる。トンネル壁は、トンネル壁の検査という目的のためにトンネル壁に沿って設けられたガイドレールまたはガイドトラック上を移動する少なくとも1つの自動水中車両16によって、検査される。検査車両には、例えばスポットライトと画像撮影デバイスとが付設されており、可能であれば、制御ステーションに対して通信を行うことができる。取水トンネルの完全な検査は、第1サービストンネル3Aから検査車両16を導入するとともに、第2サービストンネル3Eを通して検査車両16を導出することにより、行うことができる。
このようなトンネル検査操作は、ポンピングステーション10の通常に動作しているポンプによる取水ボウル2からの通常の取水操作時に行うことができる。しかしながら、その場合には、検査車両16は、約35m/s という取水流速に抗して取水トンネルの第1支線内を進まなければならない。この流速は、約5メートルというトンネル内径の場合には、1.8m/sという速度に対応する。したがって、検査車両16のパワーおよび自動化設備は、そのような速度に適合したものでなければならない。可能な限りにおいて、原子炉ユニットによる電力生成が停止されているとともに、ポンピングステーション10のうちの、取水ボウルに関連したバックアップポンプによってのみ水がポンピングされているモードにおいて、取水トンネルに関する入念な検査が実施されることが好ましい。その場合には、取水流速I1Sが低減され、例えば各支線に関して約2m/s へと低減される。このことは、速度が約0.1m/sであることを意味しており、これは、非常に小さな値である。取水流速が非常に小さいというこのような状況下においては、ダイバーが、流れに持って行かれるというリスクなしで、安全に作業することができる。
第1サービストンネル3Aは、第1地下領域3A1に対して連結されており、第2サービストンネル3Eは、第2地下領域3A2に対して連結されている。グラウンドレベルでの出発地点35または終点領域36においては、サービストンネル内の水は、取水ボウル内の水位L に実質的に対応した水位L を有している。グラウンドレベルでの出発地点35または終点領域36は、高さレベルL が原子力発電所に対して溢れ出さないように、持ち上げることができる。これとは逆に、グラウンドレベルでの出発地点35または終点領域36の場所において、図4に概略的に示すように、サービストンネルの端部が、最大の干満係数の時の最も高い水位L よりもずっと低い位置で開口しているならば、その位置は、最大満潮時には溢れることとなり得る。よって、サービストンネルには、ゲートバルブ15を設けることができる。例えばヒンジ付きドアを設けることができる。ゲートバルブ15は、トンネルの側部に沿って形成された凹所内に配置され、ダイバーによって例えば取水トンネルの内部から操作される。ゲートバルブ15は、一方向流通機構として機能することができる。このことは、サービストンネル内における水位L が、干潮時の水位を実質的に超えないことを意味している。ゲートバルブ15の水密性は、必ずしも良いものとは限らない。検査車両16またはダイバーの通過を可能とするためのゲートバルブ15の強制開放は、領域35,36に水が溢れることを避けるために、十分の低い潮位の時に行われる。
図5に示すように、本発明による取水設備は、異常な水位上昇を受けそうな水集団の近くに配置された原子力発電所に対して適用することができる。異常な水位上昇とは、例えば津波によって引き起こされたような高波や、あるいは、川の氾濫によって引き起こされたような高波を意味するものとして、理解されるであろう。例えば図1に示す取水設備といったような取水設備は、水位の異常な上昇に対抗するための構成を、あまり有していない。堤防61は、図5に示すように、予想される最大高さL1Pによって水が溢れないように、十分な高さを有していなければならない。さらに、堤防61は、原子力発電所を完全に保護しなければならない。したがって、例えばチャネルといったような、海に対して開口したものは、もはや存在していない。
取水ボウル2の制御不可能なオーバーフローを避けるために、取水ボウル2は、実質的に水密性のカバー25を形成するデバイスによって、カバーされている。カバー25には、取水ボウルと周囲環境との間にわたっての校正された開口26が、取水ボウルの側壁内にあるいはその近傍に、形成されている。よって、異常な水位上昇によって取水ボウルが完全に充填された場合、校正された開口26によって、取水ボウルから周囲環境へと、限られた水流I しか流すことがない。可能であれば、この水流は、海への排出前に、中間排出領域へと案内される。
カバー25のところにおける取水ボウル2内の水圧は、特に、カバー25の高さ位置に対応した参照高さ位置L25に対しての、取水口51,52の鉛直方向上方における海水面高さH の関数である。校正された開口26を通しての水流I に応じて、取水ボウル2は、大きな程度であるいは小さな程度で、圧力を減少させることができる。開口26を通して排出することができるけれども、取水ボウル2とカバー25と濾過システム12との構成は、追加的な圧力に対して対抗しなければならない。約10メートルという高さH は、取水トンネル内の圧力水頭によってオフセットされつつも、例えば白抜き矢印によって示された位置といったような位置において、カバー25の下方に対して1bar程度の圧力を印加することとなる。さらに、水位上昇が津波によるものであり、津波に先行する地震が原子力発電所に対して影響を与えていない場合には、原子炉ユニットを停止することができず、したがって、水位上昇時にポンピングステーション10の通常に動作しているポンプを停止することができない。
図5を参照して上述した取水設備を、グラウンドレベルから取水トンネルループに対してアクセスするための少なくとも1つのサービストンネルを有することに関連して、図4を参照して上述した実施形態を実施し得るようにして、配置することができる。この場合、例えばゲートバルブ15といったようなゲートバルブは、可能であればグラウンドレベルでの出発地点35のところに配置されたものであって、水位上昇時にサービストンネルから原子力発電所へと水が溢れることを防止する。加えて、水位上昇によって、例えば図1におけるトンネル4といったような排出トンネルに対して水を供給している排出シャフトを通して原子力発電所へと水が溢れることを防止するために、ポンピングステーションの排出シャフトの各々には、カバー25として機能するカバーデバイスと同様のカバーデバイスを設けることができる。可能であれば、カバーデバイスは、圧力を逃がすための校正された開口を有している。
図6においては、図示の取水設備は、図1の取水設備と比較して、実質的に、取水トンネルループの第1端部31および第2端部32が、取水ボウル2の直下に位置した同一の地下キャビティ3A1内においてほぼ一致している点において、相違している。第1端部31および第2端部32は、単一の鉛直方向通路7’を介して取水ボウルに対して連通している。単一の鉛直方向通路7’は、地下キャビティ3A1を取水ボウルに対して連結している。取水トンネルの掘削時には、グラウンドレベルでの出発領域36に向けて出口部分3Eを通してTBMを導出することができる。この場合には、図1の場合と同様にして、TBMを導出することができる。あるいは、TBMを地下キャビティ3A1へと配向させることができる。そして、グラウンドレベルでの出発領域35に向けて開始部分3Aを通してTBMを導出することができる。
そのような実施形態の利点は、ただ1つの通路7’を設けるだけで良いことである。しかしながら、取水トンネル内で修理を行う必要がある場合には、例えば、図1に関して説明したように取水トンネルの圧潰された領域55を修理する場合には、ポンピングステーションの通常的に動作しているポンプをバックアップポンプへと切り換える必要があり、これにより、通路7’内へと吸引される危険性なく、サービストンネル3Aあるいは3Eを通して取水トンネル3の損傷を受けた支線に対してのアクセスを得ることができる。
図7においては、図示された原子力発電所は、図1の原子力発電所と比較して、実質的に、同一の取水ボウル2’から水が提供される2つの原子炉ユニット1A,1Bを備えている点において、相違している。本発明が、連続的な容積を形成する取水ボウルに限定されるものではないことは、理解されるであろう。「同一の取水ボウル」という用語は、互いに個別の一組をなす複数の取水ボウルであるとともに、例えばチャネルまたはパイプを介して互いに連結された一組をなす複数の取水ボウルを意味するものとして理解されたい。可能であれば、チャネルまたはパイプには、バルブが設けられる。これにより、すべての取水ボウルの水位は、互いに同じとなる。あるいは、それら取水ボウルの間の水位の差は、所定高さを超えることがない。図示の実施形態においては、取水ボウル2’は、原子力発電所の各原子炉ユニットのそれぞれに割り当てられた2つのポンピングステーション10に対して、水を供給する。取水設備は、図1を参照して説明した取水設備と同様のものである。原子力発電所が、陸地ストリップ9によって、海の水際5Bから離間されていることに注意されたい。陸地ストリップ9は、例えば、建設用地ではない海岸領域に対応したものである。簡略化のために、熱交換器によって加熱された水を排出するためのシステムの図示は、省略されている。
付加的には、取水ボウル2’を2つの部分に区分するために、ゲートバルブ23を設けることができる。可能であれば、点線で図示されたような連結トンネル30を、取水ボウル2’の直下に設けることができ、これにより、取水トンネル3の第1端部31および第2端部32を連結することができる。ゲートバルブ23は、引き上げ式のゲートとすることができ、取水ボウルの中央領域に設けられた引き上げデバイスを使用して引き上げることができる。ゲートバルブ23は、2つの原子炉ユニット1A,1Bの通常動作時には、開放状態とすることができる。一方の原子炉ユニットが停止した場合には、ゲートバルブ23を閉塞することができる。これにより、例えば、原子炉ユニットのポンピングステーションに向けての取水ボウルからの水の吸引を停止させて、取水ボウルの一方の原子炉ユニットに関するポンピングステーションをメンテナンスすることができる。この構成においては、連結トンネル30は、必須ではないものの、ゲートバルブ23を再開放する必要なく、取水ボウル2’の活性部分からの水供給における特に取水トンネルの第1端部31を通しての水供給における追加的な安全性を提供する。これは、一方の原子炉ユニットがメンテナンス中でありなおかつ他方の原子炉ユニットが活性なままである場合であっても、単一故障基準を満たすものである。
これに代えて、取水ボウル2’を、恒久的に2つの部分に区分することができる。例えば、上述したようなゲートバルブ23に代えて、恒久的な壁を使用することによって、恒久的に2つの部分に区分することができる。これにより、取水ボウルのメンテナンスを容易なものとすることができる。そのような実施形態においては、例えば連結トンネル30によって提供される流体連通といったような流体連通を確保する必要がある。これにより、各ポンピングステーションに対しての水の供給に関連した単一故障基準を満たすことができる。上述したように、取水ボウル2’の2つの部分が流体連通可能であるように連結されている限りにおいては、取水ボウル2’を2つの部分に区分されたものとして形成することができる。流体連通に際しては、可能であれば、少なくとも1つのゲートバルブを設けることができる。そのようなゲートバルブは、通常は閉塞されており、例えば、取水ボウルの2つの部分のうちのいずれか一方の水位が異常に低くなったことに応答して自動的に開放されるように、制御される。
図8においては、図示の原子力発電所は、図1の原子力発電所と比較して、実質的に、原子力発電所が、同一の取水ボウル2’から水が供給される少なくとも1つの追加的な原子炉ユニット1Cを備えている点において、および、取水設備が、ループを形成する第2取水トンネル3’を備えている点において、相違している。第2取水トンネル3’は、第1取水トンネル3と同じ構成のものとすることができる。第2取水トンネル3’は、第1取水トンネル3と同様に、鉛直方向通路によって取水ボウル2’に対して連通した2つの端部33,34を備えている。第1取水トンネル3と同様に、第2取水トンネル3’は、2つの取水口53,54に対して関連しているとともに、グラウンドレベルでの出発領域37から傾斜したあるいはグラウンドレベルでの終点領域38から傾斜した少なくとも1つのメンテナンス部分を備えることができる。
図示の構成においては、第1および第2の取水トンネル3,3’は、少なくとも、平面視において双方の取水トンネルの経路が互いに交差している領域57においては、深さ方向においてずらされている。例えば、互いに約10メートルだけ深さ方向においてずらされている。例えば、第2取水トンネル3’を掘削するTBMは、交差領域57においては、第1取水トンネル3の下方を通過する。交差領域57は、地震に対して脆弱性を有した領域である。なぜなら、双方の取水トンネルが損傷を受ける可能性があるからである。しかしながら、両トンネルがこの交差領域57だけにおいて損傷を受けた場合には、取水ボウル2’に対しての水の供給は、4つの取水口51,52,53,54によって継続される。2つのトンネルが交差した領域を有したそのような構成は、安全性という観点において、特に地震リスクが小さい地域においては、受け入れ可能なものである。両トンネルのそれぞれの経路の他の構成が可能であることは、理解されるであろう。特に、2つのトンネルが互いに交差することなく同一平面内に配置された構成が可能であることは、理解されるであろう。これは、地震のリスクが存在する地域において好ましい。例えば、図1の取水トンネルと同じ形状を有した2つの取水トンネルを備えることができ、それらの取水トンネルは、互いに対称的なものとすることができる。また、図6を参照して説明した実施形態と同様に、あるいは、図9を参照して後述するように、取水トンネルループの第1端部31および第2端部32が一致している構成とすることができる。
一般的に大きな建設コストにもかかわらず、少なくとも3つの原子炉ユニットに対して水を供給するための取水ボウル2’に関して2つの取水トンネルを備えた構成は、同数の原子炉ユニットに対して単一の取水トンネル3によって水を供給する構成と比較して、いくつかの場合において好ましいものとすることができる。実際、取水口の数を2倍とすることにより、また、取水トンネルの支線の数を2倍とすることにより、取水ボウルに対しての水のより安定した供給を行うことができる。これは、とりわけ地質学的リスクが存在する地域においては、好ましいものとすることができる。例えば、取水トンネルの圧潰を引き起こし得る地震リスクが存在する地域においては、好ましいものとすることができる。加えて、2つの取水トンネルの各々は、単一の取水トンネルの場合に必要とされる内径よりも小さな内径を有することとなる。このことは、単一の取水トンネルの場合の比較的大きな内径の場合にはTBMによる掘削コストが大きくなり過ぎることのために、好ましい。特に、第4原子炉ユニット1Dを備えている場合には、単一の取水トンネルに関して必要とされる内径は、例えば、同時に動作する4つの原子炉ユニットを冷却する場合に、取水トンネルの一方の支線の圧潰時に取水トンネルの他方の支線において280m/s という流速を可能とするためには、約10メートルとなる。
図9においては、図示された原子力発電所は、図6の原子力発電所と比較して、実質的に、取水トンネルループの第1端部31および第2端部32が、取水ボウルの直下の通路7に対して連結されている地下領域から離間した地下連結領域39のところにおいて、連結されているという点において、相違している。よって、取水トンネルループは、通路7に対して、取水トンネルの単一の取水トンネル3B1によって連結されている。図示の構成においては、原子力発電所は、例えば少なくとも500m幅とされたものといったような陸地ストリップ9の分だけ、海の水際5Bから離間されており、取水トンネル3B1もまた少なくとも500mにわたって延在している。取水ボウルの直下の位置にループの2つの端部31,32を有した取水トンネル形状と比較して、取水トンネルの全体の長さが、取水トンネル3B1の長さの分だけ短縮されている。これにより、取水トンネルの建設コストを大幅に低減することができる。図示の構成は、地質学的に安定していて取水トンネルの圧潰リスクが非常に小さい地域において、特に好ましいものとすることができる。それでもなお、同一の取水ボウルに対して互いに同様の2つの取水トンネルから水を供給する実施形態は、単一故障基準を完全に満たした2つの取水トンネルが存在することのために、より好ましいものである。
1 原子力発電所
1A 原子炉ユニット
1B 原子炉ユニット
1C 原子炉ユニット
1D 原子炉ユニット
2 取水ボウル
2’ 取水ボウル
3 取水トンネル
3’ 第2取水トンネル
3A サービストンネル、第1トンネル部分
3A1 地下キャビティ、第1地下領域
3A2 第2地下領域
3B 第2部分
3C 湾曲部分、第3部分
3D 第4部分
3E サービストンネル、第5部分
5 水の集団
6 チャネル
7 第2鉛直方向通路
7’ 鉛直方向通路
8 鉛直方向取水シャフト
10 ポンピングステーション
11 冷却回路
25 カバーデバイス
26 校正された開口
31 端部
32 端部
33 端部
34 端部
35 出発領域
36 終点領域
51 取水口
52 取水口
53 取水口
54 取水口
60 取水部分
63 底部
62 壁

Claims (15)

  1. 原子力発電所(1)の1つまたは複数の原子炉ユニット(1A,1B,1C,1D)に関する少なくとも1つの熱交換器ベースの冷却回路(11)のための取水設備であって、
    水が供給される取水ボウル(2,2’)であるとともに、前記冷却回路(11)内に水を循環させるために、前記原子力発電所の少なくとも1つのポンピングステーション(10)がこの取水ボウル(2,2’)から水を抽出するものとされた、取水ボウル(2,2’)と;
    前記取水ボウル(2,2’)に対して水を供給するために前記取水ボウル(2,2’)に対して連通した取水トンネル(3)であるとともに、例えば海や湖や川といったような水の集団(5)内に浸漬された少なくとも2つの取水口(51,52)に対して連結された取水トンネル(3)と;
    を具備し、
    前記取水トンネル(3)の少なくとも一部が、前記取水ボウル(2)に対して連通した2つの端部(31,32)を有したループを形成していることを特徴とする取水設備。
  2. 請求項1記載の取水設備において、
    前記取水トンネル(3)が、50〜300メートルという曲率半径(R)を有した湾曲部分(3C)を有していることを特徴とする取水設備。
  3. 請求項2記載の取水設備において、
    前記湾曲部分(3C)が、少なくとも半円として延在した円弧を形成していることを特徴とする取水設備。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の取水設備において、
    前記少なくとも2つの取水口(51,52)が、前記水の集団内において深さ(H )のところに浸漬され、
    前記深さ(H )のところの水温が、年間を通して、21℃未満に維持される、好ましくは16℃未満に維持される、ことを特徴とする取水設備。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の取水設備において、
    さらに、第2取水トンネル(3’)を具備し、
    この第2取水トンネル(3’)が、前記水の集団(5)内に浸漬された少なくとも2つの取水口(53,54)に対して連結され、
    前記第2取水トンネル(3’)が、前記取水ボウル(2’)に対して連通した2つの端部(33,34)を有したループを形成していることを特徴とする取水設備。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の取水設備において、
    前記取水トンネル(3)の前記2つの端部(31,32)のうちの少なくとも一方が、サービストンネル(3A,3E)によって延長され、
    前記サービストンネル(3A,3E)が、グラウンドレベルで開口した傾斜部分を有し、
    前記サービストンネル(3A,3E)が、前記取水トンネルを掘削するために使用されたTBMによって掘削されたものであることを特徴とする取水設備。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の取水設備において、
    前記少なくとも2つの取水口(51,52)が、前記取水トンネル(3)に対して連結された鉛直方向取水シャフト(8)の上端のところに配置され、
    前記少なくとも2つの取水口(51,52)が、少なくとも100mという距離の分だけ互いに離間されていることを特徴とする取水設備。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の取水設備において、
    前記取水ボウル(2)が、チャネル(6)の底部(63)に配置され、
    前記チャネルが、前記水の集団(5)に対して連通した取水部分(60)を備え、
    前記取水設備が、さらに、前記チャネルの前記底部(63)と前記取水部分(60)との間を区分するための少なくとも1つの壁(62)を具備し、これにより、前記取水ボウル(2)内の水が、前記チャネルの前記取水部分(60)内の水と混合しないものとされていることを特徴とする取水設備。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の取水設備において、
    前記取水ボウル(2)が、水密性のカバーデバイス(25)によってカバーされ、
    前記取水ボウル(2)とこの取水ボウル(2)の外部環境との間には、前記カバーデバイス(25)にあるいは前記カバーデバイス(25)の近傍に、校正された開口(26)が形成され、これにより、前記水の集団内における異常な高水位のために前記取水ボウルが完全に充填された際には、前記取水ボウルから前記外部環境に対しての、限られた水流(I )が可能とされていることを特徴とする取水設備。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の取水設備において、
    前記取水トンネル(3)によって形成された前記ループの前記2つの端部(31,32)が、単一の鉛直方向通路(7’)を介して前記取水ボウルに対して連通した同一の地下キャビティ(3A1)のところに配置されていることを特徴とする取水設備。
  11. 少なくとも1つの原子炉ユニット(1A)と、請求項1〜10のいずれか1項に記載された取水設備と、を具備してなる原子力発電所であって、
    前記取水トンネル(3)が、および、前記取水口(51,52)の各々が、前記取水ボウルに対しての、前記取水トンネルの前記2つの端部(31,32)のうちの一方だけからのおよび前記取水口(51,52)のうちの一方だけからの水供給であっても、前記原子力発電所の前記少なくとも1つの原子炉ユニットの通常動作時に前記取水設備のすべてのポンピングステーション(10)に対して所定量の水を供給し得るような、サイズとされていることを特徴とする原子力発電所。
  12. 請求項11記載の原子力発電所において、
    少なくとも2つの原子炉ユニット(1A,1B,1C,1D)を具備し、
    前記取水ボウル(2’)が、それぞれの原子炉ユニットに対して割り当てられた複数のポンピングステーション(10)に対して水を供給することを特徴とする原子力発電所。
  13. 少なくとも2つの原子炉ユニット(1A,1B,1C,1D)と、請求項1〜10のいずれか1項に記載された取水設備と、を具備してなる原子力発電所であって、
    前記取水設備が、少なくとも、第2取水トンネル(3’)を具備し、
    この第2取水トンネル(3’)が、前記取水ボウル(2’)に対して連通した2つの端部(33,34)を有したループを形成していることを特徴とする原子力発電所。
  14. 請求項1〜10のいずれか1項に記載された取水設備を形成するための方法であって、
    所定経路に沿ってTBMによって前記取水トンネル(3)を掘削し、この掘削に際しては、
    −前記TBMによって、グラウンドレベルでの出発領域(35)から下向きに傾斜する第1トンネル部分(3A)を掘削し、これにより、前記取水ボウルの第1領域(21)の下方の所定深さのところに位置した第1地下領域(3A1)へと到達し、ここで、前記第1地下領域(3A1)を、前記取水トンネルによって形成された前記ループの第1端部(31)を構成するものとし;
    −その次に、前記TBMを使用して、前記水の集団に向けて配向した第2部分(3B)を掘削し、その後、円弧形状の第3部分(3C)と、前記原子力発電所に向けて配向した第4部分(3D)と、を掘削し、ここで、前記第4部分(3D)を、前記取水ボウルの第2領域(22)の下方の所定深さのところに位置した第2地下領域(3A2)へと到達するものとし、前記第2地下領域(3A2)を、前記取水トンネル(3)によって形成された前記ループの第2端部(32)を構成するものとし;
    このような方法において、
    前記第1地下領域(3A1)と前記取水ボウルの前記第1領域(21)との間を連結する第1鉛直方向通路(7)を掘削し、さらに、前記第2地下領域(3A2)と前記取水ボウルの前記第2領域(22)との間を連結する第2鉛直方向通路(7)を掘削することを特徴とする方法。
  15. 請求項14記載の方法において、
    さらに、前記TBMを使用して、前記取水トンネルの第5部分(3E)を掘削し、この第5部分(3E)を、前記第2地下領域(3A2)から、前記TBMを前記取水トンネルから導出するためのグラウンドレベルでの終点領域(36)へと、上向きに傾斜した部分とすることを特徴とする方法。
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