JP2016223492A - 直動案内装置用仮軸 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃棄処理が容易な直動案内装置用仮軸を提供する。【解決手段】スライダの対向内側面にそれぞれ対向配置された転動体の転動通路を形成する転動面に対して内側から対向して転動体の転動通路を形成する転動面が形成された一対の側板部と、該一対の側板部の上端部を連結する天板部とを有する案内レール様構造体を備え、この案内レール様構造体は、油分を吸収しない厚紙で形成されている。【選択図】図3
Description
本発明は、直動案内装置のスライダを保持する直動案内装置用仮軸に関する。
直動案内装置は、案内レールと、スライダと、複数個の転動体と、を備え、前記案内レールおよびスライダは、互いに対向配置されて転動体の転動通路を形成する転動面を有し、転動通路を転動体が転動することにより、案内レールおよびスライダの一方が他方に対して相対的に直線運動する装置である。直動案内装置を組み立てるためにスライダを案内レールに取り付ける際や、スライダ単体で輸送する際に、案内レールを模した仮軸が使用される。
仮軸を用いてスライダを案内レールに取り付ける際には、スライダを仮軸に取り付けた状態で、仮軸と案内レールの端面同士を接触させ、スライダを案内レールに向けて滑らせる。仮軸を用いることで、スライダが案内レールに取り付け易くなり、転動体が脱落することが防止される。
このような直動案内装置用仮軸は、従来、特許文献1の[0007]に記載されているように、合成樹脂をブロー成形する方法等により製造されている。また、特許文献1の[0050]に記載され図6に示されているように、合成樹脂の射出成形体からなる仮軸の場合には、機能上必要がない部分に肉ヌスミを設けることも行われている。
このような直動案内装置用仮軸は、従来、特許文献1の[0007]に記載されているように、合成樹脂をブロー成形する方法等により製造されている。また、特許文献1の[0050]に記載され図6に示されているように、合成樹脂の射出成形体からなる仮軸の場合には、機能上必要がない部分に肉ヌスミを設けることも行われている。
また、他の直動案内装置用仮軸としては、特許文献2に記載されているように、直動案内装置のスライダ等の摺動体が摺動可能に嵌挿される扁平な支持体と、その長さ方向両端部にそれぞれ設けられた係止体とを備え、支持体の長手方向中間部両側面にレール状のガイド突条が長さ方向に沿って一体に設けられている。このガイド突条が摺動体の転動体の転動溝に係合するように摺動体を摺動させ、摺動体の両端を係止体で係止することにより、支持体に摺動体を係止するようにしている。
直動案内装置用仮軸は、使用後に破棄されるか保管されて再使用されるが、最終的には廃棄されることになる。このため、直動案内装置用仮軸をポリプロピレン樹脂やポリアセタール樹脂等の合成樹脂で製作する場合には、廃棄の際に不燃ゴミとして埋設処理されることが多く、廃棄物量を増加させることになり、廃棄物処理問題の一因となる課題がある。
特に、特許文献1に記載の直動案内装置用仮軸は、合成樹脂をブロー成形によって一体成形するので、分解することはできないとともに、質量のわりに体積が大きく、廃棄するための大きな保管スペースが必要になる。
そこで、本発明は、上記特許文献に記載された従来例の課題に着目してなされたものであり、不燃ゴミとなることがなく廃棄処理を容易に行うことができる直動案内装置用仮軸を提供することを目的としている。
そこで、本発明は、上記特許文献に記載された従来例の課題に着目してなされたものであり、不燃ゴミとなることがなく廃棄処理を容易に行うことができる直動案内装置用仮軸を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る直動案内装置用仮軸は、スライダの対向内側面にそれぞれ対向配置された転動体の転動通路を形成する転動面に対して内側から対向して転動体の転動通路を形成する転動面が形成された一対の側板部と、この一対の側板部の上端部を連結する天板部とを有する案内レール様構造体を備え、この案内レール様構造体は、油分を吸収しない厚紙で形成されている。
本発明の一態様によれば、スライダを装着する案内レール様構造体が油分を吸収しない厚紙で形成されているので、使用済みの直動案内装置用仮軸を不燃ゴミとして処理する必要がなく、焼却処理が可能であり、廃棄物処理問題の一因となることを防止することができる。また、使用済み後にある程度の平坦化が可能であり、廃棄時の保管スペースを小さくすることができる。
次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
まず、本発明を適用し得る直動案内装置の概要を図3及び図4について説明する。
まず、本発明を適用し得る直動案内装置の概要を図3及び図4について説明する。
直動案内装置は、図4に示すように、軸方向に延びる断面形状が略四角形の案内レール11に、スライダ21が軸方向に移動可能に案内されている。
案内レール11は、軸方向両端面の他に、軸方向に延びる4つの外面を有する。4つの外面のうち上面11a寄りの左右両側面11b,11cには、それぞれ軸方向に延びる断面ほぼ1/2円弧形状の転動体転動溝12が形成されている。
案内レール11は、軸方向両端面の他に、軸方向に延びる4つの外面を有する。4つの外面のうち上面11a寄りの左右両側面11b,11cには、それぞれ軸方向に延びる断面ほぼ1/2円弧形状の転動体転動溝12が形成されている。
また、スライダ21は、案内レール11が有する前記4つの外面のうち上面11aに沿う平板部22と、この平板部22の左右両側部からそれぞれ下方に延び側面11b,11cに沿う2つの腕部23,24とを備えている。
このようなスライダ21は、図1に示すように、スライダ本体21Aと、その軸方向両端部に着脱可能に取り付けられたエンドキャップ21Bとで構成されている。さらに、スライダ21の軸方向両端部には、案内レール11とスライダ21との間の隙間の開口部分のうち軸方向に向く開口部分を密封するサイドシール25が装着されている。
このようなスライダ21は、図1に示すように、スライダ本体21Aと、その軸方向両端部に着脱可能に取り付けられたエンドキャップ21Bとで構成されている。さらに、スライダ21の軸方向両端部には、案内レール11とスライダ21との間の隙間の開口部分のうち軸方向に向く開口部分を密封するサイドシール25が装着されている。
さらに、図4に示すように、スライダ本体21Aの左右両腕部23,24の内側面における上下方向略中央部には、案内レール11の転動体転動溝12に対向する断面ほぼ1/2円弧形状(半円形)の転動体転動溝26が形成されている。そして、案内レール11の転動体転動溝12とスライダ21の転動体転動溝26との間に、それぞれ転動体転動路27が形成され、各転動体転動路27は軸方向に延びている。
また、スライダ21は、スライダ本体21Aの左右両腕部23,24の肉厚部分の上部及び下部に、転動体転動路27と平行に軸方向に貫通する貫通孔でなる直線路28を備えている。
一方、エンドキャップ21Bは、スライダ本体21Aとの当接面の左右両側に、転動体転動路27とこれに平行な直線路28とを連通させる半ドーナッツ状の湾曲路を上下に有している。そして、直線路28と両端の湾曲路とで、転動体30を転動体転動路27の終点から始点へ送り循環させる転動体戻し路が構成され、この転動体戻し路と転動体転動路27とで、略環状の転動体循環路が形成されている。この略環状の転動体循環路は、案内レール1を挟んで左右両側に形成される。この転動体循環路内には、例えば鋼球でなる多数の転動体30が転動自在に装填されていて、これらの転動体30が転動することによりスライダ21が案内レール11に沿って軸方向に相対移動する。
一方、エンドキャップ21Bは、スライダ本体21Aとの当接面の左右両側に、転動体転動路27とこれに平行な直線路28とを連通させる半ドーナッツ状の湾曲路を上下に有している。そして、直線路28と両端の湾曲路とで、転動体30を転動体転動路27の終点から始点へ送り循環させる転動体戻し路が構成され、この転動体戻し路と転動体転動路27とで、略環状の転動体循環路が形成されている。この略環状の転動体循環路は、案内レール1を挟んで左右両側に形成される。この転動体循環路内には、例えば鋼球でなる多数の転動体30が転動自在に装填されていて、これらの転動体30が転動することによりスライダ21が案内レール11に沿って軸方向に相対移動する。
このように、直動案内装置は、案内レール11によってスライダ21が転動体30を介して案内されることにより、直線運動を行うが、案内レール11とスライダ21との間に転動体30が挿入されているので、スライダ21の単体を輸送する場合や、スライダ21を案内レール11に装着する場合には、スライダ21内に転動体30を保持した状態で輸送や案内レール11への装着を行う必要がある。
この場合に案内レール11の代用として直動案内装置用仮軸40を使用する。
この直動案内装置用仮軸40は、図1及び図2に示すように、案内レール11の左右側面11b,11cに対応する軸方向に延長する左右一対の側板部41L,41Rと、これら一対の側板部41L,41Rの上端間を連結する天板部42とで構成される案内レール様構造体43を備えている。この案内レール様構造体43は、油分を吸収しない厚紙で構成されている。
この直動案内装置用仮軸40は、図1及び図2に示すように、案内レール11の左右側面11b,11cに対応する軸方向に延長する左右一対の側板部41L,41Rと、これら一対の側板部41L,41Rの上端間を連結する天板部42とで構成される案内レール様構造体43を備えている。この案内レール様構造体43は、油分を吸収しない厚紙で構成されている。
一対の側板部41L,41Rは、案内レール11の側面11b及び11cを模した同一形状に形成されている。すなわち、一対の側板部41L,41Rは、上面寄り位置に長手方向に延長して形成された表面側から裏面側に窪ませた転動体転動溝12に対応する転動面となる凹状転動溝43aと、この凹状転動溝43aと天板部42との間の平板部43bと、凹状転動溝43aの下端側の平板部43cとを備えている。
さらに、案内レール様構造体43には、長手方向を複数個所例えば4個所に分割する分離可能な切り込み部44が表面側から裏面側に向かって形成されている。この切り込み部44は、図3に示すように、左右一対の側板部41L,41R及び天板部42と跨がって表面側から裏面に達しないように形成されたV字状切り込み部で構成されている。したがって、この切り込み部44位置で軸方向に引張力を作用させることにより、軸方向長さの短い単位案内レール様構造体45を分離することができる。
なお、スライダ21を装着する際の案内レール様構造体43の長さL2は、装着するスライダ21の軸方向長さL1の1.2倍〜1.5倍とすることが好ましく、スライダ21の軸方向長さに、スライダ21の軸方向移動を規制する固定部材の装着幅を加えた長さ以上に設定する。
この直動案内装置用仮軸40へのスライダ21の装着は、直動案内装置用仮軸40の一端側から転動体循環溝内に転動体30を装着したスライダ21を、転動体転動溝26を転動する転動体30を一対の側板部41L,41Rの凹状転動溝43aに接触させながら、挿入することにより、容易に行うことができる。
この直動案内装置用仮軸40へのスライダ21の装着は、直動案内装置用仮軸40の一端側から転動体循環溝内に転動体30を装着したスライダ21を、転動体転動溝26を転動する転動体30を一対の側板部41L,41Rの凹状転動溝43aに接触させながら、挿入することにより、容易に行うことができる。
このとき、案内レール様構造体43の軸方向長さが装着するスライダ21に対して長過ぎる場合には、図2に示すように、所望の切り込み部44で単位案内レール様構造体43分ずつ分離して切り離すことができるので、必要な位置で分離して軸方向長さを調整することができる。
このため、長さの異なる複数のスライダ21に対して1つの案内レール様構造体43で装着することが可能となり、長さの異なる案内レール様構造体43を長さの異なるスライダ21に合わせて用意する必要がない。
このため、長さの異なる複数のスライダ21に対して1つの案内レール様構造体43で装着することが可能となり、長さの異なる案内レール様構造体43を長さの異なるスライダ21に合わせて用意する必要がない。
そして、直動案内装置用仮軸40へのスライダ21の装着が完了すると、直動案内装置用仮軸40のスライダ21の軸方向の両端面側でゴムバンド等を巻回してスライダ21の軸方向への移動を規制する。
この状態で、スライダ21の輸送をスライダ21内に転動体30を装着した状態で行うことができる。このスライダ21を輸送する際に、直動案内装置用仮軸40が油分を吸収しない厚紙で形成されているので、スライダ21に振動が伝達されるときに、一対の側板部41L,41Rが緩衝材として機能してフレッチングがスライダ21に発生することを防止することができる。また、油分を吸収しないので、スライダ21を装着した状態で輸送や保管を行う場合に、転動路に供給される潤滑剤の吸収を防止することができる。
この状態で、スライダ21の輸送をスライダ21内に転動体30を装着した状態で行うことができる。このスライダ21を輸送する際に、直動案内装置用仮軸40が油分を吸収しない厚紙で形成されているので、スライダ21に振動が伝達されるときに、一対の側板部41L,41Rが緩衝材として機能してフレッチングがスライダ21に発生することを防止することができる。また、油分を吸収しないので、スライダ21を装着した状態で輸送や保管を行う場合に、転動路に供給される潤滑剤の吸収を防止することができる。
そして、輸送後に直動案内装置用仮軸40に保持されたスライダ21を案内レール11に装着するには、ゴムバンド等の固定部材を取り外した状態で、直動案内装置用仮軸40の所望の一端側を案内レール11の一方の端面に繋げる。この状態で、スライダ21を案内レール11側に移動させることにより、転動体30が転動しながらスライダ21を案内レール11に乗り移らせることができ、案内レール11へスライダ21の装着を容易に行うことができる。
また、スライダ21を受け渡した直動案内装置用仮軸40は、再使用が可能であるが、使用済みとなった直動案内装置用仮軸40は、各切り込み部44で分離することにより、単位案内レール様構造体45の長さとなるので、これを平板状に引き伸ばして積み重ねることにより、廃棄用の保管スペースを小さくすることができる。
しかも、案内レール様構造体43が油分を吸収しない厚紙で構成されているので、廃棄処理が不燃ゴミとして埋設処理する必要がなく、焼却処理が可能であり廃棄物問題の一因となることを防止することができる。
しかも、案内レール様構造体43が油分を吸収しない厚紙で構成されているので、廃棄処理が不燃ゴミとして埋設処理する必要がなく、焼却処理が可能であり廃棄物問題の一因となることを防止することができる。
なお、上記実施形態では、案内レール様構造体43を切り込み部44で軸方向に分離可能に構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図4に示すように、天板部42の幅方向の両端寄り位置に軸方向に延長する切り込み部44と同様の第2の切り込み部50を形成するとともに、一対の側板部41L,41Rにも軸方向の力込み部51を形成することにより、案内レール様構造体43の幅方向の長さ及び高さを変更することが可能となり、幅方向サイズの異なるスライダ21を装着する案内レール様構造体52を形成することが可能となる。
また、上記実施形態では、スライダ21が転動体を上下方向に一列だけ配置するミニアチュアタイプである場合について説明したが、これに限定されるものではなく、転動体が上下方向に2列又は3列等の複数列配置されているスライダについても本発明を適用することができ、この場合でも案内レール11の形状に模して転動体の配列数に応じた転動溝を側板部に形成するようにすればよい。
10…直動案内装置、11…案内レール、21…スライダ、30…転動体、40…直動案内装置用仮軸、41L,41R…側板部、42…天板部、43…案内レール様構造体、43a…凹状転動溝、43b,43c…平板部、45…単位案内レール様構造体、50…第2の切り込み部
Claims (5)
- スライダの対向内側面にそれぞれ対向配置された転動体の転動通路を形成する転動面に対して内側から対向して前記転動体の転動通路を形成する転動面が形成された一対の側板部と、該一対の側板部の上端部を連結する天板部とを有する案内レール様構造体を備え、
該案内レール様構造体は、油分を吸収しない厚紙で形成されている
ことを特徴とする直動案内装置用仮軸。 - 前記案内レール様構造体は、長手方向を複数に分割して分離可能な切り込み部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の直動案内装置用仮軸。
- 前記切り込み部の形成位置は、装着するスライダの軸方向長さに応じて設定されることを特徴とする請求項2に記載の直動案内装置用仮軸。
- 前記切り込み部の形成位置は、装着するスライダの軸方向長さに、当該スライダの軸方向移動を規制する固定部材の装着幅を加えた長さ以上に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の直動案内装置用仮軸。
- 前記天板部の幅方向両側部に第2の切り込み部が形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の直動案内装置用仮軸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015108779A JP2016223492A (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 直動案内装置用仮軸 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015108779A JP2016223492A (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 直動案内装置用仮軸 |
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