JP2016222744A - 釘打ち用樹脂シートとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な潤滑効果が得られ、樹脂シートと工具との摩擦熱を抑制して、樹脂シートの加工面の外観品質の低下および工具への樹脂融着を抑制することができ、かつ、40℃以上の温度環境下においても、打ち込まれた釘の緩みあるいは抜けを安定的に抑制することが可能な釘打ち用樹脂シートを提供する。【解決手段】本発明の釘打ち用樹脂シートは、少なくとも1種の樹脂を主成分とし、融点が45〜100℃であり、炭化水素、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、および金属石鹸からなる群から選択される少なくとも1種の滑剤(X)を0.01〜0.3質量%含有する樹脂組成物からなり、厚さが5mm以上であり、40℃以上の環境下で使用されるものである。【選択図】なし

Description

本発明は、釘打ち用樹脂シートとその製造方法に関する。
弾球遊技機では、遊技盤に対してNC(numerical control machining)加工等により形成された複数の孔(通常、貫通孔)内に、遊技球の落下方向を変化させるための釘が打ち込まれる。
現在、弾球遊技機に使用される遊技盤の素材はベニア合板が主流である。
近年、弾球遊技機のエンターテイメント性を高めるため、遊技盤の素材として板状の透明樹脂シートを用い、さらに液晶表示パネル等の表示パネルおよび/またはLED(発光ダイオード)等の照明装置を組み合わせた構成が検討されている(特許文献1〜3等)。
透明樹脂としては、カーボネート系樹脂およびメタクリル系樹脂等が挙げられる。
カーボネート系樹脂シートは、表面硬度が比較的低いため、遊技球との摩擦または遊技球の衝突で傷が付きやすい傾向がある。
メタクリル系樹脂シートは表面硬度が比較的高いため、遊技球との摩擦または遊技球の衝突でも、傷が付きにくい。しかしながら、一般的なメタクリル系樹脂は耐衝撃性が不充分であり、釘打ち時に樹脂割れが生じる恐れがある。そこで、特許文献4、5には、釘打ち時の樹脂割れを抑制するために、メタクリル系樹脂にアクリル系ゴム粒子を添加して、耐衝撃性を改善した弾球遊技機用樹脂シートが開示されている(特許文献4の請求項1、特許文献5の請求項1)。
弾球遊技機では、樹脂シートに対して、のこぎり等を用いて樹脂シートを所定の形状に切断する切断加工、ドリル等を用いて釘打ち用の孔および各種遊技部材の取付け用の孔を開ける孔開け加工、および、ルータ等を用いて外形形状を整える外形加工等が施される。
これらの加工工程では、のこぎり、ドリル、およびルータ等の工具が樹脂シートと接して生じる摩擦熱によって樹脂が部分的に溶融し、加工面にバリ等が発生して外観品質が低下する、あるいは工具に樹脂が融着する恐れがある。
特許文献6には、メタクリル系樹脂100質量部と、炭化水素、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、および金属石鹸からなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物(X)0.01〜5質量部とを含有するメタクリル系樹脂組成物およびこれを用いたメタクリル系樹脂シートが開示されている(請求項1、9)。
特許文献6に記載の化合物(X)は滑剤であり、潤滑効果により樹脂シートと工具との摩擦熱を抑制して、樹脂シートの加工面の外観品質の低下および工具への樹脂融着を抑制することができる(段落0027)。
特開2000-061047号公報 特開平07-000614号公報 特開2005-034606号公報 特開2006-320705号公報 特開2008-049137号公報 国際公開第2014/156032号
特許文献6において、上記メタクリル系樹脂シートの用途としては、表示装置または看板の保護シート、カーポート等の透明屋根部材、および照明器具カバーが具体的に挙げられており(段落0049)、弾球遊技機等の釘打ち用途について特に記載されていない。
弾球遊技機等の釘打ち用途では、樹脂シートに滑剤を添加した場合、打ち込まれた釘に緩みあるいは抜けが生じやすくなる傾向がある。
上記したように、弾球遊技機では近年、透明樹脂シートに、液晶表示パネル等の表示パネルおよび/またはLED(発光ダイオード)等の照明装置を組み合わせた構成が検討されている。かかる構成では、液晶表示パネルのバックライトあるいはLED(発光ダイオード)等から発せられる熱により、透明樹脂シートは40℃以上の温度に曝される。
40℃以上の温度環境下では、樹脂シートに添加された滑剤が表面へにじみ出るいわゆるブリードアウト現象が生じやすく、打ち込まれた釘の緩みあるいは抜けの問題が顕著になる。ブリードアウト現象が生じると、シート表面がべたつく恐れもある。
滑剤の量を少なくすれば、ブリードアウト現象を抑制することができるものの、潤滑効果が不充分となる恐れがある。
特許文献6には、弾球遊技機等の釘打ち用途に好適な滑剤の使用量について開示されていない。特許文献6にはまた、40℃以上の温度環境下での好適な滑剤の使用量について開示されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、良好な潤滑効果が得られ、樹脂シートと工具との摩擦熱を抑制して、樹脂シートの加工面の外観品質の低下および工具への樹脂融着を抑制することができ、かつ、40℃以上の温度環境下においても、打ち込まれた釘の緩みあるいは抜けを安定的に抑制することが可能な釘打ち用樹脂シートを提供することを目的とする。
本発明の釘打ち用樹脂シートは、
少なくとも1種の樹脂を主成分とし、融点が45〜100℃であり、炭化水素、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、および金属石鹸からなる群から選択される少なくとも1種の滑剤(X)を0.01〜0.3質量%含有する樹脂組成物からなり、
厚さが5mm以上であり、
40℃以上の環境下で使用されるものである。
本発明の釘打ち用樹脂シートの製造方法は、
上記の本発明の釘打ち用樹脂シートの製造方法であって、
主成分である少なくとも1種の前記樹脂と滑剤(X)とを含む複数種の原料を溶融混練して前記樹脂組成物を調製する工程(1)と、
前記樹脂組成物を押出成形する工程(2)とを有するものである。
本明細書において、「主成分」は50質量%以上の成分と定義する。
本明細書において、「シート」は可撓性を有しない板状物である。
本明細書において、「滑剤」は、樹脂シートに潤滑性を付与して、樹脂シートの摩擦係数を低下させる成分である。
本明細書において、「重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したクロマトグラムを標準ポリスチレンの分子量に換算した値である。
本明細書において、「分子量分布」は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、すなわちMw/Mnにより定義される。
本明細書において、分子量200000以上の成分(「高分子量成分」と定義する。)の含有量は、GPCで測定されたクロマトグラムとベースラインとで囲まれる部分の面積のうちの、分子量200000の標準ポリスチレンの保持時間より早い保持時間部分の面積の割合として算出する。
分子量15000未満の成分(「低分子量成分」と定義する。)の含有量は、GPCで得られるクロマトグラムとベースラインとで囲まれる部分の面積のうちの、分子量15000の標準ポリスチレンの保持時間より遅い保持時間部分の面積の割合として算出する。
具体的には、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、高分子量成分および低分子量成分の含有量は、以下の方法にて測定される。
重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて下記の条件でクロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンの分子量に換算して算出する。
GPC装置として、東ソー株式会社製「HLC−8320」を用いた。検出器として、示差屈折率検出器(RI検出器)を用いる。カラムとして、東ソー株式会社製の「TSKgel Super Multipore HZM−M」2本と「Super HZ4000」とを直列に繋いだものを用いる。溶離剤として、テトラヒドロフラン(THF)を用いる。樹脂4mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解させた溶液を測定試料とする。溶離剤流量は0.35ml/分とする。カラム温度は40℃とする。溶離液流量0.35ml/分で、試料溶液20μlを注入して、クロマトグラムを測定する。
クロマトグラムのベースラインは、GPCチャートの高分子量側のピークの傾きが保持時間の早い方から見てゼロからプラスに変化する点と、低分子量側のピークの傾きが保持時間の早い方から見てマイナスからゼロに変化する点を結んだ線とする。クロマトグラムが複数のピークを示す場合は、最も高分子量側のピークの傾きがゼロからプラスに変化する点と、最も低分子量側のピークの傾きがマイナスからゼロに変化する点を結んだ線をベースラインとする。
検量線を用いて算出した積分分子量分布から、分子量200000以上の成分(高分子量成分)の割合、および、分子量15000未満の成分(低分子量成分)の割合を算出する。
分子量が400〜5000000の範囲の標準ポリスチレンを用いてGPC測定し、保持時間と分子量との関係を示す検量線を作成する。検量線は標準ポリスチレン10点のデータを用いて作成する。
本明細書において、特に明記しない限り、「ガラス転移温度(Tg)」は、下記方法にて測定される中間点ガラス転移温度である。
示差走査熱量測定装置(島津製作所社製「DSC−50」)を用い、いったん試料を230℃まで昇温して室温まで冷却した後、再度、室温から230℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させる条件にてDSC曲線を測定する。得られたDSC曲線から求められる中間点をガラス転移温度(Tg)とする。なお、DSC曲線において複数のショルダーが現れる場合は、その最も高温側のショルダーに基づいて、ガラス転移温度(Tg)を決定する。
本発明によれば、良好な潤滑効果が得られ、樹脂シートと工具との摩擦熱を抑制して、樹脂シートの加工面の外観品質の低下および工具への樹脂融着を抑制することができ、かつ、40℃以上の温度環境下においても、打ち込まれた釘の緩みあるいは抜けを安定的に抑制することが可能な釘打ち用樹脂シートを提供することができる。
本発明に係る一実施形態の樹脂シートの製造装置を示す模式図である。
「釘打ち用樹脂シート」
本発明は、釘打ち用樹脂シート(以下、単に「樹脂シート」と略記する場合がある。)に関する。
釘打ち用途としては特に制限されず、例えば弾球遊技機が挙げられる。
弾球遊技機では、遊技盤に対してNC(numerical control machining)加工等により形成された複数の孔(通常、貫通孔)内に、遊技球の落下方向を変化させるための釘が打ち込まれる。
他の釘打ち用途としては、樹脂サッシおよび目地材等の建材用途等が挙げられる。
本発明の釘打ち用樹脂シートは、少なくとも1種の樹脂を主成分とする樹脂組成物(C)からなる。
本発明において、樹脂組成物(C)は、炭化水素、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、および金属石鹸からなる群から選択される少なくとも1種の滑剤(X)を含有する。
本発明の釘打ち用樹脂シートは、厚さが5mm以上である。
厚さが5mm未満では釘が抜けやすい。厚さは8mm以上が好ましい。
一方、厚さが過大であると、樹脂シートが重くなり、取扱い性が低下するため、30mm以下が好ましく、25mm以下がより好ましく、20mm以下が特に好ましい。
本発明の釘打ち用樹脂シートは、40℃以上の温度環境下で使用されるものである。
例えば、弾球遊技機では近年、透明樹脂シートに、液晶表示パネル等の表示パネルおよび/またはLED(発光ダイオード)等の照明装置を組み合わせた構成が検討されている。かかる構成では、液晶表示パネルのバックライトあるいはLED(発光ダイオード)等から発せられる熱により、樹脂シートは40℃以上の温度に曝される。
(主成分樹脂)
主成分樹脂としては特に制限されず、成形加工性および生産性に優れることから、熱可塑性樹脂が好ましい。
弾球遊技機等の用途では、メタクリル系樹脂(A)およびカーボネート系樹脂等の透明樹脂が好ましい。
表面硬度が比較的高く、遊技球との摩擦または遊技球の衝突でも傷がつきにくいことから、メタクリル系樹脂(A)が特に好ましい。
メタクリル系樹脂(A)は、メタクリル酸エステルに由来する少なくとも1種の単量体単位を含む樹脂である。
メタクリル系樹脂(A)は、メタクリル酸メチル(MMA)に由来する単量体単位を含むことが好ましい。
メタクリル系樹脂(A)において、メタクリル酸メチル(MMA)に由来する単量体単位の含有量は好ましくは70〜100質量%であり、より好ましくは80〜100質量%であり、特に好ましくは90〜100質量%である。
メタクリル系樹脂(A)は必要に応じて、メタクリル酸メチル(MMA)に由来する単量体単位以外に1種または2種以上の単量体単位を含むことができる。
メタクリル酸メチル(MMA)に由来する単量体単位以外の他の単量体単位としては例えば、
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、および(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;
(メタ)アクリル酸シクロへキシル、および(メタ)アクリル酸ノルボルネニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
および、
(メタ)アクリルアミド、および(メタ)アクリロニトリル等の1分子中に重合性の炭素−炭素二重結合を有するビニル系単量体等に由来する単量体単位が挙げられる。
メタクリル系樹脂(A)は、重量平均分子量(Mw)が好ましくは50000〜300000、より好ましくは52000〜250000、特に好ましくは55000〜200000である。
メタクリル系樹脂(A)は、平均重合度が好ましくは500〜3000、より好ましくは520〜2500、特に好ましくは550〜2000である。
メタクリル系樹脂(A)のMwおよび平均重合度が上記範囲にあると、靭性および耐衝撃性等の力学物性が良好であり、厚さが均一で表面平滑性に優れるシートが得られやすい。
メタクリル系樹脂(A)は、分子量分布(Mw/Mn)が好ましくは1.2〜2.0、より好ましくは1.3〜1.7である。
分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲にあると、靭性および耐衝撃性等の力学物性が良好で、表面平滑性に優れるシートが得られやすい。
メタクリル系樹脂(A)は、分子量200000以上の成分(高分子量成分)の含有量が好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.5〜5%である。
メタクリル系樹脂(A)は、分子量15000未満の成分(低分子量成分)の含有量が好ましくは0.2〜5%、より好ましくは1〜4.5%である。
メタクリル系樹脂(A)の高分子量成分および低分子量成分の含有量が上記範囲の場合、成形加工性が向上し、均一な厚さのシートが得られやすい。
メタクリル系樹脂(A)は、成形加工性の観点から、JIS K 7210に準拠して、230℃、3.8kg荷重の条件において測定されるメルトフローレート(MFR)が、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.1〜30g/10分、特に好ましくは0.5〜20g/10分、最も好ましくは1.0〜10g/10分である。
成形加工性の観点から、メタクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは100℃以上である。メタクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)の上限は通常130℃以下である。
ガラス転移温度(Tg)は、分子量等を調節することによって制御することができる。
メタクリル系樹脂(A)の製造方法は特に制限されず、ラジカル重合法およびアニオン重合法等の公知重合法を適用することができる。
耐熱分解性が高く、異物が少なく、透明性が高いメタクリル系樹脂が得られるという観点から、無溶剤の連続ラジカル重合およびアニオン重合法等が好ましい。
上記の公知重合法において、重合温度、重合時間、連鎖移動剤の種類または量、あるいは、重合開始剤の種類または量等を調整することによって、Mw、高分子量成分の割合、および低分子量成分の割合等の特性が所望範囲であるメタクリル系樹脂(A)を製造することができる。
(滑剤(X))
弾球遊技機等の用途では、釘打ち用樹脂シートに対して、のこぎり等を用いて樹脂シートを所定の形状に切断する切断加工、ドリル等を用いて釘打ち用の孔および各種遊技部材の取付け用の孔を開ける孔開け加工、および、ルータ等を用いて外形形状を整える外形加工等が施される。
滑剤(X)は樹脂シートに潤滑性を付与して、樹脂シートの摩擦係数を低下させる成分であり、この成分を添加することで、樹脂シートの切断あるいは孔開け等の加工において、潤滑効果により樹脂シートと工具との摩擦熱を抑制して、樹脂シートの加工面の外観品質の低下および工具への樹脂融着を抑制することができる。
一般的に、滑剤としては、炭化水素、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、および金属石鹸等が挙げられる。
一般的に、滑剤として用いられる炭化水素としては、脂肪族炭化水素が好ましい。脂肪族炭化水素としては、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然パラフィン、合成パラフィン、およびポリオレフィンワックス等が挙げられる。平均炭素数12以上の脂肪族炭化水素が好ましい。炭化水素は、脂肪族炭化水素の部分酸化物またはハロゲン化物であってもよい。
一般的に、滑剤として用いられる脂肪酸としては、ラウリン酸(融点:44〜46℃)、パルミチン酸(融点:63℃)、ステアリン酸(融点:69.9℃)、ベヘン酸(融点:74〜78℃)、オレイン酸(融点:16℃)、およびエルカ酸(融点:33.8℃)等の炭素数12以上の脂肪酸が好ましい。
上記の中でも、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、およびエルカ酸等の炭素数16〜24の脂肪酸がより好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸等の炭素数16〜24の飽和脂肪酸が特に好ましい。
脂肪酸としては、ヒドロキシルステアリン酸等の水酸基を有する脂肪酸も好ましい。
脂肪酸としては、動物油、植物油、および鉱物系ワックス等の油脂に含有されるものでもよい。動物油としては、牛脂、および魚油等が挙げられる。植物油としては、ヤシ油、大豆油、ナタネ油、および米ぬかワックス等が挙げられる。鉱物系ワックスとしては、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、およびオイルシェル等が挙げられる。
一般的に、滑剤として用いられる脂肪族アルコールとしては、ラウリルアルコール(融点:24℃)、セタノール(融点:49℃)、ステアリルアルコール(融点:59〜60℃)、およびオレイルアルコール(融点:2〜7℃)等の炭素数12〜18の脂肪族アルコール好ましい。
上記の中でも、ラウリルアルコール、セタノール、およびステアリルアルコール等の炭素数12〜18の飽和脂肪族アルコールがより好ましく、
セタノール、およびステアリルアルコール等の炭素数16〜18の飽和脂肪族アルコールが特に好ましい。
かかる脂肪族アルコールは、上述の、動物油、植物油、鉱物系ワックス等の油脂に含有されるものでもよい。
一般的に、滑剤として用いられる脂肪酸エステルとしては、上記脂肪酸と上記脂肪族アルコールを含む1価または多価(2価以上)のアルコールとのエステル(部分エステルを含む)が好ましい。
脂肪酸は飽和脂肪酸が好ましく、アルコールは飽和アルコールが好ましい。
アルコールとしては、
ブタノール(融点:-90℃)、ラウリルアルコール(融点:24℃)、セタノール(融点:49℃)、ステアリルアルコール(融点: 59〜60℃)、ベヘニルアルコール(融点:67〜73℃)、およびオレイルアルコール(融点:2〜7℃)等の1価アルコール;
および
エチレングリコール(融点:-12.6℃)、グリセリン(融点:17.8℃)、およびソルビトール(融点:95℃)等の多価アルコールが挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、上記脂肪酸と上記多価アルコールとの部分エステルが好ましく、炭素数16〜22の脂肪酸とグリセリンとの部分エステルである脂肪酸モノグリセライドがより好ましい。
一般的に、滑剤として用いられる脂肪酸アミドとしては、上記脂肪酸のアミドおよびビスアミド等が挙げられる。かかる脂肪酸アミドとしては、ラウリン酸アミド(融点:87℃)、パルミチン酸アミド(融点:100℃)、ステアリン酸アミド(融点:101℃)、ベヘン酸アミド(融点:110℃)、ヒドロキシステアリン酸アミド(融点:107℃)、オレイン酸アミド(融点:75℃)、エルカ酸アミド(融点:81℃)、N−オレイルパルミチン酸アミド(融点:68℃)、N−ステアリルステアリン酸アミド(融点:95℃)、N−ステアリルオレイン酸アミド(融点:67℃)、N−オレイルステアリン酸アミド(融点:74℃)、N−ステアリルエルカ酸アミド(融点:69℃)、メチロールステアリン酸アミド(融点:110℃)、メチレンビスステアリン酸アミド(融点:142℃)、メチレンビスカプリン酸アミド(融点:161℃)、およびエチレンビスラウリン酸アミド(融点:157℃)等が挙げられる。
一般的に、滑剤として用いられる金属石鹸としては、上記脂肪酸のアルカリ土類金属塩または典型金属塩等が挙げられる。
かかる金属石鹸としては、ステアリン酸バリウム(融点:115℃以上)、ステアリン酸カルシウム(融点:147〜149℃)、ステアリン酸マグネシウム(融点:200℃以上)、ステアリン酸亜鉛(融点:128〜130℃)、およびステアリン酸アルミニウム(融点:103℃)等が挙げられる。
本発明では、滑剤(X)として、上記例示の滑剤の中から、融点が45〜100℃である滑剤を1種または2種以上選択して用いることができる。
上記したように、樹脂組成物(C)に滑剤(X)を添加することで、釘打ち用樹脂シートの切断あるいは孔開け等の加工において、潤滑効果により樹脂シートと工具との摩擦熱を抑制して、樹脂シートの加工面の外観品質の低下および工具への樹脂融着を抑制することができる。
ただし、樹脂組成物(C)中の滑剤(X)の量が過多では、弾球遊技機等の釘打ち用途において、打ち込まれた釘に緩みあるいは抜けが生じやすくなる傾向がある。
弾球遊技機では近年、透明樹脂シートに、液晶表示パネル等の表示パネルおよび/またはLED(発光ダイオード)等の照明装置を組み合わせた構成が検討されている。かかる構成では、液晶表示パネルのバックライトあるいはLED(発光ダイオード)等から発せられる熱により、透明樹脂シートは、40℃以上の温度に曝される。
40℃以上の温度環境下では、樹脂シートに添加された滑剤が表面へにじみ出るいわゆるブリードアウト現象が生じやすく、打ち込まれた釘に緩みあるいは抜けの問題が顕著になる。ブリードアウト現象が生じると、シート表面にべたつきが生じる問題もある。
本発明の釘打ち用樹脂シートでは、樹脂組成物(C)中の滑剤(X)の含有量を0.01〜0.3質量%とする。
樹脂組成物(C)中の滑剤(X)の含有量が0.01質量%未満では、潤滑効果が不充分となり、釘打ち用樹脂シートの切断あるいは孔開け等の加工において、樹脂シートと工具との摩擦熱を安定的に抑制することができず、樹脂シートの加工面の外観品質の低下および工具への樹脂融着が生じる恐れがある。
樹脂組成物(C)中の滑剤(X)の含有量が0.3質量%超では、弾球遊技機等の釘打ち用途において、特に40℃以上の環境温度下で、打ち込まれた釘に緩みあるいは抜けが生じる恐れがある。
樹脂組成物(C)中の滑剤(X)の含有量を0.01〜0.3質量%とすることで、樹脂シートと工具との摩擦熱を抑制して、樹脂シートの加工面の外観品質の低下および工具への樹脂融着を抑制することができ、かつ、40℃以上の環境温度下でも、打ち込まれた釘の緩みあるいは抜けを安定的に抑制することができる。
40℃以上の環境温度下でのブリードアウトを効果的に抑制できることから、滑剤(X)の融点は45〜100℃、好ましくは50〜70℃である。
滑剤(X)の融点が45℃未満では、40℃以上の温度下において、滑剤(X)がシート表面にブリードアウトしやすく、打ち込まれた釘の緩みあるいは抜けが生じやすくなる傾向がある。
滑剤(X)の融点が100℃以上では、潤滑効果が不充分となり、釘打ち用樹脂シートの切断あるいは孔開け等の加工において、樹脂シートと工具との摩擦熱を安定的に抑制することができず、樹脂シートの加工面の外観品質の低下および工具への樹脂融着が生じる恐れがある。
融点が比較的高く、ブリードアウトしにくく、かつ、良好な潤滑効果を発現できることから、滑剤(X)は、脂肪酸エステルおよび/または脂肪族アルコールを含むことが好ましい。
ここで、脂肪酸エステルとしては、炭素数16〜22の脂肪酸とグリセリンとの部分エステルである脂肪酸モノグリセライドが好ましい。
脂肪族アルコールとしては、炭素数12〜18の脂肪族アルコールが好ましい。
脂肪酸モノグリセライドとしては例えば、ステアリン酸モノグリセライド等が好ましい。ステアリン酸モノグリセライドは、融点が約65℃であり、40℃以上の温度下において、ブリードアウトしにくく、かつ、釘打ち用樹脂シートの切断あるいは孔開け等の加工において、良好な潤滑効果を発現する。
脂肪族アルコールとしては例えば、セタノールおよびステアリルアルコール等が好ましい。これらは融点が約50〜60℃であり、40℃以上の温度下において、ブリードアウトしにくく、かつ、釘打ち用樹脂シートの切断あるいは孔開け等の加工において、良好な潤滑効果を発現する。
45〜100℃の範囲内で異なる融点を有する複数の滑剤(X)を用いることが好ましい。複数の滑剤(X)の融点は5℃以上異なることが好ましい。
異なる融点を有する複数の滑剤(X)を用いる場合、釘打ち用樹脂シートの切断あるいは孔開け等の加工において、より広い温度範囲内で潤滑効果を発現することができ、好ましい。
上記したように、本発明では、融点が45〜100℃である滑剤(X)を1種または2種以上用いる。
ただし、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、融点が45℃未満である滑剤(Y)および/または融点が100℃超である滑剤(Z)を少量併用することは差し支えない。
滑剤として、主として滑剤(X)を用い、少量の滑剤(Y)および/または滑剤(Z)を併用する場合も、シート表面における滑剤のブリードアウト、およびこれによる打ち込まれた釘の緩みあるいは抜けを抑制することができる。
滑剤(X)の使用による作用効果が効果的に発現することから、融点が45℃未満である滑剤(Y)および/または融点が100℃超である滑剤(Z)の合計使用量は少ない方が好ましく、0.1質量%未満が好ましく、0.05質量%以下がより好ましい。
(アクリル系ゴム(B))
本発明の釘打ち用樹脂シートにおいて、主成分樹脂がメタクリル系樹脂(A)である場合、樹脂組成物(C)はさらに、アクリル系ゴム(B)を含むことが好ましい。
アクリル系ゴム(B)は、釘打ち用樹脂シートの耐衝撃性を向上し、釘打ち時の樹脂割れを抑制することができる。
アクリル系ゴム(B)としては特に制限されず、少なくとも1層のゴム層を含む複層構造粒子(BX)、および、ブロック共重合体(BY)等が挙げられる。
耐衝撃性の向上効果が効果的に得られることから、アクリル系ゴム(B)は複層構造粒子(BX)を含むことが好ましい。
<複層構造粒子(BX)>
少なくとも1層のゴム層を含む複層構造粒子(BX)は、軟質層(ゴム層)と硬質層とを含むいわゆるコアシェル構造を有するアクリル系ゴム粒子である。
複層構造重合体(BX)の添加量が過少では、耐衝撃性の向上効果が効果的に得られず、釘打ち時の樹脂割れが生じる恐れがある。
複層構造重合体(BX)の添加量が過多では、樹脂シートの表面平滑性および表面硬度が低下する恐れがある。
耐衝撃性の向上効果が効果的に得られ、樹脂シートの表面平滑性および表面硬度が良好となることから、樹脂組成物(C)中の複層構造重合体(BX)の含有量は好ましくは15質量%以上、より好ましくは15〜45質量%、さらに好ましくは15〜30質量%、特に好ましくは18〜30質量%、最も好ましくは20〜30質量%である。
本明細書において、特に明記しない限り、複層構造重合体(BX)の含有量は次のようにして測定するものとする。
樹脂シートの一片を充分乾燥して水分を除去した後、その質量(W1)を測定する。
次に、上記シート片を試験管に入れ、アセトンを加えて溶解し、アセトン可溶部を除去する。
その後、真空加熱乾燥機を使用してアセトンを除去し、残留物の質量(W2)を測定する。
次式に基づいて、複層構造重合体(BX)の含有量を求める。
[複層構造重合体(BX)の含有量]=(W2/W1)×100(%)
なお、複層構造重合体(BX)の最外層がアセトンに溶解する場合、複層構造重合体(BX)の配合量と上記測定で求められる含有量とは一致しない場合がある。しかしながら、本明細書では、アセトン不溶部が耐衝撃性に寄与するゴム分であるとみなして、複層構造重合体(BX)の含有量を求めるものとする。
シート中の複層構造重合体(BX)の粒子径が過小では、耐衝撃性の向上効果が効果的に得られず、釘打ち時の樹脂割れが生じる恐れがある。
シート中の複層構造重合体(BX)の粒子径が過大では、特に複層構造重合体(BX)の添加量が多い場合、打ち込まれた釘が抜けやすくなる傾向がある。
耐衝撃性の向上効果が効果的に得られ、釘抜けが抑制されることから、シート中の複層構造重合体(BX)の粒子径は、好ましくは0.05〜0.3μmである。
本明細書において、特に明記しない限り、重合体粒子を含むラテックス中の重合体粒子の粒子径は、大塚電子(株)製光散乱光度計DLS−600を用いて測定するものとする。
重合体粒子のラテックス中の平均粒子径は、重合完了後のラテックスから採取した試料を用いて動的光散乱法により測定し、キュムラント法により解析し、求めるものとする。
シート製造の過程において、複層構造重合体(BX)の非架橋の最外層等が溶融して、マトリクスを形成する場合がある。この場合、シート中の複層構造重合体(BX)の粒子径は、原料の重合体粒子の粒子径よりも小さくなる。
本明細書において、特に明記しない限り、シート中の複層構造重合体(BX)の粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により求めるものとする。
具体的には、樹脂シートの一部を切り出し、凍結条件下でミクロトームにより厚さ方向に切断し、得られた切片をルテニウム酸で染色した後、染色されたゴム粒子の断面をTEMで観察する。粒子100個の平均値を平均粒子径とする。
複層構造重合体(BX)としては、
最外層が、少なくとも1種のメタクリル酸エステル単位40〜100質量%、および、必要に応じて共重合可能な他の単量体単位0〜60質量%を含む硬質層であり、
少なくとも1つの内層(最外層より内側の層)が、少なくとも1種のアクリル酸エステル単位40〜99.9質量%、必要に応じて共重合可能な他の単量体単位0〜60質量%、および、多官能性単量体単位0.1〜5質量%を含む軟質層(ゴム層)である複層構造重合体(BX−1)が好ましい。
本明細書において、「多官能性単量体」は、2以上の重合性官能基を含む架橋剤(架橋性単量体)である。
複層構造重合体(BX−1)の最外層を構成する硬質層は、耐熱性発現の観点から、該層を単独で形成させたときのガラス転移温度(Tg)が25℃以上であることが好ましい。また、少なくとも1つの内層は軟質層(ゴム層)で構成され、耐衝撃性発現の観点から、該軟質層を単独で形成させたときのガラス転移温度(Tg)が25℃未満であることが好ましい。
アクリル系複層構造粒子(BX−1)に占める最外層の割合については特に限定されないが、メタクリル系樹脂(A)との溶融混練時における良好な分散性を確保するために、10〜80質量%の範囲内にあることが好ましい。
アクリル系複層構造粒子(BX−1)の硬質層用の単量体としては、透明性の点から、メタクリル酸エステルが用いられ、その例としてメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル、およびメタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。これらは1種または2種以上用いることができる。硬質層に用いられるメタクリル酸エステルは、メタクリル酸メチルを含むことが好ましい。
硬質層には必要に応じて、メタクリル酸エステルに合わせて、共重合可能な不飽和単量体および/または架橋剤である多官能性単量体を用いることができる。
共重合可能な不飽和単量体としては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、およびアクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル;
スチレン、ビニルトルエン、およびα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;
N−シクロヘキシルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド、およびN−tert−ブチルマレイミド等のN−置換マレイミド化合物;
(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
多官能性単量体としては、
(メタ)アクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、桂皮酸アリル、ソルビン酸アリル、マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、フマル酸ジアリル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、および1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
アクリル系複層構造粒子(BX−1)の軟質層(ゴム層)用の単量体としては、耐衝撃性の点から、アクリル酸エステル、必要に応じて共重合可能な他の単量体、および多官能性単量体が用いられる。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、およびアクリル酸ベンジル等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
軟質層(ゴム層)に用いられるアクリル酸エステルは、アクリル酸ブチルおよび/またはアクリル酸−2−エチルヘキシルを含むことが好ましい。
アクリル酸エステルと共重合可能な他の単量体としては、
1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、およびイソプレン等のジエン系化合物;
スチレン、ビニルトルエン、およびα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル、およびメタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル;
(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
多官能性単量体としては、(メタ)アクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、桂皮酸アリル、ソルビン酸アリル、マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、フマル酸ジアリル、エチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、および1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
アクリル系複層構造粒子(BX−1)の複層構造は、最外層が硬質層であり、少なくとも1つの内層が軟質層であれば任意である。複層構造としては、内側の層から外側の層に向かって、軟質層−硬質層の二層構造、硬質層−軟質層−硬質層の三層構造、軟質層−硬質層−軟質層−硬質層の四層構造、および硬質層−軟質層−軟質層−硬質層の四層構造等が挙げられる。
アクリル系複層構造粒子(BX−1)は公知の乳化重合法により製造することができる。
まず、1種または2種以上の原料単量体を乳化重合させて芯粒子をつくった後、他の1種または2種以上の単量体を芯粒子の存在下に乳化重合させて芯粒子の周りに殻を形成させる。次いで必要に応じて、芯と殻からなる粒子の存在下にさらに1種または2種以上の単量体を乳化重合させて別の殻を形成させる。このような重合反応を繰り返すことにより、目的とするアクリル系複層構造粒子(BX−1)を乳化ラテックスとして製造することができる。
乳化重合には、公知の界面活性剤を使用することができる。界面活性剤は、重合系の安定性、および製造されるアクリル系複層構造粒子の粒子径等の観点から、目的に応じて選択することができる。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、およびノニオン系界面活性剤等が挙げられ、アニオン系界面活性剤が好ましい。
これら界面活性剤は、1種または2種以上用いることができる。
アニオン系界面活性剤としては、
ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、およびN−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム等のカルボン酸塩;
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩;
ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;
モノ−n−ブチルフェニルペンタオキシエチレンリン酸ナトリウム等のリン酸エステル等が挙げられる。
乳化重合に使用される重合開始剤は特に制限されず、
過硫酸カリウム、および過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物;
過酸化水素−第一鉄塩系、過硫酸カリウム−酸性亜硫酸ナトリウム系、および過硫酸アンモニウム−酸性亜硫酸ナトリウム系等の水溶性レドックス系開始剤;
クメンハイドロパーオキサイド−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート系、およびtert−ブチルハイドロパーオキサイド−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート系等の水溶−油溶性レドックス系開始剤等が挙げられる。
乳化重合には、必要に応じて連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、およびsec−ブチルメルカプタン等のアルキルメルカプタンが挙げられる。
各層の乳化重合に際し、単量体、乳化剤、重合開始剤、および連鎖移動剤等の原料の重合反応系への添加は、一括添加法、分割添加法、および連続添加法等の公知の任意の方法によって行うことができる。
各層の重合反応温度はいずれも好ましくは30〜120℃であり、より好ましくは50〜100℃である。各層の重合反応時間は、用いられる重合開始剤および乳化剤の種類と使用量、および重合温度によっても異なるが、各層ともに通常は0.5〜7時間である。単量体と水との質量比(単量体/水)は、好ましくは1/20〜1/1である。
乳化重合によって得られる重合体ラテックス中に含まれるアクリル系複層構造粒子(BX−1)は粒状である。その粒子径は、好ましくは0.05〜0.3μmである。
アクリル系複層構造粒子(BX−1)を含むラテックスを、シートの製造に用いることができる。
アクリル系複層構造粒子(BX−1)は必要に応じて、乳化重合によって製造された重合体ラテックスに対して、公知方法により凝固、脱水、および乾燥等を実施して、粉末状の重合体として回収することができる。
(ブロック共重合体(BY))
ブロック共重合体(BY)は特に制限されず、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)とアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)とを含むブロック共重合体(BY−1)が好ましい。
ブロック共重合体(BY)中のメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の数は特に制限されず、単数でも複数でもよい。
同様に、ブロック共重合体(BY)中のアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の数は特に制限されず、単数でも複数でもよい。
アクリル系ゴム(B)は、1種または2種以上のブロック共重合体(BY)を含むことができる。
メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)は、メタクリル酸エステルに由来する構造単位(メタクリル酸エステル単位)を含む重合体ブロックである。
メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)中のメタクリル酸エステル単位の割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、特に好ましくは98質量%以上である。
上記メタクリル酸エステルとしては特に制限されない。
例えば、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、およびメタクリル酸アリル等が挙げられる。
これらメタクリル酸エステルは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて重合することによって、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)を形成できる。
上記メタクリル酸エステルの中でも、透明性および耐熱性等を向上させる観点から、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、およびメタクリル酸イソボルニル等のメタクリル酸アルキルエステルが好ましく、メタクリル酸メチル(MMA)等が特に好ましい。
メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)は、メタクリル酸エステル以外の単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。
メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)に含まれるメタクリル酸エステル以外の単量体に由来する構造単位の割合は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下の範囲である。
メタクリル酸エステル以外の単量体としては特に制限されない。
例えば、アクリル酸エステル、不飽和カルボン酸、芳香族ビニル化合物、オレフィン、共役ジエン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、およびフッ化ビニリデン等が挙げられる。
これらメタクリル酸エステル以外の単量体は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて、前述のメタクリル酸エステルと伴に共重合することによって、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)を形成できる。
メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)は、屈折率(n23D)が1.485〜1.495の範囲内となる重合体で構成されていることが好ましい。これによって、樹脂組成物(C)の透明性を良好にできる。
なお、本明細書において、「屈折率(n23D)」は、相対湿度(RH)50%、23℃の環境下、測定波長587.6nm(d線)で測定した値を意味する。
メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の重量平均分子量Mw(b1)は、好ましくは5000〜150000、より好ましくは8000〜120000、特に好ましくは12000〜100000である。
なお、ブロック共重合体(BY)に複数のメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)が含まれる場合、上記の重量平均分子量Mw(b1)は、すべてのメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)について各々の重量平均分子量を算出し、その数値を合計したものとして定義する。
ブロック共重合体(BY)が複数のメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)を含む場合、それぞれのメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)を構成する構造単位の組成および分子量は、同一でも非同一でもよい。
メタクリル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)を「Mw(A)」とする。
樹脂組成物(C)において、Mw(A)/Mw(b1)は好ましくは0.5〜5.0、より好ましくは1.0〜4.0、特に好ましくは1.2〜3.0である。
Mw(A)/Mw(b1)が過小では、釘打ち用樹脂シートの耐衝撃性が低下する傾向がある。
一方、Mw(A)/Mw(b1)が過大では、釘打ち用樹脂シートの表面平滑性および透明性が悪化する傾向がある。
Mw(A)/Mw(b1)が上記範囲内にある場合、釘打ち用樹脂シート中でのブロック共重合体(BY)の分散粒径が充分に小さくなり、表面平滑性および透明性が良好となる。
なお、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)およびアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の各ブロックの重量平均分子量(Mw)は、ブロック共重合体(BY)の製造過程における中間生成物および最終生成物であるブロック共重合体(BY)の重量平均分子量(Mw)から算出される。
透明性、柔軟性、成形加工性、および表面平滑性等の観点から、ブロック共重合体(BY)におけるメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の割合は、10〜80質量%、好ましくは20〜70質量、より好ましくは40〜60質量%である。
ブロック共重合体(BY)中のメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の割合が上記範囲内にあると、釘打ち用樹脂シートが、透明性および耐衝撃性に優れたものとなる。
アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)は、アクリル酸エステルに由来する構造単位(アクリル酸エステル単位)を含む重合体ブロックである。
アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)におけるアクリル酸エステル単位の割合は、好ましくは45質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。
上記アクリル酸エステルとしては例えば、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸グリシジル、およびアクリル酸アリル等が挙げられる。
これらアクリル酸エステルを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて重合することによって、アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)を形成できる。
アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)は、アクリル酸エステル以外の単量体に由来する構造単位を含んでもよい。アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)に含まれるアクリル酸エステル以外の単量体に由来する構造単位の割合は、好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
アクリル酸エステル以外の単量体としては、メタクリル酸エステル、不飽和カルボン酸、芳香族ビニル化合物、オレフィン、共役ジエン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、およびフッ化ビニリデン等が挙げられる。
これらアクリル酸エステル以外の単量体は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて、前述のアクリル酸エステルと伴に共重合することによって、アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)を形成できる。
樹脂組成物(C)の透明性を向上させる等の観点から、アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)は、芳香族環を有さないアクリル酸エステルに由来する非芳香族構造単位(非芳香族アクリル酸エステル単位)と、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する芳香族構造単位(芳香族(メタ)アクリル酸エステル単位)とを含むことが好ましい。
非芳香族アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、およびアクリル酸ドデシル等が挙げられる。
中でも、アクリル酸n−ブチル、およびアクリル酸2−エチルヘキシル等が好ましい。
芳香族(メタ)アクリル酸エステルは、芳香族環またはこれを含む基が(メタ)アクリル酸にエステル結合したものである。
かかる芳香族(メタ)アクリル酸エステルとしては例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、および(メタ)アクリル酸スチリル等が挙げられる。
中でも、メタクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、およびメタクリル酸フェノキシエチル等が好ましい。
アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)が非芳香族アクリル酸エステル単位と芳香族(メタ)アクリル酸エステル単位とを含む場合、アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)は、非芳香族アクリル酸エステル単位50〜90質量%と芳香族(メタ)アクリル酸エステル単位50〜10質量%とを含むことが好ましく、非芳香族アクリル酸エステル単位60〜80質量%と芳香族(メタ)アクリル酸エステル単位40〜20質量%とを含むことがより好ましい。
アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)は、屈折率(n23D)が1.485〜1.495の範囲内となる重合体で構成されていることが好ましい。これによって、釘打ち用樹脂シートの透明性を良好にできる。
アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の重量平均分子量Mw(b2)は、好ましくは5000〜120000、より好ましくは15000〜110000、特に好ましくは30000〜100000である。
なお、ブロック共重合体(BY)に複数のアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)が含まれる場合、上記の重量平均分子量Mw(b2)はは、すべてのアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)について各々の重量平均分子量を算出し、その数値を合計したものとして定義する。
ブロック共重合体(BY)中にアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)が複数ある場合、それぞれのアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)を構成する構造単位の組成および分子量は、同一でも非同一でもよい。
Mw(b2)が過小では、釘打ち用樹脂シートの耐衝撃性が低下する傾向がある。一方、Mw(b2)が過大では、釘打ち用樹脂シートの表面平滑性および透明性が悪化する傾向がある。
透明性および表面平滑性の観点から、ブロック共重合体(BY)におけるアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の割合は、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%である。
ブロック共重合体(BY)におけるアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の割合が上記範囲内にあると、釘打ち用樹脂シートが耐衝撃性に優れる。
ブロック共重合体(BY)において、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)とアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)との結合形態は特に限定されない。
結合形態としては例えば、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)とアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)とが直列に繋がった構造が挙げられる。
直列に繋がった結合形態としては例えば、
メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の一末端にアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の一末端が繋がったもの((b1)−(b2)構造のジブロック共重合体);
メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の両末端のそれぞれにアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の一末端が繋がったもの((b2)−(b1)−(b2)構造のトリブロック共重合体);
および
アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)の両末端のそれぞれにメタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)の一末端が繋がったもの((b1)−(b2)−(b1)構造のトリブロック共重合体)等が挙げられる。
その他の結合形態としては、
複数の(b1)−(b2)構造のブロック共重合体の一末端が繋がって放射状構造を成したブロック共重合体([(b1)−(b2)−]nX構造);
複数の(b2)−(b1)構造のブロック共重合体の一末端が繋がって放射状構造を成したブロック共重合体([(b2)−(b1)−]nX構造);
複数の(b1)−(b2)−(b1)構造のブロック共重合体の一末端が繋がって放射状構造を成したブロック共重合体([(b1)−(b2)−(b1)−]nX構造);
および
複数の(b2)−(b1)−(b2)構造のブロック共重合体の一末端が繋がって放射状構造を成したブロック共重合体([(b2)−(b1)−(b2)−]nX構造)等の星型ブロック共重合体が挙げられる。
その他の結合形態としては、分岐構造を有するブロック共重合体が挙げられる。
なお、上記結合形態の説明中のXはカップリング剤残基である。
上記結合形態のうち、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、および星型ブロック共重合体が好ましく、(b1)−(b2)構造のジブロック共重合体、(b1)−(b2)−(b1)構造のトリブロック共重合体、[(b1)−(b2)−]nX構造の星形ブロック共重合体、および[(b1)−(b2)−(b1)−]nX構造の星形ブロック共重合体がより好ましい。
ブロック共重合体(BY)は、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)およびアクリル酸エステル重合体ブロック(b2)以外の他の重合体ブロック(b3)を有するものであってもよい。
他の重合体ブロック(b3)を構成する主たる構造単位はメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステル以外の単量体に由来する構造単位である。
かかる単量体としては例えば、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、および1−オクテン等のオレフィン;
ブタジエン、イソプレン、およびミルセン等の共役ジエン;
スチレン、α−メチルスチレン、p-メチルスチレン、およびm−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;
酢酸ビニル、ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ε−カプロラクトン、およびバレロラクトン等が挙げられる。
これらは1種または2種以上用いることができる。
ブロック共重合体(BY)における、メタクリル酸エステル重合体ブロック(b1)、アクリル酸エステル重合体ブロック(b2)、および重合体ブロック(b3)の結合形態は特に限定されない。
結合形態としては例えば、(b1)−(b2)−(b1)−(b3)構造のブロック共重合体、および、(b3)−(b1)−(b2)−(b1)−(b3)構造のブロック共重合体等が挙げられる。
ブロック共重合体(BY)中に重合体ブロック(b3)が複数ある場合、それぞれの重合体ブロック(b3)を構成する構造単位の組成および分子量は、同一でも非同一でもよい。
ブロック共重合体(BY)は必要に応じて、分子鎖中または分子鎖末端に、水酸基、カルボキシル基、酸無水物、およびアミノ基等の官能基を有していてもよい。
ブロック共重合体(BY)の重量平均分子量(Mw)を「Mw(B)」とする。Mw(B)は、好ましくは32000〜300000、より好ましくは45000〜230000である。
Mw(B)が過小では、溶融押出成形において充分な溶融張力を保持できず、良好な釘打ち用樹脂シートが得られにくく、また得られた釘打ち用樹脂シートの破断強度等の力学物性が低下する傾向がある。一方、Mw(B)が過大では、溶融樹脂の粘度が高くなり、溶融押出成形で得られる釘打ち用樹脂シートの表面に微細なシボ調の凹凸あるいは未溶融物(高分子量体)に起因するブツが発生し、良好な釘打ち用樹脂シートが得られにくい傾向がある。
ブロック共重合体(BY)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは1.0〜1.6である。このような範囲内に分子量分布(Mw/Mn)があることにより、釘打ち用樹脂シートにおけるブツの発生原因となる未溶融物の含有量を極めて少量とすることができる。
ブロック共重合体(BY)の屈折率(n23D)は、好ましくは1.485〜1.495、より好ましくは1.487〜1.493である。屈折率(n23D)がこの範囲内であると、釘打ち用樹脂シートの透明性を良好にできる。
ブロック共重合体(BY)の製造方法は特に限定されず、公知方法を用いることができる。
例えば、各重合体ブロックを構成する単量体をリビング重合する方法が好ましい。
リビング重合の手法としては例えば、
有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩等の鉱酸塩の存在下でアニオン重合する方法;
有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い、有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法;
有機希土類金属錯体を重合開始剤として用いて重合する方法;
および、
α−ハロゲン化エステル化合物を重合開始剤として用い、銅化合物の存在下ラジカル重合する方法等が挙げられる。
また、多価ラジカル重合開始剤あるいは多価ラジカル連鎖移動剤を用い、各ブロックを構成する単量体を重合させて、ブロック共重合体(BY)を含有する混合物として製造する方法等も挙げられる。
これらの方法のうち、特に、ブロック共重合体(BY)が高純度で得られ、分子量および組成等の制御が容易であり、かつ経済的であることから、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として用い、有機アルミニウム化合物の存在下でアニオン重合する方法等が好ましい。
(任意成分)
本発明の釘打ち用樹脂シートは必要に応じて、上記以外の任意成分を含むことができる。
本発明の釘打ち用樹脂シートは、1種または2種以上の他の樹脂を含むことができる。
本発明の釘打ち用樹脂シートは、1種または2種以上の各種添加剤を含むことができる。
他の樹脂としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、およびポリノルボルネン等のオレフィン系樹脂;
エチレン系アイオノマー;
ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ハイインパクトポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、ACS樹脂、およびMBS樹脂等のスチレン系樹脂;
ポリエチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレート等のエステル系樹脂;
ナイロン6、ナイロン66、およびポリアミドエラストマー等のアミド系樹脂;
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、およびポリフッ化ビニリデン等のハロゲン含有樹脂;
アセタール系樹脂;
ウレタン系樹脂;
変性ポリフェニレンエーテル、およびポリフェニレンスルフィド;
シリコーン変性樹脂;
シリコーン系ゴム;
SEPS、SEBS、およびSIS等のスチレン系熱可塑性エラストマー;
および
IR、EPR、およびEPDM等のオレフィン系ゴム等が挙げられる。
本発明の釘打ち用樹脂シートに含有し得る他の樹脂の量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、最も好ましくは0質量%である。
添加剤としては、紫外線吸収剤、フィラー、酸化防止剤、熱劣化防止剤、光安定剤、離型剤、高分子加工助剤、帯電防止剤、難燃剤、染顔料、光拡散剤、有機色素、艶消し剤、および蛍光体等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収する能力を有する化合物である。紫外線吸収剤は、主に光エネルギーを熱エネルギーに変換する機能を有すると言われる化合物である。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、ベンゾエート類、サリシレート類、シアノアクリレート類、蓚酸アニリド類、マロン酸エステル類、およびホルムアミジン類等が挙げられる。
これらは1種または2種以上を用いることができる。
上記の中でも、ベンゾトリアゾール類、トリアジン類、または波長380〜450nmにおけるモル吸光係数の最大値εmaxが1200dm3・mol-1cm-1以下である紫外線吸収剤が好ましい。
ベンゾトリアゾール類は、紫外線被照による着色等の光学特性低下を抑制する効果が高い。
ベンゾトリアゾール類としては、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(BASF社製;商品名TINUVIN329)、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(BASF社製;商品名TINUVIN234)、
および、
2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール](ADEKA社製;LA−31)等が好ましい。
波長380〜450nmにおけるモル吸光係数の最大値εmaxが1200dm3・mol-1cm-1以下である紫外線吸収剤は、得られる成形体の黄色味を抑制できる。このような紫外線吸収剤としては、2−エチル−2’−エトキシ−オキサルアニリド(クラリアントジャパン社製;商品名サンデユボアVSU)等が挙げられる。
上記した紫外線吸収剤の中で、紫外線被照による樹脂劣化が抑えられるという観点から、ベンゾトリアゾール類等が好ましく用いられる。
また、波長380nm付近の波長を効率的に吸収したい場合は、トリアジン類の紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
このような紫外線吸収剤としては、
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(ADEKA社製;LA−F70)、
およびその類縁体であるヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(BASF社製;TINUVIN477−DやTINUVIN460)等が挙げられる。
なお、紫外線吸収剤のモル吸光係数の最大値εmaxは、次のようにして測定する。
シクロヘキサン1Lに紫外線吸収剤10.00mgを添加し、目視による観察で未溶解物がないように溶解させる。この溶液を1cm×1cm×3cmの石英ガラスセルに注入し、日立製作所社製U−3410型分光光度計を用い、波長380〜450nmでの吸光度を測定する。紫外線吸収剤の分子量(MUV)と、測定された吸光度の最大値(Amax)とから次式により計算し、モル吸光係数の最大値εmaxを算出する。
εmax=[Amax/(10×10-3)]×MUV
酸化防止剤は、酸素存在下においてそれ単体で樹脂の酸化劣化防止に効果を有するものである。
例えば、リン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、およびチオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。これらの酸化防止剤は1種または2種以上を用いることができる。
中でも、着色による光学特性の劣化防止効果の観点から、リン系酸化防止剤およびヒンダードフェノール系酸化防止剤等が好ましく、リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤との併用がより好ましい。
リン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤とを併用する場合、リン系酸化防止剤の使用量:ヒンダードフェノール系酸化防止剤の使用量は、質量比で、1:5〜2:1が好ましく、1:2〜1:1がより好ましい。
リン系酸化防止剤としては、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(ADEKA社製;商品名:アデカスタブHP−10)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASF社製;商品名:IRGAFOS168)、および3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサー3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン(ADEKA社製;商品名:アデカスタブPEP−36)等が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(BASF社製;商品名IRGANO01010)、およびオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(BASF社製;商品名IRGANO01076)等が好ましい。
熱劣化防止剤は、実質上無酸素の状態下で高熱にさらされたときに生じるポリマーラジカルを捕捉することによって樹脂の熱劣化を防止できるものである。
熱劣化防止剤としては、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGM)、および2,4−ジ−t−アミル−6−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシ−α−メチルベンジル)フェニルアクリレート(住友化学社製;商品名スミライザーGS)等が好ましい。
高分子加工助剤としては、通常、乳化重合法によって製造される、0.05〜0.5μmの粒子径を有する重合体粒子が用いられる。かかる重合体粒子は、単一組成および単一極限粘度の重合体からなる単層粒子であってもよいし、組成または極限粘度の異なる2種以上の重合体からなる複層粒子であってもよい。
特に、内層に比較的低い極限粘度を有する重合体層を有し、外層に5dl/g以上の比較的高い極限粘度を有する重合体層を有する2層構造の粒子が好ましい。
高分子加工助剤の平均重合度は、好ましくは3,000〜40,000、より好ましくは6,000〜30,000、特に好ましくは10,000〜25,000である。
高分子加工助剤の組成としては、60質量%以上のメタクリル酸メチル単位およびこれと共重合可能な40質量%以下のビニル系単量体単位とからなる高分子化合物が好ましい。
メタクリル酸メチルと共重合可能なビニル系単量体としては、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、およびメタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル;
アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、およびアクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸エステル、
スチレン、p−メチルスチレン、およびo−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;
N−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、およびN−o−クロロフェニルマレイミド等のマレイミド系化合物;
エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、およびトリアリルイソシアヌレート等の多官能性単量体等が挙げられる。
高分子加工助剤としては、具体的には、三菱レイヨン社製メタブレン−Pシリーズ、およびロームアンドハース社製パラロイドシリーズ等が好ましい。
高分子加工助剤は、極限粘度が3〜6dl/gであることが好ましい。極限粘度が過小では、本発明の釘打ち用樹脂シートの成形加工性の改善効果が低い傾向がある。極限粘度が過大では、本発明の釘打ち用樹脂シートの成形加工性の低下を招く傾向がある。
本明細書において、特に明記しない限り、高分子加工助剤の平均重合度は、自動希釈型毛細管粘度計(ウベローデ型)を用い、クロロホルムを溶媒として20℃で測定されるPMMA換算重合度である。
本発明の釘打ち用樹脂シートに含有し得る添加剤の合計量は、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは4質量%以下である。
(釘打ち用樹脂シートの製造方法)
本発明の釘打ち用樹脂シートは、押出成形法、キャスト成形法、および射出成形法等の公知の成形方法により製造される。
上記の中でも、押出成形法が好ましい。
釘打ち用樹脂シートの製造方法は、
主成分である少なくとも1種の樹脂(好ましくはメタクリル系樹脂(A))と滑剤(X)とを含む複数種の原料を溶融混練して樹脂組成物(C)を調製する工程(1)と、
樹脂組成物(C)を押出成形する工程(2)とを有することが好ましい。
<工程(1)>
例えば、主成分樹脂(好ましくはメタクリル系樹脂(A))、滑剤(X)、必要に応じてアクリル系ゴム(B)、および必要に応じて任意成分を溶融混練することによって、樹脂組成物(C)を製造することができる。
工程(1)においては、複数種の原料を一括して溶融混練してもよいし、複数種の原料を複数回に分けて溶融混練してもよい。
溶融混練は例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、およびバンバリーミキサー等の溶融混練装置を用いて行うことができる。
混練温度は、樹脂成分の溶融温度に応じて適宜調節され、通常150℃〜300℃の範囲内が好ましい。
樹脂組成物(C)を230℃および3.8kg荷重の条件で測定して決定されるメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは0.2〜30g/10分、さらに好ましくは0.5〜20g/10分、特に好ましくは1.0〜10g/10分である。
樹脂組成物(C)は、保存、運搬、または成形時の利便性を高めるために、必要に応じてペレット等の形態にすることができる。
<工程(2)>
図面を参照して、本発明に係る一実施形態の樹脂シートの製造装置の構造およびこれを用いた製造方法について、説明する。
図1は、製造装置の模式図である。
図1に示すように、樹脂シートの製造装置1は、原料の樹脂組成物210M(樹脂組成物(C))を加熱溶融し、シート状に押し出す押出成形手段110を備える。
本実施形態において、
押出成形手段110は、
原料の樹脂組成物210Mが投入されるホッパ等の原料投入部111と、
樹脂組成物210Mを加熱溶融し、押し出すスクリュー部112と、
加熱溶融された樹脂組成物210Mをシート状に吐出する吐出口113Aを含むTダイ113とを備えたTダイ付き押出機である。
Tダイ113から吐出される樹脂シート210の温度は好ましくは160〜270℃、より好ましくは220〜260℃である。
樹脂シートの製造装置1はまた、樹脂シート210の所望の厚みに対応した離間距離の離間部を空けて互いに隣接して配置され、Tダイ付き押出成形手段110により押し出されたシート状物を加圧しながら冷却する複数の冷却ロールからなる冷却ロールユニット120を有する。
冷却ロールユニット120は、少なくとも、Tダイ113の吐出口113Aの下方に離間部を有する第1の冷却ロール121と第2の冷却ロール122とを含む。
Tダイ113から押し出されたシート状物は、第1の冷却ロール121と第2の冷却ロール122との間で挟持され、加圧および冷却されて、樹脂シート210となる。この時点では、樹脂シート210は充分に冷却されておらず、完全には固化していない。
図示する例では、冷却ロールユニット120は、第1の冷却ロール121と第2の冷却ロール122と第3の冷却ロール123と第4の冷却ロール124とを含む。
第1の冷却ロール121と第2の冷却ロール122との間で挟持され、加圧および冷却された得られた樹脂シート210は、第1の冷却ロール121から離れて第2の冷却ロール122の面上を通りながら冷却され、第2の冷却ロール122と第3の冷却ロール123との間に供され、加圧される。
樹脂シート210はさらに、第2の冷却ロール122から離れて第3の冷却ロール123の面上を通りながら冷却され、第3の冷却ロール123と第4の冷却ロール124との間に供され、加圧される。
樹脂シート210はさらに、第3の冷却ロール123から離れて第4の冷却ロール124の面上を通りながら冷却された後、第4の冷却ロール124から離れて、次の工程に向かう。なお、この時点では、樹脂シート210は充分に冷却されておらず、完全には固化していない。
本実施形態において、押出成形手段110のTダイ113および冷却ロールユニット120は、第1の製造室R1内に配置される。
第1の製造室R1内の環境温度は特に調整されておらず、加熱溶融樹脂の存在により常温(20〜25℃)より高めの例えば35〜40℃程度である。
本実施形態において、第1の製造室R1に隣接して、第2の製造室R2が設けられている。
第2の製造室R2内の環境温度は、冷却ロールユニット120により加圧および冷却されて得られた樹脂シート210を徐冷するため、20〜50℃の温度範囲内に調整されることが好ましい。
第2の製造室R2内の環境温度は、公知の空調設備等を用いて調整することができる。
樹脂シートの製造装置1はまた、製造された樹脂シート210の表面および裏面に保護フィルム220を貼着する保護フィルム貼着手段130を有する。
保護フィルム貼着手段130は、樹脂シート210の表面に保護フィルム220を供給する第1の保護フィルムロール131と、樹脂シート210の裏面に保護フィルム220を供給する第2の保護フィルムロール132とを含む。
保護フィルム貼着手段130は、第2の製造室R2の外側に設けられている。
第2の製造室R2内で徐冷された後の樹脂シート210は、充分に冷却され、充分に固化しているので、保護フィルム220の貼着工程は、特に環境温度を調温する必要がない。
樹脂シートの製造装置1はまた、製造された樹脂シート210を引き取る力を発現する引取手段140を有する。引取手段140は、樹脂シート210の所望の厚みに対応した離間距離の離間部を空けて互いに対向して上下に配置された一対の引取ロール141、142を含む。
樹脂シートの製造装置1はまた、両面に保護フィルム220が貼着された樹脂シート210を板状に切断する公知の切断手段(図示略)を有する。
なお、本実施形態の樹脂シートの製造装置1の構成は一例に過ぎず、適宜設計変更可能である。
本実施形態の樹脂シートの製造装置1を用いて、以下のようにして樹脂シート210が製造される。
はじめに、押出成形手段110により原料の樹脂組成物210Mを加熱溶融し、シート状に押し出す。
次に、冷却ロールユニット120により、押出成形手段110により押し出されたシート状物を加圧および冷却して、樹脂シート210が得られる。
次に、得られた樹脂シート210を第2の製造室R2内で徐冷する。
次に、保護フィルム貼着手段130により、樹脂シート210の両面に保護フィルム220を貼着する。
次に、公知の切断手段(図示略)により、両面に保護フィルム220が貼着された樹脂シート210を板状に切断する。
以上のようにして、板状の樹脂シート210が製造される。
本実施形態では、冷却ロールユニット120の最下流の冷却ロール(図1に示す例では、第4の冷却ロール124)から離れる時点において、樹脂シート210の全体の温度を120〜160℃の範囲内に調整することが好ましい。
本実施形態では、透明樹脂としてメタクリル系樹脂を使用する場合、冷却ロールユニット120の最下流の冷却ロールから離れる時点において、樹脂シート210の全体の温度を120〜160℃の範囲内となるように、冷却ロールユニット120に用いる冷却ロールの数と各冷却ロールの温度を設定することが好ましい。
冷却ロールの数は、3〜4が好ましい。
透明樹脂としてメタクリル系樹脂を使用する場合、各冷却ロールの温度は、例えば第1の冷却ロール121は好ましくは80〜100℃、より好ましくは85〜95℃であり、第2の冷却ロール122は好ましくは85〜105℃、より好ましくは90〜100℃であり、第3の冷却ロール123および第4の冷却ロール124は好ましくは80〜100℃、より好ましくは85〜95℃である。
なお、製造ライン上の樹脂シート210の温度は公知方法にて測定することができ、例えば、樹脂シート210の表面温度を赤外放射温度計等の非接触温度計を用いて測定することができる。
冷却ロールユニット120において、
第1の冷却ロール121の周速度をV1とし、第2の冷却ロール122の周速度をV2とし、第3の冷却ロール123の周速度をV3とし、第4の冷却ロール124の周速度をV4とする。
一対の引取ロール141、142の周速度をVXとする。
樹脂シート210の引取りをスムーズに行うために、通常、VXはV1〜V4に対して同等またはそれ以上に設定される。
一対の引取ロール141、142の間を通過中の樹脂シート210の温度は、冷却ロールユニット120を通過中の樹脂シート210の温度より低い。その温度差分の樹脂シート210の熱収縮量を考慮して、VXはV1〜V4に対してわずか低めに設定される場合もある。
例えば、第2冷却ロール122の周速度V2に対する一対の引取ロール141、142の周速度VXの比(周速度比VX/V2)を0.97〜1.01の範囲内に調整することが好ましく、0.99〜1.01の範囲内に調整することがより好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、良好な潤滑効果が得られ、樹脂シートと工具との摩擦熱を抑制して、樹脂シートの加工面の外観品質の低下および工具への樹脂融着を抑制することができ、かつ、40℃以上の温度環境下においても、打ち込まれた釘の緩みあるいは抜けを安定的に抑制することが可能な釘打ち用樹脂シートを提供することができる。
本発明に係る実施例および比較例について説明する。
(実施例1)
<アクリル系三層構造粒子(BX−1a)の製造>
還流冷却器付反応器に、イオン交換水145質量部、ステアリン酸ナトリウム(SS)0.45質量部、ラウリルザルコシン酸ナトリウム(LSS)0.08質量部、および炭酸ナトリウム(SC)0.05質量部を投入し、撹拌溶解させた後、メタクリル酸メチル(MMA)32.9質量部、アクリル酸メチル(MA)2.1質量部、および架橋剤としてのメタクリル酸アリル(ALMA)0.07質量部を投入し撹拌しながら80℃に昇温した。次いで2%過硫酸カリウム水溶液1.8質量部を投入し、80℃に昇温し60分間保持することにより、ラテックスを得た。
上記ラテックスの存在下に、2%過硫酸カリウム水溶液2.2質量部を投入し、アクリル酸ブチル(BA)36.99質量部、スチレン(ST)8.01質量部、および架橋剤としてのメタクリル酸アリル(ALMA)0.9質量部からなる単量体混合物を60分かけて連続的に添加し、添加終了後30分間保持した。
次いで上記ラテックス存在下に、2%過硫酸カリウム水溶液1.0質量部を投入し、メタクリル酸メチル(MMA)18.8質量部、アクリル酸メチル(MA)1.2質量部、n−オクチルメルカプタン(n−OM)0.04質量部からなる単量体混合物を30分かけて連続的に添加し、添加終了後60分保持した。
以上のようにして、中心側より、硬質層(第1層)、軟質層(第2層、ゴム層)、および硬質層(第3層)からなり、平均粒子径が0.23μmであるアクリル系三層構造粒子(BX−1a)を40質量%含むラテックスを得た。
得られたアクリル系三層構造粒子(BX−1a)の各層の単量体組成および各層の質量比は、表1に示す通りである。
<原料樹脂組成物の製造>
製造例1で得られたアクリル系三層構造粒子(BX−1a)の分散用に、90質量部のMMAと10質量部のMAとを乳化重合して得られ、平均粒子径が0.13μmであり、重合度が960である、第1のメタクリル系樹脂(A−1)のラテックスを用意した。
製造例1で得られたアクリル系三層構造粒子(BX−1a)ラテックスと第1のメタクリル系樹脂(A−1)のラテックスとを質量比67:33で混合したラテックスを、公知方法により凝固、ろ過、洗浄、脱水、および乾燥して、第1のメタクリル系樹脂組成物(C−1)を得た。
別途、94質量部のMMAと6質量部のMAとを懸濁重合して得られ、平均粒子径が0.13μmであり、重合度が1550である、粉末状の第2のメタクリル系樹脂(A−2)を用意した。
この第2のメタクリル系樹脂(A−2)に対して、滑剤(X)として、セタノールを0.02質量%、ステアリン酸モノグリセライドを0.1質量%添加して、滑剤添加メタクリル系樹脂(A−2L)を得た。
上記の第1のメタクリル系樹脂組成物(C−1)と上記の滑剤添加メタクリル系樹脂(A−2L)とを質量比43:57で溶融混合して、第2のメタクリル系樹脂組成物(C−2)を得た。この第2のメタクリル系樹脂組成物(C−2)を樹脂シートの原料樹脂組成物として用いた。
原料樹脂組成物中の各滑剤(X)の量および滑剤(X)の合計量は、表2に示すとおりであった。
表2には、滑剤(X)として用いたセタノールおよびステアリン酸モノグリセライドの融点(m.p.)についても合わせて記載してある。
<樹脂シートの製造>
上記で得られた第2のメタクリル系樹脂組成物(C−2)を用い、図1に示したような製造装置を用い、厚さ10mmの樹脂シートを押出成形した。
TEMを用いて、得られた樹脂シートの断面を観察したところ、シート中のアクリル系三層構造粒子(BX−1a)の平均粒子径は0.21μmであった。
また、得られた樹脂シートの一片について、アセトン可溶部を除去し、シート中のアクリル系三層構造粒子(BX−1a)の含有量を測定したところ、23質量%であった。
(比較例1、2)
第2のメタクリル系樹脂(A−2)に対する各滑剤(X)の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂シートの原料樹脂組成物の製造および樹脂シートの製造を実施した。
比較例1では、第2のメタクリル系樹脂(A−2)に対して、滑剤(X)として、セタノールを0.005質量%添加し、ステアリン酸モノグリセライドを添加せず、比較用の滑剤添加メタクリル系樹脂(A−2M)を得た。
実施例1と同様にして得られた第1のメタクリル系樹脂組成物(C−1)と上記の滑剤添加メタクリル系樹脂(A−2M)とを質量比43:57で溶融混合して、比較用の原料樹脂組成物を得た。
比較例2では、第2のメタクリル系樹脂(A−2)に対して、滑剤(X)として、セタノールを0.02質量%添加し、ステアリン酸モノグリセライドを0.6質量%添加して、比較用の滑剤添加メタクリル系樹脂(A−2P)を得た。
実施例1と同様にして得られた第1のメタクリル系樹脂組成物(C−1)と上記の滑剤添加メタクリル系樹脂(A−2P)とを質量比43:57で溶融混合して、比較用の原料樹脂組成物を得た。
比較例1、2の原料樹脂組成物中の各滑剤(X)の量および滑剤(X)の合計量は、表2に示すとおりであった。
<切削加工性の評価>
NCルータ(庄田鉄工株式会社製、ベーシックNCルータマシン「NC5001」)に超硬ルータビット(庄田鉄工株式会社製、直径:3mm、刃の角度:逃げ角17度、すくい角:25度、歯数:1、材質:超硬鋼材)を使用し、回転速度17000rpm、切削速度1.5m/分、切削長さ28mmの切削加工条件で、切削粉片吸引方式にて冷却しながら樹脂シートの穴開け切削加工を行い、加工面の表面粗さを評価した。
表面粗さは、JIS B 0601(2001)に準拠して測定した算術平均粗さRa(μm)にて評価した。
算術平均粗さRaは、株式会社小坂研究所製サーフコーダ「SE700」を使用し、測定倍率2000、測定速度0.5mm/秒、評価長さ4mm、カットオフ値0.8mmの条件にて測定した。
また、以下のように、目視観察により切削加工面の外観評価を実施した。
切削加工面の全面が光沢を有するものを良(+、プラス)、それ以外を不良(−、マイナス)と評価した。
切削加工面に欠けが観察されないものを良(+、プラス)、観察されたものを不良(−、マイナス)と評価した。
切削加工面に樹脂融着が観察されないものを良(+、プラス)、観察されたものを不良(−、マイナス)と評価した。
<釘抜き性の評価>
各例において製造された樹脂シートに対して、ボール盤を用い、1.73mmφ径のドリルで、10mm間隔で計10個の貫通孔を形成した。
次に、各貫通孔の内部に、真鍮製ネジリ釘丸先(1.85mmφ径、釘頭を除いた部分の長さ26.5mm、ネジ部の長さ5.5mm)を10mm深さ分だけ打ち込んだ。
次に、熱風オーブンを用い、上記樹脂シートを吊り下げ状態で1時間45℃で加熱した後、熱風オーブンから樹脂シートを取り出し、室温下で充分に自然冷却した。
次に、(株)島津製作所社製オートグラフ「AG−2000B」を用い、樹脂シートに打ち込まれた計10本の釘のうち任意の1本の釘を選び、その釘頭をチャックで把持し、毎分25mmの速度で引き抜いた時の最大荷重(kg)を測定した。
10本の釘についてそれぞれ上記測定を実施し、最大荷重の平均値を釘抜き強度として求めた。
釘抜き強度が50kgf以上のものを良好(+、プラス)、50kgf未満のものを不良(−、マイナス)と評価した。
<評価結果>
評価結果を表3に示す。
滑剤(X)を0.01〜0.3質量%添加した実施例1では、潤滑効果により、樹脂シートと工具との摩擦熱を抑制して、樹脂シートの加工面の外観品質の低下および工具への樹脂融着を抑制することができた。
滑剤(X)を0.01〜0.3質量%添加した実施例1で得られた樹脂シートは、40℃以上の温度環境下での釘抜き強度が大きく、40℃以上の温度環境下での釘抜けが安定的に抑制されるものであった。
滑剤(X)の添加量を0.01質量%未満とした比較例1では、潤滑効果が不充分であり、樹脂シートと工具との摩擦熱を充分に抑制することができず、樹脂シートの加工面の外観品質の低下および工具への樹脂融着が見られた。
滑剤(X)の添加量を0.3質量%超とした比較例2で得られた樹脂シートは、40℃以上の温度環境下での釘抜き強度が小さく、40℃以上の温度環境下での釘抜けが安定的に抑制されないものであった。
Figure 2016222744
Figure 2016222744
Figure 2016222744
本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜設計変更が可能である。
1 製造装置
110 押出成形手段
111 原料投入部
112 スクリュー部
113 Tダイ
113A 吐出口
120 冷却ロールユニット
121 第1の冷却ロール
122 第2の冷却ロール
123 第3の冷却ロール
124 第4の冷却ロール
130 保護フィルム貼着手段
131、132 保護フィルムロール
140 引取手段
141、142 引取ロール
210 樹脂シート
210M 樹脂組成物
220 保護フィルム
R1 第1の製造室
R2 第2の製造室

Claims (11)

  1. 少なくとも1種の樹脂を主成分とし、融点が45〜100℃であり、炭化水素、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、および金属石鹸からなる群から選択される少なくとも1種の滑剤(X)を0.01〜0.3質量%含有する樹脂組成物からなり、
    厚さが5mm以上であり、
    40℃以上の環境下で使用されるものである、
    釘打ち用樹脂シート。
  2. 前記樹脂が熱可塑性樹脂である、
    請求項1に記載の釘打ち用樹脂シート。
  3. 前記樹脂がメタクリル系樹脂(A)および/またはカーボネート系樹脂である、
    請求項2に記載の釘打ち用樹脂シート。
  4. 滑剤(X)は、脂肪酸エステルおよび/または脂肪族アルコールを含む、
    請求項1〜3のいずれかに記載の釘打ち用樹脂シート。
  5. 滑剤(X)は、炭素数16〜22の脂肪酸とグリセリンとの部分エステルである脂肪酸モノグリセライドを含む、
    請求項4に記載の釘打ち用樹脂シート。
  6. 滑剤(X)は、炭素数12〜18の脂肪族アルコールを含む、
    請求項4に記載の釘打ち用樹脂シート。
  7. 前記樹脂がメタクリル系樹脂(A)であり、
    前記樹脂組成物はさらに、アクリル系ゴム(B)を含む、
    請求項1〜6のいずれかに記載の釘打ち用樹脂シート。
  8. アクリル系ゴム(B)は、少なくとも1層のゴム層を含む複層構造粒子(BX)を含む、
    請求項7に記載の釘打ち用樹脂シート。
  9. 前記樹脂組成物中の複層構造粒子(BX)の含有量が15質量%以上である、
    請求項8に記載の釘打ち用樹脂シート。
  10. アクリル系ゴム(B)は、ブロック共重合体(BY)を含む、
    請求項7に記載の釘打ち用樹脂シート。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の釘打ち用樹脂シートの製造方法であって、
    主成分である少なくとも1種の前記樹脂と滑剤(X)とを含む複数種の原料を溶融混練して前記樹脂組成物を調製する工程(1)と、
    前記樹脂組成物を押出成形する工程(2)とを有する、
    釘打ち用樹脂シートの製造方法。
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