JP2016221078A - 過酸化水素ガス除染方法および過酸化水素ガス除染装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】相対湿度および過酸化水素ガス濃度を適切に管理することによって、除染対象空間を安定的に除染できる過酸化水素ガス除染方法および装置を提供する。
【解決手段】除染対象空間1に接続された循環流路2と、空気を送風して循環させる送風手段3と、循環流路2中の空気中の相対湿度を検出する湿度センサ5と、循環流路2に接続され、圧縮ポンプ25および高分子膜式エアードライヤ26を備えた第1分岐流路6と、流量調整手段8と、過酸化水素供給手段9と、湿度センサ5および流量調整手段8が接続された制御部10とを備え、制御部10が湿度センサ5によって検出された相対湿度に基づいて、流量調整手段8を制御することによって、相対湿度および過酸化水素ガス濃度を適切に管理することができるので、除染対象空間1を安定的に除染できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、過酸化水素ガスによる微生物等の除染を効果的かつ安定的に行える過酸化水素ガス除染装置に係り、特に圧縮ガスによる湿度制御機能を備えた過酸化水素ガス除染応報および装置に関する。
医薬品製造分野で使用されるアイソレーター並びに、微生物実験やウイルスの取り扱い時に使用される安全キャビネットは、浮遊粒子の管理および、微生物、菌、ウイルスの管理が重要となる。医薬品製造分野では、製造環境を無菌状態に保持することが求められ、その無菌保証水準(SAL)は10−6となる。また、安全キャビネットでは、装置メンテナンス時に作業者が有害な菌、ウイルスに感染することを防止するために、装置内部を除染する必要がある。
除染方法としては、従来ではホルムアルデヒドガスによる燻蒸が主に行われてきたが、ホルムアルデヒドは発がん性物質であり、近年その使用は厳しく規制されている。これに対して、ホルムアルデヒド除染の代替法として、過酸化水素、過酢酸、オゾン等といった、代替薬を使用した除染法が検討されてきた。中でも、過酸化水素ガスは他の代替薬と比較して扱いやすく、医薬品製造分野では、アイソレーターの除染に多数使用されてきている。過酸化水素を利用した除染方法は、各種提案されており(例えば特許文献1参照)、過酸化水素ガス濃度、分布、温湿度の管理は重要なパラメーターとなる。
特開2002−360672号公報
ところで、過酸化水素ガスは、気体の状態時では腐食性は比較的少なく、除染対象物の構成材料に与える影響は小さい。しかし、結露が発生した場合は結露部に高濃度に凝縮された過酸化水素水が形成され、構成材料を腐食させる問題がある。
この問題を解決するために、結露を発生させない湿度環境下で除染を行う必要がある。除染の評価確認には、指標菌(Geobacillus stearothermophilus)を付着させたバイオロジカルインジケーター(BI)を用いて行われるが、その除染効果は過酸化水素ガス濃度および湿度環境に依存する。
低湿度環境下では除染効果が低下するため、その分過酸化水素ガス濃度を高くする必要がある。一方、高湿度環境下では除染効果は増加するが、周囲環境の空調変動等により露点以下の状態となると、結露のリスクが高まる。このため、ゼオライト等の除湿剤を充填したカートリッジ型の除湿器を用いて除湿することも行われているが、この除湿器は高価であり、一定の水分を吸着して飽和状態となると交換しなければならないので、ランニングコストがかかるとともに交換作業に手間がかかるという問題がある。さらに除湿工程を経てから除染工程に入ると、より作業工程時間が長くかかるという問題がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、相対湿度および過酸化水素ガス濃度を適切に管理することによって、除染対象空間を安定的に除染できるとともに、ランニングコストや除湿器の交換の手間がかからず、より短時間で除染が可能である過酸化水素ガス除染方法および装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の過酸化水素ガス除染方法は、過酸化水素ガスを用いて除染対象空間を除染する過酸化水素ガス除染方法であって、
前記除染対象空間に、当該除染対象空間を事前に除湿することなく、過酸化水素ガスを含む空気を供給するとともに、高分子膜式エアードライヤを用いて除湿した圧縮ガスを前記除染対象空間に供給することによって、前記除染対象空間を所定の相対湿度に保持して、所定濃度の過酸化水素ガスで満たすことを特徴とする。
ここで、圧縮ガスは過酸化水素ガスを含む空気を圧縮ポンプ等によって圧縮することによって得てもよいし、外部から圧縮空気や圧縮窒素ガス等を導入してもよい。
本発明においては、高分子膜式エアードライヤを用いて除湿した圧縮ガスを除染対象空間に供給することによって、除染対象空間を所定の相対湿度に保持して、所定濃度の過酸化水素ガスで満たすので、相対湿度および過酸化水素ガス濃度を適切に管理することができ、これによって、除染対象空間を安定的に除染できるとともに、従来と異なり除湿剤を充填した除湿器を用いることがないので、ランニングコストや除湿器の交換の手間がかからない。
また、除染対象空間に、当該除染対象空間を事前に除湿することなく、過酸化水素ガスを含む空気を供給するので、事前に除染対象空間を除湿する場合に比して、除染時間を短縮することができる。
また、本発明の過酸化水素ガス除染装置は、過酸化水素ガスを用いて除染対象空間を除染する過酸化水素ガス除染装置であって、
前記除染対象空間の流出口に一端部が接続され、前記除染対象空間の流入口に他端部が接続された循環流路と、
この循環流路に設けられて、前記流出口側から前記流入口側に向けて空気または過酸化水素ガスを含む空気を送風して循環させる送風手段と、
前記循環流路に設けられて、前記流出口から流出された空気または過酸化水素ガスを含む空気中の相対湿度を検出する湿度センサと、
この湿度センサより下流側の前記循環流路に一端部と他端部とがそれぞれ接続された第1分岐流路と、
この第1分岐流路に設けられて、当該該1分岐流路を流れる空気または過酸化水素ガスを含む空気を圧縮する圧縮手段およびこの圧縮手段によって圧縮された圧縮ガスを除湿する高分子膜式エアードライヤと、
前記第1分岐流路の一端部と前記循環流路との接続部に設けられて、前記第1分岐流路に流す空気または過酸化水素ガスを含む空気の流量を調整する流量調整手段と、
前記第1分岐流路より下流側の前記循環流路に接続されて、当該循環流路に過酸化水素ガスを供給する過酸化水素供給手段と、
少なくとも前記湿度センサおよび前記流量調整手段が接続された制御部とを備え、
前記制御部が、前記湿度センサによって検出された相対湿度に基づいて、前記流量調整手段を制御することによって、前記除染対象空間を所定の相対湿度に保持して、所定濃度の過酸化水素ガスで満たすことを特徴とする。
本発明においては、送風手段によって、空気または過酸化水素ガスを含む空気が除染対象空間および循環流路を循環し、過酸化水素供給手段から過酸化水素ガスが循環流路に供給され、この過酸化水素ガスを含む空気が除染対象空間に供給されるとともに、循環流路を流通する。そして、この過酸化水素ガスを含む空気の湿度が湿度センサによって検出される。この検出された相対湿度が所定の相対湿度より高い場合、制御部が流量調整手段を制御して、循環流路を流通する過酸化水素ガスを含む空気の第1分岐流路への流量を調整する。そして、この第1分岐流路を流れる過酸化水素ガスを含む空気は、圧縮手段によって圧縮されて圧縮ガスとなり、この圧縮ガスは高分子膜式エアードライヤによって除湿されたうえで、第1分岐流路から再び循環流路へと流れて、除染対象空間に供給される。
このように流量調整手段を制御することによって、高分子膜式エアードライヤによって過酸化水素ガスを含む空気から水分を除去できるとともに、除去される水分量を調整できるので、相対湿度を所定の値に管理できるとともに結露を防止でき、この相対湿度に応じて過酸化水素ガスの濃度を所定の濃度に管理できる。
このようにして、相対湿度および過酸化水素ガス濃度を適切に管理することによって、除染対象空間を安定的に除染できる。
一方、湿度センサによって検出された相対湿度が所定の相対湿度より低い場合、制御部が流量調整手段を制御して、循環流路を流通する過酸化水素ガスを含む空気の第1分岐流路への流量を調整する。例えば、過酸化水素ガスを含む空気を第1分岐流路より循環流路に多く流すか、または循環流路のみに流す。
このように流量調整手段を制御することによって、第1分岐流路に流す流量を調整し、高分子膜式エアードライヤによる相対湿度の低下を抑制するともに、過酸化水素供給手段によって過酸化水素ガスとともに湿気が循環流路に供給されて、相対湿度が上昇する。
したがって、相対湿度を所定の値に管理でき、この相対湿度に応じて過酸化水素ガスの濃度を所定の濃度に管理できるので、除染対象空間を安定的に除染できる。
また、従来と異なり除湿剤を充填した除湿器を用いることがないので、ランニングコストは少なく、除湿剤の再生や交換の手間がかからない。
また、本発明の前記構成において、前記第1分岐流路に、前記圧縮手段より上流側において、過酸化水素分解手段が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、圧縮手段より上流側において、過酸化水素分解手段が設けられているので、過酸化水素ガスによる圧縮手段(ポンプ等)の腐食を防止できる。
また、本発明の前記構成において、前記圧縮手段に代えて、前記第1分岐流路の前記高分子膜式エアードライヤより上流側に外部から圧縮ガスを供給してもよい。この圧縮ガスとしては、例えば圧縮空気や圧縮窒素ガスを使用することができる。このように、圧縮ガスを外部から供給する場合、供給ガス圧力の変動を制御する必要がある。
このような構成によれば、圧縮手段が不要であるので、その分装置構成が簡単になるという利点がある。
また、本発明の前記構成において、前記第1分岐流路より下流側の前記循環流路に一端部が接続され、前記過酸化水素供給手段より下流側の前記循環流路の他端部が接続された第2分岐流路を備え、
この第2分岐流路に過酸化水素ガスを分解する過酸化水素分解手段が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、除染動作時、つまり除染対象空間の除染時には、過酸化水素ガスを含む空気を循環流路に流すことによって、過酸化水素分解手段による過酸化水素ガスの分解を防止して、過酸化水素ガスの無駄を防止でき、また、除染対象空間の除染終了後は、過酸化水素ガスを含む空気を第2分岐流路に流して過酸化水素分解手段によって、速やかに空気から過酸化水素ガスを除去できる。
また、本発明の前記構成において、前記循環流路に外気を流入するための外気流入路が接続され、前記第2分岐路に前記過酸化水素ガス分解手段より下流側において、外部流出路が接続されていることが好ましい。
このような構成によれば、除染終了後のエアレーション工程において、過酸化水素ガス濃度が所定の低濃度(例えば10ppm程度)になった時点で、過酸化水素ガス分解手段によって過酸化水素ガスを除去したうえで外部流出路から外部に排気し、その分、外気を外気流入路から循環流路に取り込むことで、エアレーション工程の短時間化を図ることができる。
また、本発明の前記構成において、前記循環経路に、前記圧縮手段による前記循環経路および前記除染対象空間の圧力変動を少なくするためのクッションタンクが設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、クッションタンクによって、圧縮手段による循環経路および除染対象空間の圧力変動を少なくできる。
また、本発明の前記構成において、前記過酸化水素供給手段は、滴下された過酸化水素水を蒸発させる蒸発プレートを備え、この蒸発プレートが水平面に対して傾斜しているのが好ましい。
このような構成によれば、蒸発プレートに滴下された過酸化水素水は、蒸発プレート上を傾斜方向に沿って下方に流れながら蒸発するため、過酸化水素水の滴下量が増加した場合でも、安定的に過酸化水素水を蒸発させて過酸化水素ガスを供給できる。
本発明によれば、相対湿度および過酸化水素ガス濃度を適切に管理することによって、除染対象空間を安定的に除染できるとともに、従来と異なり除湿剤を充填した除湿器を用いることがないので、ランニングコストは少なく、除湿剤の再生や交換の手間がかからない。
本発明の実施の形態の過酸化水素ガス除染装置を示すもので、その概略構成を示すブロック図である。 同、過酸化水素供給手段の蒸発槽を示す断面図である。 除染対象空間の設定相対湿度を変化させた場合の、相対湿度と過酸化水素濃度の関係を示すグラフである。 過酸化水素分解触媒に全量の空気を通過させた場合の、除染対象空間の相対湿度と過酸化水素濃度の関係を示すグラフである。 相対湿度と除染効果D値との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る過酸化水素ガス除染装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、過酸化水素ガス除染装置は、過酸化水素ガスを用いて、除染対象空間1を除染するものであり、循環流路2を備えている。循環流路2の一端部2aは除染対象空間1の流出口1aに接続され、他端部2bは除染対象空間1の流入口1bに接続されている。なお、除染対象空間1および循環流路2は基本的に密閉された閉鎖系となる。
除染対象空間1としては、例えば医薬品製造分野で使用されるアイソレーターの作業空間や、微生物実験やウイルスの取り扱い時に使用される安全キャビネットの作業空間が挙げられるがこれに限るものではない。
このような除染対象空間1は、基本的に気密構造となっているが、微量の漏れは存在し、また、除染時外部からの空気流入を防止するために陽圧に保持する必要がある。
循環流路2には、送風手段3、温度センサ4、湿度センサ5、第1分岐流路6、第2分岐流路7、流量調整手段8、過酸化水素供給手段9等が設けられ、送風手段3、温度センサ4、湿度センサ5、流量調整手段8、過酸化水素供給手段9は制御部10に電気的に接続されている。
送風手段3は、直流ブラシレスモータにより羽根が回転することによって、空気等の流体を送風する送風機である。この送風機(送風手段3)は羽根の回転数をリニアに制御可能であり、風量を無段階にて調整可能である。この送風手段3によって、除染対象空間1の流出口1aから流入口1bに向けて、空気または過酸化水素ガスを含む空気を送風して循環流路2を循環させるようになっている。なお、送風手段3は、流量調整手段8と後述するクッションタック23との間の循環流路2に設けられている。
温度センサ4および湿度センサ5は、それぞれ除染対象空間1の流出口1aから流出し、循環流路2を流通した空気または過酸化水素ガスを含む空気の温度と相対湿度を検出するためのものであり、この検出(計測)された温度と相対湿度との検出信号が制御部10に入力されるようになっている。
温度センサ4と流出口1aとの間の循環流路2には、HEPAフィルター等のフィルター11が設けられており、このフィルター11によって、塵、微生物等の微粒子を捕捉するようになっている。また、このフィルター11は、何らかの要因で循環流路2を流通する空気等が逆流した場合に、除染対象空間1に前記微粒子が侵入するのを防止する機能も有している。
第2分岐流路7の一端部は第1分岐流路6より下流側の循環流路2に設けられたクッションタンク23に接続されており、当該第2分岐流路7には、過酸化水素分解手段12が設けられている。また、第2分岐流路7の他端部は過酸化水素供給手段9より下流側の循環流路2に接続されている。
過酸化水素分解手段12は、主成分が白金から成り、その分解反応によって過酸化水素を無害化するようになっている。
過酸化水素分解手段12より上流側の第2分岐流路7には電磁バルブ13が設けられ、この電磁バルブ13は制御部10に接続されている。また、第2分岐流路7には、外部流出路14が接続され、この外部流出路14には電磁バルブ15が設けられ、この電磁バルブ15は制御部10に接続されている。また、過酸化水素分解手段12より下流側の第2分岐流路7には電磁バルブ16が接続され、この電磁バルブ16は制御部10に接続されている。
また、第1分岐流路6より下流側でかつクッションタンク23より下流側の循環流路2には電磁バルブ17が設けられ、この電磁バルブ17は制御部10に接続されている。この電磁バルブ17より下流側の循環流路2にはヒータ18が設けられており、このヒータ18は制御部10に接続されている。そして、循環流路2中のガス(空気または過酸化水素ガスを含む空気)の温度が低い場合、それを温度センサ4が検知して、制御部10がヒータ18を制御して、温度を上昇させることによって、循環流路2中のガスの温度低下および除染対象空間1の温度低下を防止している。
また、このヒータ18より下流側の循環流路2には前記過酸化水素供給手段9が設けられ、この過酸化水素供給手段9より下流側の循環流路2に第2分岐流路7の他端部が接続されている。
前記過酸化水素分解手段12では、除染対象空間1の除染終了後は、電磁バルブ17,15を閉じるとともに、電磁バルブ13を開けることによって、過酸化水素ガスを含む空気を過酸化水素分解手段12に流すことによって、速やかに空気から過酸化水素ガスを除去するようになっている。
また、除染動作時、つまり除染対象空間1の除染時には、電磁バルブ13,15,16を閉じるとともに、電磁バルブ17を開けることによって、過酸化水素ガスを含む空気を循環流路2に流すことによって、過酸化水素分解手段12による過酸化水素ガスの分解を防止して、過酸化水素ガスの無駄を防止するようになっている。
また、前記湿度センサ5より下流側の循環流路2には、風量測定手段20が設けられている。この風量測定手段20に風量変換機21が接続され、この風量変換機21が制御部10に接続されている。風量測定手段20は、風量測定用オリフィスによって構成されており、計測したオリフィス部差圧により、通過風量が風量変換機21によって換算されるようになっている。
また、前記第1分岐流路6は、風量測定手段20より下流側の循環流路2に一端部と他端部とがそれぞれ接続されており、第1分岐流路6の一端部と循環流路2との接続部に流量調整手段8が設けられている。また、この流量調整手段8より上流側でかつ風量測定手段20より下流側の循環流路2にクッションタンク22が設けられている。また、第1分岐流路6の他端部と循環流路2との接続部にはクッションタンク23が設けられている。
クッションタンク22,23は、後述する圧縮手段25としての圧縮ポンプ25への吸入および吐出による、循環流路2および除染対象空間1の圧力変動を少なくするためのものである。
流量調整手段8は、電磁式の三方バルブによって構成されており、制御部10に接続されている。流量調整手段8は、第1分岐流路6の一端部と循環流路2との接続部に設けられており、第1分岐流路6および循環流路2の少なくとも一方に過酸化水素ガスを含む空気をその流量を調整して流すようになっている。
すなわち、流量調整手段8は、第1分岐流路6に流す流量(風量)と、循環流路2に流す流量(風量)とをリニアに制御可能であり、第1分岐流路6にのみ空気または過酸化水素ガスを含む空気を流す制御、循環流路2にのみ空気または過酸化水素ガスを含む空気を流す制御は勿論のこと、第1分岐流路6と循環流路2との双方にそれぞれ空気または過酸化水素ガスを含む空気をその流量を調整して流すような制御をリニアに行えるようになっている。したがって、流量調整手段8は、後述する高分子膜式エアードライヤ26を通過する風量をリニア制御し、これによって、相対湿度の調整を行えるようになっている。
第1分岐流路6には、過酸化水素分解手段24、この過酸化水素分解手段24によって過酸化水素ガスが除去された空気を圧縮する圧縮手段25、この圧縮手段25によって高温、高圧となっている空気を冷却する冷却コイル等で構成された冷却手段27および圧縮手段25によって圧縮された圧縮ガスを除湿する高分子膜式エアードライヤ26が設けられている。
圧縮手段25としては例えば圧縮ポンプ25を使用できるが、この圧縮ポンプ25を使用せずに、外部から圧縮空気や圧縮窒素ガス等を第1分岐流路6に導入してもよい。このようにすれば、装置構成が簡単になるという利点がある。
高分子膜式エアードライヤ26は、水蒸気を取り除くために「酸素や窒素を非常に透過し難く、水蒸気は透過し易い」高分子材料を用いたものであり、この高分子材料で作られた中空糸膜フィルターの内側に圧縮空気が通ると、水蒸気が膜の外に排出され、出口側には乾燥した空気が得られるようになっている。
このような高分子膜式エアードライヤ26は、湿分分離時にパージエアーとして少量の圧縮ガスを排気するが、この少量の圧縮ガスを圧縮ポンプ25の入口側に戻すために、高分子膜式エアードライヤ26には、戻り流路28の一端部が接続され、当該戻り流路28の他端部は圧縮ポンプ25の入口側において、第1分岐流路6に接続されている。
また、前記クッションタンク22には、循環流路2に外気を流入するための外気流入路30が接続されている。この外気流入路30には、外部側から順に、HEPAフィルター等のフィルター31、過酸化水素分解手段12と同様の構造の過酸化水素分解手段32、電磁バルブ33が設けられている。
そして、前記圧縮ガスの排気により除染対象空間1が陰圧にならないように、電磁バルブ33を開き、フィルター31によって塵等が除去されて清浄化された外気を圧縮ガスの排気量に応じて、外気流入路30を通して循環流路2に導入するようになっている。
また、除染対象空間1は、除染時外部からの空気流入を防止するために、陽圧に保持する必要があり、気密構造となっているが、微量の漏れが存在するため、漏れた分の空気を補給する必要がある。
このため、制御部10には、圧力センサ37が接続されており、この圧力センサ37によって除染対象空間1の圧力を検出可能となっている。
そして、除染対象空間1に微量の空気漏れがあった場合に、それに起因する圧力低下を圧力センサ37が検出し、制御部10が電磁バルブ33を開くことにより、外部の空気をフィルター31によって清浄化して、循環流路2に漏れた分の空気を補給するようになっている。
これとは逆に、空気膨張により除染対象空間1の空気が所定以上膨張した場合に、それに起因する圧力上昇を圧力センサ37が検出し、制御部10が電磁バルブ36,15を開くことにより、循環流路2の過酸化水素ガスを含む空気を、過酸化水素分解手段32,12によって過酸化水素ガスを分解したうえで外部に放出するようになっている。
前記過酸化水素供給手段9は、ヒータ18より下流側でかつ外部流出路14の接続部14aより上流側の循環流路2に接続さており、当該循環流路2に過酸化水素ガスを供給するようになっている。
過酸化水素供給手段9は、蒸発槽40と、過酸化水素水が充填された容器41と、この容器41と蒸発槽40との間に設けられた配管42と、この配管42の途中に設けられたポンプ43とを備えている。ポンプ43が制御部10に接続されており、このポンプ43を制御することによって、容器41から過酸化水素水を単位時間当たり一定の量で配管42を通して蒸発槽40に供給するようになっている。なお、過酸化水素水は市販品の濃度35wt%のものを使用している。
蒸発槽40は、図2に示すように、上端開口が蓋部材50によって閉塞された容器51を有している。容器51の対向する側壁には、それぞれ循環流路2が接続される接続部52a,52bが取り付けられ、一方の接続部52aから空気または過酸化水素ガスを含む空気が容器51に流入し、他方の接続部52bから過酸化水素ガスを含む空気が容器51から流出するようになっている。
蓋部材50には滴下ノズル53が略鉛直に取り付けられ、この滴下ノズル53の基端部(上端部)に前記配管42が接続されている。したがって、配管42を流れてきた過酸化水素水は滴下ノズル53の先端部(下端部)から単位時間当たり一定の量で滴下されるようになっている。
容器51の下部には、滴下ノズル53によって滴下された過酸化水素水を蒸発させる蒸発プレート54が設けられている。この蒸発プレート54は、水平面に対して所定角度、接続部52a側から接続部52b側に向けて下方に傾斜している。この傾斜した蒸発プレート54の上面は、例えばサンドブラスト等による表面加工によって親水性を有しており、当該蒸発プレート54の傾斜方向上側の上方に滴下ノズル53が配置されている。このように、蒸発プレート54の上面が親水性を有しているので、滴下ノズル53から滴下された過酸化水素水は蒸発プレート54の上面で速やかに拡がるようになっている。
また、蒸発プレート54の下側には、複数のヒータ55と温度センサ56が設けられ、この温度センサ56が制御部10に接続されている。そして、蒸発プレート54はヒータ55と温度センサ56によって、過酸化水素水を瞬時に蒸発(フラッシュ蒸発)できる温度に制御されるようになっている。
また、蒸発プレート54の傾斜方向の略中央部の上方には、仕切板57が略鉛直にかつ接続部52aに対向して設けられ、その上端部は蓋部材50に取り付けられている。仕切板57の下端と蒸発プレート54との間には所定の間隔が設けられている。
そして、滴下ノズル53から滴下された過酸化水素は傾斜した蒸発プレート54上を流れながら蒸発するが、その一方で接続部52aから空気または過酸化水素ガスを含む空気が流入し、接続部52b側に向けて流れる。その際、その空気が仕切板57に衝突して渦流となり、蒸発する過酸化水素ガスと効果的に混ざって、接続部52bから流出して循環流路2から流入口1bを通って除染対象空間1に供給される。また、蒸発プレート54が傾斜しているので、過酸化水素水の滴下量が増加した場合でも安定的に、過酸化水素ガスが蒸発可能である。
次に、前記構成の過酸化水素ガス除染装置によって、除染対象空間1を除染する方法について説明する。
すなわちまず、過酸化水素供給手段9を作動させるとともに、送風手段3を作動させる。この送風手段3によって、空気を除染対象空間1および循環流路2を循環させるとともに、電磁バルブ33,36,13,15,16を閉じ、電磁バルブ17を開けて過酸化水素ガスを含む空気を循環流路2に流し、さらに、流量調整手段8を介して、当該過酸化水素ガスを含む空気の一部を第1分岐流路6に所定量だけ流し、さらに必要に応じてヒータ18によって過酸化水素ガスを含む空気を加熱する。なお、第1分岐流路6に流された過酸化水素ガスを含む空気は、過酸化水素分解手段24によって過酸化水素ガスが除去されたうえで、循環流路2に流される。また、過酸化水素分解手段24によって過酸化水素ガスが除去された空気を、圧縮手段25によって圧縮し、この圧縮手段25によって高温、高圧となっている空気を冷却手段27によって冷却したうえで、高分子膜式エアードライヤ26によって除湿し、さらに必要に応じてヒータ18によって当該空気を加熱する。
過酸化水素供給手段9では、過酸化水素ガスが発生し、この過酸化水素ガスを単位時間当たり一定の量で循環流路2に供給する。なお、除染対象空間1の広さに応じて、過酸化水素供給手段9のポンプ43を制御して、蒸発によって発生させる過酸化水素ガスの単位時間当たりの量を調整する。
送風手段3によって、空気が除染対象空間1および循環流路2を循環し、過酸化水素供給手段9から過酸化水素ガスが循環流路2に供給され、この過酸化水素ガスを含む空気が除染対象空間1に供給されるとともに、循環流路2を流通する。
そして、この過酸化水素ガスを含む空気の湿度および温度が湿度センサ5および温度センサ4によってそれぞれ検出される。
この検出された相対湿度が所定の相対湿度より高い場合、制御部10が流量調整手段8を制御して、循環流路2を流通する過酸化水素ガスを含む空気の第1分岐流路6への流量を調整する。第1分岐流路6に流された過酸化水素ガスを含む空気は、過酸化水素分解手段24によって過酸化水素ガスが除去されたうえで、圧縮手段(圧縮ポンプ)25によって圧縮されたうえで、高分子膜式エアードライヤ26に供給され、これによって除湿され、この除湿された空気がクッションタンク23で循環流路2を流れる過酸化水素ガスを含む空気と合流されたうえで、除染対象空間1に供給される。
このように流量調整手段8を制御することによって、高分子膜式エアードライヤ26によって空気から水分を除去できるとともに、除去される水分量を調整できるので、相対湿度を所定の値に管理できるとともに結露を防止でき、この相対湿度に応じて過酸化水素ガスの濃度を所定の濃度に管理できる。
高分子膜式エアードライヤ26は、湿分分離時にパージエアーとして少量の圧縮ガスを排気するが、この少量の圧縮ガスは戻り流路28を流れて圧縮ポンプ25の入口側において、第1分岐流路6に戻される。
また、除染対象空間1が陰圧にならないように、電磁バルブ33を開き、フィルター31によって塵等が除去されて清浄化された外気を外気流入路30を通して循環流路2に導入する。これによって、除染対象空間1を所定の陽圧に保持することができる。
また、検出された温度が所定の温度より低い場合、制御部10がヒータ18を制御して循環流路2を流通する過酸化水素ガスを含む空気を加熱することによって、除染対象空間1の温度を所定の温度に管理でき、また、循環流路2を構成する配管を所定の温度に管理できる。
一方、湿度センサ5によって検出された相対湿度が所定の相対湿度より低い場合、制御部10が流量調整手段8を制御して、循環流路2を流通する過酸化水素ガスを含む空気の第1分岐流路6への流量を調整する。例えば、過酸化水素ガスを含む空気を第1分岐流路6より循環流路2に多く流すか、または循環流路2のみに流す。
このように流量調整手段8を制御することによって、第1分岐流路6の高分子膜式エアードライヤ26に流す流量を調整し、この高分子膜式エアードライヤ26による相対湿度の低下を抑制するともに、過酸化水素供給手段9によって過酸化水素ガスとともに湿気が循環流路2に供給されて、相対湿度が上昇する。
したがって、相対湿度を所定の値に管理でき、この相対湿度に応じて過酸化水素ガスの濃度を所定の濃度に管理できるので、除染対象空間1を安定的に除染できる。
また、除染工程中において、除染対象空間1に微量の空気漏れがあった場合、それに起因する圧力低下を圧力センサ37が検出し、制御部10が電磁バルブ33を開くことにより、外部の空気をフィルター31によって清浄化して、循環流路2に漏れた分の空気を補給する。
一方、空気膨張により除染対象空間1の空気が所定以上膨張した場合、それに起因する圧力上昇を圧力センサ37が検出し、制御部10が電磁バルブ36,13,15を開くことにより、循環流路2の過酸化水素ガスを含む空気を、過酸化水素分解手段32,12によって過酸化水素ガスを分解したうえで外部に放出する。
このようにして、除染対象空間1の圧力を所定の値に管理できる。
このようにして除染工程が終了した後、過酸化水素ガスを分解除去するエアレーション工程を行う。
すなわち、過酸化水素供給手段9を停止させるとともに、電磁バルブ17,33,36,15を閉じるとともに、流量調整手段8を制御することによって第1分岐流路6への流れを閉鎖し、電磁バルブ13を開けて過酸化水素ガスを含む空気を第2分岐流路7に流して過酸化水素分解手段12に供給して、この過酸化水素分解手段12によって過酸化水素ガスを分解して除去したうえで、除染対象空間1に循環させる。これによって、初期の高濃度の過酸化水素ガスは所定の濃度まで低下する。例えば、初期の高濃度の過酸化水素ガスの濃度は比較的短時間で10ppm程度まで低下する。
次に、電磁バルブ13,15を開き、電磁バルブ16を閉じ、循環流路2を流れている過酸化水素ガスを含む空気の一部から過酸化水素分解手段12によって過酸化水素ガスを除去した後の空気を外部に排気する。同時に電磁バルブ33を開き、過酸化水素ガスを除去した後の空気を外部に排気した分だけ、フィルター31によって塵等が除去されて清浄化された外気を外気流入路30を通して循環流路2に導入する。
これによって、過酸化水素ガスは1ppm以下まで分解除去され、除染対象空間1の過酸化水素ガスを分解除去する。また、過酸化水素ガスを除去した後の空気を外部に排気した分、清浄化された外気を外気流入路30を通して循環流路2に導入することによって、除染対象空間1を所定の陽圧に保持する。
このように、低濃度時のエアレーション効率を上げ、エアレーション時間の短縮が可能となるとともに、除染対象空間1を所定の陽圧に保持することができる。
次に、本実施の形態の過酸化水素ガス除染装置を用いた性能評価結果を以下に説明する。
図3は、過酸化水素供給手段9における過酸化水素水の滴下量を1.0g/minとして一定とし、除染対象空間1の設定相対湿度を60〜95%まで変化させた場合の、相対湿度と過酸化水素濃度の関係を示す。
図3に示すように、過酸化水素の濃度変化については、相対湿度の設定を高くすることで、過酸化水素濃度は上昇する。
この状態で、過酸化水素供給手段9の過酸化水素水の滴下量を調整することで、過酸化水素ガス濃度を調整することも可能となる。
同様の条件にて、過酸化水素を含む空気を、過酸化水素分解手段12をバイパスさせることの効果を確認した。
図4は過酸化水素分解手段12の分解触媒に全量の空気を通過させた場合の、除染対象空間1の相対湿度と、過酸化水素濃度の関係を示す。上述した実験とは異なり、設定相対湿度を高くした場合の過酸化水素濃度が上昇しない。これは、分解触媒にて過酸化水素が分解されてしまうため、同量の過酸化水素滴下量では濃度を上昇させることができないためである。このことより分解触媒をバイパスさせることで、つまり過酸化水素を含む空気を第2分岐流路7に流すことで、過酸化水素の消費量を低減することが可能となる。
過酸化水素での除染評価はバイオロジカルインジケーター(BI)を使用する。指標菌は過酸化水素への耐性が高いGeobacillus stearothermophilusがステンレス平板上に2.6×10CFU付着した物を使用した。
BIの除染効果を図5に示す。除染効果は一般的にD値によって示される。D値とは定められた条件下で、試験に用いる微生物数の90%を不活化するのに要する時間であり、値が小さいほど除染効果が高い。本実験では、過酸化水素滴下量を1.0g/minとし、除染対象空間1の過酸化水素濃度を約380ppmとして一定とした。本条件にて、除染対象空間内にBIを設置し、空間内相対湿度を約70〜90%に変化させた場合のD値を測定した。本結果より、相対湿度が高いほど、除染効果が高いことが分かる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、除染対象空間1に過酸化水素ガスを含む空気を供給するとともに、高分子膜式エアードライヤ26を用いて除湿した圧縮ガスを除染対象空間1に供給することによって、除染対象空間1を所定の相対湿度に保持して、所定濃度の過酸化水素ガスで満たすので、相対湿度および過酸化水素ガス濃度を適切に管理することができ、これによって、除染対象空間を安定的に除染できるとともに、従来と異なり除湿剤を充填した除湿器を用いることがないので、ランニングコストや除湿器の交換の手間がかからない。
また、制御部10が、湿度センサ5によって検出された相対湿度に基づいて、流量調整手段8を制御して、高分子膜式エアードライヤ26によって過酸化水素ガスを含む空気から水分を除去できるとともに、除去される水分量を調整できるので、除染対象空間1を所定の相対湿度に保持して、所定濃度の過酸化水素ガスで満たし、除染対象空間1を安定的に除染できる。
また、除染対象空間1を結露しない条件において、できるだけ高い相対湿度に保持することで、低濃度の過酸化水素ガス濃度、例えば300〜400ppmにて短時間で除染を行うことが可能である。また、過酸化水素の使用量を低減できることより、過酸化水素の発生から分解までを含めた一連の工程時間を短縮することが可能となる。
また、第1分岐流路6に、圧縮手段25より上流側において、過酸化水素分解手段24が設けられているので、過酸化水素ガスによるポンプ等の圧縮手段25の腐食を防止できる。
また、過酸化水素供給手段9は、滴下された過酸化水素水を蒸発させる蒸発プレート54を備え、この蒸発プレート54が水平面に対して傾斜しているので、蒸発プレート54に滴下ノズル53から滴下された過酸化水素水は、蒸発プレート54上を傾斜方向に沿って下方に流れながら蒸発する。このため、過酸化水素水の滴下量が増加した場合でも、安定的に過酸化水素水を蒸発させて過酸化水素ガスを供給できる。
また、循環流路2に、第2分岐流路7が接続され、この第2分岐流路7に過酸化水素ガスを分解する過酸化水素分解手段12が設けられているので、除染動作時、つまり除染対象空間1の除染時には、過酸化水素ガスを含む空気を第2分岐流路7に流すことなく、循環流路2に流すことによって、過酸化水素分解手段12による過酸化水素ガスの分解を防止して、過酸化水素ガスの無駄を防止でき、また、除染対象空間1の除染終了後は、過酸化水素ガスを含む空気を第2分岐流路7から過酸化水素分解手段12に流すことによって、速やかに空気から過酸化水素ガスを除去できる。
さらに、循環流路2に外気を流入するための外気流入路30が接続され、この外気流入路30に電磁バルブ33が設けられているので、除染終了後のエアレーション工程において、過酸化水素ガス濃度が所定の低濃度になった時点で、電磁バルブ33を開けて外気を外気流入路30から循環流路2に取り込むことで、エアレーション工程の短時間化を図ることができる。
1 除染対象空間
2 循環流路
3 送風手段
5 湿度センサ
6 第1分岐流路
7 第2分岐流路
8 流量調整手段
9 過酸化水素供給手段
10 制御部
12,24 過酸化水素分解手段
25 圧縮ポンプ(圧縮手段)
26 高分子膜式エアードライヤ
30 外気流入路
33 電磁バルブ(弁)
54 蒸発プレート

Claims (8)

  1. 過酸化水素ガスを用いて除染対象空間を除染する過酸化水素ガス除染方法であって、
    前記除染対象空間に、当該除染対象空間を事前に除湿することなく、過酸化水素ガスを含む空気を供給するとともに、高分子膜式エアードライヤを用いて除湿した圧縮ガスを前記除染対象空間に供給することによって、前記除染対象空間を所定の相対湿度に保持して、所定濃度の過酸化水素ガスで満たすことを特徴とする過酸化水素ガス除染方法。
  2. 過酸化水素ガスを用いて除染対象空間を除染する過酸化水素ガス除染装置であって、
    前記除染対象空間の流出口に一端部が接続され、前記除染対象空間の流入口に他端部が接続された循環流路と、
    この循環流路に設けられて、前記流出口側から前記流入口側に向けて空気または過酸化水素ガスを含む空気を送風して循環させる送風手段と、
    前記循環流路に設けられて、前記流出口から流出された空気または過酸化水素ガスを含む空気中の相対湿度を検出する湿度センサと、
    この湿度センサより下流側の前記循環流路に一端部と他端部とがそれぞれ接続された第1分岐流路と、
    この第1分岐流路に設けられて、当該該1分岐流路を流れる空気または過酸化水素ガスを含む空気を圧縮する圧縮手段およびこの圧縮手段によって圧縮された圧縮ガスを除湿する高分子膜式エアードライヤと、
    前記第1分岐流路の一端部と前記循環流路との接続部に設けられて、前記第1分岐流路に流す空気または過酸化水素ガスを含む空気の流量を調整する流量調整手段と、
    前記第1分岐流路より下流側の前記循環流路に接続されて、当該循環流路に過酸化水素ガスを供給する過酸化水素供給手段と、
    少なくとも前記湿度センサおよび前記流量調整手段が接続された制御部とを備え、
    前記制御部が、前記湿度センサによって検出された相対湿度に基づいて、前記流量調整手段を制御することによって、前記除染対象空間を所定の相対湿度に保持して、所定濃度の過酸化水素ガスで満たすことを特徴とする過酸化水素ガス除染装置。
  3. 前記第1分岐流路に、前記圧縮手段より上流側において、過酸化水素分解手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の過酸化水素ガス除染装置。
  4. 前記圧縮手段に代えて、前記第1分岐流路の前記高分子膜式エアードライヤより上流側に外部から圧縮ガスを供給することを特徴とする請求項2または3に記載の過酸化水素ガス除染装置。
  5. 前記第1分岐流路より下流側の前記循環流路に一端部が接続され、前記過酸化水素供給手段より下流側の前記循環流路の他端部が接続された第2分岐流路を備え、
    この第2分岐流路に過酸化水素ガスを分解する過酸化水素分解手段が設けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の過酸化水素ガス除染装置。
  6. 前記循環流路に外気を流入するための外気流入路が接続され、前記第2分岐路に前記過酸化水素ガス分解手段より下流側において、外部流出路が接続されていることを特徴とする請求項5項に記載の過酸化水素ガス除染装置。
  7. 前記循環経路に、前記圧縮手段による前記循環経路および前記除染対象空間の圧力変動を少なくするためのクッションタンクが設けられていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の過酸化水素ガス除染装置。
  8. 前記過酸化水素供給手段は、滴下された過酸化水素水を蒸発させる蒸発プレートを備え、
    この蒸発プレートが水平面に対して傾斜していることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の過酸化水素ガス除染装置。
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