JP2016220474A - モータ制御装置、電動送風機、掃除機およびハンドドライヤー - Google Patents
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Abstract
【課題】無駄な待機電力を発生させず、運転指示が入力されてからモータが定常回転数に到達するまでに要する時間を短縮することができるモータ制御装置を得ること。
【解決手段】直流電圧を交流電圧に変換するインバータ11と、インバータ11により駆動されるモータ12と、起動信号を出力する起動信号出力部13と、加速信号を出力する加速信号出力部14と、起動信号の入力を検出した場合に、モータ12を設定された第1速度で駆動させる第1信号をインバータ11に供給し、加速信号が入力された場合に、モータ12を第1速度よりも速い速度で駆動させる第2信号をインバータ11に供給する供給部15とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】直流電圧を交流電圧に変換するインバータ11と、インバータ11により駆動されるモータ12と、起動信号を出力する起動信号出力部13と、加速信号を出力する加速信号出力部14と、起動信号の入力を検出した場合に、モータ12を設定された第1速度で駆動させる第1信号をインバータ11に供給し、加速信号が入力された場合に、モータ12を第1速度よりも速い速度で駆動させる第2信号をインバータ11に供給する供給部15とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータの駆動を制御するモータ制御装置、電動送風機、掃除機およびハンドドライヤーに関する。
モータを備えた装置では、一般的に、電源スイッチが操作されてからモータの起動が開始する。当該装置は、電源スイッチの操作からモータが設定されている回転数に到達するまでに多くの時間がかかる。
特許文献1には、モータが起動する時間を短縮する方法が開示されている。具体的には、特許文献1は、コンセントプラグを電源コンセントに投入し、インバータ制御回路の電源電圧が確立した後、インバータによってモータを自動的に低速領域まで起動し、運転スイッチからの運転指令待ちの待機状態を確立した後、運転スイッチの操作に基づく運転指示が入力されてからモータを定常回転数まで駆動する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1の方法によれば、電源コンセントを投入してから運転スイッチの操作に基づく運転指示が入力されるまでに時間を要する場合には、当該時間分モータが低速で回転し続けるため、無駄な待機電力が発生してしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無駄な待機電力を発生させず、運転指示が入力されてからモータが定常回転数に到達するまでに要する時間を短縮することができるモータ制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るモータ制御装置は、直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、インバータにより駆動されるモータと、起動信号を出力する起動信号出力部と、加速信号を出力する加速信号出力部と、起動信号が入力された場合に、モータを設定された第1回転数で駆動させる第1駆動信号をインバータに供給し、加速信号が入力された場合に、モータを第1回転数よりも大きい第2回転数で駆動させる第2駆動信号をインバータに供給する供給部とを備える。
本発明によれば、無駄な待機電力を発生させず、モータが起動するまでに要する時間を短縮することができるという効果を奏する。
以下に、本発明の実施の形態に係るモータ制御装置、電動送風機、掃除機およびハンドドライヤーを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るモータ制御装置の構成を示す図である。図2は、実施の形態1にかかる制御部の具体的な動作についての説明に供するフローチャートである。図3、図4および図5は、経過時間におけるモータの回転数の変化を示す図である。図6は、実施の形態1にかかるモータ制御装置の供給部を実現するためのハードウェア構成例を示す図である。
図1は、実施の形態1に係るモータ制御装置の構成を示す図である。図2は、実施の形態1にかかる制御部の具体的な動作についての説明に供するフローチャートである。図3、図4および図5は、経過時間におけるモータの回転数の変化を示す図である。図6は、実施の形態1にかかるモータ制御装置の供給部を実現するためのハードウェア構成例を示す図である。
モータ制御装置1は、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ11と、インバータ11により駆動されるモータ12と、起動信号S1を出力する起動信号出力部13と、加速信号S2を出力する加速信号出力部14と、インバータ11に信号を供給する供給部15とを備える。また、モータ制御装置1は、電源を供給する電源部16と、電源電圧を検出する電圧検出部17と、直流電圧を平滑する平滑コンデンサ18と、電流を検出する電流検出部19と、モータ12の回転位置を検出する回転検出器20を備える。
インバータ11は、スイッチング素子がワイドバンドギャップ半導体により構成されていてもよい。また、ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料またはダイヤモンドである。
モータ12は、回転子に永久磁石が用いられている。なお、回転子は、コイルを用いた電磁石で構成されていてもよい。
起動信号出力部13は、角速度を検出するジャイロセンサ、動体を検知する人感センサ、圧力を検知する圧力センサまたは機械的なスイッチにより構成される。ジャイロセンサは、回転角速度の測定を行う慣性センサの一種であり、角速度センサとも称されている。なお、角速度は、ある物体の角度が単位時間当たりどれだけ変化しているか、つまり物体が回転している速度を表す物理量である。人感センサには、赤外線、超音波、可視光を利用して動体を検知するものがある。また、人感センサの代わりに、温度センサを用いてもよい。また、人感センサの代わりに、カメラで撮像した画像から動体を認識する装置を用いてもよい。圧力センサには、隔膜に加わる圧力を膜の変形を検出するものがある。
起動信号出力部13は、ジャイロセンサによって構成される場合には、モータ制御装置1がユーザによって持ち上げられ、設定されている角速度を検出した場合に、起動信号S1を生成する。また、起動信号出力部13は、人感センサによって構成される場合には、モータ制御装置1にユーザが近づいてきて、設定されている温度変化を感知した場合に、起動信号S1を生成する。また、起動信号出力部13は、圧力センサによって構成される場合には、モータ制御装置1をユーザが手に持ったときに、設定されている圧力変化を検知した場合に、起動信号S1を生成する。また、起動信号出力部13は、スイッチにより構成されている場合には、ユーザによりスイッチが操作された場合に、起動信号S1を生成する。
加速信号出力部14は、角速度を検出するジャイロセンサ、動体を検知する人感センサ、圧力を検知する圧力センサまたは機械的なスイッチにより構成される。加速信号出力部14は、ジャイロセンサによって構成される場合には、モータ制御装置1がユーザによって持ち上げられ、設定されている角速度を検出した場合に、加速信号S2を生成する。また、加速信号出力部14は、人感センサによって構成される場合には、モータ制御装置1にユーザが近づいてきて、設定されている温度変化を感知した場合に、加速信号S2を生成する。また、加速信号出力部14は、圧力センサによって構成される場合には、モータ制御装置1をユーザが手に持ったときに、設定されている圧力変化を検知した場合に、加速信号S2を生成する。また、加速信号出力部14は、スイッチにより構成されている場合には、ユーザによりスイッチが操作された場合に、加速信号S2を生成する。
また、起動信号出力部13がジャイロセンサで構成され、加速信号出力部14が機械的なスイッチで構成される場合には、起動信号出力部13は、モータ制御装置1がユーザによって持ち上げられ、設定されている角速度を検出した場合に、起動信号S1を生成する。そして、加速信号出力部14は、ユーザによりスイッチが操作された場合に、加速信号S2を生成する。
供給部15は、起動信号S1が入力された場合に、モータ12を設定された第1回転数で駆動させる第1駆動信号S3をインバータ11に供給し、加速信号S2が入力された場合に、モータ12を第1回転数よりも大きい第2回転数で駆動させる第2駆動信号S4をインバータ11に供給する。
電源部16は、電池で構成されてもよいし、送電設備から電力が供給される交流電源部で構成されてもよい。電源部16が交流電源部で構成される場合には、平滑コンデンサ18の前段部に、当該交流電源部から供給される交流電圧を直流電圧に変換するコンバータを備える。
電流検出部19は、シャント抵抗19aの両端の電圧を測定することで電流値を測定する構成を示しているが、当該構成に限られず、熱電対を用いて電流値を測定してもよい。
ここで、供給部15の構成について説明する。供給部15は、インバータ11を制御する制御部21と、第1駆動信号S3または第2駆動信号S4を生成する駆動信号生成部22とを備えている。制御部21は、電圧検出部17により検出された電圧値Vdcと、電流検出部19により検出された電流値Idcと、回転検出器20により検出された回転位置Vhとに基づいて、モータ12が設定された回転数に到達するように制御信号S5を生成する。駆動信号生成部22は、制御信号S5に基づいて、インバータ11を駆動させる駆動信号を生成する。駆動信号は、パルス幅変調された信号である。
また、制御部21は、起動信号出力部13から出力された起動信号S1および加速信号出力部14から出力された加速信号S2に基づいて、運転モードを決定し、決定した運転モードに対応した制御信号S5を生成する。
運転モードには、モータ12を停止させる停止モードと、モータ12を第1回転数で駆動させる低速起動モードと、モータ12を第2回転数で駆動させる加速モードと、モータ12を一定の回転数で駆動させる定常運転モードとがある。
駆動信号生成部22は、低速起動モードに対応した制御信号S5に基づいて、第1駆動信号S3を生成する。駆動信号生成部22は、加速モードに対応した制御信号S5に基づいて、第2駆動信号S4を生成する。
ここで、制御部21の具体的な動作について、図2に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップST1において、制御部21は、電源部16から電源が供給されているかどうかを判断する。電源が供給されていると判断した場合(Yes)には、ステップST2に進み、電源が供給されていないと判断した場合(No)には、ステップST8に進む。
ステップST2において、制御部21は、起動信号S1が入力されたかどうかを判断する。起動信号S1が入力されたと判断した場合(Yes)には、ステップST3に進み、起動信号S1が入力されていない判断した場合(No)には、ステップST4に進む。
ステップST3において、制御部21は、加速信号S2が入力されたかどうかを判断する。加速信号S2が入力されたと判断した場合(Yes)には、ステップST6に進み、加速信号S2が入力されていない判断した場合(No)には、ステップST5に進む。
ステップST4において、制御部21は、加速信号S2が入力されたかどうかを判断する。加速信号S2が入力されたと判断した場合(Yes)には、ステップST6に進み、加速信号S2が入力されていない判断した場合(No)には、ステップST8に進む。
ステップST5において、制御部21は、モータ12を第1回転数で駆動させる低速起動モードに対応した制御信号S5を生成する。駆動信号生成部22は、当該低速起動モードに対応した制御信号S5に基づいて第1駆動信号S3を生成する。インバータ11は、第1駆動信号S3に基づいて、スイッチングを行う。モータ12は、インバータ11から供給される交流電圧に基づいて、徐々に回転数を上げ、第1回転数に到達したら、第1回転数を維持する。ステップST5の工程の処理が完了した後、ステップST3に戻る。
ステップST6において、制御部21は、モータ12を第2回転数で加速させる加速モードに対応する制御信号S5を生成する。駆動信号生成部22は、当該加速モードに対応する制御信号S5に基づいて、第2駆動信号S4を生成する。インバータ11は、第2駆動信号S4に基づいて、スイッチングを行う。モータ12は、インバータ11から供給される交流電圧に基づいて、徐々に回転数を上げ、第2回転数まで加速する。なお、制御部21は、回転検出器20により検出された回転位置Vhに基づいて、モータ12が停止していると判断した場合には、起動の制御を行った後に第2回転数で加速するように制御を行う。
ステップST7において、制御部21は、モータ12が第2回転数まで到達したことを確認した場合には、定常運転モードに対応した制御信号S5を生成する。駆動信号生成部22は、当該定常運転モードに対応した制御信号S5に基づいて、駆動信号を生成する。インバータ11は、当該駆動信号に基づいて、スイッチングを行う。モータ12は、インバータ11から供給される交流電圧に基づいて、加速を停止し、第2回転数を維持する。
ステップST8において、制御部21は、モータ12を停止させる停止モードに対応した制御信号S5を生成する。駆動信号生成部22は、当該停止モードに対応した制御信号S5に基づいて、停止信号を生成する。インバータ11は、当該停止信号に基づいて、スイッチングを停止する。モータ12は、インバータ11から交流電圧が供給されないため、停止する。
ここで、モータ12の回転数について説明する。なお、回転数とは、回転速度のことであり、単位時間あたりにモータ12の回転子が回転する回数のことである。低速起動モードにおける第1回転数は、定常運転モードにおける第2回転数の10分の1以下の回転数でもよい。つまり、第2回転数が10万回転/分の場合には、第1回転数は、1万回転/分以下である。以下では、低速起動モードにおける第1回転数を低速回転数とも称し、定常運転モードにおける第2回転数を定常回転数とも称する。
図3は、経過時間におけるモータ12の回転数の変化を示す図である。図3中のA1は、制御部21により低速回転数R1で待機させた後に定常回転数R2まで上昇させた場合のモータ12の回転数の変化を示す波形である。図3中のB1は、制御部21により低速回転数R1で待機させずに定常回転数R2まで上昇させた場合のモータ12の回転数の変化を示す波形である。なお、以下では、起動信号S1が入力される時刻をt1とし、加速信号S2が入力される時刻をt2とする。
制御部21は、起動信号S1が入力された場合、モータ12を起動させ、低速回転数R1まで駆動させる。制御部21は、モータ12が低速回転数R1に到達した場合、低速回転数R1で待機させる。そして、制御部21は、運転開始の指示である加速信号S2が入力された場合、モータ12を定常回転数R2まで加速させる。制御部21は、モータ12が定常回転数R2に到達した場合、定常回転数R2を維持させる。運転開始の指示である加速信号S2が入力されてから、モータ12が定常回転数R2に到達するまでに要する加速時間は、T1である。
一方、低速回転数R1で待機させずに、運転開始の指示である加速信号S2が入力されてから、モータ12を起動し、定常回転数まで到達させた場合、運転開始の指示である加速信号S2が入力されてから、モータ12が定常回転数R2に到達するまでに要する加速時間は、T2である。図3に示すように、「T1<T2」である。
よって、モータ制御装置1は、起動信号S1の入力に基づいてモータ12を低速回転数R1で待機させておき、加速信号S2の入力に基づいてモータ12を低速回転数R1から定常回転数R2まで加速させるので、モータ12が定常回転数に到達するまでに要する時間を短縮することができる。
ところで、モータ12が回転する際に発生するトルクTは、(1)式に示すように、トルク定数Ktとモータ電流Iaとの積により決定される。
T=Kt×Ia ・・・(1)
T=Kt×Ia ・・・(1)
トルクTは、モータ電流Iaが大きいほど大きくなる。よって、加速時間を短くするためには、より大きなトルクTを発生させる必要があり、モータ電流Iaを大きくする必要がある。
しかし、大きなモータ電流Iaを流すと、消費電力が大きくなり、運転時間が短くなってしまい、また、モータ制御装置1を構成する部品の信頼性を損ねてしまうことになる。なお、モータ制御装置1を構成する部品とは、電源部16、半導体素子およびコンデンサである。
そこで、モータ制御装置1は、起動時に電源部16からモータ12へ流れる電流を抑えるために、加速の割合を示す加速レートを低く設定する。なお、加速レートが低いほど、回転数の上昇は緩やかになる。
図4は、経過時間におけるモータ12の回転数の変化を示す図である。図4中のA2は、制御部21により加速レートを低く設定した場合のモータ12の回転数の変化を示す波形である。図4中のB2は、制御部21により加速レートを低く設定しなかった場合のモータ12の回転数の変化を示す波形である。
モータ制御装置1は、加速レートを低く設定し、モータ12が定常回転数Rに到達するまでの時間を延長させ、起動時に大きなモータ電流Iaを流さないようにするので、モータ制御装置1を構成する部品の発熱量を抑えることができ、当該部品の信頼性を損ねない。
また、モータ制御装置1は、加速が緩やかに上昇するように制御することにより、回転数が緩やかに上昇するので、急加速により生じる振動を抑えることができる。モータ制御装置1は、振動を抑えることにより、人体への不快感および周辺装置への影響を少なくすることができ、内部から発生する音も抑制することができる。
また、図5は、経過時間におけるモータ12の回転数の変化を示す図である。図5中のA3は、制御部21により加速レートを低く設定し、モータ12の回転数の変化を示す波形である。図5中のB3は、制御部21により加速レートを低く設定しなかった場合のモータ12の回転数の変化を示す波形である。
図5に示すように、制御部21は、起動から時刻t1までは緩やかに回転数を変化させる制御を行い、時刻t1から時刻t2までは大きく回転数を変化させる制御を行い、時刻t1から定常回転数Rに到達する時刻t3までは再び緩やかに回転数を変化させる制御を行う。
よって、モータ制御装置1は、起動時の回転数を緩やかに上昇させることにより、起動時の振動を抑えることができ、また、モータ12に流れるモータ電流の値も低い値に抑制することができる。
なお、モータ12は、すでに回転している回転子を回転させる力よりも、停止している回転子を回転させる力の方が大きく、大きな電流が必要となる。よって、電流の値を低く抑えるためには、起動時の加速度を小さくすることがより効果的であることがいえる。また、モータ12の加速の制御は、ユーザが任意に切り替えることができるように切り替えスイッチを設け、ユーザが自由に設定できるようにしてもよい。
また、モータ12は、起動時に大きな電流が流れることから、起動の回数が多くなるほどモータ制御装置1を構成する電源部16を含む部品の負担が大きくなる。よって、モータ制御装置1は、モータ12を停止させることなく低速で回転させ続けることにより、起動の回数を低減して、モータ制御装置1を構成する部品の負担を少なくし、当該部品の信頼性を向上させることができる。さらに、モータ制御装置1は、低速回転数による駆動から定常回転数による駆動までの到達時間が短くなることから、低速回転数による駆動で待機することにより、消費電力を削減することができる。
また、モータ制御装置1は、使用されるかどうかわからない状態で待機するのではなく、実際にユーザに使用される状態で待機するため、待機時間は短くてすみ、無駄な待機電力を発生させない。
なお、実施の形態1にかかるモータ制御装置1は、図6に示すように、演算を行うCPU101と、CPU101により読み取られるプログラムが保存されるROM102と、ROM102に保存されているプログラムが展開されるRAM103と、信号の入出力を行うインターフェイス104とから構成されてもよい。
具体的には、ROM102には、供給部15の機能を実行するプログラムが格納されている。CPU101は、ROM102に保存されているプログラムをRAM103に読み出し、起動信号S1が入力された場合に、モータ12を設定された第1回転数で駆動させる第1駆動信号S3を生成し、加速信号S2が入力された場合に、モータ12を第1回転数よりも大きい第2回転数で駆動させる第2駆動信号S4を生成する。第1駆動信号S3および第2駆動信号S4は、インターフェイス104を介してインバータ11に出力される。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2にかかる電動送風機2の分解斜視図である。電動送風機2は、実施の形態1にかかるモータ制御装置1を備え、モータ制御装置1のモータ12の回転軸12aに取り付けられるファン2aを備える。ファン2aは、回転軸12aの回転に伴って回転する。ファン2aの回転数に基づいて、風の強さが変わる。
図7は、実施の形態2にかかる電動送風機2の分解斜視図である。電動送風機2は、実施の形態1にかかるモータ制御装置1を備え、モータ制御装置1のモータ12の回転軸12aに取り付けられるファン2aを備える。ファン2aは、回転軸12aの回転に伴って回転する。ファン2aの回転数に基づいて、風の強さが変わる。
電動送風機2は、起動信号出力部13がジャイロセンサで構成され、加速信号出力部14が機械的なスイッチで構成されてもよい。
起動信号出力部13は、電動送風機2がユーザによって持ち上げられ、設定されている角速度を検出した場合に、起動信号S1を生成する。そして、加速信号出力部14は、ユーザによりスイッチが操作された場合に、加速信号S2を生成する。
電動送風機2は、起動信号S1に基づいて、第1回転数でモータ12の回転軸12aを回転させ、ファン2aを低速で回転させる。そして、電動送風機2は、加速信号S2に基づいて、第2回転数でモータ12の回転軸12aに取り付けられているファン2aを回転させる。
よって、電動送風機2は、起動信号S1の入力に基づいてモータ12を低速回転数で待機させておき、加速信号S2の入力に基づいてモータ12を低速回転数から定常回転数まで加速させるので、モータ12が定常回転数に到達するまでに要する時間を短縮することができる。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3にかかる掃除機3を示す図である。図9は、実施の形態3にかかる掃除機の動作についての説明に供するフローチャートである。
図8は、実施の形態3にかかる掃除機3を示す図である。図9は、実施の形態3にかかる掃除機の動作についての説明に供するフローチャートである。
掃除機3は、ファン2aを回転させて送風する電動送風機2と、外部から塵を吸い込む吸込口体31と、吸込口体31から吸い込んだ塵が通過する延長管32と、塵を集める集塵室33と、ユーザにより把持される把持部34とを備える。電源部16は、電池であり、電池収納部35に格納される。起動信号出力部13は、集塵室33の周辺に配置されるとするが、把持部34の周辺に配置されてもよい。
掃除機3は、ファン2aが回転することにより、吸込口体31から吸い込まれた塵が、延長管32を介して、集塵室33に吸い込まれる。また、塵とともに吸い込まれた空気は、フィルタ36で濾過され、モータ12を冷却しながら排気口37から排出される。
把持部34は、スイッチ38を備える。スイッチ38は、電源スイッチと加速スイッチとを備える。
電源スイッチがオン操作された場合、電源部16から電源を供給させるオン信号が出力され、掃除機3が使用可能な状態になる。電源スイッチがオフ操作された場合、電源部16から電源の供給を停止させるオフ信号が出力される。加速スイッチがオン操作された場合、モータ12を定常回転数で駆動させる加速信号S2が出力される。加速スイッチがオフ操作された場合、モータ12を低速回転数で駆動させる信号が出力される。加速スイッチは、加速信号出力部14に相当する。
ここで、掃除機3の動作について、図9のフローチャートを用いて説明する。なお、起動信号出力部13がジャイロセンサによって構成されているものとする。ジャイロセンサは、設定されている角速度が検出された場合、起動信号S1を出力する。
ステップST11において、掃除機3は、電源スイッチがオン操作された場合、電源部16から電源の供給が開始される。ジャイロセンサは、角速度の検出を開始する。
ステップST12において、掃除機3は、ジャイロセンサにより設定されている角速度が検出された場合、起動信号S1を出力し、モータ12を低速回転数で駆動させる。
ステップST13において、掃除機3は、加速スイッチがオン操作された場合、モータ12を定常回転数で駆動させる。
ステップST14において、掃除機3は、加速スイッチがオフ操作された場合、モータ12を定常回転数から低速回転数に減速させる。
ステップST15において、掃除機3は、加速スイッチがオン操作された場合、モータ12を低速回転数から定常回転数に加速させる。ユーザが掃除を続ける場合には、ステップST14の工程とステップST15の工程を繰り返すことになる。
ステップST16において、掃除機3は、電源スイッチがオフ操作された場合、電源部16の電源の供給が停止される。モータ12は、駆動を停止する。
よって、掃除機3は、電源スイッチがオン操作され、ジャイロセンサにより設定されている角速度が検出された場合、モータ12を低速回転数で駆動し、加速スイッチがオン操作された場合に、モータ12を低速回転数から定常回転数に加速させるので、モータ12が定常回転数に到達するまでに要する時間を短縮することができる。また、掃除機3は、低速回転数で待機する機能を有さない装置に比べて、短時間で定常回転数による吸引力を発揮することができる。
また、集塵部の鉛直下方向に延長管が配置されている掃除機において、モータ12が停止した状態において、持ち運びを行った場合、集塵部に蓄積された塵が延長管を伝って外部に排出されてしまう可能性がある。
実施の形態3に係る掃除機3は、加速スイッチがオフ操作された場合、モータ12を定常回転数から低速回転数まで減速させ、低速回転数で待機させておき、吸引力が働いた状態にしておくので、延長管に外部から集塵部へ向かう風が流れ、集塵室33から塵が逆流して外部に排出されることを防止することができる。
また、図4は、ジャイロセンサの検出によってモータ12を低速回転数まで駆動し、加速スイッチがオン操作されたときにモータ12を定常回転数まで駆動するときの、経過時間におけるモータ12の回転数の変化とみることができる。一般的な掃除機は、電源スイッチがオン操作されることにより、モータ12が起動されて、定常回転数に到達する。実施の形態3にかかる掃除機3は、予め低速運転させておくモードが発生することから、加速スイッチをオン操作して、実際に使用するまでにかかる時間を大幅に軽減することができる。
また、モータ12の起動開始から低速回転数である2000rpmまでに要する時間を1sとし、2000rpmから定常回転数である10万rpmまでに要する時間を0.4sとすると、起動開始から定常回転数までに要する時間は、1.4sになる。よって、掃除機3は、加速スイッチのオン操作から0.4sでモータ12を定常回転数に到達させることができる。
なお、起動信号出力部13を圧力センサによって構成し、加速信号出力部14をジャイロセンサによって構成してもよい。圧力センサは、把持部34に配置する。当該構成によれば、圧力センサは、ユーザにより把持部34が把持され、設定されている圧力を検出した場合、起動信号S1を出力する。ジャイロセンサは、掃除機3が移動され、設定されている角速度を検出した場合、加速信号S2を出力する。
また、起動信号出力部13をジャイロセンサによって構成し、加速信号出力部14を圧力センサによって構成してもよい。圧力センサは、把持部34に配置する。当該構成によれば、ジャイロセンサは、掃除機3が移動され、設定されている角速度を検出した場合、起動信号S1を出力する。圧力センサは、ユーザにより把持部34が把持され、設定されている圧力を検出した場合、加速信号S2を出力する。
実施の形態4.
図10は、実施の形態4にかかるハンドドライヤー4を示す図である。図11は、実施の形態4にかかるハンドドライヤーの動作についての説明に供するフローチャートである。
図10は、実施の形態4にかかるハンドドライヤー4を示す図である。図11は、実施の形態4にかかるハンドドライヤーの動作についての説明に供するフローチャートである。
ハンドドライヤー4は、ファン2aを回転させて送風する電動送風機2を内部に備えている。ハンドドライヤー4は、電動送風機2を内蔵するケーシング41と、ユーザの手が挿入される手挿入部42と、手挿入部42に挿入されたユーザの手を検知する手検知センサ43と、水を受ける水受け部44と、水受け部44に設けられた排水口45から滴下する水を貯留するドレン容器46と、動体を検知する人感センサ47と、空気を吸い込む吸気口48とを備える。手検知センサ43は、加速信号出力部14に相当する。人感センサ47は、起動信号出力部13に相当する。
ハンドドライヤー4は、手挿入部42に手が挿入され、手検知センサ43により挿入された手が検知された場合に、電動送風機2から風が吹き出され、風によって手に付着している水を吹き飛ばし、吹き飛ばした水を水受け部44で受け、ドレン容器46へと水を溜めこむ構造となっている。
ここで、ハンドドライヤー4の動作について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップST21において、ハンドドライヤー4は、人感センサ47により動体が検知された場合、モータ12を低速回転数で駆動させる。
ステップST22において、ハンドドライヤー4は、手挿入部42に手が挿入され、手検知センサ43により挿入された手が検知された場合、モータ12を低速回転数から定常回転数に加速させる。モータ12が定常回転数に加速されることにより、強い風が出力される。
ステップST23において、ハンドドライヤー4は、手挿入部42から手が抜かれ、手検知センサ43による検知が行われなくなった場合、モータ12を定常回転数から低速回転数に減速させる。
ステップST24において、ハンドドライヤー4は、人感センサ47により動体が検知された場合、モータ12を低速回転数で駆動させる。ステップST24の工程では、最初のユーザがハンドドライヤー4の使用を完了し、続けて次のユーザがハンドドライヤー4を使用する場合が想定される。
ステップST25において、ハンドドライヤー4は、手挿入部42から手が抜かれ、手検知センサ43による検知が行われなくなった場合、モータ12を定常回転数から低速回転数に減速させる。
ステップST26において、ハンドドライヤー4は、人感センサ47により動体が検知されない場合、モータ12を停止させる。
よって、ハンドドライヤー4は、人感センサ47により動体を検知された場合、モータ12を低速回転数で駆動し、手検知センサ43により手が検知された場合、モータ12を低速回転数から定常回転数に加速させるので、モータ12が定常回転数に到達するまでに要する時間を短縮することができる。また、ハンドドライヤー4は、低速回転数で待機する機能を有さない装置に比べて、短時間で定常回転数による風を出力することができる。
ここで、実施の形態1にかかるモータ制御装置1、実施の形態2にかかる電動送風機2、実施の形態3にかかる掃除機3および実施の形態4にかかるハンドドライヤー4に共通する効果について述べる。
モータ12の起動時においては、加速レートを低めに設定し、急峻な立ち上がりを抑制することにより、電源部16である電池の信頼性を向上することができる。
また、低速回転数までの加速レートを下げることにより、起動時にモータ12に流れる電流を小さくできることから、装置を構成する半導体素子を含む部品の発熱を抑制することができ、当該部品の信頼性を向上することができる。
また、半導体素子を冷却する手法は、熱伝導のよい放熱フィンを素子表面に取り付ける手法、表面実装素子を使用して実装基板へ熱を分散させる手法、放熱用のファンを設置し、風を当てて冷ます手法、および、水冷で冷却する手法がある。上述した手法では、冷却部品にかかるコストおよび冷却部品を設置するスペースが必要になり、装置の小型化を図ることが困難になる。
そこで、実施の形態2にかかる電動送風機2を備える装置において、電動送風機2により発生される風の通り道に半導体素子を配置する構成を採用することにより、半導体素子を冷却することができる。
よって、当該構成によれば、冷却部品にかかるコストを抑えることができるので、低価格化を実現でき、また、冷却部品を設置するスペースが不要になることから、装置の小型化を図ることができる。また、冷却部品を設置するスペースに電池を追加で配置することにより、装置の運転時間を延長することができる。
なお、実施の形態2にかかる電動送風機2は、実施の形態3にかかる掃除機3および実施の形態4にかかるハンドドライヤー4に適用した場合について説明したが、電動送風機を備える装置であればよく、焼却炉、粉砕機、乾燥機、集塵機、印刷機械、クリーニング機械、製菓機械、製茶機械、木工機械、プラスチック押出機、ダンボール機械、包装機械、熱風発生機、物体輸送、吸塵用、一般送排風、OA機器に適用することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 モータ制御装置、2 電動送風機、2a ファン、3 掃除機、4 ハンドドライヤー、11 インバータ、12 モータ、12a 回転軸、13 起動信号出力部、14 加速信号出力部、15 供給部、16 電源部、17 電圧検出部、18 平滑コンデンサ、19 電流検出部、20 回転検出器、21 制御部、22 駆動信号生成部、31 吸込口体、32 延長管、33 集塵室、34 把持部、35 電池収納部、36 フィルタ、37 排気口、41 ケーシング、42 手挿入部、43 手検知センサ、44 水受け部、45 排水口、46 ドレン容器、47 人感センサ、48 吸気口。
Claims (8)
- 直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、
前記インバータにより駆動されるモータと、
起動信号を出力する起動信号出力部と、
加速信号を出力する加速信号出力部と、
前記起動信号が入力された場合に、前記モータを設定された第1回転数で駆動させる第1駆動信号を前記インバータに供給し、前記加速信号が入力された場合に、前記モータを前記第1回転数よりも大きい第2回転数で駆動させる第2駆動信号を前記インバータに供給する供給部とを備えるモータ制御装置。 - 前記起動信号出力部または前記加速信号出力部は、角速度を検出するジャイロセンサまたは動体を検知する人感センサである請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記モータは、回転子に永久磁石が用いられている請求項1または2に記載のモータ制御装置。
- 前記インバータは、スイッチング素子がワイドバンドギャップ半導体により構成されている請求項1、2または3に記載のモータ制御装置。
- 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料またはダイヤモンドである請求項4に記載のモータ制御装置。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載のモータ制御装置を備える電動送風機において、
前記モータのモータ軸に取り付けられるファンを備える電動送風機。 - 請求項6に記載の電動送風機を備える掃除機。
- 請求項6に記載の電動送風機を備えるハンドドライヤーにおいて、
前記起動信号出力部は、物体を検知する人感センサにより構成され、前記人感センサにより物体を検知した場合、前記起動信号を出力するハンドドライヤー。
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