JP2004085150A - 空気清浄機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気清浄機の圧力損失のばらつきに関わらず、所定の能力を得ることができる空気清浄機の制御装置を得る。
【解決手段】空気中の塵埃及び臭気を捕集する集塵脱臭部26と、送風ファン23を駆動するモータ2と、前記モータ2の回転数を検出する回転数検出部5と、前記回転数検出部5の出力に応じて前記モータ2の回転数を目標回転数に制御する回転数制御部10を備え、前記回転数制御部10は、定格運転をする際、一旦モータ2の最大入力に対する最大回転数を測定し、その最大回転数から目標回転数を決定するようにしたものである。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気を集塵脱臭フィルタに通過させることで、塵埃及び臭気を除去する空気清浄機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気を集塵脱臭フィルタに通過させることで、塵埃及び臭気を除去する空気清浄機において、集塵脱臭フィルタは使用時間が経過するとともに、塵埃等が付着して圧力損失が徐々に大きくなっていく。
【0003】
また、空気清浄機のモータの制御方式には、回転数制御を行わないものと、行うものがあり、上記のように圧力損失が大きくなった場合、回転数制御を行わないものにおいては、モータの回転数は上昇し、風量の低下を補う方向に動作する。一方、回転数制御を行うものにあっては、回転数の上昇を抑える方向に動作するため、回転数制御を行わないものに比較して、風量の低下がさらに大きくなってしまう。
【0004】
回転数制御を行う従来の空気清浄機のモータ回転数の制御を、図8の制御フローチャートを用いて説明する。
プログラムがスタートすると、ステップS1で運転スイッチの状態を判定し、オフであれば、ステップS11で速度指令電圧を停止し、モータを停止する。運転スイッチがオンの場合は、ステップS2へ進み、速度指令電圧をスタートし、運転を開始する。
【0005】
次に、ステップS7で、モータの回転数とあらかじめ設定された目標回転数が一致しているか比較を行う。一致していれば、速度指令電圧はそのままでステップS1に処理が戻る。ステップS7で、回転数が一致していない時は、ステップS8に進み、現在の回転数が目標回転数に対して高いか低いかの比較を行い、低い場合はステップS9に進み、速度指令電圧を上げて回転数を高くする。逆に、回転数が目標回転数に対して高い場合は、ステップS10に進み、速度指令電圧を下げて回転数を低くする。
【0006】
このように動作している為、回転数制御を行う空気清浄機を長期間使用していると、塵埃等が集塵脱臭フィルタに詰まり、集塵脱臭フィルタの圧力損失が大きくなると、回転数の上昇を抑える方向に動作するため、さらに風量が少なくなってしまい空気清浄能力は急激に下がってしまうという問題点があった。
【0007】
この回転数制御を行う方式の空気清浄機の問題点を解決するため、特開2001−29722号公報に示される発明がなされた。
この従来の技術では、運転時に所定の回転数を得るために、制御手段が出力する使用初期の制御信号と現在の制御信号とを比較して、圧力損失のレベルを判定し、それに応じた目標回転数を設定することが開示されている。
つまり、この技術では、使用初期の目詰まりのおきていない状態で、所定の回転数を得るための制御信号のレベルを基準値として記憶しておき、初回以降所定の回転数を得る為の制御信号のレベルを基準値と比較し、そのレベルの差により目標回転数を設定し、所定の風量が得られることになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、集塵脱臭フィルタ自身の圧力損失のばらつきや、風路上の圧力損失のばらつきがあった場合は、使用初期において所定の風量が確保できないまま基準値として記憶されてしまうと適正な性能が出せなくなってしまうという問題点があった。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたもので、圧力損失のばらつきに関わらず、所定の能力を得ることができる空気清浄機の制御装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、空気中の塵埃及び臭気を捕集する集塵脱臭部と、送風ファンを回転駆動するモータと、前記モータの回転数を検出する検出手段と、前記検出手段の出力に応じて前記モータの回転数を目標回転数に制御する制御手段を備え、前記回転数制御手段は、定格運転をする際、一旦、送風モータの最大入力に対する最大回転数を測定し、その最大回転数から目標回転数を決定するようにしたものである。
【0010】
また、前記制御部は、最大回転数の測定及び目標回転数の決定を所定時間毎に行うようにしたものである。
【0011】
また、前記制御部は、最大回転数の測定及び目標回転数の決定を風量切替毎に行うことようにしたものである。
【0012】
また、前記制御部は、最大回転数の測定及び目標回転数の決定を特定の風量時のみに行うようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1を示す空気清浄機の制御装置のブロック図、図2は本発明の実施の形態1を示すモータ回転数の制御フローチャート、図3は本発明の実施の形態1を示す空気清浄機の構成図である。
【0014】
図3において、21は空気清浄機の本体、2はモータ、23はモータ2によって回転駆動される送風ファンで、前記モータ2の回転軸に取り付けられている。送風ファン23が回転すると、本体21内部の空気は清浄空気吹出口24より本体21外へと排出される。この時、本体21内部に発生する負圧により、空気吸込口25から吸い込まれた空気は、集塵脱臭部である集塵脱臭フィルタ26により清浄化される。
【0015】
前記集塵脱臭フィルタ26は、塵埃より目の細かな不織布27と、脱臭作用のある活性炭28から構成される。
前記不織布27は、目が細かいほど小さな塵埃が除去できるが圧力損失が大きくなる。しかし、現在の空気清浄機の主流は0.15ミクロンの塵埃を除去できる細かなものが使用されていて、圧力損失は非常に高いものになっている。
空気清浄機の能力は、この集塵脱臭フィルタ26を通過させる空気の量が目安となっているので、所定の流量を確保するために、大きな面積の不織布27が集塵脱臭フィルタ26には使用され、圧力損失を下げる工夫がされている。
しかしながら、集塵脱臭フィルタ26は、不織布27の収縮や不織布を接着剤等で枠に固定している構造から、圧力損失のばらつきが大きい。
【0016】
図1において、1はモータ電源、2はモータで、インバータ制御のDCモータである。3はモータ2に内蔵されたパルス発生器(図示せず)から出力される回転数信号を示し、回転数に比例した周期のパルスである。4はモータ2の回転を制御する速度指令信号を示し、所定の範囲の直流電圧を入力することで、電圧に比例した出力でモータ2は運転を行う。モータ2の速度指令電圧入力端子に入力される。
【0017】
5は回転数検出部で、マイクロコンピュータ11内の入力回路6とCPU7、記憶部8で構成されている。モータ2からの回転数パルスの周期から回転数を計算する。また、10は回転数制御部で、マイクロコンピュータ11内の出力回路9とCPU7、記憶部8で構成されている。回転数検出部5の回転数が記憶部8に記憶された所定の回転数になるように、速度指令電圧を調整し、モータ2の速度指令電圧入力端子に与える。
【0018】
次に、本発明の実施の形態1に示すモータ回転数の制御を図2の制御フローチャートを用いて説明する。なお、ステップS2までは、従来例と同じ処理の為説明は省略する。
ステップS3で、最大回転数測定済みの判定を行う。最大回転数測定が済んでいなければ、ステップS4に進み、速度指令電圧を最大にする。ステップS5で最大の回転数を測定し、サンプリングを行う。このサンプリングした最大回転数よりステップ6で目標の回転数を算出する。ステップ7以降は従来例と同じ処理であり、説明は省略する。
【0019】
図4はモータ回転数と速度指令電圧の関係を示すグラフである。
空気清浄機では、運転の低騒音化や省エネ等の為、インバータ装置で制御するモータを使用するのが一般的であり、本グラフはインバータモータの特性を示している。
すなわち、速度指令電圧がVL〜VHの場合は、モータ2のばらつきにより回転数は一定にならない。しかし、速度指令電圧がVH以上になると、回転数は飽和してばらつきの少ないほぼ一定の回転数(Nmax)となる。この状態はモータ2の出力もほぼ一定であると考えられる。
【0020】
この特性より、ステップS5で測定した最大回転数から現在の圧力損失が想定できる。下記に目標回転数の算出式の一例を示す。
【0021】
【数1】
Figure 2004085150
【0022】
本計算式によれば標準圧力損失時の要求回転数鵜Nを、標準圧力損失時の最大回転数Nmaxと個々の圧力損失での最大回転数nmax の比率で補正し、目標回転数nとする。
【0023】
上記の様に、最大回転数により目標回転数を補正したので、圧力損失がばらついても、所定の風量を得ることができる。
【0024】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について、説明する。
図5は本発明の実施の形態2を示すモータ回転数の制御フローチャートである。
実施の形態2の動作について、図5の制御フローチャートにより説明する。
ステップS1〜ステップS2、また、ステップS7〜ステップ20までは、実施の形態1と同じなので、この部分の説明は省略し、相違する部分についてのみ説明する。
【0025】
ここで、本実施の形態2では、ステップS3aにおいて、所定時間毎にステップS4〜ステップS6を実行し、最大回転数の測定、目標回転数の決定を行う。
【0026】
このように、本実施の形態2では、所定時間毎に、最大回転数の測定、目標回転数の決定を行うようにしたので、コールドスタート時でも、モータ2の温度が安定した状態で、最大回転数の測定、目標回転数の算出ができ、より高い精度で所定の風量を得ることができる。
【0027】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図6は本発明の実施の形態3を示すモータ回転数の制御フローチャートである。
【0028】
実施の形態3の動作について、図6の制御フローチャートにより説明する。
ステップS1〜ステップS2、また、ステップS7〜ステップ11までは、実施の形態1と同じなので、この部分の説明は省略し、相違する部分についてのみ説明する。
【0029】
本実施の形態3では、ステップS3bで、風量切換の有無を判定し、風量切換毎にステップS4からステップS6を実行し、最大回転数の測定、目標回転数の算出を行う。
【0030】
このように、本実施の形態3では、風量切換毎に、最大回転数の測定、目標回転数の算出を行うようにしたので、より高い精度で所定の風量を得ることができる。
【0031】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
図7は本発明の実施の形態4を示すモータ回転数の制御フローチャートである。
【0032】
実施の形態4の動作について、図7の制御フローチャートにより説明する。
ステップS1〜ステップS2、また、ステップS7〜ステップ11までは実施の形態1と同じなので、この部分の説明は省略し、相違する部分についてのみ説明する。
【0033】
ここで、本実施の形態4では、ステップS3cで所定の風量かどうかを判定し、所定の風量時にのみステップS3〜ステップS6を実行し、最大回転数の測定、目標回転数の算出を行う。
【0034】
このように、本実施の形態4では、特定風量時に、最大回転数の測定、目標回転数の算出を行うようにしたので、最大回転数で運転する時の音が気にならない。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1によれば、空気中の塵埃及び臭気を捕集する集塵脱臭部と、送風ファンを回転駆動するモータと、前記モータの回転数を検出する回転数検出手段と、前記回転数検出手段の出力に応じて前記モータの回転数を目標回転数に制御する回転数制御手段を備え、前記回転数制御手段は、定格運転をする際、最大回転数を測定し、その最大回転数から目標回転数を決定するようにしたので、圧力損失がばらついても、所定の風量を得ることができる。
【0036】
また、本発明の請求項2によれば、前記制御部は、所定時間毎に、最大回転数の測定、目標回転数の算出を行うようにしたので、コールドスタート時でも、モータの温度が安定した状態で、最大回転数の測定、目標回転数の算出ができ、より高い精度で、所定の風量を得ることができる。
【0037】
また、本発明の請求項3によれば、前記制御部は、風量切換毎に、最大回転数の測定、目標回転数の算出を行うようにしたので、より高い精度で所定の風量を得ることができる。
【0038】
また、本発明の請求項4によれば、前記制御部は、特定風量時に、最大回転数の測定、目標回転数の算出を行うようにしたので、例えば低風量運転時などでは最大回転数の測定を行わない様にできるので、音が気にならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す空気清浄機の制御装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1を示す空気清浄機のモータ回転数の制御フローチャートである。
【図3】空気清浄機の構造図である。
【図4】モータ回転数と速度指令電圧の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態2を示す空気清浄機のモータ回転数の制御フローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態3を示す空気清浄機のモータ回転数の制御フローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2を示す空気清浄機のモータ回転数の制御フローチャートである。
【図8】従来の空気清浄機におけるモータ回転数の制御フローチャートである。
【符号の説明】
1 モータ電源、2 モータ、3 回転数信号、4 速度指令信号、 5 回転数検出部、6 入力回路、7 CPU、8 記憶部、10 回転数制御部、11 マイクロコンピュータ。

Claims (4)

  1. 空気中の塵埃及び臭気を捕集する集塵脱臭部と、送風ファンを回転駆動するモータと、前記モータの回転数を検出する回転数検出手段と、前記回転数検出手段の出力に応じて前記モータの回転数を目標回転数に制御する回転数制御手段を備え、前記回転数制御手段は、定格運転をする際、最大回転数を測定し、その最大回転数から目標回転数を決定することを特徴とした空気清浄機の制御装置。
  2. 前記回転数制御手段は、最大回転数を測定及び目標回転数の決定を所定時間毎に行うことを特徴とした請求項1記載の空気清浄機の制御装置。
  3. 前記回転数制御手段は、最大回転数を測定及び目標回転数の決定を風量切替毎に行うことを特徴とした請求項1記載の空気清浄機の制御装置。
  4. 前記回転数制御手段は、最大回転数を測定及び目標回転数の決定を特定の運転時のみに行うことを特徴とした請求項1記載の空気清浄機の制御装置。
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