JP3705163B2 - 電気掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2次電池を有する電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種の2次電池を電源とした電気掃除機には単位体積当たりの容量の大きいNi−MH電池を用いたものが数多く使用されるようになってきた。しかしながら、Ni−MH電池は以前から用いられていたNi−Cd電池に対し過放電により損傷を受けやすいという性質を持つため、電池の電圧が1セル当たり1V程度まで低下すると、強制的に電気掃除機を停止させる機能を有するものが一般的になっている。勿論この機能をNi−Cd電池に用いても有用である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、図9に示すように電気掃除機の使用時間に対し、Ni−MH電池の1セル当たりの電圧降下量が少ない。そのため、Ni−MH電池の1セル当たりの電圧が1V程度まで落ちても電気掃除機の吸い込み力があまり低下せず、使用者に掃除機があと少しで停止するという感じを与えないまま、急に停止してしまう。そのため、使用者はまだ停止しないだろうと思いながら使用せねばならず、使用性が悪いという問題点を抱えていた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電気掃除機の残りの使用時間と吸い込み力との実感を合わせ、使い勝手の向上を図った電気掃除機を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気掃除機は、本体に内設され吸引風を発する電動送風機と、前記電動送風機に電力供給する、Ni―MH電池またはNi−Cd電池からなる2次電池と、前記2次電池の容量を検出する電池容量検出手段と、前記電動送風機の運転動作を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は前記電池容量検出手段の信号に基づいて前記電動送風機の回転数を可変させ運転させると共に、2次電池の容量の減少につれ、電動送風機に電圧が印加される時間を短くして、電動送風機の回転数を徐々に低下させるものである。これによって、使用者は電動送風機の回転力の低下、すなわち、吸い込み力の低下を実感でき、電池容量の減少を知ることができるので、電池容量の減少による掃除機の停止を心配することなく安心して掃除することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、本体に内設され吸引風を発する電動送風機と、前記電動送風機に電力供給する、Ni―MH電池またはNi−Cd電池からなる2次電池と、前記2次電池の容量を検出する電池容量検出手段と、前記電動送風機の運転動作を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は前記電池容量検出手段の信号に基づいて前記電動送風機の回転数を可変させ運転させると共に、2次電池の容量の減少につれ、電動送風機に電圧が印加される時間を短くして、電動送風機の回転数を徐々に低下させるものである。
【0007】
これによって、使用者は電動送風機の回転力の低下、すなわち、吸い込み力の低下を実感でき、電池容量の減少を知ることができるので、電池容量の減少による掃除機の停止を心配することなく安心して掃除することができる。
【0008】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における電気掃除機の回路ブロック図、図2は二次電池の容量と使用時間との特性図であり、図3(a)、(b)および(c)は本発明の実施例1における電気掃除機の直流モータである電動送風機の印加電圧特性図である。
【0010】
図1において、2次電池1により駆動される電動送風機2は制御手段である制御回路3により回転速度が可変できるように接続されている。4は電池容量検出手段で常に電池の容量の変化を監視し、その情報を制御回路3に送信する構成としている。
【0011】
次に動作について説明する。
【0012】
図2において電池容量検出手段4にて監視している電池容量がまだ十分にあるとき、例えば80%以上のときは、図3の(a)に示すように電動送風機2には電池電圧が完全に印可されるように制御回路3で電動送風機2を運転動作を制御する。
【0013】
次に電池容量がやや少なくなってきたとき、例えば80%〜60%の間のときは、図3の(b)に示すように電動送風機2に印可される電圧を制御回路3でチョッピングして、電動送風機2に電圧が印加される時間を短くすることにより、電動送風機2の回転数すなわちスピードを落とすようにする。
【0014】
次に、電池容量がほとんどなくなってきたとき、例えば60%〜0%の間のときは、図3の(c)に示すように電動送風機2に印可される電圧を制御回路3でチョッピングして、電動送風機2に電圧が印可される時間をさらに短くすることにより電動送風機2の回転数をさらに落とすようにする。
【0015】
この動作によって、電池容量の減少につれ電動送風機2の回転数が徐々に落ちていくので、吸い込み力が低下し電池容量の減少を実感できる。
【0016】
また、電池容量をさらに細かく検出することにより電動送風機2の回転数すなわちスピードの変化を微妙にコントロールすることも可能である。
【0017】
(実施例2)
図4は本発明の実施例2における電気掃除機の回路ブロック図である。なお、前記実施例1と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0018】
図4において、5は第1の抵抗、6は第2の抵抗で2次電池1の両端に接続されている。
【0019】
次に、動作を説明する。
【0020】
2次電池の容量の変化は負荷を繋いでいるときの電圧変化に対応しているため、2次電池1の両端の電圧を第1、第2の抵抗5、6で分圧した電圧を制御回路3に入力することにより、制御回路2は2次電池1の容量変化を検出できるので、電動送風機2の回転数すなわちスピードをコントロールすることができる。これにより、実施例1と同様の効果が得られる。
【0021】
(実施例3)
図5は本発明の実施例3における電気掃除機の回路ブロック図である。なお、前記実施例1と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0022】
図5において、7は運転時間積算手段であり、いったん満充電された2次電池1に対して電動送風機2に電圧が加わっている時間を積算する機能を有している。
【0023】
次に、動作を図3および図5を用いて説明する。
【0024】
まず運転開始時は運転時間積算手段7の積算時間は0なので、電動送風機2には図3(a)の電圧を印可させることとする。
【0025】
次に運転時間積算手段7の積算時間が例えばトータル運転可能時間の60%に達したときに図3(b)の電圧を電動送風機2に印可し、運転時間積算手段7の積算時間が例えばトータル運転可能時間の80%に達したときに図3(c)の電圧を電動送風機2に印可することとすれば、同様に電池容量がなくなるにつれ電動送風機2の回転数すなわちスピードが徐々に落ちていくこととなり、実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0026】
(実施例4)
図6は本発明の実施例4における電気掃除機の回路ブロック図である。なお、前記実施例1と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0027】
以下本発明の実施例について図2および図6を用いて説明する。図2に示すように2次電池の容量は使用時間とともに最初急激に低下し、その後ゆっくりと減少し、使用可能時間の後半の期間でまた電池容量の減衰率が増加する。本実施例では図6に示すように電池容量減衰率算出手段を設け、この減衰率により電動送風機の回転数を制御するようにしたものである。
【0028】
前記のように2次電池は使用の始めと終わりで減衰率が大きくなる。したがって、使用はじめの減衰率の大きい期間は無視し、所定時間使用した後半の減衰率の大きくなる期間における減衰率に基づいて、制御手段は電動送風機の回転数を制御する。これにより、電池容量がなくなるにつれ電動送風機の回転数を徐々に低下させることができるので、実施例1と同様の効果を得ることができる。なお、本実施例でいう所定時間とは、設計により決めればよく、例えば使用可能時間の50%経過時間、または図2における使用期間(a)の時間などを用いればよい。
【0029】
(実施例5)
図7は本発明の実施例5における電気掃除機の回路ブロック図であり、図8は2次電池の温度差による電池容量と使用時間との特性図である。なお、前記実施例1と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0030】
図7において、9は電池の温度をモニターする電池温度検出手段である。特に2次電池1の容量を電圧で検出するときには、図8のように電圧の絶対値が電池温度により変化することが知られている。このため、2次電池1の温度を電池温度検出手段9にてモニターし、電池の温度により電池容量の検出レベルを補正することにより、どの温度でも適切に電池容量の判定をすることが可能となる。
【0031】
なお、本実施例では電動送風機の回転数を段階的に変えていく場合を説明したが、電池容量にしたがって、電動送風機に印加される電圧をチョッピングにより連続的に変えることにより、電動送風機の回転数をほぼ連続的に変えるようにしても実用上何ら問題はない。ただし、段階的に変えたほうが電池容量の減少を実感しやすい。
【0032】
また、本実施例では2次電池としてNi−MH電池を用いた場合を説明したが、これに限定されるものではなく,Ni―MH電池と同じような特性をもつ他の2次電池、例えばNi−Cd電池に用いても同様の効果が得られる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、電気掃除機の残りの使用時間と吸い込み力との実感を合わせ、使い勝手の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例における電気掃除機の回路ブロック図
【図2】 同2次電池の容量と使用時間との特性図
【図3】 (a)本発明の第1の実施例における直流電動送風機の印加電圧特性図
(b)同直流電動送風機の印加電圧特性図
(c)同直流電動送風機の印加電圧特性図
【図4】 本発明の第2の実施例における電気掃除機の回路ブロック図
【図5】 本発明の第3の実施例における電気掃除機の回路ブロック図
【図6】 本発明の第4の実施例における電気掃除機の回路ブロック図
【図7】 本発明の第5の実施例における電気掃除機の回路ブロック図
【図8】 同2次電池の温度差による電池容量と使用時間との特性図
【図9】 従来例を示す2次電池の1セル当たりの電圧と使用時間との特性図
【符号の説明】
1 2次電池
2 電動送風機
3 制御回路(制御手段)
4 電池容量検出手段
7 運転時間積算手段
8 電池容量減衰率算出手段
9 電池温度検出手段
Claims (1)
- 本体に内設され吸引風を発する電動送風機と、前記電動送風機に電力供給する、Ni―MH電池またはNi−Cd電池からなる2次電池と、前記2次電池の容量を検出する電池容量検出手段と、前記電動送風機の運転動作を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は前記電池容量検出手段の信号に基づいて前記電動送風機の回転数を可変させ運転させると共に、2次電池の容量の減少につれ、電動送風機に電圧が印加される時間を短くして、電動送風機の回転数を徐々に低下させる電気掃除機。
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