JP2016219677A - セラミックパッケージの製造方法およびセラミックパッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】キャビティの底面に形成した実装用端子に対する各種の素子の実装を自動的にして容易且つ正確に行えると共に、全体の小型化の要請にも対応できるセラミックパッケージなどを提供する。
【解決手段】平面視が矩形状の下側セラミック層c1と平面視が矩形枠状の上側セラミック層c2とを積層してなり、平面視が矩形状の表面3および裏面4を有するパッケージ本体2と、該パッケージ本体2における平面視が矩形枠状である表面3の全面に形成されたメタライズ層10と、パッケージ本体2の表面3に開口し、平面視が矩形状の底面7およびその周辺から立設する4つの側面8を有するキャビティ6と、該キャビティ6の底面7に形成された一対の実装用端子9と、を備え、上側セラミック層c2の厚みは、0.25mm以下で、平面視でメタライズ層10と一対の実装用端子9との間に、キャビティ6の側面8aが視認可能であり、且つ該側面8aの幅wが20μm以上である、セラミックパッケージ1。
【選択図】 図1
【解決手段】平面視が矩形状の下側セラミック層c1と平面視が矩形枠状の上側セラミック層c2とを積層してなり、平面視が矩形状の表面3および裏面4を有するパッケージ本体2と、該パッケージ本体2における平面視が矩形枠状である表面3の全面に形成されたメタライズ層10と、パッケージ本体2の表面3に開口し、平面視が矩形状の底面7およびその周辺から立設する4つの側面8を有するキャビティ6と、該キャビティ6の底面7に形成された一対の実装用端子9と、を備え、上側セラミック層c2の厚みは、0.25mm以下で、平面視でメタライズ層10と一対の実装用端子9との間に、キャビティ6の側面8aが視認可能であり、且つ該側面8aの幅wが20μm以上である、セラミックパッケージ1。
【選択図】 図1
Description
本発明は、キャビティの底面に水晶振動子などの素子を容易且つ正確に実装し得るセラミックパッケージの製造方法、およびこれにより得られるセラミックパッケージに関する。
セラミックパッケージにおけるパッケージ本体の表面に開口するキャビティの底面に設けた一対の電極パッドの上に、水晶振動子などの素子を接合して実装する場合、画像処理により上記パッケージの位置決めを行った上で、上記素子の実装操作が行われている。一方、近年の小型化の要請に応じて、パッケージ本体のキャビティを囲む平面視が矩形枠状の表面の全面にメタライズ層が形成されると共に、上記電極パッドもキャビティの一つの側面に接して形成されている。そのため、撮像カメラを用いて平面視により上記パッケージを撮影した際に、上記電極パッドとメタライズ層との間における色調差がないか、あるいは該色調差が小さいため、当該パッケージの位置決めが困難になる場合があった。
前記のような問題を解決するため、キャビティの一側面を挟んだ一対の内角部ごとに前記パッケージを構成するセラミックの一部を該キャビティの内側に張り出させ、且つ前記電極パッドごとの隅部の上を覆うように、一対の張り出し部を形成した電子部品用パッケージが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記のような張り出し部をキャビティの内側に形成すると、該キャビティの容積が減少するため、実装すべき素子のサイズが制限されると共に、セラミックパッケージの小型化の要請にも対応できなくなる、という問題があった。
しかし、上記のような張り出し部をキャビティの内側に形成すると、該キャビティの容積が減少するため、実装すべき素子のサイズが制限されると共に、セラミックパッケージの小型化の要請にも対応できなくなる、という問題があった。
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、キャビティの底面に形成した実装用端子に対する各種の素子の実装を自動的にして容易且つ正確に行えると共に、全体の小型化の要請にも対応できるセラミックパッケージの製造方法、および、これにより得られるセラミックパッケージを提供する、ことを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するため、パッケージに内設するキャビティの側面を平面視で確実に視認可能に形成する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明による第1のセラミックパッケージの製造方法(請求項1)は、平面視が矩形状の下側セラミック層と平面視が矩形枠状の上側セラミック層とを積層してなり、平面視の外形が矩形状の表面および裏面を有するパッケージ本体と、該パッケージ本体における平面視が矩形枠状である表面の全面に形成されたメタライズ層と、上記パッケージ本体の表面に開口し、平面視が矩形状の底面およびその周辺から立設する4つの側面を有するキャビティと、該キャビティの底面に形成された少なくとも一対の実装用端子と、を備えたセラミックパッケージの製造方法であって、表面および裏面を有する上側グリーンシートおよび下側グリーンシートを準備する工程と、前記上側グリーンシートの表面全体に導電性ペーストを配設して未焼成の全面導体層を形成する工程と、該全面導体層を有する上側グリーンシートの表面と裏面との間を貫通する打ち抜き加工を行って、平面視で20μm以上の幅が視認可能な側面を有する貫通孔と、これを囲む平面視が矩形枠状の導体層とを形成する工程と、上記下側グリーンシートの表面に未焼成である少なくとも一対の実装用端子を形成する工程と、上記上側グリーンシートと下層グリーンシートとを、平面視で上記矩形枠状の導体層と実装用端子との間に、上記貫通孔の側面が視認可能となるように積層および圧着する工程と、を含む、ことを特徴とする。
即ち、本発明による第1のセラミックパッケージの製造方法(請求項1)は、平面視が矩形状の下側セラミック層と平面視が矩形枠状の上側セラミック層とを積層してなり、平面視の外形が矩形状の表面および裏面を有するパッケージ本体と、該パッケージ本体における平面視が矩形枠状である表面の全面に形成されたメタライズ層と、上記パッケージ本体の表面に開口し、平面視が矩形状の底面およびその周辺から立設する4つの側面を有するキャビティと、該キャビティの底面に形成された少なくとも一対の実装用端子と、を備えたセラミックパッケージの製造方法であって、表面および裏面を有する上側グリーンシートおよび下側グリーンシートを準備する工程と、前記上側グリーンシートの表面全体に導電性ペーストを配設して未焼成の全面導体層を形成する工程と、該全面導体層を有する上側グリーンシートの表面と裏面との間を貫通する打ち抜き加工を行って、平面視で20μm以上の幅が視認可能な側面を有する貫通孔と、これを囲む平面視が矩形枠状の導体層とを形成する工程と、上記下側グリーンシートの表面に未焼成である少なくとも一対の実装用端子を形成する工程と、上記上側グリーンシートと下層グリーンシートとを、平面視で上記矩形枠状の導体層と実装用端子との間に、上記貫通孔の側面が視認可能となるように積層および圧着する工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、前記打ち抜き加工を、これに用いるポンチとダイ側の貫通孔との隙間を20μm以上とすることで、前記圧着工程およびその後に施す焼成工程後に得られるセラミックパッケージにおいて、平面視で前記導体層と実装用端子との間に、キャビティの側面を幅20μm以上として視認可能にできる(効果1)。
従って、各種の素子の実装を自動的にして容易且つ正確に行え、小型化の要請にも対応できるセラミックパッケージを提供することが可能となる(効果2)。
しかも、従来と同じ工程数によって上記パッケージを製造できる(効果3)。
尚、本発明および本明細書において、セラミックグリーンシートは、グリーンシートと称するものとする。
また、前記グリーンシートは、追って焼成した際にアルミナなどの高温焼成セラミックまたはガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックとなるものである。
更に、前記打ち抜き加工は、ポンチとダイ側の貫通孔との隙間を20μm以上として行われる。
また、前記の実装用端子の数は、3個、二対(4個)、あるいは5個以上でも良い。
更に、前記圧着工程の後には、焼成工程と電解金属メッキ工程とが行われる。
加えて、前記各工程は、多数個取りの形態によって行っても良く、この場合、最後に個々のパッケージに個片化する工程が更に行われる。
従って、各種の素子の実装を自動的にして容易且つ正確に行え、小型化の要請にも対応できるセラミックパッケージを提供することが可能となる(効果2)。
しかも、従来と同じ工程数によって上記パッケージを製造できる(効果3)。
尚、本発明および本明細書において、セラミックグリーンシートは、グリーンシートと称するものとする。
また、前記グリーンシートは、追って焼成した際にアルミナなどの高温焼成セラミックまたはガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックとなるものである。
更に、前記打ち抜き加工は、ポンチとダイ側の貫通孔との隙間を20μm以上として行われる。
また、前記の実装用端子の数は、3個、二対(4個)、あるいは5個以上でも良い。
更に、前記圧着工程の後には、焼成工程と電解金属メッキ工程とが行われる。
加えて、前記各工程は、多数個取りの形態によって行っても良く、この場合、最後に個々のパッケージに個片化する工程が更に行われる。
また、本発明による第2のセラミックパッケージの製造方法(請求項2)は、平面視が矩形状の下側セラミック層と平面視が矩形枠状の上側セラミック層とを積層してなり、平面視の外形が矩形状の表面および裏面を有するパッケージ本体と、該パッケージ本体における平面視が矩形枠状である表面の全面に形成されたメタライズ層と、上記パッケージ本体の表面に開口し、平面視が矩形状の底面およびその周辺から立設する4つの側面を有するキャビティと、該キャビティの底面に形成された少なくとも一対の実装用端子と、を備えたセラミックパッケージの製造方法であって、表面および裏面を有する上側グリーンシートおよび下側グリーンシートを準備する工程と、前記上側グリーンシートの表面全体に導電性ペーストを配設して未焼成の全面導体層を形成する工程と、該全面導体層を有する上側グリーンシートの表面と裏面との間を貫通する打ち抜き加工を行って、貫通孔とこれを囲む平面視が矩形枠状の導体層とを形成する工程と、上記下側グリーンシートの表面に未焼成である少なくとも一対の実装用端子を形成する工程と、上記貫通孔が形成された上側グリーンシートの裏面に溶剤を浸透させる工程と、上記上層グリーンシートと下側グリーンシートとを、平面視で上記矩形枠状の導体層と実装用端子との間に、上記貫通孔の側面が視認可能となるように積層および圧着する工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、裏面側に前記溶剤が浸透した上側グリーンシートを、下側グリーンシートの上に積層し且つ圧着を行うことで、キャビティの側面における底面側の部分を該キャビティの中心側に突出させ得るので、その後に施す焼成工程後に得られるセラミックパッケージにおいて、平面視で前記導体層と実装用端子との間に、キャビティの側面を幅20μm以上として視認可能にできる(効果1)。
従って、各種の素子の実装を自動的にして容易且つ正確に行え、小型化の要請にも対応できるセラミックパッケージを提供することが可能となる(効果2)。
尚、前記溶剤には、例えば、シラン系やアルコール系などの溶剤が用いられる。
また、前記打ち抜き加工は、ポンチとダイ側の貫通孔との隙間を通常の10μm以下として行われる。
更に、前記圧着工程の後には、焼成工程と電解金属メッキ工程とが行われる。
従って、各種の素子の実装を自動的にして容易且つ正確に行え、小型化の要請にも対応できるセラミックパッケージを提供することが可能となる(効果2)。
尚、前記溶剤には、例えば、シラン系やアルコール系などの溶剤が用いられる。
また、前記打ち抜き加工は、ポンチとダイ側の貫通孔との隙間を通常の10μm以下として行われる。
更に、前記圧着工程の後には、焼成工程と電解金属メッキ工程とが行われる。
更に、本発明による第3のセラミックパッケージの製造方法(請求項3)は、平面視が矩形状の下側セラミック層と平面視が矩形枠状の上側セラミック層とを積層してなり、平面視の外形が矩形状の表面および裏面を有するパッケージ本体と、該パッケージ本体における平面視が矩形枠状である表面の全面に形成されたメタライズ層と、上記パッケージ本体の表面に開口し、平面視が矩形状の底面およびその周辺から立設する4つの側面を有するキャビティと、該キャビティの底面に形成された少なくとも一対の実装用端子と、を備えたセラミックパッケージの製造方法であって、表面および裏面を有する上側グリーンシートおよび下側グリーンシートを準備する工程と、前記上側グリーンシートの表面全体に導電性ペーストを配設して未焼成の全面導体層を形成する工程と、該全面導体層を有する上側グリーンシートの表面と裏面との間を貫通する打ち抜き加工を行って、貫通孔とこれを囲む平面視が矩形枠状の導体層とを形成する工程と、上記下側グリーンシートの表面に未焼成である少なくとも一対の実装用端子を形成する工程と、前記上側グリーンシートと下側グリーンシートとを、上記貫通孔の側面を垂直断面で該貫通孔の中央側に膨出させ、且つ平面視で矩形枠状の導体層と実装用端子との間に、上記貫通孔の側面が視認可能となるように積層および圧縮する工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、前記圧着工程を行う際に、圧縮加工を加えることで、キャビティの側面を垂直断面にて該キャビティの中央側に凸となる円弧形曲面に成形できるので、その後に施す焼成工程後に得られるセラミックパッケージにおいて、平面視で前記導体層と実装用端子との間に、キャビティの側面を幅20μm以上として視認可能にできる(効果1)。
従って、各種の素子の実装を自動的にして容易且つ正確に行え、小型化の要請にも対応できるセラミックパッケージを提供することが可能となる(効果2)。
しかも、従来と同じ工程数によって上記パッケージを製造できる(効果3)
尚、前記打ち抜き加工は、ポンチとダイ側の貫通孔との隙間を通常の10μm以下として行われる。
また、前記各工程は、多数個取りの形態によって行うことが望ましい。
更に、前記圧縮工程の後には、焼成工程と電解金属メッキ工程とが行われる。
加えて、前記圧縮工程には、上側グリーンシートを圧着する工程を含む。
従って、各種の素子の実装を自動的にして容易且つ正確に行え、小型化の要請にも対応できるセラミックパッケージを提供することが可能となる(効果2)。
しかも、従来と同じ工程数によって上記パッケージを製造できる(効果3)
尚、前記打ち抜き加工は、ポンチとダイ側の貫通孔との隙間を通常の10μm以下として行われる。
また、前記各工程は、多数個取りの形態によって行うことが望ましい。
更に、前記圧縮工程の後には、焼成工程と電解金属メッキ工程とが行われる。
加えて、前記圧縮工程には、上側グリーンシートを圧着する工程を含む。
一方、本発明により得られるセラミックパッケージ(請求項4)は、平面視が矩形状の下側セラミック層と平面視が矩形枠状の上側セラミック層とを積層してなり、平面視が矩形状の表面および裏面を有するパッケージ本体と、該パッケージ本体における平面視が矩形枠状である表面の全面に形成されたメタライズ層と、前記パッケージ本体の表面に開口し、平面視が矩形状の底面およびその周辺から立設する4つの側面を有するキャビティと、該キャビティの底面に形成された少なくとも一対の実装用端子と、を備えたセラミックパッケージであって、上記上側セラミック層の厚みは、0.25mm以下であると共に、平面視で、上記メタライズ層と一対の実装用端子との間に、上記キャビティの少なくとも何れかの側面が視認可能であり、且つ該側面の幅が20μm以上である、ことを特徴とする。
これによれば、平面視で前記メタライズ層と実装用端子との間に、キャビティの側面を幅20μm以上として視認可能とされ、且つ2値化処理が容易となるので、各種の素子の実装を自動的にして容易且つ正確に行えると共に、小型化の要請にも対応できるセラミックパッケージとすることが可能となる(効果4)。
これによれば、平面視で前記メタライズ層と実装用端子との間に、キャビティの側面を幅20μm以上として視認可能とされ、且つ2値化処理が容易となるので、各種の素子の実装を自動的にして容易且つ正確に行えると共に、小型化の要請にも対応できるセラミックパッケージとすることが可能となる(効果4)。
尚、前記パッケージ本体は、例えば、平面視が2.5×2.0mm、2.0×1.6mm、または1.6×1.2mmなどの比較的小さなサイズのものである。
また、前記下側セラミック層および上側セラミック層は、アルミナなどの高温焼成セラミック、またはガラスーセラミックなどの低温焼成セラミックからなる。
更に、前記下側セラミック層および上側セラミック層は、単層のセラミック層である形態のほか、複数のセラミック層を一体に積層したものでも良い。
また、前記上側セラミック層は、厚みが0.25mm以下(例えば、0.15mm)であり、焼成後にかかる厚みとなるように、前記上側グリーンシートまたは上側グリーンシートの厚みが設定されている。
また、前記下側セラミック層および上側セラミック層は、アルミナなどの高温焼成セラミック、またはガラスーセラミックなどの低温焼成セラミックからなる。
更に、前記下側セラミック層および上側セラミック層は、単層のセラミック層である形態のほか、複数のセラミック層を一体に積層したものでも良い。
また、前記上側セラミック層は、厚みが0.25mm以下(例えば、0.15mm)であり、焼成後にかかる厚みとなるように、前記上側グリーンシートまたは上側グリーンシートの厚みが設定されている。
更に、前記キャビティの側面に接する前記一対の実装用端子の周辺とは、該実装用端子が平面視で矩形(正方形または長方形)状である場合は、その一辺であり、上記実装用端子が平面視で円形状あるいは楕円形状である場合は、上記キャビティの側面に線接触する一部の周縁であり、上記実装用端子が平面視で長円形状である場合は、その長軸に沿った何れか一方の直線辺である。
また、前記一対の実装用端子の周辺が接する前記キャビティの側面が、平面視で20μm以上の幅で視認可能であるとは、目視によるほか、CCDカメラなどによる画像認識による場合でも良い。上記20μm以上の幅の上限値は、例えば、80μm、望ましくは50μm、より望ましくは40μm以下である。
加えて、前記一対の実装用端子は、1つのキャビティ内に2対を形成しても良く、例えば、半導体素子の実装用に用いられる。
また、前記一対の実装用端子の周辺が接する前記キャビティの側面が、平面視で20μm以上の幅で視認可能であるとは、目視によるほか、CCDカメラなどによる画像認識による場合でも良い。上記20μm以上の幅の上限値は、例えば、80μm、望ましくは50μm、より望ましくは40μm以下である。
加えて、前記一対の実装用端子は、1つのキャビティ内に2対を形成しても良く、例えば、半導体素子の実装用に用いられる。
更に、本発明には、前記キャビティの4つの側面のうち、平面視において前記メタライズ層と実装用端子との間で視認可能な上記キャビティの側面は、該キャビティの底面側から前記パッケージ本体の表面側に向かって該パッケージ本体の外側に傾いた傾斜面からなるか、上記キャビティの底面と上記パッケージ本体の表面との間における底面側に該パッケージ本体の内側に突出する突出部を含む側面か、あるいは、上記キャビティの底面と上記パッケージ本体の表面との間における垂直断面が上記キャビティの中央側に凸となる円弧形の側面である、セラミックパッケージ(請求項5)も含まれる。
これによれば、確実に、前記効果2を奏するセラミックパッケージとすることができる(効果5)。
これによれば、確実に、前記効果2を奏するセラミックパッケージとすることができる(効果5)。
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明により得られる一形態のセラミックパッケージ(以下、単にパッケージと称する)1を示す平面図、図2は、図1中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図である。
上記パッケージ1は、図1,図2に示すように、全体が直方体状の箱形を呈するパッケージ本体2と、該パッケージ本体2の表面3に開口するキャビティ6と、該キャビティ6の開口部を囲む平面視が矩形枠状の上記表面3の全面に形成されたメタライズ層10と、上記キャビティ6の底面7に形成された一対の実装用端子9とを備えている。
上記パッケージ本体2は、平面視が長方形(矩形)状の下側セラミック層c1と、平面視が矩形枠状の上側セラミック層c2とを積層してなり、上記表面3と平面視が長方形状の裏面4と、これらの間に位置する4つの側面5とを有している。隣接する一対の側面5同士の間ごとには、平面視が円弧形状の凹部5rが位置している。尚、上記セラミックは、例えば、アルミナなどである。
図1は、本発明により得られる一形態のセラミックパッケージ(以下、単にパッケージと称する)1を示す平面図、図2は、図1中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図である。
上記パッケージ1は、図1,図2に示すように、全体が直方体状の箱形を呈するパッケージ本体2と、該パッケージ本体2の表面3に開口するキャビティ6と、該キャビティ6の開口部を囲む平面視が矩形枠状の上記表面3の全面に形成されたメタライズ層10と、上記キャビティ6の底面7に形成された一対の実装用端子9とを備えている。
上記パッケージ本体2は、平面視が長方形(矩形)状の下側セラミック層c1と、平面視が矩形枠状の上側セラミック層c2とを積層してなり、上記表面3と平面視が長方形状の裏面4と、これらの間に位置する4つの側面5とを有している。隣接する一対の側面5同士の間ごとには、平面視が円弧形状の凹部5rが位置している。尚、上記セラミックは、例えば、アルミナなどである。
前記パッケージ本体2は、例えば、平面視で2.0×1.6mmの寸法である。
また、上側セラミック層c2の厚みは、0.25mm以下(例えば、0.15mm)である。一方、下側セラミック層c1の厚みは、特に限定されず、且つ単層の形態に限らず、2層以上の単位セラミック層からなり、これらの間に内部配線層(図示せず)が形成されていても良い。
更に、前記キャビティ6は、前記セラミックからなり平面視が長方形状の底面7と、該底面7の周辺から立設する4つの側面8aとを有しており、かかる側面8aの平面視における幅wは、20μm以上(例えば、50μm)である。
即ち、該側面8aは、前記セラミックからなり、上記底面7の周辺からパッケージ本体2の表面3に向かって外側に傾いた傾斜面であり、図1中における水平方向の太い矢印に沿って、下向きの撮像(CCD)カメラを走査した際に、互いに色調が同様の前記実装用端子9とメタライズ10との間に挟まれた位置においても、確実に撮像(視認)することが可能である。
また、上側セラミック層c2の厚みは、0.25mm以下(例えば、0.15mm)である。一方、下側セラミック層c1の厚みは、特に限定されず、且つ単層の形態に限らず、2層以上の単位セラミック層からなり、これらの間に内部配線層(図示せず)が形成されていても良い。
更に、前記キャビティ6は、前記セラミックからなり平面視が長方形状の底面7と、該底面7の周辺から立設する4つの側面8aとを有しており、かかる側面8aの平面視における幅wは、20μm以上(例えば、50μm)である。
即ち、該側面8aは、前記セラミックからなり、上記底面7の周辺からパッケージ本体2の表面3に向かって外側に傾いた傾斜面であり、図1中における水平方向の太い矢印に沿って、下向きの撮像(CCD)カメラを走査した際に、互いに色調が同様の前記実装用端子9とメタライズ10との間に挟まれた位置においても、確実に撮像(視認)することが可能である。
尚、前記一対の実装用端子9は、図1,図2において、キャビティ6における左側の側面8aの底面7側に接しており、それらの左側の辺9aは、セラミック層c1,c2間に進入している。このように、実装用端子9が側面8aに接したり、前記メタライズ層10をパッケージ本体2の表面3の全面に形成しているのは、前記のように、パッケージ本体2の小型化への対応に起因している。
更に、図2に示すように、パッケージ本体2の裏面4における四隅側には、4つの外部接続端子12が個別に形成され、これらの何れか2つは、下側セラミック層c1を貫通するビア導体11を介して、上記一対の実装用端子9と個別に導通可能とされている。一方、残りの外部接続端子12は、前記凹部5rの内壁面に沿って形成される凹部導体(図示せず)を介して、前記メタライズ層10と導通可能とされている。
尚、前記実装用端子9、メタライズ層10、ビア導体11、外部接続端子12、および凹部導体は、例えば、WあるいはMoからなる。
更に、図2に示すように、パッケージ本体2の裏面4における四隅側には、4つの外部接続端子12が個別に形成され、これらの何れか2つは、下側セラミック層c1を貫通するビア導体11を介して、上記一対の実装用端子9と個別に導通可能とされている。一方、残りの外部接続端子12は、前記凹部5rの内壁面に沿って形成される凹部導体(図示せず)を介して、前記メタライズ層10と導通可能とされている。
尚、前記実装用端子9、メタライズ層10、ビア導体11、外部接続端子12、および凹部導体は、例えば、WあるいはMoからなる。
図3(A)は、異なる形態のキャビティ6の側面8b付近を示す部分断面図である。図3(A)に示すように、パッケージ本体2の表面3とキャビティ6の底面7との間には、該表面3側の比較的急峻な傾斜面8と、前記底面7側に位置する断面角形状の突出部8kとが位置している。前記傾斜面8は、後述する製造時の打ち抜き工程において用いるパンチとダイの貫通孔との隙間を通常の10μm以下として、追って上側セラミック層c2となる上側グリーンシートを打ち抜いた際に形成されものであり、その平面視の幅は、10μm以下である。
一方、上記突出部8kは、予め、上記上側グリーンシートの裏面側に溶剤を浸透させた後、かかる上側グリーンシートと、追って下側セラミック層c1となる下側グリーンシートとを積層し且つ圧着した際に、上記溶剤が浸透した裏面側の部分が圧着時の厚み方向に沿った圧力によって、キャビティ6の中央側に押し出された部分である。
図3(A)に示すように、上記傾斜面8および突出部8kからなるキャビティ6の側面8bの平面視における幅wも、前記と同様の20μm以上である。
一方、上記突出部8kは、予め、上記上側グリーンシートの裏面側に溶剤を浸透させた後、かかる上側グリーンシートと、追って下側セラミック層c1となる下側グリーンシートとを積層し且つ圧着した際に、上記溶剤が浸透した裏面側の部分が圧着時の厚み方向に沿った圧力によって、キャビティ6の中央側に押し出された部分である。
図3(A)に示すように、上記傾斜面8および突出部8kからなるキャビティ6の側面8bの平面視における幅wも、前記と同様の20μm以上である。
図3(B)は、更に異なる形態のキャビティ6の側面8c付近を示す部分断面図である。図3(B)に示すように、パッケージ本体2の表面3とキャビティ6の底面7との間には、垂直断面が上記キャビティ6の中央側に凸となる円弧形曲面8cが位置している。かかる円弧形曲面8cは、後述する製造時の圧着工程において、前記上側グリーンシートに対し厚み方向に沿った圧縮加工を併用することで、予め、該上側グリーンシートに形成した貫通孔の前記側面8をかかる貫通孔の中心側に強制的に膨出させたものである。
図3(B)に示すように、キャビティ6の側面8cの平面視における幅wも、前記と同様の20μm以上である。
図3(B)に示すように、キャビティ6の側面8cの平面視における幅wも、前記と同様の20μm以上である。
以上のようなキャビティ6の側面8a,8b,8cを含む前記パッケージ1によれば、平面視で前記メタライズ層10と実装用端子9との間においても、キャビティ6の側面8a,8b,8cを幅20μm以上として視認可能とされ、且つ2値化処理が容易となるので、水晶振動子などの各種の素子の実装を、実装用端子9の上に自動的にして容易且つ正確に行えると共に、小型化の要請にも対応できるセラミックパッケージとすることが可能となる(前記効果4,5)。
尚、前記実装用端子9は、3個または4個(二対)以上としても良い。
尚、前記実装用端子9は、3個または4個(二対)以上としても良い。
以下において、キャビティ6の前記側面8a,8b,8cを含む前記パッケージ1の製造方法について、図4〜図6に沿って説明する。尚、図4〜図6では、上記側面8a,8b,8cを見易くするため、実際よりも厚肉にして図示した。
図4は、キャビティ6の前記側面8aを含む前記パッケージ1を得るための第1の製造方法に関する。
予め、アルミナ粉末、所定のバインダ樹脂、および所定の溶剤などを適量ずつ配合して、セラミックスラリを作製し、該スラリをドクターブレード法によってシート状に成形して、図4(A)に示すように、多数個取り用の2枚のグリーンシートg1,g2を制作(準備)した。
図4は、キャビティ6の前記側面8aを含む前記パッケージ1を得るための第1の製造方法に関する。
予め、アルミナ粉末、所定のバインダ樹脂、および所定の溶剤などを適量ずつ配合して、セラミックスラリを作製し、該スラリをドクターブレード法によってシート状に成形して、図4(A)に示すように、多数個取り用の2枚のグリーンシートg1,g2を制作(準備)した。
上記グリーンシートg1,g2は、それぞれの厚みが0.25mmであり、追って前記パッケージ本体2を構成するパッケージ領域paを平面視で縦横に隣接して配置した全体が矩形状の製品領域PAと、その周囲を囲む平面視が矩形枠状の耳部mgとを有し、これらの間および隣接する基板領域pa同士の間は、仮想の切断予定面cfによって区画されている。
尚、上記グリーンシートg1は、そのパッケージ領域paが追って前記セラミック層c1となる下側グリーンシートg1であり、上記グリーンシートg2は、そのパッケージ領域paが追って前記セラミック層c2となる上側グリーンシートg2である。
尚、上記グリーンシートg1は、そのパッケージ領域paが追って前記セラミック層c1となる下側グリーンシートg1であり、上記グリーンシートg2は、そのパッケージ領域paが追って前記セラミック層c2となる上側グリーンシートg2である。
先ず、図4(B)に示すように、前記上側グリーンシートg2の表面の全面に、W粉末またはMo粉末を含む導電性ペーストを印刷などにより配設して、未焼成の全面導体層10を形成した
次いで、上側グリーンシートg2のパッケージ領域paごとにおける平面視の中央部に対し、断面が長方形状のパンチと、該断面と相似形で且つ該パンチとの隙間(クリアランス)が20μm以上の貫通孔を有するダイ(何れも図示せず)とを用いた打ち抜き加工を行った。
その結果、図4(C)に示すように、上記パッケージ領域paごとの表面と裏面との間を貫通する貫通孔6hが形成された。該貫通孔6hにおける4つの側面8aは、平面視で表面と裏面との間における幅が20μm以上(例えば、30μm)である傾斜面であった。尚、図4(C)において、上記貫通孔6hの上側の広い開口部は、前記ダイの貫通孔が隣接していた部位であり、且つ該貫通孔6hの下側の狭い開口部は、前記パンチが進入した跡である。
次いで、上側グリーンシートg2のパッケージ領域paごとにおける平面視の中央部に対し、断面が長方形状のパンチと、該断面と相似形で且つ該パンチとの隙間(クリアランス)が20μm以上の貫通孔を有するダイ(何れも図示せず)とを用いた打ち抜き加工を行った。
その結果、図4(C)に示すように、上記パッケージ領域paごとの表面と裏面との間を貫通する貫通孔6hが形成された。該貫通孔6hにおける4つの側面8aは、平面視で表面と裏面との間における幅が20μm以上(例えば、30μm)である傾斜面であった。尚、図4(C)において、上記貫通孔6hの上側の広い開口部は、前記ダイの貫通孔が隣接していた部位であり、且つ該貫通孔6hの下側の狭い開口部は、前記パンチが進入した跡である。
同時に、前記全面導体層10は、上記パッケージ領域paごとにおいて、平面視が矩形枠状のメタライズ層10となった。
尚、前記打ち抜き加工は、複数のパッケージ領域paごとに順次行っても良いし、あるいは、複数のパッケージ領域paごとに対して、同時に行っても良い。
また、平面視で前記切断予定面cfが縦横に交差する位置ごとには、小径のパンチと小径の貫通孔を有するダイとを用いた打ち抜き加工を行って、追って前記4つの凹部5rとなる円形断面で且つ小径の貫通孔(図示せず)を穿孔した。
次に、前記下側グリーンシートg1のパッケージ領域paごとにおける所定の位置ごとに対し、小径のパンチと小径の貫通孔を有するダイとを用いた打ち抜き加工を行って、一対のビアホール(図示せず)を穿孔した後、該ビアホールごとの内部に、前記同様の導電性ペーストを吸引させつつ充填した。
尚、前記打ち抜き加工は、複数のパッケージ領域paごとに順次行っても良いし、あるいは、複数のパッケージ領域paごとに対して、同時に行っても良い。
また、平面視で前記切断予定面cfが縦横に交差する位置ごとには、小径のパンチと小径の貫通孔を有するダイとを用いた打ち抜き加工を行って、追って前記4つの凹部5rとなる円形断面で且つ小径の貫通孔(図示せず)を穿孔した。
次に、前記下側グリーンシートg1のパッケージ領域paごとにおける所定の位置ごとに対し、小径のパンチと小径の貫通孔を有するダイとを用いた打ち抜き加工を行って、一対のビアホール(図示せず)を穿孔した後、該ビアホールごとの内部に、前記同様の導電性ペーストを吸引させつつ充填した。
その結果、図4(D)に示すように、上記パッケージ領域paごとの表面と裏面との間を貫通する未焼成で且つ前後一対のビア導体11が形成された。
更に、上記下側グリーンシートg1のパッケージ領域paごとの表面および裏面における所定の位置ごとに対し、前記同様の導電性ペーストを所定のパターンによるスクリーン印刷を行った。その結果、図4(D)に示すように、上記表面には、前後一対で且つ未焼成の実装用端子9が形成され、上記裏面の四隅側には、未焼成である4つの外部接続端子12が個別に形成された。
尚、上記一対の実装用端子9と、その下方に位置する前後一対の外部接続端子12とは、上記ビア導体11を介して接続されていた。
次に、図4(E)に示すように、前記貫通孔6hとメタライズ層10とを有する上側グリーンシートg2と、前記実装用端子9、ビア導体11、および外部接続端子12を有する下側グリーンシートg1とを積層し且つ圧着した。
更に、上記下側グリーンシートg1のパッケージ領域paごとの表面および裏面における所定の位置ごとに対し、前記同様の導電性ペーストを所定のパターンによるスクリーン印刷を行った。その結果、図4(D)に示すように、上記表面には、前後一対で且つ未焼成の実装用端子9が形成され、上記裏面の四隅側には、未焼成である4つの外部接続端子12が個別に形成された。
尚、上記一対の実装用端子9と、その下方に位置する前後一対の外部接続端子12とは、上記ビア導体11を介して接続されていた。
次に、図4(E)に示すように、前記貫通孔6hとメタライズ層10とを有する上側グリーンシートg2と、前記実装用端子9、ビア導体11、および外部接続端子12を有する下側グリーンシートg1とを積層し且つ圧着した。
その結果、図4(E)に示すように、表面3および裏面4を有し、パッケージ領域paごとの表面3には、底面7および4つの側面8aからなるキャビティ6が開口すると共に、一対の実装用端子9が図示で左側の側面8aにその左辺が覆われて接触しているグリーンシート積層体GSが得られた。
次に、上記グリーンシート積層体GSを所定の温度帯で焼成した結果、図4(F)に示すように、表面3および裏面4を有する下側セラミック層c1および上側セラミック層c2からなると共に、パッケージ領域paごとに同時焼成された前記実装用端子9、メタライズ層10、ビア導体11、および、外部接続端子12を有するセラミック積層体CSが得られた。この際、上側セラミック層c2の厚みは、0.25mm未満となっていた。
次に、上記グリーンシート積層体GSを所定の温度帯で焼成した結果、図4(F)に示すように、表面3および裏面4を有する下側セラミック層c1および上側セラミック層c2からなると共に、パッケージ領域paごとに同時焼成された前記実装用端子9、メタライズ層10、ビア導体11、および、外部接続端子12を有するセラミック積層体CSが得られた。この際、上側セラミック層c2の厚みは、0.25mm未満となっていた。
更に、前記セラミック積層体CSを、図示しない電解Niメッキ槽および電解Auメッキ槽に順次浸漬して、外部に露出する前記実装用端子9、メタライズ層10、および外部接続端子12の表面に、所要厚さのNiメッキ膜およびAuメッキ膜を順次被覆した。
そして、前記セラミック積層体CSを、その切断予定面cfに沿ってダイシングブレード(図示せず)を用いて切断加工する個片化工程を行った。
その結果、図4(G)に示すように、複数の前記パッケージ1を得ることができた。この際、前記焼成後の耳部mgは、除去された。
以上のような前記側面8aを含むキャビティ6を有する前記パッケージ1を得るための第1の製造方法によれば、前記効果1〜3を奏することができた。尚、かかる第1の製造方法は、パッケージ1ごとに各工程に行うことも可能である。
そして、前記セラミック積層体CSを、その切断予定面cfに沿ってダイシングブレード(図示せず)を用いて切断加工する個片化工程を行った。
その結果、図4(G)に示すように、複数の前記パッケージ1を得ることができた。この際、前記焼成後の耳部mgは、除去された。
以上のような前記側面8aを含むキャビティ6を有する前記パッケージ1を得るための第1の製造方法によれば、前記効果1〜3を奏することができた。尚、かかる第1の製造方法は、パッケージ1ごとに各工程に行うことも可能である。
図5は、キャビティ6の前記側面8bを含む前記パッケージ1を得るための第2の製造方法に関する。尚、前記第1の製造方法と同じ工程の図は、省略した。
前記同様に、前記と同じ厚さの2枚のグリーンシートg1,g2を準備した後、上側グリーンシートg2の表面全体に、全同様の全面導体層10を形成した。
次に、図5(A)に示すように、上側グリーンシートg2のパッケージ領域paごとにおける平面視の中央部に対し、前記同様のパンチとダイの貫通孔との隙間を10μmとした通常の打ち抜き加工を行って、前記同様の貫通孔6hを形成した。該貫通孔6hの側面8は、平面視で10μmの幅の急峻な傾斜面である。同時に、前記全面導体層10は、パッケージ領域paごとにおいて前記同様のメタライズ層10に成形された。
前記同様に、前記と同じ厚さの2枚のグリーンシートg1,g2を準備した後、上側グリーンシートg2の表面全体に、全同様の全面導体層10を形成した。
次に、図5(A)に示すように、上側グリーンシートg2のパッケージ領域paごとにおける平面視の中央部に対し、前記同様のパンチとダイの貫通孔との隙間を10μmとした通常の打ち抜き加工を行って、前記同様の貫通孔6hを形成した。該貫通孔6hの側面8は、平面視で10μmの幅の急峻な傾斜面である。同時に、前記全面導体層10は、パッケージ領域paごとにおいて前記同様のメタライズ層10に成形された。
次いで、図5(A)に示すように、パッケージ領域paごとに貫通孔6hの裏面側、即ちメタライズ層10と反対側の面に、例えば、シラン系の溶剤を層状に浸透させて、厚さが約10μmの溶剤浸透層yrを形成した。
更に、前記同様に、ビア導体11、実装用端子9、および外部接続端子12が形成された下側グリーンシートg1と、上記メタライズ層10、貫通孔6h、および溶剤浸透層yrを上側グリーンシートg2とを積層し且つ圧着した。
その結果、図5(B)に示すように、表面3および裏面4を有する下側および上側グリーンシートg1,g2からなり、パッケージ領域paごとの表面3に開口し且つ底面7および側面8bを有するキャビティ6を有するグリーンシート積層体GSが得られた。上記キャビティ6の側面8bは、表面3側の前記側面8と、底面7側において前記溶剤浸透層yrの一部が該キャビティ6の中央側に押し出された突出部8kと、からなっていた。かかる突出部8kは、平面視の幅が単独でも20μm以上であった。
更に、前記同様に、ビア導体11、実装用端子9、および外部接続端子12が形成された下側グリーンシートg1と、上記メタライズ層10、貫通孔6h、および溶剤浸透層yrを上側グリーンシートg2とを積層し且つ圧着した。
その結果、図5(B)に示すように、表面3および裏面4を有する下側および上側グリーンシートg1,g2からなり、パッケージ領域paごとの表面3に開口し且つ底面7および側面8bを有するキャビティ6を有するグリーンシート積層体GSが得られた。上記キャビティ6の側面8bは、表面3側の前記側面8と、底面7側において前記溶剤浸透層yrの一部が該キャビティ6の中央側に押し出された突出部8kと、からなっていた。かかる突出部8kは、平面視の幅が単独でも20μm以上であった。
次に、グリーンシート積層体GSを焼成した後、更に、前記同様の電解Niメッキおよび電解Auメッキを順次施した。
その結果、図5(C)に示すように、表面3および裏面4を有する下側セラミック層c1および上側セラミック層c2からなり、そのパッケージ領域paごとに同時焼成された前記実装用端子9、メタライズ層10、ビア導体11、および、外部接続端子12を有すると共に、平面視の幅wが20μm以上の側面8bを含むキャビティ6を有するセラミック積層体CSが得られた。
この後は、前記同様の個片化工程を行った結果、前記同様に、複数のパッケージ1を得ることができた。
以上のような前記側面8bを含むキャビティ6を有する前記パッケージ1を得るための第2の製造方法によれば、前記効果1,2を奏することができた。尚、前記第2の製造方法も、パッケージ1ごとに各工程に行うことも可能である。
その結果、図5(C)に示すように、表面3および裏面4を有する下側セラミック層c1および上側セラミック層c2からなり、そのパッケージ領域paごとに同時焼成された前記実装用端子9、メタライズ層10、ビア導体11、および、外部接続端子12を有すると共に、平面視の幅wが20μm以上の側面8bを含むキャビティ6を有するセラミック積層体CSが得られた。
この後は、前記同様の個片化工程を行った結果、前記同様に、複数のパッケージ1を得ることができた。
以上のような前記側面8bを含むキャビティ6を有する前記パッケージ1を得るための第2の製造方法によれば、前記効果1,2を奏することができた。尚、前記第2の製造方法も、パッケージ1ごとに各工程に行うことも可能である。
図6は、キャビティ6の前記側面8cを含む前記パッケージ1を得るための第3の製造方法に関する。尚、前記第1の製造方法と同じ工程の図は、省略した。
前記同様に、前記と同じ厚さの2枚のグリーンシートg1,g2を準備した後、上側グリーンシートg2の表面全体に、全同様の全面導体層10を形成した。
次に、前記同様に、上側グリーンシートg2のパッケージ領域paごとにおける平面視の中央部に対し、前記同様のパンチとダイの貫通孔との隙間を10μmとした通常の打ち抜き加工を行って、前記同様の貫通孔6hを形成した。かかる貫通孔6hの側面8は、平面視で10μmの幅の急峻な傾斜面である。同時に、前記全面導体層10は、パッケージ領域paごとにおいて前記同様のメタライズ層10に成形された。
前記同様に、前記と同じ厚さの2枚のグリーンシートg1,g2を準備した後、上側グリーンシートg2の表面全体に、全同様の全面導体層10を形成した。
次に、前記同様に、上側グリーンシートg2のパッケージ領域paごとにおける平面視の中央部に対し、前記同様のパンチとダイの貫通孔との隙間を10μmとした通常の打ち抜き加工を行って、前記同様の貫通孔6hを形成した。かかる貫通孔6hの側面8は、平面視で10μmの幅の急峻な傾斜面である。同時に、前記全面導体層10は、パッケージ領域paごとにおいて前記同様のメタライズ層10に成形された。
次いで、前記同様に、ビア導体11、実装用端子9、および外部接続端子12が形成された下側グリーンシートg1と、上記メタライズ層10、および貫通孔6hを有する上側グリーンシートg2とを積層し且つ圧着した。この時点で、図6(A)に示すように、前記同様のグリーンシート積層体GSが得られ、前記貫通孔6hは、底面7および4つの側面8とからなるキャビティ6となった。
前記圧着と連続して、図6(A)中の白抜き矢印で示すように、前記グリーンシート積層体GSの厚み方向に沿って圧縮加工した。この際、上側グリーンシートg2の厚さは、当初の厚さから約3〜20%程度減少した。
その結果、図6(B)に示すように、キャビティ6における4つの側面8は、全て垂直断面で該キャビティ6の中央側に凸となる円弧形の側面8cとなった。かかる側面8cは、平面視の幅wが20μm以上であった。
前記圧着と連続して、図6(A)中の白抜き矢印で示すように、前記グリーンシート積層体GSの厚み方向に沿って圧縮加工した。この際、上側グリーンシートg2の厚さは、当初の厚さから約3〜20%程度減少した。
その結果、図6(B)に示すように、キャビティ6における4つの側面8は、全て垂直断面で該キャビティ6の中央側に凸となる円弧形の側面8cとなった。かかる側面8cは、平面視の幅wが20μm以上であった。
更に、グリーンシート積層体GSを焼成した後、前記同様の電解Niメッキおよび電解Auメッキを順次施した。
その結果、図6(C)に示すように、表面3および裏面4を有する下側セラミック層c1および上側セラミック層c2からなり、そのパッケージ領域paごとに同時焼成された前記実装用端子9、メタライズ層10、ビア導体11、および、外部接続端子12を有すると共に、側面8cを含むキャビティ6を有するセラミック積層体CSが得られた。
この後は、前記同様の個片化工程を行った結果、前記同様に、複数のパッケージ1を得ることができた。
以上のような前記側面8cを含むキャビティ6を有する前記パッケージ1を得るための第3の製造方法によれば、前記効果1〜3を奏することができた。
その結果、図6(C)に示すように、表面3および裏面4を有する下側セラミック層c1および上側セラミック層c2からなり、そのパッケージ領域paごとに同時焼成された前記実装用端子9、メタライズ層10、ビア導体11、および、外部接続端子12を有すると共に、側面8cを含むキャビティ6を有するセラミック積層体CSが得られた。
この後は、前記同様の個片化工程を行った結果、前記同様に、複数のパッケージ1を得ることができた。
以上のような前記側面8cを含むキャビティ6を有する前記パッケージ1を得るための第3の製造方法によれば、前記効果1〜3を奏することができた。
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記パッケージ本体を構成するセラミック層のセラミックは、ムライトや窒化アルミニウムなどの高温焼成セラミック、あるいは、ガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックであっても良い。後者の場合、前記実装用端子9やメタライズ層10などの導体には、例えば、AuあるいはCuが適用される。
また、前記実装用端子9は、1つの前記キャビティ6の底面7に3個あるいは4個以上を形成しても良い。これらの実装用端子9の少なくとも一辺側は、平面視で前記キャビティ6の側面8a〜8cに接しており、且つ垂直断面において上下に隣接するセラミック層間に進入していても良い。
更に、前記パッケージ本体の表面および裏面並びにキャビティの底面は、平面視でほぼ正方形状であっても良い。
加えて、前記実装用端子の上方には、SAWフイルタ、半導体素子、発光素子、あるいはパワーモジュールなどを実装しても良い。
例えば、前記パッケージ本体を構成するセラミック層のセラミックは、ムライトや窒化アルミニウムなどの高温焼成セラミック、あるいは、ガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックであっても良い。後者の場合、前記実装用端子9やメタライズ層10などの導体には、例えば、AuあるいはCuが適用される。
また、前記実装用端子9は、1つの前記キャビティ6の底面7に3個あるいは4個以上を形成しても良い。これらの実装用端子9の少なくとも一辺側は、平面視で前記キャビティ6の側面8a〜8cに接しており、且つ垂直断面において上下に隣接するセラミック層間に進入していても良い。
更に、前記パッケージ本体の表面および裏面並びにキャビティの底面は、平面視でほぼ正方形状であっても良い。
加えて、前記実装用端子の上方には、SAWフイルタ、半導体素子、発光素子、あるいはパワーモジュールなどを実装しても良い。
本発明によれば、キャビティの底面に形成した実装用端子に対する各種の素子の実装を自動的にして容易且つ正確に行えると共に、全体の小型化の要請にも対応できるセラミックパッケージの製造方法、および、かかる製造方法により得られるセラミックパッケージを確実に提供することができる。
1……………セラミックパッケージ
2……………パッケージ本体
3……………表面
4……………裏面
6……………キャビティ
6h…………貫通孔
7……………底面
8a〜8c…側面
9……………実装用端子
10メタライズ層/全面導体層
c1,c2…下側/上側セラミック層
g1,g2…下側/上側グリーンシート
w……………側面の幅
2……………パッケージ本体
3……………表面
4……………裏面
6……………キャビティ
6h…………貫通孔
7……………底面
8a〜8c…側面
9……………実装用端子
10メタライズ層/全面導体層
c1,c2…下側/上側セラミック層
g1,g2…下側/上側グリーンシート
w……………側面の幅
Claims (5)
- 平面視が矩形状の下側セラミック層と平面視が矩形枠状の上側セラミック層とを積層してなり、平面視の外形が矩形状の表面および裏面を有するパッケージ本体と、該パッケージ本体における平面視が矩形枠状である表面の全面に形成されたメタライズ層と、上記パッケージ本体の表面に開口し、平面視が矩形状の底面およびその周辺から立設する4つの側面を有するキャビティと、該キャビティの底面に形成された少なくとも一対の実装用端子と、を備えたセラミックパッケージの製造方法であって、
表面および裏面を有する上側グリーンシートおよび下側グリーンシートを準備する工程と、
上記上側グリーンシートの表面全体に導電性ペーストを配設して未焼成の全面導体層を形成する工程と、
上記全面導体層を有する上側グリーンシートの表面と裏面との間を貫通する打ち抜き加工を行って、平面視で幅が視認可能な側面を有する貫通孔と、これを囲む平面視が矩形枠状の導体層とを形成する工程と、
上記下側グリーンシートの表面に未焼成である少なくとも一対の実装用端子を形成する工程と、
上記上側グリーンシートと下層グリーンシートとを、平面視で上記矩形枠状の導体層と実装用端子との間に、上記貫通孔の側面が幅20μm以上で視認可能となるように積層および圧着する工程と、を含む、
ことを特徴とするセラミックパッケージの製造方法。 - 平面視が矩形状の下側セラミック層と平面視が矩形枠状の上側セラミック層とを積層してなり、平面視の外形が矩形状の表面および裏面を有するパッケージ本体と、該パッケージ本体における平面視が矩形枠状である表面の全面に形成されたメタライズ層と、上記パッケージ本体の表面に開口し、平面視が矩形状の底面およびその周辺から立設する4つの側面を有するキャビティと、該キャビティの底面に形成された少なくとも一対の実装用端子と、を備えたセラミックパッケージの製造方法であって、
表面および裏面を有する上側グリーンシートおよび下側グリーンシートを準備する工程と、
上記上側グリーンシートの表面全体に導電性ペーストを配設して未焼成の全面導体層を形成する工程と、
上記全面導体層を有する上側グリーンシートの表面と裏面との間を貫通する打ち抜き加工を行って、貫通孔とこれを囲む平面視が矩形枠状の導体層とを形成する工程と、
上記下側グリーンシートの表面に未焼成である少なくとも一対の実装用端子を形成する工程と、
上記貫通孔が形成された上側グリーンシートの裏面に溶剤を浸透させる工程と、
上記上層グリーンシートと下側グリーンシートとを、平面視で上記矩形枠状の導体層と実装用端子との間に、上記貫通孔の側面が視認可能となるように積層および圧着する工程と、を含む、
ことを特徴とするセラミックパッケージの製造方法。 - 平面視が矩形状の下側セラミック層と平面視が矩形枠状の上側セラミック層とを積層してなり、平面視の外形が矩形状の表面および裏面を有するパッケージ本体と、該パッケージ本体における平面視が矩形枠状である表面の全面に形成されたメタライズ層と、上記パッケージ本体の表面に開口し、平面視が矩形状の底面およびその周辺から立設する4つの側面を有するキャビティと、該キャビティの底面に形成された少なくとも一対の実装用端子と、を備えたセラミックパッケージの製造方法であって、
表面および裏面を有する上側グリーンシートおよび下側グリーンシートを準備する工程と、
上記上側グリーンシートの表面全体に導電性ペーストを配設して未焼成の全面導体層を形成する工程と、
上記全面導体層を有する上側グリーンシートの表面と裏面との間を貫通する打ち抜き加工を行って、貫通孔とこれを囲む平面視が矩形枠状の導体層とを形成する工程と、
上記下側グリーンシートの表面に未焼成である少なくとも一対の実装用端子を形成する工程と、
上記上側グリーンシートと下側グリーンシートとを、上記貫通孔の側面を垂直断面で該貫通孔の中央側に膨出させ、且つ平面視で矩形枠状の導体層と実装用端子との間に、上記貫通孔の側面が視認可能となるように積層および圧縮する工程と、を含む、
ことを特徴とするセラミックパッケージの製造方法。 - 平面視が矩形状の下側セラミック層と平面視が矩形枠状の上側セラミック層とを積層してなり、平面視が矩形状の表面および裏面を有するパッケージ本体と、
上記パッケージ本体における平面視が矩形枠状である表面の全面に形成されたメタライズ層と、
上記パッケージ本体の表面に開口し、平面視が矩形状の底面およびその周辺から立設する4つの側面を有するキャビティと、
上記キャビティの底面に形成された少なくとも一対の実装用端子と、を備えたセラミックパッケージであって、
上記上側セラミック層の厚みは、0.25mm以下であると共に、
平面視で、上記メタライズ層と一対の実装用端子との間に、上記キャビティの少なくとも何れかの側面が視認可能であり、且つ該側面の幅が20μm以上である、
ことを特徴とするセラミックパッケージ。 - 前記キャビティの4つの側面のうち、平面視において前記メタライズ層と実装用端子との間で視認可能な上記キャビティの側面は、該キャビティの底面側から前記パッケージ本体の表面側に向かって該パッケージ本体の外側に傾いた傾斜面からなるか、上記キャビティの底面と上記パッケージ本体の表面との間における底面側に該パッケージ本体の内側に突出する突出部を含む側面であか、あるいは、上記キャビティの底面と上記パッケージ本体の表面との間における垂直断面が上記キャビティの中央側に凸となる円弧形の側面である、
ことを特徴とする請求項4に記載のセラミックパッケージ。
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