JP2017195316A - セラミックパッケージおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セラミックからなり一対の表面とこれらの間に側面を有するパッケージ本体と、一対の表面の周辺部に形成された一対の導体層とを備え、一方の導体層からパッケージ本体の側面に設けた凹部の内壁面に沿ってバリが延びていても、不用意なる短絡を皆無とするセラミックパッケージを提供する。【解決手段】積層した複数のセラミック層c1,c2からなり、平面視の外形が矩形状の一対の表面3,4と、これら間に位置する側面5と、を有するパッケージ本体2aと、一対の表面3,4ごとの周辺部に形成された一対の導体層10,11と、パッケージ本体2aにて隣接する2つの側面5の間に位置し且つ該パッケージ本体2aの厚み方向に沿った凹部6と、該凹部6の内壁面における厚み方向に沿い、且つ当該凹部6の何れか一方の端部に隣接する一方の導体層10から延びたバリ13とを備え、凹部6の内壁面には、バリ13を覆う絶縁材14が被覆されている、セラミックパッケージ1a。【選択図】 図4

Description

本発明は、セラミックからなり、一対の表面と該一対の表面の間に位置する側面と有するパッケージ本体と、前記一対の表面の周辺部に形成された導体層と、何れか一方の導体層から上記側面に延びたバリとを備え、該バリに起因する不用意な短絡を皆無としたセラミックパッケージおよびその製造方法に関する。
例えば、複数層からなる略矩形状のセラミック製基体の外周面に、該セラミック製基体の全ての層が連通する第1の切り欠き部と、上記セラミック製基体の一部の層で連通しない第2の切り欠き部とが形成され、第1の切り欠き部の壁面と第2の切り欠き部の壁面とに、第1の導体膜と第2の導体膜とを個別に備え、上記セラミック製基体の少なくとも1層の上記第1の導体膜の表面に絶縁膜を被覆した電子部品収納用パッケージが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記電子部品収納用パッケージによれば、パッケージの軽薄短小化および各種の形態に対応でき、且つロウ材や接合材の流れ込みを防止して、接続信頼性を高くすることが可能となる。
ところで、前記のような電子部品収納用パッケージでは、割れや欠けを生じ易い前記セラミック製基体の外周面のコーナー部に、前記同様の切り欠きを設けたり、あるいは、上記セラミック製基体の裏面に設けた接続端子に隣接する上記外周面に前記同様の切り欠きを設けている。かかる電子部品収納用パッケージでは、前記セラミック製基体の表面における周辺部に設けた導体膜の一部が、上記切り欠きを形成する際の貫通孔の打ち抜き加工時などにバリになる場合がある。かかるバリが上記切り欠きの内壁面に沿って上記裏面側に延びていると、当該電子部品収納用パッケージをマザーボードに搭載する際に、用いられるロウ材の上端部が上記バリと接触することにより、不用意な短絡を生じる、という問題があった。
特開2005−123564号公報(第1〜13頁、図1〜5)
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、セラミックからなり一対の表面と該一対の表面の間に側面を有するパッケージ本体と、前記一対の表面の少なくとも周辺部に形成された一対の導体層とを備え、何れか一方の導体層から上記パッケージ本体の側面、あるいは該側面に設けた凹部の内壁面に沿ってバリが延びていても、前述したような不用意な短絡を皆無にできるセラミックパッケージと、その製造方法とを提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、前記パッケージ本体における一対の表面の少なくとも周辺部に形成された一対の導体層から上記パッケージ本体の側面に設けた凹部の内壁面に沿って延びたバリを覆う絶縁材を、該凹部の内壁面などに形成する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明による第1のセラミックパッケージ(請求項1)は、単層のセラミック層または積層された複数のセラミック層からなり、平面視の外形が矩形状である一対の表面と、該一対の表面の間に位置する四つの側面と、を有するパッケージ本体と、上記一対の表面ごとの少なくとも周辺部に形成された一対の導体層と、上記パッケージ本体において隣接する2つの側面の間、あるいは一つの側面に位置し且つ該パッケージ本体の厚み方向に沿った凹部と、該凹部の内壁面における上記厚み方向に沿い、且つ当該凹部の何れか一方の端部に隣接する上記一対の導体層の何れか一方から延びたバリと、を備えたセラミックパッケージであって、上記凹部の内壁面には、上記バリを覆う絶縁材が被覆されている、ことを特徴とする。
また、本発明による第2のセラミックパッケージ(請求項2)は、単層のセラミック層または積層された複数のセラミック層からなり、平面視の外形が矩形状である一対の表面と、該一対の表面の間に位置する四つの側面と、を有するパッケージ本体と、上記一対の表面ごとの少なくとも周辺部に形成された一対の導体層と、上記パッケージ本体の側面において隣接する上記一対の導体層の何れか一方から延びたバリと、を備えたセラミックパッケージであって、上記一対の導体層に挟まれたパッケージ本体の側面には、上記バリを覆う絶縁材が被覆されている、ことを特徴とする。
前記第1および第2のセラミックパッケージによれば、前記パッケージ本体の側面に、あるいは該側面または隣接する側面同士間に形成された前記凹部の内壁面に、前記一対の導体層の何れかから上記パッケージ本体の厚み方向に沿って延びたバリは、絶縁材によって被覆され且つ外部から電気的に遮蔽されている。そのため、当該第1および第2のセラミックパッケージを、プリント基板などのマザーボードの表面上に搭載する際に、該搭載時に用いられるロウ材の一部が、上記凹部の内壁面に沿って上昇したり、あるいは上記側面に沿って上昇しても、該ロウ材の上端部と前記バリの先端部とが直に接触することがない。従って、前記のようなバリを有していても、マザーボードへの搭載時において不用意な短絡を招来するおそれを皆無としたセラミックパッケージを提供することができる。
尚、前記セラミック層は、例えば、アルミナなどの高温焼成セラミック、あるいは、ガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックからなる。上記セラミック層が前者からなる場合、前記導体層やバリは、例えば、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)などからなり、上記セラミック層が後者からなる場合、例えば、銀(Ag)または銅(Cu)からなる。
また、前記一対の表面は、互いに平行状で、且つ相対的な呼称であり、例えば、一方を表面と称し、且つ他方を裏面と称することもできる。
更に、前記凹部は、平面視で半円形状、4分の1の円形状、半長円形状、あるいは、半楕円形状などを呈する。
また、前記バリは、追って前記導体層となる未焼成の導体層を、追って前記セラミック層となるグリーンシートと共に、打ち抜き加工を施して貫通孔を形成した際に、上記未焼成の導体層の一部が、前記貫通孔の一方の開口部における周辺から上記グリーンシートの厚み方向に沿って、上記貫通孔の外側に突出し、あるいは該貫通孔の内壁面に沿って延び出た薄肉の導体片である。
更に、前記バリには、前記凹部を形成するため、前記導体層に貫通孔をレーザ加工で形成した際、あるいは、多数個取りの際における上記導体層とグリーンシートとに対し、刃物による挿入またはレーザ加工により分割溝を形成した際に、上記貫通孔または分割溝における開口部に沿って上記導体層の一部が突出したバリも含まれる。
加えて、上記貫通孔の外側に突出したバリのうち、例えば、上記グリーンシートの圧着工程において、前記突出した方向と反対側の貫通孔の内壁面に沿って折り返された形態のものも、前記バリに含まれる。
また、本発明には、前記一対の導体層のうち、他方の導体層は、前記凹部の内壁面の厚み方向における途中の高さにまで延在した延在部を有し、かかる延在部は前記バリとは離間している、第1のセラミックパッケージ(請求項3)も含まれる。
これによれば、前記凹部の内壁面に他方の前記導体層から延びた延在部が、前記パッケージ本体の厚み方向に沿って形成されているので、第1のセラミックパッケージを、プリント基板などのマザーボードの表面上に搭載する際に、該搭載に用いられるロウ材の一部が、上記凹部の内壁面に位置する上記延在部に沿って上昇し易くなる。しかし、前記バリは、前記絶縁材により被覆され且つ外部から遮蔽されているので、該バリと上記延在部との接触が不可能である。従って、マザーボードへの搭載時において不用意な短絡を招来するおそれを皆無としたセラミックパッケージを確実に提供できる。
一方、前記第1のセラミックパッケージの製造方法(請求項4)は、単層のセラミック層または積層された複数のセラミック層からなり、平面視の外形が矩形状である一対の表面と、該一対の表面の間に位置する四つの側面と、を有するパッケージ本体と、前記一対の表面ごとの少なくとも周辺部に形成された一対の導体層と、前記パッケージ本体において隣接する2つの側面の間、あるいは1つの側面に位置し且つ該パッケージ本体の厚み方向に沿った凹部と、該凹部の内壁面における上記厚み方向に沿っており、且つ前記凹部の何れか一方の端部に隣接する上記一対の導体層の一方から延びたバリと、を備えたセラミックパッケージの製造方法であって、グリーンシートにおける一方の表面に導体層を形成する工程と、該導体層が形成された上記グリーンシートに対する打ち抜き加工により、前記導体層および前記グリーンシートを貫通する第1貫通孔を形成する工程と、上記打ち抜き加工により形成され、且つ上記導体層から延びたバリと、上記第1貫通孔の内壁面とを絶縁性ペーストで被覆する工程と、を備えている、ことを特徴とする。
前記第1のセラミックパッケージの製造方法によれば、前記のような構造を備え且つ前述した効果(前記不用意な短絡を皆無とする)を奏する第1のセラミックパッケージを確実に製造することができる。
尚、前記第1貫通孔を形成する工程と、前記絶縁性ペーストで被覆する工程との間には、前記グリーンシートをその両面から圧着して、前記導体層の頂部付近を平坦化すると共に、前記打ち抜き工程において前記第1貫通孔の外側に突出したバリを、該第1貫通孔の内壁面に沿うように折り返す圧着工程が行われる。
また、前記絶縁性ペーストで被覆する工程の後には、前記グリーンシートおよび導体層などを同時に焼成する工程や、外部に露出する前記導体層の表面に、防錆用の金属メッキ膜(例えば、ニッケル膜および金膜)を被覆するメッキ工程が行われる。
また、本発明には、2層のグリーンシートのうち、一方のグリーンシートに対し、前記第1貫通孔を形成する工程、および、前記絶縁性ペーストを被覆する工程を施し、他方のグリーンシートに対し、打ち抜き加工により上記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔を形成する工程、該第2貫通孔の内壁面と、該他方のグリーンシートにおける一方の表面とに対し、前記一対の導体層における他方の導体層を形成する工程とを施した後、上記一方および他方のグリーンシートを、積層し且つ圧着する工程を行う、第1のセラミックパッケージの製造方法(請求項5)も含まれる。
これによれば、前記パッケージ本体が2層のセラミック層からなり、その側面あるいは隣接する側面同士の間に、前記他方の導体層から延びた延在部の表面をほぼ内壁面として凹部を有すると共に、該凹部の内壁面に前記一方の導体層から厚み方向に沿って延びたバリを、前記絶縁材により被覆してなる第1のセラミックパッケージを確実に製造することができる。
尚、前記積層および圧着工程は、前記一方および他方のグリーンシートを、これらに個別に形成された前記一対の導体層が形成されていない表面同士が面接触するようにして行われる。
また、前記第1貫通孔と第2貫通孔との内径の差は、前記延在部の厚みの約2倍である。そのため、該延在部の外側面と第1貫通孔の内壁面とは、ほぼ断面が連続し且つ面一となっている。
本発明による第1のセラミックパッケージの一形態を示す斜視図。 第1のセラミックパッケージの異なる形態を示す斜視図。 図1に示すセラミックパッケージの平面図。 (A)は図3中のA−A線に沿った矢視の垂直断面図、(B)は図3中のB−B線に沿った矢視の垂直断面図。 前記第1のセラミックパッケージの搭載状態を示す部分垂直断面図。 (A)、(B)は異なる形態の凹部付近を示す部分斜視図。 (A)は第2のセラミックパッケージを示す部分斜視図、(B)は(A)の前後方向に沿った垂直断面図。 (A)、(B)は図1に示したセラミックパッケージの製造工程を示す概略図。 (A)〜(D)は図8(B)に続く製造工程を示す概略図。 (A)〜(D)は図9(D)に続く製造工程を示す概略図。
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による第1のセラミックパッケージ(以下、単にパッケージと称する)の一形態であるパッケージ1aを示す斜視図、図3は、その平面図である。
かかるパッケージ1aは、図1に示すように、全体が箱形状のパッケージ本体2aと、該パッケージ本体2aにおける矩形枠状の表面3のほぼ全面に形成されたメタライズ層(導体層)10と、上記パッケージ本体2aの裏面(表面)4における四隅側に個別に形成された4つの接続端子(導体層)11と、前記表面3と裏面4との間に位置する4つの側面5のうち、隣接する側面5同士の間(コーナー部)ごとに位置する4つの凹部6と、を備えている。
前記パッケージ本体2aは、後述するアルミナなどからなる2層のセラミック層を積層してなり、図1,図3に示すように、平面視が矩形枠状の表面3と、底面視が長方形(矩形)状の裏面4と、これらの間に位置する4つの側面5と、隣接する2つの側面間のコーナー部ごとに位置し、且つ平面視が円弧形(4分の1円)状である4つの凹部6とを備えている。
また、図1,図3に示すように、上記パッケージ本体2aの表面3の中央側には、平面視が長方形(矩形)状の底面8と、該底面8と前記表面3との間に立設する4つの内面9とからなるキャビティ7が開口しており、上記底面8の左側には、一対の素子搭載端子15が形成されている。
更に、図1に示すように、前記凹部6ごとの内壁面における前記パッケージ本体2aの裏面4側には、前記接続端子11のコーナー部側から該パッケージ本体2aの厚み方向に沿って延びた断面が円弧形状の延在部12が位置している。
一方、かかる凹部6ごとの内壁面におけるパッケージ本体2aの表面3側には、前記メタライズ層10から該パッケージ本体2aの厚み方向に沿って後述するバリ(図示せず)が延びている。図1,図3に示すように、当該凹部6の内壁面の表面3側には、該バリを覆うように前記同様のアルミナからなる絶縁材14が形成されている。該絶縁材14は、平面視が円弧形状で且つ側面視が矩形状を呈する。
尚、前記メタライズ層10、接続端子11、延在部12、および素子搭載端子15は、例えば、主にタングステン(以下、Wと記する)、あるいは主にモリブデン(以下、Moと記する)からなる。
図2は、本発明による第1のパッケージの異なる形態であるパッケージ1bを示す斜視図である。
かかる第1のパッケージ1bは、図2に示すように、全体が平板状のパッケージ本体2b、該パッケージ本体2bにおける平坦な表面3の周辺部に沿って形成された前記同様のメタライズ層(導体層)10、前記表面3に形成された前記同様の一対の素子搭載端子15、前記同様の4つの接続端子(導体層)11、前記同様の4つの凹部6、該凹部6ごとの裏面4側に位置する前記同様の延在部12、および、前記凹部6ごとの表面4側に位置する前記同様の絶縁材14を備えている。
即ち、上記パッケージ1bは、前記パッケージ1aから前記キャビティ6を除いた平坦な表面3を有するパッケージ本体2bを有する点で前記パッケージ1aと相違するもので、平面視では図3とほぼ共通に示される。
図4(A),(B)で例示するように、前記パッケージ1aにおいて、平面視で対角位置にある2つの凹部6ごとの内壁面には、下端が前記接続端子11に接続され、且つ前記パッケージ本体2aの裏面4側から延び上がった延在部12と、上端が前記メタライズ層10に接続され、且つ前記パッケージ本体2aの表面3側から延びたバリ13とが位置している。図示のように、上記延在部12の上端部と、前記バリ13の先端部とは、凹部6の幅方向における何れかの位置で、比較的接近している場合がある。しかし、上記バリ13ごとの外側には、前記同様のアルミナからなる絶縁材14が被覆されている。その結果、かかるバリ13は、電気的に外部から遮蔽されている。
尚、図4(A),(B)に示すように、パッケージ本体2aは、アルミナからなるセラミック層c1,c2を一体に積層したものである。また、上層のセラミック層c2を平板状にすると、前記パッケージ1bのパッケージ本体2bとなる。
更に、図4(A)に示すように、前記接続端子11と素子搭載端子15とは、セラミック層c2を貫通するビア導体16を介して、導通可能とされている。
加えて、図4(B)に示すように、接続端子11と前記メタライズ層10とは、セラミック層c1,c2を個別に貫通するビア導体17と、セラミック層1c,c2間に位置する内部配線層18とを介して、互いに導通可能とされている。
上記ビア導体16,17、配線層18も、前記同様のWまたはMoからなる。
図5は、前記パッケージ1aを、プリント基板(マザーボード)40の表面上に搭載した状態を示す。
予め、前記一対の素子搭載端子15の上方に、水晶振動子などの電子部品(図示せず)を搭載した後、前記メタライズ層10の上面に、平板状の金属蓋(図示せず)をシーム溶接して、前記キャビティ7内を外部から気密封止してある。
上記プリント基板40の表面に形成された搭載用電極41の上に、例えば、溶けたAgロウ42を介して、前記パッケージ1aの接続端子11を配置する。この際、図示のように、上記Agロウ42の一部が前記凹部6の内壁面における裏面4側に位置する前記延在部12の表面に沿って上向きに濡れ上がって、上端側ほど断面が先細状となるフィレット部43が形成される。しかし、該フィレット部43は、前記絶縁材14により被覆されたバリ13に接触することができない。その結果、上記搭載時において、不用意な短絡を招くおそれが皆無にできる。
尚、上記のような作用と効果は、前記パッケージ1bについても同じである。
また、前記第1のパッケージ1a,1bにおいて、前記延在部12をそれぞれ省略した形態としても、前記同様の効果を奏することが可能である。
図6(A)は、異なる形態の凹部20の付近を示す第1のパッケージ1bの部分斜視図である。
上記パッケージ1bは、図6(A)に示すように、平板状の前記パッケージ本体2bにおける何れかの側面5に、該パッケージ本体2bの厚み方向に沿って、平面視が半円形状の凹部20が形成されている。かかる凹部20の内壁面における裏面4側には、該裏面4の一辺に接して形成された接続端子11に下端が接続した延在部22が位置し、該凹部20の内壁面における表面3側には、前記同様のメタライズ層10から延びたバリ13が垂下している。かかるバリ13は、前記同様のアルミナからなる絶縁材14によって覆われ、且つ外部から電気的に遮蔽されている。その結果、前記のようなプリント基板40の表面上に搭載する際においても、前記ロウ材42との間で不用意な短絡を生じる事態を確実に防止できる。
図6(B)は、更に異なる形態の凹部21の付近を示す第1のパッケージ1bの部分斜視図である。
上記パッケージ1bは、図6(B)に示すように、平板状の前記パッケージ本体2bにおける何れかの側面5に、該パッケージ本体2bの厚み方向に沿って、平面視が半長円形状の凹部21が形成されている。かかる凹部21の内壁面における裏面4側には、該裏面4の一辺に接して形成された接続端子11に下端が接続した延在部23が位置し、該凹部21の内壁面における表面3側には、前記同様のメタライズ層10から延びたバリ13が垂下している。かかるバリ13は、前記同様のアルミナからなる絶縁材14によって覆われ、且つ外部から電気的に遮蔽されている。その結果、前記のようなプリント基板40に搭載する際においても、前記ロウ材42との間で不用意な短絡を生じる事態を確実に防止できる。
尚、図6(A),(B)に示す前記パッケージ1bは、前記キャビティ7を備えた前記パッケージ本体2aを有する前記第1のパッケージ1aとしても良い。
また、前記凹部20,21の内壁面において、前記延在部22,23を省略した形態のパッケージ1a,1bとしても良い。
図7(A)は、本発明による第2のパッケージ1b(1a)を示す部分斜視図、図7(B)は、図7(A)中における前後方向に沿った垂直断面図である。
第2のパッケージ1bは、図7(A),(B)に示すように、セラミック層c1,c2からなる平板状のパッケージ本体2bと、該パッケージ本体2bの表面3に形成された前記同様のメタライズ層10と、当該パッケージ本体2bの裏面4の一辺に接して形成された接続端子11と、該接続端子11に下端が接続され且つ前記パッケージ本体2bの側面5の裏面4側に延び上がって形成された延在部24と、上記メタライズ層10の外周縁から側面5に垂下したバリ13と、を備えている。該バリ13は、例えば、多数個取り用の大版のセラミック体から個片化するため、上記メタライズ層10をナイフによって切断し、あるいは、レーザ照射によって分割溝を形成した際に、付随的に形成されたものである。
前記バリ13は、前記パッケージ本体2bの側面5における表面3側に沿って帯状に被覆された前記同様の絶縁材14により、外部と電気的に遮蔽されている。その結果、当該バリ13が、前記のようなプリント基板40に搭載する際においても、前記ロウ材42との間で不用意な短絡を生じる事態を確実に防止できる。
尚、図7(A),(B)に示す前記パッケージ1bは、前記キャビティ7を備えたパッケージ本体2aを有する第2の前記パッケージ1aとしても良い。
また、前記側面5における前記延在部24を省略した形態である第2のパッケージ1a,1bとしても良い。
以下において、第1の前記パッケージ1aの製造方法について説明する。
予め、アルミナ粉末、所定の樹脂バインダ、溶剤、可塑剤などを適量ずつ配合して、図示しないセラミックスラリを作製し、該スラリをドクターブレード法によりシート状に成形して、図8(A)に示すように、多数個取り用のサイズを有する2層のセラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートと記する)g1,g2を製作した。尚、図8(A)中の破線25は、複数の前記パッケージ本体2aとなる領域同士間を画定する仮想の境界面である(以下の図でも同じ)。
先ず、図8(B)の断面図および図8(b)の平面図で示すように、一方の上記グリーンシートg2の表面(上面)全体に、W粉末またはMo粉末を含む導電性ペーストを、スクリーン印刷することにより未焼成の導体層10を形成した。
次いで、図9(A)の断面図および図9(a)の平面図で示すように、一方の前記グリーンシートg2における平面視で縦横の境界面25が交差する位置ごとに対し、該グリーンシートg2の裏面(下面)側からポンチ(図示せず)を上昇させ、且つそれらの表面側に前記ポンチの先端部を受け入れる受入穴を有するダイ(図示せず)を配置して、断面が円形の第1貫通孔26を形成する打ち抜き工程を行った。
この際、図9(A)に示すように、一方の上記グリーンシートg2の表面上に位置する導体層10における第1貫通孔26ごとの開口部の周縁には、前記導体層10の一部からなり且つ上側に突出したバリ13が円環状にして形成された。
次に、図9(A),(a)に示すように、縦横の境界面25に囲まれた領域ごとの中央側に、前記同様の打ち抜き加工を施して、断面が長方形(矩形)状で且つ4つの内面9に囲まれた比較的大きな貫通孔7aを形成した。
更に、図9(B)に示すように、他方のグリーンシートg1における前記縦横の境界面25が交差する位置ごとに対し、前記同様の打ち抜き加工を施して、前記第1貫通孔26よりも大径の第2貫通孔27を形成した。併せて、縦横の境界面25に囲まれた領域ごとにおける所定の位置ごとにも、上記同様の打ち抜き加工を施して、比較的細径のビアホール28を形成した。
次いで、図9(C)に示すように、上記他方のグリーンシートg1における第2貫通孔27ごとの内壁面に、前記同様の導電性ペーストを負圧状態下での吸引印刷によって、全体が円筒形状を呈する未焼成の延在部12を形成した。併せて、前記ビアホール28の内側ごとに、上記同様の導電性ペーストをスキージ(図示せず)を用いて充填することにより、未焼成のビア導体16を形成した。
尚、前記グリーンシートg1,g2の適所には、上記未焼成のビア導体16の場合と同様の方法によって、未焼成の前記ビア導体17(図示せず)を形成した。
次に、図9(C)に示すように、前記他方のグリーンシートg1の裏面における前記縦横の境界面25が交差する位置付近ごとに、上記同様の導電性ペーストをスクリーン印刷して、底面視が長方形(矩形)状である未焼成の導体層11を形成した。かかる導体層11は、上記延在部12の下端およびビア導体16の下端と接続されていた。併せて、上記他方のグリーンシートg1の表面において、上記ビア導体16ごとの上端面が露出する位置付近ごとにも、上記同様の導電性ペーストをスクリーン印刷して、未焼成の素子搭載端子15を形成した。同様にして、前記ビア導体17の上端付近には、未焼成の内部配線層18(図示せず)を形成した。
更に、図9(D)中の白抜きの矢印で示すように、前記他方のグリーンシートg1の表面(上面)に、前記一方のグリーンシートg2の裏面(下面)が面接触し、且つ両者の境界面25が平面視で互いに重複するようにして、上記グリーンシートg1,g2を積層し且つそれらの厚み方向に沿って圧着した。
その結果、図10(A)に示すように、上記グリーンシートg1,g2が積層され、前記縦横の境界面25に囲まれた領域内ごとの中央側に、底面8と4つの内面9とからなるキャビティ7が形成され、且つ前記貫通孔26,27がそれぞれ同心で連通すると共に、かかる貫通孔26の内壁面と延在部12の表面とがほぼ面一状にして連続しているグリーンシート積層体30が得られた。
同時に、前記バリ13は、前記圧着工程において、図示しない押圧盤によって上方から下向きに押圧された結果、図示のように、貫通孔26ごとの内壁面に沿って垂れ下がるように折り返させられていた。
次に、図10(B)とその部分拡大図の図10(b)とに示すように、前記バリ13が内壁面に沿って位置している前記貫通孔26ごとの内壁面に対し、アルミナ粉末を含む絶縁性ペースト14を、前記同様の吸引印刷により塗布することで、上記バリ13を被覆し、且つ全体が円筒形状を呈する未焼成の絶縁材14を形成した。その結果、上記バリ13は、該絶縁材14により外部から遮蔽された。
次いで、上記のようなグリーンシート積層体30を、図示しない焼成炉内に挿入して、所要の焼成工程を行った。
その結果、図10(C)に示すように、前記グリーンシートg1,g2が焼成されて一体のセラミック層c1,c2となり、前記絶縁材14も焼成されると共に、前記導体層10が焼成されたメタライズ層10になり、前記導体層11が焼成された接続端子11になり、前記延在部12、バリ13、素子搭載端子15、およびビア導体16も、同時に焼成されたセラミック積層体32が得られた。
更に、前記のようなセラミック積層体32を、図示しないNiメッキ浴およびAuメッキ浴に順次浸漬して、外部に露出する前記メタライズ層10、接続端子11、延在部12、および素子搭載端子15の表面ごとに対し、電解Niメッキおよび電解Auメッキを順次施して、所要厚さのNi膜とAu皮膜(何れも図示せず)とを順次被覆した。この際、前記メタライズ層10をメッキ用配線の一部として活用しても良いし、予め、前記セラミック層c1,c2間に形成しておいた図示しないメッキ用配線を活用しても良い。
そして、以上のようなセラミック積層体32における前記縦横の境界面25に沿って、高速回転する丸形ブレードを移動させて個片化する分割工程を行った。
その結果、図10(D)に示すように、複数の前記第1のパッケージ1aを同時に得ることができた。該パッケージ1aごとのバリ13は、前記絶縁材14により外部から遮蔽されていた。
以上のような製造方法によれば、第1の前記パッケージ1aを確実に製造することができた。
尚、前記パッケージ1aは、追って、前記一対の素子搭載端子15の上方に、例えば、水晶振動子のような電子部品が搭載された後、前記メタライズ層10の上方に平板状の金属蓋をシーム溶接することにより、上記電子部品を外部から気密封止可能とされる。かかる気密封止が施されたパッケージ1aを、前記プリント基板(マザーボード)40に搭載する際に、前記Agロウ42が延在部12の表面に沿って濡れ上がった場合でも、該ロウ材42が前記バリ13に接触する事態を確実に阻止することができる。
また、前記導体層10が表面に形成された前記グリーンシートg2に前記貫通孔26を打ち抜く工程は、上記導体層10が形成された表面(上面)側からポンチを進入させても良く、同時に生じる前記バリ13を直に当該貫通孔26の内壁面に沿って垂下させた形態としても良い。
更に、前記貫通孔7aを打ち抜く工程を省略し、且つ前記導体層10を平面視にて複数の連続した井桁形状のパターンにスクリーン印刷することによって、第1の前記パッケージ1bを製造することもできる。
また、前記グリーンシートg1,g2において、平面視にて前記境界面25を跨いで断面が円形状または長円形状の貫通孔を形成した後、前記同様の各製造工程を施すことによって、前記凹部20,21および延在部22,23を有する第1の前記パッケージ1b(1a)を製造することも可能である。
加えて、前記圧着工程を施す前の前記グリーンシートg2に対して、未焼成の前記絶縁材14を形成することもできる。
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記パッケージ本体2a,2bは、単層のセラミック層からなる形態としたり、あるいは、3層以上のセラミック層を積層した形態としても良い。
また、前記セラミック層(c1,c2)は、前記アルミナに替えて、ムライトや窒化アルミニウムなどの高温焼成セラミックとしたり、あるいは、ガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックとしても良い。後者の場合、前記メタライズ層10や接続端子11などの導体には、例えば、AgまたはCuが適用される。
更に、平坦な前記表面3を含む前記パッケージ本体2bを有する第1の前記パッケージ1bの場合、素子搭載端子15上に所要の電子部品を搭載した後には、上記表面3の周辺部に沿って形成された前記メタライズ層10の上面に、下向きの開口する箱形状の金属蓋を直にシーム溶接して気密封止が施される。あるいは、上記メタライズ層10の上方にロウ付けされた矩形枠状の金属枠の上面に、平板状または上記同様の金属蓋をシーム溶接することにより気密封止を施しても良い。
また、前記延在部12,22,23の上端側は、前記セラミック層c1,c2間などに形成された内部配線層と電気的に接続されていても良い。
加えて、前記素子搭載端子15の上には、LEDなどの発光素子、半導体素子、SAWフィルタ、MPU、C−MOS、あるいはCCDなどの電子部品を搭載しても良い。
本発明によれば、セラミックからなり一対の表面と該一対の表面の間に4つの側面とを有するパッケージ本体と、前記一対の表面の少なくとも周辺部に形成された一対の導体層とを備え、何れか一方の導体層から上記パッケージ本体の側面、あるいは該側面に設けた凹部の内壁面に沿ってバリが延びていても、前述したような不用意なる短絡を皆無にできるセラミックパッケージを確実に提供することが可能となる。
1a,1b…………セラミックパッケージ
2a,2b…………パッケージ本体
3……………………表面
4……………………裏面(表面)
5……………………側面
6,20,21……凹部
10…………………メタライズ層(導体層)
11…………………接続端子(導体層)
12,22,23…延在部
13…………………バリ
14…………………絶縁材/絶縁性ペースト
26…………………第1貫通孔
27…………………第2貫通孔
c1,c2…………セラミック層
g1,g2…………グリーンシート

Claims (5)

  1. 単層のセラミック層または積層された複数のセラミック層からなり、平面視の外形が矩形状である一対の表面と、該一対の表面の間に位置する四つの側面と、を有するパッケージ本体と、
    上記一対の表面ごとの少なくとも周辺部に形成された一対の導体層と、
    上記パッケージ本体において隣接する2つの側面の間、あるいは一つの側面に位置し且つ該パッケージ本体の厚み方向に沿った凹部と、
    上記凹部の内壁面における上記厚み方向に沿い、且つ当該凹部の何れか一方の端部に隣接する上記一対の導体層の何れか一方から延びたバリと、を備えたセラミックパッケージであって、
    上記凹部の内壁面には、上記バリを覆う絶縁材が被覆されている、
    ことを特徴とするセラミックパッケージ。
  2. 単層のセラミック層または積層された複数のセラミック層からなり、平面視の外形が矩形状である一対の表面と、該一対の表面の間に位置する四つの側面と、を有するパッケージ本体と、
    上記一対の表面ごとの少なくとも周辺部に形成された一対の導体層と、
    上記パッケージ本体の側面において隣接する上記一対の導体層の何れか一方から延びたバリと、を備えたセラミックパッケージであって、
    上記一対の導体層に挟まれたパッケージ本体の側面には、上記バリを覆う絶縁材が被覆されている、
    ことを特徴とするセラミックパッケージ。
  3. 前記一対の導体層のうち、他方の導体層は、前記凹部の内壁面の厚み方向における途中の高さにまで延在した延在部を有し、かかる延在部は前記バリとは離間している、
    ことを特徴とする請求項1に記載のセラミックパッケージ。
  4. 単層のセラミック層または積層された複数のセラミック層からなり、平面視の外形が矩形状である一対の表面と、該一対の表面の間に位置する四つの側面と、を有するパッケージ本体と、前記一対の表面ごとの少なくとも周辺部に形成された一対の導体層と、前記パッケージ本体において隣接する2つの側面の間、あるいは1つの側面に位置し且つ該パッケージ本体の厚み方向に沿った凹部と、該凹部の内壁面における上記厚み方向に沿っており、且つ前記凹部の何れか一方の端部に隣接する上記一対の導体層の一方から延びたバリと、を備えたセラミックパッケージの製造方法であって、
    グリーンシートにおける一方の表面に導体層を形成する工程と、
    上記導体層が形成された上記グリーンシートに対する打ち抜き加工により、前記導体層および前記グリーンシートを貫通する第1貫通孔を形成する工程と、
    上記打ち抜き加工により形成され、且つ上記導体層から延びたバリと、上記第1貫通孔の内壁面とを絶縁性ペーストで被覆する工程と、を備えている、
    ことを特徴とするセラミックパッケージの製造方法。
  5. 2層のグリーンシートのうち、一方のグリーンシートに対し、前記第1貫通孔を形成する工程、および、前記絶縁性ペーストを被覆する工程を施し、
    他方のグリーンシートに対し、打ち抜き加工により上記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔を形成する工程、該第2貫通孔の内壁面と、該他方のグリーンシートにおける一方の表面とに対し、前記一対の導体層における他方の導体層を形成する工程とを施した後、
    上記一方および他方のグリーンシートを、積層し且つ圧着する工程を行う、
    ことを特徴とする請求項4に記載のセラミックパッケージの製造方法。
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