JP6321477B2 - 電子部品収納用パッケージ、パッケージ集合体および電子部品収納用パッケージの製造方法 - Google Patents

電子部品収納用パッケージ、パッケージ集合体および電子部品収納用パッケージの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電振動子や半導体素子等の電子部品を気密に収容するための電子部品収納用パッケージ、パッケージ集合体および電子部品収納用パッケージの製造方法に関するものである。
従来、圧電振動子や半導体素子等の電子部品を搭載するための電子部品収納用パッケージとして、一般に、セラミック焼結体等からなる絶縁基板に設けた電子部品の収容部を蓋体で塞いで気密封止するようにしたものが用いられている。このような電子部品収納用パッケージは、上面に電子部品の搭載部を有する平板状の下部絶縁層と、この下部絶縁層の上面に搭載部を取り囲んで積層された枠状の上部絶縁層とを有する絶縁基板と、絶縁基板(上部絶縁層)の上面に形成され蓋体の接合面となる枠状のメタライズ層と、搭載部から下部絶縁層の下面等にかけて形成された配線導体とにより基本的に構成されている。搭載部に電子部品が搭載され、電子部品の各電極が配線導体に電気的に接続された後、枠状のメタライズ層の上面に金属製の蓋体がろう材等を介して接合されて、絶縁基板と蓋体とからなる容器の内部に電子部品が気密に封止されて電子装置が製作される。
絶縁基板の上部絶縁層の内部には、上下方向に貫通導体が形成される場合がある。この場合、枠状のメタライズ層がこの貫通導体を介して配線導体に電気的に接続される。これにより、例えば電子部品に対するグランドの安定性やシールド性が高められる。
上記電子部品収納用パッケージはそのサイズが小さくなる傾向があり、それにともない枠状の上部絶縁層の幅も狭いものとなる傾向がある。枠状の上部絶縁層の幅が狭くなると、上部絶縁層の内部に貫通導体を形成した場合、貫通導体の外周部から上部絶縁層の内側面または外側面までの距離が極めて小さくなり、機械的強度の低下等に起因して上部絶縁層にクラックが発生して気密信頼性が低下する可能性が大きくなる。
このような問題に対しては、上部絶縁層の内側面に上端から下端にかけて溝部を形成し、この溝部内に枠状のメタライズ層と下部絶縁層の配線導体とを電気的に接続する導体を充填させて側面導体を形成する構造が提案されている。
なお、上部絶縁層の内側面の溝部および溝部内の導体は、絶縁基板となる平板状の未焼結のセラミック材料(セラミックグリーンシート等)に貫通孔を設け、この貫通孔内に導体用の金属ペーストを充填する工程を含む製造方法で形成される。このセラミックグリーンシートについて、貫通孔に充填した導体を縦方向に2分割するような範囲で打ち抜き加工(枠状に成形する加工)を行なえば、導体となる金属ペーストが充填された溝部を有す
る枠状のセラミックグリーンシートを作製することができる。この枠状のセラミックグリーンシートが、下部絶縁層となる平板状のセラミックグリーンシート上に積層された後に焼成されて、電子部品収納用パッケージが製作される。
特開2000−312060号公報
しかしながら、近年、電子部品収納用パッケージは、ますます小型化が図られてきている。これに伴い、以下のような問題が発生するようになってきた。
すなわち、枠状の上部絶縁層の内側面に形成する溝部の大きさが非常に小さいものとなるため、上部絶縁層となるセラミックグリーンシートに上記貫通孔および金属ペーストを分割するように打ち抜く加工を施す際に、打ち抜く範囲の位置ずれ等に起因して、溝部内に充填した金属ペーストが上部絶縁層の内側面の下端側で薄くなり過ぎる(先細りになってしまう)可能性がある。打ち抜き加工の際に打ち抜き終了面になる下端側で、上記先細りが発生しやすい。この場合には、側面導体の導電性の低下や断線が発生する可能性があった。
本発明の一つの態様の電子部品収納用パッケージは、電子部品を搭載するための搭載部を含む上面を有する下部絶縁層と、該下部絶縁層上に前記搭載部を囲んで積層された枠状の上部絶縁層とを有しており、前記上部絶縁層の内側面に該内側面の下端から上端にかけて溝部が形成された絶縁基板と、前記溝部内に設けられた側面導体とを備えており、前記溝部および該溝部内に設けられた前記側面導体の縦方向の断面視において、前記下部絶縁層の前記上面と前記溝部の内側面とのなす角度θ1が、前記上面と前記溝部内に設けられた前記側面導体の露出表面とのなす角度θ2よりも小さく、前記下部絶縁層の前記上面と前記溝部の内側面とのなす角度θ1、および前記上面と前記溝部内に設けられた前記側面導体の露出表面とのなす角度θ2が鋭角である
本発明の一つの態様のパッケージ集合体は、上記構成の電子部品収納用パッケージが、複数配列されて形成されている。
本発明の一つの態様の電子部品収納用パッケージの製造方法は、平板状の第1セラミックグリーンシートと、内側面を有する枠状であって、該内側面の下端から上端に延びる溝部を有する第2セラミックグリーンシートとを準備する工程と、前記溝部の内側面にメタライズペーストを塗布する工程と、前記第1セラミックグリーンシートの上面に、前記メタライズペーストを塗布した前記第2セラミックグリーンシートを積層して積層体を作製する工程とを備えており、前記第2セラミックグリーンシートを準備する工程において、前記積層体における前記第1セラミックグリーンシートの前記上面と前記第2セラミックグリーンシートの前記溝部の内側面とのなす角度θ1が、前記上面と前記溝部内に塗布した前記メタライズペーストの露出表面とのなす角度θ2よりも小さく、前記上面と前記第2セラミックグリーンシートの前記溝部の内側面とのなす角度θ1、および前記上面と前記溝部内に塗布した前記メタライズペーストの露出表面とのなす角度θ2が鋭角となるように前記溝部を形成る。
本発明の一つの態様の電子部品収納用パッケージによれば、電子部品を搭載するための搭載部を含む上面を有する下部絶縁層と、下部絶縁層上に搭載部を囲んで積層された枠状の上部絶縁層とを有しており、上部絶縁層の内側面に内側面の下端から上端にかけて溝部が形成された絶縁基板と、溝部内に設けられた側面導体とを備えており、溝部および溝部内に設けられた側面導体の縦方向の断面視において、下部絶縁層の上面と溝部の内側面とのなす角度θ1が、上面と溝部内に設けられた側面導体の露出表面とのなす角度θ2よりも小さく、下部絶縁層の上面と溝部の内側面とのなす角度θ1、および上面と溝部内に設けられた側面導体の露出表面とのなす角度θ2が鋭角である。そのため、側面導体の下端側において、側面導体の厚み(側面導体の露出した表面と、この表面の反対側の表面までの距離)を比較的大きくすることができる。つまり側面導体の先細りの可能性が低減される。したがって、側面導体の導電性の低下や断線の発生が抑制される。
また、本発明のパッケージ集合体によれば、上記構成の電子部品収納用パッケージが、複数配列されて形成されていることから、側面導体の電導性の低下や断線の発生が抑制された電子部品収納用パッケージを効率よく生産できる。
本発明の電子部品収納用パッケージの製造方法によれば、上記工程を有していることから、側面導体の導電性の低下や断線を抑制でき、グランドの安定性やシールド性を高めることが可能な電子部品収納用パッケージを製造することができる。
(a)は本発明の実施形態の電子部品収納用パッケージおよびパッケージ集合体を示す上面図であり、(b)は(a)のX−X’線における断面図である。 (a)は図1(a)の要部を示す拡大上面図であり、(b)は(a)のX−X’線における断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ本発明の他の実施形態の電子部品収納用パッケージおよびパッケージ集合体を示す要部拡大上面図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施形態の電子部品収納用パッケージの製造方法を工程順に示す断面図である。 (a)本発明の実施形態の電子部品収納用パッケージの製造方法で使用される治具の一例を示す上面図であり、(b)は(a)のA方向の側面図であり、(c)は(a)のB方向の側面図である。 (a)〜(d)は、図5に示す治具を使用してセラミックグリーンシートに孔加工を施す工程を説明するための模式図である。
本発明の電子部品収納用パッケージ等について、添付の図面を参照しつつ説明する。図1(a)は本発明の電子部品収納用パッケージおよびその集合体の実施の形態の一例を示す上面図であり、図1(b)は図1(a)のX−X’線における断面図である。母基板101にそれぞれが個片の電子部品収納用パッケージになる配線基板領域102が配列されてパッケージ集合体が形成されている。母基板101は、互いに積層された下部絶縁層103と枠状部を含む上部絶縁層104とを有している。上部絶縁層104は搭載部105を上面に有している。
下部絶縁層103と上部絶縁層104の枠状部とによって母基板101に凹部106が設けられている。上部絶縁層104は、その上面に枠状メタライズ層107を有し、その内側面に溝部108を有
している。溝部108内には側面導体109が配置されている。 母基板101には、配線基板領域102を個片に分割するための分割溝111が設けられている。また、配線基板領域102には、
搭載部105に搭載される電子部品(図示せず)と外部電気回路(図示せず)との導電路と
して、配線導体112、外部接続導体113が設けられている。また、この例では、配線基板領域102の角部分にキャスタレーション114が設けられ、搭載部105の上面に補助導体115が形成されている。
母基板101が個片に分割されたものが個々の電子部品収納用パッケージの絶縁基板であ
る。絶縁基板(符号なし)に含まれる下部絶縁層および上部絶縁層についても、母基板101の下部絶縁層103および上部絶縁層104と同様の符号を用いる。
複数の配線基板領域102が個片に分割されてなる電子部品収納用パッケージは、上面の
中央部に電子部品を搭載するための搭載部105を有する平板状の下部絶縁層103上に、枠状の上部絶縁層104が搭載部105を取り囲むように積層されてなる絶縁基板を含んでいる。下部絶縁層103の上面と上部絶縁層104の内側面とによって、電子部品を気密封止するための凹部106が絶縁基板の上面に形成されている。
下部絶縁層103および上部絶縁層104は、例えば酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム焼結体,ムライト質焼結体,ガラス−セラミック焼結体等のセラミック材料からなる。例えば同様のセラミック材料からなる下部絶縁層103と上部絶縁層104とが同時焼成されて、パッケージ集合体の母基板101(電子部品収納用パッケージの絶縁基板)が作製さ
れている。
絶縁基板は、例えば全体の外形が、平面視で一辺の長さが1.6〜10mm程度の長方形状
であり、厚みが0.3〜2mm程度の板状であり、上面に上記のような凹部106を有している
。なお、絶縁基板を構成する下部絶縁層103および上部絶縁層104は、それぞれ複数の絶縁層が積層されて構成されたものであってもよい。
ここで、電子装置がTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator、温度補償水晶発振器)等の複数の電子部品(図示せず)が凹部106内に収容されるようなもので
ある場合には、複数の電子部品が搭載される段状の搭載部(図示せず)を形成するために、上部絶縁層104が2層以上の絶縁層で構成される場合もある。
母基板101は、下部絶縁層103および上部絶縁層104がいずれも酸化アルミニウム質焼結
体からなる場合であれば、例えば次のようにして製作される。まず酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダや溶剤,可塑剤等を添加混合して泥漿状にするとともに、これを例えばドクターブレード法やロールカレンダー法等のシート成形法によりシート状となすことにより複数枚のセラミックグリーンシートを得る。次に一部のセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施して枠状に成形するとともに、枠状に成形していない平板状のセラミックグリーンシートの上に枠状のセラミックグリーンシートが位置するように上下に積層する。その後、その積層体を高温で焼成することにより母基板101が製作される。
搭載部105は、例えば四角板状の電子部品に合わせて四角形状である。図1の例では、
その隣り合う2つのコーナー部に一対の配線導体112が形成されている。この配線導体112は、搭載部105に搭載される水晶振動素子等の電子部品の電極(図示せず)を接続するた
めの接続導体として機能する。電子部品は、通常、その外形が四角形状で、その主面のコーナー部に接続用の一対の電極(図示せず)が形成されている。そのような電極の接続を容易かつ確実に行なえるようにするため、配線導体112は搭載部105のコーナー部に形成されている。
電子部品の各電極と配線導体112との接続は、導電性接着剤等の接合材(図示せず)を
介して行なわれる。すなわち、電子部品の主面のコーナー部に形成された電極が配線導体112に対向するように電子部品を搭載部105に位置決めして、あらかじめ配線導体112に被
着させておいた接合材を加熱して硬化させれば、電子部品の電極と配線導体112とが接続
される。
なお、配線導体112は、この実施の形態の例では電子部品として水晶振動素子を用いた
例を説明しているので上記のような位置に形成されているが、その他の電子部品(図示せず)を搭載する場合やその他の電子部品を複数搭載する場合であれば、その電子部品の電極の配置に応じて位置や形状を変えて形成してもよい。このような電子部品としては、例えば、セラミック圧電素子や弾性表面波素子等の圧電素子,半導体素子,容量素子,抵抗器等を挙げることができる。
配線導体112は、例えば、搭載部105またはその周辺から配線基板領域102の外表面にか
けて電気的に導出されている。配線導体112は、搭載部105に搭載される電子部品の各電極を外部の電気回路(図示せず)に電気的に接続するための導電路の一部として機能する。図1に示す例においては、配線導体112は搭載部105から下部絶縁層103に形成される貫通
導体(符号なし)を介して、配線基板領域102(下部絶縁層103)の下面に電気的に導出され、この下面に形成された外部接続導体113に電気的に接続されている。配線導体112と外部接続導体113との電気的な接続は、例えば上記貫通導体に加えて他の導体(図示せず)
を含む接続導体によって行なわれていてもよい。
また、配線基板領域102(上部絶縁層104)の上面には枠状メタライズ層107が被着され
ている。枠状メタライズ層107は、搭載部105を取り囲んでおり、この枠状メタライズ層10
7に蓋体110や金属枠体(図示せず)が接合される。そして、搭載部105に電子部品を搭載
し、電子部品の電極を導電性接着剤等の接合材で配線導体112に接続した後、枠状メタラ
イズ層107の上面に蓋体110を接合することにより、蓋体110と絶縁基板とからなる容器内
に電子部品が気密封止されて電子装置(水晶発振器等)となる。また、あらかじめ枠状メタライズ層107に金属枠体をロウ付けした後に、金属枠体上に蓋体110を接合してもよい。
枠状メタライズ層107は、蓋体110を絶縁基板にシーム溶接や電子ビーム溶接等の方法で接合するための金属部材として機能する。蓋体110は、例えば四角板状であり、鉄−ニッ
ケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属材料やセラミック材料からなり、ろう付け法や溶接法(例えばシーム溶接や電子ビーム溶接等)の接合法で下面の外周部が枠状メタライズ層107に接合される。なお、蓋体110がセラミック材料からなる場合は、ろう付け法や溶接法によって枠状メタライズ層107に接合できるようにするために、蓋体110の接合面となる領域に、メタライズ法やめっき法等の方法により接合用の金属層(図示せず)が形成される。
この枠状メタライズ層107は、後述する側面導体109等を介して配線導体112の一部(例
えば電子部品の接地用の電極が接続されるもの)と電気的に接続されていてもよい。この場合には、例えば接地用の導体面積を広くして、電子部品との接地電位をより安定させることができる。枠状メタライズ層107は、さらに外部接続導体113と電気的に接続されていてもよい。枠状メタライズ層107と外部接続導体113との電気的な接続は、例えば上記側面導体109に加えて、後述する補助導体115および下部絶縁層103に形成された貫通孔内に被
着されたキャスタレーション導体(図示せず)を介して行なわれる。
パッケージ集合体に含まれている複数の配線基板領域102同士は、母基板101内にそれぞれの配線導体112等が互いに電気的に接続されている。例えば、電子部品が搭載された個
片の電子部品収納用パッケージの外部接続導体113が、半田等を介して外部の電気回路に
接続されることにより、電子部品の電極が配線導体112,貫通導体および外部接続導体113を介して外部の電気回路に電気的に接続される。
配線導体112,枠状メタライズ層107および外部接続導体113等の導体部分は、例えば、
タングステンやモリブデン,マンガン,銅,銀等のメタライズ層からなる。このようなメタライズ層となる金属材料のペースト(金属ペースト)を、母基板101となるセラミック
グリーンシートに所定パターンに印刷しておき、各セラミックグリーンシートと同時焼成する方法で形成される。
これらの配線導体112,枠状メタライズ層107および外部接続導体113は、酸化腐食を防
止するとともに、配線導体112と電子部品の電極との接続や、外部接続導体113と外部の電気回路との接続をより容易で強固なものとするために、それらの露出した表面に1〜20μm程度の厚みのニッケルめっき層と0.1〜3.0μm程度の厚みの金めっき層とが順次被着されているのがよい。
上部絶縁層104の内側面に溝部108が設けられ、この溝部108内に前述した側面導体109が設けられている。側面導体109は、例えば上記配線導体112等と同様の金属材料からなり、同様の方法で形成されている。また、溝部108は、例えば上部絶縁層104となるセラミックグリーンシートを上記のように打ち抜き加工して枠状に成形する前に、打ち抜き予定の部分の外周に跨るように貫通孔を設けておくことによって形成することができる。このセラミックグリーンシートが上記打ち抜き予定の部分で打ち抜かれれば、貫通孔が縦方向に分断されて、枠状のセラミックグリーンシートの内側面に溝部108が形成される。この打ち
抜き加工の際に、上記貫通孔内に側面導体109となるメタライズペーストがあらかじめ充
填されていれば、側面導体109となるメタライズペーストが充填された溝部108が設けられ
る。
側面導体109は、その縦方向の断面視において、下部絶縁層103の上面と溝部108の内側
面とのなす角度(以下、溝部角度ともいう)θ1が、上面と溝部108内に設けられた側面
導体109の露出表面とのなす角度(以下、導体角度ともいう)θ2よりも小さい。
側面導体109は、上記溝部角度θ1と導体角度θ2との角度差のため、その厚み(側面
導体109の露出した表面と、この表面の反対側の表面までの距離)を下側ほど大きくする
ことが容易である。つまり側面導体109の先細りの可能性の低減が容易である。したがっ
て、側面導体109の導電性の低下や断線の発生が抑制される。
この実施形態では、例えば四角枠状である上部絶縁層104の上面のうちコーナー部に溝
部108および側面導体109が配置されている。また、コーナー部は、平面視においてその内周が円弧状に成形されている。言い換えれば、コーナー部において搭載部105側に上部絶
縁層104の上面が張り出している。この場合には、溝部108の存在に起因して上部絶縁層104の上面の幅が狭くなることを効果的に抑制する上でも有利である。
また、例えば、図2(a),(b)に示すように、上部絶縁層104の比較的幅が広い部
分に溝部108が形成されている場合には、側面導体109の下側の厚みを比較的大きくすることもより容易である。すなわち、この場合には、平面視で円弧状の側面導体109のうち搭
載部105側を除く比較的広い領域(円弧状の側面導体109の外周を延長した仮想の円周の3/4程度の領域)において厚くすることができる。なお、図2(a),(b)は、本発明の電子部品収納用パッケージの効果を説明するための模式図であり、図1(a),(b)の要部拡大図である。図2において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
また、図2(a)で示すように、上部絶縁層104のコーナー部の内周を平面視で円弧状
とし、この円弧状の部分(つまり平面視で上部絶縁層104の内側面が搭載部105側に湾曲した部分)を含む部位に溝部108を形成したとき、次のようにしてもよい。すなわち、溝部108の上端では、その両端が、上記円弧状の部分に位置するとともに、溝部108の下端面に
おいては、溝部108の両端が、上記円弧状の部分に隣接している直線状の内側面部分に接
するようにしてもよい。
このような構造とした場合には、溝部108内に設けられた側面導体109は、凹部106とな
る開口部を打ち抜く範囲の位置ずれ等が発生した際に、側面導体109となる金属ペースト
が上部絶縁層104の内側面の下端側で先細りすることがさらに効果的に抑制される。
つまり、上部絶縁層104のコーナー部が平面視で円弧状であるときに、この円弧状の部
分(つまり平面視で上部絶縁層104の内側面が搭載部105側に湾曲した部分)に溝部108の
両端が接するため、仮にコーナー部が直角状である場合に比べて、溝部108の内側面と側
面導体109の露出表面との接する角度を大きくすることが容易である。
このような溝部108にメタライズペーストが充填されているため、溝部108の両端において、平面視で、溝部108の内側面と側面導体109の露出表面との角度が比較的大きくなり、側面導体109の両端における厚みを厚くした構造を容易に形成することができる。なお、
側面導体109の下端においては、上述のように拡がるように形成されるため、側面導体109が先細りする可能性はさらに小さくなる。
また、このように溝部108および側面導体109が形成されていれば、両者の接合面積がより大きくなることから、側面導体109と溝部108の内側面(つまり上部絶縁層104)との接
合強度がさらに向上する。
したがって、例えば蓋体110を枠状メタライズ層107に接合する際や、電子装置を外部の電気回路(回路基板等)(図示せず)へ半田付けする際の加熱工程等において生じる熱応力等の応力で溝部108の内側面から側面導体109が剥離することも、より効果的に抑制することができる。
上部絶縁層104の内側面のコーナー部を円弧状に形成するには、セラミックグリーンシ
ートを枠状に打ち抜き加工する際に、打ち抜いた部分の内側面が円弧状となるようにして、打ち抜き用の金型を作製すればよい。
なお、溝部108および側面導体109は、例えば前述した方法で形成することができるが、この際に、溝部108となる貫通孔に側面導体109となるメタライズペーストを充填する際に吸引法や圧入法を採用して充填することが好ましい。これは、打ち抜き加工によって形成されるセラミックグリーンシートの貫通孔の内側面は、ささくれにより凹凸が形成されているためである。このように吸引法や圧入法を採用して充填することにより、このメタライズペーストの充填が妨げられやすい凹凸部分にもメタライズペーストをより容易に充填できる。そのため、例えば側面導体109の溝部108内側面に対する接合強度の点でもより有利である。
溝部108は、上記打ち抜き加工等による形成の際の作業性や、側面導体109(メタライズペースト等)の充填を容易とする上では、円弧状であることが好ましい。同様に、凹部106の四隅も円弧状であることが好ましい。
また、下部絶縁層103の上面と溝部108の内側面とのなす角度(溝部角度)θ1は、平面視における上部絶縁層104の内側面の開口の中央部(以下、単に中央部ともいう)から上
部絶縁層104の外周までの距離が大きいほど、小さくてもよい。このような形態の一例を
、図3に示した。図3(a)〜(c)は、それぞれ本発明の他の実施形態の電子部品収納用パッケージおよびパッケージ集合体を示す要部拡大上面図である。
図3(a)の例では、溝部108の上端から下端までの距離が、溝部108の内側面の全周においてほぼ同じである。つまり、溝部角度(図3では図示せず)が、溝部108の内側面の
全周においてほぼ同じである。この場合にも、側面導体109の導電性の確保は、上記の各
例と同様に可能である。ただし、この場合には、上部絶縁層104の幅が下面側で狭くなる
傾向があり、これにより上部絶縁層104としての剛性が低下する可能性はある。
これに対して、図3(b)の例では、その様な可能性も低減されている。この例では、溝部108の上端から下端までの距離が、平面視における側面導体109の中央部から上部絶縁層104の外周までの距離が大きい部分ほど小さい。つまり、溝部角度(図3では図示せず
)が、側面導体109の中央部から上部絶縁層104までの距離が大きい部分ほど小さい。言い換えれば、側面導体109は、その幅方向の両端部における厚みが、中央部における厚みに
比べて大きい。また、その傾向は側面導体109の下端側ほど大きい。この場合、個片の電
子部品収納用パッケージとして見たときに、溝部108の内側面から上部絶縁層104の外側面までの距離を大きくしやすい部分において、上記の距離が大きくされているとみなすこともできる。つまり、上部絶縁層104の下面における枠部としての幅が上部絶縁層104の外側面に近い方向に狭くなりにくい構造となっている。また、側面導体109となる金属ペース
トの厚みも比較的大きくすることができる部分が増える。そのため、上部絶縁層104の剛
性が低下する可能性が低減されている。さらに、この場合には、側面導体109の厚みが比
較的大きいため、側面導体109がその下端側で先細りになる可能性がさらに低減される。
図3の各例では、側面導体109と下部絶縁層103に形成される接続導体との接続を良好な
ものとするために、補助導体115が形成されている。これにより、上部絶縁層104と下部絶縁層103との積層時のずれが発生したとしても、側面導体109と接続導体との良好な接続を保つことができる。補助導体115は、半円状や楕円状であってもかまわないが、本実施形
態のように長方形状として必要最小限の面積として形成すれば、枠状メタライズ層107に
銀ろう等の封止材により蓋体110を接合する際に、側面導体109を経由して封止材が流れ出しても封止材が搭載部105の中央側に拡がる可能性を低減できる。
補助導体115は、図3で示されている形状以外の形状(例えば半円状や楕円状)であっ
てもかまわないが、例えば図3(c)で示された実施形態のように湾曲した線状(いわゆる三日月状)としておけば、次のような効果がある。すなわち、この場合には、補助導体115の面積が必要最小限に抑えられるため、枠状メタライズ層107に銀ろう等の封止材により蓋体110を接合する際に、コーナー部に形成された側面導体109および補助導体115を経
由して封止材が搭載部105の中央側に拡がる可能性が低減される。これにより、例えば封
止材によって側面導体109と配線導体112との間、または配線導体112同士の間の電気絶縁
性が低下するような可能性が低減される。
言い換えれば、補助導体115の搭載部105側の外周が側面導体109の露出表面に沿った形
状となっている場合には、電子部品収納用パッケージおよびパッケージ集合体としての電気的な信頼性がさらに向上する。このような構造とした場合には、側面導体109と下部絶
縁層103に形成されている他の導体との接続を良好なものとする補助導体115について、その搭載部105への露出面積を必要最小限とすることができる。これにより、上記のように
封止材が搭載部105の中央側に拡がる可能性が低減される。したがって、電子部品収納用
パッケージおよびパッケージ集合体としての電気的な信頼性がさらに向上する。
例えば、図2,図3の各例のように、補助導体115が長方形状や三日月状であれば、側
面導体109を経由して封止材が流れ出しても封止材が搭載部105の中央側に拡がる可能性が低減される。補助導体115の形状は、これらの形状に限らず本発明の趣旨を意味するもの
であれば、その他の形状でもかまわない。例えばコーナー部の露出面において、三日月状ではなくL字状であっても構わない。
なお、補助導体115は上記のように他の導体に接続されるが、側面導体109の下端(下面)から上記他の導体にかけて、上部絶縁層104と下部絶縁層103の層間において互いに接続されるようなパターンであれば、露出している搭載部105においては補助導体115と他の導体とが直接に接続されない構造となる。そのため、側面導体109を経由して封止材が補助
導体115から他の導体にかけて拡がることがない。これにより、封止材が搭載部105の中央側に拡がる可能性がさらに低減されるという効果がある。よって、封止材の搭載部105側
への拡がりにより、搭載される電子部品への接触や短絡等が抑制されて、信頼性に優れた電子装置を作製することが可能な電子部品収納用パッケージおよびパッケージ集合体を実現できる。
前述したように、複数個の実施形態の電子部品収納用パッケージが互いに平面上に配列されたものがパッケージ集合体である。すなわち、実施形態のパッケージ集合体が個片に分割されて、複数個の電子部品収納用パッケージが製作される。このようなパッケージ集合体によれば、個片の電子部品収納用パッケージの場合と同様に、側面導体109となるメ
タライズペーストが上部絶縁層104の内側面の下端側で先細りになりにくい。そのため、
側面導体109の導電性の低下や断線の発生が抑制された配線基板領域102(電子部品収納用パッケージ)を含むパッケージ集合体を製造することができる。
図1では、溝部108を上部絶縁層104の内側面のうちコーナー部に1箇所設けた例を示したが、例えば図3(a)および(b)のように溝部108を上部絶縁層104の内側面のうち辺
の部分に設けてもよい。また、これらの溝部108を一つの辺に複数設けたり、これらの溝
部108を組み合わせてコーナー部や辺に複数設けてもよい。このように、溝部108を複数設けてその溝部108内に側面導体109を複数設ける場合には、グランドの安定性やシールド性をより効果的に高めることが可能な電子部品収納用パッケージ(およびパッケージ集合体)を提供することができる。
実施形態の電子部品収納用パッケージの製造方法について、図4〜図6を参照して説明する。この製造方法は、以下の各工程を含んでいる。すなわち、平板状の第1セラミックグリーンシート(下部絶縁層103となるもの)と、内側面を有する枠状であって、内側面
の下端から上端に延びる溝部108を有する第2セラミックグリーンシート(上部絶縁層104となるもの)とを準備する工程と、溝部108の内側面にメタライズペーストを塗布する工
程。および、第1セラミックグリーンシートの上面に、メタライズペーストを塗布した第2セラミックグリーンシートを積層して積層体を作製する工程である。また、第2セラミックグリーンシートを準備する工程において、積層体における第1セラミックグリーンシートの上面と第2セラミックグリーンシートの溝部108の内側面とのなす角度θ1が、上
面と溝部108内に塗布したメタライズペーストの露出表面とのなす角度θ2よりも小さく
する。
このような製造方法によれば、上記工程を有していることから、側面導体109の導電性
の低下や断線を抑制でき、グランドの安定性やシールド性を高めることが可能な電子部品収納用パッケージを製造することができる。
このような工程について、図4(a)〜(e)で詳細に説明する。まずはじめに、図4(a)のように平板状の第1セラミックグリーンシート(図4(a)では図示せず)および第2セラミックグリーンシートを準備する。次に、図4(b)のように、第セラミックグリーンシートの所定の位置に溝部108となる貫通孔(符号なし)をパンチング(金型
を用いた機械的な加工)により形成する。貫通孔は、その内側面が水平方向に対して角度θ1(上記溝部角度に相当)で傾斜するように打ち抜き加工して形成する。この角度θ1の調整方法については後述する。
次に、図4(c)のように、第セラミックグリーンシートを上下ひっくり返した後、その上に埋め込み治具を載置する。埋め込み治具は、例えば金属板からなり、メタライズペーストを局所的に吸引するための複数の孔が形成されている。その後、例えば、スクリーン印刷法より、貫通孔内にメタライズペーストを充填する。ここで、充填方法は、スクリーン印刷法に限定されず、吸引法や圧入法などを採用してもよい。
次に、図4(d)のように、貫通孔内にメタライズペーストを充填した第セラミックグリーンシートに凹部106となる開口部(符号なし)を形成する。開口部の形成は、第
セラミックグリーンシートの凹部106となる領域に沿って打ち抜き加工を施して穿孔する
ことによって行なう。このとき、第セラミックグリーンシートの貫通孔部分、および貫通孔内に充填されたメタライズペーストが同時に打ち抜かれて、貫通孔(溝部108)内に
メタライズペーストが充填されてなる、平面視で三日月状または半円状等の側面導体109
(未焼成)が形成される。この打ち抜き時に、メタライズペーストの露出表面の水平方向に対する角度が上記導体角度θ2になるように設定する。
そして、図4(e)のように、穿孔されて溝部108内に側面導体109が設けられた第セラミックグリーンシートを、平板状の第セラミックグリーンシート上に積層して、積層体(符号なし)を形成する。 なお、前の工程で貫通孔を形成する際、および開口部を形成する際には、この積層体において溝部角度θ1が、導体角度θ2よりも小さくなるようにしておく。溝部角度θ1および導体角度θ2は、例えば、凹部106となる開口部、およ
び溝部108となる貫通孔を形成するための上パンチ(上記金型の実際の打ち抜き開始部分
)(図示せず)と、その上パンチが入り込む孔(上パンチの下方に配置されて、上面にセラミックグリーンシートが載置される金型に設けられたもの)とのクリアランスの大きさによって調整することができる。このクリアランスが大きいほど、溝部角度θ1および導体角度θ2をより小さくすることができる。詳細には次の通りである。第2セラミックグリーンシートの上面では接する上パンチの面積でセラミックシートの打ち抜きが開始され、第セラミックグリーンシートの下面では上パンチの面積よりも打ち抜き面積が広くなる。すなわち、孔を有する金型(図示せず)上に第セラミックグリーンシートを載置して、その金型の孔に上パンチが侵入するように加圧することより、上パンチの周縁と金型の孔との間にせん断力が生じる。このせん断力で第セラミックグリーンシートに穿孔される貫通孔および開口部の内側面を所望の傾斜角度に調整することができる。つまり、貫通孔を形成するときよりも、開口部を形成するときの方がクリアランスが小さくなるように設定すればよい。
例えば、未だ貫通孔や開口部を形成していない平板状の第2セラミックグリーンシートに対して、溝部角度θ1が70〜80度程度の角度で外側に拡がる貫通孔(溝部108)を形成
しておき、さらに、導体角度θ2が75〜85度程度の角度で外側に拡がる凹部106が形成さ
れるように、第2セラミックグリーンシートに開口部を形成すればよい。なお、この場合溝部角度θ1よりも導体角度θ2が大きくなるように設定する。このような製造方法により、側面導体109の導電性の低下や断線が抑制された電子部品収納用パッケージを製造す
ることができる。
なお、側面導体109となる金属ペーストが上部絶縁層104の内側面の下端側で先細りになりにくい構造とするためには、溝部角度θ1と導体角度θ2との差を5度以上とする方がよい。
さらに、溝部108や側面導体109の内側面における傾斜角度は、第セラミックグリーンシートの厚みに影響されて小さくなる傾向があることから、第セラミックグリーンシートが薄いほど傾斜角度が小さくなる。よって、第セラミックグリーンシートの厚みが例えば約100μm以下と薄い場合、θ1とθ2の角度の差を10度以上とする方がよい。これ
により、第セラミックグリーンシート(上部絶縁層104)の厚みが薄くても、側面導体109の厚みが溝部108の下端側で比較的大きく形成される。そのため、小型・薄型の電子部
品収納用パッケージにおいても、より効果的に側面導体109の導電性の低下や断線の発生
が抑制される。
また、図3の(b)および(c)のような側面導体109を形成するためには、例えば、
図5(a)〜(c)に示すような上パンチ201を用いてもよい。図5(a)は実施形態の
製造方法で使用する上パンチの一例を上側(先端の刃先と反対側)から見た上面図であり、図5(b)は図5(a)のA方向から見た側面図、図5(c)は図5(a)をB方向から見た側面図である。この上パンチ201は、上面視で円形状となっており、先端部204が二股に分かれている。そして、先端部204の互いに反対側に位置する端部分にはそれぞれ湾
曲刃202が設けられている。それぞれの湾曲刃202の間には凹み部203が形成されている。
湾曲刃202は、先端ほど幅が狭く、凹み部203に近づくほど幅が広い。
次に、このような上パンチ201を用いた第2セラミックグリーンシートの穿孔方法につ
いて、図6(a)〜(d)により詳細に説明する。図6(a)は、上パンチ201で第2セ
ラミックグリーンシートに開口部または貫通孔を穿孔する工程をA方向から見た状態示す側面透視図であり、図6(b)はその工程の上面図である。また、図6(c)は、上記工程をB方向から見た側面透視図であり、図6(d)はその工程の上面図である。第2セラミックグリーンシート(上部絶縁層104)の所定の位置に溝部108となる貫通孔をパンチン
グ(上パンチ201を用いた打ち抜き加工)により形成する。パンチングの際には、孔部分
を有する金型(図示せず)上にセラミックグリーンシートを載せる。このとき、金型の孔部分と上パンチとがセラミックグリーンシートの所定の打ち抜き部分を挟んで互いに向かい合うように位置合わせする。
実際のパンチング工程においては、湾曲刃202の先端部204が尖っており、初めにこの2つの湾曲刃202の先端部204が第2セラミックグリーンシートの打ち抜き開始面205の2箇
所に接触する。第2セラミックグリーンシートに接触した湾曲刃202の先端は、第2セラ
ミックグリーンシートを切り裂きながら、第2セラミックグリーンシートの内部に入り込んでいく。さらに、湾曲刃202の先端部204から凹み部203にかけて第2セラミックグリー
ンシートを切り裂きながら上パンチ201が第2セラミックグリーンシートの内部に入り込
んでいく。この時点では、未だ上パンチ201の凹み部203における周縁と金型(図示せず)の孔との間に剪断力が生じ難い状態である。
そして、上パンチ201の凹み部203が第2セラミックグリーンシートに達すると、上パンチ201の上記周縁と金型の孔との間に剪断力が生じ始め、最終的には第2セラミックグリ
ーンシートに図示したような楕円状の貫通孔が形成される。貫通孔の湾曲刃202が接触す
る内側面は切り込まれるため、結果的に内側面の傾斜が生じにくいものとなる。一方で、湾曲刃202から離間して上パンチ201と接触する貫通孔の領域は、上パンチ201と金型の孔
とのクリアランスによる上パンチ201の周縁と金型の孔との間に生じる剪断力により、適
度に内側面の傾斜が生じるため、このように打ち抜き開始面205が円形状になり、打ち抜
き終了面206が楕円状の貫通孔が形成される。
金型を用いた打ち抜き加工によって第セラミックグリーンシートに貫通孔を形成する場合、その貫通孔の径は80〜200μm程度であり、上記の方法であれば、小さな開口の貫
通孔から形成される溝部108であっても、内側面の傾斜が漸次変化した貫通孔を安定して
形成でき、この貫通孔にメタライズペーストを充填して、溝部108にこのような側面導体109を容易に形成することができる。なお、溝部108となる貫通孔を形成するための方法は
パンチを用いた方法に限定されず、例えばレーザーやドリル加工により貫通孔を形成してもよい。
なお、側面導体109となるメタライズペーストは、溝部108となる上記セラミックグリーンシートの貫通孔の内側面に層状に塗布して形成してもよい。この場合も、例えば開口部を形成する打ち抜き加工時に金型のクリアランスを調整する方法で、溝部角度θ1よりも導体角度θ2の方が大きくなるように調整することができる。ただし、このような調整が可能な程度の印刷厚みでメタライズペーストを塗布する必要はある。
また、溝部108および側面導体109は、先に上部絶縁層104となる枠状のセラミックグリ
ーンシートを作製して、その内側面に溝部108を機械的な研削加工等で形成し、その内側
面に側面導体109となるメタライズペーストを塗布することで形成してもよい。この場合
、研削および塗布時に、溝部角度θ1および導体角度θ2が所定の角度になるように調整する。
近年、温度環境ストレスが繰り返し継続して作用したときの信頼性(温度サイクル)、いわゆる耐環境性能の向上が要求されている。このような要求に対して、本発明の製造方法で製作した電子部品収納用パッケージは、側面導体109の導電性の低下や断線が抑制さ
れるとともに、側面導体109のえぐれや剥離も抑制する効果がある。
なお、本発明は上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の一例では、配線基板領域102の形状を長辺と短辺が異なる長方形状としたが、正方形状としてもよい
。また、配線基板領域102を2層の絶縁層(下部絶縁層103,および上部絶縁層104)から
構成したが、電子部品の収容形態に合わせて3層以上の絶縁層から構成してもよい。また、配線導体112は搭載部105のコーナー部の2箇所に形成したが、電子部品の端子数にあわせて3箇所以上に形成してもよい。また、枠状メタライズ層107の上面に蓋体110をシーム溶接で接合するために、四角枠状の鉄−ニッケル−コバルト合金金属からなる金属枠体(図示せず)をろう材により接合してもよい。
101・・・母基板
102・・・配線基板領域
103・・・下部絶縁層
104・・・上部絶縁層
105・・・搭載部
106・・・凹部
107・・・枠状メタライズ層
108・・・溝部
109・・・側面導体
110・・・蓋体
111・・・分割溝
112・・・配線導体
113・・・外部接続導体
114・・・キャスタレーション
115・・・補助導体
θ1・・・部絶縁層の上面と溝部の内側面とのなす角度
θ2・・・部絶縁層の上面と側面導体の露出表面とのなす角度
201・・・上パンチ
202・・・湾曲刃
203・・・凹み部
204・・・湾曲刃の先端部
205・・・打ち抜き開始面
206・・・打ち抜き終了面

Claims (6)

  1. 電子部品を搭載するための搭載部を含む上面を有する下部絶縁層と、該下部絶縁層上に前記搭載部を囲んで積層された枠状の上部絶縁層とを有しており、前記上部絶縁層の内側面に該内側面の下端から上端にかけて溝部が形成された絶縁基板と、
    前記溝部内に設けられた側面導体とを備えており、
    前記溝部および該溝部内に設けられた前記側面導体の縦方向の断面視において、前記下部絶縁層の前記上面と前記溝部の内側面とのなす角度θ1が、前記上面と前記溝部内に設けられた前記側面導体の露出表面とのなす角度θ2よりも小さく、
    前記下部絶縁層の前記上面と前記溝部の内側面とのなす角度θ1、および前記上面と前記溝部内に設けられた前記側面導体の露出表面とのなす角度θ2が鋭角であることを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
  2. 前記下部絶縁層の上面と前記溝部の内側面とのなす角度θ1は、平面視における前記上部絶縁層の内側面の開口の中央部から前記上部絶縁層の外周までの距離が大きい部分ほど、小さいことを特徴とする請求項1に記載の電子部品収納用パッケージ。
  3. 前記上部絶縁層が上面視で四角枠状であり、前記溝部は、前記上部絶縁層のコーナー部に位置していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品収納用パッケージ。
  4. 前記下部絶縁層の前記上面に、前記側面導体の下端と直接に接続されて設けられた補助導体をさらに備えており、
    該補助導体の前記搭載部側の外周が前記側面導体の前記露出表面に沿った形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品収納用パッケージ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子部品収納用パッケージが、複数配列されて一体化されていることを特徴とするパッケージ集合体。
  6. 平板状の第1セラミックグリーンシートと、内側面を有する枠状であって、該内側面の下端から上端に延びる溝部を有する第2セラミックグリーンシートとを準備する工程と、
    前記溝部の内側面にメタライズペーストを塗布する工程と、
    前記第1セラミックグリーンシートの上面に、前記メタライズペーストを塗布した前記第2セラミックグリーンシートを積層して積層体を作製する工程とを備えており、
    前記第2セラミックグリーンシートを準備する工程において、前記積層体における前記第
    1セラミックグリーンシートの前記上面と前記第2セラミックグリーンシートの前記溝部の内側面とのなす角度θ1が、前記上面と前記溝部内に塗布した前記メタライズペーストの露出表面とのなす角度θ2よりも小さく、前記上面と前記第2セラミックグリーンシートの前記溝部の内側面とのなす角度θ1、および前記上面と前記溝部内に塗布した前記メタライズペーストの露出表面とのなす角度θ2が鋭角となるように前記溝部を形成することを特徴とする電子部品収納用パッケージの製造方法。
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