JP2016217381A - トルクリミッタ - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性体が軸線方向に移動することを抑制できるトルクリミッタを提供する。
【解決手段】
孔20Bが形成されたハウジング14と、ハウジング14の孔20Bに配置され、軸線A1を中心としてハウジング14に対して回転可能に設けられたシャフト15とを有し、ハウジング14とシャフト15との間で伝達されるトルクを制限できるトルクリミッタ10であって、孔20Bに配置されてハウジング14により支持されるヒス材16と、ヒス材16に対して軸線A1方向で異なる位置に設けられた端部16D,16Eと、ハウジング14に設けられ、かつ、端部16Eに接触してヒス材16が軸線A1方向に移動することを防止するフランジ21と、ハウジング14に設けられ、かつ、端部16Dに接触してヒス材16が軸線A1方向に移動することを防止するストッパ25と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、第1部材と第2部材との間で伝達されるトルクを制限するトルクリミッタに関する。
従来、トルクリミッタとしては、摩擦力を利用した機械式のトルクリミッタと、磁気吸引力を利用したマグネット式のトルクリミッタと、が知られている。マグネット式のトルクリミッタの例が、特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載されたトルクリミッタは、プリンタの給紙機構に用いられる。このトルクリミッタは、第1部材としてのハウジングと、第2部材としてのキャップと、ハウジングに取り付けられるマグネットと、キャップに取り付けられるヒス材と、を有する。ハウジングとキャップとは、軸線を中心として相対回転可能に設けられている。ハウジングは合成樹脂製であり、ハウジングは、内側円筒部と、内側円筒部の外周面から径方向に延ばされた円形の第1側壁部と、第1側壁部に連続され、かつ、径方向で内側円筒部よりも外側に配置された外側円筒部と、第1側壁部に連続され、かつ、第2側壁部から外側円筒部とは逆向きに延ばされた第1円筒壁部と、を有する。
マグネットは、内側円筒部の外周面に対して接着剤を用いて固定される。キャップは合成樹脂製であり、キャップは、スリーブ部と、スリーブ部に連続し、かつ、径方向で外側に向けて延ばされた円形の第2側壁部と、第2側壁部に連続して設けられ、かつ、径方向で内側円筒部よりも外側に配置された第2円筒壁部と、を有する。スリーブ部は、内側円筒部内へ挿入され、ハウジングとキャップとは相対回転が可能である。ヒス材は、強磁性体である金属板を円筒状に丸めたものであり、ヒス材は第2円筒壁部の内周面に取り付けられている。ヒス材は、径方向でマグネットの外側に配置されている。
トルクリミッタは、ハウジングが回転すると、ハウジングのトルクを、ヒス材とマグネットとの間に形成される磁気吸引力でキャップに伝達する。ハウジングのトルクが所定値以下、つまり、トルク容量以下である場合は、ハウジングとキャップとが一体回転する。これに対して、ハウジングのトルクが所定値を超えた場合は、ヒス材とマグネットとが互いにスリップし、かつ、ハウジングのトルクがキャップに伝達される。つまり、トルクリミッタは、ハウジングの回転数とキャップの回転数とに差が生じ、ハウジングからキャップに伝達するトルクを制限する。
特開2004−239357号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載されたトルクリミッタは、ヒス材が、キャップに対して軸線方向に移動する可能性があった。
本発明の目的は、磁性体が第1部材に対して軸線方向に移動することを抑制できるトルクリミッタを提供することにある。
本発明は、第1の孔が形成された第1部材と、前記第1部材の前記第1の孔に配置され、軸線を中心として前記第1部材に対して回転可能に設けられた第2部材とを有し、前記第1部材と前記第2部材との間で伝達されるトルクを制限できるトルクリミッタであって、前記第1の孔に配置されて前記第1部材により支持される磁性体と、前記磁性体に対して前記軸線方向で異なる位置に設けられた第1接触部及び第2接触部と、前記第1部材に設けられ、かつ、前記第1接触部に接触して前記磁性体が前記軸線方向に移動することを防止する第1ストッパと、前記第1部材に設けられ、かつ、前記第2接触部に接触して前記磁性体が前記軸線方向に移動することを防止する第2ストッパと、を有する。
本発明は、前記第2部材と共に一体回転するマグネットを有し、前記マグネットと前記磁性体との間に形成される磁気吸引力により、前記第1部材と前記2部材との間でトルクが伝達される。
本発明は、前記軸線を中心とする径方向で、前記第2ストッパの内径は、前記磁性体の外径よりも小さい。
本発明における前記磁性体は、前記第1の孔の内周面へ圧入されて前記第1部材に固定されている。
本発明は、前記磁性体に形成した第2の孔と、前記第2の孔の内周面に固定され、かつ、前記軸線方向に間隔をおいて配置された複数の軸受と、が設けられ、前記第2部材は、前記複数の軸受により回転可能に支持されている。
本発明における前記複数の軸受は、前記第2の孔の内周面に固定される固定部と、前記第2部材を回転可能に支持する支持部と、をそれぞれ有し、前記軸線方向で、前記固定部の長さは前記支持部の長さよりも小さい。
本発明は、前記軸線を中心とする径方向で、前記第2ストッパの内径は、前記複数の軸受のそれぞれの外径よりも大きい。
本発明は、磁性体が第1部材に対して軸線方向に移動することを防止できる。
本発明のトルクリミッタを示す斜視図である。 図1のトルクリミッタの正面断面図である。 図1のトルクリミッタを分解した斜視図である。 図1のトルクリミッタの側面半断面図である。 図1のトルクリミッタの要部を示す拡大断面図である。 図1のトルクリミッタの組み立て過程を示す正面断面図である。
本発明のトルクリミッタは、複写機またはプリンタの給紙機構または車椅子用電動ウィンチの部品として用いられる。以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、トルクリミッタ10は略円柱形状に形成されている。トルクリミッタ10は、軸線A1を回転中心として、第1方向及び第2方向の何れにも回転可能である。トルクリミッタ10は、第1部材12と第2部材13との間に組み付けられ、第1部材12と第2部材13との間で伝達されるトルクを、所定値以下、つまり、トルクリミッタ10のトルク容量以下に制限する。トルクリミッタ10は、ハウジング14及びシャフト15と、ハウジング14に固定されたヒス材16と、ヒス材16に固定される第1軸受17及び第2軸受18と、シャフト15に取り付けたマグネット19と、を有する。
ハウジング14は、合成樹脂により一体成形されている。ハウジング14は、孔20Bを有する円筒部20と、円筒部20に連続するフランジ21と、を備えている。フランジ21は、円筒部20の軸線A1方向における端部から、径方向で内側に向けて突出している。軸線A1方向は、軸線A1に沿った方向と、軸線A1と平行な方向と、を含む。孔20Bは、軸線A1を中心として形成されている。フランジ21は、円筒部20の全周へ環状に設けられている。フランジ21に係合部22が複数、例えば、2個設けられている。係合部22は、円筒部20の回転方向に間隔をおいて配置されている。実施の形態の係合部22は、円筒部20の回転方向に180度の間隔で配置されている。係合部22は、フランジ21から軸線A1方向に突出している。
ヒス材16は、磁性体、具体的には強磁性体であり、例えば、鉄を主成分とする合金で円筒状に一体成形されており、ヒス材16は、孔16Aを備えている。ヒス材16の線膨張係数は、ハウジング14の線膨張係数よりも小さい。ヒス材16の外径は軸線A1方向で一定であり、ヒス材16の内径は、軸線A1方向で一定である。ヒス材16は、円筒部20の孔20B内に配置されており、ヒス材16は、孔20Bを形成する内周面23に圧入して固定されている。つまり、ヒス材16とハウジング14とは、しまり嵌めの状態にあり、ヒス材16は、ハウジング14と共に一体回転する。軸線A1方向で、ハウジング14の全長は、ヒス材16の全長よりも大きい。特に、フランジ21の端面24から、円筒部20の端面20Aまでの長さL1は、ヒス材16の長さL2よりも大きい。ヒス材16は、軸線A1方向で互いに異なる位置に配置された端部16D,16Eを有する。端部16Eはフランジ21の端面24に接触している。
ハウジング14の円筒部20には、フランジ21が設けられている端部とは反対に位置する端部にストッパ25が設けられている。フランジ21とストッパ25とは、軸線A1方向で互いに異なる位置に配置されている。ストッパ25は、内周面23から径方向で内側へ向けて突出している。ストッパ25は円筒部20に対して全周に設けられている。図5のように、ストッパ25の内径R1は、ヒス材16の外径R2よりも小さい。内径R1及び外径R2は、共に軸線A1を中心とする半径である。ヒス材16は、軸線A1方向でストッパ25とフランジ21との間に配置されている。ストッパ25は、ヒス材16の端部16Dに接触し、かつ、端部16Dを覆っている。
第1軸受17及び第2軸受18は別々に設けられている。第1軸受17及び第2軸受18は、共に焼結メタルで成形されている。第1軸受17はキャップ形状であり、第1軸受17は、環状の固定部26と、固定部26よりも外径が小径でかつ固定部26から軸線A1方向に延ばされた環状の支持部27と、を有する。固定部26は、孔16Aに配置され、かつ、孔16Aを形成する内周面16Bに圧入して固定されている。固定部26は、フランジ21の端面24に接触する。支持部27は、径方向でフランジ21の内側に配置されている。第2軸受18はキャップ形状であり、第2軸受18は、環状の固定部28と、固定部28よりも外径が小径でかつ固定部28から軸線A1方向に延ばされた環状の支持部29と、を有する。
固定部28は、孔16Aに配置され、かつ、内周面16Bに圧入して固定されている。第1軸受17及び第2軸受18は、内径が同じであり、かつ、それぞれの固定部26、28の外径R3が同じである。第2軸受18のうち、固定部28を含む箇所の軸線A1方向の長さL3は、支持部29を含む箇所の軸線A1方向の長さL4よりも短い。軸線A1方向で固定部28の配置範囲は、ヒス材16の配置範囲内にある。支持部29の配置範囲は、ヒス材16の配置範囲外にある。
なお、ストッパ25の内径R1は、第1軸受17の外径R3及び第2軸受18の外径R3よりも大きい。外径R3は、軸線A1を中心とする半径である。さらに、第1軸受17は、固定部26を含む箇所の軸線A1方向の長さL3を有する。さらに、第1軸受17は、支持部27を含む箇所の軸線A1方向の長さL4を有する。
シャフト15は、合成樹脂により筒形状に一体成形されており、シャフト15は、ヒス材16の孔16Aから、ハウジング14の外部に亘って配置されている。シャフト15は、本体部30と、軸線A1方向で本体部30の両側に配置された第1支持部31及び第2支持部32と、を有する。つまり、本体部30は、軸線A1方向で第1支持部31と第2支持部32との間に配置されている。シャフト15の内径は軸線A1方向で一定であり、本体部30の外径は、第1支持部31の外径及び第2支持部32の外径よりも大きく、かつ、第1軸受17の内径及び第2軸受18の内径よりも大きい。さらに、本体部30の外径は、ヒス材16の内径よりも小さい。本体部30は、軸線A1方向で第1軸受17と第2軸受け18との間に配置されている。第1支持部31は第1軸受17の内周面に接触し、かつ、第2支持部32は第2軸受18の内周面に接触する。つまり、シャフト15は、第1軸受17及び第2軸受18によって回転可能に支持されている。
本体部30の外周面は、図4のように、回転方向において間隔をおいて配置された2つの円弧部34と、円弧部34同士を連続する2つの直線部35と、を有する。2つの直線部35同士は互いに平行である。また、2つの円弧部34にリブ36がそれぞれ2個づつ、合計4個設けられている。リブ36は、軸線A1方向に直線状に配置されている。一方の円弧部34に形成されたリブ36と、他方の円弧部34に形成されたリブ36とは、回転方向で互いに180度の位置に配置されている。
マグネット19は、孔16Aに配置され、かつ、シャフト15の本体部30により支持されている。マグネット19は、軸線A1方向で第1軸受17と第2軸受18との間に配置されている。マグネット19は円筒形状であり、孔19Aを有する。マグネット19は、回転方向に異なる磁極を交互に配置したものである。マグネット19とヒス材16との間に磁気吸引力が発生する。磁気吸引力の強度は、マグネット19の磁力により変化する。マグネット19の磁力の強度は、磁極の極数を変更すること、または、軸線A1方向でマグネット19の長さを変更すること、により設定可能である。また、マグネット19とヒス材16との間に発生する磁気吸引力は、マグネット19とヒス材16とのクリアランスを調整することにより設定可能である。
孔19Aを形成するマグネット19の内周面は、回転方向において間隔をおいて配置された2つの円弧部37と、円弧部37同士を連続する2つの直線部38と、を有する。2つの直線部38同士は互いに平行である。2つの円弧部37は、共に軸線A1を曲率中心としている。マグネット19の2つの直線部38の間の距離は、シャフト15の2つの直線部35の間の距離よりも大きい。マグネット19の円弧部37の内径はシャフト15の円弧部34の外径よりも大きい。また、シャフト15にはシャフト15の円弧部34とシャフト15の直線部35との境界に角部41が形成されている。角部41は回り止め機構であり、角部41がマグネット19の直線部38に接触することで、シャフト15とマグネット19とが、回転方向に位置決め固定されている。つまり、シャフト15とマグネット19とは相対回転することなく、一体回転する。
さらに、シャフト15に形成されたリブ36はマグネット19の円弧部37に接触する。このため、本体部30の外周面とマグネット19の内周面との間に隙間B1が形成されている。マグネット19の外径は、ヒス材16の内径よりも小さく、マグネット19の外周面19Bと、ヒス材16の内周面16Bとの間に、隙間B2が形成される。さらに、第2支持部32には切り欠き39が設けられている。切り欠き39は、回転方向に間隔をおいて複数、例えば、2個設けられている。
次に、トルクリミッタ10の組み立て過程を説明する。図6のように、ヒス材16をハウジング14の円筒部20内に圧入する前の段階において、円筒部20にストッパ25は形成されていない。また、ヒス材16の外径R2は、円筒部20の内径R1よりも大きい。ヒス材16を円筒部20の内周面23へ圧入すると、円筒部20は径方向で外側に向けて弾性変形する。ハウジング14の端面24から端面20Aまでの長さL1はヒス材16の長さL2よりも大きいため、ヒス材16をハウジング14の端面24の突き当て位置まで圧入すると、軸線A1方向で円筒部20の端部のうち、ヒス材16の外周面16Cに接触していない箇所が、弾性復元力で内径R1に戻り、ストッパ25が形成される。なお、円筒部20のうち、内周面23がヒス材16の外周面16Cに接触している箇所の内径は、外径R2と同じになる。ここで、内径R1と外径R2との差、つまり、ヒス材16と円筒部20との圧入代は、例えば、0.1mm〜0.2mmに設定することができる。
また、トルクリミッタ10の組み立て工程は、次に記載する第1の組み立て工程または第2の組み立て工程の何れか一方を選択できる。第1の組み立て工程は、第1軸受17が圧入されたヒス材16をハウジング14の円筒部20内に圧入した後に、ヒス材16の孔16Aへシャフト15とマグネット19を組付け、最後にヒス材16へ第2軸受18を圧入する。第2の組み立て工程は、ヒス材16の内周面にシャフト15とマグネット19を配置し、第1軸受17及び第2軸受18を圧入して固定した後、そのヒス材16を円筒部20の内周面へ圧入する。
次に、トルクリミッタ10のトルク伝達作用を説明する。第1部材12をハウジング14へ連結する場合、係合部22が第1部材12の切り欠きへ挿入される。このため、第1部材12とハウジング14とが一体回転可能に連結される。第2部材13をシャフト15へ連結する場合、第2部材13の突起が切り欠き39へ挿入される。このため、第2部材13とシャフト15とが一体回転可能に連結される。
第1部材12が回転すると、その回転トルクは、ヒス材16とマグネット19との間に作用する磁気吸引力によってハウジング14からシャフト15を介して第2部材13に伝達される。このとき、回転トルクがヒス材16とマグネット19との間に形成される磁気吸引力、すなわちトルクリミッタ10のトルク容量以下である場合は、ハウジング14とシャフト15とが一体回転する。
これに対して、回転トルクがトルクリミッタ10のトルク容量を超えた場合は、マグネット19が、ヒス材16に発生した磁極を引きずりながらヒス材16に対して回転(スリップ)し、かつ、ハウジング14のトルクがシャフト15に伝達される。つまり、ハウジング14の回転数とシャフト15の回転数とに差が生じる。ヒス材16とマグネット19とが互いにスリップすると、第1軸受17及び第2軸受18は、すべり軸受としてシャフト15を支持する。本実施形態において、トルクリミッタ10のトルク容量は、マグネット19とヒス材16との間で発生する磁気吸引力により定まる値であり、磁気吸引力が高いほど、トルク容量が高くなる。このように、トルクリミッタ10は、所定値を超えるトルクがハウジング14からシャフト15に伝達されることを防止する。
また、トルクリミッタ10は、トルク容量以上の回転トルクが入力されてマグネット19とヒス材16とが相対回転すると、ヒス材16の内部に渦電流が流れる。したがって、マグネット19とヒス材16とが互いにスリップする状態が続くと、この渦電流によってヒス材16の温度が上昇する。トルクリミッタ10の温度が上昇、または環境の温度が上昇すると、トルクリミッタ10を構成する部品は膨張する。ここで、ハウジング14の熱膨張率は、ヒス材16の熱膨張率よりも大きい。しかし、ストッパ25の内径R1は、ヒス材16の外径R2よりも小さい。したがって、ストッパ25の内径R1が、ヒス材16の外径R2よりも大きくならない限り、ストッパ25は、ヒス材16が軸線A1方向に移動することを防止する。具体的には、ヒス材16が図2及び図5でハウジング14に対して右方向に移動することを防止できる。特に、ヒス材16がハウジング14から抜けることを防止できる。つまり、ストッパ25は抜け止め機構である。なお、ヒス材16の端部16Eは、フランジ21の端面24に接触し、ヒス材16が図2でハウジング14に対して左方向に移動することを防止できる。つまり、ストッパ25及びフランジ21は、ヒス材16とハウジング14とを、軸線A1方向に位置決めしている。
また、ヒス材16の長さL2はハウジング14の端面24から端面20Aまでの長さL1よりも小さく、長さL2を有する固定部28の外周面が、ヒス材16の内周面16Bへ圧入されている。したがって、ヒス材16の軸線A1方向の長さをなるべく短くすることができ、トルクリミッタ10の軸線A1方向の長さを短くすることができる。
さらに、トルクリミッタ10は、第1部材12及び第2部材13が無くても、ハウジング14からシャフト15に伝達されるトルクが、所定値すなわちトルクリミッタ10のトルク容量を超えることを防止できる。したがって、トルクリミッタ10は単独で品質保証を確実に行うことができる。
また、トルクリミッタ10は、ハウジング14が無くても、ヒス材16からシャフト15に伝達されるトルクが、所定値を超えることを防止できる。このため、トルクリミッタ10を取り付ける相手部品との関係により、ハウジング14の形状または構造を変更しても、伝達されるトルクが所定値を超えることを防止できる。したがって、相手部品のバリエーションの違いに対して、ハウジング14の形状または構造を変更することで容易に対応が可能であり、トルクリミッタ10を安価に製造できる。
さらに、ハウジング14は、ヒス材16の外周面16Cを覆っている。このため、第1軸受17及び第2軸受18を保護でき、かつ、トルクリミッタ10の取り扱いが容易である。仮に、トルクリミッタ10が落下した場合でも、第1軸受17及び第2軸受18が、ヒス材16から脱落する心配がない。
さらに、ヒス材16はハウジング14に圧入して固定され、第1軸受17及び第2軸受18は、ヒス材16に圧入して固定されている。つまり、ハウジング14の円筒部20は、第1軸受17及び第2軸受18を固定するための形状または構造が不要であり、円筒部20は、軸線A1方向で一定の内径R1に設定されたストレート形状である。したがって、ヒス材16を圧入する前に、ハウジング14を製造する工程において、ハウジング14の成形性が良い。
また、第1軸受17及び第2軸受18は、ヒス材16の内周面16Bへ圧入して固定され、シャフト15は、第1軸受17及び第2軸受18により回転可能に支持される。このため、ヒス材16とマグネット19との軸精度が向上する。軸精度とは、軸線A1を中心とするヒス材16とマグネット19との径方向の位置決め精度である。ヒス材16とマグネット19との軸精度が向上すると、マグネット19とヒス材16との間に形成されるエアギャップ、つまり、隙間B2の値がばらつくことを抑制できる。このため、隙間B2をなるべく広く設定できる。隙間B2を広く設定できれば、シャフト15、第1軸受17、第2軸受18が摩耗しても、隙間B2が狭くなることを抑制できる。したがって、マグネット19とヒス材16とが接触することを防止でき、トルクリミッタ10の耐久性が向上する。
さらに、シャフト15のリブ36がマグネット19の円弧部37に接触して、本体部30の外周面とマグネット19の内周面との間に隙間B1が形成されている。このため、マグネット19の放熱性が良くなり、トルクリミッタ10は高温に対して耐久性が向上する。また、隙間B1があるため、トルク伝達時にシャフト15が熱で膨張しても、マグネット19が割れることを防止できる。シャフト15として硬度が高く、摺動性が良い材料を使用することができる。焼結メタルの第1軸受17及び第2軸受18と、シャフト15の材質という相乗効果により、耐久性、高温作動性が向上した。
マグネット19とシャフト15とは、角部41により一体回転してトルク伝達が行われる。このため、トルク伝達時にスラスト荷重は発生せず、シャフト15が高速回転しても、マグネット19がスラスト方向に振動することを防止できる。また、角部41が直線部38に食い込むこと、つまり、楔作用によりトルク伝達が行われる。このため、マグネット19が、シャフト15に対して径方向に振動することを抑制できる。さらに、4個のリブ36が円弧部37に接触し、マグネット19とシャフト15とを径方向に位置決めする。このため、径方向におけるリブ36の高さを調整することで、マグネット19とシャフト15とを径方向に容易に位置決めできる。
次に、トルクリミッタ10を構成する部品の材質例・材料例を説明する。マグネット19は、例えば、粉末冶金法によって製造した焼結マグネットを用いることができる。焼結マグネットは、磁石合金を微粉砕してから、磁場中で磁化容易軸を揃えてプレス成形し、さらに、高温で焼き固めることにより製造される。焼結マグネットと、プラスチックを混合して作られるボンド磁石と比較すると、焼結マグネットは、プラスチック等の非磁性部分を含まないので磁気特性が高く、耐熱性にも優れる。
第1軸受17及び第2軸受18は、銅系焼結合金で成形することができ、シャフト15に用いる合成樹脂は、ポリアセタール樹脂(POM)とすることができる。ヒス材16とする強磁性体は、Fe(鉄)−Cr(クロム)−Co(コバルト)系焼結マグネット、Fe−Cr−Co系焼結合金等を用いることができる。
そして、マグネット19、シャフト15、第1軸受17及び第2軸受18、ヒス材16は、線膨張係数のなるべく近いものを選定することができる。例えば、マグネット19は、焼結マグネットで線膨張係数0.0000100 とし、シャフト15はポリアセタール樹脂で線膨張係数0.0000273 とし、第1軸受17及び第2軸受18は、銅系焼結合金で線膨張係数0.0000180 とし、ヒス材16は、Fe−Cr−Co系焼結マグネットで線膨張係数0.0000118 とすることができる。なお、線膨張係数が1×10−5〜3×10−5の範囲内であれば、トルクリミッタ10を構成する各部品の材質または材料は問わない。
本発明の構成と、実施の形態で説明した構成との対応関係を説明すると、軸線A1が、本発明の軸線に相当し、孔20Bが、本発明における第1の孔に相当し、ハウジング14が、本発明の第1部材に相当し、シャフト15が、本発明の第2部材に相当し、ヒス材16が、本発明の磁性体に相当し、フランジ21が、本発明の第1ストッパに相当し、ストッパ25が、本発明の第2ストッパに相当する。また、内径R1が、本発明におけるストッパの内径に相当し、外径R2が、本発明における磁性体の外径に相当し、外径R3が、本発明における第1軸受の外径及び第2軸受の外径に相当する。
さらに、内周面23が、本発明における「第1の孔の内周面」に相当し、孔16Aが、本発明における「磁性体に形成した第2の孔」に相当し、内周面16Bが、本発明における「第2の孔の内周面」に相当し、第1軸受17及び第2軸受18が、本発明における複数の軸受に相当し、固定部26,28が、本発明の固定部に相当し、支持部27,29が、本発明の支持部に相当する。また、長さL3が、本発明における「固定部の長さ」に相当し、長さL4が、本発明における「支持部の長さ」に相当し、端部16Eが、本発明の第1接触部に相当し、端部16Dが、本発明の第2接触部に相当する。
本発明において、第1の孔内に設けられる第2部材は、第2部材の全部、または一部が第1の孔内に設けられている構造の何れでもよい。また、第1の孔に配置される磁性体は、磁性体の全部、または一部が第1の孔に配置されている構造の何れでもよい。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施形態のトルクリミッタ10は、シャフト15のトルクをハウジング14に伝達する場合も、伝達されるトルクを所定値以下に制限できる。すなわち、トルクの伝達経路において第1部材または第2の部材のうち、何れが上流に配置されていてもよい。また、内径R1、外径R2,R3は、何れも半径で把握しているが、直径で把握することも可能である。
10 トルクリミッタ
12 第1部材
13 第2部材
14 ハウジング
15 シャフト
16 ヒス材
16A,19A,20B 孔
16B,23 内周面
16C,19B 外周面
16D,16E 端部
17 第1軸受
18 第2軸受
19 マグネット
20 円筒部
20A,24 端面
21 フランジ
22 係合部
25 ストッパ
26,28 固定部
27,29 支持部
30 本体部
31 第1支持部
32 第2支持部
34,37 円弧部
35,38 直線部
36 リブ
41 角部
A1 軸線
B1,B2 隙間
R1 内径
R2,R3 外径

Claims (7)

  1. 第1の孔が形成された第1部材と、前記第1部材の前記第1の孔に配置され、軸線を中心として前記第1部材に対して回転可能に設けられた第2部材とを有し、前記第1部材と前記第2部材との間で伝達されるトルクを制限できるトルクリミッタであって、
    前記第1の孔に配置されて前記第1部材により支持される磁性体と、
    前記磁性体に対して前記軸線方向で異なる位置に設けられた第1接触部及び第2接触部と、
    前記第1部材に設けられ、かつ、前記第1接触部に接触して前記磁性体が前記軸線方向に移動することを防止する第1ストッパと、
    前記第1部材に設けられ、かつ、前記第2接触部に接触して前記磁性体が前記軸線方向に移動することを防止する第2ストッパと、
    を有する、トルクリミッタ。
  2. 請求項1記載のトルクリミッタにおいて、
    前記第2部材と共に一体回転するマグネットを有し、
    前記マグネットと前記磁性体との間に形成される磁気吸引力により、前記第1部材と前記2部材との間でトルクが伝達される、トルクリミッタ。
  3. 請求項1または2記載のトルクリミッタにおいて、
    前記軸線を中心とする径方向で、前記第2ストッパの内径は、前記磁性体の外径よりも小さい、トルクリミッタ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のトルクリミッタにおいて、
    前記磁性体は、前記第1の孔の内周面へ圧入されて前記第1部材に固定されている、トルクリミッタ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のトルクリミッタにおいて、
    前記磁性体に形成した第2の孔と、
    前記第2の孔の内周面に固定され、かつ、前記軸線方向に間隔をおいて配置された複数の軸受と、
    が設けられ、
    前記第2部材は、前記複数の軸受により回転可能に支持されている、トルクリミッタ。
  6. 請求項5記載のトルクリミッタにおいて、
    前記複数の軸受は、
    前記第2の孔の内周面に固定される固定部と、
    前記第2部材を回転可能に支持する支持部と、
    をそれぞれ有し、
    前記軸線方向で、前記固定部の長さは前記支持部の長さよりも小さい、トルクリミッタ。
  7. 請求項5または6記載のトルクリミッタにおいて、
    前記軸線を中心とする径方向で、前記第2ストッパの内径は、前記複数の軸受のそれぞれの外径よりも大きい、トルクリミッタ。
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