JP2016217215A - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの構造系の共振周波数に対応するノック音を適切に低減することができるエンジンの燃料噴射制御装置を提供する。【解決手段】複数回の燃料噴射を行って気筒内に複数回の燃焼を生じさせるエンジンの燃料噴射制御装置は、複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が、エンジンの構造系が有する複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に含まれるように、複数回行う燃料噴射の間隔を設定する制御手段を有する。【選択図】図6
Description
本発明は、エンジンの燃料噴射制御装置に係わり、特に、複数回の燃料噴射を行って気筒内に複数回の燃焼を生じさせるエンジンの燃料噴射制御装置に関する。
従来から、ディーゼルエンジンの騒音(特にエンジンのノッキングに起因する騒音であり、以下では単に「ノック音」と呼ぶ。)を低減する種々の試みがなされている。例えば、特許文献1には、複数回の燃料噴射のそれぞれによって生じる燃焼圧力波の間の発生時間差の目標値として、燃焼圧力波の干渉によって高周波領域の圧力レベルを低減できる時間差を算出し、この目標値に基づいて、複数回行う燃料噴射の間隔を制御する技術が提案されている。この技術では、燃料噴射の間隔を制御することにより、特定の周波数域(2.8〜3.5kHz)を狙って筒内圧の周波数成分を低減することで、ノック音の低減を図っている。なお、「燃焼圧力波」は、エンジン内の燃焼により筒内圧が急激に上昇することで発生する圧力波であり、筒内圧の波形を時間微分したものに相当する(以下同様とする)。
エンジンから発生するノック音は、エンジンの構造系の伝達特性、特にエンジンの構造系の共振周波数に応じた特性を有するものとなる。具体的には、エンジンの構造系が有する共振周波数が含まれる周波数帯域(エンジンの主要な伝達経路上にある部品の共振が組み合わされることで、ある程度の幅を持つ周波数帯域となる。本明細書では、そのような共振周波数に関する帯域を「共振周波数帯域」と呼ぶ。)において、ノック音が大きくなる傾向にある。一般的に、エンジンの構造系の共振周波数帯域は複数存在するが、上記した特許文献1に記載された技術では、2.8〜3.5kHzの特定の周波数帯域についてのノック音しか低減することができず、そのようなエンジンの構造系が有する複数の共振周波数帯域に対応するノック音のそれぞれを適切に低減することができなかった。
ところで、ノック音は、上記したエンジンの構造系の共振に加えて、燃焼加振力に相当する筒内圧レベル(一般的に「CPL(Cylinder Pressure Level)」と呼ばれるものであり、燃焼加振力指標で筒内圧波形をフーリエ変換した高周波エネルギーを示す。以下では単に「CPL」と表記する。)に応じた特性になる。このCPLは、気筒内での燃焼の態様を指し示す熱発生率に応じたものとなるが、本発明者が行った実験によれば、熱発生率の波形が、温度や圧力などの環境条件の影響を受けて変化し、ノック音が、そのような熱発生率の波形の形態の影響を受けることがわかった。そのため、本発明者は、ノック音を適切に低減するためには、温度や圧力などの環境条件の影響を反映した、熱発生率が最大(ピーク)となるタイミングに基づいて、複数回行う燃料噴射の間隔を設定するのが望ましいと考えた。上記した特許文献1に記載された技術では、燃焼圧力波が立ち上がるタイミング(熱発生率が上昇し始めるタイミングに相当する)に基づいて、複数回行う燃料噴射の間隔を制御していたため、ノック音を適切に低減するのに十分でなかった。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、エンジンの構造系の共振周波数に対応するノック音を適切に低減することができるエンジンの燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、複数回の燃料噴射を行って気筒内に複数回の燃焼を生じさせるエンジンの燃料噴射制御装置であって、複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が、エンジンの構造系が有する複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に含まれるように、複数回行う燃料噴射の間隔を設定する制御手段を有する、ことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、複数回行う燃料噴射の間隔を制御して、複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が、エンジンの構造系が有する複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に含まれるようにするので、エンジンの構造系の複数の共振周波数帯域のそれぞれに対応するノック音を適切に低減することができる。この場合、燃焼圧力波の全体のレベルを変えているわけではないので、燃費やエミッションを悪化させることはなく、また、遮音材などを別途追加しないので、装置のコストや重量を増加させることはない。
なお、上記した「燃焼圧力波の周波数特性」は、エンジンでの燃焼に応じた筒内圧レベル(CPL)の周波数特性に相当するものである。
このように構成された本発明によれば、複数回行う燃料噴射の間隔を制御して、複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が、エンジンの構造系が有する複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に含まれるようにするので、エンジンの構造系の複数の共振周波数帯域のそれぞれに対応するノック音を適切に低減することができる。この場合、燃焼圧力波の全体のレベルを変えているわけではないので、燃費やエミッションを悪化させることはなく、また、遮音材などを別途追加しないので、装置のコストや重量を増加させることはない。
なお、上記した「燃焼圧力波の周波数特性」は、エンジンでの燃焼に応じた筒内圧レベル(CPL)の周波数特性に相当するものである。
本発明において、好ましくは、制御手段は、複数の共振周波数帯域のそれぞれにおいて、複数回の燃焼において時間的に隣り合う燃焼のそれぞれによって生じた燃焼圧力波の山の部分と谷の部分とが重なり合うように、複数回行う燃料噴射の間隔を設定することで、燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に含まれるようにする。
このように構成された本発明によれば、複数回の燃焼において時間的に隣り合う燃焼のそれぞれによって生じた燃焼圧力波の山の部分と谷の部分とを重なり合わせることで、燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分を、エンジンの構造系の複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に適切に収めることができ、ノック音を効果的に低減することが可能となる。
このように構成された本発明によれば、複数回の燃焼において時間的に隣り合う燃焼のそれぞれによって生じた燃焼圧力波の山の部分と谷の部分とを重なり合わせることで、燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分を、エンジンの構造系の複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に適切に収めることができ、ノック音を効果的に低減することが可能となる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に含まれるような、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔を目標値として用いて、この目標値が実現されるように、複数回行う燃料噴射の間隔を設定する。
このように構成された本発明によれば、温度や圧力などの環境条件の影響を反映した、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔に基づいて、複数回行う燃料噴射の間隔を設定するので、燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分を、エンジンの構造系の複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に確実に収めることができる。
このように構成された本発明によれば、温度や圧力などの環境条件の影響を反映した、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔に基づいて、複数回行う燃料噴射の間隔を設定するので、燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分を、エンジンの構造系の複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に確実に収めることができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、エンジンの筒内温度及びインマニ圧力に基づいて、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔を求め、この求めた間隔が目標値となるように、複数回行う燃料噴射の間隔を設定する。
このように構成された本発明によれば、エンジンの筒内温度及びインマニ圧力を用いることで、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔を正確に求めることができる。
このように構成された本発明によれば、エンジンの筒内温度及びインマニ圧力を用いることで、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔を正確に求めることができる。
他の観点では、上記の目的を達成するために、本発明は、複数回の燃料噴射を行って、気筒内に複数回の燃焼を生じさせるエンジンの燃料噴射制御装置であって、複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が、エンジンの構造系が有する共振周波数帯域の範囲内に含まれるような、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔に基づいて、複数回行う燃料噴射の間隔を設定する制御手段を有する、ことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、温度や圧力などの環境条件の影響を反映した、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔を考慮して、複数回行う燃料噴射の間隔を制御して、複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が、エンジンの構造系が有する共振周波数帯域に含まれるようにするので、エンジンの構造系の共振周波数帯域に対応するノック音を適切に低減することができる。
このように構成された本発明によれば、温度や圧力などの環境条件の影響を反映した、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔を考慮して、複数回行う燃料噴射の間隔を制御して、複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が、エンジンの構造系が有する共振周波数帯域に含まれるようにするので、エンジンの構造系の共振周波数帯域に対応するノック音を適切に低減することができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、エンジンの筒内温度に基づいて、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングを求めることで、これらのタイミングの間隔を求め、筒内温度が高いほど、熱発生率が最大となるタイミングとして、より早いタイミングを求める。
このように構成された本発明によれば、エンジンの筒内温度に基づいて、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔を正確に求めることができる。
このように構成された本発明によれば、エンジンの筒内温度に基づいて、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔を正確に求めることができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、エンジンのインマニ圧力に基づいて、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングを求めることで、これらのタイミングの間隔を求め、インマニ圧力が高いほど、熱発生率が最大となるタイミングとして、より早いタイミングを求める。
このように構成された本発明によれば、エンジンのインマニ圧力に基づいて、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔を正確に求めることができる。
このように構成された本発明によれば、エンジンのインマニ圧力に基づいて、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔を正確に求めることができる。
更に他の観点では、上記の目的を達成するために、本発明は、複数回の燃料噴射を行って、気筒内に複数回の燃焼を生じさせるエンジンの燃料噴射制御装置であって、少なくともエンジンの運転状態に基づいて、複数回行う燃料噴射のそれぞれの基準噴射タイミングを設定する制御手段であって、この制御手段は、エンジンの構造系が有する共振周波数帯域において、複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の大きさが、基準噴射タイミングを適用したときの複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の大きさよりも小さくなるように、複数回行う燃料噴射の間隔を設定して、基準噴射タイミングを変更する制御手段を有する。
このように構成された本発明によれば、複数回行う燃料噴射の間隔を制御して、エンジンの構造系が有する共振周波数帯域において、複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の大きさが、基準噴射タイミングを適用したときの複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の大きさよりも小さくなるようにするので、エンジンの構造系の共振周波数帯域に対応するノック音を適切に低減することができる。
このように構成された本発明によれば、複数回行う燃料噴射の間隔を制御して、エンジンの構造系が有する共振周波数帯域において、複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の大きさが、基準噴射タイミングを適用したときの複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の大きさよりも小さくなるようにするので、エンジンの構造系の共振周波数帯域に対応するノック音を適切に低減することができる。
本発明において、好ましくは、制御手段は、共振周波数帯域において基準噴射タイミングを適用したときよりも燃焼圧力波の大きさが小さくなるような燃料噴射の間隔の中で、基準噴射タイミングに対応する燃料噴射の間隔に最も近い間隔を設定する。
このように構成された本発明によれば、基準噴射タイミングに対応する燃料噴射の間隔に近い燃料噴射の間隔を採用するので、燃費やエミッションの悪化をより効果的に抑制しつつ、ノック音を適切に低減することができる。
このように構成された本発明によれば、基準噴射タイミングに対応する燃料噴射の間隔に近い燃料噴射の間隔を採用するので、燃費やエミッションの悪化をより効果的に抑制しつつ、ノック音を適切に低減することができる。
本発明のエンジンの燃料噴射制御装置によれば、エンジンの構造系の共振周波数に対応するノック音を適切に低減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの燃料噴射制御装置について説明する。
<装置構成>
まず、図1を参照して、本実施形態によるエンジンの燃料噴射制御装置が適用されたディーゼルエンジンシステムについて説明する。図1は、本実施形態によるエンジンの燃料噴射制御装置が適用されたディーゼルエンジンシステムの全体構成を示す概略図である。
まず、図1を参照して、本実施形態によるエンジンの燃料噴射制御装置が適用されたディーゼルエンジンシステムについて説明する。図1は、本実施形態によるエンジンの燃料噴射制御装置が適用されたディーゼルエンジンシステムの全体構成を示す概略図である。
図1に示すディーゼルエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載される4サイクルのディーゼルエンジンである。具体的には、このディーゼルエンジンは、複数の気筒2を有し、軽油を主成分とする燃料の供給を受けて駆動されるエンジン本体1と、エンジン本体1に燃焼用の空気を導入するための吸気通路30と、エンジン本体1で生成された排気ガスを排出するための排気通路40と、排気通路40を通過する排気ガスの一部を吸気通路30に還流するためのEGR装置50と、排気通路40を通過する排気ガスにより駆動されるターボ過給機60と、を有する。
吸気通路30には、上流側から順に、エアクリーナ31と、ターボ過給機60のコンプレッサ61と、スロットルバルブ36と、インタークーラ35と、サージタンク37とが設けられている。サージタンク37よりも下流側には、各気筒2とそれぞれ個別に連通する独立通路が設けられており、サージタンク37内のガスはこれら独立通路を通ってそれぞれ気筒2に分配される。
排気通路40には、上流側から順に、ターボ過給機60のタービン62と、排気浄化装置41とが設けられている。
ターボ過給機60は、タービン62が、排気通路40を流れる排気ガスのエネルギーを受けて回転し、これに連動してコンプレッサ61が回転することにより、吸気通路30を流通する空気を圧縮(過給)する。
インタークーラ35は、コンプレッサ61により圧縮された空気を冷却するためのものである。
スロットルバルブ36は、吸気通路30を開閉するものである。ただし、本実施形態では、エンジンの運転中は基本的には全開若しくはこれに近い高開度に維持されており、エンジンの停止時等の必要時にのみ閉弁されて吸気通路30を遮断する。
排気浄化装置41は、排気ガス中の有害成分を浄化するためのものである。本実施形態では、この排気浄化装置41には、排気ガス中のCO及びHCを酸化する酸化触媒41aと、排気ガス中のスート(煤)を捕集するDPF41bとが含まれる。
EGR装置50は、排気ガスを吸気側に還流するためのものである。本実施形態では、EGR装置50として、高圧側EGR装置(以下「HP_EGR装置」と呼ぶ。)51と、低圧側EGR装置(以下「LP_EGR装置」と呼ぶ。)52とを備えている。
HP_EGR装置51は、排気通路40におけるタービン62よりも上流側の部分と、吸気通路30のうちインタークーラ35よりも下流側の部分とを接続するHP_EGR通路51aと、このHP_EGR通路51aを開閉するHP_EGRバルブ51bとを備えており、排気通路40に排出された比較的高圧の排気ガス(高圧EGRガス)を吸気側に還流させる。
LP_EGR装置52は、排気通路40におけるDPF41bよりも下流側の部分と、吸気通路30のうちエアクリーナ31とコンプレッサ61との間の部分とを接続するLP_EGR通路52aと、このLP_EGR通路52aを開閉するLP_EGRバルブ52bとを備えており、排気通路40に排出された比較的低圧の排気ガス(低圧EGRガス)を吸気側に還流させる。LP_EGR通路52aのうちLP_EGRバルブ52bより上流側(排気通路40側)には、この通路52aを通過する低圧EGRガスを冷却するためのEGRクーラ52cが設けられている。
エンジン本体1は、上下方向に延びるシリンダ(気筒)2が内部に形成されたシリンダブロック3と、シリンダに往復運動(上下動)可能に収容されたピストン4と、ピストン4の冠面と対向する側からシリンダの端面(上面)を覆うように設けられたシリンダヘッド5と、潤滑油を貯留するためにシリンダブロック3の下側に配設されたオイルパン6と、を有している。
ピストン4は、エンジン本体1の出力軸であるクランクシャフト7とコンロッド(コネクティングロッド)8を介して連結されている。また、ピストン4の上方には燃焼室9が形成されており、この燃焼室9では、インジェクタ20から噴射された燃料が空気と混合されつつ拡散燃焼する。そして、当該燃焼に伴う膨張エネルギーにより、ピストン4が往復運動して、クランクシャフト7が中心軸回りに回転するようになっている。
ここで、エンジン本体1の幾何学的圧縮比、つまり、ピストン4が下死点にあるときの燃焼室容積とピストン4が上死点にあるときの燃焼室容積との比は、12以上15以下(例えば14)に設定されている。この12以上15以下という幾何学的圧縮比は、ディーゼルエンジンとしてはかなり低い値である。これは、燃焼温度の抑制によるエミッション性能や熱効率の向上を狙ってのことである。
シリンダヘッド5には、吸気通路30から供給される空気を燃焼室9に導入するための吸気ポート16と、燃焼室9で生成された排気ガスを排気通路40に導入するための排気ポート17と、吸気ポート16の燃焼室9側の開口を開閉する吸気弁18と、排気ポート17の燃焼室9側の開口を開閉する排気弁19とが設けられている。
また、シリンダヘッド5には、燃焼室9に燃料を噴射するインジェクタ20が取り付けられている。このインジェクタ20は、そのピストン4側の先端部が、ピストン4の冠面に設けられた凹部としてのキャビティ(不図示)の中心部を臨むような姿勢で取り付けられている。インジェクタ20は、燃料流路を介してコモンレール側の蓄圧室(不図示)と接続されている。蓄圧室内には、燃料ポンプ(不図示)により加圧された高圧の燃料が貯蔵されており、インジェクタ20は、この蓄圧室から燃料の供給を受けて、燃焼室9内に燃焼を噴射する。燃料ポンプと蓄圧室との間には、蓄圧室内の圧力すなわちインジェクタ20から噴射される燃料の圧力である噴射圧を調整するための燃圧レギュレータ(不図示)が設けられている。
次に、図2を参照して、本実施形態によるディーゼルエンジンの制御系統について説明する。図2は、本実施形態によるディーゼルエンジンの制御系統を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態によるディーゼルエンジンは、PCM(パワートレイン・コントロール・モジュール)70によって総括的に制御される。PCM70は、CPU、ROM,RAM等から構成されるマイクロプロセッサである。
PCM70は、エンジンの運転状態を検出するための各種センサと電気的に接続されている。
例えば、シリンダブロック3には、クランクシャフト7の回転角度(クランク角)及び回転速度を検出するクランク角センサSN1が設けられている。このクランク角センサSN1は、クランクシャフト7と一体に回転するクランクプレート(不図示)の回転に応じてパルス信号を出力するものであり、このパルス信号に基づいて、クランクシャフト7の回転角度及び回転速度(つまりエンジン回転数)が特定されるようになっている。
吸気通路30のうちエアクリーナ31付近(エアクリーナ31と、LP_EGR通路52aの接続部分との間の部分)には、エアクリーナ31を通過して各気筒2に吸入される空気量(新気量)を検出するエアフロセンサSN2が設けられている。
サージタンク37には、当該サージタンク37内のガス、つまり各気筒2に吸入されるガスの温度を検出するインマニ温度センサSN3が設けられている。
吸気通路30のうちインタークーラ35よりも下流側の部分には、この部分を通過する空気ひいては気筒2に吸入される吸気の圧力を検出するインマニ圧力センサSN4が設けられている。
エンジン本体1には、当該エンジン本体1を冷却する冷却水の温度を検出する水温センサSN5が設けられている。
PCM70は、上記した各種センサからの入力信号に基づいて種々の判定や演算等を実行しつつ、エンジンの各部を制御する。例えば、PCM70は、インジェクタ20や、スロットルバルブ36や、HP_EGRバルブ51bや、LP_EGRバルブ52bや、燃圧レギュレータなどを制御する。本実施形態では、図2に示すように、PCM70は、主に、インジェクタ20を制御して、気筒2に供給する燃料に関する制御(燃料噴射制御)を行う。なお、PCM70は、本発明における「エンジンの燃料噴射制御装置」に相当し、本発明における「制御手段」として機能する。
ここで、図3を参照して、本実施形態においてPCM70が行う燃料噴射制御の基本概念について説明する。図3は、本実施形態において適用する代表的な燃料噴射パターンを示すタイムチャートである。本実施形態では、図3に示すように、PCM70は、圧縮上死点付近においてエンジントルクを生成するための燃料を燃焼室9内に噴射するメイン噴射(主噴射)と共に、空気利用率を高めたり、メイン噴射の着火性を高めたりするために、メイン噴射の前のタイミングで燃焼室9内にメイン噴射の噴射量よりも少ない量の燃料を噴射するプレ噴射を実施する。加えて、PCM70は、燃焼室9内に生じた煤を燃焼させるように、メイン噴射の後のタイミングで燃焼室9内にメイン噴射の噴射量よりも少ない量の燃料を噴射するアフター噴射を実施する。例えば、PCM70は、事前に規定されたエンジンの所定の運転領域において、このようなプレ噴射及びアフター噴射のそれぞれを実施する。
また、PCM70は、メイン噴射された燃料が燃焼する直前にプレ噴射によって熱発生量の小さい燃焼を生じさせて、メイン噴射された燃料が燃焼しやすい状態を形成するべく、プレ噴射された燃料噴霧がピストン4の冠面に設けられたキャビティ内に収まり、且つ、キャビティ内に比較的濃い混合気が形成されるようなタイミングでプレ噴射を実施する。このような観点に基づき、PCM70は、ドライバのアクセル開度に応じた要求出力やエンジンの運転状態(エンジン回転数やエンジン負荷)などに基づいて、プレ噴射の基本的な噴射タイミング(以下では「基準プレ噴射タイミング」と呼ぶ。)を設定する。加えて、PCM70は、アフター噴射の前の燃料噴射により燃焼室9内に生じた煤がアフター噴射によって適切に燃焼されるように、ドライバのアクセル開度に応じた要求出力やエンジンの運転状態などに基づいて、アフター噴射の基本的な噴射タイミング(以下では「基準アフター噴射タイミング」と呼ぶ。)を設定する。
なお、PCM70は、メイン噴射についても、ドライバのアクセル開度に応じた要求出力やエンジンの運転状態などに基づいて、メイン噴射の基本的な噴射タイミング(以下では「基準メイン噴射タイミング」と呼ぶ。)を設定する。以下では、基準プレ噴射タイミング、基準メイン噴射タイミング及び基準アフター噴射タイミングをまとめて単に「基準噴射タイミング」と呼ぶことがある。
<本実施形態による制御内容>
次に、本実施形態において、ディーゼルエンジンのノック音を抑制するために、PCM70が実施する燃料噴射制御について具体的に説明する。
次に、本実施形態において、ディーゼルエンジンのノック音を抑制するために、PCM70が実施する燃料噴射制御について具体的に説明する。
まず、図4及び図5を参照して、ノック音が発生するメカニズムについて説明する。図4に示すように、ノック音は、エンジンでの燃焼により発生した燃焼加振力が、エンジンのピストン、コンロッド、クランクシャフト、エンジンブロックなどのメインルート(所定の構造伝達特性を有し、この構造伝達特性は、エンジンの構造系の共振周波数に応じたものとなる)を伝わって放射されたものである。
図5において、グラフG11は、クランク角と筒内圧(燃焼指圧)との関係を示し、グラフG12は、グラフG11の筒内圧をFFT処理(高速フーリエ変換処理)することで得られた、燃焼加振力に相当するCPL(燃焼加振力指標で筒内圧波形をFFT処理した1〜4kHz程度の高周波エネルギー)の周波数特性を示す。また、グラフG13は、上記したエンジンの構造伝達特性(具体的にはエンジンの構造減衰の周波数特性)を示し、グラフG14は、エンジンの近接音の時間変化波形を示している。グラフG12に示すCPLの周波数特性に対して、グラフG13に示すエンジンの構造伝達特性を適用することで得られる特性は、グラフG14に示す近接音の時間変化波形をFFT処理することで得られる特性にほぼ一致するものとなり、これがノック音の特性を示すものとなる(グラフG15参照)。
なお、グラフG14において、破線領域R11で示すような、時間的に大きく変動する部分が、ノック音として聞こえるものである。また、グラフG15において、破線領域R12に示す、1〜4kHzのエネルギー和をノック音の代表値として用いる。
なお、グラフG14において、破線領域R11で示すような、時間的に大きく変動する部分が、ノック音として聞こえるものである。また、グラフG15において、破線領域R12に示す、1〜4kHzのエネルギー和をノック音の代表値として用いる。
上記したように、ノック音がCPLの周波数特性の影響を受けることから、本実施形態では、CPLの周波数特性を制御することでノック音の低減を図るようにした。ここで、図6を参照して、本実施形態においてCPLの周波数特性を制御することでノック音を低減する手法の基本的な考え方について説明する。なお、「CPLの周波数特性」は、エンジンでの燃料の燃焼により生じる燃焼圧力波の周波数特性に相当する。
図6において、グラフG21は、基準となるCPLの周波数特性(例えば上記した基準噴射タイミングを適用した場合のCPLの周波数特性)を示し、グラフG23、G24、G25は、エンジンの種々の構成要素の構造共振の周波数特性を示している。例えば、グラフG23は、エンジンのコンロッドの構造共振に関する周波数特性を示し、グラフG24は、エンジンのクランクシャフトに関する周波数特性を示し、グラフG25は、エンジンブロックの構造共振に関する周波数特性を示している。ここでは、グラフG23に示す構造共振が、グラフG24、G25に示す構造共振よりもノック音に与える影響が大きいものとする。この場合、グラフG21に示すCPLの周波数特性と、グラフG23〜G25に示すエンジンの構成要素の構造共振とから、グラフG26に示すような周波数特性を有するノック音が発生する。グラフG26より、周波数帯域FB1においてノック音が大きくなっていることがわかる、具体的には周波数帯域FB1においてノック音を示す波形に大きな山が生じていることがわかる。これは、周波数帯域FB1において、グラフG21のCPLを示す波形に山が生じており、且つ、グラフG23のエンジンの構成要素(ノック音に与える影響が大きいもの)の構造共振を示す波形に山が生じているからであると考えられる。
本実施形態では、グラフG23のエンジンの構成要素(ノック音に与える影響が大きいもの)の構造共振を示す波形に山が生じる周波数帯域FB1に、CPLを示す波形の谷の部分が位置するように、言い換えると、CPLを示す波形の谷の部分が周波数帯域FB1に含まれるように、CPLの周波数特性を制御するようにする。具体的には、グラフG22に示すような、CPLの波形の谷の部分が周波数帯域FB1に含まれるCPLの周波数特性を実現するようにする。このようなグラフG22に示すCPLの周波数特性を適用すると、グラフG27に示すように、周波数帯域FB1においてノック音が大幅に低減することとなる。この場合、CPLの全体のレベルを変えているわけではないので、要求のエンジン出力を確保しつつ、燃費やエミッションを悪化させることなく、ノック音を適切に低減することができるのである。
次に、図7乃至図11を参照して、本実施形態において、CPLの周波数特性を所望の特性(例えばグラフG22に示したような周波数特性)へと制御する手法について説明する。
図7は、燃料噴射の回数(エンジン内で熱発生させる回数)がCPLの周波数特性に与える影響を説明するための図である。図7において、グラフG31は、1回のみの燃料噴射を行った場合(例えばメイン噴射のみを行った場合)のクランク角に対する熱発生率の波形を示し、グラフG32は、2回の燃料噴射を行った場合(例えばプレ噴射及びメイン噴射を行った場合)のクランク角に対する熱発生率の波形を示し、グラフG33は、3回の燃料噴射を行った場合(例えばプレ噴射、メイン噴射及びアフター噴射を行った場合)のクランク角に対する熱発生率の波形を示している。
1回のみの燃料噴射を行った場合には、グラフG34に示すように、周波数が大きくなるほどCPLが徐々に小さくなるような周波数特性となる。この場合、CPLの周波数特性を示す波形には山及び谷が生じていないことがわかる。他方で、2回及び3回の燃料噴射を行った場合には、それぞれ、グラフG35、G36に示すように、CPLの周波数特性を示す波形に山及び谷が生じていることがわかる。このことから、2回以上の燃焼噴射を行うと、つまりエンジンにおいて2回以上の燃焼(熱発生)を生じさせると、CPLの周波数特性を示す波形に山及び谷が生じるものと考えられる。また、グラフG35、G36より、3回の燃料噴射を行った場合には、2回の燃料噴射を行った場合よりも、CPLの周波数特性を示す波形の山及び谷の数が多いことがわかる。
図8は、2回以上の燃焼噴射を行うときの燃料噴射を行うタイミング(熱発生させるタイミング)がCPLの周波数特性に与える影響を説明するための図である。ここでは、2回の燃料噴射(プレ噴射及びメイン噴射)を行うときに、前段のプレ噴射を行うタイミングを固定し、後段のメイン噴射を行うタイミングを変更した場合のシミュレーション結果(実際の実験結果ではない)について説明する。
図8において、グラフG41は、変更していない燃料噴射タイミング(基準噴射タイミング)をメイン噴射に適用した場合の熱発生率を示し、グラフG43は、グラフG41に示す熱発生率を適用した場合のCPLの周波数特性を示している。他方で、グラフG42は、メイン噴射についての燃料噴射タイミングを基準噴射タイミングから変更(詳しくは遅延)した場合の熱発生率を示している。具体的には、グラフG42は、グラフG41よりも、メイン噴射によって熱発生率のピーク値(最大値)が発生するタイミングが時間T1(例えば0.5msec)だけ遅れている。このようなグラフG42に示す熱発生率を適用した場合、グラフG44に示すようなCPLの周波数特性が得られる。
グラフG43、G44より、2回の燃料噴射を行うときに、つまり2回の燃焼(熱発生)を生じさせるときに、熱発生を生じさせるタイミングを変えると、CPLの周波数特性が変化することがわかる。具体的には、CPLを示す波形の山及び谷の数が変わることがわかる、言い換えるとCPLを示す波形の山及び谷の周波数が変化することがわかる。したがって、熱発生を生じさせるタイミングが、特に2回の燃焼のそれぞれによる熱発生率のピーク値が生じる間隔(以下では適宜「熱発生間隔」と呼ぶ。)T1が、CPLを示す波形の山及び谷の周波数に影響を与えているものと考えられる。
図9は、CPLを示す波形の山及び谷が発生するメカニズムを説明するための図である。図9(A)は、図8のグラフG44のCPLを示す波形において山の部分に対応する周波数F41での、プレ噴射による燃焼圧力波の時間変化、メイン噴射による燃焼圧力波の時間変化、及び、これらの燃焼圧力波を合成した合成圧力波の時間変化を示している。この場合、プレ噴射とメイン噴射のそれぞれによる熱発生率波形においてピーク値が生じる間隔(熱発生間隔)が、T21であるものとする(以下同様とする)。また、上記の周波数F41では、この熱発生間隔T21にほぼ一致する周期T22を有するプレ噴射及びメイン噴射による燃焼圧力波が発生するものとする。
周波数F41において、メイン噴射による燃焼圧力波の発生タイミングがプレ噴射による燃焼圧力波の周期T21に対応するタイミングとほぼ一致するので、プレ噴射による燃焼圧力波とメイン噴射による燃焼圧力波とが同位相にて干渉することとなる。そのため、プレ噴射による燃焼圧力波の山の部分とメイン噴射による燃焼圧力波の山の部分とが重なり合うと共に(破線領域R21参照)、プレ噴射による燃焼圧力波の谷の部分とメイン噴射による燃焼圧力波の山の部分とが重なり合う(破線領域R22参照)。これにより、プレ噴射による燃焼圧力波とメイン噴射による燃焼圧力波とを合成した合成圧力波が増幅されることとなる(矢印A21参照)。その結果、図8のグラフG44に示したように、周波数F41においてCPLを示す波形に山が発生したのである。
周波数F41において、メイン噴射による燃焼圧力波の発生タイミングがプレ噴射による燃焼圧力波の周期T21に対応するタイミングとほぼ一致するので、プレ噴射による燃焼圧力波とメイン噴射による燃焼圧力波とが同位相にて干渉することとなる。そのため、プレ噴射による燃焼圧力波の山の部分とメイン噴射による燃焼圧力波の山の部分とが重なり合うと共に(破線領域R21参照)、プレ噴射による燃焼圧力波の谷の部分とメイン噴射による燃焼圧力波の山の部分とが重なり合う(破線領域R22参照)。これにより、プレ噴射による燃焼圧力波とメイン噴射による燃焼圧力波とを合成した合成圧力波が増幅されることとなる(矢印A21参照)。その結果、図8のグラフG44に示したように、周波数F41においてCPLを示す波形に山が発生したのである。
他方で、図9(B)は、図8のグラフG44のCPLを示す波形において谷の部分に対応する周波数F42での、プレ噴射による燃焼圧力波の時間変化、メイン噴射による燃焼圧力波の時間変化、及び、これらの燃焼圧力波を合成した合成圧力波の時間変化を示している。この周波数F42では、熱発生間隔T21のほぼ2倍に相当する周期T23を有するプレ噴射及びメイン噴射による燃焼圧力波が発生するものとする。
周波数F42においては、メイン噴射による燃焼圧力波がプレ噴射による燃焼圧力波の周期T23のほぼ半分に対応するタイミングで発生するので、プレ噴射による燃焼圧力波とメイン噴射による燃焼圧力波とが逆位相にて干渉することとなる。そのため、プレ噴射による燃焼圧力波の谷の部分とメイン噴射による燃焼圧力波の山の部分とが重なり合うと共に(破線領域R23参照)、プレ噴射による燃焼圧力波の山の部分とメイン噴射による燃焼圧力波の谷の部分とが重なり合う(破線領域R24参照)。これにより、プレ噴射による燃焼圧力波とメイン噴射による燃焼圧力波とを合成した合成圧力波が減衰されることとなる(矢印A22参照)。その結果、図8のグラフG44に示したように、周波数F42においてCPLを示す波形に谷が発生したのである。
周波数F42においては、メイン噴射による燃焼圧力波がプレ噴射による燃焼圧力波の周期T23のほぼ半分に対応するタイミングで発生するので、プレ噴射による燃焼圧力波とメイン噴射による燃焼圧力波とが逆位相にて干渉することとなる。そのため、プレ噴射による燃焼圧力波の谷の部分とメイン噴射による燃焼圧力波の山の部分とが重なり合うと共に(破線領域R23参照)、プレ噴射による燃焼圧力波の山の部分とメイン噴射による燃焼圧力波の谷の部分とが重なり合う(破線領域R24参照)。これにより、プレ噴射による燃焼圧力波とメイン噴射による燃焼圧力波とを合成した合成圧力波が減衰されることとなる(矢印A22参照)。その結果、図8のグラフG44に示したように、周波数F42においてCPLを示す波形に谷が発生したのである。
ここで、CPLの周波数特性において山及び谷が発生する位置と熱発生間隔との関係は、以下の式(1)及び(2)で表すことができる。式(1)及び式(2)において、「Δt」は熱発生間隔であり、「n」は「1、2、3…」である。
山の周期fn=(1/n)×Δt 式(1)
谷の周期fn=[2/{2(n−1)+1}]×Δt 式(2)
山の周期fn=(1/n)×Δt 式(1)
谷の周期fn=[2/{2(n−1)+1}]×Δt 式(2)
なお、図8では、2回の燃料噴射(プレ噴射及びメイン噴射)を行った場合の結果を示したが、3回の燃料噴射(プレ噴射、メイン噴射及びアフター噴射)を行った場合にも同様の結果が得られることが確認された。具体的には、3回の燃料噴射を行った場合にも、3回の燃焼による熱発生率のそれぞれのピーク値が生じる間隔(熱発生間隔)に応じて、CPLを示す波形の山及び谷の周波数が変化することがわかった。また、図8では、所定のモデル(燃焼モデルなど)を用いたシミュレーション結果を示したが、このような結果は、実機を用いた実験によっても得られることが確認された。更に、上記では、複数回の燃料噴射を行う場合の熱発生間隔を変化させることで、この熱発生間隔がCPLの周波数特性に及ぼす影響を調べたが、本発明者は、熱発生間隔以外にも、熱発生率波形の高さや傾きを変化させることで、これらがCPLの周波数特性に及ぼす影響を調べた。その結果、熱発生率波形の高さや傾きを変化させても、CPLの大きさが変化するだけであり、CPLの波形の山及び谷の数やそれらの周波数がほとんど変化しないことがわかった。
以上述べたことから、複数回の燃料噴射を行う場合の熱発生間隔が、CPLの周波数特性に対して影響を及ぼすことがわかった。このような結果を受けて、本実施形態では、複数回の燃料噴射を行う場合の熱発生間隔を制御することで、CPLの周波数特性が所望の特性(例えばグラフG22に示したような周波数特性)となるようにする。具体的には、本実施形態では、PCM70は、CPLの周波数特性が所望の特性となるような所望の熱発生間隔を実現すべく、複数回行う燃料噴射の間隔を設定する。より詳しくは、PCM70は、エンジンの構造系が有する共振周波数帯域(例えば図6参照)の範囲内に波形の谷の部分が含まれるようなCPLの周波数特性を実現すべく、このCPLの周波数特性を得るための熱発生間隔に基づいて、複数回行う燃料噴射の間隔を設定する。
図10は、本実施形態による熱発生間隔の制御方法の基本概念を説明するための図である。図10は、左から順に、プレ噴射による熱発生率、メイン噴射による熱発生率、アフター噴射による熱発生率を模式的に示している。本実施形態では、PCM70は、CPLの周波数特性が所望の特性となるような、プレ噴射とメイン噴射との熱発生間隔T31、及びメイン噴射とアフター噴射との熱発生間隔T32が実現されるように、プレ噴射、メイン噴射及びアフター噴射のそれぞれを実施する間隔を設定する。そして、PCM70は、こうして設定した間隔に応じた燃料噴射タイミングにてプレ噴射、メイン噴射及びアフター噴射のそれぞれを実施するように、インジェクタ20を制御する。
次に、図11乃至図15を参照して、上記した本実施形態による制御を適用した具体例について説明する。
図11は、プレ噴射、メイン噴射及びアフター噴射のそれぞれに対して基準噴射タイミングを適用した場合に得られた実験結果の一例を示している。図11において、グラフG51は、CPLの周波数特性を示し、グラフG52は、エンジンの構造減衰の周波数特性を示し、グラフG53は、エンジンの右1mで発生する音(ノック音に相当する)の周波数特性を示している。なお、図11において中央に示すエンジンの構造減衰は、下に進むほど、エンジンの構造系がノック音を大きくする方向に作用する度合いが大きくなることを示している、言い換えると、上に進むほど、エンジンの構造系がノック音を大きくする方向に作用する度合いが小さくなることを示している(以下同様とする)。
グラフG52に示すように、1300Hz付近の周波数帯域FB21、1700Hz付近の周波数帯域FB22、及び、2500Hz付近の周波数帯域FB23では、エンジンの構造減衰が小さくなることがわかる、つまり、エンジンの構造系がノック音を大きくする方向に作用する度合いが大きくなることがわかる。これらの周波数帯域FB21、FB22、FB23は、それぞれ、エンジンの構造系が有する共振周波数帯域に相当すると言える。このような共振周波数帯域FB21、FB22、FB23では、グラフG53に示すように、ノック音が相対的に大きくなる。
以上のような結果を受けて、本実施形態では、共振周波数帯域FB21、FB22、FB23の全てにおいて、基準噴射タイミングを適用した場合よりもCPLの大きさが小さくなるように、基準噴射タイミングを適用した場合の熱発生間隔を変更した熱発生間隔に基づいて、プレ噴射、メイン噴射及びアフター噴射のそれぞれを実施する間隔を設定する。具体的には、本実施形態では、複数の共振周波数帯域FB21、FB22、FB23のそれぞれの範囲内に波形の谷の部分が含まれるようなCPLの周波数特性を実現すべく、この周波数特性を得るための熱発生間隔に基づいて、プレ噴射、メイン噴射及びアフター噴射のそれぞれを実施する間隔を設定する。
なお、共振周波数帯域FB23よりも高い周波数の領域にも、エンジンの構造系が有する共振周波数帯域(例えば3600Hz付近の周波数帯域)が存在するが、この共振周波数帯域のノック音は、ピストンピンの内部に設けられたナチュラルサウンドスムーザーを用いて低減するのがよい。
図12は、本実施形態においてCPLの波形の谷を制御するための熱発生間隔の具体例を示す表である。具体的には、図12は、共振周波数帯域FB21に対応する1300HzにおいてCPLの波形の谷が発生する周期(msec)と熱発生間隔(deg)との関係を上に示しており、共振周波数帯域FB22に対応する1700HzにおいてCPLの波形の谷が発生する周期(msec)と熱発生間隔(deg)との関係を中央に示し、共振周波数帯域FB23に対応する2500HzにおいてCPLの波形の谷が発生する周期(msec)と熱発生間隔(deg)との関係を下に示している。これらの谷が発生する周期と熱発生間隔との関係は、上記した式(2)を用いて求められる。
本実施形態では、図12に示すような複数の熱発生間隔の中から、基準噴射タイミングに対応する熱発生間隔に近く、且つ、同一周期によって複数の周波数帯域においてCPL波形の谷を生じさせることができる熱発生間隔を採用するようにする。その結果、図12において太線で囲ったように、1700Hz及び2500Hzについては、これらの両方に対応する共振周波数帯域において、ほぼ同じ周期(0.9msecと1.0msec)によってCPL波形の谷を生じさせることができる熱発生間隔(8.1degと9.0deg)が存在することがわかる。したがって、本実施形態では、1700Hz及び2500Hzについては、8.1deg及び9.0degに近い8.5degの熱発生間隔を採用して、これら両方のそれぞれに対応する共振周波数帯域においてCPL波形の谷を生じさせるようにする。他方で、残りの1300Hzについては、図12において太線で囲ったように、基準噴射タイミングに対応する熱発生間隔に最も近い熱発生間隔(17.3deg)、好適には17.5degの熱発生間隔を採用して、1300Hzに対応する周波数帯域においてCPL波形の谷を生じさせるようにする。
図13は、本実施形態において、上記した熱発生間隔を適用した場合の熱発生率の具体例を示している。図13において、グラフG61は、基準噴射タイミングを適用した場合の熱発生率波形を示し、グラフG62は、基準噴射タイミングに対応する熱発生間隔を変更した、本実施形態による熱発生率波形を示している。
本実施形態では、1700Hz及び2500Hzの両方のそれぞれに対応する共振周波数帯域においてCPL波形の谷を生じさせることができる8.5degの熱発生間隔を、プレ噴射とメイン噴射に対して適用する。この場合、メイン噴射のタイミングを固定しつつ、プレ噴射のタイミングを遅角させることで、基準噴射タイミングに対応する熱発生間隔を小さくするようにする(矢印A31参照)。また、本実施形態では、1300Hzに対応する共振周波数帯域においてCPL波形の谷を生じさせることができる17.5degの熱発生間隔を、メイン噴射とアフター噴射に対して適用する。この場合、メイン噴射のタイミングを固定しつつ、アフター噴射のタイミングを遅角させることで、基準噴射タイミングに対応する熱発生間隔を大きくするようにする(矢印A32参照)。
ここで、上記したような所望の熱発生間隔に応じて、プレ噴射、メイン噴射及びアフター噴射の噴射タイミングを制御する方法の具体例について説明する。本実施形態では、基本的には、メイン噴射の噴射タイミングを固定し(例えば基準メイン噴射タイミングを適用する)、プレ噴射の噴射タイミングを基準プレ噴射タイミングから変更すると共に、アフター噴射の噴射タイミングを基準アフター噴射タイミングから変更するようにする。この場合、PCM70は、プレ噴射とメイン噴射の所望の熱発生間隔が実現されるように、プレ噴射とメイン噴射の燃料噴射の間隔を設定すると共に、メイン噴射とアフター噴射の所望の熱発生間隔が実現されるように、メイン噴射とアフター噴射の燃料噴射の間隔を設定する。そして、PCM70は、このようにして設定した燃料噴射の間隔に応じたタイミングにてプレ噴射、メイン噴射及びアフター噴射のそれぞれを実施するように、インジェクタ20を制御する。
1つの例では、予め実験やシミュレーションを行うことで、上記した所望の熱発生間隔を実現する燃料噴射の間隔を求め、求められた燃料噴射の間隔をマップに設定する。具体的には、8.5degの熱発生間隔を実現するプレ噴射とメイン噴射の燃料噴射の間隔を求め、この燃料噴射の間隔をマップに設定すると共に、17.5degの熱発生間隔を実現するメイン噴射とアフター噴射の燃料噴射の間隔を求め、この燃料噴射の間隔をマップに設定する。そして、PCM70は、このようにしてマップに設定された、プレ噴射とメイン噴射の燃料噴射の間隔及びメイン噴射とアフター噴射の燃料噴射の間隔に基づいて、プレ噴射、メイン噴射及びアフター噴射の噴射タイミングを制御する(メイン噴射については基準メイン噴射タイミングを適用するのがよい)。
ところで、熱発生間隔を規定する熱発生率波形は、種々の環境条件の影響を受けて変化する。これについて、図14を参照して説明する。図14は、種々の環境条件の影響を受けて熱発生率波形が変化することを説明するための図である。図14では、熱発生率波形を模式的に示している。熱発生率波形は、例えばエンジンの筒内温度やインマニ圧力に応じて変化する。具体的には、熱発生率波形は、筒内温度が高くなると、ピーク値が発生するタイミングが早くなり(矢印A41参照)、筒内温度が低くなると、ピーク値が発生するタイミングが遅くなる(矢印A42参照)。この筒内温度は、インマニ温度や、燃焼室内の温度(シリンダ壁温)や、エンジン水温や、吸気温度や、EGRガスの温度や、ターボによる仕事量などの影響を反映した温度となる。また、熱発生率波形は、インマニ圧力が高くなると、ピーク値が発生するタイミングが早くなり(矢印A41参照)、インマニ圧力が低くなると、ピーク値が発生するタイミングが遅くなる(矢印A42参照)。このインマニ圧力は、大気圧や過給圧などの影響を反映した圧力となる。
このようにして、筒内温度及びインマニ圧力などに応じて熱発生率波形のピーク値が発生するタイミングが変わると、熱発生間隔も変化することとなる。したがって、熱発生率波形のピーク値が発生するタイミングが筒内温度及びインマニ圧力などによって変化することを考慮して、CPLの所望の周波数特性を実現するための熱発生間隔を設定するとよい。つまり、筒内温度及びインマニ圧力などに基づいて熱発生間隔を設定するとよい。例えば、上記したようなマップを用いる方法では、所望の熱発生間隔を実現するためのプレ噴射とメイン噴射の燃料噴射の間隔及びメイン噴射とアフター噴射の燃料噴射の間隔を、筒内温度及びインマニ圧力ごとにマップに規定するとよい。
上記では、マップを用いて燃料噴射の間隔を制御する方法を示したが、他の例では、センサの検出値などに基づいて実際の熱発生間隔を求め、この熱発生間隔が、CPLの所望の周波数特性を実現するための目標の熱発生間隔(以下では適宜「目標熱発生間隔」と呼ぶ。)となるように、プレ噴射とメイン噴射の燃料噴射の間隔及びメイン噴射とアフター噴射の燃料噴射の間隔をフィードバック制御してもよい。この場合、筒内圧センサを用いてクランク角に対する筒内圧の波形を得て、この筒内圧の波形を微分することで熱発生率を求めて、実際の熱発生間隔を求めればよい。また、目標熱発生間隔は、筒内温度及びインマニ圧力などに応じた値を用いるのがよい。
更に他の例では、センサを用いずに、所定のモデルを用いて実際の熱発生間隔を推定し、この熱発生間隔が目標熱発生間隔となるように、プレ噴射とメイン噴射の燃料噴射の間隔及びメイン噴射とアフター噴射の燃料噴射の間隔をフィードバック制御してもよい。この場合、燃焼モデルなどを用いて噴射燃料の着火遅れを求めると共に、熱発生率波形の傾き及び高さを予測して、これらに基づいて実際の熱発生間隔を推定すればよい。また、目標熱発生間隔は、筒内温度及びインマニ圧力などに応じた値を用いるのがよい。
なお、上記したように、プレ噴射とメイン噴射の熱発生間隔を制御することで、1700Hz(2500Hzも含む)に対応する共振周波数帯域においてCPL波形の谷を生じさせるようにしたのは、以下のような理由による。プレ噴射とメイン噴射の熱発生間隔を制御した場合には、メイン噴射とアフター噴射の熱発生間隔を制御した場合よりも、ノック音の低減効果が高い。これは、プレ噴射、メイン噴射及びアフター噴射の中でメイン噴射が最も燃焼エネルギーが大きいが、アフター噴射を行った時点では従前のメイン噴射によるエネルギーが小さくなっているため(時間の経過に伴って燃焼エネルギーが徐々に小さくなっていくので)、全体の燃焼エネルギーが小さいのに対して、プレ噴射後にメイン噴射を行った時点ではメイン噴射による大きなエネルギーが確保されているため、全体の燃焼エネルギーがかなり大きいからである。他方で、本実施形態では、1300Hz、1700Hz及び2500Hzに対応するノック音の中で、1700Hzに対応するノック音を最も低減したいものとして位置付けている。したがって、本実施形態では、ノック音の低減効果が高い、プレ噴射とメイン噴射の熱発生間隔の制御によって、ノック音を優先的に低減すべき1700Hzに対応する共振周波数帯域において、CPL波形の谷を生じさせるようにした。
次に、図15を参照して、上記した本実施形態による作用効果について説明する。図15は、図12乃至図14で述べたような方法によって、CPLの所望の周波数特性を実現するための熱発生間隔に応じた燃料噴射の間隔を適用した場合に得られた実験結果の一例を示している。図15において、グラフG54は、本実施形態によるCPLの周波数特性を示し、グラフG55は、本実施形態による構造減衰の周波数特性を示し、グラフG56は、本実施形態によるエンジンの右1mで発生する音(ノック音に相当する)の周波数特性を示している。他方で、グラフG51、G52、G53は、図11に示したものと同様である、つまり基準噴射タイミングを適用した場合の結果を示している。
本実施形態によれば、グラフG54に示すように、エンジンの構造系が有する共振周波数帯域に相当する周波数帯域FB21、FB22、FB23のそれぞれの範囲内に、波形の谷の部分が含まれるようなCPLの周波数特性が実現されていることがわかる。言い換えると、本実施形態によれば、基準噴射タイミングを適用したグラフG51と比較すると、共振周波数帯域FB21、FB22、FB23のそれぞれにおいてCPLの大きさが小さくなっていることがわかる。そのため、本実施形態によれば、グラフG56に示すように、基準噴射タイミングを適用したグラフG53と比較すると、共振周波数帯域FB21、FB22、FB23のそれぞれにおいてノック音が適切に低減されていることがわかる。この場合、本実施形態によれば、CPLの周波数特性を制御しており、CPLの全体のレベルを変えているわけではないので、燃費やエミッションを悪化させることなく、また、装置のコストや重量を増加させることなく、ノック音を適切に低減することができる。更に、本実施形態によれば、プレ噴射、メイン噴射及びアフター噴射という既存の燃焼形態を活用して、CPLの周波数特性を適切に制御することができる、特にCPLにおける複数の周波数を同時に制御することができる。
<変形例>
以下では、上記した実施形態の変形例について説明する。
以下では、上記した実施形態の変形例について説明する。
上記した実施形態では、所望の熱発生間隔を実現するに当たって、メイン噴射のタイミングを固定しつつ、プレ噴射及びアフター噴射のタイミングを変更していたが、他の例では、例えば、プレ噴射及びアフター噴射のタイミングを変更するだけでは所望の熱発生間隔を実現するのが困難な場合には、メイン噴射のタイミングも変更してもよい。
上記した実施形態では、CPLの所望の周波数特性を実現するために、プレ噴射とメイン噴射の熱発生間隔及びメイン噴射とアフター噴射の熱発生間隔を制御していたが、他の例では、メイン噴射とアフター噴射の熱発生間隔を制御せずに、プレ噴射とメイン噴射の熱発生間隔のみを制御してもよいし(この場合アフター噴射をそもそも行わなくてもよい)、プレ噴射とメイン噴射の熱発生間隔を制御せずに、メイン噴射とアフター噴射の熱発生間隔のみを制御してもよい(この場合プレ噴射をそもそも行わなくてもよい)。更に他の例では、メイン噴射の前段において2回以上の燃料噴射を行うこととし、これらの熱発生間隔を制御することで、CPLの所望の周波数特性を実現するようにしてもよい。また、更に他の例では、メイン噴射の後段において2回以上の燃料噴射を行うこととし、これらの熱発生間隔を制御することで、CPLの所望の周波数特性を実現するようにしてもよい。要は、複数回の燃料噴射を行って複数回の燃焼を生じさせて、複数回の燃焼による熱発生間隔のそれぞれを制御して、CPLの所望の周波数特性を実現すればよい。
上記した実施形態では、エンジンの構造系が有する複数の共振周波数帯域に基づいて、CPLの周波数特性を制御していた。つまり、CPLの周波数特性を示す波形の谷の部分が、エンジンの構造系が有する複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に含まれるように、CPLの周波数特性を制御していた。他の例では、CPLの周波数特性を先に設定して(例えば複数回行う燃料噴射のタイミングを先に設定する)、このCPLの周波数特性を示す波形において谷の部分に対応する周波数帯域に、エンジンの構造系が有する複数の共振周波数帯域が位置するように、エンジンの構造系を設計するようにしてもよい。
1 エンジン本体
2 気筒
4 ピストン
7 クランクシャフト
8 コンロッド
20 インジェクタ
30 吸気通路
40 排気通路
60 ターボ過給機
70 PCM
2 気筒
4 ピストン
7 クランクシャフト
8 コンロッド
20 インジェクタ
30 吸気通路
40 排気通路
60 ターボ過給機
70 PCM
Claims (9)
- 複数回の燃料噴射を行って気筒内に複数回の燃焼を生じさせるエンジンの燃料噴射制御装置であって、
複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が、エンジンの構造系が有する複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に含まれるように、複数回行う燃料噴射の間隔を設定する制御手段を有する、ことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。 - 上記制御手段は、上記複数の共振周波数帯域のそれぞれにおいて、複数回の燃焼において時間的に隣り合う燃焼のそれぞれによって生じた燃焼圧力波の山の部分と谷の部分とが重なり合うように、複数回行う燃料噴射の間隔を設定することで、上記燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が上記複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に含まれるようにする、請求項1に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 上記制御手段は、上記燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が上記複数の共振周波数帯域のそれぞれの範囲内に含まれるような、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔を目標値として用いて、この目標値が実現されるように、複数回行う燃料噴射の間隔を設定する、請求項1又は2に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 上記制御手段は、エンジンの筒内温度及びインマニ圧力に基づいて、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔を求め、この求めた間隔が上記目標値となるように、複数回行う燃料噴射の間隔を設定する、請求項3に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 複数回の燃料噴射を行って、気筒内に複数回の燃焼を生じさせるエンジンの燃料噴射制御装置であって、
複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の周波数特性を示す波形の谷の部分が、エンジンの構造系が有する共振周波数帯域の範囲内に含まれるような、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングの間隔に基づいて、複数回行う燃料噴射の間隔を設定する制御手段を有する、ことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。 - 上記制御手段は、エンジンの筒内温度に基づいて、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングを求めることで、これらのタイミングの間隔を求め、筒内温度が高いほど、熱発生率が最大となるタイミングとして、より早いタイミングを求める、請求項5に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 上記制御手段は、エンジンのインマニ圧力に基づいて、複数回の燃焼のそれぞれによる熱発生率が最大となるタイミングを求めることで、これらのタイミングの間隔を求め、インマニ圧力が高いほど、熱発生率が最大となるタイミングとして、より早いタイミングを求める、請求項5又は6に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
- 複数回の燃料噴射を行って、気筒内に複数回の燃焼を生じさせるエンジンの燃料噴射制御装置であって、
少なくともエンジンの運転状態に基づいて、複数回行う燃料噴射のそれぞれの基準噴射タイミングを設定する制御手段であって、この制御手段は、エンジンの構造系が有する共振周波数帯域において、複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の大きさが、上記基準噴射タイミングを適用したときの複数回の燃焼によって生じた燃焼圧力波の大きさよりも小さくなるように、複数回行う燃料噴射の間隔を設定して、上記基準噴射タイミングを変更する上記制御手段を有する、ことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。 - 上記制御手段は、上記共振周波数帯域において上記基準噴射タイミングを適用したときよりも上記燃焼圧力波の大きさが小さくなるような燃料噴射の間隔の中で、上記基準噴射タイミングに対応する燃料噴射の間隔に最も近い間隔を設定する、請求項8に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
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