JP2016216385A - 1,3,7−オクタトリエンの製造方法 - Google Patents

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【課題】1,3,7−オクタトリエンを工業的に好収率かつ高純度で製造し得る方法を提供する。【解決手段】2,7−オクタジエン−1−オールアセタートから1,3,7−オクタトリエンおよび酢酸を含む生成物を得る工程1;および工程1で得られた生成物を水と接触させる工程2−A、又は工程Aで得られた生成物を水と共に蒸留する工程2−Bを有する、1,3,7−オクタトリエンの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は1,3,7−オクタトリエンを製造する方法に関する。
1,3,7−オクタトリエン(OCT)の公知の合成方法として、特許文献1には、酢酸パラジウムおよびトリフェニルホスフィンに、原料である2,7−オクタジエン−1−オールアセタートを添加した混合溶液を110℃に加熱し、2,7−オクタジエン−1−オールアセタートを滴下して反応させ、2.6kPaに減圧し、反応留出物を系外に抜き取ることで、粗OCT(選択率はほぼ100%)を得る方法が記載されている。
特開昭47−17703号公報
特許文献1にはOCTの精製についてなんら記載がないが、当該方法ではOCTが酢酸との混合物として留出するため、何らかの方法でOCTを分離する必要がある。しかしながら、OCTと酢酸の沸点はそれぞれ125℃、118℃と非常に近く、蒸留による分離が困難であり、OCTの工業的分離法の開発が必要である。
本発明の目的は、OCTを工業的に好収率かつ高純度で製造し得る方法を提供することにある。
本発明者は、反応で得られたOCTを含む生成物を水と接触させること、またさらに必要に応じてOCTを含む生成物を水と共に蒸留することにより、効率的に酢酸とOCTを分離できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記[1]、[2]を提供する。
[1]2,7−オクタジエン−1−オールアセタートから1,3,7−オクタトリエンおよび酢酸を含む生成物を得る工程1;および
工程1で得られた生成物を水と接触させる工程2−A;を有することを特徴とする、1,3,7−オクタトリエンの製造方法。
[2]さらに、工程1で得られた生成物を水と共に蒸留する工程2−B;を有することを特徴とする、[1]の製造方法。
本発明によれば、OCTを工業的に好収率かつ高純度で製造できる。
[工程1]
工程1では、2,7−オクタジエン−1−オールアセタートから1,3,7−オクタトリエンおよび酢酸を含む生成物を得る。
その際、触媒を用いることが好ましく、パラジウム化合物、第3級有機リン化合物の存在する反応系内に、2,7−オクタジエン−1−オールアセタートを添加し、1,3,7−オクタトリエンを含む生成物を得ることがより好ましい。
(2,7−オクタジエン−1−オールアセタート)
工程1で用いる2,7−オクタジエン−1−オールアセタートは、例えば、2,7−オクタジエン−1−オールと無水酢酸を反応させることで容易に製造できる。
(パラジウム化合物)
パラジウム化合物としては、例えば、酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトナート、塩化パラジウム、炭酸パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、リチウムパラジウムクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムなどが挙げられる。使用するパラジウム化合物に特に制限はないが、入手容易性、経済性の観点から酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトナート、塩化パラジウムが好ましく、酢酸パラジウムが特に好ましい。これらは1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
パラジウム化合物の使用量に制限はないが、経済的な観点から、パラジウム化合物、第3級有機リン化合物および必要に応じて溶媒の存在する反応系内における濃度が0.00001〜10mmol/Lの範囲となる量で用いることが好ましい。
(第3級有機リン化合物)
第3級有機リン化合物としては、例えば、トリイソプロピルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、トリn−オクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリベンジルホスフィン、t−ブチルジフェニルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジエチルアミノフェニル)ホスフィンなどの単座ホスフィン;1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサンなどの多座ホスフィン;トリイソプロピルホスファイト、トリn−ブチルホスファイト、トリt−ブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2−メチルフェニル)ホスファイトなどのホスファイト;などが挙げられる。使用するリン化合物に制限は無いが、入手容易性の観点から、単座ホスフィンが好ましく、トリフェニルホスフィンがより好ましい。
第3級有機リン化合物の使用量は、パラジウム化合物と共に形成される触媒組成物の安定性を保つ観点から、パラジウム化合物中のパラジウム原子1モルに対して4〜10000モルの範囲であることが好ましく、6〜5000モルの範囲であるのがより好ましく、8〜1000モルの範囲であるのがさらに好ましく、15〜500モルの範囲であるのが特に好ましい。
工程1の反応を連続的に長時間行う場合、第3級有機リン化合物の少なくとも一部が反応系内で酸化され、パラジウム化合物および第3級有機リン化合物から形成される触媒組成物の触媒活性が低下する傾向にある。そのため工程1においては、第3級有機リン化合物の減少量に相当する量の第3級有機リン化合物を、適宜、反応系内に断続的または連続的に添加するのが好ましい。なお、反応系内における第3級有機リン化合物の減少量は、反応系内から反応液を一部抜き取り、ガスクロマトグラフィー又は液体クロマトグラフィーを用いて測定できる。
上記した第3級有機リン化合物の添加量は、反応系内における第3級有機リン化合物の量が、パラジウム化合物中のパラジウム原子に対して上記範囲となるよう調整するのが好ましい。
(溶媒)
工程1は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒を使用することにより、留出物中への原料の混入を防ぎつつ、安定して反応を長期にわたり実施できる。本発明の方法で用いる溶媒としては、生成物であるOCTとの分離容易性の観点から、大気圧において、OCTよりも高い沸点を有することが極めて好ましく、具体的には、大気圧において、OCTよりも15℃以上高い沸点を有することが好ましく、30℃以上高い沸点を有することがより好ましく、50℃以上高い沸点を有することがさらに好ましい。
このような溶媒としては、例えばドデカンなどの脂肪族炭化水素;テトラヒドロナフタレンなどの芳香族炭化水素;ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル;エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのモノエーテルモノエステル;フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチルなどの脂肪族または芳香族多価エステルなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。中でも、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテルを用いるのが、反応を円滑に進行させることができる観点から好ましい。
溶媒の使用量は、パラジウム化合物、第3級有機リン化合物、原料、および溶媒の混合物の全量に対して、通常、10〜90質量%の範囲であるのが好ましく、20〜80質量%の範囲であるのがより好ましく、30〜70質量%の範囲であるのがさらに好ましい。
(その他の条件)
工程1において、反応温度は、通常、80〜170℃の範囲であるのが好ましく、反応速度、パラジウム化合物および第3級有機リン化合物から形成される触媒組成物の安定性の観点から、100〜150℃の範囲であるのがより好ましい。反応温度が80℃より高いことで良好な反応速度を得られ、反応温度が170℃より低いことで、パラジウム化合物および第3級有機リン化合物から形成される触媒組成物の分解が起こりにくくなる。
工程1において、反応圧力は、反応温度が80〜170℃の範囲において4kPa〜27kPaの範囲であることが好ましく、反応温度が100〜150℃の範囲において15kPa〜25kPaの範囲であることがより好ましい。反応圧力が4kPaより高いことで、原料の留出を抑えることができ、反応圧力が27kPaより低いことで生成物の留出を起こし反応器内の高沸化を抑制できる。また、本発明の方法は、第3級有機リン化合物の酸化を抑制する観点から、窒素、アルゴンなどの反応に不活性な気体の雰囲気下に実施するのが好ましい。
工程1では、パラジウム化合物、第3級有機リン化合物および溶媒の混合物の存在する反応系内に、2,7−オクタジエン−1−オールアセタートを断続的、もしくは連続的に添加し、OCTを含む生成物(他に、酢酸、1,7−オクタジエンおよびその他の低沸点副生成物を含み、以下これらを「反応留出混合液」と総称することがある)を連続的に反応系外に留出させながら反応を行うのが好ましい。
本発明では、工程1の後、後述する工程2−Aおよび工程2−Bにより反応留出混合液からOCTを分離する。
[工程2−A]
工程2−Aでは、工程1で得られる反応留出混合液を水と接触させる。
添加する水の量は、後述する工程2−Bを行わない場合には、接触の回数にもよるが、反応留出混合液の0.05〜10質量倍の範囲であるのが好ましく、0.1〜5質量倍の範囲であるのがより好ましい。後述する工程2−Bを行う場合には、反応留出混合液中のOCTに対して0.2〜100質量倍の範囲であるのが好ましく、0.3〜10質量倍の範囲であるのがより好ましい。
ここで、水は純水として用いてもよく、水溶液、特にアルカリ水溶液として用いても良い。
アルカリ水溶液として用いる場合の溶質としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の酢酸塩、アルカリ金属のリン酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の酢酸塩およびアルカリ土類金属のリン酸塩から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。中でも、入手容易性や酢酸の除去効率の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
アルカリは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水は反応留出混合液に一括して加えても良いし、複数に分けて加えても良い。
反応留出混合液を水と接触させる態様に特に制限はないが、例えば、撹拌および/または振とうを伴う態様が挙げられる。撹拌および/または振とうに用いる装置に特に制限はなく、十分に撹拌および/または振とうできるものであればよい。
撹拌および/または振とうを伴う場合、撹拌および/または振とうの時間は1分以上であるのが好ましく、2分以上であるのがより好ましい。時間の上限は特にないが、経済性の観点から5時間以下であるのが好ましい。
水との接触回数は、含有する酢酸の量によるが、後述する工程2−Bを行わない場合には複数回接触させるのが好ましく、3回以上接触させるのがより好ましい。接触回数に特に上限は無く、経済性および廃液削減の観点から10回以下が好ましい。
後述する工程2−Bを行わない場合には、各接触後に、適宜混合液を静置し、分離した水層を除くのが好ましい。静置時間は、1分以上であるのが好ましく、3分以上であるのがより好ましい。静置時間に上限は特に無いが、経済性の観点から5時間以下であるのが好ましい。
接触時の温度は、凍結防止の観点からは0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、15℃以上がさらに好ましい。また、重合等の副反応防止の観点からは95℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、60℃以下がさらに好ましく、40℃以下が最も好ましい。特に、接触時の温度を15〜40℃とすると、OCTの回収率が向上する。
[工程2−B]
工程2−Bでは、前記工程2−Aにおいて水と接触させた反応留出混合液を、水とともに蒸留することにより、目的とするOCTの純度を高める。
特に、前記工程2−Aにおいて撹拌および/または振とうを行わない場合には、工程2−Bを行うことが好ましい。
本来OCTと酢酸の沸点はそれぞれ125℃、118℃と非常に近く、蒸留による分離が困難であるが、驚くべきことに、接触させた水とともに蒸留することで、効果的にこれらを分離することが可能となる。この理由は明らかではないが、水とOCTの共沸が起こり、OCTが本来の沸点よりも低い温度で留出するためではないかと考えられる。
工程2−Bにおいて、蒸留温度は、80〜170℃の範囲であるのが好ましく、留出速度の観点から、100〜150℃の範囲であるのがより好ましい。蒸留温度を80℃以上とすることで、良好な留出速度を得られ、蒸留温度を170℃以下とすることで、生成物の高沸化による収率低下を抑制できる。なお蒸留は、安全性の観点から、窒素、アルゴンなどの反応に不活性な気体の雰囲気下に実施するのが好ましい。
工程2−Bにおいて、蒸留圧力は、運転する蒸留温度範囲において、OCTが留出する圧力で行うのが好ましい。例えば、蒸留温度が80℃であれば、OCTの留出する27kPa以下で行うのが好ましく、蒸留温度が110℃であれば、OCTの留出する67kPa以下で行うのが好ましく、蒸留温度が170℃であれば、OCTの留出する大気圧以下の圧力で行うのが好ましい。
工程2−Bにおいて、生成物の高沸化を抑える目的で、蒸留原液に重合禁止剤を加えて蒸留しても良い。該重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤を用いることができ、例えばヒドロキノン、ベンゾキノンなどのキノン類;4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、p−tert−ブチルカテコールなどのアルキルフェノール系化合物;フェノチアジンなどのアミン系化合物などを用いることができる。重合禁止剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、アルキルフェノール系化合物が好ましく、4−メトキシフェノール又は2,4−ジ−tert−ブチルフェノールがより好ましく、2,4−ジ−tert−ブチルフェノールがさらに好ましい。 重合禁止剤を使用する場合、その使用量は、溶媒を含む反応混合物全体の質量に対して5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
工程2−Bにおいて得られる塔頂留出物は主にOCTと水であり、デカンタ分離など通常の方法によって分離できる。水は必要に応じて返送し再利用しても良い。
工程2−Aのみでも酢酸とOCTを効果的に分離することが可能であるが、工程2−Bを行うことにより、工程1においてOCTの他に副生成物として得られる1,3,6−オクタトリエンやオクタジエン類(以下、「C8異性体」と称する)とOCTとの分離も同時に行うことができる。
以下、実施例などにより本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
なお、反応(工程1)および蒸留(工程2−B)に関しては、すべて窒素雰囲気下で行った。
(ガスクロマトグラフィー分析条件)
反応系内に存在する混合液の分析は下記の条件で行った。
分析機器:GC14A(株式会社島津製作所製)
検出機器:FID(水素炎イオン化型検出器)
使用カラム:CBP−1(株式会社島津製作所製)
分析条件:Injection Temp.250℃、
Detection Temp.250℃
昇温条件:50℃(15分)→(20℃/分で昇温)→250℃(5分)
(実施例1)
[工程1]
200mL三口フラスコにポリエチレングリコールジメチルエーテル(ADEKA製アデカカーポール CLE−400)48mL(50g)、酢酸パラジウム0.199g(0.89mmol)、トリフェニルホスフィン4.21g(16.1mmol)、2,7−オクタジエン−1−オールアセタート54.2g(322mmol)を入れ、17kPaに減圧し、110℃に昇温した。
生成物を反応系外に留出させながら反応を行い、留出速度が低下したところで、再び2,7−オクタジエン−1−オールアセタートを60.7g(361mmol)、トリフェニルホスフィン0.94g(3.6mmol)を追加して生成物を留出させた。
この操作を繰り返し、40時間反応させる事で、トリフェニルホスフィンを10.8g(41.1mmol)使用し、2,7−オクタジエン−1−オールアセタートを479.1g(2848mmol)反応させ、OCTと酢酸の混合留出物を428.8g得た。そのうちOCTは258.6g(2390mmol、収率84%)であった。反応留出混合液のサンプリングを行って前記条件でガスクロマトグラフィーにより分析したところ、生成したOCTとC8異性体のモル比(OCT/C8異性体)は98/2〜97/3であった。
[工程2−A]
分液ロートに工程1で得られた反応留出混合液を50g仕込み、水17gを加えた。20℃で2分間激しく振とうし、5分間静置して二層に分離した水層を取り除いた。再び水を同量追加して、上記操作を5回繰り返すことにより、有機層を29.6g得た。ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、純度99.9%のオクタトリエン類(C8異性体2.1%含む)を回収率99%で得られ、酢酸濃度は0.1%以下であった。
(実施例2)
[工程2−A]
分液ロートに実施例1の工程1で得られた反応留出混合液を50g仕込み、水17gを加えた。70℃で2分間激しく振とうし、5分間静置して二層に分離した水層を取り除いた。再び水を同量追加して、上記操作を5回繰り返すことにより、有機層を29.0g得た。ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、純度99.9%のオクタトリエン類(C8異性体2.0%含む)を回収率97%で得られ、酢酸濃度は0.1%以下であった。
(実施例3)
[工程2−B]
300mL三口フラスコに実施例1の工程1で得られた反応留出混合液106.6gを入れ、水を25.0g添加することで、下記組成の混合物を131.6g得た。

OCT:48質量%
酢酸:32質量%
水:19質量%
C8異性体:1質量%

当該混合物を20段蒸留塔、還留比3、釜温110℃、60〜67kPaにて蒸留することで、留出物を76.5g得た。分液ロートで当該留出物の有機層/水層を分離することにより、有機層を60.3g得た。ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、99.6%純度のOCTを回収率94%で得られ、酢酸濃度は0.1%以下であった。
(比較例1)
300mL三口フラスコに実施例1の工程1で得られた反応留出混合液107gを入れ、下記組成の混合物を準備した。

OCT:60質量%
酢酸:39質量%
C8異性体:1質量%

当該混合物を20段蒸留塔、還留比3、釜温110℃、60〜67kPaにて蒸留したところ、13.9gの留出物が得られた。当該留出物をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、OCTを42%、酢酸を58%含んでおり、OCTと酢酸を分離できなかった。
本発明の方法で得られる高純度のOCTは分子末端に炭素−炭素二重結合を有し、ポリオレフィンの製造に際しての架橋剤や改質剤として有用である。

Claims (2)

  1. 2,7−オクタジエン−1−オールアセタートから1,3,7−オクタトリエンおよび酢酸を含む生成物を得る工程1;および
    工程1で得られた生成物を水と接触させる工程2−A;を有することを特徴とする、1,3,7−オクタトリエンの製造方法。
  2. さらに、工程1で得られた生成物を水と共に蒸留する工程2−B;を有することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
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