JP2008247836A - アルコール類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回収・再使用し易いホスフィンを用いてアルコール類を高選択的に製造する方法を提供すること。
【解決手段】パラジウム化合物、トリフェニルホスフィン誘導体(3個のフェニル基は炭素数1〜4のアルコキシ基および塩型になったスルホン酸基で置換されている)および塩基性物質(4級アンモニウム塩又は4級ホスホニウム塩)の存在下、共役ジエン化合物と水を反応させることを特徴とする、一般式(III)
Figure 2008247836

で示されるアルコール類の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルコール類の製造方法に関する。
従来から、共役ジエン化合物が水、アルコールなどの求核性反応剤を取り込むことによりオリゴメリ化する反応(テロメリ化反応)が開発されており、パラジウム化合物、特に、ホスフィンが配位したパラジウム化合物がテロメリ化反応用の触媒として優れた活性を示すことが知られている(非特許文献1および非特許文献2参照)。
さらに、該ホスフィンとして、水溶性が極めて高いトリフェニルホスフィンのトリスルホン酸塩などが提案され、テロメリ化反応終了後の反応混合液から水で抽出してからテロメリ化反応に再利用する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
辻二郎著「パラジウム リエージェンツ アンド キャタリスツ(Palladium Reagents and Catalysts)」、ジョン ワイリー アンド サンズ(John Wiley & Sons)出版、p.423−441(1995年) アンゲバンテ ケミー インターナショナル エディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、第41巻、p.1290−1309(2002年) 特開昭53−14787号公報、実施例7
非特許文献1および2に記載された方法は、ホスフィンが配位したパラジウム触媒の熱安定性が悪く、反応終了後に生成物と触媒とを蒸発分離させる際、該触媒が分解してパラジウムブラックが析出するため、パラジウム触媒の再使用が困難であり、製造費が高くなるという問題がある。
また、特許文献1の実施例7に記載された方法は、トリス(3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三ナトリウム塩を配位子として用いると、1,7−オクタジエン−3−オールや1,3,5−オクタトリエンなどの副生成物の生成量が多くなり、工業的規模で実施するには、さらなる改良の余地がある。
しかして、本発明の目的は、上記問題を解決し、回収・再使用し易いホスフィンを用い、式(III)
Figure 2008247836
で示されるアルコール類[以下、アルコール類(III)と称する。]を高選択的に製造する方法を提供することにある。
本発明によれば、上記目的は、パラジウム化合物、一般式(I)
Figure 2008247836
[式中、Xは炭素数1〜4のアルコキシル基を表し、Mはアルカリ金属または−NRH(R、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル基を表す。)を表す。また、ベンゼン環上の水素原子は、いずれも炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。]
で示されるホスフィン[以下、ホスフィン(I)と称する。]および塩基性物質の存在下、一般式(II)
Figure 2008247836
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
で示される共役ジエン化合物[以下、共役ジエン化合物(II)と称する。]と水を反応させることを特徴とするアルコール類(III)の製造方法を提供することにより達成される。
本発明で原料として使用する共役ジエン化合物(II)は、一般式中のRが水素原子またはメチル基であることより、1,3−ブタジエンまたはイソプレンである。特に1,3−ブタジエンは、ナフサの熱分解により得られるC4留分である「粗ブタジエン」(イソブチレンなどのブテン類、メチルアセチレン、1−ブチンなどのアセチレン類、および1,2−ブタジエンなどの不純物を含有した1,3−ブタジエン)を使用してもよい。
本発明で使用する水の量は、共役ジエン化合物(II)1モルに対して、通常、0.1〜100モルの範囲であるのが好ましく、生産性の観点からは、0.5〜50モルの範囲であるのがより好ましい。
本発明で使用するパラジウム化合物としては、例えばギ酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、炭酸パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、塩化パラジウム酸ナトリウム、塩化パラジウム酸カリウム、パラジウムアセチルアセトナート、ビス(ベンゾニトリル)パラジウムジクロリド、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム、ビス(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムなどが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性および経済性の観点からは、酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトナートを使用するのが好ましい。パラジウム化合物の使用量は、パラジウム原子換算で、共役ジエン化合物(II)1モルに対して、0.1ppm〜3000ppmの範囲であるのが好ましく、1ppm〜2000ppmの範囲であるのがより好ましく、1ppm〜1000ppmの範囲であるのがさらに好ましい。
ホスフィン(I)の一般式中、Xが表す炭素数1〜4のアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。
Mが表すアルカリ金属としては、例えばリチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子などが挙げられる。また、Mが表す−NRHにおけるRがそれぞれ独立して表すアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、ノニル基などが挙げられる。
また、ベンゼン環上の水素原子は炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。かかる炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
ホスフィン(I)の具体例としては、例えばトリス(4−メトキシ−3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三リチウム塩、三ナトリウム塩または三カリウム塩、トリス(4−メトキシ−6−メチル−3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三リチウム塩、三ナトリウム塩または三カリウム塩、トリス(4−メトキシ−5−メチル−3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三リチウム塩、三ナトリウム塩または三カリウム塩、トリス(2−メトキシ−5−スルホナトフェニル)ホスフィンの三リチウム塩、三ナトリウム塩または三カリウム塩、トリス(2,6−ジメトキシ−3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三リチウム塩、三ナトリウム塩または三カリウム塩、トリス(4−エトキシ−3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三リチウム塩、三ナトリウム塩または三カリウム塩などが挙げられる。
ホスフィン(I)の使用量は、パラジウム化合物中のパラジウム原子1モルに対して1〜50モルの範囲であるのが好ましく、1〜30モルの範囲であるのがより好ましい。
該ホスフィン(I)は、公知の方法により製造できる(例えば、ヨーロピアン ジャーナル オーガニック ケミストリー(Eur. J. Org. Chem.)、2003年、p.2775参照)。
本発明で使用する塩基性物質としては、例えば、(1)アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩、(2)一般式(IV)
Figure 2008247836
(式中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で示される化合物、(3)一般式(V)
Figure 2008247836
(式中、R、R、R、RおよびR10はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で示される化合物、および(4)NR(R、RおよびRは前記定義の通りである。)で示されるトリアルキルアミンなどが挙げられる。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩の具体例としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。
前記一般式(IV)および一般式(V)中、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10が表すアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらは置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基などが挙げられる。
前記一般式(IV)で示される化合物の具体例としては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムメトキシド、テトラメチルアンモニウムエトキシド、テトラメチルアンモニウムn−プロポキシド、テトラメチルアンモニウムフェノキシド、テトラエチルアンモニウムメトキシド、テトラエチルアンモニウムエトキシド、テトラエチルアンモニウムプロポキシド、テトラエチルアンモニウムフェノキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムメトキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムエトキシド、テトライソプロピルアンモニウムメトキシド、テトライソプロピルアンモニウムエトキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムメトキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムエトキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムフェノキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムメトキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムエトキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムフェノキシドなどが挙げられる。
前記一般式(V)で示される化合物の具体例としては、例えばテトラメチルホスホニウムヒドロキシド、テトラエチルホスホニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルホスホニウムヒドロキシド、テトライソプロピルホスホニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルホスホニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルホスホニウムヒドロキシド、テトラフェニルホスホニウムヒドロキシド、テトラメチルホスホニウムメトキシド、テトラエチルホスホニウムメトキシド、テトラ−n−プロピルホスホニウムメトキシド、テトライソプロピルホスホニウムメトキシド、テトラ−n−ブチルホスホニウムメトキシド、テトラ−n−ブチルホスホニウムエトキシド、テトラ−n−ブチルホスホニウムフェノキシド、ベンジルトリメチルホスホニウムエトキシド、テトラフェニルホスホニウムメトキシド、テトラフェニルホスホニウムエトキシド、テトラフェニルホスホニウムフェノキシドなどが挙げられる。
一般式NRで示されるトリアルキルアミンの具体例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリn−ペンチルアミン、トリn−ヘキシルアミン、トリn−オクチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジエチルイソプロピルアミン、N,N−ジメチルn−ヘキシルアミンなどが挙げられる。塩基性物質として該トリアルキルアミンを使用した場合、本発明において、Mがアルカリ金属であるホスフィンを使用しても、反応系内でアルカリ金属がNRHに置換され得ることがわかっている。
塩基性物質の使用量は、パラジウム化合物中のパラジウム原子1モルに対して0.1〜10000モルの範囲であるのが好ましく、経済性および廃水低減の観点からは、1〜3000モルの範囲であるのがより好ましい。
本発明は、溶媒の存在下でも不存在下でも実施できる。かかる溶媒としては、例えばブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル;ホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノンなどのアミド;ジメチルスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。溶媒は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。溶媒の存在下に実施する場合、溶媒の使用量に特に制限はないが、通常、共役ジエン化合物(II)に対して0.01〜10倍質量の範囲である。
反応は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下に実施するのが好ましい。反応圧力は、0.1〜3MPaの範囲であるのが好ましい。また、反応温度は0〜150℃の範囲であるのが好ましく、20〜110℃の範囲であるのがより好ましい。0℃未満の場合には反応速度が極めて遅くなる傾向となり、また150℃を超える場合には副生物が増加する傾向にある。反応時間は、ホスフィン(I)、パラジウム化合物、塩基性物質の種類や使用量、反応温度および反応圧力などにより異なるが、通常、0.5〜10時間の範囲である。
本発明によって得られるアルコール類(III)としては、具体的には、2,7−オクタジエン−1−オール、2,6−ジメチル−2,7−オクタジエン−1−オール、2,7−ジメチル−2,7−オクタジエン−1−オール、3,6−ジメチル−2,7−オクタジエン−1−オール、3,7−ジメチル−2,7−オクタジエン−1−オールが挙げられる。
本発明の実施方法に特に制限は無く、例えばバッチ方式または連続方式のいずれでも実施できる。連続方式の場合には、ピストンフロー型反応器または完全混合槽型反応器のいずれでも行うことができ、またこれらを組み合わせて行なうこともできる。具体的な反応方法を以下に例示する。
バッチ方式では、例えば、不活性ガス雰囲気下、水、塩基性物質、パラジウム化合物、ホスフィン(I)および必要に応じて溶媒を混合し、得られた混合液に共役ジエン化合物(II)を圧入し、所定温度、所定圧力で、所定時間反応させる。
また、例えば連続方式では、例えば、不活性ガス雰囲気下、水、塩基性物質、パラジウム化合物、ホスフィン(I)を混合した溶液を反応器へ連続的または断続的に供給し、一方、共役ジエン化合物(II)は必要に応じて溶媒と共に反応器へ連続的または断続的に圧入し、所定時間反応させ、連続的または断続的に反応混合液を抜取ることにより実施できる。
反応終了後、得られた反応混合液からのアルコール類(III)の分離精製は、通常の有機化合物の分離精製方法を用いることができる。
例えば、反応終了後の反応混合液が、有機層と水層に分液している場合、水層を分離除去した後の有機層を蒸留することによって分離・精製することができる。また、分離した水層には、塩基性物質、ホスフィン(I)およびホスフィン(I)が配位したパラジウムなどが含まれており、この水層を再び反応に使用することができる。
反応終了後の反応混合液が、使用する溶媒によって均一となっている場合、例えばヘキサンのような非水溶性溶媒を添加して、有機層と水層に分液させた後、上記と同様の処理により、分離・精製することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、各実施例および比較例におけるガスクロマトグラフィー分析は以下の手順で実施した。
[ガスクロマトグラフィー分析]
装置:GC−14B(島津製作所製)
使用カラム:DB−WAX(20m)(アジレントテクノロジーズ社製)
分析条件:injection temp.220℃、detection temp.250℃
昇温条件:40℃で8分保持→15℃/分で昇温→240℃で30分保持
<合成例1>
温度計、攪拌器、滴下ロートおよび還流管を備えた内容積500mlの三つ口フラスコに98%濃硫酸15mlを仕込み、攪拌しながらトリ(4−メトキシフェニル)ホスフィン12g(34.08mmol)を添加して完全に溶解させた。溶液の温度を25℃以下に維持するため、水浴で冷却しながら、発煙硫酸25mlを40分間かけて滴下し、滴下終了後も2時間攪拌した。
攪拌器および温度計を備えた内容積2Lの三つ口フラスコに、水200gに水酸化ナトリウム57.2g(1.43mol)を溶解した水酸化ナトリウム水溶液を仕込み、前述の方法により得られた反応混合液を、窒素雰囲気下、約40分かけて混合溶液の温度を25℃以下に保ちながら添加した。1時間攪拌した後、20%水酸化ナトリウム水溶液により、混合溶液が中性になるよう調整した。次いで、脱気したメタノール200mlを添加したところ、沈殿物が析出した。該沈殿物をろ過し、ろ液を減圧下に留去した結果、白色の固体を得た。得られた白色の固体に、脱気したメタノール/水=19/1(容積比)の混合液1Lを加えて、50℃に加熱し、白色固体を溶解した。こうして得られた溶解液を窒素雰囲気下にてろ過し、ろ液を減圧下に留去して白色固体を得、再び脱気したメタノール/水=19/1(容積比)の混合液500mLを加えて、50℃に加熱し、白色固体を溶解した。得られた溶解液を窒素雰囲気下にてろ過し、再度ろ液を減圧下に留去することにより、トリス(4−メトキシ−3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三ナトリウム塩2.7g(3.74mmol、収率10.9%、白色固体)を単離した。
<実施例1>
窒素雰囲気下、内容積100mlの電磁誘導撹拌機付きオートクレーブに、水40ml(2.22mol)、水酸化ナトリウム0.72g(18mmol)、トリス(4−メトキシ−3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三ナトリウム塩236mg(358μmol)、酢酸パラジウム20mg(89μmol)を導入し、次いで、液状の1,3−ブタジエン10ml(118.5mmol)を圧入した。この混合液を撹拌しながら65℃に加熱し、同温度で3時間撹拌した。ガスクロマトグラフィー分析を行なったところ、1,3−ブタジエンの転化率は68.8%であり、2,7−オクタジエン−1−オールの選択率が86.7%、1,7−オクタジエン−3−オールの選択率が7.5%[2,7−オクタジエン−1−オール/1,7−オクタジエン−3−オール=92/8(モル比)]、ビニルシクロヘキサンとオクタトリエンの選択率が合計5.8%であった。
得られた反応混合液を減圧下に蒸留(90℃/1.3kPa)することにより、2,7−オクタジエン−1−オール6.15g(純度99.7%、収率82.4%)を得た。
<比較例1>
トリス(4−メトキシ−3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三ナトリウム塩236mg(358μmol)をトリス(3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三ナトリウム塩204mg(358μmol)に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行なった。
ガスクロマトグラフィー分析を行なったところ、1,3−ブタジエンの転化率は68.8%であり、2,7−オクタジエン−1−オールの選択率が69.7%、1,7−オクタジエン−3−オールの選択率が19.6%[2,7−オクタジエン−1−オール/1,7−オクタジエン−3−オール=78/22(モル比)]、ビニルシクロヘキサンとオクタトリエンの選択率が合計10.7%であった。
<実施例2>
窒素雰囲気下、内容積100mlの電磁誘導撹拌機付きオートクレーブに、水15ml(0.83mol)、スルホラン15ml、トリエチルアミン5ml(36mmol)、トリス(4−メトキシ−3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三ナトリウム塩657mg(1mmol)、酢酸パラジウム11.2mg(50μmol)を導入し、次いで、液状の1,3−ブタジエン20ml(237mmol)を圧入した。この混合液を撹拌しながら75℃に加熱し、同温度で3時間撹拌した。ガスクロマトグラフィー分析を行なったところ、1,3−ブタジエンの転化率は72.8%であり、2,7−オクタジエン−1−オールの選択率が86.1%、1,7−オクタジエン−3−オールの選択率が8.5%[2,7−オクタジエン−1−オール/1,7−オクタジエン−3−オール=91/9(モル比)]、ビニルシクロヘキサンとオクタトリエンの選択率が合計5.4%であった。
<比較例2>
トリス(4−メトキシ−3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三ナトリウム塩657mg(1mmol)をトリス(3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三ナトリウム塩568mg(1mmol)に変更した以外は、実施例2と同様に反応を行なった。
ガスクロマトグラフィー分析を行なったところ、1,3−ブタジエンの転化率は61.5%であり、2,7−オクタジエン−1−オールの選択率が68.7%、1,7−オクタジエン−3−オールの選択率が19.4%[2,7−オクタジエン−1−オール/1,7−オクタジエン−3−オール=78/22(モル比)]、ビニルシクロヘキサンとオクタトリエンの選択率が合計11.9%であった。
比較例1および2のように、トリス(3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三ナトリウム塩を用いた場合、目的化合物である2,7−オクタジエン−1−オールの選択率が70%以下と低く、実施例1および2のように、トリス(4−メトキシ−3−スルホナトフェニル)ホスフィンの三ナトリウム塩を使用した場合には、80%以上と高選択的に目的とする2,7−オクタジエン−1−オールが得られた。
本発明により製造されるアルコール類(III)は、各種ポリマーまたは各種化学品の原料、香料などの中間体などとして利用可能である。

Claims (1)

  1. パラジウム化合物、一般式(I)
    Figure 2008247836
    [式中、Xは炭素数1〜4のアルコキシル基を表し、Mはアルカリ金属または−NRH(R、RおよびRは、それぞれ独立してアルキル基を表す。)を表す。また、ベンゼン環上の水素原子は、いずれも炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。]
    で示されるホスフィンおよび塩基性物質の存在下、一般式(II)
    Figure 2008247836
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
    で示される共役ジエン化合物と水を反応させることを特徴とする、式(III)
    Figure 2008247836
    で示されるアルコール類の製造方法。
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