JP2016212100A - 原子力圧力容器のシート面検査装置 - Google Patents

原子力圧力容器のシート面検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】容器部のシート面の状態を効率的に検査可能な原子力圧力容器のシート面検査装置を提供する。
【解決手段】シート面検査装置は、原子力圧力容器のシート面の延在方向に沿って移動しながら計測部によりシート面の状態を検査する。該検査装置の移動は、ガイド機構によってガイドされながら移動する。ガイド機構はガイドより内周側に位置するため、検査装置が移動した際に干渉することがない。
【選択図】図6

Description

本開示は、容器部及び蓋部を備える原子力圧力容器のシート面の状態を検査する原子力圧力容器のシート面検査装置に関する。
容器部及び蓋部が締着されて構成される原子力圧力容器では、容器部及び蓋部のうち互いに締着された際に接触するシート面を平滑に仕上げると共に、該シート面にOリングを挿み込んで締め付けることにより密閉度が保持可能に構成されている。このため、かかるシート面にピッティングや傷による微細な凹凸があると気密性が低下することから、該シート面の状態を精度よく検査することが求められている。
この種の原子力圧力容器のシート面検査では、従来、TVカメラ等を用いた目視点検が行われていたが、上記のようなピッティングや傷による微細な凹凸の判別の際にシート面の色ムラ等の影響を受けやすいという問題があった。このような問題に対し、特許文献1では容器部のシート面上の凹凸を、略円筒形状を有する容器部の縁に沿って移動しながら定量的に評価可能な検査装置20’が開示されている。図13は特許文献1に係る検査装置20’の全体構成を示す模式図であり、図14は図13のH−H線断面図である。
検査装置20’は、容器部2から蓋部3が分離された状態にある原子力圧力容器において、蓋部3の縁に係合されながらシート面10の延在方向に沿って移動可能に構成された移動台車21’を備える。移動台車21’は容器部2のシート面10に向かって下方に延在するアームを備えており、その先端にシート面を観察するためのカメラ32’が搭載されている。検査装置20’は、移動台車21’を周方向に移動させながらカメラ32’による動画撮影を行い、シート面10全体に亘って検査を行う。
尚、検査装置20’の検査方法としては上述のカメラ32’よる動画撮影に代えて、距離センサによる距離測定を採用してもよいし、カメラ32’による動画撮影と共に距離センサによる距離測定を採用してもよい。
特許第4585080号
原子力圧力容器を構成する容器部2には、シート面10の延在方向に沿って縁近傍に配列された複数の固定孔14が設けられており、蓋部3にはボルト用貫通孔(以下、適宜「貫通孔」と称する)6が設けられている。貫通孔6には上方から締着用のボルトが挿入され、該ボルトの先端が固定孔14に固定されることにより、容器部2及び蓋部3間が互いに固定されるように構成されている。検査時には、図13に示されるように容器部2から蓋部3が分離されることによってシート面10が露出させられる。このとき蓋部3はクレーン等によって吊り上げ支持されるが、当該吊り上げ支持された蓋部3の姿勢が不安定にならないように、複数の貫通孔6及び固定孔14のうちいくつかにガイド13が挿入される。
上記特許文献1では、蓋部3の縁に設置された移動台車21’から下方に向かって延びるアームの先端に設けられたカメラ32’によって、ガイド13より内周側に位置するシート面10を観察するように構成されている。そのため、移動台車21’をシート面10の延在方向に沿って移動させると、ガイド13の位置において構造上干渉が生じてしまう。そのため、ガイド13近傍では、アームを旋回、又は、該アームを原子力圧力容器の外側に向かって移動させることでガイド13を回避する作業が必要となる。この種の検査では、検査位置制御にミリ単位の精度が要求されるため、このようなガイドの回避作業には位置校正を含むセットアップ作業が必要となり、作業時間が長期化してしまうという問題があった。
本発明の少なくとも1実施形態は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、容器部のシート面の状態を効率的に検査可能な原子力圧力容器のシート面検査装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも1実施形態に係る原子力圧力容器のシート面検査装置は上記課題を解決するために、容器部のシート面に蓋部が締着されて構成される原子力圧力容器において、前記蓋部の姿勢が外周側に設けられたガイドを介して前記容器部に対して規制されている際に、前記シート面の状態を検査する原子力圧力容器のシート面検査装置であって、前記シート面の延在方向に沿って移動可能に構成された本体部と、前記シート面に対向するように前記本体部に設けられた計測部と、前記本体部の内周側及び外周側の少なくとも一方において、前記シート面に垂直に設けられた少なくとも1の垂直面に前記本体部をガイドするように構成されたガイド機構と、を備え、前記ガイド機構は前記ガイドより内周側に位置する。
上記(1)の構成によれば、本体部をシート面上で、該シート面の延在方向に沿って移動させながら、計測部によりシート面の状態を計測することで、効率的にシート面の状態を検査できる。このような検査装置の移動はガイド機構によってガイドされることによって、シート面に沿って安定した姿勢で行われる。またガイド機構はガイドより内周側(すなわち、原子力圧力容器の内側)に位置するため、検査装置がシート面上を移動する際にガイドと物理的に干渉することがない。そのため、従来のようなアームの旋回、又は該アームを径方向外側に移動させる回避作業が不要となるため、位置を校正する作業も不要となり、検査期間を効果的に短縮できる。更に、検査装置のサイズ及び重量を抑制することができるので、設備やスペースの限られているプラント設備内においても効率的な運用が可能となる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記少なくとも1の垂直面は、前記本体部の内周側に設けられた第1の垂直面と、前記本体部の外周側に設けられた第2の垂直面とを含み、前記ガイド機構は、前記第1の垂直面及び第2の垂直面の一方に前記本体部を付勢する付勢手段と、他方に前記本体部を当接させる当接手段とを含む。
上記(2)の構成によれば、第1の垂直面及び第2の垂直面の一方に本体部が付勢されると共に他方においてその反力を支持することにより、径方向における本体部の姿勢を安定できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記少なくとも1の垂直面は、炉内構造物、前記容器部、及び、前記蓋部のいずれかに設けられている。
上記(3)の構成によれば、ガイド機構によって本体部をガイドする垂直面として、炉内構造物、容器部、及び、蓋部を利用することで、既存の構成を有する原子力圧力容器に対して設計変更を伴うことなく本検査装置を適用できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、前記第1の垂直面は、前記原子力圧力容器において炉心を支持する炉心支持部材に設けられ、前記第2の垂直面は、前記容器部に設けられた段差である。
上記(4)の構成によれば、第1の垂直面及び第2の垂直面として、それぞれ炉心支持部材及び段差を採用することによって、既存構成を有する原子力圧力容器に対して本検査装置を容易に適用できる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)から(4)のいずれか1構成において、前記計測部は、前記容器部の径方向に沿った前記シート面の表面データを取得することにより形状を計測する形状計測部と、前記シート面を撮像する撮像部との少なくとも一方を備える。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、前記形状計測部はラインセンサである。
(7)幾つかの実施形態では、上記(5)又は(6)の構成において、前記撮像部は静止画を撮像する静止画カメラである。
上記(6)及び(7)の構成によれば、シート面の計測手段としてラインセンサ及び静止画カメラを採用することで、計測データの容量を抑えつつ、精度のよい検査を実施できる。
尚、静止画カメラに代えて、従来のように動画カメラを使用してもよく、これに加えてタイトルジェネレータを用いてもよいが、タイトルジェネレータを省くことでコスト削減を行ってもよい。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)のいずれか1構成において、前記本体部の前記シート面上における周方向位置を検知する位置検知部を更に備える。
上記(8)の構成によれば、計測部における計測結果をシート面における周方向位置と関連付けて保存することで、計測結果を効率的に管理できる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の構成において、前記蓋部の外周側に周方向に沿って等間隔に配列された締結用ボルトがそれぞれ挿入可能に構成された複数の貫通孔と、前記容器部の外周側に周方向に沿って前記複数の貫通孔に対応するように配列され、前記複数の貫通孔に挿入された前記締結用ボルトの先端を固定可能に構成された複数の固定孔と、を更に備え、前記ガイドは、前記複数の貫通孔及び前記複数の固定孔のいくつかを貫通するように設けられており、前記位置検知部は、前記複数の貫通孔の各々の位置、及び、前記複数の貫通孔の位置に基づいて想定される前記貫通孔に挿入されたガイドの位置の少なくとも一方を基準とする移動距離として前記本体部の位置を検知する。
上記(9)の構成によれば、シート面上における周方向位置をこのような基準に基づく移動距離として検知することで、作業員にとって感覚的な把握が容易な形態で計測データを管理することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(8)又は(9)の構成において、前記位置検知部は、前記本体部の走行輪とは独立に設けられたレゾルバの回転数に対応して生ずるパルスをカウントすることにより前記本体部の位置を検知する。
上記(10)の構成によれば、本体部の位置検知を走行輪と独立に設けられたレゾルバに基づいて行うことにより、滑り誤差が少なく、精度の高い位置検知が可能となる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)のいずれか1構成において、前記原子力圧力容器は、前記シート面の内周側及び外周側に周方向に沿って同軸配置された弾性部材を有し、前記計測部は、前記シート面のうち前記弾性部材が当接する位置に対応するように配置されている。
上記(11)の構成によれば、シート面のうちOリングのような弾性部材が当接する位置はピッティングや傷による微細な凹凸があると気密性が低下する要因となるため、該シート面の状態を高精度で検査する必要がある。そこで、当該位置に対応するように計測部を配置することにより、精度のよい検査を実施できる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(11)のいずれか1構成において、前記本体部が前記シート面上に配置された際に、前記蓋部のシート面に前記本体部を付勢する上部付勢部を更に備える。
上記(12)の構成によれば、上部付勢部によって本体部をシート面に付勢することにより、本体部のシート面に垂直な上下方向における姿勢を更に安定化できる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(8)乃至(10)のいずれか1構成において、前記シート面上における前記本体部の移動を制御する制御システムと、前記計測部における計測結果を前記位置検知部で検知された周方向位置と関連付けて解析する解析手段と、を備える。
上記(13)の構成によれば、制御システムにより本体部の移動制御を行うことで、シート面上における本体部の周方向位置を管理しながら、計測部における計測結果を周方向位置と関連付けて解析する。これにより、本体部の移動制御から計測結果の解析に至るまでの一連の動作で検査、解析することで、効率的な処理が可能となる。特にシート面を精密に検査する場合には大容量の計測結果を取り扱う必要が生じるが、このような効率的な処理が可能となることで、少ない作業負担で対応できる。尚、更に効率的に処理を行う為、一連の動作を自動化してもよい。
本発明の少なくとも1実施形態によれば、容器部のシート面の状態を効率的に検査可能な原子力圧力容器のシート面検査装置を提供できる。
原子力圧力容器の側方断面図である。 図1のI−I線断面図である。 図1の原子力圧力容器の容器部及び蓋部をメンテナンスのために分離した様子を示す側方断面図である。 図4は本実施形態の少なくとも1実施形態に係る検査装置(本体部)を上方から示す模式図である。 図4の検査装置(本体部)を下方から示す模式図である。 図4の検査装置のシート面への設置例を示す模式図である。 図6のII−II線断面図である。 特許文献1に係る検査装置(本体部)の移動状態を示す模式図である。 本実施形態の少なくとも1実施形態に係る検査装置(本体部)の移動状態を示す模式図である。 本発明の1実施形態に係る検査装置の制御及び計測結果を解析する解析システムの構成を示すブロック図である。 図9の解析システムが実施する制御手順を工程毎に示すフローチャートである。 図10のステップS7におけるデータ変換の一例を模式的に示すフロー図である。 貫通孔センサの検知信号とパルス信号との対応関係の一例を示す模式図である。 従来の検査装置の全体構成を示す模式図である。 図13のH−H線断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は原子力圧力容器の側方断面図であり、図2は図1のI−I線断面図であり、図3は図1の原子力圧力容器の容器部及び蓋部をメンテナンスのために分離した様子を示す側方断面図である。
尚、図2では図示をわかりやすくするために、図1及び図3で示された上部炉心支持板9を省略して記載している。
原子力圧力容器1は、略円筒形状を有する容器部2を備え、該容器部2の上部は、上方から見て略円形状を有する蓋部3によって覆われるように構成されている。容器部2及び蓋部3は同軸上に配置されており、それぞれの縁部に設けられたフランジ4及び5を介して互いに固定されている。蓋部3のフランジ5には、該蓋部3の周方向に沿って複数の貫通孔6が配列されており、容器部2のフランジ4には該容器部2の周方向に沿って複数の貫通孔6の位置に対応するように複数の固定孔14が配列されている。複数の貫通孔6には締着用のボルト7が挿入され、その先端がそれぞれ複数の固定孔14に固定されることで、容器部2及び蓋部3間が締着され、原子力圧力容器1が構成されている。
原子力圧力容器1には、低濃縮ウランを含む複数の燃料ペレットが被覆管内に積層された複数の燃料棒からなる燃料集合体を有する炉心8が収納されている。炉心8は原子力圧力容器1の内壁に対して炉心支持部材を介して支持されている。図1では、炉心支持部材として上部炉心支持板9が例示されているが、他の構成を炉心支持部材として含んでいてもよいことは言うまでもない。
フランジ4及び5は、貫通孔6及び固定孔14より内側に設けられたシート面10A及び10Bを有し、シート面10A及び10BはOリング12A及び12Bを介して互いに密に接触することにより、原子力圧力容器1の内側を外部に対して封止する。Oリング12A及び12Bは、蓋部3のシート面10B上に、該シート面10Bの延在方向に沿って内側及び外側に設けられたリング状の溝部11A及び11B内に配置されている(図7を参照)。これにより、溝部11A及び11Bにそれぞれ配置されたOリング12A及び12Bは、フランジ4及び5がボルト7により締着された際に、シート面10A及び10B間の隙間を良好に封止し、原子力圧力容器1の内側を外部から確実に隔離可能に構成されている。
ここで、シート面10は原子力圧力容器1の気密性を確保するために平滑に仕上げられている。かかるシート面10にピッティングや傷による微細な凹凸があると原子力圧力容器1の気密性が低下する要因となるため、該シート面10の状態を高精度で検査することが要求される。シート面10の検査は、図3に示されるように、締結用のボルト7を取り外すことで容器部2から蓋部3を分離し、シート面10が外部に露出された状態で実施される。このとき蓋部3はクレーン等によって吊り上げ支持されており、当該吊り上げ支持された蓋部3の姿勢が不安定にならないように、複数の貫通孔6のうちいくつか(例えば3箇所)にガイド13が挿入されている。
続いて図4乃至図8Bを参照して、本実施形態の少なくとも1実施形態に係る検査装置20(本体部21)の構成について説明する。
図4は本実施形態の少なくとも1実施形態に係る検査装置20(本体部21)を上方から示す模式図であり、図5は図4の検査装置20(本体部21)を下方から示す模式図であり、図6は図4の検査装置20(本体部21)のシート面10Aへの設置例を示す模式図であり、図7は図6のII−II線断面図であり、図8Aは特許文献1に係る検査装置20’(本体部21´[計測部32´])の移動状態を示す模式図であり、図8Bは本実施形態の少なくとも1実施形態に係る検査装置20(本体部21)の移動状態を示す模式図である。
尚、図4及び図6では図示をわかりやすくするために、図7に示される付勢機構29の周辺構造を一部省略して記載している。
検査装置20(本体部21)は、略円筒形状を有する容器部2の上側縁部上に設けられた略リング状のシート面10A上に搭載され、当該シート面10Aの延在方向に沿って移動しながら、シート面10Aの状態を検査する。検査装置20の本体部21は略直方体形状を有している。本実施形態では、その一態様として、鉛直方向上方から見て、略リング状のシート面10Aの部分形状に対応するように略扇型形状に形成されている。
検査装置20(本体部21)は、シート面10上を移動する際の駆動部として機能する駆動輪22が設けられている。ここでシート面10Aが設けられているフランジ4は、蓋部3と対向する側において、固定孔14が設けられた領域とシート面10Aとの間に段差17が設けられている。駆動輪22は、上下方向に沿った回転軸を有すると共に駆動輪22の少なくとも一部が本体部21より径方向外側に出ることで、このようにシート面10Aより径方向外側に設けられた段差17に接するように構成されている。また本体部21の内部には、駆動輪22を駆動するための電動モータのような動力源(不図示)が収納されている。
尚、検査装置の移動は異なる方式で実施されてもよく、本実施形態では一例に過ぎない。例えば検査装置20(本体部21)は作業員によって人力で牽引することにより移動されてもよいし、或いは、段差17及び検査装置20(本体部21)にそれぞれラックギア及びピニオンギアを設けると共に、これらラックギア及びピニオンギアのいずれか一方を駆動モータで駆動することで移動を実現してもよい。また容器部2、蓋部3、及びこれらの周辺構造(例えば炉内構造物)が有する各種凹凸を順次把持、開放を繰り返しながら走行を行う、いわゆる尺取り虫方式で移動を実現してもよい。
このように駆動輪22が駆動されると、段差17に動力が伝達されることにより、検査装置20(本体部21)はシート面10Aの延在方向に沿って移動する。ここで、本体部21のうち駆動輪22と同じ側には、駆動輪22と共に段差17に接するように設けられた従動輪23が備えられている。駆動輪22及び従動輪23は検査装置20(本体部21)の側方においてシート面10Aの延在方向に沿った異なる位置に配置されることで、段差17に対して均一に当接するように構成されている。
尚、本体部21における駆動輪22及び従動輪23の配置は、例えば、これら2つのローラの位置を正確に設計・設置することで、検査装置20(本体部21)がシート面10A上に設置された際に、後述する計測部32がシート面10AのうちOリング12A及び12Bの当り面に対応する位置になるように配置されることで、計測部32によってOリング12A及び12Bの当り面が確実にカバーされるように設定されるとよい。これにより、検査装置20(本体部21)をシート面10A上に設置した際に、計測部32がOリング12A及び12Bの当り面に対応する位置に配置されるため、設置作業を容易にすることができる。
また検査装置20(本体部21)は、シート面10A上に設置された際にシート面10Aに対向する側、すなわち、検査装置20(本体部21)の底側に複数の走行輪24が設けられている。走行輪24は上述の従動輪23と同様に駆動力が伝達されない従動輪であり、検査装置20の進行方向に対応するように、シート面10Aの延在方向に沿って複数設けられている。
シート面10A上における検査装置20(本体部21)の移動経路は、ガイド機構25によってガイドされる。ガイド機構25は、検査装置20(本体部21)の内周側及び外周側の少なくとも一方において、シート面10Aに垂直に設けられた少なくとも1の垂直面に検査装置20(本体部21)をガイドするように構成されている。
ガイド機構25は、検査装置20(本体部21)がシート面10A上に設置された際に、検査装置20(本体部21)より容器部2の内側にある上部炉心支持板9に当接するガイド板26と、検査装置20(本体部21)をガイド板26を介して上部炉心支持板9に対して付勢する付勢機構27とを備える。図5では付勢機構27の一例として、伸縮可能なシリンダ機構が例示されている。ここで上部炉心支持板9は、図7に示されるように、容器部2との間に隙間30を介して配置されており、ガイド板26は検査装置20(本体部21)がシート面10上に設置された際に当該隙間30に挿入可能に構成されている。付勢機構27は、上部炉心支持板9に当接するガイド板26に対して付勢力を印加する。
検査装置20(本体部21)は少なくとも1つの付勢機構27を有するとよい。本実施形態では、検査装置20(本体部21)のシート面10に沿った長手方向において、一端側(例えば進行方向の前側)及び他端側(例えば進行方向の後側)にそれぞれ付勢機構27が設けられることにより、合計2つの付勢機構27を有する場合が例示されている。このように検査装置20(本体部21)が複数の付勢機構27を有する場合、各付勢機構27は上部炉心支持板9に対してガイド板26が略均一に付勢されるように構成されているとよい。
尚、付勢機構27として、上述のシリンダ機構に代えてバネ機構を用いてもよい。
尚、炉内の構造によっては、隙間30に別部材である板部材を挿入し、当該板部材にガイド板26を当接するように付勢機構27を構成してもよい。この場合、別部材である板部材が容器内に落下することを防止するために、落下防止用突起物(ピン等)を設けてもよい。
上述したように、駆動輪22及び従動輪23は、検査装置20(本体部21)がシート面10A上に設置された際に段差17に当接することにより、ガイド機構25の一部としても機能する。つまり、ガイド板26を付勢機構27によって、検査装置20(本体部21)の内周側の上部炉心支持板9に付勢することで検査装置20(本体部21)が受ける反力を、検査装置20(本体部21)の外周側の駆動輪22及び従動輪23によって支持する。このようにガイド機構25は、シート面10A上に搭載された検査装置20(本体部21)を径方向両側から支持することで姿勢を安定に維持しつつ、シート面10Aの延在方向に沿った正確な移動が可能に構成されている。
尚、本実施形態では、駆動輪22及び従動輪23が付勢力の反力によって段差17に押し付けられる場合を例示したが、これに代えて、駆動輪22及び従動輪23に磁性体を含ませることで、磁力による吸着を利用してもよい。
このようなガイド機構25は、検査装置20(本体部21)がシート面10A上に搭載された際に、容器部2においてガイド13に比べて内側に位置するように構成されている。図8Aに示されるように従来の検査装置20’ (本体部21´[計測部32´])では、シート面10Aから径方向外側に向けて構造が延びているため、検査装置20’ (本体部21´[計測部32´])がシート面10A上を移動する際に、ガイド13との物理的干渉を避けるために、検査装置の回避作業を伴っていた。この種の検査ではミリ単位の高精度な位置制御が求められるため、このような回避作業はセットアップに多大な時間を要し、検査期間の長期化を招く要因となっていた。一方、本実施形態に係る検査装置20(本体部21)では、ガイド機構25は容器部2においてガイド13に比べて内側に収められているので、ガイド13と物理的に干渉することがなく、従来のような回避作業も不要である。そのため、従来に比べて検査期間を大幅に短縮することが可能である。
尚、本実施形態のガイド機構25では、検査装置20(本体部21)をガイドする垂直面として、上部炉心支持板9、及び、段差17を採用した例を示したが、これに加えて或いは代えて、容器部2、蓋部3及びその他の炉内構造物のいずれかに設けられた垂直面を広く利用可能にしてもよい。例えばガイド機構25を樹脂のような柔らかい素材で形成した場合には、蓋部3に設けられた溝部11A及び11BからOリング12A及び12Bを取り外すことで、溝部11A及び11Bの一部を垂直面として利用してもよい。
また本実施形態では、図7に示されるように、検査装置20(本体部21)がシート面10A上に搭載された際に、容器部2の上方に位置する蓋部3のシート面10Bに当接可能なガイド輪28と、該ガイド輪28と検査装置20(本体部21)との間に設けられた付勢機構29とを備える。これにより、シート面10A上に搭載された検査装置20(本体部21)は、シート面10Bからシート面10Aに押し付けられるように付勢力の反力を受けることで、鉛直方向に沿った姿勢も安定化することができる。
また検査装置20(本体部21)は、該検査装置20(本体部21)のシート面10A上における位置を検知するための位置検知部(位置検出機構35)としてレゾルバ31を備えている。後述の位置検知部(位置情報処理部42)は該レゾルバ31の回転数に応じてパルス信号が発生されるように構成されている。レゾルバ31は駆動輪22及び従動輪23と同様に、検査装置20(本体部21)の径方向外側に付勢機構(不図示)によって段差17に当接されており、この付勢力は、上述の駆動輪22及び従動輪23とは独立して構成されており、レゾルバ31の滑りが発生しにくいように所定値に調整されている。そのため、位置検知部(位置情報処理部42)は、検査装置20(本体部21)の移動に伴ってレゾルバ31が回転した際に、当該レゾルバ31の回転に応じて位置検知用のパルス信号を精度よく発生することができる。
尚、本実施形態のレゾルバ31の回転に対応して発生されるパルス信号は、検査装置20(本体部21)がシート面10A上を4μm移動する毎に1パルス放出される仕様となっている。
また本実施形態では、レゾルバ31は段差17に当接するように構成された場合を例示しているが、容器部2、蓋部3及びその他炉心構造物のいずれかに接触することにより、シート面10A上を移動する検査装置20(本体部21)の位置を検知可能に構成されていればよい。
尚、位置検知部(位置検出機構35)としては上述のレゾルバ31に代えてエンコーダを使用してもよいが、エンコーダは半導体が用いられているため、放射線被曝を考慮した設計が必要となる。
検査装置20(本体部21)がシート面10A上に配置された際に、シート面10Aに対向する側(すなわち底側)に、シート面10Aの状態を計測するための計測部32を備える。計測部32は、シート面10Aの径方向に沿った表面データを取得可能な非接触レーザ変位計を含むラインセンサと、シート面10Aの静止画像を撮影する静止画カメラとを備えて構成されており、これらはユニット化されていてもよい。
計測部32はシート面10Aに対向する側において、容器部2の径方向に沿って少なくとも1つ設けられている。本実施形態では特に、2つの計測部32A及び32Bが設けられており、これらは、シート面10Aのうち容器部2及び蓋部3が締結されたときにOリング12A及び12Bが当接する領域に対応するように配置されている。シート面10Aは、Oリング12A及び12Bが当接する領域であることから、ピッティングや傷による微細な凹凸があると原子力圧力容器1の気密性が低下する要因となるため、当該領域を高精度で検査する必要がある。そこで、計測部32をこのように配置することで精度よく検査できる。また検査装置20(本体部21)をシート面10A上に配置した際に、計測部32A及び32Bが当該領域をカバーできるため、設置に要する作業負担も少なくて済む。
ところで、従来、この種の検査装置では、計測部として非接触CCDレーザ変位センサとガルバノミラースキャン方式とを組み合わせたものが用いられていた。非接触CCDレーザ変位センサでは、計測対象面に照射されたレーザ光の拡散乱反射光を受光レンズにて集光し、受光素子上に像(スポット)を結び、その受光素子上での像の変位を対象面の深さ方向の移動として計測する。そして、ガルバノミラースキャン方式ではポイントセンサが使用されるため、レーザのスポット光をガルバノミラーを振ることにより、ライン状の計測を可能にしていた。これに対し、本実施形態の計測部32はガルバノミラーのような摺動を伴わないため、高速化に容易に対応可能であり、検査期間を有効に短縮することができる。
尚、計測部32の構成要素としては、上述のラインセンサ及び静止画カメラに加えて、或いは代えて、3Dカメラ、ステレオカメラ、顕微鏡、白色干渉計、三次元光学プロファイラ、マグネスケール触針、渦電流探傷計測器、PTスプレー、超音波距離計測器、レプリカ塗布機構、ラインセンサ型カメラのような各種計測装置・手法を採用可能である。これら装置・手法を用いる場合には、それぞれに応じた作業工程を自動化するための構成が検査装置20(本体部21)に適宜搭載されていてもよい。
また検査装置20(本体部21)は、位置検知部(位置検出機構35)として更に、該検査装置20(本体部21)がシート面10A上に搭載された際に、容器部2の上方に位置する蓋部3が有する貫通孔6を検知するための貫通孔センサ33を備える。貫通孔センサ33は、検査装置20(本体部21)から径方向外側に向かって延在するアーム34の先端に設けられている。貫通孔センサ33は例えば非接触レーザセンサであり、貫通孔6に対してレーザ光を照射してその反射波を受波することにより、貫通孔6の有無を検知可能に構成されている。
尚、このような貫通孔センサ33に代えて、或いは、加えて、例えば、検査装置20(本体部21)がシート面10A上に搭載された際に、容器部2が有する固定孔14を検知するための固定孔センサを備えることにより、検査装置20(本体部21)は、固定孔14に対してレーザ光を照射してその反射波を受波することにより、固定孔14の有無を検知可能に構成されていてもよい。以下の貫通孔センサ33に関する記載は、特段の記載が無い限りにおいて、固定孔センサを設ける態様についても同等に適用可能である。
アーム34は延在方向に沿って伸縮することで、ガイド13との干渉を回避可能に構成されている。また貫通孔センサ33は貫通孔6に対して斜めにレーザ光を照射してもよいが、精度を向上させるためには貫通孔6に対して垂直方向から照射することが好ましい。
尚、貫通孔センサ33としては他の非接触式センサや、接触式センサを用いてもよい。
以上説明したように、検査装置20(本体部21)はシート面10A上に搭載された状態で自走により移動可能に構成されており、特許文献1のような従来装置に比べてサイズ、重量共にコンパクトに形成されている。原子力発電プラントでは設備内に重量物を搬送するためのクレーンが設置されているが、このようなクレーンは数が限られているため、クレーンの使用を多用する大型の検査装置は検査に長時間を要していた。しかしながら、本実施形態の検査装置20(本体部21)はコンパクトであるため、取り扱いが容易であり、設置作業も負担が少ない。特に、シート面10A上を移動する際にガイド13と物理的に干渉することがないため、再セットアップの必要もなく、検査期間を効果的に短縮できる。
また、特許文献1のような従来装置では、蓋部3から吊り下げ構成を有していたため、メンテンナンス時に蓋部3を容器部2から大きく分離して開放する必要があり、容器部2内部からの放射線量が高くなる傾向にあった。一方、本実施形態の検査装置20(本体部21)では、シート面10A上に搭載される装置サイズが小型であるため、該シート面10A上における装置の高さが低くなり、蓋部3の開放量を少なく抑えることができる。その結果、検査中における容器部2内部からの放射線量も低減し、作業員の作業環境を向上でき、メンテナンス時の作業負担を大幅に軽減することができる。
続いて、上記検査装置20(本体部21)による計測結果を解析する解析システム100について説明する。図9は本発明の1実施形態に係る検査装置20(本体部21)の制御及び計測結果を解析する解析システム100の構成を示すブロック図であり、図10は図9の解析システム100のうち制御システム40が実施する制御手順を工程毎に示すフローチャートであり、図11は図10のステップS7におけるデータ変換の一例を模式的に示すフロー図であり、図12は貫通孔センサ33の検知信号とパルス信号との対応関係の一例を示す模式図である。
解析システム100は、例えばマイクロプロセッサを利用したコンピュータのような演算処理装置から構成されており、不図示のメモリやハードディスク等の記憶装置に記憶されたプログラムをインストールすることで、以下の検査制御を実施可能に構成されている。図9に示されるように、解析システム100は検査装置20(本体部21)を制御する制御システム40と、検査装置20(本体部21)による検査結果を解析する解析PC(解析手段)50とを備える。そして制御システム40は、検査装置20(本体部21)の移動を制御する移動制御部41と、レゾルバ31の回転に応じてパルス信号を発生させる位置情報処理部42と、計測部32に対して計測指令を送る計測指令部43と、貫通孔センサ33からの検知信号及び計測部32からの計測データを受信するデータ受信部44と、前記受信された計測データを適切な形式に変換するデータ変換部45と、上記各構成要素で取り扱われるデータ類を保存可能に構成された記憶装置46とを備える。
尚、図9に示されるブロック図は、解析システム100の1構成例を代表的な機能毎に示したものであり、各構成要素が共通の機能ブロックに統合されていてもよいし、更に細かな機能ブロックに細分化されていてもよい。また解析システム100は、複数のハードウェアから構成されていてもよく、例えば検査装置20(本体部21)の移動制御を担当する制御盤、測定結果を中継するための中継装置、詳細な解析を実施するためのモバイル処理装置(ノートPC等)、及び、ハブのようなハードウェアが有線又は無線の通信ネットワークを介して接続されて構築されてもよい。
尚、検査装置20は、本体部21と解析システム100とが一体に構成されてもよいし、図13のように別体としてもよい。また、位置検知部は、検査装置の構成状態により位置検出機構35と位置情報処理部42とが一体または別体に構成されてよい。
続いて上記構成を有する解析システム100が備える制御システム40によって実施される制御内容について具体的に説明する。
図10に示されるように、まずシート面10A上に搭載された検査装置20(本体部21)は、移動制御部41からの指令に基づいてシート面10A上を該シート面10Aの延在方向に沿って移動する(ステップS1)。移動制御部41は駆動輪22の動力源である電動モータを制御することにより、前進、後進及び停止を選択的に行うと共に、移動速度を調整可能に構成されている。
位置情報処理部42はレゾルバ31の回転数に対応してパルス信号を発生させると共に、データ受信部44は貫通孔センサ33から貫通孔6の有無に関するデータを取得する(ステップS2)。例えば検査装置20(本体部21)がシート面10Aの延在方向に沿って4μm移動する毎にパルス信号が1つ発生される。貫通孔センサ33は、予め設定された所定時間毎(例えば0.01秒毎)に貫通孔6の有無に関する信号を発生させる(例えば、貫通孔6が有る場合に「1」、貫通孔6がない場合に「0」のデータを出力する)。
尚、ステップS2では、貫通孔センサ33に代えて、又は、加えて固定孔センサを備える場合には、レゾルバ31の回転数に対応して生じるパルス信号を取得すると共に固定孔センサから固定孔14の有無に関するデータを取得してもよい。
計測指令部43は、位置情報処理部42で発生したパルス信号をカウントし、当該パルス信号に同期するように計測部32に計測指令をパルス信号のカウント数と共に送信する(ステップS3)。上述したように計測部32は、ラインセンサ及び静止画カメラによって構成されており、例えば位置情報処理部42で発生したパルス信号のカウント数5カウント毎にラインセンサに対して計測指令を送ると共に、250カウント毎に静止画カメラに対して計測指令を送る。
ラインセンサ及び静止画カメラでは計測指令部43から計測指令を受信することにより、所定タイミングで計測が実施され、その計測結果はパルス信号のカウント数と関連付けられてデータ受信部44に受信される(ステップS4)。データ受信部44に受信されたパルス信号のカウント数と関連付けられた計測結果、貫通孔6の有無に関する信号及び計測指令部43でカウントされたパルス信号のカウント数は記憶装置46に記憶される(ステップS5)。例えば図11の例では、ラインセンサの計測結果について、レゾルバ31の回転に対応して発生されるパルス信号のカウント数「5」、「10」、「15」、「20」・・・に対応する計測結果として、内周側の計測部32Aで取得した測定値「A」、「B」、「C」、「D」・・・と、外周側の計測部32Bで取得された測定値「あ」、「い」、「う」、「え」・・・が記憶されている。一方、静止画カメラの計測結果について、レゾルバ31の回転に対応して発生されるパルス信号のカウント数「250」,「500」、「750」、「1000」・・・に対応する計測結果として内周側の計測部32Aで取得された静止画像「a」、「b」、「c」、「d」・・・と、外周側の計測部32Bで取得された静止画像「ア」、「イ」、「ウ」、「エ」・・・が記憶されている。
またデータ変換部45は、記憶装置46に保存されている貫通孔センサ33からの検知信号(貫通孔6の有無に関する信号)とレゾルバ31の回転数に対応して発生されるパルス信号のカウント数とを関連付け、各貫通孔6に対応するパルス信号のカウント数を求める(ステップS6)。図12に示される例では、貫通孔センサ33からの検知信号が貫通孔6の有無に応じた「0」又は「1」のバイナリデータとして取得されている。そして、「穴有り」に対応する検知値「1」が取得された範囲の中点を貫通孔6の位置として特定すると共に、対応するパルス信号のカウント数が求められる。この例では、2つの貫通孔6の位置として、それぞれ50000カウントと100000カウントが特定されている。
尚、図12の例では、貫通孔6は連番で番号が付されており、最初の基準となる1つ目の貫通孔6に対応するカウント数はオペレータによって適宜選択されるとよい。
更にデータ変換部45は、ステップS5で記憶装置46に保存したパルス信号のカウント数と関連付けられ計測結果を、ステップS6で求めた対応関係に基づいて、最寄りの貫通孔6の番号と、当該貫通孔6からの距離の組み合わせ(以下、適宜「貫通孔からの距離」と称する)に変換する(ステップS7)。これにより、各データに対応付けられた位置が貫通孔からの距離として特定される。データ変換部45は、このように変換されたデータを改めて記憶装置46に記憶する(ステップS8)。
そして整理部47は、記憶装置46に記憶された上記各種データを必要に応じて適宜整理する(ステップS9)。例えば記憶装置46に記憶された各種データに撮影日時等に関するラベル情報を付加し、画面上で参照する際に撮影日時等の情報が併せて表示されるようにデータを加工してもよいし、該記憶された各種データに含まれる静止画像を時系列にまとめることで動画データに編集してもよい。本実施形態では、静止画カメラを用いることで基本的に静止画による検査を実施し、必要に応じて動画データに加工することで、従来必要であったタイトルジェネレータが不要となることから、サイズを効果的に抑制でき、スペース制約の大きな原子力発電プラント等においても効率的な運用が可能となる。
尚、上記制御に加えて、シート面10A上において検査装置20(本体部21)が適切に移動しながら検査を実施しているか否かを判定する判定手段を備えてもよい。例えば検査装置20(本体部21)の移動距離について、貫通孔センサ33の検知信号に基づいて計算した結果と、レゾルバ31の回転に対応して発生されるパルス信号のカウント数に基づいて計算した結果とを比較し、両者の整合性を判断することにより、検査装置20(本体部21)が正常に稼働しているか否かを判定してもよい。また検査時間を計測するタイマーを更に備え、所定期間内に貫通孔センサ33によって検知された貫通孔6の数すなわち検査装置20(本体部21)が通過した貫通孔6の数が、想定される検査装置20の移動速度から求められる数と整合しているか否かに基づいて、検査装置20が正常に稼働しているか否かを判定してもよい。その結果、検査装置20(本体部21)が正常に稼働していないと判定された場合には、警報等を報知することによりオペレータに対して注意を促してもよい。
尚、上述の実施形態ではシート面10A上に検査装置20(本体部21)を搭載することにより、シート10Aの状態を検査する例を示しているが、同様の技術的思想に基づいて、シート面10B上に検査装置20(本体部21)を反転した状態で搭載し、シート面10Bの状態を検査してもよい。また蓋部3のシート面10Bを計測する場合には、例えば、検査装置20の上面を開口させ、当該開口を介して上向きに配置されたセンサによって検査を実施してもよい。
本開示は、容器部及び蓋部からなる原子力圧力容器において、容器部のシート面の状態を検査する原子力圧力容器のシート面検査装置に利用可能である。
1 原子力圧力容器
2 容器部
3 蓋部
4 フランジ
5 フランジ
6 貫通孔
7 ボルト
8 炉心
9 上部炉心支持板
10 シート面
11 溝部
12 Oリング
13 ガイド
14 固定孔
17 段差
20 検査装置
21 本体部
22 駆動輪
23 従動輪
24 走行輪
25 ガイド機構
26 ガイド板
27 付勢機構
28 ガイド輪
29 付勢機構
31 レゾルバ
32 計測部
33 貫通孔センサ
34 アーム
35 位置検出機構
40 制御システム
41 移動制御部
42 位置情報処理部
43 計測指令部
44 データ受信部
45 データ変換部
46 記憶装置
47 整理部
50 解析PC(解析手段)
100 解析システム

Claims (13)

  1. 容器部のシート面に蓋部が締着されて構成される原子力圧力容器において、前記蓋部の姿勢が外周側に設けられたガイドを介して前記容器部に対して規制されている際に、前記シート面の状態を検査する原子力圧力容器のシート面検査装置であって、
    前記シート面の延在方向に沿って移動可能に構成された本体部と、
    前記シート面に対向するように前記本体部に設けられた計測部と、
    前記本体部の内周側及び外周側の少なくとも一方において、前記シート面に垂直に設けられた少なくとも1の垂直面に前記本体部をガイドするように構成されたガイド機構と、
    を備え、
    前記ガイド機構は前記ガイドより内周側に位置することを特徴とする原子力圧力容器のシート面検査装置。
  2. 前記少なくとも1の垂直面は、前記本体部の内周側に設けられた第1の垂直面と、前記本体部の外周側に設けられた第2の垂直面とを含み、
    前記ガイド機構は、前記第1の垂直面及び第2の垂直面の一方に前記本体部を付勢する付勢手段と、他方に前記本体部を当接させる当接手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の原子力圧力容器のシート面検査装置。
  3. 前記少なくとも1の垂直面は、炉内構造物、前記容器部、及び、前記蓋部のいずれかに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の原子力圧力容器のシート面検査装置。
  4. 前記第1の垂直面は、前記原子力圧力容器において炉心を支持する支持部材に設けられ、
    前記第2の垂直面は、前記容器部に設けられた段差であることを特徴とする請求項2に記載の原子力圧力容器のシート面検査装置。
  5. 前記計測部は、前記容器部の径方向に沿った前記シート面の表面データを取得することにより形状を計測する形状計測部と、前記シート面を撮像する撮像部との少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の原子力圧力容器のシート面検査装置。
  6. 前記形状計測部はラインセンサであることを特徴とする請求項5に記載の原子力圧力容器のシート面検査装置。
  7. 前記撮像部は静止画を撮像する静止画カメラであることを特徴とする請求項5又は6に記載の原子力圧力容器のシート面検査装置。
  8. 前記本体部の前記シート面上における周方向位置を検知する位置検知部を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の原子力圧力容器のシート面検査装置。
  9. 前記蓋部の外周側に周方向に沿って等間隔に配列された締結用ボルトがそれぞれ挿入可能に構成された複数の貫通孔と、
    前記容器部の外周側に周方向に沿って前記複数の貫通孔に対応するように配列され、前記複数の貫通孔に挿入された前記締結用ボルトの先端を固定可能に構成された複数の固定孔と、
    を更に備え、
    前記ガイドは、前記複数の貫通孔及び前記複数の固定孔のいくつかを貫通するように設けられており、
    前記位置検知部は、前記複数の貫通孔の各々の位置、及び、前記複数の貫通孔の位置に基づいて想定される前記貫通孔に挿入されたガイドの位置の少なくとも一方を基準とする移動距離として前記本体部の位置を検知することを特徴とする請求項8に記載の原子力圧力容器のシート面検査装置。
  10. 前記位置検知部は、前記本体部の走行輪とは独立に設けられたレゾルバの回転数に対応して生ずるパルスをカウントすることにより前記本体部の位置を検知することを特徴とする請求項8又は9に記載の原子力圧力容器のシート面検査装置。
  11. 前記原子力圧力容器は、前記シート面の内周側及び外周側に周方向に沿って同軸配置された弾性部材を有し、
    前記計測部は、前記シート面のうち前記弾性部材が当接する位置に対応するように配置されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の原子力圧力容器のシート面検査装置。
  12. 前記本体部が前記シート面上に配置された際に、前記蓋部のシート面に前記本体部を付勢する上部付勢部を更に備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の原子力圧力容器のシート面検査装置。
  13. 前記シート面上における前記本体部の移動を制御する制御システムと、
    前記計測部における計測結果を前記位置検知部で検知された周方向位置と関連付けて解析する解析手段と、
    を備えることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の原子力圧力容器のシート面検査装置。
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