JP2004361328A - 移動体の動作診断方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動体に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに、移動体の移動時の動作診断を確実に行える移動体の動作診断方法の提供。
【解決手段】移動手摺り1の表面に光線を照射する照明手段3と、反射した反射光線を検知し移動手摺り1の移動量を検知する移動量検出手段8と、この移動量検出手段8で検出した結果より移動手摺り1の進行方向の移動速度および速度変動と、前記の進行方向と直角の方向の移動速度および速度変動とを算出する速度算出手段10と、この速度算出手段10の算出結果をあらかじめ定められる判定値と比較し、移動手摺り1の動作を判定する比較判定手段12とを設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】移動手摺り1の表面に光線を照射する照明手段3と、反射した反射光線を検知し移動手摺り1の移動量を検知する移動量検出手段8と、この移動量検出手段8で検出した結果より移動手摺り1の進行方向の移動速度および速度変動と、前記の進行方向と直角の方向の移動速度および速度変動とを算出する速度算出手段10と、この速度算出手段10の算出結果をあらかじめ定められる判定値と比較し、移動手摺り1の動作を判定する比較判定手段12とを設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗客コンベアの移動手摺りやスライドドアなどの移動体の動作を診断する移動体の動作診断方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に乗客コンベアにおいて、踏段と移動手摺りに速度差や蛇行などの異常な動作が発生した場合、このような異常動作を検出して警告や点検指示を行うことにより乗客コンベアの乗客への危険を事前に防止することが必要とされている。
【0003】
そこで、このような危険防止の目的を達成するための一手段として、移動手摺りとの摩擦力で回転する速度検出用ローラにより移動手摺りの移動速度を検出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、移動手摺り内部の磁性体の磁気抵抗を検出する磁気抵抗検出手段を用いて、前記の磁性体の移動に伴う磁気抵抗の変化を検知することにより、移動手摺りの移動速度を測定する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001―97660号公報
(第3頁、第82〜89行、段落番号0017、図1)
【0006】
【特許文献2】
特開平5−70077号公報
(第2頁、第79〜85行、段落番号0010、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特許文献1および特許文献2に記載されているものでは、移動手摺りの進行方向の移動速度のみを検出しているが、例えば移動手摺りをガイドする移動手摺りガイドが磨耗し、これらの移動手摺りと移動手摺りガイドとの間に隙間が発生した結果、移動手摺りが進行方向とは異なる方向に移動する状態(例えば移動手摺りが蛇行する状態)を検出できないため、移動手摺りの異常発生を見逃すという問題がある。
【0008】
また特に、上述した特許文献1に記載されているものでは、移動手摺りと速度検出用ローラの間に滑りが発生した場合、これらの移動手摺りと速度検出用ローラとの速度差を検出するため、移動手摺りの移動速度が正常な状態にあるにも拘らず、誤って警報が発生するという問題があり、さらに、速度検出用ローラを移動手摺りに押し付けることに伴って移動手摺りの移動速度の変化をも検出してしまうという問題もある。また、スライドドアの開閉に伴うドア速度変化の異常、ドア振動やがたつきを診断する場合、上記と同様に速度検出用ローラをドアに接触させてドアの開閉速度を測定する方法があるが、上記の問題と同様に、スライドドアに速度検出用ローラを接触させることに伴い開閉方向への抵抗力やドアへの押し付け力が発生するので、スライドドアの動作を正確に診断することが困難である。
【0009】
また特に、上述した特許文献2に記載されているものでは、最近、移動手摺りの強度を確保するための心材として、アラミド繊維などの非磁性体を使用した移動手摺りが利用されてきており、この場合には、磁気抵抗の変化を利用した移動手摺りの速度検出を行えないという問題がある。なお、これまで前記の心材としては、磁性体であるワイヤケーブルや鋼鉄帯が一般に用いられている。
【0010】
本発明は、上述した従来技術における実状を鑑みてなされたもので、その目的は、移動体に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに移動体の移動時の動作を確実に診断することのできる移動体の動作診断方法および装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に係わる発明は、移動体の移動速度を測定し、この移動体の移動時の動作を確実に診断する移動体の動作診断方法において、光学的手段を使用して前記移動体の移動量を直交座標形式または極座標形式で検知し、前記移動量に基づいて前記移動体の進行方向の移動速度および速度変動と、前記進行方向とは異なる方向の移動速度および速度変動とを同時に検出することにより、前記移動体の動作診断を行う構成にした。
【0012】
このように請求項1に係わる発明では、光学的手段を使用して移動体の移動量を検知し、この移動量に基づき移動体の進行方向の移動速度および速度変動と他の方向の移動速度および速度変動とを同時に検出することにより、移動体に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに移動体の移動時の動作を確実に診断することができる。
【0013】
また、上記目的を達成するために本発明の請求項2に係わる発明は、請求項1に係わる発明において、前記移動体が乗客コンベアの移動手摺りからなり、この移動手摺りの進行方向の速度変動があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、前記移動手摺り自体および移動手摺りの駆動系の少なくとも一方が異常であると判定する構成にした。
【0014】
このように請求項2に係わる発明では、光学的手段を使用して移動手摺りの移動量を検知し、この移動量に基づき移動手摺りの進行方向の移動速度および速度変動を検出して、移動手摺りの進行方向の速度変動があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、移動手摺り自体および移動手摺りの駆動系の少なくとも一方が異常であると判定するので、移動手摺りに接触することなく、また磁気抵抗を用いずに移動手摺りの動作診断を確実に行える。
【0015】
また、上記目的を達成するために本発明の請求項3に係わる発明は、請求項1に係わる発明において、前記移動体が乗客コンベアの移動手摺りからなり、この移動手摺りの進行方向とは異なる方向の移動速度があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、前記移動手摺りが蛇行していると判断し、前記移動手摺り自体および移動手摺りを支持する移動手摺りガイドの少なくとも一方が異常であると判定する構成にした。
【0016】
このように請求項3に係わる発明では、光学的手段を使用して移動手摺りの移動量を検知し、この移動量に基づき移動手摺りの進行方向とは異なる方向の移動速度を検出して、この移動速度があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、移動手摺りが蛇行していると判断し、移動手摺り自体および移動手摺りを支持する移動手摺りガイドの少なくとも一方が異常であると判定するので、移動手摺りに接触することなく、また磁気抵抗を用いずに移動手摺りの動作診断を確実に行える。
【0017】
また、上記目的を達成するために本発明の請求項4に係わる発明は、請求項1に係わる発明において、前記移動体がスライドドアからなり、このスライドドアの開閉速度のパターンがあらかじめ定められる基準パターンとは異なる場合、または前記スライドドアの開閉方向とは異なる方向の速度変動が発生した場合に、前記スライドドアの開閉動作が異常であると判定する構成にした。
【0018】
このように請求項4に係わる発明では、光学的手段を使用してスライドドアの移動量を検知し、この移動量に基づきスライドドアの開閉方向の移動速度および速度変動と、開閉方向とは異なる方向の移動速度および速度変動とを同時に検出して、スライドドアの開閉速度のパターンがあらかじめ定められる基準パターンとは異なる場合、またはスライドドアの開閉方向とは異なる方向の速度変動が発生した場合に、スライドドアの開閉動作が異常であると判定するので、スライドドアに接触することなく、また磁気抵抗を用いずにスライドドアの動作診断を確実に行える。
【0019】
また、上記目的を達成するために本発明の請求項5に係わる発明は、移動体の移動速度を測定し、この移動体の移動時の動作を確実に診断する移動体の動作診断装置において、前記移動体の表面に光線を照射する照明手段と、前記移動体の表面で反射した反射光線を検知し、前記移動体の移動量を直交座標形式または極座標形式で検出する移動量検出手段と、この移動量検出手段で検出した移動量に基づいて、前記移動体の進行方向の移動速度および速度変動と、前記進行方向とは異なる方向の移動速度および速度変動とを算出する速度算出手段と、この速度算出手段の算出結果をあらかじめ定められた判定値と比較し、前記移動体の動作が異常であるかどうか判定する比較判定手段とを設けた構成にした。
【0020】
このように構成した請求項5に係わる発明では、移動量検出手段により光学的手段を使用して移動体の移動量を検知し、この移動量に基づき速度算出手段により移動体の進行方向の移動速度および速度変動と他の方向の移動速度および速度変動とを同時に算出し、比較判定手段によりこの算出結果をあらかじめ定められた判定値と比較して移動体の動作が異常であるかどうか判定する。これにより、移動体に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに移動体の移動時の動作を確実に診断することができる。
【0021】
また、本発明の請求項6に係わる発明は、請求項5に係わる発明において、前記照明手段および移動量検出手段を収容する筺体に、この筐体を前記移動体の近傍に固定するための固定手段を設けた構成にした。
【0022】
このように構成した請求項5に係わる発明では、移動体の動作診断を行う際に照明手段および移動量検出手段を収容する筺体を移動体の近傍に設けることにより、当該動作診断装置を簡易に配置することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の移動体の動作診断方法および装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0024】
図1は本発明の第1の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図、図2は本実施形態の動作診断装置の光軸を移動手摺りの進行方向に沿って設置した状態を示す説明図、図3は本実施形態により乗客コンベアの移動手摺りの動作診断を行う際の手順を示すフローチャート、図4は本実施形態により移動手摺りの動作診断を行なう際の判断基準を説明する図である。
【0025】
一般に乗客コンベアは、図1に示すように移動手摺り1を有し、この移動手摺り1は、ガイドローラ2A、2Bおよび移動手摺りガイド2C上を摺動して定速度で一方向に移動している。
【0026】
そして、図1に示す本実施形態の動作診断装置は、移動体としての移動手摺り1の表面に光線を照射する電球やLEDなどの照明手段3と、移動手摺り1の表面で反射した反射光線を検知し、移動手摺り1の移動量を直交座標形式(X方向移動量とY方向移動量)で検出する移動量検出手段8と、この移動量検出手段8で検出した移動量に基づいて、移動手摺り1の進行方向の移動速度および速度変動と、前記の進行方向とは異なる方向の移動速度および速度変動とを算出する速度算出手段10と、この速度算出手段10の算出結果をあらかじめ定められた判定値と比較し、移動手摺り1の動作が異常であるかどうか判定する比較判定手段12と、この比較判定手段12に接続される速度記憶手段13とを備えている。
【0027】
照明手段3から照射された光線は、光線収束用レンズ4で収束され、移動手摺り1上の照明範囲5に照射された後、移動手摺り1の表面で反射した光線は、反射光線結像用レンズ6を経由して、移動量検知手段8に設けられたイメージセンサ7上に結像される。これらの照明手段3およびイメージセンサ7で決定される光軸は、移動手摺り1の進行方向(図2の矢印Aで示す方向)に沿って設置されている。
【0028】
移動量検知手段8としては、例えば米国ヒューレットパッカード社(現在アジレントテクノロジー社)が発売している光学マウス用ポジションセンサや、CCDカメラの画像のフレーム間の差分より移動方向を検出する手段などがある。この移動量検知手段8から、イメージセンサ7と移動手摺り1の進行方向との角度によって直交座標形式(X方向移動量とY方向移動量)を用いて決定される移動量信号9A、9Bが出力される。
【0029】
速度算出手段10は、移動量信号9A、9Bに基づいてあらかじめ定められた時間間隔tで積算し、この積算後の移動距離を時間間隔tで除算し、あらかじめ定められた定数αを積算することにより、速度算出結果信号11として速度ベクトルVを算出するものである。移動手摺り1が所定の進行方向(図2の矢印Aで示す方向)に正常速度で移動する際に、移動手摺り1の進行方向への移動量信号9Aが移動量検出手段8から出力され、進行方向と垂直の方向の移動量は出力されない。よって、この移動量信号9Aに基づいて速度算出手段10は移動手摺り1の進行方向の速度ベクトル15Xを算出し、この速度ベクトル15Xから合成速度ベクトル15Vを得る。
【0030】
比較判定手段12は、速度記憶手段13に記憶されている前回測定した速度ベクトル15Vpを読み出して合成速度ベクテル15Vと比較して、移動手摺り1の速度診断結果信号14を出力する。このとき速度診断結果信号14の内容としては、図4に示すように移動手摺り1の速度変動検出や移動手摺り1の蛇行検出などがある。
【0031】
そして、この第1の実施形態にあっては、図3に示す処理手順にしたがって移動手摺り1の動作診断を行うようになっている。すなわち、まず手順S1として速度算出手段10は移動量検知手段8より移動量信号9A、9Bを取得し、手順S2として、これらの移動量信号9A、9Bに基づいて速度算出手段13はベクトル合成と係数乗算や、測定時間間隔tでの除算を行い、合成速度ベクトル15Vを得る。ここで、手順S3として、前回に測定した速度ベクトル15Vp(速度測定値)が速度記憶手段13に記憶されていない場合(例えば、測定開始直後など)に、手順S4として今回算出した合成速度ベクトル15Vを速度ベクトル15Vp(速度測定値)として速度記憶手段13に記憶する。一方、速度記憶手段13に記憶された前回の速度ベクトル15Vpが存在していた場合、手順S5として前回の速度ベクトル15Vpと今回得られた合成速度ベクトル15Vとを比較し、移動手摺り1の進行方向の速度変動成分、および進行方向とは垂直な方向の速度変動成分を得る。
【0032】
その結果、手順S6としてあらかじめ定められた規定値以上の進行方向の速度変動が発生した場合に、手順S7として、図4に示すよう移動手摺り1の駆動系(図示しないチェーンなど)の異常が発生していると判断して警告や点検指示を行う。また、あらかじめ定められた規定値以上の進行方向への速度変動が発生せず、手順S8としてあらかじめ定められた規定値以上の垂直方向の速度変動が発生した場合、手順S9として、図4に示すように移動手摺り1の支持系(すなわちガイドローラ2A、2Bや移動手摺りガイド2C)にがたつきや磨耗が発生して移動手摺り1が蛇行していると判断して警告や点検指示を行う。
【0033】
さらに、上記の手順S6で規定値以上の進行方向への速度変動が発生せず、また手順S8で規定値以上の垂直方向の速度変動が発生しない場合に、手順S10として、測定値として移動手摺り1の移動速度を表示する。
【0034】
このように構成した第1の実施形態では、移動手摺り1に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに、光学的手段を使用して移動手摺り1の移動時の動作を確実に診断することができる。
【0035】
また、本実施形態では、移動手摺り1の表面に反射する光線を利用して移動量の検出を行うことにより、移動手摺り1の材質などに影響されずに移動手摺り1の動作を診断することができる。
【0036】
また、本実施形態では、移動手摺り1の移動速度の状況を調査したり、移動手摺り1の駆動系や支持系における異常や磨耗などにより移動手摺り1の移動速度の変動や蛇行状態を検出して動作診断を行うことができる。また、合成速度ベクトル15Vと前回測定した速度ベクトル15Vpとの差を、図4に示す判定基準で判定することにより、移動手摺り1自体および移動手摺り1の動作に関連する駆動系や、移動手摺り1を支持するガイドローラ2A、2Bおよび移動手摺りガイド2Cの点検を指示することが可能となる。
【0037】
また、本実施形態では、小型で安価に入手可能な光学マウス用ポジションセンサを使用することによって、当該動作診断装置のコスト低減および小型化が可能となる。
【0038】
なお、上記実施形態にあっては、移動手摺り1の移動量信号9A、9Bを直交座標形式(X方向移動量とY方向移動量)で表現する方法を例示したが、直交座標形式(X方向移動量とY方向移動量)の代わりに、極座標形式(移動量rと移動方向角度Θ)で表現する方法もある。この場合、前記の極座標形式で表されたベクトルを速度ベクトル15Vとみなすことにより、同様に移動手摺り1の動作診断を行うことができる。
【0039】
図5は本発明の第2の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図である。なお、図5において前述した図1〜図4に示すものと同等のものには同一符号を付してある。
【0040】
図5に示す本実施形態の動作診断装置は、前述した図1〜図4に示すものと比べて、照明手段3およびイメージセンサ7で決定される光軸を移動手摺り1の進行方向(図5の矢印Aで示す方向)に対してオフセット角16を持って設置したことが異なっており、その他の構成は基本的に同様である。
【0041】
この第2の実施形態にあっては、移動手摺り1が見かけ上光軸方向と光軸とは垂直方向へ移動しているように移動量検出手段8から移動量信号9A,9Bを出力し、次いで、移動量信号9A,9Bに基づいて速度算出手段10はこれらの速度ベクトル15X、15Yを算出してベクトル的に合成して合成速度ベクトル15Vを得る。なお、図5の合成速度ベクトル15Vは図2の合成速度ベクトル15Vと同等である。
【0042】
このように構成した第2の実施形態でも、前述した図1〜図4に示すものと同様の効果が得られる。さらに、本実施形態にあっては、照明手段3およびイメージセンサ7で決定される光軸を移動手摺り1の進行方向に対してオフセット角16で設置したので、当該動作診断装置の設置形態および操作性に大きな自由度をもたらすことができる。
【0043】
図6は本発明の第3の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図である。なお、図6において前述した図1〜図4に示すものと同等のものには同一符号を付してある。
【0044】
図6に示す本実施形態の動作診断装置は、前述した図1〜図4に示すものと比べて、移動手摺り1の表面上に摺動する摺動体18と、この摺動体18上に設置され、照明手段3、光線収束用レンズ4、反射光線結像用レンズ6および移動量検出手段8を収容する筺体17とを設けたことが異なっており、その他の構成は基本的に同様である。
【0045】
摺動体18は、例えばポリフッ化エチレン(またはポリテトラフルオロェチレン)などの静摩擦係数および動摩擦係数が小さい物質からなり、測定・診断を行う対象物、すなわち移動手摺り1の近傍に設けられる筺体17の下面に装着されている。
【0046】
この第3の実施形態にあっては、移動手摺り1の速度測定を実施する作業員が筐体17を持って移動手摺り1の表面に置き、移動手摺り1と摺動体18が摺動している状態で移動手摺り1の速度測定を行う。
【0047】
このように構成した第3の実施形態でも、前述した図1〜図4に示すものと同様の効果が得られる。さらに、この第3の実施形態では、照明手段3および移動量検出手段8などを収容した状態で筺体17を移動手摺り1の近傍に設けることにより、移動手摺り1の動作診断を行う際に当該動作診断装置を簡易に配置することができる。また、移動手摺り1の移動速度を検出するために最小限必要な機能のみを収容することにより筐体17の小型化を図り、当該動作診断装置の可搬性を高めることができる。
【0048】
図7は本発明の第4の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図、図8は本実施形態によりスライドドアの動作診断を行う際の速度検出結果を示す図である。なお、図7において前述した図1〜図4に示すものと同等のものには同一符号を付してある。さらに、図8の(a)はスライドドアの開閉方向の速度変動を示し、図8の(b)はスライドドアの上下方向の速度変動を示す。
【0049】
図7に示すエレベータや自動ドアなどのスライドドア20は、左右方向に開閉可能に設けられる一対のドア部材21A、21Bを有している。
【0050】
そして、本実施形態の動作診断装置は、前述した図6に示すものと比べて、筐体17が一方のドア部材21A近辺の壁面22Aや他方のドア部材21B近辺の壁面22Bに磁石や吸盤などの固定手段23を介して装着されたことが異なっており、その他の構成は基本的に同様である。
【0051】
この第4の実施形態にあっては、一方のドア部材21A近辺の壁面22Aに筐体17を装着し、この筐体17とドア部材21Aとを非接触または摺動している状態で固定した後、この状態でドア部材21A、21Bの開閉を行い、ドア部材21Aの開閉動作の診断を行う。同様に、他方のドア部材21B近辺の壁面22Bに筐体17を装着し、この筐体17とドア部材21Bとを非接触または摺動している状態で固定した後、この状態でドア部材21A、21Bの開閉を行い、ドア部材21Bの開閉動作の診断を行う。
【0052】
スライドドア20の移動速度は、自動的に開閉する際に通行人や物体への危険を防止するために、図8の(a)に示す実線L1の基準パターンで推移するように制御されている。すなわち、ドア部材21A、21Bはドア開領域にて高速で開いた後、開端領域で低速になるとともに、ドア部材21A、21Bはドア閉領域にて高速で閉じた後、閉端領域にて挟まれや巻き込みを防止するために低速で閉じるように設定されている。また、ドア部材21A、21Bの進行方向の移動速度は、ドア開領域および開端領域とドア閉領域および閉端領域とで実線L1で示す基準パターンに対して所定の変動裕度24Aを有することから、破線L2で示す上限値および他の破線L3で示す下限値が設定されている。そこで、測定したドア部材21A、21Bの進行方向の移動速度が、破線L2で示す上限値および他の破線L3で示す下限値の範囲内にあるかどうか判定し、この範囲内にない場合、ドア部材21A、21Bの開閉動作が異常であることを検知する。例えば、ドア部材21A、21Bと床面のガイド溝(図示せず)や、ドア部材21A、21Bを上部で保持するドアレール(図示せず)で異物の付着や詰まりなどが発生すると、ドア部材21A、21Bの開閉時に開閉方向への変動(がたつきなど)が発生しえる。
【0053】
また、ドア部材21A、21Bの上下方向への移動速度は、図8の(b)に示す実線L4のように推移し、所定の変動裕度24B、破線L5で示す上限値および他の破線L6で示す下限値が設定されている。そこで、実線L4で示す上下方向への移動速度が、破線L5で示す上限値および他の破線L6で示す下限値の範囲内にあるかどうか判定し、この範囲内にない場合、ドア部材21A、21Bの開閉動作が異常であることを検知する。例えば、ドア部材21A、21Bと床面のガイド溝(図示せず)や、ドア部材21A、21Bを上部で保持するドアレール(図示せず)で異物の付着や詰まりなどが発生すると、図8の(b)に示すドア開領域の箇所25Aやドア閉領域の箇所25Bのように上下方向への変動(がたつきなど)が発生しえる。
【0054】
このように構成した第4の実施形態でも、光学的手段を使用してドア部材21A、21Bの移動量を検知し、この移動量に基づき開閉方向の移動速度および速度変動と上下方向の移動速度および速度変動とを同時に検出して、ドア部材21A、21Bの開閉速度のパターンがあらかじめ定められる基準パターンとは異なる場合や、上下方向の速度変動が発生した場合に、ドア部材21A、21Bの開閉動作が異常であると判定するので、ドア部材21A、21Bに接触することなく、また磁気抵抗を用いずにドア部材21A、21Bの動作診断を確実に行える。
【0055】
なお、上記実施形態にあっては、乗客コンベアの移動手摺り1の診断およびスライドドア20の診断について述べたが、本発明はこの分野に限定するものではなく、光線を反射する表面を持つ移動体の移動速度や動作を測定・診断を実施する分野全般に対して適用可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明の請求項1に係わる発明は、移動体に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに、光学的手段を使用して移動体の移動時の動作を確実に診断することができる。したがって、移動体の動作診断精度を向上できるとともに、非磁性体を使用した移動体にも適用できる移動体の動作診断方法が得られるという効果がある。
【0057】
また、本発明の請求項2に係わる発明は、移動手摺りの進行方向の速度変動があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、移動手摺り自体および移動手摺りの駆動系の少なくとも一方が異常であると判定するので、移動手摺りに接触することなく、また磁気抵抗を用いずに、光学的手段を使用して移動手摺りの動作診断を確実に行える。したがって、従来のように速度検出用ローラを用いる場合と比べて、この速度検出用ローラの滑りによる移動速度の測定誤差や押し付け力による移動手摺りの移動速度の変化がないため、移動手摺りの動作診断精度を向上できるとともに、アラミド繊維などの非磁性体を使用した移動手摺りにも適用できるという効果がある。
【0058】
また、本発明の請求項3に係わる発明は、移動手摺りの進行方向とは異なる方向の移動速度があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、移動手摺りが蛇行していると判断し、移動手摺り自体および移動手摺りを支持する移動手摺りガイドの少なくとも一方が異常であると判定するので、移動手摺りが進行方向とは異なる方向へ移動して蛇行する場合も、移動手摺りに接触することなく、また磁気抵抗を用いずに光学的手段を使用して移動手摺りの動作診断を確実に行える。したがって、移動手摺りの蛇行などの異常動作にも対応可能な移動体の動作診断方法が得られるという効果がある。
【0059】
また、本発明の請求項4に係わる発明は、スライドドアに接触することなく、また磁気抵抗を用いずに、光学的手段を使用してスライドドアの動作診断を確実に行える。したがって、従来のように速度検出用ローラを用いる場合と比べて、この速度検出用ローラの滑りによる誤差や押し付け力によるスライドドアの移動速度の変化がないためスライドドアの動作診断精度を向上できるとともに、非磁性体を使用したスライドドアにも適用できるという効果がある。
【0060】
また、本発明の請求項5に係わる発明は、移動体に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに移動体の移動時の動作を確実に診断することができる。したがって、移動体の動作診断精度を向上できるとともに、非磁性体を使用した移動体にも適用できる移動体の動作診断装置が得られるという効果がある。
【0061】
また、本発明の請求項6に係わる発明は、照明手段および移動量検出手段を収容した状態で筺体を固定手段を用いて移動体の近傍に設けるため、移動体の動作診断を行う際に当該動作診断装置を簡易に配置することができる。したがって、移動体の動作診断の作業効率を向上できる移動体の動作診断装置が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図である。
【図2】本実施形態の動作診断装置の光軸を移動手摺りの進行方向に沿って設置した状態を示す説明図である。
【図3】本実施形態により乗客コンベアの移動手摺りの動作診断を行う際の手順を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態により移動手摺りの動作診断を行なう際の判断基準を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図である。
【図8】本実施形態によりスライドドアの動作診断を行う際の速度検出結果を示す図である。
【符号の説明】
1 移動手摺り
2A、2B ガイドローラ
2C 移動手摺りガイド
3 照明手段
4 光線収束用レンズ
6 反射光線結像用レンズ
7 イメージセンサ
8 移動量検知手段
10 速度算出手段
12 比較判定手段
13 速度記憶手段
17 筐体
18 摺動体
20 スライドドア
21A、21B ドア部材
22A、22B 壁面
23 固定手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗客コンベアの移動手摺りやスライドドアなどの移動体の動作を診断する移動体の動作診断方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に乗客コンベアにおいて、踏段と移動手摺りに速度差や蛇行などの異常な動作が発生した場合、このような異常動作を検出して警告や点検指示を行うことにより乗客コンベアの乗客への危険を事前に防止することが必要とされている。
【0003】
そこで、このような危険防止の目的を達成するための一手段として、移動手摺りとの摩擦力で回転する速度検出用ローラにより移動手摺りの移動速度を検出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、移動手摺り内部の磁性体の磁気抵抗を検出する磁気抵抗検出手段を用いて、前記の磁性体の移動に伴う磁気抵抗の変化を検知することにより、移動手摺りの移動速度を測定する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001―97660号公報
(第3頁、第82〜89行、段落番号0017、図1)
【0006】
【特許文献2】
特開平5−70077号公報
(第2頁、第79〜85行、段落番号0010、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特許文献1および特許文献2に記載されているものでは、移動手摺りの進行方向の移動速度のみを検出しているが、例えば移動手摺りをガイドする移動手摺りガイドが磨耗し、これらの移動手摺りと移動手摺りガイドとの間に隙間が発生した結果、移動手摺りが進行方向とは異なる方向に移動する状態(例えば移動手摺りが蛇行する状態)を検出できないため、移動手摺りの異常発生を見逃すという問題がある。
【0008】
また特に、上述した特許文献1に記載されているものでは、移動手摺りと速度検出用ローラの間に滑りが発生した場合、これらの移動手摺りと速度検出用ローラとの速度差を検出するため、移動手摺りの移動速度が正常な状態にあるにも拘らず、誤って警報が発生するという問題があり、さらに、速度検出用ローラを移動手摺りに押し付けることに伴って移動手摺りの移動速度の変化をも検出してしまうという問題もある。また、スライドドアの開閉に伴うドア速度変化の異常、ドア振動やがたつきを診断する場合、上記と同様に速度検出用ローラをドアに接触させてドアの開閉速度を測定する方法があるが、上記の問題と同様に、スライドドアに速度検出用ローラを接触させることに伴い開閉方向への抵抗力やドアへの押し付け力が発生するので、スライドドアの動作を正確に診断することが困難である。
【0009】
また特に、上述した特許文献2に記載されているものでは、最近、移動手摺りの強度を確保するための心材として、アラミド繊維などの非磁性体を使用した移動手摺りが利用されてきており、この場合には、磁気抵抗の変化を利用した移動手摺りの速度検出を行えないという問題がある。なお、これまで前記の心材としては、磁性体であるワイヤケーブルや鋼鉄帯が一般に用いられている。
【0010】
本発明は、上述した従来技術における実状を鑑みてなされたもので、その目的は、移動体に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに移動体の移動時の動作を確実に診断することのできる移動体の動作診断方法および装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に係わる発明は、移動体の移動速度を測定し、この移動体の移動時の動作を確実に診断する移動体の動作診断方法において、光学的手段を使用して前記移動体の移動量を直交座標形式または極座標形式で検知し、前記移動量に基づいて前記移動体の進行方向の移動速度および速度変動と、前記進行方向とは異なる方向の移動速度および速度変動とを同時に検出することにより、前記移動体の動作診断を行う構成にした。
【0012】
このように請求項1に係わる発明では、光学的手段を使用して移動体の移動量を検知し、この移動量に基づき移動体の進行方向の移動速度および速度変動と他の方向の移動速度および速度変動とを同時に検出することにより、移動体に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに移動体の移動時の動作を確実に診断することができる。
【0013】
また、上記目的を達成するために本発明の請求項2に係わる発明は、請求項1に係わる発明において、前記移動体が乗客コンベアの移動手摺りからなり、この移動手摺りの進行方向の速度変動があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、前記移動手摺り自体および移動手摺りの駆動系の少なくとも一方が異常であると判定する構成にした。
【0014】
このように請求項2に係わる発明では、光学的手段を使用して移動手摺りの移動量を検知し、この移動量に基づき移動手摺りの進行方向の移動速度および速度変動を検出して、移動手摺りの進行方向の速度変動があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、移動手摺り自体および移動手摺りの駆動系の少なくとも一方が異常であると判定するので、移動手摺りに接触することなく、また磁気抵抗を用いずに移動手摺りの動作診断を確実に行える。
【0015】
また、上記目的を達成するために本発明の請求項3に係わる発明は、請求項1に係わる発明において、前記移動体が乗客コンベアの移動手摺りからなり、この移動手摺りの進行方向とは異なる方向の移動速度があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、前記移動手摺りが蛇行していると判断し、前記移動手摺り自体および移動手摺りを支持する移動手摺りガイドの少なくとも一方が異常であると判定する構成にした。
【0016】
このように請求項3に係わる発明では、光学的手段を使用して移動手摺りの移動量を検知し、この移動量に基づき移動手摺りの進行方向とは異なる方向の移動速度を検出して、この移動速度があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、移動手摺りが蛇行していると判断し、移動手摺り自体および移動手摺りを支持する移動手摺りガイドの少なくとも一方が異常であると判定するので、移動手摺りに接触することなく、また磁気抵抗を用いずに移動手摺りの動作診断を確実に行える。
【0017】
また、上記目的を達成するために本発明の請求項4に係わる発明は、請求項1に係わる発明において、前記移動体がスライドドアからなり、このスライドドアの開閉速度のパターンがあらかじめ定められる基準パターンとは異なる場合、または前記スライドドアの開閉方向とは異なる方向の速度変動が発生した場合に、前記スライドドアの開閉動作が異常であると判定する構成にした。
【0018】
このように請求項4に係わる発明では、光学的手段を使用してスライドドアの移動量を検知し、この移動量に基づきスライドドアの開閉方向の移動速度および速度変動と、開閉方向とは異なる方向の移動速度および速度変動とを同時に検出して、スライドドアの開閉速度のパターンがあらかじめ定められる基準パターンとは異なる場合、またはスライドドアの開閉方向とは異なる方向の速度変動が発生した場合に、スライドドアの開閉動作が異常であると判定するので、スライドドアに接触することなく、また磁気抵抗を用いずにスライドドアの動作診断を確実に行える。
【0019】
また、上記目的を達成するために本発明の請求項5に係わる発明は、移動体の移動速度を測定し、この移動体の移動時の動作を確実に診断する移動体の動作診断装置において、前記移動体の表面に光線を照射する照明手段と、前記移動体の表面で反射した反射光線を検知し、前記移動体の移動量を直交座標形式または極座標形式で検出する移動量検出手段と、この移動量検出手段で検出した移動量に基づいて、前記移動体の進行方向の移動速度および速度変動と、前記進行方向とは異なる方向の移動速度および速度変動とを算出する速度算出手段と、この速度算出手段の算出結果をあらかじめ定められた判定値と比較し、前記移動体の動作が異常であるかどうか判定する比較判定手段とを設けた構成にした。
【0020】
このように構成した請求項5に係わる発明では、移動量検出手段により光学的手段を使用して移動体の移動量を検知し、この移動量に基づき速度算出手段により移動体の進行方向の移動速度および速度変動と他の方向の移動速度および速度変動とを同時に算出し、比較判定手段によりこの算出結果をあらかじめ定められた判定値と比較して移動体の動作が異常であるかどうか判定する。これにより、移動体に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに移動体の移動時の動作を確実に診断することができる。
【0021】
また、本発明の請求項6に係わる発明は、請求項5に係わる発明において、前記照明手段および移動量検出手段を収容する筺体に、この筐体を前記移動体の近傍に固定するための固定手段を設けた構成にした。
【0022】
このように構成した請求項5に係わる発明では、移動体の動作診断を行う際に照明手段および移動量検出手段を収容する筺体を移動体の近傍に設けることにより、当該動作診断装置を簡易に配置することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の移動体の動作診断方法および装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0024】
図1は本発明の第1の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図、図2は本実施形態の動作診断装置の光軸を移動手摺りの進行方向に沿って設置した状態を示す説明図、図3は本実施形態により乗客コンベアの移動手摺りの動作診断を行う際の手順を示すフローチャート、図4は本実施形態により移動手摺りの動作診断を行なう際の判断基準を説明する図である。
【0025】
一般に乗客コンベアは、図1に示すように移動手摺り1を有し、この移動手摺り1は、ガイドローラ2A、2Bおよび移動手摺りガイド2C上を摺動して定速度で一方向に移動している。
【0026】
そして、図1に示す本実施形態の動作診断装置は、移動体としての移動手摺り1の表面に光線を照射する電球やLEDなどの照明手段3と、移動手摺り1の表面で反射した反射光線を検知し、移動手摺り1の移動量を直交座標形式(X方向移動量とY方向移動量)で検出する移動量検出手段8と、この移動量検出手段8で検出した移動量に基づいて、移動手摺り1の進行方向の移動速度および速度変動と、前記の進行方向とは異なる方向の移動速度および速度変動とを算出する速度算出手段10と、この速度算出手段10の算出結果をあらかじめ定められた判定値と比較し、移動手摺り1の動作が異常であるかどうか判定する比較判定手段12と、この比較判定手段12に接続される速度記憶手段13とを備えている。
【0027】
照明手段3から照射された光線は、光線収束用レンズ4で収束され、移動手摺り1上の照明範囲5に照射された後、移動手摺り1の表面で反射した光線は、反射光線結像用レンズ6を経由して、移動量検知手段8に設けられたイメージセンサ7上に結像される。これらの照明手段3およびイメージセンサ7で決定される光軸は、移動手摺り1の進行方向(図2の矢印Aで示す方向)に沿って設置されている。
【0028】
移動量検知手段8としては、例えば米国ヒューレットパッカード社(現在アジレントテクノロジー社)が発売している光学マウス用ポジションセンサや、CCDカメラの画像のフレーム間の差分より移動方向を検出する手段などがある。この移動量検知手段8から、イメージセンサ7と移動手摺り1の進行方向との角度によって直交座標形式(X方向移動量とY方向移動量)を用いて決定される移動量信号9A、9Bが出力される。
【0029】
速度算出手段10は、移動量信号9A、9Bに基づいてあらかじめ定められた時間間隔tで積算し、この積算後の移動距離を時間間隔tで除算し、あらかじめ定められた定数αを積算することにより、速度算出結果信号11として速度ベクトルVを算出するものである。移動手摺り1が所定の進行方向(図2の矢印Aで示す方向)に正常速度で移動する際に、移動手摺り1の進行方向への移動量信号9Aが移動量検出手段8から出力され、進行方向と垂直の方向の移動量は出力されない。よって、この移動量信号9Aに基づいて速度算出手段10は移動手摺り1の進行方向の速度ベクトル15Xを算出し、この速度ベクトル15Xから合成速度ベクトル15Vを得る。
【0030】
比較判定手段12は、速度記憶手段13に記憶されている前回測定した速度ベクトル15Vpを読み出して合成速度ベクテル15Vと比較して、移動手摺り1の速度診断結果信号14を出力する。このとき速度診断結果信号14の内容としては、図4に示すように移動手摺り1の速度変動検出や移動手摺り1の蛇行検出などがある。
【0031】
そして、この第1の実施形態にあっては、図3に示す処理手順にしたがって移動手摺り1の動作診断を行うようになっている。すなわち、まず手順S1として速度算出手段10は移動量検知手段8より移動量信号9A、9Bを取得し、手順S2として、これらの移動量信号9A、9Bに基づいて速度算出手段13はベクトル合成と係数乗算や、測定時間間隔tでの除算を行い、合成速度ベクトル15Vを得る。ここで、手順S3として、前回に測定した速度ベクトル15Vp(速度測定値)が速度記憶手段13に記憶されていない場合(例えば、測定開始直後など)に、手順S4として今回算出した合成速度ベクトル15Vを速度ベクトル15Vp(速度測定値)として速度記憶手段13に記憶する。一方、速度記憶手段13に記憶された前回の速度ベクトル15Vpが存在していた場合、手順S5として前回の速度ベクトル15Vpと今回得られた合成速度ベクトル15Vとを比較し、移動手摺り1の進行方向の速度変動成分、および進行方向とは垂直な方向の速度変動成分を得る。
【0032】
その結果、手順S6としてあらかじめ定められた規定値以上の進行方向の速度変動が発生した場合に、手順S7として、図4に示すよう移動手摺り1の駆動系(図示しないチェーンなど)の異常が発生していると判断して警告や点検指示を行う。また、あらかじめ定められた規定値以上の進行方向への速度変動が発生せず、手順S8としてあらかじめ定められた規定値以上の垂直方向の速度変動が発生した場合、手順S9として、図4に示すように移動手摺り1の支持系(すなわちガイドローラ2A、2Bや移動手摺りガイド2C)にがたつきや磨耗が発生して移動手摺り1が蛇行していると判断して警告や点検指示を行う。
【0033】
さらに、上記の手順S6で規定値以上の進行方向への速度変動が発生せず、また手順S8で規定値以上の垂直方向の速度変動が発生しない場合に、手順S10として、測定値として移動手摺り1の移動速度を表示する。
【0034】
このように構成した第1の実施形態では、移動手摺り1に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに、光学的手段を使用して移動手摺り1の移動時の動作を確実に診断することができる。
【0035】
また、本実施形態では、移動手摺り1の表面に反射する光線を利用して移動量の検出を行うことにより、移動手摺り1の材質などに影響されずに移動手摺り1の動作を診断することができる。
【0036】
また、本実施形態では、移動手摺り1の移動速度の状況を調査したり、移動手摺り1の駆動系や支持系における異常や磨耗などにより移動手摺り1の移動速度の変動や蛇行状態を検出して動作診断を行うことができる。また、合成速度ベクトル15Vと前回測定した速度ベクトル15Vpとの差を、図4に示す判定基準で判定することにより、移動手摺り1自体および移動手摺り1の動作に関連する駆動系や、移動手摺り1を支持するガイドローラ2A、2Bおよび移動手摺りガイド2Cの点検を指示することが可能となる。
【0037】
また、本実施形態では、小型で安価に入手可能な光学マウス用ポジションセンサを使用することによって、当該動作診断装置のコスト低減および小型化が可能となる。
【0038】
なお、上記実施形態にあっては、移動手摺り1の移動量信号9A、9Bを直交座標形式(X方向移動量とY方向移動量)で表現する方法を例示したが、直交座標形式(X方向移動量とY方向移動量)の代わりに、極座標形式(移動量rと移動方向角度Θ)で表現する方法もある。この場合、前記の極座標形式で表されたベクトルを速度ベクトル15Vとみなすことにより、同様に移動手摺り1の動作診断を行うことができる。
【0039】
図5は本発明の第2の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図である。なお、図5において前述した図1〜図4に示すものと同等のものには同一符号を付してある。
【0040】
図5に示す本実施形態の動作診断装置は、前述した図1〜図4に示すものと比べて、照明手段3およびイメージセンサ7で決定される光軸を移動手摺り1の進行方向(図5の矢印Aで示す方向)に対してオフセット角16を持って設置したことが異なっており、その他の構成は基本的に同様である。
【0041】
この第2の実施形態にあっては、移動手摺り1が見かけ上光軸方向と光軸とは垂直方向へ移動しているように移動量検出手段8から移動量信号9A,9Bを出力し、次いで、移動量信号9A,9Bに基づいて速度算出手段10はこれらの速度ベクトル15X、15Yを算出してベクトル的に合成して合成速度ベクトル15Vを得る。なお、図5の合成速度ベクトル15Vは図2の合成速度ベクトル15Vと同等である。
【0042】
このように構成した第2の実施形態でも、前述した図1〜図4に示すものと同様の効果が得られる。さらに、本実施形態にあっては、照明手段3およびイメージセンサ7で決定される光軸を移動手摺り1の進行方向に対してオフセット角16で設置したので、当該動作診断装置の設置形態および操作性に大きな自由度をもたらすことができる。
【0043】
図6は本発明の第3の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図である。なお、図6において前述した図1〜図4に示すものと同等のものには同一符号を付してある。
【0044】
図6に示す本実施形態の動作診断装置は、前述した図1〜図4に示すものと比べて、移動手摺り1の表面上に摺動する摺動体18と、この摺動体18上に設置され、照明手段3、光線収束用レンズ4、反射光線結像用レンズ6および移動量検出手段8を収容する筺体17とを設けたことが異なっており、その他の構成は基本的に同様である。
【0045】
摺動体18は、例えばポリフッ化エチレン(またはポリテトラフルオロェチレン)などの静摩擦係数および動摩擦係数が小さい物質からなり、測定・診断を行う対象物、すなわち移動手摺り1の近傍に設けられる筺体17の下面に装着されている。
【0046】
この第3の実施形態にあっては、移動手摺り1の速度測定を実施する作業員が筐体17を持って移動手摺り1の表面に置き、移動手摺り1と摺動体18が摺動している状態で移動手摺り1の速度測定を行う。
【0047】
このように構成した第3の実施形態でも、前述した図1〜図4に示すものと同様の効果が得られる。さらに、この第3の実施形態では、照明手段3および移動量検出手段8などを収容した状態で筺体17を移動手摺り1の近傍に設けることにより、移動手摺り1の動作診断を行う際に当該動作診断装置を簡易に配置することができる。また、移動手摺り1の移動速度を検出するために最小限必要な機能のみを収容することにより筐体17の小型化を図り、当該動作診断装置の可搬性を高めることができる。
【0048】
図7は本発明の第4の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図、図8は本実施形態によりスライドドアの動作診断を行う際の速度検出結果を示す図である。なお、図7において前述した図1〜図4に示すものと同等のものには同一符号を付してある。さらに、図8の(a)はスライドドアの開閉方向の速度変動を示し、図8の(b)はスライドドアの上下方向の速度変動を示す。
【0049】
図7に示すエレベータや自動ドアなどのスライドドア20は、左右方向に開閉可能に設けられる一対のドア部材21A、21Bを有している。
【0050】
そして、本実施形態の動作診断装置は、前述した図6に示すものと比べて、筐体17が一方のドア部材21A近辺の壁面22Aや他方のドア部材21B近辺の壁面22Bに磁石や吸盤などの固定手段23を介して装着されたことが異なっており、その他の構成は基本的に同様である。
【0051】
この第4の実施形態にあっては、一方のドア部材21A近辺の壁面22Aに筐体17を装着し、この筐体17とドア部材21Aとを非接触または摺動している状態で固定した後、この状態でドア部材21A、21Bの開閉を行い、ドア部材21Aの開閉動作の診断を行う。同様に、他方のドア部材21B近辺の壁面22Bに筐体17を装着し、この筐体17とドア部材21Bとを非接触または摺動している状態で固定した後、この状態でドア部材21A、21Bの開閉を行い、ドア部材21Bの開閉動作の診断を行う。
【0052】
スライドドア20の移動速度は、自動的に開閉する際に通行人や物体への危険を防止するために、図8の(a)に示す実線L1の基準パターンで推移するように制御されている。すなわち、ドア部材21A、21Bはドア開領域にて高速で開いた後、開端領域で低速になるとともに、ドア部材21A、21Bはドア閉領域にて高速で閉じた後、閉端領域にて挟まれや巻き込みを防止するために低速で閉じるように設定されている。また、ドア部材21A、21Bの進行方向の移動速度は、ドア開領域および開端領域とドア閉領域および閉端領域とで実線L1で示す基準パターンに対して所定の変動裕度24Aを有することから、破線L2で示す上限値および他の破線L3で示す下限値が設定されている。そこで、測定したドア部材21A、21Bの進行方向の移動速度が、破線L2で示す上限値および他の破線L3で示す下限値の範囲内にあるかどうか判定し、この範囲内にない場合、ドア部材21A、21Bの開閉動作が異常であることを検知する。例えば、ドア部材21A、21Bと床面のガイド溝(図示せず)や、ドア部材21A、21Bを上部で保持するドアレール(図示せず)で異物の付着や詰まりなどが発生すると、ドア部材21A、21Bの開閉時に開閉方向への変動(がたつきなど)が発生しえる。
【0053】
また、ドア部材21A、21Bの上下方向への移動速度は、図8の(b)に示す実線L4のように推移し、所定の変動裕度24B、破線L5で示す上限値および他の破線L6で示す下限値が設定されている。そこで、実線L4で示す上下方向への移動速度が、破線L5で示す上限値および他の破線L6で示す下限値の範囲内にあるかどうか判定し、この範囲内にない場合、ドア部材21A、21Bの開閉動作が異常であることを検知する。例えば、ドア部材21A、21Bと床面のガイド溝(図示せず)や、ドア部材21A、21Bを上部で保持するドアレール(図示せず)で異物の付着や詰まりなどが発生すると、図8の(b)に示すドア開領域の箇所25Aやドア閉領域の箇所25Bのように上下方向への変動(がたつきなど)が発生しえる。
【0054】
このように構成した第4の実施形態でも、光学的手段を使用してドア部材21A、21Bの移動量を検知し、この移動量に基づき開閉方向の移動速度および速度変動と上下方向の移動速度および速度変動とを同時に検出して、ドア部材21A、21Bの開閉速度のパターンがあらかじめ定められる基準パターンとは異なる場合や、上下方向の速度変動が発生した場合に、ドア部材21A、21Bの開閉動作が異常であると判定するので、ドア部材21A、21Bに接触することなく、また磁気抵抗を用いずにドア部材21A、21Bの動作診断を確実に行える。
【0055】
なお、上記実施形態にあっては、乗客コンベアの移動手摺り1の診断およびスライドドア20の診断について述べたが、本発明はこの分野に限定するものではなく、光線を反射する表面を持つ移動体の移動速度や動作を測定・診断を実施する分野全般に対して適用可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明の請求項1に係わる発明は、移動体に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに、光学的手段を使用して移動体の移動時の動作を確実に診断することができる。したがって、移動体の動作診断精度を向上できるとともに、非磁性体を使用した移動体にも適用できる移動体の動作診断方法が得られるという効果がある。
【0057】
また、本発明の請求項2に係わる発明は、移動手摺りの進行方向の速度変動があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、移動手摺り自体および移動手摺りの駆動系の少なくとも一方が異常であると判定するので、移動手摺りに接触することなく、また磁気抵抗を用いずに、光学的手段を使用して移動手摺りの動作診断を確実に行える。したがって、従来のように速度検出用ローラを用いる場合と比べて、この速度検出用ローラの滑りによる移動速度の測定誤差や押し付け力による移動手摺りの移動速度の変化がないため、移動手摺りの動作診断精度を向上できるとともに、アラミド繊維などの非磁性体を使用した移動手摺りにも適用できるという効果がある。
【0058】
また、本発明の請求項3に係わる発明は、移動手摺りの進行方向とは異なる方向の移動速度があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、移動手摺りが蛇行していると判断し、移動手摺り自体および移動手摺りを支持する移動手摺りガイドの少なくとも一方が異常であると判定するので、移動手摺りが進行方向とは異なる方向へ移動して蛇行する場合も、移動手摺りに接触することなく、また磁気抵抗を用いずに光学的手段を使用して移動手摺りの動作診断を確実に行える。したがって、移動手摺りの蛇行などの異常動作にも対応可能な移動体の動作診断方法が得られるという効果がある。
【0059】
また、本発明の請求項4に係わる発明は、スライドドアに接触することなく、また磁気抵抗を用いずに、光学的手段を使用してスライドドアの動作診断を確実に行える。したがって、従来のように速度検出用ローラを用いる場合と比べて、この速度検出用ローラの滑りによる誤差や押し付け力によるスライドドアの移動速度の変化がないためスライドドアの動作診断精度を向上できるとともに、非磁性体を使用したスライドドアにも適用できるという効果がある。
【0060】
また、本発明の請求項5に係わる発明は、移動体に接触することなく、また磁気抵抗を用いずに移動体の移動時の動作を確実に診断することができる。したがって、移動体の動作診断精度を向上できるとともに、非磁性体を使用した移動体にも適用できる移動体の動作診断装置が得られるという効果がある。
【0061】
また、本発明の請求項6に係わる発明は、照明手段および移動量検出手段を収容した状態で筺体を固定手段を用いて移動体の近傍に設けるため、移動体の動作診断を行う際に当該動作診断装置を簡易に配置することができる。したがって、移動体の動作診断の作業効率を向上できる移動体の動作診断装置が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図である。
【図2】本実施形態の動作診断装置の光軸を移動手摺りの進行方向に沿って設置した状態を示す説明図である。
【図3】本実施形態により乗客コンベアの移動手摺りの動作診断を行う際の手順を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態により移動手摺りの動作診断を行なう際の判断基準を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係わる移動体の動作診断装置を示す説明図である。
【図8】本実施形態によりスライドドアの動作診断を行う際の速度検出結果を示す図である。
【符号の説明】
1 移動手摺り
2A、2B ガイドローラ
2C 移動手摺りガイド
3 照明手段
4 光線収束用レンズ
6 反射光線結像用レンズ
7 イメージセンサ
8 移動量検知手段
10 速度算出手段
12 比較判定手段
13 速度記憶手段
17 筐体
18 摺動体
20 スライドドア
21A、21B ドア部材
22A、22B 壁面
23 固定手段
Claims (6)
- 移動体の移動速度を測定し、この移動体の動作を診断する移動体の動作診断方法において、
光学的手段を使用して前記移動体の移動量を直交座標形式または極座標形式で検知し、前記移動量に基づいて前記移動体の進行方向の移動速度および速度変動と、前記進行方向とは異なる方向の移動速度および速度変動とを同時に検出することにより、前記移動体の動作診断を行うことを特徴とする移動体の動作診断方法。 - 請求項1に記載の移動体の動作診断方法において、
前記移動体が乗客コンベアの移動手摺りからなり、この移動手摺りの進行方向の速度変動があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、前記移動手摺り自体および移動手摺りの駆動系の少なくとも一方が異常であると判定することを特徴とする移動体の動作診断方法。 - 請求項1に記載の移動体の動作診断方法において、
前記移動体が乗客コンベアの移動手摺りからなり、この移動手摺りの進行方向とは異なる方向の移動速度があらかじめ定められる規定値を超えた場合に、前記移動手摺りが蛇行していると判断し、前記移動手摺り自体および移動手摺りを支持する移動手摺りガイドの少なくとも一方が異常であると判定することを特徴とする移動体の動作診断方法。 - 請求項1に記載の移動体の動作診断方法において、
前記移動体がスライドドアからなり、このスライドドアの開閉速度のパターンがあらかじめ定められる基準パターンとは異なる場合、または前記スライドドアの開閉方向とは異なる方向の速度変動が発生した場合に、前記スライドドアの開閉動作が異常であると判定することを特徴とする移動体の動作診断方法。 - 移動体の移動速度を測定し、この移動体の動作を診断する移動体の動作診断装置において、
前記移動体の表面に光線を照射する照明手段と、前記移動体の表面で反射した反射光線を検知し、前記移動体の移動量を直交座標形式または極座標形式で検出する移動量検出手段と、この移動量検出手段で検出した移動量に基づいて前記移動体の進行方向の移動速度および速度変動と、前記進行方向とは異なる方向の移動速度および速度変動とを算出する速度算出手段と、この速度算出手段の算出結果をあらかじめ定められた判定値と比較し、前記移動体の動作が異常であるかどうか判定する比較判定手段とを設けたことを特徴とする移動体の動作診断装置。 - 請求項5に記載の移動体の動作診断装置において、
前記照明手段および移動量検出手段を収容する筺体に、この筐体を前記移動体の近傍に設置するための固定手段を設けたことを特徴とする移動体の動作診断装置。
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