JP5781314B2 - 原子力設備の施工用準備ユニット、原子力設備の施工システム - Google Patents
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Description
このようなINLAY工事では、INLAY対象部、すなわち溶接すべき部分において事前調査、開先加工、溶接、溶接部平面仕上げ、最終検査の順で作業が進められている。そして、これらの作業が行なわれる管台内部は、人が進入するのが困難な環境下となるため、前記各作業工程に対応した装置(事前調査装置、切削装置、溶接装置、仕上げ装置、検査装置等)に対して原子炉容器の図面寸法からそれぞれの装置固有の位置決め基準を設けていた。
特許文献1には、配管の開先裏面側に監視センサが配置され、初層溶接時に溶接機によって開先が溶接されると、この溶接に伴う溶融状態が監視センサによって撮像され、この撮像に伴う情報をモニタの画面上に表示する内面監視装置と自動溶接装置について開示されている。
すなわち、各作業に対応した装置をその作業に応じて入れ替えるため、それぞれの装置毎に各装置固有の位置決め基準に応じた位置決めを行うため、多大な時間がかかるという問題があった。
また、装置毎に位置決め誤差(ばらつき)が生じることにより、事前調査、開先加工、溶接、溶接部平面仕上げ、検査の各作業において施工範囲の設定精度が低下し、場合によっては施工範囲がずれてしまうという問題があり、その点で改良の余地があった。
そして、施工用準備ユニットにおける対象部位を検出した位置において、マーキング手段により部材面にマーキングを行う。このとき、対象部位検出手段とマーキング手段とが装置本体上に設けられ、互いの相対位置が固定値となっているので、部材面に施したマーキングが検出した対象部位の位置に基づいた基準位置となる。そのため、施工ユニットに前記マーキングを基準にして位置調整できる機能(例えば、レーザ発光部やカメラ等)を装備しておくことで、そのマーキングを基準とした施工ユニットの位置決めを精度良く行うことができる。つまり、マーキングと対象部位の位置が固定値となるため、マーキングの位置に合わせて施工ユニットを位置決めすることで、施工ユニットにおいて対象部位に対して精度良く施工することが可能となる。
しかも、施工ユニット毎に時間のかかる対象部位検出を行う必要がなくなるので、施工範囲設定の迅速化が図れ、作業時間を短縮することができる。
架台11は、原子炉容器1の内部に配置されるプラットフォーム13と、プラットフォーム13と接続されて原子炉容器1の上方へと鉛直方向に沿って配設された略円筒状の接続管路14とを有する。プラットフォーム13は、原子炉容器1の内径よりも小さい外径を有する略円筒状の側壁13aと、側壁13aの下端を閉塞する底板13bと、側壁13aの上端から外周側に張り出して原子炉容器1の上縁に支持されたフランジ13cとを有する。そして、プラットフォーム13は、フランジ13cに形成された固定用孔13dを利用して原子炉容器1に固定されている。
なお、プラットフォーム13のフランジ13cと原子炉容器1の上端との間、また、プラットフォーム13のフランジ13cと接続管路14の下端との間は、それぞれシーリングされており、これにより、原子炉容器1の内部を管台2よりも水位が下側になるように排水しても、原子炉容器1の上方で接続管路14の周囲に満たされた冷却水が原子炉容器1の内部、及び架台11の内部に漏洩してしまうことがない。
また、各アクセス窓15の内周面には、アクセス窓15と管台2との間の隙間を閉塞する隙間閉塞装置17が設けられている。
図3に示すように、施工用準備ユニット20は、管台2の空間内部R(人が進入困難な環境を有する空間)に挿入される装置本体30と、その装置本体30を空間内部Rに挿入させるための移動装置21(移動部)とからなる。移動装置21は、図示しない昇降装置によって連絡孔12aを介して作業床12上から架台11の内部へ昇降可能に設けられている。
マニュピレータ22は、複数の関節部22a、22a、…を有する多関節構造で構成されており、これにより、スライド方向L1に平行な軸、及び、該軸に直交する二軸の三軸回りに自在に回転可能となっている。つまり、マニュピレータ22の先端22bに設けられた装置本体30を任意の軸回りに回転移動させることが可能となっている。
さらに、装置本体30には、前記ポンチ痕Pにレーザ光を当てる第1レーザ変位計33と、そのレーザ光を監視する第1カメラ34と、その第1カメラ34の撮像範囲を照らす照明部34Aとが設けられている。
また、渦電流探傷検査センサ31の位置とポンチ32Bとの位置は、予め前記図示しない制御部に登録しておく。つまり、ポンチ打刻部32では、渦電流探傷検査センサ31との相対位置を維持したままポンチ痕Pを管内面Raに打刻することができる。そして、このポンチ痕Pが後述する各施工ユニットを作業位置へ位置決めする基準となる。
図7に示すように、各施工ユニット40は、上述したマニュピレータ22と同様に移動装置(図示省略)に設けられた多軸のマニュピレータ41に取り付けられている。この施工ユニット40は、溶接に必要な切削、溶接、仕上げ、検査等の作業毎に応じたユニットが設けられる。より具体的には、施工ユニット40としては、管内面Raの溶接を行う溶接ユニット、管内面Raを切削する切削ユニット、管内面Raの仕上げ加工を行う仕上げ加工ユニット、仕上げ後の管内面Raを検査さする検査ユニットなどが用いられる。
なお、これら各作業装置の詳細な説明は省略し、各施工ユニット40に共通して設けられる前記位置決め機構Nについて説明する。
図1に示すように、人が進入するのが困難な環境下となる管台2及び配管3における空間内部Rで施工ユニット40を用いた工事を行う場合、先ず施工用準備ユニット20を移動装置21とともに架台11内を通過させて作業床12からプラットフォーム13内に挿入し、さらに空間内部Rに進入させ、その管内面Raの溶接部T(対象部位)を渦電流探傷検査センサ31により検出する。
そのため、図7に示す施工ユニット40にポンチ痕Pを基準にして位置調整できる位置決め機構Nが設けられているので、そのポンチ痕Pを基準とした施工ユニット40の位置決めを精度良く行うことができる。つまり、ポンチ痕Pと溶接部Tの位置が固定値となるため、ポンチ痕Pの位置に合わせて施工ユニット40を位置決めすることで、施工ユニット40において溶接部Tに対して精度良く施工することが可能となる。
したがって、所定の溶接部Tに対して、異なる施工ユニットにより順次作業を施すような工事を行う場合にあっては、精度の高い施工ができるという利点がある。
しかも、施工ユニット40毎に時間のかかる対象部位検出を行う必要がなくなるので、施工範囲設定の迅速化が図れ、作業時間を短縮することができる。
例えば、本実施の形態ではマーキング手段としてポンチ打刻によるポンチ痕Pを採用しているが、これに限定されることはなく、例えばマジック罫書き、罫書き針による罫書き等の手段によりマーキングを施すことも可能である。
そして、渦電流探傷検査センサ31の取付構造(センサ台座部35の一部に配置する構造)や、渦電流探傷検査センサ31とポンチ打刻部32との距離などの構成についても適宜設定することが可能である。
2 管台
3 配管
20 施工用準備ユニット
21 移動装置(移動部)
22 マニュピレータ
30 装置本体
31 渦電流探傷検査センサ(対象部位検出手段)
32 ポンチ打刻部(マーキング手段)
32A ポンチ軸
32B ポンチ
33 第1レーザ変位計
34 第1カメラ
35 センサ台座部
40 施工ユニット
42 第2レーザ変位計
43 第2カメラ
M レーザ光軸
N 位置決め機構
P ポンチ痕(マーキング)
R 管内空間
Ra 管内面(部材面)
T 溶接部(対象部位)
Claims (2)
- 空間内に進入される装置本体と、
該装置本体を前記空間内部に進入させるための移動部と、
前記装置本体に設けられ、前記空間内の部材面の対象部位を検出する対象部位検出手段と、
前記装置本体における前記対象部位検出手段との距離が一定値となる固定位置に設けられ、前記部材面にマーキングを行うポンチを有するマーキング手段と、
前記対象部位検出手段が前記対象部位を検出した際に、前記マーキング手段が前記ポンチを突き出すように該マーキング手段を制御して、前記対象部位に対して前記距離に対応する分だけ相対した前記部材面の位置にポンチ痕を打刻させる制御部と、
を備えることを特徴とする原子力設備の施工用準備ユニット。 - 請求項1に記載の前記原子力設備の施工用準備ユニットを備えた施工システムであって、
該施工用準備ユニットでマーキングされた位置を基準にして前記対象部位に施工を行う施工ユニットを設けていることを特徴とする原子力設備の施工システム。
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