JP2016210476A - 二重構造エアゾール容器用内袋及び該内袋を収納して成る二重構造エアゾール容器 - Google Patents

二重構造エアゾール容器用内袋及び該内袋を収納して成る二重構造エアゾール容器 Download PDF

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Abstract

【課題】二剤式毛髪化粧料の過酸化水素を含有する第二剤を充填可能な二重構造エアゾール容器の内袋において、優れた酸素バリア性及び内容物の吐出性の両方を発現可能な内袋を提供することである。【解決手段】外装容器及び該外装容器に収納される内袋を有する二重構造エアゾール容器における、オレフィン系樹脂から成る内外層及びEVOH共重合体から成る中間層を少なくとも含む層構成を有する、二剤式毛髪化粧料の過酸化水素を含有する第二剤を収納可能な内袋において、前記中間層が、エチレン含有量が38〜48モル%の範囲にあるEVOH共重合体から成り且つその厚みが全厚みの3〜20%の範囲であり、胴部の弾性率が650MPa以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、二剤式毛髪化粧料用二重構造エアゾール容器用の内袋に関するものであり、より詳細には、二剤式毛髪化粧料の第二剤に含有される過酸化水素の内袋外への揮散が抑制された内袋及びこの内袋を収納して成る二重構造エアゾール容器に関する。
二剤式染毛剤や二剤式毛髪脱色剤などの二剤式毛髪化粧料は、アルカリ性成分を含有する第一剤及び過酸化水素を含有する第二剤から成り、第一剤の成分は保存中に酸素と接触すると化学的に変質して染毛機能が低下するという性質を有する。
一方、第二剤は過酸化水素を主要成分とする酸化性の酸性成分からなり、この第二剤を収納する内袋においては、酸化剤である過酸化水素の分解に由来して発生した酸素による内部膨張圧への抵抗性が要求されると共に、内容物中の過酸化水素が内袋を透過することによる有効成分の消失及び外装容器が金属製容器の場合、内袋を透過した酸素や過酸化水素による外装容器内面の腐食を防止する必要もある。
このような特徴を有する二剤式毛髪化粧料用の包装容器として、第一剤及び第二剤のそれぞれを収納した内袋を外装容器に収納して成る二重構造のエアゾール容器が従来より提案されている。例えば下記特許文献1には、第一剤を充填した内袋及び第二剤を充填した内袋をそれぞれ外装容器に収納して成る二重構造エアゾール容器を2つ連結し、第一剤及び第二剤を同時に放出可能な2連式エアゾール容器が記載されている。この特許文献1においては、外装容器に収納される内筒として、直鎖状低密度ポリエチレンに高分子系の酸化防止剤を混合した合成樹脂で構成された内筒が提案されている。
上記特許文献1においては、第一剤及び第二剤を収納する内筒を同一の材質で作製することにより生産効率の向上や製造コスト等の向上を図っているが、特許文献1に記載された内筒は酸素バリア性が低いことから、上述した第二剤を充填するための内袋に要求される性質を充分満足することは困難であった。
また酸素バリア性を必要とする毛髪化粧料を収納する容器として、酸素バリア性に優れたエチレン含有量が36モル%以下のエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH共重合体」という)を用いた酸素バリア層を少なくとも1層備えた容器も提案されており、この容器に使用されているEVOH共重合体は特に酸素バリア性に優れたEVOH共重合体であることから、二剤式毛髪化粧料の第二剤に含有される過酸化水素に由来する酸素に対する優れたバリア性能を発現できることが記載されている(特許文献2)。
特開2005−15017号公報 特開2003−93149号公報
しかしながら、本発明者らは、二剤式毛髪化粧料の第二剤を充填した内袋を収納した外装容器内は、経時と共に透過した水分により湿度が98%RH以上にも上昇し、低湿度条件下では優れた酸素バリア性を発現可能なEVOH共重合体から成る層を有する容器であっても、充分な酸素バリア性を発現することができず、内袋を透過した過酸化水素或いは酸素によって外装容器内面に腐食が生じるという問題があることを見出した。
上記特許文献2記載の容器においては、内袋の最外層にポリオレフィン系樹脂等から成る層を形成することが記載されているが、最外層にこのような耐湿性樹脂を用いた場合であっても、外装容器内の湿度上昇は抑制することは困難である。
また二重構造エアゾール容器においては、外装容器内に充填された噴射剤により内袋を押圧して、内袋に充填された内容物を噴出させるものであるため、内容物の吐出性を向上させるためには、内袋は押圧されることにより容易にへこむ柔軟性が要求されるが、酸素バリア性を向上させるためにEVOH共重合体から成る層の厚みを大きくすると、柔軟性に欠けるようになり、内容物の吐出性の点で充分満足する内袋を提供することができない。
従って本発明の目的は、二剤式毛髪化粧料の過酸化水素を含有する第二剤を充填可能な、二重構造エアゾール缶の内袋において、優れた酸素バリア性及び内容物の吐出性の両方を発現可能な内袋を提供することである。
本発明の他の目的は、二剤式毛髪化粧料の過酸化水素を含有する第二剤を充填した内袋を収納した場合にもエアゾール容器内面の腐食が有効に防止された二重構造エアゾール容器を提供することである。
本発明によれば、外装容器及び該外装容器に収納される内袋を有する二重構造エアゾール容器における、オレフィン系樹脂から成る内外層及びEVOH共重合体から成る中間層を少なくとも含む層構成を有する、二剤式毛髪化粧料の過酸化水素を含有する第二剤を収納可能な内袋において、前記中間層がエチレン含有量が38〜48モル%の範囲にあるEVOH共重合体から成り且つその厚みが全厚みの3〜20%の範囲であり、胴部の弾性率が650MPa以下であることを特徴とする内袋が提供される。
本発明の内袋においては、層構成が、オレフィン系樹脂から成る内層/リグラインド樹脂含有中間層/接着層/EVOH共重合体から成る中間層/接着層/オレフィン系樹脂から成る外層、であることが好適である。
本発明によればまた、上記内袋を外装容器に収納して成る二重構造エアゾール容器において、過酸化水素を含有する第二剤が内袋に充填されると共に、前記外装容器と内袋の間隙に不活性ガスが充填された状態における前記間隙内の湿度が98%RH以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器が提供される。
本発明によれば更にまた、内袋を収納した外装容器を2つ連接して成り、該2つの外装容器内の内袋内の内容物を同時に排出可能な排出口が設置されて成る2連式二重構造エアゾール容器において、少なくとも一方の外装容器内の内袋が上記内袋から成り、該内袋に過酸化水素を含有する第二剤が充填され、他方の外装容器内の内袋にアルカリ性成分を含有する第一剤が充填されることを特徴とする2連式二重構造エアゾール容器が提供される。
本発明の2連式二重構造エアゾール容器においては、前記アルカリ性成分を含有する第一剤を充填する内袋が、オレフィン系樹脂の単層構成であることが好適である。
また本発明の2連式二重構造エアゾール容器においては、前記過酸化水素を含有する第二剤が充填された内袋と前記外装容器との間隙に不活性ガスが充填された状態における前記間隙内の湿度が98%RH以上になるという特徴を有している。
本発明においては、過酸化水素を含有する第二剤を充填した内袋を収納した外装容器において、外装容器と内袋の間の間隙の湿度が100%RHに達した場合でも、エチレン含有量が上記範囲にあるEVOH共重合体は、過酸化水素及び過酸化水素に起因する酸素に対して優れたバリア性を維持しており、外装容器内面の腐食が有効に防止できると共に、内容物の有効成分の消失を阻止することが可能になる。
また内袋の厚みに占めるEVOH共重合体から成る層の厚みを3〜20%と薄肉にしても充分なバリア性を確保できることから、内袋の柔軟性を損なうことがなく、内容物の吐出性にも優れている。
本発明の上述した作用効果は後述する実施例の結果からも明らかである。
すなわち、過酸化水素を含有する第二剤を充填して成る内袋を収納した外装容器(アルミDI缶)における外装容器と内袋の間の間隙は、実施例及び比較例の何れの場合であっても、湿度が100%RHに達しており、この条件下で本発明の内袋を用いた二重構造エアゾール容器(実施例1〜5)においては、外装容器内面に腐食が発生していないと共に、吐出性にも優れている。
これに対して、65%RH条件下では、実施例1〜5で用いたEVOH共重合体共重合体よりも酸素透過度(cm・20μm/m/day・atm)の低いEVOH共重合体を用いた以外は実施例1〜5と同様に作成した内袋では、吐出性は満足するとしても、外装容器内面に腐食が発生している(比較例1)。また実施例1と同じEVOH共重合体を用いたとしても、EVOH共重合体から成る層の全厚に対する厚みが薄すぎる場合には、バリア性が低下するため、耐腐食性において実施例に比して劣っており、充分満足する結果を得ることができない(比較例2)。更に実施例1と同じEVOH共重合体を用いたとしても、EVOH共重合体から成る層の全厚に対する厚みが厚すぎる場合には、吐出性に劣っている(比較例3)。外装容器内面の耐腐食性及び吐出性のすべてを満足するためには、前述したように、特定のエチレン含有量のEVOH共重合体を特定の厚みで用い、内袋の弾性率を上記範囲内にすることが重要である。
本発明の内袋の層構成の一例を示す図である。 本発明の内袋を用いた二重構造エアゾール容器を説明するための図である。 図2に示した二重構造エアゾール容器を連接して成る2連式二重構造エアゾール容器を説明するための図であり、(A)は正面図、(B)は上面図、(C)は底面図、(D)は側面図、(E)は部分断面図である。
(内袋)
本発明の外装容器及び該外装容器に収納される内袋を有する二重構造エアゾール容器における、二剤式毛髪化粧料の過酸化水素を含有する第二剤を収納可能な内袋は、オレフィン系樹脂から成る内外層及びエチレン含有量が38〜48モル%の範囲のEVOH共重合体から成る中間層を少なくとも含む層構成を有することが第一の重要な特徴であり、EVOH共重合体中間層の厚みが内袋の全厚みの3〜20%の範囲にあり、胴部の弾性率が650MPa以下であることが第二の重要な特徴である。尚、本明細書において、内袋の胴部とは、内袋の開口部付近及び底部付近を除いた、内袋の高さ方向における中央付近の部分であり、上記EVOH共重合体中間層等の厚みもこの部分を測定することにより算出している。
前述したとおり、包装容器の分野において酸素バリア性向上のためにEVOH共重合体を使用する場合、エチレン含有量が低いほど酸素バリア性が高いことからエチレン含有量が低いEVOH共重合体を使用することが一般的である。しかしながら、二剤式毛髪化粧料に用いられる二重構造エアゾール容器においては、外装容器内は内袋に過酸化水素を含有する第二剤を充填後2〜3日で高湿度になり、このような高湿度条件下では、エチレン含有量の高いEVOH共重合体がエチレン含有量の低いEVOH共重合体よりも優れた酸素バリア性を発現できることから、かかるEVOH共重合体を用いた中間層の厚みを全厚みに対して特定の厚みにすることによって、内袋の酸素バリア性と共に内袋の柔軟性を確保することが可能になり、結果として、前述したように、外装容器内面の腐食を抑制可能である共に、吐出性にも優れた二重構造エアゾール容器を提供することが可能になった。
本発明の内袋は、オレフィン系樹脂から成る内外層、及び上記EVOH共重合体中間層を少なくとも有する限り、その層構成は特に限定されないが、内外層とEVOH共重合体中間層の間に、スクラップ樹脂等のリグラインド樹脂を含有するリグラインド樹脂含有中間層を設けることにより、内外層の厚みを低減することができることから経済性の点で望ましい。また内外層を構成するオレフィン系樹脂とEVOH共重合体は接着性に乏しいことから接着層を設けることが好ましい。またEVOH共重合体中間層を複数形成することもでき、この場合にはトータルの厚みが全厚みの3〜20%の範囲にあればよい。更に必要により、耐衝撃性に優れたナイロン等から成る層を設けることもできる。
本発明の内袋の層構成としては、これに限定されないが、オレフィン系樹脂から成る内層/接着層/EVOH共重合体中間層/接着層/オレフィン系樹脂から成る外層、オレフィン系樹脂から成る内層/接着層/EVOH共重合体中間層/接着層/リグラインド樹脂含有中間層/接着層/EVOH共重合体中間層/接着層/オレフィン系樹脂から成る外層、オレフィン系樹脂から成る内層/リグラインド樹脂含有中間層/接着層/EVOH共重合体中間層/接着層/耐衝撃性層/接着層/オレフィン系樹脂から成る外層等を例示することができるが、図1に示すように、オレフィン系樹脂から成る内層1/リグラインド樹脂含有中間層2/接着層3a/EVOH共重合体中間層4/接着層3b/オレフィン系樹脂から成る外層5、から成る層構成を好適に採用できる。
本発明において、各層の厚みは特に限定されないが、内外層の厚みが60〜140μmの範囲にあり、EVOH共重合体中間層の厚みが9〜140μm、リグラインド樹脂含有中間層の厚みが160〜510μm、接着層が6〜14μmの範囲にあることが望ましく、この範囲内において、胴部の肉厚(全厚み)が300〜700μmの範囲にあり、EVOH共重合体中間層の厚みが全厚みの3〜20%、特に6〜12%の範囲となるように構成することが重要である。
前述したとおり、上記範囲よりもEVOH共重合体中間層の厚みが薄い場合には、上記範囲にある場合に比して内袋の酸素バリア性に劣るようになり、一方上記範囲よりもEVOH共重合体中間層の厚みが厚い場合には、上記範囲にある場合に比して内袋の柔軟性に劣るようになる。
本発明の内袋に用いるEVOH共重合体は、エチレン含有量が38〜48モル%の範囲にあるエチレン−酢酸ビニル共重合体を96モル%以上、特に99モル%以上ケン化して成るものであり、融点が160〜172℃の範囲にあるものを好適に使用することができる。
また内外層を構成するオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)、アイソタクティックまたはシンジオタクティックポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体等を例示することができるが、特に耐ストレスクラック性の点で、直鎖状低密度ポリエチレンを好適に使用することができる。
この直鎖状低密度ポリエチレンとしては、メルトフローレートが0.1〜3g/10分、密度が0.91〜0.94g/cmの範囲にあるものを好適に使用することができる。
また接着層を構成する接着樹脂としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸塩、カルボン酸アミド、カルボン酸エステル等に基づくカルボニル(−CO−)基を主鎖又は側鎖に、1乃至700ミリイクイバレント(meq)/100g樹脂、特に10乃至500(meq)/100g樹脂の濃度で含有する熱可塑性樹脂が挙げられる。
接着樹脂の適当な例は、エチレン−アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、EVOH共重合体と無水マレイン酸変性オレフィン樹脂とのブレンド物から形成されるもの等を挙げることができ、特に無水マレイン酸変性ポリエチレンを好適に使用することができる。
この無水マレイン酸変性ポリエチレンは、メルトフローレートが0.3〜4g/10分、密度が0.90〜0.94g/cmの範囲にあるものを好適に使用することができる。
更に必要により形成されるリグラインド樹脂含有中間層は、内袋成形の際に生じたオレフィン系樹脂を主体とするスクラップ等を粉砕してなるリグラインド樹脂を使用することが好適である。リグラインド樹脂含有中間層は、リグラインド樹脂のみから成ることもできるが、60重量%以下の量でバージンのオレフィン系樹脂、特に内外層に用いたオレフィン系樹脂と同種のオレフィン系樹脂を混合して使用するのが、成形性や接着性の点から好ましい。
本発明の内袋は、上記積層構造を有するパリソンを用いてそれ自体公知の溶融成形法で成形することが好適である。例えば、多層構造のパリソンを溶融押出し、これを割金型内に供給し、その内部に流体を吹き込んで膨張させる、所謂ダイレクトブロー成形で製造することができる。多層押出成形体の製造には、それ自体公知の共押出成形法を用いることができ、例えば樹脂の種類に応じた数の押出機を用い、多層多重ダイを用いて押出成形を行うことにより成形することができる。
また上記積層構造を有する積層シートを常法により成形し、この積層シートを重ね合わせてヒートシールすることによりパウチ形状に成形してもよい。
(二重構造エアゾール容器)
本発明において、上述した内袋は、従来より二剤式毛髪化粧料に使用されていた公知の二重構造エアゾール容器に用いることができる。
このような二重構造エアゾール容器としては、金属缶等の外装容器に二剤式毛髪化粧料の第一剤及び第二剤がそれぞれ充填された内袋を2つ収納し、吐出機構が設置された蓋をカシメて成り、窒素ガス等の不活性ガスから成る噴射剤により2剤を同時に吐出させる二重構造エアゾール容器の他、第一剤を充填した内袋及び第二剤を充填した内袋をそれぞれ一つ収納した二重構造エアゾール容器を2つ連接して成る2連式二重構造エアゾール容器等の形態をとることができるが、本発明においては、特に2連式二重構造エアゾール容器とすることが好適である。
図2及び図3は、2連式二重構造エアゾール容器を説明するための図であり、図2は、第一剤又は第二剤をそれぞれ充填して成る二重構造エアゾール容器を示す図であり、図3は、図2に示した二重構造エアゾール容器を2つ連接して成る2連式二重構造エアゾール容器を示す図である。
図2に示すように、全体を10で示す二重構造エアゾール容器は、内袋11を金属缶等の外装容器12に収納して成る二重構造を有しており、内袋11の開口部にバルブ13を装着した後、内袋11を外装容器12に挿入し、ついで内袋11と外装容器12の間隙内に、窒素ガス等の不活性ガスから成る噴射剤を充填し、内袋11及び外装容器12の開口部とバルブ13をカシメた構造を有している。
また図3に示すように、2連式二重構造エアゾール容器20は、図2に示した二重構造エアゾール容器10a、10bを2つ連接し、この二重構造エアゾール容器10a、10bのバルブ13a、13bと連通し、内袋11a、11b内の充填物を同時に吐出させる吐出口15を備えた外蓋16によって一体化されている。
この2連式二重構造エアゾール容器においては、第一剤及び第二剤がそれぞれ別の外装容器に収納されていることから、内容物の充填等の取扱が容易であり、しかも二剤が一定の比率で同時に吐出して混合されることから、消費者はワンタッチで容易に使用することが可能である。
本発明の内袋は酸素バリア性に優れていることから、特に過酸化水素を主要成分とする第二剤に好適に使用できるが、もちろんアルカリ成分を含有する第一剤を充填することも可能である。
前述した2連式二重構造エアゾール容器においては、第一剤及び第二剤が充填された内袋をそれぞれ別の金属製外装容器に収納することから、第二剤の過酸化水素のような金属製容器に対する腐食性成分を含有しない第一剤を充填する内袋は、オレフィン系樹脂の単層のものを用いることができる。これにより、経済性を向上することも可能である。
二重構造エアゾール容器の外装容器としては、従来より二重構造エアゾール容器に使用されていた金属製容器を使用することができ、これに限定されないが、アルミニウム等の軽金属板又は各種表面処理鋼板から成るシームレス缶を好適に使用することができる。また外装容器の内面には、従来公知のエポキシ−フェノール系塗料、ポリエステル塗料等から成る塗膜やポリエステル樹脂被覆が施されていることが耐食性の点から好適である。
本発明の二重構造エアゾール容器は、アルカリ性成分を主要成分とする第一剤及び過酸化水素を主要成分とする第二剤から成る、従来公知の二剤式毛髪化粧料を制限なく収納することができ、このような二剤式毛髪化粧料としては、これに限定されないが、二剤式染毛剤や二剤式毛髪脱色剤を例示することができる。
二剤式毛髪化粧料の成分は、アルカリ性成分を含有する第一剤としては、アンモニア及びフェニレンジアミン類やアミノフェノール類などの酸化染料中間体、並びに4−ニトロ−o−フェニレンジアミンや1,4−ジアミノアントラキノンなどの直接染料が配合されている。
一方、酸化性の酸性成分からなる第二剤においては、酸化剤の過酸化水素及びクエン酸やEDTAなどの金属封鎖剤やpH調整剤等が配合されている。
(実施例1)
内外層としてメルトフローレートが0.7g/10分で密度が0.92g/cmの直鎖状低密度ポリエチレンを第1押出機に供給し、エチレン含有量44モル%、融点が165℃のEVOH共重合体を第2押出機に供給し、リグラインド樹脂含有樹脂として直鎖状低密度ポリエチレンとリグラインド樹脂のブレンド物を第3押出機に、接着層としてメルトフローレートが1.0g/10分、密度が0.93g/cmの無水マレイン酸変性ポリエチレンを第4押出機に供給して、6層構造に押し出すことにより多層パリソンを成形し、この多層パリソンを金型内で溶融ブロー成形して、最内層側より直鎖状低密度ポリエチレン層/リグラインド樹脂含有直鎖状低密度ポリエチレン層/接着層/EVOH共重合体層/接着層/直鎖状低密度ポリエチレン層の多層ボトルを製作した。この多層ボトルのノズル部を切断し、内容量が45mlである二重構造エアゾール容器用の内袋とした。
得られた内袋の胴部(内袋の高さ方向のほぼ中央の部分)における各層の厚みは、内外層である直鎖状低密度ポリエチレン層が各55μm、EVOH共重合体層が33μm、リグラインド樹脂含有層が385μm、接着層がいずれも11μmであり、EVOH共重合体層の全厚みに対する比率は6%であった。この内袋について後述する方法により胴部の弾性率を測定した。
次いで、作製した内袋の開口部に吐出用バルブを装填後、アルミDI缶に挿入し内袋とアルミDI缶の間隙にNガスを0.3Mpaの圧力で充填し、口部をカシメ密封した後、バルブより過酸化水素を含有する第二剤を充填し、第二剤充填二重構造エアゾール容器とした。この第二剤充填二重構造エアゾール容器の腐食性と吐出性を評価した評価結果を表1に示す。尚、内袋とアルミDI缶の間隙の湿度は100%RHであった。
(実施例2)
EVOH共重合体層として、エチレン含有量38モル%、融点が172℃のEVOH共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして第二剤充填二重構造エアゾール容器を作製した。
内袋の弾性率、EVOH共重合体層の厚み比及び第二剤充填二重構造エアゾール容器の腐食性、吐出性評価結果を表1に示す。尚、内袋とアルミDI缶の間隙の湿度は100%RHであった。
(実施例3)
EVOH共重合体層として、エチレン含有量48モル%、融点が160℃のEVOH共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして第二剤充填二重構造エアゾール容器を作製した。
内袋の弾性率、EVOH共重合体層の厚み比及び第二剤充填二重構造エアゾール容器の腐食性、吐出性評価結果を表1に示す。尚、内袋とアルミDI缶の間隙の湿度は100%RHであった。
(実施例4)
内袋として、内袋の胴部における各層の厚みが、直鎖状低密度ポリエチレンから成る内外層の厚みがそれぞれ55μm、EVOH共重合体層の厚みが16.5μm、リグラインド樹脂含有層の厚みが401.5μm、接着層の厚みがいずれも11μmであり、EVOH共重合体層の全厚みに対する比率が3%である内袋を用いた以外は実施例1と同様にして第二剤充填二重構造エアゾール容器を作製した。
内袋の弾性率、EVOH共重合体層の厚み比及び第二剤充填二重構造エアゾール容器の腐食性、吐出性評価結果を表1に示す。尚、内袋とアルミDI缶の間隙の湿度は100%RHであった。
(実施例5)
内袋として、内袋の胴部における各層の厚みが、直鎖状低密度ポリエチレンから成る内外層がそれぞれ55μm、EVOH共重合体層が110μm、リグラインド樹脂含有層が308μm、接着層がいずれも11μmであり、EVOH共重合体層の全厚みに対する比率が20%である内袋を用いた以外は、実施例1と同様にして第二剤充填二重構造エアゾール容器を作製した。
内袋の弾性率、EVOH共重合体層の厚み比及び第二剤充填二重構造エアゾール容器の腐食性、吐出性評価結果を表1に示す。尚、内袋とアルミDI缶の間隙の湿度は100%RHであった。
(比較例1)
EVOH共重合体層として、エチレン含有量27モル%、融点が191℃のEVOH共重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして第二剤充填二重構造エアゾール容器を作製した。
内袋の弾性率、EVOH共重合体層の厚み比及び第二剤充填二重構造エアゾール容器の腐食性、吐出性評価結果を表1に示す。尚、内袋とアルミDI缶の間隙の湿度は100%RHであった。
(比較例2)
内袋として、内袋の胴部における各層の厚みが、直鎖状低密度ポリエチレンから成る内外層がそれぞれ55μm、EVOH共重合体層が11μm、リグラインド樹脂含有層が407μm、接着層がいずれも11μmであり、EVOH共重合体中間層の全厚みに対する比率が2%である内袋を用いた以外は、実施例1と同様にして第二剤充填二重構造エアゾール容器を作製した。
内袋の弾性率、EVOH共重合体層の厚み比及び第二剤充填二重構造エアゾール容器の腐食性、吐出性評価結果を表1に示す。尚、内袋とアルミDI缶の間隙の湿度は100%RHであった。
(比較例3)
内袋として、内袋の胴部における各層の厚みが、直鎖状低密度ポリエチレンから成る内外層がそれぞれ55μm、EVOH共重合体層が137.5μm、リグラインド樹脂含有層が280.5μm、接着層がいずれも11μmであり、EVOH共重合体層の全厚みに対する比率が25%である内袋を用いた以外は実施例1と同様にして第二剤充填二重構造エアゾール容器を作製した。
内袋の弾性率、EVOH共重合体層の厚み比及び第二剤充填二重構造エアゾール容器の腐食性、吐出性評価結果を表1に示す。尚、内袋とアルミDI缶の間隙の湿度は100%RHであった。
(弾性率測定)
内袋の胴部(内袋の高さ方向の中央付近)から高さ方向に試験片(横方向9mm×高さ方向58mm)を切り出し、測定温度23℃、引っ張り速度50mm/分の条件で引っ張り試験機を用いて引っ張り弾性率を測定した。
(腐食性評価)
第二剤を充填した二重構造エアゾール容器を45℃環境下に1ヶ月間保管した後、アルミDI缶を開缶して内面塗膜を硫酸で除去した後、顕微鏡にて腐食による金属面の穴の数を計数した。
評価基準は、○:腐食による穴なし、△:腐食による穴の数1〜10個、×:腐食による穴の数11個以上とした。
(吐出性評価)
第二剤を充填した二重構造エアゾール容器のバルブから内容物を吐出しなくなるまで吐出した後、内袋内に残留した内容物の重量を測定し、充填量との比率で残留率を算出した。
評価基準は、○:5%以下、×:5%以上とした。
1 オレフィン系樹脂内層、2 リグラインド樹脂含有中間層、3 接着層、4 EVOH共重合体中間層、5 オレフィン系樹脂外層、10 二重構造エアゾール容器、11 内袋、12 外装容器、13 バルブ、15 吐出口、16 外蓋、20 2連式二重構造エアゾール容器。

Claims (6)

  1. 外装容器及び該外装容器に収納される内袋を有する二重構造エアゾール容器における、オレフィン系樹脂から成る内外層及びエチレン−ビニルアルコール共重合体から成る中間層を少なくとも含む層構成を有する、二剤式毛髪化粧料の過酸化水素を含有する第二剤を収納可能な内袋において、
    前記中間層が、エチレン含有量が38〜48モル%の範囲にあるエチレン−ビニルアルコール共重合体から成り且つその厚みが全厚みの3〜20%の範囲であり、
    胴部の弾性率が650MPa以下であることを特徴とする内袋。
  2. 層構成が、オレフィン系樹脂から成る内層/リグラインド樹脂含有中間層/接着層/エチレン−ビニルアルコール共重合体から成る中間層/接着層/オレフィン系樹脂から成る外層、である請求項1記載の内袋。
  3. 請求項1又は2に記載の内袋を外装容器に収納して成る二重構造エアゾール容器において、過酸化水素を含有する第二剤が内袋に充填されると共に、前記外装容器と内袋の間隙に不活性ガスが充填された状態における前記間隙内の湿度が98%RH以上であることを特徴とする二重構造エアゾール容器。
  4. 内袋を収納した外装容器を2つ連接して成り、該2つの外装容器内の内袋内の内容物を同時に排出可能な排出口が設置されて成る2連式二重構造エアゾール容器において、少なくとも一方の外装容器内の内袋が請求項1又は2に記載の内袋から成り、該内袋に過酸化水素を含有する第二剤が充填され、他方の外装容器内の内袋にアルカリ性成分を含有する第一剤が充填されることを特徴とする2連式二重構造エアゾール容器。
  5. 前記アルカリ性成分を含有する第一剤を充填する内袋が、オレフィン系樹脂の単層構成である請求項4記載の2連式二重構造エアゾール容器。
  6. 前記過酸化水素を含有する第二剤が充填された内袋と前記外装容器との間隙に不活性ガスが充填された状態における前記間隙内の湿度が98%RH以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載の2連式二重構造エアゾール容器。
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