JP2016206340A - アタッチメント、光ファイバ接続器及び光コネクタ - Google Patents

アタッチメント、光ファイバ接続器及び光コネクタ Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバに軸方向の引っ張り力が作用した場合であっても、光ファイバの抜けを抑制することが可能なアタッチメント及び当該アタッチメントを用いた光ファイバ接続器及び光コネクタを提供する。【解決手段】外被で被覆された第1の光ファイバを収容空間314に嵌め込むことにより第1の光ファイバの外被を把持する外被把持部材3に、第1の光ファイバより小さい外径を有する第2の光ファイバ1を把持させるために第2の光ファイバ1に取り付けるアタッチメント2である。収容空間314に嵌め込むことにより互いに近づいて第2の光ファイバ1を把持する一対の壁21、22を備え、一対の壁21、22には、第2の光ファイバ1との対向面に第2の光ファイバ1の引っ張りに対する抵抗となる突起が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、アタッチメント、光ファイバ接続器及び光コネクタに関する。
従来、光ドロップケーブルや光インドアケーブル等の光ファイバケーブルを現場付け光コネクタに取り付ける際、特許文献1に示すような外被把持部材が用いられている。この外被把持部材は、内面に設けられた複数の爪が光ファイバケーブルの外被に食い込むことにより光ファイバケーブルを把持する。そして、光ファイバケーブルを把持した状態の外被把持部材を光コネクタのハウジングに固定することにより、光ファイバケーブルを光コネクタに取り付けることが可能となる。また、特許文献2には、光ファイバの端部同士を突き合わせて接続する光ファイバ接続器(メカニカルスプライス)に外被把持部材を用いることが開示されている。特許文献2では、外被把持部に把持された光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部同士が突き合わされることになる。
また、特許文献3には、光コネクタ本体に取り付けられる保持部材に嵌め込まれることにより一対の壁が弾性変形して光ファイバ(光ファイバ心線)を固定的に把持する光ファイバ支持部材が開示されている。また、保持部材は、光ドロップケーブルの外被を光コネクタ本体に固定的に連結するためのコネクタ装着用部材として使用できる構成を有することが可能なものである。
特開2011−95454号公報 特開2010−145951号公報 特開2011−145538号公報
しかしながら、特許文献3に記載のものでは、光ファイバに軸方向の引っ張り力が作用した場合、一対の壁の間から光ファイバが抜けてしまう可能性があった。
そこで、本発明は、光ファイバに軸方向の引っ張り力が作用した場合であっても、光ファイバの抜けを抑制することが可能なアタッチメント及び当該アタッチメントを用いた光ファイバ接続器及び光コネクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、外被で把持された第1の光ファイバを収容空間に嵌め込むことにより前記第1の光ファイバの外被を把持する外被把持部材に、前記第1の光ファイバより小さい外径を有する第2の光ファイバを把持させるために前記第2の光ファイバに取り付けるアタッチメントであって、前記収容空間に嵌め込むことにより互いに近づいて前記第2の光ファイバを把持する一対の壁を備え、前記一対の壁には、前記第2の光ファイバとの対向面に前記第2の光ファイバの引っ張りに対する抵抗となる突起が設けられていることを特徴とするアタッチメントである。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、光ファイバに軸方向の引っ張り力が作用した場合であっても、光ファイバの抜けを抑制することが可能となる。
光ファイバ接続器の一部と、アタッチメントを光ファイバと共に外被把持部材に嵌め込んだ状態とを示す斜視図である。 光ファイバが取り付けられた状態のアタッチメントの外観、及び蓋を開けた状態の外被把持部材の外観を示す斜視図である。 アタッチメントの構成を示す斜視図である。 シートの構成を説明するための模式図である。 光ファイバが把持される様子を説明する説明図であり、図5Aはアタッチメントを外被把持部材に嵌め込む前の状態を示し、図5Bはアタッチメントを外被把持部材に嵌め込んだ後の状態を示している。 変形例に係るアタッチメントの構成を示す斜視図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
外被で被覆された第1の光ファイバを収容空間に嵌め込むことにより前記第1の光ファイバの外被を把持する外被把持部材に、前記第1の光ファイバより小さい外径を有する第2の光ファイバを把持させるために前記第2の光ファイバに取り付けるアタッチメントであって、前記収容空間に嵌め込むことにより互いに近づいて前記第2の光ファイバを把持する一対の壁を備え、前記一対の壁には、前記第2の光ファイバとの対向面に前記第2の光ファイバの引っ張りに対する抵抗となる突起が設けられていることを特徴とするアタッチメントが明らかとなる。これにより、前記第2の光ファイバに軸方向の引っ張り力が作用した場合であっても、前記第2の光ファイバの抜けを抑制することが可能となる。
前記一対の壁は、前記突起が分布したシートを内壁に有することが望ましい。これにより、前記第2の光ファイバに軸方向の引っ張り力が作用した場合であっても、前記第2の光ファイバの抜けをより抑制することが可能となる。
前記一対の壁の内壁に、前記突起が形成されていることが望ましい。これにより、前記第2の光ファイバに軸方向の引っ張り力が作用した場合であっても、前記第2の光ファイバの抜けを抑制することが可能となる。
前記一対の壁は、前記外被把持部材の突条が嵌合する凹部を外壁に有することが望ましい。これにより、前記アタッチメントが前記外被把持部材から抜け出すことを抑制できる。
前記外被把持部材の前記突条によって区切られた複数の面で前記一対の壁が押圧されることが望ましい。これにより、前記一対の壁の前記第2の光ファイバを把持する力が大きくなり、前記第2の光ファイバの抜けをより抑制することが可能となる。
前記一対の壁は、前記第2の光ファイバの外被の内側を把持する第1把持領域、及び前記外被を把持する第2把持領域を有することが望ましい。これにより、前記第2の光ファイバの径の異なる部分をそれぞれ把持することで前記第2の光ファイバの軸方向への移動がより規制される。
前記第1把持領域における厚さが、前記第2の光ファイバの外被の端面が突き当たるように前記第2把持領域よりも厚く形成されていることが望ましい。これにより、前記第2の光ファイバの位置決めが容易になる。
前記第2の光ファイバを保護するためのブーツが、前記一対の壁の一端から連続して設けられていることが望ましい。これにより、前記一対の壁から露出した前記第2の光ファイバを保護することができる。
前記ブーツは、前記第2の光ファイバの軸方向に沿って延伸する開口を有し、前記第2の光ファイバは、前記開口から嵌め込まれることが望ましい。これにより、前記第2の光ファイバの挿抜が容易になる。
前記ブーツは、前記第2の光ファイバの径方向の抜け出しを抑制するための一対の爪を前記開口側に有することが望ましい。これにより、前記第2の光ファイバの径方向の抜け出しが抑制される。
前記一対の壁は、前記開口よりも延出していることが望ましい。これにより、前記アタッチメントを前記外被把持部材に嵌め込む際の作業性が向上する。
また、前記アタッチメントと、前記外被把持部材と、を用いたことを特徴とする光ファイバ接続器及び光コネクタが明らかとなる。これにより、前記第2の光ファイバに軸方向の引っ張り力が作用した場合であっても、前記第2の光ファイバの抜けを抑制することが可能となる。
===実施形態===
<光ファイバ接続器100(メカニカルスプライス)の概要>
まず、本発明の実施形態に係る光ファイバ接続器100の概要について、図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光ファイバ接続器100の一部と、アタッチメント2を光ファイバ1と共に外被把持部材3に嵌め込んだ状態とを示す斜視図である。光ファイバ接続器100は、外被把持部材3に把持された光ドロップケーブル等(外被で被覆された第1の光ファイバに相当)から口出しされた光ファイバの端部同士を突き合わせて接続するための光ファイバ接続器(メカニカルスプライス)である。本来であれば、外被把持部材3には光ドロップケーブル等が把持されて光ファイバ接続器100が構成されるが、ここでは光ドロップケーブルよりも小さい外径の光ファイバ1(第2の光ファイバに相当)がアタッチメント2を介して外被把持部材3に把持されて光ファイバ接続器100が構成されることになる。
このアタッチメント2は、外被把持部材3と共に光ファイバ接続器100(メカニカルスプライス)を構成する一部品であり、光ファイバ1の先端に光ファイバ接続器100を取り付ける場合に用いられる。
アタッチメント2は、光ファイバ1を保護するブーツ23が露出するように外被把持部材3に嵌め込んで用いられる。外被把持部材3は、本体3a及び蓋3bを備えている。本体3aには円弧溝321が形成されており、光ファイバ1のうちブーツ23とは反対側に延伸した部分が当該円弧溝321で支持されている。蓋3bは、嵌め込まれたアタッチメント2を覆うように閉じられ、本体3aの一側面に設けられた係止部315に被係止孔34aが係止される。
アタッチメント2及び外被把持部材3を用いることにより、光ファイバ接続器100によって光ファイバ1の端部同士を突き合わせて接続することが可能となる。当該取り付け手順の詳細については、後述することとする。
ここで、以下の説明において、光ファイバ1の軸方向(延伸方向)を「前後方向」とし、外被把持部材3から露出したブーツ23側を「後方向」、その反対側(円弧溝321側)を「前方向」とする。また、円弧溝321の深さ方向を「上下方向」とし、円弧溝321の底側を「下方向」、その反対側(円弧溝321の開口側)を「上方向」とする。さらに、「前後方向」及び「上下方向」に直交する方向(円弧溝321の幅方向)を「左右方向」とし、係止部315が設けられている側を「右方向」、その反対側を「左方向」とする。
<光ファイバ1の構成>
次に、光ファイバ1の構成について説明する。
本明細書において「光ファイバ」とは、光ファイバ素線、光ファイバ心線、光ファイバコード、及び光ファイバケーブルを含む意味である。
また、「外被で被覆された光ファイバ(第1の光ファイバ)」とは、光ファイバ(光ファイバ素線、光ファイバ心線、光ファイバコード、及び光ファイバケーブルなど)のうちの外被で被覆されたもの(例えば光ファイバケーブル)を意味する。本実施形態における「外被で被覆された光ファイバ(第1の光ファイバ)」は、光ドロップケーブル(2mm×5mmや2mm×6mm等の断面矩形状の光ドロップケーブル)やインドアケーブル(例えば2.0mm×1.6mmや3.1mm×2.0mm等の断面矩形状のインドアケーブル)の断面矩形状の光ファイバケーブルである。つまり、本実施形態における「外被で被覆された光ファイバ(第1の光ファイバ)」は、外被把持部材3に外被を把持される断面矩形状の光ファイバケーブルである。但し、「外被で被覆された光ファイバ(第1の光ファイバ)」は、このような光ファイバケーブルに限られるものではなく、外被を有していれば光ファイバコード等でも良い。
また、「第1の光ファイバよりも小さい外径を有する第2の光ファイバ」とは、上記の「外被で被覆された光ファイバ」よりも小さい外径を有する光ファイバ(光ファイバ素線、光ファイバ心線、光ファイバコード、及び光ファイバケーブルを含む)を意味する。本実施形態における「第1の光ファイバよりも小さい外径を有する第2の光ファイバ」は、1次被覆の外周をナイロン等の熱可塑性樹脂で被覆した0.9mm心線であり、断面円形状の光ファイバ心線である。但し、第2の光ファイバは、0.9mm心線に限られず、例えばクラッドの外周に紫外線硬化樹脂等の1次被覆を施した0.25mm素線でも良いし、例えば光ファイバ心線の外周を抗張力繊維で補強し、さらにPVC等の被覆を施した光ファイバコード等でも良い。
本実施形態の光ファイバ1は、第2の光ファイバに相当する。光ファイバ1は、コア10a(図4A及び図4Bに示す)と、コア10aの外周を覆うクラッド10bと、クラッド10bの外周を被覆する1次被覆11と、1次被覆11の外周を被覆する外被としての2次被覆12とを有する0.9mm心線である。なお、後述するように、光ファイバ1は、アタッチメント2に挿入した上で光ファイバケーブル用の外被把持部材3に嵌め込むものである。したがって、光ファイバ1は、光ファイバケーブルを収容する外被把持部材3の収容空間314の左右方向の幅より小さい外径を有する。換言すれば、光ファイバ1(第2の光ファイバ)は、外被把持部材3に外被を把持される第1の光ファイバ(光ドロップケーブル等)よりも小さい外径を有する。光ファイバ1の外径は、アタッチメント2を介して外被把持部材3に嵌め込むことが可能な寸法である必要がある。なお、第2の光ファイバが光ファイバコードである場合には、例えば外径が1.1mmや2.0mmのものが適用可能である。
光ファイバ1は、一端側(図1における前方向)が口出しされて、1次被覆11及び2次被覆12が除去されている。1次被覆11及び2次被覆12が除去された後の光ファイバ1の径は、0.125mmである。
<外被把持部材3の構成>
次に、外被把持部材3の構成について、図2を参照して説明する。
図2は、光ファイバ1が取り付けられた状態のアタッチメント2の外観、及び蓋3bを開けた状態の外被把持部材3の外観を示す斜視図である。
外被把持部材3は、外被で被覆された第1の光ファイバである光ドロップケーブル(例えば2mm×5mmや2mm×6mm等の断面矩形状の光ドロップケーブル)やインドアケーブル(例えば2.0mm×1.6mmや3.1mm×2.0mm等の断面矩形状のインドアケーブル)を把持するための部材である。光ドロップケーブルやインドアケーブルを把持した状態の外被把持部材3を光ファイバ接続器100の本体に固定させることにより、光ドロップケーブルやインドアケーブルから口出しされた光ファイバの端部同士が突き合わされて接続されることになる。
外被把持部材3は、例えばポリアセタール(略号;POM)等の樹脂で成形されている。前述したように、外被把持部材3は、本体3a及び蓋3bを備えている。本体3aは、光ファイバ1の軸方向に延びた細長い部材である。本体3aは、アタッチメント2を収容する収容部31と、円弧溝321が形成された支持部32とを有する。
収容部31は、左右方向に対向する第1及び第2立設部311,312と、第1及び第2立設部311,312を連結する底部313とを有している。第1及び第2立設部311,312並びに底部313によって、アタッチメント2を収容するための収容空間314が形成されている。なお、収容空間314は、元々は光ドロップケーブルやインドアケーブル等(第1の光ファイバに相当)を嵌め込むための空間である。底部313には、上方向に突出した嵌合突起313aが設けられている。
第1及び第2立設部311,312には、上下方向に延伸し、かつ収容空間314内に向かって突出した複数の突条311a,312aが設けられている。第1及び第2立設部311,312は、複数の突条311a,312aによって区切られた複数の内面311b,312bを有している。本実施形態では、第2立設部312の外面に係止部315が設けられている。
蓋3bは、収容空間314内に嵌め込まれたアタッチメント2を上方向から覆う部材である。蓋3bは、本体3aに取り付けられた取付け部33と、取付け部33の一端に立設された被係止部34とを有する。
取付け部33には、蓋3bを閉じた状態において収容空間314内に向かって突出する複数の突起33aが設けられている。複数の突起33aは、前述した光ドロップケーブルを把持するために外被把持部材3を使用する場合に、光ドロップケーブルの外被に食い込むものである。被係止部34には、係止部315に係止される被係止孔34aが矩形状に形成されている。
<アタッチメント2の構成>
次に、アタッチメント2の構成について、図2〜図4を参照して説明する。
図3は、アタッチメント2の構成を示す斜視図である。図4は、シート4の構成を説明するための模式図である。図4では、第1及び第2の壁21,22のうち第1の壁21側のシート4を示している。
アタッチメント2は、外被把持部材3に光ファイバ1を把持させるために光ファイバ1に取り付けるものである。アタッチメント2は、光ファイバ1の軸方向に延びる細長い部材であり、外被把持部材3と同様にPOM等の樹脂で成形されている。なお、アタッチメント2の方が外被把持部材3よりも硬い素材で成形されていることが望ましい。アタッチメント2は、光ファイバ1を把持する把持部2aと、ブーツ23とを備えている。
把持部2aは、左右方向に対向する第1及び第2の壁21,22と、第1及び第2の壁21,22を連結すると共に光ファイバ1を支持する底壁20とを有している。把持部2aは、底壁20と反対側(上方向)が開口している。光ファイバ1は、当該開口から底壁20に向かって挿入される。挿入された光ファイバ1は、第1及び第2の壁21,22並びに底壁20によって形成された空間内で保持される。
第1及び第2の壁21,22は、1次被覆11の外側から光ファイバ1を把持する第1把持領域201と、2次被覆12の外側から光ファイバ1を把持する第2把持領域202とを有している。具体的には、第1及び第2の壁21,22は、第1把持領域201では0.25mm径の部分を把持し、第2把持領域202では0.9mm径の部分を把持する。これにより、把持部2aは、光ファイバ1の径の異なる2つの部分を一緒に把持することができる。
なお、光ファイバ1の径の異なる2つの部分については、光ファイバ1の用途に応じて選択することが可能である。例えば、光ファイバ1(第2の光ファイバ)として光ファイバコードを適用した場合には、第1把持領域201で光ファイバ心線の0.9mm径の部分を把持し、第2把持領域202でPVC被覆を把持することも可能であり、若しくは、第1把持領域201で光ファイバ心線の0.25mm径の部分を把持し、第2把持領域202で光ファイバ心線の0.9mm径の部分を把持することも可能である。したがって、第1及び第2の壁21,22は、光ファイバの外被の内側を把持する第1把持領域201、及び当該外被を把持する第2把持領域202を有していればよい。
第1把持領域201には、内側に突出する一対の突出部211,221が形成されている。これら一対の突出部211,221が形成されていることにより、第1把持領域201における左右方向の厚さが第2把持領域202よりも厚く形成されている。把持部2aに挿入された光ファイバ1は、2次被覆12の端面12bを一対の突出部211,221に突き当てることにより、アタッチメント2における光ファイバ1の軸方向の位置決めをすることが可能である。
第1及び第2の壁21,22は、光ファイバ1の引き抜きに対する抵抗となる突起としての粉体43が分布したシート4を内壁21a,22aにそれぞれ有している。粉体43は、把持部2aに挿入された光ファイバ1に向かって突出し、少なくとも光ファイバ1との対向面に設けられている。
本実施形態では、シート4は、第2把持領域202に配置されている。なお、これに限らず、第2把持領域202から第1把持領域201に亘ってシート4が配置されていてもよい。また、第1及び第2の壁21,22の上下方向全体に亘ってシート4が設けられていてもよい。
図4に示すように、シート4は、シート状に形成された基材41の表面に粉体43を分布させたものである。粉体43は、バインダー層42によって基材41に固定されている。このシート4は、例えば基材41の表面に粉体43の一種である砥粒を分布させた研磨シートであり、具体的には紙やすり等を適用することが可能である。なお、シート4は、粗さが400番から800番のものを用いることが望ましい。当該粗さが400番よりも小さい場合には目が粗すぎて光ファイバ1を損傷させるおそれがあり、800番よりも大きい場合には目が細かすぎて光ファイバ1を確実に把持することが難しくなる。
シート4は、例えば接着剤や両面テープによって第1及び第2の壁21,22に貼り付けられている。これにより、アタッチメント2を射出成形等により成形する際に突起を形成する必要がなく、簡易な方法により第1及び第2の壁21,22に突起を設けることが可能である。また、シート4の材質等を変更することによって、内壁21a,22aの表面の摩擦係数の設定を容易に行うことができる。
第1及び第2の壁21,22の外壁21b,22bは、それぞれ凸凹に形成されている。具体的には、第1及び第2の壁21,22はそれぞれ、外側に突出した複数の凸部202aと、複数の凸部202aの間に形成された凹部202bとを外壁21b,22bに有している。本実施形態では、第1及び第2の壁21,22はそれぞれ、3つの凸部202a及び2つの凹部202bを有している。
アタッチメント2を外被把持部材3に嵌め込むと、凹部202bに外被把持部材3の突条311a,312aが嵌合する。これにより、アタッチメント2に前後方向の力が加わった場合でも、外被把持部材3の突条311a,312aが凹部202bに引っ掛かることでアタッチメント2の外被把持部材3からの抜け出しを抑制することができる。
また、アタッチメント2を外被把持部材3に嵌め込むと、複数の突条311a,312aによって区切られた複数の内面311b,312bにより凸部202aが押圧される。これにより、把持部2aは、外被把持部材3の第1及び第2立設部311,312から均一な押圧力を受けることが可能となる。
ブーツ23は、第1及び第2の壁21,22の後方向の一端から連続して設けられている。ブーツ23は、左右方向に対向する第1及び第2の側部231,232と、第1及び第2の側部231,232を連結すると共に光ファイバ1を支持する底部233とを有している。
また、ブーツ23は、光ファイバ1の軸方向(前後方向)に沿って延伸する開口23aを底部233とは反対側に有している。すなわち、この開口23aは、把持部2aの開口と同様に上方向に開いている。光ファイバ1をアタッチメント2に挿入する際、光ファイバ1は、把持部2aの開口及び当該開口23aから底壁20及び底部233に向かうようにして把持部2a及びブーツ23に嵌め込まれる。アタッチメント2に対して光ファイバ1を上下方向に挿抜させるため、前後方向に挿抜させる場合よりも光ファイバ1への負荷を抑制することができ、挿抜し易くなる。
第1及び第2の側部231,232は、光ファイバ1の径方向の抜け出しを抑制するための爪231a,232aを開口23a側にそれぞれ有している。これにより、アタッチメント2に収容された光ファイバ1の上方向への抜け出しを抑制することができる。
また、第1及び第2の側部231,232は、第1及び第2の壁21,22よりも上下方向の寸法が小さく設定されている。換言すれば、第1及び第2の壁21,22は、ブーツ23の開口23aよりも上方向(底壁20側とは反対方向)に延出している。これにより、アタッチメント2を外被把持部材3に嵌め込む際にブーツ23を持つことができると共に、作業者の手や機械部品等が当該延出部分に引っ掛かり作業がし易くなる。
<光ファイバ1の光ファイバ接続器100への取り付け手順>
次に、光ファイバ1を光ファイバ接続器100に取り付ける手順について、図5A及び図5Bを参照しながら説明する。
図5A及び図5Bは、前から後方向に光ファイバ1を見た場合において、光ファイバ1が把持される様子を説明する説明図であり、図5Aはアタッチメント2を外被把持部材3に嵌め込む前の状態を示し、図5Bはアタッチメント2を外被把持部材3に嵌め込んだ後の状態を示している。
光ファイバ1を光ファイバ接続器100に取り付ける際には、まず第1口出し作業として、光ファイバ1の一端側における2次被覆12を除去して1次被覆11を露出させる。
次に、光ファイバ1を上方向からアタッチメント2に挿入する。具体的には、把持部2aにおいては第1及び第2の壁21,22の間に、ブーツ23においては爪231a,232aと底部233との間に、光ファイバ1が介在するように挿入する。なお、把持部2aの開口及びブーツ23の開口23aが共に上方向に開いているため、光ファイバ1を上方向からアタッチメント2に挿入することで第1及び第2の壁21,22の間並びに第1及び第2の側部231,232の間に同時に光ファイバ1を挿入することができる。
次に、前述の第1口出し作業によって現れた2次被覆12の端面12bを突出部211,221に突き当ててアタッチメント2に対して前後方向の光ファイバ1の位置合わせを行う。なお、光ファイバ1をアタッチメント2に挿入した段階では、光ファイバ1はアタッチメント2に対して前後方向に移動可能であるため、2次被覆12の端面12bを突出部211,221に突き当てることができる。
図5A(及び図2)に示すように、光ファイバ1をアタッチメント2に挿入した状態(アタッチメント2を外被把持部材3に嵌め込む前)では、第1把持領域201では、第1及び第2の壁21,22の突出部211,221と光ファイバ1の1次被覆11の外周面11aとの間に隙間が介在している。同様に、第2把持領域202では、第1及び第2の壁21,22のシート4と光ファイバ1の2次被覆12の外周面12aとの間に隙間が介在している。
なお、第1及び第2の壁21,22の内壁21a,22aは、必ずしも光ファイバ1の外周面11a,12aと非接触である必要はなく、内壁21a,22aが光ファイバ1の外周面11a,12aに接触していてもよい。
次に、光ファイバ1が収容されたアタッチメント2の把持部2aを外被把持部材3の収容空間314内に上方向から嵌め込む。
図5Bに示すように、第1及び第2の壁21,22は、外被把持部材3の第1及び第2立設部311,312によって内側に向かって押圧される。第1及び第2の壁21,22が内側に向かって倒れることにより互いに近づいて、光ファイバ1を把持する。このとき、外被把持部材3の複数の内面311b,312bによって第1及び第2の壁21,22が均一に押圧されるため、第1及び第2の壁21,22は光ファイバ1を安定的に把持することができる。
第1把持領域201では突出部211,221が1次被覆11の外周面11aに当接し、第2把持領域202ではシート4が2次被覆12の外周面12aに当接する。シート4が光ファイバ1の2次被覆12の外周面12aに当接すると、粉体43が2次被覆12に食い込む。これにより、光ファイバ1が軸方向に引っ張られた場合であっても、2次被覆12が粉体43に引っ掛かるため、光ファイバ1の軸方向への移動が規制され、光ファイバ1のアタッチメント2からの抜けを抑制することができる。
次に、アタッチメント2の把持部2aを上方向から覆うように外被把持部材3の蓋3bを閉じて被係止孔34aを係止部315に引っ掛ける。この後の作業については、光ドロップケーブルを外被把持部材3を介して光ファイバ接続器100に取り付ける場合の作業と同様となる。
具体的には、第2口出し作業として、外被把持部材3から前方向に延出した光ファイバ1の先端側における1次被覆11を除去してクラッド10bを露出させる。そして、光ファイバ1を必要な長さにカットし、外被把持部材3から前方向に延出した光ファイバ1をたわませた状態で光ファイバ接続器100の本体に外被把持部材3を固定させる。これにより、光ファイバ1の光ファイバ接続器100への取り付けが完了する。
===変形例===
次に、本発明の変形例に係るアタッチメント200について、図6を参照して説明する。
図6は、変形例に係るアタッチメント200の構成を示す斜視図である。図6において、実施形態に係るアタッチメント2について説明したものと共通する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本変形例に係るアタッチメント200は、第1及び第2の壁21,22の内壁21a,22aに突起214,224が形成されている。第1の壁21側に形成された突起214は、上下方向に延伸し、かつ右方向(第2の壁22側)に向かって突出している。第2の壁22側に形成された突起224は、上下方向に延伸し、かつ左方向(第1の壁21側)に向かって突出している。本変形例では、突起214,224はそれぞれ、第2把持領域202に3つ形成されている。
アタッチメント200が外被把持部材3に嵌め込まれると、突起214,224が光ファイバ1の2次被覆12に当接して食い込む。これにより、光ファイバ1に軸方向の引っ張り力が作用した場合であっても、アタッチメント200からの光ファイバ1の抜けを抑制することが可能となる。
また、突起214,224は上下方向に延伸しているため、前後方向に延伸している場合と比べて突起214,224の間の隙間に光ファイバ1がはまってしまうといった事態が想定されず、光ファイバ1をより確実に押圧することができる。
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
前述のアタッチメント2は、光ファイバ接続器100(メカニカルスプライス)に用いられていた。但し、アタッチメント2は、光ファイバ接続器100(メカニカルスプライス)に限らず、他の部材に用いることが可能である。例えば宅内や既設マンションのフロア等に引き込まれた光ファイバケーブル等に現場で取り付けを行うことができる所謂「現場付け光コネクタ」に前述のアタッチメント2を用いても良い。このような場合においても、光ファイバ1を取り付けたアタッチメント2を外被把持部材3の収容空間314に嵌め込むと、突起を有する一対の壁21,22が互いに近づいて光ファイバ1を把持することになるため、アタッチメントからの光ファイバの抜けを抑制することが可能となる。
前述の実施形態では、外被把持部材3が本来把持する「第1の光ファイバ」は、ドロップケーブルやインドアケーブル等の「外被で被覆された光ファイバ」であった。但し、「第1の光ファイバ」が外被以外の被覆で覆われた光ファイバであっても良い。なお、この場合、前述のアタッチメント2は、「被覆把持部材」に取り付けられることになる。
1…光ファイバ
2…アタッチメント
3…外被把持部材
4…シート
10b…クラッド
11…1次被覆
12…2次被覆(外被)
12b…端面
21,22…第1及び第2の壁(一対の壁)
21a,22a…内壁
21b,22b…外壁
23…ブーツ
23a…開口
43…粉体(突起)
100…光ファイバ接続器
201…第1把持領域
202…第2把持領域
202b…凹部
214,224…突起
231a,232a…一対の爪
311a,312a…突条
311b,312b…内面
314…収容空間

Claims (13)

  1. 外被で被覆された第1の光ファイバを収容空間に嵌め込むことにより前記第1の光ファイバの外被を把持する外被把持部材に、前記第1の光ファイバより小さい外径を有する第2の光ファイバを把持させるために前記第2の光ファイバに取り付けるアタッチメントであって、
    前記収容空間に嵌め込むことにより互いに近づいて前記第2の光ファイバを把持する一対の壁を備え、
    前記一対の壁には、前記第2の光ファイバとの対向面に前記第2の光ファイバの引っ張りに対する抵抗となる突起が設けられている
    ことを特徴とするアタッチメント。
  2. 請求項1に記載のアタッチメントであって、
    前記一対の壁は、前記突起が分布したシートを内壁に有する
    ことを特徴とするアタッチメント。
  3. 請求項1に記載のアタッチメントであって、
    前記一対の壁の内壁に、前記突起が形成されている
    ことを特徴とするアタッチメント。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアタッチメントであって、
    前記一対の壁は、前記外被把持部材の突条が嵌合する凹部を外壁に有する
    ことを特徴とするアタッチメント。
  5. 請求項4に記載のアタッチメントであって、
    前記外被把持部材の前記突条によって区切られた複数の面で前記一対の壁が押圧される
    ことを特徴とするアタッチメント。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のアタッチメントであって、
    前記一対の壁は、前記第2の光ファイバの外被の内側を把持する第1把持領域、及び前記外被を把持する第2把持領域を有する
    ことを特徴とするアタッチメント。
  7. 請求項6に記載のアタッチメントであって、
    前記第1把持領域における厚さが、前記第2の光ファイバの外被の端面が突き当たるように前記第2把持領域よりも厚く形成されている
    ことを特徴とするアタッチメント。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のアタッチメントであって、
    前記第2の光ファイバを保護するためのブーツが、前記一対の壁の一端から連続して設けられている
    ことを特徴とするアタッチメント。
  9. 請求項8に記載のアタッチメントであって、
    前記ブーツは、前記第2の光ファイバの軸方向に沿って延伸する開口を有し、
    前記第2の光ファイバは、前記開口から嵌め込まれる
    ことを特徴とするアタッチメント。
  10. 請求項9に記載のアタッチメントであって、
    前記ブーツは、前記第2の光ファイバの径方向の抜け出しを抑制するための一対の爪を前記開口側に有する
    ことを特徴とするアタッチメント。
  11. 請求項9又は10に記載のアタッチメントであって、
    前記一対の壁は、前記開口よりも延出している
    ことを特徴とするアタッチメント。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のアタッチメントと、
    前記外被把持部材と、
    を用いたことを特徴とする光ファイバ接続器。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載のアタッチメントと、
    前記外被把持部材と、
    を用いたことを特徴とする光コネクタ。
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