JP2016205470A - 変速機の変速操作機構 - Google Patents

変速機の変速操作機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2016205470A
JP2016205470A JP2015085336A JP2015085336A JP2016205470A JP 2016205470 A JP2016205470 A JP 2016205470A JP 2015085336 A JP2015085336 A JP 2015085336A JP 2015085336 A JP2015085336 A JP 2015085336A JP 2016205470 A JP2016205470 A JP 2016205470A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control rod
shift
counterweight
transmission
lever
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015085336A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6090357B2 (ja
Inventor
教秀 浦林
Norihide Urabayashi
教秀 浦林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2015085336A priority Critical patent/JP6090357B2/ja
Publication of JP2016205470A publication Critical patent/JP2016205470A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6090357B2 publication Critical patent/JP6090357B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect

Abstract

【課題】コントロールロッドの径方向における変速操作機構全体のコンパクト化を図る。【解決手段】チェンジレバーのセレクト操作に連動して軸方向に移動すると共にシフト操作に連動して回動するコントロールロッド32と、セレクト操作時にはコントロールロッド32の軸方向移動に追従した動作を行わず、シフト操作時には該コントロールロッド32の回動に連動して回動するように該コントロールロッド32に係合されたカウンタウェイト70とを備えた変速機の変速操作機構30において、カウンタウェイト70に、コントロールロッド32の外側に嵌合されたスリーブ部71を設け、該スリーブ部71に、軸方向に延びる溝部76を設け、該溝部76に、コントロールロッド32の外周面から径方向外側に突出する突出部78を係合させる。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載される変速機の変速操作機構に関し、車両用動力伝達技術の分野に属する。
一般に、自動車用の手動変速機は、クラッチを介してエンジンの出力軸に連結されたエンジン側のシャフトと、このシャフトに平行に配置され、差動装置を介して駆動輪に連結された駆動輪側のシャフトとを有する。これら両シャフト間には、複数の前進用ギヤ列と通常は1つのリバース用ギヤ列とが設けられる。そして、運転者のチェンジレバーの操作により、変速操作機構を介して1つのギヤ列が動力伝達状態とされる。
この種の手動変速機の変速操作機構には、コントロールロッドが設けられることがあり、この場合、チェンジレバーのセレクト操作及びシフト操作に連動してコントロールロッドが軸方向移動及び回動を行うことにより、いずれか1つのギヤ列が動力伝達状態とされる。
特許文献1には、手動変速機の変速機ケースを貫通して上下方向に延びる1本のコントロールロッドを備えた変速操作機構が開示されている。この種の変速操作機構において、チェンジレバーのセレクト操作を伝達するセレクトケーブルが連結されたセレクトアウタレバーと、チェンジレバーのシフト操作を伝達するシフトケーブルが連結されたシフトアウタレバーとが、変速機ケースの上方に配設されることがある。
この場合、セレクトアウタレバーは、水平方向に延びる支持軸に揺動可能に支持されると共に、一端側においてセレクトケーブルを介してチェンジレバーに接続され、他端側においてコントロールロッドに係合される。また、シフトアウタレバーは、コントロールロッドの上端部に固定されると共に、シフトケーブルを介してチェンジレバーに接続される。そして、チェンジレバーがセレクト操作されると、これに連動して支持軸周りに揺動するセレクトアウタレバーによってコントロールロッドが上下に軸方向移動され、チェンジレバーがシフト操作されると、これに連動してシフトアウタレバーと共にコントロールロッドがその軸心周りに回動する。
ところで、特許文献1の変速操作機構のようにチェンジレバーのシフト操作力がシフトケーブルを介してコントロールロッドに伝達される構成では、ケーブルを介在させずにシフト操作力が伝達される構成に比べて、シフトフィーリングが悪くなる傾向がある。
そこで、特許文献1の変速操作機構には、シフトフィーリングの改善を図るためのカウンタウェイトが設けられている。該カウンタウェイトは、シフトアウタレバーの下側近傍においてコントロールロッドに回動自在及び軸方向に相対移動自在に嵌合された状態で変速機ケース上に支持された嵌合支持部と、該嵌合支持部から径方向外側に延びる一対のアーム部と、各アーム部の先端に設けられた錘部とを備えている。また、該カウンタウェイトには、一方のアーム部から上方に突出した係合ピンが固定されており、該係合ピンは、コントロールロッドに平行に延びるように配置され、シフトアウタレバーに設けられた貫通穴に挿通されている。
このように構成された特許文献1の変速操作機構において、セレクト操作に連動してコントロールロッドが上下に軸方向移動するとき、該コントロールロッドと共にシフトアウタレバーも上下方向に移動する。このとき、シフトアウタレバーの前記貫通穴は係合ピンに沿って移動するため、コントロールロッドやシフトアウタレバーと共にカウンタウェイトが上下動することはない。そのため、コントロールロッドを上下動させるセレクト操作時に、カウンタウェイトの重量がかからないため、カウンタウェイトを設けることによるセレクトフィーリングの悪化が防止される。
そして、シフト操作に連動して、シフトアウタレバーと共にコントロールロッドがその軸心周りに回動するとき、シフトアウタレバーによって係合ピンが周方向に押し動かされることで、該係合ピンと共にカウンタウェイトがコントロールロッドの軸心周りに回動する。これにより生じるカウンタウェイトの慣性を利用したシフトインが行われることで、シフト操作力が軽減されると共にスムーズなシフトインが実現されて、シフトフィーリングが向上する。
特開2012−067885号公報
上記の特許文献1の変速操作機構では、シフトアウタレバーが、コントロールロッドの外側に嵌合される嵌合部と、該嵌合部から径方向外側に向かってシフトケーブルとの係合部まで延びるレバー本体部と、嵌合部からレバー本体部とは反対側に向かって径方向外側に延びる延長レバー部とを備え、該延長レバー部の先端部に、カウンタウェイトの係合ピンが挿通される貫通穴が設けられている。
しかしながら、シフトアウタレバーに延長レバー部を設けて、該延長レバー部の先端部にカウンタウェイトの係合ピンを係合させる構成では、コントロールロッドから径方向に離間した位置に延長レバー部の先端部や係合ピンが配置されることになるため、変速操作機構全体が径方向に大型化する問題がある。
なお、シフトアウタレバーの延長レバー部を短縮させたり、延長レバー部を廃止する代わりにレバー本体部に貫通穴を設けたりした上で、コントロールロッドの近傍でカウンタウェイトの係合ピンをシフトアウタレバーの貫通穴に係合させることで、径方向のコンパクト化を図ることも考えられるが、この場合、シフトアウタレバーの強度を確保するためには、シフトアウタレバーにおけるコントロールロッド挿通用の貫通穴とカウンタウェイトの係合ピン挿通用の貫通穴とを径方向にある程度離して設ける必要があるため、十分なコンパクト化を達成し難い。
また、通例、シフトアウタレバーやカウンタウェイトは変速機ケースの上方に露出するように配置されることになるため、コントロールロッドに嵌合されたカウンタウェイトの嵌合支持部の内周部や、カウンタウェイトの係合ピンに係合されるシフトアウタレバーの貫通穴の内周部に泥水や埃等の異物が噛み込むことを防止するためのカバー部材を取り付けることが考えられるが、上記のように径方向に離間した両内周部を異物から保護するためには、カバー部材の大型化も招くことになる。
そこで、本発明は、コントロールロッドがシフトケーブルを介してチェンジレバーのシフト操作に連動して回動するときに、これに連動して回動することでシフトフィーリングを改善させるカウンタウェイトを備えた変速機の変速操作機構において、コントロールロッドの径方向における変速操作機構全体のコンパクト化を図ることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る変速機の変速操作機構は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
チェンジレバーのセレクト操作に連動して軸方向に移動すると共にシフト操作に連動して回動するコントロールロッドと、セレクト操作時には前記コントロールロッドの軸方向移動に追従した動作を行わず、シフト操作時には該コントロールロッドの回動に連動して回動するように該コントロールロッドに係合されたカウンタウェイトとを備えた変速機の変速操作機構であって、
前記カウンタウェイトは、前記コントロールロッドの外側に嵌合されたスリーブ部を備え、
該スリーブ部に、軸方向に延びる溝部が設けられ、
該溝部に、前記コントロールロッドの外周面から径方向外側に突出する突出部が係合されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明に係る変速機の変速操作機構は、前記請求項1に記載の発明において、
前記カウンタウェイトは、変速機ケースの上方に配設されており、
前記変速機ケース上に、前記溝部を外側から覆うカバー部材が配設されていることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明に係る変速機の変速操作機構は、前記請求項1に記載の発明において、
前記コントロールロッドの一端側に、セレクトケーブルを介して前記チェンジレバーに接続された第1レバー部と、シフトケーブルを介して前記チェンジレバーに接続された第2レバー部とが配設され、
前記コントロールロッドの他端側に、前記カウンタウェイトと前記突出部とが配設されていることを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明によれば、セレクト操作に連動してコントロールロッドが軸方向に移動するとき、コントロールロッドの外周面から径方向外側に突出した突出部は、コントロールロッドの外側に嵌合されたカウンタウェイトのスリーブ部の溝部に沿って移動することで、カウンタウェイトが上下に動かされることが回避され、シフト操作に連動してコントロールロッドと共に前記突出部が回動すると、該突出部によってスリーブ部が周方向に押し込まれることで、カウンタウェイトがコントロールロッドの軸心周りに回動し、これによって生じるカウンタウェイトの慣性によって、シフトフィーリングが向上する。
このようにセレクト操作時には移動を規制すると共に及びシフト操作時には回動させるようにカウンタウェイトをコントロールロッドに係合させる係合機構は、カウンタウェイトのスリーブ部及びコントロールロッドの突出部によって構成されており、これらのスリーブ部及び突出部は、いずれもコントロールロッドの周囲にコンパクトに配置され得るため、コントロールロッドから径方向に離間して配置された部材を用いた係合が行われる従来の構成に比べて、係合機構全体を径方向にコンパクトに構成することができる。
さらに、スリーブ部の溝部に泥水や埃などの異物が噛み込むことを防止するための保護構造を設ける場合、該保護構造も、スリーブ部の周囲において径方向にコンパクトに構成することが可能になる。したがって、変速操作機構全体のコンパクト化を効果的に実現できる。
また、請求項2に記載の発明によれば、変速機ケース上に配設されたカバー部材によってスリーブ部の溝部が外側から覆われることで、該溝部おける異物の詰まりや凍結が抑制される。そのため、コントロールロッドの突出部がスリーブ部の溝部に沿って支障なく軸方向に移動できるため、セレクト操作性の悪化を抑制できる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、コントロールロッドの一端側に、セレクトケーブル及びシフトケーブルに接続された第1及び第2レバー部が配設され、コントロールロッドの他端側にカウンタウェイト及びコントロールロッドの突出部が配設されることで、カウンタウェイト及びコントロールロッドの突出部がセレクトケーブル及びシフトケーブルに干渉することを容易に回避できる。そのため、カウンタウェイト及びコントロールロッドの突出部のレイアウト及び形状の自由度の向上を図ることができる。また、周辺部品との干渉を回避するためにカウンタウェイトのアーム部が短縮されることを抑制できるため、カウンタウェイトの回動時に所要の慣性モーメントを得るために回動半径の短縮分を相殺するようにカウンタウェイトの重量を増大させることを抑制できる。これにより、カウンタウェイトの軽量化が図られることで、車両の燃費性能向上に寄与することができる。
本発明の第1実施形態に係る変速機の変速操作機構を側方から見た断面図である。 コントロールロッドとカウンタウェイトとの係合部を図1とは異なる方向から見た側面図である。 カバー部材を示す斜視図である。 第2実施形態に係る変速機の変速操作機構を側方から見た断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る変速操作機構30を側方から見た断面図である。変速操作機構30は、例えば前輪駆動式の車両に搭載される横置き式の手動変速機に設けられたものである。
変速操作機構30としては、例えば、予め組み立てられた状態で変速機ケース20に取り付けられるカセット式のものが用いられる。変速操作機構30は、セレクトケーブル(図示せず)及びシフトケーブル(図示せず)を介してチェンジレバー(図示せず)に連絡されており、チェンジレバーの操作に連動して動作するようになっている。
変速操作機構30は、変速機ケース20の上面部21を貫通して上下方向に延びるコントロールロッド32を備えている。後述の構成によって、コントロールロッド32は、チェンジレバーのセレクト操作に連動して軸方向(矢印D1方向)に移動し、シフト操作に連動して軸心周りに矢印D2方向に回動する。
変速操作機構30は、例えば円板状のベース部材31を更に備えている。ベース部材31は、変速機ケース20の上面部21に設けられた開口部22を上側から塞ぐように配置され、例えばボルトによって上面部21における開口部22の周縁部に固定されている。
ベース部材31の中央部には、上下方向に延びる筒状部31aが設けられており、該筒状部31a内にコントロールロッド32が挿通されている。コントロールロッド32は、筒状部31aの内側に、軸受部材44を介して軸方向移動自在且つ回動自在に嵌合されている。軸受部材44としては、例えば、内周面がフッ素樹脂等でコーティングされた金属製のブッシュが用いられ、これにより、軸受部材44の内周面に対するコントロールロッド32の摺動抵抗及び回転抵抗が軽減されている。
また、コントロールロッド32の外周面と筒状部31aの内周面との間には、軸受部材44の上方に隣接した部分において、例えばゴムからなる筒状のシール部材45が介装されており、これにより、変速機ケース20内のオイルが筒状部31a内を通って外部へ漏れ出ることが防止される。
コントロールロッド32の下端側は、変速機ケース20に設けられた水平面部23を貫通しており、コントロールロッド32の下端部は、水平面部23の下側に突出している。コントロールロッド32は、水平面部23に設けられた貫通穴24の内側に、軸受部材46を介して軸方向移動自在且つ回動自在に嵌合されている。軸受部材46としては、例えば、内周面がフッ素樹脂等でコーティングされた金属製のブッシュが用いられ、これにより、軸受部材46の内周面に対するコントロールロッド32の摺動抵抗及び回転抵抗が軽減されている。
さらに、変速操作機構30は、チェンジレバーのセレクト操作に連動してコントロールロッド32を軸方向に移動させるセレクトアウタレバー34と、チェンジレバーのシフト操作に連動してコントロールロッド32を軸心周りに回動させるシフトアウタレバー40と、シフト操作時にコントロールロッド32の回動に連動して回動することでシフトフィーリングを向上させるカウンタウェイト70とを備えている。
セレクトアウタレバー34、シフトアウタレバー40及びカウンタウェイト70は、変速機ケース20の上面部21の上方に配設されている。
セレクトアウタレバー34は、水平方向に延びる支持軸38によって、該支持軸38の軸心周りに回動自在に支持されている。支持軸38は、ベース部材31から上方に突出した支持部39を介してベース部材31に支持されている。
セレクトアウタレバー34は、支持軸38に支持された部分から互いに異なる方向に延びる操作レバー部35と駆動レバー部36を備えている。操作レバー部35の先端部には、前記セレクトケーブルが接続されるケーブルピン37が設けられている。ケーブルピン37は、支持軸38に平行に延びるように配置されている。駆動レバー部36の先端部には、コントロールロッド32に係合される例えば円板状の被係合部36aが設けられている。被係合部36aは、コントロールロッド32の上端近傍部に水平に延びるように設けられた溝部32aに係合されている。
なお、コントロールロッド32の上端部には、溝部32aとセレクトアウタレバー34との係合部を保護するための例えば樹脂製のキャップ42が被せられており、該キャップ42によって溝部32aが覆われることで、溝部32aとセレクトアウタレバー34との係合部への異物の噛み込みが抑制されている。
上記のようにセレクトアウタレバー34がコントロールロッド32に係合されていることにより、チェンジレバーのセレクト操作に連動してセレクトアウタレバー34が支持軸38の軸心周りに回動すると、これによって上下に揺動するセレクトアウタレバー34の被係合部36aによって上方又は下方に押し込まれることで、コントロールロッド32が上下に軸方向移動する。
シフトアウタレバー40は、水平方向に延びるように配置されており、その一端部において、コントロールロッド32における溝部32aの下側近傍部に例えば溶接によって固定されている。シフトアウタレバー40の他端部には、前記シフトケーブルが接続されるケーブルピン41が例えば溶接によって固定されている。ケーブルピン41は、シフトアウタレバー40から上方に突出して、コントロールロッド32に平行な方向に延びるように配置されている。
チェンジレバーがシフト操作されると、シフトアウタレバー40は、コントロールロッド32と共に該コントロールロッド32の軸心周りに回動する。
コントロールロッド32における変速機ケース20内に位置する部分にはスリーブ部材50が嵌合されている。スリーブ部材50は、該スリーブ部材50及びコントロールロッド32を径方向に貫通するピン51によって、コントロールロッド32に固定されており、これにより、スリーブ部材50は、コントロールロッド32と共に軸方向移動及び回動するようになっている。
スリーブ部材50には、該スリーブ部材50の外周面から径方向外側に延びるシフトフィンガ52が設けられている。
チェンジレバーによる前進段でのセレクト操作に連動してコントロールロッド32が上下に軸方向移動すると、シフトフィンガ52は、コントロールロッド32と共に上下方向に移動して、変速機ケース20内においてコントロールロッド32の近傍に上下方向に並べて配設された複数のゲート部材(図示せず)のうち、セレクト操作により選択されたセレクト位置に対応するゲート部材に係合する。
この状態で更にシフト操作が行われると、コントロールロッド32と共にシフトフィンガ52が回動することで、シフトフィンガ52に係合されたゲート部材を介して、シフト操作により選択された変速段に対応する同期装置(図示せず)が作動され、これにより、該前進変速段での動力伝達状態が実現される。
また、チェンジレバーにより後退段へのセレクト操作が行われると、コントロールロッド32と共に軸方向移動したシフトフィンガ52がリバース用のゲート部材に係合し、この状態で更に後退段にシフト操作されると、コントロールロッド32と共にシフトフィンガ52が回動することで、リバース用のゲート部材を介して例えば選択摺動機構(図示せず)が作動され、これにより、後退段での動力伝達状態が実現される。
スリーブ部材50の外周面の一部はカム面54とされており、該カム面54には、ブラケット62を介してベース部材31に固定された押圧部材60が押圧されている。押圧部材60には弾性部材が内蔵されており、該弾性部材の弾性力がカム面54に加えられる。
カム面54には、シフト方向の位置(一方のシフト完了位置、中立位置、他方のシフト完了位置)に応じて押圧部材60が選択的に係合される3つの凹部が周方向に並設されると共に、各凹部は上下方向に延びる溝状に形成され、各凹部の底部には、セレクト方向の中立状態において押圧部材60に当接する最深部から上方に向かって浅くなるような傾斜と、前記最深部から下方に向かうに従って浅くなるような傾斜とが形成されている。これにより、カム面54と押圧部材60は、セレクト操作によって上方又は下方に軸方向移動したコントロールロッド32を中立位置へ戻そうとする力を発生させるセレクトリターン機能と、コントロールロッド32をシフト方向の所定位置に位置決めするディテント機能とを有する。
なお、ブラケット62には、スリーブ部材50の外周面に対向配置されたガイドプレート64が一体的に設けられており、該ガイドプレート64においてシフトパターンに対応して形成されたガイド穴(図示せず)に、スリーブ部材50の外周面に突設されたガイドピン(図示せず)が挿通されている。これにより、セレクト操作時及びシフト操作時に、ガイドプレート64のガイド穴に沿ってガイドピンを案内するガイド機能が果たされる。
さらに、コントロールロッド32には、インターロック規制部材56が取り付けられている。インターロック規制部材56は、軸方向の両側からスリーブ部材50を挟み込むような例えば側面視C字形の形状を有し、これにより、セレクト操作時にスリーブ部材50の軸方向移動に追従して軸方向に移動される。
インターロック規制部材56は、コントロールロッド32の外側に回動自在に嵌合されている。また、インターロック規制部材56には、押圧部材60との干渉を回避するための切欠部56aが設けられており、該切欠部56aの周縁部によって、周方向の両側から押圧部材60が挟み込まれている。これにより、シフト操作に連動してコントロールロッド32が回動するとき、押圧部材60によってインターロック規制部材56の回動が規制される。
インターロック規制部材56は、シフトフィンガ52の上側に隣接して配置される上側爪部57と、シフトフィンガ52の下側に隣接して配置される下側爪部58とを備えている。セレクト操作によって選択されたゲート部材にシフトフィンガ52が係合されたとき、該ゲート部材を除いた残りの全てのゲート部材は、上側又は下側のいずれかの爪部57,58に係合される。そのため、シフト操作時に、シフトフィンガ52に係合したゲート部材以外のゲート部材の作動は、インターロック規制部材56の爪部57,58によって規制され、これにより、変速機構のインターロックが回避される。
カウンタウェイト70は、コントロールロッド32の外側に嵌合されたスリーブ部71と、該スリーブ部71から径方向外側に延びるアーム部72と、該アーム部72の先端に設けられた錘部73とを備えている。
スリーブ部71は、シフトアウタレバー40よりも下側に配置されており、ベース部材31上に支持されている。
アーム部72は、細長い板状部であり、スリーブ部71を介してベース部材31に支持されている。アーム部72は、スリーブ部71の中央部よりも下側部分から径方向外側に延設されており、ベース部材31及び変速機ケース20の上面部21の上方において、例えば水平方向に沿って配置されている。なお、アーム部72は、スリーブ部71及び錘部73に対して、それぞれ一体に設けられてもよいし、例えば溶接により接合されてもよい。
錘部73は、スリーブ部71及びアーム部72よりも大きな重量、周方向寸法及び上下方向寸法を有し、錘部73の下端部に、アーム部72の先端が連なっている。錘部73は、アーム部72及びスリーブ部71を介してベース部材31に支持されている。
カウンタウェイト70は、係合機構75を介してコントロールロッド32に係合されている。係合機構75は、軸方向に延びるようにスリーブ部71に設けられた溝部76と、コントロールロッド32の外周面から径方向外側に突出する突出部としての係合ピン78とを備えており、該係合ピン78が溝部76に係合されている。
図2に示すように、溝部76は、スリーブ部71の周方向の一部に設けられたスリット状の切り欠きで構成されている。溝部76の溝幅は、係合ピン78の直径よりも僅かに大きいことが好ましく、これにより、溝部76の側壁に対する係合ピン78の摺動抵抗の軽減が図られる。溝部76は、スリーブ71の上端から下方に向かって延びるように形成されている。溝部76の下端側は閉じられており、これにより、溝部76の溝幅が拡がるようなスリーブ部71の変形が抑制されている。
ただし、スリーブ部71の上端から下端にかけて溝部76を形成して、スリーブ部71を軸方向視C字形としてもよい。
係合ピン78は、例えば、径方向に延びるようにコントロールロッド32に設けられた取付け穴(図示せず)に圧入されることによって、コントロールロッド32に固定されている。係合ピン78は、コントロールロッド32に固定されていることにより該コントロールロッド32と共に軸方向移動可能及び回動可能となっている。ただし、コントロールロッド32に対する係合ピン78の固定方法は、特に限定されるものでなく、例えば溶接によって固定するようにしてもよい。
係合ピン78は、例えば丸棒状であり、スリーブ部71の溝部76の側壁に対して線接触可能となっている。図1に示すように、係合ピン78は、スリーブ部71の外周面よりも径方向外側に僅かに突出するように配置されている。係合ピン78の表面には、浸炭等の熱処理を行うことが好ましく、これにより、係合ピン78の耐磨耗性が向上する。また、防錆性を高めるために、係合ピン78の表面にメッキ処理を行うことが好ましい。係合ピン78の直径は、コントロールロッド32の直径の例えば0.2倍以上0.5倍以下とされている。
このように構成された係合機構75を介してカウンタウェイト70がコントロールロッド32に係合されることで、セレクト操作時には、カウンタウェイト70に対するコントロールロッド32の軸方向への相対移動が許容され、シフト操作時には、コントロールロッド32の回動に連動してカウンタウェイト70が回動する。
具体的には、チェンジレバーのセレクト操作に連動して、コントロールロッド32と共に係合ピン78が上下方向に移動するとき、係合ピン78は、カウンタウェイト70のスリーブ部71の溝部76に沿って移動するため、このとき、カウンタウェイト70は係合ピン78によって動かされることはない。したがって、セレクト操作によってコントロールロッド32が上下動されるとき、カウンタウェイト70の重量がかかることがなく、良好なセレクト操作性が得られる。
なお、セレクト中立状態において、係合ピン78は、溝部76の長さ方向中央部又はその近傍に係合されており、溝部76の長さは、セレクト操作によってコントロールロッド32と共に軸方向移動される係合ピン78が溝部76から外れないような長さとされている。
また、チェンジレバーのシフト操作に連動して、シフトアウタレバー40と共にコントロールロッド32が回動すると、コントロールロッド32と共に回動する係合ピン78によって、カウンタウェイト70のスリーブ部71における溝部76の側壁が周方向に押し込まれることで、カウンタウェイト70がコントロールロッド32周りに回動し、これによって生じたカウンタウェイト70の慣性によって、シフトフィーリングが向上する。
係合機構75の溝部76は、変速機ケース20上に配設されたカバー部材80によって外側から覆われており、これにより、泥水や埃などの異物の噛み込みが抑制されている。
図1及び図3に示すように、カバー部材80は、カウンタウェイト70のスリーブ部71に径方向に隣接した位置でベース部材31に固定される固定面部82と、固定面部82のスリーブ部71側の縁部から上方へ立ち上がる立ち上がり面部84と、立ち上がり面部84の上端からスリーブ部71側へ水平に延びる上面部86とを備えている。
固定面部82には、例えば一対のボルト挿通穴83が設けられており、ボルト挿通穴83に上側から差し込まれるボルト88によってベース部材31に固定される。
立ち上がり面部84は、上方に向かって径方向内側へ僅かに傾斜して配置されている。また、立ち上がり面部84は、シフト中立状態における係合ピン78及び溝部76の径方向外側近傍に対向配置されている。立ち上がり面部84は、例えば矩形の板状部であり、立ち上がり面部84の水平方向の幅は、スリーブ部71の直径よりも大きい。また、立ち上がり面部84の上端は、スリーブ部71の上端よりも僅かに高く配置されている。
上面部86は、スリーブ部71の上端面の上側に配置される円形部86aと、該円形部86aの外縁部と立ち上がり面部48の上端とを繋ぐ一対の連絡部86bとを備えている。円形部86aは、スリーブ部71の直径よりも大径とされている。
上面部86には貫通穴87が設けられており、該貫通穴87にコントロールロッド32が挿通されている。貫通穴87は、コントロールロッド32の直径よりも僅かに大径とされており、貫通穴87の内周面に対するコントロールロッド32の摺動抵抗及び回転抵抗の軽減が図られている。
カバー部材80の材料には、例えば鉄等の金属が用いられるが、樹脂を用いるようにしてもよい。なお、樹脂製のカバー部材80を用いる場合、ボルト挿通穴83の内周面とボルト88の外周面との間には、緩み止め用の鉄製スペーサを介装させることが好ましい。
このように構成されたカバー部材80がベース部材31に取り付けられていることにより、カウンタウェイト70のスリーブ部71の溝部76は、カバー部材80の上面部86によって上方から、カバー部材80の立ち上がり面部84によって径方向外側からそれぞれ覆われている。そのため、泥水や埃などの異物が溝部76と係合ピン78との間に噛み込むことを効果的に抑制できる。したがって、溝部76と係合ピン78との間での異物の詰まりや凍結が抑制されることで、係合ピン78が溝部76に沿って支障なく軸方向に移動できるため、セレクト操作性の悪化を抑制できる。
以上で説明した変速操作機構30は、以下の特徴及び効果を有する。
先ず、カウンタウェイト70をコントロールロッド32に係合させる係合機構75が、上記のようなカウンタウェイト70のスリーブ部71とコントロールロッド32の係合ピン78とによって構成されており、これらのスリーブ部71及び係合ピン78は、いずれもコントロールロッド32の周囲にコンパクトに配置されているため、従来のようにコントロールロッドから径方向に離間して配置された部材を用いた係合を行う構成に比べて、係合機構75を全体的に径方向にコンパクトに構成することができる。
また、係合機構75がコンパクトに形成されていることにより、溝部76と係合ピン78との間での異物の噛み込みを防止するためのカバー部材80も、上記のようにコントロールロッド32の周囲にコンパクトに配置されているため、変速操作機構30全体のコンパクト化が効果的に実現されている。
さらに、カウンタウェイト70のスリーブ部71は、周方向の1箇所のみでコントロールロッド32に係合されているため、仮にコントロールロッド32とスリーブ部71をスプライン嵌合させる構成に比べて、セレクト操作時におけるコントロールロッド32とスリーブ部71との間の摺動抵抗の低減を図ることができる。
またさらに、本実施形態では、溝部76における互いに平行な側壁間に係合ピン78が挟み込まれるような係合構造となっており、係合ピン78の上方及び下方は開放されているため、仮に係合ピン78の外周全体を穴の内周面で取り囲むような係合構造に比べて、係合ピン78の周囲に異物が詰まり難いという効果が得られる。
[第2実施形態]
続いて、図4を参照しながら、第2実施形態に係る変速操作機構130について説明する。
図4は、第2実施形態に係る変速操作機構130を備えた手動変速機を車体幅方向から見た断面図である。なお、第1実施形態と同様の構成要素については、図4において同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
図4に示すように、変速機ケース20内には、それぞれ車体幅方向に延びるプライマリシャフト3、セカンダリシャフト4及びリバースシャフト5を備えた変速機構2と、変速機構2の出力を駆動輪(図示せず)側に伝達する差動装置10とが収容されている。変速機構2は、コントロールロッド32の車体後方側に配置され、差動装置10は、変速機構2の車体後方側に配置されている。
プライマリシャフト3、セカンダリシャフト4及びリバースシャフト5は、駆動輪に連結されたドライブシャフト12に比べて車体前方側で且つ高い位置に配設されている。また、セカンダリシャフト4は、プライマリシャフト3に比べて車体後方側で且つ低い位置に配設されており、リバースシャフト5は、プライマリシャフト3に比べて車体前方側で且つ低い位置に配設されている。
プライマリシャフト3とセカンダリシャフト4との間には、複数の前進変速段用のギヤ列と1つのリバース用のギヤ列が設けられており、運転者のチェンジレバーの操作により、変速操作機構130を介して1つのギヤ列が動力伝達状態とされる。
前進変速段用の各ギヤ列は、プライマリシャフト3に設けられたドライブギヤ6と、セカンダリシャフト4に設けられたドリブンギヤ7とを備え、ドライブギヤ6とドリブンギヤ7は常時噛み合っている。これらのギヤ6,7のうち、一方はシャフト3,4に固定された固定ギヤとされると共に、他方はシャフト3,4に遊嵌された遊転ギヤとされており、該遊転ギヤが同期装置(図示せず)によってシャフト3,4に固定されることで、当該前進変速段用のギヤ列が動力伝達状態となる。
リバース用のギヤ列は、プライマリシャフト3に固定されたプライマリギヤ8a、セカンダリシャフト4に固定されたセカンダリギヤ8b、及び、リバースシャフト5に摺動可能に設けられたリバースアイドルギヤ8cを備えている。プライマリギヤ8aとセカンダリギヤ8bとは、直接噛み合うことがなく、リバースアイドルギヤ8cを介して間接的に噛み合い可能とされている。
リバースアイドルギヤ8cは、前進変速段状態及び中立状態ではプライマリギヤ8a及びセカンダリギヤ8bから軸方向にずれて配置されているが、チェンジレバーがリバース位置に操作されると、リバースシャフト5上をリバースアイドルギヤ8cが摺動してプライマリギヤ8aとセカンダリギヤ8bとに噛み合う。このようにプライマリギヤ8aとセカンダリギヤ8bとがリバースアイドルギヤ8cを介して噛み合うことで、リバース用のギヤ列が動力伝達状態となる。
また、セカンダリシャフト4上には、変速機構2の出力ギヤ9が固定されており、該出力ギヤ9は、差動装置10のデフリングギヤ11に常時噛み合っている。デフリングギヤ11は出力ギヤ9よりも大径とされており、これにより、変速機構2の出力は、出力ギヤ9とデフリングギヤ11との間で減速されて差動装置10に伝達され、該差動装置10から左右のドライブシャフト12へ、走行状況に応じた回転差となるように動力が伝達される。
デフリングギヤ11は、変速機ケース20における変速機構2を収容する部分の下面部123よりも下側に突出して配置されており、変速機ケース20は、変速機構2を収容する部分の下面部123に比べて差動装置10を収容する部分の下面部126が低く配置されるように構成されている。
このような変速機ケース20の形状によって、変速機ケース20における変速機構2を収容する部分の下面部123の下方且つ差動装置10の車体前方側には空間が形成されており、第2実施形態では、該空間に、変速操作機構130のカウンタウェイト170を収容する収容室190が設けられている。
変速機ケース20には、下面部123から下方に突出した周壁125が設けられており、該周壁125で囲まれた空間が収容室190とされている。周壁125の下端は、差動装置10を収容する部分の下面部126の下端と略同じ高さに配置されている。周壁125の下端面には、収容室190を下側から塞ぐ蓋部材127が例えばボルトによって固定されている。蓋部材127には、収容室190を外部空間に連通させるための連通穴129が設けられており、これにより、収容室190の圧力変動が軽減されると共に、結露で発生した水や外部から侵入した水などが連通穴129を通して収容室190の外側に排出され得る。
以下、第2実施形態に係る変速操作機構130の構成について説明する。
変速操作機構130におけるコントロールロッド32の下端部及びその周辺部の構成、並びに、カウンタウェイト170及び係合機構175の構成以外の構成は、第1実施形態に係る変速操作機構30と同様であり、セレクト操作時及びシフト操作時には第1実施形態と同様の動作を行う。
第2実施形態において、コントロールロッド32の下端側は、変速機ケース20の下面部123を貫通しており、コントロールロッド32の下端部は収容室190内に配置されている。変速機ケース20には、下面部123を上下方向に貫通する貫通穴124が設けられており、該貫通穴124に、コントロールロッド32が挿通されている。
コントロールロッド32は、貫通穴124の内側に、軸受部材146を介して軸方向移動自在且つ回動自在に嵌合されている。軸受部材146としては、例えば、内周面がフッ素樹脂等でコーティングされた金属製のブッシュが用いられ、これにより、軸受部材146の内周面に対するコントロールロッド32の摺動抵抗及び回転抵抗が軽減されている。
また、コントロールロッド32の外周面と貫通穴124の内周面との間には、軸受部材146の下方に隣接した部分において、例えばゴムからなる筒状のシール部材147が介装されており、これにより、変速機ケース20内のオイルが貫通穴124を通って収容室190側へ漏れ出ることが防止される。
カウンタウェイト170は、変速機ケース20の下面部123よりも下側に配置され、上記の収容室190に収容されている。カウンタウェイト170は、コントロールロッド32の下端部の外側に嵌合されたスリーブ部171と、該スリーブ部171から径方向外側に延びるアーム部172と、該アーム部172の先端に設けられた錘部173とを備えている。
スリーブ部171の下端部は、例えば樹脂からなる低摩擦ブッシュ182を介して、蓋部材127の上面に設けられた凹部127aに嵌合されている。蓋部材127とスリーブ部171との間にブッシュ182が介在することで、回転抵抗の軽減ひいては焼き付き防止が図られている。
なお、ブッシュ182は、蓋部材127とスリーブ部171のいずれにも固定されることなく両者の間に介装されてもよいし、例えば圧入によって蓋部材127の凹部127a又はスリーブ部171の外周面の一方に固定されてもよい。
アーム部172は、細長い板状部であり、スリーブ部171から例えば車体後方側に向かって延設されている。アーム部172は、蓋部材127の上方において、例えば水平方向に沿って配置されている。なお、アーム部172は、スリーブ部171及び錘部173に対して、それぞれ一体に設けられてもよいし、例えば溶接により接合されてもよい。
錘部173は、スリーブ部171及びアーム部172よりも大きな重量、周方向寸法及び上下方向寸法を有する。錘部173は、アーム部172及びスリーブ部171を介して蓋部材127に支持されている。
カウンタウェイト170は、係合機構175を介してコントロールロッド32に係合されている。係合機構175は、第1実施形態と同様、軸方向に延びるようにスリーブ部171に設けられた溝部176と、コントロールロッド32の下端近傍部の外周面から径方向外側に突出する突出部としての係合ピン178とを備えており、該係合ピン178が溝部176に係合されている。
溝部176は、スリーブ部171の周方向の一部に設けられたスリット状の切り欠きで構成されている。溝部176は、例えば、コントロールロッド32の車体前方側に配置されている。溝部176の溝幅は、係合ピン178の直径よりも僅かに大きいことが好ましく、これにより、溝部176の側壁に対する係合ピン178の摺動抵抗の軽減が図られる。溝部176は、スリーブ171の上端から下方に向かって延びるように形成されている。溝部176の下端側は閉じられており、これにより、溝部176の溝幅が拡がるようなスリーブ部171の変形が抑制されている。
ただし、スリーブ部171の上端から下端にかけて溝部176を形成して、スリーブ部171を軸方向視C字形としてもよい。
係合ピン178は、例えば、径方向に延びるようにコントロールロッド32に設けられた取付け穴(図示せず)に圧入されることによって、コントロールロッド32に固定されている。係合ピン178は、コントロールロッド32に固定されていることにより該コントロールロッド32と共に軸方向移動可能及び回動可能となっている。ただし、コントロールロッド32に対する係合ピン178の固定方法は、特に限定されるものでなく、例えば溶接によって固定するようにしてもよい。
係合ピン178は、例えば丸棒状であり、スリーブ部171の溝部176の側壁に対して線接触可能となっている。係合ピン178は、スリーブ部171の外周面よりも径方向外側に僅かに突出するように配置されている。係合ピン178の表面には、浸炭等の熱処理を行うことが好ましく、これにより、係合ピン178の耐磨耗性が向上する。また、防錆性を高めるために、係合ピン178の表面にメッキ処理を行うことが好ましい。係合ピン178の直径は、コントロールロッド32の直径の例えば0.2倍以上0.5倍以下とされている。
このように構成された係合機構175を介してカウンタウェイト170がコントロールロッド32に係合されることで、第1実施形態と同様、セレクト操作時には、カウンタウェイト170に対するコントロールロッド32の軸方向への相対移動が許容されることにより、カウンタウェイト170の重量がかかることがなく、良好なセレクト操作性が得られると共に、シフト操作時には、コントロールロッド32の回動に連動してカウンタウェイト170が回動し、これによって生じたカウンタウェイト170の慣性によって、シフトフィーリングが向上する。
変速操作機構130におけるカウンタウェイト170及び係合ピン178以外の部品は、予めサブアセンブリとして組み立てられた状態で、上方から変速機ケース20に組み付けられる。その後、変速機ケース20の下面部123から下方に突出したコントロールロッド32の所定部分に対して、周壁125に設けられたサービスホール125aを通して、係合ピン178を打ち込んで固定する。なお、サービスホール125aは、係合ピン178の打ち込み完了後にキャップ192が嵌め込まれることで閉じられる。
続いて、コントロールロッド32の下端部に下側からカウンタウェイト170のスリーブ部171を差し込みつつ、該スリーブ部171の溝部176に係合ピン178を嵌め込み、これにより、カウンタウェイト170は、コントロールロッド32の下端部に係合された状態で収容室190に収容される。
その後、スリーブ部171と蓋部材127の凹部127aとの間にブッシュ182が介装されるように蓋部材127を周壁125の下端面に取り付けることで、変速操作機構130の組付けが完了する。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様、係合機構175を構成するカウンタウェイト170のスリーブ部171とコントロールロッド32の係合ピン178とが、いずれもコントロールロッド32の周囲にコンパクトに配置されているため、従来のようにコントロールロッドから径方向に離間して配置された部材を用いた係合を行う構成に比べて、係合機構175を全体的に径方向にコンパクトに構成することができる。
また、カウンタウェイト170のスリーブ部171は、周方向の1箇所のみでコントロールロッド32に係合されているため、仮にコントロールロッド32とスリーブ部171をスプライン嵌合させる構成に比べて、セレクト操作時におけるコントロールロッド32とスリーブ部171との間の摺動抵抗の低減を図ることができる。
さらに、溝部176における互いに平行な側壁間に係合ピン178が挟み込まれるような係合構造によって、係合ピン178の上方及び下方は開放されているため、仮に係合ピン178の外周全体を穴の内周面で取り囲むような係合構造に比べて、係合ピン178の周囲に異物が詰まり難いという効果が得られる。
また、第2実施形態では、カウンタウェイト170及び係合機構175が収容室190に収容されることにより、スリーブ部171の溝部176と係合ピン78との間や、スリーブ部171の内周面とコントロールロッド32の外周面との間に泥水や埃などの異物が噛み込むことを防止できるため、異物の詰まりや凍結によってコントロールロッド32及びカウンタウェイト170の動作に支障を来すことを抑制でき、これにより、セレクト操作性及びシフト操作性の悪化が抑制される。
さらに、第2実施形態において、カウンタウェイト170がコントロールロッド32の下端側に配設されていることにより、コントロールロッド32の上端側においてカウンタウェイト170との係合部を確保しなくてもよいため、変速機ケース20の上面部21からのコントロールロッド32の突出量を低減できる。
また、カウンタウェイト170がコントロールロッド32の下端側に配設されていることにより、コントロールロッド32の上端側、すなわち、変速機ケース20の上方に配置されたセレクトアウタレバー34、シフトアウタレバー40、セレクトケーブル及びシフトケーブルとの干渉、並びに、マウント部材や各種ハーネス等の周辺部品との干渉を容易に回避できる。
そのため、カウンタウェイト170のレイアウト及び形状の自由度の向上を図ることができる。また、これによって、カウンタウェイト170のアーム部172の短縮が抑制されることで、所要の慣性モーメントを確保しつつカウンタウェイト170の軽量化を図ることができるため、車両の燃費性能向上に寄与することができる。
また、変速機構2の下方で且つ差動装置10の車体前方側に生じた変速機ケース20の下方のデッドスペースを利用してカウンタウェイト170が配設されることで、変速機ケース20の上下方向寸法が増大したり、変速機ケース20内の構造が変更されたり、変速機ケース20の周辺部品のレイアウトが変更されたりすることを抑制できる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、コントロールロッド32が上下方向に沿って配置される例を説明したが、本発明に係る変速機の変速操作機構において、コントロールロッドの向きは特に限定されるものでない。
以上のように、本発明によれば、コントロールロッドがシフトケーブルを介してチェンジレバーのシフト操作に連動して回動するときに、これに連動して回動することでシフトフィーリングを改善させるカウンタウェイトを備えた変速機の変速操作機構において、コントロールロッドの径方向における変速操作機構全体のコンパクト化を図ることが可能となるから、この種の変速操作機構を備えた手動変速機の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
10 差動装置
11 デフリングギヤ
20 変速機ケース
30 変速操作機構
31 ベース部材
32 コントロールロッド
34 セレクトアウタレバー(第1レバー部)
40 シフトアウタレバー(第2レバー部)
70 カウンタウェイト
71 スリーブ部
72 アーム部
73 錘部
75 係合機構
76 溝部
78 係合ピン(突出部)
80 カバー部材
82 固定面部
84 立ち上がり面部
86 上面部
123 変速機ケースの下面部
125 周壁
127 蓋部材
130 変速操作機構
170 カウンタウェイト
171 スリーブ部
172 アーム部
173 錘部
175 係合機構
178 係合ピン
182 低摩擦ブッシュ
190 収容室

Claims (3)

  1. チェンジレバーのセレクト操作に連動して軸方向に移動すると共にシフト操作に連動して回動するコントロールロッドと、セレクト操作時には前記コントロールロッドの軸方向移動に追従した動作を行わず、シフト操作時には該コントロールロッドの回動に連動して回動するように該コントロールロッドに係合されたカウンタウェイトとを備えた変速機の変速操作機構であって、
    前記カウンタウェイトは、前記コントロールロッドの外側に嵌合されたスリーブ部を備え、
    該スリーブ部に、軸方向に延びる溝部が設けられ、
    該溝部に、前記コントロールロッドの外周面から径方向外側に突出する突出部が係合されていることを特徴とする変速機の変速操作機構。
  2. 前記カウンタウェイトは、変速機ケースの上方に配設されており、
    前記変速機ケース上に、前記溝部を外側から覆うカバー部材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機の変速操作機構。
  3. 前記コントロールロッドの一端側に、セレクトケーブルを介して前記チェンジレバーに接続された第1レバー部と、シフトケーブルを介して前記チェンジレバーに接続された第2レバー部とが配設され、
    前記コントロールロッドの他端側に、前記カウンタウェイトと前記突出部とが配設されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機の変速操作機構。
JP2015085336A 2015-04-17 2015-04-17 変速機の変速操作機構 Active JP6090357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015085336A JP6090357B2 (ja) 2015-04-17 2015-04-17 変速機の変速操作機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015085336A JP6090357B2 (ja) 2015-04-17 2015-04-17 変速機の変速操作機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016205470A true JP2016205470A (ja) 2016-12-08
JP6090357B2 JP6090357B2 (ja) 2017-03-08

Family

ID=57489308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015085336A Active JP6090357B2 (ja) 2015-04-17 2015-04-17 変速機の変速操作機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6090357B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107504165A (zh) * 2017-08-14 2017-12-22 安徽江淮汽车集团股份有限公司 一种变速器选换挡机构

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010144746A (ja) * 2008-12-16 2010-07-01 Toyota Motor Corp 変速機のダストカバー構造
JP2012067885A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Aisin Ai Co Ltd 変速機のシフトアンドセレクトシャフトアッセンブリ

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010144746A (ja) * 2008-12-16 2010-07-01 Toyota Motor Corp 変速機のダストカバー構造
JP2012067885A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Aisin Ai Co Ltd 変速機のシフトアンドセレクトシャフトアッセンブリ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107504165A (zh) * 2017-08-14 2017-12-22 安徽江淮汽车集团股份有限公司 一种变速器选换挡机构

Also Published As

Publication number Publication date
JP6090357B2 (ja) 2017-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5130191B2 (ja) デファレンシャル装置
JP6239768B2 (ja) パワーユニットの変速駆動装置
JP6303917B2 (ja) 自動変速機のパーキングロック装置
JP6164041B2 (ja) 手動変速機のシフト装置
JP6090357B2 (ja) 変速機の変速操作機構
JP2009174621A (ja) クラッチ装置
JP2017187161A (ja) 手動変速機の変速レバーアセンブリー
JP6090356B2 (ja) 変速機の変速操作機構
JP2009052448A (ja) 中間歯車付スタータ
JP6008010B1 (ja) 手動変速機
JP6361619B2 (ja) 変速機の変速操作機構
JP6056897B2 (ja) 手動変速機
JP6413849B2 (ja) 手動変速機のシフト装置
JP2012007702A (ja) 変速機のブリーザ構造
JP6311662B2 (ja) 手動変速機
JP6056896B2 (ja) 手動変速機
JP6008008B1 (ja) 手動変速機のチェンジ操作機構
JP2006029507A (ja) 手動変速機のシフトゲート機構
JP6115141B2 (ja) 手動変速機
JP7139090B2 (ja) 動力伝達装置
CN216045386U (zh) 换挡执行机构、amt变速器和商用车
KR100456540B1 (ko) 수동변속기의 변속조작기구
KR20130108933A (ko) 수동변속기용 변속 조작기구
JP2009180284A (ja) クラッチレリーズ軸受およびこれを備えるクラッチレリーズ軸受装置
JP2007113637A (ja) 自動変速機

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6090357

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150