JP2016204561A - 蛍光部材、その製造方法および発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】緻密なセラミック構造体であるとともに高い熱伝導率を有することで高い発光効率を実現する蛍光部材、その製造方法および発光装置を提供する。
【解決手段】緻密質セラミックス構造を有する蛍光部材であって、アルミナのセラミックスマトリックスと、セラミックスマトリックス中に分散された、CeがドープされたYAGの蛍光体粒子と、を備え、合計100vol%に対して、YAGの蛍光体粒子が20〜90vol%、アルミナのセラミックスマトリックスが80〜10vol%を占め、YAGの蛍光体粒子は、主に結晶粒子径10〜20μmの第一粒子と、第一粒子の結晶粒子径の1/5以下の第二粒子とからなり、第二粒子の体積と第一粒子の体積の比が0.05〜0.30である。
【選択図】図1
【解決手段】緻密質セラミックス構造を有する蛍光部材であって、アルミナのセラミックスマトリックスと、セラミックスマトリックス中に分散された、CeがドープされたYAGの蛍光体粒子と、を備え、合計100vol%に対して、YAGの蛍光体粒子が20〜90vol%、アルミナのセラミックスマトリックスが80〜10vol%を占め、YAGの蛍光体粒子は、主に結晶粒子径10〜20μmの第一粒子と、第一粒子の結晶粒子径の1/5以下の第二粒子とからなり、第二粒子の体積と第一粒子の体積の比が0.05〜0.30である。
【選択図】図1
Description
本発明は、光の照射により蛍光する蛍光部材、その製造方法および発光装置に関する。
近年、白色照明のハイパワー化が進んでおり、その光源としてLD(Laser Diode)が注目されている。LDは、現在使用されているLED(Light Emitting Diode)よりも輝度や指向性が高いという特徴を有している。一方で、LDを白色照明に適用した場合、LEDよりも大きな温度上昇を伴い、高温下において発光効率が低下する。
LED照明では、使用時の温度が100℃程度であるため、一般的に、蛍光部材材料を樹脂マトリックス内に分散させた蛍光体プレートが用いられている。しかしながら、LD照明では、使用時の温度が300℃程度となるため、樹脂を用いることができない。したがって、LD照明では、高温耐久性に優れた無機マトリックス内に蛍光体材料を分散させた蛍光体プレートの開発が不可欠となっている。
このような背景において、特許文献1に記載されているように、蛍光体材料を無機バインダーで封止した蛍光体プレートが提案されている。この蛍光体プレートは、十分な耐熱性を有するものの、発光効率が低い。発光効率低下の原因は、蛍光体プレートが気孔を多く含む組織を有しており、熱伝導率が低く、熱拡散し難いため、同一の励起光量の照射下では、温度上昇が顕著となり、温度消光現象が発生するためである。
これに対し、特許文献2のように、蛍光体プレートをYAGとアルミナの複合セラミックスとする提案がなされている。しかしながら、蛍光体の発光効率は、蛍光体プレート内の構造により大きな影響を受けるはずであるところ、特許文献2では、このことに言及されていない。
上記のように、YAGとアルミナの複合セラミックスで構成された蛍光体プレートにおいては、蛍光体プレート内の構造により発光効率が低下しうる。その原因としては、蛍光体材料の粒子径が小さすぎると励起光が散乱されること、蛍光体プレート内の気孔が大きかったりその存在量が多かったりすると、励起光が吸収され、乱反射の要因となることが挙げられる。
YAGとアルミナの複合セラミックス構造の蛍光体プレートの発光効率を高く維持する方法としては、蛍光体材料であるYAGの粒子径を最適な大きさに制御すること、蛍光体プレートの気孔をなくすことが考えられる。
蛍光体材料としてYAGの粒子径は、10〜20μmの範囲が最適であるが、このような粒子径の粒子は非常に大きいため、焼結が困難である。したがって、このような粒子径で十分に緻密化した蛍光体材料単体の蛍光体プレートを製造するのは容易ではない。HIP処理等を用いて、製造できたとしても、製造物は、高コスト、低強度、かつ低熱伝導率であり、高温下での使用に適していない。
一方、緻密化した場合に透光性を示す高純度アルミナは、焼結が困難なため、出発原料の粒子径を1μm以下にする必要がある。アルミナをマトリックスとした場合、光学特性として有効な透光性を発現するためには、理論密度に近いところまで緻密化させ、且つ、気孔をなくす必要がある。
また、蛍光体材料の粒子径は10〜20μm、アルミナの粒子径は1μm以下である。このように、粒子径が大きく異なる2種の材料を複合化し、その緻密化を達成するためには、焼成前の初期の空隙を低減し、焼成前の成形体の十分な充填率を確保することが必要となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、緻密なセラミック構造体であるとともに高い熱伝導率を有することで高い発光効率を実現する蛍光部材、その製造方法および発光装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の蛍光部材は、アルミナのセラミックスマトリックスと、前記セラミックスマトリックス中に分散された、CeがドープされたYAGの蛍光体粒子と、を備え、合計100vol%に対して、前記YAGの蛍光体粒子が20〜90vol%、前記アルミナのセラミックスマトリックスが80〜10vol%を占め、前記YAGの蛍光体粒子は、主に結晶粒子径10〜20μmの第一粒子と、第一粒子の結晶粒子径の1/5以下の第二粒子とからなり、前記第二粒子の体積と第一粒子の体積の比が0.05〜0.30であることを特徴としている。
このように、本発明の蛍光部材では、YAGの蛍光体粒子が、粒子径の大きい第一粒子と、粒子径の小さい第二粒子とからなる。これにより、第一粒子により、十分なYAGの蛍光体粒子の粒子径を確保しつつ、第二粒子により充填性の高いパッキングを可能にし、蛍光部材を十分に緻密な組織のセラミックス構造体とすることができる。その結果、蛍光部材の気孔を少なくし、励起光の吸収や散乱、乱反射を抑制し、発光効率を高くすることができる。
さらに、セラミックスマトリックスであるアルミナは熱伝導率がYAGの約3倍であり、熱伝導率が向上するため、放熱特性が向上する。よって、蛍光部材の使用時の冷却能力が向上し、温度消光による発光効率の低下を抑制できる。
(2)また、本発明の蛍光部材は、開気孔率が0.2%以下であることを特徴としている。このように、充填性が高いため熱伝導率が向上し、放熱特性が向上する。よって、使用時の冷却能力が向上し、発光効率を高く維持できる。
(3)また、本発明の蛍光部材は、前記セラミックマトリックスを形成するアルミナの純度は99.99%以上であることを特徴としている。これにより、励起光が吸収されなくなり発光効率がさらに向上する。
(4)また、本発明の発光装置は、上記(1)〜(3)のいずれかの蛍光部材と、前記蛍光部材上に設けられた発光素子と、前記発光素子に電力を供給する電力供給部と、を備えることを特徴としている。これにより、発光効率の高い発光装置を実現できる。
(5)また、本発明の蛍光部材の製造方法は、純度99.99%、平均粒径0.5μm以下のアルミナの粉末を準備する工程と、平均粒径10〜20μmの第一粒子と、前記第一粒子の平均粒径の1/5以下の平均粒径を有し、前記第一粒子に対して0.05〜0.30の体積比を有する第二粒子とが混合された、CeがドープされたYAGの混合粉末を準備する工程と、合計100vol%に対して、前記アルミナの粉末20〜90vol%、前記YAGの混合粉末80〜10vol%で構成されるように、前記アルミナの粉末と前記YAGの混合粉末とを混合して成形体を作製する工程と、前記成形体を、真空を含む不活性雰囲気下で、1600〜1800℃で焼成する工程と、を含むことを特徴としている。このようにして製造された蛍光部材は、気孔が少なく、励起光の吸収や散乱、乱反射を抑制でき、高い熱伝導率を有する。その結果、高い発光効率を実現できる。なお、「平均粒径」とは、JIS R 162「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」に準拠し、日機装社製マイクロトラック930−X100により測定したときの平均粒径をいう。
本発明によれば、緻密なセラミック構造体であるとともに高い熱伝導率を有することで、発光効率の高い蛍光部材を実現できる。
次に、本発明の実施形態を説明する。
[蛍光部材の構成]
本発明の蛍光部材は、アルミナのセラミックスマトリックスと、セラミックスマトリックス中に分散されたCeがドープされたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)の蛍光体粒子とを備えており、緻密質のセラミックス構造を有する。
本発明の蛍光部材は、アルミナのセラミックスマトリックスと、セラミックスマトリックス中に分散されたCeがドープされたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)の蛍光体粒子とを備えており、緻密質のセラミックス構造を有する。
蛍光部材を形成するYAGの蛍光体粒子およびアルミナのセラミックスマトリックスからなる合計100vol%の体積のうち、YAGの蛍光体粒子は20〜90vol%、アルミナのセラミックスマトリックスは80〜10vol%を占めている。下表に示すように、アルミナの熱伝導率は、YAGの熱伝導率の約3倍であり、アルミナが80〜10vol%を占めていることにより熱伝導率が向上するため、放熱特性が向上する。よって、使用時の冷却能力が向上し、温度消光による発光効率の低下を抑制できる。また、アルミナの純度は99.99%以上であることが好ましい。これにより、励起光が吸収されなくなり発光効率がさらに向上する。なお、アルミナの結晶粒子径は、10μm以下であることが好ましい。
YAGの蛍光体粒子は、主に結晶粒子径10〜20μmの第一粒子と、第一粒子の結晶粒子径の1/5以下の第二粒子とからなり、第二粒子の体積と第一粒子の体積の比が0.05〜0.30となっている。このような構成により、第一粒子で十分なYAGの蛍光体粒子の粒子径を確保しつつ、第二粒子で充填性の高いパッキングを可能にし、蛍光部材を十分に緻密な組織のセラミックス構造体としている。その結果、蛍光部材の気孔を少なくし、励起光の吸収や散乱、乱反射を抑制し、蛍光部材の発光効率を向上させている。
蛍光部材の開気孔率は0.2%以下であることが好ましい。これにより、蛍光部材の充填性が高くなり、熱伝導率が向上する。よって、使用時の冷却能力が向上し、発光効率を高く維持できる。
[蛍光部材の製造方法]
上記のように構成される蛍光部材の製造方法を説明する。まず、純度99.99%、平均粒径0.5μm以下のアルミナの粉末を準備する。次に、CeがドープされたYAGの混合粉末を準備する。
上記のように構成される蛍光部材の製造方法を説明する。まず、純度99.99%、平均粒径0.5μm以下のアルミナの粉末を準備する。次に、CeがドープされたYAGの混合粉末を準備する。
YAGの混合粉末は、平均粒径10〜20μmの第一粒子と、第一粒子の平均粒径の1/5以下の平均粒径を有する第二粒子とからなり、第二粒子の体積比が第一粒子に対して0.05〜0.30となるように混合されている。このような混合比とすることで、YAGの蛍光体粒子の第一粒子間の空隙に第二粒子が入り込み、成形体の充填性を向上させることができる。
そして、アルミナの粉末とYAGの混合粉末を合わせた合計100vol%に対して、それぞれの比率がアルミナの粉末20〜90vol%、YAGの混合粉末80〜10vol%となるように、アルミナの粉末とYAGの混合粉末とを、エタノールを用いたボールミル混合等で混合する。そして、混合して得られた粉末材料により成形体を作製する。特に、YAGの蛍光体粒子を50vol%以上とすると、パッキングの観点から、成形体の充填性向上の効果が大きくなる。これにより、容易に、緻密質セラミックス構造のYAG蛍光部材を製造することが可能となる。
このようにして得られた成形体を、真空、アルゴン雰囲気等を含む不活性雰囲気下で、1600〜1800℃で焼成する。このようにして製造された蛍光部材は、気孔が少なく、励起光の吸収や散乱、乱反射を抑制できる。そして、高い熱伝導率により使用時の冷却能力が向上する。なお、蛍光部材中のYAGの結晶粒子径は、10〜20μmのままであり、アルミナの結晶粒子径は0.2〜10μm程度となる。
[発光装置]
上記のような蛍光部材は、白色照明の発光装置等の用途において、高温下の環境においても、広範囲の励起光量で高い発光効率を有する構成部材として提供できる。例えば、発光装置は、以下のように凹部を有する蛍光部材と、蛍光部材の凹部に設けられた発光素子と、蛍光部材が表面に実装された配線基板とで構成できる。
上記のような蛍光部材は、白色照明の発光装置等の用途において、高温下の環境においても、広範囲の励起光量で高い発光効率を有する構成部材として提供できる。例えば、発光装置は、以下のように凹部を有する蛍光部材と、蛍光部材の凹部に設けられた発光素子と、蛍光部材が表面に実装された配線基板とで構成できる。
蛍光部材は、上記の通り、可視光領域における透光性を有するアルミナと、アルミナ内に分散されたYAGの蛍光体粒子を含んで、例えばプレート状に形成されている。そして、蛍光部材の表面には凹部が形成され、凹部の底面は平坦面となっている。この平坦な底面に発光素子が設置される。また、凹部の内周面および中心部を除き、蛍光部材の表面には配線パターンが形成される。
発光素子は、例えば青色発光ダイオードであって、各層には電極部が接合される。そして、各電極部が配線パターンと電気的に接続され、配線パターンを介して発光素子に電力が供給される。その結果、青色光が発生し、蛍光部材内の蛍光体粒子により青色光の一部が黄色光に変換され、青色光と黄色光の混色により白色光が得られる。このような発光装置に上記の蛍光部材を用いることで放熱特性が高く、発光効率の高い発光装置を実現できる。
配線基板は平板状であって、表面には配線パターンが形成される。そして、凹部の底面と背向する蛍光部材の裏面を配線基板に対向させ、裏面端部に設けられた配線パターンが配線基板上の配線パターンに接合される。
[実施例、比較例]
(実験条件)
蛍光部材について、以下の通り、実験を行った。図1は、各実施例、比較例の実験条件を示す表である。
(実験条件)
蛍光部材について、以下の通り、実験を行った。図1は、各実施例、比較例の実験条件を示す表である。
まず、アルミナ原料として、純度99.9〜99.99%、平均粒径0.2μmの粉末を準備した。YAG原料として、CeがドープされたYAGの混合粉末を準備した。YAGの混合粉末のうち、第一粒子の原料として平均粒径8〜22μmの粉末を準備し、第二粒子原料として平均粒径1〜4μmの粉末を準備した。
ボールミルを用いて、これらの原料をエタノール中で16時間混合し、ロータリーエバポレーターでエタノールを乾燥させ、混合粉末を作製した。アルミナ、YAGの第一粒子、YAGの第二粒子の各原料の配合は、図1に示す体積比の通りである。
混合粉末に対し、10MPaで一軸加圧成形を行った後、100MPaで冷間静水圧成形を行って、φ15mm、厚さ10mmの成形体を作製した。得られた成形体を、アルゴン雰囲気下で、1650〜1800℃で焼結し、複合セラミックス焼結体を作製した。
複合セラミックス焼結体については、JISR 1634に従い、アルキメデス法によりかさ密度、開気孔率を測定した。このときYAG、アルミナの真密度は、それぞれ4.56、3.99×103kg/m3として、体積比に応じて理論密度を計算し、相対密度(かさ密度÷理論密度)を算出した。
また、レーザーフラッシュ法により、京都電子工業社製LFA−502を用いて複合セラミックス焼結体の熱伝導率を測定した。発光効率として、日本分光社製FP−8500を用いて、試料裏面に水冷機能を付与し、300℃に加熱時の励起光量1.5Wにおける内部量子効率を測定した。比較として、YAG粉末を石英ガラスで充填した試料についても同様に評価を行った。
結晶粒子径は、インターセプト法により測定した粒径(平均粒径)であり、具体的には、例えば、以下のようにして測定する。すなわち、まず、蛍光部材の表面を研削加工により平面を得る。その後、ダイヤモンドディスク等を用いて平面の鏡面研磨を行う。その後、サーマルエッチングを行う。次に、SEM観察により、1000倍の倍率で、組織面像を得る。この組織の面像上に直線を数本ランダムに引く。そして、直線が横切る粒子数を数えて、画像上での直線長さを粒子数で除した値を結晶粒子径とする。測定の結果、蛍光部材中のYAGの結晶粒子径は、混合時の平均粒径と同一であり、第一粒子は8〜22μm、第二粒子は1〜4μmのままであり、アルミナの結晶粒子径は0.2〜10μm程度となった。
(実験結果)
図2は、各実施例、比較例の実験結果を示す表である。YAG蛍光体15〜100vol%、アルミナ85〜0vol%の体積比率の各組み合わせで複合セラミックス焼結体を作製したところ、YAG蛍光体15vol%の試料(比較例1)は、相対密度および熱伝導率は高く、発光効率も高いが、YAG蛍光体そのものの体積割合が低いため、発光強度(外部量子効率)が低く、蛍光部材として機能しなかった。また、YAG蛍光体95vol%および100vol%の試料(比較例2、3)は、いずれも相対密度と熱伝導率が低い値となり、発光効率も低くなった。YAG蛍光体20〜90vol%、アルミナ80〜10vol%の組み合わせの試料(実施例1〜8)ではいずれも、90%以上の高い発光効率が得られた。なお、アルミナの体積比が40vol%以上の実施例1〜5、比較例1については、特に熱伝導率が高く20W/m・K以上となった。
図2は、各実施例、比較例の実験結果を示す表である。YAG蛍光体15〜100vol%、アルミナ85〜0vol%の体積比率の各組み合わせで複合セラミックス焼結体を作製したところ、YAG蛍光体15vol%の試料(比較例1)は、相対密度および熱伝導率は高く、発光効率も高いが、YAG蛍光体そのものの体積割合が低いため、発光強度(外部量子効率)が低く、蛍光部材として機能しなかった。また、YAG蛍光体95vol%および100vol%の試料(比較例2、3)は、いずれも相対密度と熱伝導率が低い値となり、発光効率も低くなった。YAG蛍光体20〜90vol%、アルミナ80〜10vol%の組み合わせの試料(実施例1〜8)ではいずれも、90%以上の高い発光効率が得られた。なお、アルミナの体積比が40vol%以上の実施例1〜5、比較例1については、特に熱伝導率が高く20W/m・K以上となった。
YAG蛍光体70vol%(第一粒子56%、第二粒子14%)、アルミナ(純度99.99%)30vol%の試料(実施例6)に対して他の条件を同一にし、アルミナ純度のみ99.9%とした試料(比較例4)では、相対密度および熱伝導率は高いが、発光効率が18.7%と低い値となった。これは励起光がアルミナ内で吸収されたためと考えられる。
YAGの第二粒子と第一粒子の体積比を0から0.35まで変えた試料(比較例5〜6、実施例6、9〜11)については、YAGの第二粒子と第一粒子の体積比が0、0.35の試料(比較例5、6)では、相対密度および熱伝導率が低くなり、温度消光の影響により発光効率が90%より低くなった。YAGの第二粒子と第一粒子の体積比が0.06〜0.30の試料(実施例9〜11)は、高い相対密度および熱伝導率を有し、その発光効率も95%より高くなった。
YAGの第一粒子の結晶粒子径を8μmから22μmまで変えた試料(比較例7、8、実施例6、12、13)については、YAGの第一粒子の結晶粒子径が8μmの試料(比較例7)では、相対密度および熱伝導率は十分であったが、発光効率が低くなった。また、YAGの第一粒子の結晶粒子径が22μmの試料(比較例8)では、相対密度および熱伝導率がともに低い値となり、発光効率も低くなった。YAGの第一粒子の結晶粒子径が10〜20μmの試料(実施例6、12、13)は、高い相対密度および熱伝導率を有し、発光効率も95%より高くなった。
YAGの第二粒子の結晶粒子径を1μmから4μmまで変えた試料(実施例6、10〜13、比較例9)については、YAGの第一粒子の結晶粒子径15μmに対する第二粒子の結晶粒子径が4μmの試料(比較例9)では、相対的に第二粒子の結晶粒子径が大きすぎ、相対密度および熱伝導率が低くなり、発光効率も80%となり低かった。一方、YAGの第一粒子の結晶粒子径に対する第二粒子の結晶粒子径の比が1/5以下(0.06〜0.2)の試料(実施例6、10〜13)では、相対密度および熱伝導率が高く、発光効率も高かった。
YAG粉末を石英ガラスで充填した試料(比較例10)は、熱伝導率が2W/m・Kで、発光効率も15.4%であり、アルミナをセラミックスマトリックスとし、充填性を高めた蛍光部材と比べて低くなった。
Claims (5)
- アルミナのセラミックスマトリックスと、前記セラミックスマトリックス中に分散された、CeがドープされたYAGの蛍光体粒子と、を備え、
合計100vol%に対して、前記YAGの蛍光体粒子が20〜90vol%、前記アルミナのセラミックスマトリックスが80〜10vol%を占め、
前記YAGの蛍光体粒子は、主に結晶粒子径10〜20μmの第一粒子と、第一粒子の結晶粒子径の1/5以下の第二粒子とからなり、
前記第二粒子の体積と第一粒子の体積の比が0.05〜0.30であることを特徴とする蛍光部材。 - 開気孔率が0.2%以下であることを特徴とする請求項1記載の蛍光部材。
- 前記セラミックマトリックスを形成するアルミナの純度は99.99%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の蛍光部材。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の蛍光部材と、
前記蛍光部材上に設けられた発光素子と、
前記発光素子に電力を供給する電力供給部と、を備えることを特徴とする発光装置。 - 純度99.99%、平均粒径0.5μm以下のアルミナの粉末を準備する工程と、
平均粒径10〜20μmの第一粒子と、前記第一粒子の平均粒径の1/5以下の平均粒径を有し、前記第一粒子に対して0.05〜0.30の体積比を有する第二粒子とが混合された、CeがドープされたYAGの混合粉末を準備する工程と、
合計100vol%に対して、前記アルミナの粉末20〜90vol%、前記YAGの混合粉末80〜10vol%で構成されるように、前記アルミナの粉末と前記YAGの混合粉末とを混合して成形体を作製する工程と、
前記成形体を、真空を含む不活性雰囲気下で、1600〜1800℃で焼成する工程と、を含むことを特徴とする蛍光部材の製造方法。
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