JP2016204471A - ノンハロゲン難燃性樹脂組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブル - Google Patents

ノンハロゲン難燃性樹脂組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】浸水時の絶縁抵抗の改善が可能であり、かつ引張特性に優れたノンハロゲン難燃性樹脂組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブルを提供する。
【解決手段】絶縁電線10は、導体1の外周に、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物150〜250質量部及びシリコーンで表面処理したオルガノクレー1〜50質量部を含有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物からなる絶縁層2を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブルに関する。
ハロゲン化合物を含まない難燃性樹脂組成物として、ポリオレフィン系樹脂に水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物を添加した樹脂組成物が用いられている。
これらの樹脂組成物は、燃焼時に塩化水素やダイオキシン等の有毒なガスが発生しないため、火災時の毒性ガスの発生や、二次災害等を防止することができ、かつ、廃却時に焼却処分を行っても問題とならない。
しかし、金属水酸化物の添加による難燃効果は小さく、目的の難燃性を得られない場合が多いため、垂直燃焼試験に合格する程度の高難燃性が必要とされる場合は、他の難燃剤を併用し、難燃効果を高める必要がある。
金属水酸化物と併用する難燃剤としては、近年、ナノコンポジット材料が検討されており、例えばナノクレーが挙げられる。ナノクレーは層状であり、複数の層が積み重なった構造をしている。
クレーを樹脂組成物に添加して難燃性を発現させるためには、分散状態が重要であり、樹脂中で、ある程度層間剥離させる必要がある。そこで、4級アミン等の有機物をクレー層間に挿入(インターカレート)したオルガノクレーが使用されている。これらは、有機物がクレー層間を広げることにより、樹脂中での分散性が向上されている。
例えば、特許文献1には、層状シリケートを4級アルキルアンモニウム塩で処理した後に、更にシランカップリング剤をシリケート層の端部に存在するシラノール基と作用させて、ポリオールに分散させたウレタン系樹脂発泡体が開示されている。
特許第4355519号公報(請求項4、段落〔0035〕)
しかしながら、従来の技術である、4級アミン等の有機物で処理したオルガノクレーと金属水酸化物とを併用した難燃性樹脂組成物は、浸水状態での絶縁抵抗が極端に低下するため、電線・ケーブル用絶縁体としての使用は困難であった。
この原因としては、クレー表面にOH基等の親水性の官能基が存在するためと推察される。これらの親水性の官能基はクレーの層間に存在する場合は4級アミン等の有機物で処理されるが、端部に存在する場合は十分に処理されない。
特許文献1では、シリケート層の端部に存在するシラノール基をシランカップリング剤で作用させているが、この目的はクレーの分散向上である。また、特許文献1では、低分子のシランカップリング剤を用いており、本発明らの検討では浸水時の絶縁抵抗の改善効果は不十分であった。
そこで、本発明の目的は、浸水時の絶縁抵抗の改善が可能であり、かつ引張特性に優れたノンハロゲン難燃性樹脂組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブルを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、下記のノンハロゲン難燃性樹脂組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブルを提供する。
[1]ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物150〜250質量部及びシリコーンで表面処理したオルガノクレー1〜50質量部を含有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
[2]前記ポリオレフィン系樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体が使用され、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル含有量(VA量)が20〜45質量%である前記[1]に記載のノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
[3]前記オルガノクレーは、モンモリロナイトを使用したものである前記[1]又は前記[2]に記載のノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
[4]前記金属水酸化物は、水酸化マグネシウムである前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
[5]導体と、前記導体の外周に被覆された、前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のノンハロゲン難燃性樹脂組成物からなる絶縁層とを備えた絶縁電線。
[6]前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のノンハロゲン難燃性樹脂組成物からなるシースを備えたケーブル。
[7]前記[5]に記載の絶縁電線を備えたケーブル。
本発明によれば、浸水時の絶縁抵抗の改善が可能であり、かつ引張特性に優れたノンハロゲン難燃性樹脂組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブルを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る絶縁電線の一例を示す横断面図である。 本発明の実施の形態に係るケーブルの一例を示す横断面図である。
〔ノンハロゲン難燃性樹脂組成物〕
本発明の実施の形態に係るノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物150〜250質量部及びシリコーンで表面処理したオルガノクレー1〜50質量部を含有する。
(ポリオレフィン系樹脂)
本発明の実施の形態において用いることができるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−スチレン共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−ヘキセン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体(EOR)、エチレン共重合ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、マレイン酸グラフト低密度ポリエチレン、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(H−SBR)、マレイン酸グラフト直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数が4〜20のαオレフィンとの共重合体、エチレン−スチレン共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−メチルアクリレート共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体、ブテン−1を主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体などが挙げられ、より好適にはEVAである。これらは単独又は2種以上をブレンドして用いることができる。また、2種以上の各ポリオレフィン系樹脂、例えば2種以上のEVAをブレンドして用いることもできる。
2種以上をブレンドする際には、ポリオレフィン系樹脂中の70質量%以上がEVAであることが好ましく、85質量%以上がEVAであることがより好ましく、95質量%がEVAであることがさらに好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としてEVAを使用した場合、EVA中の酢酸ビニル含有量(VA量)が20〜45質量%であることが好ましく、25〜33質量%であることがより好ましい。
EVA中のVA量は、用いる樹脂の種類が、1,2,3・・・k・・・n個あったとき、下記式(1)によって導かれる。
Figure 2016204471
上記式(1)中、Xはk個目の樹脂のVA量(質量%)、Yはk個目の樹脂のEVA全体を占める割合、及びkは自然数をそれぞれ示す。
また、本実施の形態において、EVAは、メルトマスフローレイト(MFR)が1.0(g/10min)以下であるものを用いることが好ましい。
(金属水酸化物)
本発明の実施の形態において用いることができる金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。中でも、水酸化マグネシウムを用いることが好ましい。これらは、単独又は2種以上を併用しても良い。
また、これらの金属水酸化物は、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸やステアリン酸カルシウム等の脂肪酸、又は、脂肪酸金属塩等によって表面処理されているものを用いても差し支えない。
金属水酸化物の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、150〜250質量部である。好ましくは200〜250質量部である。150質量部未満であれば難燃性が不十分となり、250質量部より多く添加すると伸び特性が著しく低下する。
(シリコーンで表面処理したオルガノクレー)
本発明の実施の形態で使用するオルガノクレーとは、例えばスメクタイトに分類される層状構造の鉱物であるクレーに、有機物を層間に挿入させたものである。有機物を挿入することにより層間隔離を容易にし、分散性を向上することが可能となる。
クレーとは、層の厚さが1nm程度のシリケートであり、アスペクト比が100〜300程度の層構造を取る。具体的には、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチープンサイト等のスメクタイトが挙げられ、より好適にはモンモリロナイトである。なお、モンモリロナイトはベントナイトの主成分であるので、本発明のクレーとしてベントナイトを使用することも可能である。
クレーの層間には、水、及びナトリウム、カリウム、カルシウム等のカチオンが存在している。本発明ではこれらの水、カチオン種を有機物でイオン交換することでオルガノクレーとする。
有機物としては、4級アミン、ポリオール、シランカップリング剤等を挙げることができる。中でも、4級アミンが好適である。
4級アミンとしては、特に限定はしないが、窒素原子と結合する4個の官能基の1つ以上に炭素数10〜20のアルキル基を持つものが好ましい。より具体的には、デシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、テトラデシルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
本実施の形態において、クレーの末端の親水性官能基の処理として使用するシリコーンとしては、主鎖がSi−O結合からなり、側鎖がアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基等からなる、粘度5〜80mm/S程度のシリコーンオリゴマーが挙げられる。表面処理量は、オルガノクレーに対して0.5〜5質量%が好ましく、1〜2質量%がより好適である。
従来技術における低分子のシランカップリング剤と異なり、一部がオルガノクレーの末端の官能基と反応することで、その他のクレーの末端基も保護し、浸水時の絶縁特性を改善することが可能となった。
シリコーンで表面処理したオルガノクレーの添加量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、1〜50質量部であり、好ましくは1〜10質量部、より好適には3〜5質量部である。1質量部未満では難燃性が不十分となり、50質量部以上では伸び特性が低下する。また、その他の難燃剤と比較して価格が高いため、添加量は可能な範囲で少ないほうが良い。これらは粉体として用いる以外にも、あらかじめ他の樹脂に高濃度で分散させたマスターバッチとして用いても良い。
(その他の添加剤)
本発明の実施の形態に係るノンハロゲン難燃性樹脂組成物には、上記の配合剤以外にも必要に応じてその他の難燃剤、酸化防止剤、金属不活性剤、架橋剤、架橋助剤、滑剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、カーボンブラック、着色剤等の添加剤を加えることが可能である。更に、有機過酸化物により架橋したり、電子線などの放射線により架橋してもよい。
その他の難燃剤としては、非晶質シリカ、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛等の亜鉛化合物等、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム等のホウ酸化合物、リン系難燃剤メラミンシアヌレート等の窒素系難燃剤、または、燃焼時に発泡する成分と固化する成分の混合物からなるインテュメッセント系難燃剤が挙げられる。これらの難燃剤を単独又は2種以上をブレンドして用いることができる。
酸化防止剤としては、特に限定はしないが、例えばフェノール系、硫黄系、アミン系、リン系の酸化防止剤が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、その種類は特に限定はしないが、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジル)-S-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)トリオン、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、より好適にはペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である。
硫黄系酸化防止剤としては、その種類は特に限定はしないが、ジドデシル3,3‘-チオジプロピオネート、ジトリデシル3,3‘-チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’-チオジプロピオネート、テトラキス[メチレン-3-(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等が挙げられ、より好適には、テトラキス[メチレン-3-(ドデシルチオ)プロピオネート]メタンである。
アミン系酸化防止剤としては、6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン、フェニル-1-ナフチレン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α、α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、p-(p-トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニルジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、1,3-ベンゼンジカルボン酸ビス[2-(1-オキソ-2-フェノキシプロピル)ヒドラジド、2',3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、3-(N-サリチロイルアミノ)-1H-1,2,4-トリアゾール、ドデカン二酸ビス[N2-(2-ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトール系亜リン酸エステル、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシル−フォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で又は2種以上をブレンドして用いることができる。
金属不活性剤は、金属イオンをキレート形成により安定化し、酸化劣化を抑制する効果がある。金属不活性剤としては、その構造は特に限定しないが、N-(2H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)サリチルアミド、ドデカン二酸ビス[N2-(2-ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、2’,3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド等が挙げられ、より好適には2’,3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジドである。
架橋剤としては、例えばジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ブチルクミルパーオキサイド、イソプロピルクミル−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
架橋助剤としては、特に限定しないが、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)や、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)の使用が望ましい。
滑剤としては、特に限定しないが、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド等が挙げられ、具体的にはステアリン酸亜鉛の使用が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上をブレンドして用いることができる。
無機充填剤としては、特に限定しないが、タルク、シリカ等が挙げられる。これらは脂肪酸、シラン等の表面処理剤で表面処理をすることも可能である。上記無機充填剤は単独で又は2種以上をブレンドして用いることができる。
カーボンブラックとしては、特に限定はしないが、ゴム用カーボンブラック(N900-N100:ASTM D 1765-01)の使用が一般的である。
着色剤としては、特に限定はしないが、ノンハロゲン用のカラーマスターバッチ等が使用できる。
〔絶縁電線〕
本発明の実施形態に係る絶縁電線は、導体と、導体の外周に被覆された、本発明の実施形態に係る上記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物からなる絶縁層とを備えたことを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る絶縁電線の一例を示す横断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る絶縁電線10は、汎用の材料、例えば、純銅や錫めっき銅等からなる導体1と、導体1の外周に被覆された絶縁層2とを備える。導体1は、図1のように1本である場合に限られず、複数本の素線を撚合せたものであってもよい。
絶縁層2は、本発明の実施の形態に係る上記のノンハロゲン難燃性樹脂組成物から構成され、電子線架橋等により架橋されている。
本実施の形態においては、絶縁体を単層で構成してもよく、また、多層構造とすることもできる。さらに、必要に応じて、セパレータ、編組等を施してもよい。
〔ケーブル〕
本発明の実施形態に係るケーブルは、本発明の実施形態に係る上記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆材料(絶縁層及び/又はシース)として使用したことを特徴とする。
図2は、本発明の実施の形態に係るケーブルの一例を示す横断面図である。
図2に示すように、本実施の形態に係るケーブル20は、導体1に絶縁層2を被覆した絶縁電線3本を紙等の介在3と共に撚り合わせた三芯撚り線と、三芯撚り線の外周に施された押え巻きテープ4と、その外周に押出被覆されたシース5とを備える。絶縁電線は単芯でもよく、三芯以外の多芯撚り線であってもよい。
絶縁層2及びシース5は、本発明の実施の形態に係る上記のノンハロゲン難燃性樹脂組成物から構成され、電子線架橋等により架橋されている。絶縁体2、シース5のどちらかだけが上記のノンハロゲン難燃性樹脂組成物から構成されていてもよいが、両方であることが好ましい。
本実施の形態においては、シースを単層で構成してもよく、また、多層構造とすることもできる。さらに、必要に応じて、セパレータ、編組、金属箔によるシールドテープ等を施してもよい。
〔本発明の実施の形態の効果〕
本発明の実施形態によれば、優れた難燃性と浸水時の絶縁抵抗性を両立することが可能、かつ引張特性に優れたノンハロゲン難燃性樹脂組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブルを得ることができる。好ましい実施形態によれば、浸水時の体積抵抗率が1011Ω・cm以上である絶縁電線及びケーブルを得ることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1の構造の絶縁電線10を下記の通りの方法で製造し、評価を行なった。
(ノンハロゲン難燃性樹脂組成物の作製)
表1及び表2に示す配合割合にしたがって各成分を配合し、加圧ニーダーによって開始温度40℃、終了温度190℃で混練後、混練物をペレットにした。用いた配合剤は、表3に示すとおりである。
(絶縁電線の製造)
65mm押出機を用いて、設定温度200℃、絶縁厚さ0.25mm、線速50m/minにて、作製したペレットを導体上に押出被覆した。押出被覆した後、電子線を照射量30kGyで照射し架橋させ、絶縁電線を製造した。導体はUL規格26AWGの錫めっき軟銅線を用いた。
(絶縁電線の評価)
製造した絶縁電線について、下記の試験・評価を行なった。表1〜2に評価結果を示す。
(1)引張試験
製造した絶縁電線について、JIS C 3005に準拠して引張試験を行なった。引張強さは、13MPa以上のものを◎(裕度を持って合格)、10MPa以上13MPa未満のものを○(合格)、10MPa未満のものを×(不合格)とした。また、伸びは、300%以上のものを◎(裕度を持って合格)、150%以上300%未満のものを○(合格)、150%未満のものを×(不合格)とした。
(2)難燃性試験
製造した絶縁電線について、UL758に準拠して電線形状での垂直燃焼試験(VW-1)を行った。判定は残炎による燃焼時間30秒未満のものを◎(裕度を持って合格)、1分未満のものを○(合格)、1分以上のものを×(不合格)とした。
(3)浸水時の絶縁性試験(体積抵抗率試験)
表1及び表2に示す配合割合にしたがって各材料を配合し、設定温度150℃のオープンロールで混練後、プレス成形機を用いて1mm厚の金型に混練物を入れ、180℃で1分間、プレスし、1mmシートを作製した。作製した1mmシートを、80℃の純水に7日間浸漬し、取出した後JIS K 6271に準拠し体積抵抗率を測定した。1×1012Ω・cm以上のものを◎(裕度を持って合格)、1×1011Ω・cm以上のものを○(合格)、1×1011Ω・cm未満のものを×(不合格)とした。
(4)総合判定
総合評価として、すべての評価が○のものを○(合格)とし、いずれかの評価で1つでも×(不合格)があれば×(不合格)とした。
Figure 2016204471
Figure 2016204471
Figure 2016204471
実施例1〜12では、引張試験、難燃性試験、浸水時の絶縁性試験のいずれの特性も良好な結果となった。
実施例1〜4では、樹脂であるEVAのVA量を変更したが、いずれも良好でVA量が高いほど伸び特性、難燃性が優れた結果となった。
実施例5〜8では、EVAのブレンド、及びEVAと他の樹脂のブレンドを実施したが、いずれも良好な結果であった。また、結晶性の樹脂を添加すると引張強さが向上するが、伸び特性は低下する傾向にあった(実施例8)。
実施例9、10では、シリコーン処理オルガノクレーの添加量を変更したが、1質量部以上であれば良好な結果であった。また、シリコーン処理オルガノクレーの添加量は規定の50質量部以下であれば特性上問題ないが、添加に伴い伸び特性、浸水時の絶縁抵抗が低下する傾向にあり、またコスト高にもなるため、難燃性を満足する最低添加量とすることが望ましい。
実施例11、12では、金属水酸化物である水酸化マグネシウムの添加量を変更したが、規定の範囲内であれば良好な結果であった。水酸化マグネシウムの添加に伴い、難燃性は向上するが、伸び、浸水時の絶縁抵抗は低下する傾向にあった。
これに対し、表2に示すように、シリコーン処理オルガノクレーが未添加の比較例1、及び金属水酸化物の添加量が規定より少ない比較例6は、難燃性が不合格となった。
シリコーン処理オルガノクレーの添加量が規定より多い比較例2、及びオルガノクレーをシラン処理したものを添加した比較例3〜5は、浸水時の絶縁抵抗が不合格となった。
特許文献1記載のシランカップリング剤は低分子量であるため、クレーの端部にOH基等の親水性官能基が複数ある場合は、これらすべてを保護することが困難であり、残存する親水性官能基が浸水時の絶縁性を低下させたと考えられる。一方、本発明においては、反応性の官能基を有するシリコーンで表面処理することで浸水時の絶縁抵抗を改善することが可能である。分子量の大きいシリコーンを処理剤として使用すると、クレー端部に残存する親水性官能基とも相互作用し、保護することが可能であるためと考えられる。
比較例2、及び金属水酸化物の添加量が規定より多い比較例7は、伸び特性が不合格となった。
なお、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず種々に変形実施が可能である。
10:絶縁電線、20:ケーブル
1:導体、2:絶縁層、3:介在、4:押え巻きテープ、5:シース

Claims (7)

  1. ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、金属水酸化物150〜250質量部及びシリコーンで表面処理したオルガノクレー1〜50質量部を含有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体が使用され、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル含有量(VA量)が20〜45質量%である請求項1に記載のノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  3. 前記オルガノクレーは、モンモリロナイトを使用したものである請求項1又は請求項2に記載のノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  4. 前記金属水酸化物は、水酸化マグネシウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載のノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  5. 導体と、前記導体の外周に被覆された、請求項1〜4のいずれか1項に記載のノンハロゲン難燃性樹脂組成物からなる絶縁層とを備えた絶縁電線。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のノンハロゲン難燃性樹脂組成物からなるシースを備えたケーブル。
  7. 請求項5に記載の絶縁電線を備えたケーブル。
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