JP2016204428A - 重合組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】保存安定性に優れ、かつ、良好な重合活性を示す重合性組成物及び該重合性組成物を用いて得られる樹脂成形体を提供すること。
【解決手段】シクロオレフィンモノマー、及びメタセシス重合触媒を含有する重合性組成物であって、前記メタセシス重合触媒が、芳香族系樹脂中に内包され、マイクロカプセル化されていることを特徴とする重合性組成物、及び重合性組成物を塊状重合させることにより得られる樹脂成形体を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】シクロオレフィンモノマー、及びメタセシス重合触媒を含有する重合性組成物であって、前記メタセシス重合触媒が、芳香族系樹脂中に内包され、マイクロカプセル化されていることを特徴とする重合性組成物、及び重合性組成物を塊状重合させることにより得られる樹脂成形体を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、保存安定性に優れ、かつ、良好な重合活性を示す重合性組成物、該重合性組成物を用いて得られる樹脂成形体、及び該重合性組成物に含まれるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒を製造する方法に関する。
近年の電子機器の小型化や通信の高速度化に伴い、電子回路基板にも小型化、多機能化が求められている。かかる回路基板は高周波領域で用いられることが多く、回路基板の絶縁層に用いる材料は、高周波における伝送ロスを極限まで軽減するため、誘電正接が小さいことが求められている。
耐熱性や電気的特性に優れる(誘電正接及び誘電率が低い)樹脂材として、シクロオレフィンモノマーを塊状重合して得られるシクロオレフィンポリマーが注目されている。例えば、特許文献1には、シクロオレフィンモノマー及びメタセシス重合触媒を含有する重合性組成物が開示されている。
しかしながら、このようなシクロオレフィンモノマー及びメタセシス重合触媒を含有する重合性組成物に含まれるメタセシス重合触媒は重合活性が高いため、保存安定性が低く、そのため、シクロオレフィンモノマーとメタセシス重合触媒とを別々に保存しておき、使用時にこれらを混合する必要があり、作業性に劣るという課題があった。
本発明は、保存安定性に優れ、かつ、良好な重合活性を示す重合性組成物、及び該重合性組成物を用いて得られる樹脂成形体を提供することを目的とする。また、本発明は、このような重合性組成物に含まれるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の製造方法を提供することも目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、シクロオレフィンモノマー、及びメタセシス重合触媒を含有する重合性組成物において、メタセシス重合触媒を、芳香族系樹脂中に内包させ、マイクロカプセル化することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、シクロオレフィンモノマー、及びメタセシス重合触媒を含有する重合性組成物であって、前記メタセシス重合触媒が、芳香族系樹脂中に内包され、マイクロカプセル化されていることを特徴とする重合性組成物が提供される。
本発明の重合性組成物において、前記メタセシス重合触媒が、ルテニウムカルベン錯体であることが好ましい。
本発明の重合性組成物において、前記芳香族系樹脂のガラス転移温度が60〜150℃であることが好ましい。
本発明の重合性組成物において、前記メタセシス重合触媒が、ルテニウムカルベン錯体であることが好ましい。
本発明の重合性組成物において、前記芳香族系樹脂のガラス転移温度が60〜150℃であることが好ましい。
また、本発明によれば、上記いずれかに記載の重合性組成物を塊状重合させることにより得られる樹脂成形体が提供される。
さらに、本発明によれば、メタセシス重合触媒が、芳香族系樹脂中に内包されたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒を製造する方法であって、前記メタセシス重合触媒と、前記芳香族系樹脂とを有機溶媒中で混合することにより、混合溶液を得る工程と、前記混合溶液を、界面活性剤を含有する溶液中に分散させて、乳化物を得る工程と、前記乳化物について、液中乾燥により乾燥を行うことで、前記有機溶媒を除去する工程と、を備えるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、メタセシス重合触媒が、芳香族系樹脂中に内包されたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒を製造する方法であって、前記メタセシス重合触媒と、前記芳香族系樹脂とを有機溶媒中で混合することにより、混合溶液を得る工程と、前記混合溶液を、界面活性剤を含有する溶液中に分散させて、乳化物を得る工程と、前記乳化物について、液中乾燥により乾燥を行うことで、前記有機溶媒を除去する工程と、を備えるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の製造方法が提供される。
本発明によれば、保存安定性に優れ、かつ、良好な重合活性を示す重合性組成物、及び該重合性組成物を用いて得られる樹脂成形体を提供することができる。また、本発明によれば、このような重合性組成物に含まれるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の製造方法を提供することもできる。
本発明の重合性組成物は、シクロオレフィンモノマー、及びメタセシス重合触媒を含有する重合性組成物であって、前記メタセシス重合触媒が、芳香族系樹脂中に内包され、マイクロカプセル化されていることを特徴とする。
(シクロオレフィンモノマー)
本発明で用いるシクロオレフィンモノマーとは、炭素原子で形成される脂環構造を有し、かつ該脂環構造中に重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物である。本明細書において「重合性の炭素−炭素二重結合」とは、連鎖重合(メタセシス開環重合)に関与する炭素−炭素二重結合をいう。
本発明で用いるシクロオレフィンモノマーとは、炭素原子で形成される脂環構造を有し、かつ該脂環構造中に重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物である。本明細書において「重合性の炭素−炭素二重結合」とは、連鎖重合(メタセシス開環重合)に関与する炭素−炭素二重結合をいう。
このようなシクロオレフィンモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、極性基を有するシクロオレフィンモノマーが挙げられる。極性基の具体例としては、特に限定されないが、水酸基、カルボキシ基(ヒドロキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基、N−置換イミド基などが挙げられる。
水酸基含有シクロオレフィンモノマーの具体例としては、2−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、4−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、2−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2,3−ジヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−(ヒドロキシエトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−(ヒドロキシエトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−(1−ヒドロキシ−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−(2−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、3−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4,8−ジエン、3−ヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4,8−ジエン、4−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−ヒドロキシメチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4,5−ジヒドロキシメチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−(ヒドロキシエトキシカルボニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−(ヒドロキシエトキシカルボニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、N−(ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等の水酸基含有シクロオレフィンモノマー等が挙げられる。
カルボキシ基含有シクロオレフィンモノマーの具体例としては、2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−カルボキシメチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−メトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−エトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−プロポキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ブトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ペンチルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ヘキシルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−シクロヘキシルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−フェノキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ナフチルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ビフェニルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ベンジルオキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−2−ヒドロキシエトキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2,3−ジヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ペンチルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ナフチルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ビフェニルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ベンジルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ヒドロキシエトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ヒドロキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、3−メチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、3−ヒドロキシメチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン、4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4,5−ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、(4−エキソ−5−エンド−4,5−ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン)、4−カルボキシメチル−4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、N−(ヒドロキシカルボニルメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルペンチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ジヒドロキシカルボニルエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ジヒドロキシカルボニルプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルフェネチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(ヒドロキシカルボニル)エチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基含有シクロオレフィンモノマーの具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸t−ブチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジメチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチルカルボン酸メチル−2−カルボン酸メチル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル、4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル等が挙げられる。
N−置換イミド基含有シクロオレフィンモノマーの具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−アダマンチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−エチルブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−ブチルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ブチルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−プロピルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−プロピルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−エチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−エチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−エチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−プロピルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−プロピルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−プロピルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(5−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−エチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−エチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−エチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルドデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルウンデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルドデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルトリデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルテトラデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルペンタデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボキシイミド、N−フェニル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボキシイミド、N−(2,4−ジメトキシフェニル)−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボキシイミド等が挙げられる。
シクロオレフィンモノマーとしては、極性基を有しないものを用いてもよく、極性基を有しないシクロオレフィンモノマーの具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(「ノルボルネン」ともいう。)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−デシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のノルボルネン類及びこれらに対応するオキサノルボルネン類;5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロペンテニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等の環外に二重結合を有するノルボルネン類及びこれらに対応するオキサノルボルネン類;ヘキサシクロヘプタデセン、12−メチルヘキサシクロヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロヘプタデセン、12−n−ブチルヘキサシクロヘプタデセン、12−n−ヘキシルヘキサシクロヘプタデセン、12−n−デシルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキシルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンチルヘキサシクロヘプタデセン、12−エチリデンヘキサシクロヘプタデセン、12−ビニルヘキサシクロヘプタデセン、12−プロペニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキセニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンテニルヘキサシクロヘプタデセン等のヘキサシクロヘプタデセン類;5−フェニルノルボルネン、5−フェニルオキサノルボルネン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン等のノルボルネン環と芳香環とを有する化合物;トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、メチルジシクロペンタジエン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン(「テトラシクロドデセン」ともいう。)、9−メチル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキシル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンチル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチリデン−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデン−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−プロペニル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキセニル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンテニル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、ペンタシクロ[9.2.1.13,9.02,10.04,8]ペンタデカ−5,12−ジエン、インデン、9−フェニル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、ペンタシクロ[9.2.1.13,9.02,10.04,8]ペンタデカ−12−エン等が挙げられる。また、シクロブテン、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン単量体(特開昭64−66216号公報);シクロヘキサジエン、メチルシクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチルシクロオクタジエン、フェニルシクロオクタジエン等の環状ジオレフィン系単量体(特開平7−258318号公報);等も挙げられる。
以上のシクロオレフィンモノマーは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタセシス重合触媒)
本発明に用いるメタセシス重合触媒は、上述したシクロオレフィンモノマーをメタセシス開環重合可能なものであれば、特に限定されない。
本発明に用いるメタセシス重合触媒は、上述したシクロオレフィンモノマーをメタセシス開環重合可能なものであれば、特に限定されない。
メタセシス重合触媒としては、遷移金属原子を中心にして、複数のイオン、原子、多原子イオン及び/又は化合物が結合してなる錯体が挙げられる。遷移金属原子としては、5族、6族及び8族(長周期型周期表、以下同じ。)の原子が使用される。それぞれの族の原子は特に限定されないが、5族の原子としては、好ましくはタンタルが挙げられ、6族の原子としては、好ましくは、モリブデン及びタングステンが挙げられ、8族の原子としては、好ましくは、ルテニウム及びオスミウムが挙げられる。
これらの中でも、8族のルテニウムやオスミウムの錯体が好ましく、ルテニウムカルベン錯体が特に好ましい。ルテニウムカルベン錯体は、塊状重合時の触媒活性に優れるため、残留未反応モノマーに由来する臭気が少ない樹脂成形体を効率的に生産することができる。また、8族のルテニウムやオスミウムの錯体は、酸素や空気中の水分に対して比較的安定であって、失活しにくいので、大気下でも樹脂成形体の生産が可能である。
ルテニウムカルベン錯体の具体例としては、以下の式(1)又は式(2)で表される錯体が挙げられる。
上記式(1)、(2)において、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい、環状又は鎖状の、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。X1及びX2は、それぞれ独立して任意のアニオン性配位子を示す。L1及びL2はそれぞれ独立して、ヘテロ原子含有カルベン化合物又はヘテロ原子含有カルベン化合物以外の中性電子供与性化合物を表す。また、R1とR2は互いに結合して、ヘテロ原子を含んでいてもよい、脂肪族環又は芳香族環を形成してもよい。さらに、R1、R2、X1、X2、L1及びL2は、任意の組合せで互いに結合して多座キレート化配位子を形成してもよい。
ヘテロ原子とは、周期表15族及び16族の原子をいう。ヘテロ原子の具体例としては、窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子、砒素原子、セレン原子などが挙げられる。これらの中でも、安定なカルベン化合物が得られる観点から、窒素原子、酸素原子、リン原子及び硫黄原子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。
ヘテロ原子含有カルベン化合物は、カルベン炭素原子の両側にヘテロ原子が隣接して結合した構造を有するものが好ましく、さらにカルベン炭素原子とその両側のヘテロ原子とを含んでヘテロ環が形成された構造を有するものがより好ましい。また、カルベン炭素原子に隣接するヘテロ原子に嵩高い置換基を有するものが好ましい。
ヘテロ原子含有カルベン化合物としては、以下の式(3)又は式(4)で示される化合物が挙げられる。
上記式(3)、(4)において、R3〜R6は、それぞれ独立して水素原子;ハロゲン原子;又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい、環状又は鎖状の、炭素数1〜20個の炭化水素基を表す。また、R3〜R6は任意の組合せで互いに結合して環を形成していてもよい。
上記式(3)、(4)で表される化合物の具体例としては、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1−シクロヘキシル−3−メシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルオクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデンなどが挙げられる。
また、上記式(3)、(4)で示される化合物のほかに、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトライソプロピルホルムアミジニリデン、1,3,4−トリフェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2,3−ジヒドロチアゾール−2−イリデンなどのヘテロ原子含有カルベン化合物も用い得る。
上記式(1)、(2)において、アニオン(陰イオン)性配位子X1とX2は、中心金属原子から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子であり、例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、ジケトネート基、置換シクロペンタジエニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基などを挙げることができる。これらの中でもハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
また、中性電子供与性化合物は、中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子であればいかなるものでもよい。その具体例としては、カルボニル類、アミン類、ピリジン類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、チオエーテル類、芳香族化合物、オレフィン類、イソシアニド類、及びチオシアネート類などが挙げられる。これらの中でも、ホスフィン類、エーテル類及びピリジン類が好ましい。
上記式(1)で表される錯体化合物としては、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(2−フェニルエチリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−フェニルエチリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)[(フェニルチオ)メチレン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、((2−(1−メチルエトキシ)フェニル)メチレン)(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ビス(3−ブロモピリジン)ルテニウムジクロリド、(3−フェニルインデン−1−イリデン)(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(2−チエニルメチレン)(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(2−チエニルメチレン)(1,3−ジメシチル−4,5−ジメチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(2−チエニルメチレン)(1,3,4−トリフェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(4,5−ジクロロ−1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(3−フェニルインデン−1−イリデン)(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(3−フェニルインデン−1−イリデン)(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ビス(ピリジン)ルテニウムジクロリド、((2−(1−アセチルエトキシ)フェニル)メチレン)(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、(フェニルチオメチレン)(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(フェニルチオメチレン)(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(エチルチオメチレン)(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、((1−アザ−2−オキソシクロペンチル)メチレン)(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、((カルバゾール−9−イル)メチレン)(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、((2−(1−メチルエトキシ)−5−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)フェニル)メチレン)(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、((2−(1−メチルエトキシ)−5−(トリフルオロアセトアミノ)フェニル)メチレン)(1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドなどの、ヘテロ原子含有カルベン化合物及びヘテロ原子含有カルベン化合物以外の中性電子供与性化合物が各々1つ結合したルテニウム錯体化合物;
ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリドなどの、ヘテロ原子含有カルベン化合物以外の2つの中性電子供与性化合物が結合したルテニウム錯体化合物;
ベンジリデンビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデンビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ルテニウムジクロリドなどの、2つのヘテロ原子含有カルベン化合物が結合したルテニウム錯体化合物;などが挙げられる。
上記式(2)で表される錯体化合物としては、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(フェニルビニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(t−ブチルビニリデン)(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリドなどが挙げられる。
これらの錯体化合物の中でも、上記式(1)で表され、かつ配位子として上記式(3)で表される化合物を1つ有するものが特に好ましい。
メタセシス重合触媒の使用量は、(触媒中の金属原子:シクロオレフィンモノマー)のモル比で、通常、1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000の範囲である。
メタセシス重合触媒は、重合活性を制御し、重合反応率を向上させる目的で活性剤(共触媒)と併用することもできる。
活性剤としては、アルミニウム、スカンジウム、スズの、アルキル化物、ハロゲン化物、アルコキシ化物及びアリールオキシ化物などを用いることができる。その具体例としては、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド、トリアルコキシスカンジウム、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニウムなどが挙げられる。
活性剤の使用量は、(触媒中の金属原子:活性剤)のモル比で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
(メタセシス重合触媒のマイクロカプセル化)
本発明の重合性組成物は、シクロオレフィンモノマー、及びメタセシス重合触媒を含有するものであるが、本発明の重合性組成物においては、メタセシス重合触媒は、芳香族系樹脂中に内包され、マイクロカプセル化された状態、すなわち、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒の状態で配合される。
本発明の重合性組成物は、シクロオレフィンモノマー、及びメタセシス重合触媒を含有するものであるが、本発明の重合性組成物においては、メタセシス重合触媒は、芳香族系樹脂中に内包され、マイクロカプセル化された状態、すなわち、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒の状態で配合される。
本発明において、メタセシス重合触媒が、芳香族系樹脂中に内包され、マイクロカプセル化された状態とは、メタセシス重合触媒が、芳香族系樹脂に混合されることで、芳香族系樹脂に実質的に内包されているような状態であり、このような状態にて、マイクロカプセル化された粒子の形態を備えるものであればよい。そして、このようなマイクロカプセル化された粒子中においては、メタセシス重合触媒は、芳香族系樹脂に混合されてなるものであるため、例えば、メタセシス重合触媒のうち一部が、マイクロカプセル化された粒子の表面に位置する場合もあるが、マイクロカプセル化された状態とは、このような状態をも含んだ概念である。
本発明においては、メタセシス重合触媒を、このようなマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の状態とすることにより、重合性組成物においてメタセシス重合触媒による反応を抑制することができ、これにより、重合性組成物を保存安定性に優れたものとすることができるものである。その一方で、重合性組成物を、メタセシス重合触媒を内包している芳香族系樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱すると、マイクロカプセル構造が崩壊し、これにより、シクロオレフィンモノマーの重合を適切に進行させることができるものである。すなわち、本発明によれば、メタセシス重合触媒を、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒の状態で配合することにより、重合性組成物を、保存安定性に優れ、かつ、良好な重合活性を示すものとすることができるものである。
本発明で用いる芳香族系樹脂としては、特に限定されないが、芳香族ビニル系樹脂又は芳香族基含有アクリル系樹脂などが挙げられるが、芳香族ビニル系樹脂が好ましい。
芳香族ビニル系樹脂としては、芳香族ビニル単量体を主成分とする重合体であれば特に限定されないが、芳香族ビニル単量体単位を50重量%以上含有するものが好ましく、芳香族ビニル単量体単位を70重量%以上含有するものがより好ましく、芳香族ビニル単量体単位の含有量が100重量%であるものが特に好ましい。
芳香族ビニル単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、エチルスチレン、ジビニルベンゼンなどを挙げることができ、これらの中でもスチレンが好ましい。これらの単量体は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
また、芳香族ビニル系樹脂としては、芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体を共重合して得られるものであってもよい。他の単量体の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸または酸無水物;メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどの不飽和カルボン酸エステル;などが例示される。
また、芳香族基含有アクリル系樹脂としては、芳香族基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分とする重合体であれば特に限定されないが、芳香族基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を50重量%以上含有するものが好ましく、芳香族基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を70重量%以上含有するものがより好ましく、芳香族基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量が100重量%であるものが特に好ましい。
芳香族基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、メタクリル酸2−(9−アントリルメトキシカルボニルアミノ)エチル)、メタクリル酸9−アントリルメチルなどが挙げられる。
また、芳香族基含有アクリル系樹脂としては、芳香族基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能な他の単量体を共重合して得られるものであってもよい。他の単量体の具体例としては、上述した芳香族ビニル系樹脂と同様のものを用いることができる。
また、本発明で用いる芳香族系樹脂としては、ガラス転移温度が60〜150℃であるものが好ましく、ガラス転移温度が70〜140℃であるものがより好ましく、ガラス転移温度が75〜130℃であるものがさらに好ましい。ガラス転移温度が低すぎると、重合性組成物の保存安定性が低下するおそれがあり、一方、ガラス転移温度が高すぎると、重合性組成物を重合させる際における反応温度が高くなってしまい、生産性が低下するおそれがある。
メタセシス重合触媒を、芳香族系樹脂中に内包させ、マイクロカプセル化させる際における、これらの配合割合は、特に限定されないが、「内包率=(メタセシス重合触媒の重量/芳香族系樹脂の重量)×100」で算出される内包率(単位は、%)が、好ましくは1〜100%、より好ましくは3〜80%、さらに好ましくは5〜60%の範囲となるような配合割合とすればよい。内包率を上記範囲とすることにより、重合性組成物の保存安定性及び重合活性をより適切に高めることができる。
なお、本発明において、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒を製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、まず、メタセシス重合触媒と、芳香族系樹脂とを有機溶媒中で混合することにより混合溶液を得て、次いで、得られた混合溶液を、界面活性剤を含有する溶液中に分散させることにより乳化物を得て、次いで、得られた乳化物から、乳化に用いた溶媒を除去する方法などが挙げられる。
メタセシス重合触媒と、芳香族系樹脂とを有機溶媒中で混合する際に用いる有機溶媒としては、メタセシス重合触媒と、芳香族系樹脂とを溶解可能な有機溶媒であればよく特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジクロロメタン、ジブロモメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
次いで、得られたメタセシス重合触媒と芳香族系樹脂とを含有する混合溶液を、界面活性剤を含有する溶液中に分散させることで乳化させ、乳化物を得る。この際に得られる乳化物は、界面活性剤を含有する溶液中に、メタセシス重合触媒と芳香族系樹脂とを含有する微細粒子が分散したものであるが、この微細粒子は、メタセシス重合触媒が、芳香族系樹脂中に内包された形態、すなわち、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒の形態となっている。
界面活性剤を含有する溶液を構成する溶媒としては、メタセシス重合触媒及び芳香族系樹脂に対して相溶性を示さない溶媒であればよく、特に限定されないが、例えば、水や、メタノール、エタノールなどのアルコール類が挙げられる。
また、界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム等のベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、テトラドデシル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルサルフェートナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェートナトリウム塩等のエトキシサルフェート塩;アルカンスルホン酸塩;アルキルエーテルリン酸エステルナトリウム塩;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等の非イオン性乳化剤;ゼラチン、無水マレイン酸−スチレン共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、重合度700以上かつケン化度75%以上のポリビニルアルコール等の水溶性高分子化合物;などが挙げられる。なお、これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
メタセシス重合触媒と芳香族系樹脂とを含有する混合溶液を、界面活性剤を含有する溶液中に分散させる方法としては、特に限定されないが、界面活性剤を含有する溶液中に、メタセシス重合触媒と芳香族系樹脂とを含有する混合溶液を滴下し、混合する方法などが挙げられる。また、混合に際しては、超音波を利用した超音波混合を用いてもよい。混合時の温度は、特に限定されないが、好ましくは0〜40℃、より好ましくは0〜20℃である。
次いで、得られた乳化物について、液中乾燥による乾燥を行うことにより、メタセシス重合触媒と芳香族系樹脂とを混合する際に用いた有機溶媒を除去する。液中乾燥による乾燥を行う際の条件としては、当該有機溶媒を十分に除去できるような条件とすればよいが、得られた乳化物を、好ましくは0〜40℃、より好ましくは10〜30℃にて、好ましくは1〜10時間、より好ましくは1〜5時間静置する方法などが挙げられる。
次いで、有機溶媒を除去した乳化物中に含まれる、乳化に使用した溶媒を除去することにより、乳化物中に含まれるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒を、微細粒子の形態で得る。乳化に使用した溶媒を除去する方法としては、特に限定されないが、例えば、有機溶媒を除去した乳化物について、遠心分離操作を行い、遠心分離後の乳化物から上澄みを除去する方法などが挙げられ、これにより、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒を微細粒子の形態にて得ることができる。また、得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の微細粒子について、必要に応じて、減圧乾燥を行ってもよい。減圧乾燥の温度は、特に限定されないが、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜60℃である。
(その他の配合剤)
本発明の重合性組成物は、上述したシクロオレフィンモノマー、及びマイクロカプセル化メタセシス重合触媒に加えて、所望により、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、及び着色料等のその他の配合剤を添加することができる。
本発明の重合性組成物は、上述したシクロオレフィンモノマー、及びマイクロカプセル化メタセシス重合触媒に加えて、所望により、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、及び着色料等のその他の配合剤を添加することができる。
充填剤としては、工業的に一般に使用されるものであれば格別な限定はなく、無機系充填剤及び有機系充填剤のいずれも用いることができるが、好適には無機系充填剤である。
無機系充填剤としては、例えば、鉄、銅、ニッケル、金、銀、アルミニウム、鉛、タングステン等の金属粒子;カーボンブラック、グラファイト、活性炭、炭素バルーン等の炭素粒子;シリカ、シリカバルーン、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化すず、酸化ベリリウム、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の無機酸化物粒子;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等の無機炭酸塩粒子;硫酸カルシウム等の無機硫酸塩粒子;タルク、クレー、マイカ、カオリン、フライアッシュ、モンモリロナイト、ケイ酸カルシウム、ガラス、ガラスバルーン等の無機ケイ酸塩粒子;チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸鉛等のチタン酸塩粒子;窒化アルミニウム、炭化ケイ素粒子やウィスカー等が挙げられる。有機系充填剤としては、例えば、木粉、デンプン、有機顔料、ポリスチレン、ナイロン、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、塩化ビニル、廃プラスチック等の化合物粒子が挙げられる。これらの充填剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
充填剤の配合量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常1〜1,000重量部、好ましくは10〜500重量部、より好ましくは100〜500重量部の範囲である。
難燃剤としては、特に限定されるものではなく、公知の難燃剤、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン−窒素系難燃剤、リン酸エステル難燃剤、窒素系難燃剤、及び無機系難燃剤から、適宜選択して用いることができる。その配合量も、所望の効果が得られるよう適宜調整すればよい。
酸化防止剤としては、特に限定されるものではなく、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤から、適宜選択して用いることができる。その配合量も、所望の効果が得られるよう適宜調整すればよい。
本発明の重合性組成物は、上記成分を混合して得ることができる。混合方法としては、特に限定されないが、シクロオレフィンモノマーに、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒、及び必要に応じて配合されるその他の配合剤を添加し、攪拌することによって調製することができる。
(樹脂成形体)
本発明の樹脂成形体は、上述した本発明の重合性組成物を塊状重合することにより得ることができる。
本発明の樹脂成形体は、上述した本発明の重合性組成物を塊状重合することにより得ることができる。
本発明の重合性組成物は、メタセシス重合触媒が、芳香族系樹脂中に内包され、マイクロカプセル化された状態にて含有されているため、塊状重合に際しては、このようなマイクロカプセル構造を崩壊させるため、重合性組成物を芳香族系樹脂のガラス転移温度以上の温度、好ましくはガラス転移温度よりも5℃高い温度、より好ましくはガラス転移温度よりも15℃高い温度に加熱する。なお、この際には、所望の形状に応じた成形型を用い、該成形型中で、重合性組成物を上記温度にて加熱して塊状重合させることにより、所望の形状を有する樹脂成形体を得ることができる。
成形型としては、特に限定されないが、例えば、雄型と雌型とで形成される金型を用いることができる。また、用いる型は、必ずしも剛性の高い高価な金型である必要はなく、金属製の型に限らず、樹脂製の型、又は単なる型枠を用いることができる。金属製の型を用いる場合の材質としては、特に限定されないが、スチール、アルミニウム、亜鉛合金、ニッケル、銅、クロム等が挙げられ、鋳造、鍛造、溶射、電鋳等のいずれの方法で製造されたものでもよく、また、メッキされたものであってもよい。型の構造は、型に重合性組成物を注入する際の圧力を勘案して決めるとよい。また、金型の型締め圧力は、通常、ゲージ圧で0.1〜9.8MPa程度である。
金型温度を調整する方法としては、例えば、ヒータによる金型温度の調整;金型内部に埋設した配管中に循環させる温調水、油等の熱媒体の温度調整;等が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の「部」は、特に断りのない限り、重量基準である。
各種の測定については、以下の方法に従って行った。
各種の測定については、以下の方法に従って行った。
(合成例1)
容器中にて、メタセシス重合触媒としての1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン[2−(イソプロポキシ)−5−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウムクロリド0.02gと、ポリスチレン(ガラス転移温度:104℃)0.06gとを、ジクロロメタン5mL中にて混合することで、メタセシス重合触媒とポリスチレンとの混合溶液を得た。また、上記とは別に、容器中にて、ポリビニルピロリドン0.5gと、ラウリン酸ナトリウム0.01gとを、イオン交換水60mL中に分散させることで、水分散液を得た。
容器中にて、メタセシス重合触媒としての1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン[2−(イソプロポキシ)−5−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウムクロリド0.02gと、ポリスチレン(ガラス転移温度:104℃)0.06gとを、ジクロロメタン5mL中にて混合することで、メタセシス重合触媒とポリスチレンとの混合溶液を得た。また、上記とは別に、容器中にて、ポリビニルピロリドン0.5gと、ラウリン酸ナトリウム0.01gとを、イオン交換水60mL中に分散させることで、水分散液を得た。
次いで、得られた水分散液を5℃に冷却し、冷却した水分散液中に、上記にて得られたメタセシス重合触媒とポリスチレンとの混合溶液を添加し、超音波混合することで、乳化物を得た。なお、超音波混合の条件は、5℃で5分間とした。そして、得られた乳化物を20℃、2時間の条件にて静置することで、液中乾燥を行い、ジクロロメタンを除去した。次いで、ジクロロメタン乳化物について、遠心分離を行い(回転数10,000rpm、10分を2回)、上澄みを除去することにより、メタセシス重合触媒がポリスチレンに内包されてなるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の微細粒子を得た。そして、得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の微細粒子を重クロロホルムに溶解し、得られた溶液について、1H−NMR測定することにより、メタセシス重合触媒に起因するピークと、ポリスチレンに起因するピークとから、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒中における内包率を、「内包率=(メタセシス重合触媒の重量/ポリスチレンの重量)×100」に従って求めた。得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の内包率は6.2%であった。
(合成例2)
容器中にて、メタセシス重合触媒としての1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン[2−(イソプロポキシ)−5−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウムクロリド0.04gと、ポリスチレン(ガラス転移温度:104℃)0.06gとを、ジクロロメタン5mL中にて混合することで、メタセシス重合触媒とポリスチレンとの混合溶液を得た。また、上記とは別に、容器中にて、ポリビニルピロリドン0.05gと、ラウリン酸ナトリウム0.01gとを、イオン交換水60mL中に分散させることで、水分散液を得た。
容器中にて、メタセシス重合触媒としての1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン[2−(イソプロポキシ)−5−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウムクロリド0.04gと、ポリスチレン(ガラス転移温度:104℃)0.06gとを、ジクロロメタン5mL中にて混合することで、メタセシス重合触媒とポリスチレンとの混合溶液を得た。また、上記とは別に、容器中にて、ポリビニルピロリドン0.05gと、ラウリン酸ナトリウム0.01gとを、イオン交換水60mL中に分散させることで、水分散液を得た。
次いで、上記にて得られた水分散液、及びメタセシス重合触媒とポリスチレンとの混合溶液を用いて、合成例1と同様にして、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒の微細粒子を得た。そして、得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の微細粒子について、合成例1と同様にして、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒中における内包率を求めた。なお、本例においては、上記合成例2の操作を、複数回行うことで、内包率の異なるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒を複数得た。得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の内包率は、20〜50%の範囲であった。
(合成例3)
容器中にて、メタセシス重合触媒としての1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン[2−(イソプロポキシ)−5−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウムクロリド0.04gと、ポリ(メタ−メチルスチレン)(ガラス転移温度:77℃)0.06gとを、ジクロロメタン5mL中にて混合することで、メタセシス重合触媒とポリ(メタ−メチルスチレン)との混合溶液を得た。また、上記とは別に、容器中にて、ポリビニルピロリドン0.05gと、ラウリン酸ナトリウム0.01gとを、イオン交換水60mL中に分散させることで、水分散液を得た。
容器中にて、メタセシス重合触媒としての1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン[2−(イソプロポキシ)−5−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウムクロリド0.04gと、ポリ(メタ−メチルスチレン)(ガラス転移温度:77℃)0.06gとを、ジクロロメタン5mL中にて混合することで、メタセシス重合触媒とポリ(メタ−メチルスチレン)との混合溶液を得た。また、上記とは別に、容器中にて、ポリビニルピロリドン0.05gと、ラウリン酸ナトリウム0.01gとを、イオン交換水60mL中に分散させることで、水分散液を得た。
次いで、上記にて得られた水分散液、及びメタセシス重合触媒とポリ(メタ−メチルスチレン)との混合溶液を用いて、合成例1と同様にして、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒の微細粒子を得た。そして、得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の微細粒子について、合成例1と同様にして、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒中における内包率を求めた。得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の内包率は42%であった。
(実施例1)
実施例1では、合成例2にて得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒のうち、内包率が28%であるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒を使用した。すなわち、合成例2にて得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒のうち、内包率が28%であるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒0.02gを、シクロオレフィンモノマーとしての5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジメチル1.3gと混合することで、重合性組成物(A1)を得た。そして、得られた重合性組成物(A1)を室温下、14時間静置した後、一部をサンプリングし、シクロオレフィンモノマーの反応率(以下、適宜、「モノマー反応率」とする。)を、1H−NMR測定(溶媒:重クロロホルム)することにより、モノマーに起因するピークと、ポリマーに起因するピークとから、「モノマー反応率=(ポリマーの重量/(ポリマーの重量+モノマーの重量))×100」に従って測定した。その結果、モノマー反応率は6.5%であった。
実施例1では、合成例2にて得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒のうち、内包率が28%であるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒を使用した。すなわち、合成例2にて得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒のうち、内包率が28%であるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒0.02gを、シクロオレフィンモノマーとしての5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジメチル1.3gと混合することで、重合性組成物(A1)を得た。そして、得られた重合性組成物(A1)を室温下、14時間静置した後、一部をサンプリングし、シクロオレフィンモノマーの反応率(以下、適宜、「モノマー反応率」とする。)を、1H−NMR測定(溶媒:重クロロホルム)することにより、モノマーに起因するピークと、ポリマーに起因するピークとから、「モノマー反応率=(ポリマーの重量/(ポリマーの重量+モノマーの重量))×100」に従って測定した。その結果、モノマー反応率は6.5%であった。
(実施例2)
実施例2においては、実施例1において、室温下、14時間静置した後の重合性組成物(A1)を用いて試験を行った。
すなわち、実施例1において、室温下、14時間静置した後の重合性組成物(A1)を60℃に加温し、これを60℃にて2時間保持した後、一部をサンプリングし、実施例1と同様にしてモノマー反応率を測定した。その結果、モノマー反応率は17.4%であった。
実施例2においては、実施例1において、室温下、14時間静置した後の重合性組成物(A1)を用いて試験を行った。
すなわち、実施例1において、室温下、14時間静置した後の重合性組成物(A1)を60℃に加温し、これを60℃にて2時間保持した後、一部をサンプリングし、実施例1と同様にしてモノマー反応率を測定した。その結果、モノマー反応率は17.4%であった。
(実施例3)
実施例3においては、実施例2において、60℃にて2時間保持した後の重合性組成物(A1)を用いて試験を行った。
すなわち、実施例2において、60℃にて2時間保持した後の重合性組成物(A1)を90℃に加温し、これを90℃にて2時間保持した後、一部をサンプリングし、上記と同様にしてモノマー反応率を測定した。その結果、モノマー反応率は17.4%であった。
実施例3においては、実施例2において、60℃にて2時間保持した後の重合性組成物(A1)を用いて試験を行った。
すなわち、実施例2において、60℃にて2時間保持した後の重合性組成物(A1)を90℃に加温し、これを90℃にて2時間保持した後、一部をサンプリングし、上記と同様にしてモノマー反応率を測定した。その結果、モノマー反応率は17.4%であった。
(実施例4)
実施例4においては、実施例3において、90℃にて2時間保持した後の重合性組成物(A1)を用いて試験を行った。
すなわち、実施例3において、90℃にて2時間保持した後の重合性組成物(A1)を120℃に加温し、これを120℃にて2時間保持した後、一部をサンプリングし、上記と同様にしてモノマー反応率を測定した。その結果、モノマー反応率は89%であった。
実施例4においては、実施例3において、90℃にて2時間保持した後の重合性組成物(A1)を用いて試験を行った。
すなわち、実施例3において、90℃にて2時間保持した後の重合性組成物(A1)を120℃に加温し、これを120℃にて2時間保持した後、一部をサンプリングし、上記と同様にしてモノマー反応率を測定した。その結果、モノマー反応率は89%であった。
(実施例5)
実施例5では、合成例2にて得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒のうち、内包率が44%であるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒を使用した。すなわち、合成例2にて得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒のうち、内包率が44%であるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒0.016gを、シクロオレフィンモノマーとしてのN−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド0.52gと混合することで、重合性組成物(A2)を得た。そして、得られた重合性組成物(A2)を室温下、20時間静置した。
実施例5では、合成例2にて得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒のうち、内包率が44%であるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒を使用した。すなわち、合成例2にて得られたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒のうち、内包率が44%であるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒0.016gを、シクロオレフィンモノマーとしてのN−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド0.52gと混合することで、重合性組成物(A2)を得た。そして、得られた重合性組成物(A2)を室温下、20時間静置した。
(実施例6)
実施例5において、室温下、14時間静置した後の重合性組成物(A2)に、さらに、シクロオレフィンモノマーとしての5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジメチル1.6gを混合することで、重合性組成物(A3)を得た。そして、得られた重合性組成物(A3)を室温下、21時間静置した後、一部をサンプリングし、実施例1と同様にしてモノマー反応率を測定した。その結果、モノマー反応率は0%であった。
実施例5において、室温下、14時間静置した後の重合性組成物(A2)に、さらに、シクロオレフィンモノマーとしての5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジメチル1.6gを混合することで、重合性組成物(A3)を得た。そして、得られた重合性組成物(A3)を室温下、21時間静置した後、一部をサンプリングし、実施例1と同様にしてモノマー反応率を測定した。その結果、モノマー反応率は0%であった。
(実施例7)
実施例7においては、実施例6において、室温下、21時間静置した後の重合性組成物(A3)を用いて試験を行った。
すなわち、実施例6において、室温下、21時間静置した後の重合性組成物(A3)を120℃に加温し、これを120℃にて2時間保持した後、一部をサンプリングし、実施例1と同様にしてモノマー反応率を測定した。その結果、モノマー反応率は69.0%であった。
実施例7においては、実施例6において、室温下、21時間静置した後の重合性組成物(A3)を用いて試験を行った。
すなわち、実施例6において、室温下、21時間静置した後の重合性組成物(A3)を120℃に加温し、これを120℃にて2時間保持した後、一部をサンプリングし、実施例1と同様にしてモノマー反応率を測定した。その結果、モノマー反応率は69.0%であった。
(比較例1)
比較例1では、メタセシス重合触媒として、マイクロカプセル化していないメタセシス重合触媒をそのまま使用した。すなわち、メタセシス重合触媒としての1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン[2−(イソプロポキシ)−5−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウムクロリド0.01gを、シクロオレフィンモノマーとしての5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジメチル0.22gと混合することで、重合性組成物(A4)を得た。そして、得られた重合性組成物(A4)を室温下、18時間静置した後、一部をサンプリングし、実施例1と同様にしてモノマー反応率を測定した。その結果、モノマー反応率は99%であった。
比較例1では、メタセシス重合触媒として、マイクロカプセル化していないメタセシス重合触媒をそのまま使用した。すなわち、メタセシス重合触媒としての1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン[2−(イソプロポキシ)−5−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)フェニル]メチレンルテニウムクロリド0.01gを、シクロオレフィンモノマーとしての5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジメチル0.22gと混合することで、重合性組成物(A4)を得た。そして、得られた重合性組成物(A4)を室温下、18時間静置した後、一部をサンプリングし、実施例1と同様にしてモノマー反応率を測定した。その結果、モノマー反応率は99%であった。
表1に示す結果からわかるように、シクロオレフィンモノマーに対して、メタセシス重合触媒を、芳香族系樹脂中に内包され、マイクロカプセル化された状態、すなわち、マイクロカプセル化メタセシス重合触媒の状態で配合することにより、得られる重合性組成物は、室温下における反応が抑制されており、保存安定性に優れるものであり、また、芳香族系樹脂のガラス転移温度よりも高い温度に加温することにより、良好な重合活性を示すものであった(実施例1〜7)。
一方、メタセシス重合触媒を、マイクロカプセル化しないで配合した場合には、室温下において、重合反応が進行してしまい、保存安定性に劣るものであった(比較例1)。
一方、メタセシス重合触媒を、マイクロカプセル化しないで配合した場合には、室温下において、重合反応が進行してしまい、保存安定性に劣るものであった(比較例1)。
Claims (5)
- シクロオレフィンモノマー、及びメタセシス重合触媒を含有する重合性組成物であって、前記メタセシス重合触媒が、芳香族系樹脂中に内包され、マイクロカプセル化されていることを特徴とする重合性組成物。
- 前記メタセシス重合触媒が、ルテニウムカルベン錯体である請求項1に記載の重合性組成物。
- 前記芳香族系樹脂のガラス転移温度が60〜150℃である請求項1又は2に記載の重合性組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の重合性組成物を塊状重合させることにより得られる樹脂成形体。
- メタセシス重合触媒が、芳香族系樹脂中に内包されたマイクロカプセル化メタセシス重合触媒を製造する方法であって、
前記メタセシス重合触媒と、前記芳香族系樹脂とを有機溶媒中で混合することにより、混合溶液を得る工程と、
前記混合溶液を、界面活性剤を含有する溶液中に分散させて、乳化物を得る工程と、
前記乳化物について、液中乾燥により乾燥を行うことで、前記有機溶媒を除去する工程と、を備えるマイクロカプセル化メタセシス重合触媒の製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020059836A (ja) * | 2018-03-29 | 2020-04-16 | 東ソー株式会社 | 触媒内包ポリビニル樹脂微粒子、該微粒子組成物、触媒内包ポリビニル樹脂微粒子及び該微粒子組成物の製造方法 |
WO2022009842A1 (ja) * | 2020-07-07 | 2022-01-13 | 株式会社巴川製紙所 | 触媒粒子 |
-
2015
- 2015-04-16 JP JP2015084162A patent/JP2016204428A/ja active Pending
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