JP2016202174A - コーティングイネ種子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、鉄コーティング湛水直播は、鉄粉でイネ種子をコーティングすることにより、土壌表面播種における種子の浮遊を抑制し、スズメによる食害を防止する技術として知られている(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、該技術は鉄粉が酸化することにより固化することを利用しているため、酸化の際に発生する熱を放散する必要がある等コーティング後のイネ種子の管理が煩わしく、また、その管理が不十分な場合には発芽率が低下するという問題があった。このような問題の解決手方としては、例えば、高けん化度のポリビニルアルコールと、酸化鉄等のコーティング資材とを用いてイネ種子をコーティングする技術が知られている(特許文献1参照)。
本発明は、鳥害を受け難く、且つ種子の浮遊及び発芽率の低下が抑制されたコーティングイネ種子を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] コーティング層を有してなるコーティングイネ種子であって、前記コーティング層が、酸化亜鉛と、界面活性剤と、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種とを含むコーティングイネ種子。
群(A):アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びブタジエン共重合体からなる群。
[2] コーティング層を有してなるコーティングイネ種子であって、前記コーティング層が、酸化亜鉛と、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種とを含み、界面活性剤が少なくとも表面に保持されてなるコーティングイネ種子。
群(A):アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びブタジエン共重合体からなる群。
[3] 前記コーティング層が、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種を含む[1]または[2]に記載のイネ種子。
群(B):酸化チタン、酸化マグネシウム、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群。
[4] 前記コーティング層が、前記群(B)より選ばれる少なくとも1種を含む第1層と、前記第1層の外側に設けられた酸化亜鉛を含む第2層とを有してなる[3]に記載のイネ種子。
[5] 酸化亜鉛と、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種とを含む、平均粒径が0.01〜150μmの範囲である粉状組成物。
群(B):酸化チタン、酸化マグネシウム、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群。
[6] 酸化亜鉛と、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種と、下記群(C)より選ばれる少なくとも1種とを含む粉状組成物。
群(B):酸化チタン、酸化マグネシウム、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群。
群(C):アクリル樹脂及び酢酸ビニル樹脂からなる群。
[7] 見掛け比重が0.30〜2.0g/mLの範囲である[5]または[6]に記載の組成物。
[8] 前記酸化亜鉛の平均粒径が0.01〜100μmの範囲である[5]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[9] 酸化亜鉛と、界面活性剤と、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種とを含む、コーティングイネ種子製造用のキット。
群(A):アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びブタジエン共重合体からなる群。
[10] 下記群(B)より選ばれる少なくとも1種を含む[9]に記載のキット。
群(B):酸化チタン、酸化マグネシウム、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群。
[11] 下記の工程を有するコーティングイネ種子の製造方法。
(1)イネ種子を転動させながら、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種の水分散液と、酸化亜鉛とを添加し、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種と、酸化亜鉛とを含むコーティング層を形成させる工程、(2)前記工程(1)で得られた種子を転動させながら、界面活性剤を添加し、前記工程(1)で形成された層の外側に界面活性剤を保持させる工程、及び(3)前記工程(2)で得られた種子を乾燥させる工程。
群(A):アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びブタジエン共重合体からなる群。
[12] 下記の工程を有するコーティングイネ種子の製造方法。
(1)イネ種子を転動させながら、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種の水分散液と、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種と、酸化亜鉛とを添加し、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種と、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種と、酸化亜鉛とを含むコーティング層を形成させる工程、(2)前記工程(1)で得られた種子を転動させながら、界面活性剤を添加し、前記工程(1)で形成された層の外側に界面活性剤を保持させる工程、及び(3)前記工程(2)で得られた種子を乾燥させる工程。
群(A):アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びブタジエン共重合体からなる群。
群(B):酸化チタン、酸化マグネシウム、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群。
[13] 下記の工程を有するコーティングイネ種子の製造方法。
(1)(I)イネ種子を転動させながら、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種の水分散液と、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種とを添加し、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種と、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種とを含むコーティング層を形成させる工程、及び(II)前記工程(I)で得られた種子を転動させながら、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種の水分散液と、酸化亜鉛とを添加し、前記工程(I)で形成された層の外側に下記群(A)より選ばれる少なくとも1種と、酸化亜鉛とを含むコーティング層を形成させる工程、(2)前記工程(1)で得られた種子を転動させながら、界面活性剤を添加し、前記工程(1)で形成された層の外側に界面活性剤を保持させる工程、並びに(3)前記工程(2)で得られた種子を乾燥させる工程。
群(A):アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びブタジエン共重合体からなる群。
群(B):酸化チタン、酸化マグネシウム、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群。
[14] [11]〜[13]のいずれかに記載の製造方法により製造されたコーティングイネ種子。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンステアリルエーテル及びポリオキシエチレントリドデシルエーテルが挙げられる。前記ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテルとしては、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルが挙げられる。前記ナフタレンスルホン酸塩及びそのホルムアルデヒド縮合物としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物が挙げられ、前記フェノールスルホン酸塩及びそのホルムアルデヒド縮合物としては、フェノールスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物が挙げられ、前記リグニンスルホン酸塩としては、リグニンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。これらの界面活性剤は市販されており、例えば、市販されているポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルとして、ソルポール5080(東邦化学工業株式会社製)が挙げられ、市販されているナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物として、ニューカルゲンPS―P(竹本油脂株式会社製)が挙げられる。
本発明においては、粉状の界面活性剤の使用が好ましく、100μm以上の大きさの粒子が2%以下の粒度分布を有する界面活性剤の使用が好ましい。本発明において界面活性剤の粒度分布とは、ふるい分け法により測定される粒度分布を意味し、100μm以上の大きさの粒子が2%以下の粒度分布を有するとは、目開き100μmのふるい上残量の全量に対する重量比率が2%以下であることを示す。界面活性剤の粒度分布は、目開き100μmのふるい(枠の直径200mm、深さ45mmの日本工業規格(JIS)Z8801−1に規定される試験用ふるい)上に界面活性剤10gをのせ、ロータップ式振とう機等のふるい分け装置により10分間ふるった後、ふるい上に残った界面活性剤の重量を計量し、次式により算出することができる。
ふるい上残量(%)=ふるい上に残った界面活性剤の重量(g)/初めにふるいにのせた界面活性剤の重量(g)×100
本イネ種子における界面活性剤の含有量は、通常0.002〜6重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。
本発明において、アクリル樹脂とは、少なくともアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルをモノマーの1つとして反応させることにより得られる高分子化合物を意味する。アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられ、メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチルが挙げられる。
酢酸ビニル樹脂とは、少なくとも酢酸ビニルをモノマーの1つとして反応させることにより得られる高分子化合物を指す。
ウレタン樹脂とはポリイソシアネートとポリオールとを反応させることにより得られる高分子化合物であり、ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族イソシアネートが挙げられ、ポリオールとしては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリエチレンアジペートグリコール及びポリブチレンアジペートグリコール等のポリエステルポリオール並びにポリブチレンカーボネートジオール及びポリヘキサメチレンカーボネートジオール等のポリカーボネートポリオールが挙げられる。
ブタジエン共重合体とは、1,3−ブタジエン(以下、ブタジエンと記す)と、これと共重合可能な少なくとも1種のモノマーとの共重合体を指す。
前記アクリル樹脂としては、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルと、芳香族ビニルモノマー、オレフィンモノマー及びシリコーンマクロマーからなる群より選ばれる少なくとも1種との共重合体が好ましい。芳香族ビニルモノマーとしてはスチレンが挙げられ、オレフィンモノマーとしてはエチレンが挙げられる。前記アクリル樹脂として、具体的には、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合体(日本合成化学工業株式会社製Mowinyl−Powder LDM7000P等)、アクリル酸アルキルエステルとスチレンとの共重合体(日本合成化学工業株式会社製モビニール6485等)、アクリル酸アルキルエステルとシリコーンマクロマーとの共重合体(日本合成化学工業株式会社製モビニール7110等)及びエチレンとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合体(三井・デュポンポリケミカル株式会社製ニュクレルN1108C等)が挙げられる。
前記酢酸ビニル樹脂としては、酢酸ビニルと、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、バーサチック酸ビニル、オレフィンモノマー、ハロゲン化オレフィンモノマー及び不飽和ジカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種との共重合体が好ましい。アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられ、メタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチルが挙げられる。オレフィンモノマーとしてはエチレンが挙げられ、ハロゲン化オレフィンモノマーとしては塩化ビニル及び塩化ビニリデンが挙げられ、不飽和ジカルボン酸としてはマレイン酸が挙げられる。前記酢酸ビニル樹脂として、具体的には、酢酸ビニルとバーサチック酸ビニルとアクリル酸アルキルエステルとの共重合体(日本合成化学工業株式会社製Mowinyl−Powder LDM2072P等)、酢酸ビニルとエチレンとの共重合体(日本合成化学工業株式会社製モビニール180E等)及びエチレンと酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体(住化ケムテックス株式会社製スミカフレックス808HQ等)が挙げられる。
前記ウレタン樹脂としては、脂肪族イソシアネートと、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種とが重合されてなるウレタン樹脂が好ましい。前記ウレタン樹脂として、具体的には、脂肪族イソシアネートとポリエステルポリオールとが重合されてなるウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製スーパーフレックス500M等)及び脂肪族イソシアネートとポリカーボネートポリオールとが重合されてなるウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製スーパーフレックス460等)が挙げられる。
前記ブタジエン共重合体としては、ブタジエンと、メタクリル酸アルキルエステル及び芳香族ビニルモノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種との共重合体が好ましい。メタクリル酸アルキルエステルとしてはメタクリル酸メチルが挙げられ、芳香族ビニルモノマーとしてはスチレンが挙げられる。前記ブタジエン共重合体として、具体的には、ブタジエンとスチレンとの共重合体(以下、ブタジエン−スチレン共重合体と記す)、ブタジエンとスチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体(以下、ブタジエン−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体と記す)、カルボキシル化されたブタジエン−スチレン共重合体(日本エイアンドエル株式会社製ナルスターSR103等)及びカルボキシル化されたブタジエン−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(日本エイアンドエル株式会社製ナルスターSR140等)が挙げられる。
本合成樹脂のガラス転移点(Tg)は通常50℃以下、好ましくは−50℃〜50℃の範囲である。また、最低造膜温度(MFT)が10℃以下である本合成樹脂の使用が好ましい。
粉状の合成樹脂は、一般的に、ラテックスを噴霧乾燥させることにより得られる。粉状の合成樹脂の粒径は、通常1000μm以下、好ましくは500μm以下である。本発明において、粉状の合成樹脂の粒径とは、ふるい分け法により測定される粒径であり、粉状の合成樹脂の全量が通過可能なふるい(枠の直径200mm、深さ45mmの日本工業規格(JIS)Z8801−1に規定される試験用ふるい)の目開きの最小値で表される。また、その形態が粉状であり、市販されている本合成樹脂としては、日本合成化学工業株式会社製Mowinyl−Powder DM2072P(酢酸ビニルとバーサチック酸ビニルとアクリル酸アルキルエステルとの共重合体)及び日本合成化学工業株式会社製Mowinyl−Powder LDM7000P(アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合体)が挙げられる。
本発明においては、粉状の本無機化合物の使用が好ましく、その平均粒径は、通常200μm以下、好ましくは150μm以下である。本発明において本無機化合物の平均粒径とは、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置で測定される粒径であり、体積基準頻度分布において累積頻度で50%となる粒径を指す。本無機化合物の平均粒径は、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置として、マスターサイザー2000(Malvern製)を用い、水中に本無機化合物の粒子を分散させて測定する方法所謂湿式測定により求めることができる。
前記群(B)より選ばれる、平均粒径が異なる2種以上の無機化合物を、本無機化合物として用いた場合、前記コーティング層はより緻密なコーティング層になる。平均粒径が異なる2種以上の無機化合物において、無機化合物は同じであってもよいし、異なっていてもよい。好ましくは、平均粒径が1〜20μmの範囲の炭酸カルシウムと、平均粒径が25〜70μmの範囲の炭酸カルシウムとを混合して用いる。
前記コーティング層が本無機化合物を含む場合、本イネ種子におけるその含有量は、通常0.5〜80重量%、好ましくは1〜70重量%、より好ましくは1〜50重量%の範囲である。
かかる殺虫活性成分としては、例えば、クロチアニジン、イミダクロプリド及びチアメトキサムが挙げられる。
かかる殺菌活性成分としては、例えば、イソチアニル及びフラメトピルが挙げられる。
かかる除草活性成分としては、例えば、イマゾスルフロン及びブロモブチドが挙げられる。
かかる植物生長調節活性成分としては、例えば、ウニコナゾールPが挙げられる。
本発明においては、粉状の農薬活性成分の使用が好ましく、必要に応じ本無機化合物と混合し、乾式粉砕機等の粉砕機を用いて粉砕して粉状農薬とすることができる。粉状農薬の平均粒径は、通常200μm以下、好ましくは150μm以下である。本発明において粉状農薬の平均粒径とは、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置で測定される粒径であり、体積基準頻度分布において累積頻度で50%となる粒径を指す。なお、粉状農薬が本無機化合物との混合物である場合の粉状農薬の平均粒径は、該混合物の平均粒径を意味する。粉状農薬の平均粒径は、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置として、マスターサイザー2000(Malvern製)を用い、水中に粉状農薬の粒子を分散させて測定する方法所謂湿式測定により求めることができる。
前記コーティング層が農薬活性成分を含む場合、本イネ種子におけるその含有量は、通常0.001〜3重量%、好ましくは0.005〜2重量%、より好ましくは0.01〜2重量%の範囲である。
本コーティング層1は、イネ種子を転動させながら、酸化亜鉛、界面活性剤及び本合成樹脂を添加する操作を行い、これらをイネ種子に付着させることにより形成される。本コーティング層2は、イネ種子を転動させながら、酸化亜鉛及び本合成樹脂を添加する操作を行い、これらをイネ種子に付着させることにより形成される。イネ種子を転動させる装置としては、コーティングマシン等の従来の鉄コーティングにおいて用いられる装置を用いることができる。酸化亜鉛、界面活性剤及び本合成樹脂は、それぞれ別々に用いるか、全部または少なくとも2種の成分を混合して用いることができる。全部の成分を混合して用いる場合、酸化亜鉛、界面活性剤及び本合成樹脂を含む粉状組成物を用いる。このとき、本合成樹脂の形態は、粉状であることが好ましい。少なくとも2種の成分を混合して用いる場合、酸化亜鉛及び界面活性剤を含む粉状組成物と、本合成樹脂とを用いるか、酸化亜鉛及び本合成樹脂を含む粉状組成物と、界面活性剤とを用いる。また、成分αを用いる場合、成分αは単独で用いることもできるし、酸化亜鉛に成分αを加えて用いることもできる。
イネ種子を転動させながら、酸化亜鉛と本合成樹脂とをそれぞれ別々に添加し、イネ種子に、本コーティング層2を形成させる。本合成樹脂が結合剤(バインダー)として作用し、イネ種子に酸化亜鉛を付着させることができる。本イネ種子としては、界面活性剤が少なくともその表面に保持されている態様が好ましく、イネ種子に本コーティング層2を形成した後、イネ種子の転動状態を維持したまま、界面活性剤を添加し、転動状態に付すことにより、本コーティング層2の外側に界面活性剤が付着し、界面活性剤を表面に保持させることができる。
また、本組成物の見掛け比重は、0.30〜2.0g/mL、好ましくは0.50〜2.0g/mL、より好ましくは0.60〜1.7g/mLの範囲である。コーティングイネ種子製造時に飛散が少ないことから、本組成物の見掛け比重は大きい方が好ましい。本発明において本組成物の見掛け比重とは、農薬公定試験法(物理性検定法、昭和35年2月3日農林省告示第71号)に規定される試験方法に準じた方法により求められる。該方法とは、内径50mmの100mLの金属製円筒容器の上に8メッシュの標準ふるい(枠の直径200mm、深さ45mmの日本工業規格(JIS)Z8801−1に規定される試験用ふるい)をおき、これに試料を入れ、ハケで軽くはき落として容器を満たす。ただちにスライドグラスを用いて余剰分をすり落として秤量し、内容物の重量を求め、次の式によって見掛け比重を算出する。ただし、ふるいと容器の上縁との距離を20cmとする。
見掛け比重(g/mL)=内容物の重量/100
・酸化亜鉛と、クレー、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む、平均粒径が0.01〜150μm、見掛け比重が0.30〜2.0g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛と、クレー、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む、平均粒径が1〜150μm、見掛け比重が0.50〜2.0g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛と、クレー、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む、平均粒径が1〜60μm、見掛け比重が0.60〜1.7g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛と、ロウ石、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む、平均粒径が0.01〜150μm、見掛け比重が0.30〜2.0g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛と、ロウ石、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む、平均粒径が1〜150μm、見掛け比重が0.50〜2.0g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛と、ロウ石、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む、平均粒径が1〜60μm、見掛け比重が0.60〜1.7g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛0.5〜30%と炭酸カルシウム70〜99.5%とを含む、平均粒径が5〜50μm、見掛け比重が0.80〜1.5g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛1〜25%と炭酸カルシウム75〜99%とを含む、平均粒径が15〜45μm、見掛け比重が1.0〜1.3g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛25%と炭酸カルシウム75%とからなる、平均粒径が21.5μm、見掛け比重が1.02g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛10%と炭酸カルシウム90%とからなる、平均粒径が30.0μm、見掛け比重が1.20g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛1%と炭酸カルシウム99%とからなる、平均粒径が41.4μm、見掛け比重が1.3g/Lである粉状組成物。
・酸化亜鉛とロウ石とを含む、平均粒径が1〜60μm、見掛け比重が0.60〜1.7g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛40〜95%とロウ石5〜60%とを含む、平均粒径が1〜15μm、見掛け比重が0.60〜1.0g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛90%とロウ石10%とからなる、平均粒径が10.3μm、見掛け比重が0.94g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛50%とロウ石50%とからなる、平均粒径が3.3μm、見掛け比重が0.66g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛10〜60%と硫酸バリウム40〜90%とを含む、平均粒径が1〜20μm、見掛け比重が0.8〜1.2g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛20%と硫酸バリウム80%とからなる、平均粒径が10.5μm、見掛け比重が1.07g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛50%と硫酸バリウム50%とからなる、平均粒径が1.6μm、見掛け比重が0.87g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛と、炭酸カルシウムと、アクリル樹脂及び酢酸ビニル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む粉状組成物。
・酸化亜鉛と炭酸カルシウムとアクリル樹脂とを含む粉状組成物。
・酸化亜鉛と炭酸カルシウムと酢酸ビニル樹脂とを含む粉状組成物。
・酸化亜鉛と炭酸カルシウムとアクリル樹脂とを含む、見掛け比重が0.60〜1.7g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛と炭酸カルシウムと酢酸ビニル樹脂とを含む、見掛け比重が0.60〜1.7g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛0.1〜5%と炭酸カルシウム90〜98%とアクリル樹脂1.9〜5%とを含む、見掛け比重が1.0〜1.5g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛1.0%と炭酸カルシウム95.2%とアクリル樹脂3.8%とからなる、平均粒径が40.1μm、見掛け比重が1.31g/mLである粉状組成物。
・酸化亜鉛4.8%と炭酸カルシウム91.4%とアクリル樹脂3.8%とからなる、平均粒径35.0μm、見掛け比重1.18g/mLである粉状組成物。
上記の例において、アクリル樹脂は、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合体であることが好ましく、酢酸ビニル樹脂は、酢酸ビニルとバーサチック酸ビニルとアクリル酸アルキルエステルとの共重合体であることが好ましい。
(1)イネ種子を転動させながら、本合成樹脂の水分散液と、酸化亜鉛とを添加し、本コーティング層2を形成させる工程、(2)前記工程(1)で得られた種子を転動させながら、界面活性剤を添加し、前記工程(1)で形成された本コーティング層2の外側に界面活性剤を保持させる工程、及び(3)前記工程(2)で得られた種子を乾燥させる工程。
本製造方法1においては、まず、浸種したイネ種子を転動させながら、本合成樹脂の水分散液と、酸化亜鉛とを添加し、本コーティング層2を形成させる工程(以下、工程1と記す)を実施する。本合成樹脂の水分散液としては、ラテックスの形態で市販されている本合成樹脂を必要に応じ水で希釈して用いることができる。工程1においては、本合成樹脂の水分散液(以下、本ラテックスと記す)を添加し、次いで酸化亜鉛を添加してもよいし、順番を逆転させても何ら差支えない。また、本ラテックス及び酸化亜鉛を同時に添加してもよい。酸化亜鉛及び本ラテックスはいずれも転動状態のイネ種子にかかるように添加する。本ラテックスは、本合成樹脂含量が通常20〜65%、好ましくは30〜60%、より好ましくは30〜40%(いずれもラテックスに対する重量%)の範囲で使用する。本ラテックスの添加方法としては、滴下及び噴霧のいずれでもよい。本ラテックス及び酸化亜鉛を添加した後は、イネ種子の転動状態を維持し、本ラテックスを結合剤としてイネ種子に酸化亜鉛を付着させる。
本製造方法1における酸化亜鉛の総添加量は、乾燥イネ種子100重量部に対して、通常5〜400重量部、好ましくは5〜200重量部、より好ましくは10〜100重量部の範囲である。植物の生育、環境への影響を考慮すると、10〜25重量部の範囲が好ましい。本合成樹脂の総添加量は、乾燥イネ種子100重量部に対して、通常0.025〜25重量部、好ましくは0.05〜8重量部、より好ましくは0.1〜4重量部の範囲である。また、本合成樹脂と酸化亜鉛との重量比は、通常1:200〜1:10、好ましくは1:100〜1:25の範囲である。
工程1において、酸化亜鉛が装置の内壁等に付着する場合は、スクレーパー等を用いて掻き落とすことにより、添加した酸化亜鉛の略全量をイネ種子に付着させることができる。
(1)イネ種子を転動させながら、本ラテックスと、本無機化合物と、酸化亜鉛とを添加し、本合成樹脂と、本無機化合物と、酸化亜鉛とを含むコーティング層を形成させる工程、(2)前記工程(1)で得られた種子を転動させながら、界面活性剤を添加し、前記工程(1)で形成された層の外側に界面活性剤を保持させる工程、及び(3)前記工程(2)で得られた種子を乾燥させる工程。
本製造方法2は、酸化亜鉛の代わりに、酸化亜鉛と本無機化合物とを含む粉状組成物(以下、粉状組成物Zと記す)を用いること以外は、本製造方法1と同様の方法である。
本製造方法2における酸化亜鉛の総添加量は、乾燥イネ種子100重量部に対して、通常0.01〜200重量部、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは0.1〜50重量部の範囲である。植物の生育、環境への影響を考慮すると、0.1〜25重量部の範囲が好ましい。本無機化合物の総添加量は、乾燥イネ種子100重量部に対して、通常1〜399.9重量部、好ましくは1〜199.9重量部、より好ましくは1〜99.9重量部の範囲である。粉状組成物Zの総添加量は、乾燥イネ種子100重量部に対して、通常5〜400重量部、好ましくは5〜200重量部、より好ましくは10〜100重量部の範囲である。本合成樹脂の総添加量は、乾燥イネ種子100重量部に対して、通常0.025〜25重量部、好ましくは0.05〜8重量部、より好ましくは0.1〜4重量部の範囲である。また、本合成樹脂と粉状組成物Zとの重量比は、通常1:200〜1:10、好ましくは1:100〜1:25の範囲である。
(1)(I)イネ種子を転動させながら、本ラテックスと、本無機化合物とを添加し、本合成樹脂と、本無機化合物とを含むコーティング層を形成させる工程、及び(II)前記工程(I)で得られた種子を転動させながら、本ラテックスと、酸化亜鉛とを添加し、前記工程(I)で形成された層の外側に本合成樹脂と、酸化亜鉛とを含むコーティング層を形成させる工程、(2)前記工程(1)で得られた種子を転動させながら、界面活性剤を添加し、前記工程(1)で形成された層の外側に界面活性剤を保持させる工程、並びに(3)前記工程(2)で得られた種子を乾燥させる工程。
本製造方法3においては、まず、浸種したイネ種子を転動させながら、本ラテックスと、本無機化合物とを添加し、本合成樹脂と、本無機化合物とを含むコーティング層を形成させる工程(以下、工程Iと記す)を実施する。工程Iは、酸化亜鉛の代わりに、本無機化合物を用いること以外は、本製造方法1の工程1と同様に実施することができる。工程Iを実施した後、工程Iで得られた種子を転動させながら、本ラテックスと、酸化亜鉛とを添加し、工程Iで形成された層の外側に本合成樹脂と、酸化亜鉛とを含むコーティング層を形成させる工程(以下、工程IIと記す)を実施する。工程IIは、本製造方法1の工程1と同様に実施することができる。
本製造方法3における本無機化合物の総添加量は、乾燥イネ種子100重量部に対して、通常5〜400重量部、好ましくは5〜200重量部、より好ましくは10〜100重量部の範囲である。酸化亜鉛の総添加量は、乾燥イネ種子100重量部に対して、通常0.01〜200重量部、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは0.1〜50重量部の範囲である。植物の生育、環境への影響を考慮すると、0.1〜25重量部の範囲が好ましい。本合成樹脂の総添加量は、乾燥イネ種子100重量部に対して、通常0.025〜25重量部、好ましくは0.05〜8重量部、より好ましくは0.1〜4重量部の範囲である。また、本合成樹脂の総添加量と、酸化亜鉛の総添加量及び本無機化合物の総添加量の合計との重量比は、通常1:200〜1:10、好ましくは1:100〜1:25の範囲である。
工程IIを実施した後は、本製造方法1の工程2以降を同様に実施すればよい。
また、播種前、播種と同時または播種後に農薬及び肥料を施用してもよい。かかる農薬としては殺菌剤、殺虫剤及び除草剤等が挙げられる。
また、製造例及び比較製造例に記載された商品名は以下の通りである。
酸化亜鉛3N5:酸化亜鉛、関東化学株式会社製、平均粒径;7.7μm
酸化亜鉛一種:酸化亜鉛、日本化学工業株式会社製、平均粒径;0.26μm
酸化亜鉛二種:酸化亜鉛、日本化学工業株式会社製、平均粒径;0.24μm
タンカル粒剤用:炭酸カルシウム、薬仙石灰株式会社製、平均粒径;6.2μm
炭酸カルシウムG−100:炭酸カルシウム、三共精粉株式会社製、平均粒径;46.0μm
SS#80:炭酸カルシウム、日東粉化工業株式会社製、平均粒径;4.6μm
重晶石:硫酸バリウム、ネオライト興産株式会社製、平均粒径;12.4μm
勝光山クレーS:ロウ石、株式会社勝光山鉱業所製、平均粒径;6.7μm
クレー粉剤用DL:ロウ石、株式会社勝光山鉱業所製、平均粒径;30.3μm
ルチルフラワー:酸化チタン、キンセイマテック株式会社製、平均粒径;14.6μm
サン・ゼオライトMGF:ゼオライト、サン・ゼオライト工業株式会社、平均粒径;116μm
酸化マグネシウム:酸化マグネシウム、和光純薬工業株式会社、平均粒径;14.9μm
DAE1K:鉄粉、DOWA IPクリエイション製
KTS−1:焼石膏、吉野石膏販売株式会社製
Mowinyl−Powder DM2072P:酢酸ビニルとバーサチック酸ビニルとアクリル酸アルキルエステルとの共重合体、Tg;14℃、合成樹脂含量;85%、日本合成化学工業株式会社製
Mowinyl−Powder LDM7000P:アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合体、Tg;8℃、合成樹脂含量;85%、日本合成化学工業株式会社製
モビニール6485:アクリル酸アルキルエステルとスチレンとの共重合体、Tg;−22℃、合成樹脂含量;55%、日本合成化学工業株式会社製
ナルスターSR140:カルボキシル化されたブタジエン−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、Tg;−12℃、合成樹脂含量;48.5%、日本エイアンドエル株式会社製
スミカフレックス808HQ:エチレンと酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体、Tg;25℃、合成樹脂含量;50%、住化ケムテックス株式会社製
スーパーフレックス500M:脂肪族イソシアネートとポリエステルポリオールとが重合されてなるウレタン樹脂、Tg;−39℃、合成樹脂含量;45%、第一工業製薬株式会社製
ソルポール5080:ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、東邦化学工業株式会社製
まず、用いるイネ種子が少量の場合にコーティング可能な簡易種子コーティングマシンを作製した。図1に示すように、シャフト1の先に500mL容量のポリエチレン製カップ2を取りつけ、それを攪拌機3(スリーワンモータ、新東科学製)のドライブシャフトに挿入し、仰角が45度になるように攪拌機3を斜めにしてスタンド4に取りつけることにより、簡易種子コーティングマシンを作製した。
次に、酸化亜鉛3N5 10.0g及びMowinyl−Powder DM2072P 0.2gを混合して粉状組成物(1)を得た。
200mL容量のポリエチレン製カップに水を100mL程度入れ、そこへ乾燥イネ種子20gを投入し、10分間浸種した。その後、イネ種子を水中から取り出し、表面の過剰な水分を除去した後、作製した簡易種子コーティングマシンに取りつけられたポリエチレン製カップ2に投入した。簡易種子コーティングマシンを攪拌機3の回転数130〜140rpmの範囲で作動させることによりイネ種子を転動させ、霧吹きで水をイネ種子に噴霧しながら粉状組成物(1)10.2gの1/4程度の量(約2.5g)を添加し、イネ種子に付着させた。粉状組成物(1)がポリエチレン製カップ2の内壁に付着する場合はスパチュラを用いて掻き落とすことにより、1回に添加した粉状組成物(1)の略全量をイネ種子に付着させた。その後、同様の操作を3回繰り返すことにより、粉状組成物(1)10.2gをイネ種子に付着させてコーティング層を形成させた。コーティングに使用した水の全量は2.7gであった。次いで、簡易種子コーティングマシンを作動させたままにしてイネ種子の転動状態を維持し、ソルポール5080 0.1gを投入し、前記コーティング層の外側に付着させた。簡易種子コーティングマシンから取り出したイネ種子をステンレス鋼製バットに重ならないよう広げ、一晩乾燥させることにより本発明のコーティングイネ種子(1)を得た。
スーパーフレックス500M 0.22g及び水0.19gを混合してスーパーフレックス500M水希釈液0.41gを得た。
以下の操作は製造例1に記載の方法に準じて行った。乾燥イネ種子20gを浸種した後、簡易種子コーティングマシンを用いて転動させ、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gの1/4程度の量(約0.1g)を、スポイトを用いてイネ種子に滴下しながら、酸化亜鉛一種1gの1/4程度の量(約0.25g)を添加し、イネ種子に付着させた。酸化亜鉛一種がポリエチレン製カップ2の内壁に付着する場合はスパチュラを用いて掻き落とすことにより、1回に添加した酸化亜鉛一種の略全量をイネ種子に付着させた。その後、同様の操作を3回繰り返すことにより、酸化亜鉛一種1gをイネ種子に付着させてコーティング層を形成させた。コーティングに使用した水の全量は0.5gであった。次いで、簡易種子コーティングマシンを作動させたままにしてイネ種子の転動状態を維持し、ソルポール5080 0.1gを投入し、前記コーティング層の外側に付着させた。簡易種子コーティングマシンから取り出したイネ種子をステンレス鋼製バットに重ならないよう広げ、一晩乾燥させることにより本発明のコーティングイネ種子(2)を得た。
スミカフレックス808HQ 0.2g及び水0.2gを混合してスミカフレックス808HQ水希釈液0.4gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のスミカフレックス808HQ水希釈液0.4gを用い、スミカフレックス808HQ水希釈液0.4g及び酸化亜鉛一種1gをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(3)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は0.4gであった。
酸化亜鉛二種5.0g、炭酸カルシウムG−100 15.0g及びMowinyl−Powder LDM7000P 0.4gを混合して粉状組成物(2)を得た。粉状組成物(2)の平均粒径は34.1μm、見掛け比重は0.96g/mLであった。
以下の操作は製造例1に記載の方法に準じて行った。粉状組成物(1)10.2gに代えて上記の粉状組成物(2)20.4gを用い、それを4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.2gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(4)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は2.8gであった。
酸化亜鉛二種0.1g、炭酸カルシウムG−100 9.9g及びMowinyl−Powder LDM7000P 0.4gを混合して粉状組成物(3)を得た。粉状組成物(3)の平均粒径は40.1μm、見掛け比重は1.31g/mLであった。
以下の操作は製造例1に記載の方法に準じて行った。粉状組成物(1)10.2gに代えて上記の粉状組成物(3)10.4gを用い、それを4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.4gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(5)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は1.1gであった。
酸化亜鉛二種0.5g、炭酸カルシウムG−100 9.5g及びMowinyl−Powder LDM7000P 0.4gを混合して粉状組成物(4)を得た。粉状組成物(4)の平均粒径は35.0μm、見掛け比重は1.18g/mLであった。
以下の操作は製造例1に記載の方法に準じて行った。粉状組成物(1)10.2gに代えて上記の粉状組成物(4)10.4gを用い、それを4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.4gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(6)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は1.6gであった。
酸化亜鉛二種0.1g、炭酸カルシウムG−100 4.9g、重晶石5.0g及びMowinyl−Powder LDM7000P 0.4gを混合して粉状組成物(5)を得た。粉状組成物(5)の平均粒径は26.0μm、見掛け比重は1.43g/mLであった。
以下の操作は製造例1に記載の方法に準じて行った。粉状組成物(1)10.2gに代えて上記の粉状組成物(5)10.4gを用い、それを4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.4gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(7)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は1.2gであった。
酸化亜鉛一種2.5g及び炭酸カルシウムG−100 7.5gを混合して粉状組成物(6)を得た。粉状組成物(6)の平均粒径は21.5μm、見掛け比重は1.02g/mLであった。
また、モビニール6485 0.36g及び水0.57gを混合してモビニール6485水希釈液0.93gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(6)10gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のモビニール6485水希釈液0.93gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(8)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は1.3gであった。
酸化亜鉛3N5 5.0g及びタンカル粒剤用5.0gを混合して粉状組成物(7)を得た。粉状組成物(7)の平均粒径は9.47μm、見掛け比重は0.97g/mLであった。
また、ナルスターSR140 0.41g及び水0.26gを混合してナルスターSR140水希釈液0.67gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(7)10gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液0.67gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(9)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は2.5gであった。
酸化亜鉛3N5 10.0g、SS#80 2.5g及び炭酸カルシウムG−100 7.5gを混合して粉状組成物(8)を得た。粉状組成物(8)の平均粒径は14.6μm、見掛け比重は1.03g/mLであった。
また、ナルスターSR140 0.82g及び水0.31gを混合してナルスターSR140水希釈液1.13gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(8)20gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液1.13gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(10)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は3.3gであった。
酸化亜鉛3N5 20.0g、SS#80 5.0g及び炭酸カルシウムG−100 15.0gを混合して粉状組成物(9)を得た。粉状組成物(9)の平均粒径は14.6μm、見掛け比重は1.03g/mLであった。
また、ナルスターSR140 1.65g及び水0.27gを混合してナルスターSR140水希釈液1.92gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(9)40gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液1.92gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(11)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は7.9gであった。
ナルスターSR140 0.82g及び水0.37gを混合してナルスターSR140水希釈液1.19gを得た。
以下の操作は製造例9に記載の方法に準じて行った。ナルスターSR140水希釈液0.67gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液1.19gを用い、それと粉状組成物(7)10gとをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(12)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は1.3gであった。
ナルスターSR140 0.41g及び水0.36gを混合してナルスターSR140水希釈液0.77gを得た。
以下の操作は製造例9に記載の方法に準じて行った。ナルスターSR140水希釈液0.67gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液0.77gを用い、それと粉状組成物(7)10gとをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.2gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(13)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は2.5gであった。
酸化亜鉛3N5 5.0g、タンカル粒剤用5.0g及びソルポール5080 0.2gを混合して粉状組成物(10)を得た。
また、ナルスターSR140 0.82g及び水0.24gを混合してナルスターSR140水希釈液1.06gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(10)10.2gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液1.06gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(14)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は1.6gであった。
酸化亜鉛3N5 8.0g及び重晶石2.0gを混合して粉状組成物(11)を得た。粉状組成物(11)の平均粒径は10.5μm、見掛け比重は1.07g/mLであった。
また、ナルスターSR140 0.41g及び水0.22gを混合してナルスターSR140水希釈液0.63gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(11)10gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液0.63gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(15)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は2.0gであった。
酸化亜鉛3N5 9.0g及び勝光山クレーS 1.0gを混合して粉状組成物(12)を得た。粉状組成物(12)の平均粒径は10.3μm、見掛け比重は0.94g/mLであった。
また、ナルスターSR140 0.41g及び水0.45gを混合してナルスターSR140水希釈液0.86gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(12)10gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液0.86gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(16)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は2.4gであった。
酸化亜鉛一種1.0g及びルチルフラワー9.0gを混合して粉状組成物(13)を得た。粉状組成物(13)の平均粒径は8.6μmであった。
また、ナルスターSR140 0.41g及び水0.47gを混合してナルスターSR140水希釈液0.89gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(13)10gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液0.89gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(17)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は1.1gであった。
酸化亜鉛二種5.0g及び重晶石5.0gを混合して粉状組成物(14)を得た。粉状組成物(14)の平均粒径は1.6μm、見掛け比重は0.87g/mLであった。
また、ナルスターSR140 0.41g及び水0.98gを混合してナルスターSR140水希釈液1.39gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(14)10gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液1.39gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(18)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は1.6gであった。
酸化亜鉛二種5.0g及びルチルフラワー5.0gを混合して粉状組成物(15)を得た。粉状組成物(15)の平均粒径は1.6μmであった。
また、ナルスターSR140 0.41g及び水0.99gを混合してナルスターSR140水希釈液1.4gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(15)10gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液1.4gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(19)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は1.7gであった。
酸化亜鉛二種5.0g及び勝光山クレーS 5.0gを混合して粉状組成物(16)を得た。粉状組成物(16)の平均粒径は3.3μm、見掛け比重は0.67g/mLであった。
ナルスターSR140 0.41g及び水0.99gを混合してナルスターSR140水希釈液1.4gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(16)10gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液1.4gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(20)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は2.24gであった。
酸化亜鉛二種5.0g及びクレー粉剤用DL 5.0gを混合して粉状組成物(17)を得た。粉状組成物(17)の平均粒径は16.9μmであった。
また、ナルスターSR140 0.41g及び水0.99gを混合してナルスターSR140水希釈液1.4gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(17)10gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液1.4gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(21)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は1.87gであった。
酸化亜鉛二種5.0g及びサン・ゼオライトMGF 5.0gを混合して粉状組成物(18)を得た。粉状組成物(18)の平均粒径は45.0μmであった。
また、ナルスターSR140 0.41g及び水1.25gを混合してナルスターSR140水希釈液1.66gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(18)10gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液1.66gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(22)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は3.29gであった。
酸化亜鉛二種5.0g及び酸化マグネシウム5.0gを混合して粉状組成物(19)を得た。粉状組成物(19)の平均粒径は5.0μmであった。
また、ナルスターSR140 0.41g及び水1.19gを混合してナルスターSR140水希釈液1.6gを得た。
以下の操作は製造例2に記載の方法に準じて行った。酸化亜鉛一種1gに代えて上記の粉状組成物(19) 10gを、スーパーフレックス500M水希釈液0.41gに代えて上記のナルスターSR140水希釈液1.6gをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行ってコーティング層を形成した後、その外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(23)を得た。また、コーティングに使用した水の全量は3.5gであった。
SS#80 2.5g及び炭酸カルシウムG−100 7.5gを混合して炭酸カルシウム混合物Aを得た。
また、ナルスターSR140 0.41g及び水0.21gを混合してナルスターSR140水希釈液0.62g(以下、希釈液Aと記す)を、ナルスターSR140 0.41g及び水0.26gを混合してナルスターSR140水希釈液0.67g(以下、希釈液Bと記す)をそれぞれ得た。
以下の操作は製造例1に記載の方法に準じて行った。乾燥イネ種子20gを浸種した後、簡易種子コーティングマシンを用いて転動させ、希釈液Aの1/4程度の量(約0.15g)を、スポイトを用いてイネ種子に滴下しながら、炭酸カルシウム混合物A 10gの1/4程度の量(約2.5g)を添加し、イネ種子に付着させた。炭酸カルシウム混合物Aがポリエチレン製カップ2の内壁に付着する場合はスパチュラを用いて掻き落とすことにより、1回に添加した炭酸カルシウム混合物Aの略全量をイネ種子に付着させた。その後、同様の操作を3回繰り返すことにより、炭酸カルシウム混合物A10gをイネ種子に付着させて炭酸カルシウムを含む第1のコーティング層(以下、第1層と記す)を形成させた。コーティングに使用した水の全量は0.9gであった。
次いで、簡易種子コーティングマシンを作動させたままにしてイネ種子の転動状態を維持し、希釈液Bの1/4程度の量(約0.17g)を、スポイトを用いてイネ種子に滴下しながら、酸化亜鉛3N5 10gの1/4程度の量(約2.5g)を添加し、第1層の外側に付着させた。酸化亜鉛3N5がポリエチレン製カップ2の内壁に付着する場合はスパチュラを用いて掻き落とすことにより、1回に添加した酸化亜鉛3N5の略全量をイネ種子に付着させた。その後、同様の操作を3回繰り返すことにより、酸化亜鉛3N5 10gを第1層の外側に付着させて、第1層の外側に、酸化亜鉛を含む第2のコーティング層(以下、第2層と記す)を形成させた。コーティングに使用した水の全量は4.8gであった。
次いで、簡易種子コーティングマシンを作動させたままにしてイネ種子の転動状態を維持し、ソルポール5080 0.1gを投入し、第2層の外側に付着させた。簡易種子コーティングマシンから取り出したイネ種子をステンレス鋼製バットに重ならないよう広げ、一晩乾燥させることにより本発明のコーティングイネ種子(24)を得た。
70.0重量部のクロチアニジン及び30.0重量部の勝光山クレーSを混合した後、遠心粉砕機で粉砕して、粉状農薬Aを得た。粉状農薬Aの平均粒径は13.0μmであった。タンカル粒剤用5.0g及び粉状農薬A 0.086gを混合して炭酸カルシウム混合物Bを得た。
また、ナルスターSR140 0.21g及び水0.35gを混合してナルスターSR140水希釈液0.56g(以下、希釈液Cと記す)を、ナルスターSR140 0.21g及び水0.35gを混合してナルスターSR140水希釈液0.56g(以下、希釈液Dと記す)をそれぞれ得た。
以下の操作は製造例24に記載の方法に準じて行った。炭酸カルシウム混合物A 10gに代えて上記の炭酸カルシウム混合物B 5.086gを、希釈液Aに代えて上記の希釈液Cをそれぞれ用い、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行い、まず第1層を形成した。コーティングに使用した水の全量は0.4gであった。
次いで、希釈液Bに代えて上記の希釈液Dを用い、酸化亜鉛3N5の量は5gにして、それらをそれぞれ4分割して添加する操作を行い、第2層を形成した。コーティングに使用した水の全量は2.4gであった。最後に、第2層の外側にソルポール5080 0.1gを付着させることにより、本発明のコーティングイネ種子(25)を得た。
70.0重量部のイソチアニル及び30.0重量部の勝光山クレーSを混合した後、遠心粉砕機で粉砕して、粉状農薬Bを得た。粉状農薬Bの平均粒径は6.8μmであった。製造例25で得られた粉状農薬A 8.73g、酸化亜鉛3N5 500.0g及び粉状農薬B 11.6gを混合して、粉状組成物(20)を得た。粉状組成物(20)の平均粒径は8.4μmであった。
また、ナルスターSR140 20.6g及び水5.0gを混合してナルスターSR140水希釈液25.6gを得た。
ポリエチレン製バケツに水約5Lを入れ、そこへ乾燥イネ種子(コシヒカリ)1kgを投入し、約10℃で2晩浸種した。その後、イネ種子を水中から取り出し、静置することによりその表面の過剰な水分を除去した後、種子コーティングマシン(KC−151、啓文社製作所製)のドラムに投入した。ドラムの傾斜角度(仰角)は45度になるように調整した。種子コーティングマシンを作動(ドラム回転数;21.9rpm)させることによりイネ種子を転動させ、ナルスターSR140水希釈液25.6gの1/4程度の量(約6.4g)を、霧吹きでイネ種子に噴霧しながら、粉状組成物(20)520.33gの1/4程度の量(約130.1g)を添加し、イネ種子に付着させた。粉状組成物(20)がドラムの内壁に付着する場合は塵取りを用いて掻き落とすことにより、1回に添加した粉状組成物(20)の略全量をイネ種子に付着させた。その後、同様の操作を3回繰り返すことにより、粉状組成物(20)520.33gをイネ種子に付着させてコーティング層を形成させた。コーティングに使用した水の全量は5.0gであった。次いで、種子コーティングマシンを作動させたままにしてイネ種子の転動状態を維持し、ソルポール5080 5.0gを投入し、前記コーティング層の外側に付着させた。種子コーティングマシンから取り出したイネ種子を苗箱に重ならないよう広げ、一晩乾燥させることにより本発明のコーティングイネ種子(26)を得た。
DAE1K 10g及びKTS−1 1gを混合して鉄混合物A 11gを得た。
以下の操作は製造例1に記載の方法に準じて行った。乾燥イネ種子20gを浸種した後、簡易種子コーティングマシンを用いて転動させ、スポイトを用いて水をイネ種子に噴霧しながら、鉄混合物A 11gの1/4程度の量(約2.8g)を添加し、イネ種子に付着させた。鉄混合物Aがポリエチレン製カップ2の内壁に付着する場合はスパチュラを用いて掻き落とすことにより、1回に添加した鉄混合物Aの略全量をイネ種子に付着させた。その後、同様の操作を3回繰り返すことにより、鉄混合物A 11gをイネ種子に付着させてコーティング層を形成させた。コーティングに使用した水の全量は1.9gであった。次いで、簡易種子コーティングマシンを作動させたままにしてイネ種子の転動状態を維持し、KTS−1 0.5gを投入し、前記コーティング層の外側に付着させた。簡易種子コーティングマシンから取り出したイネ種子をステンレス鋼製バットに重ならないよう広げ、鉄の酸化を促進させるために1日に3回該イネ種子に水を噴霧する操作を2日間行い、その後乾燥させることにより比較用のコーティングイネ種子(I)を得た。
DAE1K 500g及びKTS−1 50gを混合して鉄混合物B 550gを得た。
ポリエチレン製バケツに水約5Lを入れ、そこへ乾燥イネ種子(コシヒカリ)1kgを投入し、約10℃で2晩浸種した。その後、イネ種子を水中から取り出し、静置することによりその表面の過剰な水分を除去した後、種子コーティングマシン(KC−151、啓文社製作所製)のドラムに投入した。ドラムの傾斜角度(仰角)は45度になるように調整した。種子コーティングマシンを作動(ドラム回転数;21.9rpm)させることによりイネ種子を転動させ、霧吹きで水をイネ種子に噴霧しながら、鉄混合物B 550gの1/4程度の量(約138g)を添加し、イネ種子に付着させた。鉄混合物Bがドラムの内壁に付着する場合は塵取りを用いて掻き落とすことにより、1回に添加した鉄混合物Bの略全量をイネ種子に付着させた。その後、同様の操作を3回繰り返すことにより、鉄混合物B 550gをイネ種子に付着させてコーティング層を形成させた。コーティングに使用した水の全量は約100gであった。次いで、種子コーティングマシンを作動させたままにしてイネ種子の転動状態を維持し、KTS−1 25gを投入し、前記コーティング層の外側に付着させた。種子コーティングマシンから取り出したイネ種子を苗箱に重ならないよう広げ、鉄の酸化を促進させるために1日に3回程度該イネ種子に水を噴霧する操作を1週間程度行い、その後乾燥させることにより比較用のコーティングイネ種子(II)を得た。
プラスチックシャーレに土壌約30gを入れて、水で湿らせた後、コーティングイネ種子50粒を土壌表面に播いた。該プラスチックシャーレを屋外に静置し、タイムラプスカメラで撮影することにより該プラスチックシャーレの様子を観察するとともに、播種1日後に残存するコーティングイネ種子を計数し、以下の式より残存率を算出した。
残存率(%)=播種1日後に残存するコーティングイネ種子数/50×100
結果を表1に示す。なお、表1においてイネ種子(対照)とは、コーティングされていないイネ種子を指し、該種子はスズメ等の鳥により食害されたため、残存率が0%であった。
プラスチックシャーレに水で湿らせたガーゼを敷き、その上にコーティングイネ種子20粒を播いた。該プラスチックシャーレに蓋をして、17℃に設定された恒温機内に静置し、10日後に発芽の有無を調査し、発芽率を以下の式より算出した。
発芽率(%)=発芽した種子数/50×100
結果を表2に示す。
12.9m×100mの水田において、代掻きした後水を抜いた。一区画を0.9m×70mとし、該区画の土壌表面にコーティングイネ種子を播いた。播種は、条間を30cm、株間を18cm、一箇所当りのコーティングイネ種子の数を5〜7粒として行った。播種後、水田に水を入れた。播種13日後に、無作為に選んだ90箇所について播種した位置に苗が存在するかを確認し、苗立ち率を調査した。苗立ち率は以下の式より算出した。
苗立ち率(%)=苗が存在している箇所の数/90×100
結果を表3に示す。
3度硬水50mLを入れたシャーレに、コーティングイネ種子を10粒投入し、室温(約20℃)にて静置した。30分後にコーティングの剥離の有無を目視により観察した。
結果を表4に示す。
2 ポリエチレン製カップ
3 攪拌機
4 スタンド
Claims (14)
- コーティング層を有してなるコーティングイネ種子であって、前記コーティング層が、酸化亜鉛と、界面活性剤と、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種とを含むコーティングイネ種子。
群(A):アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びブタジエン共重合体からなる群。 - コーティング層を有してなるコーティングイネ種子であって、前記コーティング層が、酸化亜鉛と、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種とを含み、界面活性剤が少なくとも表面に保持されてなるコーティングイネ種子。
群(A):アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びブタジエン共重合体からなる群。 - 前記コーティング層が、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1または2に記載のイネ種子。
群(B):酸化チタン、酸化マグネシウム、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群。 - 前記コーティング層が、前記群(B)より選ばれる少なくとも1種を含む第1層と、前記第1層の外側に設けられた酸化亜鉛を含む第2層とを有してなる請求項3に記載のイネ種子。
- 酸化亜鉛と、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種とを含む、平均粒径が0.01〜150μmの範囲である粉状組成物。
群(B):酸化チタン、酸化マグネシウム、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群。 - 酸化亜鉛と、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種と、下記群(C)より選ばれる少なくとも1種とを含む粉状組成物。
群(B):酸化チタン、酸化マグネシウム、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群。
群(C):アクリル樹脂及び酢酸ビニル樹脂からなる群。 - 見掛け比重が0.30〜2.0g/mLの範囲である請求項5または6に記載の組成物。
- 前記酸化亜鉛の平均粒径が0.01〜100μmの範囲である請求項5〜7のいずれかに記載の組成物。
- 酸化亜鉛と、界面活性剤と、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種とを含む、コーティングイネ種子製造用のキット。
群(A):アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びブタジエン共重合体からなる群。 - 下記群(B)より選ばれる少なくとも1種を含む請求項9に記載のキット。
群(B):酸化チタン、酸化マグネシウム、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群。 - 下記の工程を有するコーティングイネ種子の製造方法。
(1)イネ種子を転動させながら、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種の水分散液と、酸化亜鉛とを添加し、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種と、酸化亜鉛とを含むコーティング層を形成させる工程、(2)前記工程(1)で得られた種子を転動させながら、界面活性剤を添加し、前記工程(1)で形成された層の外側に界面活性剤を保持させる工程、及び(3)前記工程(2)で得られた種子を乾燥させる工程。
群(A):アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びブタジエン共重合体からなる群。 - 下記の工程を有するコーティングイネ種子の製造方法。
(1)イネ種子を転動させながら、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種の水分散液と、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種と、酸化亜鉛とを添加し、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種と、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種と、酸化亜鉛とを含むコーティング層を形成させる工程、(2)前記工程(1)で得られた種子を転動させながら、界面活性剤を添加し、前記工程(1)で形成された層の外側に界面活性剤を保持させる工程、及び(3)前記工程(2)で得られた種子を乾燥させる工程。
群(A):アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びブタジエン共重合体からなる群。
群(B):酸化チタン、酸化マグネシウム、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群。 - 下記の工程を有するコーティングイネ種子の製造方法。
(1)(I)イネ種子を転動させながら、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種の水分散液と、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種とを添加し、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種と、下記群(B)より選ばれる少なくとも1種とを含むコーティング層を形成させる工程、及び(II)前記工程(I)で得られた種子を転動させながら、下記群(A)より選ばれる少なくとも1種の水分散液と、酸化亜鉛とを添加し、前記工程(I)で形成された層の外側に下記群(A)より選ばれる少なくとも1種と、酸化亜鉛とを含むコーティング層を形成させる工程、(2)前記工程(1)で得られた種子を転動させながら、界面活性剤を添加し、前記工程(1)で形成された層の外側に界面活性剤を保持させる工程、並びに(3)前記工程(2)で得られた種子を乾燥させる工程。
群(A):アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びブタジエン共重合体からなる群。
群(B):酸化チタン、酸化マグネシウム、クレー、ゼオライト、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群。 - 請求項11〜13のいずれかに記載の製造方法により製造されたコーティングイネ種子。
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