JP2014045701A - 種子被覆材、該種子被覆材で被覆した被覆材被覆種子 - Google Patents

種子被覆材、該種子被覆材で被覆した被覆材被覆種子 Download PDF

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Abstract

【課題】衝撃力による強度及び摩擦力に対する強度が十分であり、播種工程のみならず輸送工程においても鉄粉の脱落が少ない被覆が実現できる種子被覆材及び該種子被覆材を被覆した被覆材被覆種子を得る。
【解決手段】本発明に係る種子被覆材は、鉄粉を主材として含み、種子を被覆するのに用いる種子被覆材であって、厚さが100μm以下、かつアスペクト比(厚さに対する長径の比率)が2以上の片状粉末を1質量%以上含有することを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、稲種子等の種子被覆に好適な種子被覆材、該種子被覆材で被覆してなる被覆材被覆種子に関するものである。
農業従事者の高齢化、農産物流通のグローバル化に伴い、農作業の省力化や農産物生産コストの低減が解決すべき課題となっている。これらの課題を解決するために、例えば、水稲栽培においては、育苗と移植の手間を省くことを目的として、種子を圃場に直接播く直播法が普及しつつある。その中でも、種子の比重を高めるために、鉄粉を被覆した種子を用いる手法は、水田における種子の浮遊や流出を防止し、かつ鳥害を防止するというメリットがあることで注目されている。
また、鉄粉被覆により、副次的に殺菌効果が得られることも注目されている。
鉄粉を被覆した種子を用いて直播栽培法を活用するためには、輸送や播種の工程において被覆した鉄粉被膜が剥離しにくいことが求められる。鉄粉被膜が剥離すると、種子の比重が低下して前記のメリットが得られなくなるのみならず、剥離した被膜は輸送や播種の工程において、配管の目詰まりや回転機構部への噛み込みの原因となり、剥離した細かい鉄粉が粉塵を生じる原因にもなるからである。このようなことから、鉄粉被膜の剥離は極力抑制しなくてはならない。
稲種子表面に鉄粉を付着、固化させる技術としては、特許文献1に鉄粉被覆稲種子の製造法として以下のような技術が提案されている。
「稲種子に、鉄粉、並びに鉄粉に対する質量比で0.5〜2%の硫酸塩(但し、硫酸カルシウムは除く)及び/又は塩化物を加え、さらに水を添加して造粒し、水と酸素を供給して金属鉄粉の酸化反応によって生成した錆により、鉄粉を稲種子に付着、固化させた後、乾燥させることを特徴とする鉄粉被覆稲種子の製造法。」(特許文献1の請求項1参照)
特許文献1に記載の発明においては、稲種子が動力散布機や播種機を用いて播種されるため、機械的衝撃によって崩壊しない程度の強度特性が必要であることから、製造されたコーティング稲種子について、コーティングの崩壊程度の測定法(以下、コーティングの崩壊試験という)、すなわち1.3mの高さから厚さ3mmの鋼板に5回落下させ、機械的衝撃を与える方法で測定して、コーティングに実用的な強度が得られていることを確認している。
なお、特許文献1においては、特に鉄粉粒度分布に着目はされていないが、以下の表1に示す粒度分布を有する鉄粉をコーティングに使用した場合には、上記の鉄粉被覆稲種子の崩壊試験において、いずれも実用的な衝撃強度を維持できるとしている。
特許第4441645号公報
鉄粉被膜の付着強度に関し、特許文献1においては、特に播種工程における落下による衝撃に起因した鉄粉被覆の崩壊について検討されている。そのため、強度試験として、1.3mの高さから厚さ3mmの鋼板に5回落下させて機械的衝撃を与えるという崩壊試験が行われている。
しかしながら、稲種子は播種工程のみならず、輸送工程においても機械的な外力を受けることは前述の通りである。そして、輸送工程において稲種子が受ける機械的外力は、落下による衝撃の他、種子間もしくは種子と容器間で生じる滑りや転がりの摩擦力である。
落下による衝撃を受けた場合、鉄粉被覆は割れによって剥離するが、摩擦力を受けた場合には、磨り減りにより徐々に剥離するという形態をとる。
したがって、鉄粉被覆を播種工程のみならず輸送工程での鉄粉被膜の剥離を防止するには、衝撃力に対する強度及び摩擦力に対する強度を有する被覆が必要となる。
しかしながら、従来の鉄粉被覆では衝撃力に対する強度及び摩擦力に対する強度が十分とは言えない。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、衝撃力による強度及び摩擦力に対する強度が十分であり、播種工程のみならず輸送工程においても鉄粉の脱落が少ない被覆が実現できる種子被覆材及び該種子被覆材を被覆した被覆材被覆種子を得ることを目的としている。
(1)本発明に係る種子被覆材は、鉄粉を主材として含み、種子を被覆するのに用いる種子被覆材であって、厚さが100μm以下、かつアスペクト比(厚さに対する長径の比率)が2以上の片状粉末を1質量%以上含有することを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記片状粉末が、ケイ素、鉄、マグネシウム、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、アルミニウム、から選んだ少なくとも一種の元素を含む金属粉末であることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記片状粉末が非金属粉末であることを特徴とするものである。
(4)また、上記(3)に記載のものにおいて、前記非金属粉末が酸化鉄、アルミナ、ケイ酸カルシウム、シリカ、黒鉛から選んだ少なくとも一種を含む片状粉末であることを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(4)に記載のものにおいて、前記鉄粉における金属鉄の含有比率が30.0質量%以上99.0質量%以下であることを特徴とするものである。
(6)また、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、流動度が40(sec/50g)以下であることを特徴とするものである。
(7)また、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、安息角が45度以下であることを特徴とするものである。
(8)また、上記(1)乃至(7)のいずれかに記載のものにおいて、平均粒径が1〜150μmである結合材を含むことを特徴とするものである。
(9)また、上記(8)に記載のものにおいて、前記結合材は、硫酸塩及び/又は塩化物を含むことを特徴とするものである。
(10)また、上記(1)乃至(9)のいずれかに記載のものにおいて、前記鉄粉が還元法もしくはアトマイズ法で製造されていることを特徴とするものである。
(11)本発明に係る被覆材被覆種子は、上記(1)乃至(10)のいずれかに記載の種子被覆材を被覆してなることを特徴とするものである。
(12)また、上記(11)に記載のものにおいて、種子が稲種子であることを特徴とするものである。
本発明に係る種子被覆材は、鉄粉を含むと共に、厚さが100μm以下、かつアスペクト比(厚さに対する長径の比率)が2以上の片状粉末を1質量%以上含有するので、種子表面への強い付着が期待でき、もって強固な被膜の形成が可能となり、播種工程のみならず輸送工程においても鉄粉の脱落が少ない被覆が実現できる。
これによって、農作業の省力化や農産物生産コストの低減が可能となる。
本発明の一実施の形態に係る片状粉末のアスペクト比を説明する説明図である。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る種子被覆材は、種子を被覆するのに用いる種子被覆材であって、主材として鉄粉を含み、かつ厚さが100μm以下、かつアスペクト比(厚さに対する長径の比率)が2以上の片状粉末を1質量%以上含有することを特徴とするものである。
以下、構成要件を詳細に説明する。
<主材としての鉄粉>
主材としての鉄粉の粒径は、例えば平均粒子径が80μm前後のものを用いるのが好ましい。
本実施の形態における主材としての鉄粉の製造方法としては、ミルスケールを還元して製造する還元法や溶鋼を水アトマイズして製造するアトマイズ法などが例示される。
<片状粉末>
片状粉末を種子被覆材に含有させた目的は、被覆過程において、片状粉末が種子の表面に生えている毛に絡まって付着力を増すこと、及び種子の表面の微細な凹凸に片状粉末が入り込み強固な付着を期待できるからである。
また、片状粉末は種子被覆後に、主材である鉄粉が錆び種子被覆材が殻を形成した際に、鉄粉どうしを繋ぐ補強材として機能し、殻の衝撃強度及び摩擦強度を向上させることが期待できる。
片状粉末の厚さを100μm以下としたのは、片状粉末の粒子が大きすぎると、付着力よりも片状粉末に作用する重力が過大となり、付着した片状粉末が落下しやすく、その結果として付着しにくくなるからである。
また、片状粉末の厚さが100μmを超えると、種子被覆材(平均粒子径:80μm前後)と均一な混合ができにくくなり、上記の効果を期待できなくなる。
本実施の形態の片状粉末は、片状粉末のアスペクト比(厚さに対する長径の比率)が2以上である。
片状粉末のアスペクト比を2以上としたのは、種子と片状粉末との接触面積を増大させて、効果的に付着力を作用させるためである。より好ましいアスペクト比は4以上である。
つまり、片状粉末は、種子を被覆する際には、長径及び短径からなる面が種子表面に対面するように配置されるので、アスペクト比を大きくすることで、種子表面との接触面積を増大させることができるのである。
また、片状粉末の含有率を1mass%以上としたのは、含有率が1mass%未満では、片状粉末の添加効果が明確に現れないからである。この点は、後述する実施例1において実証している。また、鉄粉の錆による強固な被覆を形成させる観点から、片状粉末の含有率は70mass%以下が好ましい。
なお、本発明における片状粉末のアスペクト比は以下のように定義する。
片状粉末からランダムに選択した100個以上の粒子に対して、走査型電子顕微鏡で片状粉末の各粒子の外形を観察し、図1に示す粒子1の長径と厚さを計測し、個々の粒子1のアスペクト比を計算する。個々の粒子のアスペクト比にはばらつきがあるので、その平均値をもって片状粉末のアスペクト比を定義する。
また、本発明においては、上述したように、片状粉末の厚さを100μm以下にしているが、「片状粉末の厚さ」は以下のように定義する。
上記と同様に片状粉末からランダムに選択した100個以上の粒子に対して、走査型電子顕微鏡で片状粉末の各粒子の外形を観察し、個々の粒子の厚さを測定してその平均値とする。
本発明の片状粉末の一形態として針状粉末を挙げることができる。針状粉末とは、形状が細い針状あるいは棒状の粒子からなる粉末であり、添加により繊維のように殻の強度を向上させる効果が期待できる。もっとも、付着力の観点からは、片状粉末の態様として、針状のものよりも図1に示すように、扁平状のものの方が効果が大きい。
ここで言う、扁平状とは、長径に対する短径の長さが0.2倍以上のものをいう。
片状粉末が鉄粉であってもよいが、片状粉末は、鉄粉が主材となる種子被覆材の被膜を補強することが目的なので鉄粉である必要はなく、鉄の他、ケイ素、マグネシウム、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、アルミニウム、から選んだ少なくとも一種の元素を含むものであればよい。
上記の片状粉末は、市販品を適用してもよいし、既知の方法によって球形粒子から調製もすることができる。例えば、微細な原料粉末を、ボールミル、スタンプミル、アトリクションミルなどを用いて、機械的に処理することで、片状粉末を製造可能である。
また、片状粉末は、非金属粉末としてもよい。非金属であれば、被覆後の鉄粉の酸化発熱を緩和し、種子への悪影響を抑制できる。
非金属粉末は、酸化鉄、アルミナ、ケイ酸カルシウム、シリカ、黒鉛から選んだ少なくとも一種を含む粉末であればよい。
上記の非金属粉末の具体例としては、鱗片状酸化鉄(AM−200、チタン工業製)、板状アルミナ(セラフ、キンセイマテック製)、花弁状ケイ酸カルシウム(フローライト、トクヤマ製)、鱗片状シリカ(サンラブリー、AGCエスアイテック製)、鱗状黒鉛粉末(J-CPB、日本黒鉛)などが挙げられる。また、酸化鉄・シリカ・アルミナ複合物の片状粉としては
などが挙げられる。
上記のような種子被覆材で種子を被覆する方法に制限はない。
例えば「鉄コーティング湛水直播マニュアル2010(独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター 編)」に示されているように、手作業での被覆(コーティング)をはじめ、従来から公知の混合機を用いる方法等いずれを使用してもよい。
混合機としては、例えば、攪拌翼型ミキサー(たとえばヘンシェルミキサー等)や容器回転型ミキサー(たとえばV型ミキサー,ダブルコーンミキサー、傾斜回転型パン型混合機、回転クワ型混合機等)が使用できる。
また、上記の鉄コーティング湛水直播マニュアル2010に示されているように、種子被覆材によるコーティングに際しては焼石膏などの結合剤を使用することもできる。
種子被覆材による種子被覆の具体的な方法としては、種子被覆材と結合材と種子を上記の混合機中に投入して、水スプレーしながら混合機を回転させるようにすればよい。
上記のようにして種子被覆材で被覆された種子が本発明の種子被覆材で被覆された種子であり、被覆される種子としてはその代表的なものが稲種子であるが、その他の種子として例えば麦、ニンジン、トマト、大豆、トウモロコシなどの種子が挙げられる。
本実施の形態の種子被覆材であれば、被覆過程においても、強固な殻が形成され、片状粉が補強作用を有するので、強固な被覆となる。
[実施の形態2]
本実施の形態2に係る種子被覆材は、実施の形態1における種子被覆材の主材となる鉄粉における金属鉄の含有比率が30.0質量%以上99.0質量%以下であることを特徴とするものである。
以下、粒子形状と金属鉄の含有比率を上記のように規定した理由を説明する。
金属鉄の含有比率を30.0質量%以上にしたのは、発生錆び量を多くして鉄粉による被覆強度を確保するためである。この観点から、金属鉄の含有比率が30.0質量%未満では、発生錆び量が十分とは言えず、鉄粉の錆びによる被覆強度を十分に確保できない可能性がある。
また、金属鉄の含有比率を99.0質量%以下にしたのは、金属鉄の含有比率が99.0質量%超では、錆び発生時の酸化反応が急激に進行し、その際の発熱量が大きく種子に対してダメージを与え、発芽率が低下する可能性があるからである。
種子被覆材の金属鉄の含有比率の制御は以下のように行う。
鉄粉のアトマイズ工程における雰囲気中の酸素濃度、還元鉄粉製造工程中の雰囲気酸素濃度、さらには、アトマイズ鉄粉や還元鉄粉を仕上げ熱処理する際の酸素濃度や水素濃度を制御することによって、鉄粉の酸化度を制御し、ひいては鉄粉中の金属鉄の含有比率を制御することができる。
本実施の形態の種子被覆材によれば、実施の形態1の種子被覆材よりもさらに、播種工程のみならず輸送工程においても鉄粉の脱落が少ない被覆が実現でき、また種子間における被覆のばらつきを防止して安定した被覆を実現できる。
なお、本実施の形態に係る種子被覆材の上記効果は後述する実施例2において確認している。
[実施の形態3]
本実施の形態3に係る種子被覆材は、種子を被覆するのに用いる種子被覆材であって、主材として鉄粉を含み、厚さが100μm以下、かつアスペクト比(厚さに対する長径の比率)が2以上の片状粉末を1質量%以上含むと共に、流動度が40(sec/50g)以下であることを特徴とするものである。
主材としての鉄粉を含有することや、片状粉末の形状及び含有率は実施の形態1と同様なので、以下においては本実施の形態の特徴である流動度を規定した理由について説明する。
<流動度>
本実施の形態に係る種子被覆材の流動度は40(sec/50g)以下に設定されている。流動度は、金属の流動性を評価する方法として、JIS Z2502:2000に規定されたものである。
JIS Z2502:2000によると、流動計は、漏斗、漏斗支持器、支持棒及び支持台から構成され、各寸漏斗の形状、寸法は規定されている。105±5℃で乾燥した金属粉末50gを漏斗に移し、漏斗下部のオリフィスを開いて、オリフィスを開いた瞬間から最後の粉末がオリフィスを離れるまでの時間を測定する。上記の時間が短い程、流動性が良好であると評価する。流動度の定義は、50gの粉体が上記のオリフィス通過に要した時間(sec)であり単位は(sec/50g)である。
種子被覆材の流動度を40(sec/50g)以下に設定した理由は、種子間における種子被覆材の被覆のばらつきを少なくするためである。被覆のばらつきと流動度の関係を以下に説明する。
種子に種子被覆材を被覆する方法として、種子被覆材と焼石膏(硫酸カルシウム水和物)と種子を回転容器中に投入して、水スプレーしながら種子表面に鉄粉と石膏をコーティングする。このような工程で、種子被覆材の流動度が大きいと付着ムラが発生して種子間における種子被覆材の被覆のばらつきが大きくなる。逆に種子被覆材の流動度が小さいと、付着ムラが生じず、種子間の被覆のばらつきが小さくなる。
種子被覆材の流動度の制御方法は以下のように行う。
種子被覆材の流動度は、主材としての鉄粉の流動度に支配されるので、以下においては鉄粉の流動度の制御方法を説明する。
鉄粉の粒度分布や粒子形状は流動度に大きな影響を与える。そのため、例えば、水アトマイズ鉄粉について流動度を制御するには、ノズルから落下させる溶鋼流の流速および直径、噴霧水の流量、流速および噴霧角度によって鉄粉の粒度分布や粒子形状を制御し、その結果として流動度を制御することができる。
また、還元鉄粉については、還元前の原料酸化鉄や還元後の製品の粉砕方法を選択することによって鉄粉の粒度分布や粒子形状を制御することができ、その結果として鉄粉の流動度を制御することができる。
本実施の形態の種子被覆材によれば、播種工程のみならず輸送工程においても鉄粉の脱落が少ない被覆が実現でき、また種子間における被覆のばらつきを防止して安定した被覆を実現できる。
なお、本実施の形態に係る種子被覆材の上記効果は後述する実施例3において確認している。
[実施の形態4]
本実施の形態4に係る種子被覆材は、種子を被覆するのに用いる種子被覆材であって、主材として鉄粉を含み、厚さが100μm以下、かつアスペクト比(厚さに対する長径の比率)が2以上の片状粉末を1質量%以上含むと共に、安息角が45度以下であることを特徴とするものである。
主材としての鉄粉を含有することや、片状粉末の形状及び含有率は実施の形態1と同様なので、以下においては本実施の形態の特徴である安息角を規定した理由について説明する。
<安息角>
本実施の形態に係る種子被覆材の安息角は45度以下に設定されている。
安息角は、種子被覆材を積み上げたときに自発的に崩れることなく安定を保つ斜面の角度であり、流動性が高いほど安息角は小さくなる。種子被覆材の安息角を45度以下に設定した理由は、種子間における種子被覆材の被覆のばらつきを少なくするためである。
被覆のばらつきと安息角の関係を以下に説明する。
種子に種子被覆材を被覆する方法として、種子被覆材と焼石膏(硫酸カルシウム水和物)と種子を回転容器中に投入して、水スプレーしながら種子表面に鉄粉と石膏をコーティングする。このような工程で、種子被覆材の安息角が大きく流動性が低いと付着ムラが発生して種子間における種子被覆材の被覆のばらつきが大きくなる。逆に種子被覆材の安息角が小さく流動性が高いと付着ムラが生じず、種子間の被覆のばらつきが小さくなる。
種子被覆材の安息角の制御方法は以下のように行う。
種子被覆材の安息角は、主材としての鉄粉の安息角に支配されるので、以下においては鉄粉の安息角の制御方法を説明する。
鉄粉の粒度分布や粒子形状は安息角に大きな影響を与える。そのため、例えば、水アトマイズ鉄粉について安息角を制御するには、ノズルから落下させる溶鋼流の流速および直径、噴霧水の流量、流速および噴霧角度によって鉄粉の粒度分布や粒子形状を制御し、その結果として鉄粉の安息角を制御することができる。
また、還元鉄粉については、還元前の原料酸化鉄や還元後の製品の粉砕方法を選択することによって鉄粉の粒度分布や粒子形状を制御することができ、その結果として鉄粉の安息角を制御することができる。
本実施の形態の種子被覆材によれば、播種工程のみならず輸送工程においても鉄粉の脱落が少ない被覆が実現でき、また種子間における被覆のばらつきを防止して安定した被覆を実現できる。なお、本実施の形態に係る種子被覆材の上記効果は後述する実施例4において確認している。
[実施の形態5]
本実施の形態5に係る種子被覆材は、主材として鉄粉を含み、厚さが100μm以下、かつアスペクト比(厚さに対する長径の比率)が2以上の片状粉末を1質量%以上含むと共に、平均粒径が1〜150μmである結合材を含むことを特徴とするものである。
主材としての鉄粉を含有することや、片状粉末の形状及び含有率は実施の形態1と同様なので、以下においては本実施の形態の特徴である平均粒径が1〜150μmである結合材を含む点について説明する。
<結合材>
結合材は、硫酸塩及び/又は塩化物から構成される。硫酸塩とは、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム及びこれらの水和物である。また、塩化物とは、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及びこれらの水和物である。
結合材の種子被覆材の全体に含有される質量比率は、0.1〜80質量%が好ましい。結合材の含有比率が0.1質量%以上であれば被膜の強度が低下することがなく、実用に適するからである。
また、結合材の含有比率が80質量%以下であれば、結合材が凝集することがなく作業性が低下しないばかりでなく、本来の目的である被覆種子の比重を高める効果が得られるからである。
なお、結合材の種子被覆材の全体に含有される質量比率のより好ましい範囲としては、0.5〜35質量%である。この範囲にすることで、被覆の強度を高くして、かつ結合材の凝集を防止するのにより好ましいからである。
結合材の平均粒径は、1〜150μmとする。結合材の平均粒径が1μm未満では、被覆作業時に発生する凝集粒子が多くなり作業性が著しく低下するからである。一方、結合材の平均粒径が150μmを超えると、種子被覆材の付着力が低下しコーティング被膜の強度が低下するからである。
なお、本実施の形態に係る種子被覆材の上記効果は後述する実施例5において確認している。
実施の形態1に係る種子被覆材の効果を確認するために、発明例1〜7に示す鉄からなる片状粉末(表2参照)を鉄粉に添加して、稲種子の被覆を行った。
また、比較例として、本発明の適正範囲を外れる片状粉末を添加した比較例1〜3を用いて稲種子の被覆を行った。
鉄粉の被覆(コーティング)は、前述した「鉄コーティング湛水直播マニュアル2010」に記載された方法に準じて行った。具体的には以下の通りである。
はじめに種籾と焼石膏と片状粉末と還元鉄粉およびアトマイズ鉄粉を準備した。還元鉄粉の平均粒子径(D50)は70μm、アトマイズ鉄粉の平均粒子径(D50)は85μmであった。
鉄粉と片状粉末を容器回転型ミキサーを用いて予備混合した。
次に、傾斜回転型パン型混合機を用いて、適量の水を噴霧しながら種子(種籾)100gに対して鉄粉50gと5gの焼石膏をコーティングし、さらに2.5gの焼石膏を仕上げにコーティングした。
鉄粉を被覆(コーティング)された種子の転がり摩擦や滑り摩擦に対するコーティング被膜の強度評価方法は確立されていない。
そこで、JPMA P 11−1192 「金属圧粉体のラトラ値測定方法」に記載された試験方法に準じて被膜強度を調査した。なお、本試験方法をラトラ試験と称することとする。
ラトラ試験においては、鉄粉をコーティングした種子20±0.05gをラトラ試験器のかごに封入し、そのかごを回転速度87±10rpmで1000回、回転させた。
この方法によれば、かご内で種子が転がりながら流動することによって種子間および種子とかご容器内面との間で、転がりや滑りの摩擦力が負荷される。
したがって、本方法を適用すれば、転がり摩擦力と滑り摩擦力が複合的に負荷された場合の、コーティング被膜の強度を評価することができる。
表2に鉄粉の粒度分布とラトラ試験での重量減少率を示す。なお、重量減少率は以下の計算式から求めた。
重量減少率=(ラトラ試験で剥離した被膜の質量)/(試験前の種子質量)×100(%)
したがって、重量減少率が小さいほど、被膜の強度が高いと判定することができる。
表2に示されるように、発明例1〜7に記載のものは全て、「片状粉末の厚さが100μm以下、かつアスペクト比(厚さに対する長径の比率)が2以上で、含有量が1.0mass%以上」という本発明の範囲内であり、ラトラ試験での重量減少率が4.7%以下となっている。
他方、片状粉末の厚みが150μmの比較例1はラトラ試験での重量減少率が6.5%、アスペクト比が1.2の比較例2は重量減少率が5.5%、片状粉末の含有率が0.3%の比較例3は重量減少率が5.4%となっており、いずれも重量減少率が5.4%以上である。
このことから、片状粉末の形状と含有率を本発明の範囲内にすることで、重量減少率を大幅に抑制できることが実証された。
なお、表2において比較例1〜3における本発明の範囲を外れる数字には下線を付してある。
なお、片状粉末は鉄以外であっても同様の効果を確認するため、片状粉末を鉄以外のもので構成した場合について、上記と同様の実験を行った。
表3に示されるように、発明例8〜13はいずれも「片状粉末の厚さが100μm以下、かつアスペクト比(厚さに対する長径の比率)が2以上で、含有量が1.0mass%以上」という本発明の範囲内であり、ラトラ試験での重量減少率が4.2%以下となっている。
また、片状粉末は、非金属粉末であっても同様の効果を奏する点を確認するため上記と同様の実験を行った。
片状粉末の種類と、粒子径等、及びラトラ試験での重量減少率(%)を表4に示す。
表4に示されるように、発明例14〜21はいずれも「片状粉末の厚さが100μm以下、かつアスペクト比(厚さに対する長径の比率)が2以上で、含有量が1.0mass%以上」という本発明の範囲内であり、ラトラ試験での重量減少率が4.7%以下となっている。
このように、片状粉末として非金属粉末を用いた場合においても、片状粉末の厚さ、アスペクト比及び含有量が本発明範囲内のものでは、ラトラ試験での重量減少率を低く抑えることができることが実証された。
これに対して、非金属粉末として酸化鉄を用い、かつ含有率を0.5mass%とした場合には重量減少率が5.2%であった。
また、非金属粉末として酸化鉄を用い、かつアスペクト比を1.0とした場合には重量減少率が5.1%であった。
さらに、非金属粉末として黒鉛を用い、厚みを120μmとした場合には重量減少率が6.3%であった。
このように、片状粉末として非金属粉末を用いた場合においても、片状粉末の厚さ、アスペクト比及び含有量が本発明範囲を外れるものでは、ラトラ試験での重量減少率が高くなっている。
次に、実施の形態2に係る種子被覆材の金属鉄含有比率を所定値に規定した効果を確認する実験を行ったので、これについて説明する。
発明例22〜26の種子被覆材として、平均粒子径(D50)が70μmの還元鉄粉(金属鉄含有比率が30.0質量%〜99.0質量%)に、粒子径が45μmで厚みが8μmでアスペクト比が5.6の片状鉄粉を5%含有させたものを準備した。
また、比較例として、還元鉄粉の金属鉄含有比率が発明範囲外の20.8質量%の比較例7と、99.3質量%の比較例8の種子被覆材を準備した。
これら、発明例22〜26及び比較例7、8の種子被覆材を用いて、実施例1と同様の方法で稲種子の被覆を行った。
金属鉄含有比率、及びラトラ試験での重量減少率、発芽率を表5に示す。なお、発芽率は前記の鉄コーティング湛水直播マニュアル2010に記載の「発芽テスト」に準じて評価した。具体的には、直径9cmのシャーレーに、種子をおよそ100粒と、水を20mLとを入れ、25℃で1週間放置後、発芽した種子としなかった種子を数え、発芽率を計算した。
発明例22〜26において金属鉄含有比率が大きいものから順に並べると発明例23,22,26,24,25となるが、これらのラトラ試験での重量減少率を見ると、前記の金属鉄含有比率が大きいものの順が、重量減少率が少ないものの順になっている。このことから、金属鉄含有比率を大きくすることで、錆びの発生を確実にでき、被膜の強度を高くできたものと推察される。
他方、比較例7では金属鉄含有比率が20.8質量%と小さく、その結果、ラトラ試験での重量減少率が21.5%と高くなっている。このことから、金属鉄含有比率が発明範囲を外れて低いために錆び発生が不十分となり、被膜強度が低くなったものと推察される。
また、金属鉄含有比率が99.2質量%の比較例8では、ラトラ試験での重量減少率は3.5%と高くはないが、発芽率が62%と低くなっている。これは、錆び発生時の酸化反応が急激に進行し、その際の発熱量が大きく種子に対してダメージを与えたものと推察される。
以上のように、種子被覆材の金属鉄含有比率を30.0質量%以上99.0質量%以下にすることで、種子に対するダメージを与えることなく被覆強度の高い被覆を実現できることが確認された。
実施の形態3に示した種子被覆材(流動度が40(sec/50g)以下)の効果を確認するために、本発明の発明例として、実施例2と同様の鉄粉および片状粉末の混合物を用い、かつ流動度が30.2(sec/50g)、35.0(sec/50g)、40.0(sec/50g)である発明例27〜29を用いて稲種子の被覆を行った。
また、比較例として、種子被覆材が流動しない比較例9、種子被覆材による被覆をしないものを比較例10とした。鉄粉被覆種子質量(100粒)の平均質量(mg)及び標準偏差(mg)、さらには発芽率(%)を表6に示す。
種子被覆材で種子を被覆する方法、発芽率の評価方法等は実施例2で示したものと同様である。
表6に示されるように、発明例27〜29に記載のものは鉄粉被覆種子質量(100粒)の標準偏差(mg)が11(mg)より小さくなっている。また、流動度が小さいものほど標準偏差が小さくなっていることが分かる。
そして、発明例27〜29のものは発芽率が95%以上でありかなり高くなっている。特に、流動度が35(sec/50g)以下であれば、標準偏差は7.4(mg)以下で発芽率が99%以上である。
これに対して、比較例9のものは、標準偏差が15(mg)を超え、発芽率が85%と低くなっている。以上のことから、種子被覆材の流動度を小さくすることで、種子被覆材の種子に対する被覆のばらつきが小さくなり、発芽率が高くなることが分かる。
また、流動度が40(sec/50g)以下であれば発芽率が95%以上となるので好ましく、さらには流動度が35(sec/50g)以下であれば発芽率が99%以上となるのでより好ましいことが分かる。
実施の形態4に係る種子被覆材について、本発明に係る種子被覆材の安息角を規定した効果を確認するために、発明例として、実施例2と同様の鉄粉および片状粉末の混合物を用い、かつ安息角が34度、40度、45度である発明例30〜32を用いて稲種子の被覆を行った。
また、比較例として、安息角が47度の比較例11、鉄粉被覆をしないものを比較例12とした。
安息角に対応した鉄粉被覆種子質量(100粒)の平均質量(mg)及び標準偏差(mg)、さらには発芽率(%)を表7に示す。
種子被覆材で種子を被覆する方法、発芽率の評価方法等は実施例2で示したものと同様である。
表7に示されるように、発明例30〜32に記載のものは鉄粉被覆種子質量(100粒)の標準偏差(mg)が11(mg)より小さくなっている。
また、安息角が小さいものほど標準偏差が小さくなっていることが分かる。そして、発明例30〜32のものは発芽率が95%以上でありかなり高くなっている。特に、安息角が40度以下であれば、標準偏差は7.2(mg)以下で発芽率が99%以上であり、被覆無しの場合と同等である。
これに対して、比較例11のものは、標準偏差が15(mg)を超え、発芽率が85%と低くなっている。
以上のことから、種子被覆材の安息角を小さくすることで、種子被覆材の種子に対する被覆のばらつきが小さくなり、発芽率が高くなることが分かる。
また、安息角が45度以下であれば発芽率が95%以上となるので好ましく、さらには安息角が40度以下であれば発芽率が99%以上となるのでより好ましいことが分かる。
実施の形態5に係る種子被覆材について、結合材の平均粒径を規定した効果を確認するための実験を行ったので、以下説明する。
<結合材平均粒径についての効果確認 その1>
平均粒子径(D50)が70μmの還元鉄粉に、粒子径が45μmで厚みが8μmでアスペクト比が5.6の片状鉄粉を5%含有させた。結合材として、焼石膏を用い、表8に示すように7種類の平均粒径のものを準備した。表8においては、焼石膏の平均粒径の最もい小さいものを番号1とし、平均粒径が大きくなるに従って大きな番号を付している。
被覆作業時、すなわち種子被覆材、焼石膏及び稲種子を傾斜回転型パン型混合機に投入して混合している際に発生した凝集粒子の発生状態を目視確認して評価した。
また、被覆作業が完了して鉄粉により被覆された稲種子について、ラトラ試験によって被膜強度を調査した。
結果を表8に示す。
表8に示す結果から、凝集粒子に関しては、焼石膏の平均粒径が0.6μm(表中の番号1参照)では被覆作業時に発生した凝集粒子が多く、焼石膏の平均粒径が1.0μm以上(表中の番号2以降)では被覆作業時に発生した凝集粒子が少ないことが確認された。
また、被覆強度に関しては、焼石膏の平均粒径が0.6μmではラトラ試験での重量減少率が6.2%と大きくなっているが、焼石膏の平均粒径が1.2〜145μmの範囲では重量減少率が4%未満で許容範囲内となっている。
他方、焼石膏の平均粒径が203μmでは重量減少率が16.3%と極めて大きくなっていることが確認された。
<結合材平均粒径についての効果確認 その2>
次に、結合材として塩化カリウムを用い、結合材の平均粒径の効果を確認するための実験
を行った。
上記「その1」と同様に、平均粒子径(D50)が70μmの還元鉄粉に、粒子径が45μmで厚みが8μmでアスペクト比が5.6の片状鉄粉を5%含有させた。そして、結合材として表9に示すように5種類の平均粒径のものを準備した。
また、凝集粒子の発生状態の確認や、被膜強度の調査は上記「その1」と同様に行った。
結果を表9に示す。
表9に示す結果から、塩化カリウムの平均粒径が0.5μmでは(表中の番号1参照)被覆作業時に発生した凝集粒子が多く、塩化カリウムの平均粒径が1.0μm以上(表中の番号2以降)では被覆作業時に発生した凝集粒子が少ないことが確認された。
また、被覆強度に関しては、塩化カリウムの平均粒径が0.5μmではラトラ試験での重量減少率が5.4%と大きくなっているが、塩化カリウムの平均粒径が1.5〜140μmの範囲では重量減少率が4%未満で許容範囲内となっている。
他方、塩化カリウムの平均粒径が250μmでは重量減少率が11.8%と極めて大きくなっていることが確認された。
上記の結果から、結合材としての焼石膏、塩化カリウムの平均粒径が凝集粒子の発生と、被覆強度に関連していることが実証された。そして、結合材の平均粒径の好ましい範囲としては、1〜150μmであることも確認された。
なお、上記の実施例5においては、結合材として焼石膏および塩化カリウムを例に挙げて説明したが、その他の硫酸塩、塩化物、または硫酸塩と塩化物の混合物であっても同様である。
さらに硫酸塩、塩化物の他に、亜硫酸塩、硫化物、硝酸塩、亜硝酸塩や、これらの塩の水和物、もしくはこれらの塩の混合物のように、鉄粉の酸化反応を促進する物質を結合材として用いることができる。
なお、上記の結合材の中でも焼石膏は、植物や人体に及ぼす悪影響が非常に小さく、安価かつ入手が容易であるため、特に好適である。
1 片状粉末を構成する粒子

Claims (12)

  1. 鉄粉を主材として含み、種子を被覆するのに用いる種子被覆材であって、厚さが100μm以下、かつアスペクト比(厚さに対する長径の比率)が2以上の片状粉末を1質量%以上含有することを特徴とする種子被覆材。
  2. 前記片状粉末がケイ素、鉄、マグネシウム、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、アルミニウム、から選んだ少なくとも一種の元素を含む金属粉末であることを特徴とする請求項1に記載の種子被覆材。
  3. 前記片状粉末が非金属粉末であることを特徴とする請求項1に記載の種子被覆材。
  4. 前記非金属粉末が酸化鉄、アルミナ、ケイ酸カルシウム、シリカ、黒鉛から選んだ少なくとも一種を含む片状粉末であることを特徴とする請求項3に記載の種子被覆材。
  5. 前記鉄粉における金属鉄の含有比率が30.0質量%以上99.0質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の種子被覆材。
  6. 流動度が40(sec/50g)以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の種子被覆材。
  7. 安息角が45度以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の種子被覆材。
  8. 平均粒径が1〜150μmである結合材を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の種子被覆材。
  9. 前記結合材は、硫酸塩及び/又は塩化物を含むことを特徴とする請求項8記載の種子被覆材。
  10. 前記鉄粉が還元法もしくはアトマイズ法で製造されていることを特徴とする求項1乃至9のいずれか一項に記載の種子被覆材。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の種子被覆材を被覆してなることを特徴とする被覆材被覆種子。
  12. 種子が稲種子であることを特徴とする請求項11記載の被覆材被覆種子。
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