JP2022142091A - 種子被覆方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄系種子被覆技術において短時間かつ簡略された工程で、単粒化された良質な被覆種子を得ることができる種子被覆方法を提供する。【解決手段】本発明に係る種子被覆方法は、鉄系粉体を含む種子被覆剤を用いて種子の表面を被覆する方法であって、前記種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程と、前記種子被覆剤が付着した種子を流動させながら水と空気を供給することで前記鉄系粉体を酸化させて前記種子の表面に被覆層を形成する工程と、を備えたことを特徴とするものである。【選択図】 なし

Description

本発明は、鉄粉を含む種子被覆剤によって種子を被覆する種子被覆方法に関する。
農業従事者の高齢化、農産物流通のグローバル化に伴い、農作業の省力化や農産物生産コストの低減が解決すべき課題となっている。これらの課題を解決するために、例えば、水稲栽培においては、育苗と移植の手間を省くことを目的として、種子を圃場に直接播く直播法が普及しつつある。その中でも、種子の比重を高めるために、鉄粉を被覆した種子を用いる手法は、水田における種子の浮遊や流出を防止し、かつ鳥害を防止するというメリットがあることで注目されている。
種子に鉄粉を被覆する方法としては、例えば特許文献1には、コーティング稲種子を薄く広げ、加湿空気を送風しながら前記鉄粉の酸化反応を25℃の室温で12時間継続した後、40℃で乾燥させる方法が開示されている。
また、特許文献2には、鉄粉被覆層が形成された稲種子にシリカゲルを使用して被覆種子同士の凝集を抑制することで単粒化した鉄粉被覆稲種子を製造する方法が開示されている。特許文献2においては、相対湿度80%以上、10~30℃の加湿空気を種子に通風させることで、鉄粉の酸化反応を進行させている。
さらに、特許文献3には、pH3.0以上、6.5以下の散布液を散布し、31℃以上、45℃以下の雰囲気温度で鉄系粉体を酸化させて種子を被覆する方法が開示されている。特許文献3においては、発熱防止のため、バットなどに種子を薄く拡げたうえで酸化反応を促進させており、約2時間程度で酸化処理が完了できる。
特開2005-192458号公報 特開2014-221009号公報 特開2019-213465号公報
特許文献1は、酸化時間に12~24時間程度を必要としており、酸化が不適切な場合には崩壊率が大きくなるといった問題がある。
特許文献2は、鉄粉を酸化させるために散布する散水量は適量とするものとされているが、鉄粉を酸化させるためにはおよそ8時間程度の長時間を必要とし、短時間では酸化が十分に進行せずに被膜が剥落するという問題がある。
特許文献3は、種子の死滅防止のため散布液のpHと雰囲気温度を厳格に管理する必要があり、2時間程度と比較的短時間で発錆が進行するものの、急激な酸化反応のため種子同士の凝集結着が起こりやすく、播種が困難になる。短時間化と引き換えに単粒化に課題がある。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、鉄系種子被覆技術において短時間かつ簡略された工程で、単粒化された良質な被覆種子を得ることができる種子被覆方法を提供することを目的としている。
発明者は、上記の問題を解決するために、鋭意研究した結果、以下の知見を得た。
被覆種子を種々コーティングして酸化反応の促進について調査した結果、被覆時、及び/または、被覆に引き続いて流動している種子に水と空気を供給すると酸化反応が進み、かつ、単粒化した種子が得られることがわかった。また、特定の温度以上の空気を供給した場合、さらに酸化反応が進み、種子の損傷を招かず、短時間で単粒化した良好な被覆種子を得られることがわかった。
本発明は上記知見に基づくものであり、その構成は以下の通りである。
(1)本発明に係る種子被覆方法は、鉄系粉体を含む種子被覆剤を用いて種子の表面を被覆する方法であって、前記種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程と、前記種子被覆剤が付着した種子を流動させながら水と空気を供給することで前記鉄系粉体を酸化させて前記種子の表面に被覆層を形成する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程において空気を供給することを特徴とするものである。
(3)また、本発明に係る種子被覆方法は、鉄系粉体を含む種子被覆剤を用いて種子の表面を被覆する方法であって、前記種子を流動させながら前記種子被覆剤と水と空気を供給することで前記種子被覆剤を種子の表面に付着させ、かつ前記鉄系粉体を酸化させて前記種子の表面に被覆層を形成することを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)に記載のものにおいて、雰囲気温度が46℃以上となるように空気を供給することを特徴とするものである。
本発明においては、種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程と、流動している前記種子被覆剤が付着した種子に水と空気を供給することで鉄系粉体を酸化させて前記種子の表面に被覆層を形成する工程とを備えたことにより、酸化処理時間の短縮、被覆種子の単粒化を実現できる。
本発明の実施の形態に係る種子被覆方法は、鉄系粉体を含む種子被覆剤を種子の表面に被覆するものである。そこで、本発明において種子被覆剤を被覆する対象となる種子と、種子被覆剤についてまずは説明する。以下、質量%は%と記述する。
<種子>
本発明で対象とする種子としては、イネ(稲)が好ましく適用される。稲の品種としては特に定めなく、ジャポニカ米、インディカ米、ジャバニカ米のいずれでも適用できる。稲は高温多湿地域の水田で栽培されることが多いため、本発明の効果が発揮できる。
<種子被覆剤>
本実施の形態で用いる種子被覆剤は、鉄系粉体を含むものであり、鉄系粉体には鉄粉、酸化鉄粉及び鉄粉と酸化鉄粉の混合物を使用できる。また、種子被覆剤は、結合剤、分離剤、第三成分をさらに含むことができる。
≪鉄粉≫
鉄粉としては、純鉄、合金鉄の粉体が適用できる。
鉄粉の製造方法としては、ミルスケールや鉄鉱石を還元して製造する還元法や、溶鋼に水またはガスを高速噴射して製造するアトマイズ法などが例示される。
≪酸化鉄粉≫
酸化鉄粉としては、酸化鉄、部分的な酸化鉄の粉体が適用できる。酸化鉄としてはマグネタイト(Fe)、ヘマタイト(Fe)、ウスタイト(FeO)、アモルファスであるものが挙げられる。それぞれの比率は、本発明の範囲内であれば特に限定はされない。もっとも、経済性の観点からミルスケールが好ましく適用できる。
鉄系粉体の使用量は特に規定しないが、種子(乾籾)に対して5%以上、800%以下が好ましく、更に、10%以上、500%以下がより好ましい。
また、鉄系粉体の粒子径は特に規定しないが、150μm以下の鉄系粉体が全鉄系粉体質量に対して80%以上であることが均一被覆のために好ましい。なお、鉄系粉体の粒度分布は、JIS Z2510-2004に定められた方法を用いてふるい分けすることによって評価できる。
鉄系粉体には、上記鉄粉、酸化鉄粉及び鉄粉と酸化鉄粉の混合物に、他の金属粉を混合したものも適用できる。もっとも、錆発生の観点からは、鉄系粉体中の金属鉄成分が20%以上であることが好ましく、更に、40%以上とすることがより好ましい。
≪結合剤≫
結合剤は、硫酸塩及び/又は塩化物から構成される。硫酸塩とは、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム及びこれらの水和物である。また、塩化物とは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及びこれらの水和物である。特に焼石膏(硫酸カルシウム・1/2水和物)、石膏(硫酸カルシウム・2水和物)が好ましい。焼石膏と石膏は混合物や混在した物でも構わない。各結合剤について無水物を使用することもできる。
結合剤の鉄系粉体に対する質量比率は特に定めないが、錆の進行を容易にするため、0.1以上~33%以下のものが好ましい。
結合剤の平均粒径は特に定めないが、1~150μmが好ましい。結合剤の平均粒径が1μm未満では、被覆作業時に発生する凝集粒子が多くなり作業性が著しく低下するからである。一方、結合剤の平均粒径が150μmを超えると、鉄系粉体への付着力が低下し被覆層の強度が低下する傾向にある。
≪分離剤≫
分離剤は、最外層として種子に被覆するものであり、種子被覆剤を酸化する際に種子同士の融着を防止するものである。もっとも、本実施の形態の種子被覆方法は種子同士の融着を抑制する効果を奏するので、分離剤の使用は必須ではない。
酸化処理における種子同士の融着を更に防止するため分離剤を使用する場合には、焼石膏、シリカゲルなどが好ましく適用することができる。
≪第三成分≫
本発明の効果を損なわない程度の第三成分を含有することができる。第三成分は、不可避不純物や、何らかの効果を目的として意図的に加えた添加物を含むものであり、いずれの場合にも第三成分を含有する量は、種子被覆剤に対して30重量%程度までとするのが好ましい。
≪被覆量≫
種子被覆剤の種子に対する被覆量は特に定めないが、乾燥種子100質量部に対し、5~800質量部とすることができる。十分なアンカー効果を得るためには適宜調整すればよく、被覆量として10~500質量部程度が好ましく適用される。
<種子被覆方法>
次に、本実施の形態に係る種子被覆方法について具体的に説明する。
本実施の形態に係る種子被覆方法は、鉄系粉体を含む種子被覆剤を用いて種子の表面を被覆する方法であって、前記種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程と、流動している前記種子被覆剤が付着した種子に水と空気を供給することで前記鉄系粉体を酸化させて前記種子の表面に被覆層を形成する工程と、を備えたものである。
種子被覆剤を種子の表面に付着(以下、「コーティング」ともいう)させる工程において、その具体的な方法に制限はない。例えば、「鉄コーティング湛水直播マニュアル2010(独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター 編)」に示されているように、手作業でのコーティングをはじめ、従来から公知の混合機を用いる方法等、いずれを使用してもよい。
混合機としては、例えば、撹拌翼型ミキサー(たとえばヘンシェルミキサー、コンクリートミキサー等)や容器回転型ミキサー(たとえばV型ミキサー、ダブルコーンミキサー、傾斜回転型パン型混合機、回転クワ型混合機等)が使用できる。また、コンクリートミキサーの撹拌翼を取り外したものが、好ましく適用できる。
これらの混合機を用いて種子被覆剤を付着させる際には、鉄系粉体と種子、及び必要に応じ結合材、分離剤、添加剤を上記の混合機中に投入して、水及び/または水を主体とした処理液をスプレーしながら混合機を回転させるようにすればよい。
被覆層を形成する工程においては、種子被覆剤が付着した種子が流動している状態で水と空気を供給して鉄系粉体を酸化させ、種子の表面に被覆層(被膜)を形成する。ここで、被覆層とは、種子表面に付着した種子被覆剤に含まれる鉄系粉体中の金属鉄が酸化して錆層が形成された状態のものをいう。
本発明の被覆層を形成する工程では種子を流動させること、及び流動する種子に水と空気を供給することが必須であるので、この点について以下具体的に説明する。
<流動>
流動には転動、揺動、振動などが挙げられるが、本質的には種子が静止してないことが必要である。
種子を流動させる方法としては、種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程に使用した造粒機または混合機を用いると作業を簡略化できるので好ましいが、別の混合機を用いてもよい。また、混合機で種子の表面に種子被覆剤を付着させた後、振動機に移して種子を揺り動かしながら被覆層を形成する工程を行ってもよい。酸化処理の際に種子を流動させることで、種子同士が衝突、分離して種子が凝集するのを防ぎ、単粒化した種子を得ることができる。
<水>
水を供給する方法は、種子に直接加える方法、空気に含ませる方法のどちらでも構わない。例えば、スプレー、霧吹き、カップなどで種子や混合機の内部に加える方法、蒸気、ミスト、水滴を含んだ加湿空気として供給する方法が挙げられる。被覆される種子が酸化処理中は湿潤状態であることが好ましい。
水分量としては本発明の効果が得られれば特に定めないが、鉄系粉体に対して10~1000%が好ましく、更には20~500%、更に好ましくは50~200%である。10%未満では発錆が不十分となり被覆層が剥離する原因となる。1000%を超えると乾燥に時間を要し、作業時間が長くなる問題がある。
また、一度に多量の水を供給すると種子同士が凝集してしまうので、種子が単粒で流動できる程度に抑え、かつ、種子が濡れた状態を維持しながら複数回に分けて供給することが好ましい。
散布水のpHは、本発明の効果が得られれば特に定めないが、強酸性、強アルカリ性は種子が損傷する恐れがあるので避けた方が良い。
<空気>
空気を供給する方法として、送風機、ファン、各種ドライヤー、熱風機などを使用することができる。
供給する空気の温度は、本発明の効果が得られれば特に定めないが、-20~200℃が好ましく適用でき、更に好ましくは0~150℃、更に好ましくは46~100℃である。本発明では空気と同時に水も供給するので、高温の空気を供給する場合にも、蒸発熱により種子温度が上昇せず、種子温度を供給する空気の温度より低く保つことができる。
もっとも、鉄系粉体の酸化を促進する観点からは雰囲気温度が高い方が好ましく、雰囲気温度は46℃以上となるように空気を供給することが好ましい。
ここで、雰囲気温度とは、種子近傍で種子に向かって供給される空気の温度であり、種子からおよそ1~15cm離れた場所の空気の温度をいう。
ただ、発芽性維持のため種子の温度を50℃以下、更に好ましくは40℃以下にするのがよい。また、種子が凍結せず錆の発生が進行するように種子の温度を0℃以上、更に好ましくは10℃以上にするのがよい。
供給する空気の風速は、本発明の効果が得られれば特に定めないが、0.1~15m/秒が好ましく、更には0.5m/秒~10m/秒が好ましく適用できる。0.1m/秒未満では酸化反応及び冷却が進まず、本発明の効果が得られない。15m/秒を超えると種子並びに種子被覆剤が飛散してしまう。
風速は種子近傍において熱線式風速計を用いて測定できる。パン型造粒機、ポットミキサーなどの場合、静止した状態で種子が滞留する位置近傍にて測定できる。測定はダミーとして種子がある状態で行うのが好ましいが、種子なしでも位置関係が同等であれば構わない。また、熱風機のエアダクトの吹き出し口で測定する方法で代用することも可能である。V型ミキサーのような閉空間の装置の場合は供給するエアダクトなどを一時的に外し、エアダクトの吹き出し口で測定すれば良い。
ところで、鉄系粉体に水と空気を供給して酸化処理を行うと、酸化反応によって鉄系粉体が発熱し種子温度が上昇する。例えば、種子が積層されて静止した状態で水と空気を供給して酸化処理を行うと、種子温度が上昇しすぎて発芽性が低下する恐れがある。
そのため従来では、バット、トレーなどに約1cm以下の厚みになるように種子を薄く拡げて、種子の熱を十分散逸できる状態で散水して酸化処理を行っていた。あるいは被覆種子をメッシュ袋に詰め、散水し、加湿空気を循環させながら冷却させる必要があった。
また、高温の空気を供給すると酸化が促進されるが、その場合も上記と同様に種子温度上昇による発芽性低下、種子同士が凝集する懸念がある。
この点、本実施の形態では、流動している種子に水と空気を供給して酸化処理を行っているので、接触温度計を用いた測定でも種子温度は最大で50℃程度であり、種子温度の上昇を低く抑えることができた。
さらに、前述したように、高温の空気を供給する場合にも、空気と同時に水も供給するので、蒸発熱により種子温度が上昇せず、種子温度を供給する空気の温度より低く保つことができる。したがって、本実施の形態における発芽性への悪影響は極めて少ない。
本実施の形態では、造粒機または混合機を用いて種子被覆剤を種子の表面に付着させ、該工程で用いた造粒機または混合機を引き続き使用して種子被覆剤が付着した種子を流動させ、流動している種子に水と空気を供給した。
水と空気の供給後は、混合機内でそのまま空気の供給を続け、種子がある程度乾燥した後に取り出した。その後、トレーなどに移して拡げ、種子保管のため余分な水分を除去、乾燥した。この際、少量の未付着の粉が出ることがあるが、軽く篩って除去すれば良く、除去粉は次の被覆に用いることができる。
本実施の形態によれば、種子同士が凝集することなく、単粒化した種子を得ることができた。また、被膜層の強度及び種子の発芽性も良好であった。
さらに被膜層を形成する工程に要する時間も1時間未満であり、酸化処理に要する時間を短縮できた。
上記は、種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程の後、鉄系粉体を酸化させる(被覆層を形成する)工程を実施する例であるが、本発明はこの限りではなく、種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程と、鉄系粉体を酸化させる工程を同時に行ってもよい。
例えば、種子被覆剤と種子を投入した混合機を回転させる際に、水と共に空気を供給することで、種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程と鉄系粉体を酸化させる工程を同時に行うことができる。この場合、混合機に投入する水分量のうち、一部が種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程に使用され、一部が鉄系粉体を酸化させる工程に使用されると考えることができる。
上記の場合も本発明の効果を得られるので、本発明の範囲内であるが、種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程の後、鉄系粉体を酸化させる(被覆層を形成する)工程を実施するのがより好ましい。
また、種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程で空気を供給して鉄系粉体の酸化を予め進行させ、鉄系粉体を更に酸化させて被覆層を形成する工程を行ってもよい。
本発明の効果を確認するために実験を行ったので、以下これについて説明する。
実験では、本発明に係る種子被覆方法を用いて稲種子に種子被覆剤を被覆し、その被覆種子の評価試験を行った。
発明例及び比較例における種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程は、前述した「鉄コーティング湛水直播マニュアル2010」に記載された方法に準じて行った。具体的には以下の通りである。
はじめに種子(乾籾)と種子被覆剤を準備した。
次に、傾斜回転型のパン型造粒機等を用いて、適量の水を噴霧しながら種子(乾籾)100gに対して種子被覆剤を数回に分けて付着させた。
発明例における鉄系粉体を酸化させる(被覆層を形成する)工程では、上述した工程で用いた装置を引き続き使用し、流動している種子に対して熱風機で空気を供給しながらスプレーで水を供給した。水は特に断りがなければ水道水を使用した。供給した空気の温度は熱風機の吹き出しノズル近傍での供給空気の温度であるが、種子から5cmの位置で計測した。
被覆種子はトレーに拡げて乾燥後、目開き2mmの篩いで軽く篩って評価に供した。
また、比較例における鉄系粉体を酸化させる工程は、種子被覆剤を付着させた種子をバットに拡げて静置した状態で処理液を散布して行った。
本実施例では、種子被覆剤の原料である鉄粉、酸化鉄粉、結合剤、仕上げ剤それぞれの種類および使用量を変更して実験を行った。
表1に、実験に用いた種子被覆剤に含まれる各原料の種類および使用量、表2~表4に、種子被覆剤に用いた各原料の種類(表2:鉄粉、表3:酸化鉄粉、表4:結合剤及び仕上げ剤)を示す。
尚、発明例1~22は、種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程の後に、鉄系粉体を酸化させて被覆層を形成する工程を行った場合を示した。
また、発明例23~25は、種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程において初めから空気を供給し、鉄系粉体の酸化を予め進行させ、鉄系粉体を更に酸化させて被覆層を形成する工程を行った場合を示した。
さらに、発明例26~28は種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程と、鉄系粉体を酸化させる工程を同時に行った場合を示したものであり、流動する種子に空気を供給しながら種子被覆剤及び種子被覆剤の付着及び鉄系粉体の酸化に必要とされる量の合計量の水を交互及び/または同時に添加し、種子被覆剤の付着と鉄系粉体の酸化を同時に進行させた。
Figure 2022142091000001
Figure 2022142091000002
Figure 2022142091000003
Figure 2022142091000004
表1に示す発明例及び比較例のそれぞれの条件で種子被覆剤を被覆した被覆種子に対し、下記に示すように酸化処理時間を計測し、各観点による評価を行なった。
<酸化処理時間>
各発明例においては、種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程の後、空気と水を供給し、目視にて種子被覆剤の表面に赤錆の十分な発生を確認できた時点で空気と水の供給を終了し、この終了時間までを酸化処理時間とした。また、各比較例においては、種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程の後、目視にて種子被覆剤の表面に赤錆の十分な発生を確認できた時間(酸化処理が終わるまでの時間)を酸化処理時間とした。なお、発明例23~28は種子被覆時間も空気の供給があるため酸化処理時間に含まれると考えられる。
<単粒性>
被覆種子のうち種子同士が凝集した被覆種子、即ち複粒をΦ7.3mmの篩いにより分別し、その重量割合から以下の基準により単粒性を評価した。
単粒性の評価として、凝集粒(複粒)の重量割合が、5%以下を◎、5%超え10%以下を○、10%超え50%以下を△、50%超えを×と判定した。
上記凝集粒の重量割合が、50%超えは均一播種の点から被覆種子として実質的に播種に供し得ないものであり、10%超えは同様の観点から被覆種子として歩留まりが大きく低下してしまうものである。一方、5%以下は種子が実質的に単粒化されているため、散播、条播、点播ともに播種のコントロールが容易であり、被覆種子として良好である。
<被膜強さ>
種子100gを目開き2mmの篩いを使い、ロータップ式ふるい振とう機で15分間振とうし、重量減少割合を測定した。
被膜強さの評価として、重量減少割合が、1%以下を◎、1%超え5%以下を○、5%超え20%以下を△、20%超えを×と判定した。
重量減少割合が、20%超えは種子に付着した被覆剤が大きく剥離し、作業環境を悪化させるため、被覆種子として供し得ないものであり、5%超えは同様の観点から被覆種子として課題があるものである。一方、1%以下は付着性が良好であり、種子比重が保たれ、作業環境も悪化させにくいので被覆種子として良好である。
<発芽性>
種子50粒をペトリディッシュ内の濡れたろ紙上に置き、ふたをして30℃の恒温槽内で保管し、日々発芽を観察した。発芽率は1週間後までに発芽した比率について調査し、被覆してない種子の発芽割合(96%)に基づいて評価した。
発芽性の評価として、発芽割合が、90%以上を◎、80%以上90%未満を○、60%以上80%未満を△、60%未満を×と判定した。
発芽割合が、60%未満は種子が損傷しており苗立ち低下の原因となる。85%未満は同様に苗立ち安定性の低下を招くものである。
前掲した表1に、上記の酸化処理時間及び各評価の結果をまとめて示す。
表1に示すように、本発明にかかる種子被覆方法を用いた発明例1~発明例28は、単粒性、被膜強さ、発芽性のいずれの評価でも良好な結果を得られた。
また、酸化処理時間も、比較例より短時間であった。
以上、本発明にかかる種子被覆方法によれば、発芽率を低下させることなく、従来よりも酸化時間を大幅に短縮することができ、十分な被覆層強度を有して単粒化した被覆種子を作成できることが実証された。

Claims (4)

  1. 鉄系粉体を含む種子被覆剤を用いて種子の表面を被覆する種子被覆方法であって、
    前記種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程と、
    前記種子被覆剤が付着した種子を流動させながら水と空気を供給することで前記鉄系粉体を酸化させて前記種子の表面に被覆層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする種子被覆方法。
  2. 前記種子被覆剤を種子の表面に付着させる工程において空気を供給することを特徴とする請求項1記載の種子被覆方法。
  3. 鉄系粉体を含む種子被覆剤を用いて種子の表面を被覆する種子被覆方法であって、
    前記種子を流動させながら前記種子被覆剤と水と空気を供給することで前記種子被覆剤を種子の表面に付着させ、かつ前記鉄系粉体を酸化させて前記種子の表面に被覆層を形成することを特徴とする種子被覆方法。
  4. 雰囲気温度が46℃以上となるように空気を供給することを特徴とする請求項1乃至3に記載の種子被覆方法。
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