JP2016196452A - 化合物、電解液添加剤、電解液、リチウムイオン二次電池 - Google Patents

化合物、電解液添加剤、電解液、リチウムイオン二次電池 Download PDF

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真也 浜崎
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文亮 尾崎
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Abstract

【課題】本発明は、高電圧で作動し、且つ、サイクル寿命の低下、及びサイクル時の抵抗の増大を抑制することが可能なリチウムイオン二次電池、そのようなリチウムイオン二次電池を与えることのできる、化合物、非水蓄電デバイス用電解液添加剤、非水蓄電デバイス用電解液を提供することを目的とする。【解決手段】式(1)で表されることを特徴とする化合物(A)、該化合物(A)を含有することを特徴とする非水蓄電デバイス用電解液添加剤、該非水蓄電デバイス用電解液添加剤を含有することを特徴とする非水蓄電デバイス用電解液、該非水蓄電デバイス用電解液を備えるリチウムイオン二次電池。【選択図】図1

Description

本発明は、化合物、電解液添加剤、電解液、リチウムイオン二次電池に関する。
近年の電子技術の発展や環境技術への関心の高まりに伴い、様々な電気化学デバイスが開発されている。特に、省エネルギー化への要請が多くあるため、省エネルギー化に貢献できる電気化学デバイスへの期待はますます高くなっている。このような電気化学デバイスとしては、非水電解質二次電池等の蓄電デバイスが挙げられる。非水電解質二次電池の代表例でもあるリチウムイオン二次電池は、従来、主として携帯機器用充電池として使用されていたが、近年ではハイブリッド自動車及び電気自動車用電池としての使用も期待されている。
従来の4V前後の電圧で作動するリチウムイオン二次電池では、カーボネート系溶媒を主成分とした非水溶媒にリチウム塩を溶解した非水電解液が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。このカーボネート系溶媒を含む電解液の特徴は、4V前後の電圧において、耐酸化性と耐還元性とのバランスが良く、且つ、リチウムイオンの伝導性に優れる点である。
リチウムイオン二次電池にはより一層高いエネルギー密度が求められており、その高いエネルギー密度を達成するため、電池の高電圧化が検討されている。電池の高電圧化を達成するためには高電位で作動する正極を用いる必要がある。
これに応えるため、具体的には、4.3V(vsLi/Li+)以上で作動する種々の正極活物質が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、4.3V(vsLi/Li+)以上の高電位で作動する正極活物質を含有する正極を備えたリチウムイオン二次電池において、従来のカーボネート系溶媒を主成分とする非水電解液を用いると、カーボネート系溶媒が正極表面で酸化分解するという現象が生じる。かかる現象により、電池のサイクル寿命が低下し、電池の抵抗が増大し、更には電池内部にガスが発生するという課題が生じる。
この課題を解決する方法として、特許文献3には、非水電解液にシリル基含有化合物を添加することによって、リチウムイオン二次電池を高電圧で作動させても、電池のサイクル寿命の悪化を低減できることが提示されている。
特開平7−006786号公報 特表2000−515672号公報 米国特許出願公開第2012/0315536号明細書
しかしながら、特許文献3に記載のシリル基含有化合物を非水電解液に添加しても、電池の抵抗の増大を十分には抑制しきれていない。電気自動車への用途等の高出力を必要とする蓄電デバイスにおいては、高いサイクル寿命の達成と更なる抵抗増大の抑制とが求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、高電圧で作動し、且つ、サイクル寿命の低下、及びサイクル時の抵抗の増大を抑制することが可能なリチウムイオン二次電池、そのようなリチウムイオン二次電池を与えることのできる、化合物、非水蓄電デバイス用電解液添加剤、非水蓄電デバイス用電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の構造を有する化合物を電解液添加剤として含有する電解液を備えるリチウムイオン二次電池であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
本発明の化合物は、
下記式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 2016196452
(式中、Mはリン又はホウ素を示し、Mがリンのときnは0又は1の整数を示し、Mがホウ素のときnは0の整数を示し、mは1又は2の整数を示し、R1、R2、及びR3は各々独立に置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R4は置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基、但し、R4に隣接する酸素原子と結合する原子は炭素原子である、を示す。)
ここで、本発明の化合物は、下記式(2)で表されることが好ましい。
Figure 2016196452
(式中、nは0又は1の整数を示し、R1、R2、及びR3は各々独立に置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R4は置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基、但し、R4に隣接する酸素原子と結合する原子は炭素原子である、を示す。)
本発明の非水蓄電デバイス用電解液添加剤は、上記の化合物(A)を含有することを特徴とする。
本発明の非水蓄電デバイス用電解液は、上記の非水蓄電デバイス用電解液添加剤と、リチウム塩(B)と、非水溶媒とを含有することを特徴とする。
ここで、本発明の非水蓄電デバイス用電解液では、前記化合物(A)の含有量が、前記電解液100質量%に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
また、本発明の非水蓄電デバイス用電解液では、前記非水溶媒が、環状カーボネート及び鎖状カーボネートを含有することが好ましく、前記環状カーボネートが、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートからなる群より選ばれる1種以上を含み、前記鎖状カーボネートが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートからなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、上記の非水蓄電デバイス用電解液と、を備えることを特徴とする。
ここで、本発明のリチウムイオン二次電池では、前記正極活物質が、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有することが好ましい。
また、本発明のリチウムイオン二次電池では、前記正極活物質が、
下記式(3)で表される酸化物
LiMn2-xMax4・・・(3)
(式中、Maは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示し、0.2≦x≦0.7である。)、
下記式(4)で表される酸化物
LiMeO2・・・(4)
(式中、Meは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。)、
下記式(5)で表される複合酸化物
zLi2McO3−(1−z)LiMdO2・・・(5)
(式中、Mc及びMdは各々独立に遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示し、0.1≦z≦0.9である。)、
下記式(6)で表される化合物
LiMb1-yFeyPO4・・・(6)
(式中、MbはMn及びCoからなる群より選ばれる1種以上を示し、0≦y≦0.9である。)、
下記式(7)で表される化合物
Li2MfPO4F・・・(7)
(式中、Mfは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。)
からなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
更に、本発明のリチウムイオン二次電池では、満充電時におけるリチウム基準の正極電位が、4.3V(vsLi/Li+)以上であることが好ましい。
本発明によれば、高電圧で作動し、且つ、サイクル寿命の低下、及びサイクル時の抵抗の増大を抑制することが可能なリチウムイオン二次電池、そのようなリチウムイオン二次電池を与えることのできる、化合物、非水蓄電デバイス用電解液添加剤、非水蓄電デバイス用電解液を提供することができる。
本実施形態におけるリチウムイオン二次電池の一例を概略的に示す断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施することができる。なお、本実施形態の各要素間の上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、本実施形態の各要素の寸法比率は、図面に示される比率に限定されるものではない。
(化合物(A))
本実施形態の化合物(A)は、下記式(1)で表される。
Figure 2016196452
(式中、Mはリン又はホウ素を示し、Mがリンのときnは0又は1の整数を示し、Mがホウ素のときnは0の整数を示し、mは1又は2の整数を示し、R1、R2、及びR3は各々独立に置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R4は置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基、但し、R4に隣接する酸素原子と結合する原子は炭素原子である、を示す。)
ここで、上記式(1)で表される化合物(A)では、化合物(A)を二次電池の電解液の添加剤として用いた場合に、電池のサイクル寿命を向上させる観点から、Mはリン(P原子)であることが好ましい。
上記式(1)で表される化合物(A)において、Mがリンであり、nが0である場合、化合物(A)は亜リン酸エステル構造となり、Mがリンであり、nが1である場合、化合物(A)はリン酸エステル構造となり、Mがホウ素(B原子)である場合、化合物(A)はホウ酸エステル構造となる。
そして、Mがリンである場合、化合物(A)の電解液中における安定性を高める観点から、nは1であることが好ましい。
上記式(1)で表される化合物(A)において、mが1である場合、化合物(A)はモノアルコキシジシロキシ構造となり、mが2である場合、化合物(A)はジアルコキシモノシロキシ構造となる。
そして、電池のサイクル寿命を改善する観点、及びサイクル時の抵抗の増大を抑制する観点から、mは1であることが好ましい。
化合物(A)中のR1、R2、R3、及びR4の詳細について記載する。
上記式(1)における「(非置換)炭化水素基」としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。
化合物(A)では炭化水素基は、置換されていてもよい。上記式(1)における「置換炭化水素基」は、炭化水素基中の水素原子が官能基で置換された炭化水素基を指し、このような官能基としては、特に限定されないが、例えば、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン、ニトリル基(−CN)、エーテル基(−O−)、カーボネート基(−OCO2−)、エステル基(−CO2−)、カルボニル基(−CO−)、スルフィド基(−S−)、スルホキシド基(−SO−)、スルホン基(−SO2−)、ウレタン基(−NHCO2−)等が挙げられる。官能基としてフッ素を用いた場合の置換炭化水素基の例として、トリフルオロメチル基が挙げられる。
特に、R1、R2、及びR3については、各々の炭化水素基の炭素数は、非水溶媒との混和性をより優れたものとする観点から、1〜20であり、1〜10であることが好ましく、1〜6であることが更に好ましい。
1、R2、及びR3の好ましい例としては、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、1−メチルビニル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フルオロメチル基等の置換又は非置換の脂肪族炭化水素基;ベンジル基、フェニル基、ニトリル置換フェニル基、フルオロ化フェニル基等の置換又は非置換の芳香族炭化水素基が挙げられ、これらの中でも、入手性、ハンドリング性、及び化学的安定性の観点から、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、フルオロメチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が特に好ましい。
また、R1、R2、及びR3のうちの2つは、互いに結合して環を形成していてもよく、例えば、R1、R2、及びR3のうちの2つは、環を形成するために、置換又は非置換の、飽和又は不飽和の2価の炭化水素基で置換されていてもよい。
特に、R4については、各々の炭化水素基の炭素数は、サイクル時の抵抗の増大を抑制する観点から、1〜20であり、1〜10であることが好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが特に好ましい。
4の好ましい例としては、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、1−メチルビニル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、トリフルオロエチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、2−シアノエチル基等の置換又は非置換の脂肪族炭化水素基;ベンジル基、フェニル基、ニトリル置換フェニル基、フルオロ化フェニル等の置換又は非置換の芳香族炭化水素基が挙げられ、これらの中でも、入手性、ハンドリング性、及び化学的安定性の観点から、メチル基、エチル基、ビニル基、アリル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、トリフルオロエチル基、2−シアノエチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、トリフルオロエチル基、2−シアノエチル基が特に好ましい。
上記式(1)で表される化合物(A)においては、電池のサイクル寿命を向上させる観点、及びサイクル時の抵抗の増大を抑制する観点から、R4に隣接する酸素原子と結合する原子は炭素原子である必要がある。
上述のように、電解液の添加剤としては、上記式(1)において、Mがリンであり、mが1であることがより好ましく、この場合の化合物(A)は下記式(2)で表される。
Figure 2016196452
(式中、nは0又は1の整数を示し、R1、R2、及びR3は各々独立に置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R4は置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基、但し、R4に隣接する酸素原子と結合する原子は炭素原子である、を示す。)
上記式(2)における、R1、R2、R3、及びR4の好ましい構造は、上記式(1)における、R1、R2、R3、及びR4について記載した構造と同じとしてよい。
また上述のように、化合物(A)の電解液中における安定性を高める観点から、上記式(2)において、nが1であることが特に好ましく、この場合の化合物(A)は、下記式(8)で表される。
Figure 2016196452
(式中、R1、R2、及びR3は各々独立に置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R4は置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基、但し、R4に隣接する酸素原子と結合する原子は炭素原子である、を示す。)
化合物(A)の好ましい例としては、
O=P(OCH3)(OSi(CH332
O=P(OC25)(OSi(CH332
O=P(OC37)(OSi(CH332
O=P(OC35)(OSi(CH332
O=P(OC49)(OSi(CH332
O=P(OCH2CF3)(OSi(CH332
O=P(OCH(CF32)(OSi(CH332
O=P(OC24CN)(OSi(CH332
O=P(OCH3)(OSi(C2532
O=P(OC25)(OSi(C2532
O=P(OC37)(OSi(C2532
O=P(OC35)(OSi(C2532
O=P(OC49)(OSi(C2532
O=P(OCH2CF3)(OSi(C2532
O=P(OCH(CF32)(OSi(C2532
O=P(OC24CN)(OSi(C2532
O=P(OCH3)(OSi(C49)(CH322
O=P(OC25)(OSi(C49)(CH322
O=P(OC37)(OSi(C49)(CH322
O=P(OC35)(OSi(C49)(CH322
O=P(OC49)(OSi(C49)(CH322
O=P(OCH2CF3)(OSi(C49)(CH322
O=P(OCH(CF32)(OSi(C49)(CH322
O=P(OC24CN)(OSi(C49)(CH322
が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
本実施形態の化合物(A)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、下記1)〜5)の方法が挙げられる。
1)塩化ホスホリルに化学量論量(以下、単に「量論量」という。)のアルコールを添加して、反応を完結させ、次いで、水を添加して、一般式:O=P(OR)(OH)2で表される化合物を合成し、続いて、過剰量のアルキルシリル化剤を添加して、反応させ、その後、加熱減圧蒸留により化合物(A)を得る方法。
2)塩化ホスホリルに量論量のアルコールを添加して、反応を完結させ、次いで、過剰量のシラノールを添加して、反応を完結させ、その後、加熱減圧蒸留により化合物(A)を得る方法。
3)五塩化リンに量論量のアルコールを添加して、反応を完結させ、次いで、水を添加して、一般式:O=P(OR)(OH)2で表される化合物を合成し、続いて、過剰量のアルキルシリル化剤を添加して、反応させ、その後、加熱減圧蒸留により化合物(A)を得る方法。
4)五塩化リンに量論量のアルコールを添加して、反応を完結させ、次いで、過剰量のシラノールを添加して、反応させ、その後、加熱減圧蒸留により化合物(A)を得る方法。
5)五酸化二リンに量論量のアルコールを添加して、反応を完結させ、次いで、水を添加して、一般式:O=P(OR)(OH)2で表される化合物を合成し、続いて、過剰量のアルキルシリル化剤を添加して、反応させ、その後、加熱減圧蒸留により化合物(A)を得る方法。
上記1)〜5)の方法においては、反応速度を高める目的で、塩基性化合物や含金属触媒を適宜添加してよく、また、各反応の後に、残存原料の除去、副生物の除去、目的物の抽出、反応の促進等の目的で、上記の操作以外にも蒸留、減圧留去、濾過等の操作を適宜行ってよい。
本実施形態の化合物(A)の製造方法としては、上記1)〜5)の方法に限られるものではないが、化合物(A)を精度よく得る観点から、上記1)の方法が特に好ましい。
以下、上記1)の方法に関してより詳しく説明する。
塩化ホスホリルとアルコールとを反応させ、リン酸エステルを得るステップでは、従来、反応を促進するため、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基を添加することが一般的であったところ、上記1)の方法では、塩基の不存在下で時間をかけて反応を行うことも可能になり、化合物(A)を純度よく得ることができる。
水を添加するステップでは、後続のアルキルシリル化反応の際に生じる副反応を抑制する観点から、水の添加量を量論値の1倍量以上4倍量以下とすることが好ましい。
アルキルシリル化剤を添加するステップでは、アルキルシリル化剤は、例えば、トリアルキルシリルクロライド等の種々の公知のものが挙げられ、特に、精製を容易にする観点、及び反応性を高める観点から、ヘキサアルキル構造若しくはヘプタアルキル構造を有するジシラザンが好ましい。本ステップの温度条件は、120℃程度としてよい。
((非水蓄電デバイス用電解液添加剤))
本実施形態の化合物(A)は、電池のサイクル寿命を改善し、サイクル時の抵抗の増大を抑制することができるため、非水蓄電デバイス用電解液添加剤として好適に用いられる。本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液添加剤は、本実施形態の化合物(A)を含有する。
なお、「非水蓄電デバイス」とは、蓄電デバイス中の電解液に水溶液を用いない蓄電デバイスであり、例えば、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等が挙げられ、中でも、実用性及び耐久性の観点から、リチウムイオン二次電池及びリチウムイオンキャパシタが好ましく、リチウムイオン二次電池が更に好ましい。
ここで、本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液添加剤は、本実施形態の化合物(A)を含有していればよく、電解液に添加する際に化合物(A)と他の添加剤と併用してもよく、また、電解液に添加する前に化合物(A)と他の添加剤とを混合した添加剤としてもよい。
(((非水蓄電デバイス用電解液)))
本実施形態の化合物(A)を含有する本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液添加剤は、電池のサイクル寿命を改善し、サイクル時の抵抗の増大を抑制することができるため、非水蓄電デバイス用電解液として好適に用いられる。本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液は、本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液添加剤と、リチウム塩(B)と、非水溶媒と、必要に応じて、添加剤とを含有する。
ここで、本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液における化合物(A)の含有量は、特に限定されないが、電池のサイクル寿命を改善する観点、及びサイクル時の抵抗の増大を抑制する観点から、電解液100質量%に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることが更に好ましく、0.3質量%以上であることが特に好ましく、0.5質量%以上であることが最も好ましく、また、電解液のイオン伝導性の観点から、電解液100質量%に対して、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることが特に好ましく、3質量%以下であることが最も好ましい。
なお、電解液中の化合物(A)の含有量は、1H−NMR、31P−NMR等のNMR測定により算出することができる。
−リチウム塩(B)−
本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液に用いられるリチウム塩(B)としては、特に限定されないが、例えば、LiPF6、LiBF4、LiB(C242、LiBF2(C24)、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiOSO2k2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2k2k+12〔kは1〜8の整数〕、LiPFn(Ck2k+16-n[nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiPF4(C24)、LiPF2(C242等が挙げられ、中でも、イオン伝導性の観点、及び電池のサイクル寿命を向上させる観点から、LiPF6、LiBF4、LiB(C242、LiBF2(C24)、LiOSO2k2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2k2k+12〔kは1〜8の整数〕、LiPFn(Ck2k+16-n[nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiPF4(C24)、及びLiPF2(C242が好ましく、LiPF6が特に好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液には、サイクル特性を改善する目的で、上記リチウム塩(B)に加えて、ジフルオロリン酸リチウム及びモノフルオロリン酸リチウムが含まれていてもよい。
ここで、本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液におけるリチウム塩(B)の含有量は、特に限定されないが、リチウムイオン二次電池のイオン伝導性をより向上させる観点から、電解液100質量%に対して、1.0質量%以上であることが好ましく、5.0質量%以上であることが更に好ましく、7.0質量%以上であることが特に好ましく、また、リチウム塩(B)の低温における溶解性をより向上させる観点から、電解液100質量%に対して、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることが更に好ましく、30質量%以下であることが特に好ましい。
なお、電解液中のリチウム塩(B)の含有量は、19F−NMR、31P−NMR等のNMR測定により算出することができる。
−非水溶媒−
本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液に用いられる非水溶媒としては、特に限定されないが、例えば、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
非プロトン性極性溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン;スルホラン等の環状スルホン;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネート等の鎖状カーボネート;アセトニトリル、スクシノニトリル等のニトリル;ジメチルエーテル等の鎖状エーテル;プロピオン酸メチル等の鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタン等の鎖状ジエーテル等が挙げられ、中でも、環状カーボネート、鎖状カーボネート等のカーボネート系溶媒が好ましい。特に、環状カーボネートとしては、上記のものが挙げられ、特に、電解液のイオン伝導性をより向上させる観点から、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましく、また、鎖状カーボネートとしては、上記のものが挙げられ、特に、電解液のイオン伝導性をより向上させる観点から、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
なお、特に、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、スクシノニトリルについては、リチウムイオン二次電池のサイクル特性をより向上させる機能を備えている。
また、上記カーボネート系溶媒としては、イオン伝導性をより優れたものとする観点から、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを組み合わせて併用したものが更に好ましい。
この場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、得られるリチウムイオン二次電池のイオン伝導性をより向上させる観点から、体積比で、1:10〜5:1であることが好ましく、1:5〜3:1であることが更に好ましく、1:5〜1:1であることが特に好ましい。
非水溶媒としてカーボネート系溶媒を用いる場合、電解液には、リチウムイオン二次電池の電池物性をより改善する目的で、必要に応じて、上記カーボネート系溶媒に加えて、アセトニトリル、スルホラン等の別の非水溶媒が併用されてもよい。
−添加剤−
本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液は、リチウムイオン二次電池のサイクル特性をより向上させる観点から、本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液添加剤、リチウム塩(B)、及び非水溶媒以外に、必要に応じて、添加剤を含有してよい。
本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液に用いられる添加剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、リン酸トリス(トリメチルシリル)等が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液は、各成分を公知の手法により混合することによって所定の組成となるように調製してもよく、また、電解液中での反応により所定の組成となるように調製してもよい。ここで、「電解液中で反応により調整する」とは、具体的には、初期状態において電解液中に含まれていた物質同士が反応することによって、所定の組成を有する電解液が調整されることをいう。
((((リチウムイオン二次電池))))
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、本実施形態の化合物(A)を含有する本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液添加剤を含有する本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液と、正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、必要に応じて、セパレータと、電池外装とを備える。この電池は、本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液を備える点以外は、従来のリチウムイオン二次電池と同様の構成を有していてもよい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の満充電時におけるリチウム基準の正極電位は、リチウムイオン二次電池の有する正極活物質の充放電容量を効率的に活用する観点、及びリチウムイオン二次電池のエネルギー密度をより向上させる観点から、4.3V(vsLi/Li+)以上であることが好ましく、4.35V(vsLi/Li+)以上であることが更に好ましく、4.4V(vsLi/Li+)以上であることが特に好ましいまた、上記リチウム基準の正極電位は、5.2V(vsLi/Li+)以下であることが好ましい。なお、「(vsLi/Li+)」とは、リチウム基準の電位であることを示す。またなお、満充電時におけるリチウム基準の正極電位は、満充電時の電池の電圧を制御することによって制御することができる。
なお、満充電時におけるリチウム基準の正極電位は、満充電状態のリチウムイオン二次電池をArグローブボックス中で解体して正極を取り出し、対極に金属リチウムを用いて再度電池を組み立ててその電圧を測定することによって、測定することができる。
特に、満充電時におけるリチウム基準の負極電位が既知である場合、満充電時におけるリチウムイオン二次電池の電圧(Va)にその負極電位を加えることによって、満充電時におけるリチウム基準の正極電位を算出することができる。例えば、負極に炭素負極活物質を用いた場合、満充電時におけるリチウム基準の負極電位は0.05V(vsLi/Li+)であることは既知であり、ここで、満充電時におけるリチウムイオン二次電池の電圧(Va)が4.25Vであった場合、満充電時におけるリチウム基準の正極電位は、4.25V+0.05V=4.3Vと算出することができる。
4.3V(vsLi/Li+)以上という本実施形態のリチウムイオン二次電池の満充電時におけるリチウム基準の正極電位は、通常、4.1V(vsLi/Li+)から4.2V(vsLi/Li+)以下に設定されている従来のリチウムイオン二次電池の満充電時におけるリチウム基準の正極電位と比較して高い。
−正極−
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、正極を備えることが好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池に用いられる正極は、リチウムイオン二次電池の正極として作用するものであれば、特に限定されず、公知のものとすることができる。
正極は、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料を含有する正極活物質を含むことが好ましく必要に応じて、正極集電体、導電助剤、バインダーを含んでよい。
−−正極活物質−−
正極活物質は、リチウムイオン二次電池においてより高い電圧を実現する観点から、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有することが好ましい。かかる正極を備えた場合、本実施形態のリチウムイオン二次電池において高電圧で作動しながらサイクル寿命を向上させることが可能となる。
ここで、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質とは、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位でリチウムイオン二次電池の正極として充電及び放電反応を起こすことが可能であり、且つ0.1Cの定電流で放電したときに活物質質量1g当たりの放電容量が10mAh以上である正極活物質である。この点、正極活物質は、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有していればよく、4.3V(vsLi/Li+)未満の電位での放電容量は問わない。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質を含有する正極を備えるリチウムイオン二次電池であり、満充電時におけるリチウム基準の正極電位が4.3V(vsLi/Li+)以上で使用されるものであることが好ましい。
リチウムイオン二次電池を満充電時におけるリチウム基準の正極電位が4.3V(vsLi/Li+)以上で使用するという本実施形態の用途においては、電解液に含まれるカーボネート系溶媒が正極表面にて酸化分解し、電池のサイクル寿命が低下すると共に、正極と電解液との界面の抵抗が増大するという課題が生じ得る。このような課題は、リチウムイオン二次電池を満充電時における正極電位が4.3V(vsLi/Li+)未満で使用するという従来の用途では、生じにくい課題である。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質を含有する正極という構成を有するため、上記の本実施形態の用途における課題を解決して、高電圧で作動でき、且つ高サイクル寿命を備えられるものとなる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質の放電容量は、電池を高電圧で駆動することによって、高いエネルギー密度を達成することを可能にする観点から、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位において、10mAh/g以上であることが好ましく、15mAh/g以上であることが更に好ましく、20mAh/g以上であることが特に好ましい。また、上記正極活物質の放電容量は、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位において、400mAh/g以下であることが好ましい。
なお、正極活物質の放電容量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。また、正極活物質として、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する正極活物質と、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有しない正極活物質とを組み合わせて用いることもできる。ここで、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有しない正極活物質としては、特に限定されないが、例えば、LiFePO4等が挙げられる。
このような正極活物質は、正極活物質の構造安定性を優れたものとする観点から、
下記式(3)で表される酸化物
LiMn2-xMax4・・・(3)
(式中、Maは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示し、0.2≦x≦0.7である。)、
下記式(4)で表される酸化物
LiMeO2・・・(4)
(式中、Meは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。)、
下記式(5)で表される複合酸化物
zLi2McO3−(1−z)LiMdO2・・・(5)
(式中、Mc及びMdは各々独立に遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示し、0.1≦z≦0.9である。)、
下記式(6)で表される化合物
LiMb1-yFeyPO4・・・(6)
(式中、MbはMn及びCoからなる群より選ばれる1種以上を示し、0≦y≦0.9である。)、
下記式(7)で表される化合物
Li2MfPO4F・・・(7)
(式中、Mfは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。)
からなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
上記式(3)で表される酸化物としては、特に限定されないが、正極活物質の構造安定性をより優れたものとする観点から、スピネル型酸化物が好ましく、具体的には、
下記式(3a)
LiMn2-xNix4・・・(3a)
(式中、0.2≦x≦0.7である。)、
下記式(3b)
LiMn2-xNix4・・・(3b)
(式中、0.3≦x≦0.6である。)
で表される酸化物がより好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
上記式(3a)又は上記式(3b)で表される酸化物としては、特に限定されないが、例えば、LiMn1.5Ni0.54等が挙げられる。
上記式(4)で表される酸化物としては、特に限定されないが、正極活物質の構造安定性をより向上させる観点から、層状酸化物が好ましく、具体的には、
下記式(4a)
LiMn1-v-wCovNiw2・・・(4a)
(式中、0.1≦v≦0.4、0.1≦w≦0.8である。)、
下記式(4b)
LiCoO2・・・(4b)、
下記式(4c)
LiNi1-u-tCouAlt2・・・(4c)
(式中、0.1≦u≦0.2、0.01≦t≦0.1である。)
で表される酸化物であることがより好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
上記式(4a)で表される層状酸化物としては、特に限定されないが、例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.5Co0.2Mn0.32、LiNi0.6Co0.2Mn0.22、LiNi0.7Co0.2Mn0.12、LiNi0.8Co0.1Mn0.12等が挙げられる。
上記式(4c)で表される層状酸化物としては、LiNi0.8Co0.15Al0.052等が挙げられる。
上記式(5)で表される複合酸化物としては、特に限定されないが、正極活物質の構造安定性をより優れたものとする観点から、複合層状酸化物が好ましく、具体的には、
下記式(5a)
zLi2MnO3−(1−z)LiNiaMnbCoc2・・・(5a)
(式中、0.3≦z≦0.7であり、a+b+c=1、0.2≦a≦0.6、0.2≦b≦0.6、0.05≦c≦0.4である。)
で表される複合酸化物がより好ましく、中でも、
上記式(5a)において、0.4≦z≦0.6、a+b+c=1、0.3≦a≦0.4、0.3≦b≦0.4、0.2≦c≦0.3である複合酸化物が特に好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
上記式(6)で表される化合物としては、特に限定されないが、正極活物質の安定性、電子伝導性等の観点から、オリビン型化合物が好ましく、具体的には、
下記式(6a)
LiMn1-yFeyPO4・・・(6a)
(式中、0.05≦y≦0.8である。)、
下記式(6b)
LiCo1-yFeyPO4・・・(6b)
(式中、0.05≦y≦0.8である。)
で表される化合物がより好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
上記式(7)で表される化合物であるフッ化オリビン型正極活物質としては、特に限定されないが、正極活物質の構造安定性をより優れたものとする観点から、Li2FePO4F、Li2MnPO4F、及びLi2CoPO4Fが好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
正極活物質は、一般的な無機酸化物の製造方法と同様の方法で製造することができる。
正極活物質の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、所定の割合で金属塩(例えば、硫酸塩及び/又は硝酸塩)を混合した混合物を、酸素を含む雰囲気環境下で焼成することによって、無機酸化物を含む正極活物質を得る方法、金属塩を溶解させた液に炭酸塩及び/又は水酸化物塩を作用させて、難溶性の金属塩を析出させ、それを抽出分離し、次いで、これにリチウム源として炭酸リチウム及び/又は水酸化リチウムを混合し、その後、酸素を含む雰囲気環境下で焼成することによって、無機酸化物を含む正極活物質を得る方法等が挙げられる。
正極は、例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、上記正極活物質に対して、必要に応じて、導電助剤やバインダー等を加えて混合した正極合剤を溶剤に分散させて正極合剤を含有するペーストを調製する。次いで、このペーストを正極集電体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、それを必要に応じて加圧し厚さを調整することによって、正極を作製することができる。
正極集電体としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム箔、又はステンレス箔等の金属箔により構成されるもの等が挙げられる。
正極の作製において、必要に応じて用いられる導電助剤としては、特に限定されないが、例えば、グラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、炭素繊維等が挙げられる。
正極の作製において、必要に応じて用いられるバインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
−負極−
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、負極を備えることが好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池に用いられる負極は、リチウムイオン二次電池の負極として作用するものであれば、特に限定されず、公知のものとすることができる。
正極は、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料を含有する負極活物質を含むことが好ましく、必要に応じて、負極集電体、導電助剤、バインダーを含んでよい。
−−負極活物質−−
負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、炭素負極活物質;ケイ素合金負極活物質及びスズ合金負極活物質に代表されるリチウムと合金形成が可能な元素を含む負極活物質;ケイ素酸化物負極活物質;スズ酸化物負極活物質;及びチタン酸リチウム負極活物質に代表されるリチウム含有化合物等が挙げられる。これらの負極活物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
炭素負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、ハードカーボン、ソフトカーボン、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛、熱分解炭素、コークス、ガラス状炭素、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、グラファイト、炭素コロイド、カーボンブラック等が挙げられる。
コークスとしては、特に限定されないが、例えば、ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等が挙げられる。また、有機高分子化合物の焼成体とは、特に限定されないが、フェノール樹脂やフラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して、炭素化したものである。
リチウムと合金形成が可能な元素を含む負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、金属又は半金属の単体であっても、合金や化合物であってもよく、また、金属及び半金属の1種又は2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものであってもよい。
なお、合金としては、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含む。また、合金は、その全体として金属の性質を有するものであれば、非金属元素を有していてもよい。
金属元素及び半金属元素としては、特に限定されないが、例えば、チタン(Ti)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等が挙げられる。これらの中でも、長周期型周期表における4族又は14族の金属元素及び半金属元素が好ましく、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、及びスズ(Sn)が特に好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
負極は、例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、負極に必要に応じて上記負極活物質と共に含められる導電助剤やバインダー等を加えて混合した負極合剤を溶剤に分散させて負極合剤を含有するペーストを調製する。次いで、このペーストを負極集電体に塗布し、乾燥させることによって、負極集電体上に負極合剤層を形成する。続いて、これを必要に応じて加圧して負極合剤層の厚さを調整することによって、負極を得る。
負極集電体としては、特に限定されないが、例えば、銅箔、ニッケル箔又はステンレス箔等の金属箔により構成されるものが挙げられる。
なお、導電助剤及びバインダーは、正極の作製において用いられるものと同様としてよい。
−セパレータ−
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、正負極の短絡を防止する観点、及びシャットダウン等の安全性を付与する観点から、正極と負極との間にセパレータを備えることが好ましい。
セパレータとしては、特に限定されないが、例えば、公知のリチウムイオン二次電池に備えられるものと同様のものとしてよく、中でも、イオン透過性が大きく機械的強度に優れる絶縁性の薄膜が好ましい。具体的には、セパレータとしては、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜等が挙げられ、中でも、合成樹脂製微多孔膜が好ましい。ここで、不織布としては、特に限定されないが、例えば、セラミック、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、液晶ポリエステル、アラミド等の耐熱樹脂製の多孔膜等が挙げられる。合成樹脂製微多孔膜としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分として含有する微多孔膜、これらのポリオレフィンを共に含有する微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜等が挙げられる。
セパレータは、1種の微多孔膜を単層又は複数層積層したものであってもよく、2種以上の微多孔膜を積層したものであってもよい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、前述の、本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液と、正極活物質を含有する正極と、負極活物質を含有する負極と、必要に応じて、セパレータと、電池外装とを用いて、公知の方法により作製することができる。
例えば、正極と負極とをその間にセパレータを介在させた積層状態で巻回して巻回構造の積層体に成形したり、正極及び負極を折り曲げたり複数ずつ積層したりすることによって交互に積層させて、正極と負極との間にセパレータを介在させて得られる積層体に成形したりし、次いで、電池外装(電池ケース)内にその積層体を収容し、続いて、本実施形態の非水蓄電デバイス用電解液をケース内部に注液して、上記積層体をその電解液に浸漬し、最後に、電池外装を封印することによって、本実施形態のリチウムイオン二次電池を作製することができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されないが、例えば、円筒形、楕円形、角筒型、ボタン形、コイン形、扁平形、及びラミネート形が好適に採用される。
図1に、本実施形態におけるリチウムイオン二次電池の一例を概略的に断面図で示す。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の一例100は、セパレータ110と、正極活物質120等を正極集電体140に塗布してなる正極200と、負極活物質130等を負極集電体150に塗布してなる負極300と、これらからなる積層体を収容する電池外装160とを備える。ここで、正極200と負極300とは、正極活物質120と負極活物質130とを対向させる態様で、セパレータ110を両側から挟んでいる。また、正極200とセパレータ110と負極300とを積層した積層体は、電解液(図示せず)に含浸されている。
なお、図1に示す一例では、セパレータ110、正極200、負極300を含む積層体を1つ含むものであるが、本発明のリチウムイオン二次電池は、これに限定されることなく、積層体を複数含むものとしてよい。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において使用された分析方法及び評価方法は、以下の通りである。
(1)核磁気共鳴分析(NMR):1H−NMR、13C−NMR、31P−NMRによる分子構造解析
測定装置:JNM−GSX400G型核磁気共鳴装置(400MHz)(日本電子株式会社製)
溶媒:重クロロホルム
基準物質:1H−NMR クロロホルム(7.26ppm)、13C−NMR クロロホルム(77.16ppm)、31P−NMR 85%リン酸(0ppm)
(2)リチウムイオン二次電池の電池性能評価(1)
得られたシート状リチウムイオン二次電池を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名:PLM−73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名:ACD−01)に接続し、16時間静置した。次いで、その電池を、0.05Cの定電流で充電して、電圧が4.35Vに到達してから4.35Vの定電圧で2時間充電した後、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電するという充放電サイクルを、3回繰り返すことによって、電池の初期充放電を行った。なお、1Cとは、電池の全容量を1時間で放電させる場合の電流値を示す。
上記初期充放電後、50℃に設定した恒温槽に上記電池を収容し、その電池を、1Cの定電流で充電して、電圧が4.35Vに到達してから4.35Vの定電圧で1時間充電した後、1Cの定電流で3.0Vまで放電するという充放電サイクルを、150回繰り返すことによって、電池のサイクル試験を行った。
1サイクル目の放電容量(mAh)、100サイクル目の放電容量(mAh)、150サイクル目の放電容量(mAh)を、1Cの定電流で放電するという条件で測定し、正極活物質の重量(g)で除した(mAh/g)。また、サイクル試験での電池の容量維持率(%)(1サイクル目の初期容量:100%)を算出した。
また、1サイクル目、100サイクル目、150サイクル目の放電時初期10秒のIRドロップから、各サイクル目における電池抵抗(Ω)を測定した。
(3)リチウムイオン二次電池の電池性能評価(2)
得られたコイン型リチウムイオン二次電池を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名:PLM−73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名:ACD−01)に接続し、16時間静置した。次いで、その電池を、0.05Cの定電流で充電して、電圧が4.45Vに到達してから4.45Vの定電圧で2時間充電した後、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電するという充放電サイクルを、3回繰り返すことによって、電池の初期充放電を行った。
上記初期充放電後、25℃に設定した恒温槽に上記電池を収容し、その電池を、1Cの定電流で充電して、電圧が4.35Vに到達してから4.35Vの定電圧で1時間充電した後、1Cの定電流で3.0Vまで放電するという充放電サイクルを、1200回繰り返すことによって、電池のサイクル試験を行った。
1サイクル目の放電容量(mAh)、600サイクル目の放電容量(mAh)、1200サイクル目の放電容量(mAh)を、1Cの定電流で放電するという条件で測定し、正極活物質の重量(g)で除した(mAh/g)。また、サイクル試験での電池の容量維持率(%)(1サイクル目の初期容量:100%)を算出した。
また、1サイクル目、600サイクル目、1200サイクル目の放電時初期10秒のIRドロップから、各サイクル目における電池抵抗(Ω)を測定した。
(4)正極活物質の放電容量評価
得られたシート状リチウムイオン二次電池を、25℃に設定した恒温槽(二葉科学社製、商品名:PLM−73S)に収容し、充放電装置(アスカ電子(株)製、商品名:ACD−01)に接続し、16時間静置した。次いで、その電池を、0.05Cの定電流で充電して、電圧が4.45Vに到達してから4.45Vの定電圧で2時間充電した後、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電するという充放電サイクルを、3回繰り返すことによって、電池の初期充放電を行った。
上記初充放電後、0.05Cの定電流で充電して、電圧が4.45Vに到達してから4.45Vの定電圧で2時間充電した後、0.1Cの定電流で3.0Vまで放電し、放電開始から電池電圧が4.25Vまでの放電容量を確認した。なお、得られたシート状リチウムイオン二次電池は、負極に後述の炭素負極活物質を用いており、二次電池の電圧が4.25Vの場合に、リチウム基準の正極電位は4.3V(vsLi/Li+)であるとみなすことができる。
(実施例1)
<O=P(OC25)(OSi(CH332(化合物(A)、電解液添加剤)の合成>
窒素置換した反応容器に、塩化ホスホリル(和光純薬社製、商品名:165−02282)15.0g(97.8mmol)を投入し、容器を0℃に冷却した。反応容器に、エタノール(和光純薬社製、商品名:321−00025)4.5g(97.8mmol)とジメトキシエタン(和光純薬社製、商品名:042−21782)15mLとの混合溶液を滴下し、混合物を、大気圧下、0℃で30分間撹拌した。この混合物を、更に、大気圧下、25℃で2時間撹拌した。
反応容器を0℃に冷却し、反応容器に水7.1g(394.8mmol)を滴下し、混合物を、大気圧下、0℃で30分間撹拌した。この混合物を、更に、大気圧下、25℃で2時間撹拌した。次いで、得られた生成物に対して、60℃で2時間、減圧加熱濃縮を行って、無色透明の液体を得た。
上記無色透明の液体に、シクロペンチルメチルエーテル(和光純薬社製、商品名:031−19845)30mLを加え、次いで、反応容器にヘキサメチルジシラザン(和光純薬社製、商品名:S09625)94.7g(586.8mmol)を滴下し、125℃で4時間還流しながら撹拌した。
その後、得られた生成物に対して、減圧蒸留を行って、無色透明の液体15.5gを得た。
1H−NMR、31P−NMRから、得られた液体はO=P(OC25)(OSi(CH332であることを確認した。
1H−NMR(ppm in CDCl3) δ 0.53(s、18H)、1.53(t、3H)、4.23(m、2H)
31P−NMR(ppm in CDCl3) δ −16.10
<電解液の作製>
非水溶媒としてのエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合したものに、リチウム塩としてのLiPF6を1mol/L含有させた溶液(9.80g)に、上記合成により得たO=P(OC25)(OSi(CH332 0.20gを含有させて、電解液を調製した。電解液中のO=P(OC25)(OSi(CH332の含有量は2.0質量%であり、且つ電解液中のLiPF6の含有量は13質量%であった。
<正極シートの作製>
正極活物質として粒子径7.9μm(D50)を有するリチウム・ニッケル・マンガン・コバルト混合酸化物(LiNi0.5Co0.2Mn0.32)(式(4a))と、導電助剤としてカーボンブラック粉末(Timcal社製、商品名:SuperP Li)と、バインダーとしてPVDFとを、混合酸化物:導電助剤:バインダー=100:3.5:3の質量比で混合した。得られた混合物にN−メチル−2−ピロリドンを全体の固形分濃度が58質量%となるように投入し、混合物を更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ15μmの正極集電体としてのアルミニウム箔の両面に塗布し、溶剤を乾燥除去し、その後、塗布されたアルミニウム箔をロールプレスでプレスして、正極シートを得た。
<負極シートの作製>
負極活物質として粒子径22μm(D50)の黒鉛粉末(日立化成社製、商品名:MAG)と、バインダー(日本ゼオン社製、商品名:BM400B)と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(ダイセル社製、商品名:#2200)とを、黒鉛粉末:バインダー:増粘剤=100:1.5:1.1の質量比で、全体の固形分濃度が45質量%になるように混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ10μmの負極集電体としての銅箔の片面、及び両面に塗布し、溶剤を乾燥除去し、その後、塗布された銅箔をロールプレスでプレスして、負極シートを得た。
<シート状リチウムイオン二次電池の作製>
上述のようにして作製した正極シート及び負極シートを角型に打ち抜いて、正極及び負極を得た。得られた正極及び負極を、それぞれの活物質の対向面にポリエチレン製の微多孔膜からなるセパレータを挟みながら、片面塗工負極/両面塗工正極/両面塗工負極/両面塗工正極/片面塗工負極の順に積層した。次いで、得られた4対向積層体を、アルミニウム箔(厚さ40μm)の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムからなる袋(電池外装)の内部に正負極の端子を突設させながら挿入した。その後、上述のようにして作製した電解液を0.8mL袋内に注入し、袋に真空封止を行うことによって、シート状リチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1のシート状リチウムイオン二次電池について、(2)に記載の方法で、サイクル試験を行ったところ、1サイクル目の放電容量は184mAh/gであり、100サイクル目、150サイクル目の放電容量はそれぞれ、168mAh/g、152mAh/gと高く、また、1サイクル目の電池抵抗は0.33Ωであり、100サイクル目、150サイクル目の電池抵抗はそれぞれ、0.75Ω、1.10Ωと低い値を示した。電池性能評価の結果を表1に示す。
また、実施例1のシート状リチウムイオン二次電池について、(4)に記載の方法で、正極活物質の放電容量評価を行ったところ、16mAh/gであった。よって、実施例1のシート状リチウムイオン二次電池における正極活物質は、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有することがわかった。正極活物質の放電容量評価の結果を表1に示す。
(実施例2)
<O=P(OCH3)(OSi(CH332(化合物(A)、電解液添加剤)の合成>
窒素置換した反応容器に、塩化ホスホリル(和光純薬社製、商品名:165−02282)15.0g(97.8mmol)を投入し、容器を0℃に冷却した。反応容器に、メタノール(和光純薬社製、商品名:134−11821)3.1g(97.8mmol)とジメトキシエタン(和光純薬社製、商品名:042−21782)15mLとの混合溶液を滴下し、混合物を、大気圧下、0℃で30分間撹拌した。この混合物を、更に、大気圧下、25℃で2時間撹拌した。
反応容器を0℃に冷却し、反応容器に水7.1g(394.8mmol)を滴下し、混合物を、大気圧下、0℃で30分間撹拌した。この混合物を、更に、大気圧下、25℃で2時間撹拌した。次いで、得られた生成物に対して、60℃で2時間、減圧加熱濃縮を行って、無色透明の液体を得た。
上記無色透明の液体に、シクロペンチルメチルエーテル(和光純薬社製、商品名:031−19845)30mLを加え、次いで、反応容器にヘキサメチルジシラザン(和光純薬社製、商品名:S09625)94.7g(586.8mmol)を滴下し、125℃で4時間還流しながら撹拌した。
その後、得られた生成物に対して、減圧蒸留を行って、無色透明の液体15.5gを得た。
1H−NMR、31P−NMRから、得られた液体はO=P(OCH3)(OSi(CH332であることを確認した。
1H−NMR(ppm in CDCl3) δ 0.54(s、18H)、3.88(t、3H)
31P−NMR(ppm in CDCl3) δ −15.0
<電解液の作製>
非水溶媒としてのエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合したものに、リチウム塩としてのLiPF6を1mol/L含有させた溶液(9.80g)に、上記合成により得たO=P(OCH3)(OSi(CH332 0.20gを含有させて、電解液を調製した。電解液中のO=P(OCH3)(OSi(CH332の含有量は2.0質量%であり、且つ電解液中のLiPF6の含有量は13質量%であった。
上記の点以外については実施例1と同様に、正極シートの作製、負極シートの作製、シート状リチウムイオン二次電池の作製を行った。
実施例2のシート状リチウムイオン二次電池について、(2)に記載の方法で、サイクル試験を行ったところ、1サイクル目の放電容量は184mAh/gであり、100サイクル目、150サイクル目の放電容量はそれぞれ、167mAh/g、154mAh/gと高く、また、1サイクル目の電池抵抗は0.36Ωであり、100サイクル目、150サイクル目の電池抵抗はそれぞれ、0.77Ω、0.91Ωと低い値を示した。電池性能評価の結果を表1に示す。
また、実施例2のシート状リチウムイオン二次電池について、(4)に記載の方法で、正極活物質の放電容量評価を行ったところ、16mAh/gであった。よって、実施例2のシート状リチウムイオン二次電池における正極活物質は、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有することがわかった。正極活物質の放電容量評価の結果を表1に示す。
(比較例1)
<電解液の作製>
非水溶媒としてのエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合したものに、リチウム塩としてLiPF6を1mol/L含有させた溶液(10.00g)を電解液として用いた。電解液中のLiPF6の含有量は13質量%であった。比較例1では、化合物(A)を用いなかった。
上記の点以外については実施例1と同様に、正極シートの作製、負極シートの作製、シート状リチウムイオン二次電池の作製を行った。
比較例1のシート状リチウムイオン二次電池について、(2)に記載の方法で、サイクル試験を行ったところ、1サイクル目の放電容量は184mAh/gであり、100サイクル目、150サイクル目の放電容量はそれぞれ、144mAh/g、67mAh/gであり、また、1サイクル目の電池抵抗は0.32Ωであり、100サイクル目、150サイクル目の電池抵抗はそれぞれ、2.01Ω、3.34Ωであった。電池性能評価の結果を表1に示す。
また、比較例1のシート状リチウムイオン二次電池について、(3)に記載の方法で、正極活物質の放電容量評価を行ったところ、16mAh/gであった。よって、比較例1のシート状リチウムイオン二次電池における正極活物質は、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有することがわかった。正極活物質の放電容量評価の結果を表1に示す。
(比較例2)
<電解液の作製>
非水溶媒としてのエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合したものに、リチウム塩としてLiPF6を1mol/L含有させた溶液(9.80g)に、O=P(OSi(CH333(アルドリッチ社製、商品名:275794)0.20gを含有させて、電解液を調製した。電解液中のO=P(OSi(CH333の含有量は2.0質量%であり、且つ電解液中のLiPF6の含有量は13質量%であった。
上記の点以外については実施例1と同様に、正極シートの作製、負極シートの作製、シート状リチウムイオン二次電池の作製を行った。
比較例2のシート状リチウムイオン二次電池について、(2)に記載の方法で、サイクル試験を行ったところ、1サイクル目の放電容量は179mAh/gであり、100サイクル目、150サイクル目の放電容量はそれぞれ、162mAh/g、152mAh/gであり、また、1サイクル目の電池抵抗は0.40Ωであり、100サイクル目、150サイクル目の電池抵抗はそれぞれ、1.51Ω、1.65Ωであった。電池性能評価の結果を表1に示す。
また、比較例2のシート状リチウムイオン二次電池について、(3)に記載の方法で、正極活物質の放電容量評価を行ったところ、16mAh/gであった。よって、比較例2のシート状リチウムイオン二次電池における正極活物質は、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有することがわかった。正極活物質の放電容量評価の結果を表1に示す。
Figure 2016196452
得られた結果を表1に示す。表1からもわかるように、化合物(A)を用いることによって、サイクル試験での容量維持率が改善されるだけでなく、サイクル試験での電池抵抗の増大も大幅に抑制されることがわかる
(実施例3)
<電解液の作製>
非水溶媒としてのエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合したものに、リチウム塩としてのLiPF6を1mol/L含有させた溶液(9.95g)に、上記合成により得た化合物(O=P(OCH3)(OSi(CH332 0.05gを含有させて、電解液を調製した。電解液中の化合物(O=P(OCH3)(OSi(CH332)の含有量は0.5質量%であり、且つ電解液中のLiPF6の含有量は13質量%であった。
<正極シートの作製>
正極活物質としてLiCoO2(日本化学工業社製)と、導電助剤としてアセチレンブラックの粉末(電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(クレハ社製、商品名:KFポリマー)とを、90:6:4の固形分質量比で混合した。得られた混合物に分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを全体の固形分濃度が40質量%となるように添加し、混合物を更に混合して、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去し、その後、アルミニウム箔をロールプレスで圧延して、正極シートを得た。
<負極シートの作製>
負極活物質としてグラファイト粉末(大阪ガスケミカル社製、商品名「OMAC1.2H/SS」)及び別のグラファイト粉末(TIMCAL社製、商品名:SFG6)と、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、90:10:1.5:1.8の固形分質量比で混合した。得られた混合物を、固形分濃度が45質量%となるように、分散溶媒としての水に添加して、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ18μmの銅箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去し、その後、銅箔をロールプレスで圧延して、負極シートを得た。
<コイン型リチウムイオン二次電池の作製>
上述のようにして作製した正極シート及び負極シートを、それぞれ、直径16mmの円盤状に打ち抜いて、正極及び負極を得た。得られた正極及び負極を、ポリプロピレン製の微多孔膜からなるセパレータ(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)の両側に重ね合わせた。次いで、得られた積層体を、ステンレス製の円盤型電池ケース(外装体)に挿入した。続いて、そこに、上述のようにして作製した電解液を0.2mL注入し、積層体を電解液に浸漬した後、電池ケースを密閉することによって、コイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
実施例3のコイン型リチウムイオン二次電池について、(3)に記載の方法で、サイクル試験を行ったところ、1サイクル目の放電容量は154mAh/gであり、600サイクル目、1200サイクル目の放電容量は、それぞれ120mAh/g、90mAh/gと高く、また、1サイクル目の電池抵抗は25Ωであり、600サイクル目、1200サイクル目の電池抵抗はそれぞれ、41Ω、63Ωと低い値を示した。電池性能評価の結果を表2に示す。
(比較例3)
比較例1と同様の電解液を調製して用いた以外については実施例3と同様に、正極シートの作製、負極シートの作製、コイン型リチウムイオン二次電池の作製を行った。
比較例3のコイン型リチウムイオン二次電池について、(3)に記載の方法で、サイクル試験を行ったところ、1サイクル目の放電容量は159mAh/gであり、600サイクル目、1200サイクル目の放電容量は、それぞれ106mAh/g、45mAh/gであった。また、1サイクル目の電池抵抗は13Ωであり、600サイクル目、1200サイクル目の電池抵抗はそれぞれ、31Ω、71Ωであった。電池性能評価の結果を表2に示す。
Figure 2016196452
得られた結果を表2に示す。表2からもわかるように、化合物(A)を用いることによって、サイクル試験での容量維持率が改善されるだけでなく、サイクル試験での電池抵抗の増大も大幅に抑制されることがわかる。
本発明によれば、高電圧で作動し、且つ、サイクル寿命の低下、及びサイクル時の抵抗の増大を抑制することが可能なリチウムイオン二次電池、そのようなリチウムイオン二次電池を与えることのできる、化合物、非水蓄電デバイス用電解液添加剤、非水蓄電デバイス用電解液を提供することができる。
本発明の化合物、非水蓄電デバイス用電解液添加剤、非水蓄電デバイス用電解液、リチウムイオン二次電池は、各種民生用機器用電源、自動車用電源の分野において産業上の利用可能性を有する。
100:リチウムイオン二次電池、110:セパレータ、120:正極活物質、130:負極活物質、140:正極集電体、150:負極集電体、160:電池外装、200:正極、300:負極

Claims (11)

  1. 下記式(1)で表されることを特徴とする、化合物(A)。
    Figure 2016196452
    (式中、Mはリン又はホウ素を示し、Mがリンのときnは0又は1の整数を示し、Mがホウ素のときnは0の整数を示し、mは1又は2の整数を示し、R1、R2、及びR3は各々独立に置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R4は置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基、但し、R4に隣接する酸素原子と結合する原子は炭素原子である、を示す。)
  2. 下記式(2)で表される、請求項1に記載の化合物(A)。
    Figure 2016196452
    (式中、nは0又は1の整数を示し、R1、R2、及びR3は各々独立に置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R4は置換又は非置換の炭素数1〜20の炭化水素基、但し、R4に隣接する酸素原子と結合する原子は炭素原子である、を示す。)
  3. 請求項1又は2に記載の化合物(A)を含有することを特徴とする、非水蓄電デバイス用電解液添加剤。
  4. 請求項3に記載の非水蓄電デバイス用電解液添加剤と、リチウム塩(B)と、非水溶媒とを含有することを特徴とする、非水蓄電デバイス用電解液。
  5. 前記化合物(A)の含有量が、前記電解液100質量%に対して、0.1質量%以上10質量%以下である、請求項4に記載の非水蓄電デバイス用電解液。
  6. 前記非水溶媒が、環状カーボネート及び鎖状カーボネートを含有する、請求項4又は5に記載の非水蓄電デバイス用電解液。
  7. 前記環状カーボネートが、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートからなる群より選ばれる1種以上を含み、
    前記鎖状カーボネートが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートからなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項4〜6のいずれか1項に記載の非水蓄電デバイス用電解液。
  8. 正極活物質を含有する正極と、
    負極活物質を含有する負極と、
    請求項4〜7のいずれか1項に記載の非水蓄電デバイス用電解液と、
    を備えることを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
  9. 前記正極活物質が、4.3V(vsLi/Li+)以上の電位で10mAh/g以上の放電容量を有する、請求項8に記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 前記正極活物質が、
    下記式(3)で表される酸化物
    LiMn2-xMax4・・・(3)
    (式中、Maは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示し、0.2≦x≦0.7である。)、
    下記式(4)で表される酸化物
    LiMeO2・・・(4)
    (式中、Meは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。)、
    下記式(5)で表される複合酸化物
    zLi2McO3−(1−z)LiMdO2・・・(5)
    (式中、Mc及びMdは各々独立に遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示し、0.1≦z≦0.9である。)、
    下記式(6)で表される化合物
    LiMb1-yFeyPO4・・・(6)
    (式中、MbはMn及びCoからなる群より選ばれる1種以上を示し、0≦y≦0.9である。)、
    下記式(7)で表される化合物
    Li2MfPO4F・・・(7)
    (式中、Mfは遷移金属からなる群より選ばれる1種以上を示す。)
    からなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項8又は9に記載のリチウムイオン二次電池。
  11. 満充電時におけるリチウム基準の正極電位が、4.3V(vsLi/Li+)以上である、請求項8〜10のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
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